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特表2023-531700カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法
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  • 特表-カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法 図1
  • 特表-カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法 図2
  • 特表-カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法 図3
  • 特表-カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法 図4
  • 特表-カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】カウンタツール、超音波溶接機、及びシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20230718BHJP
   B23K 20/10 20060101ALI20230718BHJP
   B65B 51/22 20060101ALI20230718BHJP
   B65B 51/14 20060101ALI20230718BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B29C65/08
B23K20/10
B65B51/22 100
B65B51/14
B65B51/10 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579726
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2021067074
(87)【国際公開番号】W WO2022002706
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102020117463.2
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520062177
【氏名又は名称】ヘルマン ウルトラシャルテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ルンク
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン プフロマー
【テーマコード(参考)】
3E094
4E167
4F211
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094BA20
3E094CA06
3E094CA22
3E094DA05
3E094GA13
3E094HA05
3E094HA08
4E167AA22
4E167BE07
4E167DC02
4F211AA11
4F211AG07
4F211AH54
4F211TA01
4F211TC03
4F211TC17
4F211TD11
4F211TN23
4F211TQ05
4F211TQ13
(57)【要約】
本発明は、処理対象の材料と接触することを意図した2つの別々の密封面を備える、超音波溶接機用のカウンタツールにおいて、カウンタツールが、2つの部分で形成されており、カウンタツールの2つの部分が互いに対して移動可能であり、2つの部分の各々が、2つの密封面の内の1つを備えることを特徴とする超音波溶接機用のカウンタツールに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波溶接機用のカウンタツールであって、前記カウンタツールが、処理対象の材料と接触することを意図した2つの別々の密封面を備える、超音波溶接機用のカウンタツールにおいて、
前記カウンタツールが2つの部分で形成されており、前記カウンタツールの前記2つの部分が互いに対して移動可能であり、前記2つの部分の各々が前記2つの密封面の内の1つを備えることを特徴とするカウンタツール。
【請求項2】
前記カウンタツールの前記2つの部分は、第1の位置において前記第1の密封面が前記第2の密封面を越えて突出しかつ第2の位置において前記第2の密封面が前記第1の密封面を越えて突出するように、互いに対して移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のカウンタツール。
【請求項3】
前記カウンタツールは、好ましくは前記2つの密封面の間に配置されている、偏向要素を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のカウンタツール。
