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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】パルス状の空気を供給するバルブ
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/02 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B65B55/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578818
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2021066075
(87)【国際公開番号】W WO2022002579
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】20182795.3
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】フローレンツソン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン、エーリック
(72)【発明者】
【氏名】サイディハギ、アラシュ
(57)【要約】
包装材料(20)のウェブに無菌空気のパルスを供給するためのバルブ(30)が提供される。このバルブは、円形断面を有する入口部分(32)を有する回転可能なバルブシャフト(31)を備え、前記入口部分(32)は、前記バルブシャフト(31)の軸方向キャビティ(34)に接続される半径方向スロット(33)を備える。前記バルブ(30)は、さらに、前記バルブシャフト(31)の回転中に前記バルブシャフト(31)の前記入口部分(32)の外面に適合するように適合される湾曲端(36)と、前記バルブ部材(35)を通して延びる流体チャネル(37)を含むバルブ部材(35)を備え、前記入口部分(32)の半径方向スロット(33)が前記バルブ部材(35)の流体チャネル(37)と位置合わせする位置まで回転されると、バルブ部材(35)及びバルブシャフト(31)を介して空気がバルブ(30)を通って流れることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料のウェブ(20)に無菌空気のパルスを供給するバルブ(30)であって、
円形断面を有する入口部分(32)を有する回転可能なバルブシャフト(31)を備え、前記入口部分(32)が、前記バルブシャフト(31)の軸方向キャビティ(34)に接続される半径方向スロット(33)を備え、
バルブ部材(35)を備え、前記バルブ部材(35)は、前記バルブシャフト(31)の回転中に前記バルブシャフト(31)の前記入口部分(32)の外面に適合するよう適合された湾曲端部(36)と、前記バルブ部材(35)を通して延びる流体チャネル(37)と、を備え、前記入口部分(32)の前記半径方向スロット(33)が前記バルブ部材(35)の前記流体チャネル(37)と位置合わせする位置まで前記バルブシャフト(31)が回転されると、前記バルブ部材(35)及び前記バルブシャフト(31)を介して、空気が前記バルブ(30)を通って流れることができる、
バルブ(30)。
【請求項2】
前記バルブシャフト(31)に接続され、前記バルブシャフト(31)を回転させるための駆動装置(41)をさらに備える、請求項1に記載のバルブ(30)。
【請求項3】
前記駆動装置(41)は、サーボモータ又は電気モータである、請求項2に記載のバルブ(30)。
【請求項4】
バルブ部材(35)は、排出スロット(38)を備え、前記バルブシャフト(31)の前記半径方向スロット(33)が前記排出スロット(38)と位置合わせしているときに前記排出スロットから空気を逃がす、請求項1~3のいずれか一項に記載のバルブ(30)。
【請求項5】
前記排出スロット(38)は、バルブ部材(35)の外面まで延びている、請求項4に記載のバルブ(30)。
【請求項6】
前記半径方向スロット(33)の周方向幅が、前記入口部分(32)の全周の1~10%、好ましくは1~5%の範囲にある、請求項1~5のいずれか一項に記載のバルブ(30)。
【請求項7】
前記半径方向スロット(33)の周方向幅は、前記バルブ部材(35)の前記流体チャネル(37)の幅よりも小さい、請求項1~6のいずれか一項に記載のバルブ(30)。
【請求項8】
