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特表2023-531714耐酸性及び耐胆汁性が優れる脂質異常症の予防または治療効果を有する新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株及びその死菌体ID-BBR4401
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】耐酸性及び耐胆汁性が優れる脂質異常症の予防または治療効果を有する新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株及びその死菌体ID-BBR4401
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/745 20150101AFI20230718BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230718BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20230718BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20230718BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20230718BHJP
   A23K 10/16 20160101ALI20230718BHJP
   C12R 1/01 20060101ALN20230718BHJP
【FI】
A61K35/745
A61P3/06
A61P1/14
C12N1/20 A ZNA
C12N1/20 E
C12N1/20 Z
A23L33/135
A23K10/16
C12R1:01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579911
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 KR2021007117
(87)【国際公開番号】W WO2022005035
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0080588
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518067342
【氏名又は名称】イルドン ファーマスーティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン グー
(72)【発明者】
【氏名】リー,ドン ギル
(72)【発明者】
【氏名】キム,テー ヨン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AB10
2B150AC08
2B150AD02
2B150AE05
2B150BB01
2B150DD12
2B150DD13
4B018MD87
4B018ME04
4B018ME14
4B018MF04
4B065AA21X
4B065AC20
4B065BA21
4B065BA30
4B065CA42
4B065CA43
4B065CA44
4B065CA46
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC59
4C087CA08
4C087CA09
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA73
4C087ZC33
(57)【要約】
本発明は、耐酸性及び耐胆汁性が優秀で脂質異常症の予防または治療効果を有する新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)及びその死菌体ID-BBR4401に関するものであり、本発明の新菌株ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)は優秀な体内コレステロール減少効果を有するだけでなく、既存に公知されたB. breveとは異なり、非常に高い水準の耐酸性及び耐胆汁性を有するため動物(特に、ヒト)の消化管内で菌株が有する機能性をよく示して生育する能力が優秀であり、持続的で効果的な体内コレステロール減少機能性を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐酸性及び耐胆汁性を有して、脂質異常症の予防または治療効果を有するビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)またはその死菌体。
【請求項2】
前記脂質異常症は高脂血症であることを特徴とする、請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)またはその死菌体。
【請求項3】
前記死菌体は熱処理を含む殺菌方法で製造されることを特徴とする、請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)またはその死菌体。
【請求項4】
前記菌株またはその死菌体は胆汁酸吸着排出を通じてコレステロール濃度を低下させることを特徴とする、請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)またはその死菌体。
【請求項5】
前記菌株またはその死菌体は長期的な安全性及び熱安定性が優れていることを特徴とする、請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)またはその死菌体。
【請求項6】
請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項7】
請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または改善用食品組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の菌株、その培養物またはその死菌体を有効成分として含む、整腸用組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の菌株またはその培養物を有効成分として含む、生菌剤組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の菌株、その培養物またはその死菌体を有効成分として含む、飼料用組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の菌株またはその培養物を有効成分として含む、発酵製品。
【請求項12】
脂質異常症の治療用製剤を製造するための、請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体の使用。
【請求項13】
請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を含む製剤の有効量を、これを必要とする個体に投与することを含む、脂質異常症の治療方法。
【請求項14】
請求項1に記載のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月30日に出願された大韓民国特許出願第10-2020-0080588号を優先権で主張し、前記明細書全体は本出願の参考文献である。
本発明は、耐酸性及び耐胆汁性が優秀で脂質異常症の予防または治療効果を有する新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)及びその死菌体ID-BBR4401に関するものであり、より詳細には、前記新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株またはその死菌体ID-BBR4401の脂質異常症の予防、改善及び治療用途と前記菌株を有効成分で含む整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脂質異常症とは、血中に総コレステロール、低密度リポタンパク質(low density lipoprotein、LDL)コレステロール、中性脂肪が増加された状態であるか、高密度リポタンパク質(High density lipoprotein、HDL)コレステロールが減少された状態を言う。脂質異常症は高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症をすべて含む広義の疾患名であり、このうちで高コレステロール血症は血中にコレステロールが増加された状態で総コレステロールと低密度リポタンパク質コレステロールが高く示される疾患を言う。コレステロールの代謝障害乃至コレステロールの過剰摂取によって血清中のコレステロールが最高値になった場合に高コレステロール血症と言う。
