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特表2023-531716LEDヘッドライトアセンブリおよび制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】LEDヘッドライトアセンブリおよび制御
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/48 20200101AFI20230718BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20230718BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230718BHJP
【FI】
H05B45/48
H05B47/155
H05B47/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579937
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021038658
(87)【国際公開番号】W WO2021262835
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/043,467
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーベイ,ロス
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA02
3K273BA23
3K273BA24
3K273CA02
3K273CA12
3K273FA03
3K273FA08
3K273FA14
3K273FA22
3K273FA26
3K273FA31
3K273FA40
3K273GA28
3K273GA29
3K273PA07
3K273QA20
3K273QA21
3K273TA03
3K273TA09
3K273TA15
3K273TA32
3K273TA33
3K273TA37
3K273TA39
3K273TA49
3K273UA02
(57)【要約】
本開示は、屈曲照明などの高度な機能を可能にしながら、より少ない部品、電気、および電力を必要とするLEDヘッドライトトポロジおよびマトリックスを作成、使用、および制御するための方法およびシステムを含む。開示された方法およびシステムは、LEDおよび他のヘッドライトトポロジのための制御システムを含む、より小型の電気システムの使用を可能にすることができる。開示された方法およびシステムはまた、他の方法の中でもとりわけ画素ペアリングおよび時間多重化を利用して、電気的な流れを管理して、所与の時間に回路上で必要とされる電力を最小限に抑え、したがって、LEDヘッドライトトポロジを作成するために必要な材料の量、ならびにLEDヘッドライトトポロジを作成、使用、および制御するための関連する方法およびシステムを削減することができる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の発光ダイオード(LED)を制御するためのシステムであって、
第1のLEDドライバ回路への電流、電圧、または電力を制御するように構成された電子制御ユニット(ECU)と、
前記第1のLEDドライバ回路に電気的に接続された1つまたは複数のLEDと、
前記ECUに接続され、1つまたは複数の第1のLED機能を形成するために、前記1つまたは複数の第1のLEDを電気的にバイパスするように構成された第1の分流器と、を含むシステム。
【請求項2】
前記第1のLEDドライバ回路に電気的に接続された1つまたは複数の第2のLEDと、
前記ECUに接続され、1つまたは複数の第2のLED機能を形成するために、前記1つまたは複数の第2のLEDを電気的にバイパスするように構成された第2の分流器と、をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の分流器が、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を使用して制御され、前記1つまたは複数の第1のLEDをバイパスする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の分流器が、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を使用して制御され、前記1つまたは複数の第2のLEDをバイパスする、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ECUが、前記1つまたは複数の第1のLEDおよび前記1つまたは複数の第2のLEDの第1の分流器に供給される総電力が所定のしきい値に達するのを防止するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つまたは複数の第1のLEDが、独立して照明され得る複数のLEDを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ECUが、前記ヘッドライトアセンブリ内のLEDの組を照明するための様々なプロファイルを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
プロファイルが、ハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、およびターンライトプロファイルからなる群から選択されるプロファイルを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
車両内の発光ダイオード(LED)マトリックスを制御する方法であって、
前記車両内の1組のLEDを起動するための信号を受信するステップと、
1組のLEDに電力を供給するために第1のLEDドライバ回路を起動するステップと、
