(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】充電式電磁誘導電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/058 20100101AFI20230719BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20230719BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20230719BHJP
H01M 4/46 20060101ALI20230719BHJP
H01M 4/40 20060101ALI20230719BHJP
H01M 4/131 20100101ALI20230719BHJP
H01M 10/0567 20100101ALI20230719BHJP
H01M 10/054 20100101ALI20230719BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20230719BHJP
H01M 10/0566 20100101ALI20230719BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20230719BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20230719BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230719BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20230719BHJP
H01M 10/654 20140101ALI20230719BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20230719BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20230719BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/46
H01M4/40
H01M4/131
H01M10/0567
H01M10/054
H01M10/052
H01M10/0566
H01M4/13
H01M10/46
H01M10/613
H01M10/655
H01M10/654
H01M10/6567
H02J50/10
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576500
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 FI2021050437
(87)【国際公開番号】W WO2021250329
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523133007
【氏名又は名称】ライネル パルタネン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ライネル パルタネン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H029
5H030
5H031
5H050
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503GB08
5H029AJ02
5H029AJ03
5H029AJ12
5H029AK03
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL13
5H029AM02
5H029AM07
5H029HJ18
5H030AA01
5H030AA02
5H030DD18
5H031AA00
5H031KK00
5H050AA02
5H050AA08
5H050AA15
5H050AA17
5H050BA15
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB11
5H050CB12
5H050HA18
5H050HA20
(57)【要約】
上記課題を解決するために、本発明は、充電式電磁誘導電池を提供する。ヒートシンクおよびアノードを含む第1の電極と、ヒートシンクおよびカソードを含む第2の電極と、インダクタコイルと、第1の電極と第2の電極との間に含まれる電解液と、を備える。また、電磁誘導電池を充電する方法を提供する。この方法は、電圧源を電池に取り付けるステップと、第1の期間中、電池に直流電圧を印加するステップと、第2の期間中、電池に交流電圧を印加するステップと、を含む。電池は、アノード、カソード、インダクタ、および複数の電子を含む電解液を有し、交流電流は、電解液中における複数の電子を、より高いエネルギー状態に励起させる磁場を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式電磁誘導電池(10)であって、
ヒートシンク(31)およびアノード(24)を含む第1の電極(22)と、
ヒートシンク(31)およびカソード(23)を含む第2の電極(22)と、
インダクタコイル(27)と、
前記第1の電極(22)と前記第2の電極(22)との間に含まれる電解液(26)と、
を備え、
前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、上部および下部を有し、前記上部は、前記下部より小さく、
前記上部は、第1の開口部を有し、前記下部は、第2の開口部を有し、前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、互いの上部で離間され、
前記第1の開口部は、前記第2の開口部より小さく、
前記インダクタコイル(27)は、前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)の中心に配置され、
前記アノード(24)は、前記第1の電極(22)の前記上部に配置される、
電池。
【請求項2】
前記インダクタコイル(27)は、前記電解液(26)から分離されている、
請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、円錐台、半球、または角錐のような形状である、
請求項1に記載の電池。
【請求項4】
アノード(24)、ヒートシンク(31)、およびカソード(23)を含む少なくとも1つの追加電極(22)をさらに備える、
請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記少なくとも1つの追加電極(22)は、前記電解液(26)が、両側で、前記少なくとも1つの追加電極(22)を取り囲むように、前記第1の電極(22)と前記第2の電極(22)との間に配置される、
