IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エクラ オートマチシエラングシステマ ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-531788印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム
<>
  • 特表-印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム 図1
  • 特表-印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム 図2A
  • 特表-印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム 図2B
  • 特表-印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】印刷装置および平面基板上に印刷するためのスクリーンマガジンを有する印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20230718BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20230718BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41F15/12 A
H05K3/12 610N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581374
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2021067812
(87)【国際公開番号】W WO2022002915
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102020208163.8
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520159204
【氏名又は名称】エクラ オートマチシエラングシステマ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼッケルシュ,ヤーコブ
(72)【発明者】
【氏名】ハマーン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェゲラーン,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】クライブル,ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
2C035
5E343
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FC07
2C035FD01
5E343AA02
5E343FF02
5E343GG20
(57)【要約】
本発明は、平面基板、特に、回路基板上に印刷するための印刷装置(1)に関し、印刷装置(1)は、水平面に延び、少なくとも1つの被印刷基板をその上に配置できる印刷テーブル(4)と、印刷テーブル(4)に割り当てられ、交換可能な印刷スクリーン(22、23)のためのスクリーンホルダー(12)と、スクリーンホルダー(12)に割り当てられるスキージ装置(7)とを有し、スキージ装置(7)によって、印刷スクリーン(22、23)を通じて被印刷基板に印刷材料を塗布できる、少なくとも1つの印刷デバイスと、スキージ装置(7)のための少なくとも1つの印刷スクリーン(22、23)を保管するためのスキージ装置(7)に割り当てられるスクリーンマガジン(18)と、を備える。本発明によると、スクリーンマガジン(18)は、互いに平行に配置され、それぞれが1つの印刷スクリーン(22、23)を保持するように構成されている少なくとも2つの引き出し(20、21)を有する筐体(19)を有し、筐体(19)は、引き出し(20、21)が水平面に平行に配向される第1端部位置と、引き出しが水平面に対して傾斜し、特に、水平面に垂直に配向される第2端部位置との間で旋回できるように旋回可能に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面基板、特に、回路基板上に印刷するための印刷装置(1)であって、前記印刷装置(1)は、
水平面に延び、少なくとも1つの被印刷基板をその上に配置できる印刷テーブル(4)と、
前記印刷テーブル(4)に割り当てられ、交換可能な印刷スクリーン(22、23)のためのスクリーンホルダー(12)と、前記スクリーンホルダー(12)に割り当てられるスキージ装置(7)とを有し、前記スキージ装置(7)によって、前記印刷スクリーン(22、23)を通じて前記被印刷基板に印刷材料を塗布できる、少なくとも1つの印刷デバイスと、
