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特表2023-531841レーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置及び粒子測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】レーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置及び粒子測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/02 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
G01N15/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521546
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2021010552
(87)【国際公開番号】W WO2022114452
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0158562
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514166148
【氏名又は名称】コリア リサーチ インスティチュート オブ スタンダーズ アンド サイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジ ハン
(72)【発明者】
【氏名】カン,サン ウー
(57)【要約】
本発明は、粒子測定装置及び粒子測定方法に関し、多くのパワーのレーザーを順番に照射するレーザーパワースキャニングを用いて、高い精度で、サイズ範囲別の粒子の個数を測定することができる。まず、複数個の互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応して、当該サイズ以上の粒子を測定可能な最小のパワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射し、散乱された光を検出して粒子のサイズ別の個数を測定する。また、測定された実測値を用いて、それぞれのサイズ範囲に属する粒子の個数を、アルゴリズムを用いて正確に算出する。このとき、測定される粒子の個数及びレーザーパワーに関する比例関係を用いてもよい。フローノズルやフラットトップ光学系等のような追加的な部品を使わないので、粒子測定装置の開発費用を節減することができ、常圧(大気圧)や真空環境にかかわらず使用可能である。また、既存の装置に対するアルゴリズムのアップグレードを通じて、精度を改善することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)にそれぞれ対応して、当該サイズ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射する光照射部と、
前記光照射部から照射されたレーザーが、前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して、粒子のサイズ別の個数を測定する測定部と、を含み、
前記測定部は、前記それぞれのレーザー照射により測定された粒子の個数を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出する、レーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置。
【請求項2】
前記光照射部は、前記互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応する最小パワーのレーザーを連続して照射し続けることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置。
【請求項3】
前記光照射部は、前記互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するレーザーを、パワーが小さいものから順次に照射することを特徴とする、請求項2に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置。
【請求項4】
前記特定区間に属する粒子の個数は、測定される粒子の個数と照射されるレーザーパワーの比例関係を用いて、アルゴリズムにより算出されることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置。
【請求項5】
前記測定部は、
niが、算出しようとするサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))の粒子の個数、Pkが、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数であるとするとき、
ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]の式により、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定するが、
ここで、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置。
【請求項6】
複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、 …、Rm)にそれぞれ対応して、光照射部が、当該サイズ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射する第1ステップと、測定部が前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して、粒子の個数を測定する第2ステップと、を行い、
前記測定部が前記第1ステップ及び第2ステップを通じて測定された粒子の個数を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出する、レーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項7】
