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特表2023-531498液体製品を調製するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】液体製品を調製するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A47J31/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579066
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 NL2021050390
(87)【国際公開番号】W WO2021261994
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】20181420.9
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505310426
【氏名又は名称】フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドルーテン、ヴィーベ ニコラース
(72)【発明者】
【氏名】ボトマン、マールテン ヨアンネス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ヘイユニンク、ヴィリブロルダ アントニア マリア
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA23
4B104BA01
4B104BA63
4B104DA41
4B104EA10
(57)【要約】
液体製品、例えば飲料を調製するためのシステム。システムは、製品濃縮物を保持するための濃縮物ホルダと、製品フィードスルーチャネルと、製品濃縮物の流れを前記ホルダから前記製品フィードスルーチャネルに給送するための濃縮物供給チャネルとを含む製品調製アセンブリを含む。濃縮物供給チャネルは、製品濃縮物の流れを調整するためのバルブ部材を備え、バルブ部材は、濃縮物供給チャネルに対して、濃縮物の流れが遮断される第1の位置と、濃縮物の流れが可能にされる第2の位置との間で移動可能である。システムは、製品調製アセンブリと協働するように構成された製品調製装置を含む。装置は、特にバルブ部材を介して製品フィードスルーチャネルに液体の流れを供給するための液体インジェクタを含み、液体インジェクタは、バルブ部材を移動させるためにバルブ部材と係合するように構成される。装置は、液体インジェクタの作動による、位置の範囲に沿ったバルブ部材の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラを含み、前記位置の範囲は、第1の位置と第2の位置との間に延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製品、例えば飲料を調製するためのシステム(S)であって、
- 製品調製アセンブリ(1)であって、
- 製品濃縮物(3)を保持するための濃縮物ホルダ(2)と、
- 製品フィードスルーチャネル(19)と、
- 製品濃縮物(3)の流れを前記ホルダ(2)から前記製品フィードスルーチャネル(19)に給送するための濃縮物供給チャネル(20)であって、前記製品濃縮物の流れを調整するためのバルブ部材(57)を備え、前記バルブ部材(57)は、前記濃縮物供給チャネル(20)に対して、前記濃縮物の流れが遮断される第1の位置と、前記濃縮物の流れが可能にされる第2の位置との間で移動可能である、濃縮物供給チャネル(20)と
を含む製品調製アセンブリ(1)と、
- 前記製品調製アセンブリ(1)と協働するように構成された製品調製装置(36)であって、
- 特に前記バルブ部材(57)を介して前記製品フィードスルーチャネル(19)に液体の流れを供給するための液体インジェクタ(56)であって、前記バルブ部材(57)を移動させるために前記バルブ部材(57)と係合するように構成される液体インジェクタ(56)と、
- 例えば前記液体の流れの前記供給中、前記液体インジェクタ(56)の作動による、位置の範囲に沿った前記バルブ部材(57)の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラ(53、58)であって、前記位置の範囲は、前記第1の位置と前記第2の位置との間に延び、前記バルブ部材(57)の前記移動を制御することは、前記バルブ部材(57)を前記第1の位置と前記第2の位置との間の中間位置に位置決めすることを含む、コントローラ(53、58)と
を含む製品調製装置(36)と
を含むシステム(S)。
【請求項2】
前記製品調製装置(36)は、
- 前記液体インジェクタ(56)とは別個の、前記製品調製アセンブリ(1)にガスの流れを供給するためのガスインジェクタ(42、44、46)
を含み、
前記製品調製アセンブリ(1)は、特に前記製品フィードスルーチャネル(19)の下流の前記製品調製アセンブリの混合セクション(12)において、前記ガスの流れを製品の流れと混合するように構成され、好ましくは、前記混合セクション(12)は、精密ろ過デバイス(11)を含み、前記精密ろ過デバイス(11)は、ガス透過孔を含み、使用中、前記ガス透過孔を通して前記ガスの流れが前記製品の流れに給送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記製品調製装置(36)は、
- 少なくとも1つの流れ、例えば前記製品濃縮物の流れ、前記液体の流れ、前記ガスの流れ及び/又は製品の流れの少なくとも1つの特性を測定するための測定ユニット(40)
を含み、
前記コントローラ(53、58)は、前記測定ユニット(40)によって測定された前記少なくとも1つの特性と関連する入力を受け取るために、前記測定ユニット(40)に動作可能に接続され、前記コントローラ(53、58)は、前記少なくとも1つの特性に少なくとも部分的に依存して、前記バルブ部材(57)の前記移動を制御するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記液体インジェクタ(56)は、前記製品調製アセンブリ(1)、特に前記濃縮物供給チャネル(20)に対する前記液体インジェクタ(56)の位置を制御可能に変更するための位置決めアセンブリ(58)を備え、
