(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】フィルムに封入された入浴体験成形製品及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20230718BHJP
B65D 65/46 20060101ALI20230718BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230718BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A61K8/02
B65D65/46
A61Q19/10
A61K8/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580781
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021038811
(87)【国際公開番号】W WO2021262929
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】フラボッタ エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】シュミック アーロン
【テーマコード(参考)】
3E086
4C083
【Fターム(参考)】
3E086AA23
3E086AC07
3E086AD01
3E086BA43
3E086BB51
3E086BB72
3E086CA35
3E086DA08
4C083AD111
4C083AD112
4C083BB41
4C083CC25
4C083DD12
4C083DD47
4C083EE41
4C083FF04
(57)【要約】
フィルムに封入された浴用品及びその製造方法が開示される。本方法は、浴用成形品を提供することと、浴用成形品を水溶性フィルムに封入することと、を含む。浴用成形品は、液体に接触すると気体を発生することができる。水溶性フィルムは、約10μm~約28μmの厚さを有する。本方法は、水溶性フィルム(120)を少なくとも約148℃の温度まで加熱して、水溶性フィルムを浴用成形品の周りで収縮させることを更に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムに封入された浴用品を作製する方法であって、
浴用成形品を提供することであって、前記浴用成形品は、液体に接触すると気体を発生することができる、前記提供することと、
前記浴用成形品を、約10μm~約28μmの厚さを有する水溶性フィルムに封入することと、
前記水溶性フィルムを少なくとも約148℃の温度まで加熱して、前記水溶性フィルムを前記浴用成形品の周りで収縮させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記加熱中に前記フィルムに封入された浴用成形品に物理的運動妨害を適用するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物理的運動妨害が、前記フィルムに封入された浴用成形品に乱流を提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物理的運動妨害が、前記フィルムに封入された浴用成形品を撹拌することを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
加熱前に、前記水溶性フィルムの前記厚さを通って延在する少なくとも1つの貫通孔を形成することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記水溶性フィルムの前記厚さを通って延在する前記少なくとも1つの貫通孔が、前記浴用成形品を前記フィルムの中に封入する前に形成される、請求項6に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルムに封入された浴用成形品を加熱チャンバ内に配置するステップを更に含む、請求項5又は6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶性フィルムの前記厚さを通って延在する前記少なくとも1つの貫通孔が、前記加熱チャンバ内に配置された少なくとも1つの部材を介して形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記浴用成形品が、芳香成分を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記水溶性フィルムが、メルトブローフィルム材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記水溶性フィルムが、配向フィルムを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記浴用成形品が、球状、非直線状、又は半球状のうちの少なくとも1つで形成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記浴用成形品が、約1インチ~約3インチの主寸法を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はそれらの組み合わせである水溶性ポリビニルアルコール樹脂を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
フィルムに封入された浴用品であって、
浴用成形品であって、非パック状の本体を有し、液体に接触すると気体を発生することができる、浴用成形品と、
約10μm~約28μmの厚さを有する水溶性フィルムであって、前記浴用成形品をその中に封入し、少なくとも約300°Fの温度まで加熱されると、前記浴用成形品の周りで収縮するように構成される、水溶性フィルムと、を含む、フィルムに封入された浴用品。
【請求項16】
前記浴用成形品が、球状、非直線状、又は半球状のうちの少なくとも1つで形成される、請求項15に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項17】
前記水溶性フィルムの厚さを通って延在する少なくとも1つの貫通孔を更に含む、請求項15又は16に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項18】
