(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】細長い製品を収集する装置および方法
(51)【国際特許分類】
B21D 43/20 20060101AFI20230718BHJP
B21F 1/00 20060101ALI20230718BHJP
B21D 7/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B21D43/20
B21F1/00
B21D7/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577309
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 IT2021050185
(87)【国際公開番号】W WO2021255768
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020000014254
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
4E063
4E070
【Fターム(参考)】
4E063AA09
4E063BC06
4E063CA05
4E070AA01
4E070AC02
4E070BC02
4E070CA01
(57)【要約】
好ましくは金属製品である細長い製品を収集する装置であって、第1の収容デバイス(11)が複数の細長い製品(P)を加工機械から受け取ることができる作業位置と、前記金属製品(P)が捕捉される送り出し位置との間で可動である、第1の収容デバイス(11)を備える、装置に関する。本発明はまた、前記細長い製品(P)を収集する方法と、その製品を加工するための生産設備(100)にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い製品(P)を収集する装置(10)であって、前記細長い製品(P)を加工する機械の近くに第1の収容デバイス(11)が配置される作業位置と、前記加工機械から離れて前記第1の収容デバイス(11)が配置される送り出し位置との間で、またはその逆で、第1の移動を行うのに適している第1の収容デバイス(11)を備え、前記送り出し位置と前記作業位置の間で、またはその逆で、前記第1の移動をやはり行うことができる少なくとも第2の収容デバイス(13)を備えること、ならびに、前記収容デバイス(11、13)の少なくとも一方が、他方と干渉しない位置をとるために少なくとも第2の移動もまた行うのに適していることを特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
前記第1の収容デバイス(11)が、第1の移動ガイド(12)上で作動方向(X)に可動であること、ならびに、前記第2の収容デバイス(13)が、前記第1の移動ガイド(12)よりも内側の第2の移動ガイド(14)上で、前記第1の収容デバイス(11)とは反対の方向の前記作動方向(X)に可動であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の収容デバイス(11)が、下降状態から上昇状態へ、またその逆に移るように、垂直にも可動な箱(15)を備えること、ならびに、前記上昇状態の前記箱(15)が、前記第2の収容デバイス(13)のレベルよりも高いレベルにあることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の収容デバイス(11)は、前記第1の移動ガイド(12)上を摺動して前記箱(15)が上に取り付けられるスライダ取り付け支持手段(20)と、前記支持手段(20)と前記箱(15)の間に配置された持ち上げ手段(24)とを備えることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
各持ち上げ手段(24)は、第1のレバー(25)がモータ駆動され、第2のレバー(26)がアイドル状態である一対のレバー(25、26)を備えること、ならびに、前記レバー(25、26)は、下部において前記支持手段(20)に対して、上部において前記箱(15)に対して旋回されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の収容デバイス(13)は、前記第2の移動ガイド(14)に沿って摺動できる収集面(32)を備えること、ならびに、前記収集面(32)の横方向サイズ全体が、前記箱(15)の横方向サイズ全体よりも小さいことを特徴とする、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記箱(15)および前記収集面(32)は、前記箱(15)の底部(16)および前記収集面(32)の収集ベース(35)からそれぞれ垂直に突出する前記細長い製品(P)を収容するための複数の区域を画定することが可能な、それぞれの整理要素(17、36)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記作業位置と前記送り出し位置の間の中間位置に、前記収容デバイス(11、13)の通過および/またはその相互の垂直位置を検出できるセンサ(38)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
