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特表2023-531673可変透過率眼科用レンズを駆動するための眼鏡デバイス及び方法
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  • 特表-可変透過率眼科用レンズを駆動するための眼鏡デバイス及び方法 図1
  • 特表-可変透過率眼科用レンズを駆動するための眼鏡デバイス及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】可変透過率眼科用レンズを駆動するための眼鏡デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/00 20060101AFI20230718BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230718BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
G02C7/00
H04N23/60 500
G02C11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578924
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2021067238
(87)【国際公開番号】W WO2021260060
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】20305720.3
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリュノ・フェルミジエ
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ジルベール
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル・グロー
(72)【発明者】
【氏名】マリウス・プルー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・ロプタン
【テーマコード(参考)】
2H006
5C122
【Fターム(参考)】
2H006BA06
2H006CA00
5C122EA42
5C122EA63
5C122FH12
5C122GE11
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA75
5C122HB01
(57)【要約】
本開示は、可変透過率眼科用レンズ(101)を備える眼鏡デバイス、そのようなレンズの透過率を駆動するための方法、そのような方法を実施するためのコンピュータプログラム製品及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。眼鏡デバイスは、着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサ(200)と、光センサ(200)から少なくとも光データを受信し、且つ光データに基づいて眼科用レンズ(101)の透過率を駆動するように構成された制御回路(301)と、を備える。制御回路(301)は、動きデータに更に基づいて眼科用レンズ(101)の透過率を駆動するように構成され、動きデータは、着用者の頭部の動きの推定から導出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が着用することを意図した眼鏡デバイスであって、少なくとも、
- 可変透過率眼科用レンズ(101)と、
- 前記着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサ(200)と、
- 前記光センサ(200)から少なくとも光データを受信し、且つ前記光データに基づいて前記眼科用レンズ(101)の透過率を駆動するように構成された制御回路(301)と、
を備え、
前記制御回路(301)が、動きデータに更に基づいて前記眼科用レンズ(101)の透過率を駆動するように構成され、前記動きデータが、前記着用者の頭部の動きの推定から導出される、眼鏡デバイス。
【請求項2】
前記制御回路(301)が、前記受信した光データに基づいて前記着用者の頭部の前記動きを推定することによって前記動きデータを取得するように更に構成されている、請求項1に記載の眼鏡デバイス。
【請求項3】
- 前記眼鏡デバイスが、前記着用者の頭部の動きを感知するように構成された動きセンサ(400)を更に備え、
- 前記制御回路(301)が、前記動きセンサ(400)から、前記動きセンサによって感知された前記着用者の頭部の前記動きを示す前記動きデータを受信することによって、前記動きデータを取得するように更に構成されている、請求項1に記載の眼鏡デバイス。
【請求項4】
- 前記眼鏡デバイスが、追加の動きセンサ(400)を更に備え、前記制御回路が、前記追加の動きセンサから追加の動きデータを受信し、且つ前記動きデータ及び前記追加の動きデータの両方に基づいて、前記着用者の前記頭部の特徴的な動きを検出するように更に構成されている、請求項3に記載の眼鏡デバイス。
【請求項5】
前記眼科用レンズ(101)の前記透過率が初期透過率値に等しく、前記制御回路が、
- 前記動きデータに基づいて、感知された前記着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するかどうかを判定し、次いで、
- 一致しないと判定した場合、第1のルールセットに従って前記光データに基づいて前記レンズが到達すべき第1の透過率値を定義する第1の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動し、それによって前記制御回路をデフォルトモードで動作させ、
- 一致すると判定した場合、第2のルールセットに従って前記レンズが到達すべき第2の透過率値を定義する第2の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動し、それによって前記制御回路を特定モードで動作させる、
ように構成され、
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットとは異なり、
到達すべき前記第1及び第2の透過率値が、両方とも前記初期透過率値とは異なる、請求項1~4のいずれか一項に記載の眼鏡デバイス。
【請求項6】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第1のルールセットの第1のルールに従って測定された前記光量の関数として判定され、
- 前記第2の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、
前記第1のルールセットの前記第1のルールが、前記第1の制御関数の前記目標透過率値が前記第2の制御関数の前記目標透過率値とは異なるように、前記第2のルールセットの前記第1のルールとは異なる、請求項5に記載の眼鏡デバイス。
【請求項7】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、第1の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第1の遷移関数が、前記目標透過率値に到達するための第1の遷移持続時間を定義し、
- 前記第2の制御関数が、第2の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第2の遷移関数が、第2の遷移持続時間を定義し、
前記第1の遷移持続時間が、前記第2の遷移持続時間とは異なる、請求項5又は6に記載の眼鏡デバイス。
【請求項8】
前記第2の制御関数が、前記第2の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動することが、前記レンズの前記透過率を前記初期透過率値から変化しないまま維持することに対応するように、定数関数である、請求項5~7のいずれか一項に記載の眼鏡デバイス。
