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特表2023-531717修飾銅-亜鉛触媒、及び二酸化炭素からのアルコール生成のための方法
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  • 特表-修飾銅-亜鉛触媒、及び二酸化炭素からのアルコール生成のための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】修飾銅-亜鉛触媒、及び二酸化炭素からのアルコール生成のための方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/80 20060101AFI20230718BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20230718BHJP
   B01J 37/03 20060101ALI20230718BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20230718BHJP
   C07C 29/153 20060101ALI20230718BHJP
   C07C 31/04 20060101ALI20230718BHJP
   C07C 31/08 20060101ALI20230718BHJP
   C07C 31/10 20060101ALI20230718BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20230718BHJP
【FI】
B01J23/80 Z
B01J37/04 102
B01J37/03 A
B01J37/02 101Z
C07C29/153
C07C31/04
C07C31/08
C07C31/10
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579940
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 US2021038802
(87)【国際公開番号】W WO2021262922
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/114,783
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/044,175
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522058693
【氏名又は名称】エアー カンパニー ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Air Company Holdings, Inc.
【住所又は居所原語表記】407 Johnson Avenue, Brooklyn, New York 11206, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーハン,スタッフォード,ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チー
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA08A
4G169BA15A
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB08A
4G169BB11A
4G169BC01A
4G169BC02A
4G169BC02B
4G169BC03A
4G169BC03B
4G169BC06A
4G169BC10A
4G169BC16A
4G169BC22A
4G169BC30A
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC32A
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC40A
4G169BC42A
4G169BC43A
4G169BC50A
4G169BC51A
4G169BC53A
4G169BC55A
4G169BC57A
4G169BC59A
4G169BC61A
4G169BC62A
4G169BC65A
4G169BC66A
4G169BC66B
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC69A
4G169BC70A
4G169BC72A
4G169BD05A
4G169BD15A
4G169CB02
4G169CB70
4G169DA06
4G169EB18X
4G169EC02X
4G169EC03X
4G169EC04X
4G169EC06X
4G169EC07X
4G169EC08X
4G169EC22X
4G169FA02
4G169FB05
4G169FB09
4G169FB14
4G169FB30
4G169FB31
4G169FB44
4G169FB77
4G169FC08
4H006AA02
4H006AC41
4H006BA02
4H006BA05
4H006BA07
4H006BA19
4H006BA20
4H006BA30
4H006BA55
4H006BA61
4H006BA81
4H006BA85
4H006BE41
4H006FE11
4H039CA60
4H039CB20
(57)【要約】
本開示は、触媒であって、銅と、亜鉛と、鉄、ニッケル、又はコバルトから選択される1つ以上の第1の元素と、アルミニウムと、酸素と、任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、第1の元素が、銅、亜鉛、第1の元素、任意選択の第2の元素、及び任意選択のIA族金属の総量の約1~約40重量%(例えば、約1~約10重量%、約25~約40重量%、約30~約40重量%、又は約35~約40重量%)の量で存在する、触媒、並びに二酸化炭素からのエタノール及び高級アルコールの生成において、該触媒を使用する方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾CZA触媒であって、
銅と、
亜鉛と、
コバルト、鉄、又はニッケルから選択される1つ以上の第1の元素と、
アルミニウムと、
酸素と、
任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、
任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、
前記第1の元素が、前記銅、亜鉛、前記第1の元素、前記任意選択の第2の元素、及び前記任意選択のIA族金属の総量の約1~約40重量%(例えば、約1~約10重量%、約25~約40重量%、約30~約40重量%、又は約35~約40重量%)の量で存在する、修飾CZA触媒。
【請求項2】
前記1つ以上の第1の元素が、コバルトである、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記1つ以上の第1の元素が、ニッケルである、請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
前記1つ以上の第1の元素が、鉄である、請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
前記触媒が、前記1つ以上の第2の元素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記1つ以上の第2の元素が、マンガンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】
前記1つ以上の第2の元素が、ジルコニウムを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
前記1つ以上の第2の元素が、ニオブを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項9】
前記1つ以上の第2の元素が、モリブデンを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項10】
前記触媒が、亜鉛に対して約1~約3のモル比で銅を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒が、亜鉛に対して約2~約2.5のモル比で銅を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒が、銅に対して約0.5~約1.5のモル比で亜鉛を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項13】
前記触媒が、銅に対して約0.5~約1.5のモル比で鉄を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒が、前記銅に対して約0.4~約2.1のモル比でアルミニウムを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項15】
前記触媒が、銅に対して約0.5~約1のモル比でアルミニウムを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項16】
前記触媒が、1つ以上のIA族金属を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項17】
前記1つ以上のIA族金属が、カリウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項18】
前記1つ以上のIA族金属が、ナトリウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項19】
前記1つ以上のIA族金属が、セシウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項20】
前記触媒が、銅に対して約0.05~約0.5のモル比で前記1つ以上のIA族金属を含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項21】
前記触媒が、銅に対して約0.15のモル比で前記1つ以上のIA族金属を含む、請求項20に記載の触媒。
【請求項22】
前記触媒が、酸化亜鉛を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項23】
前記触媒が、酸化銅を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項24】
前記触媒が、酸化コバルトを含む、請求項1、2、又は5~23のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項25】
