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特表2023-531630物品の出庫方法及び装置、コンピュータ可読媒体、電子機器並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】物品の出庫方法及び装置、コンピュータ可読媒体、電子機器並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577610
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2021122669
(87)【国際公開番号】W WO2022078244
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202011100792.1
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】520223893
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・ゼンシ・インフォメーション・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ウェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン クン
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB07
3F522BB24
3F522CC01
3F522DD02
3F522HH12
3F522HH17
3F522HH19
3F522HH36
3F522LL15
(57)【要約】
本出願は物品の出庫方法及び装置を開示する。方法の具体的な実施形態は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアでタスクセットの中の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するステップと、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品の目標保管位置を確定するステップと、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアにおける同一棚に属する出庫対象物品を同一ピッキングタスクに分け、出庫処理を行うステップとを含み、それにより複数の保管エリアを有する複雑な保管環境に対して、物品の出庫効率を向上できる物品の出庫方法を提供する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の出庫方法であって、各物品は複数の保管エリアに保管され、前記複数の保管エリアのそれぞれには複数の棚セットが含まれ、前記複数の棚セットのそれぞれには複数の保管位置が階層的に設けられた複数の棚が含まれる、物品の出庫方法において、
複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、前記複数の保管エリアにおいて、前記タスクセットの各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するステップと、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、
前記タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うステップと、を含む物品の出庫方法。
【請求項2】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品に対して、当該種類の出庫対象物品が保管されている保管エリアにおける当該種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間を確定するステップと、
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項3】
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記各種類の出庫対象物品の優先度を決定するステップであって、各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の優先度が消費期限の残存期間と負の相関を有するステップと、
前記各種類の出庫対象物品の優先度、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む請求項2に記載の物品の出庫方法。
【請求項4】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記複数の保管エリアから、前記タスクセットが示した出庫要件を満たす最も少ない数の保管エリアを確定するステップと、
確定された前記数が1である場合、前記数に対応する保管エリアを、前記タスクセットに対応する目標保管エリアとするステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項5】
前記複数の保管エリアは、建物の異なる層に位置しており、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
確定された前記数が1よりも多いと判断したことに応答して、少なくとも1つの保管エリア群から、建物の同一層にある保管エリア群内の保管エリアを前記タスクセットに対応する目標保管エリアとするステップを含み、
前記少なくとも1つの保管エリア群内の各保管エリア群には、前記数の保管エリアが含まれ、
各保管エリア群はいずれも前記タスクセットが示した出庫要件を満たすことができる、請求項4に記載の物品の出庫方法。
【請求項6】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記少なくとも1つの保管エリア群内に同一層に位置する保管エリア群が存在しないと判断したことに応答して、保管エリア群毎に前記タスクセット内の出庫タスクを完了するための作業コストを確定するステップと、
各保管エリア群の作業コストに基づいて、目標保管エリア群を決定し、目標保管エリア群内の保管エリアを目標保管エリアとして決定するステップと、を含む請求項5に記載の物品の出庫方法。
【請求項7】
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記タスクセットにおける各種類の出庫対象物品に対して、
前記複数の出庫タスクにおいて、当該出庫対象物品の出庫すべき数を確定するステップと、
前記目標保管エリアにおいて、当該出庫対象物品が保管されている保管位置のうち、在庫数が当該出庫対象物品の出庫すべき数よりも多くかつ当該出庫対象物品の出庫すべき数に最も近い保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置として決定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項8】
前記複数の保管エリアのうちの各保管エリアにおける棚は、複数の棚段を含み、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定するステップを含み、
前記各棚の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する、請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項9】
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記目標保管エリアにおける棚セット内の各棚の並び順に基づいて、各棚の優先度を確定するステップと、
各棚の優先度に基づいて、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項10】
前記複数の保管エリアのうちの各保管エリアにおける複数の棚は、複数の棚セットに環状配列されており、前記複数の棚セットのそれぞれは、全体として同じ方向に回転可能であり、所定位置まで回転した1つの棚を出庫棚とし、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品の目標保管エリアにおける保管位置に基づいて、種類の最も多い現在の出庫対象物品が保管されている目標棚を特定する確定動作を実行し、残りの出庫対象物品を次回の確定動作を実行する際の現在の出庫対象物品とするステップと、
各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の対応する棚における保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とするステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項11】
目標保管エリアにおける複数の棚セットのそれぞれに対して、現在の出庫棚の位置に基づいて、棚セットの回転距離が最も短くなるように、当該棚セットの回転方向を決定するステップをさらに含む請求項10に記載の物品の出庫方法。
【請求項12】
前記出庫処理を行うステップは、
前記ピッキングタスクを、中継箱と、前記ピッキングタスクに対応する棚とバインドするステップと、
前記ピッキングタスクに対応する棚が所属する棚セットを回転して、前記ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするステップと、を含む請求項10に記載の物品の出庫方法。
【請求項13】
前記ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送するために、前記ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を前記中継箱にピッキングするように、所定の表示画面を介して所定の作業員に指示するステップをさらに含む請求項12に記載の物品の出庫方法。
【請求項14】
前記中継箱内の出庫対象物品の数を確定するステップと、
前記中継箱内の出庫対象物品の数が、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、前記ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するステップと、をさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項15】
前記出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を前記目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップをさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項16】
前記目標保管エリア以外の保管エリアに前記中継箱を介して搬送する必要のある出庫対象物品が存在することを示すための前記中継箱の後続きタスクが存在するか否かを判断するステップと、
前記中継箱の前記後続きタスクが存在すると判断したことに応答して、前記中継箱を前記後続きタスクに対応する保管エリアに搬送するステップと、をさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項17】
タスクセットが複数であり、
前記物品の出庫方法は、
前記タスクセットが、下記の少なくとも1つを満たすと判断したことに応答して、前記タスクセットを優先的に出庫処理するステップをさらに含む請求項1~16のいずれか1項に記載の物品の出庫方法。
前記タスクセットに対応する時間情報が予め設定された時間閾値を満たすこと;
前記タスクセットには、所定の作業員の協力を必要とする出庫処理作業が含まれること;
前記タスクセットには、複数の保管エリアに保管されている出庫対象物品が含まれること;
前記タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品の出庫すべき数の、出庫対象物品の種類数に対する比率が、予め設定された比率閾値を満たすこと;
前記タスクセットに対応する棚の数が予め設定された数閾値よりも少ないこと。
【請求項18】
複数の保管エリアと、前記複数の保管エリアに対応して設けられた作業エリアとを備える物品の倉庫保管システムであって、
前記複数の保管エリアのそれぞれは、複数の棚が環状に配列された複数の棚セットを含み、前記複数の棚セットのそれぞれは、駆動装置により駆動されて全体で同一方向に回転可能であり、各棚には複数の保管位置が設けられており、
前記作業エリアには、前記作業エリアを出入りするように中継箱を搬送するための搬送装置が設けられ、
前記中継箱は、作業員が所定位置に回転した出庫棚に対してピッキングタスクを行った出庫対象物品を受け取るために用いられる
物品の倉庫保管システム。
【請求項19】
前記搬送装置は、搬送ラインと、前記搬送ライン上に設置された昇降移載装置と、を備え、
前記搬送ラインに隣接して複数の一時保管通路口が設けられ、前記中継箱に中継箱識別子が設けられ、
前記搬送ラインに設置されたスキャナにより前記中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、前記中継箱を前記複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口と、前記ピッキングタスクとバインドし、
前記複数の一時保管通路口のそれぞれは、当該一時保管通路口に対応する電子タグを介して、前記昇降移載装置により当該一時保管通路口に移載された中継箱に対して、バインドされたピッキングタスクを実行するように作業員に指示する
請求項18に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項20】
前記複数の保管エリアは、建物の異なる層に設置され、同一層に設置された少なくとも1つの保管エリアに、1つの作業エリアが対応して設けられ、
前記搬送装置は、前記中継箱を上下層にある搬送装置の間で搬送するための昇降機をさらに備える請求項19に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項21】
前記作業エリアは、保温壁を介して前記保管エリアと分離して設けられ、
前記作業エリアと連通する自動扉が、各棚セットの所定位置に対応して設けられ、
前記出庫棚上の物品情報を表示するための所定の表示画面が各自動扉に対応して設けられている
請求項18に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項22】
遮風幕が各自動扉に対応して設けられている請求項21に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項23】
