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特表2023-531897コンパクトな複数の散布ノズル設計を有するブーム装着散布ノズルアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】コンパクトな複数の散布ノズル設計を有するブーム装着散布ノズルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/00 20060101AFI20230719BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20230719BHJP
   F16K 15/18 20060101ALI20230719BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B05B17/00 101
F16K31/06 305L
F16K15/18 A
A01M7/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577306
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2021038096
(87)【国際公開番号】W WO2021257993
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/040,756
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595170502
【氏名又は名称】スプレイング システムズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】プライス, トレバー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンター, ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】アレンソン, マーク
【テーマコード(参考)】
2B121
3H058
3H106
4D074
【Fターム(参考)】
2B121CB03
2B121CB24
2B121CB33
2B121CB42
2B121CB47
2B121CB51
2B121CB61
2B121CC02
2B121CC03
2B121CC31
2B121EA26
2B121FA02
2B121FA11
2B121FA15
3H058AA05
3H058BB22
3H058CC05
3H058CD09
3H058DD16
3H058EE01
3H106DA07
4D074AA05
4D074BB06
4D074CC04
4D074CC24
4D074CC38
4D074CC55
(57)【要約】
損傷の少ない散布ブームの移送及び貯蔵を可能にするコンパクトな設計を有する複数の散布ノズルアセンブリを支持するための液体散布ブームを提供する。散布ノズルアセンブリは、それぞれ、液体入口セクションと、一対の散布ノズル液体供給脚および支持脚とを含み、一対の散布ノズル液体供給および支持脚は、液体入口セクションから散布ブームに対して前方横方向に互いに鋭角で延びる。散布ノズルは、散布ノズルに対して後方に配置されたそれぞれの逆止弁と共に、各ノズル本体液体供給脚に着脱可能に装着される。
液体入口セクション、Y本体、および散布ノズルおよび逆止弁のための支持構成部品は、迅速に分離して組み立ておよび分解できるようになっている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体散布システムにおいて、
液体供給導管を有する細長い散布ブームと、
複数の散布ノズルアセンブリであって、前記細長い散布ブームの長さに沿って側方に間隔をあけて装着された複数の散布ノズルアセンブリと、
散布ノズルと、
を備え、
前記散布ノズルアセンブリは、各々が、液体入口セクションと、一対の散布ノズル供給脚部とを含み、前記液体入口セクションは前記液体供給導管と連通し、前記一対の散布ノズル供給脚部は互いに鋭角で前記液体入口セクションから延び、
前記ノズル本体脚部は、各々が、前記液体入口セクションと連通するそれぞれの液体通路を有し、
