(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】双安定バネを有する支持部及びこれを含む運動補助装置
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20230719BHJP
A63B 23/04 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61H1/02 N
A63B23/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574107
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 KR2021001341
(87)【国際公開番号】W WO2022004983
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0082241
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136636
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンベク
(72)【発明者】
【氏名】ロォ,セ-ゴン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミンヒュン
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA06
4C046AA08
4C046AA09
4C046AA25
4C046AA42
4C046AA45
4C046AA49
4C046BB04
4C046BB07
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD02
4C046DD13
4C046DD14
4C046DD21
4C046DD36
4C046DD37
4C046DD38
4C046DD39
4C046DD41
(57)【要約】
一実施形態に係る支持部は、メイン本体と、前記メイン本体に連結される1対のメインフレームと、前記1対のメインフレームにそれぞれ連結される1対のストラップと、前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態(stable state)のいずれか1つの安定状態に保持される双安定バネ(bistable spring)とを含み、前記2つの安定状態は、前記双安定バネが長手方向に沿ってまっすぐ伸びた形状を有する第1安定状態と、前記双安定バネが1回屈曲された形状を有する第2安定状態とを含み、前記ストラップの形状は、前記双安定バネの形状に応じて決定されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン本体と、
前記メイン本体に連結される1対のメインフレームと、
前記1対のメインフレームにそれぞれ連結される1対のストラップと、
前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態(stable state)のいずれか1つの安定状態に保持される双安定バネ(bistable spring)を含み、
前記2つの安定状態は、前記双安定バネが長手方向に沿ってまっすぐ伸びた形状を有する第1安定状態と、前記双安定バネが1回屈曲された形状を有する第2安定状態を含み、
前記ストラップの形状は前記双安定バネの形状に応じて決定される支持部。
【請求項2】
前記双安定バネが前記第1安定状態にあるとき、前記1対のストラップそれぞれは前記メインフレームから前方に延びた形状を保持する、請求項1に記載の支持部。
【請求項3】
前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられた前記双安定バネが全て前記第2安定状態にあるとき、前記1対のストラップそれぞれは互いにオーバーラップされる、請求項1に記載の支持部。
【請求項4】
前記双安定バネは、前記第1安定状態にあるとき長手方向に沿って垂直方向に凸状を有し、前記第1安定状態から前記第2安定状態に転換される間、前記凸状の曲率は減少する、請求項1に記載の支持部。
【請求項5】
前記双安定バネは、前記ストラップの長手方向を基準にして位置が固定されている、請求項1に記載の支持部。
【請求項6】
前記ストラップは、前記双安定バネを収容するための収容空間を含み、
前記ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして、前記収容空間の幅は前記ストラップの幅よりも大きい、請求項1に記載の支持部。
【請求項7】
前記第2安定状態において前記双安定バネの幅は、前記第1安定状態で前記双安定バネの幅よりも大きく、前記収容空間の幅よりも小さい、請求項6に記載の支持部。
【請求項8】
