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特表2023-531671較正機構およびその力センサを構成するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】較正機構およびその力センサを構成するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/01 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
G01G23/01 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578896
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021101760
(87)【国際公開番号】W WO2022001772
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010608984.7
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516157371
【氏名又は名称】メトラー-トレド (チャンヂョウ) メジャーメント・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516157360
【氏名又は名称】メトラー-トレド (チャンヂョウ) プレシジョン・インストゥルメント・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520189832
【氏名又は名称】メトラー-トレド・インターナショナル・トレーディング (シャンハイ) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】エメリー,ジャン・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リー
(57)【要約】
本発明は、力センサ(100)、および、このような力センサ(100)内の較正機構を構成するための方法を開示し、本方法が、較正レバー(1071)の端部を力センサ(100)の積載端部(103)に連結するステップと、無荷重状態において、無負荷の較正レバー(1071)の重心(G)を調整するステップであって、その結果、重心(G)が、力センサ(100)の固定端部(103)にある較正レバー支点(1031)の中心を通る実質的な水平線(H)上に置かれる、ステップと、全負荷状態において、較正錘(106)の荷重を受けている較正レバー(1071)の重心(G)を調整するステップであって、その結果、重心(G)が、較正レバー支点(1031)の中心を通る実質的な水平線(H)上に置かれる、ステップと、を含む。力センサ内のレバーの位置および支点の位置をほぼ同じ水平線上にするように制御することにより、力センサ内の傾きによって生じる較正誤差が低減される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力センサ(100)内の較正機構を構成するための方法であって、
較正レバー(1071)の端部を前記力センサ(100)の積載端部(102)に連結するステップと、
無荷重状態において、無負荷の前記較正レバー(1071)の重心(G)を調整するステップであって、その結果、前記重心(G)が、前記力センサ(100)の固定端部(103)にある較正レバー支点(1031)の中心を通る水平線(H)上に実質的に置かれる、ステップと、
全負荷状態において、較正錘(106)の荷重を受けている前記較正レバー(1071)の重心(G)を調整するステップであって、その結果、前記重心(G)が、前記較正レバー支点(1031)の前記中心を通る前記水平線(H)上に実質的に置かれる、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記無荷重状態において、前記較正レバー支点(1031)の前記中心および前記重心(G)を接続する線が、前記水平線(H)に対して-2°から+2°の間の鋭角内角を有し、
前記全負荷状態において、前記較正レバー支点(1031)の前記中心および前記重心(G)を接続する線が、前記水平線(H)に対して-2°から+2°の間の鋭角内角を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記較正錘(106)の荷重をかけるための前記較正レバー(1071)の連結端部から離れたところにおよび前記較正レバー支点(1031)の前記中心に近いところに個別の前記重心(G、G)を位置決めするように、前記較正錘(106)を備えるかまたは前記較正錘(106)を備えない前記較正レバー(1031)の前記重心(G、G)を構成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記較正レバー(1071)の前記端部を前記力センサ(100)の前記積載端部(102)に位置する支点(1021)に連結するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