前記位置決めアセンブリ(58)は、前記液体インジェクタ(56)と少なくとも選択的に係合される位置決めアクチュエータ(60)、例えばモータ(60)と、好ましくは、前記位置決めアクチュエータ(60)及び/又は前記液体インジェクタ(56)の位置及び/又は位置変化を検知するための位置決めセンサ(61)、特にエンコーダ(61)とを含み、
好ましくは、前記位置決めアセンブリ(58)は、前記位置決めアクチュエータ(60)と前記液体インジェクタ(56)との間の伝導を提供する、相互に係合した歯車(62、63)のセットを含み、前記歯車(62、63)のセットは、前記位置決めアクチュエータ(60)に接続された駆動歯車(62)と、前記液体インジェクタ(56)に接続された従動歯車(63)とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラ(53、58)は、少なくとも2つの異なるモード、特に使用者選択可能モードの1つで選択的に動作可能であり、前記モードのそれぞれは、前記バルブ部材(57)の前記移動を制御する、特に前記移動を測定値に依存して制御するための少なくとも1つのそれぞれの規則を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記製品調製装置(36)は、前記位置の範囲に沿って前記バルブ部材(57)の運動の速度を徐々に変化させるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記製品調製装置(36)は、続いて前記バルブ部材(57)を前記位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めするように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記製品調製アセンブリ(1)及び前記製品調製装置(36)は、前記ホルダ(2)から前記濃縮物供給チャネル(20)を通して前記製品フィードスルーチャネル(19)に製品濃縮物を少なくとも選択的に圧送するためのエダクターポンプ(4)を一緒に形成するように構成され、前記エダクターポンプ(4)は、使用中、前記液体の流れによって駆動される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記製品調製装置(36)は、前記液体の流れを加熱する、特に前記製品調製アセンブリ(1)の前記製品フィードスルーチャネル(19)に前記液体の流れを供給する前に加熱するためのヒータ(39)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
特に請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム(S)を形成するために、製品調製アセンブリ(1)と協働するように明らかに構成された製品調製装置(36)であって、前記製品調製アセンブリ(1)の製品フィードスルーチャネル(19)に液体の流れを供給するための液体インジェクタ(56)を含み、前記液体インジェクタ(56)は、前記製品調製アセンブリ(1)のバルブ部材(57)と、前記バルブ部材(57)を制御可能に移動させるために係合するように構成され、前記製品調製装置(36)は、例えば、前記液体の流れの前記供給中、前記液体インジェクタ(56)の作動による、位置の範囲に沿った前記バルブ部材(57)の前記移動を自動的に制御するように構成されたコントローラ(53、58)を含み、前記バルブ部材(57)の前記移動を自動的に制御することは、前記バルブ部材(57)を前記第1の位置と前記第2の位置との間の中間位置に位置決めすることを含む、製品調製装置(36)。
【請求項11】
液体製品を調製する方法であって、
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の液体製品を調製するためのシステム(S)を提供することと、
- 前記バルブ部材(57)を前記液体インジェクタ(56)によって係合させることと、
- 前記液体の流れを、特に前記バルブ部材(57)を介して前記製品フィードスルーチャネル(19)に供給することと、
- 例えば、前記供給前、その間及び/又はその後、前記バルブ部材(57)を、例えば前記液体の流れの前記供給中、前記液体インジェクタ(56)の作動により、前記位置の範囲に沿って例えば自動的に制御可能に移動させることであって、前記バルブ部材(57)を前記第1の位置と前記第2の位置との間の中間位置に位置決めすることを含む、移動させることと
を含む方法。
【請求項12】
- 特性、例えば流れ、特に前記製品調製装置(36)から前記製品調製アセンブリ(1)への流れ、例えば液体の流れ及び/又はガスの流れの流量の測定値を得ること
を更に含み、
前記バルブ部材(57)を制御可能に移動させることは、前記得られた測定値に依存する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バルブ部材(57)を制御可能に移動させることは、前記位置の範囲に沿って前記バルブ部材(57)の運動の速度を徐々に変化させることを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記バルブ部材(57)を制御可能に移動させることは、続いて前記バルブ部材(57)を前記位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めすることを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
- 特に前記液体の流れとは別個に前記製品調製アセンブリ(1)にガスの流れを供給すること、及び
- 特に前記供給前に前記液体の流れを加熱すること
の少なくとも1つを更に含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、飲料などの液体製品を調製するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなシステム及び方法は、一般的に知られている。一例として、国際公開第2014/069993A1号パンフレットは、発泡食品製品を調製するためのシステムを記載している。前記システムは、前記発泡食品製品を調製するための製品調製装置と、発泡食品製品のための使い捨てアセンブリとを含む。
【0003】