【請求項9】
可変透過率眼科用レンズの透過率を駆動するための方法であって、制御回路によって実施され、且つ
- 着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサから、前記光センサからの少なくとも光データを受信すること(OBT LGT DATA(S1))と、
- 前記光データに基づいて、更に動きデータに基づいて、前記眼科用レンズの前記透過率を駆動すること(DRIV T(S8))であって、前記動きデータが前記着用者の頭部の動きの推定から導出される、ことと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記眼科用レンズの前記透過率が初期透過率値に等しく、前記方法が、
- 前記動きデータに基づいて検出された前記着用者の特徴的な動きを検出しない場合、第1のルールセットに従って前記光データに基づいて前記可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第1の制御関数を判定し、それによって前記制御回路をデフォルトモードで動作させることと、
- 前記動きデータに基づいて前記着用者の前記頭部の特徴的な動きを検出すると、第2のルールセットに従って前記可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第2の制御関数を判定し、それによって前記制御回路を特定モードで動作させることと、
を更に含み、
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットとは異なり、
到達すべき第1及び第2の透過率値が、両方とも前記初期透過率値とは異なる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 周辺光センサによって提供される情報に基づいて測定された前記光量の変化を検出すると、前記第1の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第1のルールセットの第1のルールに従って測定された前記光量の関数として判定され、
- 前記第2の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、前記第2のルールセットの前記第1のルールが、前記第1の制御関数の前記目標透過率値が前記第2の制御関数の前記目標透過率値とは異なるように、前記第2のルールセットの前記第1のルールとは異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、第1の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第1の遷移関数が定義し、
- 前記第2の制御関数が、第2の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第2の遷移関数が第2の遷移持続時間を定義し、前記第1の遷移持続時間が前記第2の遷移持続時間とは異なる、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の関数が、前記光量の変化が検出されている間に特定の頭部の動きが検出されたときに前記初期透過率値が変化しないままであるように、定数関数である、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサによって実行されると、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法を実施する一連の命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶している、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科用レンズの分野に属する。
【0002】
特に、以下では、可変透過率眼科用レンズを備える眼鏡デバイス、及びそのような可変透過率眼科用レンズの光透過率を制御するための方法、並びにそのような方法を実施するコンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム、基地局を開示している。
【背景技術】
【0003】
いくつかの既知の可変透過率眼科用レンズは、例えば液晶の形態又は流体中に注入された染料の形態のエレクトロクロミック材料を含む。
【0004】
エレクトロクロミック材料からなる光学要素の透過率は、2つの電極間に光学要素を配置することにより及び2つの電極間の電位差を調整することにより、制御可能である。
【0005】
したがって、ユーザは、処方眼鏡とソーラー眼鏡との間で切り替える必要がなく、代わりに、そのようなエレクトロクロミック材料を含む単一の光学機器を使用し、エレクトロクロミック材料をクリア状態からダーク状態に切り替え、また戻すだけでよい。
【0006】
更に、エレクトロクロミック材料を含む光学レンズの透過率を、光学レンズに入射している周辺光量の関数として自動的に適合させることが知られている。言い換えれば、着用者が見ている方向における周辺光量を感知し、この感知された周辺光量に基づいて光学レンズの透過率を自動的に適合させることが知られている。
【0007】
状況によっては、これは、例えば、太陽の方向を見ているとき又は太陽に背を向けているときにかなり有利である。実際、太陽を見ているときにクリア状態からダーク状態に自動的に切り替えることにより、まぶしさを回避する。太陽に背を向けているときにダーク状態からクリア状態に自動的に切り替えることにより、より明るい視界を提供することが可能になる。
【0008】
しかしながら、他の状況では、光度の変化によって自動的に引き起こされる透過率の変化が、かなり不快で望ましくない場合がある。
【0009】
1つのそのような例は、着用者が運転中にリアミラー又はサイドミラーを一時的に確認する場合である。この例では、太陽など、又は別の車両からのヘッドライトなどの光源がミラー内に反射することにより、光度の急激な上昇を引き起こし得る。この例では、このような光度増加の結果として光学レンズの透過率をクリア状態からダーク状態に自動的に変化させ、次いで、着用者がミラーの確認を完了したときに光学レンズの透過率を明るい状態に自動的に変化させ戻すことが、着用者の妨げになる場合があり、したがって好ましくない。
【0010】
別のそのような例は、着用者が真昼にテニスをしていて、サービスの際に下を見る場合である。この例では、下を見ることが入射光の急激な減少を引き起こす。この例では、そのような光度増加の結果として光学レンズの透過率をダーク状態からクリア状態に自動的に変化させ、次いで、着用者が下を見るのを止めたときに光学レンズの透過率をダーク状態に自動的に変化させ戻すこともまた、着用者の妨げになる場合があり、したがって好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、透過率を周辺の光条件に自動的に適合させ得る一方で、透過率の望ましくない変化によって着用者を妨げることを防止することもできる、可変透過率眼鏡用レンズを有する眼鏡デバイスの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。本明細書に開示された概念の追加の特徴及び利点は、以下に続く記載に説明されている。
【0013】
本開示は、その状況を改善することを目的としている。
【0014】
特に、本発明の1つの目的は、頭部が一時的又は急激な動きをする着用者の快適性を向上させる可変透過率眼科用レンズを制御するための方法を提供することである。
【0015】
この目的のために、本開示は、着用者が着用することを意図した眼鏡デバイスについて記載し、眼鏡デバイスは、少なくとも、
- 可変透過率眼科用レンズと、
- 着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサと、
