(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】滑り止め外コーティングを有する調理用物品
(51)【国際特許分類】
A47J 36/02 20060101AFI20230718BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20230718BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20230718BHJP
B32B 1/00 20060101ALI20230718BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20230718BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20230718BHJP
B05D 3/02 20060101ALI20230718BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A47J36/02 B
B32B27/20 Z
B32B27/30 D
B32B1/00 Z
B05D1/36 B
B05D7/24 302L
B05D3/02 Z
B05D7/24 303B
B05D7/24 303E
B05D7/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580289
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 FR2021051151
(87)【国際公開番号】W WO2021260326
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリー ル ボネック
【テーマコード(参考)】
4B055
4D075
4F100
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、底壁(21)及び底壁(21)の周りに立ち上がる側壁(31)を有する支持体(2)を含む調理用物品(1)に関し、底壁(21)は、食料を受容するための内面(211)及び熱源の近くに配置されることを意図された外面(212)を有し、側壁(31)は、外面(212)及び(312)が少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの連続的なプライマー層で被覆され、外面(212)のコーティングは、その層の間又は中に、外面(212)の表面の少なくとも20%となる少なくとも1つの装飾を配置して含み、この装飾は、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、少なくとも1つのポリマー樹脂及び25μm未満のd50サイズの粒子の形態の5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含むことを特徴とする。本発明はまた、このような物品を製造するための方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁(21)と、前記底壁(21)の周りに立ち上がる側壁(31)とを有する支持体(2)を備え、前記底壁(21)は、食料を受容することを意図された内面(211)及び熱源の近くに配置されることを意図された外面(212)を有し、前記側壁(31)は内面(311)及び外面(312)を有する、調理用物品(1)において、
前記外面(212)及び(312)は、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの連続的なプライマー層で覆われており、
前記外面(212)のコーティングは、その層間又は層中に、前記外面(212)の表面の少なくとも20%となる少なくとも1つの装飾を配置して備え、この装飾は、
少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、
少なくとも1つのポリマー樹脂、
25μm未満のd50サイズの粒子の形態の、5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材、を含むことを特徴とする、調理用物品(1)。
【請求項2】
前記ポリマー樹脂がポリアミドイミド(PAI)から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の調理用物品(1)。
【請求項3】
装飾層中のポリマー樹脂(複数可)の割合が、前記装飾層の総重量に対して乾燥重量で0.5%~3%、好ましくは1%~1.5%で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の調理用物品(1)。
【請求項4】
前記充填材が、5.5以下のモーススケールの硬度を有することを特徴とする、請求項1~3の1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項5】
