(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】クロストラフィックを検出するフォークアームセンサ
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B66F9/24 L
B66F9/24 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548127
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2021062947
(87)【国際公開番号】W WO2021254704
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020207479.8
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエラ イエイガー
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AE02
3F333BA02
3F333DB01
3F333FA11
(57)【要約】
本発明は、クロストラフィックを検出するフォークアームセンサに関する。
【課題】本発明によるフォークリフト(101)は、異なるフォークアーム(103a、103b)に取り付けられた少なくとも2つの周囲センサ(105a、105b)を有する。これらは各々、周囲センサのキャプチャ領域(111a、111b)の少なくとも一部分がフォークリフト(101)に対して横向きになるように、外側に向けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるフォークアーム(103a、103b)に取り付けられた少なくとも2つの周囲センサ(105a、105b)を有するフォークリフト(101)であって、
前記周囲センサ(105a、105b)は各々、前記周囲センサのキャプチャ領域(111a、111b)の少なくとも一部分が前記フォークリフト(101)に対して横向きになるように外側に向けられていることを特徴とする、フォークリフト(101)。
【請求項2】
データ処理装置を有する装置であって、
請求項1に記載のフォークリフト(101)を備え、
前記データ処理装置は、前記周囲センサ(105a、105b)の信号を用いて接近する物体(109)を検出するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記データ処理装置は、前記周囲センサ(105a、105b)の信号を用いて、接近する物体(109)の前記フォークリフト(101)との差し迫った衝突を検出するように構成されていることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載のフォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開EP2468678A1号公報は、フォークアームセンサを有するフォークリフトを開示する。このフォークアームセンサは、荷物のピックアップを制御するように機能する。したがって、このフォークアームセンサは、フォークリフトの進行方向で前方に向けられている。
【0003】
日本特許出願公開JP2005104652A1号公報からは、荷物のピックアップを制御するフォークアームセンサを有する更なるフォークリフトが既知である。このフォークアームセンサは、そのキャプチャ領域がフォークリフトに対して横向きになるように内側に向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開EP2468678A1号公報
【特許文献2】日本特許出願公開JP2005104652A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、フォークリフトの運転安全性を高めることである。この課題は、請求項1に記載のフォークリフトによって解決される。好適な発展形態は、従属請求項に含まれている。好適な発展形態は、以下の記載と、
図1に示す実施形態例と、から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
フォークリフトとは、リフトフォークを有する車両である。リフトフォークは、複数本(通常は厳密に2つ)のアームを備える。アームは、荷物をピックアップして目的地に置くために、高さ調節が可能である。
【0007】
本発明によるフォークリフトは、少なくとも2つの周囲センサを備える。これらは、フォークリフトの周囲の少なくとも1つの部分を検出するためのセンサである。周囲センサは、フォークリフトの周囲の部分を検出するように構成されている。この部分は、各々のキャプチャ領域内にある。周囲センサは、好適には、光学カメラ、レーダ、ライダ、または距離センサである。これらは、個別にまたは対になって、周囲センサを構成できる。後者の場合、複数のステレオセンサまたは複数のカメラが含まれる。これらは各々、相互に離間する2つの記録ユニットから構成される。
【0008】
周囲センサは、フォークアームセンサとして構成されている。これは、それらがフォークアームに取り付けられていることを意味する。さらに、本発明によれば、複数の周囲センサは異なるフォークアームに取り付けられている。詳細には、2つの周囲センサは各々、同じフォークアームに取り付けられていない。特に、フォークリフトは、厳密に2つのフォークアーム、すなわち左右のフォークアームと、厳密に2つの周囲センサ、すなわち左周囲センサおよび右周囲センサと、を備える。この場合、右周囲センサは右フォークアームに取り付けられ、左周囲センサは左フォークアームに取り付けられている。本明細書では、「右下」および「左下」という用語は、運転者の視点、すなわち、進行方向に直進する際に前方を向いているフォークリフトの運転者の視点を指す。
【0009】
本発明によれば、周囲センサは各々、それらのキャプチャ領域の少なくとも一部分がフォークリフトに対して横向きになるように外側に向けられている。したがって、右周囲センサは右側に向けられ、左周囲センサは左側に向けられている。フォークリフトに対して横向きの配向とは、フォークリフトの長手方向軸に直交する配向と同義である。フォークリフトの長手方向軸は、直進時に進行方向にはしる。
【0010】
詳細には、本発明によって、フォークアームセンサのキャプチャ領域は、少なくとも部分的に横方向に、すなわちフォークリフトの長手方向に直交するように配向されている。したがって、フォークアームセンサの各キャプチャ領域の少なくとも一部分は、横方向にはしる。これは、各々のセンサから放射されて横方向にはしる少なくとも1つのビームが、少なくとも部分的にセンサのキャプチャ領域内にあることを意味する。特に、ビームの最初の部分はキャプチャ領域内にある。好適には、ビーム全体がキャプチャ領域内にある。