請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記アノード(24)は、第1の面を有し、前記カソード(23)は、第2の面を有し、前記第1の面と前記第2の面との間の比率は、100~100000の範囲内である、
請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記アノード(24)の材料は、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびタリウム、または、以下の複数の材料:リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、および/またはタリウムの何れかを含む合金の群から選択される、
請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記カソード(23)の材料は、
ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、または、以下の複数の材料:ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、または鋼合金の何れかを含むステンレスまたは耐酸性合金の群から選択される、
請求項1に記載の電池。
【請求項9】
前記ヒートシンク(31)の材料は、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウム、または、以下の複数の材料:リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、および/またはタリウムの何れかを含む合金の群から選択される、
請求項1に記載の電池。
【請求項10】
前記電解液(26)は、
重金属および/または軽金属の分子を含む窒化物、アンモニウム、塩化物、酸化物分子、および液体ジエチレントリアミンなどの電気化学的有機触媒からなる群から選択される少なくとも1つの分子を含む、
請求項1に記載の電池。
【請求項11】
前記インダクタコイル(27)は、前記第1の開口部および前記第2の開口部の内部に配置された導電性金属から形成される、
請求項1に記載の電池。
【請求項12】
前記インダクタコイル(27)は、銅から形成される、
請求項1に記載の電池。
【請求項13】
前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、パッキングリング(33)によって分離され、前記パッキングリングは、さらに、電解質を収容する役割を果たす、
請求項1に記載の電池。
【請求項14】
前記第1の電極(22)上の前記ヒートシンク(31)および前記第2の電極(22)の前記カソード(23)は、コンデンサとして作用する、
請求項1に記載の電池。
【請求項15】
電磁誘導電池(10)を充電する方法であって、
電圧源(100)を前記電池(10)に取り付けるステップと、
第1の期間中、前記電池(10)に直流電圧を印加するステップと、
第2の期間中、前記電池(10)に交流電圧を印加するステップと、
を含み、
前記電池は、アノード、カソード、インダクタ、および複数の電子を含む電解液を有し、
交流電流は、前記電解液中における前記複数の電子を、より高いエネルギー状態に励起させる磁場を生成する、
方法。
【請求項16】
前記第1の期間は、0.1秒~1.0秒である、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の期間は、0.1秒~1~0秒である、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記直流電圧は、1V~10Vである、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記交流電流の周波数は、1000~Hz50000Hzである、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記直流電圧は、前記電池の第1の入力セットに印加され、前記交流電圧は、前記電池の第2の入力セットに印加される、
請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の期間および前記第2の期間は、前記電池が充電されるにつれて変化する、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギーレベルを提供する電池に関する。さらに、本発明は、高エネルギーレベルで電池を充電する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、性能が向上した複数の電池の開発は、複数の電池を使用するユーザにリスクをもたらす可能性のある複数の技術的な問題のために行われている。最新の複数の電池は、エネルギー密度が非常に高く、これらの不適切な使用または不適切な構造により、重大な悪影響が生じる可能性を有している。例えば、リチウムまたはリチウムイオン電池/蓄電池が関係する事故は、火災の原因となっている。
【0003】
例えば、WO2013049097A1において、酸化バナジウムV2O5を用いて実施された、有機電解質および複数のナノ粒子を用いたアルミニウムベースの複数の電池における構造の複数の例が示されており、カソードには、ナノワイヤ技術が使用されている。WO2013049097A1に示された発明における1つの問題は、大量生産に適さない複雑なナノワイヤ技術が使用されていることである。
【0004】
他の可能な複数の電解質の例として、例えば、Brownらの特許出願US2012/0082904およびUS2012/0082905が開示されている。
【0005】
改善された性能を備えた複数の電池の構造の1つの例は、例えば、「超高速充電式アルミニウムイオン電池」、Meng-Chang et. al., Nature, # 520, p. 324-328、2015 年 4 月に発行された記事に開示されている。この記事は、再充電可能なアルミニウムベースの電池システムの開発が開示されており、カソードの崩壊、ライフサイクルの改善、およびパフォーマンスの改善に関連する問題が開示されている。この記事には、アルミニウムアノード、および3次元グラファイトフォームカソードを備えた、急速充電可能なアルミニウム電池が紹介されている。電池セルは、放電電圧が2Vであり、4A/gr(3kW/kgに相当する)に相当する電流密度で、充電時間が約1分間であり、性能を低下させることなく7500回以上の充電サイクルを処理可能である。この記事に示されている電池セルの問題の1つは、健康および/または環境に有害な特性を持つ化学物質の使用である。
【0006】
プラズマ窒化は、低温でも効率が比較的高いため、特に魅力的である。専門家にとって、このような複数の処理は、例えば、E. Menthe, K. T. Rie, J. W. Schultze and S. Simsonによる「表面およびコーティング技術」のvol. 74-75 (1995) 412-416が、良く知られている。
【0007】