前記スキージ装置(7)のための少なくとも1つの印刷スクリーン(22、23)を保管するための前記スキージ装置(7)に割り当てられるスクリーンマガジン(18)と、を備え、
前記スクリーンマガジン(18)は、互いに平行に配置され、それぞれが1つの印刷スクリーン(22、23)を保持するように構成されている少なくとも2つの引き出し(20、21)を有する筐体(19)を有し、
前記筐体(19)は、前記引き出し(20、21)が前記水平面に平行に配向される第1端部位置と、前記引き出しが前記水平面に対して傾斜し、特に、前記水平面に垂直に配向される第2端部位置との間で旋回できるように旋回可能に配置されていることを特徴とする印刷装置(1)。
【請求項2】
前記筐体(19)は、前記第2端部位置にある前記引き出し(20、21)に対して少なくとも実質的に垂直に配向されていることを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記筐体(19)は、少なくとも前記第1端部位置において高さ調整可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
印刷スクリーン(22、23)を前記引き出し(20、21)の1つに挿入し、前記引き出し(20、21)から引き出すように構成されているデバイス(30)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記デバイス(30)は、磁気作動の把持装置を有することを特徴とする、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記デバイス(30)は、前記スキージ装置(7)とは別個に構成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記デバイス(30)は、前記スキージ装置(7)によって形成されていることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記デバイス(30)は、前記印刷テーブル(4)を横断可能なカメラデバイス(14)によって形成されていることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷テーブル(4)、前記スキージ装置(7)、および前記スクリーンマガジン(18)が配置されているフレーム(2)を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記筐体(19)は、高さ方向に変位可能に前記フレーム(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記筐体(19)は、直線的に変位可能なピボット継手(26)によって前記フレーム(2)に取り付けられていることを特徴とする、請求項9または10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記スクリーンマガジン(18)を移動および/または旋回させるための少なくとも1つの制御可能なアクチュエーター(31)が前記筐体(18)に割り当てられていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記アクチュエーター(31)は、電気、油圧、または空気圧アクチュエーターとして構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記スクリーンマガジン(18)は、サイズの異なる印刷スクリーン(22、23)を保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記各引き出し(20、21)は、前記各印刷スクリーン(22、23)および前記各印刷スクリーンに割り当てられているスキージツール、特にスキージ(36)を保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記スクリーンマガジン(18)は、前記フレーム(2)に交換可能に保持されていることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記スクリーンマガジン(18)は、印刷スクリーンを前記引き出しの1つから押し出し、および/または前記引き出しの1つに引き込むための手段を有することを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の印刷装置(1)と、
前記スクリーンマガジン(18)の前記引き出し(20、21)の1つに保持されるように構成されている少なくとも1つの印刷スクリーン(22、23)と、を備える平面上に印刷するための印刷システム。
【請求項19】