前記散布ノズルは、前記ノズル本体脚部の各々に着脱自在に装着され、前記ノズル本体の液体入口セクションおよびノズル本体脚部液体通路を介して、前記液体供給導管から液体を受けて散布し、
前記ノズル本体脚部は、各々が、それぞれの前記ノズル本体脚部によって支持された前記散布ノズルへの前記ノズル本体脚部液体通路からの液体の流れを遮断するために、それぞれの逆止弁を支持する、液体散布システム。
【請求項2】
前記ノズル本体の液体入口セクションは、前記細長い散布ブームに対して従属関係で支持され、前記ノズル本体脚部は、前記液体入口セクションに対して横方向に延びる、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項3】
前記ノズル本体脚部は、前記ノズル本体脚部に依存して前記散布ノズルを支持する、請求項2に記載の液体散布システム。
【請求項4】
前記ノズル本体脚部は、前記細長い散布ブームに対して前方に延びる関係で前記散布ノズルを支持し、前記ノズル本体脚部は、前記逆止弁をそれぞれの散布ノズルに対して後方に支持する、請求項2に記載の液体散布システム。
【請求項5】
前記ノズル本体脚部は、前記液体入口セクションと前記脚部通路との間を連通する液体入口を有するY本体によって画定され、前記Y本体は、前記液体入口セクションに着脱自在に結合される、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項6】
前記Y本体は、各ノズル本体脚部の末端部に着脱自在に結合された端部本体を有し、各脚部に支持された前記散布ノズルおよび逆止弁は、それぞれの端部本体に着脱自在に結合されている、請求項5に記載の液体散布システム。
【請求項7】
前記Y本体は、スレッドレスクリップによって前記液体入口セクションに着脱自在に結合され、前記端部本体は、それぞれ、着脱自在クリップによってそれぞれのY本体脚部の末端部に着脱自在に接続される、請求項6に記載の液体散布システム。
【請求項8】
前記Y本体脚部は、互いに30度から60度の間の角度で外方に延びている、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項9】
前記端部本体は、それぞれのY本体脚部の前記液体通路と連通する環状通路を有し、それは、前記環状通路に装着され、前記環状通路内部の内部通路は、前記端部本体によって支持された、各散布ノズルまで入口通路と連通し、それぞれの端部本体に装着された前記逆止弁は、前記端部本体内部通路を閉鎖して、前記ブーム液体供給導管、液体入口セクションおよびそれが装着されるY本体脚部のY本体脚部通路からの液体の連通を防止するように動作可能である、請求項6に記載の液体散布システム。
【請求項10】
前記ノズル本体の液体入口通路内に配置され、前記散布ノズルへの液体の流量を監視する液体モニタを含む、請求項1に記載の液体散布システム。
【請求項11】
液体散布システムにおいて、
液体供給導管を有する細長い散布ブームと、
前記細長い散布ブームの長さに沿って横方向に間隔を置いて装着された複数の散布ノズルアセンブリと、
散布ノズルと、
を備え、
前記複数の散布ノズルアセンブリの各々は、前記散布ブームによって支持されたノズル本体とを含み、
前記ノズル本体は、液体入口セクションと液体出口セクションとを有し、前記液体入口セクションは、前記散布ブームと従属関係で装着された前記液体供給導管と連通し、前記液体出口セクションは、前記液体入口セクションと、各々が互いに鋭角で伸びる複数の脚部と連通する液体入口を有するY本体を備え、
前記Y本体脚部は、各々が、前記Y本体入口セクションおよび前記液体入口セクションと連通するそれぞれの液体通路を有し、
前記散布ノズルは、前記Y本体脚部に着脱自在に装着され、前記ノズル本体の液体入口セクションおよびそれぞれのY本体脚部液体通路を介して前記液体供給導管から液体を受けて散布し、
前記Y本体脚部は、各々が、それぞれのY本体脚部によって支持された前記散布ノズルへのそれぞれのY本体脚部の通路からの液体の流れを遮断するための逆止弁を支持し、
前記Y本体脚部は、各々が、前記散布ブームに対して前方に、それぞれの逆止弁に対して後方に、それぞれの散布ノズルを支持する、液体散布システム。
【請求項12】
前記ノズル本体の液体入口セクションは、前記Y本体を前記散布ブームに依存して支持する、請求項11に記載の液体散布システム。
【請求項13】