前記第1ステップ及び第2ステップは、前記互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するパワーのレーザーに対して連続して行われ続けることを特徴とする、請求項6に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項8】
前記第1ステップにおけるレーザー照射は、パワーが小さいものから行われることを特徴とする、請求項7に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項9】
前記特定区間に属する粒子の個数は、測定される粒子の個数と照射されるレーザーパワーの比例関係を用いて、アルゴリズムにより算出されることを特徴とする、請求項6に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項10】
前記測定部は、
niが、算出しようとするサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))の粒子の個数、Pkが、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数であるとするとき、
ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]の式により、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定するが、
ここで、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)であることを特徴とする、請求項6に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項11】
複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、 …、Rm)にそれぞれ対応して測定された粒子個数実測値を入力される入力ステップ-前記粒子個数実測値は、前記それぞれのサイズに対応して、それ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射し、前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して測定した粒子の個数である-と、
前記入力された粒子個数実測値を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出する算出ステップと、を含み、
前記算出ステップは、
niが、算出しようとするサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))の粒子の個数、Pkが、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数であるとするとき、
ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]の式により、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定するが、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)であることを特徴とする、レーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項12】
前記入力ステップ及び算出ステップは、前記請求項1に記載の測定部、または測定部と連動するコンピュータ装置で実行されることを特徴とする、請求項11に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法を、コンピュータで実行するためのプログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子測定装置及び粒子測定方法に係り、さらに詳しくは、それぞれのサイズ別の粒子の測定に必要な多様なパワーのレーザーを照射するレーザーパワースキャニングを用いて、フローノズル(flow nozzle)や フラットトップ(flat-top)光学系等のような追加的な部品を使うことなく、高い精度で、サイズ範囲別の粒子の個数を測定することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体工程やLCD工程等の高度の精密性を要求する工程は、工程チャンバ内で一定のレベル以上の汚染粒子が発生すると、致命的な製品不良につながってしまうので、厳格に制限された条件で工程が行われている。
【0003】
汚染管理のためには、チャンバ内部の汚染粒子の測定が要求される。汚染粒子測定方式の一つとして、光学式測定装置を用いて、リアルタイムで、特定のチャンバに対する粒子分布状態が測定され得る。
【0004】
光学式粒子測定装置は、レーザーが粒子にぶつかるときに発生する散乱光の強度(intensity)をサイズに変換する原理を用いる。
【0005】
粒子サイズが小さいほど、散乱光の強度が小さく、ミー散乱(mie theory)を通じて計算可能である。散乱光の強度は、入射光の強度に比例するので、小さなサイズの粒子を測定するためには、入射光の強度が強くなければならない。
【0006】
このため、小さなサイズの粒子を測定するためには、必然的にレーザーを集束(focusing)させなければならない。
【0007】
図1は、レーザー光源11から発生した入射光12が多くの光学部品を経てフローチャンネル15に集束されることを示す。ここで、フローチャンネル15は、測定対象粒子が存在する空間である。
【0008】
下記の数学式を参照すると、ミー散乱を用いた正確な粒子サイズの測定のためには、入射光の強度(IО)が一定(constant)でなければならない。
【数学式】
【0009】

ここで、Iscatは、散乱光の強度、Rは、散乱光の発生地点から検出器までの距離、
は、粒子サイズに対する関数である。
【0010】
このとき、集束された入射光のどの位置を粒子が通過するかにより、同じサイズの粒子に対する散乱光の強度が異なってくる。
【0011】
光の断面21がr軸方向に対して均一でないからである。このため、散乱光を粒子サイズに変換すると、同じ粒子を測定しても、異なるサイズと認識されることがあり、光学式の粒子測定装置は、正確なサイズを測定することができなくなる。
