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▶ カスティーヨ、ジェームズ ディ.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】遠心・慣性力式ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/00 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
F03G7/00 B
F03G7/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579790
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021038598
(87)【国際公開番号】W WO2021262797
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/043,000
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/354,696
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516181963
【氏名又は名称】カスティーヨ、ジェームズ ディ.
【氏名又は名称原語表記】CASTILLO,James D.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カスティーヨ、ジェームズ ディ.
(57)【要約】
ポンプアセンブリは、内部チャンバを画定する内表面を有するシェルと、内部チャンバ内で可動なポンピングフレームとを含む。シェルおよびポンピングフレームは、合わせて、一対の弓状セグメントを有する流体回路を画定する。ポンピングフレームは、シェルに対してポンピングフレームが動くことに応答して、流体回路に沿った流体運動を誘導するように構成される。一対の弓状セグメントに沿った流体運動は、ポンプアセンブリを独立して動かすことのできる所定の方向の遠心力を発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプアセンブリであって、
内部チャンバを画定する内表面を有するシェルと、
前記内部チャンバ内で可動なポンピングフレームと、を含み、
前記シェルおよび前記ポンピングフレームは、合わせて、一対の弓状セグメントを有する流体回路を画定し、
前記ポンピングフレームは、前記シェルに対して前記ポンピングフレームが動くことに応答して、前記流体回路に沿って流体を誘導するように構成され、
前記一対の弓状セグメントに沿った流体運動は、前記ポンプアセンブリを独立して動かすことのできる所定の方向の遠心力を発生させる、ポンプアセンブリ。
【請求項2】
前記ポンピングフレームは、中心軸を中心として前記シェルに対して回転可能である、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項3】
前記一対の弓状セグメントは、ともに前記中心軸を中心として配置される、請求項2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記シェルは、メインボディと、互いに略対向する関係で前記メインボディに連結されている一対の流体移送ボディと、を含み、
前記各流体移送ボディは、一方の前記弓状セグメントから他方の前記弓状セグメントまで流体を移送するように構成される、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記シェルおよび前記ポンピングフレームは、前記シェルからのあらゆる流体の排出とは独立して、前記所定の方向の遠心力を発生させるように構成される、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記ポンピングフレームは、中心軸を中心として前記シェル内で第1回転方向に回転可能な第1カルーセルと、前記中心軸を中心として前記シェル内で前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転可能な第2カルーセルとを含む、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項7】
複数の容器をさらに備え、
前記各容器は、前記第1カルーセルおよび前記第2カルーセルの各々に回転可能に連結される、請求項6に記載のポンプアセンブリ。
【請求項8】
前記各容器は、前記中心軸に隣接する近位端部と、前記中心軸から離れて延びている遠位端部とを含み、
前記各容器は、前記近位端部から前記遠位端部に向かって延びている各容器軸を中心として、前記ポンピングフレームに対して回転するように構成される、請求項7に記載のポンプアセンブリ。
【請求項9】
前記各容器は、外側ボディと、前記外側ボディ内に延びている複数のベーンとを含む、請求項8に記載のポンプアセンブリ。
【請求項10】
前記第1カルーセルは、前記第1カルーセルの第1湿潤領域を画定するために、前記流体回路と重なり合い、
前記ポンプアセンブリは、前記内部チャンバ内の流体源から前記第1湿潤領域に向かって流体を付勢するように構成される第1インペラをさらに備える、請求項9に記載のポンプアセンブリ。
【請求項11】
前記第1インペラの周りに延びて、前記第1インペラと前記第1湿潤領域との間で半径方向にそれを貫通している複数の流路を有するディフューザをさらに備える、請求項10に記載のポンプアセンブリ。
【請求項12】
その内部での流体運動の結果として力を発生させるように構成される、力発生器であって、
前記力発生器は、
内部チャンバを有する外側シェルと、
前記外側シェル内で可動であって、一対の力発生流体運動セグメントおよび一対の移送流セグメントを少なくとも部分的に画定するポンピングアセンブリと、を備え、
前記一対の力発生流体運動セグメントは、合わせて、前記力発生流体運動セグメントを通る流体の流れに応答して、前記力発生器を独立して動かすのに十分な力を発生させるように構成され、
前記一対の移送流セグメントは、前記一対の力発生流体運動セグメント間で流体を移送し、流体が前記一対の移送流セグメントを流れる際に互いに反対に作用する一対の力を発生させるように構成される、力発生器。
【請求項13】
前記外側シェルおよび前記ポンピングアセンブリは、前記力発生器からの流体の排出とは独立して、前記十分な力を発生させるように構成される、請求項12に記載の力発生器。
【請求項14】
前記一対の力発生流体運動セグメントは、弓状構成である、請求項12に記載の力発生器。
【請求項15】
前記シェル内に設置されて、前記内部チャンバを一対のサブチャンバに分割する中板をさらに備え、
前記一対の力発生流体運動セグメントは、前記一対のサブチャンバの各々に設置される、請求項14に記載の力発生器。
【請求項16】
前記一対の移送流セグメントの各々は、前記一対のサブチャンバの第1のものから前記一対のサブチャンバの第2のものに流体を送るように構成される、請求項15に記載の力発生器。
【請求項17】
前記ポンピングアセンブリは、前記一対のサブチャンバの各々に設置されている第1サブアセンブリと第2サブアセンブリとを含み、
前記第1サブアセンブリの少なくとも一部分および前記第2サブアセンブリの少なくとも一部分は、前記シェルの少なくとも一部分が配置されている中心軸を中心として回転可能である、請求項15に記載の力発生器。
【請求項18】
前記中心軸を中心として回転可能である前記第1サブアセンブリの前記少なくとも一部分は、第1回転方向に回転可能であり、
前記中心軸を中心として回転可能である前記第2サブアセンブリの前記少なくとも一部分は、前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転可能である、請求項17に記載の力発生器。
【請求項19】
ポンプアセンブリであって、
外側シェルであって、
内部チャンバを画定するメインボディと、
前記内部チャンバと流体連通するとともに、前記メインボディから互いに略対向する関係で延びている一対の流体移送ボディと、を含み、
前記各流体移送ボディは、流体を受け入れるように構成される入口ポートと、流体を排出するように構成される外側ポートとを含む、外側シェルと、
前記内部チャンバ内で動き、前記一対の流体移送ボディの第1のものの前記出口ポートから流体を受け入れて、流体を前記一対の流体移送ボディの第2のものの前記入口ポートまで輸送するように構成される、容器の第1セットと、
前記内部チャンバ内で動き、前記一対の流体移送ボディの前記第2のものの前記出口ポートから流体を受け入れ、流体を前記一対の流体移送ボディの前記第1のものの前記入口ポートまで輸送するように構成される、容器の第2セットと、を備え、
それぞれの前記入口ポートと前記出口ポートとの間での前記容器の第1セットおよび前記容器の第2セットによる流体の動きが、前記ポンプアセンブリを動かすのに十分な力を発生させる、ポンプアセンブリ。
【請求項20】
前記容器の第1セットおよび前記容器の第2セットは、それぞれの前記入口ポートと前記出口ポートとの間の弓状路で動く、請求項19に記載のポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にポンプアセンブリに関し、より具体的には、ポンプアセンブリを特定の方向に向けて動かすことに寄与し得る力を発生させるために、ポンプアセンブリ内の流体を動かすように構成されるポンプアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
推進力とは、一般に、物体を前方または所望の方向に駆動するまたは押すことに関係する。例えば、推力の形の推進力は、飛行機を空中で動かすために用いられる。車両は、車両を路上で動かすための、車両のエンジンから生じる力によって推進され得る。
【0003】
多くの推進方式は、外部環境との相互作用を必要とする。特定の推進方式と外部環境との間の相互作用の低減または除去への関心があり得る。本開示の様々な態様は、より詳細に以下で論じるように、この特定のニーズを扱う。
【発明の概要】
【0004】
本開示の様々な態様は、ポンプアセンブリを所定の方向に向けて促し得る力を発生させるための所望の質量の不均衡を生み出すためにポンプアセンブリ内の流体を動かすことのできるポンプアセンブリに関する。力は、弓状通路に沿って移動する流体に関連する遠心力、および弓状通路がそれを中心として延び得る軸に対して半径方向に移動する流体に関連するコリオリの力を含み得る。ポンプアセンブリ内の流体は、ポンプアセンブリ内の所与の内部容器から連続的に付加または除去されて、ポンプアセンブリ内に所望の質量の不均衡を生み出すことをさらに助け得る。流体は、このような連続的な付加および除去を容易にする望ましい媒体となり得る。