前記印刷スクリーン(22、23)は、スキージツール、特に、スキージ(36)を保持するように構成され、前記各引き出し(20、21)は、前記スキージツールと共に前記印刷スクリーン(22、23)を保持するように構成されていることを特徴とする、請求項18に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面基板、特に、回路基板上に印刷するための印刷装置に関し、印刷装置は、水平面に延び、少なくとも1つの被印刷基板をその上に配置できる印刷テーブルと、印刷テーブルに割り当てられ、交換可能な印刷スクリーンのためのスクリーンホルダーと、スクリーンホルダーに割り当てられるスキージ装置とを有し、スキージ装置によって、印刷スクリーンを通じて被印刷基板に印刷材料を塗布できる、少なくとも1つの印刷デバイスと、印刷デバイスのための少なくとも1つの印刷スクリーンを保管するためのスキージ装置に割り当てられるスクリーンマガジンと、を備える。
【0002】
さらに、本発明は、上述のように構成される印刷装置を有する印刷システムに関する。
【背景技術】
【0003】
冒頭で述べたタイプの印刷装置および印刷システムは、先行技術で既知である。導電性である印刷材料、特に捺染糊で平面基板上に印刷するには、例えば、スキージ装置および印刷スクリーンによって印刷材料を被印刷基板に塗布することが知られている。この目的を達成するために、既知の印刷装置は、その上に被印刷基板を配置することができる、特にロックすることができる印刷テーブルと、既に述べたスキージ装置と、スキージ装置と基板との間に配置される印刷スクリーンとを有する。まず、印刷スクリーンにおいて基板とは反対側の印刷スクリーン上に印刷材料を塗布し、スキージ装置によって下層の基板に印刷スクリーンを通じて押し付け、すなわちスキージする。印刷スクリーン毎に1つの印刷パターンしか基板に塗布できないため、所望の印刷画像毎に別々の印刷スクリーンを作成し、準備しておかなくてはならない。特に、異なる構造に沿った異なる印刷材料を使用する被印刷基板では、個々の基板に印刷する場合であっても、印刷工程毎に別の印刷装置を提供することが望ましくなければ、印刷スクリーンの交換が必要となる。そこで、複数の印刷スクリーンを保管するために使用され、印刷スクリーンの交換のためにスキージ装置に割り当てられるスクリーンマガジンが過去に既に開発されている。今日では、例えば、全自動で印刷装置の印刷スクリーンをスクリーンマガジンに保持されている印刷スクリーンと交換する交換装置が知られている。このような事情により、既知のスクリーンマガジンは、印刷装置の隣に独立して配置され、複数の印刷スクリーンを保持するように構成されている。このようなスクリーンマガジンを有する印刷装置は、特に生産ラインにおいて大きな設置空間を必要とするが、大きな設置空間は稀にしか利用できるものではない。
【発明の概要】
【0004】
そこで、本発明の目的は、スクリーンマガジンが存在するにもかかわらず必要とする設置空間が小さく、印刷スクリーンの交換を有利に行うことを可能にする、改善された印刷装置を提供することにある。
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する印刷装置によって実現される。請求項1の特徴を有する印刷装置では、スクリーンマガジンはスクリーン交換が行われる時にのみ大きな設置空間を必要とし、それ以外の時には設置空間を節約するように印刷装置上に配置されるという利点がある。これにより、例えば、交換工程を行うために印刷装置の前を通る人または作業者の経路にスクリーンマガジンを配置し、それ以外の時には経路を空けるように、印刷装置を生産ラインに配置することが可能となる。これにより、例えば、生産拠点などの利用可能な設置空間を有効活用することができる。本発明によると、これは、スクリーンマガジンが、互いに平行に配置され、それぞれが1つの印刷スクリーンを保持するように構成されている少なくとも2つの引き出しを有する筐体を有することによって実現され、筐体は、引き出しが水平面に対して平行に配向される第1位置と、引き出しが水平面に対して傾斜し、特に直角に配向される第2端部位置との間で旋回できるように、スキージ装置に対して旋回可能に配置されている。このように、スクリーンマガジンは、水平配向とそれに対して傾斜する配向との間で旋回可能に取り付けられている。水平配向では、筐体またはスクリーンマガジンが印刷装置の隣の空間へと大きく伸長するのに対し、垂直配向では、印刷装置に実質的にもたれかかっているため、印刷装置の隣に必要な設置空間は小さくて済む。このように、スクリーンマガジンの旋回性は、設置空間を一時的にのみ使用することを実現し、その結果、人員または自律走行する車両の、例えば、通行を少なくとも一時的でも可能にするために、機械への十分に広い通路がなくてはならない場所にも印刷装置を配置することができるようになる。スクリーンの交換が行われない場合に有利な方法で設置空間を空けることを可能にするために、筐体は、筐体の長さよりも顕著に低い高さを有することが好ましい。このような事情により、筐体の長さは、第1端部位置における筐体の(水平)長手方向の伸長を意味すると理解され、したがって、筐体の高さは、第1端部位置における筐体の(垂直)高さを意味すると理解される。この目的のために、スクリーンマガジンは、例えば、最大4つ以下、好適には2つのみのような、限られた数の引き出しを有することが好ましい。特に、スクリーンマガジンは、印刷装置に恒久的/固定的または交換可能/脱着可能に一体化されている、または一体化可能である。