本発明の目的は、高度な技術的性能を備えた簡単且つ環境に優しく安全な電池の開発を通じて、上記の問題を解決することである。本発明は、新しい技術、特に、より高い電圧、および、より大きな電流量を伴う電気技術を使用して、電池を改善する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2013/049097号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0082904号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】"An ultrafast rechargeable aluminum-ion battery", Meng-Chang et. al., Nature, # 520, p. 324-328, published in April 2015
【非特許文献2】E. Menthe, K. T. Rie, J. W. Schultze and S. Simson, "Surface and Coatings Technology", vol. 74-75 (1995) 412-416
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、複数の独立請求項の特徴によって定義される。いくつかの特定の実施形態は、複数の従属請求項で定義される。
【0011】
本発明の1つの目的は、充電時間の短縮、温度性能の向上、有害化学物質の使用量の削減、より高いエネルギー密度、簡素化された製造方法、および、より高い電圧およびエネルギーレベルに関連する複数の問題を解決する再充電可能なエネルギー貯蔵または電池を、従来技術に提供することである。重金属、アルカリ金属、または軽金属の異なる既知の各種有機電解液に幅広く使用されることが可能である。高電圧および高密度電流でも使用されることが可能である。
【0012】
本発明に係る少なくともいくつかの電池は、従来技術で知られている複数の電池と比較して、機能を改善し、より高い電圧でエネルギーレベルを増加させる複数の誘導装置である。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、再充電可能な電磁誘導電池(10)が提供され、
電磁誘導電池(10)は、
ヒートシンク(31)およびアノード(24)を含む第1の電極(22)と、
ヒートシンク(31)およびカソード(23)を含む第2の電極(22)と、
インダクタコイル(27)と、
前記第1の電極(22)と前記第2の電極(22)との間に含まれる電解液(26)と、
を備え、
前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、上部および下部を有し、
前記上部は、第1の開口部を有し、前記下部は、第2の開口部を有し、前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、互いの上部で離間され、
前記第1の開口部は、前記第2の開口部より小さく、
前記インダクタコイル(27)は、前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)の中心に配置され、
前記アノード(24)は、前記第1の電極(22)の前記上部に配置され、
前記第1の電極(22)および前記第2の電極(22)は、それらの間にコンデンサ電圧を有する。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、以下のステップを含む、電磁誘導電池(10)を充電する方法が提供される:
電磁誘導電池(10)を充電する方法は、
電圧源(100)を前記電池(10)に取り付けるステップと、
第1の期間中、前記電池(10)に直流電圧を印加するステップと、
第2の期間中、前記電池(10)に交流電圧を印加するステップと、
を含み、
前記電池は、アノード、カソード、インダクタ、および複数の電子を含む電解液を有し、
交流電流は、前記電解液中における前記複数の電子を、より高いエネルギー状態に励起させる磁場を生成する。
【0015】
本発明の他の目的は、本発明の詳細な説明に関連してより詳細に説明される。
【0016】
本発明による改良された構造のさらなる複数の態様によれば、本発明は、カソード、アノードを有するヒートシンク、および中央のインダクタコイルに分割されている複数の電極を有する構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る電池の断面図である。
【
図2】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る電池の形状を示す図である。
【
図3】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る上部電極の下部の詳細拡大図である。
【
図4】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る上部電極の上部の詳細拡大図
【
図5】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る中間電極の下部の詳細拡大図である。
【
図6】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る中間電極の上部の詳細拡大図である。
【
図7】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る下部電極の下部の詳細拡大図である。
【
図8】本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る下部電極の上部の詳細拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、コンデンサとして機能する複数の電極と、電解液と、高温状態用の冷却剤と、を含む電池に関する。本発明に従って成形された複数の電極を備えた電池の原理は、誘導装置がインダクタコイルを介して磁場を生成し、それが急速に方向を変え、複数の電極間のコンデンサ電力を充電することである。
【0019】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態に係る電池10を示す。電池10は、エネルギー貯蔵装置、電池セル、または蓄電池とも呼ばれてよい。電池10は、インダクタコイル27、チューブ28、複数のパッキングリング33、冷却剤25、および電解液26によって取り囲まれた複数のコーン形の電極22を含む。複数のパッキングリング33、貯蔵容器30、および複数のチューブ28は、全ての要素が存在する空間を一緒に形成する。
【0020】
チューブ28内に配置されたインダクタコイル27は、導電体またはインダクタと呼ぶこともでき、インダクタまたはインダクタンスとして設計され、例えば、フェライトのコアで実施されてもよい。
【0021】
一実施形態によれば、インダクタコイル27は、螺旋状のインダクタコイル27として、ヒートシンク31とカソード23との間の電池10または電極22内に封入されるように配置される。
【0022】
電解液26は、液体またはゲル形態であり、