前記既知のシステムの使い捨てアセンブリは、前記液体食品製品を濃縮形態で収容するホルダと;エダクターと;精密ろ過デバイスと;前記エダクターの出口と、前記精密ろ過デバイスの製品入口とを接続する移送管と;前記ホルダと、前記エダクターの濃縮液体食品入口とを接続する濃縮液体食品製品管と;前記エダクターの水入口と、使い捨てアセンブリの水接続部とを接続する水入口管であって、前記水接続部は、加圧下の外部水源に接続するように構成され、前記エダクターの前記液体食品入口は、前記エダクターの前記水入口と前記出口との間に位置決めされる、水入口管と;前記精密ろ過デバイスと、前記使い捨てアセンブリのガス接続部とを接続するガス入口管であって、前記ガス接続部は、加圧下の外部ガス源に接続するように構成される、ガス入口管と;精密ろ過デバイスによって作製された発泡食品製品を使い捨てアセンブリから排出するために、精密ろ過デバイスの出口と、使い捨てアセンブリの出口接続部とを接続する発泡食品製品出口管とを含む。
【0004】
前記既知のシステムの製品調製装置は、水源と;水を加熱するためのヒータと;水を加圧するための手段であって、使い捨てアセンブリのエダクターの水入口に水を供給するために、使い捨てアセンブリの水接続部に着脱可能に接続するように構成される、水を加圧するための手段と;加圧ガス源であって、精密ろ過デバイスのガス入口に加圧ガスを供給するために、前記使い捨てアセンブリのガス接続部に着脱可能に接続するように構成される、加圧ガス源とを含む。
【0005】
既知のシステムは、多くの利点を有するが、特に多様な動作条件下において且つ/又は多様な製品組成仕様に対して優れた製品品質を提供するために、液体製品の調製プロセスをより正確に制御することに関して更なる向上の必要性が生じている。多様な動作条件は、例えば、システムを別のシステムと統合することによる、例えば使い捨てアセンブリへの水供給の可変流量に関連する。多様な製品組成仕様は、例えば、おそらく可変要素の中でもとりわけ、分注される発泡食品製品の多様な硬さのレベルを含み得る例えばレシピとして提示される、使用者が選択可能な仕様に関連する。
【0006】
国際公開第2016/043590A1号パンフレットは、液体製品を調製するためのアセンブリでの使用に好適なエダクターであって、その外部表面上のインジェクタバルブは、インジェクタバルブの第1の位置と第2の位置との間の距離に少なくとも等しい距離だけ互いに離隔した2つの環状突起物を含み、各環状突起物は、円筒状壁の内面と係合してそれとシールを形成し、前記環状突起物は、円筒状壁の内面と共に環状チャンバを形成し、前記突起物は、環状突起物の外側のあらゆる環境との流体連通から環状チャンバを隔離するように構成されることを特徴とするエダクターを簡潔に開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、特に、例示的な既知のシステムの利点を維持しながら、上記の必要性又は関連する必要性を少なくとも部分的に満たすことである。目的は、特にある範囲の潜在的に変化する条件及び/又は製品仕様下において、特に製品調製プロセスの制御が改良される、液体製品を調製するための改良されたシステム及び方法を提供することである。目的は、特に、使用者の好み、すなわち使用者が調節可能な又は調整した製品品質に合うように1つ以上の製品品質パラメータが制御され得る、既知のシステム又は方法と比較して向上した製品品質及び/又は製品の衛生状態を提供するそのようなシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的のために、本開示の一態様は、液体製品、例えば飲料を調製するためのシステムを提供する。システムは、製品濃縮物を保持するための濃縮物ホルダと、製品フィードスルーチャネルと、製品濃縮物の流れを前記ホルダから前記製品フィードスルーチャネルに給送するための濃縮物供給チャネルとを含む製品調製アセンブリを含む。濃縮物供給チャネルは、製品濃縮物の流れを調整するためのバルブ部材を備え、バルブ部材は、濃縮物供給チャネルに対して、濃縮物の流れが遮断される第1の位置と、濃縮物の流れが可能にされる第2の位置との間で移動可能である。
【0009】
システムは、製品調製アセンブリと協働するように構成された製品調製装置を含む。装置は、特にバルブ部材を介して製品フィードスルーチャネルに液体の流れを供給するための液体インジェクタを含み、液体インジェクタは、バルブ部材を移動させるためにバルブ部材と係合するように構成される。装置は、例えば、液体の流れの供給中、液体インジェクタの作動による、位置の範囲に沿ったバルブ部材の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラを含み、前記位置の範囲は、第1の位置と第2の位置との間に延びる。
【0010】
前記移動を制御することは、バルブ部材の位置を位置の範囲に沿って調整すること、特に続いてバルブ部材を位置の範囲に沿った異なる位置、例えば続いて第1の位置、第1の位置と第2の位置との間の中間位置及び第2の位置に且つ/又はそれと逆に位置決めすることを含み得る。
【0011】
このようなコントローラは、分注される製品の特性の制御を改善することを可能にし、特に、製品濃縮物の流れと液体の流れとの間の比率は、例えば、前記比率が液体の流れの潜在的に可変の流量にあまり依存しないか又は依存しないように適切に制御され得る。このような可変流量は、製品を発泡させるために供給され得るガス(例えば、空気)、例えば本開示の別の箇所で説明されるようなガスインジェクタによって供給されるガスの可変供給に関連し得る。したがって、例えば、分注される製品に関する使用者の好みの観点から望ましい場合、そのような特性、例えば前記比率も製品分注プロセス中に変化させることができる。このようにして、例えば発泡製品の硬さが飲料内で徐々に変化する、特にカップ又はマグなどの実質的に円筒状の容器内に分注された飲料の軸方向及び/又は径方向寸法に沿って変化する飲料を分注することができる。
【0012】
製品調製装置は、液体インジェクタとは別個の、製品調製アセンブリにガスの流れを供給するためのガスインジェクタを含み得、製品調製アセンブリは、特に製品フィードスルーチャネルの下流の製品調製アセンブリの混合セクションにおいて、ガスの流れを製品の流れと混合するように構成される。好ましくは、混合セクションは、精密ろ過デバイスを含み、精密ろ過デバイスは、ガス透過孔を含み、使用中、ガス透過孔を通してガスの流れが製品の流れに給送される。