- 光センサから少なくとも光データを受信し、且つ光データに基づいて眼科用レンズの透過率を駆動するように構成された制御回路と、
を備え、
制御回路は、動きデータに更に基づいて眼科用レンズの透過率を駆動するように構成され、動きデータは、着用者の頭部の動きの推定から導出される。
【0016】
本開示の文脈では、可変透過率眼科用レンズは、初期時点において初期透過率値を有する。
【0017】
本開示の文脈では、光センサは、着用者の環境における光量を経時的に測定又は感知するように構成されている。
【0018】
本開示の文脈では、制御回路によって光センサから受信される光データは、初期時点とその後の時点との間で光センサによって感知される光量の経時的な変化を示し得る。経時的な変化は、制御回路によって光データから抽出され得る。
【0019】
本開示の文脈では、動きデータは、初期時点とその後の時点との間の着用者の頭部の1つ以上の動きの推定から導出され得る。
【0020】
もちろん、制御回路は、複数のそのような光センサから光データを受信するように構成されてもよい。
【0021】
もちろん、制御回路は、複数のそのような可変透過率眼科用レンズを駆動するように構成されてもよい。
【0022】
光データと動きデータとの両方に基づいて眼科用レンズの透過率を自動的に駆動することにより、たとえ入射光の強度の同様の変化が両方のイベントにおいて生じる場合であっても、2つの異なるイベントに対して異なる透過率を適合させることが可能である。
【0023】
実際、光データに基づいて眼科用レンズの透過率を自動的に駆動することにより、そのような眼鏡デバイスが周辺光の強度を考慮している適切な透過率を着用者に提供することを可能にする。例えば、真昼において、着用者は、太陽に面しているときはダーク状態を、及び太陽に背を向けている間はクリア状態を提供され得る。
【0024】
更に、既存の眼鏡デバイスとは異なり、動きデータにも基づいて眼科用レンズの透過率を自動的に駆動することにより、不要な透過率変化を回避することが可能である。このような望ましくない透過率変化の例は、着用者が頭部を光源の方に向け、その結果、入射光の強度が変化する場合に対応する。
【0025】
本開示の文脈では、制御回路は、動きデータに基づいて眼科用レンズの透過率を駆動する前に、動きデータを取得するように構成されることが示唆されている。
【0026】
動きデータは、眼鏡デバイスの一部であってもなくてもよい動きセンサから直接取得され得る。
【0027】
実際、任意選択的に、眼鏡デバイスは、着用者の頭部の動きを感知するように構成された動きセンサを更に備えることができ、制御回路は、動きセンサから、動きセンサによって感知された着用者の頭部の動きを示す動きデータを受信することによって、動きデータを取得するように更に構成され得る。この例では、デバイスは、スタンドアロン型である。
【0028】
或いは、制御回路は、動きセンサを備える遠隔機器、例えば、スマートフォンとの通信インターフェースを備え、制御回路は、遠隔機器の動きセンサから、動きセンサによって感知された、初期時点とその後の時点との間の着用者の頭部の動きを示す動きデータを受信するように更に構成される。この例では、光センサを備えるが、動きセンサを有しない既存の眼鏡デバイスの制御回路の組み込みソフトウェアを単に更新することによって、提案される眼鏡デバイスを得ることができ、その結果、制御回路は、遠隔装置から受信した動きデータに基づいて、眼科用レンズの透過率を駆動するように構成されるようになる。
【0029】
動きデータは、各々が眼鏡デバイスの一部であってもなくてもよい、複数の動きセンサから直接取得され得る。実際、任意選択的に、デバイスは、追加の動きセンサを更に備え、制御回路は、追加の動きセンサから追加の動きデータを受信し、且つ動きデータ及び追加の動きデータの両方に基づいて、着用者の頭部の特徴的な動きを検出するように更に構成される。複数の動きセンサは、例えば、所与の基準フレームにおいて、2つの空間座標に従った着用者の頭部の回転など、着用者の頭部の動きのより正確な判定及び特徴付けを可能にし得る。これにより、頭部の所与の回転の上下成分と左右成分との両方をより正確に感知することが可能である。
【0030】
更に、追加の動きセンサは、必ずしも着用者の頭部の動きに直接関係しない追加の動き情報を提供することができる。例えば、ジオロケーションセンサは、着用者の様々な所定の状況又は活動を特定するのに役立ち得る。そのような状況の例は、例えば運転活動に関連し得る着用者の素早い地理的移動である。そのような状況の別の例は、着用者がほとんど静止したままであることである。動きセンサによって検出された着用者の頭部の所与の動きを考慮して、制御デバイスは、追加の動きデータに応じて、すなわち着用者の現在の状況又は活動に基づいて、異なる可能な制御関数に従って眼科用レンズの透過率機能を駆動するように構成され得る。
【0031】
また、動きデータは、動きセンサから取得されるのではなく、制御回路によって推定されることが可能である。実際、任意選択的に、制御回路は、受信した光データに基づいて着用者の頭部の動きを推定することによって、動きデータを取得するように更に構成される。
【0032】
より正確には、環境における光量の経時的な特定の変化は、着用者の頭部の動きに対応すると解釈され得るため、光センサから取得された光データの経時的な特定の変化に基づいて、着用者の頭部の動きを推定することができる。
【0033】
この例では、光センサを備えるが、動きセンサを有しない既存の眼鏡デバイスの制御回路を、光センサから取得された光データから動きデータが推定されるように構成するようソフトウェアを単に更新することによって、提案される眼鏡デバイスを得ることができる。
【0034】
任意選択的に、制御回路は、
- 動きデータに基づいて、感知された着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するかどうかを判定し、次いで、
- 一致しないと判定した場合、第1のルールセットに従って光データに基づいてレンズが到達すべき第1の透過率値を定義する第1の制御関数に従ってレンズの透過率を駆動し、それによって制御回路をデフォルトモードで動作させ、
- 一致すると判定した場合、第2のルールセットに従ってレンズが到達すべき第2の透過率値を定義する第2の制御関数に従ってレンズの透過率を駆動し、それによって制御回路を特定モードで動作させる、
ように構成され、
第2のルールセットは、第1のルールセットとは異なる。
【0035】
この例では、着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するか否かに基づいて、到達すべき透過率値が異なる。より正確には、感知された動きが所定の動きと一致する場合にのみ、到達すべき透過率値を判定するために光データが考慮される。
【0036】
そのような所定の動きの例は、頭部を所定の速度で及び/又は所定の角度まで左に回すことであり得る。
【0037】
動きデータに基づいて、感知された着用者の頭部の動きが少なくとも1つの所定の動きと一致するかどうかを判定するために、複数のそのような所定の動きを示す基準動きデータを動きデータベースとして制御可能回路のメモリに予め記憶することができ、制御可能回路は、動きデータベースを検索し、取得された動きデータを動きデータベースと比較するように構成されてもよい。
【0038】
任意選択的に、光センサによって測定された光量の変化の検出時に、
- 第1の制御関数は、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき目標透過率値は、第1のルールセットの第1のルールに従って測定された光量の関数として判定され、
- 第2の制御関数は、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき目標透過率値は、第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、