図1では破線で示されている。電解液26は、複数のイオン分子を有する有機化合物、特に、各種の重金属分子化合物であることが好ましい。電解液は、ジエチレントリアミンなどの電気化学触媒であってもよい。
【0023】
電池は、複数のコーン形の電極22を有する。
図1に示された実施形態は、3つの電極対を示しているが、電極対の数は、これより多くても少なくてもよい。第1の電極は、
図3および
図4に、より詳細に示され、同一の第2の電極および第3の電極は、
図5および
図6に、より詳細に示され、第4の電極は、
図7および
図8に、より詳細に示される。電池のサイズは、第2の電極または第3の電極と同様の複数のコーン形の電極を、追加または削除することによって増減できる。また、電池のサイズが大きくなったり小さくなったりすると、インダクタコイル27、ヒートシンク31、貯蔵容器30のサイズ、ならびに、冷却剤25および電解液26の量をそれに応じて変更しなければならない。
【0024】
チューブ28は、コイル状または螺旋状の導電体を有してもよい。インダクタコイル27は、表面にラッカーを有する銅または良好な導電性を有する他の金属などの導電性金属で形成されることが好ましい。さらに、インダクタコイル27は、絶縁ケースで電気的に絶縁されている。
【0025】
一実施形態によれば、電池10は、蓋、下部、および複数のパッキングリング33をさらに備える貯蔵容器30を有する。貯蔵容器30は、電池10の全ての構成要素を内部に保持する。冷却剤25は、貯蔵容器30の外側に位置する。冷却剤25および電解液は、複数のパッキングリング33で仕切られている。貯蔵容器30は、磁気流を捕捉するファラデーケージを有していてよい。
【0026】
電池10を充電するとき、電圧源100はインダクタコイル27に接続される。電気回路は、電池10内、ひいては電解液26内に、流れの方向が変化する磁場を生成する。電気回路は、電圧源100の出力部101、出力部102に接続される。出力部101および出力部102は、電気的性能を有し、出力部101から交流電圧が供給される。電圧源100は、3つの出力部101、出力部102および出力部103で実行される。出力部101は、インダクタコイル27の第2の接続部27bに接続する。
【0027】
出力部103は、第1のコーン形の電極22のアノード側に接続する。これにより、イオンの流れが密である軽金属は、アノードの表面が小さい場合、高密度の直流電流で還元される。出力部102は、電極22のカソード側に接続するのと同様に、インダクタコイル27の第1の接続部27aに接続する。これにより、電解液26中の複数の分子のエネルギーが、交流で、より高いエネルギー位置に増加し、直流で、分子からより多くの電子が放出される。充電時には、同じ処理が全ての電極を通過して行われ、放電時には、その逆が行われる。
【0028】
AC電源が利用されることが好ましく、AC電源は、ダイオード回路または他の整流回路によって、半波整流、全波整流、および/または充電用の他のパルス形態の電圧を生成する。出力電圧としてのACは、高いデューティサイクルで、電解液26内に動的に変化する磁場を生成する。インダクタコイル27に交流電流が流れると、磁場が電解液26に誘起され、これにより、電解液26は移動位置になり、充電モードで複数の電子がより容易に放出されるときに、より高いエネルギーレベルになる。
【0029】
エネルギー貯蔵装置は、充電電圧によって充電される。出力部102および出力部103は、プラス極200の接続部およびマイナス極300の接続部にそれぞれ接続される。出力部102および出力部103は、異なる電位を有するため、ゼロを通過すると電流の方向が変わり、電圧源100は、インダクタコイル27を介して電流変化を与え、スイングAC回路を生成する。
【0030】
導電体であるインダクタコイル27において、インダクタコイル27の第1の接続部27aは、下部の電極22のカソード側に接続する。さらに、インダクタコイル27の第2の接続部27bは、出力部101に接続する。第1の極の接続部は、出力部102から、下部の電極22のカソード側に配置されたプラス極200およびインダクタコイルの第1の接続部27aまでに至る。第2の極の接続部は、出力部103から、上部の電極22のアノード側に配置されたマイナス極300までに至る。第1のプラス極200の接続部および第2のマイナス極300の接続部は、電池を充電器に接続するため、および電池が負荷に接続されている場合に使用される。
【0031】
図2は、電極22の幾何学的形状を示す。rは、先端が切り取られたコーン形の電極22の上部に現れるより小さい円の半径を表す。Rは、先端が切り取られたコーン形の電極22の下部に現れる大きな円の半径を示す。sは、先端が切り取られたコーン形の電極22のマントルの厚さを示す。hは、先端が切り取られたコーン形の電極22の高さを示す。電極22の設計の一例では、Rは50mmから300mmの間、rは10mmから30mmの間、sは0.05mmから0.15mmの間、hは40mmから300mmの間である。コーンの角αは、好ましくは45°であるが、異なる角度であってもよい。コーンのサイズおよび厚さは、電池の使用領域に応じて変更可能である。
【0032】
複数の電極22は、好ましくは、コーンの上部が取り除かれ、絶縁された先端が切り取られたコーン形で実施される。複数の電極22は、必ずしも円錐形である必要はなく、他の形状で実施することもでき、それらは、球状の丸い形状を有することもできる。複数の電極22は、円対称である必要はなく、例えば、楕円形、またはピラミッド形で実施することができる。
【0033】
コーンは、例えば、鋳造によって作られるか、または、湾曲したシートで作られ、および/またはスクリーンで作られる。シートおよびスクリーンワイヤーの厚さは、0.05mmオーダーであるが、それより厚くても薄くても構わない。さらに、アノード24およびカソード23の両方が、好ましくは、塩化物層または窒化物層または別のコーティングでコーティングされ、あるいは、コーティングは、省略することができる。ただし、アノード24、ヒートシンク31、およびカソード23の形状および製造方法は、上記の複数の例に限定されない。
【0034】
図3は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る上部電極の外側部分の詳細拡大図を示している。電極の上部は、プラスチックまたはラッカーの層でコーティングされたヒートシンク31で構成されている。複数のパッキングリング33は、ヒートシンク31の下に位置する。ヒートシンク31の上に貯蔵容器30がある。
【0035】
図4は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る上部電極の内側部分の詳細拡大図を示している。電極22は、アノード24およびヒートシンク31から構成される。チューブ28と接触している電極22の側面は、絶縁体29で絶縁されている。ヒートシンク31の上には、貯蔵容器30の上部がある。ヒートシンク31の下は、ラッカーのプラスチックで被覆することができる。
【0036】