前記ストラップの内側に備えられ、前記ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして前記双安定バネにオーバーラップされるパッドをさらに含む、請求項1に記載の支持部。
【請求項9】
前記パッドは、前記ストラップに脱着可能である、請求項8に記載の支持部。
【請求項10】
前記1対のストラップのいずれか1つのストラップに連結され、他方のストラップを取り囲むことができる1対の補助ストラップをさらに含む、請求項1に記載の支持部。
【請求項11】
前記1対の補助ストラップそれぞれの内部に設けられる補助双安定バネをさらに含む、請求項10に記載の支持部。
【請求項12】
前記ストラップの内部に備えられ、前記ストラップより相対的に強盛な材質から形成されるインナフレームをさらに含む、請求項1に記載の支持部。
【請求項13】
前記インナフレームは、
前記メインフレームから延び、前記双安定バネに連結される第1インナフレームと、
前記双安定バネから前記ストラップの端部に向かって延びる第2インナフレームと、
を含む、請求項12に記載の支持部。
【請求項14】
前記双安定バネは複数備えられ、複数の双安定バネは前記ストラップの長手方向に沿って互いに離隔して配置される、請求項1に記載の支持部。
【請求項15】
請求項1に記載の支持部と、
前記メインフレームに配置されるアクチュエータと、
前記アクチュエータから動力が伝達されて回転可能な駆動フレームを含む、運動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双安定バネを有する支持部及びこれを含む運動補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運動補助装置(motion assistance device)は、各種の疾患や事故などによって自ら歩くことのできない患者がリハビリ治療のための運動可能に補助する機構又は装置のことを指す。最近、高齢化社会が深刻化されることにより関節の問題で正常な運動が困難であるか、運動について不便を訴える人々が増加しており、運動補助装置に対する関心が高まっている。運動補助装置はユーザの体に装着され、ユーザが運動するために必要な筋力を補助(assistance)し、ユーザが正常に運動できるようにユーザの歩行を誘導する。
【0003】
一般に、運動補助装置を着用しているユーザは、体の動きが不便な人々である。その人たちに運動補助装置を着用する過程そのものが負担になりかねない。体の動きが不便なユーザが他人の助けを受けることなく一人で運動補助装置を着用可能にする技術が要求される実状である。
【0004】
上記で説明した背景技術は、発明者が本明細書の開示内容を導き出す過程に保持したり習得したものであり、必ず本出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは言えない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る支持部は、メイン本体と、前記メイン本体に連結される1対のメインフレームと、前記1対のメインフレームにそれぞれ連結される1対のストラップと、前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態(stable state)のいずれか1つの安定状態に保持される双安定バネ(bistable spring)を含み、前記2つの安定状態は、前記双安定バネが長手方向に沿ってまっすぐ伸びた形状を有する第1安定状態と、前記双安定バネが1回屈曲された形状を有する第2安定状態を含み、前記ストラップの形状は前記双安定バネの形状に応じて決定されることができる。
【0006】
前記双安定バネが前記第1安定状態にあるとき、前記1対のストラップそれぞれは前記メインフレームから前方に延びた形状を保持することができる。
【0007】
前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられた前記双安定バネが全て前記第2安定状態にあるとき、前記1対のストラップそれぞれは互いにオーバラップされることができる。
【0008】
前記双安定バネは、前記第1安定状態にあるとき長手方向に沿って垂直方向に凸状を有し、前記第1安定状態から前記第2安定状態に転換される間に前記凸状の曲率は減少し得る。
【0009】
前記双安定バネは、前記ストラップの長手方向を基準にして位置が固定されることができる。
【0010】
前記ストラップは、前記双安定バネを収容するための収容空間を含み、前記ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして、前記収容空間の幅は前記ストラップの幅よりも大きくてもよい。
【0011】
前記第2安定状態で前記双安定バネの幅は、前記第1安定状態で前記双安定バネの幅よりも大きく、前記収容空間の幅よりも小さくてもよい。
