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特表2023-531734吸煙検出を有するエアロゾル発生装置および吸煙検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】吸煙検出を有するエアロゾル発生装置および吸煙検出方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20230718BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230718BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579997
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 EP2021068099
(87)【国際公開番号】W WO2022003072
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】20183280.5
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】デュクロス マクシム
(72)【発明者】
【氏名】ハウ ダニエラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD08
4B162AD15
4B162AD20
4B162AD40
(57)【要約】
エアロゾル発生装置を動作させる方法が開示されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、制御装置と、を備える。該方法は、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視(202)する工程と、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析(204)する工程と、を含む。監視されたパラメータは、電力信号であり、吸煙は、異なる時間窓に基づいて、電力信号の第一および第二の移動平均を比較することによって識別される。方法は、ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算(206)するために、ユーザーの吸煙中に監視されたパラメータを分析(205)する工程と、吸煙容量を、装置の動作を制御するためのパラメータとして使用(207)する工程と、をさらに含み得る。吸煙容量に基づいて装置の動作を制御することで、平均よりもきついまたは緩い吸煙を行うユーザーに、改善されたユーザー体験が提供され得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置を動作させる方法であって、前記エアロゾル発生装置は、
前記エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、
制御装置と、を備え、
前記方法が、
前記エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視すること、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析すること、を含み、
前記監視されたパラメータを分析する工程が、前記監視されたパラメータの第一の特性を計算する工程と、前記監視されたパラメータの第二の特性を計算する工程と、前記吸煙開始および前記吸煙終了を決定するために、前記第一の特性および前記第二の特性の両方を分析する工程と、を含み、
エアロゾル発生を示す前記パラメータは、前記電源によって供給される電力を表すパラメータであり、前記第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、前記監視されたパラメータの第一の移動平均値であり、前記第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、前記監視されたパラメータの第二の移動平均値であり、前記第二の時間窓の期間は、前記第一の時間窓の期間と異なる、方法。
【請求項2】
前記装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために、前記監視されたパラメータを分析する工程であって、前記複数のユーザーの吸煙の各々が、前記監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する、工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置は、使用行動中に前記エアロゾルを発生させるように構成され、
前記方法が、
前記使用行動の開始を決定する工程と、
前記装置の動作中に前記一回のユーザーの吸煙または前記複数のユーザーの吸煙を識別するために、前記監視されたパラメータを分析する工程と、を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算するために、前記ユーザーの吸煙中に前記監視されたパラメータを分析する工程と、
前記吸煙容量を、前記装置の動作を制御するためのパラメータとして使用する工程と、をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記吸煙開始は、前記第一の移動平均値および前記第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置は、使用行動中に前記エアロゾルを発生させるように構成され、
前記方法が、
前記使用行動の開始を決定する工程と、
前記使用行動中のエアロゾル発生を示す前記パラメータを監視する工程と、
前記吸煙容量を、前記使用行動の終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために、前記監視されたパラメータを分析する工程であって、前記複数のユーザーの吸煙の各々が、前記監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する、工程を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記複数のユーザーの吸煙の各々に対する吸煙容量を計算するために、前記複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に前記監視されたパラメータを分析する工程と、
前記複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に発生されるエアロゾルの累積吸煙容量を決定する工程と、
前記累積吸煙容量を、前記装置の動作を制御するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置は、使用行動中に前記エアロゾルを発生させるように構成され、
前記使用行動の開始を決定する工程と、
前記使用行動中のエアロゾル発生を示す前記パラメータを監視する工程と、
前記累積吸煙容量を、前記使用行動の前記終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記制御装置は、前記使用行動の前記開始から経過した時間が、所定の閾値に到達する場合に、前記使用行動を終了する、請求項6または9に記載の方法。
【請求項11】
前記制御装置は、前記使用行動の前記開始から発生される、前記吸煙容量または前記累積吸煙容量が、所定の閾値に到達する場合に、前記使用行動を終了する、請求項6、9、または10に記載の方法。
【請求項12】
