(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】ミクロフィブリル化セルロースを含むウェブの脱水方法及び脱水されたウェブから製造されたフィルム
(51)【国際特許分類】
D21H 11/18 20060101AFI20230718BHJP
D21H 15/02 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
D21H11/18
D21H15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579683
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 IB2021055592
(87)【国際公開番号】W WO2021260608
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスカネン, イスト
(72)【発明者】
【氏名】バックフォルク, カイ
(72)【発明者】
【氏名】カンクネン, ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】カウッピ, アンナ
(72)【発明者】
【氏名】イェルペ, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】コルヴェニエミ, ユハ
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055AF09
4L055AF46
4L055CE78
4L055CE80
4L055EA03
4L055EA12
(57)【要約】
本発明は、ミクロフィブリル化セルロースを含むウェブを脱水するための方法であって、総乾燥重量に基づいて50重量%~100重量%のミクロフィブリル化セルロースを含む懸濁液を提供する工程と、支持体上に前記懸濁液の繊維ウェブを形成する工程であって、前記ウェブが1~25重量%の乾燥含有量を有する、工程と、脱水フェルトを適用して繊維ウェブと直接接触させる工程と、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記繊維ウェブを、少なくとも1つのシュープレス装置を通して導く工程と、ASTM D-3985に従って、100cc/m2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有するフィルムを形成するために、脱水されたウェブを乾燥させる工程と、を含む、方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロフィブリル化セルロースを含むウェブを脱水するための方法であって、
全乾燥重量に基づいて50重量%~100重量%のミクロフィブリル化セルロースを含む懸濁液を提供する工程と、
支持体上に前記懸濁液の繊維ウェブを形成する工程であって、前記ウェブが1~25重量%の乾燥含有量を有する、工程と、
脱水フェルトを繊維ウェブと直接接触するように適用する工程と、
前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記繊維ウェブを、少なくとも150m/分の速度で少なくとも1つのシュープレス装置を通して導く工程であって、少なくとも1つのシュープレス装置内の線形負荷が250~1500kN/mの間である、工程と、
ASTM D-3985に従って、100cc/m
2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有するフィルムを形成するために、脱水されたウェブを乾燥させる工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのシュープレス装置が、少なくとも150mmのニップ長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのシュープレス装置内の線形負荷が、ニップ内の繊維ウェブの処理中に変更される、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された繊維ウェブが、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれる前に、少なくとも1つのプレスロール装置を通って導かれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つのシュープレス装置が使用され、少なくとも2つのシュープレス装置が互いの後に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つのシュープレスが、前記繊維ウェブの異なる側に配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つのシュープレス装置の全ニップ長が、少なくとも350mmである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
繊維ウェブが、シュープレス装置を通って導かれた後、平滑化ロール装置を通って導かれる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