【請求項4】
前記カウンタツールの前記第1の部分は、突出部分を有しかつ前記第1の密封面を有する前面を備え、
前記カウンタツールの第2の部分は、前記カウンタツールの第1の部分の前記突出部分上に位置していないが、前記前面に対して移動可能であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のカウンタツール。
【請求項5】
前記カウンタツールの2つの密封面の一方、好ましくは前記第1の密封面は、非構造化表面を有する細長いシール外形を有し、前記カウンタツールの前記2つの密封面の他方、好ましくは前記第2の密封面は、構造化表面を有するシール外形を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のカウンタツール。
【請求項6】
超音波振動の状態に作動可能なソノトロードを有し、かつ、請求項1~5のいずれか一項に記載のカウンタツールを有する、超音波溶接機。
【請求項7】
前記ソノトロードは、平坦な、任意選択的には不連続な密封面を備え、前記密封面は2つの密封面部分を有し、前記2つの密封面部分は、各々、前記カウンタツールの密封面に対向して配置されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波溶接機。
【請求項8】
シール溶接部及び化粧品溶接部を製造するための方法において、
前記方法は、
A)請求項6~7のいずれか一項に記載の超溶接機を提供するステップと、
B)ソノトロードとカウンタツールの間に溶接対象の多層材料を配置するステップと、
C)前記カウンタツールの前記第1の密封面が前記カウンタツールの前記第2の密封面よりもソノトロードに近接して配置されているように、前記カウンタツールの前記2つの部分を配置するステップと、
D)前記溶接対象の多層材料が、前記ソノトロードの前記密封面及び前記カウンタツールの前記第1の密封面の両方と接触するように、前記ソノトロードと前記カウンタツールとを互いに対して移動させるステップであって、ステップD)の間及び/又は前記ステップD)の後に、前記ソノトロードは、超音波振動の状態に置かれるステップと、
E)前記溶接対象の多層材料が、前記ソノトロードの前記密封面及び前記カウンタツールの前記第2の密封面の両方と接触するように、前記カウンタツールの前記第2の部分を前記カウンタツールの前記第1の部分に対して移動させるステップであって、ステップE)の間及び/又は前記ステップE)の後に、前記ソノトロードは、超音波振動の状態に置かれるステップとを備える、方法。
【請求項9】
前記ステップE)において、前記移動は、前記カウンタツールの前記第1の密封面が、前記溶接対象の多層材料と接触しないように行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶接対象の多層材料は、前記ステップD)及び/又は前記ステップE)の間において、前記多層材料の個々の層の相対的な移動が阻止されるように、保持装置によって保持されることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波溶接機用のカウンタツール、該カウンタツールを有する超音波溶接機、及び、超音波溶接機が使用するシール溶接部及び化粧溶接部の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装技術は常に変化している。最近、例えばポリプロピレンモノマテリアル(単一素材、monomaterial)から作られるリサイクル可能な直立式の袋(stand-up pouch)がより頻繁に使用されている。これらの袋は例えば湿った動物飼料の包装のために用いられる。この場合、概ね矩形に切断された材料からなる2つの層が共に溶接されてパッケージを形成する。
【0003】
2つの層の材料を接合するために、パッケージがきつく密封されることを保証することを目的としている、いわゆるシール溶接部が製造される。製品側とは反対を向いているシール溶接部の側には、その後、シール溶接部の一部ではない材料層の端部分が残る。これらの溶接されていない材料層の端部分は、美観及び他の理由から、パッケージの密封のために必要とされないこれらの構成要素も共に溶接されるようにすることは、望ましくない。いわゆる化粧溶接部は、シール溶接部のすぐ隣に付与され、パッケージの外観を改善するのに実質的に役立ち、破片、例えば製品残留物が、パッケージのまだ開いている部分に蓄積するのを阻止する。
【0004】
この材料は、支持層及び密封層を備えることが多い。特に直立式袋用の現代のリサイクル可能なモノマテリアルでは、支持層と密封層との間の溶融温度差が低く、従って、2つの層の材料を溶接する際に非常に高いレベルの処理信頼性を必要とする。したがって、溶接温度は、支持層への熱損傷を回避するために、可能な限り低く選択される。これにより、過剰な入熱に起因した袋の上端の不要な収縮を防ぐことができる。ただし、溶接部が再び開放する危険性が大幅に増す。