前記液体入口セクションは、前記ブーム液体供給導管に連通する第1の流路セクションと、前記Y本体の液体入口セクションに連通する前記第1の流路セクションに対して斜めに延びる第2の流路セクションとを含む、請求項12に記載の液体散布システム。
【請求項14】
前記ノズル本体は、各Y本体脚部の末端部に端部本体を含み、各Y本体脚部の前記端部本体は、前記Y本体脚部に依存して前記散布ノズルのそれぞれを支持し、各散布ノズルに対して後方関係にあるそれぞれの逆止弁を支持する、請求項11に記載の液体散布システム。
【請求項15】
前記ノズル本体の液体入口セクション、Y本体および端部本体は、互いに着脱可能に固定された別個の構成要素である、請求項14に記載の液体散布システム。
【請求項16】
前記Y本体は、ネジ山のないクリップによって前記液体セクションに着脱自在に結合され、前記端部本体は、それぞれ、着脱自在クリップによってそれぞれのY本体脚部の末端部に着脱自在に接続される、請求項15に記載の液体散布システム。
【請求項17】
Y本体の脚部は、互いに30度から60度の間の角度で外側に延びている、請求項11に記載の液体散布システム。
【請求項18】
前記Y本体の脚部は、互いに約45度の角度で外側に延びている、請求項17に記載の液体散布システム。
【請求項19】
前記端部本体は、それが装着されるそれぞれのY本体脚部の液体通路に連通する環状通路と、前記環状通路内の内部通路であって、前記端部本体によって支持されるそれぞれの散布ノズルへの入口通路に連通する内部通路とを有し、それぞれの端部本体に装着された前記逆止弁の各々は、前記端部本体内部通路を閉鎖して、前記ブーム液体供給導管、液体入口セクションおよびそれが装着されるY本体脚部のY本体脚部通路からの液体の連通を防止するように動作可能である、請求項14に記載の液体散布システム。
【請求項20】
前記逆止弁は、各々が、電子で動作する逆止弁である、請求項19に記載の液体散布システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
[0001]この特許出願は、2020年6月18日に出願された米国仮特許出願第63/040,756号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[発明の分野]
【0004】
[0002]本発明は、一般的には、農薬散布のためにトラクタ等の背後の畑で引っ張られるような液体散布ブームに関し、より詳細には、そのような散布ブームに使用するための改良された散布ノズルアセンブリに関する。
【0005】
[発明の背景]
【0006】
[0003]農業用散布ブームは、ブームの長さに沿って横方向に間隔を置いて配置された多数の散布ノズルアセンブリを担持する。各散布ノズルアセンブリは、一般に、複数の散布ノズルと、液体供給の遮断時に散布ノズルからの液体の排出を直ちに遮断して廃棄物および液体化学物質の過剰な適用を防止するための1つ以上の逆止弁とを備えており、これはさらに各アセンブリの容積およびサイズを増大させる。
【0007】
[0004]近年、農薬の液体散布を電子的に制御し監視するために、各散布ノズルに比較的精巧な逆止弁が使用されている。そのような制御弁および逆止弁は、液体供給ブームに対して散布ノズルアセンブリの設置面積を実質的に増大させるサイズである。電子式逆止弁の電気配線は、さらに各散布ノズルアセンブリに組み込まなければならない。
【0008】
[0005]このような液体散布ブームは、各移動経路中の散布を最大にするために、80フィートまたはそれ以上のような比較的長い長さとすることができる。使用されていないときに散布ブームの運搬および貯蔵を容易にするために、散布ブームは、ブームの対向する側部またはセグメントが互いに並んで折り畳まれることを可能にするピボットジョイントを有する。散布ノズルアセンブリおよび関連する逆止弁およびそれらの散布ブームからの突出部の大きさおよびサイズのために、散布ブームセクションを上に並んで配置すると、散布ノズルアセンブリが互いに係合して損傷接触するようになり、散布器の修理または交換および停止時間を必要とする。
【0009】
【発明の目的および概要】
【0010】
[0006]本発明の目的は、散布ノズルアセンブリの接触係合を妨害することなく、ブームの部分を横並びの関係に折り畳む又は旋回させることをより確実に可能にするように設計された、関連する液体逆止弁又は制御弁をその長さに沿って有する多数の散布ノズルアセンブリを有する液体散布ブームを提供することである。