【0005】
本開示の一実施形態によると、内部チャンバを画定する内表面を有するシェルと、内部チャンバ内で可動なポンピングフレームとを含むポンプアセンブリが提供される。シェルおよびポンピングフレームは、合わせて、一対の弓状セグメントを有する流体回路を画定する。ポンピングフレームは、シェルに対してポンピングフレームが動くことに応答して、流体回路に沿った流体運動を誘導するように構成される。一対の弓状セグメントに沿った流体運動は、ポンプアセンブリを独立して動かすことのできる所定の方向の遠心力を発生させる。
【0006】
ポンピングフレームは、中心軸を中心としてシェルに対して回転可能であり得る。一対の弓状セグメントは、ともに中心軸を中心として配置され得る。
シェルは、メインボディと、互いに略対向する関係でメインボディに連結されている一対の流体移送ボディとを含み得る。各流体移送ボディは、一方の弓状セグメントから他方の弓状セグメントまで流体を移送するように構成され得る。
【0007】
シェルおよびポンピングフレームは、シェルからのあらゆる流体の排出とは独立して、所定の方向の遠心力を発生させるように構成され得る。
ポンピングフレームは、中心軸を中心としてシェル内で第1回転方向に回転可能な第1カルーセルと、中心軸を中心としてシェル内で第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転可能な第2カルーセルとを含み得る。ポンプアセンブリは、追加で、複数の容器を含んでもよく、各容器は、第1カルーセルおよび第2カルーセルの各々に回転可能に連結される。
【0008】
各容器は、中心軸に隣接する近位端部と、中心軸から離れて延びている遠位端部とを含み得る。各容器は、近位端部から遠位端部に向かって延びている各容器軸を中心として、ポンピングフレームに対して回転するように構成され得る。
【0009】
各容器は、外側ボディと、外側ボディ内に延びている複数のベーンとを含み得る。
第1カルーセルは、第1カルーセルの第1湿潤領域を画定するために、流体回路と重なり合い得る。ポンプアセンブリは、追加で、内部チャンバ内の流体源から第1湿潤領域に向かって流体を付勢するように構成される第1インペラを含んでもよい。ポンプアセンブリは、第1インペラの周りに延びて、第1インペラと第1湿潤領域との間で半径方向にそれを貫通している複数の流路を有するディフューザをさらに含んでもよい。
【0010】
別の実施形態によると、その内部での流体運動の結果として力を発生させるように構成される、力発生器が提供される。力発生器は、内部チャンバを有する外側シェルと、外側シェル内で可動であって一対の力発生流体運動セグメントおよび一対の移送流セグメントを少なくとも部分的に画定するポンピングアセンブリと、を備える。一対の力発生流体運動セグメントは、合わせて、力発生流体運動セグメントによる流体運動に応答して、力発生器を独立して動かすのに十分な力を発生させるように構成される。一対の移送流セグメントは、一対の力発生流体運動セグメント間で流体を移送し、流体が一対の移送流セグメントを流れる際に互いに反対に作用する一対の力を発生させるように構成される。
【0011】
外側シェルおよびポンピングアセンブリは、力発生器からの流体の排出とは独立して、十分な力を発生させるように構成され得る。
一対の力発生流体運動セグメントは、弓状構成にし得る。
【0012】
力発生器は、追加で、シェル内に設置されて、内部チャンバを一対のサブチャンバに分割する中板を含んでもよい。一対の力発生流体運動セグメントは、一対のサブチャンバの各々に設置され得る。
【0013】
一対の移送流セグメントの各々は、一対のサブチャンバの第1のものから一対のサブチャンバの第2のものに流体を送るように構成され得る。
ポンピングアセンブリは、一対のサブチャンバの各々に設置されている第1サブアセンブリと第2サブアセンブリとを含み得る。第1サブアセンブリの少なくとも一部分および第2サブアセンブリの少なくとも一部分は、シェルの少なくとも一部分が配置されている中心軸を中心として回転可能であり得る。中心軸を中心として回転可能であり得る第1サブアセンブリの少なくとも一部分は、第1回転方向に回転可能であり得、中心軸を中心として回転可能であり得る第2サブアセンブリの少なくとも一部分は、第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転可能であり得る。
【0014】
別の実施形態によると、内部チャンバを画定するメインボディと、内部チャンバと流体連通するとともに、メインボディから互いに略対向する関係で延びている一対の流体移送ボディとを含む外側シェルを備えるポンプアセンブリが提供される。各流体移送ボディは、流体を受け入れるように構成される入口ポートと、流体を排出するように構成される外側ポートとを含む。容器の第1セットは、内部チャンバ内で動き、一対の流体移送ボディの第1のものの出口ポートから流体を受け入れて、流体を一対の流体移送ボディの第2のものの入口ポートまで輸送するように構成される。容器の第2セットは、内部チャンバ内で動き、一対の流体移送ボディの第2のものの出口ポートから流体を受け入れ、流体を一対の流体移送ボディの第1のものの入口ポートまで輸送するように構成される。それぞれの入口ポートと出口ポートとの間での容器の第1および第2セットによる流体移送が、ポンプアセンブリを動かすのに十分な力を発生させる。
【0015】
容器の第1および第2セットは、それぞれの入口ポートと出口ポートとの間の弓状路で動き得る。
本開示は、添付の図面と合わせて読まれる場合に、以下の詳細な説明を参照することで最もよく理解されるであろう。
【0016】
本書で開示される様々な実施形態のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の説明および図面に関してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本開示の実施形態によるポンプの側面図である。
図1B】ポンプアセンブリの前面図である。
図1C】ポンプアセンブリの底面図である。
図1D】ポンプアセンブリの上面図である。
図2】ポンプアセンブリの拡大した部分上方斜視図である。
図3】プライミングポンプおよびプライミングポンプを駆動するためのモータの分解した上方斜視図である。
図4】底板に取り付けられているプライミングポンプおよびモータの上方斜視図である。
図5】ポンプアセンブリに含まれている流体供給回路を形成するコンポーネントの分解した上方斜視図である。
図6図5に図示されるコンポーネントの組立状態の上方斜視図である。
図7】ポンプアセンブリに含まれている下側ディフューザアセンブリの分解した上方斜視図である。
図8】下側ディフューザアセンブリの上方斜視図である。
図9】下側ディフューザアセンブリに含まれているインペラおよびディフューザおよびベーンの上面図である。
図10】インペラおよびディフューザの底面図である。
図11】インペラおよびディフューザおよびベーンの上方斜視図である。
図12】下側ディフューザアセンブリの一部とともに示される下側ディフューザアセンブリの過剰流体戻りサブアセンブリの分解した上方斜視図である。
図13】過剰流体戻りサブアセンブリの組立状態の上方斜視図である。
図14】ポンプの内部コンポーネントを図示する側面図である。
図15】上下の駆動アセンブリの反対回転を示す下方斜視図である。
図16】上側ギアラック、アイドラー板、複数のアイドラーギア、下側ギアラック、およびスポークの分解した上方斜視図である。
図17】ポンプで使用される駆動システムの部分的な下方斜視図である。
図18】容器カルーセルの部分的に分解した上方斜視図である。
図19】容器カルーセルの上方斜視図である。
図20A】容器カルーセル内に受け入れられるように構成される2つの回転容器の分解した上方斜視図である。
図20B】容器カルーセル内に位置付けられている12個の容器の上方斜視図である。
図21】容器に含まれているベーンの上方斜視図である。
図22図21に図示されるベーンを含む容器の上方斜視図である。
図23】1つの容器回路の分解した上方斜視図である。
図24】ディフューザの開放部に露出される6個の容器を図示するために分解されたディフューザリッドの部分的に分解した上方斜視図である。
図25】ディフューザの開放部に露出される容器の上面図である。
図26】対応する容器カルーセル内の容器のセットの上面図である。
図27図26の容器のセットの側面図である。
図28】流体移送ポートから容器を通る流体の流れを示す断面図である。
図29】容器を通って流体移送ポート内に至る流体の流れを示す断面図である。
図30】容器、流体移送ポートおよび外側シェルの間の作動的な相互作用を示す部分側断面図である。
図31図30に輪郭が描かれる四角形領域の拡大図である。
図32】容器の内部の動きと流体移送ボディを通る流体の流れとを示すために、外側シェルの一部分を取り除き、流体移送ボディの1つを取り除いた状態のポンプの下方斜視図である。
図33A】流体移送ボディを介したカルーセル間の流体の移送を示す前面図である。
図33B】容器の上側セットから容器の下側セットに向かう流体の移送を示す側面図である。
図33C】容器の下側セットから容器の上側セットに向かう流体の移送を示す側面図である。
図34A】下側容器から上側容器への流体の移送を示すために、流体移送ボディおよびシェルの一部分を取り除いた状態のポンプアセンブリの側面図である。
図34B】容器をより明確に示すために、流体移送ボディを流れる流体を取り除いた状態の図34Aの複製である。
図35A】外側シェルの流体移送ポートを示す部分的な上方斜視図である。
図35B】外側シェルの流体移送ポートを示す部分的な上方斜視図である。
図36A】流体移送ボディがそこから延びている、シェルの外側部分の側面図である。
図36B】一対の流体移送ポートにおいて流体移送ボディがそこから延びている、シェルの内側部分の側面図である。
図37】ディフューザに対して開いている供給回路、ディフューザリザーバおよび容器が満杯の状態の例示的な流体レベルを示すために、外側シェルの一部分を取り除いた状態のポンプの側面図である。
図38】中板、およびアイドラーギアと界接するように構成される一体型リングギアを有するカルーセルインペラの代替実施形態の部分的な上方斜視分解図である。
図39】ポンプに組み込まれている中板、カルーセルインペラおよびリングギアを図示する側面図である。