前記鉱物充填材が、ガラス、ステンレス鋼、アルミナ、窒化ホウ素、タルク、カオリン、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~4の1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項6】
前記ポリマー充填材が、ポリアリルエーテルケトン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~5の1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項7】
前記支持体が、セラミック、ガラス、ステライト、金属合金又は金属、特にアルミニウム、銅、チタン又はジルコニウムから選択される少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項8】
前記鉱物充填材又は前記ポリマー充填材が球状であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項9】
前記鉱物充填材及び/又は前記ポリマー充填材が、5μmより大きいd50を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項10】
前記装飾が、10~20%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の調理用物品(1)。
【請求項11】
底壁(21)と、前記底壁(21)の周りに立ち上がる側壁(31)とを有する支持体(2)を含む調理用物品を製造する方法であって、前記底壁(21)は、食料を受容することを意図された内面(211)及び熱源の近くに配置されることを意図された外面(212)を有し、前記側壁(31)は内面(311)及び外面(312)を有し、前記方法は以下のステップ、
支持体(2)を提供し、
前記支持体(2)の前記外面(212)及び(312)上に、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つのプライマー層を塗布し、
外面(212)の表面の少なくとも20%に、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、少なくとも1つのポリマー樹脂、及び25μm未満のd50サイズの粒子の形態の、5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含む少なくとも1つの装飾を塗布し、
前記調理用物品を、400~450℃の温度で、1~15分間、オーブンで硬化させる、
ことを含む、方法。
【請求項12】
前記装飾が、スクリーン印刷により、ローラーにより、スプレーにより、パッド印刷により又はカーテンにより塗布されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記装飾が、最後のプライマー層上又は2つのプライマー層の間に塗布されることを特徴とする、請求項11又は12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理用物品であって、その外面に、改善された滑り止め特性を有するコーティングを有するものに関する。また、本発明は、そのような物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術
ガラス製、IH、ガラスセラミック製など、表面が滑らかで滑りやすいコンロの開発により、安全性の問題が生じている。主要な問題は、コンロの外側のバーナー上に置かれた調理用物品が滑り、調理用物品の中身をこぼしたり、彼らを怪我させたり又は火傷をさせたりする危険性があることである。
【0003】
さらに、調理用物品の外コーティングは、主にPTFEで構成されており、コンロ上での摺動を促進させ、事故の危険性を高めるという欠点がある。摺動を促進するという用語は、調理用物品に付与された、加熱炉の上で定位置に留まらない能力を意味する。この特性は、前記炉と接触する層の静的及び動的な滑り係数、したがってコンロと接触する層の静的及び動的な滑り係数に関連している。安全上の理由から、摺動に対するこの感度は最小限に抑えられなければならない。
【0004】
外コーティングの適用方法によっては、この現象を抑えるための技術が、調理用物品製造業者により実施されている。
【0005】
スクリーン印刷では、金属片は、製品の底面のスパン部分にコーティングされないままにされる。このコーティングされないアルミニウムの部分は、滑りを抑制することを可能にするが、その効果は部品の凹みに大きく依存する。さらに、この金属片はガラスセラミック製コンロを汚す傾向がある。
【0006】
ローラーやスプレーでの塗布の間、外のPTFEとアルミナベースの装飾が、ローラー仕上げの最後の2層の下に塗布される。この層は滑り止め効果を有するが、コンロにかき傷をつけるという欠点がある。
【0007】