支持体が、金属支持体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
繊維ウェブが、キャストコーティングによって形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
支持体が多孔質ワイヤである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
繊維ウェブが、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれた後、25~45重量%の乾燥含有量を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
繊維ウェブが、ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクロフィブリル化セルロースを含む繊維ウェブを脱水する方法及び脱水されたウェブから製造されたミクロフィブリル化セルロースを含むフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
多量のミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含むフィルムは、良好な強度、耐オイル性及び耐グリース性並びに酸素バリア特性を有することが知られている。しかしながら、フィルムを高い製造速度で製造し、必要なバリア特性を達成することは容易ではない。
【0003】
ミクロフィブリル化セルロースの特徴的な特性のために、フィルムを高速で脱水及び製造することは特に困難である。例えばバリアとしてMFCフィルムを使用する場合、バリア特性に悪影響を及ぼすピンホール又は他の欠陥をフィルムが有さないことが重要である。したがって、MFC膜の表面に欠陥がないことが重要である。
【0004】
湿式技術は、MFCフィルムの製造、すなわちワイヤ上の前記MFCを含む組成の脱水に使用することができる。しかしながら、良好なバリア特性を有するMFCフィルムを、ウェットレイド法により高い生産速度で製造することは困難である。フィルムのバリア特性及び光学特性に悪影響を及ぼすワイヤマークを得ることは容易である。さらに、ワイヤを使用する場合、組成中に存在する小さなフィブリルの良好な保持を得ることは困難である。
【0005】
フィルムキャスティング法、すなわちプラスチック又は金属表面上に懸濁液をキャスティングし、次いで懸濁液をゆっくり乾燥させてフィルムを形成することを使用することによって、滑らかなMFCフィルムを作製することが可能である。キャスティング法は、良好なバリア特性を有する非常に滑らかな表面を有するMFCフィルムを製造することが示されている。しかしながら、この方法は、商業規模での製造には遅すぎ、非効率的である。
【0006】
したがって、ミクロフィブリル化セルロースを含む懸濁液を脱水し、良好なバリア特性を有するMFCフィルムを高い製造速度で製造する新しい方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、フィルムのバリア特性に悪影響を及ぼすことなく効率的な方法でミクロフィブリル化セルロースを含むフィルムを脱水及び製造する方法であって、先行技術の方法の欠点の少なくともいくつかをさらに排除又は緩和する方法を提供することである。
【0008】
本発明は、添付の独立請求項によって定義される。実施形態は、添付の従属請求項及び以下の説明に記載されている。
【0009】
本発明は、ミクロフィブリル化セルロースを含むウェブを脱水するための方法であって、総乾燥重量に基づいて50重量%~100重量%のミクロフィブリル化セルロースを含む懸濁液を提供する工程と、支持体上に前記懸濁液の繊維ウェブを形成する工程であって、前記ウェブが1~25重量%の乾燥含有量を有する、工程と、脱水フェルトを繊維ウェブの少なくとも1つの側面と直接接触するように適用する工程と、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記繊維ウェブを導く工程と、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記繊維ウェブを、少なくとも1つのシュープレス装置を通して導く工程と、脱水されたウェブを乾燥させて、ASTM D-3985に従って100cc/m2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有するフィルムを形成する工程とを含む、方法に関する。
【0010】
脱水されたウェブ、すなわちフィルムを形成するために少なくとも1つのシュープレス装置を通して行われる繊維ウェブの乾燥は、好ましくは任意の既知の方法によって行われる。
【0011】
大量のミクロフィブリル化セルロースを含むウェブをシュープレス装置内で脱水することが可能であることが分かった。驚くべきことに、他のプレス装置と比較してシュープレス装置を使用することにより、拡張されたニップを有するプレス装置と比較しても、フィルムのバリア特性を破壊することなくフィルムの脱水を改善することが可能になることが見出された。
