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  • 特表-食用物質の新たな微生物制御 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】食用物質の新たな微生物制御
(51)【国際特許分類】
   A23L 3/3526 20060101AFI20230718BHJP
   A23K 10/16 20160101ALI20230718BHJP
   C12P 1/04 20060101ALI20230718BHJP
   A23L 3/3463 20060101ALI20230718BHJP
   A23B 4/12 20060101ALI20230718BHJP
   A23B 4/20 20060101ALI20230718BHJP
   A23L 3/3508 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A23L3/3526 501
A23K10/16
C12P1/04 A
A23L3/3463
A23B4/12 A
A23B4/12 Z
A23B4/20 Z
A23L3/3508
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581384
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2021068215
(87)【国際公開番号】W WO2022003120
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】PA202000781
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA202100151
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA202100283
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA202100529
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521292984
【氏名又は名称】ラクトバイオ アー/エス
【氏名又は名称原語表記】LACTOBIO A/S
【住所又は居所原語表記】Lerso Parkalle 42,2.,2100 Copenhagen O(DK)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェデル,シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,イダ,ブロムクイスト
(72)【発明者】
【氏名】キャエルフ,セーレン
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,カーチャ,ビールカップ
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,シグルド
【テーマコード(参考)】
2B150
4B021
4B064
【Fターム(参考)】
2B150AB20
2B150AC06
2B150AC07
2B150AC08
4B021LA41
4B021LW04
4B021MC01
4B021MK02
4B021MK20
4B021MK22
4B021MP01
4B021MQ04
4B064AD01
4B064AG01
4B064CA02
4B064DA10
(57)【要約】
本発明は、食用物質の微生物発生を制御するための組成物であって、組成物が、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されたバクテリオシンを含む上清と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸とを含み、食用物質の官能特性が有意に変化しない、組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用物質の微生物発生を制御するための組成物であって、該組成物が、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されたバクテリオシンを含む上清と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸とを含み、該食用物質の官能特性が有意に変化しない、組成物。
【請求項2】
前記上清中の前記バクテリオシンが、発酵後に前記元の量の少なくとも2倍の量に濃縮される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記バクテリオシン産生菌が乳酸菌である、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、発酵ブロスからのミネラル及び/又は塩を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記有機酸が、乳酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸又は2-ヒドロキシイソカプロン酸から選択され得る、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記バクテリオシン産生菌の発酵からの1つ又は複数の代謝産物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記バクテリオシン産生菌の発酵から産生された1つ又は複数の脂肪酸を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記バクテリオシンがプランタリシンである、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記プランタリシンが、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンA、及び/又はプランタリシンJの1つ又は複数である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
食品製品又は飼料製品と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清及び該バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸を含む組成物とを含む食用物質。
【請求項11】
バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清と、該バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸とを含む組成物によって保存された食用物質であって、該食用物質の官能特性が有意に変化しない食用物質。
【請求項12】
前記食用物質が、前記食用物質1グラム当たり約10cfu未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物を含む、請求項10又は11のいずれか一項に記載の食用物質。
【請求項13】
食品保存剤の製造方法であって、該方法が、
(i)生育培地及びエネルギー源を含む生育培養物中にバクテリオシン産生菌を混合するステップと、
(ii)該バクテリオシン産生菌を、該生育培養物の存在下で発酵させて、バクテリオシン産生菌及びバクテリオシンを含む発酵した生育培養物を産生するステップと、
(iii)該バクテリオシン産生菌を除去して実質的に無細胞の上清を得るステップと、
(iv)任意選択で、該上清中の該バクテリオシンを濃縮するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
食用物質の製造プロセスであって、該プロセスが、
(1)食品保存剤及び食品製品を得ることであって、該食品保存剤が、
(a)バクテリオシン産生菌の上清と、
(b)バクテリオシンと、
(c)任意選択で少なくとも1つの更なる抗菌剤と、
(d)該バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸と
を含む、得ることと、
(2)該食品保存剤を該食品製品の表面に適用して、病原体及び/又は腐敗微生物を実質的に含まない食用物質を製造することと
を含む、プロセス。
【請求項15】
食用物質中の食品腐敗生物又は病原性生物の生育を阻害する方法であって、食品製品と、食品保存剤であって、該食品保存剤が、バクテリオシン及び有機酸を含み、該食品保存剤が、該食品製品を有意に発酵させる能力をもたず、該食品保存剤が、該食用物質に該バクテリオシンを提供して該食用物質中の該食品腐敗生物又は病原性生物の生育を阻害するのに有効である、食品保存剤とを組み合わせることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食用製品の製造における微生物安全性を改善する分野に関する。特に、本発明は、食用製品中の病原性生物の量を減少させるのに有用な微生物由来組成物に関する。本発明は、バクテリオシン含有上清を含む新たな保存剤に関する。特に、本発明は、食用製品の保存のための新規な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、食用物質の保存用組成物及び保存方法に関し、特に、食用物質に適用した場合に、食用物質の官能特性を大きく変化させないバクテリオシン産生菌の上清を含む保存剤に関する。食品産業、特に食品の加工に特化した分野では、腐敗微生物及び病原体の生育を防ぐために保存剤が必要である。
【0003】
微生物による汚染の制御は、食品産業において認識されている問題である。食品製品、特に小売市場向けの加工食品、新鮮な肉、加工肉及び肉製品の前処理は、食品製品の貯蔵寿命を延ばすために、食品との微生物接触を制御することに大きく関係している。貯蔵寿命が延びた食品製品では、腐敗が生じる前に、取扱業者、出荷業者、及び卸売業者がそのような食品を輸送し販売することができる時間がより長くなる。加工食品などの食品製品の貯蔵寿命を延ばすための取組みでは、従来は、保存剤の添加又は保存方法の使用によって、食品製品の表面に存在する細菌の数を減らし、食品製品の小売り受入れ可能性を延ばすことに重点を置いてきた。例えば、塩又は糖による水分活性の低減、ガス透過性パッケージでの食品の真空包装が一般的である。紫外線の照射は、食品表面の微生物の数を減らすために使用されている。塩漬けは、例えば肉製品を保存するために古くから行われている。冷蔵も、食品製品中の腐敗細菌及び病原性細菌の急速な生育を防ぐために広く使用されている。例えばシュードモナス、ラクトバチルス及びクロストリジウムなどの腐敗細菌は、室温付近で最も急速に生育することが知られている。このような細菌は低温でも食品上に存在するが、低温環境では生育は著しく遅くなる。しかしながら、単なる冷蔵だけでは、腐敗細菌又は病原性細菌の生育をかなりの時間にわたって防いだり、十分に遅らせたりする効果は完全ではない。