前記水溶性フィルムが、メルトブローフィルム材料を含む、請求項15~17のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項19】
前記水溶性フィルムが配向フィルムを含む、請求項15~17のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項20】
前記浴用成形品が、約1インチ~約3インチの寸法を含む、請求項15~19のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項21】
前記浴用成形品が芳香成分を含む、請求項15~20のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項22】
前記フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はそれらの組み合わせである水溶性ポリビニルアルコール樹脂を含む、請求項15~21のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【請求項23】
前記浴用成形品と、前記浴用成形品の周りで熱収縮した形態である前記水溶性フィルムと、を含む、請求項15~22のいずれか一項に記載のフィルムに封入された浴用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月27日に出願された米国特許出願第63/045,071号の優先権を主張する。優先出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、包装に関し、より具体的には、入浴体験製品の包装及び製造に関する。
【背景技術】
【0003】
バスボム又はシャワースチーマー等の入浴体験製品は、濡れたときに発泡する乾燥成分の混合物(例えば、圧縮混合物)である。バスボムは、浴湯又は湿潤なシャワー環境に、精油、気泡、芳香、発泡性、及び色を加えるために使用することができる。基本成分は、弱酸及び炭酸塩又は重炭酸塩基であり得る。これらは、乾燥時には非反応性であるが、水に溶解すると激しく反応して数分間にわたってガスを発生する。
【0004】
入浴体験製品は、典型的には、フィルム製品又はパッケージ(例えば、ポリプロピレン、硬質若しくは軟質セルロース材料、プラスチッククラムシェルパッケージ、及び/又は多区画の直方体の箱)内に包装されて出荷され、消費者によって使用される前に入浴体験製品を取り出すために開封されなければならない。時間の経過とともに、これらの製品は、使用前に(例えば、輸送中、及び小売店に陳列されている間に)水分を失う可能性があり、そのため、それらは脆弱になり、かつ/又はひび割れて、損傷を受けやすくなり、消費者が製品をパッケージから取り外す際に望ましくない目に見える欠陥が明らかになる可能性がある。更に、消費者への輸送中に、これらの製品は、目に見える欠陥を生じ得るストレス及び他の損傷を受ける可能性がある。そのような欠陥は、消費者の入浴体験に悪影響を及ぼし得る。逆に、消費者は、個々のブリスターパッケージング等のより複雑なパッケージングソリューションが、潜在的なコスト増加及び余分な廃材という認識のために望ましくないと感じることが多い。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、浴用成形品を提供することと、浴用成形品を水溶性フィルムに封入することと、を含む、フィルムに封入された浴用品を作製する方法を提供する。浴用成形品は、液体に接触すると気体を発生することができる。水溶性フィルムは、約10μm~約28μmの範囲の厚さを有する。本方法は、水溶性フィルムを少なくとも約300°F(148℃)の温度まで加熱して、水溶性フィルムを浴用成形品の周りで収縮させることを更に含む。いくつかの実施形態において、浴用成形品は、芳香成分を含んでもよい。
【0006】
いくつかの例では、加熱ステップの間に、フィルムに封入された浴用成形品に物理的運動妨害が適用され得る。これらの例のいくつかでは、物理的運動妨害は、フィルムに封入された浴用成形品に又はその周りに適用される乱流気流の形態であってもよい。いくつかの例では、物理的運動妨害は、フィルムに封入された浴用成形品に適用される撹拌の形態であってもよい。
【0007】
いくつかのアプローチでは、加熱前又は加熱中、好ましくは加熱前に、水溶性フィルムの厚さを通って延在する少なくとも1つの貫通孔が形成され得る。これらの例のいくつかでは、水溶性フィルムの厚さを通って延在する少なくとも1つの貫通孔は、浴用成形品をフィルムの中に封入する前に形成され得る。いくつかの例では、フィルムに封入された浴用成形品は、密閉された又は部分的に密閉された加熱チャンバ、例えばトンネル内に配置され得る。更に、いくつかのアプローチでは、水溶性フィルムの厚さを通って延在する少なくとも1つの貫通孔は、加熱チャンバ内に配置された少なくとも1つの部材を介して形成され得る。
【0008】
いくつかの形態では、水溶性フィルムは、メルトブローフィルム材料の形態であってもよい。いくつかの例では、水溶性フィルムは、配向フィルムの形態であってもよい。浴用成形品は、球状、半球状、又は非直線状のうちの少なくとも1つで形成され得る。実施形態において、浴用成形品は、約1インチ(2.54cm)~約3インチ(7.62cm)の範囲の主寸法、例えば、最大直径を有することができる。いくつかの実施形態において、フィルムは、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はそれらの組み合わせである水溶性ポリビニルアルコール樹脂の形態であってもよい。
【0009】
本開示の別の態様によれば、芳香成分を含む浴用成形品及び水溶性フィルムを含む、フィルムに封入された浴用品が提供される。浴用成形品は、非パック状の本体を有し、液体に接触すると気体を発生することができる。水溶性フィルムは、約10μm~約28μmの範囲の厚さを有し、浴用成形品をその中に封入し、少なくとも約300°F(148℃)の温度まで加熱されると、浴用成形品の周りで収縮するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本発明とみなされる主題を特に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で結論付けるが、本発明は、添付の図面と併せて以下の説明からより完全に理解されると考えられる。図面のうちのいくつかは、他の要素をより明確に示す目的で選択された要素を省略することによって簡略化されたものであり得る。いくつかの図におけるそのような要素の省略は、対応する記述において明示的に描出され得る場合を除いて、例示的な実施形態のうちのいずれかにおける特定の要素の存在又は非存在を必ずしも示すものではない。図面は、必ずしも縮尺通りではない。例えば、図中の要素のいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるのに役立つように、他の要素と比較して誇張されてもよい。