【0012】
少なくとも1つのシュープレス装置は、好ましくは、少なくとも150mm、好ましくは150~350mmのニップ長を有する。
【0013】
少なくとも1つのシュープレス装置における線形負荷は、250~1500kN/mである。シュープレス装置で使用される線形負荷は、シュープレス装置における繊維ウェブの処理中に変更されることが好ましい。シュープレス装置、すなわちシュープレスニップにおける線形負荷を徐々に又は段階的に増加させることによって、ウェブの脱水が改善され、すなわちバリア特性を破壊することなく、より高い乾燥含有量を有するウェブを製造することができる。ニップにおける処理中のパルスで線形負荷を増加させること、すなわち、線形負荷を、シュープレス装置における繊維ウェブの処理中の少なくとも1つのパルスで少なくとも1回増加させることも可能である。
【0014】
前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列さfれた繊維ウェブは、好ましくは、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれる前に、少なくとも1つのプレス装置を通って導かれる。このようにして、繊維ウェブの脱水は、少なくとも1つのプレス装置を通して繊維ウェブを導くことによって最初に行われる。
【0015】
少なくとも2つのシュープレス装置が使用され、少なくとも2つのシュープレス装置が互いの後に配置されることが好ましい場合がある。次いで、繊維ウェブは、最初に第1のシュープレス装置を通って導かれ、次に第2のシュープレス装置を通って導かれる。このようにして、繊維ウェブの脱水をさらに改善することが可能であり、依然として良好なバリア特性を有するフィルムを製造することができることが分かった。第1のシュープレス装置で使用されるニップ圧力は、第2のシュープレス装置で使用されるニップ圧力よりも低いことが好ましい。シュープレス装置の少なくとも2つのシュープレスは、好ましくは、前記繊維ウェブの異なる側に配置される。このようにして、繊維ウェブを通して両方向からウェブを脱水することが可能である。複数のシュープレス装置が使用される場合、全ニップ長、すなわちシュープレスのニップ長の合計は、350mmを超える、好ましくは400mmを超える、さらにより好ましくは450mmを超えることが好ましい。
【0016】
繊維ウェブは、好ましくは、シュープレス装置を通って導かれた後、少なくとも1つの平滑化ロール装置を通って導かれる。繊維ウェブは、乾燥前に平滑化ロール装置を通って導かれることが好ましい。
【0017】
支持体は、好ましくは金属支持体である。金属支持体は、ウェブが支持体に適用される前に30~150℃の温度に加熱されることが好ましい。繊維ウェブは、好ましくはキャストコーティングによって形成される。
【0018】
支持体は、多孔質ワイヤであってもよい。したがって、支持体として抄紙機又は板紙抄紙機にワイヤを使用し、したがって脱水し、その結果、フィルムを抄紙機又は板紙抄紙機で製造することが可能である。
【0019】
繊維ウェブは、好ましくは、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれた後、25~45重量%の乾燥含有量を有する。
【0020】
ウェブは、好ましくは、少なくとも150m/分の速度でシュープレス装置を通って導かれる。したがって、ウェブを高速で脱水することが可能であり、依然として乾燥含有量が高いウェブを製造して、非常に良好なバリア特性を有するフィルムを製造することができる。
【0021】
繊維ウェブは、好ましくは、ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層、すなわち2つ以上の繊維ウェブを含む。このようにして、ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む多層フィルムが形成される。ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む繊維ウェブは、ミクロフィブリル化セルロースの少なくとも2つの懸濁液を支持体に供することによって形成される。少なくとも2つの懸濁液は、マルチプライヘッドボックス内で、又は2つの異なるヘッドボックスの使用によって、支持体に追加されてもよい。ミクロフィブリル化セルロースを含む少なくとも2つの懸濁液を前記支持体に適用し、第1の懸濁液を支持体に適用し、すなわち前記支持体と直接接触させ、他の懸濁液を適用した第1の懸濁液に適用する。このようにして、多重繊維ウェブが形成される。脱水フェルトは、その後、多重繊維ウェブ上に塗布され、その後、シュープレス装置を介して導かれる。
【0022】
支持体、例えばワイヤ上に形成した後に2つ以上の繊維ウェブを一緒に取り付けて多層フィルムを形成すること、すなわち、第1の繊維ウェブを第1のヘッドボックスから第1の支持体上に形成し、第2の繊維ウェブを第2のヘッドボックスから第2の支持体上に形成することも可能であり得る。その後、第1及び第2の繊維ウェブは互いに付着して、多重繊維ウェブを形成する。脱水フェルトは、多重繊維ウェブの少なくとも1つの面と直接接触するように適用され、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記多重繊維は、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれる。したがって、2つ、3つ又はそれ以上のヘッドボックス及び支持体を使用することによって多重繊維ウェブを製造し、次いで、製造された繊維ウェブを互いに付着させ、2つ以上の繊維ウェブを含む多重繊維ウェブをシュープレス装置に通して多層フィルムを製造することが可能である。