【0012】
粒子サイズの測定に関する精度の問題を解決するために、従来は、次のような技術を用いている。
【0013】
まず、図2に示すように、フローノズルを用いて、粒子を入射光の特定位置を通過させる方法を用いることができる。
【0014】
この方法を用いると、粒子が入射光の指定された位置のみを通過するので、入射光の強度が一定になり、正確なサイズを測定することが可能である。
【0015】
現在、汚染粒子測定器の大部分がこの方法を採用している。しかしながら、この方法は、常圧(大気圧)条件では、使用が可能であるが、真空工程のように圧力変化に敏感な工程では使用し難い。特に、工程条件に影響を与えるので、半導体産業現場等では、使用が不可能である。
【0016】
また、フローノズルを作る追加的な費用が必要であり、フローノズルが粒子により詰まる現象も発生するので、管理に難しさを伴う。
【0017】
また他の方法として、図3に示すように、大韓民国登録特許10-1857950号の「高精度リアルタイムの微細粒子のサイズ及び個数の測定装置」には、 フラットトップ17モジュールを用いて、光の強度を均一にすることにより、さらに正確な粒子サイズの測定ができるようにする技術が開示されている。
【0018】
すなわち、大韓民国登録特許10-1857950号は、入射光の強度変化によるサイズ測定の精度の問題を解決するために、光の断面22である入射光12のr軸方向の強度を均一にする方法を用いる。
【0019】
入射光を均一にする光学系(レンズ)を構成すると、入射光のr軸方向の強度を均一にすることができ、粒子がどの位置を通過しても、散乱光のサイズは変わらない。
【0020】
しかしながら、この方式が適用された粒子測定装置は、光学系の構成が極めて重要であるが、非球面光学系等を用いられなければならないので、製作費用が幾何級数的に増加し、集束された光の強度が一般的な集束光よりも弱いので、ナノサイズの粒子測定が不可能であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ここに、本発明は、上記した問題を解決するために導き出されたものであって、それぞれのサイズ別の粒子測定に必要な多くのパワーのレーザーを照射するレーザーパワースキャニングを用いて、高い精度で、サイズ範囲別の粒子の個数を測定することができる、高精度光学式の粒子測定装置を提供することにその目的がある。
【0022】
本発明のまた別の目的は、レーザーパワースキャニングを用いて、高い精度で、サイズ範囲別の粒子の個数を測定することができる、高精度光学式の粒子測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記のような目的を達成するために、本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置は、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)にそれぞれ対応して、当該サイズ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射する光照射部と、前記光照射部から照射されたレーザーが、前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して、粒子のサイズ別の個数を測定する測定部と、を含む。このとき、前記測定部は、前記それぞれのレーザー照射により測定された粒子の個数を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出するように構成される。
【0024】
前記光照射部は、前記互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応する最小パワーのレーザーを連続して照射し続けてもよい。
【0025】
前記光照射部は、前記互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するレーザーを、パワーが小さいものから順次に照射してもよい。
【0026】
前記特定区間に属する粒子の個数は、測定される粒子の個数と照射されるレーザーパワーの比例関係を用いて、アルゴリズムにより算出されてもよい。
【0027】
前記測定部は、「ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]」の式により、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定してもよい。
【0028】
ここで、niが、算出しようとするサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))の粒子の個数、Pkが、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子個数、N[Pk]が、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数である。
【0029】
また、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)である。
【0030】
本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法の一実施形態は、まず、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、 …、Rm)にそれぞれ対応して、光照射部が、当該サイズ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射する第1ステップと、測定部が前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して、粒子の個数を測定する第2ステップと、を行う。
【0031】
また、前記測定部が前記第1ステップ及び第2ステップを通じて測定された粒子の個数を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出するように構成される。
【0032】