倉庫保管システムの制御方法であって、
受信したピッキングタスクが示した棚を確定するステップであって、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されている、ステップと、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップと、
前記中継箱が前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、前記出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するステップと
を含む倉庫保管システムの制御方法。
【請求項24】
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とする前に、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する保管エリアに対応する作業エリアである目標作業エリア内のスキャナにより、前記中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、前記中継箱と、複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口および前記ピッキングタスクとをバインドするステップと、
前記搬送装置によって前記中継箱を前記目標一時保管通路口に搬送するステップと、をさらに含む請求項23に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項25】
前記ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、前記目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップをさらに含み、
前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップは、
前記ピッキングタスクが示した棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、自動扉を開放するように制御し、前記自動扉に対応する所定の表示画面を介して前記出庫棚上の物品の物品情報を表示するステップを含む
請求項24に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項26】
前記ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、前記目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップは、
前記出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を前記目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップを含む請求項25に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項27】
物品の出庫装置であって、
複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、前記タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するように構成される第1の確定ユニットと、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するように構成される第2の確定ユニットと、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するように構成される第3の確定ユニットと、
前記タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うように構成される出庫ユニットと、
を備える物品の出庫装置。
【請求項28】
倉庫保管システムの制御装置であって、
受信したピッキングタスクが示した棚を確定するように構成される第4の確定ユニットであって、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されている、第4の確定ユニットと、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するように構成される駆動ユニットと、
前記中継箱が前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、前記出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するように構成される搬送ユニットと
を備える倉庫保管システムの制御装置。
【請求項29】
コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~17に記載の物品の出庫方法および請求項23~26に記載の倉庫保管システムの制御方法のいずれか1項を実現する、コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~17に記載の物品の出庫方法および請求項23~26に記載の倉庫保管システムの制御方法のいずれか1項を実現させる、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年10月15日に提出された、出願番号が202011100792.1で、発明の名称が「物品の出庫方法及び装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文を引用により本出願に組み込む。
【0002】
本出願の実施形態は、コンピュータ技術分野に関し、具体的には物品の出庫方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
物品の出庫は倉庫保管作業の重要な一環である。例えば、生鮮コールドチェーンの冷凍品は、低温環境(例えば、-18℃)で保管する必要があり、作業員は、所定時間作業後に比較的快適な環境で休憩する必要があるため、全体の出庫効率が低下し、顧客体験やサプライチェーンの時効に影響を与えてしまう。したがって、これは、生鮮コールドチェーンの倉庫保管の各作業ステップの効率的な稼働、及び各作業ステップ間の効率的な連携が必要である。
【0004】
従来技術では、一般的に、出庫タスクの順番に応じて、対応する保管位置から出庫対象物品を出庫する作業が作業員によって行われる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、物品の出庫方法及び装置を提案する。
【0006】
第1の態様では、本出願の実施形態は、物品の出庫方法であって、各物品は複数の保管エリアに保管され、複数の保管エリアのそれぞれには複数の棚セットが含まれ、複数の棚セットのそれぞれには複数の保管位置が階層的に設けられた複数の棚が含まれ、前記物品の出庫方法は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセットの各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するステップと、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うステップと、を含む物品の出庫方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアからタスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品に対して、当該種類の出庫対象物品が保管されている保管エリアにおける当該種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間を確定するステップと、各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、各種類の出庫対象物品の優先度を決定するステップであって、各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の優先度が消費期限の残存期間と負の相関を有するステップと、各種類の出庫対象物品の優先度に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、複数の保管エリアから、タスクセットが示した出庫要件を満たす最も少ない数の保管エリアを確定するステップと、確定された数が1である場合、その数に対応する保管エリアを、タスクセットに対応する目標保管エリアとするステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記複数の保管エリアは、建物の異なる層に位置しており、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、確定された数が1よりも多いと判断したことに応答して、少なくとも1つの保管エリア群から、同一層にある保管エリア群の保管エリアをタスクセットに対応する目標保管エリアとするステップを含み、少なくとも1つの保管エリア群のそれぞれには、前記確定された数の保管エリアが含まれ、各保管エリア群は、タスクセットが示した出庫要件を満たすことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、少なくとも1つの保管エリア群内に同一層に位置する保管エリア群が存在しないと判断したことに応答して、保管エリア群毎にタスクセット内の出庫タスクを完了するための作業コストを確定するステップと、各保管エリア群の作業コストに基づいて、目標保管エリア群を決定し、目標保管エリア群内の保管エリアを目標保管エリアとするステップと、を含む。
いくつかの実施形態では、上記目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、タスクセットにおける各種類の出庫対象物品に対して、複数の出庫タスクにおいて、当該出庫対象物品の出庫すべき数を確定するステップと、目標保管エリアにおいて、当該出庫対象物品が保管されている保管位置のうち、在庫数が当該出庫対象物品の出庫すべき数よりも多くかつ当該出庫対象物品の出庫すべき数に最も近い保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とするステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記複数の保管エリアのそれぞれの保管エリアにおける棚は、複数の棚段を含み、上記目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定するステップを含み、各棚における棚段の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、目標保管エリアにおける棚セット中の各棚の並び順に基づいて、各棚の優先度を決定するステップと、各棚の優先度に基づいて、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の保管エリアのそれぞれの保管エリアにおける複数の棚は、複数の棚セットに環状配列されており、複数の棚セットのそれぞれは、全体として同じ方向に回転可能であり、所定位置まで回転した1つの棚を出庫棚とし、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品の目標保管エリアにおける保管位置に基づいて、種類の最も多い現在の出庫対象物品が保管されている目標棚を特定する確定動作を実行し、残りの出庫対象物品を次回の確定動作を実行する際の現在の出庫対象物品とするステップと、各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の対応する棚における保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とするステップと、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、目標保管エリア内の複数の棚セットのそれぞれの棚セットに対して、現在の出庫棚の位置に基づいて、棚セットの回転距離が最も短くなるように、当該棚セットの回転方向を決定するステップをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記出庫処理を行うステップは、ピッキングタスクを、中継箱と、ピッキングタスクに対応する棚とバインドするステップと、ピッキングタスクに対応する棚が所属する棚セットを回転して、ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記方法は、ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送するように、所定の表示画面を介して、ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように所定の作業員に指示するステップをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記方法は、中継箱内の出庫対象物品の数を確定するステップと、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するステップと、をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記方法は、出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、上記方法は、目標保管エリア以外の保管エリアに中継箱を介して搬送する必要のある出庫対象物品が存在することを示すための中継箱の後続きタスクが存在するか否かを判断するステップと、中継箱の後続きタスクが存在すると判断したことに応答して、中継箱を後続きタスクに対応する保管エリアに搬送するステップと、をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、タスクセットが複数であり、上記方法は、タスクセットが、タスクセットに対応する時間情報が予め設定された時間閾値を満たすこと、タスクセットには、所定の作業員の協力を必要とする出庫処理作業が含まれること、タスクセットには、複数の保管エリアに保管された出庫対象物品が含まれること、タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品の出庫すべき数の、出庫対象物品の種類数に対する比率が、予め設定された比率閾値を満たすこと、タスクセットに対応する棚の数が予め設定された数閾値よりも少ないこと、のうちの少なくとも1つを満たすと判断したことに応答して、タスクセットを優先的に出庫処理するステップをさらに含む。