【0023】
上記の方法に従って製造されたフィルムは、好ましくは100gsm未満、好ましくは18~100gsm、さらにより好ましくは20~80gsmの坪量及び700kg/cm3を超える密度を有する。フィルムは、好ましくは、ASTM D-3985による100cc/m2/24h未満、好ましくは80未満、又はさらにより好ましくは60cc/m2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有する。その結果、高い製造速度で非常に良好な酸素バリア特性を有する、大量のMFCを含む薄い高密度フィルムを製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
驚くべきことに、ウェブと直接接触するように脱水フェルトを適用し、続いて少なくとも1つのシュープレス装置を通してウェブを導くことによって、改善された方法でMFCを含むウェブを脱水することが可能であることが分かった。脱水フェルトは、繊維ウェブの少なくとも1つの側面と直接接触するように適用され、前記繊維ウェブは、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列され、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれる。本発明による方法により、ウェブを高速で脱水することが可能であり、さらに、脱水された繊維ウェブから良好なバリア特性を有するフィルムを製造することが可能である。多量のMFCを含むウェブの脱水は、良好なバリア特性を有するフィルムを製造するための、すなわち製品のバリア特性に悪影響を及ぼす少量のピンホール又は他の不規則性を有する製品を製造するための最も困難なプロセス工程の1つである。したがって、不十分なバリア特性を回避するために、脱水が良好に行われることが重要である。したがって、バリア特性を低下させることなく、多量のミクロフィブリル化セルロースを含むウェブの脱水工程の生産速度を増加させることを可能にすることは非常に困難であった。少なくとも1つのシュープレス装置の使用は、大量のミクロフィブリル化セルロースを含む繊維ウェブを脱水するときに非常に適した脱水プロファイルを使用することを可能にすることが分かった。好ましくは線形負荷を急激に増加させる少なくとも1つの線形負荷インパルスを使用することによって、シュープレスのニップにおける線形負荷プロファイルを変更することができることが有利であることが分かった。
【0025】
生成されたフィルムは、ASTM D-3985に従って100cc/m2/24h未満、好ましくは80未満、又はさらにより好ましくは60cc/m2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有する。OTR値を、50%の相対湿度(RH)値で23℃において測定した。
【0026】
懸濁液は、総乾燥重量に基づいて50重量%~100重量%、好ましくは70重量%~100重量%のミクロフィブリル化セルロースを含む。したがって、脱水された繊維ウェブから製造されたフィルムは、大量のMFC、好ましくは70~100重量%のMFCを含み、これは最終的なコーティング層が添加される前のフィルム自体のMFCの量に関する。
【0027】
懸濁液は、好ましくは、150%を超える、より好ましくは200%を超える、又はさらにより好ましくは300%を超える、スカンジナビア試験方法SCAN-C 62:00で指定される保水値(WRV)を有する。WRV値を、105℃でのオーブン乾燥の前後に秤量した遠心分離懸濁液で測定して、WRVを%で表して決定した。
【0028】
脱水フェルトとは、浸透性であり、水を吸収することによって、又は水をフェルトを通して除去することを可能にすることによってウェブから水を除去することを可能にするフェルトを意味する。脱水フェルトは、今日、紙又は板紙ウェブを脱水するために使用されることが多い。任意の公知の脱水フェルトを使用することができる。微細な表面を有するフェルト、例えば、より微細な表面及びより粗い裏面を有する真空フェルトを使用することが好ましい。脱水フェルトは、シングルフェルト又はダブルフェルトとすることができる。
【0029】
2つ以上の脱水フェルト、好ましくは2つの脱水フェルトを使用することが好ましい場合がある。微粉がフェルトを貫通するのを防止する低坪量及び低透水性を有する第1の脱水フェルトと、高い吸収特性を有する第2の脱水フェルトとを使用することが好ましい。
【0030】
フェルト又はフェルトは、好ましくは、シュープレス装置を通って導かれ、脱水されたウェブから分離された後に洗浄され、脱水される。
【0031】
