(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】表示基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230718BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20230718BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20230718BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20230718BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230718BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20230718BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349Z
H10K59/123
H10K59/131
H10K59/65
H10K50/10
H10K77/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533553
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2021094032
(87)【国際公開番号】W WO2021258911
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010574224.9
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ユディアオ
(72)【発明者】
【氏名】ホァン ウェイユ
(72)【発明者】
【氏名】ロン ユエ
(72)【発明者】
【氏名】チュウ ユァンヨウ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107CC45
3K107DD39
3K107DD44Z
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3K107EE68
3K107FF00
3K107FF15
3K107HH05
5C094BA03
5C094BA14
5C094BA27
5C094DA13
5C094DA20
5C094DB01
5C094EA01
5C094EA04
5C094EA10
5C094EB02
5C094FA02
5C094JA01
5C094JA08
(57)【要約】
表示基板及び表示装置であって、該表示基板(01)は、表示用の第1側と、第1側に対向する第2側とを有し、表示領域(10)を備え、表示領域(10)は、第1表示領域(11)及び第2表示領域(12)を備え、第1表示領域(11)は、第1発光素子(411)を備え、第1側からの光が少なくとも部分的に第2側に透過することを可能にし、第2表示領域(12)は第1画素回路(412)を備え、第1発光素子(411)は、第1画素回路(412)に電気的に接続され、表示基板(01)には、信号伝送線(110)及び第1ダミー配線(121)が設けられ、第1発光素子(411)は、信号伝送線(110)を介して第1画素回路(412)に接続され、第1ダミー配線(121)は、第1表示領域(11)内に少なくとも部分的に位置し、信号伝送線(110)及び第1発光素子(411)から絶縁され、第1ダミー配線(121)の表示基板(01)に平行な平面内での正投影は、信号伝送線(110)の表示基板(01)に平行な平面内での正投影と少なくとも部分的にずらしている。該表示基板は、第1側から第2側に透過する光の均一性を向上させることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、表示用の第1側と、前記第1側に対向する第2側とを有し、表示領域を備え、
前記表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を備え、前記第2表示領域は、前記第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第1表示領域と前記第2表示領域は、互いに重ならず、
前記第1表示領域は、少なくとも1つの第1発光素子を備え、前記第1側からの光が少なくとも部分的に前記第2側に透過することを可能にし、
前記第2表示領域は、少なくとも1つの第1画素回路を備え、前記第1発光素子は、前記第1画素回路に電気的に接続され、
前記表示基板には、少なくとも1つの信号伝送線及び少なくとも1つの第1ダミー配線が設けられ、
前記信号伝送線は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に少なくとも部分的に位置し、前記第1発光素子は、前記信号伝送線を介して前記第1画素回路に接続され、
前記第1ダミー配線は、前記第1表示領域内に少なくとも部分的に位置し、前記信号伝送線及び前記第1発光素子から絶縁され、
前記信号伝送線と前記第1ダミー配線は、それぞれ第1方向に沿って延び、前記第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影は、前記信号伝送線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と少なくとも部分的にずらしている、表示基板。
【請求項2】
前記第1ダミー配線と前記信号伝送線は、同じ層に位置する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1ダミー配線と前記信号伝送線との両方は、直線に沿って延び、互いに平行である、請求項1又は2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1ダミー配線は、前記第1方向とは異なる第2方向に沿って配列され、第1電圧信号を受信するように構成される複数の第1ダミー配線を備え、
前記表示基板は、前記第2方向に沿って延び、前記複数の第1ダミー配線を互いに電気的に接続して前記第1電圧信号を受信するように前記複数の第1ダミー配線に電気的に接続される少なくとも1つの第2ダミー配線をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項5】
前記複数の第1ダミー配線のうちの少なくとも1つは、ビア構造を介して前記第1電圧信号を提供する第1電源線に電気的に接続される、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第2ダミー配線と前記第1ダミー配線は、同じ層に位置し、又は
前記第2ダミー配線と前記第1ダミー配線は、異なる膜層に位置し、前記異なる膜層は、ビアが設けられていない位置で互いに絶縁される、請求項4又は5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記少なくとも1つの信号伝送線は、前記第2方向に沿って配列された複数の信号伝送線を備え、
前記複数の信号伝送線と前記複数の第1ダミー配線は、配線アレイを構成し、1つの信号伝送線は、前記配線アレイの1つのラインユニットとして機能し、1つの第1ダミー配線は、前記配線アレイの1つのラインユニットとして機能し、
前記配線アレイの少なくとも1つのラインユニットと前記第2方向に隣接するラインユニットとの間の距離は等しい、請求項4~6のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1表示領域は、中間領域、及び前記第1方向に前記中間領域の両側に位置する周辺領域を備え、
前記第1表示領域の中軸線は、前記中間領域内に位置し、前記周辺領域は、前記第2表示領域に隣接し、
前記複数の第1ダミー配線の前記中間領域における単位面積あたりの分布比は、前記複数の第1ダミー配線の前記周辺領域における単位面積あたりの分布比よりも大きい、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記信号伝送線、前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線は、それぞれ透明導電配線を備える、請求項4~8のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1ダミー配線の前記第1方向とは異なる第2方向における幅は、前記信号伝送線の前記第2方向における幅と同じである、請求項1~9のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項11】
前記信号伝送線は、前記信号伝送線と前記第1発光素子の陽極との間に位置する絶縁層を少なくとも貫通するビア構造を介して前記第1発光素子の陽極に電気的に接続される、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項12】
前記ビア構造の前記表示基板に平行な平面内での正投影は、前記少なくとも1つの第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と互いに重ならない、請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第1画素回路は、薄膜トランジスタを備え、前記薄膜トランジスタは、ゲート、第1極及び第2極を備え、
前記信号伝送線は、前記薄膜トランジスタの第1極又は第2極に電気的に接続される、請求項1~12のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項14】
ソースドレイン金属層をさらに備え、
前記薄膜トランジスタの第1極及び第2極は、前記ソースドレイン金属層に位置し、前記第1発光素子の陽極は、前記ソースドレイン金属層上に位置し、