シリコーンなどの他の材料もまた、滑り止め特性のために使用されている。残念ながら、これらの材料は、調理用物品の使用の温度、例えば200℃を超える連続調理には耐えられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、家庭内の事故を避けるために、特にコンロのような滑らかな表面に配置される場合、前記物品が配置される支持体のかき傷や汚れを避けながら、摺動現象を制限する調理用物品を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の詳細な説明
上記の欠点を克服するために、本出願人は、物品が置かれる支持体のかき傷及び汚れを低減又は除去しながら、コンロ上での前記物品の摺動を制限するために、その外面が滑り止めコーティングで覆われた調理用物品を開発した。また、本出願人は、前記調理用物品を製造する方法を開発した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の目的は、底壁21と、底壁21の周りに立ち上がる側壁31とを有する支持体2を備え、前記底壁21は、食料を受容することを意図された内面211と、熱源の近くに配置されることを意図された外面212とを備え、前記側壁31は、内面311と外面312とを備える調理用物品1であって、
外面212及び312が、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの連続的なプライマー層で覆われており、
外面212のコーティングは、その層間又は層中に配置された、外面212の表面の少なくとも20%となる少なくとも1つの装飾を含み、この装飾が、
少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、
少なくとも1つのポリマー樹脂、
25μm未満のd50サイズの粒子の形態の、5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材、を含むことを特徴とする、調理用物品1に関する。
【0011】
本発明の他の目的は、本発明による調理用物品を製造する方法であって、底壁21と、底壁21の周りに立ち上がる側壁31とを有する支持体2を備え、前記底壁21は、食料を受容することを意図された内面211と、熱源の近くに配置されることを意図された外面212とを備え、前記側壁31は、内面311及び外面312とを有し、前記方法が、
支持体2を提供し、
支持体2の外面212及び312上に、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つのプライマー層を塗布し、
少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの装飾の外面212の表面の少なくとも20%上に、少なくとも1つのポリマー樹脂及び25μm未満のd50サイズの粒子の形態の5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材で塗布し、
前記調理用物品を、400~450℃の温度で、1~15分間、オーブンで硬化させることを含むことを特徴とする方法に関する。
【0012】
定義
本発明の意味において、「層」という用語は、連続層又は不連続層を意味すると理解されるべきである。連続層(又はモノリシック層とも呼ばれる)は、それが配置される表面を完全に覆う全固体を形成する単一の全体である。不連続層(又は非モノリシック層)は、いくつかの部分を含むことができ、したがって単一の全体ではない。
【0013】
「プライマー層」、「結合層」又は「結合プライマー」という用語は、支持体に直接塗布される最初の層から、場合によっては機械的に準備されるか副層(sublayer)(この層が支持体によく接着し、そのすべての機械特性をコーティングにもたらすことが好ましい:硬度、かき傷耐性)で最初の装飾層の前の最後の層までのすべての層を意味すると理解されている。
【0014】
「中間層」という用語は、プライマー層と仕上げ層との間の任意の層を意味すると理解される。
【0015】
本発明の意味において、「装飾」又は「装飾層」という用語は、鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含む1つ以上の連続層又は不連続層を意味すると理解される。装飾は、肉眼で見えるレリーフ、粗さを形成する顔料及び/又は充填材の存在により、肉眼で、家庭用品の標準的な使用距離で、使用者にはっきりと見えるものである。
【0016】
「仕上げ層」又は「仕上げ」という用語は、連続した透明な表面層を意味すると理解され、この層は、下の層を完全に可視化する一方で、機械的な攻撃から保護し、コーティングに非粘着性を付与する。仕上げ層は、最後に塗布される層である。
【0017】
本発明の意味において、「調理用物品」は、調理用に意図された物体を意味すると理解されるべきである。この目的のために、それは熱処理を受容することを意図されている。
【0018】
本発明の意味において、「熱処理を受容することを意図された物体」とは、フライパン、ソースパン、ソテーパン、中華鍋、パンケーキパン、鍋、調理鍋、圧力鍋、煮込み鍋、シチューパン、バーベキューグリル、菓子型、フォンデュ鍋などの外部加熱システムによって加熱される物体、及びこの外部加熱システムによって提供された熱量を前記物体と接触する材料又は食料に伝達できるものを意味すると理解されるべきである。