【0011】
【
図1】本開示の様々な実施形態に従って構築された、フィルムに封入された浴用成形品の一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態による、例示的な水溶性フィルム内に配置する前の、
図1の例示的な浴用成形品の概略図である。
【
図3】本開示の様々な実施形態による、水溶性フィルムを配置及び封入したときの、
図1及び
図2の例示的な浴用成形品の概略図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態による、第2の例示的な水溶性フィルム構成に配置された、
図1及び
図2の例示的な浴用成形品の概略図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態による、
図1~
図4のフィルムに封入された浴用成形品の製造に使用するための例示的な加熱チャンバの正面側立面図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態による、
図5の例示的な加熱チャンバの右側立面図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態による、代替的なフィルムに封入された浴用品構成の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、概して、消費者の入浴体験を向上させるために使用され得る、フィルムに封入された浴用品の製造及び構成に関する。いくつかの例では、フィルムに封入された浴用品は、対象物が水で満たされた浴槽(又は他の水で満たされた容器)内に入れられたときに放出される、内部に含有された発泡性及び/又は芳香成分を含み得る。有利には、本明細書に記載のフィルムに封入された浴用品は、その包装から取り出される必要がないように製造され、所望の発泡及び/又は芳香効果を生成するように、水で満たされた浴槽に入れることができる。より具体的には、浴用成形品を保護するために浴用成形品を封入する水溶性フィルムが提供される。フィルムの水溶性に起因して、浴用成形品及びフィルムの両方を水で満たされた浴槽に入れて、フィルムの溶解及び成形本体の水との接触時に発泡及び芳香効果を開始してよい。
【0013】
更に、本明細書に記載のフィルムに封入された浴用成形品は、最小限の欠陥及び他の視覚的妨害を有する、滑らかで清潔な外観を生成する方法で製造される。より具体的には、水溶性フィルムが浴用成形品の形状に収縮する熱収縮プロセスの間、フィルム内の障害物、湾曲、及び/又は他の視覚的欠陥を低減するように、フィルムに封入された浴用成形品に、該用品の全ての側面に対して実質的に均等な様式で熱が加えられる。
【0014】
図面を参照すると、浴用成形品110(例えば、バスボム)及び水溶性フィルム120を含む、フィルムに封入された浴用成形品100が提供される。前述のように、いくつかの例では、浴用成形品110は、濡れたときに発泡する乾燥成分の混合物、例えば、圧縮混合物である。他の例では、浴用成形品110は、湿式造粒、乾式成形、及び/又は湿式成形を介して形成され得る。他の例が可能である。浴用成形品110は、浴湯に、又はいくつかの例では、湿潤なシャワー環境に、精油、気泡、芳香、発泡性、色、及び/又は言葉を加えるために使用され得る。いくつかの例では、浴用成形品110は、弱酸及び炭酸塩又は重炭酸塩基から構築される。そのような材料は、乾燥時には非反応性であるが、水に溶解すると激しく反応して、長期間(例えば、数分間)にわたってガスを発生する。これは、弱酸及び炭酸塩の、対応する酸性塩及び二酸化炭素への変換、例えば、クエン酸及び重炭酸ナトリウムからクエン酸ナトリウム及び二酸化炭素への変換を伴う酸塩基反応である。
【0015】
いくつかのアプローチでは、弱酸は、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸から選択される、カルボン酸であり得る。弱酸は、例えば、クエン酸、フマル酸、及び酒石酸のうちの1つ以上であり得る。いくつかの場合、酸は、水中で好適な酸及び塩に解離する酸性塩、例えば、重酒石酸カリウムとして存在することができる。いくつかのアプローチでは、無水酸が使用され得る。炭酸塩は、例えば、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩から選択され得る。炭酸塩は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムのうちの1つ以上であり得る。
【0016】
前述のように、そのような浴用成形品110組成物は、環境に所望の芳香を提供するために香り成分を含有することができる。芳香は、1つ以上の精油からなるか、又はそれを含むことができる。例えば、1つ以上の精油は、アルモアズ、ベンゾイン、カルダモン、カモミールブルー、グレープフルーツ、ハイドランジア、ジャスミン、ラブダナム、ラベンダー、レモン、レモンマートル、レモングラス、リッツアキュベバ、ネロリ、オレンジ(50倍)、パチョリ、ペパーミント、ローズオットー、ローズマリー、スイートバイオレット、タラゴン、トンカ、バニラ、及びイランであり得る。他の例が可能である。そのような組成物は、例えば、浴湯に、所望の色を放出するために、色素又は顔料、好ましくは水溶性色素を含有することができる。そのような組成物はまた、より長く持続する泡沫を生成する助けとなるように、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等の起泡剤を含有することもできる。他の界面活性剤としては、ラウリルエーテル硫酸塩、エチレンオキシド/プロピレンオキシドアルキルフェノール縮合物、脂肪アルコールのポリグリコールエーテル、脂肪酸エチレンオキシド縮合物、アルキルフェノールのポリグリコールエーテル、及び脂肪アルコールエトキシレートを挙げることができる。