前記信号伝送線と前記第1ダミー配線が位置する膜層は、前記第1発光素子の陽極と前記ソースドレイン金属層との間に位置する、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記表示領域は、第3表示領域をさらに備え、
前記第3表示領域は、前記第2表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第1表示領域、前記第2表示領域及び前記第3表示領域は、互いに重ならず、
前記第2表示領域は、少なくとも1つの第2発光素子及び少なくとも1つの第2画素回路をさらに備え、前記第2発光素子は、前記第2画素回路に電気的に接続され、
前記第3表示領域は、少なくとも1つの第3発光素子及び少なくとも1つの第3画素回路を備え、前記第3発光素子は、前記第3画素回路に電気的に接続される、請求項1~14のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項16】
前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、それぞれ有機発光ダイオードを備える、請求項15に記載の表示基板。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1発光素子は、複数の第1発光素子を備え、前記少なくとも1つの第2発光素子は、複数の第2発光素子を備え、前記少なくとも1つの第3発光素子は、複数の第3発光素子を備え、
前記複数の第1発光素子の前記第1表示領域における単位面積あたりの分布密度は、前記複数の第2発光素子の前記第2表示領域における単位面積あたりの分布密度以下であり、
前記複数の第2発光素子の前記第2表示領域における単位面積あたりの分布密度は、前記複数の第3発光素子の前記第3表示領域における単位面積あたりの分布密度よりも小さい、請求項15又は16に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1表示領域のうちの、前記少なくとも1つの信号伝送線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と、前記少なくとも1つの第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影とで被覆される領域の面積と前記第1表示領域の面積との比は、70%~95%である、請求項1~17のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の表示基板を備える表示装置。
【請求項20】
センサをさらに備え、
前記センサは、前記表示基板の第2側に位置し、前記表示基板の第1側からの光を受光するように構成される、請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記センサの前記表示基板における正投影は、前記第1表示領域と少なくとも部分的に重なる、請求項20に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年6月22日に提出された中国特許出願第202010574224.9号の優先権を主張し、該中国特許出願の全内容は引用により本願の一部として組み込まれている。
【0002】
本開示の実施例は、表示基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)表示デバイスは、広い視野角、高いコントラスト、速い応答速度、広い色域、高い画面占有率、自発光、軽量化、薄型化などの特徴を有する。上記特徴及び利点を有するため、有機発光ダイオード(OLED)表示デバイスは、徐々に幅広く注目されており、携帯電話、ディスプレイ、ノートパソコン、スマートウォッチ、デジタルカメラ、計器、フレキシブルウェアラブルデバイスなど表示機能を備えた装置に適用できる。表示技術のさらなる発展に伴い、画面占有率の高い表示装置は、人々のニーズを満たすことができなくなり、全画面表示装置は、将来の表示技術の開発動向となっている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板を提供し、該表示基板は、表示用の第1側と、前記第1側に対向する第2側とを有し、表示領域を備え、前記表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を備え、前記第2表示領域は、前記第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第1表示領域と前記第2表示領域は、互いに重ならず、前記第1表示領域は、少なくとも1つの第1発光素子を備え、前記第1側からの光が少なくとも部分的に前記第2側に透過することを可能にし、前記第2表示領域は、少なくとも1つの第1画素回路を備え、前記第1発光素子は、前記第1画素回路に電気的に接続され、前記表示基板には、少なくとも1つの信号伝送線及び少なくとも1つの第1ダミー配線が設けられ、前記信号伝送線は、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に少なくとも部分的に位置し、前記第1発光素子は、前記信号伝送線を介して前記第1画素回路に接続され、前記第1ダミー配線は、前記第1表示領域内に少なくとも部分的に位置し、前記信号伝送線及び前記第1発光素子から絶縁され、前記信号伝送線と前記第1ダミー配線は、それぞれ第1方向に沿って延び、前記第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影は、前記信号伝送線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と少なくとも部分的にずらしている。
【0005】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1ダミー配線と前記信号伝送線は、同じ層に位置する。
【0006】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1ダミー配線と前記信号伝送線との両方は、直線に沿って延び、互いに平行である。
【0007】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記少なくとも1つの第1ダミー配線は、前記第1方向とは異なる第2方向に沿って配列され、第1電圧信号を受信するように構成される複数の第1ダミー配線を備え、前記表示基板は、前記第2方向に沿って延び、前記複数の第1ダミー配線を互いに電気的に接続して前記第1電圧信号を受信するように前記複数の第1ダミー配線に電気的に接続される少なくとも1つの第2ダミー配線をさらに備える。
【0008】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記複数の第1ダミー配線のうちの少なくとも1つは、ビア構造を介して前記第1電圧信号を提供する第1電源線に電気的に接続される。
【0009】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第2ダミー配線と前記第1ダミー配線は、同じ層に位置し、又は、前記第2ダミー配線と前記第1ダミー配線は、異なる膜層に位置し、前記異なる膜層は、ビアが設けられていない位置で互いに絶縁される。
【0010】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記少なくとも1つの信号伝送線は、前記第2方向に沿って配列された複数の信号伝送線を備え、前記複数の信号伝送線と前記複数の第1ダミー配線は、配線アレイを構成し、1つの信号伝送線は、前記配線アレイの1つのラインユニットとして機能し、1つの第1ダミー配線は、前記配線アレイの1つのラインユニットとして機能し、前記配線アレイの少なくとも1つのラインユニットと前記第2方向に隣接するラインユニットとの間の距離は等しい。
【0011】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1表示領域は、中間領域、及び前記第1方向に前記中間領域の両側に位置する周辺領域を備え、前記第1表示領域の中軸線は、前記中間領域内に位置し、前記周辺領域は、前記第2表示領域に隣接し、前記複数の第1ダミー配線の前記中間領域における単位面積あたりの分布比は、前記複数の第1ダミー配線の前記周辺領域における単位面積あたりの分布比よりも大きい。
【0012】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記信号伝送線、前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線は、それぞれ透明導電配線を備える。
【0013】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1ダミー配線の前記第1方向とは異なる第2方向における幅は、前記信号伝送線の前記第2方向における幅と同じである。
【0014】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記信号伝送線は、前記信号伝送線と前記第1発光素子の陽極との間に位置する絶縁層を少なくとも貫通するビア構造を介して前記第1発光素子の陽極に電気的に接続される。
【0015】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記ビア構造の前記表示基板に平行な平面内での正投影は、前記少なくとも1つの第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と互いに重ならない。
【0016】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1画素回路は、薄膜トランジスタを備え、前記薄膜トランジスタは、ゲート、第1極及び第2極を備え、前記信号伝送線は、前記薄膜トランジスタの第1極又は第2極に電気的に接続される。
