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特表2023-531862ポイントオブケアデバイス用の透過的で安全なリンク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】ポイントオブケアデバイス用の透過的で安全なリンク
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20230719BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566613
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021029779
(87)【国際公開番号】W WO2021222490
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/018,334
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】522424991
【氏名又は名称】ラボラトリー コーポレーション オブ アメリカ ホールディングス
【氏名又は名称原語表記】LABORATORY CORPORATION OF AMERICA HOLDINGS
【住所又は居所原語表記】358 South Main Street, Burlington, North Carolina 27215 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100216150
【弁理士】
【氏名又は名称】香山 良樹
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ダン
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン ロー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA03
(57)【要約】
態様及び特徴は、リアルタイム又は準リアルタイムで検査結果を報告するために、ポイントオブケア検査(POCT)デバイスを、リモート研究所情報システム(LIS)と関連付けられた電子健康記録と透過的に接続するシステムに関する。POCT結果は、POCTデバイスから、モバイルコンピューティングデバイスにおいて受信することができる。モバイルコンピューティングデバイス及びPOCTデバイスは、例えば、診療所又はリモートクリニックなど、LIS環境の外側に位置する。モバイルコンピューティングデバイスは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上で安全保障された伝送を行えるように、POCTデバイスからの下位レベル機器プロトコルデータを構成するために、それ自体のデータブローカを使用することができる。その後、POCT結果をLIS環境において受信し、LISに提供して、電子医療記録(EMR)にPOCT結果を透過的に投入することができる。いくつかの例では、LIS又は病院情報システムは、ポイントオブケアEMRを更新することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントオブケア検査(POCT)デバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのコンピュータプログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的なコンピュータ可読媒体に通信可能に結合されたプロセッサデバイスと、
を含み、
前記プロセッサデバイスが、
モバイルコンピューティングデバイスを使用して、POCTデバイスからの下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることであって、前記モバイルコンピューティングデバイス及び前記POCTデバイスが、研究所情報システム(LIS)環境の外部に位置する、アクセスすることと、
前記モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように前記下位レベル機器プロトコルデータを構成することと、
ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、前記安全保障されたPOCTデータを前記LIS環境に送信することと、
前記ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又は前記LIS環境の少なくとも1つにおいて、前記安全保障されたPOCTデータから前記下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることと、
前記安全保障されたPOCTデータからアクセスされた前記下位レベル機器プロトコルデータからの情報を使用して、前記LIS環境のLISの電子医療記録(EMR)に投入することと、
を行うために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記プロセッサデバイスが、前記EMR向けに前記情報をフォーマットするように構成された中央ミドルウェアに前記情報を提供することによって、前記LISの前記EMRに投入するために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサデバイスが、前記情報を含む前記EMRの少なくとも一部分を前記LISから前記モバイルコンピューティングデバイスに送信するために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカが、前記下位レベル機器プロトコルデータをJSONメッセージにカプセル化するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサデバイスが、前記ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又は前記LIS環境の少なくとも1つにおいてリモートブローカを使用して、前記下位レベル機器プロトコルデータをカプセル化解除するために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサデバイスが、
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の接続を確立することと、
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続を確立することに基づいて、前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカと前記LISとの間のリアルタイム接続を自動的に確立することと
を行うために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続が、前記POCTデバイスから前記モバイルコンピューティングデバイスへのTCPメッセージを含む、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
モバイルコンピューティングデバイスを使用して、ポイントオブケア検査(POCT)からの下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることであって、前記モバイルコンピューティングデバイス及び前記POCTデバイスが、研究所情報システム(LIS)環境の外部に位置する、アクセスすることと、
前記モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように前記下位レベル機器プロトコルデータを構成することと、
ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、前記安全保障されたPOCTデータを前記LIS環境に送信することと、
前記ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又は前記LIS環境の少なくとも1つにおいて、前記安全保障されたPOCTデータから前記下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることと、
前記安全保障されたPOCTデータからアクセスされた前記下位レベル機器プロトコルデータからの情報を使用して、前記LIS環境のLISの電子医療記録(EMR)に投入することと、
を含む、
方法。
【請求項9】