組成物は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ソルビトール及びマルトデキストリン等の結合剤、潤滑剤及び担体を含むことができる。組成物は、例えば、アーモンド油、アルガン油、ヒマシ油、ヤシ油、ブドウ種子油、ホホバ油、及びオリーブ油のうちの1つ以上から選択される、植物油を含むことができる。固体担体、例えば粉末形態の水溶性成分を使用することができる。固体担体材料は、塩、糖、ソルビトール、酒石酸クリーム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び粘土のうちの1つ以上から選択される粉末であり得る。粘土は、例えば、カオリン、フラー土粘土及びベントナイト粘土のうちの1つ以上から選択され得る。一態様において、固体担体材料は、塩、糖、ソルビトール、酒石酸クリーム、及びそれらの混合物の任意の組み合わせであり得る。組成物は、1つ以上の装飾用アイテム、例えば、グリッター、薄葉紙等の紙、スパンコール、ドライフラワー若しくは生花、ハーブ、野菜、それらの部分又はそれらの混合物を含むことができる。他の例が可能である。
【0017】
実施形態において、炭酸塩又は重炭酸塩は、組成物の総重量に基づいて約40重量%~約95重量%、例えば、45~95重量%、又は50~95重量%、又は50~90重量%、又は55~90重量%、又は60~85重量%、又は60~80重量%、又は60~75重量%の量で存在し得る。酸成分は、組成物の5~55重量%、例えば10~50重量%、又は20~40重量%、又は25~35重量%、又は5~30重量%の量で存在し得る。一実施形態において、組成物は、40~75重量%の量の重炭酸ナトリウム、及び24~40重量%の量のクエン酸を含む。存在する場合、着色剤は、組成物の重量に基づいて約0.001~5重量%の範囲の量で、例えば0.001~4重量%で存在し得る。更に、存在する場合、芳香剤は、組成物の総重量に基づいて約0.001~10重量%の範囲の量で、例えば、0.001~8重量%、又は0.1~4重量%で存在し得る。存在する場合、界面活性剤は、0.1~8重量%の範囲の量で、例えば、0.5~5重量%で存在し得る。植物油又は他の結合剤は、約0.001~12重量%の範囲の量で、例えば、0.1~10重量%、又は0.1~5重量%で存在し得る。
【0018】
浴用成形品110は、任意の数の形状をとることができる。例えば、浴用成形品110は、概球状、半球状、非直線状、直線状、及び/又は任意の他の形状若しくは種類の形状を有し得る。更に、いくつかの例では、浴用成形品110は、星、面等の他の幾何学的形状又は他のパターンの形態であってもよい。いくつかの例では、浴用成形品110は、約1インチ(2.54cm)~約3インチ(7.62cm)の範囲の主寸法(例えば、長さ、直径、幅、高さ等)を有し得る。他の例が可能である。
【0019】
水溶性フィルム120は、浴用成形品110を保持するように寸法決定されたシートの形態であってもよい。水溶性フィルム120は、メルトブローフィルム材料、配向フィルム、及び/又は任意の他の種類の好適なフィルムの形態であってもよい。いくつかの例では、水溶性フィルム120の厚さは、およそ(例えば、±10%)10~28μm、若しくは12~26μm、若しくは14~24μmの範囲、又は16~22μmの範囲であり得る。
【0020】
本開示による水溶性フィルムとみなされるために、約28ミクロンの厚さのフィルムは、MonoSol試験法MSTM-205に従って、23℃の温度の水に300秒で、任意選択的に200秒未満、又は100秒未満、すなわち909秒未満、又は80秒未満、又は約70秒で溶解する。任意選択的に、フィルムは、28ミクロンフィルムに関するMonoSol試験法MSTM-205に従って、23℃の水中における30秒未満、又は10秒未満、又は8秒未満、又は6秒未満、又は約4秒の崩壊時間によって特徴付けられ得る。
【0021】
水溶性フィルムは、フィルムのPVOH樹脂含有量を構成するために、本明細書に開示される1つ以上のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂を含むことができ、またPVOHコポリマー樹脂を含むことができる。
【0022】
ポリビニルアルコールは、典型的には、ポリ酢酸ビニルの加水分解又はけん化と通常称されるアルコール分解によって調製される合成樹脂である。実質的に全ての酢酸基がアルコール基に変換されている、完全に加水分解されたPVOHは、約140°F(約60℃)を超えるお湯にのみ溶解する、強力に水素結合した高結晶性ポリマーである。ポリ酢酸ビニルの加水分解後に十分な数の酢酸基が残る、すなわち、PVOHポリマーが部分的に加水分解される場合、ポリマーは、より弱く水素結合しており、結晶性がより低く、一般に約50°F(約10℃)未満の冷水に可溶性である。そのため、部分的に加水分解されたポリマーは、PVOHコポリマーであるが、一般にホモポリマーPVOHと称される、ビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーである。ポリビニルアルコールは、通常、ポリビニルエステル、最も一般的にはポリ酢酸ビニルの加水分解によって調製される。ポリ酢酸ビニルからではなく、ポリビニルアルコールは、ポリギ酸ビニル、プロピオン酸塩、酪酸塩、ヘキソ酸塩、安息香酸塩等の他のポリビニルエステルを加水分解することによって作製され得る。
【0023】
フィルムは、任意のプロセス、例えば、押出及びブローイング、又は鋳造によって生成されてもよい。フィルムは、非配向、単軸配向、又は二軸配向であってもよい。フィルムが複数の層を有し、フィルムの層が配向されている場合、それらは任意選択的に同じ配向を有することができる。ある種の実施形態において、フィルムは、メルトブロー及び配向されており、任意選択的に二軸配向、又は任意選択的に単軸配向である。
【0024】
フィルムは、一般にポリビニルアルコールと称される、メルトブローされ、部分的にけん化された(部分的に加水分解された)ポリ酢酸ビニルであり得る。好適なフィルム、関連配合物、及び作製方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第US3,365,413号、第US3,607,812号、及び第US4,119,604号、第US8,438,819号、並びにそれらに引用される特許に記載されている。