第1のルールセットの第1のルールは、第1の制御関数の目標透過率値が第2の制御関数の目標透過率値とは異なるように、第2のルールセットの第1のルールとは異なる。
【0039】
任意選択的に、光センサによって測定された光量の変化の検出時に、
- 第1の制御関数は、第1の遷移関数に従って初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、第1の遷移関数は、目標透過率値に到達するための第1の遷移持続時間を定義し、
- 第2の制御関数は、第2の遷移関数に従って初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、第2の遷移関数は、第2の遷移持続時間を定義し、
第1の遷移持続時間は、第2の遷移持続時間とは異なる。
【0040】
この例では、制御関数は、到達すべき透過率値に関してだけでなく、初期透過率値から到達すべき透過率値までの遷移持続時間に関しても、動きデータに対して適合的であってもよい。例えば、着用者のいくつかの所定の頭部の動きに対して、クリア状態からダーク状態への切り替えは、着用者のダーク状態に対するより良好な慣れを可能にするために、意図的にゆっくりと行われ、それによって着用者により良好な快適さを提供することができる。
【0041】
任意選択的に、眼科用レンズの透過率は、初期時点における初期透過率値に等しく、制御回路は、
- 動きデータに基づいて、感知された着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するかどうかを判定し、次いで、
- 一致しないと判定した場合、第1のルールセットに従って光データに基づいてレンズが到達すべき第1の透過率値を定義する第1の制御関数に従ってレンズの透過率を駆動し、それによって制御回路をデフォルトモードで動作させ、
- 一致すると判定した場合、第2のルールセットに従ってレンズが到達すべき第2の透過率値を定義する第2の制御関数に従ってレンズの透過率を駆動し、それによって制御回路を特定モードで動作させる、
ように構成され、
第2のルールセットは、第1のルールセットとは異なり、
到達すべき第1及び第2の透過率値は、両方とも初期透過率値とは異なる。
【0042】
その結果、動きデータと光データとの組み合わせに応じて、制御回路は、デフォルトの送信モード又は特定の送信モードのいずれかを選択する。両方のモードが、到達すべき対応する透過率値を定義する。両方の対応する透過率値は、透過モードを選択したときのレンズの初期透過率値とは異なる。次いで、レンズの透過率が駆動され、到達すべき対応する透過率値に従って変化する。
【0043】
任意選択的に、第2の制御関数は、第2の制御関数に従ってレンズの透過率を駆動することが、レンズの透過率を初期透過率値から変化しないまま維持することに対応するように、定数関数である。この例では、着用者の現在の頭部の動きが着用者の所定の頭部の動きのデータベースの一部であると特定された場合、入射光の強度の変化の結果として、眼科用レンズの状態を自動的に切り替えることが無効にされ得る。これにより、不要な透過率の変化を無効にすることが可能になる。
【0044】
本開示は更に、可変透過率眼科用レンズの透過率を駆動するための方法を記載し、方法は、制御回路によって実施され、且つ
- 着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサから、光センサからの少なくとも光データを受信することと、
- 光データに基づいて、更に動きデータに基づいて、眼科用レンズの透過率を駆動することであって、動きデータが着用者の頭部の動きの推定から導出される、ことと、
を含む。
【0045】
任意選択的に、方法は、
- 動きデータに基づいて検出される着用者の特徴的な動きを検出しない場合、第1のルールセットに従って光データに基づいて可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第1の制御関数を判定し、それによって制御回路をデフォルトモードで動作させることと、
- 動きデータに基づいて着用者の頭部の特徴的な動きを検出すると、第2のルールセットに従って可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第2の制御関数を判定し、それによって制御回路を特定モードで動作させることと、
を更に含み、
第2のルールセットは、第1のルールセットとは異なる。
【0046】
任意選択的に、眼科用レンズの透過率は、初期時点における初期透過率値に等しく、方法は、
- 動きデータに基づいて、感知された着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するかどうかを判定することと、次いで、
- 動きデータに基づいて着用者の特徴的な動きを検出しない場合、第1のルールセットに従って光データに基づいて可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第1の制御関数を判定し、それによって制御回路をデフォルトモードで動作させることと、
- 動きデータに基づいて着用者の頭部の特徴的な動きを検出すると、第2のルールセットに従って可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第2の制御関数を判定し、それによって制御回路を特定モードで動作させることと、
を更に含み、
第2のルールセットは、第1のルールセットとは異なり、
到達すべき透過率値は、両方とも初期透過率値とは異なる。
【0047】
任意選択的に、
- 周辺光センサによって提供される情報に基づいて測定された光量の変化を検出すると、第1の制御関数は、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき目標透過率値は、第1のルールセットの第1のルールに従って測定された光量の関数として判定され、
- 第2の制御関数は、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき目標透過率値は、第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、第2のルールセットの第1のルールは、第1の制御関数の目標透過率値が第2の制御関数の目標透過率値とは異なるように、第2のルールセットの第1のルールとは異なる。
【0048】
任意選択的に、光センサによって測定された光量の変化の検出時に、
- 第1の制御関数は、第1の遷移関数に従って初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、第1の遷移関数は定義し、
- 第2の制御関数は、第2の遷移関数に従って初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、第2の遷移関数は第2の遷移持続時間を定義し、第1の遷移持続時間は第2の遷移持続時間とは異なる。
【0049】
任意選択的に、第2の関数は、光量の変化が検出されている間に特定の頭部の動きが検出されたときに初期透過率値が変化しないままであるように、定数関数である。
【0050】
本開示は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに上記の方法のいずれかを実行させる一連の命令を含むコンピュータプログラム製品を更に記載する。
【0051】
本開示は、上記のコンピュータプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を更に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】例示的な眼鏡デバイスを示す。
図2図1のデバイスを制御するために提案された方法を実行する例示的なソフトウェアの一般的なアルゴリズムのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