前記EMR向けに前記情報をフォーマットするように構成された中央ミドルウェアに前記情報を提供することによって、前記LISの前記EMRに投入することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記情報を含む前記EMRの少なくとも一部分を前記LISから前記モバイルコンピューティングデバイスに送信することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記下位レベル機器プロトコルデータを構成することが、前記下位レベル機器プロトコルデータをJSONメッセージにカプセル化することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又は前記LIS環境の少なくとも1つにおいてリモートブローカを使用して、前記下位レベル機器プロトコルデータをカプセル化解除することをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の接続を確立することと、
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続を確立することに基づいて、前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカと前記LISとの間のリアルタイム接続を自動的に確立することと、
をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続が、前記POCTデバイスから前記モバイルコンピューティングデバイスへのTCPメッセージを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータプログラムコードが、
研究所情報システム(LIS)環境の外部に位置するポイントオブケア検査(POCT)デバイスから下位レベル機器プロトコルデータを受信することと、
モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように前記下位レベル機器プロトコルデータを構成することと、
ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、前記安全保障されたPOCTデータを前記LIS環境に送信することと、
を前記モバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、プロセッサによって実行可能である、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記コンピュータプログラムコードが、前記LISからの情報を含む電子医療記録の少なくとも一部分を受信することを前記モバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、前記プロセッサによって実行可能である、
請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカが、前記下位レベル機器プロトコルデータをJSONメッセージにカプセル化するように構成される、
請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記コンピュータプログラムコードが、
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の接続を確立することと、
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続を確立することに基づいて、前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカと前記LISとの間のリアルタイム接続を自動的に確立することと、
を前記モバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、前記プロセッサによって実行可能である、
請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記POCTデバイスと前記モバイルコンピューティングデバイス上の前記データブローカとの間の前記接続が、前記POCTデバイスから前記モバイルコンピューティングデバイスへのTCPメッセージを含む、
請求項18に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記POCTデバイスと前記データブローカとの間の前記接続が、前記POCTデバイスから前記モバイルコンピューティングデバイスへのTCPメッセージを含み、
前記コンピュータプログラムコードが、
ユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力に応答して、前記POCTデバイスからの接続メッセージを聞き取るためにTCPポートを開くことと、
を前記モバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、前記プロセッサによって実行可能である、
請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
ポイントオブケア(POC)電子医療記録(EMR)用の安全なリンクを提供するためのコンピュータプログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的なコンピュータ可読媒体に通信可能に結合されたプロセッサデバイスと、
を含み、
前記プロセッサデバイスが、
研究所情報システム(LIS)環境又は病院情報システム(HIS)環境内で下位レベルEMRデータにアクセスすることと、
リモートブローカを使用して、安全保障されたEMRデータを生成するように前記下位レベルEMRデータを構成することと、
ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、前記安全保障されたEMRデータをPOC環境に送信することと、
前記POC環境において前記安全保障されたEMRデータから前記下位レベルEMRデータにアクセスすることであって、前記POC環境が、前記LIS又はHIS環境の外側に位置する、アクセスすることと、
前記下位レベルEMRデータからの情報を使用して前記POC EMRへの投入又は更新を行うことと、
を行うために、前記コンピュータプログラムコードを実行するように構成される、
システム。
【請求項22】
前記リモートブローカが、前記下位レベルEMRデータをJSONメッセージにカプセル化するように構成される、
請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年4月30日に出願された米国仮特許出願第63/018334号への優先権及びその出願利益を主張し、同特許は、その全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この開示は、概して、医療患者に対するポイントオブケアサービスのためのシステム及び方法に関する。より具体的には、ただし制限としてではなく、この開示は、リモートポイントオブケアデバイスをヘルスケア記録にリアルタイム又は準リアルタイムでリンクしながら、高いデータセキュリティを含むインフラストラクチャを用いてポイントオブケア検査(POCT)及び医療記録管理を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大半の臨床ニーズに対し、中央研究所における患者検体の検査が効果的であるが、特定の状況では、患者及び医師は、診察の間に検査結果が送達されることから恩恵を受けることができる。例えば、抗凝固薬の投与の間にモニタされている患者がヘルスケア提供者を訪れている間に、血液凝固時間に対する国際標準比/プロトロンビン時間(INR/PT)検査の結果の提供が可能である場合は、患者は、現場での臨床アドバイス及びさらなる行動から恩恵を受けることができる。そのような検査結果の提供は、「ポイントオブケア検査」(POCT)と呼ばれる患者の近くで行われる検査を通じて達成することができる。
【0004】
POCTプログラムは、正確な結果を提供すると同時に、適時の臨床的判断を可能にし、患者エンゲージメントを改善する。POCTは、新しい技術によって突き動かされて拡張し続け、患者中心の地域密着型ヘルスケアへとヘルスケア提供モデルを変化させる。POCTからの結果は、ヘルスケア提供者が「現場で」観察及び評価を行い、その後、後で参照できるように、事務職員が医療記録に入力することができる。POCTが拡張するにつれて、ヘルスケア提供者によって収集され、その後、中央検査研究所に送られた検体に対して行われる同じ検査に基づく結果を利用することとは対照的に、ますます多くのヘルスケア提供者が、彼ら自身のクリニックで行われるPOCTを効果的に使用する方法を学習するようになっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムコードを含み、コンピュータプログラムコードは、研究所情報システム(LIS)環境の外部に位置するPOCTデバイスから下位レベル機器プロトコルデータを受信することと、モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように下位レベル機器プロトコルデータを構成することとをモバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、プロセッサによって実行可能である。コンピュータプログラムコードは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、安全保障されたPOCTデータをLIS環境に送信することをモバイルコンピューティングデバイスに行わせるために、プロセッサによってさらに実行可能である。