【0025】
PVOHポリマー樹脂の粘度は、英国標準EN ISO 15023-2:2006 Annex Eブルックフィールド試験法に記載されているように、ULアダプタを備えたブルックフィールド粘度計LV型を使用して、新たに作製した溶液を測定することによって決定される。20℃での4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を記載することは国際的慣行である。特に明記しない限り、センチポイズ(cP)で本明細書に指定される全ての粘度は、20℃での4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を指すと理解されるべきである。ポリビニルアルコール樹脂(個々の、又は混合物の平均)は、約4~約45cP、又は約4~約18cP、又は約4~約13cP、又は約4~約12cPの範囲の粘度、例えば、約4cP、約6cP、約8cP、約10cP、約12cP、又は約20cPによって特徴付けられ得る。ある種の実施形態において、粘度は、4~40cPの範囲である。
【0026】
フィルムの主要部分はポリビニルアルコール樹脂、又はその混合物である。例えば、フィルムのポリビニルアルコール樹脂部分は、少なくとも50重量%であり得るか、又は約50重量%~約95重量%、若しくは約60重量%~約90重量%、若しくは約70重量%~約85重量%、若しくは約75重量%~約85重量%、若しくは約80重量%~約80重量%の範囲であり得る。ある種の実施形態において、フィルムのポリビニルアルコール樹脂部分は、60重量%~約90重量%の量で存在する。
【0027】
水溶性フィルムは、本明細書に記載のポリビニルアルコール樹脂に加えて、水溶性ポリマーを含み得る。追加の水溶性ポリマーとしては、限定されないが、しばしばPVOHホモポリマーと称される別のビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーを挙げることができる。これらは、アニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、及び任意選択的に酢酸ビニルモノマー単位を含む、部分的又は完全に加水分解されたPVOHコポリマーを含むことができる。様々な実施形態において、アニオン性モノマーは、ビニル酢酸、アクリル酸アルキル、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、シトラコン酸ジアルキル、無水シトラコン酸、メサコン酸、メサコン酸モノアルキル、メサコン酸ジアルキル、無水メサコン酸、グルタコン酸、グルタコン酸モノアルキル、グルタコン酸ジアルキル、無水グルタコン酸、ビニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、上記のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、又は他のアルカリ金属塩)、上記のエステル(例えば、メチル、エチル、又は他のC1-C4若しくはC6アルキルエステル)及び上記の組み合わせ(例えば、複数の種類のアニオン性モノマー、又は同じアニオン性モノマーの等価形態)のうちの1つ以上であってもよい。例えば、アニオン性モノマーは、マレイン酸モノメチル及びそのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩)のうちの1つ以上を含むことができる。追加のポリマーはまた、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマー(グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、及びデンプンを含むがこれらに限定されない)、水溶性ポリマー修飾デンプン、上記のコポリマー、及び上記のいずれかの組み合わせから選択され得る。更に他の水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、及び上記のいずれかの組み合わせを挙げることができる。そのような水溶性ポリマーは、PVOH又はそれ以外であろうとも、様々な供給源から市販されている。
【0028】
フィルムの総PVOH樹脂含有量は、少なくとも60%、70%、80%、84%、若しくは85%、及び最大でも約70%、若しくは75%、若しくは80%、若しくは99.7%、若しくは98%、若しくは96%、例えば、約60%~99%、若しくは60%~75%、若しくは84%~約90%、若しくは85%~88%、若しくは86.5%、又は85%~99.7%、約88%~98%、若しくは90%~96%の範囲、例えば、91%、92%、93%、94%、95%、若しくは96%の、加水分解度(D.H.若しくはDH)を有することができる。例えば、ある種の実施形態において、加水分解度は70%~99%の範囲である。本明細書で使用される場合、加水分解度は、ビニルアルコール単位に変換された酢酸ビニル単位のモルパーセンテージとして表される。
【0029】
存在する場合、水は、押出成形可能なポリビニルアルコール系組成物の重量の0.5%未満を占めることができるが、水等の揮発性材料を最大約1.0重量%含有する特定の組成物をブロー押出しすることが可能である。最終フィルムの含水量は、大気中の水分を捕捉した後、又は意図的な調整によって、例えば2重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0030】
本明細書に開示される樹脂を含む水溶性フィルムは、限定されないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、放出剤、充填剤、伸長剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、不粘着化処理剤、層状ケイ酸塩型ナノクレー(例えば、モンモリロナイトナトリウム)等のナノ粒子、漂白剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム又はその他)、芳香剤、及び他の機能性成分等の他の補助剤及び加工剤を、それらの意図される目的に適した量で含有することができる。可塑剤を含む実施形態が好ましい。実施形態において、水溶性フィルムは、界面活性剤、酸化防止剤、香料、ブロック防止剤、又はそれらの組み合わせを含む。補助剤の量は、例えば、個別に又は集合的に、最大約50重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、4重量%、及び/又は少なくとも0.01重量%、0.1重量%、1重量%、又は5重量%であり得る。