【0012】
前記支持部は、前記ストラップの内側に備えられ、前記ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして前記双安定バネにオーバーラップされるパッドをさらに含むことができる。
【0013】
前記パッドは、前記ストラップに脱着可能である。
【0014】
前記支持部は、前記1対のストラップのいずれか1つのストラップに連結され、他方のストラップを取り囲むことができる1対の補助ストラップを含むことができる。
【0015】
前記支持部は、前記1対の補助ストラップそれぞれの内部に設けられる補助双安定バネをさらに含んでもよい。
【0016】
前記支持部は、前記ストラップの内部に備えられ、前記ストラップより相対的に強盛な材質から形成されるインナフレームをさらに含んでもよい。
【0017】
前記インナフレームは、前記メインフレームから延び、前記双安定バネに連結される第1インナフレームと、前記双安定バネから前記ストラップの端部に向かって延びる第2インナフレームを含むことができる。
【0018】
前記双安定バネは複数備えられ、複数の双安定バネは前記ストラップの長手方向に沿って互いに離隔して配置されることができる。
【0019】
一実施形態に係る支持部は、メインフレームと、前記メインフレームの両端にそれぞれ連結される1対のストラップと、前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態(stable state)のいずれか1つの安定状態に保持される双安定バネ(bistable spring)を含み、前記2つの安定状態は、前記双安定バネが長手方向に沿ってまっすぐ伸びた形状を有する第1安定状態と、前記双安定バネが1回屈曲された形状を有する第2安定状態を含み、前記ストラップの形状は前記双安定バネの形状に応じて決定されることができる。
【0020】
一実施形態に係る運動補助装置は、メイン本体と、前記メイン本体に連結される1対のメインフレームと、前記1対のメインフレームにそれぞれ連結される1対のストラップと、前記1対のストラップそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態(stable state)のいずれか1つの安定状態に保持される双安定バネ(bistable spring)と、前記メインフレームに配置されるアクチュエータと、前記アクチュエータから動力が伝達されて回転可能な駆動フレームを含む。
【0021】
前記2つの安定状態は、前記双安定バネが長手方向に沿ってまっすぐ伸びた形状を有する第1安定状態と、前記双安定バネが1回屈曲された形状を有する第2安定状態を含み、前記ストラップの形状は前記双安定バネの形状に応じて決定されることができる。
【0022】
前記双安定バネが前記第1安定状態にあるとき、前記1対のストラップそれぞれは前記メインフレームから前方に延びた形状された状態を保持することができる。
【0023】
前記ストラップの内側に備えられ、前記ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして前記双安定バネにオーバーラップされるパッドをさらに含んでもよい。
【0024】
前記運動補助装置は、前記ストラップの内部に備えられ、前記ストラップより相対的に強盛な材質から形成されるインナフレームをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態に係る運動補助装置を示す正面図である。
【
図2】一実施形態に係る運動補助装置を示す側面図である。
【
図3】一実施形態に係る双安定バネが第1安定状態にあるとき支持部を示す平面図である。
【
図4】一実施形態に係る双安定バネが第2安定状態にあるとき支持部を示す平面図である。
【
図5】第1安定状態の双安定バネを示す斜視図である。
【
図6】第2安定状態の双安定バネを示す斜視図である。
【
図7】双安定バネの変位角度によるポテンシャルエネルギーを概略的に示したグラフである。
【
図8】
図3に示す切開線VIII-VIIIに沿って切開した断面図である。
【
図9】
図3に示す切開線IX-IXに沿って切開した断面図である。
【
図10】一実施形態に係るメインフレーム、ストラップ及び双安定バネを示す断面図である。
【
図11】第2ストラップが第1ストラップに接近する形状を示す断面図である。
【
図12】1対のストラップが固定部材によって固定された状態を示す断面図である。
【
図13】一実施形態に係る支持部を図示する平面図である。
【
図14】一実施形態に係る支持部を図示する平面図である。
【
図15】一実施形態に係る支持部を概略的に図示する平面図である。
【
図16】一実施形態に係るメインフレーム、ストラップ、双安定バネ及びインナフレームを示す断面図である。
【
図17】一実施形態に係るメインフレーム、ストラップ、双安定バネ及びインナフレームを示す断面図である。