【0017】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板は、ソースドレイン金属層をさらに備え、前記薄膜トランジスタの第1極及び第2極は、前記ソースドレイン金属層に位置し、前記第1発光素子の陽極は、前記ソースドレイン金属層上に位置し、前記信号伝送線と前記第1ダミー配線が位置する膜層は、前記第1発光素子の陽極と前記ソースドレイン金属層との間に位置する。
【0018】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記表示領域は、第3表示領域をさらに備え、前記第3表示領域は、前記第2表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第1表示領域、前記第2表示領域及び前記第3表示領域は、互いに重ならず、前記第2表示領域は、少なくとも1つの第2発光素子及び少なくとも1つの第2画素回路をさらに備え、前記第2発光素子は、前記第2画素回路に電気的に接続され、前記第3表示領域は、少なくとも1つの第3発光素子及び少なくとも1つの第3画素回路を備え、前記第3発光素子は、前記第3画素回路に電気的に接続される。
【0019】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、それぞれ有機発光ダイオードを備える。
【0020】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記少なくとも1つの第1発光素子は、複数の第1発光素子を備え、前記少なくとも1つの第2発光素子は、複数の第2発光素子を備え、前記少なくとも1つの第3発光素子は、複数の第3発光素子を備え、前記複数の第1発光素子の前記第1表示領域における単位面積あたりの分布密度は、前記複数の第2発光素子の前記第2表示領域における単位面積あたりの分布密度以下であり、前記複数の第2発光素子の前記第2表示領域における単位面積あたりの分布密度は、前記複数の第3発光素子の前記第3表示領域における単位面積あたりの分布密度よりも小さい。
【0021】
例えば、本開示の一実施例に係る表示基板では、前記第1表示領域のうちの、前記少なくとも1つの信号伝送線の前記表示基板に平行な平面内での正投影と、前記少なくとも1つの第1ダミー配線の前記表示基板に平行な平面内での正投影とで被覆される領域の面積と前記第1表示領域の面積との比は、70%~95%である。
【0022】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示のいずれかの実施例に記載の表示基板を備える表示装置をさらに提供する。
【0023】
例えば、本開示の一実施例に係る表示装置は、前記表示基板の第2側に位置し、前記表示基板の第1側からの光を受光するように構成されるセンサをさらに備える。
【0024】
例えば、本開示の一実施例に係る表示装置では、前記センサの前記表示基板における正投影は、前記第1表示領域と少なくとも部分的に重なる。
【0025】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明される図面は本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の平面模式図である。
【
図2A】
図2Aは
図1に示す表示基板の第1表示領域及び第2表示領域の平面模式図である。
【
図2B】
図2Bは
図2Aに示す第1表示領域及び第2表示領域の発光素子及び画素回路の配置模式図である。
【
図3】
図3は
図2Aに示す表示基板の第1表示領域及び第2表示領域の一例の模式図である。
【
図6】
図6は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の表示領域のエッジに近い部分の一例の模式図である。
【
図7】
図7は表示基板の光透過領域の模式図である。
【
図8】
図8は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の積層構造模式図である。
【
図9】
図9は
図1に示す表示基板の第3表示領域の部分領域REG3の拡大図である。
【
図10】
図10は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の模式的なブロック図である。
【
図11】
図11は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の積層構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的労働を必要とせずに得た他の実施例は、全て本開示の保護範囲に属する。
【0028】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有するべきである。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。同様に、「1つ」、「一」又は「該」などの類似する用語は、数を制限するものではなく、少なくとも1つが存在することを意味する。「備える」又は「含む」などの類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部材が、該用語の後に列挙される素子又は部材、及びそれらの同等物を含むことを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」などの類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すことのみに用いられ、説明対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係もそれに応じて変化する可能性がある。
【0029】
画面下センサ(例えば、カメラ)を備えた現在の表示基板について、表示基板の画面下センサに対応する表示領域の光透過率を向上させるために、画面下センサに対応する表示領域の発光素子の単位面積あたりの分布密度(PPI)は、表示基板の他の表示領域の発光素子の単位面積あたりの分布密度よりも小さくてもよい。
【0030】
しかしながら、表示基板の異なる領域の発光素子の単位面積あたりの分布密度が異なるため、異なる領域の発光素子及び対応する画素回路の設置形態も異なる。例えば、画面下センサに対応する表示領域の発光素子は、他の表示領域に位置する対応する画素回路に電気的に接続される必要があるため、画面下センサに対応する表示領域における配線を均一に配置することは困難である。画面下センサに対応する表示領域の光透過率に影響を与え、例えば、該領域を透過する光の均一性を低減させ、さらに画面下センサが光を受光する時に反射などの問題が発生しやすくなり、画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を正確に実現することは困難であり、該表示基板を用いた表示装置の性能に悪影響を与えてしまう。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板を提供し、該表示基板は、表示用の第1側と、第1側に対向する第2側とを有し、表示領域を備え、表示領域は、第1表示領域及び第2表示領域を備え、第2表示領域は、第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、第1表示領域と第2表示領域は、互いに重ならず、第1表示領域は、少なくとも1つの第1発光素子を備え、第1側からの光が少なくとも部分的に第2側に透過することを可能にし、第2表示領域は、少なくとも1つの第1画素回路を備え、第1発光素子は、第1画素回路に電気的に接続され、表示基板には、少なくとも1つの信号伝送線及び少なくとも1つの第1ダミー配線が設けられ、信号伝送線は、第1表示領域及び第2表示領域に少なくとも部分的に位置し、第1発光素子は、信号伝送線を介して第1画素回路に接続され、第1ダミー配線は、第1表示領域内に少なくとも部分的に位置し、信号伝送線及び第1発光素子から絶縁され、信号伝送線と第1ダミー配線は、それぞれ第1方向に沿って延び、第1ダミー配線の表示基板に平行な平面内での正投影は、信号伝送線の表示基板に平行な平面内での正投影と少なくとも部分的にずらしている。
【0032】
本開示の上記少なくとも1つの実施例に係る表示基板は、第1表示領域における配線設計を最適化し、それにより、第1表示領域の光透過率を改善し、第1表示領域を透過する光の均一性及び整合性を向上させることができる。例えば、該第1表示領域は、画面下センサ(例えば、カメラ)に対応する表示領域であってもよく、それにより、本開示の上記実施例に係る表示基板は、画面下センサが光を受光する時に発生する可能性がある反射などの問題を軽減又は回避することができ、それにより画面下センサが画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を正確に実現することに寄与し、さらに該表示基板を用いた表示装置(例えば、全画面表示装置)の性能を向上させることに寄与する。
【0033】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例を詳細に説明する。ただし、異なる図面では同じ符号は説明された同じ素子を示すことに用いられる。
【0034】
図1は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の平面模式図である。
図1に示すように、該表示基板01は、表示領域10を備え、表示領域10は、第1表示領域11及び第2表示領域12を備える。例えば、第1表示領域11と第2表示領域12は、互いに重ならず、第2表示領域12は、第1表示領域11を少なくとも部分的に取り囲む(例えば、完全に取り囲む)。
【0035】