ここで、例示的な眼鏡デバイスを示す図1を参照する。
【0054】
眼鏡デバイスの代替用語は、ヘッドマウントデバイスである。
【0055】
眼鏡デバイスは、
- 眼鏡フレームに取り付けられた眼鏡レンズ(101、102)と、
- 眼鏡レンズ(101、102)に向かって入射している可視光のレベルを感知するように構成された光センサ(200)と、
- 眼鏡レンズ(101、102)の各々に対して、光センサ(200)に動作可能に結合された処理回路(301、302)と、
を備える。
【0056】
処理回路(301、302)は、例えばコマンド信号を眼鏡レンズに送信してそれらの透過率を駆動することによって、眼鏡レンズ(101、102)に動作可能に結合される。或いは、眼鏡デバイスは、両方の眼鏡レンズの透過率を駆動するための単一の処理回路を備えてもよい。
【0057】
眼鏡デバイスは、眼鏡デバイスの線形動き又は回転動きに関連する位置、速度、又は加速度を感知するように構成された、1つ以上の動きセンサ(400)を更に備えてもよく、1つ以上の動きセンサ(400)は、処理回路(301、302)に動作可能に結合される。
【0058】
眼鏡デバイスは、眼鏡レンズ(101、102)に、センサ(200、400)に、及び処理回路(301、302)に対して電力を供給するための1つ以上の電源(500)を備え得る。
【0059】
眼鏡レンズ(101、102)は、直接的又は間接的に、電気的に切り替え可能な可変透過率眼科用レンズである。
【0060】
例えば、眼鏡レンズ(101、102)は、可視光透過特性が電気的に切り替え可能なエレクトロクロミック材料を含み得る。
【0061】
例えば、眼鏡レンズ(101、102)は、電流の通過によって温度が制御され得る導電体に関連付けられた、可視光透過特性が熱的に切り替え可能なサーモクロミック材料を含み得る。
【0062】
より一般的には、眼鏡レンズ(101、102)は、エレクトロクロミック、サーモクロミック、フォトクロミック、懸濁粒子、マイクロブラインド、又はポリマー分散液晶技術などの、任意のスマートグラス技術又はそれらの組み合わせに基づくことができる。
【0063】
光センサは、デバイスによって検出された可視光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電デバイスである。その例には、フォトレジスタ、フォトダイオード、フォトトランジスタが含まれる。
【0064】
光センサ(200)は、鼻梁上、レンズマウント上、ヒンジ上、アーム上などの、眼鏡フレーム上に取り付けることができる。
【0065】
眼鏡デバイスは、1つ以上の追加の光センサ(200)を備え得る。
【0066】
例えば、眼鏡デバイスは、眼鏡レンズ(101、102)の各々に向かう入射光を別々に感知するために各々が対応する眼科用レンズの近くに取り付けられた、一対の同一の光センサ(200)を備え得る。
【0067】
例えば、眼鏡デバイスは、入射可視光のスペクトルに応じて眼科用レンズに対して異なる制御関数を適用するために、例えば青色光及び赤色光を別々に感知するために、各々が異なる可視光波長に対して感知できる複数の光センサ(200)を備え得る。
【0068】
動きセンサは、監視される身体の位置若しくは方向、線形動き速度若しくは回転速度、又は線形動き加速度若しくは回転加速度を測定することができるデバイスである。本発明の文脈では、監視される身体は、着用者の頭部である。
【0069】
動きセンサの例には、位置エンコーダ、加速度計、ジャイロスコープ、及びジャイロメータが含まれる。眼鏡デバイスは、慣性測定回路として異なるタイプの動きセンサの組み合わせを備えてもよく、これにより、例えば着用者の特定の力、角速度、及び頭部の向きを感知及び報告することが可能になる。
【0070】
各動きセンサ(400)は、鼻梁上、レンズマウント上、ヒンジ上、アーム上などの、眼鏡フレーム上に取り付けることができる。
【0071】
処理回路(301、302)は、1つ以上のメモリと、眼鏡レンズ(101、102)及びセンサ(200、400)との1つ以上の通信インターフェースとに動作可能に結合された1つ以上のプロセッサを備え得る。処理回路とセンサとの間の通信は、有線又は無線であり得る。特に、無線通信により、眼鏡デバイスに組み込まれたセンサからだけでなく、センサを備えた任意の遠隔機器からも情報を収集することを可能にし得る。
【0072】
例えば、処理回路は、遠隔機器の処理回路からの活動データ、及び/又は遠隔機器に組み込まれたGPSからのジオロケーションデータを収集するように構成され得る。そのような遠隔機器の例には、スマートフォン、車両の電子制御回路、又は電子時計が含まれる。運転活動、ランニング活動などは、ジオロケーションデータから推測され得る。
【0073】
眼鏡デバイスが着用者により着用されている初期時点において、眼鏡レンズ(101、102)は、初期透過率値を有する。
【0074】
ここで、メモリ上に記憶され、且つ処理回路(301、302)のプロセッサによって実行されて、初期時点における初期透過率値から開始して、眼鏡レンズ(101、102)の透過率を駆動するための方法を実行することができるソフトウェアのアルゴリズムを示す図2を参照する。
【0075】
光データは、処理回路(301、302)によって少なくとも1つの光センサ(200)から取得される(OBT LGT DATA(S1))。
【0076】
例えば、光センサ(200)として、眼鏡デバイス上に取り付けられたフォトダイオードが考えられる。フォトダイオードは、任意の所与の時点において、その電流がフォトダイオード上への入射可視光量の関数である電気信号を出力する。
【0077】
より一般的には、少なくとも1つの光センサ(200)が、電気信号を経時的に出力する。これらの電気信号は、着用者の環境における入射可視光量を示す光データを搬送又は包含する。光データは、処理回路(301、302)に送信される。
【0078】
例えば、取得された光データは、
- 初期時点での着用者の環境における入射可視光の初期量、及び
- 現在時点、すなわち初期時点後での着用者の環境における入射可視光の現在量、
を示し得る。
【0079】
所得された光データは、処理回路によって、更なる処理のために時系列に記憶され得る。
【0080】
動きデータは、処理回路(301、302)によって取得される(OBT MVT DATA(S2))。
【0081】
いくつかの例では、動きデータは、光データから導出され得る。実際、1つ以上の光センサによって感知できる入射可視光のいくつかの特定の変化は、着用者の頭部の動きによるものであり得る。
【0082】
例えば、夜間に運転する場合、光条件は大部分薄暗い。車両のヘッドライトなどの強い光源がミラーに映り込むことが起こり得る。そのような場合、運転者がミラーに向かって頭部を向けると、着用者が着用する眼鏡デバイスに備えられた光センサによって感知される入射光量が増加する。そのような頭部の動きを示す動きデータは、処理回路(301、302)によって、そのような増加を示す取得された光データから導出され得る。例えば、経時的な光データのいくつかの特定の変化は、対応表において着用者のいくつかの所定の頭部の動きに関連付けられ得る。
【0083】
いくつかの例では、動きデータは、眼鏡デバイスの1つ以上の動きセンサ(400)から取得され得る。
【0084】
それは例えば、動きセンサ(400)として、眼鏡デバイス上に取り付けられた加速度計と考えられる。加速度計は、任意の所与の時点において、所与の方向における眼鏡デバイスの線形加速度の関数である電気信号を出力する。本開示の文脈では、眼鏡デバイスが着用されるため、線形加速度を使用して、着用者又は着用者の頭部のいずれかの所与の方向における動きを推定することができる。
【0085】
より一般的には、眼鏡デバイスが1つ以上の動きセンサ(400)を備えている場合、1つ以上の動きセンサ(400)は、電気信号を経時的に出力することができる。これらの電気信号は、着用者の頭部の動きに関連する動きデータを搬送し、又は包含する。動きデータは、処理回路(301、302)に送信される。