力センサ(100)であって、
弾性ボディ(101)であって、前記弾性ボディ(101)が、
固定端部(103)、
秤量すべき対象の重量の荷重をかけるための積載端部(102)、および、
前記固定端部(102)と前記積載端部(103)との間に設けられる中間部分(104)であって、前記中間部分(104)が、前記弾性ボディ(100)の前記積載端部(102)にかけられる重量を秤量信号に変換するためのトランスデューサ機構を装備する、中間部分(104)、
を有する、弾性ボディ(101)
を備え、
前記力センサ(100)が、
較正力を前記積載端部(102)に適用することができる較正機構であって、前記較正機構が、
較正錘(106)、
較正レバー支点(1031)を介して前記固定端部(103)に接続された較正レバー(1071)
を備える、較正機構
をさらに備え、
前記較正機構が、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法に従って構成される、
力センサ(100)。
【請求項6】
前記較正レバー(1071)が、前記較正機構の較正レバー重心(G、G)の位置を調整するための重心調整デバイスを有する、
請求項5に記載の力センサ。
【請求項7】
前記重心調整デバイスが、前記較正レバー(1071)上に設けられた少なくとも1つの釣り合い錘積載部分(108)を備える、
請求項6に記載の力センサ。
【請求項8】
前記較正錘(106)を前記較正レバー(1071)の前記積載端部(103)に積載するかまたは前記較正レバー(1071)の前記積載端部(103)から前記較正錘(106)を降ろすための錘積載機構(105)
をさらに備える、請求項5に記載の力センサ。
【請求項9】
前記力センサが、水平面に対しての前記力センサ(100)の傾きを感知するための傾斜センサをさらに備え、
前記力センサ(100)が、前記傾斜センサによって感知された傾きに基づいて、前記力センサ(100)によって出力される較正秤量値を補償する、
請求項5に記載の力センサ。
【請求項10】
前記トランスデューサ機構が、ひずみゲージセンサまたは容量性圧力センサ、あるいは、光学センサを備える、
請求項5に記載の力センサ。
【請求項11】
請求項5から10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの力センサ(100)を備える秤量装置であって、
前記力センサ(100)の内部較正機構が較正錘(106)の荷重を受けているときに較正秤量値および傾斜値が取得され、
前記較正秤量値および前記傾斜値から較正補償値が計算され、
較正秤量値が、前記較正補償値に従って補正された前記装置によって出力される、
秤量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、較正機構を構成するための方法、および、本方法によって構成された力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]秤量分野での、力センサを装備する秤または秤量装置の精度は、長期間または高頻度の使用により、低下することになる。装置の精度を維持するために、秤または秤量装置を定期的に較正することが必要である。
【0003】
[0003]現在、秤量分野では、内部較正および外部較正の2つの較正方法が存在する。外部較正は、数キログラムから数百キログラムの範囲の外部錘を秤または秤量デバイスの上に積載することによって実現される。外部較正方法は実施するのに非常に不便であり、高価である。その理由は、外部錘を継続的に積載したり降ろしたりすることを必要とするからである。
【0004】
[0004]現在、内部較正は、電磁力バランスセンサで主として使用される。重力と釣り合う電磁力の原理により、内部較正構造がセンサに一体化され得、それにより、電子秤の高い精度を実現する。
【0005】