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、
制御装置であって、
前記エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視し、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、前記監視されたパラメータの第一の特性および前記監視されたパラメータの第二の特性を分析するように構成された制御装置と、を備え、
エアロゾル発生を示す前記パラメータは、前記電源によって供給される電力を表すパラメータであり、前記第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、前記監視されたパラメータの第一の移動平均値であり、前記第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、前記監視されたパラメータの第二の移動平均値であり、前記第二の時間窓の期間は、前記第一の時間窓の期間と異なる、エアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項1~11のいずれかに定義される方法を実施するように構成された、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記装置は、ヒーターを備え、前記監視されたパラメータは、前記エアロゾル発生装置の動作中に前記ヒーターに供給される電力であるか、またはそれを表す、請求項12または13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成された、請求項12~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置でユーザーの吸煙を検出するための方法、ユーザーの吸煙を検出するように構成された装置、およびユーザーの吸煙に基づいて、エアロゾル発生装置の動作を制御する方法に関する。本開示は、特に、吸煙検出の改善された方法、および送達されたエアロゾルの計算された容量に基づいて、エアロゾル発生装置の動作を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、エアロゾルを、タバコ含有基体などのエアロゾル形成基体から発生させるように構成されていることが、当該技術分野で知られている。典型的には、吸入可能なエアロゾルは、熱源からの熱を、熱源の内部、周囲、または下流に位置し得る、物理的に分離されたエアロゾル形成基体または材料に移動することで発生される。エアロゾル形成基体は、貯蔵部の中に含有される液体基体であり得る。エアロゾル形成基体は、固体基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成するために、エアロゾル発生装置と係合するように構成された別個のエアロゾル発生物品の構成要素部分であり得る。揮発性化合物は、消費中、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して吸い込まれた空気中に同伴される。放出された化合物が冷却するにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これを消費者が吸い込む。
【0003】
一部のエアロゾル発生装置は、有限の期間を有するユーザー体験を提供するように構成される。使用行動の期間は、例えば、従来のタバコを消費する経験に近似するように限定され得る。一部のエアロゾル発生装置は、別個の消耗品のエアロゾル発生物品と共に使用されるように構成される。このようなエアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能なエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、一般的に加熱されて、エアロゾルを形成する。エアロゾル形成基体中の揮発性化合物を使い切るにつれて、生成されるエアロゾルの品質が劣化する場合がある。したがって、一部のエアロゾル発生装置は、略使い切られたエアロゾル発生物品からの低品質のエアロゾルの発生を防止するのに役立つように、使用行動の期間を制限するように構成される。
【0004】
一部のエアロゾル発生装置では、使用行動の期間は、時間によってのみ決定され得る。時間のみに基づく使用行動の制限設定に関連する一つの問題は、ユーザーの使用行動が考慮されないことである。したがって、吸煙を頻繁に行うユーザーは、使用行動の期間内で利用可能なエアロゾル形成基体を使い切る場合がある。一部のエアロゾル発生装置では、使用行動中にユーザーが行う吸煙の回数が記録され、使用行動の期間は、ユーザーが行う吸煙の回数に基づいて、部分的または完全に決定され得る。一例として、エアロゾル発生装置は、使用行動中にエアロゾル発生物品を消費するように構成され得、使用行動は、ユーザーがエアロゾル発生物品で12回の吸煙を行った後に終了され得る。12回の長い吸煙を行うユーザーが、その使用行動内で利用可能なエアロゾル形成基体をさらに使い切得る一方、12回の短い吸煙を行うユーザーは、利用可能なエアロゾル形成基体が完全に消費される前に、その使用行動が終了され得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一つの態様によると、エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置を動作する方法が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、制御装置と、を備える。該方法は、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程と、を含む。本発明は、ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算するために、ユーザーの吸煙中に監視されたパラメータを分析する工程と、吸煙容量を、装置の動作を制御するためのパラメータとして使用する工程と、を含み得る。
【0006】
吸煙容量に基づいて、エアロゾル発生装置の動作を制御することによって、エアロゾル形成基体を、エアロゾル形成物品において完全に利用することが可能であり得る。より長いまたはより深い吸煙を行うユーザーは、より短いまたはより浅い吸煙を行うユーザーよりも吸煙を少なく行った後に、使用行動を終了させ得る。したがって、使用行動の期間は、吸入されるエアロゾルの総量が、ユーザーの吸煙方式にかかわらず、ほぼ同じになるように、制御され得る。
【0007】
吸煙容量に基づいて、エアロゾル発生装置の動作を制御することによって、生成されるエアロゾルの品質を所定の範囲内に維持することが可能であり得る。これは、例えば、使用行動中に味覚を一貫して維持するなど、知覚などの感覚的な理由から重要であり得る。また、品質維持は、法令順守および規制上の理由から重要な場合もある。例えば、エアロゾル発生装置が、使用行動内で特定の容量のエアロゾルを生成するように認証または検証される場合、きつい吸煙または長い吸煙を行うユーザーは、仕様外であるエアロゾルが結果送達される使用行動を実施し得る。したがって、使用行動は、使用行動中に生成されるエアロゾルの品質が、ユーザーの吸煙方式にかかわらず、許容可能な境界または認証された境界内に留まるように、制御され得る。
【0008】