【0013】
したがって、特に良好な品質及び良好な製品の衛生状態を備えた発泡液体製品、例えば発泡飲料を分注することができる。
【0014】
製品調製装置は、少なくとも1つの流れ、例えば製品濃縮物の流れ、液体の流れ、ガスの流れ及び/又は製品の流れの少なくとも1つの特性を測定するための測定ユニットを含み得る。好ましくは、コントローラは、測定ユニットによって測定された少なくとも1つの特性と関連する入力を受け取るために、測定ユニットに動作可能に接続され、コントローラは、少なくとも1つの特性に少なくとも部分的に依存してバルブ部材の移動を制御するように構成される。当業者に理解されるように、前記測定ユニット及び前記コントローラは、統合された構成要素であり得、且つ/又は1つのコントローラ-測定ユニット、例えば適切なハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはマイクロエレクトロニクスなどによって実装され得ることに留意されたい。
【0015】
一実施形態によれば、前記コントローラは、ディレクタとして機能するように構成される。例えば、コントローラは、一連の機能を調整し、制御するように構成され得る。特に、一実施形態によれば、コントローラ(ディレクタ)は、水の流れを設定することができ、設定温度を達成するようにヒータに指示することができる。次いで、コントローラ(ディレクタ)は、バルブを開くことができ、製品(例えば、飲料)を調製する過程において、バルブ(ミルク濃縮物比率)、ガス/空気比率及び/又は更に水の流量の両方を(ヒータ設定の調整により)調整することができる。
【0016】
したがって、特に少なくとも1つの流れの少なくとも1つの特性が実質的に可変である場合に製品特性の制御を向上させることができ、例えば、コントローラは、製品の特性にマイナスの影響を及ぼすことにより前記変動を制限するように機能し得る。
【0017】
液体インジェクタは、液体インジェクタの位置を製品調製アセンブリ、特に濃縮物供給チャネルに対して制御可能に変更するための位置決めアセンブリを備え得る。前記位置決めアセンブリは、液体インジェクタと少なくとも選択的に係合される位置決めアクチュエータ、例えばモータと、好ましくは、位置決めアクチュエータ及び/又は液体インジェクタの位置及び/又は位置変化を検知するための位置決めセンサ、特にエンコーダとを含む。
【0018】
好ましくは、位置決めアセンブリは、位置決めアクチュエータと液体インジェクタとの間の伝導を提供する、相互に係合した歯車のセットを含み、歯車のセットは、位置決めアクチュエータに接続された駆動歯車と、液体インジェクタに接続された従動歯車とを含む。
【0019】
したがって、バルブ部材の移動の良好な、例えば精密な及び/又は迅速な制御が提供され得る。
【0020】
コントローラは、少なくとも2つの異なるモード、特に使用者選択可能モードの1つで選択的に動作可能であり得、前記モードのそれぞれは、バルブ部材の移動を制御する、特に前記移動を測定値に依存して制御するための少なくとも1つのそれぞれの規則を含む。
【0021】
したがって、製品分注プロセスは、使用者の好みに応じて容易に調整することができる。
【0022】
製品調製装置は、位置の範囲に沿ってバルブ部材の運動の速度を徐々に変化させるように構成され得る。
【0023】
したがって、1つ以上の分注される製品の特性は、分注の過程にわたって比較的滑らかに変化させることができ、優れた製品分注結果がもたらされる。
【0024】
製品調製装置は、続いてバルブ部材を位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めするように構成され得る。
【0025】
3つの異なる位置は、第1の位置及び第2の位置を含み得、3つの異なる位置は、第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの中間位置を更に含み得る。したがって、製品調製装置は、特に液体の流れを供給する間、バルブ部材を第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの中間位置に維持するように構成され得る。
【0026】
したがって、比較的多様な濃縮物流量のセットを選択的に提供することができ、したがって分注される製品の特性の良好な制御を可能にする柔軟なシステムが提供される。
【0027】
製品調製アセンブリと製品調製装置は、ホルダから濃縮物供給チャネルを通して製品フィードスルーチャネルに製品濃縮物を少なくとも選択的に圧送するためのエダクターポンプを一緒に形成するように構成され得、エダクターポンプは、使用中、液体の流れによって駆動される。
【0028】
製品調製システム内のこのようなエダクターポンプは、例えば、国際公開第2014/069993A1号パンフレットから周知であり、本開示による製品調製システムに有利に組み込まれ得る。
【0029】
製品調製装置は、液体の流れを加熱する、特に製品調製アセンブリの製品フィードスルーチャネルに液体の流れを供給する前に加熱するためのヒータを含み得る。
【0030】
このようなヒータは、分注される製品の温度の良好な制御を提供することができる。加熱された液体の流れは、製品特性の更なる向上、例えば分注される製品の発泡の向上を提供することもできる。
【0031】
ヒータは、特に動作中にヒータによって提供される水の加熱を設定及び/又は調整するために、上記のコントローラによって制御されることが好ましい。好ましくは、一実施形態によれば、ヒータは、装置が水の沸点の直下で動作するように制御される(加圧システム)。特に発泡製品が分注される場合、ヒータは、動作中に水の沸騰が防止されるように制御されることが好ましい。
【0032】
本開示の更なる態様は、特に液体製品を調製するための上記のシステムを形成するために、製品調製アセンブリと協働するように明らかに構成された製品調製装置を提供する。前記製品調製装置は、製品調製アセンブリの製品フィードスルーチャネルに液体の流れを供給するための液体インジェクタを含み、液体インジェクタは、製品調製アセンブリのバルブ部材と、バルブ部材を制御可能に移動させるために係合するように構成される。前記製品調製装置は、液体インジェクタの作動による、位置の範囲に沿ったバルブ部材の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラを含む。
【0033】
