(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】車両ディスプレイアセンブリ内の構成要素のフローティング取付構造
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230718BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 362
B60R11/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577546
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 US2020040363
(87)【国際公開番号】W WO2022005461
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512168283
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スピッツリー, マイケル アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス, ダレン
(72)【発明者】
【氏名】オアナ, セービン
(72)【発明者】
【氏名】フランツ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジアニン
【テーマコード(参考)】
3D020
5G435
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BC02
3D020BD05
5G435AA01
5G435EE04
5G435FF02
5G435GG43
5G435LL17
(57)【要約】
自動車内装において、車両ディスプレイアセンブリは、カバーレンズ、ディスプレイモジュール、及びそれらの間の接合材などの繊細な構成要素を含む。車両用のディスプレイアセンブリは、凹部を有する支持シャーシと、凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、を含む。カバーレンズは、接合材によりディスプレイモジュールの前面に取り付けられ、フローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して支持シャーシに結合される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のディスプレイアセンブリであって、
凹部を有する支持シャーシと、
前記凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、
接合材により前記ディスプレイモジュールの前記前面に取り付けられ、かつフローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して前記支持シャーシに結合されたカバーレンズと、
を備える、前記ディスプレイアセンブリ。
【請求項2】
前記ディスプレイモジュールは、前記支持シャーシと接触することなく、前記凹部内に少なくとも部分的に受け入れられるように配置される、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項3】
前記支持シャーシは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有し、前記凹部は、前記中央部分に配置され、境界領域により囲まれる、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項4】
前記可撓性接着剤は、前記支持シャーシの前記境界領域及び前記端部分に沿って、前記ディスプレイモジュールを実質的に取り囲むように塗布される、請求項3に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項5】
前記可撓性接着剤は、高伸度かつ膨張対応の接着剤を含む、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項6】
前記ディスプレイモジュールの前記背面を前記支持シャーシに結合する少なくとも1つの接着部材をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項7】
前記支持シャーシと前記ディスプレイモジュールとの間に電気的接触を提供する少なくとも1つのコンプライアント接地コンタクトをさらに備える、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項8】
前記カバーレンズは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有する、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項9】
車両インターフェースシャーシをさらに備え、前記支持シャーシは、前記車両インターフェースシャーシに取り付けられるように構成される、請求項1に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項10】
車両用のディスプレイアセンブリであって、
凹部を有する支持シャーシと、
前記支持シャーシと接触することなく前記凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、
接合材により前記ディスプレイモジュールの前記前面に取り付けられ、かつフローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して前記支持シャーシに結合されたカバーレンズと、
を備える、前記ディスプレイアセンブリ。
【請求項11】
前記支持シャーシは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有し、前記凹部は、前記中央部分に配置され、境界領域により囲まれる、請求項10に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項12】