加工機械(110)と、前記加工機械(110)に供給するための装置とを備える、細長い製品を加工するための生産設備であって、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の、前記細長い製品(P)を収集する装置(10)を備えることを特徴とする、生産設備。
【請求項10】
前記加工機械(110)は、前記細長い製品(P)を切断および成形するための機械と、曲げおよび成形するための機械と、あるサイズに切断するための機械とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の生産設備。
【請求項11】
好ましくは金属製品である細長い製品を収集する方法であって、第1の収容デバイス(11)を、それが複数の細長い製品(P)を加工機械から受け取ることができる作業位置と、前記金属製品(P)が捕捉または解放される送り出し位置の間で、またはその逆で、移動させる工程を遂行し、方法がまた、第2の収容デバイス(13)を、前記送り出し位置と前記作業位置の間で、またはその逆で、やはり移動させる工程を遂行すること、ならびに、前記作業位置と前記送り出し位置の間の、またその逆の移動中に、前記収容デバイス(11、13)の少なくとも一方がまた、他方と干渉しない少なくとも1つの位置をとるような方向に移動されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、好ましくは金属の、細長い製品を収集する装置および方法に関する。
特に、本発明は、同じ形状、または同様もしくは類似の形状を有するいくつかの細長い製品を整然と、自動的に、かつ均質なグループとして収集し、その後の使用のために保管および/または輸送されるように、製品を手動または自動の送り出し・捕捉ゾーンに向けて移動させるために用いることが可能である。
【0002】
用語の細長い製品は、本明細書においては、また以下では一般に、線材、補強棒、丸部片または角部片などの細長い、場合によってはまっすぐな棒から始めて、円形、多角形または平坦な断面形状で製造される製品を意味する。例として、細長い製品は、中型および大型のスターラップ、直棒、または一端もしくは両端に湾曲部を持つ成形部片であり得る。
【背景技術】
【0003】
たとえば鋼製である直棒の束と金属線のコイルの両方から始めて、スターラップおよび/または成形部片を製造するための、スターラップ製造機または成形機とも呼ばれる様々な切断機および曲げ機が知られている。
【0004】
これらの機械はまた、金属線のコイルから始めて、線が切断され曲げられる前にその線をまっすぐにすることもできる。これらの機械はまた、単純な直棒を製造することもできる。
【0005】
前記金属製品の製造に関連して、作業の終了時の金属製品の排出と、包装、結束、保管および輸送などの、あり得る後続の業務のための金属製品の収集および移動との問題がある。
【0006】
金属製品の排出を容易にするために、スターラップ製造/成形機は通常、作業サイクルが完了された後に金属製品が、取り出しデバイスまたは専任の操作員を何ら必要とせずに簡単に落下できるように、傾斜した作業面を有する。
【0007】
作業面の下には、金属製品を収集するための装置が通常設置されており、この装置は通常、容器たとえば台車を備え、これは、機械によって徐々に製造されるにつれてその全容積が製品で満たされ得るように可動である。
【0008】
収容デバイスは、満杯になると送り出しゾーンに移動し、ここで製品は自動または手動で、かつ個別またはグループで捕捉され、場合によっては結束される。
知られている装置の欠点の1つは、収容デバイスが満杯になり、機械から送り出しゾーンに向かって移動するたびに、機械自体が必ず停止されなければならないことである。これにより、時間の浪費および生産性の低下が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、現況技術の欠点の少なくとも1つを克服することができる、好ましくは金属の、細長い製品を収集する装置および方法を完全なものにする必要がある。