このような製品調製装置は、上述の利点を提供することができる。
【0034】
本開示の更なる態様は、液体製品を調製する方法を提供する。本方法は、液体製品を調製するための上記のシステムを提供することと、バルブ部材を液体インジェクタによって係合させることと、液体の流れを、特にバルブ部材を介して製品フィードスルーチャネルに供給することと、例えば供給前、その間及び/又はその後、バルブ部材を、液体インジェクタの作動により、位置の範囲に沿って例えば自動的に制御可能に移動させることとを含む。
【0035】
このような方法は、上述の利点を提供することができる。
【0036】
本方法は、特性、例えば流れ、特に製品調製装置から製品調製アセンブリへの流れ、例えば液体の流れ及び/又はガスの流れの流量の測定値を得ることを更に含み得、バルブ部材を制御可能に移動させることは、得られた測定値に依存し、少なくとも部分的に依存する。
【0037】
バルブ部材を制御可能に移動させることは、位置の範囲に沿ってバルブ部材の運動の速度を徐々に変化させることを含み得る。
【0038】
バルブ部材を制御可能に移動させることは、続いてバルブ部材を位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めすること、例えば維持することを含み得、3つの異なる位置は、例えば、第1の位置と、第2の位置と、前記第1の位置と第2の位置との間の中間位置とを含む。
【0039】
本方法は、特に液体の流れとは別個に製品調製アセンブリにガスの流れを供給することを含み得る。
【0040】
本方法は、特に供給前に液体の流れを加熱することを含み得る。
【0041】
以下では、本発明を、例示的な実施形態及び図面を用いて更に説明する。図面は、概略的なものであり、例を示すに過ぎない。図面では、類似の又は対応する特徴は、類似の又は対応する参照符号を用いて示される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】発泡食品製品を調製するためのシステムの一実施形態の概略断面図を示す。
図2図1の詳細IVを倍尺で示す。
図3】使い捨ての製品調製アセンブリの一部及び製品調製装置の協働部分を含む、一実施形態による液体製品を調製するための例示的なシステムの部分斜視図を示す。
図4図3のシステムの一部の部分斜視断面図を示す。
図5A】エダクターの水入口と、使い捨ての製品調製アセンブリの水接続部との接続を無効化する無効化位置にあるシステムのインジェクタバルブを示す、図4の詳細Qを示す。
図5B】前記エダクターの水入口と、使い捨ての製品調製アセンブリの水接続部との接続を有効化する有効化位置にあるインジェクタバルブを示し、インジェクタバルブは、ホルダと、前記エダクターの液体食品製品出口との接続を有効化する有効化位置にある。
図5C】前記エダクターの水入口と、使い捨ての製品調製アセンブリの水接続部との接続を有効化する有効化位置にあるインジェクタバルブを示し、インジェクタバルブは、ホルダと、前記エダクターの液体食品製品出口との接続を無効化する無効化位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、例示的なシステムSの第1の一般的態様を説明する。この態様は、国際公開第2014/069993A1号パンフレットの開示に実質的に対応する。その後、前記例示的なシステムSを、序文に記載したような本発明の特徴の観点から説明する。この特徴は、一般的態様と部分的に重複する場合がある。
【0044】
図1及び図2には、製品調製装置36がインジェクタバルブアクチュエータ56を含み、使い捨てアセンブリ1がインジェクタバルブ57を含む、本発明による、液体製品、この例では発泡食品製品を調製するためのシステムの一実施形態の概略断面図が示される。
【0045】
使い捨てアセンブリ1は、この例では、最大量で4リットルのミルク3を濃縮形態で収容するように設計されるホルダ2を含む。このミルクベースの濃縮物3は、20wt%~30wt%の乾燥物質、好ましくは23~27wt%の乾燥物質を含むのに対して、通常の含水率を有するミルク(本明細書では非濃縮ミルクとも呼ばれる)は、10wt%の乾燥物質を含む。更に、本発明の他の実施形態では、ホルダ2内に収容されるミルクベースの濃縮物3の最大量は、業務用では2~5リットル、家庭用では0.3~1リットルになり得、他の実施形態では、ミルクベースの濃縮物は、20wt%~30wt%の乾燥物質、好ましくは23~27wt%の乾燥物質を含み得る。
【0046】
使い捨てアセンブリ1は、エダクター4と、水入口6と、濃縮液体食品入口7と、液体食品製品出口8とを更に含む。収束ノズル9が存在する。収束ノズル9は、水入口6並びにエダクター4の液体食品製品出口8と直接連通する混合チャンバ及び(例えば、ディフューザ又はベンチュリ管によって形成された)低圧ゾーン10と直接連通する。
【0047】
更に、使い捨てアセンブリ1は、空気開口部16を有する精密ろ過デバイス11を備える。
【0048】
使い捨てアセンブリ1において、移送ダクト19がエダクター4の出口8と精密ろ過デバイス11の製品入口開口部とを接続する。更に、濃縮液体食品製品ダクト20がホルダ2をエダクター4の濃縮液体食品入口7に接続し、水入口管21がエダクター4の水入口6と使い捨てアセンブリ1の水接続部22とを接続する。この水接続部22は、水ライン41を介して外部水源37に接続するように構成される。
【0049】
使い捨てアセンブリ1の空気開口部16は、空気圧縮機46が組み込まれた空気ライン44を介して外部空気源に接続するように構成される。
【0050】
製品調製装置36内には、水貯蔵部37及び水を加圧するための手段としてのポンプ38が設けられる。水ライン41は、水貯蔵部37から製品調製装置36を通して延び、使い捨てアセンブリ1のエダクター4の水入口6に水を供給するために、使い捨てアセンブリ1の水接続部22に着脱可能に接続されるように構成される。
【0051】
製品調製装置36内には、空気源42、この場合には製品調製装置36の周囲雰囲気への開口部も設けられ、開口部は、大きい粒子が開口部を通過することを防止するために格子によって閉鎖される。空気ライン44は、空気源42から製品調製装置36内に延び、使い捨てアセンブリ1の精密ろ過デバイス11の空気入口16に空気を供給するために、使い捨てアセンブリ1の空気入口又は開口部16に着脱可能に接続されるように構成される。
【0052】