【0011】
[0007]別の目的は、液体散布ブームへの保護装着を可能にするコンパクトな設計を有する多数の比較的大きな電子式逆止弁を有する散布ノズルアセンブリを提供することである。
【0012】
[0008]さらなる目的は、液体供給散布ブーム上への散布ノズルアセンブリの保護装着およびそれぞれの電子式逆止弁の配線を容易にする電子式逆止弁を有する前述のタイプの散布ノズルを提供することである。
【0013】
[0009]他の目的は、構造が比較的簡単で、経済的な製造に適した前述のタイプの散布ノズルアセンブリを提供することである。
【0014】
[0010]本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0011]
図1図1は、本発明による例示された散布ブームが電動トラクタによって引っ張られる様子を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す液体散布ブームに装着された散布ノズルアセンブリの1つの拡大斜視図である。
図3図3は、それぞれの散布ノズルおよび電子式逆止弁を支持する図2に示される散布ノズルアセンブリの端部本体の1つの拡大斜視図である。
図4図4は、図2に示す散布ノズルアセンブリの上面図である。
図5図5は、図2に示す散布ノズルアセンブリの正面図である。
図6図6は、図4の6-6線の平面で取られた、例示されたノズルアセンブリの拡大垂直断面である。
図7図7は、図5の7-7線の平面で取られた、例示されたノズルアセンブリの水平断面である。
図8図8は、図4の8-8線の平面で取られた、例示された散布ノズルアセンブリの拡大垂直断面である。
図9図9は、例示されたスプレーノズルアセンブリのタービン作動液体流量モニタの拡大斜視図である。
図10図10は、図9に示されるタービン動作式液体流量モニタの磁気ハブの拡大横断面である。[0021]本発明は、種々の変形および代替的な構成の影響を受けやすいが、その特定の例示的な実施形態が図面に示されており、以下に詳細に説明される。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本発明の精神および範囲内にある全ての修正、代替構成、および等価物をカバーする意図があることを理解すべきである。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0016】
[0022]次に図面をより詳細に参照すると、例示的な散布ブーム10(図1)が示されており、これは、トラクタ12などによって引っ張られているときに、散布ブーム10の幅に対応するストリップに沿って畑上に化学薬品または他の液体を散布するための複数の液体散布ノズルアセンブリ11(図2)を有する。この場合の散布ブーム10は、横方向に延びる支持部材13を含み、支持部材13は、液体供給導管14(図14)をその全長に沿って支持し、液体供給導管14は、トラクター12によって運ばれる液体供給タンク15に結合されている。当技術分野で知られているように、散布ブーム支持部材13は、複数の細長いセグメントまたはセクションを含むことができ、これらのセグメントまたはセクションは、一緒に結合されて、散布ブームセクションを運搬または貯蔵のために隣接して並んだ関係で旋回させることを可能にする。
【0017】
[0023]この例において、散布ノズルアセンブリ11は、それぞれ、散布ブーム液体供給導管14に依存して支持される。その目的のために、例示された散布ノズルアセンブリ11の各々は、ノズル支持本体16を含み、このノズル支持本体16は、細長い液体供給ブーム14に依存して支持された装着および液体入口セクション18と、液体入口セクション18および散布ブーム液体供給導管14の横断方向(この場合は前方)に延びる液体出口セクション19とを備える。この場合、液体入口セクション18は、直角液体通路20を有するが、この直角液体通路20は、散布ブーム液体供給導管14と連通する上流通路セクション20aと、その前方に延びる横断通路セクション20bとを有する(図6)。本明細書で使用されるような用語「上」、「下」、「前」、「後」は、それらの文字通りの意味に限定されず、図面に示される散布ノズルアセンブリおよび散布ブームに関連する相対的な用語として意図されることが理解されるであろう。
【0018】