【0003】
コレステロールは人体に必須な成分であるが、その代謝異常は成人病、特に、動脈硬化症の発症に大きく関連される。大人には約140gのコレステロールが存在することで知られているが、その約1%が毎日代謝されて重要な代謝産物は胆汁酸である。胆汁酸は単純にコレステロールの代謝産物ということに限らなく、消化管内でコレステロールを含む脂質とミセル(micelle)を形成し、その吸収を促進する作用を有している。このようなmicelle形成には胆汁酸が不可欠であるため、胆汁酸がなければ脂質やビタミンなどの脂溶性物質の吸収を阻害する。分泌された胆汁酸は腸管から吸収されて肝に戻って再び胆汁中に分泌される腸-肝の循環を示す。このような循環時に胆汁酸が再吸収されることができずに排泄されれば、新しい胆汁酸を生合成するために前駆体であるコレステロールの要求量も増加されて体内コレステロール数値が低くなることで知られた。
【0004】
一般に、血清(血漿)のうちでコレステロール濃度が220~250mg/dL以上であるか、または低密度リポタンパク質コレステロールの濃度が160mg/dL以上である場合を高コレステロール血症であると判断する。高コレステロール状態が長期間つながれば、動脈壁に沈着し、粥状硬化を起こして心筋梗塞や脳血栓症の原因になる。また、結合組織に沈着して黄色腫を発生させるか、またはコレステリン結石を含んだ胆石症を起こしやすい。
【0005】
一部高コレステロール血症患者の場合その症状の程度によって薬物治療を使用したりするが、一番多く使用されるものはスタティン系列の薬物である。スタティン系列の薬物は、HMG-CoA還元酵素阻害剤としてコレステロールの合成を阻害する効果がある(ハンギフンet
al.、スタティン臨床研究の根拠、韓国脂質動脈硬化学会治療指針委員会(2010)pp.14~15)。スタティンは低密度リポタンパク質コレステロールと中性脂肪を容量依存的に減少させて高密度リポタンパク質コレステロールを一部増加させる。このようなスタティンの副作用は消化不良、頭痛、疲れ、関節痛などがあり、筋肉病の危険性があるため筋肉症状があれば、血液検査を受けなければならないし、肝機能障害誘発可能性がある
ため、肝機能検査を薬物処方前に、服用2-3ヶ月後、その後1年間隔で検査しなければならない。
【0006】
したがって、副作用がなく、より安全な素材に対する研究がなされている。最近には食餌療法と並行することができる機能性食品などに対する多い研究が進行されている。これに合わせて高コレステロール血症を改善しようとする努力の一環がプロバイオティックス菌株を使用した研究分野でも試みされている。
【0007】
一方、乳酸菌死菌体は生菌の反対概念として発酵を通じて得られた生菌及び代謝産物らを熱処理などによって菌の成長が起きることができないようにした形態である(Jae-Gu Seo、et al.、 Development of Probiotic Products and Challenges, KSBB Journal 2010.25:303~310)。実際生菌の場合は口腔投与後腸に到逹した時多い数が死ぬようになる。これは特に、前記菌が耐酸性及び耐胆汁性のような消化器官内部環境に抵抗性がない時に目立つ。体内消化器官の環境などによって、一般的な方式で生菌が死菌化されると、生菌が有していた多くの活性のうちで一部または全部に変化をもたらすことがある。したがって、目的とする特定生理活性の利点を期待して生菌を投与する時に、目的とする具体的生理活性の種類と菌によって期待値程度体内で安定的に該当活性を達成することができないこがある。これは過度な投与量につながることがあるし、これによる副作用などの問題点を生むことがある。また、保管時生菌は温度によって菌体が変質されることがあるために、保存性において生菌製剤の活性の安全性維持が問題になると言える。
【0008】
このような生菌製剤の問題点を乗り越えようと死菌体を利用する技術らが報告されているが、実質的に死菌を利用する技術において得ようとする生理活性の種類によって具体的菌体の種類、死菌化方法などの多様な要因によって高度の特異性を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これに本発明者らは体内導入時安定的で高い水準でコレステロール低下効能を示す乳酸菌素材製剤を研究する中、コレステロール結合能がすぐれた新菌株ビフィドバクテリウムブレーベ IDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)を発掘し、前記菌が耐酸性及び耐胆汁性が非常にすぐれるだけでなく、これから製作されたビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株の死菌体(すなわち、ID-BBR4401)が脂質異常症動物モデルで生菌以上の高い水準でコレステロール低下効能を示すことを確認して本発明を完成した。
【0010】
したがって、本発明の目的は耐酸性及び耐胆汁性を有して脂質異常症の予防または治療効果を有するビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その死菌体を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、しの培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託
番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
【0014】
本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供することである。
【0015】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供することである。
【0016】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することである。
【0018】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することである。
【0019】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することである。
【0020】
本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物を有効成分として含む、整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供することである。
【0021】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物でなされる整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供することである。
【0022】
また、本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物で必須になされる、整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供することである。
【0023】
本発明のまた他の目的は、脂質異常症の治療用製剤を製造するためのビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体の使用を提供することである。
【0024】
本発明のまた他の目的は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を含む製剤の有効量を、これを必要とする個体に投与することを含む、脂質異常症の治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記のような目的を達成するために、本発明は耐酸性及び耐胆汁性を有して脂質異常症の予防または治療効果を有するビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その死菌体を提供する。