【0005】
多くの場合、溶接は熱シールのジョーを用いて材料に導入される。あるいは、溶接部は、超音波溶接機で製造することもできる。この目的のために、ソノトロードが超音波振動の状態で置かれて材料の層に押し付けられる前に、材料の層がソノトロードとカウンタツールとの間に配置されている。超音波加工の利点は、溶接処理に実際に必要な場所でのみ熱が発生することである。
【0006】
一般的に、シール溶接部及び化粧溶接部は、別々の溶接ステーションにおける2つの作業段階で材料に導入される。超音波溶接機を用いた単一の溶接ステーションにおいてパッケージへシール溶接部と化粧溶接部の両方を導入する初期の試みは、このケースでは信頼できるプロセス制御が実行できないために失敗している。ソノトロードとカウンタツールを溶接中にあまりにも少ない力で共に押すと、溶接後に化粧溶接部が再び開放する危険性がある。これを阻止するために、2つの層の材料の溶接処理中にソノトロードとカウンタツールが共に押圧される力を増さなければならず、これはシール溶接部への損傷につながる可能性がある。最適なシール溶接部のために力を低減させなければならず、また最適な化粧品溶接部のために力を増さなければならないという例があり、あるいは、その逆の場合もある。ただし、両方の要件を同時に満たすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上記の従来技術から出発して、本発明の目的は、超音波溶接機、カウンタツール、及び、シール溶接部及び化粧用溶接部の信頼性がありかつ簡単な製造を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、処理対象の材料と接触するために提供される2つの別々の密封面を有する、超音波溶接機用のカウンタツールによって達成される。一方の密封面はシール溶接部の製造のために設けられ、他方の密封面は化粧溶接部の製造のために設けられる。本発明によれば、カウンタツールは、2つの部分で形成されており、カウンタツールの2つの部分が互いに対して移動可能であり、2つの部分の各々は、2つの密封面の内の1つを備える。
【0009】
2つの部分の相対的な移動に起因して、その後、カウンタツールによって処理対象の材料に加えられる力は、2つの別々の密封面に対して独立して増加又は減少することができ、これは、上記の方法の処理信頼性を著しく高める。さらに、シール溶接部と化粧溶接部の溶接処理は、時間的に分離することができ、これにより、2つの別々の溶接処理の間に溶接品質を検証するための処理パラメータを評価することができるので、信頼性のあるプロセス制御が保証される。
【0010】
好ましい一実施形態では、2つの部分の内の少なくとも1つは駆動装置を備え、その駆動装置によって、一方の部分が他方の部分に対して移動可能である。特に好ましい実施形態では、2つの部分の一方のみが駆動装置を備え、この駆動装置によって、一方の部分を他方の部分に対して移動させることができ、この一方の部分は、他の部分に最良に取り付けられる。
【0011】
好ましい一実施形態では、カウンタツールの2つの部分は、第1の位置において第1の密封面が第2の密封面を越えて突出し、第2の位置において第2の密封面が第1の密封面を越えて突出するように、互いに対して移動可能であることが提供される。
【0012】
これによって、第1の密封面を介してのみ又は第2の密封面を介してのみ、溶接を行うことができることを保証しうる。
【0013】
さらに、カウンタツールは、超音波溶接ツール(ソノトロード)においてこの目的のために設けられたスロット内にパッケージを押し込む偏向要素を備えることができ、従って、溶接処理中にパッケージが滑るのを阻止する。このパッケージの固定は、シール溶接部のための確実にしっかりと再現可能な超音波溶接処理を保証するために必要となりうる。偏向要素は、2つの密封面の間に配置することができる。代替的に、パッケージの固定(締め付け)を、追加のクランプ装置によって密封ツールの真上で行うこともでき、従って、超音波溶接ツール(ソノトロード)における偏向要素及びスロットの使用を不要にする。化粧溶接部は緊密性の要求を持たないので、パッケージの固定なしに化粧溶接部の溶接を行うことができる。
【0014】
さらに、カウンタツールの第1の部分は、第1の密封面を備える突出部分を有する前面を備えることができ、カウンタツールの第2の部分は、カウンタツールの第1の部分の前面に位置決めされるが、突出部分には位置決めされず、前面に対して移動可能である。
【0015】