【
図18】一実施形態に係る支持部が身体に着用された姿を概略的に図示する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0027】
第1又は第2などの用語を様々な構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0028】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0029】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0030】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と、共同的な機能を含む構成要素は、他の実施形態において同じ名称を用いて説明することにする。犯となる記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は、他の実施形態にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0031】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0032】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0033】
図1は、一実施形態に係る運動補助装置を示す正面図であり、
図2は、一実施形態に係る運動補助装置を示す側面図である。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、運動補助装置100は、ユーザに着用され、ユーザの運動を補助することができる。ユーザは、人、動物、又はロボットなどであってもよいが、これらに制限されることはない。また、
図1は、運動補助装置100が、ユーザの太ももの運動を補助する場合について示しているが、運動補助装置100は、ユーザの手、上腕、前腕などの上半身の他の部分や、足、ふくらはぎなどの下半身の他の部位を補助することも可能である(
図18参照)。言い換えれば、運動補助装置100は、ユーザの一部の運動を補助することができる。以下、運動補助装置100が、人の太ももの運動を補助する場合について例示的に説明する。
【0035】
運動補助装置100は、メイン本体10と、1対のメインフレーム20と、1対のストラップ11と、1対のストラップ11のいずれか1つのストラップに連結される補助ストラップ15と、アクチュエータ21と、ジョイント部材22と、駆動フレーム23を含む。
【0036】
メイン本体10は、内部にアクチュエータ21を制御するための制御部(図示せず)と、アクチュエータ21に電源を供給するための電源供給部(図示せず)を収容してもよい。例えば、メイン本体10は、運動補助装置100がユーザの身体に着用された状態を基準にして、ユーザの背中側に配置されてもよい。
【0037】
1対のメインフレーム20は、メイン本体10に連結されている。メインフレーム20は、ユーザに固定されてもよい。メインフレーム20は、ユーザの外面の少なくとも一部に接触している。メインフレーム20は、ユーザの外面に沿って取り囲む形状である。メインフレーム20は、ユーザの接触の部分に対応する形状に湾曲形成される。言い換えれば、メインフレーム20は、ユーザに接触する湾曲面を含むことができる。例えば、メインフレーム20は、ユーザの腰の一側に固定されてもよい。
【0038】
1対のストラップ11は、1対のメインフレーム20にそれぞれ連結されている。1対のストラップ11は、ユーザが運動補助装置100を着用する前の状態では前方(+x方向)に伸びる形状を保持し、ユーザが1対のメインフレーム20の内側に進入することを妨害しない。一方、ユーザが1対のメインフレーム20の内側に進入した状態では、1対のストラップ11は変形され、図示するように、ユーザの前方の部分を取り囲んでもよい。メイン本体10、1対のメインフレーム20、及び1対のストラップ11は、ユーザの周縁を全体的に取り囲むことができる。
【0039】
1対の補助ストラップ15は、1対のストラップ11が互いにオーバラップされた状態で、1対のストラップ11を互いに固定させる得る。例えば、1対のストラップ11のいずれか1つのストラップは、1対の補助ストラップ15と共に他方のストラップを取り囲んでもよい。
【0040】