前記バルブシャフト(31)の前記軸方向キャビティ(34)にそれぞれ接続される、間隔を空けて配置された複数の半径方向スロット(33)をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のバルブ(30)。
【請求項9】
包装材料のウェブ(20)に無菌空気のパルスを供給する装置(40)であって、
前記包装材料のウェブ(20)が、個々のパッケージに形成されるように配置された多数の連続的に配置されたセクション(21a~f)を含み、前記セクション(21a~f)の少なくともサブセットが、位置決め要素(23a~f)を含み、
前記位置決め要素(23a~f)が位置決め要素リーダー(45)を通過するときを測定する、前記位置決め要素リーダ(45)と、
請求項1~8のいずれか一項に記載の無菌空気のパルスを供給するバルブ(30)と、
前記位置決め要素リーダー(45)の出力に基づいて前記バルブ(30)の動作を制御する制御装置(46)と、
を備える装置(40)。
【請求項10】
包装材料(20)のウェブの片面又は両面に空気パルスを供給するように配置されたノズル(43)をさらに含む、請求項9に記載の装置(40)。
【請求項11】
前記バルブシャフト(31)の下流に配置された圧力センサ(44)をさらに備える、請求項9又は10に記載の装置(40)。
【請求項12】
前記バルブ(30)に接続された空気供給装置(42)をさらに備え、前記空気供給装置(42)によって提供される空気圧が1.5~50Bar、好ましくは20Barである、請求項9~10のいずれか一項に記載の装置(40)。
【請求項13】
包装材料のウェブ(20)から過剰な滅菌剤を除去するための方法(100)であって、
回転可能なバルブシャフト(31)及びバルブシャフト(31)と適合するようにされているバルブ部材(35)を有するバルブ(30)を提供し(102)、
前記バルブシャフト(31)の半径方向スロット(33)が前記バルブ部材(35)の流体チャネル(37)と流体連通するように、前記バルブシャフト(31)を回転させ、前記バルブ部材(35)及び前記バルブシャフト(31)を介して、空気が前記バルブ(30)を通って流れるようにする(104)、
を含む方法(100)。
【請求項14】
前記包装材料のウェブ(20)が、パッケージに形成されるように配置された多数の連続的に配置されたセクション(21a~f)を備え、前記セクション(21a~f)の少なくともサブセットが位置決め要素(23a~f)を備え、
前記位置決め要素(23a~f)が位置決め要素リーダー(45)を通過しているときを測定するステップ(106)と、
前記位置決め要素リーダー(45)の出力に基づいて、前記包装材料のウェブ(20)の所望の領域が前記バルブ(30)を通過する時間を計算するステップ(108)と、を備え、
前記バルブシャフト(31)を回転させるステップ(104)は、前記計算された時間に実行される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所望の領域が、前記包装材料のウェブ(20)に設けられた開封装置(22a~f)である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、空気パルス技術及びそのバルブの分野に関する。より具体的には、包装材料のウェブから余分な滅菌剤を除去することができるバルブ、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる種類の食品、例えば牛乳の個別パッケージを製造するために、ロール供給式包装機を使用することがよく知られている。このような包装機を使用する利点の1つは、パッケージの連続生産を高速化できることである。
【0003】
包装材料に不要な雑菌や微生物が付着しないように、過酸化水素などの殺菌剤を用いて包装材料を殺菌する。しかし、様々な理由により、製品を充填する前に滅菌剤を除去する必要がある。
【0004】
このようなパッケージの製造では、包装材料のウェブは、滅菌、チューブ成形、充填、シール、最終成形のためのさまざまなステーションを通過するように供給される。滅菌ステーションを通過する際、包装材料は滅菌剤に浸される。その後、包装材料は2つのローラーで形成されたニップを通過し、殺菌剤が広がり、包装材料のウェブを両側から覆う均一な膜状になる。その後、熱を加えることで効率よく殺菌を行い、殺菌剤を蒸発させる。
【0005】