前記触媒が、酸化鉄を含む、請求項1又は4~23のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項26】
前記触媒が、酸化ニッケルを含む、請求項1、3、又は5~23のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項27】
前記触媒が、アルミナを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項28】
前記触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛、及びアルミナを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項29】
前記触媒が、ニッケル、銅、酸化亜鉛、及びアルミナを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項30】
前記触媒が、鉄、銅、酸化亜鉛、及びアルミナを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項31】
前記触媒が、
前記コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、
前記コバルトに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記コバルトに対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む、請求項28に記載の触媒。
【請求項32】
前記触媒が、
前記ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、
前記ニッケルに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記ニッケルに対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む、請求項29に記載の触媒。
【請求項33】
前記触媒が、
前記鉄に対して約2.5のモル比で銅と、
前記鉄に対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記鉄に対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む、請求項30に記載の触媒。
【請求項34】
前記触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛、アルミナ、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項35】
前記触媒が、ニッケル、銅、酸化亜鉛、アルミナ、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項36】
前記触媒が、鉄、銅、酸化亜鉛、アルミナ、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項37】
前記触媒が、
前記コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、
前記コバルトに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記コバルトに対して約0.35のモル比でアルミナと、
前記コバルトに対して約0.1のモル比で前記IA族金属と、を含む、請求項34に記載の触媒。
【請求項38】
前記触媒が、
前記ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、
前記ニッケルに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記ニッケルに対して約0.35のモル比でアルミナと、
前記ニッケルに対して約0.1のモル比で前記IA族金属と、を含む、請求項35に記載の触媒。
【請求項39】
前記触媒が、
前記鉄に対して約2.5のモル比で銅と、
前記鉄に対して約1のモル比で酸化亜鉛と、
前記鉄に対して約0.35のモル比でアルミナと、
前記鉄に対して約0.1のモル比で前記IA族金属と、を含む、請求項36に記載の触媒。
【請求項40】
修飾CZA触媒であって、
銅と、
亜鉛と、
任意選択で、コバルト、鉄、又はニッケルから選択される1つ以上の第1の元素と、
アルミニウムと、
酸素と、
任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、
任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、
銅の亜鉛に対するモル比が、約2~約4である、修飾CZA触媒。
【請求項41】
前記銅の亜鉛に対するモル比が、約2.33である、請求項40に記載の触媒。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか一項に記載の触媒と、追加の支持体と、を含む、触媒組成物。
【請求項43】
前記追加の支持体が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛、及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物、又はケイ酸塩から選択される1つ以上の材料を含む、請求項42に記載の触媒組成物。
【請求項44】
前記追加の支持体が、γ-アルミナを含む、請求項42又は43に記載の触媒組成物。
【請求項45】
前記追加の支持体が、1つ以上の炭素系材料を含む、請求項42に記載の触媒組成物。
【請求項46】
前記炭素系材料が、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン、及び酸化グラフェンから選択される、請求項45に記載の触媒組成物。
【請求項47】
前記追加の支持体が、メソ多孔性材料である、請求項42~46のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項48】
前記追加の支持体が、約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔容積を有する、請求項47に記載の触媒組成物。
【請求項49】
前記追加の支持体が、約10m/g~約1000m/gの表面積を有する、請求項42~48のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項50】
触媒組成物が、約5重量%~約80重量%の前記触媒を含む、請求項42~49のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項51】
前記触媒組成物が、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項42~50のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項52】
前記触媒組成物が、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項42~51のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項53】
前記触媒組成物が、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項42~52のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項54】
前記触媒組成物が、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項42~52のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項55】
請求項1~41のいずれか一項に記載の触媒を調製するための方法であって、共沈殿、湿式含浸、又はボールミル加工によって前記触媒を調製することを含む、方法。
【請求項56】
(a)第1の元素(例えば、Co/Fe/Ni)、銅、亜鉛、アルミニウム、塩基、及び水の源を含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)前記第1の溶液を第1の温度で第1の期間にわたって加熱し、それにより、第1の反応混合物を生成するステップと、
(c)前記第1の反応混合物を第2の温度で第2の期間にわたって加熱して、前記水を除去し、それにより、固体前駆体を生成するステップと、
(d)前記固体前駆体を第3の温度に第3の期間にわたって加熱し、それにより、前記触媒を単離するステップと、を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
ステップ(d)の前に、前記固体前駆体を、IA族金属を含む溶液と接触させるステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
(a)第1の元素(例えば、Co/Fe/Ni)、銅、亜鉛、鉄、及び水の源を含む第2の溶液を提供するステップと、
(b)塩基を含む第3の溶液を提供するステップと、
(c)前記第3の溶液を第3の温度で第3の期間にわたって加熱するステップと
(d)アルミナを前記第3の溶液に添加し、それにより、第2の反応混合物を生成するステップと、
(e)前記第2の溶液を第4の温度で第4の期間にわたって前記第2の反応混合物に添加し、それにより、第3の反応混合物を生成するステップと、
(f)前記第3の反応混合物を第5の温度で第5の期間にわたって加熱し、それにより、固体前駆体を生成するステップと、
(g)前記固体前駆体を単離するステップと、
(h)前記固体前駆体を、IA族金属を含む溶液と接触させ、それにより、触媒前駆体を生成するステップと、
(i)前記触媒前駆体を第6の温度に第6の期間にわたって加熱し、それにより、前記触媒を単離するステップと、を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
COを還元するための方法であって、請求項1~41のいずれか一項に記載の触媒又は請求項42~54のいずれか一項に記載の触媒組成物を、COと還元剤ガスとを含む供給混合物と、還元温度及び還元圧力で接触させ、それにより、液体生成物混合物を提供することを含む、方法。
【請求項60】