【0031】
可塑剤は、材料(通常は樹脂又はエラストマー)に添加される液体、固体、又は半固体であり、その材料を(ポリマーのガラス転移温度を低下させることによって)より柔らかく、より可撓性に、及びより処理し易くするポリマーは、代替的に、ポリマー又はモノマーを化学修飾することによって内部可塑化することができる。本明細書に記載の水溶性フィルムは、1つ以上の可塑剤を含むことができる。追加的に、又は代替的に、ポリマーは、好適な可塑剤の添加によって外部可塑化することができる。含まれる場合、可塑剤は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂の総量100部当たり約10~約40部、又はフィルムの約6重量%~約20重量%、任意選択的に約8重量%~約16重量%、又は約10重量%~約12重量%の濃度で含まれ得る。ある種の実施形態において、フィルムは、5重量%~35重量%の範囲の濃度の1つ以上のポリオール可塑剤を含む。
【0032】
可塑剤としては、限定されないが、グリセロール、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、400MWまでのポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチルプロパン、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール、キシリトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミン、グリセロールプロピレンオキシドポリマー(例えば、TheDowChemicalCompanyから入手可能なVoranolTM等)、及びそれらの混合物を挙げることができる。グリセリンとソルビトールの組み合わせが企図される。可塑剤はまた、1分子当たり2~約7個のエチレンオキシド単位を含有するポリオキシエチレンのモノフェニルエーテル等の1つ以上の化合物を含むことができる。これらのエーテルは、混合物(PYCAL)として市販されており、1分子当たり約4単位の平均エチレンオキシド含有量を有する混合物が企図される。他のポリビニルアルコール可塑剤もまた、任意選択的に、先に記載された化合物のPYCALタイプと併せて、使用され得る。このクラスには、1分子当たり約3~12モルのエチレンオキシドを含有するフルフラールのエチレンオキシド誘導体、尿素のエトキシル化誘導体(例えば、NOPCO68-5)、及びテトラヒドロフルフリルアルコール、リン酸トリブチル、リン酸トリブトキシエチル、ジメチルホルムアミド、エタノールホルムアミド、トリメチロールプロパン等が含まれる。
【0033】
本明細書に記載の水溶性フィルムに使用するのに好適な潤滑剤としては、限定されないが、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート及び脂肪アミドを挙げることができる。好ましい潤滑剤/放出剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、及び脂肪酸アミンアセテートである。ある種の実施形態において、水溶性フィルム中の潤滑剤/放出剤の量は、約0.02重量%~約1.5重量%、任意選択的に約0.1重量%~約1重量%の範囲である。
【0034】
少量の酸化防止剤が、熱劣化を最小限に抑えるために、任意選択的に組成物中に使用され得る。化合物は、水溶性の指標を有することができ、また還元剤であり得る。このカテゴリの化合物のリストには、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラクトース、並びに銅、ニッケル、コバルト、及びスズの塩が含まれる。上記化合物の0.01~2.0%が、フィルムの総重量に基づいて使用され得る。
【0035】
ブロック防止剤(例えば、SiO2及び/又はステアリン酸))は、フィルム中に、100部ポリビニルアルコール樹脂(PHR)当たり少なくとも0.1部、若しくは少なくとも0.5PHR、若しくは少なくとも1PHRで、又は約0.1~5.0PHR、若しくは約0.1~約3.0PHR、若しくは約0.4~約1.0PHR、若しくは約0.5~約0.9PHR、若しくは約0.5~約2PHR、若しくは約0.5~約1.5PHR、若しくは約0.1~約1.2PHR、若しくは0.1~2.7PHRの範囲で、例えば、0.5PHR、0.6PHR、0.7PHR、0.8PHR、又は0.9PHRで存在することができる。ブロック防止剤の好適な中央粒径値には、約3若しくは約4ミクロン~約11ミクロン、又は約4~約8ミクロン、又は約5~約6ミクロンの範囲、例えば5、6、7、8、又は9ミクロンの中央値が含まれる。
【0036】
フィルムは、(ASTMD882に従って)約30~約60MPaの範囲、例えば、機械方向に約40MPa~約60MPa、任意選択的に又は組み合わせて、横方向に約30MPa~約40MPaの範囲の引張強度を有することによって特徴付けられ得る。
【0037】
フィルムは、(ASTMD882に従って)約90%~約300%の範囲、例えば、機械方向に約90%~約150%、任意選択的に又は組み合わせて、横方向に約200%~約300%の範囲の破断時の引張ひずみを有することによって特徴付けられ得る。
【0038】
フィルムは、(ASTMD4321に従って)約20m2/kg~約50m2/kgの範囲、例えば約25m2/kg~約40m2/kgの範囲の収率を有することによって特徴付けられ得る。
【0039】
一態様において、ブロー押出によって調製されるポリビニルアルコールフィルム配合物は、約375°F~約425°F、又は約190℃~約220℃の範囲の温度で溶融する。
【0040】
一態様において、フィルムは透明であり得るか、又は実質的に透明であり得る。例えば、10ミクロン~28ミクロンの範囲の厚さの水溶性フィルムは、X-RITE SP 60シリーズの球分光光度計X-64色度計によって測定される、約37.0%以下、又は30%以下、又は20%以下の測定された不透明度又は実質的に等価を有する。
【0041】
一実施形態において、水溶性フィルム120は、以下の特徴を有するPVOHフィルムであってもよい。