前記1組のLED内の1つまたは複数のLEDに接続された第1の分流器を制御して、前記1組のLED内の1つまたは複数のLEDを電気的にバイパスするステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のLEDドライバ回路によって消費される前記電力を監視するステップと、前記電力消費が所定のしきい値を上回る場合に前記1つまたは複数のLEDをバイパスするステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のLEDドライバ回路を起動するステップが、LED照明プロファイルを読み取って、前記第1の分流器でどのLEDをバイパスするべきかを決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記プロファイルが、ハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、またはターンからなる前記群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の分流器を制御するステップが、前記第1の分流器の時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
車両ヘッドライトアセンブリ内の発光ダイオード(LED)マトリックスを制御する方法であって、
LEDドライバによって給電される前記LEDマトリックスの第1のLEDおよび第2のLEDを識別するステップと、
前記第1のLEDと前記第2のLEDをペアリングするステップであって、LEDの前記ペアリングの総強度が前記LEDドライバによって給電される任意の個々の画素の最大強度を下回るステップと、
前記LEDドライバが出力するボルト-秒数のしきい値を決定するステップと、
前記しきい値を下回る前記LEDドライバから前記ボルト-秒数を出力するステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記LEDドライバに関連付ける1組のLED機能を決定するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1組のLED機能を前記LEDドライバに関連付けるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1組のLED機能が、次のLED光プロファイル、すなわちハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、またはターン信号プロファイルのうちの1つを含むLED光プロファイルに関連付けられ得る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ボルト-秒を出力するステップが、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析の任意の組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される、2020年6月24日に出願された「LED HEADLIGHT ASSEMBLY AND CONTROL」と題する米国仮特許出願第63/043467号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、車両ヘッドライトの設計に関し、より具体的には、発光ダイオード(LED)ヘッドライトのトポロジおよびマトリックス管理に関する。
【背景技術】
【0003】
一部の車両は、発光ダイオード(LED)で構成されたヘッドライト設計を使用する。自動車用ヘッドライトにおけるLED機能は、様々なヘッドライト設定に関連する様々なLED起動パターンおよび輝度レベルを含むことができる。例えば、LED機能は、ロービームスポット、ロービームワイド、ハイビーム、ターン、およびデイタイムランニングランプ(DRL)を含むことができるが、これらに限定されない。LED機能のロービームスポットは、車両から比較的近い距離を照明するように設計することができるが、主に1つのスポットまたは車両の直前の領域に焦点が合わせられる。LED機能のロービームワイドは、車両から比較的近い距離を照明するように設計することができるが、車両の側面にライトを投射するようにライトから円錐状に射出するように分散させることができる。したがって、ヘッドライトは、ロービームワイドにおいて、ロービームスポットと比較してより広いパターンで光を分散させる。LED機能のハイビームは、車両から比較的遠い距離を照明するように設計することができ、運転者が暗闇でより遠くを見ることを可能にする。LED機能のターンは、運転者が方向転換しようとしていることを対向車に合図するために使用することができる。デイタイムランニングランプは、運転者が近くの領域を照明するためにライトが必要でない場合でも、他の車両および車外の人々に対する車の視認性を高めるために使用することができる。
【0004】
他のLED機能は、ライトビームがターンおよびコーナの周りに照明を提供することを目的とする場合、屈曲照明などの高度な機能を含むことができる。例えば、LED機能は、LEDから光を出力して、車両がターンしている角度に光を向けるように設計されてもよい。
【0005】
図1Aに示すように、いくつかの現在の自動車用ヘッドライト設計は、複数のLEDを使用し、各LEDは、接続されたLEDを起動および停止するために使用される個々のドライバ回路に接続される。図1Aに示す実装形態では、各ドライバ回路は個々のLEDに接続され、個々のLEDはアースに接続されている。ドライバ回路を起動すると、単一のLEDが起動する。このようにして接続されたいくつかのLEDは、車両内の運転者が夜間に長距離を見ることを可能にするハイビームフロントヘッドライトを提供するために車両内で使用することができる。あるいは、ヘッドランプ内のいくつかのLEDがロービームの一部として使用されてもよい。自動車照明アセンブリ内の他のLEDは、デイタイムランニングライトとして使用することができる。
【0006】