前記還元剤ガスが、Hである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記還元剤ガスが、CH、エタン、プロパン、又はブタンなどの炭化水素である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記還元剤ガスが、フレアガス、廃棄ガス、若しくは天然ガスであるか、又はそれに由来する、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記還元剤ガスが、CHである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記供給混合物が、25%未満のCO、20%未満のCO、15%未満のCO、10%未満のCO、5%未満のCO、又は1%未満のCOを含む、請求項59~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記供給混合物が、COを実質的に含まない、請求項59~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記還元温度が、100~450℃である、請求項59~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記還元圧力が、約50~約3000psiである、請求項59~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記還元圧力が、約500~約3000psiである、請求項59~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記還元圧力が、約1000psiである、請求項59~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記供給混合物中のCOの分圧が、約20~約1000psi、約200~約1000psi、約500~1000psi、又は約750~1000psiである、請求項59~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記供給混合物中のCO:還元剤ガスの比が、約1:10~約10:1である、請求項59~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記供給混合物中の前記CO:還元剤ガスの比が、約1:3~約1:1である、請求項59~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記液体生成物混合物が、エタノールを含む、請求項59~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記液体生成物混合物が、メタノール、エタノール、及びn-プロパノールを含む、請求項59~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記方法が、エタノールに対して選択的である、請求項59~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
エタノールの量が、液体生成物混合物の総量の少なくとも2重量%である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
エタノールの量が、液体生成物混合物の総量の少なくとも3重量%である、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記触媒を前記供給混合物と少なくとも24時間接触させることを含む、請求項59~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記触媒を前記供給混合物と少なくとも96時間接触させることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記触媒を前記供給混合物と少なくとも168時間接触させることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記方法が、反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVを有し、約10~約20000の反応器に導入する、請求項59~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記方法が、反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVを有し、約500未満の反応器に導入する、請求項59~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記方法が、ホルムアルデヒドを生成しない、請求項59~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記液体生成物混合物が、約50ppm未満のホルムアルデヒドを含む、請求項59~82のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月25日に出願された米国仮特許出願第63/044,175号及び2020年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/114,783号の優先権の利益を主張する。これらの出願の各々の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、不均一系触媒、特に、水素ガス及び二酸化炭素を他の材料に変換する触媒の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
大気中の二酸化炭素濃度が増加するにつれて、空気から二酸化炭素を除去する技術を開発することは、社会福祉、人間の健康、及びエネルギー安全保障の観点から有利になりつつある。二酸化炭素変換技術は、COの空気捕捉と一体になると、輸送のコスト又は危険性がなく、世界中のいずれの場所でも現場で商品化学物質を生産するという付加利点を有する。空気からCOを除去する必要性は、太陽光電池及び風力タービンなどの再生可能発電方法の世界的利用の増加と相まっている。これらのような技法は、夕方に沈んで朝に昇る太陽、及び断続的に吹く風などの断続的エネルギー源を使用する。したがって、これらの源から配電網への電気の供給は、いくつかの時点では急増し、他の時点では低い。これは、電気を断続的に利用して、所望の製品を現場で生産することができる技術の機会を提示する。
【0004】
二酸化炭素から化学物質を生産するための利用可能な技術のうち、水電解槽からの再生可能に導出された水素ガスを使用した二酸化炭素又は一酸化炭素の水素化は、再生可能な(太陽光、風力、水力発電などの)電力によって完全に給電されることが可能である。このような方法は、外部エネルギー源を使用して、炭素系原料(二酸化炭素又は一酸化炭素)及び水を炭化水素化学物質に変換し、これは、地球上の生命を可能にする基本的な光合成プロセスに類似する。例えば、植物は、光合成を使用して、糖及び他の複雑な炭化水素を作成することによって、二酸化炭素、水、及び太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する。これは、太陽からのエネルギーを炭素系化合物の化学結合に効果的に貯蔵する。このプロセスは、何十億年もの間、地球の生態系を支援し、大気中の二酸化炭素濃度の平衡を保ってきた。
【0005】
前世紀には、人間は、化石燃料などの光合成の副産物を利用して、現代の生活に必要なエネルギーを提供してきた。これは、何百万年にもわたって光合成によって化石燃料に以前は隔離されていた何百万トンもの二酸化炭素を地球の大気中に放出してきた。科学的証拠は、人為的源からの大気中の二酸化炭素濃度のこの急激な増加が地球規模の気候にとって潜在的に壊滅的であることを指摘している。したがって、二酸化炭素を隔離する天然のプロセスを模倣するカーボンネガティブプロセスの開発は、地球の将来にとって重要であり、1つのそのような発明を開示することが本出願の目的である。
【0006】
二酸化炭素隔離に向けた主要な障害物のうちの1つは、二酸化炭素又は一酸化炭素の効果的な利用及び有用な化学物質への触媒変換である。植物は、遷移金属を利用して、一酸化炭素、ギ酸、又は糖類のいくつかの他の構成要素への二酸化炭素の水素化に触媒作用を及ぼす、脱水素酵素を介してこれを達成する。人工システムは、この経路を複製することを試行しており、二酸化炭素変換のための化学的方法は、何十年も知られている。しかしながら、これらのうちの多くは、いずれの大規模展開のためにも非現実的なエネルギー要件を有する。
【0007】
近年、水電解などの電気化学的方法は、これらのエネルギー要件を実用的なレベルまで低減する見込みを示している。電気化学的方法の進歩は、低炭素様式で調達され得る電気によって給電される化学物質中の二酸化炭素隔離のために3つのそのような選択肢を可能にする:(1)直接的な二酸化炭素からの化学物質の1ステップ生産のための二酸化炭素の電解還元、(2)2ステッププロセスにおける高圧高温反応器内の電解槽からの水素ガスを使用した二酸化炭素の後続の水素化と組み合わせた、水素及び酸素ガスを形成するための水の電解、並びに(3)高圧高温反応器内の電気化学的に導出された水素と組み合わせられ得る中間体への二酸化炭素の電解還元。前者のプロセスは、商業的実現可能性に達するための二酸化炭素還元のための基本的な電気触媒プロセスの有意な開発及び理解の向上を必要とする。エタノールのようなアルコールの生産に特化して、統合化学プロセスは、任意の実現可能な更なる使用のためのアルコール(エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール)の生産のためのごくわずかな例外を除いて、従来の化石燃料系成分(メタンなど)を必要とする。
【0008】
これらのプロセスのうちのいずれにおいても、重要な成分は、CO及び水素ガス又は水素当量を変換する触媒である。CO変換のための触媒は、具体的には、COが他の化合物に変換するために相当量のエネルギーを必要とするという大きな課題に直面している。これにより、安定性及び活性がCO変換のための工業用触媒にとって重要な課題となる。本開示の前に、このプロセスのための安定した触媒の欠如により、(サバティエプロセスの場合のように)COをCO又はCHに変換する化学プロセスにおける別個のステップを伴わずに、二酸化炭素をアルコールに変換する、商業的化学プロセスは知られていなかった。
【発明の概要】
【0009】
ある特定の態様では、本開示は、触媒であって、銅と、亜鉛と、鉄、ニッケル、又はコバルトから選択される1つ以上の第1の元素と、アルミニウムと、酸素と、任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、第1の元素が、銅、亜鉛、第1の元素、任意選択の第2の元素、及び任意選択のIA族金属の総量の約1~約40重量%(例えば、約1~約10重量%、約25~約40重量%、約30~約40重量%、又は約35~約40重量%)の量で存在する、触媒、を提供する。
【0010】
ある特定の態様では、本開示は、CZA触媒であって、銅と、亜鉛と、任意選択で、コバルト、鉄、又はニッケルから選択される1つ以上の第1の元素と、アルミニウムと、
酸素と、任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、銅の亜鉛に対するモル比が、約2~約4である、CZA触媒、を提供する。