図40】明確にするために1つのアイドラーギアを分解した状態の、図38の中板およびアイドラーギアの上方斜視図である。
図41図38のカルーセルインペラ、アイドラーギアおよび中板の上方斜視図である。
図42】ハブと、ハブとカルーセルインペラとの間の位置を微調整するために使用する止めねじから分解した、図38のカルーセルインペラの上方斜視図である。
図43図42のカルーセルインペラ、ハブおよび止めねじの下方斜視図である。
図44】カルーセルの下方斜視図である。
図45】カルーセルハブから分解した容器の別の実施形態の上方斜視図である。
図46図45の容器およびカルーセルハブの、別の角度から見た上方斜視図である。
図47】カルーセルハブに形成されている各開口内に受け入れられる、図45の容器の複数の六角ドライブギアの上方斜視図である。
図48】カルーセルハブと、ハブおよびラックギアの周りに延びている六角ドライブギアとの部分的な上方斜視図である。
図49】代替ラックギアを含む、いくつかのポンプアセンブリコンポーネントの代替実施形態の分解した上方斜視図である。
図50図49に図示する代替実施形態の分解した下方斜視図である。
図51】容器、容器フレームボディ、および軸受を受け入れるための軸受ボスを有するクロスバーの代替実施形態の分解した上方斜視図である。
図52図51に図示される実施形態の分解した下方斜視図である。
図53】代替カルーセルドライブギアおよびポートタイミング開口を有する容器クロスバーの部分的に分解した上方斜視図である。
図54図53に図示する実施形態の部分的な組立上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同じ要素を示すために、図面および詳細な説明を通して共通の参照番号を使用している。
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、ポンプの特定の実施形態の説明を意図したものであり、展開または利用され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。説明は、図示される実施形態に関連して様々な構造および/または機能を記載しているが、同じかまたは同等の構造および/または機能は、本開示の範囲内に包含されることが同じく意図される異なる実施形態によって実現され得ることは理解されるべきである。第1および第2、ならびに同様なものなどの関係を示す用語の使用は、実際にこのような関係またはこのような実体間の順序を必ずしも必要としたり示唆したりすることなく、ある実体と別のものとを区別するためにのみ使用されることもさらに理解される。
【0019】
その提示が本開示の好適な実施形態を例示することを目的としており本開示を限定することが目的ではないものである図面をここで参照すると、流体運動によって生み出され得る連続的な不均衡の結果として所望の力を得るためにポンプアセンブリ10内で流体運動を生み出すことのできる、ポンプアセンブリ10が図示されている。所望の力は、ポンプアセンブリ10を独立して動かすために、十分な大きさをもち得、所定の方向に向けて方向付け可能であり得る。図は、ポンプアセンブリ10の動作によって発生する力の方向を表す矢印12を図示している。
【0020】
具体的には、ポンプアセンブリ10は、ポンプアセンブリ10の片側部分(例えば湿潤側)のみにフロー回路または移送回路を画定し、ポンプアセンブリ10の反対側部分が乾燥した状態(例えば、感知されるほどの流体の流れなし)であるように構成され得る。フロー回路の構成は、互いに隣り合う一対の弓状形状、例えば、ポンプアセンブリ10の上半球に1つの弓状流体運動路と、ポンプアセンブリ10の下半球に別の弓状流体運動路とを含んでもよく、流体が2つの弓状流体運動路間に循環する。流体移動路の弓状形状は、流体運動に関連する慣性力および遠心力から所望の効果を生み得る。その結果、ポンプアセンブリ10内の流体運動は、ポンプアセンブリ10から一切流体を排出することなく、所定の方向(例えば、矢印12の方向)に力を発生させ得る。
【0021】
図1A図1Dのポンプアセンブリ10は、メインボディ15と、メインボディ15に接続されている一対の流体移送ボディ20とを含むシェル14を含む。メインボディは、略球形の外表面と、少なくとも部分的に内部チャンバ17(図32を参照)を画定する対向する内表面とを含む。メインボディ15は、6個のセグメントに分割され得、その各々が、そのそれぞれの周縁に隣接するシェルセグメントとの装着を容易にするフランジを含み得る。例示的な実施形態は、メインボディ15を6個のセグメントに区分けして示しているが、メインボディ15が任意の数のセグメントによって、または一体的な構造として形成され得ることも考えられる。
【0022】
シェル14は、略平坦な上面16と、対向する略平坦な下面18とを含み得る。向きは変わり得ることが考えられるものの、本明細書で使用される場合、「上」および「下」(ならびに「上部」および「底部」)という用語は、図1A図1Dに図示されるポンプアセンブリ10の向きをいう。この点に関し、本明細書で使用される場合、「上」および「下」という用語は制限的なものではない。この点に関し、ポンプアセンブリ10は、図1A図1Dに図示されるものとは異なるいくつかの向きで使用され得ることが考えられ、例えば、ポンプアセンブリ10は、上面および下面16,18が図1A図1Dに示される向きに対して90度回転し得る状態で使用され得る。シェル14は、上面16と下面18との間に延びている中間面19または赤道面も画定し得る。
【0023】
メインボディ15の両側から延びているのは、一対の流体移送ボディ20である。各流体移送ボディ20の内部は中空で、シェル14の内部チャンバ17の一部分を画定し得る。各流体移送ボディ20は、弓状であり、略らせん形構成を画定し得る。さらに、各流体移送ボディ20は、中間面19の片側にメインボディ15から延びている1つの端部と、中間面19の反対側にメインボディ15から延びている別の端部とを含み得る。この点に関し、流体移送ボディ20は、中間面20の片側のメインボディ15の内部から、中間面20の反対側のメインボディ15の内部の別の部分まで流体を移送し得る。各流体移送ボディ20は、流体を流体移送ボディ20に受け入れ得る流体移送入口(例えば、入口ポート)と、流体を流体移送ボディ20から排出し得る流体移送出口(例えば、出口ポート)とを含み得る。
【0024】
ポンプアセンブリ10は、モータ22および遠心ポンプ24をさらに含んでもよく、それらはいずれも図1A図1Cにおいてメインボディ15の底部に装着された状態で示されている。モータ22および遠心ポンプ24の目的は、より詳細に以下で説明する。
【0025】
ここで図2を参照すると、ポンプアセンブリ10は、上面16に取り付けられている圧力ゲージ26と弁28とを含み得る。ポンプアセンブリ10の内部チャンバ17は、真空または負圧とし得ることが考えられ、そのため、弁28は、ポンプアセンブリ10の内部に真空をかけるために真空源への接続を可能にし得る。圧力ゲージ26は、内部チャンバ17と流体連通して、内部チャンバ17内の流体圧力を測定し、シェル14の外部にあり得るゲージ26の読み取り値を提供し得る。弁28は、最終的にポンプアセンブリ10の中を循環する流体で、ポンプアセンブリ10を充填(または再充填)することを容易にするようにも構成され得ることが考えられる。
【0026】
ここで図3および図4を参照すると、遠心ポンプ24が示されており、これは、プライミングインペラ30の回転を生じさせる駆動力を供給するモータ32に作動可能に連結されているプライミングインペラ30を含む。例えば、モータ32がシャフトの回転を生じさせ、それがさらにプライミングインペラ30の回転を生じさせるように、プライミングインペラ30はモータ32に連結されているシャフトに装着されていてもよい。プライミングインペラ30は、下壁と上壁との間に延びている円形または弓状の側壁を有するハウジング34内に設置されている。側壁36の湾曲がプライミングインペラ30の回転を可能にし、また、図3に図示される上矢印に対応する、流体を流体供給通路内に押し進めるプライミングインペラ30の動作も可能にし得る。下矢印は下側リザーバへの流体の戻りを表すことに留意し、これは、より詳細に以下で説明する。ハウジング34は、中心軸40の周りに配置されるカラー38に接続され、中心軸40は下矢印と整列され得る。
【0027】
例示的な実施形態は遠心ポンプ24を示しているが、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、当業界で知られる任意のポンプが使用され得ることが考えられる。さらに、例示的な実施形態は遠心ポンプ24を駆動するために個別のモータ32を含むが、他の駆動機構を使用してポンプ24を駆動し得ることも考えられる。
【0028】
ここで図4を参照すると、遠心ポンプ24は、下面18を画定し得るポンプアセンブリ10の底板42に取り付けられ得る。インペラハウジング34およびプライミングインペラ30は、底板42の内側に設置され得(例えば、下面18の反対側)、モータ32は、底板42の外側から離れて延び得る。ハウジング34は、ネジ、リベットまたは当業界で知られる他の機械的留め具によって底板42に取り付けられ得る。使用中、ポンプアセンブリ10には、インペラ30が流体中に沈んで下側リザーバ内に留まる点まで流体が充填され得る。図4は、追加で、より詳細に以下で説明するように、過剰な流体が下リザーバに戻ることを可能にする戻り管44を示している。
【0029】
ここで図5および図6を参照すると、主流体運動回路(さらに詳細に以下で説明する)まで下側リザーバから流体を供給する流体供給回路に関して、追加の細部が図示されている。図5は、明確にするために図5では図示していない底板42を除けば、図6に図示されるアセンブリの分解図である。
【0030】
カラー38はハブ46と流体連通しており、ハブ46は、対向するその表面間でそれを軸方向に貫通している複数の開口またはハブ流路48を含む。ハブ流路48は、遠心ポンプ24から流体を受け入れて、遠心ポンプ24近くにあるハブ46の下流の追加コンポーネントに流体を送出する。中心軸40を中心としてハブ46を回転させる力をモータ22が発生させることができるように、ハブ46はモータ22と作動的に連通し得る。図5に図示される矢印は、ハブ46の回転方向を示す。
【0031】
ハブ46は、下側カルーセル板50がハブ46とともに回転するように、下側カルーセル板50に連結されている。シールマウントは、カラー38と整列され得、カラー38と下側カルーセル板50との間に延びているシールと界接している。下側カルーセル板50は、その中に形成されて、下側カルーセル板50を取り巻いて等間隔に離れている複数の開口52を含む。下側カルーセル板50の開口52は、ポンプアセンブリ10の組立の助けとなり得、流体回路からメインリザーバに滲出または漏出し得る流体の排出も可能にする。