前記可撓性接着剤は、前記支持シャーシの前記境界領域及び前記端部分に沿って、前記ディスプレイモジュールを実質的に取り囲むように塗布される、請求項11に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項13】
前記可撓性接着剤は、高伸度かつ膨張対応の接着剤を含む、請求項10に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項14】
前記支持シャーシと前記ディスプレイモジュールとの間に電気的接触を提供する少なくとも1つのコンプライアント接地コンタクトをさらに備える、請求項10に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項15】
前記カバーレンズは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有する、請求項10に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項16】
車両用のディスプレイアセンブリであって、
凹部を有する支持シャーシと、
前記凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールであって、前記ディスプレイモジュールの前記背面は、少なくとも1つの接着部材により前記支持シャーシに結合される、前記ディスプレイモジュールと、
接合材により前記ディスプレイモジュールの前記前面に取り付けられ、かつフローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して前記支持シャーシに結合されたカバーレンズと、
を備える、前記ディスプレイアセンブリ。
【請求項17】
前記支持シャーシは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有し、前記凹部は、前記中央部分に配置され、境界領域により囲まれ、前記可撓性接着剤は、前記支持シャーシの前記境界領域及び前記端部分に沿って、前記ディスプレイモジュールを実質的に取り囲むように塗布される、請求項16に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項18】
前記可撓性接着剤は、高伸度かつ膨張対応の接着剤を含む、請求項16に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項19】
前記支持シャーシと前記ディスプレイモジュールとの間に電気的接触を提供する少なくとも1つのコンプライアント接地コンタクトをさらに備える、請求項16に記載のディスプレイアセンブリ。
【請求項20】
前記カバーレンズは、略長方形の中央部分を備えた細長い構成を有し、前記中央部分は、その両側のより狭い端部分に向かって先細りした形状を有する、請求項16に記載のディスプレイアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、車両ディスプレイアセンブリにおける構成要素のフローティング取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車内装において、車両ディスプレイアセンブリは、カバーレンズ、ディスプレイモジュール、及びそれらの間の接合材などの繊細な構成要素を含む。ディスプレイアセンブリ内にカバーレンズを取り付けるための現在の手法では、カバーレンズの背面にネジボスが設けられ、これらのボスにネジが回し込まれて、カバーレンズは構造補強シャーシに固定される。この手法の1つの副次的なマイナス効果として、構造補強シャーシに加えられた力は、ディスプレイモジュール及び接合材に伝達され得る。このような力は、「ムラ」として知られるディスプレイ異常を生じ得、これは、ディスプレイを押した時に観察される効果であり、ディスプレイ画像に望ましくない色ずれまたは輝度変化を引き起こす。さらに、カバーレンズと構造補強シャーシとの熱膨張係数の違いにより、これらの部品に応力が生じる。これらの応力は、次に、ディスプレイモジュールに付けられた接合材に伝わり得、ディスプレイの不均一性または不整合性も生じ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つ以上の実施形態では、車両用のディスプレイアセンブリは、凹部を有する支持シャーシと、凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、を含む。カバーレンズは、接合材によりディスプレイモジュールの前面に取り付けられ、フローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して支持シャーシに結合される。
【0004】
1つ以上の実施形態では、車両用のディスプレイアセンブリは、凹部を有する支持シャーシと、支持シャーシに接触することなく凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、を含む。カバーレンズは、接合材によりディスプレイモジュールの前面に取り付けられ、フローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して支持シャーシに結合される。
【0005】
1つ以上の実施形態では、車両用のディスプレイアセンブリは、凹部を有する支持シャーシと、凹部内に少なくとも部分的に受け入れられ、かつ前面及び背面を有するディスプレイモジュールと、を含み、ディスプレイモジュールの背面は、少なくとも1つの接着部材により支持シャーシに結合される。カバーレンズは、接合材によりディスプレイモジュールの前面に取り付けられ、フローティング取付構造で可撓性接着剤を使用して支持シャーシに結合される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】車両パネルに設置された例示的なディスプレイアセンブリである。
【0007】
【
図2】実施形態による、ディスプレイアセンブリの正面分解図である。
【0008】
【
図3】
図2のディスプレイアセンブリの背面分解図である。
【0009】
【
図4】実施形態による、ディスプレイアセンブリの部分断面図である。