【0011】
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒と、追加の支持体と、を含む、触媒組成物を提供する。
【0012】
ある特定の態様では、本開示は、共沈殿、湿式含浸、又はボールミル加工によって触媒を調製することを含む方法などの本明細書に開示される触媒又は触媒組成物を調製する方法を提供する。
【0013】
ある特定の態様では、本開示は、COを液体生成物混合物に還元する方法であって、本明細書に開示される触媒又は他の触媒組成物を、COと還元剤ガスとを含む供給混合物と、還元温度及び還元圧力で接触させ、それにより、液体生成物混合物を提供することを含む、方法、を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】同一条件下でCZA触媒と比較した、例示的なCoFe-CZA(Cu(ZnO)CoFeK/Al)触媒の存在下でCOから生成されるエタノールの総質量を時間の関数として示すプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
COの還元のためのいくつかの触媒が、学術文献で実証されているが、高いコスト又は不良な安定性のいずれかにより、いずれも工業的使用に移行していない。Ni系触媒は、主にCOをCHに水素化するために使用される。Co、Fe、Ru、Ir、及びRh化合物も、これらのプロセスのための、並びに高次炭化水素の形成のための触媒として使用され得る。二金属及び三金属触媒中のこれらの元素のいくつかの組み合わせも、試行されている。アルコールの形成については、アルミナ又は炭素上に支持されたRh、Pd、Cu、Zn、Co、又はNiからなる触媒も研究されている。しかしながら、大規模な商業的展開のために好適である上記に列挙された低コストの金属(Cu、Zn、Fe、Co、又はNiなど)(すなわち、Ru、Ir、及びRhなどのPt族金属でない)をベースとする触媒は、COのアルコールへの水素化のための商業用触媒として、いずれもまだ実証されていない。これは主に、これらの触媒が、反応器内での操業中に崩壊して低活性材料になるため、これらの化合物が、材料をスケールアップするために必要とされる安定性を示していないためである。
【0016】
銅-亜鉛-アルミナ又は「CZA」触媒として知られる、アルミナ足場上に酸化亜鉛を有する銅から作製される触媒は、典型的には、年間数百万トンの規模で生成される商品化学物質である一酸化炭素からメタノールを生成するために使用される。CZA触媒はまた、それらの高い選択性のために、COのメタノールへの水素化に有用であるが、生成物の純度及び限定された触媒寿命などのいくつかの他の欠点を抱えている。しかしながら、メタノールに対するこの高い選択性が、高級アルコール(エタノールなど)が所望され得る状況では、高級アルコールの生成を妨げる。
【0017】
本開示は、COのメタノール、エタノール、及び高級アルコールへの変換のために、鉄、ニッケル、又はコバルトから選択される金属を任意選択でドープしたアルミナ上の銅及び酸化亜鉛(CZA)から作製される触媒、並びにCOからのアルコールの生成のためにそのような触媒を使用する方法を提供する。本明細書に更に記載されるように、本開示の触媒は、炭素-炭素結合形成を促進する金属として、第1の元素(Co、Fe、Ni)を含む。これまで、CZA触媒は、エタノールなどの多炭素アルコールへのCO水素化のための有能な触媒として実証されていなかった。他の利点の中でも、本開示の修飾CZA触媒は、炭素質供給原料CO、CO、又はCHからのエタノールの生成を、従来のCZA触媒よりも高速で触媒する。これらの触媒を使用して、稼働中の気体副産物、例えば、CHの形成を抑制し、メタノール生成のためのマルチパス気体液体反応器(gas to liquids reactor)内の生成物ガスリサイクル中の未反応ガスの効果的なリサイクルを更に可能にすることもできる。
【0018】
触媒
ある特定の態様では、本開示は、触媒であって、銅と、亜鉛と、鉄、ニッケル、又はコバルトから選択される1つ以上の第1の元素と、アルミニウムと、酸素と、任意選択で、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウム)から選択される1つ以上の第2の元素と、任意選択で、1つ以上のIA族金属と、を含み、第1の元素が、銅、亜鉛、コバルト、任意選択の第2の元素、及び任意選択のIA族金属の総量の約1~約40重量%(例えば、約1~約10重量%、約25~約40重量%、約30~約40重量%、又は約35~約40重量%)の量で存在する、触媒、を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の元素は、銅、亜鉛、第1の元素、任意選択の第2の元素、及び任意選択のIA族金属の総量の約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、又は約40重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の元素は、銅、亜鉛、第1の元素、任意選択の第2の元素、及び任意選択のIA族金属の総量の1~10重量%、10~20重量%、又は20~30重量%、20~25重量%、22~24重量%、25~40重量%、30~40重量%、又は35~40重量%の量で存在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、触媒は、還元された銅金属ナノ粒子及びアルミナ修飾酸化亜鉛のコバルト埋め込み相互接続マトリックスを含む。いくつかの実施形態では、コバルトは、酸化コバルトとして存在する。いくつかの実施形態では、銅は、酸化銅として存在する。いくつかの実施形態では、コバルト対銅対亜鉛(Co:Cu:Zn)のモル比は、コバルトで約0.5~3、銅で1~4、及び亜鉛で0.5~1.5である。いくつかの実施形態では、Co:Cu:Zn比は、コバルトで1~2、銅で1~3、及び亜鉛で0.5~1の範囲である。いくつかの実施形態では、Co:Cu:Zn比は、約1:2.5:1である。いくつかの実施形態では、亜鉛は、好ましくは、銅のモル含有量の0.3~1である。いくつかの実施形態では、コバルトは、好ましくは、銅のモル含有量の0.4~1である。
【0021】
いくつかの実施形態では、触媒は、還元された銅金属ナノ粒子及びアルミナ修飾酸化亜鉛の鉄埋め込み相互接続マトリックスを含む。いくつかの実施形態では、鉄は、酸化鉄として存在する。いくつかの実施形態では、銅は、酸化銅として存在する。いくつかの実施形態では、鉄対銅対亜鉛(Fe:Cu:Zn)のモル比は、鉄で約0.05~3、銅で1~4、及び亜鉛で0.5~1.5である。いくつかの実施形態では、Fe:Cu:Zn比は、鉄で1~2、銅で1~3、亜鉛で0.5~1の範囲である。いくつかの実施形態では、Fe:Cu:Zn比は、約1:2.5:1である。いくつかの実施形態では、亜鉛は、好ましくは、銅のモル含有量の0.3~1である。いくつかの実施形態では、鉄は、好ましくは、銅のモル含有量の0.4~1である。
【0022】
いくつかの実施形態では、触媒は、還元された銅金属ナノ粒子及びアルミナ修飾酸化亜鉛のニッケル埋め込み相互接続マトリックスを含む。いくつかの実施形態では、ニッケルは、酸化ニッケルとして存在する。いくつかの実施形態では、銅は、酸化銅として存在する。いくつかの実施形態では、ニッケル対銅対亜鉛(Ni:Cu:Zn)のモル比は、ニッケルで約0.5~3、銅で1~4、及び亜鉛で0.5~1.5である。いくつかの実施形態では、Ni:Cu:Zn比は、ニッケルで1~2、銅で1~3、及び亜鉛で0.5~1の範囲である。いくつかの実施形態では、Ni:Cu:Zn比は、約1:2.5:1である。いくつかの実施形態では、亜鉛は、好ましくは、銅のモル含有量の0.3~1である。いくつかの実施形態では、ニッケルは、好ましくは、銅のモル含有量の0.4~1である。
【0023】
いくつかの実施形態では、触媒は、遷移金属、又はVI、VII、VIII、IX、X、若しくはXI族金属から選択される1つ以上の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、VI族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、VII族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、VIII族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、IX族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、X族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、XI族金属から選択される1つ以上の第2の元素を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、又はパラジウムを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、鉄を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、銀を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、パラジウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、ニオブを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、マンガンを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、ジルコニウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、モリブデンを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約2のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約1.5のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約1のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約0.75のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約0.5のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15~約0.25のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約0.5~約5のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約1~約3のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約2~約2.5のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約2.33のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約0.75~約1.5のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約1.5のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約1.0のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約0.75のモル比で銅を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、亜鉛に対して約0.5のモル比で銅を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.3~約3のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.5~約2のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.5~約1.5のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約1.5のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約1.0のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.75のモル比で亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.5のモル比で亜鉛を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、ニオブを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、ニオブからなる。いくつかの実施形態では、ニオブは、銅に対して約0.05~約1のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、銅に対して約0.2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、銅に対して約0.3のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、銅に対して約0.1のモル比で存在する。
【0030】
いくつかの実施形態では、触媒は、1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.01~約1.0のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.05~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.20~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.30~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.40~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、触媒は、1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウム、ナトリウム、又はセシウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウム、ナトリウム、又はセシウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、セシウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、セシウムからなる。
【0032】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.05、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、又は約0.5のモル比でカリウムを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.15のモル比でカリウムを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.1~約10のモル比でアルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.1~約5のモル比でアルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.4~約2.1のモル比でアルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、銅に対して約0.5~約1のモル比でアルミニウムを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化亜鉛を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化銅を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化コバルトを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化鉄を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化ニッケルを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、触媒は、アルミナを含む。
【0040】
ある特定の実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウム若しくはセシウムを含むか、又はそれからなる。本開示の触媒では、ナトリウム又はセシウムをカリウムに代用することは、触媒活性に実質的に影響を及ぼさず、ナトリウム及びセシウムの両方は、カリウムが提供する同じ安定性を提供することが見出されている。これは、カリウム、ナトリウム、又はセシウムの選択が活性に大きく影響を及ぼす、既知の合成ガス触媒との対比である。
【0041】
いくつかの実施形態では、触媒は、酸化アルミニウム(Al)を含むか、又はそれからなり、アルミニウムは、銅に対して約0.02~約3のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、アルミニウムは、銅に対して約0.1~約0.8のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、アルミニウムは、銅に対して約0.7のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、アルミナは、銅及び亜鉛の表面積を増加させるための支持体として添加されるか、又は触媒の成分として、例えば、第1の元素、銅、及び亜鉛前駆体との硝酸アルミニウム共沈殿からインサイチュで生成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、コバルト、及びアルミナを含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、コバルトと、コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、コバルトに対して約1のモル比で亜鉛と、コバルトに対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、コバルトに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、コバルトに対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、ニッケル、及びアルミナを含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケルと、ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、コバルトに対して約1のモル比で亜鉛と、ニッケルに対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、ニッケルに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、ニッケルに対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、鉄、及びアルミナを含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、鉄と、鉄に対して約2.5のモル比で銅と、鉄に対して約1のモル比で亜鉛と、鉄に対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、鉄に対して約2.5のモル比で銅と、鉄に対して約1のモル比で酸化亜鉛と、鉄に対して約0.35のモル比でアルミナと、を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、コバルト、アルミナ、及びIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、コバルトと、コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、コバルトに対して約1のモル比で亜鉛と、コバルトに対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、コバルトに対して約0.1のモル比でIA族と、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、コバルトに対して約2.5のモル比で銅と、コバルトに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、コバルトに対して約0.35のモル比でアルミナと、コバルトに対して約0.1のモル比でIA族金属と、を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、ニッケル、アルミナ、及びIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケルと、ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、ニッケルに対して約1のモル比で亜鉛と、ニッケルに対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