【0006】
別の例では、システムは、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのコンピュータプログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的なコンピュータ可読媒体に通信可能に結合されたプロセッサデバイスとを含む。プロセッサデバイスは、モバイルコンピューティングデバイスを使用して、POCTデバイスからの下位レベル機器プロトコルデータにアクセスするためにコンピュータプログラムコードを実行するように構成される。モバイルコンピューティングデバイス及びPOCTデバイスは、LIS環境の外部に位置し得る。プロセッサデバイスは、モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように下位レベル機器プロトコルデータを構成することと、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、安全保障されたPOCTデータをLIS環境に送信することとを行うためにコンピュータプログラムコードを実行するようにさらに構成される。処理デバイスは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又はLIS環境の一方又は両方において、安全保障されたPOCTデータから下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることと、安全保障されたPOCTデータからアクセスされた下位レベル機器プロトコルデータからの情報を使用して、LIS環境のLISの電子医療記録(EMR)に投入することとを行うためにコンピュータプログラムコードを実行するようにさらに構成される。
【0007】
別の例では、方法は、モバイルコンピューティングデバイスを使用して、POCTデバイスからの下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることを含み、モバイルコンピューティングデバイス及びPOCTデバイスは、LIS環境の外部に位置する。また、方法は、モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して、安全保障されたPOCTデータを生成するように下位レベル機器プロトコルデータを構成することや、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、安全保障されたPOCTデータをLIS環境に送信することも含む。方法は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ又はLIS環境の少なくとも1つにおいて、安全保障されたPOCTデータから下位レベル機器プロトコルデータにアクセスすることと、下位レベル機器プロトコルデータからの情報を使用して、LIS環境のLISのEMRに投入することとをさらに含む。
【0008】
別の例では、システムは、コンピュータプログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的なコンピュータ可読媒体に通信可能に結合されたプロセッサデバイスとを含む。プロセッサデバイスは、研究所情報システム(LIS)環境又は病院情報システム(HIS)環境内で下位レベルEMRデータにアクセスすることと、リモートブローカを使用して、安全保障されたEMRデータを生成するように下位レベルEMRデータを構成することとを行うためにコンピュータプログラムコードを実行するように構成される。プロセッサデバイスは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、安全保障されたEMRデータをポイントオブケア(POC)環境に送信するようにさらに構成される。下位レベルEMRデータは、POC環境において安全保障されたEMRデータからアクセスされ、POC環境は、LIS又はHIS環境の外側に位置する。POC EMRは、安全保障されたEMRデータからアクセスされた下位レベルEMRデータからの情報を使用して更新される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、ポイントオブケア検査(POCT)デバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのシステムを描写するブロック図である。
図2】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのデバイスを描写するブロック図である。
図3】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するための別のシステムを描写するブロック図である。
図4】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示すフローチャートである。
図5】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示す追加のフローチャートである。
図6】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示す追加のフローチャートである。
図7】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示す追加のフローチャートである。
図8】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示す追加のフローチャートである。
図9A】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するために使用することができるメッセージングを行うためのメッセージフロー図を示す。
図9B】本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するために使用することができるメッセージングを行うためのメッセージフロー図を示す。
図10】本開示の態様による、ポイントオブケア医療記録のための透過的で安全なリンクを提供するためのシステムを描写するブロック図である。
図11】本開示の態様による、ポイントオブケア医療記録のための透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この開示の態様及び特徴は、研究所情報システム(LIS)と関連付けられた電子健康記録とリモートポイントオブケア検査(POCT)デバイスを透過的に接続することや、LIS又は病院情報システム(HIS)からの情報でポイントオブケア医療記録を更新することができるシステムを提供する。システムは、検査結果をリアルタイムで報告することができる。検査結果は、実質的には、まるでLISと関連付けられた中央研究所で実行されたものであるかのように見える。それに加えて、検査結果は、仮想プライベートネットワーク(VPN)などのエンドツーエンドの暗号化ベースのソリューションに必要とされるであろうオーバーヘッドを処理することなく、LISへの送信に対して安全保障される。
【0011】
現代のヘルスケアは、各患者に対する中央電子医療記録(EMR)の利用可能性にますます依拠している。中央EMRは、病院、クリニック及び診療所などの複数のプロバイダによって、安全にアクセスすることができる。患者のEMRは、最新の状態に維持することができ、その結果、各プロバイダは、医療サービスが提供される度に患者から収集する必要もなく、極めて重要な中間歴にアクセスすることができる。検査結果は、典型的には、患者のEMRの一部として提供される。ヘルスケア提供者によって収集され、その後、中央検査研究所に送られた検体に対して検査が行われる際は、検査結果は、研究所の中央LISに格納されたEMRのコピーに入力することができる。次いで、EMRは、それが存在するあらゆる場所において自動的に更新され、患者のヘルスケア提供者(検体の収集及び検査の要求を行った者を含む)によってアクセスすることができる。
【0012】