【0010】
【
図5】ディスプレイアセンブリのディスプレイモジュール及び支持シャーシを示す断面図である。
【0011】
【
図6】コンプライアント接地コンタクトを示すディスプレイアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示される実施形態は本発明の例示にすぎず、様々な形態及び代替的な形態で具現化され得ることを理解されたい。図は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの機構は、特定の構成要素の詳細を示すために、誇張または最小化される場合がある。したがって、本明細書に開示される具体的な構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明を多様に用いるように当業者に教示するための単なる代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0013】
本明細書で開示される実施形態は、車両内ディスプレイアセンブリにおける剛性アセンブリ機構のマイナス効果に対する解決策を提供する。ネジまたは他の剛性のファスナ及び固定具を使用する代わりに、後述されるように、ディスプレイアセンブリ内では構成要素のフローティング取付構造が利用される。繊細なアセンブリ構成要素のフローティング取付により、ムラの原因となる力及び/または欠損を生じる力がディスプレイアセンブリ内に加わることが回避される。
【0014】
図1~
図4を参照すると、1つ以上の実施形態によれば、車両用のディスプレイアセンブリ100は、カバーレンズ102と、ディスプレイモジュール104とを含む。カバーレンズ102は、
図4に最もよく示されるように、接合材108によりディスプレイモジュール104の前面106に取り付けられ得る。接合材108は、光学的に透明な接着剤接合組成物であり得、カバーレンズ102とディスプレイモジュール104を一緒に固定するのに十分な厚さの略連続的な層で塗布され得る。一実施例では、カバーレンズ102とディスプレイモジュール104との間には、屈折率が整合した高透明度の接合材が使用され得、屈折率が整合した材料とは、カバーレンズ102などの別の物体の屈折率に非常に近い屈折率を有する物質である。例として、液体形状またはシート形状を作る方法で塗布することができるアクリル系またはシリコーン系の光学的に透明な接着剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
1つ以上の実施形態では、カバーレンズ102は、ディスプレイモジュール104の上に重なるように配置された略長方形の中央部分110を備えた細長い構成を有し得、中央部分110は、その両側のより狭い端部分112に向かって先細りした形状を有する。当然のことながら、カバーレンズ102のこの構成は単なる例示であり、限定を意図するものではない。カバーレンズ102は、ポリカーボネートなどのこれに限定されないポリマーベースの材料から構成され得、低複屈折であるように設計され得る。ディスプレイモジュール104は、略長方形の形状を有し得、タッチスクリーン114を利用し得る(
図4に最もよく示される)。
【0016】
ディスプレイアセンブリ100はさらに、構造補強シャーシすなわち支持シャーシ116を含み、さらに後述されるように、これに対し、カバーレンズ102及びディスプレイモジュール104がフローティング取付構造で結合される。カバーレンズ102を補完するように、支持シャーシ116は、略長方形の中央部分118を備えた細長い構成を有し得、中央部分118は、その両側のより狭い端部分120に向かって先細りした形状を有する。次に、支持シャーシ116は、車両パネルまたはフレームに取り付けるために、車両インターフェースシャーシ122に取り付けられ得る。支持シャーシ116は、鋳造アルミニウムまたは鋳造マグネシウムなどのこれらに限定されない導電性材料から構成され得る。
図2及び
図4に最もよく示されるように、支持シャーシ116の中央部分118は、ディスプレイアセンブリ100の構成要素を組み立てる時にディスプレイモジュール104を少なくとも部分的に受け入れるように配置された凹部124を含み、境界領域126は凹部124を取り囲む。
【0017】
従来技術のネジ、ファスナ、または他の剛性固定部材の代わりに、フローティング取付を使用して、カバーレンズ102が支持シャーシ116に結合され取り付けられる(
図2~
図4)。1つ以上の実施形態では、カバーレンズ102は、可撓性接着剤128を使用して支持シャーシ116に取り付けられる。具体的には、動的負荷及び静的負荷を吸収し耐えることができる、高伸度かつ膨張対応の接着剤が使用され得る。カバーレンズ102と支持シャーシ116との熱膨張係数に差があり得るため、ディスプレイアセンブリ100が様々な環境条件にさらされた時に、カバーレンズ102と支持シャーシ116との間の接合が破損しないことを保証する接着剤128が、選択され得る。非限定的な一実施例では、tesa(登録商標)7811両面アクリルフォームテープが接着剤128として使用され得る。
【0018】
1つ以上の実施形態では、接着剤128は、ディスプレイモジュール104を実質的に取り囲むように塗布され得、支持シャーシ116の中央部分118の境界領域126及び端部分120を実質的に覆うように塗布され得る。他の実施形態では、接着剤128は、ディスプレイモジュール104を部分的にのみ取り囲み、尚且つ所望のフローティング取付構造を作り出すことができる。接着剤128は、任意の形状、サイズ、または厚さを有することができ、本明細書に図示され説明される構成に限定されないことが、理解されよう。例えば、描かれる接着剤128の略連続的な層の代わりに、接着剤128の離散した領域が使用されてもよい。接着剤128と接触するように配置されたカバーレンズ102及び支持シャーシ116の表面は、構成要素の表面積を増やすようにテクスチャ加工(例えばリブ加工、粗面加工など)が行われ、これにより、接着剤128によるカバーレンズ102と支持シャーシ116との接合強度が高められ得る。次いで、支持シャーシ116は、車両内装パネルまたは他の構造に連結するための車両インターフェースシャーシ122に、しっかりと固定され得る。