【0019】
「粒子」という用語は、特にそのd50によって特徴付けられるランダムな形状の小さなサイズの要素を意味すると理解される。
【0020】
「d50」は、本発明の意味において、集団の50体積%が前記サイズ(粒子分布の中央値)未満のサイズの粒子からなるようなサイズを意味すると理解される。「サイズ」という用語は、等価直径(equivalent diameter)、すなわち、議論されている粒子と同じように振る舞う、理論的な球体が有するであろう直径を意味すると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明による調理用物品の一例を表す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明による調理用物品の外面212及び312の概略図を表す。
【0022】
図1は、本発明による調理用物品の一例を表す概略図である。
【0023】
この図は、特に、調理用物品の一例として、把持ハンドル11を有するフライパン1を表しており、これは底壁21と底壁21の周りに立ち上がる側壁31とを有する支持体2を備え、前記底壁21は、食料を受容することを意図された内面211と熱源の近くに配置されることを意図された外面212とを有し、前記側壁31は内面311と外面312とを有している。
【0024】
外面212及び312は、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの連続的なプライマー層4で覆われていて、外面212のコーティングは、その層間又は層中に配置された、少なくとも1つの装飾5を備えている。
【0025】
図2は、本発明による調理用物品の外面212及び312の概略図を表す。
【0026】
この図は、調理用物品の一例として、把持ハンドル11を有するフライパン1を表しており、その外面212及び312は、少なくとも1つのプライマー層4で覆われており、その外面212は装飾5で被覆されている。
【0027】
詳細な説明
本発明の第1の目的は、底壁21と、底壁21の周りに立ち上がる側壁31とを有する支持体2を備え、前記底壁21は、食料を受容することを意図された内面211と、熱源の近くに配置されることを意図された外面212とを有し、前記側壁31は内面311と外面312とを有する、調理用物品1であって、
外面212及び312は、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つの連続的なプライマー層で覆われており、
外面212のコーティングは、その層間又は層中に配置された、外面212の表面の少なくとも20%となる少なくとも1つの装飾を備え、この装飾は、
少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、
少なくとも1つのポリマー樹脂、
25μm未満のd50サイズの粒子の形態の、5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材、を含む、調理用物品1に関する。
【0028】
有利には、物品は調理用物品であって、その支持体の面の1つが、当該物品の内側に置かれた食料と接触することを意図された凹状の内面を構成し、物品の支持体の他の面が、熱源と接触することを意図された凸状の外面である。
【0029】
本発明による調理用物品は、好ましくは、ソースパン、フライパン、シチュー鍋、中華鍋、ソテーパン、パンケーキパン、調理鍋、及び圧力鍋からなる群から選択される。
【0030】
本発明で考慮される適用の分野では、調理用物品タイプの加熱されるべき物品は、通常、10℃~300℃で構成される温度の範囲で使用される。
【0031】
支持体は、セラミック、ガラス、ステライト、金属合金又は金属、特にアルミニウム、銅、チタン又はジルコニウムから選択される少なくとも1つの元素を含む。支持体は、好ましくは金属製である。
【0032】
調理用物品のために本発明の文脈で使用され得る金属支持体は、特に、以下を有する支持体で作られていてもよい:
【0033】
陽極酸化又は非陽極酸化アルミニウムで、又は研磨、ブラシ、サンドブラスト、マイクロブラスト、化学処理アルミニウムで、又は鋳造アルミニウムで、又は研磨、ブラシ、サンドブラスト又はマイクロブラスト鋼で、又は研磨、ブラシ、サンドブラスト又はマイクロブラストステンレス鋼で、又は鋳鋼、アルミニウム又は鉄で、又は銅、任意でハンマリング又は研磨で作られた単層構造、又は
外側から内側に向けて、ステンレス鋼/アルミニウム/ステンレス鋼、又はステンレス鋼/アルミニウム/銅/アルミニウム/ステンレス鋼、又はステンレス鋼外底部にアルミニウム、アルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造のキャップを、一部又は全部含む、多層構造。
【0034】
コーティングのより良い接着性のために、支持体の表面は例えばサンドブラストにより処理されてその比表面積を大きくすることができる。