いくつかの発光ダイオード(LED)ベースのヘッドライト設計では、個々のLED機能が並列に配置され、別個のLEDドライバによって独立して駆動されるが、これは各LEDストリングに対して単一のLEDドライバが必要であることを意味する。この並列設計は、各LEDストリングがLEDドライバを駆動するのに十分な電力を必要とする可能性があるため、費用効果が低く、システム効率の低下につながる可能性がある。例えば、より多くの電力が光よりも熱に変換され得、電気エネルギーを光に変換する効率が低下する。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態は、車両内の発光ダイオード(LED)を制御するためのシステムである。この実施形態は、第1のLEDドライバ回路への電流、電圧、または電力を制御するように構成された電子制御ユニット(ECU)と、第1のLEDドライバ回路に電気的に接続された1つまたは複数のLEDと、ECUに接続され、1つまたは複数の第1のLEDを電気的にバイパスして、1つまたは複数の第1のLED機能を形成するように構成された第1の分流器と、を含む。システムは、第1のLEDドライバ回路に電気的に接続された1つまたは複数の第2のLEDを含むことができる。システムは、ECUに接続され、1つまたは複数の第2のLEDを電気的にバイパスして1つまたは複数の第2のLED機能を形成するように構成された第2の分流器を含むことができる。第1の分流器は、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を使用して制御され得、1つまたは複数の第1のLEDをバイパスすることができる。第2の分流器は、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を使用して制御され得、1つまたは複数の第2のLEDをバイパスすることができる。ECUは、1つまたは複数の第1のLEDおよび1つまたは複数の第2のLEDの第1の分流器に供給される総電力が所定のしきい値に達するのを防止するように構成することができる。1つまたは複数の第1のLEDは、独立して照明され得る複数のLEDを含むことができる。ECUは、ヘッドライトアセンブリ内のLEDの組を照明するための様々なプロファイルを含むことができる。プロファイルは、ハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、およびターンライトからなる群から選択されるプロファイルを含むことができる。
【0008】
本開示は、車両内の発光ダイオード(LED)マトリックスを制御する方法を含み、方法は、車両内の1組のLEDを起動するための信号を受信するステップと、1組のLEDに電力を供給するために第1のLEDドライバ回路を起動するステップと、1組のLED内の1つまたは複数のLEDに接続された第1の分流器を制御して、1組のLED内の1つまたは複数のLEDを電気的にバイパスするステップと、を含む。方法は、第1のLEDドライバ回路によって消費される電力を監視するステップと、電力消費が所定のしきい値を上回る場合に1つまたは複数のLEDをバイパスするステップとをさらに含むことができる。第1のLEDドライバ回路を起動するステップは、LED照明プロファイルを読み取って、第1の分流器でどのLEDをバイパスするべきかを決定するステップを含むことができる。プロファイルは、ハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、またはターンからなる群から選択され得る。第1の分流器を制御するステップは、第1の分流器の時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析を含むことができる。
【0009】
本開示は、車両ヘッドライトアセンブリ内の発光ダイオード(LED)マトリックスを制御する方法を含み、方法は、LEDドライバによって給電されるLEDマトリックスの第1の画素および第2の画素を識別するステップと、第1の画素と第2の画素をペアリングするステップであって、ペアリングの総強度がLEDドライバによって給電される任意の個々の画素の最大強度を下回るようにペアリングが最適化されるステップと、LEDドライバが出力するボルト-秒数のしきい値を決定するステップと、LEDドライバに関連付ける1組のLED機能を決定するステップと、車両ヘッドライトアセンブリの1組のLED機能を最適化するステップと、1組のLED機能をLEDドライバと関連付けるステップと、を含む。1組のLED機能は、次のLED光プロファイル、すなわちハイビーム、ロービームスポット、ロービームワイド、デイタイムランニングライト、またはターンのうちの1つを含むLED光プロファイルに関連付けることができる。車両ヘッドライトアセンブリの1組のLED機能を最適化することは、時分割多重化、角度領域多重化、またはボルト-秒分析の任意の組み合わせを使用して最適化することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
次に、以下の図面を参照して、様々な本発明の特徴の実施形態を説明する。図面を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用され得る。図面は、本明細書に記載の例示的な実施形態を例示するために提供されており、開示の範囲を限定することを意図するものではない。
図1A】各LED機能に対応する並列ドライバLEDを有する従来技術の例示的な回路図を示す。
【0011】
図1B】本発明の一実施形態による、各LEDストリングがLEDドライバ、1つまたは複数のLED機能、および1つまたは複数の分流器を含む、LEDストリングを有する例示的な回路図を示す。
【0012】
図1C図1Bに示す例示的な回路図の動作のための例示的なタイミング図を示す。
【0013】
図2A】直列-分流トポロジを通る変化する電流の流れの一例を示す。
【0014】
図2B】直列-分流トポロジを通る変化する電流の流れの別の例を示す。
【0015】
図3A】例示的なLEDマトリックス配置を示す図である。
【0016】
図3B】バンクにグループ化された例示的なLEDマトリックス配置を示す図である。
【0017】
図4A】3つのインターリーブされたLEDバンクの経時的な例示的な電圧測定値を示す。
【0018】
図4B】LEDチャネルの経時的な例示的な電圧測定値を示す。