エアロゾル発生を示すパラメータは、電源によって供給される電力を表し得る。ヒーターに供給される電流、電圧、または電流と電圧の両方は、電力を表すパラメータであり得る。例えば、電源は、使用行動中にヒーターを所定の温度に維持するために、電力を供給し得る。ユーザーが装置で吸煙してエアロゾルを発生させる場合、ヒーターは冷却し、ヒーターを所定の温度に維持するために、より大量の電力を必要とする。したがって、電源によって供給される電力を表すパラメータを監視することによって、リアルタイムのエアロゾル発生を示す値を記録し得る。
【0009】
エアロゾル発生装置は、使用行動中、エアロゾルを発生させるように構成され得る。方法は、使用行動の開始を決定する工程と、使用行動中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、吸煙容量を、使用行動の終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含み得る。
【0010】
監視されたパラメータは、装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために分析され得、複数のユーザーの吸煙の各々は、監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する。監視されたパラメータは、複数のユーザーの吸煙の各々に対する吸煙容量を計算するために、複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に分析され得る。複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に発生されるエアロゾルの累積吸煙容量を決定し得る。累積吸煙容量は、装置の動作を制御するためのパラメータとして使用され得る。行われる各吸煙に対して吸煙容量を決定することによって、累積吸煙容量を決定し得る。このように、ユーザーが一貫性のない吸煙、すなわち、低い吸煙容量を有する吸煙と高い吸煙容量を有する吸煙を組み合わせて行う場合でも、装置は、より正確に制御され得る。
【0011】
方法は、使用行動の開始を決定する工程と、使用行動中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、累積吸煙容量を、使用行動の終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含み得る。
【0012】
制御装置は、使用行動の開始から経過した時間が、所定の閾値に到達する場合に、使用行動を終了し得る。使用行動は、ユーザーが、最大許容量のエアロゾルを発生させる前に装置の使用を停止する場合の時間に基づいて、上限値を有することが望ましい場合がある。したがって、使用行動は、ユーザー側での無操作の場合に、安全に終了され得る。
【0013】
制御装置は、使用行動の開始から発生される、吸煙容量または累積吸煙容量が所定の閾値に到達する場合に、使用行動を終了し得る。したがって、使用行動は、所定の容量のエアロゾルを発生させた後で、エアロゾル形成基体を、エアロゾル品質が減少するほど十分使い切る前に、終了され得る。
【0014】
監視されたパラメータの関数は、吸煙容量を決定するために、リアルタイムで計算され評価され得る。吸煙容量をリアルタイムで計算することにより、使用行動および使用行動で送達されるエアロゾルの品質を、より正確に制御可能である。
【0015】
監視されたパラメータの分析工程は、監視されたパラメータの第一の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性を分析する工程と、を含み得る。監視されたパラメータの分析工程は、監視されたパラメータの第二の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および第二の特性の両方を分析する工程と、を含み得る。吸煙開始および吸煙停止を決定する精度が高いほど、吸煙容量の計算は、より正確であり得る。
【0016】
吸煙開始は、第一の特性および第二の特性が一つ以上の所定の条件を満たす場合に、生じたと決定され得る。吸煙終了は、第一の特性および第二の特性が一つ以上の所定の条件を満たす場合に、生じたと決定され得る。
【0017】
第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第一の移動平均値、第一の移動中央値、または他の任意の適切な信号特性値であり得る。第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第二の移動平均値、第二の移動中央値、または他の任意の適切な信号特性値であり得、第二の時間窓の期間は、第一の時間窓の期間と異なる。
【0018】
吸煙開始は、第一の特性、例えば、第一の移動平均値、および第二の特性、例えば、第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定され得る。例えば、第一の時間窓の期間は、第二の時間窓の期間よりも短くあり得、吸煙開始は、第一の移動平均が、第二の移動平均に対して増加し、第一の移動平均が、第二の移動平均に第一の所定の吸煙開始定数を加えた値に等しい、吸煙開始値に到達する場合に決定され得る。
【0019】
吸煙終了は、第一の特性、例えば、第一の移動平均値、および第二の特性、例えば、第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定され得る。例えば、吸煙終了は、第一の移動平均が、吸煙開始の検出後に、第二の移動平均に対して減少し、第一の移動平均が、第二の移動平均から第一の所定の吸煙終了定数を引いた値よりも大きく、第二の移動平均が、吸煙開始における第二の移動平均に第二の所定の吸煙終了定数を加えた値よりも小さい、吸煙終了値に到達する場合に決定され得る。
【0020】
当該または各々の吸煙容量は、監視されたパラメータを、当該または各々の吸煙開始と当該または各々の吸煙終了との間の時間の関数として表す曲線の積分により決定され得る。
【0021】
本発明のある態様によると、エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視し、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析し、ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算するために、ユーザーの吸煙中に監視されたパラメータを分析し、計算された吸煙容量に基づいて、装置の動作を制御するように構成された制御装置と、を備え得る。エアロゾル発生装置は、上述の任意の方法を実施するように構成され得る。
【0022】
該装置は、ヒーターを備え得、監視されたパラメータは、エアロゾル発生装置の動作中にヒーターに供給される電力であり得、またはそれを表し得る。
【0023】
ヒーターは、誘導ヒーターであり得、監視されたパラメータは、サセプターによって吸収されたエネルギーを表し得る。このようなサセプターは、エアロゾル発生装置の構成要素部分であり得、またはエアロゾル発生装置と使用するためのエアロゾル形成物品の構成要素であり得る。
【0024】
ヒーターは、抵抗ヒーターであり得、監視されたパラメータは、抵抗ヒーターに供給されたエネルギーを表し得る。
【0025】
エアロゾル発生装置は、好ましくは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成される。
【0026】