アクチュエータ21は、ジョイント部材22に伝達される動力を提供する。アクチュエータ21は、電源供給部から電圧又は電流が提供されて動力を生成するモータを含む。例えば、アクチュエータ21は、ジョイント部材22の側方向に配置されてもよい。言い換えれば、アクチュエータ21の回転軸及びジョイント部材22の回転軸は互いに離隔するように配置されてもよい。この場合、アクチュエータ21及びジョイント部材22が回転軸を共有する場合よりも、ユーザから突出される高さを減らすことができる。一方、図面とは異なって、アクチュエータ21は、ジョイント部材22と離隔して配置されてもよい。この場合、アクチュエータ21からジョイント部材22に動力を伝達する動力伝達モジュールが備えられる。動力伝達モジュールは、ギヤなどの回転体、ワイヤ、ケーブル、ストリング、ゴムバンド、バネ、ベルト、又は、チェーンなどの長手方向の部材であってもよい。但し、実施形態において、アクチュエータ21の位置及び動力伝達構造が制限されることはない。
【0041】
ジョイント部材22は、アクチュエータ21から動力が伝達され、ユーザの関節部の運動を補助することができる。ジョイント部材22は、ユーザの関節部に対応する位置に配置されてもよい。ジョイント部材22は、メインフレーム20の一側に配置される。ジョイント部材22の一側はアクチュエータ21に連結され、他方は駆動フレーム23に連結されている。ジョイント部材22は、アクチュエータ21から伝達された動力によって回転される。ジョイント部材22の一側には、ジョイント部材22の回転角度を測定するエンコーダが配置されてもよい。
【0042】
駆動フレーム23は、ユーザの一部の運動を補助することができる。駆動フレーム23は、ジョイント部材22の回転力によって回転される。駆動フレーム23は、支持フレーム231、作用部材232、及び支持部材233を含む。
【0043】
支持フレーム231は、ユーザの一部の運動を補助するための補助力を伝達することができる。ここで、補助力とは、ユーザの一部の運動方向と一致する方向に作用する力として理解される。言い換えれば、補助力は、ユーザの一部に作用する力のうち、一部の運動方向と交差する方向の力を除いた力として理解され得る。支持フレーム231の一端部は、ジョイント部材22と連結されて回動される。支持フレーム231の他端部は支持部材233に連結され、ユーザの一部に補助力を伝達することができる。例えば、支持フレーム231は、ユーザの太ももを押したり引っ張ってもよい。支持フレーム231は、ユーザの太ももの長手方向に沿って延びることができる。支持フレーム231は、折り曲げられてユーザの太もも周縁の少なくとも一部を取り囲むことができる。
【0044】
作用部材232は、ユーザの一部に補助力を作用することができる。作用部材232は、支持フレーム231の他端部と支持部材233との間に設けられてもよい。例えば、作用部材232は、ユーザの太ももの一側に配置され、ユーザの太ももを押したり引っ張ってもよい。作用部材232は、ユーザの太ももの前面に配置されてもよい。作用部材232は、ユーザの太ももの周縁方向に沿って配置される。作用部材232は、支持フレーム231の他端部を中心に両側に延びることができる。作用部材232は、ユーザの太ももに対応する湾曲面を含む。
【0045】
支持部材233は、作用部材232の一側に連結されている。例えば、支持部材233は、ユーザの太ももの少なくとも一部の周縁を取り囲むように配置され、ユーザの太ももが支持フレーム231から離脱することを防止できる。
【0046】
図3は、一実施形態に係る双安定バネが第1安定状態にあるとき支持部を示す平面図であり、
図4は、一実施形態に係る双安定バネが第2安定状態にあるとき支持部を示す平面図である。
【0047】
図3及び
図4を参照すると、運動補助装置100はユーザの身体に着用され、ユーザの体の一部を支持する支持部Aを含む。ここで、支持部Aは、メイン本体10、1対のメインフレーム20a,20b、1対のストラップ111,112、双安定バネ12(bistable spring)、パッド14及び1対の補助ストラップ151,152を含む。
【0048】
1対のメインフレーム20a,20bは、メイン本体10の右側に連結される第1メインフレーム20aと、メイン本体10の左側に連結される第2メインフレーム20bを含む。1対のメインフレーム20a,20bは、ユーザ身体の一部を部分的に取り囲んでもよい。
【0049】
1対のストラップ111,112は、第1メインフレーム20aに連結される第1ストラップ111と、第2メインフレーム20bに連結される第2ストラップ112を含む。
【0050】
第1ストラップ111及び第2ストラップ112のそれぞれは、
図3に示された形状のような「第1形状」を有するか、
図4に示された形状のような「第2形状」を有してもよい。例えば、第1ストラップ111又は第2ストラップ112が外力によって一時的に「第1形状」又は「第2形状」を保持できない場合、第1ストラップ111又は第2ストラップ112は、双安定バネ12の復原力によって「第1形状」又は「第2形状」に復元され得る。
【0051】