【0004】
食品、特に肉及び加工肉の貯蔵寿命はまた、化学薬品の使用によって幾分延長されている。表面の細菌を破壊するための肉の化学処理は、従来、肉を弱酸及び/又は塩素溶液で処理することによって行われてきた。しかしながら、これらの従来の技術は、肉に好ましくない色、風味及び他の変化を生じさせることが多く、肉をかなりの期間にわたって販売可能な状態に維持するには効果的でないことが多い。
【0005】
腐敗細菌及び病原性細菌の生育の制御は食品産業において認識されている問題であるが、そのような生育に伴う貯蔵寿命の短縮は依然として重大な問題である。食品の表面細菌叢を破壊するために、これまで多くの技術が採用されてきた。例えば、特許文献1は、細菌レベルを低下させ、それによって食品製品の貯蔵寿命を延ばすために、酢酸スプレーを使用する消毒システムを開示している。同様に、特許文献2は、食物表面に熱い希酸溶液を適用して食物表面の精神作用性腐敗細菌を破壊する方法を開示しており、他には、バイオプリザベーション用非発酵性細菌(特許文献3)又は抗菌ペプチド(特許文献4)を使用しているものがある。これらの保存技術に共通するのは、望ましくない微生物を制御するのに十分でないことが多いこと、又は食物物質の官能的外観を変化させることである。不快な臭い、味、変色、又は生菌を使用した場合は保存細菌が細胞外多糖類を生成することによって引き起こされる痩せた外観並びに食用製品の味の変化がある。
【0006】
生鮮食品製品の貯蔵寿命を大幅に延長するために、望ましくない細菌の生育を効果的に排除することを教示した先行技術はない。例えば食肉包装業界では、以下を含む多くの種類の細菌が食中毒を引き起こすことが知られている:大腸菌(E.coli)。サルモネラ、リステリア、ブドウ球菌、レンサ球菌。バチルス、カンピロバクター、エルシニア、ブルセラ、クラミジア、レプトスピラ及びクロストリジウム。これらの病原性細菌は、それぞれ異なる条件下で生育及び増殖し、そのうちのいずれか又はすべてが食肉処理施設に存在する可能性がある。例えば、リステリアは、一般に、冷却器や加工エリアなどの涼しく湿った環境で見られる。ブドウ球菌は、皮膚や牛の毛、糞便物質、感染した切り傷や内部膿瘍に見られることが多く、食品取扱者の衛生管理が不十分であることと関連する場合がある。
【0007】
シュードモナス、ラクトバチルス及び大腸菌などの精神作用性細菌を含む腐敗細菌は、肉の変色や望ましくない臭気を引き起こし、肉製品の貯蔵寿命に影響を及ぼす。食品加工施設の環境では、腐敗細菌は通常、病原性細菌又は乳酸菌よりも早い速度で増殖する。酢酸スプレー、抗菌剤の適用、及び照射などの様々な消毒技術を使用することで、加工工場に存在する細菌の総数を減らすことができることが認識されている。乳酸菌はバイオプリザバティブとして使用されてきたが、この細菌群は通常、食品製品を発酵させるため、様々な発酵食品製品となり、それらは全て、味、見た目及びにおいが非発酵食品と比べて大きく異なる。乳酸菌は発酵中にガスを発生させることも知られており、そのような発酵製品のにおいや、望ましくない痩せた外観の原因となる細胞外多糖類の産生に大きく寄与する。発酵食品と同等の抗菌効果及び保存効果を有し得るにもかかわらず、代謝産物を含む発酵からの上清を添加するだけで食用製品を発酵させない、新たなラクトバチルス株を特定したことは驚くべきことであった。ここで、そのような上清は、病原体の生育を阻害することができる一方で、食用製品の官能特性に悪影響を及ぼさない。
【0008】
驚くべきことに、野生型乳酸菌が、保存剤として有用な発酵からの上清中の濃度で所望の微生物阻害量のバクテリオシン、代謝産物及び有機酸を産生し得ることが発見された。したがって、バクテリオシン産生乳酸菌の上清は、食用食品物質と組み合わされ、本質的に生きた乳酸菌を含まないが、食品物質の官能特性を維持しながらも病原体及び食品腐敗生物の生育を阻害することができる。食品物質の官能特性は、乳酸菌由来の上清の存在によって有意に変化しない。
【0009】
バクテリオシンは、例えばナイシンのように、狭い抗菌スペクトルを有するものが多いため、一般に食品保存剤としての使用は限られていた。バクテリオシンの中には、酵母、真菌、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のいずれに対しても広い抗菌スペクトルを有するものが同定されている。これらの広域スペクトルのバクテリオシンは、食品保存剤としての可能性を有するものの、通常、活性バクテリオシンの量が発酵によって回収されると、上清には食品製品の官能特性に影響を及ぼしている複数の物質も含まれる。したがって、従来は、バクテリオシンは食品保存剤として使用する前に発酵ブロス(上清)から精製されていた。このような精製は、バクテリオシンに多大なコストがかかるだけでなく、酸及び他の代謝産物からの付加的な抗菌活性が精製中に容易に失われ、バクテリオシンが他の食品保存剤との競争力を失うため、望ましくない場合がある。
【0010】
本発明の上清は、食品保存剤として直接使用するのに適していることが観察された。したがって、野生型株は、発酵中にバクテリオシンの収量を発酵させることができ、好ましくは酵母、真菌、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のすべてに対する広域スペクトル活性を含む上清を提供するのに十分な量を排出することができる。
【0011】
上清には、抗菌活性に寄与するが食品製品の官能特性に有意な影響を及ぼさない、有機酸及び他の発酵副生成物も含まれる。本発明は、生細胞物質を有さない乳酸菌由来の発酵物を含む組成物を含む。食用製品の官能特性を変化させることなく食用製品を保存するための、そのような組成物の使用。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,852,216号明細書
【特許文献2】米国特許第3,924,044号明細書
【特許文献3】米国特許第6,569,474号明細書
【特許文献4】米国特許第8,828,459号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、バクテリオシン及び有機酸を含む乳酸菌からの上清に関する。
【0014】
特に、本発明は、バクテリオシン及び少なくとも1つの有機酸及び少なくとも1つの発酵副生成物を含む上清に関する。
【0015】
特に、本発明の目的は、食用製品の官能的変化なしに、従来技術の上述の問題点を解決する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様では、バクテリオシンは、プランタリシンの群に属する。
【0017】
したがって、本発明の一態様は、プランタリシン及び少なくとも1つの有機酸を含む組成物に関する。
【0018】
本発明の更に別の態様では、少なくとも2つの異なるバクテリオシンが組成物中に存在する。
【0019】
本発明の組成物は、少なくとも以下の成分を含む:バクテリオシン及び有機酸。
【0020】
有機酸は、乳酸、コハク酸、酢酸及びプロピオン酸から選択される。
【0021】
本発明の別の態様では、上清は、1つの乳酸菌の発酵から産生された2つの異なるバクテリオシンを含み、乳酸菌は、バクテリオシンを産生するように遺伝子改変されていない。
【0022】
本発明の更に別の態様では、組成物は食用製品の保存用である。
【0023】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】レベル1及び2aでアノテーションされた代謝産物について計算されたPCAモデルによるローディングプロット。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
定義
本発明を更に詳細に論じる前に、まず以下の用語及び慣習を定義する。
【0026】
「バクテリオシン」という用語は、微生物に対して活性であるが産生菌に害を及ぼさない、細菌によって産生される抗菌ペプチド又はタンパク質を指す。本発明の目的のために、バクテロシン(bacterocin)又はバクテロシン(bacterocin)源は、一般に、食品製品での使用に適した抗菌剤を含む。特に好ましい抗菌剤としては、「ランチビオティック」(すなわち、ランチオニン及びベータ-メチルランチオニンを含有するポリペプチド)が挙げられる。そのようなランチビオティックの非限定的な例は、ナイシン、例えばナイシンA若しくはナイシンZ、又はナイシン類似体若しくは関連するランチオニン含有ペプチド、例えばペディオシン、ラクトシン(lactosin)、ラクタシン(lactacin)(例えば、ラクティシンA、ラクティシンB、ラクタシンF)、カモシン、エンテロシン、プランタリシン、サブチリン、エピデルミン、シンナマイシン、デュラマイシン、アンコベニン、Pep5などであり、個別又はそれらの任意の組合せである。本発明において有用な他のバクテロシン(bacterocin)としては、例えば、ラクトコッシン(例えば、ラクトコッシンA、ラクトコッシンB、ラクトコッシンM)、ロイコシン、メセンテリシン、ヘルベチカン(helvetican)、アシドフィルシン(acidophilucin)、カセイシンなどが、個別に又は任意の組合せで含まれる。
【0027】
「プランタリシン」という用語は、ラクチプランチバチルス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)由来のバクテリオシンを指し、プランタリシンの主な種類には、プランタリシンA、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンJ、プランタリシンK、プランタリシンC、プランタリシンD、プランタリシンW、プランタリシンT及びプランタリシンSが含まれる。他のプランタリシン、例えばプランタリシン35d、プランタリシンMG、プランタリシン423、プランタリシン154、プランタリシン149、プランタリシン163、プランタリシンLC74、プランタリシンK25、プランタリシンST31、プランタリシンSA6も含まれる。特に、広域スペクトルのプランタリシン、例えばプランタリシンF、プランタリシンDL3、プランタリシンZJ008、プランタリシンMG、プランタリシンQ7、プランタリシンKL-1Y、プランタリシン163、プランタリシン154。