【0006】
本発明の好適な発展態様によると、筐体は、第2端部位置にある引き出しに対して少なくとも実質的に垂直に配向されている。この結果、印刷スクリーンの交換が行われない時または印刷装置によって印刷スクリーンを使用した印刷工程が行われる際に、特に設置空間の使用率が低くなる。この目的のために、筐体が、水平から垂直端部位置へと、またはその逆方向に、特に90°旋回される。
【0007】
本発明の好適な発展態様によると、筐体は、少なくとも第1端部位置においてスクリーンホルダーに対して高さ調整可能に取り付けられている。筐体の高さを調整することで、筐体に配置されて引き出しに保持されている印刷スクリーンが高さ方向に可動となることが実現される。このようにすることで、例えば、印刷のために使用される印刷スクリーンが、筐体の高さ調整によって、常にスクリーンホルダーの高さに配置されることが実現される。結果として、各スクリーンは、スクリーンホルダーに対して常に同じ高さで筐体から延ばすことができ、その結果、実際の交換工程を行うために単純な力学、すなわち運動が必要となる。本発明のさらなる実施形態によると、筐体は、印刷テーブルの下の収納位置で第2端部位置に達するように、180°まで旋回可能であり、その結果、印刷装置の隣において設置空間の節約を最大化できる。本発明のさらなる実施形態によると、引き出しが追加的または代替的に筐体内で高さ調整可能であることで、スキージ装置またはスクリーンホルダーに対して所望の高さに印刷スクリーンを常に挿入または押し出すことなく、筐体内で高さ方向に変位できる。
【0008】
さらに、印刷装置が、印刷スクリーンを引き出しの1つに挿入し、引き出しの1つから引き抜いてスクリーンホルダーに入れるように構成されているデバイスを有することが好ましい。したがって、デバイスは、印刷スクリーンの交換に使用される。このようにして、交換工程は、特に全自動で印刷装置自体によって行われる。
【0009】
デバイスは、磁気作動の把持装置として構成されることが特に好ましい。このような事情により、印刷スクリーンは、磁化可能またはそれ自体が磁化されて、把持装置と協働することが好ましい。磁気構成であるため、装置と印刷スクリーンとの形状接続が不要となり、印刷スクリーン自体を低コストで実装でき、設置空間を節約できる。
【0010】
デバイスは、スキージ装置とは別個に構成されていることが特に好ましい。これは、デバイスが、各印刷スクリーンをスクリーンマガジンからスキージ装置に動かし、戻すための、それ自体のアクチュエーターを有するということを意味する。
【0011】
本発明の代替的な実施形態によると、デバイスは、スキージ装置自体によって形成されている。これは、スキージ装置は、例えば、スクリーンマガジンへと印刷スクリーンの1つを挿入し、スクリーンマガジンから別の印刷スクリーンを引き出してスクリーンホルダーに置く場合にも適していることを意味する。典型的に、スキージ装置は、印刷テーブルを横断して横方向に延び、縁部でレールにガイドされて駆動部を使用して可動であるキャリアまたはキャリッジを有する。これにより、スキージ装置またはスキージ装置のスキージの位置決めを簡単にできる。このように、例えば、スキージを保持するためのスキージホルダが、スキージ装置によって印刷テーブルの上方に可動で、印刷スクリーンを変位させるための把持デバイスとしての使用が提供されている。この目的のため、スキージホルダは、例えば、必要に応じて印刷スクリーンの1つを変位させるために、磁化可能に構成されている。この場合、スキージホルダは、特に印刷スクリーンを把持または解放するために、高さ方向に可動であることも特に好ましい。
【0012】
本発明のさらなる実施形態によると、デバイスは、印刷テーブルを横断可能なカメラデバイスと一体的に形成されていることが好ましい。既知の印刷装置は、例えば、印刷テーブル上の基板またはスキージ装置に採用される印刷スクリーンの正しい配向および/または位置を確認するために使用されるカメラデバイスを有する。この目的のため、カメラは印刷テーブルを横断し、これによって基板および/または印刷スクリーンが視覚的にとらえられる。そして、画像解析を使って、印刷スクリーンと基板が互いに対して最適な配向であるかどうかを確認する。ずれが検出された場合、例えば、所望の位置決めが実現されるまで、印刷テーブル上で印刷スクリーンまたは基板を変位させる。このようなカメラ装置は、X-Y平面内で可動なカメラを備えているため、カメラを動かすために既に存在するアクチュエーターを使って、印刷スクリーンを把持し、筐体に挿入および筐体から引き出すことができる。この目的のために、カメラデバイスは、任意選択で、機械的把持部もしくはプランジャーまたは磁気もしくは磁化可能把持部を有し、これによって各印刷スクリーンが把持可能および変位可能となる。