【0086】
いくつかの例では、動きデータは、遠隔機器の1つ以上の動きセンサから取得され得る。
【0087】
例えば、遠隔機器として、カメラ付きスマートフォンが考えられる。着用者が現在車両を運転しており、スマートフォンが車両内に位置していて着用者に面している場合、スマートフォンのカメラを使用して、車両の動きとは関係のない着用者の頭部の実際の動きを判定することができる。そのような判定は、動きデータとして眼鏡デバイスの処理回路に送信され得る。より一般的には、動きセンサを備えた遠隔機器を使用して、着用者の頭部の動きを判定することができる。動きデータは、処理回路(301、302)に送信される。
【0088】
追加の動きセンサ、ジオロケーションセンサ、音響センサ、脈拍センサなどの追加のセンサを使用して、着用者の活動のタイプを検出することができる。例えば、脈拍センサ及び/又は地理位置センサを備えた電子時計を使用して、着用者が現在走っているときを判定することができる。そのような判定は、活動データとして、処理回路(301、302)に送信される。
【0089】
動きデータは、様々なソースから取得することができ、すなわち、例えば、光データから導出されるか、眼鏡デバイスに備えられた動きセンサ(400)から受信されるか、又は遠隔装置に備えられた動きセンサから受信することができることを上述してきた。また、ソースの組み合わせから動きデータを取得することも可能であることに留意されたい。
【0090】
いくつかの例では、入射可視光量の経時的な変化は、取得された光データに基づいて処理回路(301、302)によって検出されるか(DET LGT VAR(S3))、又は監視される。
【0091】
入射光の経時的な変化の例は、初期時点での着用者の環境における入射可視光の初期量と、現在時点、すなわち初期時点後の着用者の環境における入射可視光の現在量との間の差である。
【0092】
実際、入射可視光量は時間の関数であり、経時的な量の変化は、関数を微分することによって検出され得る。
【0093】
したがって、入射光量が初期時点において始まり現在時点において終わる所定の時間間隔にわたって連続的に減少する場合、一次導関数は、所定の時間間隔にわたって負である。逆に、入射光量が所定の時間間隔にわたって連続的に増加する場合、一次導関数は、所定の時間間隔にわたって正である。
【0094】
入射可視光の経時的な判定された変化は、着用者の環境における周辺可視光のレベルにおける経時的な変化に関連している。周辺可視光は、着用者の環境内の1つ以上の光源から発生し、感知される可視光量は、眼鏡デバイスに対するこれらの1つ以上の光源の相対位置に依存する。経時的な眼鏡デバイスの位置は、経時的な着用者の頭部の位置及び/又は向きの変化に密接に関連している。
【0095】
先に述べたことから、入射可視光の判定された変化は、着用者の環境における周辺可視光量の変化に関連するだけでなく、着用者の頭部の位置及び/又は向きの変化にも関連すると考えることができる。
【0096】
いくつかの例では、取得された動きデータに基づいて、処理回路(301、302)によって着用者の頭部の位置及び/又は向きの時間的な変化が検出され、又は監視される。
【0097】
次の例では、着用者の頭部の特定の動きは、取得された動きデータに基づいて又は着用者の頭部の位置及び/又は向きの判定された時間的な変化に基づいて、処理回路(301、302)によって特定される(ID MVT(S4))。
【0098】
特定の動きの例には、垂直軸又は水平軸などの所与の軸に沿った特定の線形動きが含まれ得る。
【0099】
特定の線形動きには、所定の距離を超える線形動き、又は所定の速度を超える線形動き、又は所定の加速度を超える線形動きが含まれ得る。
【0100】
一例では、特定の動きは、特定の速度又は加速度プロファイル若しくは値を有する特定の方向における着用者の頭部の動きに対応し得る。
【0101】
特定の動きの例には、垂直軸又は水平軸などの所与の軸の周りの特定の回転動きが含まれ得る。
【0102】
特定の回転動きには、所定の角度を超える回転動き、又は所定の角速度を超える回転動き、又は所定の回転加速度を超える回転動きが含まれ得る。
【0103】
特定の動きの例には、着用者の頭部の位置と向きとの同時変化に対応する、回転動きと線形動きとの組み合わせが含まれ得る。
【0104】
特定の動きの例には、着用者の頭部の位置及び/又は向きの一連の連続的な変化に対応する、上記で特定された一連の動きが含まれ得る。
【0105】
特定の動きの様々な例は、動きデータベースに記憶することができ、様々な状況に対応することができる。
【0106】
一例として、特定の動きは、着用者が運転していて、頭部をサイドミラーに向かって一時的に横向きにしてから戻ることに対応する、前後の動きであり得る。
【0107】
一例として、特定の動きは、ゴルフをしている間、又はテニスをしている間など、着用者が地面に向かって屈むことに対応する下向きの動きであり得る。
【0108】
いくつかの例では、光データ及び/又は動きデータに基づいて、処理回路(301、302)によってルールセットが選択され得る(SLC RULE SET(S5))。ルールセットは、複数の所定のルールセットの中から選択される。次いで、選択された規則セットを使用して、眼鏡レンズ(101、102)の透過率を駆動するための駆動関数を判定する。言い換えれば、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、異なる可能な駆動関数に基づいて駆動されてもよく、各可能な駆動関数は、対応する規則セットに基づいて判定される。
【0109】
ルールセットの選択は、光データ、動きデータ、活動データ、及び内部クロックによって提供される時間データ又は遠隔サーバからダウンロードされる気象データなど処理回路(301、302)に利用可能であり得る任意の他のデータ、のうちの一つ以上に依存する、少なくとも一つのプリセット条件に基づいてトリガされ得る。
【0110】
いくつかの例では、プリセット条件は、入射可視光量が変化するかどうかに対応し得る。それらの例では、ルールセットの選択は、所定のレベルを超える入射可視光量の経時的な変化の検出に基づいてトリガされる。実際、初期時点と現在時点との間で検出された入射可視光量の変化がない、又は少ない場合、現在時点において眼鏡レンズ(101、102)の透過率を修正する理由はなく、現在透過率値は、初期透過率値と等しいままであってもよい。逆に、初期時点と現在時点との間で検出された入射可視光量の変化が大きい場合、現在時点における現在透過率値が初期透過率値とは異なるように眼鏡レンズ(101、102)の透過率を駆動し、例えば、入射可視光量の変化を補償することが望ましい場合がある。
【0111】
いくつかの例では、プリセット条件は、処理回路(301、302)に対して利用可能なデータから推測され、現在の活動、現在の時間帯、現在の気象条件などに対応することができる。特に、着用者の現在の活動のタイプは、ルールセットの選択をトリガするために満たされるべき追加の条件を提供することができる。例えば、いくつかの明るい間隔を有する曇った天候の昼間の屋外活動の間、光度変化が予想され得るため、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、それに応じて、交互の晴れ及び曇りの間隔に適合するように駆動されてもよい。
【0112】
逆に、例えば夜間の運転中、周辺の光条件は実質的に一定のままであることが予想されるため、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、それに応じて、入射可視光量の一時的な実質的変化を無視するように駆動されてもよい。
【0113】
複数のルールセットを事前定義することができ、異なる状況に対応することができる。
【0114】