【0022】
第2の態様では、本出願の実施形態は、複数の保管エリアと、複数の保管エリアに対応して設けられた作業エリアとを備える物品の倉庫保管システムであって、複数の保管エリアのそれぞれは、複数の棚が環状に配列された複数の棚セットを含み、複数の棚セットのそれぞれは、駆動装置により駆動されて全体で同一方向に回転可能であり、各棚には複数の保管位置が設けられており、作業エリアには、作業エリアを出入りするように中継箱を搬送するための搬送装置が設けられ、中継箱は、作業員が所定位置に回転した出庫棚に対してピッキングタスクを行った出庫対象物品を受け取るために用いられる物品の倉庫保管システムを提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、搬送装置は、搬送ラインと、搬送ライン上に設置された昇降移載装置と、を備え、搬送ラインに隣接して複数の一時保管通路口が設けられ、中継箱に中継箱識別子が設けられ、搬送ラインに設置されたスキャナにより中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、中継箱を複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口と、ピッキングタスクとバインドし、複数の一時保管通路口のそれぞれは、当該一時保管通路口に対応する電子タグを介して、昇降移載装置により当該一時保管通路口に移載された中継箱に対して、バインドされたピッキングタスクを実行するように作業員に指示する。
【0024】
いくつかの実施形態では、複数の保管エリアは、建物の異なる層に設置され、同一層に設置された少なくとも1つの保管エリアに1つの作業エリアが対応して設けられ、搬送装置は、中継箱を上下層にある搬送装置の間で搬送するための昇降機をさらに備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、作業エリアは、保温壁を介して保管エリアと分離して設けられ、作業エリアと連通する自動扉が、各棚セットの所定位置に対応して設けられ、出庫棚上の物品情報を表示するための所定の表示画面が各自動扉に対応して設けられている。
【0026】
いくつかの実施形態では、遮風幕が各自動扉に対応して設けられている。
【0027】
第3の態様では、本出願の実施形態は、倉庫保管システムの制御方法であって、受信したピッキングタスクが示した棚を確定するステップであって、ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されている、ステップと、ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップと、中継箱がピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するステップとを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とする前に、ピッキングタスクが示した棚の所属する保管エリアに対応する作業エリアである目標作業エリア内のスキャナにより、中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、中継箱と複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口およびピッキングタスクとをバインドするステップと、搬送装置によって中継箱を目標一時保管通路口に搬送するステップと、をさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記方法は、ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップをさらに含み、ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップは、ピッキングタスクが示した棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、自動扉を開放するように制御し、自動扉に対応する所定の表示画面を介して出庫棚上の物品の物品情報を表示するステップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップは、出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップを含む。
【0031】
第4の態様では、本出願の実施形態は、物品の出庫装置であって、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するように構成される第1の確定ユニットと、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するように構成される第2の確定ユニットと、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するように構成される第3の確定ユニットと、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うように構成される出庫ユニットと、を備える物品の出庫装置を提供する。
【0032】
第5の態様では、本出願の実施形態は、倉庫保管システムの制御装置であって、受信したピッキングタスクが示した棚を確定するように構成される第4の確定ユニットであって、ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されているものである第4の確定ユニットと、ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するように構成される駆動ユニットと、中継箱がピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するように構成される搬送ユニットとを備える倉庫保管システムの制御装置を提供する。
【0033】
第6の態様では、本出願の実施形態は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体であって、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の態様、第3の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0034】
第7の態様では、本出願の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに第1の態様、第3の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現させる電子機器を提供する。
【0035】
本出願の実施形態が提供する物品の出庫方法及び装置は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアでタスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定し、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品の目標保管位置を確定し、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアにおける同一棚に属する出庫対象物品を同一ピッキングタスクに分け、出庫処理を行うことにより、複数の保管エリアを有する複雑な保管環境に対して、物品の出庫効率を向上できる物品の出庫方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本出願の他の特徴、目的および利点は、以下の図面を参照してなされる非限定的な実施形態に係る詳細な説明を読むことにより、より明らかになる。
図1】本出願の一実施形態を適用可能な例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
図2】本出願に係る物品の倉庫保管システムの構成の概略図である。
図3A】本出願に係る多層倉庫保管システムの構成の概略図である。
図3B図1のB-Bの断面の概略図である。
図4】本出願に係る物品の出庫方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る物品の出庫方法の適用場面を示す概略図である。
図6】本出願に係る物品の出庫方法のもう一つの実施形態を示すフローチャートである。
図7】本出願に係る倉庫保管システムの制御方法の一実施形態のフローチャートである。
図8】本出願に係る物品の出庫装置の一実施形態の構成図である。
図9】本出願に係る倉庫保管システムの制御装置の一実施形態の構成図である。
図10】本出願の実施形態を実現するためのコンピュータシステムの構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面と実施形態を参照して、本出願をより詳細に説明する。ここで述べている具体的な実施形態は関連発明を説明するためのものにすぎず、当該発明を限定するものではないことを理解すべきである。なお、説明の便宜上、図面には発明に関連する部分のみが示されている。
【0038】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施形態および実施形態における特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施形態と組み合わせて本出願を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本出願に係る物品の出庫方法及び装置が適用可能な例示的なアーキテクチャ100を示している。
【0040】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、端末装置101、102、103、ネットワーク104、サーバ105、ネットワーク106及びサーバ107を含んでもよい。ネットワーク104、106は、端末装置101、102、103とサーバ102の間、サーバ105とサーバ107の間で通信リンクを提供するための媒体として使用される。ネットワーク104、106は、有線、無線通信リンク又は光ファイバケーブルなどの様々なタイプの接続を含んでもよい。
【0041】
端末装置101、102および103は、データやりとりおよびデータ処理のためにネットワーク接続をサポートするハードウェアデバイスまたはソフトウェアであってもよい。端末装置101、102および103がハードウェアである場合、ネットワーク接続、情報インタラクション、表示、処理等の機能をサポートする様々な電子機器であってもよく、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダ、ラップトップコンピュータおよびデスクトップコンピュータなどを含むが、これらに限定されない。端末装置101、102および103がソフトウェアである場合、上記の電子機器にインストールされてもよい。それは、例えば、分散サービスを提供するための複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実装されてもよく、又は単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。ここでは特に限定しない。
【0042】
サーバ105、107は、様々なサービスを提供するサーバであってもよく、例えば、サーバ105は、端末装置101、102、103でのユーザの発注操作を受け付けて処理し、対応するオーダーの出庫タスクを得るバックエンドサーバであり、サーバ107は、サーバ105が送信した出庫タスクに基づいて出庫動作を行うバックエンドサーバである。バックエンドサーバは、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定し、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品の目標保管位置を確定し、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアにおける同一棚に属する出庫対象物品を同一ピッキングタスクに分け、出庫処理を行う。例示として、サーバ105、107は、クラウドサーバであってもよい。
【0043】
なお、サーバは、ハードウェアであってもよく、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアである場合、複数のサーバから構成される分散サーバクラスターとしても、単一のサーバとしても実装され得る。サーバがソフトウェアである場合、複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール(例えば、分散サービスを提供するためのソフトウェア又はソフトウェアモジュール)として実現されてもよく、又は単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。ここでは特に限定しない。
【0044】
なお、本出願の実施形態に係る物品の出庫方法は、サーバによって実行されることができる。相応して、物品の出庫装置が備える各部分(例えば、各ユニット、サブユニット、モジュール、サブモジュール)は、全てサーバ内に設けられることができる。
【0045】
図1における端末装置、ネットワークおよびサーバの数は例示的なものに過ぎないことを理解すべきである。実装のニーズに応じて、端末装置、ネットワークおよびサーバの数を任意に加減してもよい。物品の出庫方法が動作する電子機器が他の電子機器とデータ伝送を行う必要がない場合、当該システムアーキテクチャは物品の出庫方法が動作する電子機器(例えばサーバ又は端末装置)のみを含んでもよい。
【0046】
引き続き図2を参照すると、本出願の物品の出庫方法に合致する一実施形態の倉庫保管システム200が示されている。倉庫保管システム200は、本出願の物品の出庫方法によって物品の出庫作業を行う。
【0047】
図2に示すように、倉庫保管システム200は、複数の保管エリア202と、複数の保管エリアに対応して設けられた作業エリア201とを備えている。このうち、作業エリア201は、作業員に快適な作業環境を提供するためのものであり、保管エリア202には、様々な物品が保管されている。例示として、保管エリアには様々な生鮮物品が冷凍保管されている。作業エリア201と保管エリア202との間は保温壁によって分離されてもよい。
【0048】
なお、図3Aに示すように、作業エリア201と保管エリア202はいずれも複数であってもよく、複数の作業エリア201と複数の保管エリア202は領域別、建物の層別に分けて配置されてもよい。複数の作業エリア201と複数の保管エリア202とは1対1に対応して設けられてもよいし、1つの作業エリア201と複数の保管エリア202とは対応して設けられてもよい。例えば、図2の1つの作業エリア201は、2つの保管エリア202に対応して設けられている。