POCTデバイスは、POCTデバイスを使用して得られた検査結果で患者の電子医療記録(EMR)をリアルタイム又は準リアルタイムで更新できるような方法で、中央電子医療システムに接続することはできなかった。いくつかの事例では、デバイス自体から得られた検査結果は、最終的には、ヘルスケア提供者によって、患者のEMRに入力される。他の事例では、POCTデバイスは、ヘルスケア提供者によるアクセスのために、POCTデバイスの製造業者によって維持される専有システムに検査結果を転送することができる。ヘルスケア提供者は、最終的には、患者のEMRに結果を入力することができる。いずれの事例においても、他のプロバイダに対する検査結果の利用可能性は遅延され、検査結果が全く記録されないことも、患者の記録に正確に入力されないこともあり得る。
【0013】
本明細書のシステムの態様及び特徴は、LISへの(ひいては患者のEMRへの)安全保障された自動的なリアルタイムでのPOCT結果の転送を行えるようにするために、LIS環境の外部のPOCTデバイスとLISとの間のネットワーク通信を含む。それに加えて、検査結果は、自動的且つ透過的にEMRに提供されるが、それは、従来の中央研究所検査を通じて得られる同様の検査結果と同じ方法でEMRの一部として表示するために、検査結果を迅速且つ自動的にフォーマットできることを意味し、従って、手作業による記録転写及び/又は解釈の必要性が排除される。これにより、ヘルスケア専門家は、外部の場所で並びにヘルスケア提供者及び患者に便利な時間に研究所検査を完了する一方で、検査結果を患者のEMRに自動的に投入することができ、それにより、POCTデバイスからの研究所検査結果の適時性及びアクセス可能性が改善される。LIS又はHISもまた、検査結果又は他の情報をポイントオブケアEMRに投入することができる。この開示の目的のため、LISとHISは、交換可能であり、いずれも、本明細書で説明されるように、EMRを含むことや、検査結果データ又はEMRデータの受信及び/又は送信を行うことが可能である。
【0014】
いくつかの例では、システムは、モバイルコンピューティングデバイスの最も近くに位置するPOCTデバイスとの接続を確立するために、コンピュータプログラムコードを有するワイヤレスモバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレット又はスマートフォン)を含む。POCTデバイスとコンピューティングデバイスは両方とも、LIS環境の外部に位置し得る。コンピュータプログラムコードは、下位レベル機器プロトコルデータの形態でPOCT結果を受信することと、安全保障されたPOCTデータを生成することと、検査結果を含む安全保障されたPOCTデータをリモートLISに送信することとをモバイルコンピューティングデバイスに行わせる。システムは、LISと関連付けられたEMRにPOCT結果を透過的に投入するために、中央ミドルウェアを利用することができる。
【0015】
いくつかの例では、安全保障されたPOCT結果データは、モバイルコンピューティングデバイス上のデータブローカを使用して生成され、インターネットを含み得るワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上でリモートブローカに提供され、次いで、LISに提供される。いくつかの例では、POCT結果は、EMR向けにPOCT結果データをフォーマットするように構成された中央ミドルウェアに提供される。検査結果は、患者のEMRの一部としてリアルタイム又は準リアルタイムで利用可能にすることができる。例えば、検査結果を含むEMRの更新は、患者のEMRの一部として検査結果を迅速に閲覧できるように、POCTデバイスとインタフェース接続されたモバイルコンピューティングデバイスに戻すこと又はヘルスケア提供者の事務所の別のコンピューティングデバイスに送信することができる。
【0016】
いくつかの例では、システムは、LIS又はHIS環境内で下位レベルEMRデータにアクセスする能力と、リモートブローカを使用して、安全保障されたEMRデータを生成するように下位レベルEMRデータを構成する能力とを含む。下位レベルEMRデータは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、ポイントオブケア(POC)環境に送信することができる。下位レベルEMRデータは、POC環境において安全保障されたEMRデータからアクセスされる。POC環境は、LIS又はHIS環境の外側に位置する。次いで、下位レベルEMRデータは、POC EMRへの投入又は更新を行うために使用することができる。
【0017】
以下では、特定の例の詳細な説明について論じる。これらの説明に役立つ例は、本明細書で論じられる一般的な対象物を読者に紹介するために与えられるものであり、開示される概念の範囲を制限することを意図するものではない。以下の項目は、図面を参照して様々な追加の態様及び例について説明しており、図面では、同様の番号は、同様の要素を示し、方向に関する説明は、説明に役立つ例を説明するために使用されるが、説明に役立つ例のように、本開示を制限するために使用すべきではない。
【0018】
ここで図面を参照すると、図1は、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのシステム100の例を描写する。システム100は、POCTデバイス102と、モバイルワイヤレスコンピューティングデバイス104とを含む。POCTデバイスとモバイルコンピューティングデバイスは両方とも、例えば、ヘルスケア提供者の事務所又はリモートクリニックなど、LIS環境の外部に位置する。コンピューティングデバイス104は、例として、タブレットコンピュータ又は携帯電話であり得る。或いは、コンピューティングデバイス104は、ラップトップ又はノートパソコンであり得る。別の代替として、モバイルコンピューティングデバイスとして、デスクトップワークステーションを使用することができる。POCTデバイスは、ワイヤレス接続(例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、NFCなど)を介して、モバイルコンピューティングデバイス104とインタフェース接続される。一例では、モバイルコンピューティングデバイス104は、Wi-Fiホットスポットを起動し、Wi-Fiホットスポットを通じて、例えば、アプリケーション又は「アプリ」など、モバイルコンピューティングデバイス104上のコンピュータプログラムコードを用いてPOCTデバイス102にアクセスすることができる。また、ワイヤレスモバイルコンピューティングデバイスは、ローカルデータブローカ106も含み、ローカルデータブローカ106は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ(この例では、インターネット107及びクラウドサービスプラットホーム108を含む)上でリモートシステムにPOCT結果データを明示的に送信するためのアプリケーションの一部又は別個のソフトウェアモジュールであり得る。
【0019】
ローカルデータブローカ106は、POCTデバイス102とクラウドサービスプラットホーム108で配備されるサービスバス110との間のデータのフローを取り扱うためのメッセージ指向ミドルウェアソフトウェアモジュールであり得る。ローカルデータブローカ106は、モバイルコンピューティングデバイス104上でPOCTを取り扱うアプリケーションと、モバイルコンピューティングデバイスがワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上でインタフェース接続しなければならない他のアプリケーションとの仲介物としての役割を果たす。サービスバス110は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャで又はワイドエリアネットワークインフラストラクチャの背後で配備されるアプリケーションからモバイルコンピューティングデバイス104上のアプリケーションを切り離すために使用される。また、サービスバス110は、負荷バランシング、ルーティング及び制御アクセスの提供も行い、受信メッセージキュー及びPOCTキューなどのクラウドサービスメッセージキューを含み得る。ローカルデータブローカ106は、VPN接続によって提供され得るものなどのエンドツーエンド暗号化チャネルを必要とすることもなく、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを横断させるための安全保障されたPOCTデータを提供するために、POCTデバイス102から受信された下位レベル機器プロトコルデータの翻訳及び/又はカプセル化を行う。
【0020】