【0026】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0027】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0028】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0029】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分で含む、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0030】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0031】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または改善用食品組成物を提供する。
【0032】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分として含む、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
【0033】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上でなされる、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
【0034】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上で必須になされる、脂質異常症の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
【0035】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物を有効成分として含む、整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供する。
【0036】
また、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物でなされる、整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供する。
【0037】
また、本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その培養物で必須になされる、整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供する。
【0038】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明は脂質異常症の治療用製剤を製造するためのビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体の使用を提供する。
【0039】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物または、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を含む製剤の有効量を、これを必要とする個体に投与することを含む、脂質異常症の治療方法を提供する。
【0040】
以下本発明を詳しく説明する。
【0041】
本発明は、耐酸性及び耐胆汁性を有して脂質異常症の予防または治療効果を有するビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)または、その死菌体を提供する。
【0042】
本発明で、用語‘脂質異常症’は血中に総コレステロール、低密度リポタンパク質(low density lipoprotein、LDL)コレステロール、中性脂肪が増加された状態であるか、高密度リポタンパク質(High density lipoprotein、HDL)コレステロールが減少された状態を意味することで、高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症などをすべて含む意味である。望ましくは、本発明で前記脂質異常症は高コレステロール血症であることがある。
【0043】
ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株は、コレステロール自体に対する吸着能がすぐれるだけでなく、BSH活性を保有し、コレステロールを前駆体にする胆汁酸との結合能も優秀であることが特徴である。これによって優秀な体内コレステロール減少(低下)の機能性を有するだけでなく、優秀な耐酸性及び耐胆汁性を有することを特徴とする。これは本発明の明細書の実施例によく示されている。
【0044】
本発明の一実施例では本発明の新菌株B.breve IDCC4401が既存にコレステロール結合能があることで示された他の菌株及び同一菌株らと比べて数等優秀なコレステロール結合能があることを確認した。
【0045】
他の一実施例では本発明の新菌株B.breve IDCC4401がpH2.5の高い酸性環境でも他のB.breve菌らと比べて優秀な生育能力を有するだけでなく、0.5%の高濃度胆汁環境でも優秀な生育能力を見えることを確認した。一般的に小腸で胆汁濃度が0.06%で知られたことを考慮すれば、本発明の新菌株は非常に優秀な耐胆汁性を有するものである。
【0046】
前記‘ ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株’は、培養培地から修得された生菌その自体だけではなく、当業者に知られた乳酸菌に対する任意の加工形態(特に、生菌の加工形態)を含むことで、例えば、乾燥物、凍結物などを含んでこれに制限されない。
【0047】
本発明で、前記‘ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株の死菌体’は本明細書で、‘ID-BBR4401’でも指称されることができるし、本発明の死菌体は熱処理を含む(熱処理による)死菌化方式で製造されるものであることができる。前記熱処理は培養液から分離修得した生菌体のみを対象に遂行されるものであることができるし、または、前記生菌体を含んでいる培養液を対象に遂行されるものであることがある。前記熱処理温度は菌体の性状を維持して、他の一般細菌らが滅菌される条件ならその温度条件が特別に制限されないが、80℃乃至150℃で遂行されるものであることができるし、望ましくは、80℃乃至110℃で遂行されるものであることができる。
【0048】
前記熱処理時間は、前記温度条件を考慮して当業者が目的とする製造品質を得ることができる条件なら、その時間が特別に制限されないが、望ましくは、1時間乃至2時間で進行することができる。1時間未満で加熱時、菌が完全に死ぬことができないこともあって、2時間を超過して長期間加熱時、菌の表面に変性が起きるようになって、目標とする効果が示されないこともある。
【0049】
前記死菌体製造のための熱処理工程中、当業者は、本発明死菌のコレステロール減少能に影響を与えることなく、製造効率のために任意の前処理または追加条件を付け加えることができる。一例で、前記熱処理前に生菌体に蒸留水を投入及び混合することができる。蒸留水の量が菌体の重量より少ないか、または入れてくれない時には、加熱時熱の影響をたくさん受けるようになって原料の色が濃くなるようになる反面、菌体重量の1乃至2倍以上の量を入れてくれた時は原料の色が変質されなくて官能的に優秀になる。
【0050】
一番望ましくは、本発明の死菌体は、生菌体を水中で80℃乃至90℃で加熱して製造されるものであることができる。より具体的には、前記死菌体は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株の培養液を遠心分離して生菌体と培養余液で分離し、前記分離されたビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌体の重量に対して1乃至2倍の蒸留水を入れて懸濁した後、80℃乃至90℃で加熱して製造されるものであることができる。
【0051】
前記死菌化された菌体らは死菌製剤(剤形)の製造のための任意の追加工程を経ることができるし、一例で濃縮、乾燥などを遂行することができる。前記乾燥は当業界で乳酸菌の乾燥に使用する方法ならその種類が特別に制限されないが、例えば、熱(風)乾燥、凍結乾燥方法であることがある。
【0052】
前記本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株の死菌体(ID-BBR4401)は、安定的で高い水準でコレステロール低下効能を見せることがその特徴である。特に、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株は、他のB.breve菌株らとは異なり熱処理して死菌化しても、(生菌の場合培養期間の間に菌体