【0049】
各作業エリア201には、出庫対象物品を搬送する搬送装置203が設けられている。搬送装置203は、中継箱2032を搬送ラインの搬入ライン2031を介して作業エリア201内に搬送し、出庫対象物品を受け取った後、中継箱2032を搬送ラインの搬出ライン2033を介して作業エリア201から搬出する。搬送ラインの搬入ライン2031及び搬送ラインの搬出ライン2032は、搬送装置の搬送ラインを構成する。このうち、搬送ラインの搬入ライン2032または搬送ラインの搬出ライン2033では、昇降移載装置2034により中継箱の方向変更を行い、昇降機2035により建物の異なる層の作業エリア201における搬送装置間での中継箱の搬送を行う。
【0050】
なお、搬送ラインの搬出ライン2033の近傍には、作業の利便性の観点から、中継箱を一時保管するための一時保管通路口2036を複数設けてもよい。中継箱は、昇降移載装置2034の制御の下で、対応する一時保管通路口に進入した後、作業員は、保管エリア202の出庫棚から出庫対象物品を取り出した後、一時保管通路口2036にある中継箱2032に置き、中継箱2032を介して出庫対象物品を搬出することができる。
【0051】
搬送装置の搬送効率を向上させるために、中継箱の搬送中に、搬送ラインに設けられたスキャナ206により中継箱上の中継箱識別子をスキャンして、中継箱を複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口およびピッキングタスクとバインドし、バインドされることで、この中継箱が昇降移載装置の駆動で目標一時保管通路口に進入し、バインドされたピッキングタスクを実行できる。例えば、空の中継箱を自動的に搬送するように搬送装置を制御し、通過した中継箱の外側のバーコードをスキャンするようにバーコードスキャナを制御し、異なる中継箱を識別して登録を完了することができ、中継箱をピッキングタスクおよび一時保管通路口とバインドし、搬送装置によりバインドされた目標一時保管通路口の位置に中継箱を搬送し、目標一時保管通路口に到達した中継箱の情報を本出願の方法の実行主体(図1のサーバ107)にフィードバックすることができる。
【0052】
各一時保管通路口には、対応する電子タグと制御ボタンが設けられてもよく、バインドされた中継箱に対応するピッキングタスクの出庫対象物品の情報を電子タグで表示し、当該中継箱に対応するピッキングタスクが完了した後、作業員は制御ボタンで出庫対象物品の情報の確認を行い、異常情報(例えば、保管エリアからピッキングした物品とピッキングタスクに対応するピッキング対象物との間に差がある)が発生した場合に異常情報のフィードバックを行うことができる。
【0053】
各保管エリア202には、複数の棚回転システム204が設けられており、各棚回転システム204は、棚セット2041と、棚セット2041のトンネル2042を中心とした回転を制御する駆動装置(動力装置2043および伝動装置2044を含む)とを備えている。ここで、各棚セット2041は、複数の棚2045を含む。各棚2045に複数の棚板が設けられており、棚板は棚を複数の保管段に分割し、各保管段には異なる品類の物品の保管のための複数の保管位置2046が設けられている。
【0054】
図3B図2B-Bの断面図)に示すように、作業の利便性から、作業エリア201と保管エリア202との間の保温壁には、自動開閉可能な自動扉207が複数設けられており、複数の自動扉は、保管エリア202内の複数の棚セット2041に1対1に対応している。ピッキングタスクに対応する棚が自動扉まで回転すると、自動扉が開き、作業員は出庫対象物品をピッキングし、出庫対象物品を対応する一時保管通路口に投入する。
【0055】
各自動扉に対応して所定の表示画面208が設けられてもよく、所定の表示画面に、当該棚上の全ての物品の物品情報(物品名、在庫数、仕様品番、商品コード等)及び対応する棚段番号、保管位置情報が表示される。所定の表示画面上の表示情報に基づいて、作業員は出庫棚の物品情報を容易に知ることができ、作業効率が向上する。
【0056】
本実施形態では、自動扉の開放時の作業エリア201と保管エリア202との温度交換を低減するように遮風幕209を各自動扉に対応して設けてもよい。
【0057】
引き続き図4を参照すると、以下のステップを含む物品の出庫方法の一実施形態のフロー400が示されている。
【0058】
ステップ401では、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定する。
【0059】
本実施形態において、物品の出庫方法の実行主体(例えば、図1のサーバ107)は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定することができる。
【0060】
例示として、上記実行主体にWCS(Warehouse Control System,倉庫制御システム)が設けられており、WCSシステムは、上位サーバ(例えば、図1のサーバ105)から配信された複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信することができる。ここで、各出庫タスクは、物品名、数量等の情報を含むがこれらに限定されない出庫対象物品の情報を含んでいてもよい。
【0061】
上記実行主体、または上記実行主体と通信可能に接続された電子機器には、出庫する機器における各保管位置上の物品情報が格納されている。上記実行主体は、タスクセット内の複数の出庫タスクを取得した後、各出庫タスク内の出庫対象物品の情報に基づいて、各出庫タスク内の出庫対象物品の保管位置を確定することができる。異なる保管エリアの異なる保管位置に同じ種類の物品が格納されている可能性があることが理解される。
【0062】
ステップ402では、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定する。
【0063】
本実施形態では、上記実行主体は、ステップ201で確定された各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定することができる。タスクセットに対応する目標保管エリアは、タスクセットが示す出庫要件を満たすことができる保管エリアを指す。出庫要件には、出庫対象物品の物品名、数量等の情報が含まれる。
【0064】
例示として、まず、上記実行主体は、タスクセット内の各出庫タスクについて、その出庫タスクを満たす保管エリアを確定する。そして、上記実行主体は、残りの出庫タスクがゼロになるまで、次の事前設定動作を行う。事前設定動作は、残りの出庫タスクのうち、最も多くの出庫タスクを満足できる保管エリアを意向保管エリアとし、次に意向保管エリアで満足できない出庫タスクを次回の事前設定動作を実行する際の残りの出庫タスクとすることを含む。このうち、1回目の事前設定動作における残りの出庫タスクは、タスクセットにおけるすべての出庫タスクである。最後に、毎回の確定動作の意向保管エリアを目標保管エリアとする。
【0065】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、タスクセットに対応する出庫対象物品の種類毎に、その種類の出庫対象物品が保管されている保管エリア内のその種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間を確定し、出庫対象物品の種類毎の消費期限の残存期間に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリアを特定することにより、上記ステップ402を実行する。
【0066】
本実施形態では、上記実行主体は、各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、各種類の出庫対象物品の優先度を確定することができ、各種類の出庫対象物品について、当該出庫対象物品の優先度は、消費期限の残存期間と負の相関があり、各種類の出庫対象物品の優先度、タスクセットに対応する目標保管エリアを特定する。
【0067】
例示として、上記実行主体は、出庫対象物品の種類毎に、タスクセット内の当該種類の出庫対象物品を満足する保管エリアを、優先度の高から低への順に確定する。
【0068】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、複数の保管エリアの中から、タスクセットが示す出庫要件を満たす最も少ない数の保管エリアを確定し、確定された数が1であることに応答して、その数に対応する保管エリアをタスクセットに対応する目標保管エリアとすることによって、上記ステップ402を実行する。
【0069】
例示として、保管エリアA、B、C、Dのうち、保管エリアA、Bが単独でタスクセットGの出庫要件を満たすことができる場合には、最も少ない数が1であると特定することができ、保管エリアA、B、C、Dのいずれが単独でタスクセットGの出庫要件を満たすことができず、保管エリアAとB、AとCを組み合わせてタスクセットGの出庫要件を満たすことができる場合には、最も少ない数が2であると特定することができる。
【0070】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記複数の保管エリアが建物の異なる層にある。上記実行主体は、確定された数が1よりも多いことに応答して、少なくとも1つの保管エリア群のうち、同一層にある保管エリア群に属する保管エリアをタスクセットに対応する目標保管エリアとすることにより、ステップ402を実行する。このうち、少なくとも1つの保管エリア群には、上記の数の保管エリアが含まれており、各保管エリア群はいずれも、タスクセットが示す出庫要件を満たすことができる。
【0071】
上記の保管エリアAとBを組み合わせ、AとCを組み合わせて、タスクセットGの出庫要件を満たすことができる場合を例にとると、保管エリア群は、保管エリアAとBからなる保管エリア群と、保管エリアAとCからなる保管エリア群とを含む。保管エリアAとBが建物の同一層にあり、保管エリアAとCが建物の異なる層にある場合には、保管エリアAとBからなる保管エリア群を目標保管エリア群として選択し、保管エリアAとBを目標保管エリアとして選択する。
【0072】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、少なくとも1つの保管エリア群のうち、建物の同一層に位置する保管エリア群が存在しないと判断したことに応答して、保管エリア群毎にタスクセットにおける出庫タスクを完了するための作業コストを確定し、各保管エリア群の作業コストに基づいて、目標保管エリア群を決定し、目標保管エリア群内の保管エリアを目標保管エリアとすることにより、上記ステップ402を実行する。
【0073】
このうち、作業コストは、保管エリアにおける実行中のピッキングタスク、タスクセットが示したピッキングタスク、昇降機の作業コスト、搬送コストなどの要因を考慮する必要がある。具体的には、上記実行主体は、上記各要因に応じた重みを設定することにより、作業コストを正確に確定することができる。
【0074】
ステップ403では、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定する。
【0075】
本実施形態では、上記実行主体は、ステップ402で確定された目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定することができる。
【0076】
例示として、出庫対象物品の種類毎に、目標保管エリアにその出庫対象物品が保管されている保管位置を1つだけ有する場合には、その保管位置をそのまま目標保管位置としてもよく、目標保管エリアにその出庫対象物品が保管されている保管位置が複数ある場合には、そのうちの1つの保管位置をランダムに目標保管位置としてもよい。
【0077】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、タスクセットにおける出庫対象物品の種類毎に、複数の出庫タスクにおける当該出庫対象物品の出庫すべき数を確定する動作と、目標保管エリアにおいて、当該出庫対象物品が保管され、当該出庫対象物品の出庫すべき数よりも在庫数が多く、かつ、当該出庫対象物品の出庫すべき数に最も近い在庫数を有する保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とする動作とを実行することにより、ステップ403を実行する。
【0078】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、図2に示すように、複数の保管エリアの各々の棚は、複数の棚段を含む。上記実行主体は、目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定することにより、上記ステップ403を実行する。各棚の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する。
【0079】
例示として、棚段数uが偶数の場合、最上段の優先度が最も低くなり、例えば、X(roundup(u/2))>X(roundup(u/2)+1)>X(roundup(u/2)-1)>X(roundup(u/2)+2)>X(roundup(u/2)-2)…>Xu,roundup()は切り上げることを表す。例えば、棚段数が偶数u=6であれば、優先度はX3>X4>X2>X5>X1>X6としてもよい。
【0080】
さらに別の例示として、棚段数uが奇数の場合、最下段の優先度が最も低い。例えば、X(roundup(u/2))>X(roundup(u/2)+1)>X(roundup(u/2)-1)>X(roundup(u/2)+2)>X(roundup(u/2)-2)…>X1としてもよい。例えば、棚段数が奇数u=5である場合、優先度はX3>X4>X2>X5>X1としてもよい。
【0081】
このように、棚の中間位置にある棚段の高さが適正であり、これらの棚段上の保管位置を優先的に目標保管位置とすることにより、出庫効率を向上させることができる。
【0082】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、図2に示すように、複数の保管エリアの各々に配置された複数の棚は、複数の棚セットとして環状に配列されており、複数の棚セットの各々は、全体として同じ方向に回転して、所定位置まで回転した1つの棚を出庫棚として選択することができる。
【0083】
例示として、所定位置は、図2に示すように、自動扉に対応する位置であってもよく、棚セットのうちの自動扉の位置まで回転した棚を出庫棚としてもよい。
【0084】