図5は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る中間電極の外側部分の詳細拡大図を示している。複数の中間電極の上側は、カソード23を含む。カソードは、電解液26と接触している。電極の下側は、プラスチックまたはラッカーの層でコーティングされている。カソード23とコーティングとの間にヒートシンク31が配置されている。
【0037】
図6は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る中間電極の内側部分の詳細拡大図を示している。複数の中間電極は、アノード24、ヒートシンク31およびカソード23からなる。
図4と同様に、チューブ28と接触している複数の電極22の側面は、絶縁体29で絶縁されている。ヒートシンク31の下は、ラッカーのプラスチックで被覆することができる。アノード24およびカソード23の両方は、電解液26と接触している。アノード24は、電極22の上側に位置する電解液26と接触しており、カソード23は、電極22の下で電解液26と接触している。
【0038】
図7は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る下部電極の外側部分の詳細拡大図を示している。下部の電極22は、カソード23、ヒートシンク31および下部の貯蔵容器30を含む。貯蔵容器30は、チューブ28まで上昇し、電解液26のための閉空間を形成する底壁を形成する。複数のパッキングリング33は、複数の電極22を分離する。複数のパッキングリング33は、先端が切り取られたコーン形の電極22の下部に位置する。複数のパッキングリング33は、全ての電極22に接着してもよいし、別の方法で固定してもよい。複数のパッキングリング33は、電気絶縁材料で作られている。
【0039】
図8は、本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る下部電極の内側部分の詳細拡大図を示す。下部電極は、カソード23およびヒートシンク31を含む。
図4および
図6と同様に、チューブ28と接触している複数の電極22の側面は、絶縁体29で絶縁されている。カソード23は、電解液26と接触している。下部の貯蔵容器30は、ヒートシンク31の下に位置する。下部の貯蔵容器30は、適切なプラスチックでできており、チューブ28と共に、電解液26を含むことができる密閉容器を形成する。
【0040】
図3、
図5および
図7から分かるように、ヒートシンク31は、複数のパッキンリングだけに限定されず、複数のパッキンリングの「上」に続いている。これにより、電解液と接触しない電極の長さに沿った熱経路が作成される。図示されるように、ヒートシンクは、コーティングを介して、電解液から分離されてよい。
【0041】
下部の電極22および上部の電極22が、貯蔵容器30の下部および蓋と共に設けられ、
図1に見られるように貯蔵容器の複数の壁とともに、容器全体は、電池の全ての構成要素を包囲する。貯蔵容器30の外側部分の冷却剤25は、グリコール水混合物または任意の他の冷却剤であってよい。あるいは、冷却剤25の循環は、貯蔵容器30の外側の異なる複数の冷却要素に配置されることが可能である。貯蔵容器30は、ゴム、テフロン、または熱硬化性材料または熱可塑性材料などの他のプラスチックなどの電気絶縁材料から作られてよい。
【0042】
上述のように、電池10は、3つの出力部101、出力部102および出力部103を有する外部の電圧源100によって充電される。出力部101は、インダクタコイル27の第2の接続部27bに接続することによって、誘導回路に、交流電圧または方形パルスまたは電流が時間とともに変化する他の電気信号を供給する。磁束の変化は、複数のコーン形の電極22のエネルギー状態を変化させる磁場を生成する。磁場は、電解液26中のイオン電解質を誘導し、充電時および放電時にそれぞれ、カソード23からアノード24の表面に密な電流をもたらし、電解液26から、または、電解液26への密なイオンの流れをもたらす。これにより、アノード24に還元反応が生じ、より高い電圧で充電することができる。これにより、急速充電が可能になり、電池10のコンデンサ電圧が高くなる。電圧源100は、調整可能な周波数インバータ/周波数変換器を装備してよく、これは、特定の周波数および異なる速度で交流の調整可能な電圧、充電のために調整可能な電圧および調整可能な直流を提供する。
【0043】
特定の実施形態では、複数のパッキングリング33によって分離された互いの上部にいくつかのコーン形の電極が存在することができる。複数のコーン形の電極は、部分的にコーティングされることも可能であるし、部分的にコーティングされないことも可能である。それぞれのカソードの表面は、チューブ28に最も近く配置された表面の部分の上に絶縁体29を有する。この絶縁部分の厚さは、電極22のマントルの厚さの約0.04%~0.005%であるが、他のサイズまたは厚さの絶縁も可能であり、本発明はこれに限定されるものではない。絶縁体29は、プラスチック、熱可塑性材料、または他の絶縁体材料から構成され得るゴム製シールまたはゴム製の「カラー」であってよい。
【0044】
アノード24およびヒートシンク31は、好ましくは、軽金属またはアルミニウムまたは他の適切な合金で作られる。カソード23は、好ましくは、重金属またはステンレス鋼AISI304、または耐酸性鋼AISI316または物質および金属を含む別の合金のスクリーンで作られる。複数の電極22において、ヒートシンク31およびカソード23は、レーザー溶接によって一緒に接合されることが好ましい。
【0045】
一実施形態によれば、電池10のアノード24およびヒートシンク31の材料は、周期表の1族、2族または13族の金属から選択されてよい。特に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよび/またはタリウムのいずれかの金属、または次の材料のいずれかを含む合金:リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよび/またはタリウムから選択されてよい。アノード24およびヒートシンク31は、好ましくは、塩化物または何らかの他のコーティングでコーティングされる。好ましくは、電池10、アノード24、およびヒートシンク31の電極は、高純度のアルミニウムまたは適切な合金、例えば、アルミニウム合金で作られる。アノード電極は、例えば、鋳造により製造することができる。
【0046】
一実施形態によれば、カソード23の材料は、重金属の群から選択される。例えば、次の材料:ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、もしくはステンレス鋼、または、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、もしくはスチール合金のいずれかを含む耐酸性合金、のいずれかから選択される。そして、窒化物またはその他のコーティング材料でコーティングされる、あるいは、ステンレス鋼または耐酸性鋼AISI304-316の仕上げ合金でコーティングされ、場合によっては窒化物コーティングまたは他の物質でコーティングされることが好ましい。