【0019】
図5】角度領域において画素ペアリングがどのように最適化され得るかを示すグラフを示す。
【0020】
図6】LEDドライバの利用率を最大化するために使用されるボルト-秒分析を示すグラフを示す。
【0021】
図7A】画素ペアリングを最適化する際の例示的な一連のステップを示す例示的なフローチャートを示す。
【0022】
図7B】画素ペアリングを最適化する際の例示的な一連のステップを示す例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
システム、装置、および方法の様々な態様は、添付の図面を参照して以下により十分に説明される。しかしながら、本開示の教示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本開示を通して提示される任意の特定の構造または機能に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本開示の範囲が、本発明の任意の他の態様から独立して実施されるか、または本発明の任意の他の態様と組み合わせられるかにかかわらず、本明細書に開示される新規なシステム、装置、および方法の任意の態様を網羅することを意図していることを理解するはずである。例えば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、装置を実装することができ、または方法を実施することができる。さらに、本発明の範囲は、本明細書に記載の本発明の様々な態様に加えて、または本明細書に記載の本発明の様々な態様以外の他の構造、機能、あるいは構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法を網羅することを意図している。本明細書に開示された任意の態様は、請求項の1つまたは複数の要素によって具体化され得ることを理解されたい。
【0024】
特定の態様が本明細書に記載されているが、これらの態様の多くの変形および置換が本開示の範囲内に含まれる。好ましい態様のいくつかの利益および利点が言及されているが、本開示の範囲は、特定の利益、使用、または目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様は、異なる無線技術、システム構成、ネットワーク、および伝送プロトコルに広く適用可能であることが意図されており、それらのうちのいくつかは、図面および好ましい態様の以下の説明において例として示されている。詳細な説明および図面は、本開示を限定するのではなく単に例示するものであり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0025】
本開示は、屈曲照明などの高度な機能を可能にしながら、従来のシステムと比較してより少ない部品、電気、および電力を必要とするLEDヘッドライトトポロジおよびマトリックスを作成、使用、および制御するための方法およびシステムを含む。開示された方法およびシステムは、LEDおよび他のヘッドライトトポロジのより容易な製造、ならびにLEDおよび他のヘッドライトトポロジのより容易な修理を可能にすることができる。開示された方法およびシステムの実施形態は、LEDおよび他のヘッドライトトポロジのための制御システムを含む、より小型で低電力の電気システムの使用を可能にすることができる。他の実施形態は、他の方法の中でもとりわけ画素ペアリングおよび時間多重化を利用して、各LEDへの電気的な流れを管理して、所与の時間に回路上で必要とされる電力を最小限に抑え、したがって、LEDヘッドライトトポロジを作成するために必要な材料の量、ならびにLEDヘッドライトトポロジを作成、使用、および制御するための関連する方法およびシステムを削減することができる。
【0026】
本システムのいくつかの実装形態では、複数のLEDのグループが同じLEDドライバに直列に接続され、単一のLEDストリングとして駆動される。この設計は、複数のLEDライトおよび機能を単一のLEDドライバに割り当てることを可能にする。いくつかの実装形態では、本システムは、分流器を使用して個々のLEDまたはLEDのグループの輝度を調整することによって、同じLEDストリング内の他のLEDの輝度に影響を与えることなく個々のLED機能を制御する。例えばLEDドライバの数を減らすことによる部品数の削減によって、システムコストを削減し、プリント回路基板(PCB)のサイズを縮小し、他の電気部品のためのスペースを増やすことができる。これにより、より小さなLEDヘッドライト設計を様々なヘッドライト構成および設計に適合させることができ、回路の複雑さも低減することができる。複雑さの低減は、本システムを利用するヘッドライトの製造、修理、および交換の改善につながる可能性がある。本実施形態はまた、特定のヘッドランプを用いて筐体またはヒートシンクのサイズを小さくすることができる。
【0027】
一般に、LEDドライバの数が少ないシステムはまた、機能するのに必要なエネルギーおよび/または電力の量を減らすことができ、したがって、電気自動車などで電力がバッテリから消費される場合、電力消費を減らし、バッテリ寿命を延ばすことができる。したがって、本開示の直列-分流LEDトポロジは、改善された電気効率、サイズおよび重量の削減、ならびにコスト削減をもたらすことができる。直列-分流トポロジは、任意の高出力LED照明システムにおいて電気効率を改善し、コストを削減するために利用することができるが、本開示は自動車ヘッドライトにおけるその使用に焦点を合わせている。
【0028】