上記実行主体は、タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品の目標保管エリアにおける保管位置に基づいて、種類の最も多い現在の出庫対象物品が保管されている目標棚を特定する確定動作を実行し、残りの出庫対象物品を次回の確定動作を実行する際の現在の出庫対象物品とし、出庫対象物品の種類毎に、当該出庫対象物品の対応する目標棚における保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とすることにより、上記ステップ403を実行する。ここで、1回目の確定動作における現在の出庫対象物品は、タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品である。
【0085】
このようにして、目標棚の1回転中に可能な限り多くの出庫対象物品の出庫作業を完了させることができる。
【0086】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、目標保管エリアにおける棚セットの各棚の並び順に基づいて、各棚の優先度を確定し、各棚の優先度に基づいて、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定することができる。例えば、L1の優先度>L2の優先度>・・・>LKの優先度のポリシーに基づいて出庫するための保管位置を割り当ててもよい。Kは、棚セット中の棚の総数である。このようにしても、棚の可能な限り少ない回転数で、可能な限り多くの出庫対象物品のピッキングを行って出庫を完了することができる。
【0087】
ステップ404では、タスクセットにおける、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当てて出庫処理を行う。
本実施形態では、上記実行主体は、タスクセットにおける目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当てて出庫処理を行うことができる。
【0088】
同一棚の出庫対象物品を同一ピッキングタスクに割り当て、すなわち、1つの出庫棚でピッキングタスクを1回実行することにより、その出庫棚でタスクセットに含まれる少なくとも1種の出庫対象物品を出庫することができ、出庫対象物品の出庫効率が向上することができる。
【0089】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、ピッキングタスクを、中継箱およびピッキングタスクに対応する棚とバインドし、ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするように、ピッキングタスクに対応する棚の所属する棚セットを回転する。
【0090】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったことに応答して、ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送するために、ピッキングタスクが示した出庫棚内の出庫対象物品を中継箱にピッキングするように、所定の表示画面を介して所定の作業員に指示する。
【0091】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を、所定の方法で、目標一時保管通路口の電子タグに表示するようにしてもよい。
【0092】
引き続き図2を参照すると、ピッキングタスクに対応する棚が自動扉の位置まで回転して出庫棚となると、自動扉が開き、自動扉に対応して設けられた所定の表示画面に、その出庫棚上の全ての物品の物流属性情報を表示し、所定の作業員はピッキングタスクが示した出庫棚内の出庫対象物品を中継箱にピッキングし、ピッキングタスクが示した出庫対象物品を出庫する。
【0093】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、出庫時に、目標保管エリアにおける複数の棚セットのそれぞれについて、現在の出庫棚の位置に応じて、棚セットの回転距離が最も短くなるように、当該棚セットの回転方向を決定する。
【0094】
例えば、棚セットは60個の棚を含み、時計回りに順にL1~L60である。目標保管位置を持つ棚がL4、現在の出庫棚がL10である。
【0095】
この場合、L4内の物品を出庫処理する場合、時計回りに回転すると、その回転距離がL11-L60及びL1-L4となり、時計回りに回転するとその回転距離がL4-L9となる。そこで、最短距離の原則に従って、反時計回りに棚を回転するように出庫処理を行う。
【0096】
次に、図5を参照し、図5は、本実施形態に係る物品の出庫方法の適用場面を示す概略図500である。図5の適用場面では、サーバ501は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信し、ここで、出庫タスクAは、出庫対象物品a、b、cを含み、出庫タスクAは、出庫対象物品a、c、dを含む。サーバ501は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリア502、503、504、505において、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、保管エリア502には、出庫対象物品aの保管位置5021、5022、出庫対象物品bの保管位置5023、出庫対象物品cの保管位置5024、5025および出庫対象物品dの保管位置5026、5027が含まれ、保管エリア503には、出庫対象物品aの保管位置5031、5032、出庫対象物品bの保管位置5033、および出庫対象物品cの保管位置5034、5035が含まれ、保管エリア504には、出庫対象物品aの保管位置5031、5032、出庫対象物品bの保管位置5033および出庫対象物品dの保管位置5034、5035が含まれる。保管エリア505には、出庫対象物品a、b、c、dの保管位置が含まれていない。
【0097】
サーバ501は、複数の保管エリア502、503、504、505から、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリア502を確定し、目標保管エリア502から、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定し、出庫対象物品aの保管位置が5021、出庫対象物品bの保管位置が5023、出庫対象物品cの保管位置が5024、および出庫対象物品dの保管位置が5026である。最後に、サーバ501は、タスクセットにおける、目標保管位置が同一保管エリア501に属する同一棚の出庫対象物品a、bを同一ピッキングタスクに割り当て、同一棚の出庫対象物品c、dを同一ピッキングタスクに割り当てて出庫処理を行う。
【0098】
本出願の上記実施形態に係る方法は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアからタスクセットに対応する目標保管エリアを確定し、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定し、タスクセットにおける目標保管位置が同一保管エリア内の同一棚に属する出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当て、出庫処理を行うことにより、複数の保管エリアの複雑な保管環境において、物品の出庫効率を向上できる物品の出庫方法を提供する。
【0099】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、中継箱内の出庫対象物品の数を確定し、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するようにしてもよい。
【0100】
例示として、上記実行主体は、作業員により制御ボタンを介して入力された異常情報に基づいて、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないか否かを判断し、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するようにしてもよい。
【0101】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、タスクセットが複数であり、上記方法は、タスクセットが、タスクセットに対応する時間情報が予め設定された時間閾値を満たすこと、タスクセットには、所定の作業員の協力を必要とする出庫処理作業が含まれること、タスクセットには、複数の保管エリアに保管されている出庫対象物品が含まれること、タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品の出庫すべき数の、出庫対象物品の種類数に対する比率が、予め設定された比率閾値を満たすこと、タスクセットに対応する棚の数が予め設定された数閾値よりも少ないこと、のうちの少なくとも1つを満たすと判断したことに応答して、タスクセットを優先的に出庫処理するステップをさらに含む。
【0102】
例示として、予め設定された時間閾値は、出庫タスクのバッチ処理(WAVE処理)のカットオフ時刻に基づいて設定された時間閾値であってもよい。例えば、バッチ処理のカットオフ時刻が11:00であれば、タスクセット中の出庫タスクが11:00より前に確定された出庫タスクである場合に、そのタスクセットを優先的に処理することができる。
【0103】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、目標保管エリア以外の保管エリアに中継箱を介して搬送する必要のある出庫対象物品が存在することを示すための中継箱の後続きタスクが存在するか否かを判断し、中継箱の後続きタスクが存在すると判断したことに応答して、中継箱を後続きタスクに対応する保管エリアに搬送するようにしてもよい。
【0104】
引き続き図6を参照すると、本出願による物品の出庫方法の別の実施形態の概略フロー600が示されており、以下のステップを含む。
【0105】
ステップ601では、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定する。
【0106】
ステップ602では、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定する。
【0107】
ステップ603では、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定する。
【0108】
ステップ604では、タスクセットにおける、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当てる。
【0109】
ステップ605では、ピッキングタスクを、中継箱およびピッキングタスクに対応する棚とバインドする。
【0110】
ステップ606では、ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするように、ピッキングタスクに対応する棚の所属する棚セットを回転する。
【0111】
ステップ607では、ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったことに応答して、ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送するために、ピッキングタスクが示した出庫棚内の出庫対象物品を中継箱にピッキングするように、所定の表示画面を介して所定の作業員に指示する。
【0112】
ステップ608では、中継箱内の出庫対象物品の数を確定する。
【0113】
ステップ609では、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定する。
【0114】
本実施形態から分かるように、本実施形態に係る物品の出庫方法のフロー600は、図4に対応する実施形態と比較して、出庫対象物品の出庫処理手順を具体的に説明するものである。このようにして、本実施形態における出庫作業の利便性および正確性がさらに向上する。
【0115】
引き続き図7を参照すると、図2および図3に示すような倉庫保管システムを制御するための、本出願に係る倉庫保管システムの制御方法の別の実施形態の概略フロー700が示されており、以下のステップを含む。
【0116】
ステップ701では、受信したピッキングタスクが示した棚を確定する。
【0117】
本実施形態では、ピッキングタスクが示した出庫対象物品は、同一保管エリア内の同一棚に保管される。
【0118】
ステップ702では、ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、ピッキングタスクが示した出庫棚内の出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示する。
【0119】
ステップ703では、中継箱がピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断されたことに応答して、出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫する。
【0120】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記ステップ702を実行する前に、本実施形態の実行主体は、目標作業エリア内のスキャナにより、中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、中継箱を複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口およびピッキングタスクとバインドし、搬送装置によって中継箱を目標一時保管通路口に搬送するようにしてもよい。ここで、目標作業エリアは、ピッキングタスクが示した棚の所属する保管エリアに対応する作業エリアである。
【0121】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するようにしてもよい。ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップは、ピッキングタスクが示した棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、自動扉を開放するように制御し、自動扉に対応する所定の表示画面を介して出庫棚上の物品の物品情報を表示することを含む。
【0122】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記実行主体は、出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を、所定の方法で、目標一時保管通路口の電子タグに表示するようにしてもよい。
【0123】
更に図8を参照すると、上記の各図に示された方法の実施態様として、本出願は、物品の出庫装置の一実施形態を提供し、当該装置の実施形態は、図4に示された方法の実施形態に対応しており、当該装置は、具体的に様々な電子機器に適用することができる。