[0005]ロードセルの内部較正に関しては、電磁力補償ロードセル(MFR-LC:electromagnetic force compensation load cell)とひずみゲージロードセル(SG-LC:strain gauge load cell)とは区別しなければならない。その理由は、電磁力補償ロードセルおよびひずみゲージロードセルの測定原理が異なるからである。MFRロードセルでは、秤量対象の錘力(weight force)が電気的置換量によって測定される。磁力回復ロードセル(MFR-LC:magnetic force restoration load cell)とも称される、電磁力補償の原理に従って機能するこのような秤量セルでは、秤量対象の錘力が、直接に、または、1つまたは複数の力伝達レバーを経由して、電気機械式の測定トランスデューサに伝達され、電気機械式の測定トランスデューサが秤量対象の錘力に対応する補償力を発生させ、同時に、電気信号(コイル電流)を供給し、電気信号が、処理ユニット内の電子秤量モジュールによってさらに処理され、表示パネル上に示される。電磁気学の法則に従ってコイル電流の大きさおよび合成力が互いに比例することから、ロードセルの上に配置された秤量対象の重量が、コイル電流の測定を通して、決定され得る。
【0006】
[0006]ひずみゲージロードセル(SG-LC:strain gauge load cell)は、構造的には、弾性ボディを有し、弾性ボディにはひずみゲージが固着されている。弾性ボディは、通常、アルミニウム、合金鋼、またはステンレス鋼で作られ、それにより、堅牢性が非常に高くなるが、弾性が最小になる。ロードセルのボディに言及する場合、この弾性は「ばね要素」という用語となり得る。力がロードセルの一方の端部に作用するとき、ばね要素がわずかに変形させられ、過度の荷重を受けない限り、常にその元の形状に戻る。ばね要素が変形すると、ひずみゲージもその形状を変化させる。ひずみゲージの抵抗に対して生じる変化が電圧として測定され得る。電圧の変化がセルに適用される力の大きさに比例し、したがって、力の大きさがひずみゲージの出力から計算され得る。
【0007】
[0007]まとめると、これらの2つの測定原理の間の違いは、ロードセルが錘の荷重を受けているときの状態である。MFRロードセルは荷重測定のために撓みを平衡状態に戻すのに対して、SGロードセルでは荷重測定のために撓みが維持される。
【0008】
[0008]従来技術で、内部較正機構をSG力センサに一体化する試みも行われてきた。例えば、秤のための較正システムが米国特許第6’414’252(B1)号で開示されており、ここでは、内部較正錘およびレバーを備える内部較正機構をひずみゲージセンサに追加することにより、較正が必要であるときに内部較正機構に荷重がかけられ、較正が必要ではないときに内部較正機構が無負荷にされ、その結果、ひずみゲージセンサの較正が便利に実現され、センサの精度が劣化しないようになる。
【0009】
[0009]しかし、米国特許第6’414’252(B1)号で開示される内部較正機構は、実際には、較正の誤差が大きく、誤差が、規格によって認定される要求基準を大きく超えて1%にも達し得る。したがって、この内部較正機構はSG力センサに効果的には適用され得ない。
【0010】
[0010]従来技術では、DE20022494U1に開示されるセンサなどの、力センサの中に直接製造される内部較正機構も存在し、ここでは、内部較正錘を積載するのに特別に使用される構造が弾性ボディ内に設計される。このような内部較正機構を加工および設置することは非常に複雑なことであり、また、この内部較正機構は他の構造の力センサには適用可能ではないことから、その適用範囲も狭い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011]本発明によって解決される技術的問題は、従来技術の内部較正機構が大きい誤差を有し、したがって、力センサの精度を維持することが有効ではなく、高信頼性ではない、ことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012]本発明は、以下の技術的解決策を通して上記の技術的問題を解決する:
力センサ内の較正機構を構成するための方法であって
本方法が、
較正レバーの端部を力センサの積載端部に連結するステップと、
無荷重状態において、無負荷の較正レバーの重心を調整するステップであって、その結果、重心が、力センサの固定端部にある較正レバー支点の中心を通る水平線上に実質的に置かれる、ステップと、
全負荷状態において、較正錘の荷重を受けている較正レバーの重心を調整するステップであって、その結果、重心が、較正レバー支点の中心を通る水平線上に実質的に置かれる、ステップと、
を含む。
【0013】
[0013]したがって、力センサ内のレバーの位置および支点の位置をほぼ同じ水平線上にするように構成することにより、力センサまたは内部較正機構の傾きによって生じる較正誤差が低減される。
【0014】
[0014]無荷重状態においておよび全負荷状態において、較正レバー支点の中心および個別の重心を接続する線が、水平線に対して-2°から+2°の間の鋭角内角を有する。したがって、較正誤差が比較的小さくなり、秤量精度に対してのその影響が低減される。