例えば、該表示基板01は、表示用の第1側と、第1側に対向する第2側とを有する。例えば、いくつかの例では、
図1に示すように、第1側は、表示基板01の表側(すなわち、
図1に示す平面)であり、第2側は、表示基板の裏側である。例えば、表示基板01の第2側の、第1表示領域11に対応する位置にセンサが設けられてもよく、該センサは、画像センサ又は赤外線センサなどであってもよい。該センサは、表示基板01の第1側からの光を受光するように構成され、それにより画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を実行できる。
【0036】
図2Aは
図1に示す表示基板の第1表示領域及び第2表示領域の平面模式図であり、
図2Bは
図2Aに示す第1表示領域及び第2表示領域の発光素子及び画素回路の配置模式図である。なお、第1表示領域及び第2表示領域の発光素子及び画素回路の配置形態を明確かつ簡潔に説明するために、
図2Bにおける符号で示される矩形フレームは、発光素子及び画素回路の大まかな位置を示すためのものに過ぎず、発光素子及び画素回路の具体的な形状又は具体的な境界などを表すものではなく、且つ、
図2Bにおける矩形フレームは、発光素子及び画素回路の配置形態を説明するためのものに過ぎず、第1表示領域及び第2表示領域における発光素子及び画素回路の実際の数を表すものではなく、発光素子及び画素回路の具体的な構造などは、本分野の通常の設計を参照すればよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0037】
例えば、
図1、
図2A及び
図2Bに示すように、第2表示領域12は、第1表示領域11を少なくとも部分的に取り囲む(例えば、完全に取り囲む)。
【0038】
例えば、第1表示領域11の形状は、円形又は楕円形であってもよく、第2表示領域12の形状は、矩形であってもよいが、本開示の実施例はこれに限定されない。さらに例えば、第1表示領域11と第2表示領域12の形状は、いずれも矩形又は他の適切な形状であってもよい。
【0039】
図3は
図2Aに示す表示基板の第1表示領域及び第2表示領域の一例の模式図であり、
図4は
図3の部分領域REG1の拡大図であり、
図5は
図3の部分領域REG2の拡大図である。なお、第1発光素子と第1画素回路との接続関係を明確かつ簡潔に説明するために、
図5では、発光素子、画素回路、信号伝送線などの構造のみが示されるが、本開示の実施例を限定するものではない。
【0040】
例えば、
図2A~
図5に示すように、第1表示領域11は、少なくとも1つの(例えば複数の)第1発光素子411を備える。なお、明確にするために、関連図面では、第1発光素子411を模式的に示すために第1発光素子411の陽極構造が使用される。例えば、第1表示領域11は、アレイ状に配置された複数の第1発光素子411を備え、第1発光素子411は、光を発するように構成される。例えば、第1表示領域11には画素回路がなく、第1発光素子411を駆動するための画素回路(すなわち、第1画素回路412)が第2表示領域12に設けられ、それにより第1表示領域11の金属被覆面積を小さくし、第1表示領域11の光透過率を向上させる。第1発光素子411を駆動する画素回路については、以下、説明されるが、ここでは繰り返し説明しない。
【0041】
例えば、複数の第1発光素子411は、複数の発光ユニットに設けられてもよく、これらの発光ユニットは、アレイ状に配置される。例えば、各発光ユニットは、1つ又は複数の第1発光素子411を備えてもよい。例えば、複数の第1発光素子411は、同じ色の光又は、白色光、赤色光、青色光、緑色光などの異なる色の光を放出することができ、これは、実際のニーズに応じて決められ、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、複数の第1発光素子411の配置形態は、GGRB、RGBG、RGBなどの通常の画素ユニットの配置形態を参照すればよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0042】
例えば、第1表示領域11は、表示基板01の第1側からの光が少なくとも部分的に表示基板01の第2側に透過することを可能にする。このように、表示基板01の第2側の、第1表示領域11に対応する位置にセンサを設けることが容易であり、該センサは第1側からの光を受光でき、それにより画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を実行できる。
【0043】
例えば、
図2A~
図5に示すように、第2表示領域12は、少なくとも1つの(例えば複数の)第1画素回路412を備え、第1発光素子411は、第1画素回路412に電気的に接続される。例えば、第1発光素子411は、第1画素回路412に1対1で対応して電気的に接続され、複数の第1画素回路412は、複数の第1発光素子411を1対1で対応して駆動することに用いられる。すなわち、1つの第1画素回路412は、1つの対応する第1発光素子411を駆動し、異なる第1画素回路412は、異なる第1発光素子411を駆動する。例えば、複数の第1画素回路412は、複数の第1画素駆動ユニットに設けられてもよく、
図5に示す矩形フレーム(符号412で示される黒枠白塗りつぶし領域)は、第1画素駆動ユニットを表し、これらの第1画素駆動ユニットは、アレイ状に配置される。
【0044】
なお、
図3、
図4及び
図5では、第1画素駆動ユニットは、1つ又は複数の第1画素回路412を備えてもよい。第1表示領域11の発光ユニットが、1つの第1発光素子411を備えると、該第1画素駆動ユニットも、1つの第1画素回路412を備える。第1表示領域11の発光ユニットが、複数の第1発光素子411を備えると、該第1画素駆動ユニットも、複数の第1画素回路412を備え、各発光ユニットの第1発光素子411の数は、例えば、各第1画素駆動ユニットの第1画素回路412の数に等しく、それにより1対1で対応する駆動を実現する。
【0045】
例えば、複数の第1発光素子411は、アレイ状に配置され、複数の第1画素回路412も、アレイ状に配置される。ここでは、「アレイ状に配置される」とは、複数のデバイスが1組になり、複数組のデバイスがアレイ状に配置されることを指してもよく、複数のデバイス自体がアレイ状に配置されることを指してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの例では、
図3、
図4及び
図5に示すように、4つごとの第1発光素子411が1組になり、複数組の第1発光素子411がアレイ状に配置され、それに対応して、4つごとの第1画素回路412が1組になり、複数組の第1画素回路412がアレイ状に配置され、このとき、各第1画素駆動ユニットには、4つの第1画素回路412が備えられる。
【0046】
例えば、
図3、
図4及び
図5に示すように、表示基板01には、少なくとも1つの(例えば複数の)信号伝送線110及び少なくとも1つの(例えば複数の)第1ダミー配線121が設けられる。信号伝送線110は、第1表示領域11及び第2表示領域12に少なくとも部分的に位置し、第1発光素子411は、信号伝送線110を介して第1画素回路412に接続される。例えば、信号伝送線110は、第1端が、第1表示領域11内に位置し、第1発光素子411に電気的に接続され、第2端が、第2表示領域12内に位置し、第1画素回路412に電気的に接続され、それにより第1発光素子411と第1画素回路412との電気的接続を実現する。第1ダミー配線121は、第1表示領域11内に少なくとも部分的に位置し、例えば、第1表示領域11内にのみ位置してもよく、第2表示領域12内に延びてもよく、第1ダミー配線121は、信号伝送線110及び第1発光素子411から絶縁される。
【0047】
例えば、信号伝送線110と第1ダミー配線121は、それぞれ第1方向R1に沿って延び、第1ダミー配線121の表示基板01に平行な平面内での正投影は、信号伝送線110の表示基板01に平行な平面内での正投影と少なくとも部分的にずらしている。例えば、第1ダミー配線121の表示基板01に平行な平面内での正投影と、信号伝送線110の表示基板01に平行な平面内での正投影とは重なる部分がなく、それにより第1ダミー配線121と信号伝送線110は、それぞれ第1表示領域11の異なる領域を被覆でき、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性をさらに向上させ、それにより第1表示領域11の光透過率を改善し、第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性を向上させ、さらに表示基板01の第1表示領域11におけるエッチング均一性を向上させることができる。
【0048】
例えば、
図7に示す表示基板の光透過領域LRを例とし、光透過領域LRにおける配線の分布が比較的不均一であり、該光透過領域LRを透過する光の均一性及び整合性が低下し、さらに該光透過領域LRの光透過効果に深刻な悪影響を与える。例えば、該光透過領域LRに対応して設けられた画面下センサが光を受光する時に反射などの問題が発生しやすくなり、それにより画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を正確に実現することは困難である。
【0049】
図7に示す表示基板の光透過領域LRに比べて、本開示の上記実施例に係る表示基板01は、表示基板01に平行な平面内に信号伝送線110と重ならない第1ダミー配線121を設けることにより、第1表示領域11における配線設計を最適化し、例えば、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性を向上させ、それにより第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性を向上させ、さらに第1表示領域11の光透過率を改善することができる。例えば、画面下センサ(例えば、カメラ)が第1表示領域11に対応して設けられる場合、本開示の上記実施例に係る表示基板01は、画面下センサが光を受光する時に発生する可能性がある反射などの問題を軽減又は回避することができ、それにより画面下センサが画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を正確に実現することに寄与し、さらに該表示基板01を用いた表示装置(例えば、全画面表示装置)の性能を向上させることに寄与する。