包装材料のウェブには、射出成形された開封装置のような突出した構造物を備える場合がある。このような突出した構造物において、殺菌剤が均一な膜状に広がらないことがあり、その結果、これらの構造物の周囲に過剰な量の殺菌剤が存在する場合がある。この過剰な殺菌剤は、加熱工程で適切に蒸発しないため、包装材料の内側や外側に殺菌剤が残留する場合がある。
【0006】
そのため、包装材料が上記の開封装置のような突出した構造を有する場合にも、殺菌剤を均一に分布させることができる解決策を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上記した1つ以上の制限を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアイデアは、包装材料のウェブに無菌空気をパルスブローすることによって、突出した構造を持つ部分から殺菌剤を除去することである。パルスブローすることにより、ウェブ上の殺菌剤の過剰な領域等を的確に狙うことができる。また、殺菌剤が適切に散布された領域から殺菌剤の望ましくない除去を防ぐことができる。
【0009】
現在、空気をパルスブローする技術は存在するが、ロール供給式包装機の能力を最大限に発揮させるための速度面、使用する空気量、部品の耐久性、衛生面など、より効率的に実現するための技術改良が求められている。
【0010】
本発明の目的は、無菌空気の高速パルスを発生させることができるバルブを提供することである。
【0011】
第1の態様によれば、包装材料のウェブに無菌空気のパルスを供給するバルブが提供される。バルブは、
円形断面を有する入口部分を有する回転可能なバルブシャフトを備え、前記入口部分が前記バルブシャフトの軸方向キャビティに接続される半径方向のスロットを備える。バルブはさらに、
バルブ部材を備え、バルブ部材は、バルブシャフトの回転中にバルブシャフトの入口部分の外面に適合する湾曲端部と、バルブ部材の中に延びる流体チャネルとを備え、入口部分の半径方向スロットがバルブ部材の流体チャネルと一致する位置までバルブシャフトを回転させたとき、バルブ部材とバルブシャフトを介して空気がバルブを通って流れることができる。バルブのこれらの特徴の利点は、空気の高速で明確なパルスを生成できることである。
【0012】
一実施形態によれば、バルブシャフトを回転させるために、バルブは、バルブシャフトに接続される駆動ユニットを含む。スロットがバルブの開口部を通過する際に、駆動装置を用いてバルブを異なる回転速度で動作させることにより、バルブの開口時間(長さ)を調整することができる。
【0013】
一実施形態によれば、バルブ部材は、排出スロットを含み、バルブシャフトの半径方向スロットが排出スロットと位置合わせされたときに排出スロットから空気を逃がす。排出スロットを有する利点は、空気パルスの直後の包装材料のウェブへの空気漏れを防止することである。
【0014】
一実施形態によれば、半径方向スロットの周方向幅は、入口部分の全周の1~10%の範囲内、好ましくは1~5%の範囲内である。一実施形態によれば、半径方向スロットの周方向幅は、バルブ部材の流体チャネルの幅よりも小さい。周方向幅に関するこれらの特徴の利点は、バルブの速い開閉時間を提供することであり、その結果、明瞭な正方形状の空気パルスをもたらすことである。
【0015】
一実施形態によれば、入口部分32は、間隔を空けて配置された複数の半径方向のスロットを含み、それぞれがバルブシャフトの軸方向キャビティに接続される。この特徴の利点は、シャフト部材の1回転ごとに複数の空気パルスを提供し、構成要素の摩耗を最小限に抑え、必要な電力を少なくすることである。
【0016】
第2の態様によれば、包装材料のウェブに無菌空気のパルスを供給するための装置が提供され、包装材料のウェブは、個々のパッケージに形成されるように配置された多数の連続して配置されたセクションからなり、セクションの少なくともサブセットは位置決め要素を含む。装置は、位置決め要素が位置決め要素リーダーを通過する時を測定する位置決め要素リーダーと、上述の第1の態様に従って無菌空気のパルスを提供するバルブと、位置決め要素リーダーの出力に基づいてバルブの動作を制御する制御ユニットと、を備える。
【0017】
一実施形態によれば、装置は、包装材料のウェブの片面又は両面に空気パルスを供給するノズルをさらに含む。したがって、空気の同時パルスは、包装材料のウェブの外側のみならず内側においても達成される。
【0018】