【0015】
[0015]さらに、本方法が、
較正錘の荷重をかけるための較正レバーの連結端部から離れたところにおよび較正レバー支点の中心に近いところに個別の重心を位置決めするように、較正錘を備えるかまたは較正錘を備えない較正レバーの重心を構成するステップ
をさらに含む。
【0016】
[0016]好適には、較正レバーの端部を力センサの積載端部にある支点に連結することにより、較正レバーの回転が積載端部の移動を推進する。
【0017】
[0017]この解決策によると、較正機構またはレバーの重心位置および支点位置を接続する線と水平線との間の内角が一定の角度範囲内にある間において、レバーの重心位置が支点位置に近く、それにより、内部較正機構の傾きによって生じる較正誤差を低減する。
【0018】
[0018]力センサであって、この力センサが、
弾性ボディであって、弾性ボディが、
固定端部、
秤量すべき対象の重量の荷重をかけるための積載端部、および、
固定端部と積載端部との間に設けられる中間部分であって、この中間部分が、弾性ボディの積載端部にかけられる重量を秤量信号に変換するためのトランスデューサ機構を装備する、中間部分、
を有する、弾性ボディ
を備え、
この力センサが、
較正力を積載端部に適用することができる較正機構であって、較正機構が、
較正錘、
較正レバー支点を介して固定端部に接続された較正レバー
を備える、較正機構
をさらに備え、
較正機構が、上で言及した方法に従って構成される。
【0019】
[0019]本解決策の較正機構によると、較正錘が積載されるとき、つまり内部較正状態において、および、較正錘が降ろされた後において、つまり通常の秤量オペレーションにおいて、レバーおよび内部較正錘を備える較正機構全体の重心位置ならびに固定端部にある支点位置が、ほぼ同じ水平線上になるように制御され、その結果、較正錘が降ろされるとき、センサの傾きによって生じる誤差が低減され、センサの傾きまたは内部較正機構の傾きによって生じる較正誤差が低減され、力センサの精度がさらに維持される。
【0020】
[0020]この解決策では、支点機構がレバーを支持することができ、固定端部に対してレバーを枢動させるのを可能にすることができる。
【0021】
[0021]さらに、力センサが、較正錘をレバーの積載端部に積載するかまたはレバーの積載端部から較正錘を降ろすための錘積載機構をさらに備える。
【0022】
[0022]さらに、レバーが、レバーまたは較正構造の重心の位置を調整するための重心調整デバイスをさらに備える。
【0023】
[0023]さらに、重心調整デバイスが、レバーの上に設けられる少なくとも1つの釣り合い錘積載部分を有する。
【0024】
[0024]この解決策では、釣り合い錘が、内部較正機構内に設けられたレバーの重心の位置を微調整するためにレバーの上に追加され、その結果、較正機構の重心の位置および支点機構の支点の中心位置が同じ水平線になるように調整され得る。
【0025】
[0025]さらに、力センサが、水平面に対しての力センサの傾きを感知するための傾斜センサをさらに備える。力センサが、傾斜センサによって感知された傾きに基づいて、力センサによって出力される較正秤量値を補償する。
【0026】
[0026]この解決策では、力センサの傾きが、補償による内部較正の較正値をさらに補正するのに使用される。
【0027】
[0027]さらに、トランスデューサ機構が、ひずみゲージセンサまたは容量性圧力センサ、あるいは、光学センサを備える。
【0028】
[0028]この解決策のトランスデューサ機構は、すべて、弾性ボディの変形を感知することにより力を測定し、したがって、変形測定原理に基づくあらゆるトランスデューサ機構が本発明に適用可能である。
【0029】
[0029]秤量装置であって、秤量装置が、
上述した少なくとも1つの力センサ
を備え、
力センサの内部較正機構が較正錘の荷重を受けているときに較正秤量値および傾斜値が取得され、
較正秤量値および傾斜値から較正補償値が計算され、
較正秤量値が、較正補償値に従って補正された装置によって出力される。
【0030】
[0030]上記の解決策の効果的かつ進歩的な効果は以下の通りである:レバーの位置および力センサ内の支点の位置をほぼ同じ水平線上にするように構成することにより、力センサまたは内部較正機構の傾きによって生じる較正誤差が低減され、したがって、力センサの精度が維持される。さらに、角度センサが、力センサの傾きを感知するのに使用され、傾きが、力センサの精度をさらに維持するために較正値を計算および補償するのに使用される。
【0031】