特に、本発明の1つの目的は、加工機械が連続的に、またはほぼ連続的に動作することを可能にする、細長い製品を収集するための装置を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、単純かつ安価であるとともに、たとえばアンロード工程の間中、専任の操作員がいる状態で優れた安全性を保証する、細長い製品を収集するための装置を提供することである。
【0011】
別の目的は、作業工場の全体的な生産性を向上させ生産コストを削減することを可能にする、細長い製品を収集するための方法を完全なものにすることである。
本出願人は、現況技術の欠点を克服するために、また上記および他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具現化した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、独立請求項に明記され、特徴が記述されている。従属請求項では、本発明の他の特徴、または主な発明概念の変形形態について記述している。
上記の目的に応じて、現況技術の限界を克服し、現況技術に存在する欠陥を取り除く、好ましくは金属製品である細長い製品を収集する装置は、細長い製品を加工する機械の近くに第1の収容デバイスが配置される作業位置と、上記の加工機械から離れて第1の収容デバイスが配置され、金属製品が捕捉または解放される送り出し位置との間で第1の移動を行うことができる、第1の収容デバイスを備える。
【0013】
本発明の1つの態様によれば、上記の装置はまた、上記の作業位置と送り出し位置の間で、またはその逆で、第1の移動をやはり行うことができる少なくとも第2の収容デバイスも備える。さらに、第1の収容デバイスまたは第2の収容デバイスの少なくとも一方は、他方と干渉しない位置をとるように少なくとも第2の移動もまた行うのに適している。
【0014】
2つの収容デバイスのうちの1つが干渉しない位置を保持することにより、2つの収容デバイスは、常に、またはほとんど常に収容デバイスが加工機械と関連付けられることになるという意味で、連続性が中断されることなく、作業位置と送り出し位置を実質的に交換することができる。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、加工機械と、加工機械に供給するための装置とを備える、好ましくは金属製品である細長い製品を加工するための生産設備が提供される。この生産設備はまた、上記の細長い製品を収集する装置も備える。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、第1の収容デバイスを作業位置と送り出し位置の間で移動させる工程を遂行する、上記の細長い製品を収集する方法もまた提供される。この方法ではまた、作業位置と送り出し位置の間で第2の収容デバイスを移動させる工程も遂行する。さらに、作業位置と送り出し位置の間で、またはその逆で移動中に、第1の収容デバイスまたは第2の収容デバイスの少なくとも一方がまた、他方と干渉しない少なくとも1つの位置をとるように垂直にも移動される。
【0017】
この装置および方法は、有利には、加工機械を停止させずに連続的に動作させることを可能にする。これにより、工場の全体的な生産性を向上させることができ、また、いくつかの構成要素をしばしば後で再調整する必要がある機械停止の回数を大幅に減らすことができる。
【0018】
本発明の上記および他の態様、特徴および利点は、添付図面を参照して非限定的な例として示される、いくつかの実施形態についての以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本明細書に記載のいくつかの実施形態による、細長い金属製品を加工するための、上記の細長い製品を収集する装置がある生産設備を示す透視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
理解しやすいように、可能な場合には同じ参照番号が、図面中の同一の共通要素を識別するために使用されている。1つの実施形態の要素および特性は、さらなる明示がなくても、他の実施形態に適宜に組み合わされること、または組み込まれることが可能であると理解されたい。
【0021】
次に、添付の図面に1つまたは複数の非限定的な例が示されている、本発明の実現可能な実施形態を詳細に参照する。本明細書で使用される語法および術語はまた、非限定的な例を提示することも目的としている。
【0022】
添付図面を用いて説明されるいくつかの実施形態は、添付図面中で参照番号10によって全体として表示されている、細長い製品、好ましくは金属製品を収集する装置に関する。