本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法のまた他の実施形態は、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、 …、Rm)にそれぞれ対応して測定された粒子個数実測値を入力される入力ステップ-前記粒子個数実測値は、前記それぞれのサイズに対応して、それ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射し、前記粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して測定した粒子の個数である-と、前記入力された粒子個数実測値を用いて、特定区間に属する粒子の個数を算出する算出ステップと、を含んでなる。
【0033】
ここで、前記算出ステップは、「ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]」の式により、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定してもよい。
【0034】
このとき、niは、算出しようとするサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))の粒子の個数、Pkは、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数である。
【0035】
また、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、それぞれのサイズ別の粒子測定に必要なパワーのレーザーを順番に照射するレーザーパワースキャニングを用いて、高い精度で、サイズ範囲別の粒子の個数を測定することができる。
【0037】
フローノズルやフラットトップ光学系等のような追加的な部品を使わないので、粒子測定装置の開発費用を節減することができ、常圧(大気圧)や真空環境にかかわらず使用可能である。
【0038】
アルゴリズムを用いて、精度が向上した粒子測定装置を開発することができ、既存の装置に対するアルゴリズムのアップグレードを通じて、精度を改善することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】光の集束を用いて粒子を測定することを説明する例である。
図2】粒子の測定にフローノズルを使う例である。
図3】光のr方向の強度を均一にする方式の例である。
図4】本発明による高精度光学式の粒子測定装置の一実施形態である。
図5】粒子サイズ別に異なるパワーのレーザーが用いられることを説明する例である。
図6】本発明による高精度光学式の粒子測定方法の一実施形態である。
図7】パワーが小さなレーザーから順番に照射されることを説明する例である。
図8】本発明による高精度光学式の粒子測定方法の他の実施形態である。
図9】測定される粒子個数とレーザーパワーの関係を示す例である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、様々な変換を加えてもよく、様々な実施形態を有してもよいので、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳述しようとする。しかしながら、これは、本発明を、特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0041】
本発明の実施形態を説明するにあたって、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0042】
本発明において用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈からみて、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0043】
本説明において、「含む」または「備える」のような用語は、明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組合せの存在または付加の可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0044】
また、第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、上記した構成要素は、上記した用語により限定されてはならない。上記した用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
【0045】
図4を参照すると、本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定装置100は、粒子測定空間40に、互いに異なるサイズを有する2つ以上のパワーで、レーザーを照射可能な光照射部110と、光照射部110から照射されたレーザーが、粒子測定空間40の粒子30から散乱された光を検出して、粒子の個数を測定する測定部120と、を含んでなる。
【0046】
光照射部110から照射するレーザーのパワーは、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)にそれぞれ対応して設定されるものであって、それぞれのサイズ以上の粒子を測定可能な最小限のパワーを意味する。
【0047】
すなわち、さらに小さなサイズの粒子を測定するためには、さらに大きなパワーのレーザーを照射しなければならず、さらに大きなサイズの粒子を測定するためには、さらに小さなパワーのレーザーを照射してもよい。具体的な例として、直径が500nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーが100Wであるとき、直径が700nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーは、80Wであれば十分である。
【0048】
それぞれのレーザーのパワーに対応する複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)は、粒子の個数を測定しようとするサイズ範囲の下限を意味してもよい。
【0049】