【0032】
ハブ46は、カルーセルインペラ54がハブ46とともに回転するように、カルーセルインペラ54に接続されている。カルーセルインペラ54は、ハブ流路48を介して、遠心ポンプ24から供給される流体を受け入れて、流体を半径方向外側に主流体運動回路に向かって付勢するように構成され、主流体運動回路は、カルーセルインペラ54から半径方向外側に位置付けられている弓状セグメントを含む。弓状セグメントおよびカルーセルインペラ54は、中心軸40に垂直な共通平面に存在し得る。ハブ46がカルーセルインペラ54と下側カルーセル板50との間に延びるように、カルーセルインペラ54は下側カルーセル板50の反対側に位置付けられている。一実施形態において、ハブ46は、カルーセルインペラ54上に形成されている対応する軸方向の凹部に受け入れられて、ハブ46とカルーセルインペラ54との相互接続を容易にする軸方向の突起を含み得る。あるいは、凹部はハブ46上に形成されてもよく、突起がカルーセルインペラ54上に形成されてもよい。ハブ46をカルーセルインペラ54に装着するために、接着剤、留め具の使用など、他の機械的な締結手法も使用してもよい。
【0033】
中心線XXが図示され、図5および図6に図示されるすべての回転コンポーネント、すなわち、下側カルーセル板50、ハブ46およびカルーセルインペラ54は、中心線XXの上にカウンターパートコンポーネントを含み、それら回転コンポーネントは、中心線XXの反対側に180度複写される。この点に関し、ポンプアセンブリ10は、一対のカルーセル板50(例えば、下側カルーセル板および上側カルーセル板)、一対のハブ46(例えば、下側ハブ46および上側ハブ46)、ならびに一対のカルーセルインペラ54(例えば、下側カルーセルインペラおよび上側カルーセルインペラ)を含む。下側カルーセル板50、下側ハブ46および下側カルーセルインペラ54がすべて、第1ユニットとしてまとめて一斉に同じ回転方向に回転するのに対し、上側カルーセル板50、上側ハブ46および上側カルーセルインペラ54はすべて、第2ユニットとしてまとめて一斉に、第1ユニットのものとは反対の同じ回転方向に回転する。この点に関して、下側ハブ46と上側ハブ46とは、反対の回転方向に回転する。同様に、下側カルーセルインペラ54と上側カルーセルインペラ54とは反対の回転方向に回転し、下側カルーセル板50と上側カルーセル板50とは反対の回転方向に回転する。
【0034】
戻り管44は、カラー38、下側シール、下側カルーセル板50、下側カルーセルインペラ54、上側カルーセルインペラ54、上側カルーセル板50、上側シールを貫通しており、上側リザーバ皿56まで続いている。このように、戻り管44は、上側リザーバ皿56に集まる過剰流体を上側リザーバ皿56から下側リザーバまで移送するように構成され得る。戻り管44は、両端部で各エンドボディ58に接続されており、その各々は、戻り管44へのまたは戻り管44からの流体の流れを容易にするように構成される4つの弓状または凹状チャネルを含み得る。
【0035】
例示的な実施形態は戻り管44を含むが、他の実施形態は戻り管44を含まなくてもよく、代わりに、下側リザーバへの過剰流体の流体の流れを可能にするために、様々なコンポーネントに形成される流路/開口に依拠し得ることが考えられる。
【0036】
ここで図7および図8を参照すると、ハブ46およびカルーセルインペラ54とともに中板60が図示され、また、いくつかの非回転構造が中板に取り付けられて、ハブ46およびカルーセルインペラ54の周りに延びている。具体的には、ディフューザベース62、ディフューザリッド64およびラックギア66が図示されており、その各々は、ハブ46およびカルーセルインペラ54と同軸上に整列されている略環状構造であり得る。カルーセルインペラ54およびハブ46は、ポンプアセンブリ10の動作中、ディフューザベース62、ディフューザリッド64およびラックギア66に対して回転し得る。
【0037】
図7で分かるように、各ディフューザベース62は、中板60に固定して接続されている略平坦な面68を含み得る。したがって、カルーセルインペラ54が中板60に対して回転し得るのに対し、ディフューザベース62は中板60に対して回転しない。
【0038】
ここで図9図11を参照すると、カルーセルインペラ54およびディフューザベース62がより詳細に示されている。図9図11には、ディフューザベース62に対して回転するカルーセルインペラ54の回転方向を図示するために、矢印が含まれている。ディフューザベース62は、ディフューザベース62の閉区画を画定するために、略平坦な面68から延びているディフューザ側壁70を含み得る。ディフューザベース62は、追加で、いくつかのディフューザベーン72を含み得、これは互いに、かつ側壁70の端部から離間して、複数の半径方向に延びているディフューザ流路74を画定し得る。ディフューザ流路74は、ディフューザベース62の開区画を画定し得る。ディフューザベース62の一定の実施形態は、ディフューザベーン72なしでも形成され得ることが考えられる。
【0039】
ディフューザベース62は、ディフューザ側壁70の内表面80を含み、これがディフューザベース62の閉区画を画定する、すなわち、側壁70は、その中の流体の半径方向の流れを防止するように構成され得る。ディフューザベーン72は、互いに対して固定されて、内縁および外縁を有するベーン支持面82から延び得る。中心軸40から外側に延びている半径方向の軸に沿った内縁と外縁との距離を支持面の幅といってもよい。各ベーン72は、一対の対向する先端を画定する凹状面および凸状面を含み得、先端間の距離がベーンの長さを画定する。ベーンの長さは、支持面の幅よりも大きくなり得る。ただし、ベーン72は、ベーン72のどの部分も内縁または外縁から突き出さないように、ベーン支持面82に対して配向され得る。この点に関し、ベーン72は、2つの先端間に延びる軸が、中心軸から延びてベーン支持面82の内縁に隣接するベーン先端を通り抜ける半径方向の軸から角度的にずれて、ベーンオフセット角を画定するように、ベーン支持面82に対して配向され得る。ベーンオフセット角の大きさは、カルーセルインペラ54の回転方向に対して、第1ベーン72から最後のベーン72に向かって角度が大きくなるように、各ベーン72に固有であり得る。
【0040】
ベーン72は、互いにおよびディフューザ側壁70から分離して、半径方向に延びるディフューザ流路74を作り得る。流路74のサイズと形状は、互いおよび側壁70に対するベーン72の空間的配置によって変わり得る。例示的な実施形態では、第1流路74は側壁70と第1ベーン72との間に延び、第2流路74は第1ベーン72と第2ベーン72との間に延び、第3流路74は第2ベーン72と第3ベーン72との間に延び、第4流路74は第3ベーン72と第4ベーン72との間に延び、第5流路74は第4ベーン72と側壁70との間に延びている。第4ベーン72に隣接する側壁70の端部は、第4ベーン72の凸状面と反対の凹状面を含む、ベーン状の構造を含み得る。さらに、側壁70は、第1ベーン72の凹状面とは反対の凸状面を含み得る。
【0041】
例示的なカルーセルインペラ54は、中空の中央ハブ78に接続されている6個のベーン76を含み、中空ハブ78は、それを戻り管44が通り抜けることのできるサイズにされている。各ベーン76は、凸面および対向する凹面を含み、これらは遠位端部で一点に集まる。カルーセルインペラ54の運動方向は、凸面が先行面になるのに対し、凹面が随行面になるようにされ得る。凸面および凹面は、中空の中央ハブ46から延びている近位部分と、近位部分から離れて湾曲し、近位部分に遅れて回転方向とは反対の方向に延びる随行部分とを含むベーン構成を画定する。各ベーン76は、遠位端部と中心軸40との間に延びる軸に沿った、遠位端部とハブ46の外表面との間の距離として半径を画定し得る。ベーン76の半径は、側壁70の内表面によって画定される、ディフューザベース62の内径と実質的に等しくし得、それよりもやや小さくし得る。カルーセルインペラ52の例示的な実施形態は6個のベーン76を含むが、任意の数のベーン76(例えば、1個のベーン、2個のベーン、...、7個のベーン、8個のベーン、...等)をカルーセルインペラ52に組み込み得ることが考えられる。
【0042】
カルーセルインペラ54が回転すると、インペラベーン76はディフューザベース62内に回転流体流を生み出し、回転流体流に関連する遠心力の結果として、流体が、半径方向外側に流れるように付勢される。側壁70がこのような半径方向の流れを遮るのに対し、流路74は、このような半径方向の流れを許容する。流路74を流れる流体は、より詳細に以下で説明するように、ディフューザベース62の付近で動く容器に受け入れられ得る。
【0043】
ここで図12図13を参照すると、ディフューザリッド64は、ハブ46およびカルーセルインペラ54を含むアセンブリの一部として図示されている。ディフューザリッド64は、ディフューザリッド64に形成されている戻り口84を含み、主流体運動回路からの過剰な流体を受け入れて、その流体をメインリザーバ(例えば、下側リザーバ)に向けて進ませ得る。ディフューザリッド84は、内壁86および外壁88を有する略環状構造であり得、そのどちらも、内壁86が中央ディフューザリッド開口部を画定した状態で、中心軸40の周りに延び得る。戻り口84は、ディフューザリッド64内に形成されて内壁86と外壁88との間に延びており、流体が戻り口84を通ってディフューザリッド開口部まで流れることができるようになっている。戻り口84は、その各々が内壁86と外壁88とに延びる一対の側壁90と、内壁86と外壁88との間に半径方向に、および一対の側壁90間で角度方向に延びている中間面92と、によって画定され得る。図13に図示される組み立て図では、ディフューザキャップ94が戻り口84を包囲した状態での、戻り口84が見える(例えば、ディフューザキャップ94は、ディフューザリッド64と一緒に、戻り口84を部分的に画定し得る)。
【0044】
ディフューザリッド64は、ラックギア66に接続されてもよく、またはラックギア66と一体的に形成されてもよく、ラックギア66は、略環状の構成で、中板60に向かって延びている複数のギア歯を含む。より詳細に以下で説明するように、ラックギア66は、いくつかの容器に関連付けられているいくつかのギアと界接して、容器が中心軸40を中心としてシェル14内で動くと、それぞれの容器軸を中心として容器の回転を生じさせるように構成される。