一実施形態によれば、装置は、バルブシャフトの下流に配置された圧力センサをさらに含む。この利点は、空気パルスの正しいタイミングと正しい空気圧を検証できることである。
【0019】
第3の態様によれば、包装材料のウェブから過剰な滅菌剤を除去するための方法が提供される。この方法は、回転可能なバルブシャフトと、バルブシャフトと嵌合するように適合されたバルブ部材とを有するバルブを提供すること、バルブシャフトの半径方向スロットがバルブ部材の流体チャネルと流体連通するようにバルブシャフトを回転させ、それによってバルブ部材とバルブシャフトとを介して空気がバルブを通って流れること、を含む。
【0020】
この利点は、速度面で効率的であり、包装材料のウェブが高速でバルブを通過できるので、ウェブからパッケージを製造するために使用されるロール供給式包装機を最大限の能力で稼働させることができる。
【0021】
一実施形態によれば、包装材料のウェブは、パッケージに形成されるように配置された多数の連続的に配置されたセクションからなり、セクションの少なくともサブセットは、位置決め要素を含む。このような実施形態では、方法は、位置決め要素が位置決め要素リーダーを通過する時を測定するステップと、位置決め要素リーダーの出力に基づいて包装材料のウェブの所望の領域がバルブを通過する時を計算するステップとをさらに備え、バルブシャフトを回転させるステップは、計算した時に実行される。スロットがバルブの開口部を通過するときの回転速度を使い分けることで、バルブの開口時間(長さ)を調整することができる。
【0022】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明並びに図面から明らかになるであろう。
【0023】
以下、本発明の実施形態について、添付の概略図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a図1aは、実施形態による無菌空気のパルスを供給するための装置を備えたロール給紙包装機の部品の透視図である。
図1b図1bは、様々な実施形態によるバルブと共に使用される包装材料のウェブの一例を示す上面図である。
図2図2は、図1に示した装置の部品を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る装置の部品を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示す装置のバルブ形成部分を示す斜視図であり、一部の部品を省略している。
図5図5は、一実施形態による、開位置にある無菌空気のパルスを供給するバルブの断面図である。
図6図6は、図5のバルブの断面図であり、閉位置にある状態を示している。
図7図7は、実施形態による無菌空気のパルスを供給するバルブの断面図であり、開位置、閉位置、及び排出位置のいずれかで示されている。
図8図8は、実施形態による無菌空気のパルスを供給するバルブの断面図であり、開位置、閉位置、及び排出位置のいずれかで示されている。
図9図9は、実施形態による無菌空気のパルスを供給するためのバルブの断面図であり、開位置、閉位置、及び排出位置のいずれかで示されている。
図10図10は、一実施形態による包装材料のウェブから過剰な滅菌剤を除去する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1aを参照して、装置40を備えたロール供給式包装機10の一部を例として説明する。
【0026】
製造中、包装材料20のウェブが包装機10に供給され、包装機10を通過する。包装材料20が細菌及び他の不要な微生物を確実に含まないようにするために、パッケージは、滅菌剤を用いて滅菌される。一例によれば、滅菌剤は過酸化水素を含んでもよい。ロール供給式包装機10は、滅菌槽11を備えている。滅菌槽11を通過するとき、包装材料20のウェブは滅菌剤に浸漬される。
【0027】
続いて、包装材ウェブ20は、2つのローラー12a~bによって形成されるニップを通って搬送され、包装材ウェブ20の両面を覆う均一な膜に殺菌剤を散布して過剰量の殺菌剤を除去する。その後、包装材料20のウェブは加熱塔13で熱にさらされ、効率的な殺菌とその後の殺菌剤の蒸発を行い、チューブ成形、充填、密封、最終成形が行われる。包装材料20の滅菌されたウェブを個々のパッケージに変換するこれらのステップは、ロール供給式包装機10の追加の構成要素(図示せず)によって実行され、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0028】