【0023】
装置10は、第1の収容デバイス11が複数の金属製品Pを加工機械110から受け取ることができる作業位置と、細長い製品Pが捕捉される送り出し位置との間で可動である、第1の収容デバイス11を備える。
【0024】
本発明の1つの態様によれば、装置10は、送り出し位置と作業位置との間でやはり可動である第2の収容デバイス13を備える。さらに、第1の収容デバイス11または第2の収容デバイス13の少なくとも一方は、他方と干渉しない少なくとも1つの位置をとるために、また、加工機械の停止を必ずしも必要とすることなく相互の位置交換を可能にするために、この具体的な事例では垂直方向にも可動である。
【0025】
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、送り出し位置と作業位置の間で、第1の収容デバイス11は第1の移動ガイド12上で作動方向Xに可動であり、第2の収容デバイス13は、第1の移動ガイド12よりも内側の第2の移動ガイド14上で、第1の収容デバイス11とは反対方向の作動方向Xに可動である。
【0026】
第1の収容デバイス11は、作業位置または送り出し位置にあるときに好ましくは見出される下降状態から、第1の収容デバイス11が作業位置から送り出し位置に、またはその逆に移動するときに上昇状態へ移るように垂直方向にも可動な箱15を備える。
【0027】
特に、上昇状態では、箱15は、第2の収容デバイス13のレベルよりも高いレベルにあり、したがって、第2の収容デバイスは箱の下で摺動することができる。
この解決策は、第1の収容デバイス11の移動と第2の収容デバイス13の移動とを適切に整合させることによって、細長い製品Pを加工するための機械110を、停止させる必要なしに連続して作動させることを可能にする。
【0028】
図1~3に示されるいくつかの実施形態によれば、箱15は、互いに平行で対向する一対の側部18と、互いに平行で対向する一対のそれぞれの縁部19とによって、また下部では、細長い製品Pが都度ごとに堆積される底部16によって、横方向に区切られている。側部18、縁部19および底部16は、上方に開いた、実質的に平行六面体形状を有する収容空間を画定する。特に、側部18は作動方向Xと平行であり、縁部19は作動方向Xに対して横向きであり、この具体的な事例では実質的に直交している。有利なことに、縁部19および側部18が存在することが、特に箱15が上昇または下降されるときに、細長い製品Pが落下することを防止する。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、箱15には一対の支持部分23が設けられ、各支持部分23は、収容空間の外側で、側部18のそれぞれの1つに片持ち梁のようにして取り付けられている。支持部分23の間の距離が、箱15の横方向サイズ全体を実質的に画定する。
【0030】
支持部分23は、側部18と一体で製作されること、または側部に取り付けられることが可能である。本明細書に記載の例では、支持部分23は、下の第1の移動ガイド12の方に向いている、逆U字型の外形を有する。
【0031】
箱15は、底部16から垂直に突出して収容空間を仕切る、整理要素17を備えることができる。たとえば、これらの整理要素17は、細長い製品Pが内側に堆積する複数の区域を画定して製品が散乱しないようにするために、均一または非均一な構成によって市松模様の形に配置することができる。このようにして画定された区域は、異なる形状および長さを有する細長い製品Pを収集して均一なグループになるように整理するのに有用であり得る。
【0032】
第1の収容デバイス11はまた、スライダ取り付け支持手段20を備え、その上部には、支持部分23に対応する箱15が取り付けられている。支持手段20は、第1の移動ガイド12上を摺動して、第1の収容デバイス11を作動方向Xに移動させる。
【0033】
図4の図面に基づくと、各支持手段20は、第1の移動ガイド12上を摺動できる車輪28が前後に関連付けられている支持体27を備える。支持体27は、移動ガイド12の方向に広い伸び、すなわち長さを有し、たとえば箱15が下降状態にあるときに、支持部分23が載っていることが可能な上面29を有する。支持体27は、好ましくは、移動中の安定性を保証するために、縁部19間の距離と等しい、またはより好適にはそれを超える長さを有する。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、支持手段20には、その前進の移動および速度を調節するように選択的に起動させることができる、それぞれの駆動装置21が関連付けられている。
【0035】