【0045】
ここで図14を参照すると、一対の内部カルーセルハブ96、一対のリングギア98および複数のスポーク100を示すために外部コンポーネント(例えば、外側シェル14)を取り除いた状態のポンプアセンブリ10の側面図が図示されている。図14は3つのスポーク100を含むが、カルーセルハブ96をより明確に示すためにいくつかの追加のスポークは示されていない。図14に図示される視点から、ポンプアセンブリ10は、上側カルーセルハブ96および下側カルーセルハブ96を含み、そのどちらも、より詳細に以下で説明するように、中心軸40を中心として、互いに対して反対方向に回転する。各カルーセルハブ96は、中心軸40の周りの円形路で容器を駆動するために、複数の容器と係合するように構成される。
【0046】
より詳細には、図14は、カルーセル板50が中板60の両側に配置された状態の、下側カルーセル板50および対応する上側カルーセル板50を図示している。各カルーセルハブ96は、中心軸40を中心として延びている略環状構造であり、複数のハブ中央開口102、複数のハブ送り口103および複数のハブ溢流口105を含む。複数のハブ中央開口102は、カルーセルハブ96の外面から中心軸40に向かって延びており、各容器との係合を容易にするように構成される。各ハブ中央開口102は、1つの方向には中心軸40に向かって、別の方向には中板60に向かって延びているハブ開口軸の周りに延び得る。ハブ送り口103が、主流体回路内に設置されている容器に流体を供給するように構成されるのに対し、ハブ溢流口105は、主流体回路内に設置されている容器から流体を受け入れるように構成される。カルーセルハブ96に関わる追加の詳細を、図18図19に関連して、より詳細に以下で説明する。
【0047】
上述したように、カルーセルハブ96は、互いに対して反対方向に回転する。したがって、カルーセルハブ96の反対回転を容易にするために、ポンプアセンブリ10の一実施形態は、図15図17に図示されるリングギア98を含む。各リングギア98は、その片側に形成されているギア歯を有する環状形のメインボディ99を含む。リングギア98は、メインボディ99に連結されてスポーク100の各々と係合するように構成される、複数のスポークマウント101も含み得る。
【0048】
一対のリングギア98は、複数のアイドラーギア104を介して互いに作動可能に接続され、アイドラーギア104は、第1リングギア98の第1回転方向への回転を、第1回転方向と反対の第2回転方向への第2リングギア98の回転に変換するように構成される。各アイドラーギア104は、その上に複数の外ギア歯が形成された略円筒形ボディ106を含み得る。図15は、アイドラーギア104に連結されている一対のリングギア98を示している。ハブ46の反対回転を図示するための矢印とともに、ハブ46も示されており、該反対回転は、リングギア98とアイドラーギア104との相関関係によって可能になる。図15には、両ハブ46およびリングギア98を貫通している戻り管44も示されており、両ハブ46は戻り管44の周りで回転し、戻り管44は回転心棒として機能しないことに留意するべきである。
【0049】
アイドラーギア104は、中板60に回転可能に連結されて、中心軸40に略垂直であり得る各回転軸を中心として回転し得る。中板60は、各アイドラーギア104を受け入れるようなサイズにされている複数の開口108を含み得る。開口108と対応するアイドラーギア104とは、リングギア98とアイドラーギア104との間で荷重伝達を分散するために、中心軸を中心として等間隔に離間し得る。
【0050】
リングギア98は、介在する構造的接続により、駆動モータ22によって駆動され得る。より詳細には、かつ、ここで図17を特に参照すると、駆動モータ22は、駆動モータ22を作動させるときに駆動モータ22がドライブギア110に力を伝えてドライブギア110を回転させるように、ドライブギア110に接続されている。ドライブギア110の回転がトランスファーギア112を回転させる力をトランスファーギア112に伝えるように、ドライブギア110と噛み合わされているのがトランスファーギア112である。トランスファーギア112は、下側カルーセル板50がトランスファーギア112とともに回転するように、下側カルーセル板50に取り付けられている。上述したように、下側カルーセル板50は下側ハブ46に取り付けられており、それがさらに下側カルーセルインペラ54に取り付けられている。したがって、下側カルーセル板50が回転すると、下側ハブ46も回転し、それがさらに下側カルーセルインペラ54の回転を生じさせる。
【0051】
再び図14および図15を参照すると、下側カルーセル板50は、追加で、スポーク100を介して下側リングギア98に接続されており、下側リングギア98は、中板60に回転可能に連結されている複数のアイドラーギア104と噛み合わされている。アイドラーギア104は、追加で、下側リングギア98と反対の関係で、上側リングギア98に噛み合わされており、上側リングギア98は上側スポーク100に接続されている。上側スポーク100は上側カルーセル板50に接続されており、これが上側ハブ46に接続され、これがさらに上側カルーセルインペラ54に接続されている。したがって、下側カルーセルインペラ54が第1回転方向に回転すると、下側リングギア98も第1回転方向に回転し、これが下側リングギア98の回転軸に略垂直な回転軸を中心としたアイドラーギア104の回転を生じさせる。アイドラーギア104と上側リングギア98との噛み合い接続が、下側リングギア98の第1回転方向と反対の第2回転方向への上側リングギア98の回転を引き起こす(すなわち、上側リングギア98と下側リングギア98とは反対方向に回転する)。上側リングギア98と上側カルーセルインペラ54との間の相互接続は、上側カルーセルインペラ54を上側リングギア98とともに回転させる。上側カルーセルインペラ54は上側ハブ46に接続されており、それがさらに上側カルーセル板50に接続されている。そのため、上側カルーセルインペラ54が回転すると、上側ハブ46も上側カルーセル板50と一緒に上側ハブ46とともに回転する。
【0052】
上で説明した様々なコンポーネントの回転が、いくつかの容器(図20Bを参照)の回転を容易にし、該容器は主流体回路内で動き、主流体回路に入るときに選択的に流体が充填され、主流体回路から出るときに流体が抜かれる。各容器は、一次的には、流体移送ボディ20から受け入れた流体が充填され、二次的には、ディフューザへの露出に応答して受け入れた流体が充填されるか、該流体で一杯にされ得る。容器は、容器の動きを容易にするとともに互いに対して反対方向に回転する一対のカルーセル114(例えば、上側カルーセル114および下側カルーセル114)を含むポンプアセンブリ10とともに、カルーセル114内に担持される。
【0053】
図19に、組立状態のカルーセル114が示されている。各カルーセル114は、カルーセルハブ96と、複数のスポーク100と、容器フレーム116とを含み、これらが合わせて単一のユニットまたはアセンブリとして動くカルーセルフレーム(例えば、ポンピングフレーム)を画定し得る。カルーセルハブ96は、上述したように、複数の開口102(図14を参照)と、ハブ送り口103と、ハブ溢流口105とを含み、単一の開口102、単一のハブ送り口103および単一のハブ溢流口105をそれぞれ有する複数の個別ハブボディ97によって形成されてもよく、または、カルーセルハブ96は単一の一体的ボディとして形成されてもよい。いずれの場合も、カルーセルハブ96は、外面118(図19を参照)、内面120、外面と内面118,120間に延びている平坦な表面122を画定し得る。平坦な表面122の反対側のカルーセルハブ96の部分は、その中に形成されている環状溝124(図23を参照)を含み得、これは、カルーセルハブ96がラックギア66の上に延びることを可能にし得る。
【0054】
カルーセルハブ96は、カルーセル板50と略平行な関係でハブ46から半径方向外側に延びている支持板126に取り付けられ得る。カルーセルハブ96が支持板126に取り付けられているとき、カルーセルハブ96の平坦な表面122は、支持板126から離間しており、かつ支持板126と略平行である。
【0055】
スポーク100は、支持板126とカルーセル板50との間に軸方向に延びており、中心軸40に対して半径方向にカルーセル板50の外径に向かって延びている。各スポーク100は、支持板126とカルーセル板50との間に存在する近位部分128と、支持板126よりも半径方向外側に延びている遠位部分130とを含み得る。遠位部分130は、近位部分128よりも遠位部分130において大きな距離でカルーセル板50から延びるように、近位部分128と比べて大きくされ得る。
【0056】
容器フレーム116は、完全な輪を形成し得、スポーク100の近位部分130に接続され得、カルーセル板50の外径に隣接して位置付けられ得る。容器フレーム116は、外表面132、対向する内表面134、および外表面132と内表面134との間に延びている複数の容器フレーム開口136を有し得る。外表面132は弓状で、一実施形態においては、一部球形であってもよい。容器フレーム開口136は、容器フレーム116の周りに等間隔に離間し得る。容器フレーム116に形成される容器フレーム開口136の数は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、12より多くても、または12より少なくてもよいが、例示的な実施形態において、容器フレーム116は、12個の容器フレーム開口136を含む。容器フレーム116は、合わせて容器フレーム116を画定する個々の容器フレームボディ117から形成され得る。各容器フレームボディ117は、単一の容器フレーム開口136を含み得、一対のスポーク100および隣接する容器フレームボディ117に接続され得る。
【0057】
上記は、各カルーセル114がカルーセル114を形成するために組み立てられるいくつかの個別コンポーネントから構成されるものとして説明しているが、他の実施形態では、カルーセル114が、三次元印刷または当業者によって知られる他の技法によるなど、単一の材料のユニットから形成され得ることが考えられる。
【0058】
ここで図20Aおよび図20Bを参照すると、各カルーセル114は、いくつかの回転容器/ファンネル140を担持または輸送するように構成され得る。各容器140は、カルーセルハブ96と容器フレーム116との間に延びている。カルーセル114が中心軸40を中心として回転すると、容器140も中心軸40を中心として回転する。加えて、各容器140は、容器140の中心を通る各半径方向に延びる容器軸142を中心として回転するように構成される。カルーセル114および容器140は、シェル14内で、シェル14の内表面のすぐ近くで回転するようなサイズにされている。この点に関し、カルーセル114の外側湾曲は、シェル14の内表面の湾曲と相補的であり得る。