数が増加することを考慮した時)コレステロールとの結合能力が生菌と同等な水準で優秀であることが特徴である。それだけでなく、前記死菌体(ID-BBR4401)は胆汁酸とも高い水準の結合能を保有して胆汁酸の体外排出に著しい効能を見せる。ID-BBR4401は、共役胆汁酸(conjugated bile acid)とも結合して体外に排出されるという事実は既存にコレステロール低下効能があることで知られた乳酸菌生菌剤らがBSH(胆汁酸塩加水分解酵素、bile salt hydrolase)活性を通じて小腸に分泌された胆汁酸を脱共役(deconjugation)させて遊離胆汁酸(bile acid)に切り替え、このような遊離された胆汁酸(bile acids)は共役胆汁酸(conjugated bile acids)より再吸収力が劣ることで、体外に排出される作用を有するものとは異なって区別される。
【0053】
これから本発明の死菌体(ID-BBR4401)は、体内コレステロール、特に、LDL-コレステロールの低減効果が非常にすぐれるだけでなく、体内(特に、肝で)中性脂肪の減少効果が著しいので、脂質異常症の予防及び治療において優秀な効能を見せる。
【0054】
これは本発明明細書の実施例によく示されている。
【0055】
本発明の一実施例では既存にコレステロール低下効果があると知られているB. breve菌株らと本願発明のIDCC4401菌株の生菌を同一な方法で熱処理して死菌化した後、これらのコレステロール低下効能(コレステロール付着能)を測定した。その結果、生菌の場合培養期間の間に生長をして相対的に菌体数が死菌に比べて多くなることを考慮して、等しい菌体単位数当たり残余コレステロールが一番低いものは本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体(ID-BBR4401)として、残りB.breve死菌体と比べて優秀なコレステロール低下効能(コレステロール付着能)が見られることが確認され、特に、本発明のID-BBR4401は他のB.breve菌株らの生菌と比べてもコレステロール低下効能が非常に著しく優秀なことが示された。
【0056】
本発明の他の一実施例では前記死菌体(ID-BBR4401)の脂質異常症(高脂血症)動物モデルに対する効果を確認した。その結果、本発明のID-BBR4401は体内コレステロール(TC)、特に、LDL-コレステロールの減少効果を示すことを確認し、また肝で中性脂肪(TG)水準を減少させることを確認した。
【0057】
したがって、本発明はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を有効成分で含む脂質異常症の予防、改善または治療用組成物または健康機能食品組成物を提供する。
【0058】
本発明で、用語‘培養'とは、微生物を適当に人工的に調節した環境条件で生育させるために遂行するすべての行為を意味し、本発明で‘発酵'を含む概念として前記用語‘培養物’は‘発酵物’を含む意味であり、培地で培養した培養液自体(すなわち、菌を含んでいる培養液自体)、または前記培養液に熱処理を加えた加工物など培養液自体から派生される加工物を含む。望ましくは、本発明の培養物はビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌を含んでいる培養液または前記培養液に熱処理を加えた加工物であることができる。
【0059】
本発明で前記組成物は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体が含まれるどのような形態の組成物も含まれることができ、望ましくは、前記組成物は食品組成物または薬学的組成物であることができるが、これに制限されるものではない。
【0060】
前記組成物が食品組成物の場合、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体をそのまま添加するか、または他の食品または食品成分とともに使用されることができるし、通常的な方法によって適切に使用されることができる。
【0061】
本発明の食品組成物は、通常的な意味での食品をすべて含むものとして、機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)などのすべての形態を含む。前記類型の食品組成物は当業界で公知された通常的な方法によって多様な形態で製造することができる。
【0062】
本発明の食品組成物には健康機能食品が含まれることができる。本発明で使用される用語“健康機能食品”とは、人体に有用な機能性を有した原料や成分を使用して精製、カプセル、粉末、顆粒、液状及び丸などの形態で製造及び加工した食品を言う。ここで‘機能性'とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節するか、または生理学的作用などのような保健用途に有用な効果を得ることを意味する。本発明の健康機能食品は当業界で通常的に使用される方法によって製造可能であり、前記製造時には当業界で通常的に添加する原料及び成分を添加して製造することができる。
【0063】
また、前記健康機能食品の剤形も健康機能食品で認められる剤形なら制限なしに製造されることができる。本発明の食品用組成物は多様な形態の剤形で製造されることができるし、一般薬品とは異なり食品を原料にして薬品の長期服用時発生することができる副作用などがない長所があって、携帯性がすぐれて、本発明の健康機能食品は脂質異常症の改善または治療効果を増進させるための補助剤で摂取が可能である。
【0064】
例えば、健康機能食品としては、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401または、その死菌体が含まれたお茶、ジュース及びドリンクの形態で飲用するようにするか、または、顆粒化、カプセル化及び粉末化して取ることができる。また、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401または、その死菌体を脂質異常症の予防、改善または治療効果があると知られた公知の物質または活性成分とともに混合して組成物の形態で製造することができる。
【0065】
また、本発明の食品組成物はさまざまな営養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含むことができる。その他に天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含むことができる。このような成分は独立的にまたは混合して使用することができる。このような添加剤の割合は大きく重要ではないが、本発明の食品組成物100重量部当たり0.01~0.3重量部の範囲で選択されることが一般的であるが、これに制限されない。
【0066】
また、本発明の食品組成物は通常の飲料のようにさまざまな香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含むことができる。前記炭水化物はブドウ糖、果糖のようなモノ-サッカライド、マルトス、シュークロスのようなジサッカライド及びデキストリン、シクロデキストリンのようなポリサッカライド、キシリトール、ソルビトール、エリトリトルなどの糖アルコールである。甘味剤としてはソーマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスパルテームのような合成甘味剤などを使用することができる。前記天然炭水化物の割合は本発明の組成物100mL当たり一般に約0.01~0.04g、望ましくは、約0.02~0.03gであることがあるが、これに制限されない。
【0067】
本発明の食品組成物のうちでビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌または
、その死菌体の混合量はその使用目的(予防、健康または治療的処置)によって好適に決まることができる。一例で、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌または、その死菌体を食品または飲料の製造時に前記特定食品素材1g(または、ml)当たり本発明の菌を1x10乃至1x1011個(菌数)添加し、望ましくは、1x10乃至1x1010個の量で添加することができるが、これに制限されない。また、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌または、その死菌体が含まれた食品組成物の1日摂取量は菌体数基準で1×10乃至1×1010CFU/kg、望ましくは、1×10乃至1×10CFU/kgであり、摂取は一日に一回取ることもでき、数回分けて取ることもできるが、これに制限されるものではない。
【0068】