包装材料20のウェブは、包装材料20のウェブの例を示す図1bを参照して例示される射出成形された開封装置などの突出構造22a~fを有してもよい。
【0029】
包装材料20のウェブは、多数の連続的に配置されたセクション21a~fを備えてもよい。多数の連続的に配置されたセクション21a~fの各々は、取り付けられた開封装置22a~fを含んでもよい。連続的に配置された多数のセクション21a~fの少なくともサブセットは、位置決め要素23a~fを含んでもよい。例えば、位置決め要素23a~fは、製造中に位置が保持されるように、包装材料20に一体化されてもよい。
【0030】
位置決め要素23a~fは、ウェブ20の位置に関する情報を包装機10に提供するために使用されてもよい。位置決め要素23a~fは、位置決め要素リーダー45(図1a参照)によって、例えばフォトセル、カメラ又はテープリーダーによって、読み取ることができるマーク及び/又はコードであってよい。あるいは、一例として、位置決め要素23a~fは、光学的基準マークとして包装材料20のウェブ上に、例えばウェブ上に設けられた印刷されたマークとして提供されてもよい。あるいは、位置決め要素23a~fは、装置40の内部又は外部の磁気リーダーによって検出可能な印刷された磁気マークであってもよい。位置決め要素23a~fは、この例に限定されず、ウェブ20の位置に関する情報を提供する任意の基準位置であってもよい。また、位置決め要素23a~fのうちの1つを用いて、複数のセクション21a~fの位置を推定してもよい。
【0031】
これらの突出構造22a~fでは、殺菌剤が蓄積し、ローラー12a~bによって均一な膜に広げられないことがあり、その結果、突出構造22a~fの中又は近くに過剰な殺菌剤が残留することがある。この過剰な殺菌剤は、加熱塔13で適切に蒸発されず、包装材料20のウェブの内側と外側に、殺菌剤の望ましくない残留物が残る可能性がある。
【0032】
包装材料20のウェブが熱にさらされる前に、包装材料20のウェブに無菌空気をパルスブローすることによって、突出構造22a~fを有する包装材料20のウェブの領域における過剰な殺菌剤を除去できることが認識されている。パルスブロー空気は、包装材料20のウェブ上で、例えば、滅菌剤が過剰な領域において、正確な標的を達成することを可能にする。これは、多くの利点を提供する。それは、滅菌剤が実際に適切に広がっている他の領域からの滅菌剤の除去を避けるのに役立つ。また、使用する空気量や乱気流を最小限に抑えることができる。連続的なエアフローではなく、パルス的なエアフローを使用することで、使用される空気の総量と使用エネルギーを大幅に削減することができる。さらに、空気はウェブ20の小さな部分にのみ向けられるので、空気は包装材料20の温度分布に影響を与えず、滅菌プロセスの効率を弱める可能性もない。
【0033】
再び図1aに戻ると、ロール供給式包装機10は、包装材料20のウェブに無菌空気のパルスを供給して過剰な殺菌剤を除去するための装置40を備える。
【0034】
装置40は、無菌空気のパルスを供給するバルブ30を備える。バルブ30は、バルブ部材35とバルブシャフト31を備え、図5~9を参照してさらに説明する。一実施形態では、バルブ30は、バルブ30の回転可能なバルブシャフト31の位置を調整するための駆動ユニット41をさらに備える。一実施形態では、駆動ユニット41は、サーボモータである。別の実施形態では、駆動ユニット41は、電気モータである。
【0035】
本実施形態では、装置40は、包装材料20のウェブの位置決め要素23a~f(図10参照)が位置決め要素リーダー45を通過する時を測定する位置決め要素リーダー45をさらに備えている。制御ユニット46は、位置決め要素リーダー45の出力に基づいて、バルブ30の動作を制御するように構成されている。位置決め要素リーダー45及び制御ユニット46は、位置決め要素23a~fが位置決め要素リーダー45を通過するタイミングを判断することができ、制御ユニット46は、包装材料20のウェブの所望の領域、すなわち突出構造22a~fの位置がバルブ30を通過するタイミングを計算するよう構成されている。このような計算は、好ましくは、位置決め要素リーダー45の出力、すなわち検出時間、包装材料20のウェブの速度、位置決め要素23a~fと突出構造22a~fとの間の距離、及び位置決め要素リーダー45とバルブ30のノズルとの間の時間的距離(包装材料20の速度が与えられた)に基づくものである。バルブシャフト31の回転は、バルブ30を所望の時間に開くために、計算された時間で実行される。