【0059】
図21は、容器140の一実施形態の上方斜視図であり、容器軸の周りに配置される主ボディ144を含むとともに、近位端部146および遠位端部148を含む。主ボディ144は、容器軸142に垂直な断面平面に円形の断面を画定する略円錐形の外壁を含み得る。主ボディ144の外径は、近位端部146と遠位端部148との間で変わり、直径は、一般に、遠位端部148よりも近位端部146において小さい。主ボディ144の外部構成は、特に、リングギア98など、近位端部146と遠位端部148との間で主ボディ144に隣接し得る、主ボディ144の外部の構造に隙間を提供するようなサイズにされて、それに適合され得る。外壁の内表面は一般に滑らかで、近位端部146と遠位端部148との間に延び得る。内径は、外径と同様に、近位端部146と遠位端部148との間で変わる内径を画定する内表面を画定し得る。
【0060】
主ボディ144は、追加で、ベーンハブ151から主ボディ144の内表面に向かって半径方向外側に延びている複数の内部ベーン150を含み得る。各ベーン150も、実質的に近位端部146から遠位端部148まで延び得る。ベーン150がその長さ(例えば、近位端部146と遠位端部148との間の方向)に沿って延びると、ある角度量で容器軸142の周りに延び得るように、ベーン150はこれらに対して湾曲を有し得る。湾曲は、ベーン150の凹面とベーン150の対向する凸面とを生じ得る。
【0061】
上述したように、各容器140は、そのそれぞれの容器軸142を中心として回転するように構成され、したがって、容器140のそのような回転運動を容易にするために、容器140は、主ボディ144に接続されているかまたは接続可能であるとともに円形ラックギア66と係合されるように構成される、ギア付きシャフト152(図23を参照)を含み得る。この点に関し、ギア付きシャフト152は、カルーセル114が中心軸40を中心として回転すると円形ラックギア66の周りを移動するので、円形ラックギア66とギア付きシャフト152との間の相互接続が円形ラックギア66に対するギア付きシャフト152の回転を生じさせる。さらに、ギア付きシャフト152と主ボディ144との間の相互接続が、主ボディ144をギア付きシャフト152とともに回転させる。そのため、ギア付きシャフト152は、これがラックギア66に沿って移動すると回転するので、主ボディ144もギア付きシャフト152とともに回転する。
【0062】
図23は、容器フレームボディ117の容器フレーム開口136と整列した状態の容器140を示す上方斜視図である。主ボディ144の遠位端部148は、容器フレームボディ117に隣接して位置付けられており、最遠位端または縁によって画定され得る遠位端部148の外径は容器フレーム開口136の直径と実質的に等しいが、それよりもやや小さい。そのため、最遠位端または縁は、容器フレームボディ117に形成されている円形凹部またはキャビティ内に受け入れられて、容器140を容器フレームボディ117と整列させ得る。シール154は、容器フレームボディ117に接続されて、容器フレームボディ117とシェル14の内表面との間の望ましくない流体の流れを軽減し得る。
【0063】
ギア付きシャフト152は、カルーセルハブ開口102を通って延び、ラックギア66の歯に係合する。図23は、ハブボディ97とラックギア66との間の係合を例示するために、単一のハブボディ97を示している。具体的には、ラックギア66は、ハブボディ97に形成されている環状溝124に受け入れられる。内側シール156は、ハブボディ97と容器140との間に設置されて、それらの間の望ましくない流体の流れを軽減し得る。ギア付きシャフト152は、細長いシャフト部分158がハブボディ97に対して回転すると細長いシャフト部分158とハブボディ97との間の摩擦を低減するように構成される、軸受160内に受け入れられる細長いシャフト部分158を含み得る。ハブボディ97のハブ送り口103は、カルーセル114が回転するときにカルーセルインペラ54と流体連通するハブ送り口103の配置を可能にするように、カルーセルインペラ54と軸方向に整列される。さらに、ハブ溢流口105は、カルーセル114が回転するときに、戻り口84と流体連通するハブ溢流口105の配置を可能にするように、戻り口84と軸方向に整列される。
【0064】
図24および図25は、ディフューザ流路74を介してカルーセルインペラ54に露出されるかまたはカルーセルインペラ54に整列される、複数の容器140を示している。図24に図示される例示的な実施形態では、6個の容器140がカルーセルインペラ54に露出しているが、明確にするために図24に示されていない追加の6個の容器140は、これらの容器140がカルーセルインペラ54に流体連通することをディフューザ側壁70が遮ることに起因して、カルーセルインペラ54には露出していない。図24には、容器フレーム116の反時計回りの動きとそれに伴って同期する容器140の回転を例示するために、矢印も示している。
【0065】
図26は、カルーセル114内のフルセットの容器140を、カルーセル114の回転方向を図示する矢印と、容器114の同期した回転を図示する別の矢印とともに示している。例えば、図26に示す視点から、容器140aがその容器軸142の周りに反時計回りの方向に回転している間、カルーセル114は反時計回りの方向に回転している。図27は、図26に図示されているのと同じカルーセルおよび容器を示す。
【0066】
図28は、容器140を充填する流体の主源を例示する断面図である。具体的には、流体は、流体移送ボディ20の流体移送出口161から流れている。空の容器140は、主に、それが流体移送出口161に露出されているときに充填され得る。過剰な流体は、ハブ溢流口105を通り、さらにディフューザベース62の戻り口84を通って流れて、連続的な流れまたは流体運動を容易にする。ディフューザの中心は、戻り口84から流体を受け入れるディフューザリザーバの領域を提供するために開いている。
【0067】
図29は、容器140から流体移送ボディ20の流体移送入口162への流体の排出を例示する断面図である。満杯の容器140は、主に、容器140が流体移送入口162に整列または露出することになるときに空にされ得る。
【0068】
流体移送ボディ20は、流体移送ボディ20によって画定される流路が流体移送入口162から流体移送出口161まで拡張するように構成され得る。流れの方向への流体移送ボディ20の拡張は、流体移送入口162から流体移送出口161まで流体が流れるときに流体を減速させることが意図されている。拡張の結果として、流体移送入口162の開口によって画定される面積は、流体移送出口161によって画定される開口よりも小さくなり得る。ある特定の実施例において、流体移送出口161によって画定される開口の大きさは、流体移送入口162によって画定される面積の約2倍である。
【0069】
図30および図31は、シェル14のメインボディ15と容器フレーム116(および容器フレームボディ117)と容器140との近さを例示している。図31は、図30に図示されるものの拡大図である。
【0070】
ポンプアセンブリ10の基本構造を上で説明してきたが、以下の説明は、ポンプアセンブリ10の例示的な使用、具体的には、ポンプアセンブリ10の動作中のポンプアセンブリ10内の流体運動に関する。最初の始動時、遠心ポンプ24は、メインリザーバからシステムに流体を注入して、各湿潤領域(例えば、所与のカルーセル114内で、そのカルーセルに連通する流体入口ポートとそのカルーセルに連通する流体出口ポートとの間の領域。また、カルーセルインペラ54に流体的に露出するかまたはインペラ54と流体連通するカルーセル114内の容器114)に設置されている容器140を充填するように作動させられる。遠心ポンプ24の作動は、流体移送ボディ20を充填することにもなる。流体移送ボディ20が充填されて、カルーセル114の湿潤領域の容器140が充填されると、ポンプアセンブリ10はプライミングされたと見なすことができる。
【0071】
ポンプアセンブリ10がプライミングされると、駆動モータ22が作動させられ得、それが、上下のカルーセル114の回転を生じさせる。あるいは、ポンプアセンブリ10のプライミングおよび上下のカルーセル114の作動は同時に起こり得ることが考えられる。上側カルーセル114および下側カルーセル114の回転は、本質的に閉ループを形成する流体運動路を生み出し、流体は、上側カルーセル114の容器140の一部によって搬送された後に流体移送ボディ20に空けられて、下側カルーセル114の容器140に送り込まれる。流体は、下側カルーセル114によって搬送された後に流体移送ボディ20に空けられて、上側カルーセル114の容器140に送り込まれる。このサイクル(上側カルーセル容器、流体移送ボディ、下側カルーセル容器、流体移送ボディ等)は、ポンプアセンブリ10がオンのままである間続く。上下両方のカルーセル114の容器140は、これらが中心軸40を中心として全360度回転すると流体が充填されない。むしろ、容器140が充填された後に、容器140が360度より少なく、いくつかの実施形態では270度より少なく、いくつかの他の実施形態では約180度移動すると空にされる。容器140の充填が、容器140が空にされる別の点から180度のある点で始まると仮定すると、中心軸40に対する容器140の360度の動きの範囲のうち一方の180度領域を湿潤領域と呼んでもよく、他方の180度領域を乾燥領域と呼んでもよい。
【0072】
ここで図32を参照すると、例示するために流体移送ボディ20が取り除かれており、流体移送ボディ20内の流体の流れを点線で図示している。流体移送ボディ20からの流体は、上側カルーセル114の容器140に流れ込んで、高速回転している容器140のキャビティ内に受け入れられる。具体的には、流体移送ボディ20および容器140は、ある所与の瞬間においては、流体移送ボディ20からの流体の流れを所与の容器140内のキャビティのうち一部のみに移すことを可能にするように構成され得る。言い換えると、キャビティのすべてが同時に流体移送ボディ20に露出するわけではない。むしろ、あるキャビティが流体移送ボディ20に露出し得、その後、容器140およびカルーセル114の回転が別のキャビティを流体移送ボディ20に露出させ得て、以下同様である。このように、容器軸142および中心軸40を中心とした容器140の回転は、容器140内のキャビティを順次流体移送ボディ20に整列させて容器キャビティの充填を可能にする。