さらなる好ましい実施形態では、カウンタツールの第1の密封面が、非構造化表面を有する細長いシール外形であり、化粧溶接部を製造するために提供されるカウンタツールの第2の密封面は、構造化表面を有するシール外形を有することが提供される。この「非構造化表面(non-structured surface)」という用語は、表面が平滑であることを意味すると理解される。「構造化された表面(structured surface)」という用語は、当該表面が、表面から突出するか又は表面内に差し込まれて窪みを形成する複数の別々の又は互いに連結された構造要素を備えることを意味すると理解される。第1の密封面は、平坦としうる。ただし、第1の密封面は、凸状に湾曲しうる。例えば、第1の密封面は、1mm~5mmの半径を有するビードの形態としうる。
【0016】
超音波溶接機に関して、前述の目的は、超音波振動の状態に作動することができかつ上記のカウンタツールを備える、ソノトロードを有する超音波溶接機によって達成される。
【0017】
好ましい一実施形態では、ソノトロードは、2つの密封面部分を有する、平坦な、任意選択的には不連続な密封面を有し、これら2つの密封面部分の各々がカウンタツールの密封面に対向して配置されている。この点に関し、2つの密封面部分の内の一方の密封面部分は、密封溶接部を製造するために、カウンタツールの第1の密封面との相互作用のために設けられ、2つの密封面部分の内の他方の密封面部分は、化粧溶接部を製造するために、カウンタツールの第2の密封面との相互作用のために設けられる。
【0018】
さらなる好ましい実施形態では、ソノトロード内の2つの密封面部分の分離を省略しうる。
【0019】
本方法に関して、前記目的は、
A)請求項6~7のいずれかに記載の超溶接機を提供するステップと、
B)ソノトロードとカウンタツールの間に溶接対象の多層材料を配置するステップと、
C)前記カウンタツールの前記第1の密封面が前記カウンタツールの前記第2の密封面よりもソノトロードに近接して配置されているように、前記カウンタツールの前記2つの部分を配置するステップと、
D)溶接対象の多層材料が、ソノトロードの密封面及びカウンタツールの第1の密封面の両方と接触するように、ソノトロードとカウンタツールとを互いに対して移動させるステップであって、ステップD)の間及び/又はステップD)の後に、ソノトロードは、超音波振動の状態に置かれるステップと、
E)溶接対象の多層材料が、ソノトロードの密封面及びカウンタツールの第2の密封面の両方と接触するように、カウンタツールの第1の部分に対してカウンタツールの第2の部分を移動させるステップであって、
ステップE)の間及び/又はステップE)の後に、ソノトロードは、超音波振動の状態に置かれるステップとを備える、シール溶接部及び化粧用溶接部を製造する方法によって達成される。
【0020】
ステップE)において、カウンタツールの第1の密封面が溶接対象の多層材料と接触しないように移動が行われ得る。
【0021】
ソノトロードの作動は、移動のステップD)又はE)の間に既に起こり得る。しかしながら、ソノトロードの超音波の作動は、移動のステップD)又はE)が終了し、多層材料がソノトロード及びカウンタツールの第1又は第2の部分と接触する場合にのみ行われることも可能である。さらに、移動のステップD)又はE)の後に、例えば、20ミリ秒の休止段階を、ソノトロードが超音波振動で作動される前に提供しうる。
【0022】
さらに、ステップD)及び/又はE)の間において、多層材料の個々の層の相対的な移動が阻止されるように、溶接対象の多層材料が保持装置によって保持されると有利となりうる。
【0023】
2つの溶接処理を分離することによって、ステップD)の後の作動状態でソノトロードが振動する振動振幅をステップE)の後の振動振幅とは異なるように選択することも可能である。本発明によれば、シール溶接部と化粧溶接部の両方を、その後、唯一の溶接ステーションで製造することができるが、2つの溶接部は、カウンタツールの第2の部分の位置に応じて、時系列的に連続して製造される。シール溶接部を製造するためにカウンタツールの第1の部分を介して多層材料に加えられる力は、その瞬間ではカウンタツールの第2の部分が多層材料と接触しないので、本発明に係る実施形態では、化粧溶接部に何の影響も与えない。同様に、化粧溶接を生じるためにカウンタツールの第2の部分を介して多層材料に加えられる力は、その瞬間ではカウンタツールの第1の部分が多層材料と接触しないので、シール溶接部に何ら影響を及ぼさない。
【0024】
本発明のさらなる利点、特徴、及び可能な用途は、好適な実施形態の以下の説明及び関連する図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明による第1の実施の形態の模式図である。
図2図2は第1の位置における図1の実施の形態である。
図3図3は第2の位置における図1の実施の形態である。
図4図4は第1の位置における第2の実施の形態の側面図である。