【0013】
印刷テーブル、スキージ装置、およびスクリーンマガジンがフレームに配置または保持されていることが特に好ましい。フレームは、印刷テーブル、スキージ装置、およびスクリーンマガジンの互いに対する有利な配置を可能にする。
【0014】
さらに、筐体は、フレームに旋回可能に取り付けられていることが好ましい。このようにして、筐体は、スキージ装置に簡単に割り当てられ、機械的に接続される。これにより、印刷装置上でのスクリーンマガジンの堅牢な配置を可能にする。
【0015】
スクリーンマガジンの筐体は、高さ方向に変位可能にフレームに取り付けられて、上記の高さ調整の利点が実現される。
【0016】
筐体は、直線的に変位可能なピボット継手によって印刷テーブルに取り付けられていることが特に好ましい。ピボット継手は、筐体を旋回させることを可能にし、直線的な変位性は、高さ調整を可能にする。
【0017】
筐体を移動させるための、特に、筐体またはスクリーンマガジンを、旋回および/または変位させるための、少なくとも1つの制御可能なアクチュエーターが筐体に割り当てられていることが好ましい。このようにして、第1または第2端部位置への筐体の自動調整および高さ調整を自動で行うことができる。
【0018】
アクチュエーターは、電気、油圧、または空気圧アクチュエーターとして構成されていることが特に好ましい。さらに、筐体に脱着可能な保持装置が割り当てられ、これは筐体を第1端部位置に形状接続でロックするように構成されていることが好ましい。これにより、例えば、アクチュエーターが重力に逆らって筐体を第1端部位置に恒久的に保持する必要がなくなるため、筐体を第1端部位置に保持するためのエネルギーが節約される。むしろ、脱着可能な保持装置は、特にフレームにおいて、ラッチ係合等の形状接続ロックを可能にする。
【0019】
筐体は、サイズの異なる印刷スクリーンを保持するように構成されていることが好ましい。この目的のために、例えば、引き出しは異なるように構成されるまたはサイズの異なる印刷スクリーンが引き出しに入れられるように構成される。
【0020】
各引き出しは、各印刷スクリーンおよびスキージ装置のためのスキージツールを保持するように構成されていることが特に好ましい。このようにして、筐体内にスキージツール、特にスキージと共に印刷スクリーンを配置可能とすることが実現される。スキージを印刷スクリーンと一緒に運ぶと、スキージが印刷スクリーンと共にあるまま一緒に交換されるため、異なる印刷材料または異なる種類の印刷材料へのスキージ装置の簡単な変換が可能になるという利点がある。このようにすることで、その時の異なる印刷材料でさらなる印刷工程を行うためのスキージの洗浄が省略できる。これは、さらに、印刷装置の変換時間を短縮する。特に、各印刷スクリーンは、スキージが各印刷スクリーンと共に運ばれることができるように、少なくとも1つのスキージのためのホルダーを有する。
【0021】
スクリーンマガジンは、フレームまたはスキージ装置に脱着可能にまたは交換可能に配置されていることが特に好ましい。このようにして、例えば、スクリーンマガジン全体または各スクリーンマガジンの交換も簡単に行われる。このように、スクリーンマガジンは、印刷装置から離れて装備および準備でき、その後、印刷装置に追加され、例えば、フレームにロックされて少なくとも1つのアクチュエーターに接続または結合することができる。スクリーンマガジンは、ロボット、特にマテリアルハンドリングツールによって印刷装置の他の部分から解放または取り外され、例えば、印刷スクリーンと共に取り付けられるため、またはスクリーンマガジンに取り付けられた印刷スクリーンの交換のために、ピックアンドプレース機へと動かされるように構成されていることが特に好ましい。本発明の代替的な実施形態によると、スクリーンマガジンは、フレームまたはスキージ装置に恒久的または固定的に配置されることが好ましく、そうして、フレームまたはスキージ装置への特に強固な接続が実装できる。
【0022】
本発明の好適な発展態様によると、スクリーンマガジンは、印刷スクリーンを引き出しの1つから押し出し、および/または引き出しの1つに引き込むための手段を有する。一例として、手段は、スキージ装置から外方に向く筐体の端部に配置され、必要に応じて印刷スクリーンの少なくとも一部を筐体から押し出し、印刷スクリーンの変位または交換のためにデバイスによってより容易に把持できるようにする押出部である。
【0023】
さらに、本発明は、上述のように構成される印刷装置を備える、平面上に印刷するための印刷システムに関する。
【0024】
本発明による印刷システムは、請求項18の特徴を有し、スクリーンマガジンの引き出しの1つに保持されるように構成されている少なくとも1つの印刷スクリーンを有することに特徴付けられる。この目的のために、印刷スクリーンは、例えば、各引き出しの寸法に対応する外形輪郭を有する。