【0028】
本明細書で使用される場合、「発酵」という用語は、乳酸発酵、すなわち、かなりの量の乳酸及び/又は他の有機酸を形成する炭水化物の酵素分解を意味する。「乳酸菌」という用語は、ラクトバチルス目の細菌、並びにラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、レンサ球菌属、及びペディオコッカス属などの種を含む。ビフィドバクテリウム目も含まれる。
【0029】
「上清」という用語は、乳酸菌の発酵からの発酵ブロスを指す。上清は、発酵産物、発酵ブロスからの基質及び細胞物質の両方を含む粗であってもよい。
【0030】
本発明による組成物は、水、発酵副産物、有機酸、脂肪酸、生育培地、培養エネルギー源、緩衝液及び/又は機能性食品成分を含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含んでもよい。
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、食用物質の微生物発生を制御するための組成物であって、組成物が、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されたバクテリオシンを含む上清と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された少なくとも1つの二次的抗菌剤とを含み、食用物質の官能特性が有意に変化しない、組成物に関する。
【0032】
「無細胞の上清」という用語は、生きた細胞が除去された上清を指す。無細胞の上清(CFS)は、1000CFU/ml未満の生細胞を含む。CFSは、死細胞からの細胞物質を含むことができる。
【0033】
本発明の一実施形態では、組成物は、その組成物の10CFU/g未満、例えばその組成物の10CFU/g未満、例えばその組成物の1CFU/g未満の生細菌の濃度を含む。
【0034】
「発酵副生成物」は、ソルベート、プロピオネート、ベンゾネート、ラクテート、アセテートを含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含んでもよく、かつ/又はフェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、3-ヒドロキシプロパンアルデヒド、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、過酸化水素、エタノール、酢酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、二酸化炭素、炭酸、プロパン酸、酪酸、環状ジペプチド、シクロ(L-Phe-L-Pro)、シクロ(L P-Traps-4-OH-L-Pro)、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-cicドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、及び3-(R)-ヒドロキシ-テトラデカン酸を含む群から選択される少なくとも1つの抗菌性乳酸産生菌代謝産物を含んでもよい。
【0035】
本明細書で使用される「阻害」という用語は、望ましくない細菌などの微生物の死滅、又は微生物の生育の制御を意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「貯蔵寿命」という用語は、食品製品が小売顧客に販売可能な状態を維持する期間を意味する。
【0037】
例えば、従来の肉加工では、新鮮な肉及び肉副生成物の貯蔵寿命は、動物の屠畜後、約30~40日である。この期間中肉を冷蔵することで、病原性細菌の生育が大きく阻止及び/又は遅延され、程度は低いが腐敗細菌についても同様である。しかし、約30~40日後には、冷蔵では腐敗細菌の増殖を許容レベル未満に効果的に制御することができなくなる。この期間を過ぎた肉製品上に存在する腐敗細菌は、肉表面上のタンパク質及び糖を同化し、望ましくない副生成物を生成し始める場合がある。腐敗細菌はまた、肉を変色させるように作用し、そのような肉を魅力的ではなく、ヒトが消費するのには望ましくない状態にする可能性がある。
【0038】
本明細書で使用される「腐敗細菌」という用語は、食物を腐敗させる作用のある任意の種類の細菌を指す。腐敗細菌は、食品製品がヒト又は動物の消費に適さない又は望ましくない状態になる程度まで生育及び増殖する可能性がある。細菌は、そのような表面上の糖及びタンパク質を同化することによって、食物表面上で増殖することができる。腐敗細菌はこれらの成分を代謝することにより、二酸化炭素、メタン、窒素化合物、酪酸、硫黄化合物、などの望ましくないガス及び酸を含む副生成物を生成し、このような食品を消費者に販売できない状態にすることが多い。
【0039】
腐敗細菌の制御に加えて、食品加工産業における別の重大な関心事は、病原性細菌の生育を制御することである。本明細書中で使用されるとき、用語「病原性細菌」とは、動物又はヒトにおいて疾患又は疾病を引き起こす可能性のある任意の食中毒生物のことを指す。病原性細菌という用語は、食用物質に感染し、それによって哺乳動物による消費後に疾患又は疾病を引き起こす可能性のある細菌、並びに疾患又は疾病を引き起こす毒素を産生する細菌を含むと理解されるであろう。食品製品上の病原性細菌の増殖は、重篤な疾病を引き起こす可能性があり、食中毒によって引き起こされる死亡者数に示されるように、致命的である場合がある。本明細書で使用される「望ましくない細菌」という用語は、腐敗細菌及び病原性細菌の両方を指す。
【0040】
「食用物質」又は「食用製品」という用語は、ヒト又は動物が経口摂取しても安全な物質又は製品を指し、食品及び飼料製品並びに食品又は飼料製品の原料を包含する。
【0041】
本明細書で使用される「食品製品」という用語は、食品の表面上の微生物の生育及び増殖の結果として腐敗しやすい任意の食品を指す。そのような食品製品には、肉、野菜、果実及び穀物が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明による野菜は、野菜ベース又は植物ベースの製品に関するものであってもよい。野菜ベース又は植物ベースの製品は、ビーガン肉製品又は野菜肉製品又は植物肉製品であってもよい。ビーガン肉製品とは、ホエイ、カゼイン、動物性タンパク質又は卵などの動物性成分を含まない食品製品である。野菜肉製品又は植物肉製品は、いくつかの動物性成分、好ましくは少量の、例えばホエイ、カゼイン、動物性タンパク質又は卵を含む野菜又は植物に基づく製品であってもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「肉」という用語は、ヒト又は動物によって消費される動物界の動物由来の任意の新鮮な肉製品、加工肉又は肉副生成物を指し、ウシ、ヒツジ、ブタ、家禽、カエル、魚及び甲殻類の海産食品由来の肉を含むがこれらに限定されない。したがって、本発明の主な用途の1つは、食肉処理施設における哺乳動物の屠畜で処理される食肉に関するものであるが、本発明は、魚、家禽及び海産食品並びに培養肉を含む他の食用肉製品の加工に適用されることを明確に理解されたい。更に、この方法は、微生物による腐敗を受けやすい果実、野菜及び穀物などの非動物性食品製品の保存に関連して使用されることも考えられている。
【0044】
好ましい実施形態では、肉は培養肉である。「培養肉」以外にも、人工肉(artificial meat)、代替肉(meat substitute)、肉類似物(meat analogue)、健康的な肉(healthy meat)、屠畜不要の肉(slaughter-free meat)、試験管肉(in-vitro meat)、バット生育(vat-grown)肉、実験室生育肉(lab-grown meat)、細胞ベースの肉(cell-based meat)、クリーンミート(clean meat)、栽培肉(cultivated meat)及び合成肉(synthetic meat)という用語はすべて、そのような製品を説明するために様々な出口によって使用されている。典型的には、培養肉は蒸気細胞(steam cell)から生育される。培養肉の最初の説明のいくつかは、ヒトが消費するための組織工学によって作製された肉の製造に関する米国特許第6,835,390号明細書に記載されており、筋肉及び脂肪細胞を統合的に生育させて、牛肉、家禽及び魚などの食品製品を作製するものである。
【0045】
ここで、並びに「約(about)」又は「ほぼ、(approximately,)」などの用語によって特徴付けられる本発明で与えられる範囲のすべての記述において、正確な数値範囲が「約(about)」又は「ほぼ(approx.)」又は「ほぼ、(approximately,)」などの表現で示される必要はなく、代わりに、示された数に関して上下のわずかな偏差さえも依然として本発明の範囲内であることは当業者には明らかであろう。
【0046】
「哺乳動物」には、ヒト、霊長類、家畜、競技用動物、げっ歯類及びペットが含まれるが、これらに限定されない。非ヒト動物被験体の非限定的な例としては、マウス、ラット、ハムスター及びモルモットなどのげっ歯類;ウサギ;イヌ;ネコ;ヒツジ;ブタ;子ブタ;雌ブタ;家禽;七面鳥;ブロイラー;ミンク;ヤギ;ウシ;ウマ;並びに類人猿及びサルなどの非ヒト霊長類が挙げられる。
【0047】