【0035】
調理用物品の底壁21の外面212及び312は、少なくとも1つのプライマー層で覆われている。プライマー層の塗布が予備成形された調理用物品上で実施される場合、底壁21の外面212及び312は、好ましくは単一のプライマー層で覆われる。プライマー層の塗布が、平坦な形態の、予備成形されていない調理用物品上で実施される場合、底壁21の外面212及び312は、好ましくは2つのプライマー層で覆われる。
【0036】
有利には、各プライマー層の厚さは20μm未満であり、好ましくは15μm以下である。
【0037】
好ましくは、第1プライマー層の厚さは、5~15μmで構成され、特に好ましくはそれは10μmである。
【0038】
好ましくは、第2プライマー層の厚さは、10~20μmで構成され、特に好ましくはそれは15μmである。
【0039】
幾つかのプライマーの層がある場合、そられの少なくとも1つは連続的である。1つだけのプライマー層がある場合、この1つは連続的である。
【0040】
フルオロカーボンポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)とのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペン(FEP)とのコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレンとポリメチルビニルエーテル(MVA)とのコポリマー、テトラフルオロエチレン、ポリメチルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテルのターポリマー(TFE/PMVE/FAVE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0041】
有利には、フルオロカーボンポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はPTFEとPFAの混合物(PTFE/PFA)、又はPTFEとFEPの混合物(PTFE/FEP)、又はPTFE、PFA及びFEPの混合物(PTFE/PFA/FEP)から選択され得る。
【0042】
特に好ましくは、フルオロカーボンポリマーはPTFEである。
【0043】
有利には、各プライマー層におけるフルオロカーボンポリマー(複数可)の割合は、前記プライマー層の総重量に対して、乾燥重量で30%~80%、好ましくは40%~70%で構成される。
【0044】
プライマー層(複数可)は、特に支持体が機械的処理を受けた場合、結合樹脂を含んでもよい。
【0045】
好ましくは、結合樹脂(複数可)は、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)、及びポリフェニレンサルフィド(PPS)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、タンニンからなる群から選択される。
【0046】
装飾は、底壁21の外面212の表面の少なくとも20%となり、好ましくは装飾は少なくとも30%となり、さらに好ましくは少なくとも30%である。
【0047】
有利には、装飾は、底壁21の外面212の表面の50%未満となり、さらに有利には、装飾は40%未満となる。
【0048】
装飾は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE、テトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)とのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペン(FEP)とのコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレンとポリメチルビニルエーテル(MVA)とのコポリマー、テトラフルオロエチレン、ポリメチルビニルエーテル及びフルオロアルキルビニルエーテルのターポリマー(TFE/PMVE/FAVE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、及びその混合物を含む群から選択される少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む。
【0049】
有利には、装飾層のフルオロカーボンポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はPTFEとPFAとの混合物(PTFE/PFA)、又はPTFEとFEPとの混合物(PTFE/FEP)、又はPTFE、PFA及びFEPの混合物(PTFE/PFA/FEP)から選択され得る。
【0050】
特に好ましくは、装飾層のフルオロカーボンポリマーがPTFEである。
【0051】
有利には、装飾層中のフルオロカーボンポリマー(複数可)の割合は、前記装飾層の総重量に対して乾燥重量で30%~80%、好ましくは40%~70%、さらに好ましくは30%~60%で構成される。
【0052】