図1~3に示されるように、第1の移動ガイド12は、特に作動方向Xに直交する方向に距離L1だけ互いに横方向に間隔があけられた少なくとも2つのレール22を備え、距離L1は、この具体例では同方向の縁部19の長さとほぼ等しい。2つのレール22は同一平面にあり、内側を第1の収容デバイス11と第2の収容デバイス13の両方が摺動する摺動通路を2つの側面で区切る。
【0036】
好ましくは、第1の収容デバイス11は、2対のレール22上を摺動する。それぞれの支持手段20が、レール22の各対に関連付けられている。2対のレール22は、横方向に距離L1だけ互いに間隔があけられており、同じ対のレール22は、たとえば支持体27の幅に等しい距離で互いに近くに置かれている(
図4)。有利には、複数対のレール22上で摺動することが、より精確で安定した移動を可能にする。
【0037】
図2および
図4に示されるいくつかの実施形態によれば、第1の収容デバイス11はまた、それぞれの支持手段20と箱15との間に配置されている、かつ、後者を下降状態から上昇状態に、またその逆にすることが可能な持ち上げ手段24も備える。
【0038】
図4に示されるいくつかの実施形態によれば、持ち上げ手段24は、下部において支持手段20に対して、特に支持体27に対して旋回され、上部においては箱15に対して、特に支持部分23に対して、好ましくは縁部19に最も近い端部に対応して旋回されることが可能である。
【0039】
各持ち上げ手段24は、第1のレバー25がモータ駆動され、第2のレバー26がアイドル状態である一対のレバー25、26を備える。第1のレバー25は、その回転を可能にするシリンダ・ピストン型の駆動デバイス31と関連付けされている(
図4)。
【0040】
第1のレバー25および第2のレバー26は部分的に、支持体27の座部30の凹部に置かれ得る。このようにして、各レバーが回転して箱15が上昇状態から下降状態になったときには、レバー25、26はほとんど完全に座部30の内部にあり、したがって支持部分23は、座部30の上面29に載り得る(
図1および
図3)。
【0041】
実現可能な実施形態によれば、箱15の持ち上げはまた、他の方法で実施されることも可能である。たとえば、レバー機構の代替形態として、箱15が垂直に持ち上げられるようにする、1つまたは複数の油圧もしくは空気圧ジャッキを設けることが可能である。
【0042】
特に
図1~
図3を参照すると、第2の収容デバイス13は、第2の移動ガイド14に沿って摺動できる収集面32を備える。第2の移動ガイド14は、作動方向Xおよびレール22に平行な少なくとも2本のレール37を備える。レール37はまた、レール22と同一平面にあり、上記の摺動通路の内側にある。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、収集面32は、特に、収集面32の下に摺動可能に取り付けられた等距離の4つのレール37上を摺動することが可能である。最も外側のレール37は、距離L1よりも短い距離L2だけ離して置かれている。
【0044】
さらに、いくつかの実施形態によれば、収集面32は、互いに平行で対向する一対の側壁33と、同様に互いに平行で対向する一対の頭部壁34とによって、また上部では、細長い製品Pが都度ごとに堆積される収集ベース35によって、横方向に区切られている。側壁33間の距離は、収集面32の横方向サイズ全体を実質的に画定する。特に、側壁33は作動方向Xと平行であり、一方、頭部壁34は作動方向Xに対して横向きであり、この具体的な事例では実質的に直交している。側壁33は側部18と平行であり、頭部壁34は縁部19と平行であることは言うまでもない。
【0045】
実現可能な実施形態によれば、収集面32には、収集面32の移動中に、または細長い製品Pが収集ベース35上に収集されるときにも、細長い製品Pが落下しないように物理的に区切られた収容容積部を画定できる壁、縁部または側部などの側方の収容要素が設けられ得る。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、収集面32の横方向サイズ全体は、箱15の横方向サイズ全体よりも小さい。こうすることは、収集面32が、作業位置から送り出し位置へ移るときに、相互干渉を生じさせずに箱15の下を通過できるようにするために必要である。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、また箱15に設けられているものと同様に、収集面32は整理要素36を備えることができ、この整理要素は収集ベース35から垂直に突出し、収集ベースを仕切って、その内側に形状および長ささえも異なる細長い製品Pを堆積することができる複数の収容ゾーンを画定し、それによって、製品が散乱しないようにする。