【0025】
印刷スクリーンは、少なくとも1つのスキージツール、特に、スキージを保持するように構成され、スクリーンマガジンの各引き出しは、少なくとも1つのスキージツールと共に印刷スクリーンを保持するように構成されていることが特に好ましい。これは結果としてすでに上述の利点となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明はより詳細に説明される。
図1】有利な印刷装置の透視図を示す。
図2A】異なる動作状態にある印刷装置を各側面図で示す。
図2B】異なる動作状態にある印刷装置を各側面図で示す。
図3】印刷装置の詳細な斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、例えば、回路基板を製造するために、特に導電性の、印刷材料または捺染糊を使用して平面基板上に印刷を行うように構成されている有利な印刷装置1の透視図を示す。このため、印刷装置1は、フレーム2を有しており、フレーム2は筐体3の内側に位置する印刷装置1の構成要素を外部影響から保護する筐体3を備えている。筐体3内には、印刷テーブル4が配置されており、これは1以上の被印刷基板を支持するための水平に伸長する支持面5を有する。印刷テーブル4は、被印刷基板の最適な高さ位置を確保するために、二重矢印6で示されるように、高さ方向に可動であることが好ましい。印刷テーブル4の上方、すなわち、支持面5の反対側には、印刷装置1もスキージ装置7を有する。スキージ装置7は、水平に伸長するレールガイド9に沿う印刷テーブル4を横断して変位可能な第1キャリッジ8と、レールガイド9の押し方向に対して横方向に変位可能となるように第1キャリッジ8に取り付けられている第2キャリッジ10とを有する。スキージホルダ11は、第2キャリッジ10上に配置され、スキージツール、特にスキージ36を保持して作動させるように構成されている。
【0028】
印刷テーブル4とキャリッジ9、8との間には、スクリーンホルダー12が垂直に配置されている。有利には、スクリーンホルダー12は、レールガイド9に平行に伸長し、レールガイド9と同様に、印刷テーブル4の両側に互いに平行に配置されているガイドレール13_1、13_2、例えば、スクリーンまたはステンシル支持ストリップを有する、引き出し型レールガイド13を有する。レールガイド13は、印刷スクリーンを縁部でガイドまたは支持するように構成されており、印刷スクリーンに印刷材料を塗布でき、スキージホルダ11に配置されているスキージによって印刷スクリーンを通して印刷テーブル4に支持される基板に印刷材料を印刷可能である。
【0029】
さらに、印刷装置1は、スキージ装置7と印刷テーブル4との間に垂直に可動に配置されているカメラ15を有するカメラデバイス14を有する。この目的のために、カメラ15は、スキージホルダ11と同様に、長手方向に変位可能となるようにキャリッジ17に取り付けられているキャリッジ16に保持され、キャリッジ17は、印刷テーブル4の上方のスキージ装置7のレールガイド9と平行に長手方向に変位可能であり、スキージ装置7の下方に変位可能である。これにより、カメラ15を印刷テーブル4全体に横断して動かすことが可能となる。この場合、カメラ15は、印刷工程が行われる前に、印刷テーブル4上に支持される基板の位置および/またはレールガイド13またはスクリーンホルダー12に保持される印刷スクリーンの位置を確認するために、印刷テーブル4および/またはスキージ装置7、特にスクリーンホルダー12に割り当てられるように配置または構成されていることが好ましい。例えば、印刷基板または印刷スクリーンの現在の実際の位置の目標位置からのずれが検知されるとすると、自動調整が行われるか、または印刷装置1の作業者が基板および/またはスクリーンを正しく揃えるように知らされるかのいずれかが行われる。
【0030】
さらに、印刷装置1は、以前に使用されたものとは別の印刷スクリーンを使用する印刷工程のために印刷装置1の変換を単純化、特に自動化するように操作可能な有利なスクリーンマガジン18を有する。
【0031】
本実施形態例によると、スクリーンマガジン18は、筐体19内に互いに平行に配置されている2つの引き出し20、21を有する。各引き出し20、21は、少なくとも1つの印刷スクリーンを保持するように動作可能であり、本実施形態例によると、印刷スクリーン22が引き出し20に配置され、印刷スクリーン23が引き出し21に配置されている。印刷スクリーンは、異なる印刷構造を有することが好ましい。
【0032】
図2Aは、図1にも示されている状態にある印刷装置1の側面図を示す。ここで、スクリーンマガジン18は、図2Aに破線で示されるように、そこに位置付けられている印刷スクリーン22、23が互いに隣り合って垂直に立って配置されて、また図2Aに破線で示すように、印刷テーブル4またはスクリーンホルダー12の支持面5がそれに沿って伸長する平面にほぼまたは正確に90°の角度となるように垂直に配向されている。