製品調製装置36は、製品調製装置36の動作を制御するためのオペレーティングデバイス53、例えばマイクロエレクトロニクス、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はマイクロプロセッサなどを更に含む。このために、オペレーティングデバイス53は、当業者に明らかなように、適切な有線及び/又は無線制御信号通信ラインを介して装置36の関連デバイス又は構成要素に接続され得る。オペレーティングデバイス53による制御は、例えば、単一の固定設定点に実質的に限定されるより受動又は静止型の制御とは対照的に、指示と呼ばれることもある能動的で動的な制御を好ましくは含むことが理解されるであろう。したがって、オペレーティングデバイス53は、製品調製装置36の動作、特にその様々な部品の動的動作を互いに慎重に連係した状態で能動的に指示するためのディレクタとして機能するように好ましくは構成される。
【0053】
インジェクタバルブアクチュエータ56は、製品調製装置36の水を加圧するための手段の一部であり、製品調製装置36への使い捨てアセンブリ1の接続後に、すなわち、水を加圧するための手段が使い捨てアセンブリの水接続部に接続されたときに、インジェクタバルブ57と係合するように構成される。インジェクタバルブアクチュエータ56は、ドライバ58及びラインを介してオペレーティングデバイス53に動作可能に接続され、この実施形態では、インジェクタバルブアクチュエータ56は、オペレーティングデバイス53の制御下で回転可能である。
【0054】
インジェクタバルブアクチュエータ56は、製品調製装置への使い捨てアセンブリの接続後に、インジェクタバルブ57と係合し、オペレーティングデバイス53の制御下で、インジェクタバルブ57を、例えば、エダクター4の水入口6と使い捨てアセンブリ1の濃縮ミルク接続部との接続を有効にするための有効化位置(図5Bに示されるような)に、又は例えば前記エダクターの水入口と使い捨てアセンブリの濃縮ミルク接続部との接続を無効化するための無効化位置(図5A及び図5Cに示されるような)に位置決めするように動作可能である。
【0055】
図1及び図2に示される実施形態において、インジェクタバルブ57は回転可能なインジェクタバルブであり、更に、例えば適切に位置決めされた開口部を設けることにより、また、それぞれ、インジェクタバルブ57がエダクター4の水入口6と使い捨てアセンブリ1の水接続部22との接続を有効化すると、エダクター4の液体食品製品出口8へのホルダ2の接続を有効化し(図5Bに示されるような)、且つインジェクタバルブ57がエダクター4の水入口6と使い捨てアセンブリ1の水接続部22との接続を有効化すると、エダクター4の液体食品製品出口8へのホルダ2の接続を無効化するように(図5Cに示されるように)構成される。図5Cに示される位置では、濃縮液体食品製品が同伴されてホルダから出ることなしにフラッシングを実施することが可能である。図1図2及び図5A図5Cに示されるように、インジェクタバルブ57は、収束するようにも構成される。
【0056】
発泡食品製品を調製するための例示的なシステムの例示的な操作中、オペレーティングデバイス53は、最初に、水が所望の温度(例えば、沸点の直下の温度)まで加熱され得るように、水を加熱するためのヒータ39及び水を加圧するための手段、特にポンプ38の動作を制御する。水温を決定するために、オペレーティングデバイス53は、例えば、加熱された水の温度を測定するためにヒータ若しくはその近傍又はヒータの下流に位置し得る水温センサ(不図示)に接続され得、且つ/又はこのような水温センサを提供され得るか若しくはそれと関連付けられ得る。
【0057】
オペレーティングデバイス53がヒータ39及びポンプ38を作動させてから所定の時間が経った後、オペレーティングデバイス53はインジェクタバルブアクチュエータ56を作動させて回転させ、無効化位置に付勢されるインジェクタバルブ57をインジェクタバルブアクチュエータ56との係合によって有効化位置に回転させる。その後、すでに加圧されている加熱された水がエダクター4に送られ、ホルダ2への接続を有効化することにより、濃縮液体食品製品3がホルダ2から同伴されて出る。その後、空気が、濃縮液体食品製品3と、加熱された水との混合物に、特に精密ろ過デバイス11のガス透過孔を通して導入される発泡プロセスが行われる。
【0058】
一回分の発泡食品製品、すなわちこの場合にはミルク泡が分注された後、オペレーティングデバイス53は、最初に、インジェクタバルブ57を無効化位置に回転させるようにインジェクタバルブアクチュエータ56を制御し、所定の時間、例えば2~10秒の時間後、ヒータ39及びポンプ38及び任意選択的に空気圧縮機46を停止させる。代わりに、オペレーティングデバイス53は、特に、ヒータ39からの余分な熱/余熱が放散されることを可能にするために、インジェクタバルブ57を無効化位置に回転させる前の特定の時点でヒータ39を停止させ得る。
【0059】
本発明は、注ぐことが可能な高温の泡、例えばカプチーノ、ラテマキアート及び他のホットミルク飲料を、風味を添加して又は添加することなく調製することができる。更なる形態において、この目的のため、製品は、10%の最低オーバーランで泡立てられ、分注直後に、50~85℃、好ましくは60~70℃、最も好ましくは65~68℃の温度を得る/有する。製品は、例えば、主として注ぐことが可能であり得る(例えば、オーバーランが100%未満である)。
【0060】
代わりに、本発明は、低温飲料及びよく冷えた飲料、例えばミルク飲料、ミルクシェイク、ランチ飲料などを調製することができる。この場合、製品は、例えば、10%の最低オーバーラン及び20℃未満の温度、好ましくは-5~10℃の温度を有し得る。分注される低温の製品は、主に注ぐことが可能であり得、例えば、甘味の又はその逆に塩味の製品、発酵ミルク製品を含み得る。
【0061】
本発明は、アイスクリーム又は(ミルク)シェイクを調製するのに特に適している。アイスクリーム又は(ミルク)シェイク製品は、10%~200%の範囲のオーバーラン及び0℃以下の温度(好ましくは-10℃~-2℃の範囲の温度)を有し得る。
【0062】
本発明は、比較的低い圧力(特に言及した空気供給空間に供給される空気の圧力)、例えば0.2MPa未満の圧力を用いて、例えば言及した製品が100%を超える(特に150%以上、特に200%以上の)オーバーランを経るように使用され得る。本発明は、例えば、言及した製品が100%を超える(特に150%以上、特に200%以上の)オーバーランを経る一方、分注される製品が比較的低い温度、例えば0℃以下の温度を有するように使用され得る。