【0073】
満杯の容器140によって流体が搬送されると、容器140は、カルーセル114によって中心軸40を中心とした円形路に沿って流体移送出口161から流体移送入口162まで搬送される。容器140によって搬送される流体は、180度に等しい、180度より大きい、または180度より小さい角度寸法を画定し得る弓状セグメントに沿って動く。加えて、容器140が円形路に担持されている間、容器140は、追加で、そのそれぞれの容器軸142を中心として回転する。
【0074】
容器140が流体移送入口162に到達すると、容器キャビティは、容器140の充填のされ方と同様に、流体移送ボディ20内に順次空けられる。ポンプアセンブリ10内で流れているかまたは動いている流体は力を発生させ、それは、使用者にとって望ましいものとなり得る。具体的には、所与のカルーセル114内の流体移送出口161(容器140が充填される)から流体移送入口162(容器140が空にされる)までの流体運動に関連付けられる弓状または半円形の流体運動は、遠心力Fを発生させ得、遠心力の大きさは次式に等しくなり得る。
【0075】
【数1】
上記の式において、mは容器内の流体の質量中心を表し、vは流体の速度を表し、rは流体が動く通路の半径を表す。遠心力の方向は、中心軸40に垂直で、2つの流体移送入口162または2つの流体移送出口161からほぼ等距離にある軸に沿うことになろう。
【0076】
上側カルーセル114および下側カルーセル114は、それらの各別の流体移送路を考慮すると、各々がそれぞれの遠心力を発生させる。上側カルーセル114に関連する遠心力の大きさは、下側カルーセル114に関連する遠心力の大きさにほぼ等しい。遠心力は、遠心力の方向にポンプアセンブリ10を付勢するのに望ましいものとなり得る。
【0077】
上で説明した遠心力に加えて、ポンプアセンブリ10の動作中に発生してポンプアセンブリ10を所定の方向に付勢するのに寄与し得るかまたはそれを助け得る、追加の力があり得る。具体的には、各容器140は複数の容器キャビティ141を含み、容器キャビティ141は、容器キャビティ141が流体移送入口162に順次整列または露出されてくると流体を容器140から流体移送入口162に向かって順次放出または排出する。排出プロセス中、容器140内の1以上のキャビティ141は、それらキャビティ141からは流体が排出済みであるため、乾燥しているかまたは流体が入っていない可能性があるが、容器140内の1以上のキャビティ141はまだ流体を含み得る。したがって、容器キャビティ141から流体移送入口162までの流体の順次排出は、排出する容器140に関して質量の不均衡を生み出し得る(例えば、容器140の片側の、容器140の質量および流体は、容器140の反対側の、容器140の質量および流体よりも大きい/多い)。さらに、容器140がそのそれぞれの容器軸142を中心として連続的に回転するのに伴って、ポンプアセンブリ10は、不均衡な容器140がその容器軸142を中心として回転する結果として、所定の方向に向かう正の力を発生させるように構成され得る。具体的には、より大きな質量をもつ容器140の部分は所定の方向に向かって回転し得る一方で、より小さな質量をもつ容器140の部分は所定の方向から遠ざかって回転し得る。容器140に関する質量の不均衡は、ポンプアセンブリ10を所定の方向に向けて付勢することに寄与する力を発生させ得る。不均衡の最大量は、容器キャビティ141の半分が流体で充填されるが容器キャビティ141のもう半分が流体を含まないときに生じ得る。この半分充填、半分空の構成は、容器140の充填と容器140の排出の両方が行われているときに起こり得る。
【0078】
ポンプアセンブリ10の動作中に発生し得るさらに別の正の力は、流体が容器140から流体移送ボディ20に排出されることに関連するコリオリの力である。一実施形態によると、容器140から流体移送ボディ20に排出される流体は、容器140によって弓状路に沿って搬送され、その後、半径方向外側の方向に流体移送ボディ20に排出される。具体的には、容器140から流体を受け入れる流体移送ボディ20の部分は、中心軸40を中心とした容器の回転によって画定される弓状セグメントに関連する半径に対して半径方向外側に位置付けられる。したがって、流体が小さな半径から大きな半径へと半径方向外側に流れると、流体は加速され、そのため、そのような加速に関連する力を発生させる。ポンプアセンブリ10の構成に起因して、力の方向は所定の所望の方向に向き得る。ある特定の実施形態では、ポンプアセンブリ10は、流体を第1弓状セグメントに沿って第1回転方向に搬送する容器140の第1セットと、流体を第2弓状セグメントに沿って第2回転方向に搬送する容器140の第2セットとを含むとき、小さな半径から大きな半径へと排出される流体に関連する力は、ポンプアセンブリ10の両側で発生し得るが、両方の力が所定の方向に向き、そのため、ともにポンプアセンブリ10をその所定の方向に向けて付勢することに寄与する。
【0079】
いくつかの力はポンプアセンブリ10をある特定の方向に向けて付勢することに寄与し得るが、ポンプアセンブリ10内の流体運動に関連する負の力または対抗する力も存在し得る。容器140が流体を流体移送ボディ20に順次排出するのと同様に、容器140は、また、一度に流体移送ボディ20から1つのキャビティ141に流体を順次受け入れ得る。流体の容器140への順次受け入れは、容器140の一部分が流体をすでに受け入れ済みであるのに対し、容器140の残りの部分はまだ流体を受け入れていないことになり得る。そのため、質量の不均衡が生み出され得る。より大きな質量をもつ容器140の部分は、容器軸142の周りで所定の方向から遠ざかるように加速され得、これは、ポンプアセンブリ10を所定の方向に向かって動かそうとする力に反して作用する。
【0080】
望ましくない力のうちのいくらかは、容器140の回転によって軽減または中和され得る。具体的には、上側カルーセル114の容器140が流体移送出口161から流体を受け入れるとき、容器140は、一般に、その回転の頂点で流体を受け入れ、そのため、流体が下向きに回転するにつれて容器にかかっていく増大した重量が、第1方向に向けられる容器の遠心力を発生させる。この容器の遠心力は、下側カルーセル114の容器に関連する動きおよび流体移動によって対抗される。具体的には、容器140が流体を流体移送入口に移すと、流体は、容器140の上部に隣接する容器140から排出され得、そのため、容器140の半分が中身を移された後、容器140の搭載部分の回転が、上側カルーセル114に関して上述した遠心力と同様の大きさを有して第1方向とは反対の方向の、容器の遠心力を生み出す。
【0081】
図33A図33Cは、容器140の基本的な充填および排出とともに、カルーセル114の回転(それぞれの回転方向は矢印143および145によって表されるが、図33A図33Cには図示していない)および容器140の回転を例示する図である。図33Aの視点から容器140の上側セットを担持するカルーセル114は上側カルーセルといい、図33Aの視点から容器140の下側セットを担持するカルーセル114は下側カルーセルという。矢印143は、上側カルーセル114の前側の回転方向の表現であり(参照フィールド135の前に延びている矢印143によって例示される)、これは、図33Aに示される視点から、左から右方向に動いている。矢印145は下側カルーセル114の後側の回転方向の表現であり、これは、図33Aに示す視点から、左から右方向に動いており、そのため、下側カルーセル114の前側は右から左方向に動いているであろう。
【0082】
上側カルーセル114が担持する上側容器140は、半径方向外側の位置から見たときに(例えば、中心軸40に向かって容器140を見るときに)、そのそれぞれの容器軸142を中心として反時計回りの方向に回転している。同様に、下側カルーセル114によって担持される下側容器140は、そのそれぞれの容器軸142を中心として反時計回りの方向に回転している。各カルーセル114に含まれるすべての容器140が示されているわけではないことに留意されたい。むしろ、流体移送ボディ20との整列に基づいて充填されているかまたは空にされている容器140のみが図示されている。図33Aに示す視点から、上側容器140が、流体を左側流体移送ボディ20から受け入れて、流体を右側流体移送ボディ20に排出するのに対し、下側容器140は、流体を右側流体移送ボディ20から受け入れて、流体を左側流体移送ボディ20に排出する。
【0083】
流体移送ボディ20から流体を受け入れ、流体を流体移送ボディ20に排出するときの容器キャビティ141の特定の場所は、ポンプアセンブリ10内で所望の力の発生を最適化する役割を果たし得る。さらに、カルーセル114の総合的な回転および容器140の回転のタイミング/同期は、流体移送ボディ20の視点から容器140の相対速度を最適化して、容器140と流体移送ボディ20との間の力の発生および流体移送を最適化する。
【0084】
流体が流体移送出口161から容器キャビティ141に受け入れられるとき、もうすぐ満たされそうな容器キャビティ141の、容器軸142を中心とした回転方向は、カルーセル114の回転方向とは実質的に反対になるが、もうすぐ空にされそうな容器キャビティの、容器軸142を中心とした回転方向は、カルーセル114の回転方向と実質的に整合するかまたは同様になる。
【0085】
図33B、特に容器140aを参照すると、排出位置での容器キャビティ141aの回転方向は矢印147の方向であり、これは、上側カルーセル114の動きを表す矢印143のものと略整合するかまたは同様である。同様に、下側カルーセル114、特に容器140bに関して、その充填位置での容器キャビティ141bの回転方向は矢印149の方向であり、これは、矢印145のものと略反対である。したがって、容器キャビティ141bが流体移送出口161と整列されている間、矢印145で表される下側カルーセル114の回転に対して容器キャビティ141bのそのとき対抗している回転に起因して、下側カルーセル114の残りの部分は、流体移送出口161の視点から見たときに、容器キャビティ141bよりも速い速度で動いているように見える。
【0086】
同様に、下側カルーセル114に関し、またここで図33Cを参照すると、その空にする位置での容器キャビティ141bの回転方向は矢印151の方向であり、これは、矢印145のものと略同様である。したがって、容器キャビティ141bが流体移送入口162に整列されている間の下側カルーセル114の回転に対する容器キャビティ141bのそのときの同様の向きにされた回転に起因して、容器キャビティ141bは、流体移送入口162の視点から見たときに、カルーセル114よりも速い速度で動いているように見える。上側カルーセル114、特に容器140aに関して、その充填位置での容器キャビティ141aの回転方向は矢印153の方向であり、これは、矢印143のものと略反対である。