本発明の食品組成物で菌株の有効容量は、薬学的組成物の有効容量に準して使用することができるが、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合には前記範囲以下であることがあって、有効成分は安全性の面で何らの問題がないため、前記範囲以上の量でも使用されることができることは確かである。
【0069】
本発明で前記組成物が薬学的組成物である場合、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体を単独で含むか、または一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を追加で含むことができる。
【0070】
薬学的に許容される担体としては、例えば、経口投与用担体または非経口投与用担体を追加で含むことができる。経口投与用担体はラクトス、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸などを含むことができる。また、非経口投与用担体は水、好適なオイル、食塩水、水性グルコース及びグリコールなどを含むことができるし、安定化剤及び保存剤を追加で含むことができる。好適な安定化剤としては、亜黄酸水素ナトリウム、亜黄酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。好適な保存剤としては、ベンザルコニウムクロリド、メチル-またはプロピル-パラベン及びクロロブタノールがある。その外の薬学的に許容される担体としては、当業界に公知されているものを参照ですることができる。
【0071】
本発明の薬学的組成物はヒトを含めた哺乳動物にどのような方法でも投与することができる。例えば、経口または非経口で投与することができる。非経口な投与方法ではこれに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸内投与であることがある。
【0072】
本発明の薬学的組成物は上述したところのような投与経路によって経口投与用または、非経口投与用製剤で剤形化することができる。経口投与用製剤の場合に本発明の組成物は粉末、顆粒、精製、丸剤、糖の錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁などで当業界に公知された方法を利用して剤形化されることができる。例えば、経口用製剤は活性成分を固体賦形剤と取り合わせた後、これを粉碎して好適な補助剤を添加した後顆粒混合物で加工することで錠剤、または糖の精製物を修得することができる。好適な賦形剤の例としては、ラクトス、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトル及びマルチトールなどを含む糖類ととうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉及びじゃがいも澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニールピロリドンなどのような充填剤が含まれることができる。また、場合によって架橋結合ポリビニールピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギン酸などを崩壊剤で添加することができる。延いては、本発明の薬学的組成物は抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などを追加で含むことができる。
【0073】
非経口投与用製剤の場合には注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル剤、エアロゾル及び鼻腔吸入剤の形態で当業界に公知された方法で剤形化することができる。これら剤形はすべての製薬化学に一般に公知された処方書に記載されている。
【0074】
本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401または、その死菌体の総有効量は単一投与量(single dose)で患者に投与されることができるし、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)によって投与されることができる。本発明の薬学的組成物は疾患の程度によって有効成分の含量を異にすることができる。望ましくは、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401または、その死菌体の望ましい全体容量は固形分含量基準で1日当たり患者体重1kg当たり約0.01ug乃至1,000mg、一番望ましくは、0.1ug乃至100mgであることがある。しかし、前記本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401またはその死菌体の容量は薬学的組成物の投与経路及び治療回数だけではなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率など多様な要因らを考慮して患者に対する有効投与量が決まることであるので、このような点を考慮する時該当分野の通常的な知識を有した者なら前記本発明の菌株及びその死菌体を脂質異常症の予防、改善または治療剤としての特定の用途によって適切な有効投与量を決めることができるであろう。本発明による薬学的組成物は本発明の効果を見せる限りその剤形、投与経路及び投与方法に特別に制限されない。
【0075】
また、本発明は前記菌株またはその培養液を有効成分で含む整腸用組成物、生菌剤組成物、飼料用組成物及び発酵製品を提供する。前記組成物が整腸用または飼料用で提供される場合には、本発明の前記菌株は生菌だけでなく、死菌体形態で提供されることができる。
【0076】
本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株は、ヒト及び動物の健康増進のための用途、すなわち、整腸用、生菌剤または飼料用組成物で使用されることができる。前記組成物は前記菌株自体、またはその培養物などを有効成分で含んで、賦形剤または担体を追加で含むことができる。組成物内前記ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株の含量は、組成物の用途及び剤形によって変わることがある。本発明による整腸用または生菌剤組成物は多様な剤形と方法で製造及び投与されることができる。例えば、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株またはその培養物を薬剤学的分野で通常的に使用する担体及び香料と混合して、錠剤(tablet)、トローチ(troche)、カプセル(capsule)、エリクシール(elixir)、シロップ(syrup)、パウダー(powder)、懸濁剤(suspension)または顆粒剤(granule)などの形態で製造及び投与されることができる。担体としては結合剤、活濁剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤などを使用することができる。
【0077】
投与方式は経口、非経口または塗布法を使用することができるが、望ましくは、経口投与することが望ましい。また、投与容量は体内で活性成分の吸収度、不活性率及び排泄速度、被投与者の年齢、性別、状態などによって適切に選択することができる。
【0078】
また、本発明による飼料用組成物は発酵飼料、配合飼料、ペレット形態及びサイレージ(silage)などの形態で製造されることができる。前記発酵飼料は本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株とさまざまな微生物菌または酵素らを添加することで有機物を発酵させて製造されることができるし、前記配合飼料は多くの種類の一般飼料と本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株を混合して製造されることができる。ペレット形態の飼料は前記発酵飼料または配合飼料をペレット機で剤形化して製造されることができ、サイレージは青刈飼料を本発明によるビフィドバクテリウムブレ
ーベIDCC4401菌株で発酵させることで製造されることができる。
【0079】