本教示の更に別の実施形態によれば、発酵副産物は、ランチビオティック及び/又は非ランチビオティックである少なくとも1つのバクテリオシンを含む。本教示の別の実施形態によれば、発酵副生成物は、ナイシンA、ナイシンZ、ナイシンQ、ナイシンF、ナイシンU、ナイシンU2、サリバルシン(salivarcin)X、ラクティシンJ46、ラクティシン481、ラクティシン3147、サリバルシン(salivarcin)A、サリバルシン(salivarcin)A2、サリバルシン(salivarcin)A3、サリバルシン(salivarcin)A4、BHT-Aa、BHT Ab、サリバルシン(salivarcin)A5、サリバルシン(salivarcin)B、ストレプチン、サリバリシンAl、ストレプチン、ストレプトコッシン(streptococcin)A-FF22、ムタシンBNY266、ムタシン1140、ムタシンK8、ムタシンII、smbAB、ボビシンHJ50、ボビシンHC5、マセドシン(macedocin)、ロイコシンC、サカシン5X、エンテロシンCRL35/ムンディティシン、アビシンA、ムンディティシンI、エンテロシンHF、ババリシン(bavaricin)A、ウベリシン(ubericin)A、ロイコシンA、メセンテリシンY105、サカシンG、カルバシン(curvacin)A/サカシンA、ラクトシン5、シクトライシン(cyctolysin)、エンテロシンA、ジベルシン(divercin)V41、ジベルシンM35、ババリシン、コアギュリン、ペディオシンPA-1、ムンディティシン、ピシコシン(piscicocin)CS526、ピシコシン126/Vla、サカシン、Pカルノバクテリオシン(Pcarnobacteriocin)BM1、エンテロシンP、ピシコイン(piscicoin)Vlb、ペノシン(penocin)A、バクテリオシン31、バクテリオシンRC714、ヒラシン(hiracin)JM79、バクテリオシンT8、エンテロシンSE-K4、カルノバクテリオシンB2及びプランタリシンを含む群から選択される少なくとも1つの更なるバクテリオシンを含む。
【0048】
本発明はまた、バクテリオシン産生乳酸菌からの上清と組み合わせた食用食品物質を含有する食品混合物を提供する。食品混合物は、食品混合物中の食品腐敗又は病原性生物の生育を阻害するレベルのバクテリオシン及び/又は有機酸及び/又は発酵副生成物を提供するのに有効な乳酸菌のCFSを含む。食用物質の官能特性は、上清の存在によって大きく変化することはない。
【0049】
本発明は、肉などの食品製品に有効量の上清を接種することにより、食品製品を保存する方法を含む。本発明で使用される上清は、肉などの食品製品の悪臭又は変色を本質的に生じさせず、したがって食品製品の貯蔵寿命を延ばすように作用する。本発明は、具体的には、家禽の肉、牛肉、豚肉、羊肉、魚介類、培養肉、並びに乳製品、野菜、果実及び穀物の保存に適用可能である。
【0050】
この方法は、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、エスケリヒア・コリ(Escherihia coli)、サルモネラ、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)などの病原体、及びストレプトコッカス・フェカーリス(Streptococcus faecalis)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、シュードモナス・プトレファシエンス(Pseudomonas putrefaciens)などの食品腐敗生物を含む、食品物質中の汚染物質であり得る低温性細菌を含む任意の食品媒介病原体及び/又は食品腐敗生物の生育を阻害するのに有用である。食品腐敗生物の生育を阻害することによって、本方法を使用して食品製品の貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0051】
本発明の好ましい実施形態では、乳酸菌によって産生されるバクテリオシンは、プランタリシンF、プランタリシンDL3、プランタリシンZJ008、プランタリシンMG、プランタリシンQ7、プランタリシンKL-1Y、プランタリシン163、プランタリシン154などのバクテリオシンを含む、広域バクテリオシンからなる群から選択されるプランタリシンである。
【0052】
本発明の好ましい実施形態では、乳酸菌によって産生されるバクテリオシンはプランタリシンFである。
【0053】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも2つの異なるバクテリオシンが乳酸菌によって産生される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、乳酸菌によって産生される2つの異なるバクテリオシンは、2つの異なるプランタリシンである。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、乳酸菌によって産生される異なるバクテリオシンは、プランタリシンF及び少なくとももう1つのプランタリシンである。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも3つの異なるバクテリオシンが乳酸菌によって産生される。
【0057】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも4つの異なるバクテリオシンが乳酸菌によって産生される。
【0058】
別の態様では、本教示は、実質的に病原体及び/又は腐敗微生物を含まない食用組成物を開示する。実質的に病原体及び/又は腐敗微生物を含まない食用組成物は、(i)(a)バクテリオシン産生乳酸菌からの無細胞の上清及び(b)発酵から産生された発酵副産物を含む適用と、(ii)無細胞の上清を含む食用製品とを含む。
【0059】
実質的に病原体及び/又は腐敗微生物を含まない食用組成物はまた、風味増強剤、パラタント(palatant)、塩、安定化剤、食品コーティング安定剤、香料、結合剤、色、及び着色剤を含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含み得る。好ましくは、実質的に病原体及び/又は腐敗微生物を含まない食用組成物は、食用製品1グラム当たり約10000CFU未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物を含む。より好ましくは、食用製品1グラム当たり約1000CFU未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物である。より好ましくは、食用製品1グラム当たり約100CFU未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物である。より好ましくは、食用製品1グラム当たり約10CFU未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物である。新鮮な肉は、約5.3~約7のpHを有することが知られている。約4未満のpHレベルでは、腐敗細菌及び病原性細菌の大部分は死滅するか、その生育が大幅に阻害及び/又は阻止される。新鮮な肉を有効量の酢酸又は乳酸などの弱い有機酸と接触させると、肉のpHが約pH3から約pH5、好ましくは約4に低下する。赤身肉の表面を酸性化することで、他の有益な効果もある。有機酸は、肉を還元状態に維持する作用があり、それによって肉の望ましい赤色を維持する。したがって、本発明は、肉製品、加工肉、培養肉の表面に酸性環境を作り出すための方法、又は粉砕肉若しくは挽肉、若しくはカラスムギ粉などの植物性物質を組み込んだ培養肉製品に有用な方法を含む。
【0060】
本発明は、一部の種の乳酸菌が、乳酸菌が存在しなくなり、食用物質の発酵がなくなった場合であっても、食品媒介病原体及び食品腐敗生物の生育を阻害するのに有効な量のバクテリオシンを上清中に産生するという発見に基づいている。
【0061】
本発明は、食品物質をバクテリオシンを含むCFSと組み合わせることによって、食用物質に検出可能な風味、香り、テクスチャなどの官能変化を生じさせることなく、食用食品物質中の食品腐敗生物及び/又は食品媒介病原性生物の生育を阻害する方法を提供する。
【0062】
本発明によれば、好ましいバクテリオシン産生乳酸菌は、系統学上でラクトバチルス目に由来し、より好ましくは、バクテリオシン産生乳酸菌は、ラクトバチルス、パララクトバチルス、アセティラクトバチルス(Acetilactobacillus)、アグリラクトバチルス(Agrilactobacillus)、アミロラクトバチルス(Amylolactobacillus)、アピラクトバチルス、ボンビラクトバチルス(Bombilactobacillus)、コンパニラクトバチルス(Companilactobacillus)、デラグリオア(Dellaglioa)、フルクチラクトバチルス(Fructilactobacillus)、フルフリラクトバチルス(Furfurilactobacillus)、ホルザプフェリア(Holzapfelia)、ラクチカゼイバチルス、ラクチプランチバチルス、ラピディラクトバチルス(Lapidilactobacillus)、ラチラクトバチルス(Latilactobacillus)、レンチラクトバチルス、レビラクトバチルス、リジラクトバチルス、リモシラクトバチルス、リコリラクトバチルス、ロイゴラクトバチルス、パウチラクトバチルス(Paucilactobacillus)、シェライフェリラクトバチルス及びセクンディラクトバチルス科の種から選択される。
【0063】
好ましい実施形態において、バクテリオシン産生乳酸菌は、ラクチプランチバチルスである。
【0064】
本発明によれば、CFSは、pH、又は食用物質の風味、芳香、色若しくはテクスチャなどの官能特性を有意に変化させないことが好ましい。
【0065】
乳酸菌によるバクテリオシン産生及び食品混合物中のバクテリオシンの生育阻害活性を最適化するために、食品混合物のpHは約pH4~8、より好ましくは約pH4.5~6に維持することが好ましい。pHは、例えば、食品混合物の固有の緩衝液によって所望のレベルに維持されてもよい。
【0066】
Twomey,D.ら、Lantabiotics Produced by Lactic Acid Bacteria:Structure,Function and Applications,Antonie van Leeuwenhoek,82:15-185,2002、及びCleveland,J.ら、「Bacteriocins:Safe,Natural Antimicrobials for Food Preservation」Int´l J.Food Micro.、71(2001)1~20に記載されているように、バクテリオシンは一般に、食品中の病原性微生物及び腐敗微生物を阻害するのに有効であることが知られている。バクテリオシンは、一般に、細胞質膜に細孔を形成することによって感受性細胞に作用すると理解されている。これにより、上記のTwomeyら及びClevelandらによって記載されているように、プロトン駆動力が消散し、グルタメート及びATPのような小さな細胞内分子が放出される。これにより、細胞は透過性を持ちながらも、その環境における生化学的プロセスに依然として関与することができる。そのような「漏れやすい」細胞の生成を助ける界面活性剤による細胞の処理は、国際公開第01/47366号パンフレットに記載されている。この活性は、典型的には、精製バクテリオシンによって、又はバクテリオシン産生菌と病原性微生物及び腐敗微生物との共生育によって得られる。