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、レール22、37は、行程端要素40によって長手方向に区切られ、この行程端要素は、ブレーキショック・アブソーバとして機能することができ、また、収容デバイス11、13の位置を決定するための位置センサを組み込むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、装置10は、作業位置と送り出し位置の間の中間位置に、収容デバイス11、13の通過を検出できる光学型またはレーザ型のセンサ38を備える。センサ38は、摺動通路の外側のレール22の側面に配置された2つの受け取り・送出タワー39を備える。タワー39は高さが、箱15が上昇状態にあるときの高さとほぼ等しく、好ましくはそれを超える。このようにして、箱15と収集面32の間の相互垂直位置を制御することが可能である。
【0050】
図1~3に記載されたいくつかの実施形態はまた、好ましくは金属製品である細長い製品Pを加工するための、加工機械110と、加工機械110に細長い製品Pを供給するための装置と、収集装置10とを備える生産設備100に関する。
【0051】
実現可能な実施形態によれば、加工機械110は、切断成形機、曲げ成形機、あるサイズに切断するための機械、またはその他から成る群から選択され得る。
本明細書に記載の例を特に参照すると、加工機械110は、作業面111を備える曲げ成形機であり、作業面には、細長い製品Pが有すべき特定の曲げを画定することができる2つの曲げユニット112が設置されている。作業面111にはまた、1つまたは複数の細長い製品Pを曲げユニット112に都度ごとに供給することができる引き出しユニット113も設置されている。曲げユニット112間には、場合によって可動であり、作業中に細長い製品Pを支持し保持することができるクランプ型保持要素114がある。作業面111は、都度ごとに作られる細長い製品Pが重力によって落下し、収集装置10によって収集されることが可能であるように、下向きに傾斜している。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、好ましくは金属製品である細長い製品Pを収集する方法が提供される。この方法では、第1の収容デバイス11を、それが複数の細長い製品Pを加工機械から受け取ることができる作業位置と、金属製品Pが捕捉される送り出し位置との間で、移動させる工程を遂行する。
【0053】
本発明の1つの態様によれば、この方法ではまた、第2の収容デバイス13も送り出し位置と作業位置の間で移動させる工程も遂行する。さらに、第1の収容デバイス11または第2の収容デバイス13の少なくとも一方はまた、他方と干渉しない位置をとるために垂直にも移動される。
【0054】
作動可能に、また周期的に、この方法では第1の充填工程を遂行し、この工程で第1の収容デバイス11は作業位置へ移動され、その位置に、第1の複数の金属製品Pを加工機械から受け取るために留まる(
図1)。
【0055】
第1の収容デバイス11が満たされると、この方法では第1の送り出し工程を遂行し、この工程で第1の収容デバイス11は送り出し位置に向けて移動され、その位置に、第1の複数の金属製品Pが捕捉されることを可能にするために留まる(
図2)。第1の送り出し工程と同時に、この方法では第2の充填工程を遂行し、この工程で第2の収容デバイス13は作業位置に向けて移動され、その位置に、加工機械から第2の複数の金属製品Pを受け取るために留まる(
図3)。
【0056】
常に
図2を参照すると、この移動中に、第1の収容デバイス11と第2の収容デバイス13が互いの方に向かって摺動する間、箱15は、収集面32を越えるように垂直に持ち上げられる。
【0057】
最後に、この方法では、第2の送り出し工程を第1の充填工程と同時に遂行し、この工程で第2の収容デバイス13は送り出し位置に向けて移動され、その位置に、第2の複数の金属製品Pが捕捉されることを可能にするために留まる。
【0058】
このようにして、加工機械を一時停止させる必要なしに、また収集「肺」を作り出さなくても、細長い製品Pを連続して製作および収集することが可能である。
部品または工程の修正および/または追加が、これまで説明された、好ましくは金属製品である細長い製品を収集する装置および方法に対して、特許請求の範囲によって定義される本発明の分野および範囲から逸脱することなく、なされてもよいことは明らかである。
【0059】
添付の特許請求の範囲において、括弧内の参照符号の唯一の目的は読みやすさを提供することである。すなわち参照符号は、特定の特許請求の範囲において主張される保護の領域に関して制限的な要素と考えられてはならない。
【国際調査報告】