【0011】
好適には、周囲センサは、そのキャプチャ領域がフォークリフトに対して厳密に横向きになるように配向されている。これは、各々のキャプチャ領域の中心軸または光軸が、フォークリフトに対して横向きに配向されていることを意味する。
【0012】
周囲センサのキャプチャ領域は各々、少なくとも一部分が外側に向けられている。これは、この少なくとも一部分が、各々のセンサからフォークリフトに対して外側に向かって延在することを意味する。したがって、キャプチャ領域のこの少なくとも一部分が、フォークリフトから離れるようにはしる。そのため、キャプチャ領域のこの部分には、フォークアームが存在しない。好適には、周囲センサは、フォークアームを全く検出しないように配向されている。
【0013】
厳密に2つの周囲センサが存在する場合、それらのキャプチャ領域は、相互に離れる方向に向けられている。好適には、配向は鏡面対称である。この場合、キャプチャ領域を有する周囲センサは、対称面の異なる側に配置されている。対称面は、好適にはフォークリフトの長手方向軸および垂直軸に対して平行にはしる。キャプチャ領域は、全体が対称面の異なる側にある。したがって、一方の周囲センサのキャプチャ領域は、全体が対称面の一方の側に配置されている。これに対して、更なる周囲センサのキャプチャ領域は、全体が対称面の更なる側に配置されている。
【0014】
フォークアームと共に、周囲センサもまた、相互に離間している。したがって、周囲センサの間、またはフォークアームの間の領域は、周囲センサによって検出されない。特に、この領域は、フォークリフトの長手方向軸および垂直軸に対して平行にはしる第1平面と、同様にフォークリフトの長手方向軸および垂直軸に対して平行にはしる第2平面と、によって区切ることができる。この領域は、第1平面と第2平面との間をはしる。好適には、第1平面および第2平面は、さらに、各々が周囲センサと交差する。周囲センサのキャプチャ領域は、全体が第1平面の異なる側と第2平面の異なる側をはしる。したがって、第1周囲センサの第1キャプチャ領域は、第1平面の第1側および第2平面の第1側にある。これに対して、第2周囲センサのキャプチャ領域は、第1平面の第1側とは異なる第2側および第2平面の第1側とは異なる第2側にある。
【0015】
好適には、周囲センサはさらに、各々が、それらのキャプチャ領域の少なくとも一部分で水平に位置合わせされている。これは、上述のビームが水平にはしることを意味する。特に、周囲センサの中心軸または光軸を、各々水平に配向することができる。
【0016】
本発明によれば、フォークリフトに接近する物体を周囲センサによって検出することが可能である。これによって、差し迫った衝突を回避することができる。本発明の利点は、フォークアームセンサが露出された位置に取り付けられていることである。そのため、障害物によって視界が遮られているために、フォークリフトの他の位置からはまだ検出不能である可能性のあるクロストラフィックが、フォークアームから検出される。このような状況は、典型的に、交差領域で発生する。
【0017】
好適には、フォークリフトは、フォークリフトに加えてデータ処理装置を含む装置の一部として、更に構成されている。データ処理装置は、周囲センサの信号を用いて接近する物体を検出するように構成されている。これは、周囲センサが信号伝導的にデータ処理装置と接続されていることを意味する。
【0018】
データ処理装置は、制御ユニットとして構造的にフォークリフトに統合することができる、または別の装置として構成することもできる。別の装置である場合、周囲センサは、好適には無線信号による接続を介して、データ処理リンクと接続されている。
【0019】
周囲センサの信号は、データ処理装置によって評価され、接近する物体についてチェックされる。好適には、接近する物体を検出するためにデータ処理装置によって実行される方法は、物体を検出するサブステップと、その物体の動きを検出するサブステップと、を含む。対応する検出方法は、従来技術から既知である。したがって、物体およびその動きを検出するためには、例えばニューラルネットワークまたは推計法が適している。
【0020】
データ処理装置は、好適には、接近する物体のフォークリフトとの差し迫った衝突を検出するように、更に構成されている。このためにデータ処理装置は、好適には、接近する物体の動きと、フォークリフトの動きと、を評価する。それらの動きに基づいて、物体およびフォークリフトの移動経路を推定することができる。好適には、このために、フォークリフトの進路の経過および/または接近する物体の進路の経過も考慮される。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、フォークリフト101が鳥瞰図で示される。そのリフトフォークは、左アーム103aおよび右アーム103bを備える。左フォークアームセンサ105aは左フォークアーム103aに取り付けられている。右フォークアームセンサ105bは、右フォークアーム103bに取り付けられている。
【0024】
フォークリフト101の隣には、障害物107が存在する。これによって、フォークリフト101の運転者の、左からフォークリフト101に接近するクロストラフィックに対する視界が覆われる。そのため、接近する物体109が、障害物107によって見えなくなる。
【0025】
左フォークアームセンサ105aのキャプチャ領域111aは、左フォークアームセンサ105aからフォークリフト101の横方向で左にはしる。これに対応して、右フォークアームセンサ105bのキャプチャ領域111bは、右フォークアームセンサ105bからフォークリフト101の横方向で右にはしる。両方のキャプチャ領域111a、111bは、相互に離れて外側に向けられている。したがって、物体は、左フォークアームセンサ105aのキャプチャ領域111a内にある。
【0026】
物体109のフォークリフト101との差し迫った衝突を、フォークリフト101の制御装置に実装された適切なアルゴリズムによって、自動的に検出することができる。代替的に、フォークアームセンサ105a、105bの信号を、例えばディスプレイを用いて、視覚化された形態でフォークリフト101の運転者に対して提示することが可能である。音響的信号を介して、差し迫った衝突を運転者に警告する可能性も存在する。
【符号の説明】
【0027】
101 フォークリフト
103a 左アーム
103b 右アーム
105a 左フォークアームセンサ
105b 右フォークアームセンサ
107 障害物
109 物体
111a キャプチャ領域
111b キャプチャ領域
【国際調査報告】