ユーザが1対のメインフレーム20a,20bの内側に進入していない状態で、1対のストラップ111,112のそれぞれは「第1形状」を保持し、1対のメインフレーム20a,20bから前方に延びた形状を保持することができる。一方、ユーザが運動補助装置100を着用した状態、言い換えれば、ユーザが1対のメインフレーム20a,20bの内側に進入した状態で、1対のストラップ111,112のそれぞれは「第1形状」から「第2形状」に転換され、ユーザの前方を取り囲むことができる。例えば、ユーザは、1対のストラップ111,112に手で外力を印加し、1対のストラップ111,112を「第1形状」から「第2形状」に転換させることができる。
【0052】
双安定バネ12は、1対のストラップ111,112のそれぞれの内部に備えられ、復原力によって2つの安定状態のいずれか1つの安定状態に保持され得る。2つの安定状態は、双安定バネ12が長手方向に沿ってまっすぐ伸びている形状を有する「第1安定」と、双安定バネ12が1回屈曲された形状を有する「第2安定」を含む。
【0053】
ストラップの形状を双安定バネ12の形状に応じて決定されることができる。例えば、双安定バネ12が「第1安定」にあるときストラップは「第1形状」を保持し、双安定バネ12が「第2安定」にあるときストラップは「第2形状」を保持する。
【0054】
1対のストラップ111,112の内部に備えられた双安定バネ12が「第1安定」にあるとき、1対のストラップ111,112のそれぞれは、1対のメインフレーム20a,20bから前方(+x方向)に延びている形状を保持することができる。
【0055】
1対のストラップ111,112の内部に備えられた双安定バネ12が「第2安定」にあるとき、1対のストラップ111,112のそれぞれは互いに+x方向を基準にして互いにオーバラップされる。
【0056】
パッド14はストラップの内側に備えられ、ストラップの長手方向に沿って垂直方向を基準にして双安定バネ12にオーバラップされる。例えば、第1ストラップ111の内側(-y方向)に備えられたパッド14は、第1ストラップ111の内部に備えられた双安定バネ12と、ストラップ111の長手方向(x軸方向)に沿って垂直方向(y軸方向)を基準にして互いにオーバラップされる。
【0057】
パッド14は、1対のストラップ111,112が「第2形状」であるとき、1対のストラップ111,112が形成してる角度を調節できる。パッド14は、1対のストラップ111,112が「第1形状」から「第2形状」に転換される間に、抵抗として作用することができる。パッド14が厚いほど、「第2形状」の1対のストラップ111,112がなしている角度は増加する。パッド14は、1対のストラップ111,112に脱着可能である。パッド14の厚さ及び素材を適切に活用し、「第2形状」におけるストラップの角度を調節することで、ユーザの身体サイズに適するように運動補助装置を調整することができる。
【0058】
1対の補助ストラップ151,152は第1ストラップ111に連結され、第1ストラップ111及び第2ストラップ112がオーバラップされた状態で、第2ストラップ112を取り囲む方式により1対のストラップ111,112を固定することができる。例えば、1対の補助ストラップ151,152の内部にも補助双安定バネ(図示せず)が設けられてもよい。
【0059】
図5は、第1安定状態の双安定バネを示す斜視図であり、
図6は、第2安定状態の双安定バネを示す斜視図であり、
図7は、双安定バネの変位角度によるポテンシャルエネルギーを概略的に示したグラフである。
【0060】
図5~
図7を参照すると、双安定バネ12は「第1安定」にあるとき、長手方向(y軸方向)に対して垂直方向(x軸方向)に凸状を有することができる。双安定バネ12は、「第1安定」から「第2安定」に転換される間に凸状の曲率が減少するよう変形される。言い換えれば、双安定バネ12は「第2安定」にあるとき、屈曲した部分を除いて相対的に平坦な形状を有することができる。
【0061】
双安定バネ12がy軸基準にして0度である状態と、90度である状態がそれぞれポテンシャルエネルギーが最も小さいポイントに該当し、「第1安定」及び「第2安定」であると示されているが、安定状態をなしている角度は0度又は90度に制限されず、双安定バネの素材又は形状に応じて様々な角度で実現され得ることを明らかにする。
【0062】
図8は、
図3に示す切開線VIII-VIIIに沿って切開した断面図であり、
図9は、
図3に示す切開線IX-IXに沿って切開した断面図であり、
図10は、一実施形態に係るメインフレーム、ストラップ及び双安定バネを示す断面図である。
【0063】
図8~
図10を参照すると、ストラップ11は双安定バネ12を収容するための収容空間Sを含む。双安定バネ12はストラップ11の長手方向を基準にして位置が固定されている。例えば、ストラップ11の長手方向を基準にして収容空間Sの幅は、双安定バネ12の幅及び長さが同じであってもよい。
【0064】
一方、ストラップ11の長さ方向に対して垂直方向を基準に、収容空間Sの幅はストラップ11の幅よりも大きくてもよい。このような形状によれば、双安定バネ12内で自在に「第1安定状態」及び「第2安定状態」の間で状態転換可能である。