図1Bに示すように、5つのLEDをサポートする直列-分流トポロジは、2つのドライバ回路、LEDドライバ1およびLEDドライバ2のみを必要とする。図1Bに示す直列-分流トポロジは、各LEDの個別制御のためのLED分流器を含む。分流器が各LED機能に配置され、その結果、各分流器に接続された制御システムを使用して分流器を起動することによって個々のLED機能を独立して制御することができる。図示されるように、VinはLEDドライバ1に接続し、LEDドライバ1はLEDストリング1に電力を供給する。LEDドライバ1は、第1のLED(LED機能1)および第2のLED(LED機能2)に電力を供給する。LED機能1はまた、第1のLED調光分流器に接続され、第1のLED調光分流器は、LEDを通過する電力を分流し、LED機能1を制御可能に暗くまたは明るくするように作用することができる。図1Bに示すように、LEDストリング1はまた、LEDストリング1上の第2のLED調光分流器に接続されたLED機能2を含む。各分流器を起動することにより、制御システムは、LEDストリング1内の第1のLEDまたは第2のLEDの輝度を制御することができ、LEDストリング1に電力およびLED起動を提供するために単一のドライバのみが必要である。
【0029】
図1Bにも示すように、LEDドライバ2は、Vinに接続され、1組の3つのLED(LED機能1、2、および3)を駆動するように構成される。3つのLEDの各々は、同じ直列内の他のLED機能に影響を及ぼすことなく各LEDを暗くまたは明るくするために使用することができる個々の分流器回路に接続される。
【0030】
各分流器を動作させるために、制御システムは、分流器をオフにする(切断する)ことができ、それにより、電流がその機能のLEDを通って流れることを可能にし、それによってLEDを照明する。LED機能の分流器がオンになると、その機能のLEDの周りで電流が分流される可能性があるので、電力がLEDをバイパスしているためにLEDがオンにならない場合がある。あるいは、分流器を使用して、LEDを完全にオフにするのではなく、暗くすることができる。
【0031】
LEDを暗くするために、各分流器は、顕著なフリッカを回避するのに十分高いが、スイッチング損失がわずかであり得るほど十分に低い周波数で変調することができる。例えば、分流器は、約200Hzの周波数で機能するように変調することができる。あるいは、分流器は、設計上の制約に応じて、約100、120、130、144Hzの周波数、または200Hzを超える周波数で機能するように変調することができる。LEDの各ストリングに電力を供給するLEDドライバは、直列を通る一定の電流を維持することができ、したがって、任意の所与のLED機能を通る電流は、その関連する分流器によって制御され得る。したがって、分流器は、各LED機能の相対輝度に対する完全な制御を維持しながら、同じLEDドライバから複数のLED機能を駆動することができる。分流器は、PCB空間をほとんど使用しないように構成することができ、LEDドライバおよび昇圧コンバータなどの他の電気部品と比較して複雑さが比較的低くなり得るため、有用であり得る。
【0032】
図1Cは、図1Bに示す例示的な直列-分流トポロジを参照して、図1BのLED機能1、2、3、4、および5の例示的な電圧レベルと、2つのLEDストリング上で見ることができる対応する電圧レベルとを示すタイミング図である。LED機能1および2は直列であり、LEDストリング1を構成し、LED機能3、4、および5は直列であり、LEDストリング2を構成する。図1Cはまた、任意のLEDストリングまたはLED機能の過電圧状態を回避するために、異なるLED機能をどのように多重化できるかを示している。例えば、LED機能3は、デイタイムランニングランプであり得、LED機能5は、ロービームワイドライトであり得る。デイタイムランニングライトは昼間に点灯し、ロービームワイドライトは暗闇で点灯するため、これらのライトが同時に使用されることはない。このように、図1Cに示す例示的な時間多重化は、LED機能3がデイタイムランニングランプとして機能でき、ロービームワイドライトとしてのLED機能5がオフであるときにのみオンにされて起動され、逆もまた同様である方法を示す。
【0033】
別の例では、LED機能1およびLED機能2は、それぞれ第2のデイタイムランニングランプおよび第3のデイタイムランニングランプとして機能することができる。このように、図1Cに示す例示的な時間多重化は、第2のデイタイムランニングランプとしてのLED機能1が、第3のデイタイムランニングランプとしてのLED機能2がオフであるときにのみオンであり、逆もまた同様である方法を示す。これらの例は、LEDドライバチャネルの時間多重化および/またはインターリーブが、LEDストリング全体の順方向電圧を増加させることなく、どのように追加のLED機能を可能にするかを示している。
【0034】
図2Aおよび図2Bは、分流器によって誘導される直列-分流トポロジを通る変化する電流の流れの例を示す。電流の流れを変えることにより、特定の状況で使用され得るLED機能の様々な組み合わせを可能にすることができる。例えば、図2Aに示すハイビームLEDの分流器起動は、夜間に運転するためのハイビームLED機能の起動を回避して、対向車に対するリスクを低減することができる。別の例では、図2Bは、日中の運転のために、デイタイムランニングライト(DRL)のみを含むことができる起動されたLED機能の組み合わせを示す。図2Bに示すように、LEDドライバ1は、ロービームスポットLED、ロービームワイドLED、およびハイビームLEDをバイパスし、起動されるDRL 1 LED機能のみを接続するように分流される。同様に、LEDドライバ2は、図2Bに示すように3つのDRLシステムすべてが起動されるようにDRL 2およびDRL 3に接続する。図2Aおよび図2Bはまた、ダイオードおよび分流器を使用して、いずれかのLEDドライバから方向指示器に電力を供給することができる方法を示している。
【0035】
図2Aおよび図2Bにおける描写は、LEDドライバ1およびLEDドライバ2によって起動されるすべてのLED機能を反映することができるが、すべてのLED機能が同じ瞬間に起動される必要はない。図2Aおよび図2Bは、一度に1つまたは複数のLED機能を起動させることができるLEDドライバの例示的なモードと、関連するLED機能の各々への交番信号および/または多重化信号とを示す。
【0036】
本明細書に記載の直列-分流トポロジは、複数のLED機能間で単一のLEDドライバを共有するために時間多重化を使用することができる。LED機能を時間的にインターリーブおよび多重化するための異なるLED機能の個々の制御を分流器が可能にするので、時間多重化を使用することができる。ヒステリシスLEDドライバは、LEDドライバへの入力電圧とLEDドライバからの出力電圧との間に大きな差があると、電気効率が悪いという問題を被り得る。複数のLED機能を積み重ねてそれらを多重化することにより、直列-分流トポロジは入出力電圧差を低減し、LEDドライバの電気効率を高めることができる。