【0063】
以下では、例示的なシステムSを、序文に記載したような本発明の特徴の観点から更に説明する。この特徴は、上記の前記システムの全般的な態様と部分的に重複する場合がある。本明細書の両方の部分に共に関連すると解釈される関連の参照符号及び図面から明らかなように、以下の説明では、全般的な態様の上記の説明と比べて、同じ要素に対して異なる用語が使用される場合がある。したがって、本明細書の両方の部分は、相互補完的であるとみなされ、上記の全般的な態様は、本発明の一実施形態の可能な詳細であるとみなされ得る。
【0064】
図面は、液体製品、例えば飲料を調製するための例示的なシステムSの少なくとも一部分を示す。システムSの全体概略図について図1を参照されたい。システムSは、製品濃縮物3を保持するための濃縮物ホルダ2と、製品フィードスルーチャネル19と、製品濃縮物3の流れを前記ホルダ2から前記製品フィードスルーチャネル19に給送するための濃縮物供給チャネル20とを含む、製品調製アセンブリ1を含む。濃縮物供給チャネル20は、製品濃縮物の流れを調整するためのバルブ部材57を備え、バルブ部材57は、濃縮物供給チャネル20に対して、例えば図2図5A及び図5Cに示されるような、濃縮物の流れが遮断される第1の位置と、例えば図5Bに示されるような、濃縮物の流れが可能にされる第2の位置との間で移動可能である。
【0065】
システムSは、製品調製アセンブリ1と協働するように構成された製品調製装置36を含む。装置36は、特にバルブ部材57を介して製品フィードスルーチャネル19に液体の流れを供給するための液体インジェクタ56を含み、液体インジェクタ56は、バルブ部材57を移動させるためにバルブ部材57と係合するように構成される。装置は、液体インジェクタ56の作動による、位置の範囲に沿ったバルブ部材57の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラ53、58を含み、前記位置の範囲は、第1の位置と第2の位置との間に延びる。
【0066】
更に説明するように、前記移動を制御することは、バルブ部材57の位置を位置の範囲に沿って調整すること、特に続いてバルブ部材57を位置の範囲に沿った異なる位置、例えば続いて第1の位置、第1の位置と第2の位置との間の中間位置及び第2の位置に且つ/又はそれと逆に位置決めすることを含み得る。
【0067】
例において、コントローラ53、58は、オペレーティングデバイス53及びドライバ58(の一部)を含み、使用中、オペレーティングデバイス53は、特にドライバ58のモータ60の制御を通してドライバ58を動作させる。図3及び図4は、ドライバ58の詳細を示す。図1及び図2は、ドライバ58を非常に概略的にのみ示し、本明細書の関連部分並びに例えば図3及び図4から明らかなように、実際には、ドライバは、様々な手法で実現及び構成され得ることが理解されるであろう。
【0068】
例において、製品調製装置36は、液体インジェクタ56とは別個の、製品調製アセンブリ1にガスの流れを供給するためのガスインジェクタ42、44、46を含む。製品調製アセンブリ1は、特に製品フィードスルーチャネル19の下流の製品調製アセンブリの混合セクション12において、ガスの流れを製品の流れと混合するように構成され、好ましくは、混合セクション12は、精密ろ過デバイス11を含み、精密ろ過デバイス11は、ガス透過孔を含み、使用中、ガス透過孔を通してガスの流れが製品の流れに給送される。
【0069】
例において、製品調製装置36は、少なくとも1つの流れ、例えば、製品濃縮物の流れ、液体の流れ、ガスの流れ及び/又は製品の流れの少なくとも1つの特性を測定するための測定ユニット40を含む。コントローラ53、58は、測定ユニット40によって測定された少なくとも1つの特性と関連する入力を受け取るために、測定ユニット40に動作可能に接続され、コントローラ53、58は、少なくとも1つの特性に少なくとも部分的に依存してバルブ部材57の移動を制御するように構成される。
【0070】
使用中、液体の流れの流量の減少が測定されたことに応答して、コントローラ53、58は、例えば、バルブ部材57を適宜移動させることにより濃縮物の流れを減少させるように動作して、濃縮物の流れを制限し、それにより前記流れの比率を所望の、例えば所定の範囲内に維持することができる。別の例として、液体の流れの流量の増加が測定されたことに応答し、コントローラ53、58は、バルブ部材57を反対方向に移動させ、前記制限を低減することができる。更に別の例として、液体の流れの前記流量が実質的に一定であると測定されたことに応答し、コントローラ53、58は、例えば使用者が選択したレシピに従って流れの前記比率を必要に応じて故意に変化させるために、バルブ部材を移動させるように動作し得る。
【0071】
好ましくは、したがって、流れの前記比率は複数の異なる非ゼロの比率、例えば既定の比率間で調整することができ、コントローラ53、58は、そのような既定の比率を、例えば既定の時間量にわたって維持するように動作し得る。代替的に又は追加的に、コントローラ53、58は、前記比率を、例えば既定の量だけ既定の時間量にわたって制御可能に変化させることができる。このような維持及び/又は変化させることは、例えば、オペレーティングデバイス53のメモリに格納された情報及び/又は測定値情報などの受け取った情報に応じて、好ましくは、バルブ部材57の位置を第1の位置から第2の位置までの位置の範囲に沿って維持及び/又は調整することを含む。このような格納された情報は、例えば、1つ以上の既定のバルブ部材位置及び/若しくは速度、較正情報並びに/又は制御規則を含み得る。したがって、流れの前記比率は、例えば、液体の流れが供給される間及び/又は製品がこのように調製される間に調整され得る。
【0072】
例において、液体インジェクタ56は、製品調製アセンブリ1に対して、特に濃縮物供給チャネル20に対する液体インジェクタ56の位置を制御可能に変更するための位置決めアセンブリ58を備える。位置決めアセンブリ58は、液体インジェクタ56と少なくとも選択的に係合される位置決めアクチュエータ60、例えばモータ60と、好ましくは、位置決めアクチュエータ60及び/又は液体インジェクタ56の位置及び/又は位置変化を検知するための位置決めセンサ61、特にエンコーダ61を含む。好ましくは、位置決めアセンブリ58は、位置決めアクチュエータ60と液体インジェクタ56との間の伝導を提供する、相互に係合した歯車62、63のセットを含み、歯車62、63のセットは、位置決めアクチュエータ60に接続された駆動歯車62と、液体インジェクタ56に接続された従動歯車63とを含む。