【0124】
図8に示すように、物品の出庫装置は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するように構成される第1の確定ユニット801と、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアから、タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するように構成される第2の確定ユニット802と、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するように構成される第3の確定ユニット803と、タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うように構成される出庫ユニット804と、を備える。
【0125】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、第2の確定ユニット802はさらに、タスクセットに対応する出庫対象物品の種類毎に、その種類の出庫対象物品が保管されている保管エリア内のその種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間を確定し、出庫対象物品の種類毎の消費期限の残存期間に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリアを特定するように構成される。
【0126】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、第2の確定ユニット802はさらに、複数の保管エリアの中から、タスクセットが示した出庫要件を満たす最も少ない数の保管エリアを確定し、確定された数が1であることに応答して、その数に対応する保管エリアをタスクセットに対応する目標保管エリアとするように構成される。
【0127】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、複数の保管エリアが建物の異なる層にあり、第2の確定ユニット802は、さらに、確定された数が1よりも多いと判断したことに応答して、少なくとも1つの保管エリア群から、同一層にある保管エリア群の保管エリアをタスクセットに対応する目標保管エリアとするステップを含み、少なくとも1つの保管エリア群のそれぞれには、確定された数の保管エリアが含まれ、各保管エリア群はいずれもタスクセットが示した出庫要件を満たすことができる。
【0128】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、第2の確定ユニット802はさらに、少なくとも1つの保管エリア群のうち、建物の同一層に位置する保管エリア群が存在しないと判断したことに応答して、保管エリア群毎にタスクセットにおける出庫タスクを完了するための作業コストを確定し、各保管エリア群の作業コストに基づいて、目標保管エリア群を決定し、目標保管エリア群内の保管エリアを目標保管エリアとするように構成されている。
【0129】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、第3の確定ユニット803はさらに、タスクセットにおける出庫対象物品の種類毎に、複数の出庫タスクにおける当該出庫対象物品の出庫すべき数を確定する動作と、目標保管エリアにおいて、当該出庫対象物品が保管され、当該出庫対象物品の出庫すべき数よりも在庫数が多く、かつ、当該出庫対象物品の出庫すべき数に最も近い在庫数を有する保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とする動作とを実行するように構成されている。
【0130】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、複数の保管エリアのそれぞれの保管エリアにおける棚は、複数の棚段を含み、第3の確定ユニット803は、さらに、目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定するように構成され、各棚における棚段の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する。
【0131】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、複数の保管エリアのそれぞれの保管エリアにおける複数の棚は、複数の棚セットに環状配列されており、複数の棚セットのそれぞれは、全体として同じ方向に回転可能であり、所定位置まで回転した1つの棚を出庫棚として選択し、第3の確定ユニット803は、さらに、タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品の目標保管エリアにおける保管位置に基づいて、種類の最も多い現在の出庫対象物品が保管されている目標棚を特定する確定動作を実行し、残りの出庫対象物品を次回の確定動作を実行する際の現在の出庫対象物品とし、出庫対象物品の種類毎に、当該出庫対象物品の対応する棚における保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とするように構成される。
【0132】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記装置は、目標保管エリアにおける複数の棚セットのそれぞれに対して、現在の出庫棚の位置に応じて、棚セットの回転距離が最も短くなるように、当該棚セットの回転方向を決定する第4の確定ユニット(図示せず)をさらに備える。
【0133】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、出庫ユニット804はさらに、ピッキングタスクを中継箱およびピッキングタスクに対応する棚とバインドし、ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするように、ピッキングタスクに対応する棚の所属する棚セットを回転するように構成される。
【0134】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記装置は、ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったことに応答して、ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送して出庫するために、ピッキングタスクが示した出庫棚内の出庫対象物品を中継箱にピッキングするように、所定の表示画面を介して所定の作業員に指示するように構成される指示ユニットをさらに備える。
【0135】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記装置は、中継箱内の出庫対象物品の数を確定し、中継箱内の出庫対象物品の数が、ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するように構成される再確定ユニット(図示せず)をさらに備える。
【0136】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、タスクセットが複数であり、上記装置はさらに、タスクセットが、タスクセットに対応する時間情報が予め設定された時間閾値を満たすこと、タスクセットに所定の作業員の協力を必要とする出庫処理作業が含まれること、タスクセットに複数の保管エリアに保管されている出庫対象物品が含まれること、タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品の出庫すべき数の、出庫対象物品の種類数に対する比率が、予め設定された比率閾値を満たすこと、タスクセットに対応する棚の数が予め設定された数閾値よりも少ないこと、のうちの少なくとも1つを満たすと判断したことに応答して、タスクセットを優先的に出庫処理するように構成された優先処理ユニット(図示せず)をさらに備える。
【0137】
本実施形態では、物品の出庫装置における第1の確定ユニットは、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、第2の確定ユニットは、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアからタスクセットに対応する目標保管エリアを確定し、第3の確定ユニットは、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定し、出庫ユニットは、タスクセットにおける目標保管位置が同一保管エリア内の同一棚に属する出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当て、出庫処理を行うことにより、複数の保管エリアの複雑な保管環境において、物品の出庫効率を向上できる物品の出庫方法を提供する。
【0138】
更に図9を参照すると、上記の各図に示された方法の実施態様として、本出願は、倉庫保管システムの制御装置の一実施形態を提供し、当該装置の実施形態は、図7に示された方法の実施形態に対応しており、当該装置は、具体的に様々な電子機器に適用することができる。
【0139】
図9に示すように、保管システムの制御装置900は、受信したピッキングタスクが示した棚を確定するように構成される第4の確定ユニット901であって、ピッキングタスクが示した出庫対象物品が同一保管エリアの同一棚に保管される第4の確定ユニット901と、ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するように構成される駆動ユニット902と、中継箱がピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するように構成される搬送ユニット903とを備える。
【0140】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記装置は、目標作業エリア内のスキャナにより、中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、中継箱を複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口およびピッキングタスクとバインドし、搬送装置によって中継箱を目標一時保管通路口に搬送するように構成されるバインドユニット(図示せず)をさらに備え、ここで、目標作業エリアは、ピッキングタスクが示した棚の所属する保管エリアに対応する作業エリアである。
【0141】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記装置は、ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示する表示ユニット(図示せず)をさらに備える。
【0142】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、駆動ユニット902は、ピッキングタスクが示した棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、自動扉を開放するように制御し、自動扉に対応する所定の表示画面を介して出庫棚上の物品の物品情報を表示するように構成される。
【0143】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、表示ユニット(図示せず)は、出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を、目標一時保管通路口の電子タグに所定の方法で表示するように構成される。
【0144】
以下、本出願の実施形態を実現するための機器(例えば、図1に示すデバイス101、102、103、105、107)に適用されるコンピュータシステム1000を示す構造概略図である図10を参照する。図10に示す機器は、あくまでも一例に過ぎず、本出願の実施形態の機能及び使用範囲には如何なる制限をも与えない。
【0145】
図10に示すように、コンピュータシステム1000は、読み出し専用メモリ(ROM)1002に格納されているプログラムまたは記憶部1008からランダムアクセスメモリ(RAM)1003にロードされたプログラムによって様々な適当な動作および処理を実行することができるプロセッサ(例えば、CPU、中央処理装置)1001を備える。RAM1003には、システム1000の動作に必要な各種のプログラムおよびデータがさらに格納されている。プロセッサ1001、ROM1002、RAM1003は、バス1004を介して互いに接続されている。入/出力(I/O)インタフェース1005もバス1004に接続されている。
【0146】
キーボード、マウスなどを含む入力部1006、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)など、およびスピーカなどを含む出力部1007、ハードディスクなどを含む記憶部1008、並びにLANカード、モデムなどのネットワークインターフェースカードを含む通信部1009は、I/Oインターフェース1005に接続されている。通信部1009は、例えばインターネットのようなネットワークを介して通信処理を実行する。ドライバ1010は、必要に応じてI/Oインターフェース1005に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011は、そこから読み出されるコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部1008にインストールされるように、必要に応じてドライブ1010に設置されている。
【0147】
特に、本出願の実施形態によれば、上述したフローチャートを参照しながら記載されたプロセスは、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実装されてもよい。例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体に具現化されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を備え、当該コンピュータプログラムは、フローチャートで示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施形態では、当該コンピュータプログラムは、通信部1009を介してネットワークからダウンロードされてインストールされることが可能であり、および/またはリムーバブルメディア1011からインストールされることも可能である。当該コンピュータプログラムがプロセッサ1001によって実行されると、本出願の方法で限定された上記の機能を実行する。