本発明のある態様によると、エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置を動作させる方法が提供され、エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、制御装置と、を備える。該方法は、エアロゾル発生装置の動作中にエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程と、を含み得る。監視されたパラメータを分析する工程は、監視されたパラメータの第一の特性を計算する工程と、監視されたパラメータの第二の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および第二の特性の両方を分析する工程と、を含み得る。
【0027】
監視されたパラメータは、装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために分析され得、複数のユーザーの吸煙の各々は、監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する。
【0028】
エアロゾル発生装置は、使用行動中、エアロゾルを発生させるように構成され得る。該方法は、その後、使用行動の開始を決定する工程と、装置の動作中に実行された一回のユーザーの吸煙または複数のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程と、を含み得る。
【0029】
吸煙開始は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に、決定され得る。吸煙終了は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に、決定され得る。
【0030】
第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第一の移動平均値であり得る。第一の時間窓の期間は、好ましくは、20ミリ秒~1000ミリ秒、例えば、100ミリ秒~500ミリ秒、または200ミリ秒~500ミリ秒の時間である。第一の時間窓の期間は、約250ミリ秒、または約300ミリ秒、または約350ミリ秒、または約400ミリ秒、または約450ミリ秒であり得る。
【0031】
第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第二の移動平均値であり得、第二の時間窓の期間は、第一の時間窓の期間と異なる。第二の時間窓の期間は、好ましくは、100ミリ秒~2000ミリ秒、例えば、500ミリ秒~1500ミリ秒、または800ミリ秒~1400ミリ秒の時間である。第一の時間窓の期間は、約850ミリ秒、または約900ミリ秒、または約950ミリ秒、または約1000ミリ秒、または約1050ミリ秒、または約1100ミリ秒、または約1200ミリ秒であり得る。
【0032】
吸煙開始は、第一の移動平均値および第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定され得る。
【0033】
第一の時間窓の期間は、第二の時間窓の期間よりも短くなり得、吸煙開始は、第一の移動平均が、第二の移動平均に対して増加し、第一の移動平均が、第二の移動平均に第一の所定の吸煙開始定数を加えた値に等しい、吸煙開始値に到達する場合に決定され得る。吸煙開始定数は、好ましくは、経験的に決定された定数であり得る。吸煙開始定数は、代替的に、計算された定数であり得る。
【0034】
吸煙終了は、第一の移動平均が、吸煙開始の検出後に、第二の移動平均に対して減少し、第一の移動平均が、第二の移動平均から第一の所定の吸煙終了定数を引いた値よりも大きく、第二の移動平均が、吸煙開始における第二の移動平均に第二の所定の吸煙終了定数を加えた値よりも小さい、吸煙終了値に到達する場合に決定され得る。第一の所定の吸煙終了定数および第二の所定の吸煙終了定数は、好ましくは、経験的に決定された定数であり得る。第一の所定の吸煙終了定数および第二の所定の吸煙終了定数は、代替的に、計算された定数であり得る。
【0035】
監視されたパラメータ内の一般的なノイズは、本物の吸煙が行われない場合に、吸煙開始の基準を満たすことを意味する可能性がある。このような事象を吸煙として最小限度に記録するために、吸煙開始が決定された後、吸煙が行われたことを確認するために、一つ以上の所定の検証条件を満たすことが必要となり得る。検証条件は、トリガと称され得る。該検証条件、または各検証条件が満たされなければ、吸煙は記録されない。一例として、吸煙開始が一旦決定されると、有効な吸煙は、第一の検証条件が満たされ、吸煙終了が検出された場合のみ記録され得る。さらなる例として、吸煙開始が一旦決定されると、有効な吸煙は、第一の検証条件が満たされ、第二の検証が満たされ、かつ吸煙終了が検出される場合にのみ記録され得る。
【0036】
本発明のある態様によると、エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置が提供され、エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視し、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析するように構成された制御装置と、を備える。制御装置は、監視されたパラメータの第一の特性を計算し、監視されたパラメータの第二の特性を計算し、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および第二の特性の両方を分析することによって、監視されたパラメータを分析するようにプログラムされ得る。エアロゾル発生装置は、上述の方法を実施するように構成され得る。
【0037】
該装置は、ヒーターを備え得、監視されたパラメータは、エアロゾル発生装置の動作中にヒーターに供給される電力であり得、またはそれを表し得る。ヒーターは、誘導ヒーターであり得、監視されたパラメータは、サセプターによって吸収されたエネルギーを表し得る。ヒーターは、抵抗ヒーターであり得、監視されたパラメータは、抵抗ヒーターに供給されたエネルギーを表し得る。エアロゾル発生装置は、好ましくは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成される。
【0038】
本発明は、特許請求の範囲に定義される。しかしながら、非限定的な実施例の非網羅的なリストを、以下に提供する。これらの実施例の特徴の任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0039】
実施例1:
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置を動作させる方法であって、エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、制御装置と、を備え、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視すること、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析すること、ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算するために、ユーザーの吸煙中に監視されたパラメータを分析すること、および吸煙容量を、装置の動作を制御するためのパラメータとして使用すること、を含む、方法。
実施例2:
エアロゾル発生を示すパラメータは、電源によって供給される電力を表す、実施例1に記載の方法。
実施例3:
エアロゾル発生装置は、使用行動中にエアロゾルを発生させるように構成され、使用行動の開始を決定する工程と、使用行動中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、吸煙容量を、使用行動の終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、実施例1または2に記載の方法。