【0065】
第1安定状態において、双安定バネ12の幅W1は、収容空間Sの幅D1よりも小さくてもよい。また、第2安定状態において、双安定バネ12の幅W2は幅W1よりも大きく、収容空間Sの幅D1よりも小さい。このような構造によると、双安定バネ12は、収容空間Sを形成しているストラップ11の内壁に干渉なしに状態転換することができる。
【0066】
双安定バネ12の長さLは、収容空間Sの長さDと同一であってもよい。双安定バネ12は、ストラップ11の内部でその位置が固定されている。
【0067】
図11は、第2ストラップが第1ストラップに接近する形状を示す断面図であり、
図12は、1対のストラップが固定部材によって固定された状態を示す断面図である。
【0068】
図11及び
図12を参照すると、1対の補助ストラップ151,152のそれぞれには補助双安定バネ16が設けられる。1対の補助ストラップ151,152は、補助双安定バネ16によって外力が印加されない状態でまっすぐ伸びている形状を保持することができる。1対の補助ストラップ151,152がまっすぐ伸ばす形状を保持しているため、ユーザは、1対の補助ストラップを開放させる動作なくても、第2ストラップ112を第1ストラップ111に接近させることができる。
【0069】
1対の補助ストラップ151,152のそれぞれには固定のためのマグネット17が設けられてもよい。1対の補助ストラップ151,152が互いにオーバラップされた状態を基準にして、第1ストラップ151に備えられたマグネットと第2ストラップ152に備えられたマグネット17は互いに反対極性として向かい合う。
【0070】
図13及び
図14は、一実施形態に係る支持部を示す平面図である。
【0071】
図13及び
図14を参照すると、運動補助装置200は、メイン本体10と、メインフレーム20と、ストラップ11と、双安定バネ12’、パッド14’、及び補助ストラップ151,152を含む。
【0072】
双安定バネ12’及びパッド14’は、ストラップ11の長手方向に沿って互いに離隔して複数設けられてもよい。複数の双安定バネ12’を介してストラップ11’が実現できる安定的な形状を調節できる。例えば、本体のサイズが大きいユーザである場合、ストラップ11’の複数回の折り曲げが必要であるが、この場合、複数の双安定バネ12’を用いてストラップ11’の折曲回数を設定することができる。
【0073】
図15は、一実施形態に係る支持部を概略的に図示する平面図であり、
図16及び
図17は、一実施形態に係るメインフレーム、ストラップ、双安定バネ、及びインナフレームを示す断面図である。
【0074】
図15~
図17を参照すると、支持部Aは、メインフレーム20’と、メインフレーム20’の両端にそれぞれ連結されている1対のストラップ11と、ストラップ11の内部に備えられた双安定バネ12と、双安定バネ12の両端にそれぞれ連結されるインナフレーム18を含む。
【0075】
メインフレーム20’は、
図1~
図17を参照して説明された実施形態のメインフレームとは異なり、メイン本体に連結されなくてもよい。メインフレーム20’は、例えば、U状を有してもよい。支持部Aはユーザの体の一部を取り囲んでもよい。
【0076】
インナフレーム18は、ストラップ11よりも相対的に強盛な材質から形成される。インナフレーム18は、ストラップ11が形状を保持できるように補助する。例えば、インナフレーム18は、メインフレーム20’の一端から延びて双安定バネ12の一端に連結される第1インナフレーム181と、双安定バネ12の他端に連結されてストラップ11の端部に向かって延長形成される第2インナフレーム182を含む。
【0077】
インナフレーム18は、ストラップ11によってカバーされて外部に露出されなくてもよい。インナフレーム18は、収容空間Sの内部に備えられた双安定バネ12の位置を固定させ得る。
【0078】
図18は、一実施形態に係る支持部が身体に着用された形状を概略的に図示する正面図である。
【0079】
図18を参照すると、支持部Aは、ユーザUの身体の様々な位置に着用され得る。例えば、支持部Aは、ユーザの上腕(upper arm)に着用され、図示されていないアクチュエータ、ジョイント部材、及び駆動フレームと共に、ユーザのヒジ関節(elbow joint)運動を補助することができる。異なる例として、支持部Aはユーザの太ももに着用され、ユーザの膝関節運動を補助することができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるのではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、これに基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0081】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】