【0148】
注意すべきなのは、本出願に記載されたコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、または半導体のシステム、装置もしくはデバイス、またはこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本または複数本の導線により電気的に接続された、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光メモリ、磁気メモリ、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。本出願において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用可能な、またはそれらに組み込まれて使用可能なプログラムを包含または格納する任意の有形の媒体であってもよい。本出願において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンド内の、または搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含むことができ、その中にコンピュータ可読プログラムコードが担持されている。かかる伝搬されたデータ信号は、様々な形態をとることができ、電磁信号、光信号、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、更にコンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。当該コンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用されるか、またはそれらに組み込まれて使用されるプログラムを、送信、伝搬または伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは任意の適切な媒体で伝送することができ、当該任意の適切な媒体とは、無線、有線、光ケーブル、RFなど、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0149】
本出願の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1種以上のプログラミング言語、又はそれらの組み合わせで作成されることができ、前記プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されることも、単独のソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されながら部分的にリモートコンピュータで実行されることも、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバで実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザコンピュータに接続されてもよいし、(例えば、インターネットサービスプロバイダによるインターネットサービスを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0150】
図面のうちのフローチャートおよびブロック図は、本出願の様々な実施形態に係る装置、方法およびコンピュータプログラムによって実現できるアーキテクチャ、機能および動作の表示例である。これについては、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表すことができる。当該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部には、所定のロジック機能を実現するための1つまたは複数の実行可能な指令が含まれている。なお、一部の代替となる実施態様においては、ブロックに示されている機能は図面に示されているものとは異なる順序で実行することも可能である。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には係る機能に応答して、ほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。なお、ブロック図および/またはフローチャートにおけるすべてのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実装されてもよく、または専用のハードウェアとコンピュータ指令との組み合わせで実装されてもよい。
【0151】
本出願の実施形態に記載された手段は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。上述したユニットは、プロセッサに設けられていてもよく、例えば、第1の確定ユニット、第2の確定ユニット、第3の確定ユニット、及び出庫ユニットを有するプロセッサのように記載されてもよい。なお、これらのユニットの名称は、ある場合にはそのユニット自体の限定を構成するものではなく、例えば、出庫ユニットは、「タスクセットにおける、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当てて出庫処理を行うユニットである」と記述することもできる。
【0152】
一方、本出願は、コンピュータ可読媒体を更に提供し、当該コンピュータ可読媒体は、前記実施形態に記載された機器に含まれるものであってもよいし、独立に存在して当該機器に組み込まれていないものであってもよい。前記コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプログラムを担持しており、前記1つまたは複数のプログラムが当該装置によって実行されると、当該コンピュータに、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアからタスクセットに対応する目標保管エリアを確定し、目標保管エリアから、各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定し、タスクセットにおける目標保管位置が同一保管エリア内の同一棚に属する出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに割り当て、出庫処理を行わせる。
【0153】
以上の記載は、本出願の好ましい実施形態、および使用された技術的原理に関する説明に過ぎない。当業者であれば、本出願に係る発明の範囲が、上記の技術的特徴の特定の組み合わせからなる解決策に限定されるものではなく、上記の本出願の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の技術的特徴またはそれらの同等の特徴の任意の組み合わせからなる他の解決策も含むべきであることを理解すべきである。例えば、上記の特徴と、本出願に開示された類似の機能を有する技術的特徴(これらに限定されていない)とを互いに置き換えてなる技術案が挙げられる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の出庫方法であって、各物品は複数の保管エリアに保管され、前記複数の保管エリアのそれぞれには複数の棚セットが含まれ、前記複数の棚セットのそれぞれには複数の保管位置が階層的に設けられた複数の棚が含まれる、物品の出庫方法において、
複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、前記複数の保管エリアにおいて、前記タスクセットの各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するステップと、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、
前記タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うステップと、を含む物品の出庫方法。
【請求項2】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品に対して、当該種類の出庫対象物品が保管されている保管エリアにおける当該種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間を確定するステップと、
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項3】
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、前記各種類の出庫対象物品の優先度を決定するステップであって、各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の優先度が消費期限の残存期間と負の相関を有するステップと、
前記各種類の出庫対象物品の優先度に基づいて、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップと、を含む請求項2に記載の物品の出庫方法。
【請求項4】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記複数の保管エリアから、前記タスクセットが示した出庫要件を満たす最も少ない数の保管エリアを確定するステップと、
確定された前記数が1である場合、前記数に対応する保管エリアを、前記タスクセットに対応する目標保管エリアとするステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項5】
前記複数の保管エリアは、建物の異なる層に位置しており、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
確定された前記数が1よりも多いと判断したことに応答して、少なくとも1つの保管エリア群から、建物の同一層にある保管エリア群内の保管エリアを前記タスクセットに対応する目標保管エリアとするステップを含み、
前記少なくとも1つの保管エリア群内の各保管エリア群には、前記数の保管エリアが含まれ、
各保管エリア群はいずれも前記タスクセットが示した出庫要件を満たすことができる、請求項4に記載の物品の出庫方法。
【請求項6】
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するステップは、
前記少なくとも1つの保管エリア群内に同一層に位置する保管エリア群が存在しないと判断したことに応答して、保管エリア群毎に前記タスクセット内の出庫タスクを完了するための作業コストを確定するステップと、
各保管エリア群の作業コストに基づいて、目標保管エリア群を決定し、目標保管エリア群内の保管エリアを目標保管エリアとして決定するステップと、を含む請求項5に記載の物品の出庫方法。
【請求項7】
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記タスクセットにおける各種類の出庫対象物品に対して、
前記複数の出庫タスクにおいて、当該出庫対象物品の出庫すべき数を確定するステップと、
前記目標保管エリアにおいて、当該出庫対象物品が保管されている保管位置のうち、在庫数が当該出庫対象物品の出庫すべき数よりも多くかつ当該出庫対象物品の出庫すべき数に最も近い保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置として決定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項8】
前記複数の保管エリアのうちの各保管エリアにおける棚は、複数の棚段を含み、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定するステップを含み、
前記各棚における棚段の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する、請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項9】
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記目標保管エリアにおける棚セット内の各棚の並び順に基づいて、各棚の優先度を確定するステップと、
各棚の優先度に基づいて、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項10】
前記複数の保管エリアのうちの各保管エリアにおける複数の棚は、複数の棚セットに環状配列されており、前記複数の棚セットのそれぞれは、全体として同じ方向に回転可能であり、所定位置まで回転した1つの棚を出庫棚とし、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するステップは、
前記タスクセットに対応する各種類の出庫対象物品の目標保管エリアにおける保管位置に基づいて、種類の最も多い現在の出庫対象物品が保管されている目標棚を特定する確定動作を実行し、残りの出庫対象物品を次回の確定動作を実行する際の現在の出庫対象物品とするステップと、
各種類の出庫対象物品に対して、当該出庫対象物品の対応する棚における保管位置を、当該出庫対象物品の目標保管位置とするステップと、を含む請求項1に記載の物品の出庫方法。
【請求項11】
目標保管エリアにおける複数の棚セットのそれぞれに対して、現在の出庫棚の位置に基づいて、棚セットの回転距離が最も短くなるように、当該棚セットの回転方向を決定するステップをさらに含む請求項10に記載の物品の出庫方法。
【請求項12】
前記出庫処理を行うステップは、
前記ピッキングタスクを、中継箱と、前記ピッキングタスクに対応する棚とバインドするステップと、
前記ピッキングタスクに対応する棚が所属する棚セットを回転して、前記ピッキングタスクに対応する棚を所定位置まで回転させて出庫棚とするステップと、を含む請求項10に記載の物品の出庫方法。
【請求項13】
前記ピッキングタスクに対応する棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を搬送するために、前記ピッキングタスクが示した出庫棚にある出庫対象物品を前記中継箱にピッキングするように、所定の表示画面を介して所定の作業員に指示するステップをさらに含む請求項12に記載の物品の出庫方法。
【請求項14】
前記中継箱内の出庫対象物品の数を確定するステップと、
前記中継箱内の出庫対象物品の数が、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品の数よりも少ないと判断したことに応答して、前記ピッキングタスクにおける残りの出庫対象物品に対して目標保管位置を再確定するステップと、をさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項15】