実施例4:
装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程であって、複数のユーザーの吸煙の各々は、監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する、工程を含む、実施例1~3のいずれかに記載の方法。
実施例5:
複数のユーザーの吸煙の各々に対する吸煙容量を計算するために、複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に監視されたパラメータを分析する工程と、複数の識別されたユーザーの吸煙の各々の間に発生されたエアロゾルの累積吸煙容量を決定する工程と、累積吸煙容量を、装置の動作を制御するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、実施例4に記載の方法。
実施例6:
エアロゾル発生装置は、使用行動中にエアロゾルを発生させるように構成され、使用行動の開始を決定する工程と、使用行動中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視する工程と、累積吸煙容量を、使用行動の終了を決定するためのパラメータとして使用する工程と、を含む、実施例5に記載の方法。
実施例7:
制御装置は、使用行動の開始から経過した時間が、所定の閾値に到達する場合に、使用行動を終了する、実施例3または6に記載の方法。
実施例8:
制御装置は、使用行動の開始時から発生された吸煙容量または累積吸煙容量が、所定の閾値に到達する場合に、使用行動を終了する、実施例3、6または7に記載の方法。
実施例9:
監視されたパラメータの関数は、吸煙容量を決定するために、リアルタイムで計算され評価される、実施例1~8のいずれかに記載の方法。
実施例10:
監視されたパラメータの分析工程は、監視されたパラメータの第一の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性を分析する工程と、を含む、実施例1~9のいずれかに記載の方法。
実施例11:
監視されたパラメータの分析工程は、監視されたパラメータの第二の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および第二の特性の両方を分析する工程と、を含む、実施例10に記載の方法。
実施例12:
吸煙開始は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に、決定される、実施例12に記載の方法。
実施例13:
吸煙終了は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に、決定される、実施例11または12に記載の方法。
実施例14:
第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第一の移動平均値である、実施例10~13のいずれかに記載の方法。
実施例15:
第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第二の移動平均値であり、第二の時間窓の期間は、第一の時間窓の期間と異なる、実施例11~14のいずれかに記載の方法。
実施例16:
吸煙開始は、第一の移動平均値および第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に、決定される、実施例15に記載の方法。
実施例17:
第一の時間窓の期間は、第二の時間窓の期間よりも短く、吸煙開始は、第一の移動平均が、第二の移動平均に対して増加し、第一の移動平均が、第二の移動平均に第一の所定の吸煙開始定数を加えた値に等しい、吸煙開始値に到達する場合に決定される、実施例16に記載の方法。
実施例18:
吸煙終了は、第一の移動平均が、吸煙開始の検出後に、第二の移動平均に対して減少し、第一の移動平均が、第二の移動平均から第一の所定の吸煙終了定数を引いた値よりも大きく、第二の移動平均が、吸煙開始における第二の移動平均に第二の所定の吸煙終了定数を加えた値よりも小さい場合に決定される、実施例17に記載の方法。
実施例19:
第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第一の移動中央値である、実施例10~13のいずれかに記載の方法。
実施例20:
第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第二の移動中央値であり、第二の時間窓の期間は、第一の時間窓の期間と異なる、実施例11~14および19のいずれかに記載の方法。
実施例21:
吸煙開始は、第一の移動中央値および第二の移動中央値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定される、実施例20に記載の方法。
実施例22:
第一の時間窓の期間は、第二の時間窓の期間よりも短く、吸煙開始は、第一の移動中央値が、第二の移動中央値に対して増加し、第一の移動中央値が、第二の移動中央値に第一の所定の吸煙開始定数を加えた値に等しい、吸煙開始値に到達する場合に決定される、実施例21に記載の方法。
実施例33:
吸煙終了は、第一の移動中央値が、吸煙開始の検出後に、第二の移動中央値に対して減少し、第一の移動中央値が、第二の移動中央値から第一の所定の吸煙終了定数を引いた値よりも大きく、第二の移動中央値が、吸煙開始で第二の移動中央値の値に第二の所定の吸煙終了定数を加えた値よりも小さい場合に決定される、実施例22に記載の方法。
実施例24:
監視されたパラメータは、少なくとも一つの検証条件、または、吸煙開始の後、および吸煙終了の前に発生するトリガ、少なくとも一つの検証条件の検出、または有効な吸煙が記録されるために必要なトリガを検出するために分析される、実施例1~23のいずれかに記載の方法。
実施例25:
検証条件またはトリガは、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に、決定される、実施例24に記載の方法。
実施例26:
当該または各々の吸煙容量は、当該または各々の吸煙開始と当該または各々の吸煙終了との間の時間の関数として、監視されたパラメータを表す曲線の積分によって決定される、実施例1~25のいずれかに記載の方法。
実施例27:
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置であって、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視し、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析し、ユーザーの吸煙中に発生されたエアロゾルの容量である、吸煙容量を計算するために、ユーザーの吸煙中に監視されたパラメータを分析し、計算された吸煙容量に基づいて、装置の動作を制御するように構成された制御装置と、を備える、エアロゾル発生装置。
実施例28:
実施例1~25のいずれかに定義される方法を実施するように構成された、実施例27に記載のエアロゾル発生装置。
実施例29:
該装置は、ヒーターを備え、監視されたパラメータは、エアロゾル発生装置の動作中にヒーターに供給される電力であるか、またはそれを表す、実施例27または28に記載のエアロゾル発生装置。
実施例30:
ヒーターは、誘導ヒーターであり、監視されたパラメータは、サセプターによって吸収されたエネルギーを表す、実施例29に記載のエアロゾル発生装置。
実施例31:
ヒーターは、抵抗ヒーターであり、監視されたパラメータは、抵抗ヒーターに供給されたエネルギーを表す、実施例29に記載のエアロゾル発生装置。
実施例32:
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成された、実施例27~32のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例33:
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置を動作させる方法であって、エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、制御装置と、を備え、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視すること、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析すること、を含み、監視されたパラメータを分析する工程が、監視されたパラメータの第一の特性を計算する工程と、監視されたパラメータの第二の特性を計算する工程と、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および第二の特性の両方を分析する工程と、を含む、方法。
実施例34:
装置の動作中に実行された複数のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程であって、複数のユーザーの吸煙の各々は、監視されたパラメータを分析することによって決定される吸煙開始および吸煙終了を有する、工程を含む、実施例33に記載の方法。
実施例35:
エアロゾル発生装置は、使用行動中にエアロゾルを発生させるように構成され、使用行動の開始を決定する工程と、装置の動作中に実行された一回のユーザーの吸煙または複数のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析する工程と、を含む、実施例33または34に記載の方法。
実施例36:
吸煙開始は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に決定される、実施例33~35のいずれかに記載の方法。
実施例37:
吸煙終了は、第一の特性および第二の特性が、一つ以上の所定の条件を満たす場合に決定される、実施例33~36のいずれかに記載の方法。
実施例38:
第一の特性は、第一の時間窓の期間を有する第一の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第一の移動平均値である、実施例33~37のいずれかに記載の方法。
実施例39:
第二の特性は、第二の時間窓の期間を有する第二の時間窓上で計算される、監視されたパラメータの第二の移動平均値であり、第二の時間窓の期間は、第一の時間窓の期間と異なる、実施例33~38のいずれかに記載の方法。
実施例40:
吸煙開始は、第一の移動平均値および第二の移動平均値が、互いに対する所定の関係を満たす場合に決定される、実施例39に記載の方法。
実施例41:
第一の時間窓の期間は、第二の時間窓の期間よりも短く、吸煙開始は、第一の移動平均が、第二の移動平均に対して増加し、第一の移動平均が、第二の移動平均に第一の所定の吸煙開始定数を加えた値に等しい、吸煙開始値に到達する場合に決定される、実施例40に記載の方法。
実施例42:
吸煙終了は、第一の移動平均が、吸煙開始の検出後に、第二の移動平均に対して減少し、第一の移動平均が、第二の移動平均から第一の所定の吸煙終了定数を引いた値よりも大きく、第二の移動平均が、吸煙開始における第二の移動平均に第二の所定の吸煙終了定数を加えた値よりも小さい場合に決定される、実施例41に記載の方法。
実施例43:
エアロゾルをエアロゾル形成基体から発生させるためのエアロゾル発生装置であって、エアロゾルを発生させるために、電力を供給するための電源と、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生を示すパラメータを監視し、吸煙開始および吸煙終了によって定義される、一回のユーザーの吸煙を識別するために、監視されたパラメータを分析するように構成された制御装置と、を備え、制御装置は、監視されたパラメータの第一の特性を計算し、監視されたパラメータの第二の特性を計算し、吸煙開始および吸煙停止を決定するために、第一の特性および前記第二の特性の両方を分析することによって、監視されたパラメータを分析するようにプログラムされる、エアロゾル発生装置。
実施例44:
実施例33~42のいずれかに定義される方法を実施するように構成された、実施例43に記載のエアロゾル発生装置。
実施例45:
装置は、ヒーターを備え、監視されたパラメータは、エアロゾル発生装置の動作中にヒーターに供給される電力であるか、またはそれを表す、実施例43または44に記載のエアロゾル発生装置。
実施例46:
ヒーターは、誘導ヒーターであり、監視されたパラメータは、サセプターによって吸収されたエネルギーを表す、実施例45に記載のエアロゾル発生装置。
実施例47:
ヒーターは、抵抗ヒーターであり、監視されたパラメータは、抵抗ヒーターに供給されたエネルギーを表す、実施例45に記載のエアロゾル発生装置。
実施例48:
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成された、実施例43~47のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0040】
ここで、以下の図を参照しながら、実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、エアロゾル発生装置の概略側面図である。
図2図2は、図1のエアロゾル発生装置の概略上端図である。
図3図3は、図1のエアロゾル発生装置および該装置と使用されるエアロゾル発生物品の概略断面側面図を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置を、吸煙容量の計算によって動作する方法を示す流れ図である。
図5図5は、一回のユーザーの吸煙中の時間の関数としての電力、および電力曲線の二つの移動平均を示すグラフで、特に、吸煙の検出点を示す。
図6図6は、一回のユーザーの吸煙中の時間の関数としての電力、および電力曲線の二つの移動平均を示すグラフで、特に、第二のトリガ点を示す。
図7図7は、一回のユーザーの吸煙中の時間の関数としての電力、および電力曲線の二つの移動平均を示すグラフで、特に、吸煙の終点の検出を示す。
図8図8は、吸煙の検証に使用される様々なトリガ点の識別を含む、吸煙の検出を示すグラフである。
図9図9は、三つの異なる吸煙モードを使用する方法の検証を示す。
図10図10は、検出された吸煙中に電力信号を積分することによるエネルギー計算を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
例示的なエアロゾル発生装置10は、手持ち式エアロゾル発生装置であり、略円筒形状であるハウジング20によって画成される細長い形状を有する。エアロゾル発生装置10は、エアロゾル形成基体31を備えるエアロゾル発生物品30を受容するためのハウジング20の近位端21に位置する開いた空洞25を具備する。エアロゾル発生装置10は、装置のハウジング20内に位置するバッテリ(図示せず)と、エアロゾル発生物品30が、空洞25に受容される場合にエアロゾル発生物品30の少なくともエアロゾル形成基体の部分31を加熱するように配設された電気的に作動するヒーター要素40と、をさらに備える。
【0043】