【0067】
本発明では、少なくとも1つの二次的抗菌剤がバクテロシン(bacterocin)と組み合わせてCFSに含まれていてもよい。
【0068】
本発明による組成物は、バクテリオシン、有機酸、及びバクテリオシン産生菌の発酵から産生される1つ又は複数の代謝産物(少なくとも1つの二次的抗菌剤など)を含んでもよい。
【0069】
有機酸は、乳酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸又は2-ヒドロキシイソカプロン酸から選択されてもよい。
【0070】
本発明の一実施形態では、組成物は、バクテリオシン、有機酸、及びバクテリオシン産生菌の発酵から産生される代謝産物(少なくとも1つの二次的抗菌剤など)から実質的になる。
【0071】
バクテリオシン産生菌の発酵から産生される少なくとも1つの二次的抗菌剤は、金属キレート剤、有機酸、脂肪酸、短鎖遊離脂肪酸のうちの1つ又は複数から選択されてもよい。
【0072】
本発明の一実施形態では、組成物は、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されたバクテリオシン、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸、及びバクテリオシン産生菌の発酵から産生された少なくとも1つの代謝産物(少なくとも1つの二次的抗菌剤など)を含む。
【0073】
本発明の更なる実施形態では、組成物は、追加の有機酸及び/又は追加の脂肪酸及び/又は追加の塩を含まない。
【0074】
少なくとも1つの二次的抗菌剤は、好ましくは、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されてもよい。
【0075】
このような二次的抗菌剤の例には、金属キレート剤(例えば、クエン酸など)、有機酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、短鎖遊離脂肪酸、プロトンイオノフォア(例えば、ソルビン酸、安息香酸など)、乳酸抗菌剤(例えば、ラクトフェリン、ラクトリピッドなど)、モノグリセリド(例えば、モノリノレニン、モノラウリン等)、ホップ酸などの1つ又は複数が含まれ得る。使用される場合、これらの二次的抗菌剤は、一般に、約0.01~約0.5%のレベルで存在する。有機酸の場合、CFS中の濃度は約0.5~7%とより高い。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、発酵副生成物は、ぎ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-メチル-プロパン酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、3-メチル-ブタン酸、4-メチル-ペンタン酸から選択される短鎖脂肪酸(SCFA)である。
【0077】
好ましい組合せには、バクテリオシン及び有機酸が含まれる。
【0078】
好ましい組合せには、少なくとも1つのバクテリオシン及び少なくとも1つの有機酸及び少なくとも1つのSCFAが含まれる。
【0079】
発酵副生成物は、バクテリオシン、プランタリシン、過酸化水素、リポテイコン酸(lipoteichonic acid)、テイコン酸(teichonic acid)、塩、糖タンパク質、及び酸性ムチンを含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含んでもよい。
【0080】
本教示の一実施形態によれば、発酵副産物は、フェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、3-ヒドロキシプロパンアルデヒド、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、過酸化水素、エタノール、酢酸、二酸化炭素、炭酸、プロパン酸、酪酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、環状ジペプチド、シクロ(L-Phe-L-Pro)、シクロ(L P-Traps-4-OH-L-Pro)、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-cicドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、及び3-(R)-ヒドロキシテトラデカン酸を含む群から選択される少なくとも1つの抗菌性乳酸産生菌代謝産物を含む。
【0081】
本教示の別の実施形態によれば、発酵副産物は、ランチビオティック(クラスII)又は非ランチビオティック(クラスII)である少なくとも1つのバクテリオシンを含む。本教示の更に別の実施形態によれば、発酵副産物は、プランタリシンA、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンJ、プランタリシンK、プランタリシンC、プランタリシンD、プランタリシンW、プランタリシンT、プランタリシンS、プランタリシン35d、プランタリシンMG、プランタリシン423、プランタリシン154、プランタリシン149、プランタリシン163、プランタリシンLC74、プランタリシンK25、プランタリシンST31、プランタリシンSA6を含む群から選択される少なくとも1つのバクテリオシンを含む。特に、広域スペクトルのプランタリシン、例えばプランタリシンF、プランタリシンDL3、プランタリシンZJ008、プランタリシンMG、プランタリシンQ7、プランタリシンKL-1Y、プランタリシン163、プランタリシン154、ナイシンA、ナイシンZ、ナイシンQ、ナイシンF、ナイシンU、ナイシンU2、サリバルシン(salivarcin)X、ラクティシンJ46、ラクティシン481、ラクティシン3147、サリバルシン(salivarcin)A、サリバルシン(salivarcin)A2、サリバルシン(salivarcin)A3、サリバルシン(salivarcin)A4、サリバルシン(salivarcin)A5、サリバルシン(salivarcin)B、ストレプチン、サリバリシンAl、ストレプチン、ストレプトコッシンA-FF22、BHT-Aa、BHT Ab、ムタシンBNY266、ムタシン1140、ムタシンK8、ムタシンII、smbAB、ボビシンHJ50、ボビシンHC5、マセドシン、プランタリシンW、ラクトシン5、シクトライシン(cyctolysin)、エンテロシンA、ジベルシンV41、ジベルシンM35、ババリシン、コアギュリン、ペディオシンPA-1、ムンディティシン、ピシコシンCS526、ピシコシン126/Vla、サカシンP、ロイコシンC、サカシン5X、エンテロシンCRL35/ムンディティシン、アビシンA、ムンディティシンI、エンテロシンHF、ババリシンA、ウベリシンA、ロイコシンA、メセンテリシンY105、サカシンG、プランタリシン423、プランタリシンC19、カルバシンA/サカシンA、カルノバクテリオシンBM1、エンテロシンP、ピシコインVlb、ペノシンA、バクテリオシン31、バクテリオシンRC714、ヒラシンJM79、バクテリオシンT8、エンテロシン、又はカルノバクテリオシン。
【0082】
1つの好ましい実施形態では、CFSは、以下の群から選択される少なくとも2つのプランテリシン(plantericin)を含む;プランタリシンA、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンJ、プランタリシンK、プランタリシンC、プランタリシンD、プランタリシンW、プランタリシンT、プランタリシンS、プランタリシン35d、プランタリシンMG、プランタリシン423、プランタリシン154、プランタリシン149、プランタリシン163、プランタリシンLC74、プランタリシンK25、プランタリシンST31、プランタリシンSA6。
【0083】
特に、広域スペクトルのプランタリシン、例えばプランタリシンF、プランタリシンDL3、プランタリシンZJ008、プランタリシンMG、プランタリシンQ7、プランタリシンKL-1Y、プランタリシン163、プランタリシン154の群から選択される少なくとも1つのプランタリシン。
【0084】
本発明の一実施形態では、プランタリシンは、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンA、及び/又はプランタリシンJの1つ又は複数である。
【0085】
好ましくは、プランタリシンは、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンA、及び/又はプランタリシンJの2つ以上の組合せに関し、例えば、ランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンA、及び/又はプランタリシンJの3つ以上、例えば、4つ全ての組合せに関する。
【0086】
一実施形態では、本発明で使用される好ましいバクテリオシンは、以下のバクテリオシン産生菌のうちの1つの発酵によるものである;ワイセラ・ビリデスセンス(Weissella viridescens)LB10G(DSM32906)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)LB113R(DSM32907)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB244R(DSM32996)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB116R(DSM32908)、レビラクチバチルス・ブレビス(Levilactibacillus brevis)LB152G(DSM32995)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB28R(DSM32994)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)LB276R(DSM32997)、ロイコノストック・メセンテリオデス(Leuconostoc mesenteriodes)LB349R(DSM33093)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB316R(DSM33091)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB356R(DSM33094)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB312R(DSM33098);及び/又はこれらの任意の組合せ。