、ニッケルに対して約0.1のモル比でIA族と、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケルに対して約2.5のモル比で銅と、ニッケルに対して約1のモル比で酸化亜鉛と、ニッケルに対して約0.35のモル比でアルミナと、ニッケルに対して約0.1のモル比でIA族金属と、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、触媒は、銅、酸化亜鉛、鉄、アルミナ、及びIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、鉄と、鉄に対して約2.5のモル比で銅と、鉄に対して約1のモル比で亜鉛と、鉄に対して約0.7のモル比でアルミニウムを有するアルミナと、鉄に対して約0.1のモル比でIA族と、を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、鉄に対して約2.5のモル比で銅と、鉄に対して約1のモル比で酸化亜鉛と、鉄に対して約0.35のモル比でアルミナと、鉄に対して約0.1のモル比でIA族金属と、を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Al、O、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Ni、Al、O、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Fe、Al、O、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Fe、Al、O、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Al、O、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Nb、Al、及びO、並びにアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Ni、Al、及びO、並びにアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Mo、Al、及びO、並びにアルカリ金属を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Fe、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Ni、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Fe、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Nb、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Ni、Al、及びOを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Cu、Zn、Co、Mo、Al、及びOを含む。
【0050】
ある特定の実施形態では、触媒材料の元素組成は、Cu(ZnO)CoA/Al、Cu(ZnO)CoFeA/Al、Cu(ZnO)CoNbA/Al、Cu(ZnO)CoNiA/Al、Cu(ZnO)CoMoA/Alであり、Aは、アルカリ金属であり、更に、元素成分の相対量は、上記のとおりである。
【0051】
ある特定の実施形態では、触媒材料の元素組成は、Cu(ZnO)Co/Al、Cu(ZnO)CoFe/Al、Cu(ZnO)CoNb/Al、Cu(ZnO)CoNi/Al、Cu(ZnO)CoMo/Alであり、元素成分の相対量は、上記のとおりである。
【0052】
いくつかの実施形態では、触媒は、以下の例示的な触媒:Al上のCuO(ZnO)、Cu(ZnO)Co、Cu(ZnO)CoK、Cu(ZnO)CoFe、Cu(ZnO)CoFeK、Cu(ZnO)CoNi、Cu(ZnO)CoNiK、Cu(ZnO)CoNb、Cu(ZnO)CoNbK、Cu(ZnO)CoMo、Cu(ZnO)CoMoKから選択され、元素成分の相対量は、上記のとおりである。ある特定のそのような実施形態では、触媒は、およそCuO(2)(ZnO)(1)、Cu(2.5)(ZnO)(1)Co(1)、Cu(2.5)(ZnO)(1)Co(1)(0.1)、Cu(1)(ZnO)(1)Co(1)Fe(1)、Cu(1)(ZnO)(1)Co(1)Fe(1)(0.15)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Ni(1)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Ni(1)(0.15)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Nb(1)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Nb(1)(0.15)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Mo(1)、Cu(2)(ZnO)(1)Co(1)Mo(1)(0.15)である。
【0053】
触媒組成物
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒のうちの1つ以上と、追加の支持体とを含む、触媒組成物を提供する。追加の支持体は、触媒支持体としての役割を果たし得る、任意の好適な材料であり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、追加の支持体は、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛、及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物、又はケイ酸塩から選択される1つ以上の材料を含む。いくつかの好ましい実施形態では、追加の支持体は、γ-アルミナを含む。いくつかの実施形態では、追加の支持体は、触媒の一部としてインサイチュで形成される酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態では、追加の支持体は、以下に限定されないが、Al、ZrO、SnO、SiO、ZnO、及びTiOから選択される。いくつかの実施形態では、追加の支持体は、Al、ZrO、SnO、SiO、ZnO、及びTiOから選択される。
【0055】
いくつかの実施形態では、追加の支持体は、1つ以上の炭素系材料を含む。いくつかの実施形態では、炭素系材料は、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン、及び酸化グラフェンから選択される。
【0056】
いくつかの実施形態では、追加の支持体は、メソ多孔性材料である。いくつかの実施形態では、追加の支持体は、約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔容積を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、追加の支持体は、約10m/g~約1000m/gの表面積を有する。いくつかの好ましい実施形態では、追加の支持体と、本明細書に開示された触媒とを含む触媒組成物は、約10m/g~約1000m/gの表面積を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約10nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態である。
【0059】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約5重量%~約80重量%の触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約5重量%~約70重量%の触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約20重量%~約70重量%の触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約30重量%~約70重量%の触媒を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、支持体は、高表面積足場である。いくつかの実施形態では、支持体は、メソ多孔性シリカを含む。いくつかの実施形態では、支持体は、炭素同素体を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、触媒は、ナノ粒子触媒である。いくつかの実施形態では、足場の表面上の触媒の粒子サイズは、100~500nmである。いくつかの実施形態では、凝集を受けない粒子は、粒子サイズが100~500nmである。
【0062】
調製の方法
本開示の触媒及び触媒組成物は、任意の好適な方法によって調製され得る。ある特定の態様では、本開示は、共沈殿、湿式含浸、又はボールミル加工によって触媒を調製することを含む、本明細書に開示される触媒又は触媒組成物を調製するための方法を提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本方法は、
(a)コバルト、銅、亜鉛、アルミニウム、塩基、及び水の源を含む、第1の溶液を提供するステップと、
(b)第1の溶液を第1の温度で第1の期間にわたって加熱し、それにより、第1の反応混合物を生成するステップと、
(c)第1の反応混合物を第2の温度で第2の期間にわたって加熱して、水を除去し、それにより、固体前駆体を生成するステップと、
(d)固体前駆体を第3の温度に第3の期間にわたって加熱し、それにより、触媒を単離するステップと、を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本方法は、
(a)コバルト、銅、亜鉛、鉄、及び水の源を含む第2の溶液を提供するステップと、
(b)塩基を含む第3の溶液を提供するステップと、
(c)第3の溶液を第3の温度で第3の期間にわたって加熱するステップと、
(d)アルミナを第3の溶液に添加し、それにより、第2の反応混合物を生成するステップと、
(e)第2の溶液を第4の温度で第4の期間にわたって第2の反応混合物に添加し、それにより、第3の反応混合物を生成するステップと、
(f)第3の反応混合物を第5の温度で第5の期間にわたって加熱し、それにより、固体前駆体を生成するステップと、
(g)固体前駆体を単離するステップと、
(h)固体前駆体を、IA族金属を含む溶液と接触させ、それにより、触媒前駆体を生成するステップと、