シュープレス装置とは、シュープレスニップを備えるプレス装置を意味する。任意の公知のシュープレス装置を使用することができる。シュープレスのニップは、シュープレスとロールとを用いて形成することもできるし、大直径のソフトロールとロールとを用いて形成することもできる。ロールは、好ましくは合成ベルトを有するが、金属ベルトを有することもできる。大径ソフトロールは、1.5~2メートルの直径を有することができる。
【0032】
少なくとも1つのシュープレス装置は、好ましくは、少なくとも150mm、好ましくは150~350mmのニップ長を有する。ニップ長は、好ましくは少なくとも200mm、好ましくは200から300mmの間である。
【0033】
少なくとも1つのシュープレス装置における線形負荷は、250~1500kN/mであり、すなわち、これは、シュープレス装置で使用される最大線形負荷である。少なくとも1つのシュープレス装置において使用される線形負荷は、シュープレス装置における繊維ウェブの処理中に変更されることが好ましい。シュープレス装置、すなわちシュープレスニップにおける線形負荷を徐々に又は段階的に増加させることによって、ウェブの脱水が改善され、すなわちバリア特性を破壊することなく、より高い乾燥含有量を有するウェブを製造することができる。ニップにおける処理中の衝撃で線形負荷を増加させること、すなわち、シュープレス装置における繊維ウェブの処理中の少なくとも1つの衝撃で線形負荷を少なくとも1回増加させることも可能である。シュープレス装置における処理中の少なくとも2つのインパルスにおける線形負荷を増加させることが可能であり得る。インパルスにおける線形負荷は、短時間の間に急激に増加し、その後、線形負荷は再び減少する。これは、シュープレスのニップにおける処理中に繰り返すことができる。2つ以上のシュープレス装置が使用される場合、両方のシュープレス装置において同じ線形負荷プロファイルを使用することが可能である。しかしながら、少なくとも2つのシュープレス装置において異なる線形負荷プロファイルを使用することがしばしば好ましい。このようにして、脱水されたフィルムのバリア特性を低下させることなく脱水が改善されるように線形負荷プロファイルを設計することが可能である。
【0034】
繊維ウェブに対するシュープレスの位置は、シュープレスの傾斜角を変更することによって変更することができる。少なくとも1つのシュープレスの傾斜角は、好ましくは7~24度である。傾斜角は、ピーク線形負荷に影響を及ぼし、フィルムの脱水効率を改善するために線形負荷を調整する方法である。
【0035】
ニップ時間が少なくとも30msである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。ニップ長及び製造速度に応じて、繊維材料がシュープレス装置内で圧力に供される時間は変化する。
【0036】
前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された繊維ウェブは、好ましくは、少なくとも1つのシュープレス装置を通って導かれる前に、少なくとも1つのプレスロール装置を通って導かれる。このようにして、繊維ウェブの脱水は、少なくとも1つのプレスロール装置を通して繊維ウェブを導くことによって最初に行われる。驚くべきことに、少なくとも1つのプレスロール装置と少なくとも1つのシュープレス装置との組み合わせは、繊維ウェブの脱水を改善することを可能にし、バリア特性を改善することを可能にすることが見出された。繊維ウェブを、互いに前後に配置された2つのプレスロール装置を通って、次いで少なくとも1つのシュープレス装置を通って導くことが好ましい場合がある。2つのプレスロール装置と1つのシュープレス装置との組み合わせは、繊維ウェブの脱水を改善するために非常に良好であることが分かった。少なくとも1つのプレスロール装置で使用される線形負荷は、好ましくは10~500kN/m、好ましくは10~300kN/mである。第1のプレスロール装置で使用されるニップ圧力と比較して、第2のプレスロール装置でより高いニップ圧力を使用することが好ましい。任意の既知のプレスロール装置を使用することができる。プレスロール装置では、好ましくは2つのプレスロールの間にプレスロールニップが形成される。
【0037】
少なくとも2つのシュープレス装置が使用され、少なくとも2つのシュープレス装置が互いの後に配置されることが好ましい場合がある。次いで、繊維ウェブは、最初に第1のシュープレス装置を通って導かれ、次に第2のシュープレス装置を通って導かれる。このようにして、繊維ウェブの脱水をさらに改善することが可能であり、依然として良好なバリア特性を有するフィルムを製造することができることが分かった。第1のシュープレス装置で使用されるニップ圧力は、第2のシュープレス装置で使用されるニップ圧力よりも低いことが好ましい。シュープレス装置の少なくとも2つのシュープレスは、好ましくは、前記繊維ウェブの異なる側に配置され、すなわち、第1のシュープレス装置の第1のシュープレスは、ウェブの第1の側に配置され、第2のシュープレス装置の第2のシュープレスは、ウェブの第2の側に配置される。このようにして、繊維ウェブを通して両方向からウェブを脱水することが可能である。複数のシュープレス装置が使用される場合、全ニップ長、すなわち各シュープレスのニップ長の合計は、350mmを超える、好ましくは400mmを超える、さらにより好ましくは450mmを超えることが好ましい。