【0037】
入出力電圧差の減少は、同じLEDドライバによって駆動されるLED機能の時間多重化に起因する可能性がある。例えば、図2AのLEDドライバ1は、最大LEDドライバ電圧が同時にロービームワイドおよびDRL 1の両方を含まないため、DRL 1およびロービームワイドを駆動することができる。LEDドライバは、時間多重化を使用して、DRL1およびロービームワイドLED機能を異なる時間に駆動する。同様に、図2BのDRL 2およびDRL 3は同時にオンになることは決してなく、したがって、LEDドライバ2は、DRL 2およびDRL 3の両方を駆動することができるが、これは、両方が同時に最大LEDドライバ電圧に寄与することは決してないからである。この電気効率の向上および/または電力消費の低減により、直列-分流トポロジで使用される昇圧コンバータは、他のトポロジにおける昇圧コンバータより物理的に小さくすることができる。直列-分流トポロジは、任意の市販のLEDドライバを使用して実装できることを理解されたい。
【0038】
いくつかの実装形態では、LEDマトリックス制御システムは、非効率であり、また上流の構成要素に影響を及ぼす大きな電力/電流サージを被る可能性がある大型で高価なECUをもたらす。いくつかの実装形態では、LEDマトリックス制御方法は、一般に、ある1つのLEDバンク内のすべての画素の開始時間をそろえる。本明細書で使用される場合、「画素」 は、個々のLEDであってもよい。画素は、複数の個々のLEDを含むLEDバンクの一部であってもよく、画素の各々は、LEDバンク内に特定の光パターンを提供するために個別に給電されてもよい。ある1つのLEDバンク内のすべての画素の開始時間をそろえることにより、すべての画素が同時にオンになり、必要に応じて同時にオフになり、所望の輝度を達成する。これにより、上流の構成要素から短時間で最大の電力/電流が消費される。サージに対応するために、上流構成要素(例えば、ワイヤ、ハイサイドドライバなど)は、電力消費に対応するサイズにする必要があり、LEDマトリックスモジュールは、バンクごとに専用のLEDドライバを用いてLEDのバンクに分割される必要がある。さらに、より高い入出力電圧差からより多くの電気的非効率が存在する。これは、各LEDドライバがLEDの小さな部分を制御することにつながる。この設計では、LEDドライバを非効率的に利用し、マトリックスを駆動するために複数のLEDドライバを必要とする。本制御方法は、より少ない構成要素数、より高いシステム電気、構成要素、およびスペース効率、ならびにより低いシステムコストを可能にすることができる。本システムおよび方法は、複数のバンクを組み合わせてチャネルを形成することができる。バンクごとに1つのLEDドライバを使用する代わりに、本方法はチャネルごとに1つのLEDドライバを使用することができ、それによって必要なLEDドライバの数を減らすことができる。本システムおよび方法は、LEDドライバをより効率的に利用するために画素をグループ化することによってLEDシステム効率をさらに高めることができる。これらのLEDのこの制御はまた、個々の画素の活性化期間をインターリーブすることによってサージ電流の発生を制限することができる。システムの実施形態は、上述の直列-分流LEDトポロジを含むがこれに限定されない任意のLEDマトリックスを制御するために使用されてもよい。
【0039】
図3Aおよび図3Bは、例示的なLEDマトリックス配置を示す。図3Aは、28×4マトリックスの個々の画素を示し、各画素は、設定された輝度で照明ユニット内で動作することができる。所与の画素の輝度は、現在起動されているLED機能(例えば、ハイビーム、ロービームスポット、またはデイタイムランニングライト)によって決定されてもよい。別のLED機能は、屈曲照明であってもよく、これは、車両が角を曲がる準備をしているか、角を曲がる過程にあるか、角を曲がるのを完了するか、または道路の屈曲に合わせて調整するときにヘッドライトの方向性を変えることができる機能である。従来技術の実装形態では、光ビームが屈曲部に向かって傾斜するようにモータがヘッドライトハードウェアを回転させる屈曲照明が機械的に達成された。本実施形態では、屈曲照明は、光ビームを屈曲部に向かって集束させるように画素輝度を調整することによって電子的に達成される。いくつかの実装形態では、屈曲部に面する画素は輝度が増加し得るが、屈曲部から外方に面する画素は暗くなり得る。いくつかの実装形態では、屈曲照明は、個々の画素の輝度に基づいて個々の画素によって放射される光による干渉パターンの作成によって達成することができる。
【0040】
図3Bは、図3Aの個々の画素がどのようにバンクにグループ化され得るかの可能な構成を示す。図3Bに示すように、LEDは、LEDライトの9つのバンクにグループ化することができ、各バンクは個別に制御可能である。いくつかの実施形態では、図3Aは各画素の利用率を説明し、図3Bはバンクの利用率を説明する。これらの9つのバンクは、さらにチャネルにグループ化されてもよい。チャネルを形成するために、より多くの電力を消費するバンクは、使用されている電力量が、1つのチャネルを形成するようにグループ化された複数のバンクに電力を駆動する関連するLEDドライバの最大値を決して超えることがないように、より少ない電力を消費するバンクとペアにすることができる。いくつかの実装形態では、利用率が低い1つまたは複数のバンクは、バンクに必要な電力がLEDドライバが供給できる最大電力を超えないように、利用率が高い1つまたは複数のバンクとペアにされる。各バンク内の画素を個別にインターリーブして、発生する大きな電力/電流サージを平滑化することもできる。本制御方法では、1つのLEDドライバで各チャネルを駆動することができる。したがって、本制御方法は、画素の輝度の非常に動的な制御を必要とする屈曲照明のような高度な機能を依然として実装しながら、LEDドライバの利用率を最大化することができる。