【0087】
本発明で使用される好ましいバクテリオシンは、プランタリシンFである。プランタリシンFは、例えばDSMZ(DSM32996)に寄託されたラクチプランチバチルス・プランタラムLB244R及び例えばDSMZ(DSM33094)に寄託されたラクチプランチバチルス・プランタラムLB356Rから産生される。
【0088】
プランタリシンなどのバクテリオシンを含むCFSを提供する最も簡単な方法は、発酵後にバクテリオシンを含むCFSを乾燥させて、粉末又は濃縮スラリーを生成することである。
【0089】
固体物質は、発酵後に濾過又は生育培地からの遠心分離によって除去することができる。低分子量化合物は、膜ろ過、特に逆浸透によって除去することができる。脱脂粉乳(NFDM)などの食品用乾燥助剤を使用して、バクテリオシンを含有する溶液を乾燥させることができる。バクテリオシンはタンパク質性物質であり、沈殿によって、又は逆浸透などの他の周知の技術によって生育培地から分離又は単離することもでき、その後純粋な形態で乾燥させることができる。
【0090】
本発明の一実施形態では、CFSは濃縮される。
【0091】
本発明の更なる実施形態では、CFSは、分離、単離、又は精製されたバクテリオシンを含まない。本発明の一実施形態では、CFSは、分離、単離又は精製を行わずに濃縮される。
【0092】
本発明の更なる実施形態では、組成物又はCFSは、発酵ブロスからのミネラル及び/又は塩を含む。濃縮には、濾過、沈降、遠心分離、真空引き、デカンテーション、乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥及び蒸発を含む群から選択される少なくとも1つの技術を使用して、発酵した生育培養物から一定量の流体部分を分離することが含まれてもよい。無細胞上清の製造方法は、発酵した無細胞上清を乾燥させることを更に含んでもよい。
【0093】
1つの好ましい実施形態において、CFSは、水を除去することによって濃縮される。
【0094】
1つの好ましい実施形態において、CFSは、水を除去することによって2倍に濃縮される。
【0095】
1つの好ましい実施形態において、CFSは、水を除去することによって3倍に濃縮される。
【0096】
1つの好ましい実施形態において、CFSは、水を除去することによって2倍以上に濃縮される。
【0097】
1つの好ましい実施形態において、CFSは、水を除去することによって濃縮され、乾燥粉末を得る。
【0098】
バクテリオシンは、PA-1などのバクテリオシンを食品1グラム当たり1~100万任意単位(AU)の量で食用物質中に使用することが好ましい。寒天プレート上のグラム陽性細菌の指標株の菌叢に明確な生育阻害ゾーンをもたらす培養上清の最大希釈の5マイクロリットルとして、バクテリオシンのAUを定義した。
【0099】
有機酸は、約1~7%の重量濃度で食用物質に使用することが好ましい。例えば、重量で1~2%の乳酸及び1.5~3.0%の有機酸。
【0100】
有機酸は、好ましくは乳酸、酢酸、酒石酸、プロピオン酸2-ヒドロキシイソカプロン酸から選択される。
【0101】
CFSに任意選択で添加することができる更なる成分は塩又は塩様物質であり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、海塩及び塩化カルシウムを含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含んでもよい。本教示の別の実施形態によれば、結合剤及び/又はシネレシス制御物質が添加される。結合剤、安定剤又はシネレシス制御物質は、エンドウ豆粉末、アラビアガム、グアーガム、親水コロイド、カルボキシメチルセルロース、ローカストビーンガム、カシアガム、カラギーナン、イオタカラギーナン、カッパカラギーナン、乳、乳製品、乳タンパク質、カゼイン、ブタ血漿、組織状植物タンパク質、グルテン、コーングルテン、小麦グルテン、デンプン、コーンスターチ、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカスターチ、ソルガムスターチ、エンバクスターチ、大豆、大豆タンパク質、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、卵、卵由来物、トランスグルタミナーゼ、ゼラチン及び多糖類を含む群から選択される少なくとも1つのメンバであり得る。特に、そのような物質は、高水分食品において、例えば肉ベースの食品製品で生じるシネレシスの影響を緩和するのに有用である可能性がある。肉、野菜、果物、ペットフード、ペット用おやつ又はそれらの任意の混合物などの食品を安定させるために、緩衝剤(例えば、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム)を使用してもよい。
【0102】
保存用のCFS組成物は、有利には、他のプロバイオティクス、プレバイオティクス、又は他の活性物質を更に含んでいてもよく、及び/又は好ましくは、抗酸化剤、ビタミン、補酵素、脂肪酸、アミノ酸及び補因子から選択される物質の1つ又は複数も含んでいてもよい。
【0103】
本発明の好ましい実施形態は、食用物質の微生物制御発生を制御するための組成物であって、組成物が、バクテリオシン産生菌の発酵から産生されたバクテリオシンを含む上清を含み、食用物質の官能特性が有意に変化しない、組成物に関する。
【0104】
好ましくは、上清中の生細胞の濃度は、その組成物の10CFU/g未満、例えばその組成物の10CFU/g未満、例えばその組成物の1CFU/g未満であってもよい。
【0105】
本発明の一実施形態において、上清中のバクテリオシンは、発酵後にその元の量の少なくとも2倍の量に濃縮される。
【0106】
本発明の実施形態では、バクテリオシン産生菌は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ラアムノサス(Lactobacillus rahamnosus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、サッカロマイセス・ボウラルディ(Saccharomyces boulardii)、ラクトバチルス・サリバラス(Lactobacillus salivarus)、バクテロイデスspp、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・デルブルセキーsppブルガリカス(Lactobacillus delbrucekii spp bulgaricus)、ラクトバチルス・セリビオサス(Lactobacillus cellibiosus)、ラクトバチルス・カルバタス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アドレッセンツ(Bifidobacterium adolescsents)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・サーモフィリウム(Bifidobacterium thermophilium)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス(Streptococcus diacetylactis)、ストレプトコッカス・インターメディアス(Streptococcus intermedius)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ストレプトコッカス・サーモフィレス(Streptococcus thermophiles)、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius subsp.Thermophilus)、バチルス・セレウス、プロプリオニバクテリア・フロインデンライヒ(Proprionibacteria freundenreichii)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)(L.スポレゲネス(L.sporegenes))、オキサロバクター・ホルマゲネス(Oxalobacter formagenes)、ビフィドバクテリウム・ビフィダス(Bifidobacterium bifidus)、及びロイコノストック・メセンテロイデスを含む群から選択される。
【0107】
本発明の好ましい実施形態は、食品製品又は飼料製品を含む食用物質と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清を含む組成物とに関する。
【0108】
本発明は、食品製品又は飼料製品を含む食用物質と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清から実質的になる組成物とに関するものであってもよい。
【0109】
上清は、バクテリオシン産生菌を実質的に含まない。
【0110】
病原性微生物、特に病原性細菌の濃度が10CFU/グラム食用物質未満、例えば10CFU/グラム食用物質未満、例えば10CFU/グラム食用物質未満であり得る本発明の実施形態では、好ましくは、病原性微生物、特に病原性細菌の濃度は検出できない場合がある。
【0111】
上清は、2.5~6.5の範囲、例えばpH3.0~6.0の範囲、例えば3.5~5.5の範囲、例えばpH4~5の範囲のpH値を含んでもよい。
【0112】
本発明の一実施形態では、バクテリオシン産生菌の発酵を促進するために、発酵中に発酵ブロスに塩を添加してもよい。添加される塩は、好ましくは塩化ナトリウム(NaCl)であってもよい。
【0113】
塩は、2%(w/w)未満の濃度、例えば1.5%(w/w)未満の濃度、例えば1%(w/w)未満の濃度で発酵ブロスに添加されてもよい。
【0114】
本発明の一実施形態では、上清の塩濃度は、2%(w/w)未満、例えば1.5%(w/w)未満、例えば1%(w/w)未満、例えば0.75%(w/w)未満、例えば0.5%(w/w)未満であってもよい。
【0115】