前記出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップをさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項16】
前記目標保管エリア以外の保管エリアに前記中継箱を介して搬送する必要のある出庫対象物品が存在することを示すための前記中継箱の後続きタスクが存在するか否かを判断するステップと、
前記中継箱の前記後続きタスクが存在すると判断したことに応答して、前記中継箱を前記後続きタスクに対応する保管エリアに搬送するステップと、をさらに含む請求項13に記載の物品の出庫方法。
【請求項17】
タスクセットが複数であり、
前記物品の出庫方法は、
前記タスクセットが、下記の少なくとも1つを満たすと判断したことに応答して、前記タスクセットを優先的に出庫処理するステップをさらに含む請求項1~16のいずれか1項に記載の物品の出庫方法。
前記タスクセットに対応する時間情報が予め設定された時間閾値を満たすこと;
前記タスクセットには、所定の作業員の協力を必要とする出庫処理作業が含まれること;
前記タスクセットには、複数の保管エリアに保管されている出庫対象物品が含まれること;
前記タスクセットに含まれる全ての出庫対象物品の出庫すべき数の、出庫対象物品の種類数に対する比率が、予め設定された比率閾値を満たすこと;
前記タスクセットに対応する棚の数が予め設定された数閾値よりも少ないこと。
【請求項18】
複数の保管エリアと、前記複数の保管エリアに対応して設けられた作業エリアとを備える物品の倉庫保管システムであって、
前記複数の保管エリアのそれぞれは、複数の棚が環状に配列された複数の棚セットを含み、前記複数の棚セットのそれぞれは、駆動装置により駆動されて全体で同一方向に回転可能であり、各棚には複数の保管位置が設けられており、
前記作業エリアには、前記作業エリアを出入りするように中継箱を搬送するための搬送装置が設けられ、
前記中継箱は、作業員が所定位置に回転した出庫棚に対してピッキングタスクを行った出庫対象物品を受け取るために用いられる
物品の倉庫保管システム。
【請求項19】
前記搬送装置は、搬送ラインと、前記搬送ライン上に設置された昇降移載装置と、を備え、
前記搬送ラインに隣接して複数の一時保管通路口が設けられ、前記中継箱に中継箱識別子が設けられ、
前記搬送ラインに設置されたスキャナにより前記中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、前記中継箱を前記複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口と、前記ピッキングタスクとバインドし、
前記複数の一時保管通路口のそれぞれは、当該一時保管通路口に対応する電子タグを介して、前記昇降移載装置により当該一時保管通路口に移載された中継箱に対して、バインドされたピッキングタスクを実行するように作業員に指示する
請求項18に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項20】
前記複数の保管エリアは、建物の異なる層に設置され、同一層に設置された少なくとも1つの保管エリアに、1つの作業エリアが対応して設けられ、
前記搬送装置は、前記中継箱を上下層にある搬送装置の間で搬送するための昇降機をさらに備える請求項19に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項21】
前記作業エリアは、保温壁を介して前記保管エリアと分離して設けられ、
前記作業エリアと連通する自動扉が、各棚セットの所定位置に対応して設けられ、
前記出庫棚上の物品情報を表示するための所定の表示画面が各自動扉に対応して設けられている
請求項18に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項22】
遮風幕が各自動扉に対応して設けられている請求項21に記載の物品の倉庫保管システム。
【請求項23】
倉庫保管システムの制御方法であって、
受信したピッキングタスクが示した棚を確定するステップであって、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されている、ステップと、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップと、
前記中継箱が前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、前記出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するステップと
を含む倉庫保管システムの制御方法。
【請求項24】
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とする前に、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する保管エリアに対応する作業エリアである目標作業エリア内のスキャナにより、前記中継箱上の中継箱識別子をスキャンし、前記中継箱と、複数の一時保管通路口のうちの目標一時保管通路口および前記ピッキングタスクとをバインドするステップと、
前記搬送装置によって前記中継箱を前記目標一時保管通路口に搬送するステップと、をさらに含む請求項23に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項25】
前記ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、前記目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップをさらに含み、
前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するステップは、
前記ピッキングタスクが示した棚が所定位置まで回転して出庫棚となったと判断したことに応答して、自動扉を開放するように制御し、前記自動扉に対応する所定の表示画面を介して前記出庫棚上の物品の物品情報を表示するステップを含む
請求項24に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項26】
前記ピッキングタスクに対応する出庫対象物品の物品情報を、前記目標一時保管通路口に対応する電子タグを介して表示するステップは、
前記出庫棚上の出庫対象物品の物品識別情報をスキャンし、スキャンした出庫対象物品の物品情報を前記目標一時保管通路口の電子タグに予め設定された方式で表示するステップを含む請求項25に記載の倉庫保管システムの制御方法。
【請求項27】
物品の出庫装置であって、
複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリアにおいて、前記タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定するように構成される第1の確定ユニットと、
前記各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、前記複数の保管エリアから、前記タスクセットに対応する目標保管エリアを確定するように構成される第2の確定ユニットと、
前記目標保管エリアから、前記各出庫タスクにおける出庫対象物品に対して目標保管位置を確定するように構成される第3の確定ユニットと、
前記タスクセットの中で、目標保管位置が同一保管エリアに属する同一棚の出庫対象物品を、同一ピッキングタスクに分けて出庫処理を行うように構成される出庫ユニットと、
を備える物品の出庫装置。
【請求項28】
倉庫保管システムの制御装置であって、
受信したピッキングタスクが示した棚を確定するように構成される第4の確定ユニットであって、前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品が、同一保管エリア内の同一棚に保管されている、第4の確定ユニットと、
前記ピッキングタスクが示した棚の所属する棚セットを駆動装置により回転させ、前記ピッキングタスクが示した棚を所定位置まで回転させて出庫棚とし、前記ピッキングタスクが示した前記出庫棚にある出庫対象物品を中継箱にピッキングするように作業員に指示するように構成される駆動ユニットと、
前記中継箱が前記ピッキングタスクが示した出庫対象物品を受け取ったと判断したことに応答して、前記出庫対象物品を搬送装置によって搬送して出庫するように構成される搬送ユニットと
を備える倉庫保管システムの制御装置。
【請求項29】
コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~17に記載の物品の出庫方法および請求項23~26に記載の倉庫保管システムの制御方法のいずれか1項を実現する、コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~17に記載の物品の出庫方法および請求項23~26に記載の倉庫保管システムの制御方法のいずれか1項を実現させる、電子機器。
【請求項31】
プロセッサによって実行されると、請求項1~17に記載の物品の出庫方法および請求項23~26に記載の倉庫保管システムの制御方法のいずれか1項の方法を実現するコンピュータプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
第7の態様では、本出願の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに第1の態様、第3の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現させる電子機器を提供する。
第8の態様では、本出願の実施形態は、プロセッサによって実行されると、第1の態様および第3の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
本実施形態では、上記実行主体は、ステップ401で確定された各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置に基づいて、複数の保管エリアの中からタスクセットに対応する目標保管エリアを確定することができる。タスクセットに対応する目標保管エリアは、タスクセットが示す出庫要件を満たすことができる保管エリアを指す。出庫要件には、出庫対象物品の物品名、数量等の情報が含まれる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
例示として、まず、上記実行主体は、タスクセット内の各出庫タスクについて、その出庫タスクを満たす保管エリアを確定する。そして、上記実行主体は、残りの出庫タスクがゼロになるまで、次の確定動作を行う。確定動作は、残りの出庫タスクのうち、最も多くの出庫タスクを満足できる保管エリアを意向保管エリアとし、次に意向保管エリアで満足できない出庫タスクを次回の確定動作を実行する際の残りの出庫タスクとすることを含む。このうち、1回目の確定動作における残りの出庫タスクは、タスクセットにおけるすべての出庫タスクである。最後に、毎回の確定動作の意向保管エリアを目標保管エリアとする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
本実施形態では、上記実行主体は、各種類の出庫対象物品の消費期限の残存期間に基づいて、各種類の出庫対象物品の優先度を確定することができ、各種類の出庫対象物品について、当該出庫対象物品の優先度は、消費期限の残存期間と負の相関があり、各種類の出庫対象物品の優先度に基づいて、タスクセットに対応する目標保管エリアを特定する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、図2に示すように、複数の保管エリアの各々の棚は、複数の棚段を含む。上記実行主体は、目標保管エリアにおける各棚の複数の棚段の優先度に基づいて、出庫対象物品の目標保管位置を確定することにより、上記ステップ403を実行する。各棚における棚段の優先度は、中間段から両端に向かって逓減する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
この場合、L4内の物品を出庫処理する場合、時計回りに回転すると、その回転距離がL11-L60及びL1-L4となり、時計回りに回転するとその回転距離がL4-L9となる。そこで、最短距離の原則に従って、反時計回りに棚を回転するように出庫処理を行う。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
次に、図5を参照し、図5は、本実施形態に係る物品の出庫方法の適用場面を示す概略図500である。図5の適用場面では、サーバ501は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信し、ここで、出庫タスクAは、出庫対象物品a、b、cを含み、出庫タスクは、出庫対象物品a、c、dを含む。サーバ501は、複数の出庫タスクを含むタスクセットを受信したことに応答して、複数の保管エリア502、503、504、505において、タスクセット内の各出庫タスクにおける出庫対象物品の保管位置を確定し、保管エリア502には、出庫対象物品aの保管位置5021、5022、出庫対象物品bの保管位置5023、出庫対象物品cの保管位置5024、5025および出庫対象物品dの保管位置5026、5027が含まれ、保管エリア503には、出庫対象物品aの保管位置5031、5032、出庫対象物品bの保管位置5033、および出庫対象物品cの保管位置5034、5035が含まれ、保管エリア504には、出庫対象物品aの保管位置5031、5032、出庫対象物品bの保管位置5033および出庫対象物品dの保管位置5034、5035が含まれる。保管エリア505には、出庫対象物品a、b、c、dの保管位置が含まれていない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0147】
特に、本出願の実施形態によれば、上述したフローチャートを参照しながら記載されたプロセスは、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実装されてもよい。例えば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体に具現化されるコンピュータプログラムを備え、当該コンピュータプログラムは、フローチャートで示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施形態では、当該コンピュータプログラムは、通信部1009を介してネットワークからダウンロードされてインストールされることが可能であり、および/またはリムーバブルメディア1011からインストールされることも可能である。当該コンピュータプログラムがプロセッサ1001によって実行されると、本出願の方法で限定された上記の機能を実行する。
【国際調査報告】