【0041】
いくつかの実装形態では、より低い利用率を有する1つまたは複数のバンクは、任意の特定のLED機能を実行するときにバンクに必要な電力がLEDドライバが供給できる最大電力を超えないように、より高い利用率を有する1つまたは複数のバンクとペアにされる。利用率は、平均電力消費、輝度、またはしきい値量の電流が通常消費される時間の割合で測定することができる。各バンク内の画素を個別にインターリーブして、任意の特定のLED機能中に発生する大きな電力/電流サージを平滑化することもできる。
【0042】
図4Aおよび図4Bは、画素活性化時間がインターリーブされるLEDマトリックス内の電圧レベルを示す。図4Aは、LEDバンクが1つのチャネルを形成するように構成されている単一のLEDドライバによって制御することができる3つのインターリーブされたLEDバンクの経時的な例示的な電圧測定値を示す。インターリーブでは、LEDバンクを同時に起動させる必要はない。代わりに、各LEDバンクは必要なときにのみ起動させることができるので、電力サージを時間内に分散させることができ、それによって大きなサージを回避することができる。インターリーブされたLEDマトリックスは、同時に起動された場合でも、ドライバがサポートできるよりも多くの電力を消費しないバンクを一緒にグループ化することによって、LEDバンク起動の重複をサポートすることができる。
【0043】
図4Bは、LEDチャネルの経時的な例示的な電圧測定値を示す。チャネルは、少なくとも2つのLEDバンクを一緒にグループ化することによって形成することができる。各チャネルは、専用のLEDドライバによって制御することができる。インターリーブでは、LED機能の変化の間にLEDドライバを比較的長期間(0電圧で)アイドル状態にする他の方法とは対照的に、LEDドライバをより長い時間使用することができる。図に示すように、インターリーブは、ピークチャネル電圧を最小にすることができ、システムがドライバの最大サポート電圧を超えることを防止することができる。
【0044】
図5は、屈曲照明のために角度領域において画素ペアリングがどのように最適化され得るかを示すグラフである。上述したように、電子屈曲照明は、個々の画素の動的な調光および明るくすることを必要とする場合がある。図5は、画素A、画素B、およびそれらの強度の合計の曲げ角度および強度を示す。画素強度は、曲げ角度に依存し得、曲げ角度が変化するにつれて変化し得る。いくつかの実装形態では、屈曲照明は、ビームが車両の左側から発せられているか右側から発せられているかに応じて、-10度から5度、または-5度から10度の曲げ角度のビームパターンを含むことができる。この例では、-10度は、まっすぐに輝く光に対して-10度とすることができ、左または右に-10度とすることができる。いくつかの実装形態では、これらの曲げ角度は、(例えば、0度、0.1度、0.2度、0.3度、0.4度などの曲げ角度を許容する)0.1度の分解能で変化するように構成することができる。最適化された画素ペアリングは、画素ペアが決して100%の合成強度を超えないことを保証しながら、LED機能中の各画素の強度の調整を可能にすることができる。強度は、画素に供給される電圧、電流、および/または電力、または画素から発せられる光の輝度を指すことができる。また、画素の強度は、画素に電力を供給するためにパルス幅変調を実施するときの画素のオン時間に関連付けることができる。例えば、画素の各ペアには、任意の所与の時間に単一の画素に供給することができる最大電圧、電流および/または電力を超える電圧、電流および/または電力を供給することができない。いくつかの実装形態では、画素の各ペアは、単一の画素によって発せられ得る最大光を超える光を発することができない。すべての角度について100%の強度を有する画素ペアは、一方の画素の任意のオフ時間が他方のオン時間によって埋められるので、2つの画素が完全に一致することを意味することができる。
【0045】
図5に示すように、画素は、必ずしもすべての角度に対して100%の強度まで合計する必要はないが、理想的な合計は、100%を超えることなく可能な限り100%に近くなければならない。すべての画素ペアを100%の強度に最適化しようとすることにより、入出力電圧差を最小化して、電気効率および本明細書に開示される他の要因を増加させることができる。例えば、一部の画素は負の角度で最大強度を有することができ、他の画素は正の角度で最大強度を有することができる。反対の角度で最大強度を有するこれらの画素は、一方が暗い場合に他方が明るいように一緒にペアにされてもよい。ペアになった画素は、互いに隣接していなくてもよいし、横方向に隣接していなくてもよい。あるいは、画素ペアの強度は、合計が200%に近くなるように最適化することができ、ここで200%は、LEDドライバが電力を供給するように設計されている2つの画素の最大強度を表す。
【0046】
画素ペアリングは、角度領域および時間領域において最適化することができる。例えば、角度領域最適化は、光の曲げ角度にわたる利用率に基づいて画素をペアリングする。別の例では、時間領域最適化は、時間多重化中の利用率に基づいて画素をペアリングする。画素ペアリングは、角度領域と時間領域の両方にわたって同時に最適化することができる。画素ペアリングはまた、ボルト-秒領域(本明細書に記載)において最適化することができる。
【0047】