エアロゾル発生装置は、消耗品であるエアロゾル発生物品30を受容するように構成される。エアロゾル発生物品30は、円筒状ロッドの形態であり、エアロゾル形成基体31を備える。エアロゾル形成基体は、たばこを含む固体エアロゾル形成基体である。エアロゾル発生物品30は、円筒形ロッド内のエアロゾル形成基体と同軸整列して配設されたフィルタ32などのマウスピースをさらに備える。エアロゾル発生物品30は、装置10の空洞25の直径に略等しい直径と空洞25の深さよりも長い長さを有し、その結果、物品30が装置10の空洞25に受容される場合、マウスピース32は、空洞25の外へ延在し、従来型の紙巻きたばこと同様に、ユーザーによって引き出され得る。
【0044】
ユーザーは、物品30を、使用時に、エアロゾル発生装置10の空洞25に挿入し、ユーザーボタン50を押してヒーター40を起動し、使用行動を開始することによって、装置10をオンにする。ヒーター40は、エアロゾル形成基体31の揮発性化合物が放出され、霧状にされてエアロゾルを形成するように、物品30のエアロゾル形成基体を加熱する。ユーザーは、物品30のマウスピースを引き出し、加熱されたエアロゾル形成基体から発生されたエアロゾルを吸入する。起動後、ヒーター要素40の温度は、周囲温度からエアロゾル形成基体を加熱するための所定の温度まで増加する。装置10の制御電子回路により、バッテリからヒーターに電力が供給されて、ユーザーが、エアロゾル発生物品30上で吸煙する際に、ヒーターの温度をほぼ一定レベルに維持する。ヒーターは、ヒーターが停止され、冷却する、使用行動の終了時まで、エアロゾル発生物品を加熱し続ける。一部の特定の実施例では、ヒーター40は、抵抗ヒーター要素であり得る。一部の特定の実施例では、ヒーター40は、誘導によって加熱されるように、変動磁場内に配設されたサセプターであり得る。
【0045】
使用行動の終了時に、物品30は、廃棄のためにデバイス10から取り外され、装置10は、装置10のバッテリを充電するために外部電源に結合され得る。
【0046】
装置と使用するためのエアロゾル発生物品は、有限量のエアロゾル形成基体を有し、したがって、使用行動には、エアロゾル形成基体を使い切った場合に、ユーザーがエアロゾルを生成しようとするのを防ぐために、有限の期間を有する必要がある。使用行動は、使用行動の開始から経過時間によって決定される最大期間を有するように構成される。使用行動はまた、使用行動中に記録されたユーザー相互作用のパラメータが、タイマーによって決定される最大期間の前に閾値に到達すれば、最大期間よりも短い期間を有するように構成される。特定の実施形態では、ユーザー相互作用のパラメータは、使用行動中にユーザーが行う吸煙中にユーザーが発生させるエアロゾルの累積量を表す。したがって、エアロゾル発生装置は、各使用行動が、使用行動の開始から6分間の最大期間、または660mlのエアロゾルが、使用行動の開始から6分間以内に発生される場合、ユーザーによって発生される合計660mlのエアロゾル(55mlの12回の吸煙に相当)を有するように、構成される。したがって、短い吸煙、または適度な吸煙を多く行うユーザーは、長い吸煙または活発な吸煙をより少ない回数で行うユーザーと類似の最大量のエアロゾルを受容し得る。
【0047】
方法の概要を、図4に概略的に示す。ユーザーは、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置に挿入し、ユーザーボタン50を動作させることによって、使用行動を開始する。これは、ユーザー体験201の開始を示す。電力は、エアロゾル発生装置のバッテリからヒーター要素40に、ヒーター要素が所定の動作温度に到達するまで供給される。この温度は、例えば、約330℃であり得る。
【0048】
ヒーターに供給される電力の電力信号は、監視される(202)。ユーザーは、その後、吸煙を行う(203)。ユーザーが吸煙する場合、ヒーターは、気流により冷却される。したがって、動作温度を維持するためにヒーターに供給する必要のある電力は、増加する。供給される電力が増加し、温度が正確に維持される。
【0049】
ユーザーの吸煙の有無は、電力信号204を分析することによって検出される。吸煙開始点および吸煙終了点は、この分析によって決定される。
【0050】
検出された吸煙のエネルギーは、その後、計算され(205)、吸煙中に発生されるエアロゾルの容量も計算され(206)、使用行動中に発生される容量の累積合計に加えられる。
【0051】
累積総容量が、使用行動に対して所定の最大許容エアロゾル容量(例えば、660ml)に等しいか、またはそれを超える場合、使用行動は終了する(208)。累積総容量が、使用行動に対して所定の最大許容エアロゾル容量に等しくないか、またはそれを超える場合、行動は継続中で、ユーザーは別の吸煙を行い得る。使用行動は、ユーザーが、最大許容エアロゾル容量を発生するまで、または最大時間閾値に到達するまで、継続中のままである。
【0052】
行われた吸煙の数に基づいて、エアロゾル発生装置の使用行動の期間を制御する概念は、公知である。吸煙は、電力の監視または気流の監視のいずれかによって、識別可能である。しかしながら、送達されるエアロゾルの容量を定量化するためには、各吸煙の正確な検出および分析が必要である。多くの要因が動作条件下で電力信号に影響を与え、エアロゾル発生装置における時間の関数としての電力は、ノイズが多く複雑である。実際の用途では、電力信号は、バックグラウンドノイズを帯びており、特定の挙動を吸煙の発生に確実に関連付けるのは簡単ではない。吸煙を決定するための電力信号の単純な閾値分析では、発生されるエアロゾルの容量の定量化を行うために必要な精度は提供されない。
【0053】
吸煙開始点および吸煙終了点をより正確に決定するために、時間の関数としての電力の二つの移動平均を比較する。二つの移動平均の間の関係は、リアルタイムで分析され、吸煙開始点および吸煙終了点を含む特定の点が決定される。二つの移動平均の分析によって決定される特定の点は、トリガ点と称され得る。
【0054】
図5は、時間の関数としてヒーターに供給される電力を示すグラフを示す。時間の関数P(電力)は、グラフに正方形の曲線501として示される傾向を有する。
【0055】
第一の移動平均502(MA1)は、第一の時間窓TW1にわたる電力信号の平均値である。第一の時間窓TW1は、この特定の例では、約400ミリ秒である。
【0056】
第二の移動平均504(MA2)は、第二の時間窓TW2にわたる電力信号の平均値である。第二の時間窓TW2は、この特定の例では、約1000ミリ秒である。
【0057】
グラフ503の第一の部分では、ヒーターは一定温度であり、ユーザーは吸煙を行っていない。したがって、動作温度を維持するためにヒーターに供給される電力は一定であり、グラフ上にAで示す値に等しい。グラフ503の第一の部分では、第一の移動平均502の値は、電力501の値と一致し、電力は定数であり、値Aに等しいため、従って、時間窓TW1にわたる平均値も、経時的に一定である。グラフ503の第一の部分では、第二の移動平均504の値は、電力501の値と一致し、電力は定数であり、値Aに等しいため、従って、時間窓TW2にわたる平均値も、経時的に一定である。
【0058】
ユーザーが吸煙を行う場合、ヒーターは、結果生じる気流によって冷却される。したがって、ヒーターに供給される電力は、ヒーターをその動作温度に維持するために増加する必要がある。図5に示すように、電力は、Aと示される値から、Bと示される高い値まで増加する。ユーザーが吸煙を完了する際に、動作温度を維持するためにヒーターに供給する必要のある電力は減少し、供給された電力は減少し、Aで示されるメンテナンスレベルに戻る。
【0059】