[0031]添付図面を参照する実施形態の以下の説明から、本発明の上で言及したおよび他の特徴、特性、および利点がより明らかとなる。複数の図を通して同じ参照符号が同じ特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態による力センサを示す概略等角図である。
図2】無負荷の較正機構の状態にある、図1の力センサのレバーを示す概略垂直断面図である。
図3】負荷を受けている較正機構の状態にある、レバーを備える図2の力センサを示す同じ概略垂直断面図である。
図4図1に示される力センサを含む切欠断面図と共に、秤量装置を示す概略等角図である。
図5】本発明の別の実施形態による力センサを示す概略等角図である。
図6】無負荷の構成機構の状態にある、図5の力センサのレバーを示す概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0032]以下で本発明を例としてさらに説明するが、本発明は、説明される実施形態の範囲のみに限定されない。
[0033]力センサの積載機構により較正錘を積載する/降ろすプロセスで、レバー支点の位置に対してのレバー重心のアライメントが、ほぼ同じ水平線上になるように構成および制御され、その結果、力センサの傾きまたは内部較正機構の傾きによって生じる較正誤差が低減され、さらに、傾斜センサのような角度センサによって感知される力センサの傾きが、較正をさらに補償するのに使用され、それにより、力センサの精度を維持する。
【0034】
[0034]本明細書において以下で、以下の実施形態を介して例として本発明の実装形態が例示される。
【0035】
[0035]図1~4に示される実施形態では、秤量装置によると、力センサ100の弾性ボディ101の両端部の間に、ベースパネルAに固定された固定端部103およびトレーBを装備する積載端部102が存在する。弾性ボディ101の両端部が、互いに平行である2つの平行ビーム104によって接続される。1組のひずみゲージが平行ビーム104の上に設けられる。
【0036】
[0036]内部較正機構の較正レバー1071が平行ビーム104の間に形成され、レバー支点1031のところで固定端部103に接続され、較正レバー1071が支点1031を中心として回転する。さらに、力センサを較正するとき、較正レバー1071が積載レバー支点1021により積載端部102に接続される。
【0037】
[0037]較正レバー1071の端部分が積載端部102を超えて延在し、V形の錘ブラケットを装備する。較正錘106が錘ブラケット内に配置され得、V形の錘ブラケットが、錘ブラケット内で較正錘106が摺動および振動することを防止することができる。
【0038】
[0038]この実施形態では、積載機構105がベースパネルAに固定され、積載端部102の側に設けられ、積載機構105が、図2および3に示される持ち上げ運動により、較正錘106を錘ブラケットの上に積載するかまたは錘ブラケットから較正錘106を降ろす。
【0039】
[0039]この実施形態の較正機構で構成を行うとき、最初に、較正レバー1071が、力センサの積載端部102に位置する積載支点1021に連結される。連結後、較正レバー1071が無負荷であるとき、較正レバー1071の重心Gが、較正レバー支点1031の中心を通る水平線H上に実質的に置かれるように、無荷重状態で調整される。積載機構105により較正錘106が較正レバー1071の上に積載されるとき、較正錘106と一体である較正レバー1071の重心Gが、較正レバー支点1031の中心を通る水平線H上に実質的に置かれるように、全負荷状態で調整される。
【0040】
[0040]この実施形態では、図3に示されるように、積載機構105が較正錘106を較正レバー1071の上に積載した後、較正錘106の荷重を受けている較正レバーの重心位置がGとなる。水平線Hは、示されるように、較正レバー支点1031を水平にすることにより、画定される。レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が水平線Hの下方にあり、水平線Hと-2°の鋭角を形成する。
【0041】
[0041]別の構成設定では、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が水平線Hの上方にあり、水平線Hと+2°の鋭角を形成する。別の変形形態では、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031が水平線H上にあり、つまり、重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が、力センサ100を置いているところの環境の水平線Hに一致する。
【0042】