【0036】
一実施形態では、突出した構造物22a~fは、何らかの他の機器、例えばカメラで検出されてもよい。このようにして、バルブ30は、突出した構造物22a~fに空気をブローするための正確なブロー位置と同期されてもよい。
【0037】
一実施形態では、装置40は、バルブシャフト31の下流に配置された圧力センサ44をさらに備える。異なる時点における空気圧の測定は、装置40の品質管理の一部として使用され、正しい時点における正しい空気圧を確認することができる。
【0038】
装置40は、バルブ30に無菌空気を供給する空気供給装置42をさらに備える。一実施形態では、空気供給装置42によって提供される空気圧は、1.5~50bar、好ましくは20barである。バルブ30は、空気供給装置42の出口と直接流体連通するように配置される。
【0039】
図2を参照すると、包装材料20のウェブに無菌空気のパルスを供給するための装置40が図示されている。この装置は、無菌空気のパルスを供給するバルブ30、バルブシャフト31の位置を調整するための駆動装置41、バルブ30に無菌空気を供給するための空気供給装置42、バルブ30から包装材料20のウェブの両面に空気パルスを供給するように配置されたノズル43を備える。
【0040】
ノズル43は、包装材料20のウェブの両側に向けて向けられた空気出口を構成する。空気出口は、例えば、狭いチャネルとして形成されてもよく、バルブ30を出る空気が空気出口を通って出ることができる。
【0041】
図3を参照すると、装置40がより詳細に図示されている。この装置は、無菌空気のパルスを供給するためのバルブ30と、バルブハウジング30bの内部に配置されたバルブシャフト31の位置を調整するための駆動装置41と、バルブ30に無菌空気を供給する空気供給装置42と、バルブシャフト31の下流に配置された圧力センサ44を備える。
【0042】
図4を参照すると、バルブ30は、ハウジング30bを伴わずに示されている。バルブ30は、円形断面を備える入口部分32と軸方向キャビティ34とを有する回転可能なバルブシャフト31を備えている。バルブ30は、バルブシャフト31の回転中にバルブシャフト31の入口部分32の外面に嵌合するように適合された湾曲端36を含むバルブ部材35をさらに備えている。駆動装置41は、バルブシャフト31の位置を調整するために、バルブシャフト31と駆動連結している。空気供給装置42からの空気圧は、バルブ部材35をバルブシャフト31に対して押圧する。
【0043】
バルブ部材35及びバルブシャフト31は、ステンレス鋼やアルミニウムなどの耐久性のある材料で作られることが好ましい。これは、衛生的な条件や食品に安全な材料を必要とする上述の包装機10に使用する場合に有利である。
【0044】
図5を参照すると、包装材料20のウェブに無菌空気のパルスを供給するバルブ30の断面が、開位置で図示されている。回転可能なバルブシャフト31は、円形断面を有する入口部分32を備え、入口部分32は、バルブシャフト31の軸方向キャビティ34に接続される半径方向のスロット33を備える。バルブは、バルブシャフト31の回転中にバルブシャフト31の入口部分32の外面に嵌合するように適合された湾曲端36を有するバルブ部材35をさらに備える。半径方向スロット33は、バルブシャフト31が開放位置に回転されたときに、入口部分32の半径方向スロット33がバルブ部材35の流体チャネル37と周方向に位置合わせされ、空気がバルブ部材35及びバルブシャフト31を介してバルブ30を流れるように、バルブ部材35を通って延びる流体チャネル37と軸方向に整列される。バルブシャフト31の回転は、駆動装置41によって駆動される。スロット33がバルブ部材35の流体路37を通過する際の回転速度を使い分けることで、バルブ30の開口時間(長さ)を調整することができる。
【0045】
バルブ30は、図6において、その閉位置に示されている。ここで、入口部32の半径方向スロット33は、バルブ部材35の流体チャネル37と位置合わせしない周方向位置に回転され、それにより、空気がバルブ部材35を通り、バルブシャフト31を流れることを防止できる。
【0046】
図7を参照すると、バルブ30は開位置にあることが示されている。入口部分32の半径方向スロット33がバルブ部材35の流体チャネル37と位置合わせしているので、空気がバルブ部材35及びバルブシャフト31を通って連続的に流れることができることが分かる。
【0047】