装飾は、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド(PI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマー樹脂を含む。好ましくは、ポリマー樹脂は、ポリアミドイミド(PAI)から選択される。
【0053】
好ましくは、装飾層中のポリマー樹脂(複数可)の割合は、前記装飾層の総重量に対して乾燥重量で0.5%~3%、好ましくは1%~1.5%で構成される。
【0054】
有利には、装飾は、ポリマー樹脂とフルオロカーボンポリマーとの間の比率が1.5~5、好ましくは2で構成されている。
【0055】
有利には、各装飾層の厚さは、20μm未満、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0056】
一実施形態によれば、装飾は、ガラス、ステンレス鋼、アルミナ、窒化ホウ素、タルク、カオリン、又はそれらの混合物から選択される鉱物充填材を含む。
【0057】
別の実施形態によれば、装飾は、ポリアリルエーテルケトン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド及びそれらの混合物から選択されるポリマー充填材を含む。
【0058】
装飾は、鉱物充填材とポリマー充填材との混合物を含んでもよい。
【0059】
装飾は、5~25重量%、好ましくは10~20重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含む。
【0060】
鉱物充填材及び/又はポリマー充填材は、25μm未満のd50サイズ、好ましくは20μm未満のd50サイズの粒子の形態である。
【0061】
好ましくは、鉱物充填材及び/又はポリマー充填材は、5μm超のd50サイズ、好ましくは10μm超のd50サイズの粒子の形態である。
【0062】
有利には、鉱物充填材及び/又はポリマー充填材は、球状である。
【0063】
装飾層中の充填材のサイズ、つまりd50サイズと、濃度は、電子顕微鏡観察を行うことによって評価され得る。
【0064】
好ましくは、鉱物充填材及びポリマー充填材は、5.5以下のモーススケールの硬度を有する。鉱物の硬度を測定するためのモーススケールは、名目上のスケールである。したがって、モーススケールの硬度の測定は、鉱物が第2の鉱物にかき傷をつける能力に基づいている。モーススケールの硬度が5.5以下(窓ガラスのモーススケールの硬度に相当する値)の鉱物は、モーススケールの硬度が5.5より大きい鉱物、例えば斜長石(モーススケールの硬度6)でもかき傷がつく可能性がある。
【0065】
有利には、装飾は、例えば二酸化チタン、酸化第二鉄(FeO)、酸化第三鉄(Fe2O3)、カーボンブラック、ピラレンレッド、金属グリッター、コバルトとマンガンの混合酸化物、マイカと酸化チタンに基づくブルー顔料及びこれらの混合物など、1つ以上の顔料を含むことができる。
【0066】
好ましくは、装飾は、分散剤、展着剤、消泡剤、増粘剤などの添加剤を含むことができる。
【0067】
装飾は、2層のプライマーの間や最後のプライマー層上に位置付けられ得る。
【0068】
好ましくは、装飾層は不連続である。
【0069】
有利には、装飾層は、鉱物充填材及び/又はポリマー充填材の存在に起因するアスペリティを有する、粗いものである。有利には、装飾層は肉眼で見ることができる。
【0070】
好ましくは、最後の装飾層は、熱源と接触している。
【0071】
一実施形態によれば、1つ以上の仕上げ層が、最後の中間層又は最後のプライマー層に塗布される。好ましくは、仕上げ層(複数可)は、1つ以上のフルオロカーボンポリマー(複数可)を含む。
【0072】
有利には、仕上げ層(複数可)は1つ以上の耐熱性樹脂を含む。
【0073】
好ましくは、調理用品の底面に塗布される仕上げ層は、透明である。
【0074】
好ましくは、仕上げ層(複数可)は連続的である。
【0075】
本発明の別の目的は、底壁(21)と、底壁(21)の周りに立ち上がる側壁(31)とを有する支持体(2)を備える調理用物品の製造方法であって、前記底壁(21)は、食料を受容することを意図された内面(211)及び熱源の近くに配置されることを意図された外面(212)を有し、前記側壁(31)は内面(311)及び外面(312)を有し、前記方法は、以下のステップ:
支持体(2)を提供し、
支持体(2)の外面(212)及び(312)上に、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマーを含む少なくとも1つのプライマー層を塗布し、
外面(212)の表面の少なくとも20%に、少なくとも1つのフルオロカーボンポリマー、少なくとも1つのポリマー樹脂、及びd50サイズが25μm未満の粒子の形態の、5~25重量%の鉱物充填材及び/又はポリマー充填材を含む、少なくとも1つの装飾を塗布し、
前記調理用物品を、400~450℃の温度で、1~15分間、オーブンで硬化させるステップを含む、方法に関する。
【0076】