図5に示すように、サイズがR1である粒子の測定のために必要な最小限のレーザーパワーがP1、サイズがR2である粒子の測定のために必要な最小限のレーザーパワーがP2、こういうふうに、サイズがRmである粒子の測定のために必要な最小限のレーザーパワーがPmと仮定して説明する。
【0050】
ここで、Rの添え字数字は、大きくなるほど大きな粒子サイズを示す。このため、Pの添え字数字は、大きくなるほど小さなレーザーパワーを意味するようになる。
【0051】
光照射部110は、互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応して、当該サイズ以上の粒子を測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間順番に照射する。それぞれのパワーのレーザーを照射する一定の時間は、必要に応じて、多様に構成されてもよく、特に制限されない。例えば、それぞれのパワーのレーザーを10秒ずつ照射してもよい。
【0052】
光照射部110は、互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するパワーのレーザーを連続的に照射し続けてもよい。
【0053】
また、光照射部110は、互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するパワーのレーザーを照射するとき、パワーが小さいものから、順次に照射することができる。すなわち、図5に示す例では、PmからP1まで順次に照射するようになる。
【0054】
また、測定部120は、光照射部110から照射されたレーザーが、粒子測定空間に存在する粒子から散乱された光を検出して、粒子のサイズ別の個数を測定する。
【0055】
測定部120が粒子の個数を分けて算出するサイズの範囲は、多様に構成されてもよい。
【0056】
特に、測定部120は、それぞれのレーザー照射により測定された粒子の個数を用いて、互いに異なる粒子サイズの隣接した2つのサイズ間の区間に属する粒子の個数を算出するように構成されてもよい。
【0057】
例えば、測定部120が粒子の個数を分けて算出するサイズ範囲をAiとすると、それぞれの粒子のサイズRiに対して、少なくとも「Ri≦Ai<R(i+1)」を含むように構成されてもよい。
【0058】
上記において、直径が500nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーを100W、直径が700nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーを80Wと仮定した例を参照すると、測定部120は、サイズが500nm以上700nm未満、また700nm以上である粒子の個数を算出することができる。
【0059】
80Wパワーのレーザーを照射して測定された粒子の個数は、直径が700nm以上である粒子の個数であり、100Wパワーのレーザーを照射して測定された粒子の個数は、直径が500nm以上である粒子の個数であるので、500nm以上700nm以下である粒子の個数は、この情報を用いて、合理的に算出しなければならない。
【0060】
このための方法は、多様に構成されてもよい。一つの例として、それぞれの区間に属する粒子の個数は、測定される粒子の個数と照射されるレーザーパワーの比例関係を用いてアルゴリズムにより算出されてもよい。
【0061】
図9は、測定される粒子個数とレーザーパワーの関係を示すグラフの例であって、粒子のサイズがそれぞれ500nmと700nmである粒子の個数を、レーザーパワーを変更させながら測定した実験結果である。この実験グラフが示すように、測定される粒子の個数は、レーザーパワーに比例する。
【0062】
上記で説明した例を用いて、それぞれのサイズ範囲に属する粒子の個数を算出する方式について検討する。
【0063】
入射光の強度が一定値以上にならないと、測定部120で測定可能なレベルの散乱光が粒子の散乱から発生せず、直径が500nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーが100W、直径が700nm以上の粒子を測定するための最小のレーザーパワーは80Wと仮定する。
【0064】
あるサイズの粒子を測定するために必要な最小限のパワーとは、感知可能なレベルの散乱光が発生するレーザーパワーを言うので、上記した例において、80Wパワーのレーザーが照射されたときは、直径が700nm未満の粒子からは散乱光が発生しても、感知できないレベルであるので、ノイズに埋もれるようになる。
【0065】
まず、80Wのレーザーパワーを用いて、一定の時間(例:10秒)の間、粒子を測定する。すると、測定される信号は、直径700nm以上のサイズの粒子で発生したものであるので、測定される信号を全部700nmサイズ以上の粒子の個数として計数する。
【0066】
次いで、100Wのレーザーパワーを用いて、10秒間、粒子を測定する。すると、測定される信号は、直径500nm以上のサイズの粒子で発生したものであるので、測定される信号を全部500nmサイズ以上の粒子の個数として計数する。
【0067】
ここで、100Wのレーザーパワーを用いた粒子測定過程は、80Wのレーザーパワーを用いた粒子測定過程に続けてすぐに行われる。
【0068】
80Wレーザーパワーを用いて10秒間測定された粒子の個数が1,000個と仮定し、次の10秒間、100Wレーザーパワーを用いて測定された粒子の個数が2,000個と仮定する。
【0069】
10秒間、80Wレーザーパワーを用いて測定された粒子の個数が1,000個であるとき、測定されたサイズ範囲別の粒子の個数は、「500~700nm」のサイズ範囲の粒子は0個であり、700nm以上の粒子が1,000個と判断することができる。700nm未満のサイズの粒子は、測定されない。
【0070】
次の10秒間、100Wレーザーパワーを用いて測定された粒子の個数が2,000個であるとき、測定されたサイズ範囲別の粒子の個数は、レーザーパワーと比例関係にあるという仮定下で算出されてもよい。
【0071】
すなわち、80Wで測定された700nmサイズ以上の粒子の個数を用いてもよい。
【0072】
すると、100Wパワーのレーザーにより測定された700nm以上のサイズの粒子の個数は、下記の数学式1のように算出されてもよい。
【0073】
【数1】
【0074】