半径方向スロット33の周方向幅は、好ましくは、入口部分32の全周の1~10%の範囲、好ましくは1~5%の範囲にある。さらに好ましくは、半径方向スロット33の周方向の幅は、バルブ部材35の流体チャネル37の幅よりも小さい。これらの特徴により、バルブの開閉時間が速く、その結果、開口時間が速く、四角形のような空気パルスをもたらす。バルブシャフト31は、一定の速度で回転してもよく、それによって、バルブシャフト31が閉位置にある時間よりもはるかに短い時間だけ開位置にあることがもたらされる。また、回転中に回転速度が変化し、それによってバルブシャフトが開位置及び閉位置にある時間を適合させることが可能である。
【0048】
一実施形態によれば、入口部分32は、それぞれがバルブシャフト31の軸方向キャビティ34に接続される複数の間隔をあけた半径方向スロット33を備えてもよい。この特徴の利点は、バルブシャフト31の1回転あたりにより多くの空気パルスが可能であることであり、それにより、構成要素の摩耗を最小限に抑え、必要な電力を少なくできる。
【0049】
なお、バルブ部材35は、バルブ部材35の周囲に空気供給口42からの漏れがないようにするため、バルブ部材35の外側にOリング50でシールされていてもよい。
【0050】
図8を参照すると、バルブが閉位置にあることが示されている。閉位置では、バルブシャフト31は、入口部分32の半径方向スロット33がバルブ部材35の流体チャネル37を通過するように回転し、空気がバルブ部材35及びバルブシャフト31を通って流れることを防止している。
【0051】
図9を参照すると、バルブ30は、空気排出位置に示されている。閉位置では、入口部分の軸方向キャビティ34及び/又は半径方向スロット33は、バルブが閉じられた後にノズルを介して漏れる可能性のある空気供給部42からの空気の過圧を含むことになる。このような漏れを防止するために、バルブシャフト31は、空気排出位置に回転される。空気排出位置では、バルブシャフト31は、入口部分32の半径方向スロット33がバルブ部材35の排出スロット38と位置合わせするように回転される。排出スロット38は、バルブ部材35の外面まで延び(図4に表示)、空気が軸方向キャビティ34及び入口部分32の半径方向スロット33から出ることを可能にし、それによって空気の漏れを軽減する。排出スロットは、好ましくは、バルブシャフト31の軸方向キャビティ34と平行な方向に、バルブ部材35の外面まで延在する。ハウジング30b(図3参照)は、排出スロット38と流体連通する空気出口39を構成している。
【0052】
図10を参照すると、包装材料20のウェブから過剰な滅菌剤を除去するための方法100が概略的に示されている。方法100は、回転可能なバルブシャフト31及びバルブシャフト31と嵌合するように適合されたバルブ部材35を有するバルブ30を提供する第1のステップ102と、バルブシャフト31の半径方向スロット33がバルブ部材35の流体チャネル37と流体連通しており、空気がバルブ部材35及びバルブシャフト31を介してバルブ30を通って流れるようにバルブシャフト31を回転するステップ104と、を備える。
【0053】
方法100は、オプションのステップ106及び108を更に含んでもよい。ステップ106では、位置決め要素23a~fが位置決め要素リーダー45を通過する時間が測定される。ステップ108では、図1を参照して説明したように、包装材料20のウェブの所望の領域がバルブ30を通過する時間が、位置決め要素リーダー45の出力に基づいて計算される。ステップ106及び108を含む実施形態では、バルブシャフト31を回転させるステップ104は、計算された時間に実行される。
【0054】
所望の領域は、包装材料20のウェブの開封装置22a~fであってもよく、位置決め要素23a~fは、図1bを参照して説明したタイプのものであってもよい。制御ユニット46は、バルブ30の動作を制御し、それによって、上記でさらに説明したように、位置決め要素リーダー45の出力に基づいて計算された時間にバルブシャフト31を回転させるステップ104を実行する。
【0055】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し、示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化することもできる。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】