【0033】
筐体19が、2つの印刷スクリーン22、23を保持するために2つの引き出し20、21のみで構成されているため、筐体19は、垂直端部位置において印刷装置1の筐体3から横方向にほんのわずかに突出しているだけである。このため、スクリーンマガジン18の領域における印刷装置1の隣の空間は、何か他のために使用できる。一例として、印刷機械1の隣の空間は、生産拠点の生産ラインに隣接する廊下または経路24である。
【0034】
スクリーンマガジン18は、図2Aに示される垂直端部位置から図2Bに示される水平配向端部位置へと矢印25で示されるように旋回可能となるように、特にフレーム2に旋回可能に取り付けられている。この目的のために、スクリーンマガジン18は、スイベルまたはピボット継手26によってフレーム2に固定される。このため、ピボット継手26またはピボット継手26によって形成される回転軸は、垂直配向において筐体19またはスクリーンマガジン18の上端に任意に配置される。このようにして、図2Aにおける底部に位置するスクリーンマガジン18の自由端27は、少なくとも図2Bに示されるように、スクリーンマガジン18が水平配向に達するまで、ピボット継手26の回転軸周りに旋回可能である。この状態では、次に、引き出し20、21に位置付けられる印刷スクリーン22、23は互いに平行に位置付けられて、互いの上部に水平に配向されており、印刷スクリーン23は、本実施形態例によると、印刷スクリーン22の上方に位置付けられている。
【0035】
水平端部位置では、図2Bに示されるように、引き出し20、21の少なくとも1つは、レールガイド13の高さに位置付けられて、この引き出しに位置付けられている印刷スクリーンを単に変位させることによって、スクリーンホルダー12のレールガイド13上のスクリーンマガジン18の筐体19から印刷位置へと移動可能となる。図2Bでは、レールガイド13の各例が破線で示されている。第2引き出し20もレールガイド13に割り当てることができるように、ピボット継手26は、図2Bの二重矢印28によって示されるように、高さ方向に変位可能となるようにフレーム2に取り付けられていることが好ましい。この高さ方向の変位によって、引き出し20、21の一方または他方はレールガイド13に割り当てることができ、したがって、一方または他方の印刷スクリーンは、筐体19から押し出されることまたは筐体19へと挿入されることができる。代替的にまたは追加的に、スクリーンホルダー12またはレールガイド13は、共通平面においてスクリーンホルダー12および所望の引き出し20または21を動かすように、二重矢印28にしたがって、制御可能なアクチュエーターによって高さ方向に移動可能または変位可能である。
【0036】
印刷装置1の有利な実施形態例によると、それによって印刷スクリーン22、23が変位可能である、把持デバイス29がカメラデバイス14のキャリッジ16に、図1に示されるように、配置されている。その結果、カメラデバイス14は、引き出し20、21の1つに印刷スクリーンを挿入、および引き出し20、21の1つから印刷スクリーンを引き出し、必要に応じてスクリーンホルダー12へと入れるデバイス30も形成する。この場合、把持デバイス29は、例えば、機械的に係合し、印刷スクリーンを変位させる輸送ピンまたは特に電力の供給により、磁場を発生させ、各印刷スクリーン22、23と協働し、印刷スクリーンを変位させる磁気把持部として構成される。この目的のために、印刷スクリーン22、23は、磁気把持部と相互作用する材料から作られる、またはその少なくとも一部に材料を有する。
【0037】
一例として、印刷装置1の変換工程は、以下のように行われる。既に印刷スクリーン、例えば印刷スクリーン23が、スクリーンホルダー12のガイドレール13_1、13_2に位置付けられ、印刷スクリーン22によって印刷工程が既に行われている。ここで、別の印刷工程を遂行する場合には、別の印刷パターンが必要となり、印刷スクリーン22の印刷スクリーン23との交換が必要となる。まず、レールガイド13に沿ってカメラデバイス14または把持デバイス30により空いている引き出し、例えば、引き出し21の内に既存の印刷スクリーン22が挿入される。この目的のため、スクリーンマガジン18は、図2Bに示されるように、予め垂直端部位置から水平端部位置へと移動され、必要に応じて高さ方向で調整され、引き出し20がレールガイド13の高さに位置付けられる。これにより、スクリーンマガジン18への印刷スクリーン22の挿入を容易にできる。そして、スクリーンマガジン18を高さ方向で調整することで、印刷スクリーン23がその中に位置付けられている他方の引き出しがレールガイド13の高さとなる。ここで、把持デバイス30は、レールガイド13に割り当てられる印刷スクリーン23を、例えば磁気的に把持し、引き出し21からレールガイド上に引き出し、印刷テーブル4の上方の所望の位置まで引き上げることで、印刷スクリーン23によって印刷工程を行うことができるようになる。このようにして、変換は、特に、全自動で短時間に行われる。同じ印刷スクリーン23が採用される印刷工程または複数の印刷工程の間、筐体19は、図2Aに示すように、経路24に沿った通路が空くように、垂直端部位置に任意に調整される。スクリーンマガジン18の筐体19は、水平配向端部位置においてのみ、経路24内へと突き出し、経路24を遮蔽し得る。このようにして、スクリーンマガジン18は、印刷装置1の交換デバイス、すなわち変換デバイスとして機能する。