本発明によるビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株または、その培養物はキムチ、飲料、離乳食などの食品に対する食品添加剤で使用されることができる。併せて、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株は発酵製品製造のためのスターター(starter)で使用されることができる。前記‘発酵製品’は本明細書で用語‘発酵食品’と混用されて指称されることがある。前記発酵製品は製造時発酵工程が必要な食品として当業界に知られたものならその種類が制限されないが、例えばチーズ、ヨーグルト、バター、クリーム、アイスクリーム、乳酸菌飲料、ケフィア、発酵乳、キムチ、発酵生食製品などを含む。本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株を利用した発酵製品は当業界に公知された通常の方法によって製造されることができる。発酵製品の製造方法は通常的に原料の準備、乳酸菌の添加、発酵、完成された製品の回収などの過程でなされる。原料の準備段階は発酵対象になる材料を準備し、発酵がよくなされるように発酵条件を準備する段階である。乳酸菌の添加は発酵対象の量によって適量の菌を添加することで、本発明ではビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株を使用することを特徴とする。発酵は通常の発酵菌の発酵条件によって遂行されるものであり、例えば、20℃乃至40℃で、1乃至168時間の間に遂行されることができる。完成された製品の回収は発酵物で不必要な副産物や未発酵された材料を除去することから貯蔵、運搬を容易にするためのあらゆる後処理過程及び包装などを含む。
【0080】
具体的一例で本発明によるビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株は乳酸菌飲料を製造することに使用することができる。本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株を培養して乳酸発酵させたものに殺菌水を加えて希釈して糖分、香料などを加えた後容器に充電した製品であることがある。このような飲料には一般に乳酸菌が生きているまま含有されているので、飲用後腸内での整腸作用を期待することができる。
【0081】
また、玄米と鳩麦などの穀類粉末に本発明によるビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株またはこれを含む2-3種の混合乳酸菌を処理して適正温度で発酵させた後、白苔、もち米、きびなどの多様な農産物を栄養的な均衡と嗜好性が優秀になるように適切に取り合わせて発酵生食製品を製造することができる。
【0082】
本発明は、脂質異常症の治療用製剤を製造するためのビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体の使用を提供する。
【0083】
本発明は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)、その培養物またはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体のうちで何れか一つ以上を含む製剤の有効量を必要とする個体に投与することを含む脂質異常症の治療方法を提供する。
【0084】
本発明の前記‘有効量’とは、個体に投与した時、脂質異常症の改善、治療、予防、検出、診断または脂質異常症の抑制または減少効果を示す量を言って、前記‘個体’とは、動物、望ましくは哺乳動物、特に、ヒトを含む動物であることができるし、動物から由来した細胞、組織、器官などであることがある。前記個体は前記効果が必要な患者(patient)であることがある。
【0085】
本発明の前記‘治療’は脂質異常症または脂質異常症の症状を改善させることを包括的に指称し、これは前記疾患を治癒するか、または、実質的に予防するか、または、状態を改善させることを含むことができ、前記疾患から始まった一つの症状または大部分の症状を
緩和させるか、または治癒するか、または予防することを含むが、これに制限されるものではない。
【0086】
本明細書で用語“を含む(comprising)”とは、“含有する(including)”または“特徴とする(characterized by)”と等しい意味で使用され、本発明による組成物または方法において、具体的に言及されない追加的な構成成分または方法の段階などを排除しない。また、用語“からなる(consisting of)”とは、別に記載しない追加的な要素、段階または成分などを除くことを意味する。用語“必須になされる(essentially consisting of)”とは、組成物または方法の範囲において、記載された物質または段階と併せて、これの基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない物質または段階などを含むことができることを意味する。
【発明の効果】
【0087】
本発明の新菌株ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)は優秀な体内コレステロール減少効果を有するだけでなく、既存に公知されたB.breveとは異なり、非常に高い水準の耐酸性及び耐胆汁性を有するために動物(特に、ヒト)の消化管内で菌株が有する機能性をよく示して生育する能力が優秀であり、持続的で効果的な体内コレステロール減少機能性を提供する。
【0088】
また、前記菌株だけではなく、これに熱処理して製造した死菌体(ID-BBR4401)はコレステロール結合能が生菌と同等な水準で優秀なだけでなく、胆汁酸とも高い水準の結合能を保有して胆汁酸の体外排出に著しい効能を見せる。これから本発明の菌株または、その死菌体ID-BBR4401は体内コレステロール、特に、LDL-コレステロールの低減効果が非常にすぐれるだけでなく、体内(特に、肝で)中性脂肪の減少効果が著しいので、脂質異常症の予防及び治療において優秀な効能を見せる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1図1は、本発明の新菌株を含んだ多様な菌株に対して、これら生菌のコレステロール特異的結合能を比較評価した結果を示す。
図2図2は、高コレステロール血症改善効果を有したビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401の死菌体である、ID-BBR4401の原料写真である。
図3図3は、高コレステロール血症改善効果を有したID-BBR4401の走査電子顕微鏡写真である。
図4図4は、コレステロールと結合したID-BBR4401の走査電子顕微鏡写真である。
図5図5は、本発明の新菌株を含んだ多様な菌株のコレステロール減少能を比べて評価した結果である。
図6図6は、本発明の新菌株を含んだ多様な菌株の胆汁酸減少能を比べて評価した結果である。
図7図7は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401の死菌体であるID-BBR4401が脂質異常症(高脂血症)動物モデルで血中内脂質に及ぶ影響を示した写真である。
図8図8は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401の死菌体であるID-BBR4401が脂質異常症(高脂血症)動物モデルで肝の脂質に及ぶ影響を示した写真である。
図9図9は、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401の死菌体であるID-BBR4401が脂質異常症(高脂血症)動物モデルで糞便内胆汁酸量に及ぶ影響を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下、本発明を詳しく説明する。
但し、下記実施例は本発明を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
【0091】
実施例1:新菌株の分離及び同定
乳酸菌株の開発のために、本発明者らは乳児糞便を、食塩水を利用して十進希釈法で順次希釈し、MRS培地(BD、288210)に塗抹して37℃で2日間嫌気培養して菌を観察し、生成されたコロニーらに対する菌らを分離及び確認した。
【0092】
分離された複数の菌株中、IDCC4401菌株を最終選抜して同定分析した。API50CH同定キット(bioMerieux Vitex、Inc、France)を使用して選抜菌株の炭水化物発酵パターンを決め、16S rRNA遺伝子配列を土台で前記菌株を同定した。
【0093】
IDCC4401菌株の炭水化物発酵パターンは下記表1のようであって、16S rRNA分析結果配列番号1の配列でなされたことを確認してビフィズス菌ブレーベ(Bifidobacterium breve)と99%常同性を示して同一種で同定した。前記同定された本発明の新規の微生物は大韓民国大田広域市儒城区魚隱洞52番地に位置した韓国生命工学研究院生物資源センター(Korean Collection for Type Cultures)に2016年12月2日付で‘Bifidobacterium breve IDCC4401’で寄託した(KCTC13169BP)。