【0050】
本開示のいくつかの実施例では、第1表示領域11のうちの、信号伝送線110の表示基板01に平行な平面内での正投影と、第1ダミー配線121の表示基板01に平行な平面内での正投影とで被覆される領域の面積と第1表示領域11の面積との比は、70%~95%であり、さらに例えば80%~90%であり、例えば、75%又は85%であってもよい。すなわち、信号伝送線110と第1ダミー配線121全体は、表示基板01に平行な平面内で、第1表示領域11の総面積の70%~95%を被覆し、それにより、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性をさらに向上させ、第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性を向上させ、第1表示領域11の光透過効果を改善することができる。
【0051】
本開示のいくつかの実施例では、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1ダミー配線121と信号伝送線110は、同じ層に位置してもよく、それにより、表示基板01の製造プロセスを簡素化し、表示基板01の製造コストを削減する。
【0052】
本開示の他のいくつかの実施例では、例えば、信号伝送線における信号伝送負荷を増加させ又は製造プロセスをさらに簡素化するなどの実際の様々なニーズに応じて、第1ダミー配線と信号伝送線は、異なる層に位置してもよく、又は、第1ダミー配線は、一部が信号伝送線と同じ層に設けられ、他部が信号伝送線とは異なる層に設けられるようにしてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0053】
なお、本開示の説明では、「同じ層」に位置することとは、同じ膜層に位置することを指す。例えば、同じ膜層に位置する配線は、同じプロセスで製造されてもよく、例えば、必要な配線が1回のパターニングプロセスで形成される。例えば、該表示基板01がベース基板を備えると、ベース基板に垂直な方向に、同じ膜層に位置する配線とベース基板との距離は、同じであり又は略同じである。すなわち、該膜層における配線とベース基板との距離は、同じであり又は略同じである。以下の説明では、「同じ層」に位置することの意味は、上記説明を参照すればよく、繰り返し説明しない。
【0054】
なお、本開示の説明では、「異なる層」に位置することとは、異なる膜層に位置することを指し、これらの異なる膜層は、ビアが設けられていない位置で互いに絶縁される。例えば、異なる膜層に位置する配線を互いに電気的に接続する必要がある場合、ビアを設けることで、異なる膜層に位置する配線の電気的接続を実現する。例えば、これらの異なる膜層は、異なるプロセスで製造され、例えば、まず、第1プロセスでこれらの異なる膜層のうちの1つの膜層を製造し、次に、第2プロセスでこれらの異なる膜層のうちの別の膜層を製造する。例えば、第1プロセスが実施された後、第2プロセスが実施される前に、さらに第3プロセスで絶縁層を製造してもよく、該絶縁層は、異なる膜層の間に位置することで、異なる膜層をビアが設けられていない位置で互いに絶縁させる。例えば、第1プロセス、第2プロセス及び第3プロセスは、同じであってもよい又は異なってもよい。例えば、該表示基板01がベース基板を備えると、ベース基板に垂直な方向に、異なる膜層とベース基板との距離は異なる。すなわち、異なる膜層のうち、一方の膜層はベース基板に近く、他方の膜層はベース基板から遠い。以下の説明では、「異なる層」に位置することの意味は、上記説明を参照すればよく、繰り返し説明しない。
【0055】
本開示のいくつかの実施例では、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1ダミー配線121と信号伝送線110の両方は、直線に沿って延び、互いに平行であり、それにより、第1ダミー配線121と信号伝送線110の第1表示領域11におけるレイアウトの均一性及び整合性にさらに寄与し、表示基板01のプロセス要件をさらに簡素化でき、表示基板01の製造にさらに寄与する。
【0056】
なお、本開示の他のいくつかの実施例では、第1表示領域11における発光素子又は他の構造、デバイスのレイアウト設計などの実際のニーズに応じて、第1ダミー配線121又は信号伝送線110は、曲線、折れ線又は他の適切な形状に沿って延びてもよく、又は、第1ダミー配線121の延び線と信号伝送線110の延び線とは、互いに交差してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0057】
本開示のいくつかの実施例では、第1ダミー配線121は、第1電圧信号(例えば、高レベル信号又は接地信号などの低レベル信号)を受信するように構成されてもよく、又は、フローティング状態になるように構成されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、第1ダミー配線121が、高レベル信号又は低レベル信号を受信することを例として、第1ダミー配線121は、信号伝送線110間の信号クロストークを軽減又は回避することができ、それにより回路環境の均一性及び安定性を向上させ、信号伝送線110の信号伝送効果を改善する。
【0058】
例えば、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1表示領域11における複数の第1ダミー配線121は、第1方向R1とは異なる第2方向R2に沿って配列され、第1電圧信号を受信するように構成される。表示基板は、第2方向R2に沿って延び、複数の第1ダミー配線121を互いに電気的に接続して第1電圧信号を受信するように複数の第1ダミー配線121に電気的に接続される少なくとも1つの(例えば複数の)第2ダミー配線122をさらに備える。それにより、複数の第1ダミー配線121間の電気的接続効果を改善し、回路環境の均一性及び安定性をさらに向上させる。
【0059】
なお、第1方向R1と第2方向R2との夾角は、例えば70°~90°であってもよく、且つ70°及び90°を含む。例えば、第1方向R1と第2方向R2との夾角は、70°、75°、85°、90°又は80°などであってもよく、該夾角の具体的な数は、実際の状況に応じて設定されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0060】
例えば、複数の第1ダミー配線121のうちの少なくとも1つは、ビア構造を介して第1電圧信号を提供する第1電源線に電気的に接続され、例えば、該第1電源線は、表示用の第1電圧信号を第1画素回路412に提供するための電源線であってもよく、それにより、表示基板01の配線レイアウトを簡素化し、表示基板01の構造設計を最適化することができる。
【0061】
図6は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の表示領域のエッジに近い部分の一例の模式図であり、例えば、
図6に示す部分は、
図3に示す部分領域REG4に位置してもよい。例えば、複数の第1ダミー配線121のうち、第2方向R2に表示基板01のエッジに近い1つの第1ダミー配線121Aは、ビア構造H3を介して第1電源線LVDDに電気的に接続されて、第1電圧信号を受信し、該第1ダミー配線121Aに接続された第2ダミー配線122Aを介して、受信された第1電圧信号を、他の第1ダミー配線121及び/又は第2ダミー配線122に伝送する。
【0062】
なお、
図6の第1電源配線LVDDの形状、位置、第1ダミー配線121Aとの重なり面積などは、例示的に説明に過ぎず、本開示の実施例は、第1電源配線LVDDの具体的な形状、設置位置などを限定しない。本開示のいくつかの実施例では、第1電源配線LVDDは、
図6に示すように、1つの第1ダミー配線121Aのみに電気的に接続されてもよいが、本開示の他のいくつかの実施例では、第1電源配線LVDDは、2つ、3つ又は4つなどの複数の第1ダミー配線121Aに電気的に接続されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。本開示のいくつかの実施例では、第1電源配線LVDDと第1ダミー配線121Aとの電気的接続を実現するためのビア構造H3は、
図6に示すように、1つのビアのみを備えてもよいが、本開示の他のいくつかの実施例では、第1電源配線LVDDと第1ダミー配線121Aとの電気的接続を実現するためのビア構造H3は、2つ、3つ又は4つなどの複数のビアを備えてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0063】
本開示のいくつかの実施例では、第2ダミー配線122は、
図4に示すように、第1ダミー配線121と同じ層に位置してもよく、それにより、製造プロセスを簡素化し、製造コストを削減し、又は、本開示の他のいくつかの実施例では、第2ダミー配線122は、第1ダミー配線121とは異なる層に位置してもよく、例えば、第2ダミー配線122と第1ダミー配線121は、異なる膜層に位置し、異なる膜層は、ビアが設けられていない位置で互いに絶縁され、それにより、配線間の信号クロストークを軽減又は回避する。本開示の実施例はこれを限定しない。
【0064】
例えば、
図3、
図4及び