【0047】
複数の電極の複数の材料の例として、さまざまな形態の塩化物および窒化物が挙げられる。さまざまな形態の窒化物に加えて、電極の表面には、その特性をさらに改善するために、塩化物および窒化物コーティングが施されてよい。表面をコーティングするための工業的な塩化および窒化プロセスは、通常、ガス技術、プラズマ支援技術、または塩浴技術による塩化で行われる。
【0048】
電解液26は、有機溶媒中に塩基性元素を含む分子を含む窒化物、アンモニウム、塩化物および酸化物分子を含むことができる。一実施形態によれば、電解液は、AlCl3、マンガンイオンまたは鉄イオン、および有機溶媒を含む。
【0049】
電極22のアノード24の部分は、1mm2~100mm2のスケールの非常に小さい表面を有することができる。電極22のカソード23の部分は、1cm2~100cm2または1m2~100m2の規模の非常に大きな表面を有することができる。表面は、サイズが異なっていてよく、正確なサイズに結び付けられていなくてよい。アノード24とカソード23との表面サイズの差は、1Mmm2のスケールであってよい。一実施形態によれば、カソードとアノードとの表面積の比は、100~100000の範囲である。
【0050】
アノード24およびカソード23は、互いに対向せずに配置され、代わりに、それらは互いに隣り合っている。両者は、電解液26と接触しており、大きいカソード23の上部は、絶縁体29で絶縁されている。
【0051】
本発明の1つの利点は、電池が充電されると、電解液26を介して、カソード23およびヒートシンク31からアノード24まで、電池10内にコンデンサ電圧が一定に存在することである。電池がまだ充電されているときは、全ての電極22に同じ電圧がかかっている。
【0052】
一実施形態によれば、電池10の充電および放電は、電極22の上部からアノード24への高密度のイオン流および高密度の電流を生成する。次いで、アノード24は、カソード23からのイオン分子を金属に還元する。
【0053】
一実施形態によれば、電池10は、内側開口部を有する円錐形状の電極22を備える。絶縁体29は、複数の電極22の内側開口部の近くに配置される。複数の電極22の下部の開口部は、複数のパッキングリング33で分離される。複数の電極は、アルミニウム製のヒートシンク31と、表面に塩化アルミニウムのコーティングを有するアノードと、を備える。
【0054】
電池10の複数の要素は、複数の電極22間に電圧を有するコンデンサとして作用する。ヒートシンク31は、プラスチックまたはラッカーでコーティングされる。電池10は、誘導装置であり、マイナス極300およびプラス極200を有する。電池10は、電圧源100からの直流電流で0.5秒間充電される。さらに、0.5秒間、導電体を交流で駆動する。インダクタコイル27は、電池10および電解液26に対して、変化する磁場を生成する。
【0055】
電圧源100の出力部102は、電池のプラス極200の接続部に取り付けられる。電圧源100からの半波整流信号が交流に変化すると、電流は、インダクタコイル27を通って電圧源100の出力部101から、電圧源100の出力部102まで、直接変化する方向に流れ、50kHz/秒の速度で戻る。これにより、回路内の磁場が動的に変化し、エネルギーが活性化または誘導され、電解液中の金属化合物の電子をより高いエネルギーレベルに移動させ、電子は容易に放出される。より高いエネルギー状態に移動する複数の電解質分子の誘導電力までの0.5/sのエネルギー充電率では、同時に、イオン関数は、アノード24とカソード23との間のより高い熱状態で良好となる。
【0056】
電圧源100は、電流が10A/cm2~100A/cm2、電圧が7.5V~10Vである。電池は、230V~360Vの誘導装置である。これは、設定されることが可能であり、このような電池は、あらゆるニーズと目的に合わせて製造されることが可能である。
【0057】
高いデューティサイクルは、電圧源100の出力部101からの信号の高いパーセンテージがアクティブであることを示す。好ましくは、出力部101の信号のデューティサイクルは、90%より大きい。出力部101からの出力電圧は、ゼロパスを通過するので、電流は方向を変え、次に、インダクタコイル27内に変化する磁場を生成する。周波数、電流、パルス形状、および電圧は、電池10の設計に応じて変化するが、出力電圧は、230V~360V以上の誘導装置のペアあたり2Vから7.5Vまでの範囲内であることが可能であり、電流は、ペアあたり0.1A/sから100A/sまでの範囲内であることが可能であり、ペアあたり3A/sから100A/sまでの範囲内であることが、より好ましく、ペアあたり10A/sから100A/sまでの範囲内であることが、より好ましく、出力電圧の周波数は、1kHzから50kHzの間であることが可能である。
【0058】
直流、交流、およびその逆の間のレートは、例えば、0.1/sから1.0/sまで異なる場合がある。インダクタコイル27への誘導装置の電流および電圧は、約1A~約3A、および230V~360Vである。1対または複数対のコンデンサと充電電圧は、1対で10Vから、230V~360V以上の範囲の複数対まで可能である。使用される電圧/カップルおよび電流は、0.1A~100A、好ましくは1.0A~10A、例えば、1.0A~100A以上で充電される場合、貯蔵容器30のサイズおよび電解液26に使用される物質に依存して、動作する。
【0059】
本発明の一実施形態では、充電電圧は、2V/ペアであり、電流は、125mA/gである。本発明では、電圧は、10Vであり、誘導装置は、230V~360Vであり、放電電圧は、305mAh/gで1.8Vである。本発明において、別の可能な電圧は、7.5Vであり、誘導装置は、230V~360Vであり、二重電流である。
【0060】
誘導装置が230V~360Vで、電圧10V-7.5Vで充電または放電すると、電池10の電圧が高くなり、電流が高くなる。
【0061】
本発明の一実施形態では、電池10において、アルミニウムが塩素化および酸化される放電反応があり、電解液中のV2O5およびMnO2が減少して酸化が低下し、これは、Mn7+に充電するときに増加させることができ、Fe3+からFe6+に充電すると、より多くの電流とより高い電圧が得られる。
【0062】
コーンの上部は、アルミニウムのアノード24および電解液26内の表面積が小さいため、アルミニウムの還元は強力かつ効率的である。その結果、イオン流は、アノード24でより高密度になる。
【0063】
電池10は、従来のエネルギー貯蔵または電池構造として機能するが、寒冷地に適した誘導装置およびコンデンサ電圧で、エネルギー量を増加させる高電圧に関しては異なる。電池10は、電解液中のさまざまな分子、有機電解質、さまざまな充電式電池またはエネルギー貯蔵でさまざまな電圧および電流で使用できる。
【0064】