【0094】
【表1】
【0095】
実施例2:コレステロール低下効果優秀菌株の選抜
コレステロール低下効果が優秀な菌株を選抜するために前記実施例1で同定した菌株を含んで、インドンファーマスーティカルで保有しているプロバイオティックス20種を対象
でコレステロール結合能を1次的に確認した。そのうちで、コレステロール結合能があることで確認された8種のプロバイオティックスに限って2次試験を進行した(下記表2及び図1参照)。
【0096】
下記表2に記載された菌製剤らのコレステロール低下効果は、次のような方法で測定された。先ず、コレステロールを10%含んだMRS培地(BD、MRS broth)10mlにそれぞれの菌(実験群)を1%(v/v)ずつ接種した。接種48hr後に遠心分離して上澄液だけ回収し、それぞれの残余コレステロール濃度を測定した。
【0097】
実験結果図1で見られるように、残余コレステロールが一番低いことは、前記実施例1で同定されたビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌実験群であった。各菌株別コレステロール残余率測定結果は表2のようである。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例3:死菌体製造工程
コレステロール結合能が優秀な最適のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体(ID-BBR4401)を製造するために加熱(70~110℃)条件に対する実験を進行した。遠心分離した菌体重さ対比1~2倍の蒸留水を入れて懸濁した後、下記表3のようなそれぞれの温度条件で1時間加熱を進行してその後、凍結乾燥を遂行して各条件別死菌体を製造した。これから死菌化の最適条件は、血球計数器を通じて測定した菌数と一般細菌検査を通じて選定し、測定結果は下記表3のようである。
【0100】
【表3】
【0101】
実験結果、前記表3で見られるように一般細菌が除去されながらも本発明のB.breveIDCC4401が高い水準で均質した性状を維持する条件として80乃至90℃で加熱条件が一番好適なことを確認した。前記80乃至90℃で加熱で製作される死菌体を本明細書でID-BBR4401と称する。
【0102】
このように選抜されたビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌を‘ID-BBR4401’と称し(図2参照)、これの走査電子顕微鏡撮影イメージを図3で見せてくれる。また、ID-BBR4401がコレステロールと結合した姿を走査電子顕微鏡を通じて撮影した結果を図4で見せてくれる。
【0103】
実施例4:同一な菌株間のコレステロール減少(低下)能効果比較
本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌及び死菌体(ID-BBR4401)の優秀なコレステロール低下効果を確認するために、既存にコレステロール低下効果があると知られている同一菌株のお互いに異なる菌株らとコレステロール結合能に対する比較実験を行った。具体的に、下記表4及び図5で見られるように総5種の菌株らを対象に実験し、各菌らに菌体重さ対比1~2倍の蒸留水を入れて懸濁した後、80乃至90℃で1時間加熱を進行し、その後、凍結乾燥を遂行する方式で死菌化させた後生菌及び前記死菌の効果を評価した。コレステロール低下効果は前記実施例2と同一な方法で確認した。コレステロールを含んだMRS培地10mlに各菌株の生菌及び死菌を1%(v/v)ずつ接種した。接種48時間後に遠心分離して上澄液だけ回収し、それぞれの残余コレステロール濃度を測定した。
【0104】
【表4】
【0105】
実験結果、各菌株別コレステロール残余率測定結果は、前記表4のようである。死菌の場合菌体数が最初投入時水準を維持するが、生菌の場合培養期間の間に生長をして相対的に菌体数が死菌に比べて多くなるため数値的にコレステロール残余量が少し低く示されることがあることを考慮した時、等しい菌体単位数当たり残余コレステロールが一番低いことは、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体(ID-BBR4401)であって、他の菌株らと相当な水準で有意的な差があることを確認した。
【0106】
さらに、B.breve NCIMB8807菌株の場合には死菌化する場合に生菌に比べてコレステロール結合能が相当に低下されたことで示された。これに反して本願発明のB.breve IDCC4401死菌体(ID-BBR4401)はこれの生菌と等しい水準、またはさらに増加された水準でさらに良いコレステロール結合能を示した。特に、本発明のID-BBR4401は他のB.breve菌株らの生菌と比べてもコレステロール低下効能が非常に著しく優秀なことで示された。したがって、ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌及び死菌(ID-BBR4401)製剤が最も優秀なコレステロール結合能を保有することを確認し、また、安全性が優れていると思料された。
【0107】
実施例5:同一な菌株間の胆汁酸減少(低下)能効果比較
本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌及び死菌体(ID-BBR4401)の優秀な胆汁酸低下効果を確認するために同一菌株のお互いに異なる菌株らと比較実験を進行した。総5種の菌株らをすべて死菌化させた後各菌株の生菌及び前記死菌の効果を評価した。胆汁酸を含んだMRS培地10mlに各菌株を10%(v/v)ずつ接種した。接種24時間後に遠心分離して上澄液だけ回収し、それぞれの残余胆汁酸濃度を測定した。実験結果、各菌株別胆汁酸残余率測定結果は下記表5及び図6のようである。生菌及び
死菌すべてで残余胆汁酸が最も低いことは、本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401であって、他の菌株らと有意的な差があることを確認した。
【0108】
【表5】
【0109】
実施例6:耐酸性及び耐胆汁性特性確認
本発明のビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401が酸性と胆汁酸によって影響を受けないことを確認するために耐酸性及び耐胆汁性実験を進行した。生菌が受ける胃酸と胆汁酸の影響が少なければ、死菌状態でも胃酸と胆汁酸から受ける影響が少ないであろう。したがって、実験にはビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401生菌を使用し、下記表6及び表7で見られるように同一菌株のお互いに異なる菌株らと比較評価した。
【0110】
耐酸性実験には塩酸にそれぞれpH2.5、pH3.0及びpH7.0で調整したMRS培地らに10mlに菌株を1%(v/v)ずつ接種した。接種24時間後に各培養液の菌数を確認してその差を比べた。測定結果は下記表5のようである。
【0111】
耐胆汁性はOxgallをそれぞれ0.1~0.5%(w/v)入れたMRS培地10mlに菌株を1%(v/v)ずつ接種した。接種24時間後に各培養液の菌数を確認してその差を比べた。測定結果は下記表6及び表7のようである。
【0112】
【表6】
【0113】
【表7】
【0114】
前記表6及び表7で見られるように本願発明のB.breve IDCC4401菌株は、他の菌らと対照的に高い水準の耐酸性及び耐胆汁性を見えることを確認した。
【0115】
実施例7:熱安定性確認試験
コレステロール結合能が優秀なビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401死菌体であるID-BBR4401組成物を多くの温度の環境で長期間保管した時、組成物が含んでいる菌数の変化とコレステロールと結合する活性に変化があるかに対する実験を進行した。菌数測定は血球計数器を通じ、期間別に測定した菌数を比べた。活性は実施例2と同一な方法でコレステロール低下効果試験を進行してその残余率を通じて比べた。その結果
は下記表8のようである。
【0116】
【表8】
実験結果前記表6で見られるように、本発明のID-BBR4401は長期的な安全性及び熱安定性が優れていることを確認した。
【0117】
実施例8:脂質異常症動物モデルでの効能評価
8-1.脂質異常症(高脂血症)動物モデル確立
5週齢雄SD rat(オリエントバイオ社)を購入して1週間順化期間を通した後使用した。本実験は恒温22±2℃)、恒湿(50~60%)を維持し、光周期(08:00~20:00)及び暗周期(20:00~08:00)を12時間の間隔で維持される動物室で遂行した。試