【0073】
例において、コントローラ53、58は、少なくとも2つの異なるモード、特に使用者選択可能モードの1つで選択的に動作可能であり、前記モードのそれぞれは、バルブ部材57の移動を制御する、特に前記移動を測定値に依存して制御するための少なくとも1つのそれぞれの規則を含む。そのような規則は、例えば、測定ユニットに対して上記したような、各々の液体の流れと製品濃縮物との間の制御されるべき関係を含み得る。したがって、このような規則は、製品分注のための、使用者が選択したオプション、例えばレシピから得られ得る。
【0074】
例において、製品調製装置36は、位置の範囲に沿ってバルブ部材57の運動の速度を徐々に変化させるように構成される。
【0075】
例において、製品調製装置36は、続いてバルブ部材57を位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めするように構成される。
【0076】
本明細書では、3つの異なる位置は、第1の位置(図5A図5Cを参照)及び第2の位置(図5Bを参照)を含み、3つの異なる位置は、第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの中間位置を更に含む。1つのそのような中間位置IPは、図5Bに示されており、破線は、バルブ部材57の部分輪郭を表す。この場合、この中間位置IPでは、第2の位置と比べて、バルブ部材57により入口7と出口8との間の流路は、狭くなっているものの、前記流路は、完全には遮断されていないため、第1の位置と異なることが分かる。
【0077】
したがって、例示的な製品調製装置36は、特に液体の流れを供給する間、バルブ部材57を第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの中間位置IPに維持するように構成される。図5Bは、1つのそのような中間位置IPを示すが、第1の位置と第2の位置との間に様々な中間位置が画定され得、前記流路の狭窄は、一般に、位置の範囲に沿って変化することが理解されるであろう。したがって、製品濃縮物の良好なフロー制御は、バルブ部材57の移動を位置の範囲に沿って制御することにより提供され、前記移動を制御することは、例えば、バルブ部材57を第1の位置と第2の位置との間の少なくとも1つの中間位置に維持すること、例えば安定的に位置決めすることを含む。前記移動を制御することは、例えば、バルブ部材57を、例えば1つ以上の所定の速度において、例えば比較的小さい加速で位置の範囲に沿った異なる位置間で徐々に移動させることを含む。
【0078】
例において、製品調製アセンブリ1及び製品調製装置36は、ホルダ2から濃縮物供給チャネル20を通して製品フィードスルーチャネル19に製品濃縮物を少なくとも選択的に圧送するためのエダクターポンプ4を一緒に形成するように構成され、エダクターポンプ4は、使用中、液体の流れによって駆動される。
【0079】
例において、製品調製装置36は、液体の流れを加熱する、特に製品調製アセンブリ1の製品フィードスルーチャネル19に液体の流れを供給する前に加熱するためのヒータ39を含む。
【0080】
したがって、例示的なシステムSは、システムSを形成するために、製品調製アセンブリ1と協働するように明らかに構成された製品調製装置36を含むものとして示され、装置36は、製品調製アセンブリ1の製品フィードスルーチャネル19に液体の流れを供給するための液体インジェクタ56を含み、液体インジェクタ56は、製品調製アセンブリ1のバルブ部材57と、バルブ部材57を制御可能に移動させるために係合するように構成され、製品調製装置36は、液体インジェクタ56の作動による、位置の範囲に沿ったバルブ部材57の移動を自動的に制御するように構成されたコントローラ53、58を含む。
【0081】
図面及び例示的なシステムSの上記の説明を参照すると、液体製品を調製する例示的な方法は、液体製品を調製するためのシステムSを提供することと、バルブ部材57を液体インジェクタ56によって係合させることと、液体の流れを、特にバルブ部材57を介して製品フィードスルーチャネル19に供給することと、例えば、供給前、その間及び/又はその後、バルブ部材57を、液体インジェクタ56の作動により、位置の範囲に沿って例えば自動的に制御可能に移動させることとを含む。
【0082】
例示的な方法は、特性、例えば流れ、特に製品調製装置36から製品調製アセンブリ1への流れ、例えば液体の流れ及び/又はガスの流れの流量の測定値を得ることを更に含み、バルブ部材57を制御可能に移動させることは、得られた測定値に依存する。
【0083】
例において、バルブ部材57を制御可能に移動させることは、位置の範囲に沿ってバルブ部材57の運動の速度を徐々に変化させることを含む。
【0084】
例において、バルブ部材57を制御可能に移動させることは、続いてバルブ部材57を位置の範囲に沿った少なくとも3つの異なる位置に安定的に位置決めすることを含む。
【0085】
例示的な方法は、特に、液体の流れとは別個に製品調製アセンブリ1にガスの流れを供給することと、特に供給前に液体の流れを加熱することとを更に含む。
【0086】
本発明を、例示的な実施形態及び図面を参照して説明してきたが、これらは、特許請求の範囲によって提供される本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるであろう。当業者に理解されるように、多くの変形形態、組み合わせ及び拡張形態が可能である。例えば、システムは、発泡製品を分注するように構成されても又はされなくてもよく、バルブ部材は、回転可能であっても又はなくてもよく、コントローラは、歯車を含んでも又は含まなくてもよく、バルブ部材の制御は、流れ測定値に依存しても又はしなくてもよい。
【0087】
本出願では、上記から得られるように、製品を発泡させるために使用されるガスは、例えば、ガス混合物、例えば空気であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】