いくつかの例では、特定ルールセットが、着用者の頭部の所定の特定の動きに関連付けられ得る。それらの例では、特定ルールセットの選択は、動きデータに基づき、特に人の頭部の現在の動きが所定の特定の動きと一致するかどうかに基づく。例えば、スポーツ活動又は他の身体活動の間など、着用者の頭部の一時的及び頻繁な動きを検出すると、特定ルールセットが選択され、それによって、活動中に着用者に対して有害となり得る透過率変化を回避するために、眼鏡レンズ(101、102)の透過率が一定の値に維持される特定モードで眼鏡レンズ(101、102)を駆動させることができる。
【0115】
各々が所定の特定の動きに対応する複数の予想される動きデータは、データベース内で、対応する特定ルールセットに関連付けることができる。
【0116】
処理回路(301、302)によって現在取得されている動きデータは、予想される動きデータと比較され、一致が見いだされると、一致する動きデータに関連付けられた特定ルールセットが選択される。
【0117】
また、特定のデータセットを選択するために、動きデータと組み合わせて、追加のデータを考慮することができる。実際、いくつかの例では、各々が着用者の特定のタイプの活動に対応する複数の予想される活動データを、データベース内で、予想される動きデータのアレイ及び対応する特定ルールセットに関連付けることができる。したがって、活動データが活動データの予想されるタイプと一致するときはいつでも、処理回路(301、302)により現在取得されている動きデータは、活動データの予想されるタイプに関連付けられた予想される動きデータと比較され得る。一致が見いだされると、一致する動きデータ及び一致するタイプの活動データに関連付けられた特定ルールセットが選択され得る。
【0118】
着用者の頭部の現在の動きが、所定の特定の動きと一致しない場合、又は着用者の頭部が長期間にわたって実質的に動かない場合、デフォルトルールセットが選択されてもよく、それによって、眼鏡レンズ(101、102)を、例えば、感知された可視光量の経時的な変化を補償するために眼鏡レンズ(101、102)の透過率が適合され得る、デフォルトモードで駆動することができる。
【0119】
特定ルールセット又はデフォルトルールセットのいずれかである選択されたルールセットに基づいて、制御関数は、眼鏡レンズ(101、102)の透過率を駆動する観点から、処理回路(301、302)によって判定され得る。
【0120】
制御関数は、透過率を初期透過率値から到達すべき目標透過率値に駆動することができる方法を定義する。制御関数は、連続的又は離散的であってもよく、すなわち、透過率の異なる中間レベルを示唆する。制御関数は、初期透過率値から到達すべき目標透過率値まで透過率を駆動するためのタイムスパンを定義する遷移持続時間を指定することができる。
【0121】
いくつかの例では、到達すべき目標透過率値は、選択されたルールセットに基づいて、処理回路(301、302)によって判定され得る(DET TGT T(S6))。
【0122】
より具体的には、各ルールセットは、現在時点において測定された入射光量の関数として、到達すべき目標透過率値を判定するための第1のルールを含むことができる。
【0123】
第1のルールは、所与の特定ルールセットとデフォルトルールセットとの間で異なり得る。ルールセットは着用者の頭部の現在の動きに基づいて選択され得るため、判定された到達すべき目標透過率値は、例えば、動きが所定の特定の動きと一致するか否かで異なり得る。
【0124】
一例では、特定ルールセットの第1のルールは、特定モードにおいて到達すべき特定の目標透過率値がデフォルトモードにおける許容遷移値範囲の一部を定義する特定の境界値内に常に保たれるようなものであり得る。
【0125】
一例では、特定ルールセットの第1のルールは、特定モードにおいて到達すべき特定の目標透過率値が初期透過率値に等しくなるように設定されるようなものであり得る。
【0126】
一例では、デフォルトルールセットの第1のルールは、デフォルトモードにおいて到達すべきデフォルト目標透過率値が現在の感知された光量の関数であるようなものである得る。例えば、現在の感知された光量が初期に感知された光量よりも大きい場合、デフォルトモードにおいて到達すべきデフォルト目標透過率値は、初期透過率値よりも小さくなり、したがって、眼鏡レンズ(101、102)は、クリア状態からよりダーク状態にシフトすることになる。例えば、現在の感知された光量が初期の感知された光量よりも小さい場合、デフォルトモードにおいて到達すべきデフォルトの目標透過率値は、初期透過率値よりも大きくなり、したがって、眼鏡レンズ(101、102)は、ダーク状態からクリア状態にシフトすることになる。
【0127】
しかしながら、全てのルールセットのうちの第1のルールが異なる必要はない。実際、いくつかの例では、到達すべき目標透過率値が全ての特定モードに対して及びデフォルトモードに対して同じであり得るが、所与の特定ルールセット又はデフォルトルールセットが適用されるかどうかにかかわらず、駆動関数は依然として異なり得る。
【0128】
例えば、遷移持続時間は、選択されたルールセットに基づいて、処理回路(301、302)によって判定され得る(DET TGT DUR(S7))。より具体的には、各ルールセットは、初期透過率値と目標透過率値との間の遷移持続時間を定義する第2のルールを含むことができる。
【0129】
第2のルールは、所与の特定ルールセットとデフォルトルールセットとの間で異なり得る。ルールセットは着用者の頭部の現在の動きに基づいて選択され得るため、例えば、動きが所定の特定の動きと一致するかどうかにかかわらず、判定された遷移持続時間は異なり得る。
【0130】
いくつかの例では、特定ルールセットの第2のルールは、対応する特定モードにおいて遷移持続時間がはるかに長く、デフォルトモードにおいて遷移持続時間よりも2倍又は10倍、より長くなるようにするようなものであり得る。
【0131】
そのような例では、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、着用者を混乱させ得る顕著な透過率の変化を最小限に抑えるために、着用者が特定の頭部の動きをするときはいつでも、周辺光の変化にゆっくりと適合することができる。更に、デフォルトモードでは、したがって着用者が特定の頭部の動きをしていないときはいつでも、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、着用者の快適さを最適化するために、周辺光の変化に可能な限り速く適合することができる。
【0132】
次いで、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、取得された光データ及び取得された動きデータに基づいて、処理回路によって駆動される(DRIV T(S8))。
【0133】
例えば、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、判定された制御関数に従って駆動され得る。
【0134】
このように、光データが初期時点と現在時点との間の光変化を示し、且つ着用者の頭部が所定の動きを行っていることを動きデータが示す場合、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、特定モードに従って駆動され得る。
【0135】
逆に、光データが初期時点と現在時点との間の光変化を示し、且つ着用者の頭部が所定の動きを行っていることを動きデータが示さない場合、眼鏡レンズ(101、102)の透過率は、デフォルトモードに従って駆動され得る。
【0136】
少なくとも1つの特定モードとデフォルトモードとの組み合わせにより、感知された光量が周辺光条件における実際の経時的な変化ではなく着用者の頭部の動きの結果として進展するときはいつでも望ましくない透過率変化を提供することなく、周辺光条件が経時的に進展するときはいつでも透過率の自動的な変化の利益を提供するように、処理回路(301、302)が眼鏡レンズ(101、102)の透過率を制御することを可能にする。
【符号の説明】
【0137】
101 眼鏡レンズ、可変透過率眼科用レンズ
102 眼鏡レンズ、可変透過率眼科用レンズ
200 光センサ
301 制御回路