図5に示すように、複数の第1ダミー配線121は、第2方向R2に沿って配列され、複数の信号伝送線110は、第2方向R2に沿って配列され、複数の信号伝送線110と複数の第1ダミー配線121は、配線アレイを構成し、1つの信号伝送線110は、配線アレイの1つのラインユニット140として機能し、1つの第1ダミー配線121は、配線アレイの1つのラインユニット140として機能し、配線アレイの少なくとも1つのラインユニット140と第2方向R2に隣接するラインユニット140との間の距離は等しい。すなわち、複数の第1ダミー配線121及び複数の信号伝送線110のうちの少なくとも1つの第1ダミー配線121又は信号伝送線110と、第2方向R2に隣接する(例えば、第2方向R2にその両側に位置する)2つの配線(この2つの配線は、第1ダミー配線121及び/又は信号伝送線110であってもよい)との間の距離は、等しい。それにより、第1表示領域11における配線設計をさらに最適化し、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性をさらに向上させ、それにより、第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性をさらに向上させ、第1表示領域11の光透過率を改善することができる。
【0065】
例えば、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1表示領域11において、各信号伝送線110と、第2方向R2に隣接する2つの配線(この2つの配線は、第1ダミー配線121及び/又は信号伝送線110であってもよい)との間の距離は等しく、それにより、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性を向上させ、さらに回路環境の均一性及び安定性を向上させ、それにより信号伝送線110の信号伝送効果を改善することができる。
【0066】
例えば、
図2A~
図5に示すように、第1表示領域11は、中間領域1101、及び第1方向R1に中間領域1101の両側(例えば、第1方向R1に中間領域1101を完全に取り囲む)に位置する周辺領域1102を備え、第1表示領域11の中軸線L11は、中間領域1101内に位置し、周辺領域1102は、第2表示領域12に隣接し、複数の第1ダミー配線121の中間領域1101における単位面積あたりの分布比は、複数の第1ダミー配線121の周辺領域1102における単位面積あたりの分布比よりも大きい。例えば、第1表示領域11内の周辺領域1102から中間領域1101への方向(例えば、第1表示領域11の第1方向R1におけるエッジから中軸線L11への方向)に沿って、複数の第1ダミー配線121の単位面積あたりの分布比は、徐々に増大する。複数の信号伝送線110の中間領域1101における単位面積あたりの分布比は、複数の信号伝送線110の周辺領域1102における単位面積あたりの分布比よりも小さく、例えば、第1表示領域11内の周辺領域1102から中間領域1101への方向に沿って、複数の信号伝送線110の単位面積あたりの分布比は、徐々に減少し、従って、本開示の実施例に係る表示基板01では、第1ダミー配線121の第1表示領域11における分布形態は、信号伝送線110の第1表示領域11における分布形態に適合でき、それにより、第1表示領域11における配線設計をさらに最適化し、第1表示領域11における配線レイアウトの均一性及び整合性をさらに向上させ、それにより第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性をさらに向上させ、第1表示領域11の光透過率を改善する。
【0067】
なお、上記「単位面積あたりの分布比」とは、配線の単位面積あたりの分布面積を指し、すなわち単位面積あたりの分布比が大きいほど、配線が単位面積あたりの領域内で被覆する面積が大きくなり、例えば、配線の長さが略同じである場合、配線が対応する領域内で密になり、数が多くなり、単位面積あたりの分布比が小さいほど、配線が単位面積あたりの領域内で被覆する面積が小さくなり、例えば、配線の長さが略同じである場合、配線が対応する領域内で疎らになり、数が少なくなる。
【0068】
本開示のいくつかの実施例では、信号伝送線110、第1ダミー配線121及び第2ダミー配線122は、それぞれ透明導電配線を備えてもよく、それにより表示基板01の第1表示領域11の光透過率をさらに向上させることができる。該透明導電配線は、インジウムスズ酸化物(Indium tin oxide、ITO)又は他の適切な透明導電材料などで製造されてもよい。
【0069】
本開示のいくつかの実施例では、第1ダミー配線121の第2方向R2における幅は、信号伝送線110の第2方向R2における幅と同じであり、それにより、第1表示領域11における第1ダミー配線121及び信号伝送線110の分布の均一性及び整合性をさらに向上させ、回路環境の均一性及び安定性を向上させ、それにより信号伝送線110の信号伝送効果を改善することができる。
【0070】
本開示のいくつかの実施例では、
図3、
図4及び
図5に示すように、信号伝送線110は、信号伝送線110と第1発光素子411の陽極との間に位置する絶縁層を少なくとも貫通するビア構造H1を介して第1発光素子411の陽極に電気的に接続され、それにより第1発光素子411に電気信号を提供して第1発光素子411を発光駆動する。
【0071】
例えば、ビア構造H1の表示基板01に平行な平面内での正投影と、第1ダミー配線121の表示基板01に平行な平面内での正投影は、互いに重ならず、例えば、表示基板01に垂直な方向に、第1ダミー配線121は、ビア構造H1の位置をできるだけ避けるように設けられる。それにより、第1ダミー配線121が第1発光素子411に提供された電気信号に与える可能性がある干渉を軽減又は回避し、それにより第1発光素子411の動作の安定性を向上させ、第1発光素子411の発光効果を改善することができる。
【0072】
なお、表示基板01の実際の構造に基づき、ビア構造H1はさらに、絶縁層以外の、信号伝送線110と第1発光素子411の陽極との間に位置する他の膜層又は構造などを貫通して、信号伝送線110と第1発光素子411の陽極との電気的接続を実現することができ、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0073】
例えば、第1画素回路412は、薄膜トランジスタを備え、薄膜トランジスタは、ゲート、第1極及び第2極を備え、信号伝送線110は、薄膜トランジスタの第1極又は第2極に電気的に接続されて、第1画素回路412の出力信号を第1発光素子411に提供する。例えば、第1画素回路412の回路構造に基づき、該薄膜トランジスタは、第1画素回路412の駆動薄膜トランジスタであってもよく、第1画素回路412の発光制御薄膜トランジスタ、又は他のタイプの薄膜トランジスタであってもよい。
【0074】
図8は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の積層構造模式図であり、該積層構造模式図は、主に第1画素回路412の部分構造及び第1発光素子411を模式的に示している。例えば、
図8は、表示基板01の
図5に示すA-A’線に沿った断面構造の模式図であってもよい。
【0075】
例えば、
図5及び
図8に示すように、表示基板01は、ベース基板101上に位置するソースドレイン金属層(SD層)を備え、第1画素回路412の薄膜トランジスタ412Tの第1極及び第2極(すなわち、ソースドレイン電極、例えば、ソース4123及びドレイン4124)は、ソースドレイン金属層に位置する。
【0076】
第1発光素子411は、陽極4111、陰極4113、及び陽極4111と陰極4113との間に位置する1発光層4112を備え、第1発光素子411の陽極4111は、ソースドレイン金属層上に位置し、信号伝送線110及び第1ダミー配線121(
図8では図示せず)が位置する膜層は、第1発光素子411の陽極4111とソースドレイン金属層との間に位置する。陽極4111は、ビア構造H1を介して信号伝送線110に電気的に接続され、さらに信号伝送線110を介して第1画素回路412に含まれる薄膜トランジスタ412Tに電気的に接続される。
【0077】
例えば、陽極4111は、複数の陽極サブ層を備えてもよく、例えば、ITO/Ag/ITOの三層構造など(図示せず)を備え、本開示の実施例は、陽極4111の具体的な形態を限定しない。例えば、陰極4113は、表示基板01の表面全体に形成された構造であってもよく、陰極4113は、例えば、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)などの金属材料を含んでもよい。例えば、陰極4113が非常に薄い層として形成されるため、陰極4113は、光透過性に優れている。
【0078】
例えば、薄膜トランジスタ412Tは、活性層4121、ゲート4122及びソースドレイン電極(すなわち、ソース4123及びドレイン4124)などの構造を備える。例えば、活性層4121は、ベース基板101に設けられ、活性層4121のベース基板101から離れる側に第1ゲート絶縁層741が設けられる。ゲート4122は、第1ゲート絶縁層741のベース基板101から離れる側に位置し、ゲート4122のベース基板101から離れる側に第2ゲート絶縁層742が設けられる。ソースドレイン電極は、層間絶縁層743のベース基板101から離れる側に設けられ、第1ゲート絶縁層741、第2ゲート絶縁層742及び層間絶縁層743に位置するビアを介して活性層4121に電気的に接続される。ソースドレイン電極のベース基板101から離れる側に平坦化層744が設けられることで、第1画素回路412を平坦化する。
【0079】
例えば、平坦化層744にはビアH2があり、薄膜トランジスタ412Tのドレイン4124(又はソース4123)は、平坦化層744のビアH2を介して信号伝送線110に電気的に接続され、さらに信号伝送線110を介して陽極4111に電気的に接続される。
【0080】