充電時、アノード24が小さな表面を有し、カソード23が大きな表面を有することは、電池10の利点である。カソード23および電解液26中の複数の分子は、10V~360Vの高電圧で充電される。アノード24は、イオンを還元する高密度電流でアルカリまたは軽金属イオンを受け取る。充電電流は、変化し、一時的にゼロになり、おそらく特定の可変時間遅延の後、ゼロパスを通過する。誘導装置は、インダクタコイル27内に増加した磁場を生成し、磁場は、電解液26内のエネルギー状態を変化させ、電子がカソード23に送られるとき、重金属陰極分子内の磁束をより高いエネルギー状態に増加させる。
【0065】
別の利点は、複数の電極22を有する電池10は、充電および放電時に、複数の電極22間に電圧を有することであり、より正確には、電圧は、カソード23とヒートシンク31との間に生じる。アノード24での高密度のイオン流が電解液を通過すると、複数の分子内の複数の電子は、シェルを変えて、カソード23に複数の電子を放出する。
【0066】
一実施形態によれば、複数の電極22は、コンデンサとして作用する。より正確には、カソード23およびヒートシンク31は、コンデンサとして作用する。
【0067】
電解液26は、複数の原子と複数の分子から構成されている。これらは、外見上は電気的に中性であるが、陽子(正電荷)および電子(負電荷)で構成されている。さらに、絶縁材料は、少量の自由電荷担体(複数の電子または複数のイオン)も含んでよい。このような物質が外部電場にさらされると、電気的平衡が乱される。
【0068】
正に帯電した複数の粒子は、電場の方向にわずかに移動し、負に帯電した複数の粒子は、反対方向に移動する。外部電場の方向が逆になると、対応する変位が反対方向に発生する。電場の方向の反転する速度が速く、電場が強いほど、これらの変化は、より速く、より大きくなる。この物質内部の複数の電荷の振動により、物質は熱くなる。
【0069】
エネルギーは、電場から材料へ伝達され、分子が同時に加熱されると、原子および電子へのエネルギーが増加すると推定される。
【0070】
エネルギー伝達は、使用される周波数および電場強度だけでなく、物質自体にも依存する。これは、εr ・ tanδで表される。これらの要因は、加熱される材料だけでなく、使用される周波数にも依存する。
【0071】
電池10は、エネルギー貯蔵が充電されるときの第1のモード、エネルギー貯蔵が放電されるときの第2のモード、電池またはエネルギー貯蔵が使用されていないときの第3のモード、電池またはエネルギー貯蔵に電流がないか、電圧がゼロである場合の第4のモード、の4つのモードで動作する。
【0072】
第1のモードである充電では、外部の電圧源100を使用して、カソード23とアノード24との間の電解液26に電気エネルギーを供給する。充電は、部分的には従来の電気化学的に可逆的な反応によって、部分的にはインダクタコイル27によって生成された磁場が電解液26のエネルギー状態を変化させる誘導方法によって行われる。換言すれば、部分的には電解液26を加熱することによって、部分的には電解液26に含まれる複数の分子が、複数のシェルを変える複数の分子中の複数の電子、および電流で移動する複数の電子によってエネルギー状態を変化させるためである。
【0073】
第2のモードである放電では、電圧源100を介して放電を行うこともできる。これにより、直流が負荷に流れる調整可能な交流に変わる。
【0074】
第3のモードである休止中では、電池10に電流はないが、コンデンサ電圧は、常に機能し、エネルギー貯蔵を開始できる状態に保たれる。電池は、バランスが良好となる。
【0075】
第4のモードでは、電池10は、現在の電圧が完全に空であり、キャパシタ電圧も電池に存在しない。
【0076】
電解液26は、陽極液および陰極液の両方、ならびに固体形態の有機液体、ゲルまたは塊を含む。
【0077】
電解液26は、基本元素を含む複数の分子で構成される窒化物、アンモニウム、塩化物、酸化物分子、および液体ジエチレントリアミンなどの電気化学的有機触媒からなる群から選択される少なくとも1つの分子を、部分的に含むことができる。
【0078】
電解液26の陰極液の複数の分子は、多数の電子を含む異なる形態の複数の金属化合物を含んでよく、多数の電子は、変化する磁場と直流電流により、より高いエネルギー準位に励起されることが可能である。
【0079】
電解液26の陽極液の複数の分子は、異なる複数の金属化合物または目的に適した他の複数の分子を含んでよい。陽極液の複数の分子は、さまざまな磁場および直流電流でイオン化されることが可能である。
【0080】
電圧源100は、出力部101、出力部102、および出力部103の出力電圧を生成するように設計されており、既存のニーズに基づいて調整することができる。例えば、パルス形状、立ち上がり時間、周波数、電圧、パルス長、および追加の容量は、誘導装置におけるインダクタコイル27の方法で変えることができる。電圧源100は、例えば、寒冷地で電池の容量を改善するために、電池10の複数の分子を加熱して、より高いエネルギーレベルに持ち上げるためにも利用することができる。
【0081】
この場合、電圧源100は、電解液26を加熱する磁場を生成するために、わずかに高い周波数の交流電圧を供給するように配置される。例えば、数kHz程度の周波数を使用することができるが、電解液26を加熱し、電解液26中の複数の分子を、より高いエネルギーレベルに持ち上げるために、電圧源100のより高い周波数およびより低い周波数を使用することもできる。これにより、充電中に電子が放出されやすくなり、充電容量および充電時間が改善される。
【0082】
本発明の一実施形態に係る電池10は、好ましくは80kgまたは60リットル程度であるが、他のサイズも適用可能である。電池10は、好ましくは、複数の自動車、複数のボート、航空機、および他の目的などの複数の乗り物で使用され、1つまたは複数の電池または電池セルまたは大きなエネルギー貯蔵のための余地を有する。
【0083】
電池10は、230V~360Vに適合され、好ましくは、それぞれの電極が少なくとも約7.5~約15Vの充電/放電電圧、好ましくは、230V~360Vの高電圧を有する誘導装置で、10V~15Vの充電/放電電圧、7.5V~15Vの放電電圧、好ましくは、電極対当たり10V~15Vの放電電圧、および約0.2A/cm2~約10A/cm2、好ましくは、3A/cm2~10A/cm2の充電/放電電流、を有する複数の電極22から構築される。80%のエネルギーレベルに達するまでの充電時間は、約2時間~約4時間であるが、時間間隔は、エネルギー貯蔵の設計および使用される複数の材料によって異なる場合もある。
【0084】
電池10のエネルギー容量は、使用される複数の材料に応じて、おそらく約1.0kWh/kg~約5.0kWh/kgまたは約2.0kWh/リットル~約5.6kWh/リットルのオーダーである。電池10の電力容量は、約125Ah/kg~約500Ah/kg、または、約175Ah/リットル~約1000Ah/リットルである。電解液26に使用される複数の化学物質によって異なる。
【0085】
電池10の充電サイクル数は、3000~10,000を超えてよいが、充電サイクル数は、電池の整備、例えば、複数の電極、電解液、または電池内の他の構成要素を交換することによって延ばすことができる。
【実施例】
【0086】