【0087】
このように、差し引きで、容器の遠心力は互いに相殺され、流体移送入口から流体移送出口に向かう流体の弓状運動に関連する残りの遠心力が、ポンプアセンブリ10を所定の方向に付勢する力を発生させる。
【0088】
以上は、ポンプアセンブリ10の動作中に容器140を充填することおよび空にすることを述べているが、容器140が完全には充填されない可能性または完全には空にされない可能性があることは理解される。例えば、容器140が空にされるとき、流体の膜が容器140に存在することがある。
【0089】
以上の説明および図1図37に図示される実施形態は、単に1つの例示的な実施形態にすぎない。これらに従って、ポンプアセンブリ10の1以上のコンポーネントが追加で本開示の範囲内に含まれる代替実施形態を有し得ることは考えられる。以下の説明は、ポンプアセンブリ10の様々なコンポーネントの特定の代替実施形態に関する。
【0090】
ここで特に図38図53を参照すると、ポンプの片側からポンプの反対側に回転駆動力を伝達するために、アイドラーギア204と直接界接する一体型リングギア202を有するカルーセルインペラ200の代替実施形態が図示されている。図38図53に図示される実施形態は、中板206の代替実施形態も含み、これは、中板206に接続される開口212を流体移送ボディ20が画定するために、メイン部分210から延びているサポートリム208を含む。
【0091】
カルーセルインペラ200は、中央ハブ214と、中央ハブ214から半径方向外側に延びている複数のベーン216とを含む。カルーセルインペラ200は、追加で、リングギア202を含み、これは、その遠位端部に隣接する各ベーン216に接続され得る。リングギア202は、ベーン216に一体的に接続され得、複数のベーン216によって画定される外径と同様な外径を画定し得る。リングギア202は、中板206に連結されているアイドラーギア204と界接するギア歯218を含む。カルーセルインペラ200が互いに反対方向に回転するように、リングギア202とアイドラーギア204との相互作用は、中板206の片側のカルーセルインペラ200の回転を中板206の反対側のカルーセルインペラ200に伝達することになり得る。
【0092】
カルーセルインペラ200へのリングギアの組み込みは、アイドラーギア204を、図1図37に図示される実施形態に含まれるアイドラーギア204の位置に対して、より半径方向内側の位置まで動かすことを可能にする。さらに、カルーセルインペラ200へのリングギア202の組み込みは、リングギア202を容器の半径方向内側の位置まで動かし、そのため、容器とリングギアとの間の隙間に関係する問題が軽減される。このように、カルーセルインペラ200へのリングギア202の組み込みは、より大きな体積をもつ容器を可能にすることができ、ポンプアセンブリ10の動作中に、より大きな力の発生をもたらし得る。
【0093】
図42図43は、追加で、ハブ46とカルーセルインペラ200との間の例示的な係合を図示している。具体的には、複数の突起220がハブ46の外表面222から延びて、カルーセルインペラ200に形成されている対応する凹部224またはキャビティ内に受け入れられ得る。そのため、ハブ46が回転するとき、カルーセルインペラ200は、追加で、突起220および凹部224を介した接続に起因して回転する。カルーセルインペラ200に対するハブ46の相対的な位置を調整するために、止めねじ226を使用してもよい。
【0094】
ここで図45図48を参照すると、容器230、そのそれぞれの容器軸を中心として容器230を駆動するための六角ドライブ、ラックギア、および容器の動きの結果としての摩擦を軽減するための軸受、の代替実施形態が図示されている。
【0095】
まず、図45図48を参照すると、各容器230は、互いに着脱可能に接続可能な主ボディ232およびギアボディ234を含み得る。主ボディ232は、容器軸236の周りに配置されて、近位端部238および遠位端部240を含む。主ボディ232は、追加で、ベーンハブ244から主ボディ232の内表面に向かって半径方向外側に延びている複数の内部ベーン242を含み得る。ベーンハブ244は、その近位端部238から、より具体的には近位端面から、ベーンハブ244内まで延びている多辺形キャビティ246を含み得る。他のキャビティ構成も本開示の精神および範囲を逸脱することなく実施され得るが、例示的な実施形態においては、多辺形キャビティ246は六角形キャビティ(すなわち、6辺形キャビティ)である。
【0096】
六角形キャビティ246は、ギアボディ234の一部分、具体的にはその上に形成されて、ギア付きシャフト250に接続されている、六角形ボディ248を受け入れるように構成される。ギア付きシャフト250は、追加で、ラックギア252(図48を参照)と噛み合うかまたは界接するようになされた、外向きに延びる複数のギア歯を含む。
【0097】
六角形ボディ248と六角形キャビティ246との相互作用は、容器軸236に対する主ボディ232およびギアボディ234の回転運動を同期させ得ると同時に、容器軸236に沿ったギアボディ234に対する主ボディ232の運動を可能にする。このような運動は極小かもしれないが、ギアボディ234とラックギア252との整列、およびシェル14の近くでの主ボディ232の運動を可能にし得る。主ボディ232とギアボディ234との間にバネが設置されて、主ボディ232をギアボディ234から遠ざかるように付勢し得る。
【0098】
図45および図46は、追加で、容器230と容器フレームボディ117との間に存在する軸受254を図示している。軸受254は、主ボディ232と容器フレームボディ117との間の摩擦が最小化されるように、容器フレームボディ117に形成されている開口内にも受け入れられながら、主ボディ232の遠位端部240の周りに延びるようなサイズにされる。容器フレームボディ117と軸受117との間に1以上のバネ256が延びて、容器フレームボディ117から軸受117が遠ざかるように付勢してもよい。
【0099】
ここで図49図50を参照すると、容器230のギア付きシャフト250と界接して、そのそれぞれの容器軸236を中心とした容器230の回転を生じさせる円形ラックギア252の代替実施形態が図示されている。
【0100】
ここで図51および図52を参照すると、容器フレームボディ117に接続されているクロスバーフレーム258が図示されている。クロスバーフレーム258は、その遠位端部240で容器230の直径と同様なサイズの中央開口262を画定する周縁ボディ260を含み得る。開口262は容器230と整列して、ポンプアセンブリ10が動作しているときに、流体を中央開口262および容器230の両方に通過させ得る。クロスバーフレーム258は、追加で、中央開口262をまたがって延びているクロスバーボディ264を含み得、クロスバーボディ264の内表面は、そこから突出している突起部266を有する。突起部266は、容器230にかかる摩擦を最小化して容器軸236を中心とした容器230の回転を容易にし得る軸受268と界接するようなサイズにされ得る。クロスバーボディ264は、シェル14の内表面と界接して、シェル14によって生じ得るそれらの間の摩擦を最小化し得ることも考えられる。一実施形態において、クロスバーボディ264は、シェル14の内表面の湾曲/輪郭を模した外表面を含む。
【0101】
ここで、図53および図54を参照すると、容器230の代替回転駆動機構が図示されている。具体的には、リングギア270が容器フレーム116に対して半径方向外側に設置され得、容器230の遠位端部に接続されているピニオンギア272と界接するように構成され得る。ピニオンギア272がリングギア270上で回転すると、容器230はその容器軸236を中心としてピニオンギア272とともに回転する。この点に関し、その容器軸236を中心とした容器230の回転を容易にするために使用され得る歯車機構の場所は、近位端部238(例えば、半径方向内側)、または遠位端部240(例えば、半径方向外側)に隣接して設置され得る。
【0102】
図53および図54は、追加で、容器230の遠位端部240をまたがって延びている、クロスバーボディ274の代替実施形態を図示している。クロスバーボディ274は、流体移送ボディ20に露出され得る容器キャビティの有効サイズを画定するために、その中に形成されるタイミングポート276を含み得る。
【0103】
上記の実施形態は、ポンプアセンブリ10を、一対のカルーセルインペラ54,200を含むものとして説明しているが、ポンプアセンブリ10の他の実施形態は、カルーセルインペラ54,200なしで形成され得ることが考えられる。この点に関し、カルーセルインペラ54,200が存在していればカルーセルインペラ54,200によって方向付けられたであろう流体は、遠心ポンプ24のみによって付勢され得る。さらに、容器の構成は、本開示の精神および範囲を逸脱することなく変更し得ることも考えられる。具体的には、容器は、その長さに沿って略均一な内径および外径を有する管状としてもよい。
【0104】
ここに示す明細は、例としてのみの例示的な説明を目的としたものであり、本開示の様々な実施形態の原理および概念的態様の、最も有用かつ容易に理解される説明と考えられるものを提供するために提示されるものではない。この点に関し、様々な実施形態の異なる特徴の基本的な理解に必要であるよりも多くの詳細を示そうとの試みは一切せず、図面と合わせて解される説明が、これらを実際にどのように実施できるかを当業者に明らかにする。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3-4】
図5-6】
図7
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図20A-20B】
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図34B
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図35B
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図36B
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【国際調査報告】