電力の増加の後、第一の移動平均は、漸進的に増加するものの、電力信号ほど急激には増加しないが、これはまた、依然として値Aにある信号の一部を含むためである。第一の移動平均は、電力値と一致するまで増加し続ける。その後、第一の移動平均は、電力が再び減少した後、同様の方法で減少する。
【0060】
電力の増加の後、第二の移動平均は、漸進的に増加する。第二の移動平均が、第一の移動平均よりも長い時間窓TW2に基づくため、第二の移動平均は、吸煙領域の近傍であるが、第一の移動平均よりも徐々に上昇し始める。
【0061】
第一の移動平均と第二の移動平均を取得した後、吸煙を検出するための条件を設定し得る。最初に、移動平均クロスオーバーとして識別される、重要な事象が定義される:MA1=MA2+δ1。第一の移動平均が、第二の移動平均に第一の定数(δ1)を加えた値に等しい場合、その事象は、移動平均クロスオーバーと呼ばれる。定数δ1は、実験的に決定された値である。好ましい特定の実施例によると、第一の定数(δ1)は、0.22Wである。吸煙開始は、第一の移動平均と第二の移動平均との間の関係が、移動平均クロスオーバーに対して定義される条件を満たすか、またはそれを超える場合に生じたと決定される。すなわち、吸煙開始は、第一の移動平均と第二の移動平均との間の関係が、MA1<MA2+δ1からMA1=MA2+δ1またはMA1>MA2+δ1に変化する場合に生じたと決定される。移動平均クロスオーバーは、吸煙として定量化されるのに十分な大きさである、電力信号の摂動に対応する。この方法は、電力信号が、大量のバックグラウンドノイズを伝送する場合に利点を有し、そうでなければ、吸煙の発生に対応する挙動は、検出が容易ではない場合がある。
【0062】
条件はまた、検証された場合、吸煙の発生を示すものとして定義され得る。移動平均クロスオーバーが検出された後、電力信号を監視することによって、四つの条件(またはトリガ)を、吸煙を見つけるように検証し得る。これらの検証条件、またはトリガは、トリガ1、トリガ2、トリガ3、およびトリガ4として識別可能で、以下のように定義される。
【0063】
トリガ1:トリガ1の条件は、MA1>MA2+δ1である。トリガ1は、吸煙開始に結び付けられる。トリガ1が、移動平均クロスオーバーの直後に検出される場合、システムは、このような検出が、吸煙の開始に対応すると認識する。
【0064】
トリガ2:トリガ2の条件は、MA2>MA1+δ2である。トリガ2は、吸煙のピークを識別する。この場合、δ2は、第二の定数である。好ましい特定の例によると、第二の定数(δ2)は、0Wである。トリガ2の位置を図6に示す。
【0065】
トリガ3:トリガ3の条件は、MA2>MA1+δ3である。このトリガは、吸煙のフェーディングを識別し、δ3は、第三の定数である。
【0066】
トリガ4:トリガ4の条件は、MA1>MA2-δ41およびMA2<MA21ST+δ42である。このトリガは、吸煙の終了を検出し、δ41は、第四の定数で、δ42は、第五の定数である。δ41およびδ42は、実験的に計算される。好ましい特定の例によると、第四の定数δ41は、0.06Wであり、第五の定数δ42は、0.31Wである。トリガ4の条件を図7に示す。
【0067】
図8は、さらなる特定の実施形態における吸煙の検出を示す。この特定の実施形態では、第一の移動平均(MA1)は、128msの時間窓に基づいて、第二の移動平均(MA2)は、512msの時間窓に基づいた。
【0068】
移動平均のクロスオーバーが発生する場合に、吸煙が検出される(801)。これは、MA1=MA2+δ1の場合の点である。δ1は、実験的に決定され、0.22Wの値を有する定数である。
【0069】
最初のトリガは、MA1>MA2+δ1、すなわち、吸煙開始の直後に起こる。
【0070】
第二のトリガ802は、MA2>MA1+δ2の場合に発生する。δ2は、実験的に決定され、0Wの値を有する定数である。したがって、第二のトリガは、MA2>MA1の場合に発生する。
【0071】
第三のトリガ803は、MA2>MA1+δ3の場合に発生する。δ3は、実験的に決定され、0.18Wの値を有する定数である。
【0072】
第四のトリガ804は、MA1>MA2-δ41およびMA2<MA2 1ST+δ42の場合に発生する。δ41は、実験的に決定され、0.06Wの値を有する定数である。δ42は、実験的に決定され、0.31Wの値を有する定数である。吸煙は、第四のトリガで終了するとみなされる。
【0073】
吸煙検出の精度を改善するために、一組の時間閾値が、異なるトリガ間で確立される。このような閾値は、非常に異なる容量および流れにおいて、吸煙の有効な検出を容易にする。時間閾値、またはタイムアウトは、トリガが起動した後に開始した期間である。以下のトリガが所定の経過時間後に起動されない場合、検出プロセスはリセットされる。これにより、「誤って検出された」トリガを破棄可能である。
【0074】
第一のタイムアウトは、第一のトリガの後に開始され得る。第二のトリガが所定の経過時間内に検出されない場合、吸煙検出は拒否され、検出システムはリセットされる。特定の実施例では、第一のタイムアウトは、2.5秒の期間を有し得る。したがって、第二のトリガが第一のトリガの2.5秒以内に検出されなければ、吸煙の検出は拒否される。
【0075】
第二のタイムアウトは、第三のトリガの後に開始され得る。第四のトリガが所定の経過時間内に検出されなければ、吸煙検出は拒否され、検出システムはリセットされる。特定の実施例では、第二のタイムアウトは、3.5秒の期間を有し得る。したがって、第四のトリガが第三のトリガの3.5秒以内に検出されなければ、吸煙の検出は拒否される。
【0076】
本発明に係る方法を使用して、吸煙を三つの異なるモードで検出した。図9に示すように、該モードは、容量20ml・期間2秒の吸煙、容量55ml・期間2秒の吸煙、および容量120ml・期間3秒の吸煙であった。吸煙の97%は、同じ閾値およびタイムアウトを使用して、これら三つの非常に異なる吸煙モードの間で検出された。
【0077】
吸煙の終点が識別された後(第四のトリガ)、吸煙の容量は、吸煙開始から吸煙終了までの電力の時間積分から計算される。電力の時間積分値は、エネルギーに等しい。次に、エネルギーは、消耗品に注入される熱に対応し、熱は、ユーザーが大量の冷却気流で除去する。
【0078】
図10に示すように、吸煙に厳密に関連するエネルギーは、式に示すように、吸煙中に電力信号の積分値から吸煙なしでもとにかく消費され得るエネルギーを引いた値として計算されることが理解されよう。
【数1】
【0079】
エネルギーは、経験的に決定された関係により、容量と相関する。同様に、電力を、時間単位当たりの容量に等しい気流に相関させることも可能である。
【0080】
ユーザー体験と称し得る使用行動は、最大許容容量の送達されるエアロゾルを有する。各吸煙は、最大許容量に寄与する。一旦閾値に到達すると、体験は終了する。したがって、経験は、所定の回数の吸煙ではなく、ユーザーが実際に装置で吸煙する方法と結び付けられる。
【0081】
使用行動中に供給されるエアロゾルの全体容量を決定する代替的な方法は、流量センサを使用することであろう。しかし、このような解決策は、装置の複雑さに関して煩雑であろうことが理解される。実際に、流量センサは、(装置を埃だらけのポケットに入れれば)スラリー詰まりや、破片詰まりがあり得る。設計上、流量センサが、無視できない空間を必要とするため、流量センサの使用は、特に困難である。本解決策によると、追加のハードウェアは必要ない。本明細書に提供される解決策は、電力である電流と電圧を既に計算可能である、既存の加熱アルゴリズムに加えて、ソフトウェア層を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】