【0038】
シュープレス装置の少なくとも2つのシュープレスの幾何学的設計は異なることが好ましく、例えば、1つのシュープレスは凹状設計を有することができ、1つのシュープレスは凸状設計を有することができる。
【0039】
繊維ウェブは、好ましくは、シュープレス装置を通って導かれた後、少なくとも1つの平滑化ロール装置を通って導かれる。繊維ウェブは、乾燥前に平滑化ロール装置を通って導かれることが好ましい。ウェブがシュープレス装置を通って導かれた後に少なくとも1つの平滑化ロール装置を使用することにより、ウェブの少なくとも片側の表面の平滑性が改善される。繊維ウェブのより滑らかな表面は、ウェブのバリア特性を改善する。平滑化ロール装置を使用することにより、ウェブのバリア特性を破壊することなく、より過酷な乾燥プロファイルをシュープレス装置で使用することができる。平滑化ロール装置は、少なくとも1つの平滑化ロールと1つの対向ロールとの間に平滑化ロールニップが形成されており、2つの平滑化ロールを用いて平滑化装置にニップを形成することが好ましい。
【0040】
形成された繊維ウェブは、繊維ウェブがシュープレス装置を通って導かれる支持体に適用される。均一な繊維ウェブが形成されるように支持体に懸濁液を塗布することが重要であり、これは繊維ウェブが可能な限り均一であり、可能な限り均一な厚さであることを意味する。
【0041】
繊維ウェブは、好ましくは、懸濁液をポリマー又は金属支持体にキャストコーティングすることによって形成される。驚くべきことに、本発明による脱水方法によって、支持体上のキャストコーティングされた懸濁液の脱水を増加させることが可能になることが見出された。したがって、本発明によれば、キャストコーティングを用いて、平滑で良好なバリア特性フィルムを高速で製造することができる。支持体は、好ましくは金属支持体であり、すなわち支持体は金属から作製される。ウェブが支持体に適用される前に、好ましくは30℃を超える、好ましくは30~150℃の間、好ましくは45~150℃の間、さらにより好ましくは60~100℃の間の温度に加熱された金属支持体。ベルトの温度を上昇させ、したがって適用されたウェブの温度を上昇させることによって、シュープレス装置におけるウェブの脱水の効率をさらに高めることが可能であることが分かった。
【0042】
支持体は、多孔質ワイヤ、好ましくは抄紙機又は板紙抄紙機のワイヤであってもよい。したがって、この方法を抄紙機又は板紙抄紙機のウェットエンドに適用することが可能である。抄紙機又は板紙抄紙機とは、紙、板紙、ティッシュ又は任意の同様の製品を製造するために使用される、当業者に知られている任意の種類の製紙機械を意味する。
【0043】
支持体はまた、紙又は板紙製品であってもよい。本発明により、本発明によるミクロフィブリル化セルロースを含む層を塗布することによって、多重紙又は板紙製品を製造することが可能である。
【0044】
シュープレス装置を通って導かれる前の繊維ウェブの乾燥含有量は、好ましくは15~30重量%である。
【0045】
少なくとも1つのシュープレス装置における脱水後の繊維ウェブの乾燥含有量は、好ましくは25~45重量%である。
【0046】
懸濁液のミクロフィブリル化セルロースは、好ましくはショッパーリグラー(SR)値が80を超え、好ましくは90を超え、さらにより好ましくは95を有する。その結果、懸濁液は、通常は脱水するのが非常に困難なファイングレードのMFC品質を含む。
【0047】
ウェブは、少なくとも150m/分、好ましくは200m/分超、さらにより好ましくは250m/分超の速度でシュープレス装置を通って導かれる。速度は、200~1000m/分であることが好ましい。本発明により、大量のMFCを含む繊維ウェブを脱水するための生産速度を高めることが可能であることが分かった。したがって、脱水は、良好なバリア特性を有するMFCフィルムを製造するための最も困難なプロセス工程であることが多いので、フィルム全体の製造速度も改善することができ、MFCフィルムをはるかに費用効率の高い方法で製造することを可能にする。
【0048】
繊維ウェブは、好ましくは、脱水フェルトが接触するように適用される前に加熱される。このようにして、繊維ウェブの温度及び固形分が増加し、繊維ウェブのその後の脱水をさらに改善する。増加した熱は、任意の既知の方法を使用して加えられてもよい。繊維ウェブは、好ましくは40℃超、好ましくは50~95℃の温度に加熱される。
【0049】