例えば、第1表示領域11は、ベース基板101上に位置する透明支持層78をさらに備え、第1発光素子411は、透明支持層78のベース基板101から離れる側に位置する。それにより、ベース基板101について、第1表示領域11の第1発光素子411は、第2表示領域12の第2発光素子(以下の第2表示領域12及び第2発光素子412についての説明を参照すればよい)及び第3表示領域の第3発光素子(以下の第3表示領域13及び第3発光素子413についての説明を参照すればよい)と略同じ高さにあってもよく、それにより表示基板01の表示効果を向上させることができる。
【0081】
例えば、該表示基板01は、画素定義層746、パッケージ層747などの構造をさらに備える。例えば、画素定義層746は、陽極4111(例えば、陽極4111の部分構造)に設けられ、異なる画素又はサブ画素を定義するように複数の開口部を備え、第1発光層4112は、画素定義層746の開口部に形成される。例えば、パッケージ層747は、単層又は多層のパッケージ構造を備えてもよく、多層のパッケージ構造は、例えば、無機パッケージ層と有機パッケージ層との積層を備えてもよく、それにより、表示基板01のパッケージ効果を向上させる。
【0082】
例えば、本開示の各実施例では、ベース基板101は、ガラス基板、石英基板、金属基板又は樹脂基板などであってもよく、剛性基板又は可撓性基板であってもよい。本開示の実施例はこれを限定しない。
【0083】
例えば、第1ゲート絶縁層741、第2ゲート絶縁層742、層間絶縁層743及び平坦化層744、絶縁層745、画素定義層746、パッケージ層747は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などの無機絶縁材料を含んでもよく、又は、ポリイミド、ポリフタルイミド、ポリフタルアミド、アクリル酸樹脂、ベンゾシクロブテン又はフェノール樹脂などの有機絶縁材料を含んでもよい。本開示の実施例は、上記各機能層の材料を具体的に限定しない。
【0084】
例えば、活性層4121の材料は、多結晶シリコン又は酸化物半導体(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物)などの半導体材料を含んでもよい。例えば、活性層4121の一部は、高い導電性を有するように、ドーピングなどの導体化処理により導体化され得る。
【0085】
例えば、ゲート4122の材料は、例えば、モリブデン、アルミニウム及びチタンなどを含む金属材料又は合金材料を含んでもよい。
【0086】
例えば、ソース4123とドレイン4124の材料は、例えば、モリブデン、アルミニウム及びチタンなどで形成された金属単層又は多層構造のような金属材料又は合金材料を含んでもよく、例えば、該多層構造は、例えば、チタン、アルミニウム、チタンの三層金属積層(Ti /Al/Ti)などの多層金属積層である。
【0087】
本開示のいくつかの実施例では、
図1に示すように、表示領域10は、第3表示領域13をさらに備え、第3表示領域13は、第2表示領域12を少なくとも部分的に取り囲み(例えば、部分的に取り囲み)、第1表示領域11、第2表示領域12及び第3表示領域13は、互いに重ならない。なお、いくつかの例では、表示基板01は、第3表示領域13を少なくとも部分的に取り囲む周辺領域をさらに備えてもよい。
【0088】
例えば、
図2B及び
図5に示すように、第2表示領域12は、少なくとも1つの(例えば複数の)第2発光素子421、及び少なくとも1つの(例えば複数の)第2画素回路422をさらに備え、第2発光素子421は、第2画素回路422に電気的に接続され、例えば、1対1で対応して電気的に接続され、第2画素回路422は、第2発光素子421を発光駆動することに用いられる。なお、
図5における符号422で示される矩形フレームは、第2画素回路422の大まかな位置を示すためのものに過ぎず、第2画素回路422の具体的な形状及び第2画素回路422の具体的な境界を表すものではない。例えば、複数の第2発光素子421は、アレイ状に配置され、複数の第2画素回路422も、アレイ状に配置される。例えば、少なくとも1つの第2発光素子421及び対応する第2画素回路422は、1つの第2画素駆動ユニット42を構成する。
【0089】
なお、
図5では、第2画素駆動ユニット42は、1つの第2画素回路422及び1つの第2発光素子421を備えてもよく、又は、複数の第2画素回路422及び複数の第2発光素子421を備えてもよい。第2画素駆動ユニット42が複数の第2画素回路422及び複数の第2発光素子421を備えると、各第2画素駆動ユニット42の第2画素回路422の数は、例えば、第2発光素子421の数に等しく、それにより1対1で対応する駆動を実現する。
【0090】
例えば、複数の第2発光素子421は、アレイ状に配置され、複数の第2画素回路422も、アレイ状に配置される。ここでは、「アレイ状に配置される」とは、複数のデバイスが1組になり、複数組のデバイスがアレイ状に配置されることを指してもよく、複数のデバイス自体がアレイ状に配置されることを指してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの例では、
図5に示すように、4つごとの第2発光素子421が1組になり、複数組の第2発光素子421がアレイ状に配置され、それに対応して、4つごとの第2画素回路422が1組になり、複数組の第2画素回路422がアレイ状に配置され、このとき、各第2画素駆動ユニット42には、4つの第2画素回路422及び4つの第2発光素子421が備えられる。
【0091】
図9は
図1に示す表示基板の第3表示領域13の部分領域REG3の拡大図である。
【0092】
例えば、
図9に示すように、第3表示領域13は、少なくとも1つの(例えば複数の)第3発光素子431、及び少なくとも1つの(例えば複数の)第3画素回路432を備え、第3発光素子431は、第3画素回路432に電気的に接続され、例えば、1対1で対応して電気的に接続され、第3画素回路432は、第3発光素子431を発光駆動することに用いられる。なお、
図9における符号432で示される矩形フレームは、第3画素回路432の大まかな位置を示すためのものに過ぎず、第3画素回路432の具体的な形状及び第3画素回路432の具体的な境界を表すものではない。例えば、複数の第3発光素子431は、アレイ状に配置され、複数の第3画素回路432も、アレイ状に配置される。例えば、少なくとも1つの第3発光素子431及び対応する第3画素回路432は、1つの第3画素駆動ユニット43を構成する。
【0093】
なお、
図9では、第3画素駆動ユニット43は、1つの第3画素回路432及び1つの第3発光素子431を備えてもよく、又は、複数の第3画素回路432及び複数の第3発光素子431を備えてもよい。第3画素駆動ユニット43が複数の第3画素回路432及び複数の第3発光素子431を備えると、各第3画素駆動ユニット43の第3画素回路432の数は、例えば、第3発光素子431の数に等しく、それにより1対1で対応する駆動を実現する。
【0094】
例えば、複数の第3発光素子431は、アレイ状に配置され、複数の第3画素回路432も、アレイ状に配置される。ここでは、「アレイ状に配置される」とは、複数のデバイスが1組になり、複数組のデバイスがアレイ状に配置されることを指してもよく、複数のデバイス自体がアレイ状に配置されることを指してもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。例えば、いくつかの例では、
図9に示すように、4つごとの第3発光素子431が1組になり、複数組の第3発光素子431がアレイ状に配置され、それに対応して、4つごとの第3画素回路432が1組になり、複数組の第3画素回路432がアレイ状に配置され、このとき、各第3画素駆動ユニット43には、4つの第3画素回路432及び4つの第3発光素子431が備えられる。
【0095】
例えば、第1表示領域11における複数の第1発光素子411の単位面積あたりの分布密度は、第2表示領域12における複数の第2発光素子421の単位面積あたりの分布密度よりも小さく、第2表示領域12における複数の第2発光素子421の単位面積あたりの分布密度は、第3表示領域13における複数の第3発光素子431の単位面積あたりの分布密度よりも小さい。例えば、第1表示領域11と第2表示領域12は、表示基板01の低解像度領域と呼ばれ得、それに対応して、第3表示領域13は、表示基板01の高解像度領域と呼ばれ得る。例えば、第2表示領域12と第1表示領域11の画素発光面積の合計は、第3表示領域13の画素発光面積の1/8~1/2であってもよい。
【0096】
なお、いくつかの例では、第1表示領域11における複数の第1発光素子411の単位面積あたりの分布密度は、第2表示領域12における複数の第2発光素子421の単位面積あたりの分布密度に等しくてもよく、実際のニーズに応じて決められてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0097】
第1表示領域11、第2表示領域12及び第3表示領域13における発光素子の単位面積あたりの分布密度を順に増大させることにより、3つの表示領域が正常に発光して画面を表示することを確保するとともに、表示基板01の第1側の光が第1表示領域11を透過して第2側に到達することが容易であり、さらに表示基板01の第2側に設けられたセンサが光を感知することが容易である。
【0098】
例えば、第1発光素子411、第2発光素子421及び第3発光素子431は、それぞれ有機発光ダイオード(OLED)を備える。もちろん、本開示の実施例はこれに限定されず、第1発光素子411、第2発光素子421及び第3発光素子431はさらに、量子ドット発光ダイオード(QLED)又は他の適切な発光デバイスであってもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0099】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板01は、有機発光ダイオード(OLED)表示基板又は量子ドット発光ダイオード(QLED)表示基板などであってもよく、本開示の実施例は、表示基板の具体的なタイプを限定しない。