依然として図1を参照すると、リモートブローカ112は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上で、ローカルデータブローカ106から安全保障されたPOCTデータを受信する。この例では、リモートブローカ112は、ローカルデータブローカ106と中央ミドルウェア116との間のデータのフローを取り扱う。リモートブローカ112は、研究所情報システム118のEMRに検査結果を投入するために、安全保障されたPOCTデータから、下位レベル機器プロトコルデータ又は少なくとも下位レベル機器プロトコルデータからの情報にアクセスする。この例では、中央ミドルウェア116は、リモートブローカ112とLIS 118との間の翻訳層を提供する。中央ミドルウェア116は、下位レベル機器プロトコルデータのデータ要素及び患者EMR用にLISで維持されるデータ要素に関する格納された情報を含む。中央ミドルウェア116は、一方から他方へとデータ要素を適切にマッピングすることによって、EMRの一部としてLIS 118に格納するために、リモートブローカ112から受信した下位レベル機器プロトコルデータからの情報をフォーマットする。
【0021】
LIS 118は、1つ又は複数のサーバを含み、各サーバは、1つ又は複数のプロセッサや、1つ又は複数のプロセッサにLIS 118を動作させるためのコンピュータプログラムコード命令を有する。LIS 118は、様々なデータストア120を含む。これらのデータストアは、例として、研究所管理データストア、ヘルスケア提供者データストア、ヘルスプランプロバイダデータストア及び研究所データストアを含み得る。また、医療コードデータベース及び方針データベースも含み得る。研究所情報データベースは、外部の研究所及びPOCT検査場所と内部の研究所とを区別する情報を内包し得る。
【0022】
データストア120及びLIS 118は、LIS環境の一部である。また、LIS環境は、LAN、バーチャルLAN、VPNを介してLISに接続されるか又はLISのファイアウォール若しくは情報セキュリティ構造内にある、検査研究所内、病院内、クリニック内などの機器及びコンピュータシステム(図示せず)があればそれらも含む。これらの方法のいずれかでLISに接続されていないか又はLISに関連しないデバイスは、LIS環境の外側又は外部に位置するといえる。LIS環境内に位置する研究所、病院、クリニック及び同様のものは、典型的には、何らかの方法で、LISを維持するものと同じ実体の系列であるか又は同実体とパートナー関係を結んでいる。リモートデータブローカ112及び中央ミドルウェア116は、LIS環境の一部でも、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャの一部でもよく、コンポーネントの一方又は両方がLIS環境とワイドエリアネットワークインフラストラクチャの両方に存在することも可能である。
【0023】
図2は、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのモバイルコンピューティングデバイスを描写するブロック図である。ここでは図2を参照して、図1からの例示的なワイヤレスモバイルコンピューティングデバイス104(例えば、タブレットコンピュータ)を詳細に説明する。図2のモバイルコンピューティングデバイスは、高電力無線サブシステムブロック201、ベースバンド論理ブロック202、メインプロセッサ及び制御論理ブロック(「メイン論理」)203並びにオーディオインタフェースブロック204を含む。加入者識別モジュール(SIM)208は、メインプロセッサ及び制御論理に動作可能に接続されるものとして示されている。SIMは、セルラネットワークに接続するために使用され、任意のものである。SIMが存在する場合は、それは、個別のデバイスであるか又は電子的なもの(eSIM)であり得る。SIMは、LTE又は別のセルラプロトコルを使用してコンピューティングデバイス104をワイドエリアネットワークインフラストラクチャに接続できるようにするために、加入者情報を含み得る。また、特定のデバイスは常にインターネットとのWi-Fi接続範囲内に位置するため、SIMは、そのデバイスで必要とされない場合は、存在はしても、起動させる必要はない。
【0024】
また、モバイルコンピューティングデバイス104には、フラッシュストレージ209、バッテリ210及びランダムアクセスメモリ(RAM)211も含まれる。RAM 211は、様々なメモリデバイスを含み得、恐らくは、グラフィックスなどの特定の目的専用のメモリを含み得る。RAM 211の一部分は、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイ上で現在閲覧されているデータを格納するために使用することができる。ディスプレイ(図示せず)は、触覚及び視覚入力/出力(I/O)ブロック212の一部である。高電力無線サブシステムブロック201内では、送信及び受信情報が様々なキャリアタイプの無線周波数(RF)に及び同無線周波数(RF)から変換され、ベースバンド又は中間周波数回路を使用したフィルタリングが適用される。Wi-Fi及びブルートゥースなどのローカル通信用の無線サブシステムは、このブロックに含まれる。デバイスのメインアンテナシステム213は、無線サブシステムブロック201に接続される。また、デバイスは、Wi-Fi/ブルートゥースを組み合わせたアンテナ214も含む。また、モバイルコンピューティングデバイス104は、双方向性の短距離/近距離通信(NFC)インタフェース240も含む。
【0025】
依然として図2を参照すると、オーディオインタフェースブロック204は、音声並びにアナログ/デジタル(A/D)及びD/A処理を取り扱う。また、オーディオインタフェースブロック204は、スピーカ216を通じる出力の生成も行い、出力は、POCTデバイス102との接続が確立されていること又はPOCTデバイス102からPOCT結果が受信されていることなどを臨床医に通知するための音響信号を含み得る。ベースバンド論理ブロック202では、例えば、同期、チャネル符号化、復号及びバーストフォーマットなど、基本的な信号処理が行われる。メイン論理203は、前述のブロックを調整し、また、スクリーン及びタッチインタフェース又はキーボードなどのインタフェースコンポーネントを制御する上での役割も果たす。前述のブロックの機能は、例えば、汎用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、様々なタイプの信号調整回路(アナログ/デジタル変換器、デジタル/アナログ変換器、入力/出力バッファなどを含む)など、メイン論理に含まれるプロセッサ又はプロセッサデバイスによって、指示及び制御が行われる。
【0026】
図2に示されるフラッシュストレージ209は、不揮発性メモリセルの少なくとも1つのアレイなどの1つ又は複数のメモリデバイスを含む。RAM 211は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)セルの少なくとも1つのアレイなどの1つ又は複数のメモリデバイスを含む。フラッシュメモリのコンテンツは、事前にプログラムし、その後、書き込み禁止にすることができるのに対して、RAMの少なくとも一部分のコンテンツは、選択的に修正及び/又は消去を行うことができる。従って、フラッシュメモリデバイスは、POCTデバイス102とネットワークとの(ひいては、LIS 118との)透過的なリアルタイムでの安全なリンク接続を行うためにコンピューティングデバイス104によって実行可能な命令を含む、オペレーティングシステムソフトウェア及びアプリケーションプログラム(アプリ)(アプリ250を含む)を格納するために使用される非一時的なコンピュータ可読媒体である。この例では、アプリ250は、ローカルデータブローカ106を含む。RAMは、POCT結果252及び安全保障されたPOCTデータ256を一時的に格納するために使用することができる。いくつかの例では、POCT結果は、下位レベル機器プロトコルデータの形態を取る。この例の目的のため、POCT結果は、下位レベル機器プロトコル(最小下位層プロトコル(MLLP)又は米国材料試験協会(ASTM)の規格に準拠するプロトコルなど)に従うデータを含み得る。安全保障されたPOCTデータは、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上での伝送のためにデータブローカ106によってカプセル化されるか又は変換される検査結果データである。例えば、検査結果データは、トランスポート制御プロトコル(TCP)メッセージとしてフォーマットすることができ、メッセージは、JavaScriptオブジェクト表記法(JSON)メッセージとしてカプセル化することができる。
【0027】