[0042]これらの設定では、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線と水平線Hとの間に形成される鋭角が、水平線の下方の-2°と水平線Hの上方の+2°との間で、制御される。この事例では、較正レバーの傾きによって生じる較正誤差が制御可能であり、それにより、秤量精度に対しての影響を低減する。
【0043】
[0043]積載機構105が較正錘106を較正レバー1071の上に積載する前にまたは較正錘106が較正レバー1071から降ろされた後で、較正機構を構成するとき、較正レバー1071の較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031が同じ水平線H上にあり、つまり、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が、力センサ100を置いているところの環境の水平線Hに一致する。
【0044】
[0044]別の構成設定では、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が水平線Hの上方にあり、水平線Hと+2°の鋭角を形成する。別の変形形態では、較正レバー重心Gおよび較正レバー支点1031を接続する直線が水平線Hの下方にあり、水平線Hと-2°の鋭角を形成する。
【0045】
[0045]上で言及した設定のように、較正レバー1071が無負荷であるとき、較正レバー1071の重心位置Gおよびレバー支点1031を接続する直線と水平線Hとの間に形成される内角が、水平線の下方の-2°と水平線Hの上方の+2°との間で、制御される。較正レバーの傾きによって生じる較正誤差の制御性がさらに改善され、秤量精度に対しての影響が低減される。
【0046】
[0046]別の実施形態では、図5および6に示されるように、較正レバー1071が、釣り合い錘積載孔10711をさらに装備する。図5に示されるように、1つの釣り合い錘積載孔10711の中に釣り合い錘108が挿入され、その結果、釣り合い錘108が較正レバー1071の上に積載され、それにより、較正レバー1071のレバー重心をさらに精密に調整し、較正レバー重心および較正レバー支点1031を可能な限り同じ水平線H上に位置させるのを可能にする。さらに、2つの釣り合い錘積載孔10711が較正レバー1071上に設けられ、これらの2つの釣り合い錘孔10711上で他の錘の釣り合い錘が引っ掛けられて積載され得る。
【0047】
[0047]別の実施形態では、釣り合い錘積載部分が較正レバーの多様な位置に設けられ、各釣り合い錘積載部分が、それぞれ、少なくとも1つの釣り合い錘孔または釣り合い錘積載位置を有する。この実施形態では、2つの釣り合い錘積載孔によって形成される釣り合い錘積載部分の構造がより単純化され得、例えば、較正レバーが釣り合い錘積載位置または積載貫通孔などを1つのみ有する。
【0048】
[0048]この実施形態の力センサ100は、傾斜センサ(図示せず)をさらに装備する。傾斜センサが、水平面に対しての力センサ100の傾きを感知するために力センサ100の固定端部103上に設けられ得る。
【0049】
[0049]この実施形態では、力センサ100が較正を実施するとき、較正錘106がV形の錘ブラケットの上に積載される。較正機構のてこ比(leverage transmission rate)を利用して、較正錘の倍数である負荷力が積載端部102に適用され、ひずみゲージが負荷力を較正秤量値の電気信号に変換する。次いで、この実施形態では、較正秤量値、および、傾斜センサによって感知される傾斜値を使用して、較正補償値が計算され、較正秤量値がさらに較正補償値によって補正される。次いで、力センサ100の精度を維持するために、較正秤量値を使用して力センサ100の秤量出力が較正される。
【0050】
[0050]別の実施形態の台秤が、上記の実施形態の4つの力センサ100を備える。台秤が較正命令を各力センサ100に送信した後、各力センサ100が、内部較正錘を積載して較正秤量値を出力してさらに内部較正錘を降ろすなどの、内部較正オペレーションを実施する。内部較正オペレーション中、同時に傾斜値が感知される。
【0051】
[0051]台秤が各力センサ100から較正秤量値および傾斜値を受信し、台秤の処理ユニットが較正秤量値の計算および補正を完了し、台秤の秤量出力をさらに較正する。
【符号の説明】
【0052】
[0052]
100 力センサ
101 弾性ボディ
102 積載端部
1021 積載レバー支点
103 固定端部
1031 較正レバー支点
104 平行ビーム
105 積載機構
106 較正錘
1071 較正レバー
10711 釣り合い錘積載孔
108 釣り合い錘
A ベースパネル
B トレー
無負荷の較正レバーのレバー重心
積載された較正錘を含むレバー重心
H 水平線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】