【0038】
図2A、そして図1にも示されているように、垂直端部位置において、スクリーンマガジン18は、作業者によってまたは自動化された方法で印刷スクリーンを備えることができる。その結果、印刷工程を実施しながら、スクリーンマガジン18が印刷装置1の隣の、特に経路24の領域において、大きな設置空間を占めることなく、印刷装置1の変換工程を準備できる。
【0039】
スクリーンマガジン18を移動および旋回させるためには、少なくとも1つのアクチュエーター31があることが好ましく、これは、電動で、空気圧で、または油圧で作動するアクチュエーター31として構成されており、例えば、スクリーンマガジン18を高さ方向に旋回および/または調整する。後者を実現するためには、例えば、ピボット継手26は、フレーム2上のレールガイドに変位可能に取り付けられ、アクチュエーター31または他のアクチュエーターによって変位可能とされる。
【0040】
任意選択で、スクリーンマガジン18は、特にフレーム2上に脱着可能にまたは交換可能に保持されることで、作業者またはロボット、特にマテリアルハンドリングツールによって印刷装置1から取り外すことができ、例えば、必要に応じて、さらなるまたは他の印刷スクリーンを有する機器のために別の場所に動かすことができる。代替的には、スクリーンマガジン18は、特にフレームに恒久的または固定的に固定される。
【0041】
図3は、スクリーンマガジン18の領域における印刷装置1の拡大詳細図のさらなる透視図を示し、スクリーンマガジン18の内部構造を示すようにスクリーンマガジン18の筐体19が取り外されている。一例として、引き出し20、21は、横方向に配置されているガイドレール32または板状支持部によって形成される。このような事情により、引き出し20、21は、それぞれ1つの印刷スクリーン22、23を保持するように十分な高さに構成される。図1および図3に示される実施形態例では、印刷スクリーン22、23は、引き出し20、21に配置されている。図1とは対照的に、図3は、水平端部位置にあるスクリーンマガジン18を示している。
【0042】
各印刷スクリーン22、23は、スクリーン34が保持され、特にクランプされているスクリーンフレーム33を有する。スクリーンは、印刷ステンシルまたは印刷マスクであってもよい。加えて、スキージツール、特にスキージ36を保持するための保持装置35が各フレーム33に配置されている。このような事情により、保持装置35はフレーム33にしっかりと接続されて、スキージ36をそれぞれの印刷スクリーン22、23と一緒に運ぶことができる。
【0043】
これにより、印刷スクリーンのみならず、印刷スクリーンと共に使用されるスキージも自動で交換または変換できるという点において印刷装置1の変換性が向上する。その結果、例えば、印刷装置1の変換中にスキージの交換、特に洗浄する必要なく、印刷スクリーン22、23に異なる印刷材料を装填でき、印刷スクリーン22、23を異なるスキージで処理できる。
【0044】
さらなる実施形態例によると、把持デバイス30は、カメラデバイス14によって形成されるのではなく、スキージ装置7によって形成される。この目的のため、キャリッジ10は、例えば、把持部15を有する。代替的に、スキージホルダ11は、自動的にスキージ36を把持するように構成されている。スクリーンマガジン18に配置されている印刷スクリーン23のスキージ36を把持すると、スキージ36を動かすことによって全体として印刷スクリーン23を動かすことができる。その結果、印刷装置1の印刷スクリーン22、23は、追加の把持装置等を必要とすることなく、スキージ装置7によって変換される。
【0045】
任意選択で、スクリーンマガジン18は、一例として図2Bに示されるように、各引き出し20、21に割り当てられる手段37、特に押出部を有し、これによって、引き出し20、21内にそれぞれ位置付けられる印刷スクリーン22、23の少なくとも一部が筐体18からスクリーンホルダー12の方向に押し出されることができるので、デバイス30、特にスキージ装置7によって各印刷スクリーン22、23を把持することが簡略化される。
【0046】
印刷スクリーン22、23と、特に、異なる印刷パターンを有し、例えば、特に引き出し20、21およびスクリーンホルダー12に保持されるように構成されている、本明細書中に不図示のさらなる印刷スクリーンと共に、印刷装置1は有利な印刷システムを形成する。
図1
図2A
図2B
図3
【国際調査報告】