図3は、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するための別のシステムを描写するブロック図である。システム300は、プロセッサデバイス303と、プロセッサデバイス303に通信可能に結合されたメモリデバイス306とを含む。そのようなシステムは、例として、図1のワイドエリアネットワークインフラストラクチャ内の若しくは図1のワイドエリアネットワークインフラストラクチャに接続された又はLIS環境と接続されたネットワークサーバを実装することができる。プロセッサデバイス303は、図1のリモートブローカ112の動作を実行するためのコンピュータプログラムコード(命令又はプログラムコード命令305とも呼ばれる)を実行することができる。プロセッサデバイス303は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャを使用して、サービスバス110から安全保障されたPOCTデータ310を読み取ることと、安全保障されたPOCTデータ310をメモリデバイス306に一時的に格納することと、例えば、JSONメッセージから、データをカプセル化解除することによって、カプセル化されたPOCT結果データにアクセスすることと、オリジナルのPOCT結果データ312を中央ミドルウェア116に転送することとが可能である。POCT結果データ312は、メモリデバイス306に一時的に格納することができる。POCT結果データは、POCTデバイスからのオリジナルの下位レベル機器プロトコルデータ、又は、下位レベル機器プロトコルデータから導出されるか若しくは下位レベル機器プロトコルデータを説明する情報であり得る。
【0028】
プロセッサデバイス303の非限定的な例は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサなどを含む。プロセッサデバイス303は、メモリデバイス306に格納されたプログラムコード命令305を走らせるための1つ又は複数の動作を実行することができる。コンピュータプログラムコード命令305は、クラウドサービスプラットホーム108からの安全保障されたPOCTデータの受信、安全保障されたPOCTデータ310の格納、POCT結果データ312へのアクセス、POCT結果データ312の格納及び中央ミドルウェア116にPOCT結果データの転送を行うために実行可能な命令を含み得る。
【0029】
メモリデバイス306は、1つのメモリデバイス又は複数のメモリデバイスを含み得る。メモリデバイス306は、不揮発性であり得、電源が入っていない際に格納情報を保持するいかなるタイプのメモリデバイスも含み得る。いくつかの例では、メモリデバイスの少なくともいくつかは、プロセッサデバイスが命令305を読み取ることができる非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令305又は他のプログラムコードをプロセッサデバイスに提供することができる電子、光学、磁気又は他の記憶装置を含み得る。メモリデバイス306の非限定的な例は、電気的消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他の任意のタイプの不揮発性メモリを含む。コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ASIC、構成されたプロセッサ、光学記憶装置、又は、コンピュータプロセッサが命令を読み取ることができる他の任意の媒体を含む。また、メモリデバイス306は、1つ又は複数の入力/出力(I/O)モジュール314や、デバイス間及びデバイス内通信を可能にするためのバス又は相互接続部(図示せず)も含む。I/Oモジュール314は、ネットワークインタフェース(図示せず)を含み得、ネットワークインタフェースは、クラウドサービスプラットホーム108と通信する。
【0030】
図4は、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示すフローチャートである。図4のプロセス400については、上記で論じられるコンポーネントを参照して、以下で説明する。ブロック402では、メイン論理203内の処理デバイスは、POCTデバイスとモバイルコンピューティングデバイス内のローカルデータブローカとの間の接続を確立する。POCTデバイス及びモバイルコンピューティングデバイスは、LIS環境の外側に位置する。接続は、POCTデバイスとモバイルコンピューティングデバイスとの間のTCP接続を含む。ブロック404では、POCTデバイスの接続に応答して、ローカルデータブローカとリモートブローカとの間のリアルタイム接続が自動的に確立される。モバイルコンピューティングデバイス上のアプリケーション内のブローカと下流のリモートブローカとの間のリアルタイム接続は、POCTデバイスとLIS 118との間のリアルタイム接続を提供する。ブロック405では、メイン論理203内の処理デバイスは、ポイントオブケア検査デバイス102からPOCT結果252を受信する。POCT結果は、例として、下位レベル機器プロトコルデータとして受信される。ブロック406では、制御論理203内の処理デバイスは、ローカルデータブローカを使用して、LIS 118に運搬するための安全保障されたPOCTデータ256を生成するように下位レベル機器プロトコルデータを構成する。一例では、プロセッサデバイスは、検査結果データを含む下位レベル(TCP)メッセージをJSONメッセージ内にカプセル化することによって、POCT検査結果データを構成する。ブロック408では、クラウドサービスプラットホーム108を含むワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上で、安全保障されたPOCTデータがリモートブローカに送信される。
【0031】
ブロック410では、プロセッサデバイス303は、例えば、JSONメッセージから下位レベル機器プロトコルデータをカプセル化解除することによって、安全保障されたPOCTデータ310からPOCT結果データにアクセスすることをリモートブローカに行わせる。ブロック412では、プロセッサデバイス303は、EMRに投入するために、POCT結果312をLIS 118に提供することができる。POCT結果は、検査結果をEMRに透過的に投入するための追加のフォーマット及びデータ整合のために、中央ミドルウェア116に提供することができる。検査結果がEMRに投入された時点で、要求に応じて、プロバイダコンピューティングデバイスによって、LISから、POCT結果を含むEMR又はEMRの一部にアクセスすることができる。要求の際、ブロック414において、EMRは、プロバイダコンピューティングデバイスに送信することができる。いくつかの例では、プロバイダコンピューティングデバイスは、患者の記録にアクセスするために臨床医、医師又は同様のヘルスケア提供者によって使用される任意のコンピューティングデバイスである。また、診療所によって維持されるEMRなどのポイントオブケアEMRは、図10及び11を参照して以下で説明されるように、検査結果又は他の情報を含むように、LISから更新することができる。
【0032】
図5~7は、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供する際に使用されるプロセスを示すフローチャートである。これらの図は、モバイルコンピューティングデバイスアプリケーションがクラウドサービスプラットホームとどのように対話するかを示す。図5は、接続プロセス500を示す。ブロック502では、POCTデバイスがモバイルコンピューティングデバイスに接続され、ブロック504では、モバイルコンピューティングデバイスは、適切なクラウドサービスに既に接続されているかどうかを決定する。適切なクラウドサービスに既に接続されている場合は、ブロック506において、プロセスが終了し、適切なクラウドサービスに未だ接続されていない場合は、ブロック508において、モバイルコンピューティングデバイスアプリケーションは、接続メッセージをクラウドサービスに送信する。モバイルコンピューティングデバイスは、1つのクラウドサービス又は複数のクラウドサービスと接続することができる。例として、クラウドサービスは、符号化/復号サービス、追加のミドルウェア、追加のブローカ及び/又はメッセージキューを含み得る。この例では、POCT TCP接続において、図5及び図6の接続メッセージングは、メッセージを聞き取るためにサービスバス110とのウェブソケット接続を確立させ、メッセージを送信するためにサービスバス110とのウェブソケット接続を確立する。
【0033】