好ましくは、支持体は、プライマー層の接着性を向上させる目的で、化学的処理(酸洗)又は機械的処理、例えばサンドブラスト又はブラシによる処理などの表面処理を経ることができる。有利には、表面処理に続いて、脱脂ステップ及び/又は除塵ステップを行うことができる。
【0077】
また、支持体は、底壁21の外面212のマイクロブラストステップを経ることができる。
【0078】
プライマー層(複数可)の塗布は、スプレー、ローラー、スクリーン印刷、カーテン、パッド印刷など、当業者によく知られた任意の方法によって実施することができる。
【0079】
プライマー層がスクリーン印刷やローラーで塗布される場合、乾燥ステップ行われる。
【0080】
任意で、この乾燥ステップは、スプレーによるプライマー層の塗布後に実施することもできる。
【0081】
乾燥ステップは、硬化ステップでのコーティングの気泡や亀裂などの欠陥の発生を抑制、あるいは排除することを可能にする。
【0082】
プライマー層の塗布がスクリーン印刷で行われる場合、冷却ステップが乾燥ステップの後に行われる。
【0083】
任意で、この冷却ステップは、塗布がローラー又はスプレーにより行われる場合、プライマー層の乾燥ステップの後にも行うことができる。
【0084】
有利には、冷却ステップは、新しい層の速すぎる乾燥と粉化現象(乾燥した液体製品が粉の形態になること)を避けることを可能にする。
【0085】
装飾層(複数可)の塗布は、スプレー、ローラー、スクリーン印刷、カーテン、パッド印刷など、当業者によく知られている任意の方法で行うことができる。
【0086】
装飾層の塗布がスクリーン印刷やローラーにより行われる場合、乾燥ステップが行われる。
【0087】
任意で、この乾燥ステップは、スプレーによる装飾層の塗布の後にも行うことができる。
【0088】
乾燥ステップは、硬化ステップでのコーティングの気泡や亀裂などの欠陥の発生を抑制、あるいは排除することを可能にする。
【0089】
装飾層の塗布がスクリーン印刷で行われる場合、冷却ステップは乾燥ステップの後に行われる。
【0090】
任意で、この冷却ステップは、塗布がローラー又はスプレーになされる場合、装飾層の乾燥ステップの後に実施することもできる。
【0091】
有利には、冷却ステップは、新しい層の速すぎる乾燥と粉化現象(乾燥した液体製品が粉の形態になること)を避けることを可能にする。
【0092】
装飾は、プライマーの2層の間、最後のプライマー層上でもよい。
【0093】
仕上げ層の塗布は、スプレー、ローラー、スクリーン印刷、カーテン、パッド印刷など、当業者によく知られた任意の方法で行うことができる。
【0094】
調理用物品の硬化は、400~450℃で構成される温度で、1~15分間、好ましくは410℃~420℃で、2~6分間で構成される温度で実施される。
【0095】
スクリーン印刷で塗布する場合、乾燥ステップは塗布後に45℃~70℃で構成される温度で実施することが好ましい。
【0096】
製造方法を経た調理用物品の形状によっては、調理用物品の完成品を得るために、調理用物品は、トリミング、溶接、機器取り付けステップなどのスタンピング及び/又は仕上げステップを経てもよい。
【実施例】
【0097】
例
1)製品
a)ブラシされたアルミニウム支持部
b)プライマー層の構成要素:
i)フルオロポリマー:60%乾燥抽出物での水性分散剤中のPTFE
ii)ポリマー樹脂:水性エマルジョンの粉体
iii)黒色顔料:カーボンブラック
c)装飾層の要素:
i)60%乾燥抽出物での水性分散剤中のPTFE
ii)水性エマルジョン中の粉末PAI
iii)充填材:
(1)d50=6.5μmのアルミナ粒子
(2)d50=45μmのアルミナ粒子
(3)d50=23μmのPEEK粒子
2)組成
a)プライマー層(CP)
i)フルオロポリマー:乾燥抽出物90重量%のPTFE
ii)ポリマー樹脂:乾燥抽出物2重量%
iii)黒色顔料:乾燥重量でカーボンブラック5%
iv)シリカ:乾燥重量で3%
b)装飾層1(アルミナ充填材を含むCD1)
i)フルオロカーボンポリマー:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で51%のPTFE
ii)ポリマー樹脂:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で0.5%のPAI
iii)充填材:装飾剤の総重量に対して乾燥重量で25%のアルミナ(d50=6.5μm)
iv)光沢材
v)顔料
c)装飾層2(ポリアリルエーテルケトン充填材を含むCD2)
i)フルオロカーボンポリマー:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で60%のPTFE
ii)ポリマー樹脂:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で0.5%のPAI
iii)充填材:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で25%のPEEK(d50=23μm)
d)装飾層3(CD3-充填材なし)
i)フルオロカーボンポリマー:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で60%のPTFE