使用した電解液は、塩化アルミニウム(AlCl3)を含む1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド([EMim]Cl)であった。
【0087】
充電は、発電所から電力を得る電流ブリッジV100からの直流電流および交流電流で行われる。カソードは、Aisi316鋼のカソード 1)、MnO2、Mn7+ 2)Fe2O3、電解液から複数の電子を奪うFe6+、有機電解質および複数のイオン物質で充電された 1)AlCl3、 2)AlCl3、MgCl2を使用した8.0ボルト/ペア電圧以上でのみ動作を開始するアルミニウムアノードへのイオン還元である。
【0088】
充電は、最小の10ボルト/ペア~15ボルト/ペアの駆動電圧で行われ、コンデンサ内の電圧は同じで、両方の変化、および誘導装置230Vで、インダクタコイル27に、50,000Hzで、1A~3Aの交流が流れる。可能な限り最大のエネルギー位置で充電される電解液26で磁力を生成し、7.5ボルト/ペア、およびコンデンサ7.5ボルト/ペアで放電すると電圧が低下し、インダクタコイル27の誘導装置は、230Vであり、部分的にコーティングされたプラス耐酸性のカソード23、アノード24/ヒートシンク31の極からの駆動電圧、放電により、カソード23およびアノード24から高電圧の電流が流れる。
【0089】
電池10のエネルギー容量は、異なる複数の重金属化合物を用いて、おそらく約1.0kWh/kg~約30kWh/kg、または、約2.0kWh/リットル~約5.6kWh/リットルのオーダーである。
【0090】
電池10は、ニューヨークのコーネル大学の発明と同じかそれ以上の最小エネルギー密度(270mAhr/g~310mAhr/g、少なくとも約260mAhr/g)を有し、同じ有機電解質を使用し、ナノワイヤの発明でなく、アルミニウムイオン電池を使用している(WO2013/049097A1)。終了したテスト結果は、特許出願WO2013/049097A1に記載されているものとよく一致している。すなわち、米国ニューヨーク州コーネル大学により記載の特許出願と同じ複数の電解質物質および質量を使用する場合における、電池10の最小機能についてである。
【0091】
試験結果であり、それは、電池10、ならびに、PC/THF および 1-Ethyl-3-methylimidozolium chloride + AlCl3中のトリフレートの複数の化学物質、および、場合によっては(TMPAC)イオン液体およびMnO2の質量を有する貯蔵容器30における最小機能である。電池は、誘導装置230V~360Vで充電電圧が10.0V、電流が最小125mA/g、放電電圧が1.8Vである。例えば、誘導装置230V~360Vで充電電圧が7.5V、電流が305mAh/gである。使用するコンデンサ電圧は、10Vである。
【0092】
これは、より高い電圧10V~7.5V、より高い電圧230V~360Vの誘導装置、および電池10内の高電流Aでの充電および放電を伴う。電池10において、放電時のコンデンサ電圧は、誘導装置で充電する際に使用され、前述の電流および電圧を使用するものである。
【0093】
開示される本発明の実施形態は、本明細書に開示される特定の構造、プロセスステップ、または材料に限定されないことを理解されたく、関連技術の当業者によって認識されるように、その等価物にまで拡張される。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定を意図するものではないことも理解されたい。
【0094】
本明細書を通じて「一実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」または「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0095】
本明細書で使用されるように、便宜上、複数の項目、構造要素、構成要素、および/または材料が共通のリストに提示され得る。ただし、これらのリストは、リストの各メンバーが別個の一意のメンバーとして個別に識別されているかのように解釈する必要がある。したがって、そのようなリストの個々のメンバーは、反対の指示なしに、共通のグループでのプレゼンテーションのみに基づいて、同じリストの他のメンバーと事実上同等であると解釈されるべきではない。さらに、本発明の様々な実施形態および例は、本明細書において、その様々な構成要素の代替物とともに参照され得る。そのような実施形態、例、および代替物は、互いに事実上同等であると解釈されるべきではなく、本発明の別個の自律的な表現と見なされるべきであることが理解される。
【0096】
さらに、記載された特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状などの例など、多数の特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者は、本発明が、1つ以上の特定の詳細なしに、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施できることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料、または操作は、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明されていない。
【0097】
前述の例は、1つまたは複数の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、当業者には、発明能力を働かせることなく、また本発明の原理および概念から逸脱することなく、形態、使用法、および実装の詳細における多数の変更を行うことができることが明らかであろう。従って、特許請求の範囲による場合を除いて、本発明が限定されることは意図されていない。
【0098】
「構成する」および「含む」という動詞は、本明細書では、列挙されていない機能の存在を排除も要求もしない未解決の制限として使用されている。従属請求項に記載されている特徴は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本明細書全体を通して、「a」または「an」、すなわち単数形の使用は、複数形を排除するものではないことを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、複数の自動車、複数のボートもしくは複数の航空機用の複数の電池、または1つ以上の電池を使用する他の対象物に使用することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 電池
22 電極コーン
23 カソード
24 アノード
25 冷却剤
26 電解液
27 インダクタコイル
27a インダクタコイルの第1の接続部
27b インダクタコイルの第2の接続部
28 チューブ
29 絶縁体
30 貯蔵容器
31 ヒートシンク
33 パッキングリング
100 電源
101 出力部
102 出力部
103 出力部
200 プラス極
300 マイナス極
【国際調査報告】