図6は、データ送信の例を示す。プロセス600のブロック602において、POCTデバイスからデータが送信される際、ブロック604において、システムの接続ステータスが決定される。接続プロセスが未だ行われていないか又は接続が失われたことを理由に、システムが接続されていない場合は、ブロック606において、新しい接続メッセージが生成され、送信される。システムが接続されている場合は、ブロック608において、データカプセル化が行われ、ブロック610において、適切なクラウドサービスにデータが送信される。この例においてPOCTデバイスからモバイルコンピューティングデバイスに送信されるメッセージは、TCP上の下位レベル機器通信プロトコルである。POCTデバイスがモバイルコンピューティングデバイスにデータを送信する際、モバイルコンピューティングデバイスのデータブローカは、データをカプセル化し、データをサービスバス110に送信することができる。モバイルコンピューティングデバイスアプリケーションは、データブローカがメッセージを送信しなければならないように、及び、TCP:psh,ackコマンドを使用してデータがPOCTデバイスバッファからアプリケーションにプッシュされるように設計することができる。アプリケーション層では、このコマンドは、TCPスタックからのメッセージイベントと解釈することができる。
【0034】
図7は、接続切断プロセス700を示す。ブロック702では、POCTデバイスは、モバイルコンピューティングデバイスからの接続を切断する。ブロック704では、モバイルコンピューティングデバイスは、システムとのアクティブ接続が維持されているかどうかを決定する。システムとのアクティブ接続が維持されていない場合は、ブロック706において、プロセスが終了する。システムとのアクティブ接続が維持されている場合は、ブロック708において、接続切断メッセージがクラウドサービスプラットホーム108に送信される。
【0035】
図8は、クラウドサービスプラットホーム108がモバイルコンピューティングデバイスに通信を返すためのプロセスの例を示す。プロセス800のブロック802では、上流のサーバ(例えば、リモートブローカ112及び/又は中央ミドルウェア116を走らせているもの)からメッセージが受信される。ブロック804では、データ接続メッセージが送信され、アプリケーションとの接続が未だ存在しているかどうかが決定される。アプリケーションとの接続が未だ存在している場合は、ブロック806において、メッセージタイプに関する決定が行われる。メッセージがデータである場合は、ブロック808において、TCP上でメッセージが送信される。メッセージがデータではない場合は、ブロック810において、接続切断メッセージがモバイルコンピューティングデバイスに送信される。接続が存在していない場合は、ブロック812において、POCTデバイスと上流のプラットホームとの間の接続を再確立するためにメッセージが送信される。それに成功すれば、ブロック808において、データが送信される。成功しなければ、ブロック816において、接続切断メッセージが送信される。
【0036】
図9A及び図9Bは、本開示の態様による、POCTデバイス用の透過的で安全なリンクを提供するために使用することができるメッセージフロー900を示す。この例では、モバイルコンピューティングデバイスは、ヘルスケア提供要員905によって使用されているタブレットコンピュータ904である。POCTデバイス102は、タブレットコンピュータ904に接続されている。タブレットコンピュータ902は、アプリケーション908を含む。そのアプリケーションは、前に論じたように、ローカルデータブローカを含む。POCTメッセージングキュー910は、POCTデバイスとデータを交換するために使用される。メッセージングキュー912は、リモートブローカ112とデータを交換するために使用される。この例では、リモートブローカ112は、キュー接続を自動的に確立し、POCTが進行中の間は接続されたままである。また、POCTが進行中の間は、ミドルウェア116との接続も持続することができる。従って、ユーザの視点から、POCTデバイスは、リモートLISとの接続を維持している。或いは、このユーザの視点を維持したまま、接続及び接続切断を必要に応じて行うことができる。従って、メッセージングキュー912は、POCTメッセージングキュー910及びリモートブローカ112とメッセージを交換する。ミドルウェア116は、例として、図1に示される中央ミドルウェアであり得る。
【0037】
図9Aに示されるような初期化段階916の間、タブレットコンピュータ904は、ヘルスケア提供要員から、検査を始めるという入力を受信する。例えば、タブレットは、表示された「スタート」又は「開始」仮想ボタンに基づいて、(I/O)ブロック212を通じてユーザ入力を受信することができる。アプリケーション908がこの表示を受信すると、ブロック918において、接続メッセージを聞き取るためにローカルTCPポートが開く。次いで、メッセージフロー900の初期化段階916に示される接続メッセージングを行うことができる。メッセージフロー900の接続段階920の間、接続メッセージの送信、エンキュー及びデキューが行われ、システムを通じてJSONメッセージが送信される。ブロック922では、接続要求にアクセスするために、JSONメッセージがカプセル化解除され、TCPを使用してミドルウェア116に接続要求が送信される。ミドルウェア116を通じて受信されたLISからの応答は、ブロック914及び接続段階920の残りのメッセージングにおいて、JSONメッセージにカプセル化される。
【0038】
図9Bの伝送ループ段階924の間、POCTデバイスは、相応に、接続応答に基づいて動作し、POCT検査結果をキューに入れる。ブロック926では、安全保障されたPOCTデータを提供するために、POCT結果データがJSONメッセージにカプセル化され、ブロック928では、オリジナルのPOCT検査結果を回収するために、安全保障されたPOCTデータのエンキュー、デキュー及びアクセスが行われる。伝送ループ段階924における応答は、逆方向に進み、ブロック930において、バイナリ応答がJSONメッセージにカプセル化される。検査が完了すると、接続切断段階940に入る。
【0039】
図9の例に示されるJSONメッセージは、以下のフォーマットを取る。

type:<msg type enum>,
body:<base64 encoded binary data>
},
メッセージタイプは、「データ」、「接続」及び「接続切断」のうちの1つである。ボディは、base64符号化が行われている生のTCPバッファ情報を含み、メッセージタイプが「データ」である場合にのみ投入される。例として、JSONデータ伝送メッセージは、以下のように現れ得る。

type:data,
body:<aGVsbG93b3JsZA==>
}.
例示的な接続メッセージは、以下のように現れ得る。

type:connect
}.
【0040】
図10は、本開示の態様による、ポイントオブケア医療記録のための透過的で安全なリンクを提供するためのシステムを描写するブロック図である。システム1000は、ポイントオブケア(POC)環境101を含み、例として、診療所が挙げられる。POC環境101は、前に論じたようなモバイルコンピューティングデバイスであり得るコンピューティングデバイス(図示せず)を含む。また、POC環境1001は、前に論じたような1つ又は複数のPOCTデバイスも含み得る。POC環境内のコンピューティングデバイス及びローカルシステムは、患者EMR(例えば、EMR 1003)を維持することができる。ローカルデータブローカ1006は、前に説明したように、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上でLIS環境1011から情報を受信し、EMR 1003に情報を投入するか又はEMR 1003を情報で更新することができる。
【0041】
ローカルデータブローカ1006は、POC EMR 1003とクラウドサービスプラットホーム1008で配備されるサービスバス1010との間のデータのフローを取り扱うためのメッセージ指向ミドルウェアソフトウェアモジュールであり得る。ローカルデータブローカ1006は、EMR 1003を取り扱うアプリケーションと、モバイルコンピューティングデバイスがワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上でインタフェース接続しなければならない他のアプリケーションとの仲介物としての役割を果たす。サービスバス1010は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャで又はワイドエリアネットワークインフラストラクチャの背後で配備されるアプリケーションからPOC環境1001でのアプリケーションを切り離すために使用される。
【0042】