ii)ポリマー樹脂:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で0.5%のPAI
e)装飾層4(CD4-ポリマー樹脂なし)
i)フルオロカーボンポリマー:装飾組成の全重量に対して乾燥重量で60%のPTFE
ii)充填材:装飾組成の総重量に対して乾燥重量で25%のアルミナ(d50=6.5μm)
【0098】
試験
傾斜面における調理用物品の摺動試験
材料
水平からの角度を測定しながら傾斜を変化させるシステム
平らな表面を有するガラス板又はグリッド(調理用物品が試験される材料)
ソフトウエイト(Soft weight)
電子水準器
【0099】
試験の実施
1)準備
a.調理用物品の外面が清浄され、乾いた布で拭かれる
b.支持体(グリッド又はガラス板)が清浄され、乾いた布で拭かれる
c.支持体がシステムの上に置かれ、水準器が完全に水平(角度0°)になるように調整される。
2)シーケンスの方法
a.測定される物品を最も高い位置に置く。
b.プレートを徐々に上げていく(1度につき2~3秒)。
c.物品の移動が確認されたら停止する(1cmを超えて移動した場合に滑りがあると判断する)。
d.水準器で滑り角度を確認する。
e.先ほどの角度に近づいたところで、上昇速度を落として操作を繰り返し、確認する。
f.見出された角度を記録する。
3)無負荷試験及び低温試験
a.3つのシーケンスを実行する。
4)無負荷試験及び高温試験(180℃~200℃)
a.3つのシーケンスを実行する
【0100】
ガラスセラミック製コンロでのかき傷試験
この試験の目的は、ガラスセラミック製コンロの非劣化性を特徴づけることである。これは調理用物品が皿にかき傷をつけないことを検証することを可能にする(試験は冷間で実施)。この試験は、ガラスセラミック及びIH対応の調理用物品に適用される。使用する装置は、調理用物品、清浄でかき傷のないガラスセラミックコンロ、100gを備えている。
【0101】
100gのおもりは調理用物品の中心に置かれ、調理用物品はガラスセラミックコンロ上に配置される。そして、調理用物品は点Aから点B、点Bから点C(点ABCは三角形を形成する)へとプレート上で10サイクル、水平移動される。
【0102】
ガラスセラミックコンロの状態が確認され、かき傷の可能性が記録される。
【0103】
例1(本発明による)
プライマー、装飾及び仕上げ用組成物は、上記の組成に従って調製される。
【0104】
1)ブラシされたアルミニウムブランクが、その外面全体に連続的なプライマー層で、あらかじめ調製されたプライマー組成物CPで、スクリーン印刷により被覆される。
2)予め調製された装飾組成物CD1を用いて、プライマー層上のブランクの外面の中央部に、調理用物品の底部の外面の最終表面の30%に相当する不連続装飾層がスクリーン印刷で塗布される。
3)これらの重ね合わせた層で覆われたオーブンで、ブランクを415℃の温度で3分間硬化させる。
4)ブランクの外面にマイクロブラストステップを施し、装飾層の粗さを低減する。
5)スタンプを押す。
【0105】
例2(本発明による)
例2は、アルミニウムブランクがサンドブラスト加工されたアルミニウム支持体を有する予備成形された調理用物品に置き換えられ、異なる層がスプレーで塗布されていることを除いて、例1と同じである。
【0106】
例3(本発明による)
例3は、PEEK充填材を含む装飾組成物CD2が使用され、マイクロブラストステップがないことを除いて、例1と同じである。
【0107】
例4(比較例-充填材なし)
例4は、装飾組成物CD3が用いられることを除いて、例1と同じである。
【0108】
例5(比較例-ポリマー樹脂なし)
例5は、装飾組成物CD4が用いられることを除いて、例1と同じである。
【0109】
例6(比較例-装飾表面<20%)
例6は、装飾組成物CD1が底壁の外面の表面の15%のみに塗布されることを除いて、例1と同じである。
【0110】
例7(比較例-充填材の量<5%)
例7は、装飾組成物CD1が4重量%のアルミナ充填材だけを含むことを除いて、例1と同じである。
【0111】
例8(比較例-d50>25μmのアルミナ充填材)
例8は、装飾組成物CD1がd50=45μmを有する25%のアルミナ充填材を含むことを除いて、例1と同じである。
【0112】
上記の調理用物品は、上記のプロトコルに従って、コンロでの滑りや傷について試験される。
【0113】
【0114】
これらの結果によれば、充填材なしの(例4)又は充填材の量が5%未満である(例7)装飾層を有する、或いは底壁の外面の20%未満の装飾表面を有する(例6)調理用物品は、本発明による調理用物品(例1~3)によって得られる角度と比較して、非常に小さな傾斜の角度を有することが観察された。
【0115】
また、ポリマー樹脂なしの(例5)又はd50>25ミクロンを有する充填材を含む(例8)装飾層を有する調理用物品は、本発明による調理用物品(例1~3)と比較して、著しい角度の傾斜を有するがガラス-セラミックコンロに深いかき傷又は皿の汚れ(例8)をも引き起こすことが観察される。
【国際調査報告】