【0019】
カバーレンズ102を支持シャーシ116に固定する剛性ファスナが排除されたことに加えて、1つ以上の実施形態では、カバーレンズ102及び支持シャーシ116には、これらの構成要素を一緒に組み立てるための制約的剛性位置決め機構がない。通常、組み立て中に2つの構成要素の相対的位置合わせの誘導を促進するために、1つの構成要素上のピンと別の構成要素上の穴との組み合わせが使用され得る。本明細書に開示される実施形態では、この種類の位置決め機構は排除され得、これにより、カバーレンズ102と支持シャーシ116との間に、意図するフローティング可撓性接合を妨げる強固な固定及び制約が生み出されることが回避される。代わりに、カバーレンズ102及び支持シャーシ116の固有の構造的特徴を使用して、これらの間の可撓性接合及びフローティング取付を制限することなく、これらの部品の組み立てを誘導することができる。
【0020】
ここで
図4及び
図5を参照すると、支持シャーシ116の凹部124は、後壁132に連結された4つの側壁130により画定される。1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュール104は、側壁130または後壁132に接触することなく、側壁130及び後壁132に隣接するまたは囲まれるように、凹部124内に少なくとも部分的に受け入れられた状態に配置され得る。図示されるように、ディスプレイモジュール104の1つ、2つ、3つ、または4つすべての縁部134は、側壁130から離間しており、ギャップ136が形成され得る。
図4に示されるように、ディスプレイモジュール104の背面138は、後壁132から離間しており、ギャップ140が形成され得る。カバーレンズ102はディスプレイモジュール104に接合され、カバーレンズ102は支持シャーシ116に接着結合されることから、ディスプレイモジュール104を支持シャーシ116に直接連結する必要はない。この手法により、支持シャーシ116との剛体接触により機械的力がディスプレイモジュール104に加わることが回避される。よって、ディスプレイモジュール104、及びディスプレイモジュール104をカバーレンズ102に連結する接合材108は、ムラを生じ得る応力から隔離され保護される。
【0021】
1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの接着部材142を使用して、ディスプレイモジュール104の背面138は、凹部124に隣接する側壁130に沿って、後壁132に沿って、またはその両方に沿って、支持シャーシ116に結合され得る。
図2及び
図5に示される実施例では、複数の接着部材142は、側壁130に隣接する後壁132に沿って離間して配置される。ディスプレイアセンブリ100内のディスプレイモジュール104のフローティング取付構造の結果、1つ以上の接着部材142は、接合材108に加わる応力を低減するように機能し得る。少なくとも1つの接着部材142は、任意の形状、サイズ、または厚さを有することができ、図示される接着部材142の構成または数に限定されないことが、理解されよう。カバーレンズ102を支持シャーシ116に結合するために使用される接着剤128に関して前述されたように、少なくとも1つの接着部材142は、可撓性のある高伸度の接着剤であり得、これは膨張に対応し、動的負荷及び性的負荷を吸収して耐えることができる。
【0022】
ディスプレイアセンブリ100内のディスプレイモジュール104のフローティング取付構造の結果、ディスプレイモジュール104は、ディスプレイアセンブリ100への標準的な電気的接地コンタクトを有さない場合がある。ディスプレイアセンブリ100内のディスプレイモジュール104のフローティング構造を損なうことなくディスプレイモジュール104を接地するために、本明細書に開示される実施形態は、
図6に示されるように、支持シャーシ116とディスプレイモジュール104との間に少なくとも1つのコンプライアント接地コンタクト144を含み得る。コンプライアント接地コンタクト144は、接着剤で固定することができるパッドの形態を有し得る。別の実施形態では、コンプライアント接地コンタクト144は、任意のフォームファクタの金属ばね(すなわちコイルばね、板ばねなど)を含み得、ディスプレイモジュール104に加えられる力を無視できるように、ばねのばね定数は小さいことが望ましい。コンプライアント接地コンタクト144は、ディスプレイモジュール104、支持シャーシ116、またはその両方に固定することができる。1つ以上のコンプライアント接地コンタクト144は、ディスプレイモジュール104の背面138と、凹部124に隣接する後壁132などのこれに限定されない支持シャーシ116の一部との間に電気的接触を提供する。
【0023】
自動車内装業界では、より大型のレンズを備えたインストルメントパネル、ならびにより高いディスプレイ解像度の傾向が強まっており、これらは、屈折率が整合した高透明度の接合材を要する。本明細書で開示される実施形態は、カバーレンズ102及びディスプレイモジュール104の構成要素を、支持シャーシ116と接合する方法を提供し、この方法は、これらの繊細な構成要素及び接合材108に応力が加えられることを回避する方法であって、よって、ディスプレイモジュール104におけるムラが防がれる。気泡、空隙、剛性もしくは可撓性の変化、または層間剥離などの接合材108における品質不良も、回避することができる。開示される実施形態は、ディスプレイモジュール及びカバーレンズを含む車両ディスプレイアセンブリのカテゴリにおいて競争優位性をもたらす。
【0024】
例示的な実施形態が前述されたが、これらの実施形態に、本発明のすべての可能な形態を説明する意図はない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定ではなく説明の単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよいことが理解されよう。さらに、様々な実装の実施形態の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる実施形態が形成され得る。
【国際調査報告】