依然として図10を参照すると、リモートブローカ1012は、VPN接続によって提供され得るものなどのエンドツーエンド暗号化チャネルを必要とすることもなく、インターネット1007を含むワイドエリアネットワークインフラストラクチャを横断させるための安全保障されたEMRデータを提供するために、LIS環境1011のLIS 1018から受信された下位レベルEMRデータの翻訳及び/又はカプセル化を行う。ローカルデータブローカ1006は、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上で、リモートブローカ1012から安全保障されたEMRデータを受信する。この例では、リモートブローカ1012は、中央ミドルウェア1016とローカルデータブローカ1006との間のデータのフローを取り扱う。リモートブローカ1012は、ミドルウェア1016から、下位レベルEMRプロトコルデータ又は少なくとも下位レベルEMRプロトコルデータからの情報を受信し、下位レベルEMRデータ又は下位レベルEMRデータからの情報をカプセル化し、POC EMR 1003のヘルスケア情報を更新できるようにPOC環境1001にデータを送信する。この例では、中央ミドルウェア116は、LIS 1018とリモートブローカ1012との間の翻訳層を提供する。
【0043】
LIS環境1011は、LAN、バーチャルLAN、VPNを介してLISに接続されるか又はLISのファイアウォール若しくは情報セキュリティ構造内にある、検査研究所内、病院内、クリニック内などのコンピュータシステム(図示せず)を含む。これらの方法のいずれかでLISに接続されていないか又はLISに関連しないデバイスは、LIS環境の外側又は外部に位置するといえる。LIS環境内に位置する研究所、病院、クリニック及び同様のものは、典型的には、何らかの方法で、LISを維持するものと同じ実体の系列であるか又は同実体とパートナー関係を結んでいる。リモートデータブローカ1012及び中央ミドルウェア1016は、LIS環境の一部でも、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャの一部でもよく、コンポーネントの一方又は両方がLIS環境とワイドエリアネットワークインフラストラクチャの両方に存在することも可能である。
【0044】
図10を続けると、例として、LIS環境1011内及びPOC環境1001内の一方又は両方のメッセージは、ヘルスレベル7(HL7)規格に従って送信することができ、その規格の下では、メッセージは、EMRデータに対する下位レベルプロトコルとしてASCIIベースの最小下位層プロトコル(MLLP)を使用して交換される。従って、システム1000の状況では、下位レベルEMRデータは、少なくとも部分的にMLLPメッセージからなり得る。図10の例では、そのようなメッセージは、ミドルウェア1016から送信し、リモートブローカ1012用のTCPリスニングスタック1019によって受信することができる。同様に、MLLPメッセージは、リモートブローカ1012から、ミドルウェア1016用のTCPリスニングスタック1020に送信することもできる。リモートブローカ1012は、受信した下位レベルEMRデータをカプセル化し、ワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上でPOC環境1001に安全に送信する。
【0045】
データブローカ1006は、安全保障されたEMRデータを受信し、安全保障されたEMRデータから下位レベルEMRデータ(MLLP)にアクセスし、EMRデータを使用してPOC EMR 1003への投入又は更新を行うことができ、POC EMR 1003は、POC環境1001内で又は別のリモートプロバイダ若しくはクリニックにおいて、POCTデバイスによって本来記録されている新しい検査結果を含み得る。POC EMRからの情報をLISに送り返す必要がある場合は、データブローカ1006は、POC EMR 1003からのデータを含むMLLPメッセージを受信するためのTCPリスニングスタック1009を含む。
【0046】
図11は、本開示の態様による、ポイントオブケア医療記録管理のための透過的で安全なリンクを提供するためのプロセスを示すフローチャートである。ブロック1102では、POC環境及びLIS環境内の処理デバイスは、ローカルデータブローカ1006とリモートブローカ1012との間の接続を確立する。データブローカ1006及びデータブローカを走らせているコンピューティングデバイスは、LIS環境の外側に位置する。次に、ブローカ間のリアルタイム接続は、POC EMR 1003とLIS 1018との間の接続を提供する。ブロック1106では、コンピューティングデバイス(例えば、LIS環境においてリモートブローカ1012を走らせているサーバ)は、POC環境1001に運搬するための安全保障されたEMRデータを生成するように下位レベルEMRデータを構成する。例として、安全保障されたEMRデータは、EMRデータをさらに含むMLLPメッセージをカプセル化したJSONメッセージを含み得る。ブロック1108では、クラウドサービスプラットホーム1008を含むワイドエリアネットワークインフラストラクチャ上で、安全保障されたPOCTデータがPOCローカルデータブローカ1006に送信される。クラウドサービスプラットホーム1008は、サービスバス1010を含み得、サービスバス1010は、負荷バランシング、ルーティング、及び、メッセージキューを使用した他の機能を提供する。ブロック1110では、ローカルデータブローカ1006を走らせているPOC環境1001内のコンピューティングデバイスは、例えば、JSONメッセージからMLLPメッセージをカプセル化解除することによって、安全保障されたEMRデータから下位レベルEMRデータにアクセスする。ブロック1112では、LISからの下位レベルEMRデータでPOC EMR 1003を更新するか又はLISからの下位レベルEMRデータをPOC EMR 1003に投入する。
【0047】
別段の具体的な言明がない限り、この仕様全体を通じて、「処理」、「コンピューティング」又は同様の用語は、コンピューティングプラットホームのメモリ、レジスタ、又は、他の情報記憶装置、伝送デバイス若しくはディスプレイデバイス内の物理的な電子又は磁気量として表されるデータを操作又は変換する1つ若しくは複数のコンピュータ又は1つ若しくは複数の同様の電子コンピューティングデバイスなどのコンピューティング又は処理デバイスの働き又はプロセスを指す。「患者」という用語は、人間の患者のみならず、獣医学診療においてPOCTが実行され得る動物も指し得る。
【0048】
本明細書で論じられる1つ又は複数のシステムは、特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。コンピューティングデバイスは、1つ又は複数の入力に基づいて調整された結果を提供するコンポーネントの任意の適切な配列を含み得る。適切なコンピューティングデバイスは、格納されたソフトウェアにアクセスする多目的マイクロプロセッサベースのコンピューティングシステムを含み、格納されたソフトウェアは、汎用コンピューティング装置から、本対象物の1つ又は複数の態様を実施する専用コンピューティング装置に、コンピューティングシステムをプログラムするか又は構成する。任意の適切なプログラミング言語、スクリプト言語若しくは他のタイプの言語又はそれらの言語の組合せは、コンピューティングデバイスのプログラミング又は構成において使用されるソフトウェアにおいて、本明細書に含まれる教示を実施するために使用することができる。
【0049】
本明細書で開示される方法の態様は、そのようなコンピューティングデバイスの動作において実行することができる。上記の例で提示されるブロックのいくつかでの順番は変更することができ、例えば、ブロックを並び替えること、組み合わせること又はサブブロックに分けることができる。特定のブロック又はプロセスは、並行して実行することができる。
【0050】
本明細書における「~ように構成された」という用語の使用は、制限のない包括的な言語を目的とし、追加のタスク又はステップを実行するように構成されたデバイスを除外しない。それに加えて、「~に基づく」という用語の使用は、コンピューティング又は処理デバイスの働き又はプロセスを指すことや、実践では、1つ又は複数の記載される条件又は値に「基づく」プロセス、ステップ、計算又は他の働きが、記載されるものを超える追加の条件又は値に基づき得るという点で、制限のない包括的なものであることを目的とする。本明細書に含まれる見出し、リスト及び付番は、単に説明を容易にするためのものであり、制限を目的とするものではない。構造、システム、モジュール、ネットワーク又は同様のものの間の「接続」は、直接接続も、介在構造、システム、モジュール、ネットワークなどを通じる接続も指し得る。
【0051】
対象物の例(説明に役立つ例を含む)の前述の説明は、単なる例示及び説明を目的として提示してきたが、網羅的であることも、対象物が開示される通りの正確な形態に限定されることも意図しない。当業者であれば、この対象物の範囲から逸脱しない範囲で、その多くの修正、適応及びその使用が明らかであろう。上記で説明される説明に役立つ例は、本明細書で論じられる一般的な対象物を読者に紹介するために与えられるものであり、開示される概念の範囲を制限することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】