【0100】
例えば、表示基板が有機発光ダイオード表示基板である場合、発光層(例えば、上記第1発光層4112)は、小分子有機材料又はポリマー分子有機材料を含んでもよく、蛍光発光材料又は燐光発光材料であってもよく、赤色光、緑色光、青色光、又は白色光などを放出することができる。また、実際の様々なニーズに応じて、異なる例では、発光層は、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層などの機能層をさらに備えてもよい。
【0101】
例えば、表示基板が量子ドット発光ダイオード(QLED)表示基板である場合、発光層(例えば、上記第1発光層4112)は、シリコン量子ドット、ゲルマニウム量子ドット、硫化カドミウム量子ドット、セレン化カドミウム量子ドット、テルル化カドミウム量子ドット、セレン化亜鉛量子ドット、硫化鉛量子ドット、セレン化鉛量子ドット、リン化インジウム量子ドット及びヒ化インジウム量子ドットなどの量子ドット材料を含んでもよく、量子ドットの粒径は、例えば2nm~20nmである。
【0102】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示のいずれかの実施例に係る表示基板を備える表示装置をさらに提供する。
【0103】
図10は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の模式的なブロック図である。例えば、
図10に示すように、該表示装置30は、表示基板310を備え、表示基板310は、例えば、上記表示基板01のような本開示のいずれかの実施例に係る表示基板であってもよい。
【0104】
該表示装置30は、例えば、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC、テレビなど表示機能を備えた任意の電子装置であってもよい。例えば、表示装置30がスマートフォン又はタブレットPCである場合、該スマートフォン又はタブレットPCは、全画面設計を有し、すなわち、例えば、第1表示領域11、第2表示領域12又は第3表示領域13を取り囲む周辺領域がないようにしてもよい。また、該スマートフォン又はタブレットPCは、画面下センサ(例えば、カメラ、赤外線センサなど)をさらに有し、画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を実行できる。
【0105】
なお、該表示基板310及び表示装置30の他の構成部分(例えば、画像データ符号化/復号装置、クロック回路など)については、適切な部材を用いてもよく、これらはいずれも当業者にとって理解されるべきものであり、ここでは繰り返し説明されず、本開示の実施例を限定するものではない。
【0106】
図11は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の積層構造模式図である。例えば、
図11に示すように、該表示装置30は、表示基板310を備え、表示基板310は、上記表示基板01のような本開示のいずれかの実施例に係る表示基板であってもよい。例えば、該表示装置30は、センサ320をさらに備える。
【0107】
例えば、表示基板310が上記表示基板01であることを例として、該表示基板01は、表示用の第1側F1と、第1側F1に対向する第2側F2とを有する。すなわち、第1側F1は表示側、第2側F2は非表示側である。表示基板01は、第1側F1で表示操作を実行するように構成され、すなわち、表示基板01の第1側F1は、表示基板01の出光側であり、第1側F1はユーザに面している。第1側F1と第2側F2は、表示基板01の表示面の法線方向に対向して設けられる。
【0108】
図11に示すように、センサ320は、表示基板01の第2側F2に設けられ、第1側F1からの光を受光するように構成される。例えば、センサ320と第1表示領域11は、表示基板01の表示面の法線方向(例えば、表示基板01に垂直な方向)に積み重ねられ、センサ320は、第1表示領域11を貫通する光信号を受信して処理することができ、該光信号は、可視光、赤外光などであってもよい。例えば、第1表示領域11は、第1側F1からの光が少なくとも部分的に第2側F2に透過することを可能にする。例えば、第1表示領域11には画素回路が設けられておらず、この場合、第1表示領域11の光透過率を向上させることができる。
【0109】
例えば、センサ320の表示基板01における正投影は、第1表示領域11と少なくとも部分的に重なる。例えば、いくつかの例では、直下型の設置形態が用いられると、センサ320の表示基板01における正投影は、第1表示領域11内にある。例えば、別のいくつかの例では、他の導光素子(例えば、導光板、導光管など)を用いて光を側面からセンサ320に入射させると、センサ320の表示基板01における正投影は、第1表示領域11と部分的に重なる。このとき、光がセンサ320に横方向に伝播できるため、センサ320が第1表示領域11に対応する位置に完全に位置する必要はない。
【0110】
例えば、第1画素回路412を第2表示領域12に設け、センサ320と第1表示領域11を表示基板01の表示面の法線方向に積み重ねることにより、第1表示領域11の素子が第1表示領域11に入射されてセンサ320に照射される光信号を遮断することを減らし、それにより、センサ320によって出力される画像の信号対雑音比を向上させることができる。例えば、第1表示領域11は、表示基板01の低解像度領域の高光透過領域と呼ばれ得る。
【0111】
例えば、センサ320は、センサ320の集光面に面する外部環境の画像を収集できる画像センサであってもよく、例えば、CMOS画像センサ又はCCD画像センサであってもよい。該センサ320は、赤外線センサ、距離センサなどであってもよい。例えば、該表示装置30が携帯電話、ノートパソコンなどの携帯端末である場合、該センサ320は、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯端末のカメラとして実現されてもよく、必要に応じて、光路を変調するように、レンズ、反射鏡又は光導波路などの光学デバイスを備えてもよい。例えば、該センサ320は、アレイ状に配置された感光画素を備えてもよい。例えば、各感光画素は、感光検出器(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ)及びスイッチングトランジスタ(例えば、スイッチング薄膜トランジスタ)を備えてもよい。例えば、フォトダイオードは、照射された光信号を電気信号に変換でき、スイッチングトランジスタは、フォトダイオードに電気的に接続されることで、フォトダイオードが光信号を収集する状態にあるか否か、及び光信号の収集時間を制御することができる。
【0112】
いくつかの例では、第1発光素子411の陽極は、ITO/Ag/ITOの積層構造を用い、この場合、第1表示領域11では、第1発光素子411の陽極のみが不透明であり、すなわち、第1発光素子411を駆動するための配線(例えば、上記信号伝送線110)、第1発光素子411から互いに絶縁される配線(例えば、上記第1ダミー配線121又は第2ダミー配線122)は、透明配線として設けられる。この場合、第1表示領域11の光透過率をさらに向上させるだけでなく、第1表示領域11を透過する光の均一性及び整合性を向上させ、さらにセンサ320が光を受光する時に発生する可能性がある反射などの問題を軽減又は回避することができ、それによりセンサ320が画像撮影、距離感知、光強度感知などの操作を正確に実現することに寄与し、表示装置30(例えば、全画面表示装置)の性能を向上させることに寄与する。
【0113】
なお、本開示の実施例では、表示装置30は、より多くの部材及び構造をさらに備えてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。該表示装置30の技術的効果及び詳細な説明は、上記表示基板01についての説明を参照すればよく、ここでは繰り返し説明しない。
【0114】
例えば、上記表示装置30は、表示基板、表示パネル、電子ペーパー、携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなど表示機能を備えた任意の製品又は部材であってもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0115】
本開示の実施例に係る表示装置30の具体的な説明及び技術的効果は、本開示の実施例に係る表示基板の対応する内容を参照すればよく、例えば、上記実施例の表示基板01の対応する内容を参照すればよく、ここでは繰り返し説明しない。
【0116】
さらに以下の点を説明する必要がある。
【0117】
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0118】
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は領域の厚さが拡大又は縮小されており、すなわち、これらの図面は実際の縮尺で描かれていない。理解できるように、層、膜、領域又は第1基板などの素子が別の素子の「上」又は「下」に位置すると記載される場合、該素子は別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子が存在してもよい。
【0119】
(3)矛盾がない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0120】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、当業者が本開示に開示されている技術的範囲内に容易に想到できる変化や置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【国際調査報告】