(a)約4~約40cPの範囲の粘度、及び約70%~約99%の加水分解度を有する、約60重量%~約90重量%のポリビニルアルコールホモポリマー樹脂;
(b)約0重量%~約35重量%の、1種以上のポリオール可塑剤;並びに
(c)約2重量%~約10重量%の水。
【0042】
PVOHフィルムが水分を吸収する傾向は、現在の用途におけるその使用に対する偏見を引き起こした。しかしながら、本発明者らは、発泡性浴用品に水分を供給してその特性を劣化させる代わりに、フィルムが、浴用品をより良好に保存し、より脆弱な、壊れやすい形態への移行を遅らせるための水分緩衝剤として機能することを見出した。
【0043】
クエン酸、コハク酸、及び酒石酸等の酸との反応によって、PVOHが架橋結合し、したがって不溶性になる能力は、本明細書で特許請求されているようなクエン酸含有浴用製品を包むためのポリビニルアルコール系フィルムの使用に対する偏見を引き起こした。しかしながら、本発明者らは、ポリビニルアルコールフィルムが、そのような浴用製品と長期間接触したにもかかわらず、それらの溶解性を保持したことを見出した。
【0044】
いくつかの例では、浴用成形品110を水溶性フィルム120内に封入するために、水溶性フィルム120を最初に折り重ねて、第1の側端部122並びに第1及び第2のセクションを形成する。次いで、下端部126が、例えば、手持ち式Lバーシーラー等の任意の数の好適なアプローチを介して形成され得る。次に、第2の側端部124が、Lバーシーラー(又は任意の他の好適なアプローチ)を介して形成され得る。したがって、水溶性フィルム120は、浴用成形品110が配置され得る小袋を形成し得る(
図2及び
図3)。
図3に示されるように、Lバーシーラー(又は任意の他の好適なアプローチ)は、上端部128を形成して密封することができ、したがって浴用成形品110を水溶性フィルム内に封入する。いくつかの例では、Lバーシーラーは、水溶性フィルム120の端部を密封するだけでなく、フィルムを切断し、したがって、過剰な水溶性フィルム120をシートから切り離すのに十分な温度まで加熱することが可能であり得る。他のアプローチでは、自動化及び/又は半自動化機械が、水溶性フィルム120を密封して、浴用成形品110を封入することができる。
【0045】
実施形態において、密封された用品は、垂直フォーム・フィル・シール用品である。垂直フォーム・フィル・シール(VFFS)プロセスは、従来の自動化されたプロセスである。VFFSは、垂直に配向された供給チューブの周りに単一のフィルム120を巻く組立機械等の装置を含む。機械は、フィルム120の対向する端部を一緒にヒートシールするか、又は別様に固定してサイドシールを形成し、フィルムの中空管を形成する。その後、機械は、ボトムシールをヒートシールするか、又は別様に形成し、それによって、後にトップシールが形成される開放上部を有する容器部分を画定する。機械は、指定された量の製品、例えば、球状のバスボム、又は任意選択的に複数のアイテムを、開放された上端から容器部分に導入する。容器が所望の量の製品を含むと、機械はフィルム120を別のヒートシールデバイスまで前進させ、例えば、トップシールを形成する。最後に、機械はフィルムをカッターまで前進させ、カッターはフィルムをトップシールのすぐ上で切断し、充填されたパッケージを提供する。任意選択的に、フィルムは、同時に密封され、切断され得る。
【0046】
動作中、組立機械は、フィルム120をロールから前進させ、パッケージを形成する。したがって、フィルム120は、機械を通って容易に前進することができなければならず、機械組立体に付着しないか、又は加工中に破砕するほど脆弱ではない。
【0047】
図4を参照すると、浴用成形品220の外側をより密接に囲むように水溶性フィルム220が8つの端部で密封された代替のアプローチが示される。したがって、そのような例では、熱収縮プロセス(後述)は、より少ない「ドッグイヤー」(すなわち、角又は視覚的妨害)をもたらし得る。
【0048】
図5及び
図6を参照すると、浴用成形品110の周りで水溶性フィルム120を熱収縮させるための1つの例示的な加熱装置130が提供される。加熱装置130は、内部容積130a、コンベヤ又はプラットフォーム134、任意の数の加熱要素136、及び任意の数の撹拌部材138を含んでもよい。コンベヤ又はプラットフォーム130は、可動又は固定であってもよく、その上にフィルムに封入された浴用成形品100を収容して支持する。いくつかの例では、また図示されるように、加熱装置130は、水平に配向されてもよいが、任意の数の好適な配置及び/又は配向が可能である。
【0049】
フィルムに封入された浴用成形品100は、加熱装置130内に配置され、その内部容積130a内で(例えば、その第1の端部132aから第2の端部132bまで)移動させることができる。1つ又は複数の加熱要素136は、装置の内部容積130a内又はその付近の任意の場所(例えば、上面若しくはその付近、側面若しくはその付近、又は下面若しくはその付近等)に位置付けられてもよく、内部容積130aを好適な温度まで加熱することができる。より具体的には、いくつかの例では、1つ又は複数の加熱要素136は、内部容積130a、したがって水溶性フィルム120を、少なくとも約300°F(148℃)、又は約300°F~約450°F(約148℃~約230℃)、若しくは約300°F~約400°F(約148℃~約200℃)の範囲、例えば約148℃、約150℃、160℃、180℃、190℃、200℃、又は220℃の温度まで加熱することができる。フィルムが加熱される温度は、任意選択的に、フィルムが溶解する温度未満であり得る。この温度は、浴用成形品110の周りで水溶性フィルム120を収縮させる。
【0050】
いくつかの例では、水溶性フィルム120及び浴用成形品110を加熱する一方で、装置130は、水溶性フィルム120を均一に収縮させる助けとなるように、フィルムに封入された浴用成形品100に任意の数の物理的運動妨害を適用することができる。より具体的には、いくつかの例では、1つ又は複数の加熱要素136は、フィルムに封入された浴用成形品100に乱流気流(例えば、渦加熱)を生成及び適用することができる。いくつかの例では、装置130は、1つ又は複数の加熱要素136とは別個のファン(図示せず)等の追加の乱流発生器を含み得る。
【0051】