したがって、500nm以上のサイズの粒子に対する総個数(2,000個)は、500~700nmサイズの粒子の個数が750個(2,000~1,250)であり、700nm以上の粒子の個数が1,250個であると算出されてもよい。
【0075】
合計20秒間測定された粒子のサイズ範囲による個数をまとめると、
500~700nmサイズの粒子の個数:750個
700nm以上である粒子の個数:2,250個である。
【0076】
上記した例において、レーザーパワーを2回調節すると、粒子のサイズ範囲が2つに分けられることがわかる。このように、レーザーパワーをm回調節すると、粒子サイズの範囲をm個に分けて把握することができる。
【0077】
測定部120がサイズ範囲別に粒子の個数を算出する具体的な実施形態は、下記の数学式2により算出される。
【0078】
【数2】
【0079】
ここで、niは、算出しようとする値であって、それぞれのサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))に属する粒子の個数、Pkは、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数である。
【0080】
また、ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)である。
【0081】
数学式2を、上記で説明した80Wと100Wのレーザーを照射する例に適用すると、n1(500~700nmのサイズ範囲に属する粒子の個数)及びn2(700nm以上の粒子の個数)は、下記の数学式3の通りである。
【0082】
【数3】
【0083】
ここで、n1[P2]=0であり、
n2[P1]=(100/80)× 1,000=1,250であり、
n1[P1]=2,000-1,250=750(n1[P1]+n2[P1]=2,000であるので)であり、
n2[P2]=1,000(n1[P2]+n2[P2]=1,000であるので)である。
【0084】
すなわち、上記で計算したように、n1(500~700nmのサイズ範囲の粒子の個数)は750個、n2(700nm以上の粒子の個数)は2,250個と算出されることがわかる。
【0085】
図6を参照して、本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法の第1実施形態を説明する。
【0086】
本発明による粒子測定方法は、上記で説明した粒子測定装置100を用いて、それぞれのサイズ範囲別の粒子の個数を測定する方法である。
【0087】
まず、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)にそれぞれ対応して(S211、S215、S216)、光照射部110が当該サイズ以上の粒子のみを測定可能な最小パワーPiのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射するステップ(S212)と、測定部120が粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して、粒子の個数を測定するステップ(S213)と、を行う。
【0088】
ステップS212及びステップS213は、それぞれのパワーのレーザー照射が行われる一定時間の間行われる(S214)。
【0089】
ステップS212において、光照射部110は、互いに異なる粒子サイズにそれぞれ対応するパワーのレーザーを連続的に照射し続けてもよく、パワーが小さいものから順次に照射してもよい。
【0090】
測定部120は、互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)に対して、ステップS212及びステップS213が全て進行されてから、それぞれのレーザー照射により測定された粒子の個数を用いて、それぞれのサイズ範囲に属する粒子の個数を算出する(S217)。
【0091】
このとき、測定部120が粒子の個数を分けて算出するサイズ範囲は、多様に構成されてもよい。
【0092】
例えば、それぞれのレーザー照射により測定された粒子の個数を用いて、レーザー照射と関連するそれぞれの粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)の隣接した2つのサイズ間の区間に属する粒子の個数を算出するように構成されてもよい。すなわち、測定部120が粒子の個数を分けて算出するサイズ範囲Aiは、それぞれのRiに対して、少なくとも「Ri≦Ai<R(i+1)」を含むように構成されてもよい。
【0093】
特に、それぞれの区間に属する粒子の個数は、測定される粒子の個数と照射されるレーザーパワーの比例関係を用いて、アルゴリズムにより算出されてもよい。
【0094】
測定部120が、サイズ範囲別に粒子の個数を算出する一般的な方式は、上記した数学式2による説明に従って行われてもよい。
【0095】
以下では、300~1,000nmのサイズを有する粒子に対して、3つの粒子のサイズ範囲に属する粒子の個数を算出する具体的な例を説明する。
【0096】
表1を参照すると、niは、それぞれのサイズ範囲Aiに属する粒子の個数として求めようとする値、Pkは、サイズ範囲Aiの最小のサイズ粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数である。
【0097】
図7及び図5を参照すると、レーザーは、パワーが小さいものから実行されるので、粒子個数の測定が始まることにより、パワーP3のレーザーから始めてパワーP1のレーザーまで順次に照射が行われる。
【0098】
このため、表1において、レーザーが照射され、粒子の個数が測定される順序は、添え字の順序(行の順序)とは反対である。
【0099】
それぞれのパワーのレーザーが照射される間は、測定部120による粒子個数の測定が行われる。
【0100】
【表1】
【0101】
求めようとする値であるni値は、以下の数学式4のように表現される
【0102】
【数4】
【0103】
ここで、下記の数学式5のように、それぞれの変数を変換してもよい。
【0104】
【数5】
【0105】
すなわち、数学式5の変換式(1)において、「i<k」は、当該サイズ範囲に属する最小サイズの粒子も測定できない小さなパワーのレーザーが照射される条件であるので、当該サイズ範囲の粒子は測定することができないことを示す。例えば、n1[P2]=0となる。