図5図5は第2の位置における第2の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態の模式図を示す。ソノトロード1は、共通の密封面上に位置する2つの密封面部分8、9を備える。2つの密封面部分8、9は、凹部12によって互いに分離されている。ソノトロード1は、共に溶接される対象の材料の少なくとも2つの層からなる材料5の片側に配置されている。本発明によるカウンタツール2は、材料5に対向して配置されている。カウンタツールも同様に、2つの密封面、具体的には密封面6及び密封面7を備える。2つの密封面の間には偏向要素10が配置されており、ソノトロードとカウンタツールが共に移動させられるとき、偏向要素10により、ソノトロードの凹部12に入り、多層材料の個々の層が互いに対して摺動しえないように材料5をソノトロードの凹部12の中に固定する。
【0027】
カウンタツール2は、2つの部分、具体的には第1の部分3と第2の部分4からなる。第1の部分3は第1の密封面6を備える。第2の部分4は、図示の例ではその表面で構造化されている第2の密封面7を備えている。本発明による方法を実施するために、カウンタツールを最初に図2に示す位置に移動させる、すなわち、カウンタツール2の第2の部分4を機構11によってカウンタツール2の第1の部分3に対して相対的に移動させ、具体的には第1の密封面6が第2の密封面7と比較してソノトロード1の方に突出するようにする。カウンタツールのこの位置では、ソノトロードとカウンタツールは、次に、互いに向かって移動させられ、その結果、材料5は、ソノトロードの密封面8とカウンタツール2の第1の部分3の密封面6との間で締め付けられ、材料の複数の層を共に溶接する。このようにして、シール溶接部が製造される。
【0028】
次のステップでは、カウンタツールを図3に示す位置に移動させるために、カウンタツールの機構11を作動させる。この位置では、カウンタツール2の第2の部分4は、カウンタツール2の第1の部分3と比較してソノトロード1の方に突出する。密封面6及び7の最も高い高度同士の間の距離は、図2及び図3に示すように、それぞれb及びaである。本発明による実施形態では、a及びbはそれぞれおよそ1mmを測定する。図3に示す位置では、カウンタツール2の第2の部分4の前進位置が与えられると、その後、カウンタツール2の密封面7とソノトロード1の密封面9との間で溶接処理が行われる。
【0029】
カウンタツール2の第2の部分4を用いて最初に化粧溶接部を製造し、その後にカウンタツール2の第1の部分3を用いてシール溶接部を製造することも可能である。
【0030】
また、カウンタツールは、図4及び図5に示すような、異なる構造としうる。この場合、カウンタツールは、また、ソノトロード1に向けて位置合わせされた段差面を有する第1の部分3’からなる2つの部分で形成されており、図4に示される位置において、材料5をソノトロード1上に押しつける密封面6は、段差の突出部分上にある。図4に示す位置では、カウンタツール2の第2の部分4’は、材料と接触していない。第2の部分4’は、段差部分を越えて突出しないようにカウンタツールの第1の部分の段差面上に配置されている。
【0031】
しかし、図5に見られるように、カウンタツールの第2の部分4’は、ソノトロード1に向かって移動させることができ、その結果、第2の部分4’は、第1の部分3’の段差部分から突出し、構造要素を備えた、第2の部分4’又はその密封面のみが、材料5と接触し、材料5がソノトロード1に押し付けられる。図4に示される位置と図5に示される位置を比較すると、図5では、カウンタツールの第1の部分3’がソノトロード1から離れるように移動し、一方、第2の部分4’がソノトロードに向かって移動したことが明白になる。
【0032】
図示の実施形態では、第2の部分4’は、空気圧シリンダによってカウンタツール2の第1の部分3’に対して前後に移動させられる。化粧溶接部のために図5に示される溶接位置を決定するために、第2の部分4’が図5に示される位置を越えてソノトロード1に向かうことを阻止するために、第2の部分4’又は空気圧シリンダのいずれかと相互作用する停止部を設けることができる。
【0033】
次に、本発明により、1つの溶接ステーションで、シール溶接部及び化粧用溶接部を製造することができる。この場合、カウンタツールの2つの部分は、所望の溶接力で材料にプレスすることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 ソノトロード
2 カウンタツール
3 第1の部分
3’ 第1の部分
4 第2の部分
4’ 第2の部分
5 材料
6 第1の密封面
7 第2の密封面
8 密封面部分
9 密封面部分
10 偏向要素
11 機構
12 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】