302 処理回路
400 動きセンサ
500 電源
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が着用することを意図した眼鏡デバイスであって、少なくとも、
- 可変透過率眼科用レンズと
- 前記着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサと
- 前記光センサから少なくとも光データを受信し、且つ前記光データに基づいて前記眼科用レンズの透過率を駆動するように構成された制御回路と
を備え、
前記制御回路が、動きデータに更に基づいて前記眼科用レンズの透過率を駆動するように構成され、前記動きデータが、前記着用者の頭部の動きの推定から導出される、眼鏡デバイス。
【請求項2】
前記制御回路(が、前記受信した光データに基づいて前記着用者の頭部の前記動きを推定することによって前記動きデータを取得するように更に構成されている、請求項1に記載の眼鏡デバイス。
【請求項3】
- 前記眼鏡デバイスが、前記着用者の頭部の動きを感知するように構成された動きセンサを更に備え、
- 前記制御回路が、前記動きセンサから、前記動きセンサによって感知された前記着用者の頭部の前記動きを示す前記動きデータを受信することによって、前記動きデータを取得するように更に構成されている、請求項1に記載の眼鏡デバイス。
【請求項4】
- 前記眼鏡デバイスが、追加の動きセンサを更に備え、前記制御回路が、前記追加の動きセンサから追加の動きデータを受信し、且つ前記動きデータ及び前記追加の動きデータの両方に基づいて、前記着用者の前記頭部の特徴的な動きを検出するように更に構成されている、請求項3に記載の眼鏡デバイス。
【請求項5】
前記眼科用レンズの前記透過率が初期透過率値に等しく、前記制御回路が、
- 前記動きデータに基づいて、感知された前記着用者の頭部の動きが所定の動きと一致するかどうかを判定し、次いで、
- 一致しないと判定した場合、第1のルールセットに従って前記光データに基づいて前記レンズが到達すべき第1の透過率値を定義する第1の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動し、それによって前記制御回路をデフォルトモードで動作させ、
- 一致すると判定した場合、第2のルールセットに従って前記レンズが到達すべき第2の透過率値を定義する第2の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動し、それによって前記制御回路を特定モードで動作させる、
ように構成され、
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットとは異なり、
到達すべき前記第1及び第2の透過率値が、両方とも前記初期透過率値とは異なる、請求項に記載の眼鏡デバイス。
【請求項6】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第1のルールセットの第1のルールに従って測定された前記光量の関数として判定され、
- 前記第2の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、
前記第1のルールセットの前記第1のルールが、前記第1の制御関数の前記目標透過率値が前記第2の制御関数の前記目標透過率値とは異なるように、前記第2のルールセットの前記第1のルールとは異なる、請求項5に記載の眼鏡デバイス。
【請求項7】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、第1の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第1の遷移関数が、前記目標透過率値に到達するための第1の遷移持続時間を定義し、
- 前記第2の制御関数が、第2の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第2の遷移関数が、第2の遷移持続時間を定義し、
前記第1の遷移持続時間が、前記第2の遷移持続時間とは異なる、請求項に記載の眼鏡デバイス。
【請求項8】
前記第2の制御関数が、前記第2の制御関数に従って前記レンズの前記透過率を駆動することが、前記レンズの前記透過率を前記初期透過率値から変化しないまま維持することに対応するように、定数関数である、請求項に記載の眼鏡デバイス。
【請求項9】
可変透過率眼科用レンズの透過率を駆動するための方法であって、制御回路によって実施され、且つ
- 着用者の環境における光量を測定するように構成された光センサから、前記光センサからの少なくとも光データを受信することと
- 前記光データに基づいて、更に動きデータに基づいて、前記眼科用レンズの前記透過率を駆動することであって、前記動きデータが前記着用者の頭部の動きの推定から導出される、ことと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記眼科用レンズの前記透過率が初期透過率値に等しく、前記方法が、
- 前記動きデータに基づいて検出された前記着用者の特徴的な動きを検出しない場合、第1のルールセットに従って前記光データに基づいて前記可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第1の制御関数を判定し、それによって前記制御回路をデフォルトモードで動作させることと、
- 前記動きデータに基づいて前記着用者の前記頭部の特徴的な動きを検出すると、第2のルールセットに従って前記可変透過率眼科用レンズが到達すべき透過率値を定義する第2の制御関数を判定し、それによって前記制御回路を特定モードで動作させることと、
を更に含み、
前記第2のルールセットが、前記第1のルールセットとは異なり、
到達すべき第1及び第2の透過率値が、両方とも前記初期透過率値とは異なる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 周辺光センサによって提供される情報に基づいて測定された前記光量の変化を検出すると、前記第1の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第1のルールセットの第1のルールに従って測定された前記光量の関数として判定され、
- 前記第2の制御関数が、初期透過率値と目標透過率値との間で変化し、到達すべき前記目標透過率値が、前記第2のルールセットの第1のルールに従って測定された照度の関数として判定され、前記第2のルールセットの前記第1のルールが、前記第1の制御関数の前記目標透過率値が前記第2の制御関数の前記目標透過率値とは異なるように、前記第2のルールセットの前記第1のルールとは異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光センサによって測定された前記光量の変化の検出時に、
- 前記第1の制御関数が、第1の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第1の遷移関数が定義し、
- 前記第2の制御関数が、第2の遷移関数に従って前記初期透過率値と前記目標透過率値との間で変化し、前記第2の遷移関数が第2の遷移持続時間を定義し、前記第1の遷移持続時間が前記第2の遷移持続時間とは異なる、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の関数が、前記光量の変化が検出されている間に特定の頭部の動きが検出されたときに前記初期透過率値が変化しないままであるように、定数関数である、請求項に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサによって実行されると、請求項に記載の方法を実施する一連の命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶している、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】