(i)触媒前駆体を第6の温度に第6の期間にわたって加熱し、それにより、触媒を単離するステップと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本方法は、コバルト源、銅源、亜鉛源、及びアルミニウム源を含む、第1の溶液を提供するステップを含む。第1の溶液を、炭酸塩などの塩基性沈殿物と組み合わせて、金属塩含有溶液のpHを増加させ、それにより、固体粒子を沈殿させること。固体粒子を乾燥及びか焼して、固体触媒を形成する。
【0066】
いくつかの実施形態では、本方法は、コバルト源を含む第1の溶液を提供するステップと、第1の溶液を、初期湿潤すなわち湿式含浸を介して、予め作製された銅-亜鉛アルミナ材料に導入するステップと、続いて乾燥及びか焼して、固体触媒を形成するステップと、を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本方法は、ミルジャー内でコバルト源及び支持体を混合して、第1の混合物を提供するステップと、第1の混合物を2時間~2週間ボールミル加工し、それにより、第1の沈殿物を提供するステップと、第1の沈殿物を濾過し、第1の温度に加熱して、ボールミル加工されたコバルト源を提供するステップと、
ボールミル加工されたコバルト源を、銅並びに亜鉛の源及びアルミナ源と混合して、第2の混合物を提供するステップと、第2の混合物から固体材料を単離するステップと、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、本方法は、固体材料を1つ以上のIA族金属の源と組み合わせることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、固体材料を加圧してペレットにすることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、流動反応器の中への導入の前に、固体材料を加圧してペレットにすることを更に含む。
【0069】
水素化の方法
ある特定の態様では、本開示は、炭素質供給原料、すなわちCOを液体生成物混合物に還元する方法であって、本明細書に開示される触媒組成物の触媒を、COと還元剤ガスとを含む供給混合物と、還元温度及び還元圧力で接触させ、それにより、液体生成物混合物を提供することを含む、方法、を提供する。
【0070】
いくつかの実施形態では、還元剤ガスは、Hである。いくつかの実施形態では、還元剤ガスは、CH、エタン、プロパン、又はブタンなどの炭化水素である。好ましい実施形態では、炭化水素は、CHである。ある特定のそのような実施形態において、CHは、エタン、プロパン、又はブタンなどの他の炭化水素も含む、ガス混合物の成分である。例えば、CHを供給するために使用されるガス混合物は、フレアガス、廃棄ガス、天然ガス、又は同等物であり得る(又はそれに由来し得る)。
【0071】
いくつかの実施形態では、供給混合物は、COを更に含む。いくつかの実施形態では、供給混合物は、25%未満のCO、20%未満のCO、15%未満のCO、10%未満のCO、5%未満のCO、又は1%未満のCOを含む。いくつかの実施形態では、供給混合物は、COを実質的に含まない。
【0072】
いくつかの実施形態では、還元温度は、約100~約450℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約275~約350℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約275℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約310℃である。
【0073】
いくつかの実施形態では、還元圧力は、約50~約3000psiである。いくつかの実施形態では、還元圧力は、約900~約1100psiである。いくつかの実施形態では、還元圧力は、約1000psiである。
【0074】
いくつかの実施形態では、供給混合物中のCOの分圧は、約20~約1000psiである。いくつかの実施形態では、供給混合物中のCOの分圧は、約200~約800psi、約200~約600psi、約200~約400psi、又は約300~約400psiである。例えば、供給混合物中のCOの分圧は、約200psi、約250psi、約300psi、約350psi、約400psi、約450psi、約500psi、約550psi、約600psi、約650psi、約700psi、約750psi、約800psi、約850psi、約900psi、約950psi、又は約1000psiである。いくつかの実施形態では、供給混合物中のCOの分圧は、約330psiである。
【0075】
いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:COの比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:COの比は、約5:1~約0.5:1である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:COの比は、約4:1~約1:1である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:COの比は、約3:1である。
【0076】
いくつかの実施形態では、液体生成物混合物は、メタノールを含む。いくつかの実施形態では、液体生成物混合物は、メタノール、エタノール、及びn-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、液体生成物混合物は、メタノール、エタノール、酢酸、及びn-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、エタノールの量は、総量の少なくとも10重量%である いくつかの実施形態では、エタノールの量は、液体生成物混合物の総量の少なくとも7重量%である。いくつかの実施形態では、エタノールの量は、液体生成物混合物の総量の少なくとも5重量%である。いくつかの実施形態では、エタノールの量は、液体生成物混合物の総量の少なくとも2重量%である。いくつかの実施形態では、液体生成物混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比は、約1:5~約1:10である。いくつかの実施形態では、液体生成物混合物中のギ酸の量は、10ppm未満である。いくつかの実施形態では、液体生成物混合物中のイソプロパノールの量は、10ppm未満である。
【0077】
本発明の目的は、低GHSV(ガス毎時空間速度)を使用して、高いガス製品のリサイクル性を提供し、ホルムアルデヒドなどの特定の副産物を回避することである。いくつかの実施形態では、本方法は、ホルムアルデヒドを生成しない。いくつかの実施形態では、本方法は、約0.05重量%未満のホルムアルデヒドを生成する。いくつかの実施形態では、本方法は、約50ppm未満のホルムアルデヒドを生成する。いくつかの実施形態では、本方法は、5ppm未満のホルムアルデヒドを生成する。
【0078】
いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、10である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、100である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、500である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、1,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、2,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、5,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、10,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、20,000である。
【0079】
いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約20,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約10,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約5,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約2,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約1,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約500である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10~約100である。
【0080】
いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約100未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約500未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約1,000未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約2,000未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約5,000未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約10,000未満である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、約20,000未満である。
【0081】
いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、100である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、500である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、1,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、2,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、5,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、10,000である。いくつかの実施形態では、反応器に導入される反応性ガス及びリサイクルガスのGHSVは、20,000である。
【0082】
いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも168時間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも96時間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも24時間接触させることを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示のある特定の実施形態を説明及び請求するために使用される数字は、いくつかの事例では「約」という用語によって修飾される。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体的実施例に記載される数値は、実行可能である限り正確に報告される。本発明のいくつかの実施形態で提示される数値は、それらの個別の試験測定で見出される標準偏差から必然的に生じる、ある特定の誤差を含み得る。
【0084】
ある特定の実施形態では、「約」という用語は、所与の値又は範囲の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【実施例
【0085】
本発明は、ここで一般的に説明されているが、本発明のある特定の態様及び実施形態の例証の目的のためにのみ含まれ、本発明を限定することを意図していない、以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【0086】
実施例1:共沈殿によるCo-CZA、Ni-CZA、及びFe-CZA触媒の合成。
【0087】
Co-CZA又はNi-CZA:
硝酸コバルト又は硝酸ニッケル(2モル当量)、硝酸亜鉛(1モル当量)、硝酸銅(3モル当量)、硝酸アルミニウム(1.4モル当量)、及び炭酸ナトリウム(9.7モル当量)を蒸留水中で組み合わせる。得られた混合物を、70~90℃で2時間素早く攪拌及び加熱し、次いで、120℃で一晩乾燥して、水を除去する。得られた固体材料を、110℃で12時間、空気下で乾燥し、得られた固体材料を破砕し、2℃/分の加熱速度で350℃に空気中で加熱し、350℃で6時間か焼する。か焼後、得られたパワーを、乳鉢及び乳棒で更に粉砕した。
【0088】
Fe-CZA:
硝酸第二鉄(1モル当量)、硝酸亜鉛(1モル当量)、硝酸銅(3モル当量)、硝酸アルミニウム(1.4モル当量)、及び炭酸ナトリウム(9.1モル当量)を蒸留水中で組み合わせる。得られた混合物を、70~90℃で2時間素早く攪拌及び加熱し、次いで、120℃で一晩乾燥して、水を除去する。得られた固体材料を、110℃で12時間、空気下で乾燥し、得られた固体材料を破砕し、2℃/分の加熱速度で350℃に空気中で加熱し、350℃で6時間か焼する。か焼後、得られたパワーを、乳鉢及び乳棒で更に粉砕した。
【0089】
実施例2:湿式含浸によるCo-CZA、Fe-CZA、又はNi-CZA触媒の合成
湿式含浸(別名初期湿潤)合成:アルミナ触媒上40グラムの銅-酸化亜鉛を、Co(NO・6HO(50mLの水中に25g)、Fe(NO・9HO(50mLの水中に25g)、又はNi(NO・6HO(50mLの水中に25g)の溶液と接触させ、金属含有液体を、毛細管作用によってアルミナ中に吸着させ、設定された期間、典型的には24時間、又は120℃のオーブン内で12時間乾燥させる。次いで、含浸した乾燥サンプルを、乳鉢及び乳棒を用いて粉末に粉砕し、2℃/分の加熱速度で350℃に加熱し、350℃で6時間、空気中でか焼する。
【0090】
実施例3:機械的活性化によるCo-CZA触媒の合成
機械的活性化合成:アルミナ上の50gの銅-酸化亜鉛を、10gの酸化コバルトと混合し、6.5mmサイズの円筒粉砕媒体であって、該粉砕媒体が825gの総質量を有する、円筒粉砕媒体、で容積の2/3が充填された0.4Lのミルジャー内に装填する。ミルジャーを、1/4馬力モータを備えるローラ内に配置し、ボールミル加工プロセスを、2時間~2週間の異なる持続時間にわたって200rpmの圧延速度で実施する。
【0091】
実施例4:Al上のCu(1)ZnO(1)Co(1)Fe(1)(0.15)の合成
Cu(NO・3HO(60mmol、14.5g)、Zn(NO・6HO(60mmol、17.8g)、Co(NO・6HO(60mmol、17.5g)Fe(NO・9HO(60mmol、24.2g)を100mLのDI水中に溶解させて、金属塩溶液を形成した。NaCO(180mmol、19.1g)を、150mLのDI水中に溶解させ、60℃に加熱した。γ-Al(231mmol、23.6g)を、透明なNaCO水溶液に添加した。金属塩溶液を、30分にわたってNaCO/Al混合物に滴下した。追加のNaCO(45mmol、4.8g)を、60℃の溶液混合物に添加した。混合物を、攪拌しながら70℃で1.5時間加熱し、室温まで冷却した。固体沈殿物を濾過し、DI水で洗浄し、次いで、空気下で一晩乾燥させ、KCO(4.5mmol、15mLのDI水中に0.62g)を含浸させた。得られた湿った粉末を機械的シェーカー内で1時間攪拌し、触媒を110℃で、空気下で12時間乾燥させた。得られた粉末を乳鉢及び乳棒で破砕し、2℃/分の加熱速度で空気中で350℃に加熱し、350℃で6時間、空気下でか焼し、続いて、乳鉢及び乳棒で更に粉砕した。
【0092】
実施例5:Al上のCu(1)ZnO(1)Co(1)Fe(1)(0.15)の存在下でのCO還元
Al上のCu(1)ZnO(1)Co(1)Fe(1)(0.15)の存在下でのCO還元を、以下の条件下で5日間にわたって実行した。
2:1のH:CO
GHSVは1000h-1であった。
パス当たりCO変換率約18%
温度310℃
圧力1000psi
【0093】
反応の経過中の異なる時点における液体生成物画分の組成が、表1に示されている。
【表1】
【0094】
実施例6:CHを還元剤として使用したアルコールへのCOの触媒還元
触媒スクリーニング実験のために、CZA触媒を、600mLの連続攪拌タンク反応器内に装填する。触媒は、任意選択で、工程の開始前にHで活性化される。触媒を活性化するために、反応器は、触媒活性化のために300psiのHまで充填される前に、Hガスを流される。触媒活性化は、少なくとも100psiの圧力で起こり、ここで、反応器は、6℃/分の加熱ランプ速度及び約-6℃/分の冷却ランプ速度で、300℃で1.0時間加熱され、次いで、25℃まで冷却される。反応器をベントし、次いで、250psiのCOでフラッシュする。反応器は、250psi及び500psiのCHまでCOで充填され、750psiにおける総圧力をもたらす。次いで、反応器は、冷却及び製品収集の前に、250℃まで15時間加熱される。製品収集のために、反応器は、換気及び分解され、反応器の底部で液体を回収する。液体は、洗浄及び濾過され、過剰な触媒を除去する。液体は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析され、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及び高級アルコール含有量を決定し、触媒がCO及びCHを使用してアルコールを生産することが可能であるかどうかを評価する。
【0095】
本明細書に開示される触媒を使用したアルコール生産のために、管状固定床流反応器が、典型的には使用されるが、他の反応器タイプも使用され得る。管状固定床流通反応器の例の場合、最適な反応器温度は、200℃~300℃であるが、100℃~450℃で変化し得る。半インチ径、3フィート長の垂直管状反応器に、触媒粉末及び任意選択で不活性アルミナの混合物5mLを装填し、発熱動作中に反応器内の温度差を均一にする。ガスの供給比は、2:1のCH:COであるが、任意選択でCOなどの他の炭素質ガスの存在下で、10:1のCH:CO~1:10のCH:COで変化し得る。本実施例におけるガス毎時空間速度(GHSV)は、1000h-1であるが、100h-1から75,000h-1まで変化し得る。場合によっては、反応器を通した最初の通過で未反応であるガスは、反応器から入口に戻るように再循環され得る。反応器の圧力は、1000psiであるが、圧力は、500psiから5000psiまで変化し得る。これらの反応システムでは触媒調整のための要件がないこともあるが、いくつかの触媒は、少なくとも100psiのH、CO、又はCHガスの下で400℃もの高さの温度まで最大24時間加熱することを必要とし得る。CH及びCOガスが流れ始め、反応が始まると、システムが安定した状態に安定化するまでに約12時間かかり、そこでアルコール生産は横ばい状態になり、もはや増加又は減少しなくなる。
【0096】
実施例7:Co-CZA触媒を使用する、混合アルコールへのCOの触媒還元
アルコール生成の場合、反応器圧力を1000psiに増加させ、温度を235℃に低下させる。約0.3kg/時のH及び3.5kg/時のCOを反応器システムに流入させ、触媒上で反応させ、続いて、セパレータ容器内で生成物ガスの冷却及び室温の液体の凝縮を行い、気体副産物並びに未反応のCO及びHを、反応器入口に戻してリサイクルする。1時間当たり約1ガロンの生成物液が、水中の約40%メタノール及び2%エタノールのアルコール含有量で生成された。水中のエタノール及びメタノールの相対濃度は、入口のCO及びHの流量及び供給比に基づいて可変であった。分岐鎖高級アルコール(イソプロパノール)の検出可能な存在なしに、最小限の高級アルコール生成(n-プロパノール及びそれよりも高次)が、質量分析に結合されたガスクロマトグラフィ(GC-MS)によって観察された。
【0097】
実施例8:低質量流量でのメタノールへのCOの触媒還元
約2.33のCu:Znの比を有するCZA触媒を、固定床流通反応器に装填する。触媒を、300℃及び5,000GHSVで流れる100psi未満のH下で還元させる。反応器を1,000psiに加圧し、1:3のモル比を有するCOとHガスとの混合物を、1,000のGHSVで導入する。未反応の生成物ガスを反応器を通してリサイクルさせながら、生成物液を凝縮させて抽出する。得られた生成物液は、約0.1kg/Lcathの速度で生成され、水中の約64%のメタノールから構成される。検出可能な副産物としては、最小量のエタノール、酢酸、及びn-プロパノールが挙げられる。低質量流量に起因する低い面積生産性での生成が、CO及びHのメタノールへのパス当たり変換率を増加させ、副産物の濃度を低下させ、生成物の純度を向上させた。
【0098】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合のように、参照によりそれらの全体で本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書の任意の定義を含む、本出願が優先されるであろう。
【0099】
均等物
本発明の具体的実施形態が論じられているが、上記の明細書は、例証的であり、制限的ではない。本発明の多くの変形例が、本明細書及び以下の特許請求の範囲の精査により、当業者に明白となるであろう。本発明の全範囲は、それらの均等物の全範囲とともに特許請求の範囲、及びそのような変形例とともに本明細書を参照することによって決定されるべきである。
図1
【国際調査報告】