図6は、LEDドライバの利用率を最大化するために使用されるボルト-秒分析を示すグラフである。複数のLED機能を多重化する場合、(Tetromino分析としても知られている)ボルト-秒分析を使用してLEDドライバチャネルを最適化することができる。ボルト-秒分析によって、図6の矩形部分によって表されるボルト-秒単位の面積に関してLEDドライバの最大能力を見ることができる。ボルト-秒分析を使用して、LEDドライバ(またはLEDドライバのコントローラ)は、入力電圧および入力電圧のPWMを調べることによって、駆動するLED機能を決定することができる。例えば、図6にキャプチャされたボルト-秒分析のグラフを有する例示的なLEDドライバシステムは、入力電圧が30~50Vであり、入力電圧のPWMが0~90%である場合にハイビームLED機能を駆動する。図6にキャプチャされた同じ例示的なLEDドライバシステムは、入力電圧が10V~30Vであり、入力電圧のPWMが10%~100%である場合にロービームワイドLED機能を駆動する。ボルト-秒分析を使用することは、単一のLEDドライバによって駆動される複数のLED機能のための制御方式のより単純な設計をもたらすことができる。LEDドライバは、そのボルト-秒容量が完全に占有されるまで、可能な限り多くの異なる機能をサポートすることができる。LEDドライバ出力電圧を増加させると、利用可能な総ボルト-秒面積を増加させることができる。LEDドライバ電流を増加させると、各機能に必要なボルト-秒面積を減少させることができ、それによってLEDドライバごとにより多くの機能を可能にする。したがって、ドライバの電圧および電流を調整することによって、LEDドライバの利用率(例えば、LED機能によって占有される、LEDドライバのボルト-秒面積)を最大化することができる。
【0048】
図7Aおよび図7Bは、画素ペアリングを最適化する際の例示的な一連のステップを示す例示的なフローチャートを示す。このフローチャートは、屈曲照明などの高度な機能のために、画素が可能な限り効率的にペアにされることを保証するのに役立つ。この方法はまた、LEDドライバによって給電されるチャネル内の画素の各可能なペアに数値を割り当てることを可能にし、数値は、画素がどの程度良好にペアになっているかを表す。
【0049】
図7Aは、角度領域最適化として説明することができる例示的な一連のステップを表す。角度領域最適化は、(例えば、屈曲照明などの高度な機能のために、)チャネル内の各画素の利用率を説明し、その利用率を使用して画素ペアリングを決定する。
【0050】
図7Bは、時間領域最適化として説明することができる例示的な一連のステップを表す。時間領域最適化は、画素、バンク、および/またはチャネル、ならびにそれらのそれぞれのピーク電圧またはピーク電流の期間にわたる利用率を説明する。時間領域最適化は、多重化技術またはインターリーブ技術を使用して、目標とする照明またはビームパターンおよび輝度のために必要な電圧および/または電流をLEDに提供しながら、(画素、バンク、またはチャネルのピーク電圧もしくはピーク電流のいずれにせよ)電気システムにおいてピーク電圧またはピーク電流を超えないことを保証することができる。
【0051】
前述の開示は、開示された正確な形態または特定の使用分野に本開示を限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実装および/または修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実装形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0052】
前述の明細書では、特定の実装形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示された様々な実装形態は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正または実装することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示されたモータアセンブリの様々な実装形態を作成および使用する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実装形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書に代表的に示され説明された要素、材料、プロセス、またはステップを、同等の要素、材料、プロセス、またはステップで置き換えてもよい。さらに、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後にすべて当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を説明および特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素または要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及は、複数形にも関連すると解釈されるべきである。
【0053】
さらに、本明細書に開示された様々な実装形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。すべての結合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステムおよび/または方法の位置、向き、または使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。さらに、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。
【0054】
さらに、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主」などのすべての数値用語、または任意の他の順序および/または数値の用語もまた、本開示の様々な要素、実装形態、変形例および/または修正例に関する読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実装形態、変形例および/または修正例の、別の要素、実装形態、変形例および/または修正例に対する、順序または優先に関するいかなる限定も生じない。
【0055】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つまたは複数はまた、より分離または統合された方法で実装されてもよく、または特定の場合には動作不能として除去またはレンダリングされてもよいことも理解されよう。さらに、図面/図中の任意の信号ハッチは、特に明記しない限り、例示としてのみ考慮されるべきであり、限定するものではない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】