代替的又は追加的に、水溶性フィルム120及び浴用成形品110を加熱する一方で、装置は、フィルムに封入された浴用成形品100を移動させる、転がす、推移させる、及び/又は回転させることができる。より具体的には、フィルムに封入された浴用成形品100が装置130の第1の側132aから第2の側132bに移動する際に、撹拌部材138は、フィルムに封入された浴用成形品100を移動させる、転がす、推移させる、及び/又は別様に回転させて、例えば、スポット加熱とは対照的に、用品の周りの十分に高い温度により均一に曝露することによって、水溶性フィルム120をより均一に収縮させることができる。他の例では、コンベヤ又はプラットフォーム130は、振動する、波打つ、及び/又は任意の他の種類の動きを生成し得る。更に他の例では、使用者は、フィルムに封入された浴用成形品100をコンベヤ又はプラットフォーム134に沿って単に押して又は推進して、所望の撹拌を生じさせ得る。他の例が可能である。
【0052】
フィルムに封入された浴用成形品100に物理的運動妨害を適用することによって、水溶性フィルム120は均等かつ均一に収縮することができ、したがって、例えば、端部、側部、又は本体の周りの他の場所に集まることによって浴用成形品110を適切に取り囲んでいない過剰な水溶性フィルムの量を減少させる。これは特に、球状の本体を含む非直線状の本体に対する懸念であり得る。
【0053】
いくつかの例では、フィルムに封入された浴用成形品100は、水溶性フィルム120の厚さを通って延在する任意の数の貫通孔129を含み得る。いくつかのアプローチでは、貫通孔129は、浴用成形品110を水溶性フィルム120内に配置する前に、水溶性フィルム120に適用され得る。他のアプローチでは、貫通孔129は、浴用成形品110を水溶性フィルム120内に配置した後であるが、加熱ステップの前に、水溶性フィルム120に適用され得る。更に他の例では、貫通孔129は、加熱ステップの間に水溶性フィルム120に適用され得る。より具体的には、装置130は、フィルムに封入された浴用成形品100がその内部容積130a内にある間に水溶性フィルム120の厚さを通る貫通孔129を形成することができる、任意の数の貫通孔部材(図示せず)を含み得る。いくつかのアプローチでは、撹拌部材138は、フィルムに封入された浴用成形品100が装置130を通過するときに貫通孔129を形成することが可能であり得る鋭利な部分、ピン等を含んでもよい。他の例が可能である。
【0054】
貫通孔129はフィルムに封入された浴用成形品100にいくつかの利点を提供し得る。例えば、貫通孔129は、加熱中に水溶性フィルム120を均一に収縮させる際に助けとなり得る。貫通孔129は、フィルム120が収縮するにつれて、フィルム120と浴用品110との間に閉じ込められた空気がより均等に逃げることを可能にし得る。更に、貫通孔129は、浴用成形品110内のCO2をガス放出する際の助けとなり得る。別の言い方をすれば、水溶性フィルム120は水分バリアとして機能せず、そのため、空気が水溶性フィルム120に進入することができ、浴用成形製品110の元の構成を保持するのを助けることができる。更に、貫通孔129は、少量の香気が水溶性フィルム120を通過することを可能にし得るため、使用者が購入又は使用の前に浴用成形品110の香気を決定することができる。
【0055】
装置130は、フィルムに封入された浴用成形品100を加熱するように記載されているが、いくつかの例では、フィルムに封入された浴用成形品100は、水溶性120を手動で密封し、手持ち式加熱デバイス(例えば、ヒートガン)を使用して水溶性フィルム120を収縮させることによって手動で包装されてもよいことが理解されよう。そのような例では、製造業者は、フィルムに封入された浴用成形品100を手動で移動させ、手で乱流を作り出すことができる。更に、製造業者は、水溶性フィルム120の厚さを通る貫通孔129を手動で作製してもよい。他の例が可能である。
【0056】
図7を参照すると、水溶性フィルム320内に形成された腹部バンド領域327を含む、代替のフィルムに封入された浴用成形品300が提供される。いくつかの環境では、略球状の浴用成形製品310は、水溶性フィルム320を加熱及び収縮させるときに欠陥をもたらし得る。これらの例では、浴用成形製品310を完全に包囲する代わりに、さもなければ水溶性フィルム320で覆われたであろう本体の表面積の一部(例えば、およそ1%~50%、又は5%~20%の範囲)が残された状態であり、1つ以上の空隙327aを画定する。そのような構成は、ドッグイヤー及び/又はニップル形状を含まない、より審美的に快適な水溶性フィルムを作り出す一方で、浴用成形製品310を水溶性フィルム320に封入することの利点の大部分を提供する。そのような実施形態(例えば、球体)では、用品310を、閉長方形であるフィルム320のバンドで包み、次いで収縮させて腹部バンド327を形成することができるか、又は閉じた非収縮フィルム320のバンドの2つの側部を先細りにすることで、腹部バンド327を形成するように熱収縮させたときに、それらを球状の浴用製品310の表面により良好に適合させることができる。これらの種類の例では、腹部バンド領域327を手動で切断して、過剰な水溶性フィルム320材料を除去することもできる。
【0057】
上記から、本開示は、有利に、フィルムに封入された浴用品を製造する改善された構成及び方法を提供することが分かる。本明細書に記載の水溶性フィルムを使用することにより、フィルムに封入された浴用成形品は、使用前にその包装から除去される必要がない。そのため、浴用成形品のいかなる欠陥も使用前に認識されないため、使用者の入浴体験を向上させ、製品は輸送中に保護されたままであり得る。例えば、浴用品の本体全体にわたる亀裂は明らかにならないであろう。別の例として、用品の本体からのいずれの製品粉末も、水溶性フィルム内に収容され、最終使用者には決して明らかにはならない。フィルムで包まれた用品はまた、陳列されている時に優れた品質を伝えることもできる。更に、フィルムの水溶性のために、製品使用時に余分な廃棄物が存在しない。加えて、依然として均等かつ均一に収縮させながら、浴用成形品の任意の数の追加の形状及び/又は外形が使用され得るが、これは、さもなければ従来の方法を用いて製造することが非常に困難であろうことが理解されよう。
【0058】
本開示は、特定の実施形態に関して説明されてきたが、依然として添付の特許請求の範囲の範囲内である変形例がそれに対して行われ得ることが理解されるであろう。
【国際調査報告】