【0106】
この変換式(1)を用いると、前記数学式4は、下記の数学式6のようになる。
【0107】
【数6】
【0108】
数学式5の変換式(3)において、「i>k」の条件であるときは、レーザーパワーに関する比例式を用いて、当該サイズ範囲の粒子の個数を算出することができる。この条件に属するni[Pk]値の例を挙げれば、n3[P2]がある。
【0109】
数学式5の変換式(3)を用いると、下記の数学式7のようになる。
【0110】
【数7】
【0111】
これにより、それぞれのサイズ範囲Aiに属する粒子の個数であるni値を求めるための基本式が完成された。
【0112】
前記数学式7は、ni値を求めるための理論的な式であって、それぞれのパワーにおけるni[Pi]値を求めなければならない。このような値の例としては、n1[P1]、n2[P2]が挙げられ、この値は、実際の測定過程を通じて求めることができる。
【0113】
【数8】
【0114】
前記数学式8において、N[Pk]の値は、実際の測定において、Pkパワーで測定を行ったときに測定された総粒子個数であり、サイズ範囲Aiと関係のないPkに対する値である。
【0115】
数学式5の変換式(1)を用いると、前記数学式8は、下記の数学式9のように表現される。
【0116】
【数9】
【0117】
また、変換式(3)を用いると、下記の数学式10で表現される。
【0118】
【数10】
【0119】
このとき、N[P1]、N[P2]、N[P3]はいずれも、測定において観測される値である。
【0120】
したがって、数学式7及び数学式10を活用すると、n1, n2, n3を、下記の数学式11のように、N[P1]、N[P2]、N[P3]の関数に変換することができる。
【0121】
【数11】
【0122】
一方、本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法の第2実施形態は、コンピュータ装置が、粒子の個数に関する実測値に基づき、それぞれのサイズ範囲に属する粒子の個数を正確に算出する方法に関する。
【0123】
図8を参照すると、本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法の第2実施形態は、入力ステップ(S231)及び算出ステップ(S232)を含んでなり、コンピュータ装置で実行されてもよい。
【0124】
ここで、コンピュータ装置とは、多様な種類の装置であってもよい。例えば、本発明による粒子測定装置100の測定部110、または測定部110と連動してデジタルデータを授受ことができるまた他のコンピュータ装置を意味してもよい。
【0125】
後者の例としては、多様なユーザーインターフェース(UI:User Interface)画面を提供するとともに、使用者の命令により、粒子の測定と関連した多様な機能を提供する管理者コンピュータ装置が挙げられる。
【0126】
入力ステップ(S231)は、複数個の互いに異なる粒子サイズ(R1、R2、…、Rm)にそれぞれ対応して測定された粒子個数実測値を入力される。
【0127】
ここで、粒子個数実測値とは、それぞれのサイズ以上の粒子を測定可能な最小パワーのレーザーを、粒子測定空間に一定の時間の間照射したとき、粒子測定空間の粒子から散乱された光を検出して実測した粒子の個数である。
【0128】
入力ステップ(S231)における粒子個数実測値の入力は、リアルタイムで行われてもよく、予め入力されてもよい。
【0129】
また、算出ステップ(S232)は、入力ステップ(S231)を介して入力された粒子個数実測値を用いて、前記数学式2を参照して説明したように、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定することができる。
【0130】
すなわち、niが、算出しようとする値として、それぞれのサイズ範囲Ai(Ri≦Ai<R(i+1))に属する粒子の個数、Pkは、サイズRkの粒子を測定可能な最小のレーザーパワー、ni[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したとき、測定されるサイズ範囲Aiの粒子の個数、N[Pk]は、Pkのパワーを有するレーザーを照射したときに測定された粒子の総個数であるとき、
ni=ni[P1]+ni[P2]+…+ni[Pk]、
ni[Pk]=0、(i<k)、
ni[Pk]=ni[Pk]、(i=k)、
ni[Pk]=(Pi/Pk)× ni[Pi]、(i>k)
等の関係を用いて、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定することができる。
【0131】
また、算出ステップ(S232)は、必要に応じて、上記で説明した、それぞれの方式を用いて、それぞれのサイズ範囲の粒子の個数を測定することができ、重複する説明は、省略する。
【0132】
本発明によるレーザーパワースキャニングを用いた高精度光学式の粒子測定方法の第2実施形態は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードで実現されてもよい。
【0133】
このとき、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムにより読み取り可能なデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。
【0134】
例えば、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ保存装置等があり、また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行されてもよい。
【0135】
以上、本発明を、特定の好適な実施形態に関連して図示して説明したが、以下の特許請求の範囲により定められる本発明の技術的特徴や分野を逸脱しない範囲内で、本発明が様々に改造及び変化され得ることは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0136】
30 粒子
40 粒子測定空間
100 粒子測定装置
110 光照射部
120 測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】