験動物は各群当たり3匹ずつ限り飼育ケージに収容して滅菌された飼料及び1次蒸留水を自由供給した。試験物質各群当たり9匹ずつ6群で実験して総54匹を使用し、各群は正常(normal(ND))、vehicle(高脂肪食餌ばかりした群、HCD)、陽性対照群(ロスバスタチン(Rosuvastatin)10mg/kg/2mL投与、HCD+R)、ID-BBR4401 1x10cells/rat投与群(HCD+L)、ID-BBR4401 1x10cells/rat投与群(HCD+M)、ID-BBR4401 1x10cells/rat投与群(HCD+H)である。高コレステロール血症誘発のための飼料として、飼料の食餌構成のうちで総カロリーの43%を脂肪で構成し、コレステロールが1.25%、コール酸(cholic acid)が0.5%添加された高コレステロール食(high cholesterol diet(HCD))飼料を試験期間の間に提供した。食餌は一週間に2回供給して食餌が不足ではないように提供した。
【0118】
8-2.脂質異常症(高脂血症)動物モデル試験
HCDを供給する期間の間に陽性対照群にはロスバスタチン(Rosuvastatin)10mg/kg/dauを投与し、実験群にはID-BBR4401をそれぞれ1x10cells/rat/day、1x10cells/rat/day、1x10cells/rat/dayで調剤して週5回(月~金)、6週間経口投与した。6週間の薬物投与が完了された動物を剖検12時間前に節食した後、エーテル(ether)で吸入痲酔して腹帯静脈で血液を獲得した。以後、15mlコニカルチューブ(cornical tube)に入れて3,000rpm、4℃で10分間遠心分離後血清(serum)を得た。また、肝を分離して重さを測定して一部をはなして液体窒素で凍結させた後-70℃で保管した。
【0119】
8-3.血液脂質指標測定
血液脂質指標はトリグリセリド(triglyceride(TG))、総コレステロール(total cholesterol(TC))、高密度リポ蛋白コレステロール(high density lipoprotein cholesterol(HDL-C))、低密度リポ蛋白コレステロール(low density lipoprotein cholesterol(LDL-C))を確認した。血液脂質数値は剖検時獲得した血清(serum)を利用した。血液指標はTG、TC、HDL-C キット(牙山製薬)を使用してキットプロトコルによって測定し、LDL-Cの場合キットを利用して測定したTG、TC、HDL-C結果数値をFridewald式(LDL-C=TC-HDL-C-(TG/5))を利用して計算した。
【0120】
血中脂質測定結果、図7で見られるようにID-BBR4401 1x10cells/rat/day(HCD+M)及び1x10cells/rat/day投与群(HCD+H)はvehicle投与群に比べて血中TCとLDL-Cを有意的に減少させることで、高脂血症及び高コレステロール血症改善に優秀な効果を見せることを確認した。
【0121】
8-4.の間脂質指標測定
間脂質指標は肝臓トリグリセリド(hepatic triglyceride(hepatic-TG))、肝総コレステロール(hepatic total cholesterol(hepatic-TC))を確認した。剖検時獲得した肝組織は、クロロホルム:メタノール(2:1)溶液を肝組織重量の10倍容量(volume)で添加してホモジナイザーを利用して破砕した後生理食塩水(0.9% NaCl)をメタノールと同量添加して1分間ボルテックスした後、遠心分離機を利用して(2000rpm、20min) クロロホルム層を獲得した。獲得したクロロホルム層にクロロホルム:メタノール:3mM コール酸ナトリウム(3:24:25)を同量添加して1分間ボルテックスした後遠心分離機を利用してクロロホルム層を分離した。獲得したクロロホルム層を80℃水浴で30分間蒸発させて脂質抽出物を得た。得られた脂質のTG、TCは牙山製薬社のTG、TC キットを使用してキットプロトコルによって測定した。
【0122】
肝脂質測定結果、図8で見られるように肝総コレステロール(肝hepatic-TC)は、ID-BBR4401投与群のうちでID-BBR4401 1x10cells/rat/day(HCD+M)及び1x10cells/rat/day投与群(HCD+H)で有意的に減少することで、高コレステロール
血症改善効果を確認した。それだけでなく、本発明のID-BBR4401投与群ではhepatic-TG(中性脂肪)の量が投与濃度依存的に減少された。特に、1x10cells/rat/day投与群で一番良いhepatic-TG減少効果を示した。
【0123】
8-5.糞便胆汁酸指標測定
試験終了3日前各個体別に糞便を受けて重量を測定して冷凍した。冷凍された糞便は凍結乾燥を通じて水分を除去した。乾燥された糞便から前記実施例7-4と同一な方法で脂質抽出物を獲得した。獲得した脂質は胆汁酸測定キット(Rat Total Bile Acids Assay Kit、Crystal Chem)を使用してキットプロトコルによって測定した。
【0124】
実験結果図9で見られるように各実験群で糞便からの胆汁酸含量は、ID-BBR4401投与群すべてでvehicleに比べて胆汁酸の量が増加し、Rosuvastatin投与群と比べても高い数値を示し、濃度依存的に胆汁酸量が増加して1x10cells/rat/day投与群(HCD+H)で一番多い胆汁酸が排出されたことで示された。したがって、ID-BBR4401はコレステロールを前駆体とする胆汁酸と特異的に結合して体外に排出させることで、体内コレステロール数値を減少させるということを確認した。このような事実は既存にコレステロール低下効能があることで知られた乳酸菌生菌剤らがBSH(胆汁酸塩加水分解酵素、bile salt hydrolase)活性を通じて小腸に分泌された胆汁酸を脱共役(deconjugation)させて遊離胆汁酸(bile acid)に切り替えて、このような遊離された胆汁酸(bile acids)は共役胆汁酸(conjugated bile acids)より再吸収力が劣ることで、体外に排出される作用を有することで区別される。死菌製剤である本発明のID-BBR4401は、BSH活性がないため、前記データらは本発明のID-BBR4401製剤が胆汁酸との結合能力が非常に優秀であることを見せてくれる。
【0125】
前述した実施例らを通じて本発明のID-BBR4401死菌製剤はこれの生菌以上の水準でコレステロールを吸着する能力があるだけでなく、胆汁酸との結合能力が優秀なことがその特徴であり、これによって体内コレステロール(特に、LDL-コレステロール)の減少能が非常に著しくて、それだけでなく体内(特に、肝)中性脂肪を減少させる効果が著しくて、脂質異常症の予防及び治療に優秀な効能を示すことを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0126】
以上詳しく見たように、本発明は、耐酸性及び耐胆汁性が優れて脂質異常症の予防または治療効果を有する新規ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)及びその死菌体ID-BBR4401に関するものであり、本発明の新菌株ビフィドバクテリウムブレーベIDCC4401菌株(寄託番号:KCTC13169BP)は優れる体内コレステロール減少効果を有するだけでなく、既存に公知されたB.breveらとは異なり、非常に高い水準の耐酸性及び耐胆汁性を有するために、動物(特に、ヒト)の消化管内で菌株が有する機能性をよく示し、生育する能力が優秀であり、持続的で効果的な体内コレステロール減少機能性を提供する。また、前記菌株に熱処理して製造された死菌体(ID-BBR4401)はコレステロール結合能が生菌と同等な水準乃至その以上に優れるだけでなく、胆汁酸とも高い水準の結合能を保有して胆汁酸の体外排出に著しい効能を見せる。これから本発明のID-BBR4401は体内コレステロール、特に、LDL-コレステロールの低減効果が非常にすぐれるだけでなく、体内中性脂肪の減少効果が著しいので、脂質異常症の予防及び治療において優秀な効能を見せるので、医薬及び健康機能食品などの関連分野で産業上利用可能性が高い。
【受託番号】
【0127】
寄託機関名:韓国生命工学研究院
受託番号:KCTC13169BP
受託日付け:20161202
寄託機関住所:56212大韓民国全羅北道井邑市イブシンギル181韓国生命工学研究院(KRIBB)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2023531714000001.app
【国際調査報告】