本発明の更なる実施形態では、食用物質中の病原性微生物、特に病原性細菌の濃度は、食用物質中の病原性微生物の元々の濃度に対して少なくとも10%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも98%減少してもよい。
【0116】
病原性微生物は、大腸菌、ブドウ球菌(S.エンテリカ(S.enterica)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)など)、カンピロバクター、クロストリジウム(ボツリヌス菌など)、リステリア(リステリア・モノサイトゲネスなど)、サルモネラ、赤痢菌、又はこれらの組合せであってもよい。好ましくは、病原性微生物は、大腸菌、ブドウ球菌(S.エンテリカ、黄色ブドウ球菌など)、又はこれらの組合せであってもよい。]
【0117】
本発明の一実施形態は、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清を含む組成物によって保存された食用物質であって、食用物質の官能特性が有意に変化しない食用物質に関する。
【0118】
本発明の一実施形態では、食用物質は、本発明による実質的に病原体及び/又は腐敗微生物を含まない食品組成物を含む。好ましくは、食用物質は、その食用物質1グラム当たり約10cfu未満の病原体及び/又は食品腐敗微生物を含む。
【0119】
好ましくは、本発明による組成物は、食品保存剤であってもよく、又は食品保存剤として使用されてもよい。
【0120】
本発明の一実施形態は、食品保存剤の製造方法であって、その方法が、
(i)生育培地及びエネルギー源を含む生育培養物中にバクテリオシン産生菌を混合するステップと、
(ii)上記バクテリオシン産生菌を、上記生育培養物の存在下で発酵させて、バクテリオシン産生菌及びバクテリオシンを含む発酵した生育培養物を産生するステップと、
(iii)上記バクテリオシン産生菌を除去して実質的に無細胞の上清を得るステップと、
(iv)任意選択で、上記上清中の上記バクテリオシンを濃縮するステップと
を含む、方法に関する。
【0121】
本発明の一実施形態では、バクテリオシンは、生育培養物中で生育した細菌によって分泌され得る。
【0122】
好ましくは、本発明の上清は、バクテリオシン産生菌の破壊、溶解又は分解を伴わずに提供され得る。バクテリオシン産生菌の破壊を回避することにより、上清中に不純物が存在しないため、上清中のバクテリオシンの濃度を高めることができ、かつ/又はより強い活性を有することができる。
【0123】
本発明の一実施形態では、バクテリオシンは細胞外バクテリオシンであってもよい。
【0124】
「細胞外バクテリオシン」という用語は、バクテリオシン産生菌によって排泄され、発酵ブロス中で利用可能なバクテリオシンに関する。
【0125】
本発明による上清は、発酵副生成物を不活性化することなく水を除去することによって濃縮することができる。
【0126】
濃縮(又は水の除去)は、沈降、遠心分離、真空引き、デカンテーション、乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥及び蒸発を含む群から選択される少なくとも1つの技術を使用して、上記発酵した生育培養物から一定量の水を分離することを含み得る。
【0127】
発酵は、好ましくは、約25℃~約40℃の温度で行うことができる。
【0128】
本発明の本発明の好ましい実施形態は、食用物質の製造プロセスであって、そのプロセスが、
(1)食品保存剤及び食品製品を得ることであって、その食品保存剤が、
(a)バクテリオシン産生菌の上清と、
(b)バクテリオシンと、
(c)任意選択で少なくとも1つの更なる抗菌剤と
を含む、得ることと、
(2)上記食品保存剤を上記食品製品の表面に適用して、病原体及び/又は腐敗微生物を実質的に含まない食用物質を製造することと
を含む、プロセスに関する。
【0129】
本発明の好ましい実施形態では、食品保存剤は、バクテリオシン産生菌の発酵から産生される少なくとも1つの代謝産物を含んでもよい。バクテリオシン産生菌の発酵から産生された少なくとも1つの代謝産物は、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された少なくとも1つの二次的抗菌剤を含んでもよい。好ましくは、バクテリオシン産生菌の発酵から産生される少なくとも1つの二次的抗菌剤は、金属キレート剤、有機酸、脂肪酸、短鎖遊離脂肪酸のうちの1つ又は複数から選択されてもよい。
【0130】
食用物質は、保存性(shelf-stable)食用物質であってもよい。保存性食用物質は、室温で、任意選択で密閉容器内に、安全に保存できる食用物質であってもよい。これには、通常は冷蔵保存されるが、有用に長い貯蔵寿命にわたって、室温又は周囲温度で安全に保存できるように処理された食用物質も含まれてもよい。
【0131】
本発明の好ましい実施形態は、食品製品又は飼料製品と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清及び上記バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸を含む組成物とを含む食用物質に関する。
【0132】
本発明の更に好ましい実施形態は、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された上清と、バクテリオシン産生菌の発酵から産生された有機酸とを含む組成物によって保存された食用物質であって、食用物質の官能特性が有意に変化しない食用物質に関する。
【0133】
本発明の一実施形態では、「実質的に含まない(substantially free of)」という用語は、食用物質の5%(w/w)以下、例えば4%(w/w)以下、例えば3%(w/w)以下、2%(w/w)以下、例えば1%(w/w)以下、0.1%(w/w)以下、例えば0.01%(w/w)以下の含有量に関する。
【0134】
保存性食用物質は、その保存性食用物質1グラム当たり約10cfu未満の上記病原体及び/又は上記腐敗微生物を含む。
【0135】
本発明の一実施形態では、食品保存剤は、上記食品製品に対する上記食品保存剤の重量比で約0.01%~約10%、例えば0.05~9%(w/w)、例えば0.1~8%(w/w)、例えば0.5~7%(w/w)、例えば1~6%(w/w)、例えば2~5%(w/w)、例えば3~4%(w/w)であり得る濃度で、上記食品製品の上記表面に適用されてもよい。
【0136】
本発明の更なる実施形態では、食品保存剤は、コーティング、噴霧、浸漬、霧吹き、エアロゾル化、貼付、及び霧化を含む群から選択される少なくとも1つの技術を用いて食品製品の表面に適用されてもよい。
【0137】
食品製品は、好ましくは、肉、肉製品、加工肉、生肉、発酵肉、キブル食品、キブル、冷蔵食品、冷蔵おやつ、冷凍食品、冷凍おやつ、ビスケット、生食品、おやつ、ソフトモイスト食品、ソフトモイストおやつ、ペレット、細片、砕片、サプリメント、ソース、ジュース、食事代替飲料、プロバイオティクス飲料、調理済み食品、即席ミール、機能性食品、機能性飲料、ホール果実、ホール野菜、調理済みサラダ材料、粉砕果実、粉砕野菜、調理済み食事、屠畜屠体、調理済み食品、肉片、肉塊、加工肉塊、加工タンパク質塊、家畜飼料、蒸気フレーク状飼料及び水産養殖飼料を含む群から選択される少なくとも1つのメンバを含み得る。
【0138】
食用物質は、6未満のpH、例えば5未満のpH、例えば4.5未満のpH、例えば4未満のpHを有してもよい。
【0139】
本発明の一実施形態では、食用物質を提供する方法は、包装された食用物質を提供する食用物質の包装を含んでもよい。
【0140】
本発明の更なる実施形態は、食用物質中の食品腐敗生物又は病原性生物の生育を阻害する方法であって、食品製品と、食品保存剤であって、食品保存剤が、バクテリオシンと、本発明による代謝産物である、本発明による第2の少なくとも1つの二次的抗菌剤、例えば金属キレート剤、有機酸、脂肪酸、短鎖遊離脂肪酸のうちの1つ又は複数、特に有機酸とを含み、食品保存剤が、食品製品を有意に発酵させる能力をもたず、食品保存剤が、食品物質にバクテリオシンを提供して食用物質中の食品腐敗生物又は病原性生物の生育を阻害するのに有効である、食品保存剤とを組み合わせることを含む方法に関する。
【0141】
好ましくは、食用物質の官能特性は、食品保存剤の存在によって大きく変化しない場合がある。
【0142】
食用物質は、約1~7℃の温度に保たれ得る。
【0143】
食用物質は、約pH4.5~約pH7未満のpHを含んでもよい。
【0144】
本出願で引用されたすべての特許及び非特許文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例において更に詳細に説明する。
【実施例
【0146】
実施例1
生育の阻害を、oCelloscope(BioSense Solution、デンマーク)を用いた位相差顕微鏡法(contrast phase microscopy)及び画像分析によって測定した。選択された病原体に対する無細胞の上清(CFS)の阻害効果を測定し、様々な乳酸菌(LAB)株を、修正を加えてFredborgらに従って試験した(Fredborg、M.、Andersen、K.R.、Jorgensen、E.、Droce、A.、Olesen、T.、Jensen,B.Bら(2013)「Real-Time Optical Antimicrobial Susceptibility Testing」、Journal of Clinical Microbiology、51(7)、pp.2047~2053.doi:10.1128/JCM.00440-13.)。病原性試験生物の一晩培養物を約10CFU/mlの濃度に希釈した。LABの一晩培養物(10CFU/ml)を0.2μmフィルターで濾過してすべての細胞を除去した。CFSを75%、50%、25%及び10%に希釈した。希釈した病原体細胞懸濁液100μLのアリコートを、96ウェルプレートで100μLの原液又は希釈したCFSと混合した。プレートを酸素透過性フィルムカバー(Sigma-Aldrich)で密封し、oCelloScope装置(BioSense Solution、デンマーク)で37℃で18時間インキュベートした。病原体の生育を、表面積の分割及び抽出(segmentation and extraction of surface area:SESA)として20分ごとに測定した。
【0147】
以下の試験病原体/腐敗微生物を使用した:
大腸菌(Eschericia coli)CCUG11775
サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)CCUG43791
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)MRSA USA300
【0148】
抗菌活性を有する以下の乳酸菌からのCFSを試験した:
ラクチプランチバチルス・プランタラムLB244R(DSM32996)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB316R(DSM33091)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB356R(DSM33094)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB312R(DSM33098)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB116R(DSM32908)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB113R(DSM32907)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB28R(DSM32994)、エンテロコッカス・フェシウムLB276R(DSM32997)、ロイコノストック・メセンテリオデス(Leuconostoc mesenteriodes)LB349R(DSM33093)、ワイセラ・ビリデスセンスLB10G(DSM32906)及びレビラクトバチルス・ブレビス(Levilactobacillus brevis)LB152G(DSM32995)
【0149】
最小発育阻止濃度(MIC)は、それぞれの病原体の生育を阻害できるCFSの最も希釈された濃度として決定した(表1)。
【0150】
【表1】
【0151】
実施例2
最も活性の高い2つの株のバクテリオシンを配列決定によって同定した。Baseclear(Leiden、オランダ)で配列を決定し、高速アノテーションサブシステム技術(Rapid Annotation Subsystem Technology)(RAST)サーバ(http://rast.nmpdr.org/)及びアノテーションプログラムであるバクテリオシン・ゲノム・マイニング・ツール(Bacteriocin Genome mining tool)、BAGEL4(http://bagel4.molgenrug.nl/index.php)などのサーバでアノテーションを行って、バクテリオシンをコードする可能性のある遺伝子を明らかにした、病原性又は疾患をコードする遺伝子のための全ゲノム。続いて、LB244R及びLB356Rのゲノム配列をBaseclearによってアノテーションした。
【0152】
LB244R及びLB356Rゲノム配列から、バクテリオシン産生に関与するいくつかの遺伝子を同定した(表2)。
【0153】
【表2】
【0154】
実施例3
発酵副生成物のためのメタボロミクス
メタボロミクスを3つの異なる培地発酵で行った。バクテリオシン産生乳酸菌LB244R及びLB356Rを、オオムギ又はホエイのいずれかから75℃で1時間炭水化物水抽出(carbohydrate water extraction)に基づいて異なる生育培地(1:麦芽大麦、2:小麦、3:大麦、4:大麦短抽出25分)で生育させ、オートクレーブ滅菌し、濾過した。異なる条件(1:30℃で48時間、2:30℃で48時間後保存、3:30℃で48時間、pH5.5に調整)で発酵させた。
【0155】
それぞれの発酵のにおい及び味は、中性であると評価された。上清を半極性代謝産物法(semi-polar metabolites method)によって分析した。試料の分析は、MS-Omics(ベドベック、デンマーク)により以下のように行った。
【0156】
試料を0.1%ぎ酸を含む10mMぎ酸アンモニウムで10倍希釈した。
【0157】
LC-MS法
分析は、高分解能四重極オービトラップ質量分析計(Q Exactive(商標)HF Hybrid Quadrupole-Orbitrap、Thermo Fisher Scientific)と組み合わせたUPLCシステム(Vanquish、Thermo Fisher Scientific)を使用して行った。イオン化源としてエレクトロスプレーイオン化インターフェースを使用した。分析は、負イオン化モード及び正イオン化モードで行った。化合物を同定するためにQC試料をMS/MSモードで分析した。UPLCは、Catalinらによって記載されたプロトコルをわずかに修正したバージョンを用いて実施した。(UPLC/MS Monitoring of Water-Soluble Vitamin Bs in Cell Culture Media in Minutes、Water Application note 2011、720004042en)。
【0158】
データ処理
データは、Compound Discoverer3.1(ThermoFisher Scientific)及びTraceFinder4.1(ThermoFisher Scientific)を用いて処理した。
【0159】
化合物抽出
1つの化合物は、多くの場合、2つ以上の質量トレース(例えば、天然に存在するC13同位体、付加物、及び/又は断片に起因)においてシグナルを生じさせるので、化合物は、ほとんどの場合、保持時間が同じであるが質量が異なる2つ以上の特徴によって表される。Compound Discovererで行う化合物抽出は、以下の4つのステップからなる。
1)まず、生データから特徴を抽出する。
2)特徴の検出に続いて、同じ化合物に属する特徴をグループ化する。
3)次いで、この追加情報(例えば同位体パターン)を精密質量と共に用いて、分子式を決定する。
4)次いで、各化合物について収集された全情報を、次の同定ステップで使用する。
【0160】
分析は、Thermo Q Exactive HF MSに連結されたThermo Scientific Vanquish LCを使用して行った。イオン化源としてエレクトロスプレーイオン化インターフェースを使用した。分析は、負イオン化モード及び正イオン化モードで行った。UPLCは、Catalinらによって記載されたプロトコルをわずかに修正したバージョンを用いて実施した。(UPLC/MS Monitoring of Water-Soluble Vitamin Bs in Cell Culture Media in Minutes、Water Application note 2011、720004042en)。ピーク面積は、Compound Discoverer 3.1(Thermo Scientific)を用いて抽出した。
【0161】
化合物の同定は次の4つのレベルで実施した。レベル1:保持時間(社内真正標準と比較)、精密質量(許容偏差3ppm)、及びMS/MSスペクトルによる同定、レベル2a:保持時間(社内真正標準と比較)、精密質量(許容偏差3ppm)による同定。レベル2b:精密質量(許容偏差3ppm)による同定、及びMS/MSスペクトル、レベル3:精密質量(許容偏差3ppm)のみによる同定。
【0162】
合計1964個の化合物が試料中に検出された。このうち、115個がレベル3で、174個がレベル2bで、85個がレベル2aで、93個がレベル1でアノテーションされた。
【0163】
乳酸、酢酸、コハク酸、サリチル酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブツル酸(2-hydroxybuturic acid)、2-ヒドロキシイソカプロン酸及びN-アセチルアスパラギン酸はすべて、有意な量でレベル1でアノテーションされた。
【0164】
SCFAが決定され、レベル1で存在したのはアセテート、ブチレート、及び(og)、プロピオネートであった。
【0165】
レベル1及び2aでアノテーションされた代謝産物について計算されたPCAモデルによるローディングプロット(図1)。
【0166】
実施例4
食品保存試験
生の新鮮な挽肉(タルタル)90gとCFS10gとを混合し、約5gの20個の小さなミートボールを5℃又は20℃のいずれかでインキュベートした。5℃のミートボールは、試料を2日ごと又は3日ごとに4週間にわたって採取し、20℃のミートボールは、試料を毎日5日間にわたって採取した。CFSを含まない肉の対照として、10gの滅菌水を使用した。
【0167】
各試料を、トリプトンソーヤ寒天(TSA)上での全プレート計数及び30℃でのインキュベーションによって全生菌数について試験し、におい、色及び外観の各パラメータについて1~3のスケールでスコアリングし官能評価を行った。ここで、1が新鮮な肉のスコアであり、3が腐敗した肉のスコアである。
【0168】
抗菌活性を有する以下の乳酸菌からのCFSを試験した:
ラクチプランチバチルス・プランタラムLB244R(DSM32996)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB316R(DSM33091)、ラクチプランチバチルス・プランタラムLB356R(DSM33094)、ラクチプランチバチルス・プランタラム)LB312R(DSM33098)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB116R(DSM32908)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB113R(DSM32907)、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイLB28R(DSM32994)、エンテロコッカス・フェシウムLB276R(DSM32997)、ロイコノストック・メセンテリオデス(Leuconostoc mesenteriodes)LB349R(DSM33093)、ワイセラ・ビリデスセンスLB10G(DSM32906)及びレビラクトバチルス・ブレビスLB152G(DSM32995)
【0169】
5℃では、バクテリオシン産生乳酸菌からのCFSは、新鮮な肉を、CFSを含まない肉と比べて5~11日間長く保存することができた。ラクチプランチバチルス・プランタラムLB244R及びラクチプランチバチルス・プランタラムLB316Rでは、官能変化を伴わない最も長い保存が観察された。
図1
【国際調査報告】