繊維ウェブは、好ましくは、ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む。このようにして、ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む多層フィルムが形成される。驚くべきことに、多層繊維ウェブを脱水するときに脱水フェルト及びシュープレス装置を使用すると、最終フィルムのバリア特性が改善されることが分かった。ミクロフィブリル化セルロースの2つ以上の層を含む繊維ウェブは、好ましくは、ミクロフィブリル化セルロースを含む少なくとも2つの懸濁液を支持体に供することによって形成される。少なくとも2つの懸濁液は、マルチプライヘッドボックス内で、又は2つの異なるヘッドボックスの使用によって、支持体に追加されてもよい。1つ又はいくつかのflexJetヘッドボックスを使用して多層化された繊維ウェブを作成することも可能であり得る。ミクロフィブリル化セルロースを含む少なくとも2つの懸濁液は、第1の懸濁液が支持体上に適用されるように、すなわち前記支持体と直接接触して適用された第1の懸濁液上に他の懸濁液が適用されるように、前記支持体に適用される。このようにして、多層繊維ウェブが形成される。その後、脱水フェルトは、多層繊維ウェブ上に塗布され、その後、脱水のためにシュープレス装置を通って導かれる。ミクロフィブリル化セルロースを含む少なくとも2つの懸濁液は、ミクロフィブリル化セルロースの同じタイプ、量、稠度などを含み得るか、又は少なくとも2つの懸濁液の異なるタイプ、量、稠度などが使用され得る。多層繊維ウェブは、2、3、4、5又はそれ以上の層を含んでもよい。
【0050】
本発明はさらに、フィルムを製造するための方法であって、総乾燥重量に基づいて50重量%~100重量%、好ましくは70重量%~100重量%のMFCを含むミクロフィブリル化セルロースを含む懸濁液を提供する工程と、前記懸濁液の繊維ウェブを形成する工程であって、前記ウェブが1~25重量%の乾燥含有量を有する、すなわち湿潤繊維ウェブが形成される、工程と、脱水フェルトを前記繊維ウェブと直接接触するように適用する工程と、前記脱水フェルトと前記支持体との間に配列された前記繊維ウェブを、シュープレス装置を通して導いて脱水されたウェブを形成する工程と、前記ウェブを乾燥させてフィルムを形成する工程とを含む、方法に関する。
【0051】
脱水された繊維ウェブは、好ましくは、シュープレス装置内での脱水後に25~45重量%の乾燥含有量を有する。形成された脱水されたウェブは、その後、フィルムを形成するためにさらに処理されてもよい。脱水されたウェブは、適切な乾燥含有量を有するために、任意の従来の方法で、例えば追加のプレス又は従来のシリンダー乾燥によって、真空を使用することによって、及び/又は熱風を使用することによって、乾燥又はさらに脱水され得る。フィルムは、好ましくは90%重量%超、好ましくは95重量%超の乾燥含有量を有する。例えばカレンダ加工によってフィルムを製造するために、当業者に公知の任意の方法で脱水されたウェブを処理することも可能であり得る。
【0052】
フィルムとは、良好なガス、芳香又はグリース又はオイルバリア特性、好ましくは酸素バリア特性を有する薄い基材を意味する。フィルムは、好ましくは100gsm未満、好ましくは18~100gsm、さらにより好ましくは20~80gsmの坪量及び700~1400kg/m3の範囲の密度を有する。23℃、相対湿度50%における坪量30g/m2のフィルムの酸素透過率(OTR)値は、ASTM D-3985に従って、好ましくは30cc/m2/24h未満である。
【0053】
フィルムは、規格ISO 5636/6に従って測定して、好ましくは10000s/100mlを超える、より好ましくは15000s/100mlを超える、さらにより好ましくは20000s/100mlを超える、最も好ましくは30000s/100mlを超えるガーリーヒル値を有する。
【0054】
フィルムは、規格ISO 16532に従って測定して、好ましくは8を超える、より好ましくは9を超える、さらにより好ましくは10を超えるKIT値を有する。KITは、フィルムのグリース抵抗の値である。
【0055】
MFCに加えて、フィルムはまた、より長いセルロース繊維、広葉樹繊維又は針葉樹繊維、好ましくはクラフトパルプ針葉樹繊維を含んでもよい。フィルムは、90を超えるSR値を有するMFCと、60~90の間のSR値を有するより粗いMFCグレードとの混合物を含むことが好ましい場合がある。フィルムはまた、顔料、カルボキシメチルセルロース(CMC)、保持化学物質、デンプンなどの他の添加剤を含んでもよい。フィルムは、粘土、好ましくはベントナイトなどの鉱物を含んでもよい。フィルムは、10~50重量%のベントナイトを含むことが好ましい場合がある。フィルムのベントナイト含有量を増加させることにより、ウェブの乾燥含有量を増加させることが可能であることが分かった。
【0056】
本発明により、好ましくは100gsm未満の坪量及び700kg/cm3を超える密度を有するミクロフィブリル化セルロースを含むフィルムを製造することが可能である。フィルムは、好ましくは、ASTM D-3985に従って100cc/m2/24h未満、より好ましくは80cc/m2/24h未満、さらにより好ましくはASTM D-3985に従って60cc/m2/24h未満の酸素透過率(OTR)値(23℃、50%RH)を有する。本発明によるフィルムは、好ましくは、高密度、高平滑性及び良好なバリア特性を有する薄い半透明又は透明フィルムである。
【0057】
ミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、特許出願の文脈において、1000nm未満の少なくとも一次元を有するナノスケールのセルロース粒子繊維又はフィブリルを意味するものとする。MFCは、部分的又は全体的にフィブリル化したセルロース又はリグノセルロース繊維を含む。遊離したフィブリルは1000nm未満の直径を有するが、実際のフィブリルの直径又は粒径分布及び/又はアスペクト比(長さ/幅)は供給源及び製造方法に依存する。最小のフィブリルは、基本フィブリルと呼ばれ、約2~4nmの直径を有する(例えば、Chinga-Carrasco,G.,Cellulose fibres,nanofibrils and microfibrils,:The morphological sequence of MFC components from plant physiology and fibre technology point of view,Nanoscale research letters 2011,6:417を参照されたい)が、ミクロフィブリルとしても定義される(Fengel,D.,Ultrastructural behavior of cell wall polysaccharides,Tappi J.,March 1970,Vol 53,No.3.)基本フィブリルの凝集形態は、例えば、拡張精製プロセス又は圧力降下分解プロセスを使用することによって、MFCを製造するときに得られる主生成物であることが一般的である。供給源及び製造プロセスに応じて、フィブリルの長さは、約1マイクロメートルから10マイクロメートル超まで変化し得る。粗MFCグレードは、フィブリル化繊維、すなわち仮道管から突出したフィブリル(セルロース繊維)のかなりの割合を含み、一定量のフィブリルが仮道管から遊離している(セルロース繊維)。
【0058】
MFCには、セルロースミクロフィブリル、フィブリル化セルロース、ナノセルロース、ナノフィブリル化セルロース、フィブリル凝集体、ナノスケールセルロースフィブリル、セルロースナノファイバー、セルロースナノフィブリル、セルロースマイクロファイバー、セルロースフィブリル、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル凝集体及びセルロースミクロフィブリル凝集体などの異なる頭字語がある。MFCはまた、水に分散したときに低固形分(1~5重量%)でゲル状材料を形成する大きな表面積又はその能力などの様々な物理的又は物理化学的特性を特徴とすることができる。セルロース繊維は、形成されたMFCの最終比表面積が、BET法を用いて凍結乾燥材料について決定された場合、約1~約200m2/g、又はより好ましくは50~200m2/gとなる程度までフィブリル化されることが好ましい。
【0059】
MFCを作製するための様々な方法、例えば、シングルパス又はマルチパス精製、予備加水分解、その後の精製又は高剪断崩壊又はフィブリルの遊離などが存在する。MFC製造をエネルギー効率と持続可能なものの両方にするためには、通常、1つ又は複数の前処理工程が必要である。したがって、供給されるパルプのセルロース繊維は、例えば繊維を加水分解若しくは膨潤させるため、又はヘミセルロース若しくはリグニンの量を減少させるために、酵素的又は化学的に前処理され得る。セルロース繊維は、フィブリル化の前に化学的に修飾されてもよく、セルロース分子は、元のセルロースに見られる以外の(又はそれ以上の)官能基を含む。そのような基としては、とりわけ、カルボキシメチル(CMC)、アルデヒド及び/又はカルボキシル基(N-オキシル媒介酸化によって得られるセルロース、例えば「TEMPO」)、又は第四級アンモニウム(カチオン性セルロース)が挙げられる。上記の方法の1つで修飾又は酸化された後、繊維をMFC又はナノフィブリルサイズ又はNFCに分解することがより容易である。
【0060】
ナノフィブリルセルロースは、いくつかのヘミセルロースを含み得る。量は植物源に依存する。前処理された繊維、例えば加水分解された、予め膨潤された、又は酸化されたセルロース原料の機械的崩壊は、リファイナ、グラインダ、ホモジナイザ、コロイダ、摩擦グラインダ、超音波ソニケータ、マイクロフルイダイザ、マクロフルイダイザ又はフルイダイザ型ホモジナイザなどのフルイダイザなどの適切な装置を用いて行われる。MFC製造方法に応じて、製品はまた、微粉、又はナノ結晶セルロース、又は例えば木材繊維又は製紙プロセスに存在する他の化学物質を含有し得る。生成物はまた、効率的にフィブリル化されていない様々な量のミクロンサイズの繊維粒子を含有し得る。
【0061】
MFCは、広葉樹繊維又は針葉樹繊維の両方からの木材セルロース繊維から製造される。それはまた、微生物源、農業繊維、例えば麦わらパルプ、竹、バガス、又は他の非木材繊維源から作製することもできる。これは、好ましくは、未使用繊維からのパルプ、例えば機械パルプ、化学パルプ及び/又は熱機械パルプを含むパルプから製造される。それはまた、破れた紙又は再生紙から作製することもできる。
【0062】
本発明によるMFCフィルムは、穀類などの乾燥食品を包装するときの箱入りバッグとして、包装基材として、紙、板紙又はプラスチックのラミネート材料として、及び/又は使い捨て電子機器用の基材として使用することができる。
【0063】
本発明の上記の詳細な説明を考慮すると、他の修正及び変形が当業者には明らかになるであろう。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、そのような他の修正及び変形が行われ得ることは明らかである。
【国際調査報告】