[0024]散布ノズルアセンブリ11を散布ブーム液体供給導管14に固定するために、液体入口セクション18は、散布ブーム液体供給導管14の下面に隣接して位置決めされたクレードル形状の装着フランジ25を有するクランプデバイス24と、装着フランジ25の一端部に旋回可能に接続され、装着フランジ25の反対側の端部に固定するために散布ブーム液体供給導管14上に位置決め可能なクランプ要素26とを含む(図2および図6)。装着フランジ25は、液体供給導管14内で上方に延びるニップル28を有し、このニップル28を介して、液体供給導管14からの加圧された液体が、入口セクション通路20を通って液体出口セクション19に向かう方向に入る。この例における液体出口セクション19は、急速継手(quick disconnect coupling)によって液体入口部18に固定されるが、急速継手は、液体出口セクション19の上流端部の通路を通って延びる対向する脚部を有するU字形のピンまたはクリップ29と、液体入口セクション18の外の角状保持溝30(図2および図6)とを備える。例示された実施形態において、液体入口セクション18および液体出口セクション19は、互いに着脱自在に固定された別個の部品であることが理解されるであろう。あるいは、それらは単一部品として一体的に形成されてもよい。
【0019】
[0025]本実施形態の重要な態様によれば、液体出口セクション19は、液体入口セクション18の横方向に延びる一対の液体供給脚部36および散布ブーム液体供給導管14を互いに鋭角θで有するY状に構成された本体35(以下「Y本体」という)を含み(図4および図7)、それぞれが、散布ブーム液体10に対して下に密接した関係でそれぞれの液体散布ノズル38を支持して、散布ブーム10のセクションが運搬または貯蔵のために互いに横に折り畳まれた関係で移動されるときに、散布ノズルアセンブリの損傷干渉の可能性を最小にするようにする。Y本体35は、上流側ハブ37aに液体入口セクション通路20と連通する液体入口通路37と、Y本体35の各脚部36(図7)を介して連通する一対の傾斜液体通路41とを有している。例示されたY本体35の脚部36は、散布ノズル38を散布ブーム液体供給導管14の下面に対して相対的に近接した横方向に離間した関係に位置決めするために、互いに対して約45度の角度θで配置される。代替的に、Y本体35の脚部36は、散布ブーム10のセクションが互いに貯蔵または移動関係で移動するように依存して、30度から60度の間の角度θで配置されてもよい。
【0020】
[0026]本実施形態を実行する際に、Y本体35の脚部36はそれぞれ、散布ブーム液体供給導管14に対して密接に下にある関係に依存して、それぞれの散布ノズル38を支持する。例示された実施形態において、各Y本体脚部36は、末端部に、依存する散布ノズル38を支持するための端部本体40を有する。各端部本体40は、挿入セクション43を有し、この挿入セクション43は、それぞれのY本体脚部36の端部に、挿入セクション43内の通路42a(図3および図7)を介して配置された急速継手のUピンまたはクリップ42によって結合される。例示された実施形態において、細長いノズル装着ステム48が、端部本体40のレセプタクル45内に固着された上流端部を有し、この上流端部は、再び着脱自在クリップ49によって固着され、下流端部は、米国特許第6749134号に示されるような従来の急速継手によって装着されるように散布ノズル38が装着されるが、米国特許第6749134号は、本出願と同じ譲受人に譲渡され、その開示は参考の為に本願に組み込まれる。この場合の散布ノズル38は、散布器先端部51を担持するか又はそれとともに形成されるキャップ50を備え、ノズル装着ステム48(図8)のカム作用およびロッキングロックへの急速継手のために動作可能である。この場合、装着ステム48は、後で明らかになるように、端部本体40の液体出口通路54と散布ノズル38との間を連通する中央液体通路52を有する。散布ノズル38は、以下の端部本体40に対して、散布ブーム液体供給導管14において、かつそれに密接に関連して支持されるので、散布ブームの一部が貯蔵位置に折り畳まれる際の接触または損傷から実質的に保護されることが理解されるであろう。
【0021】
[0027]本実施形態の更なる特徴に従って、各散布ノズル38は、同様にブーム液体供給導管14の下に保護的に位置決めされるために、散布ノズル38に対して横方向後方に延びる関係で装着されたそれぞれの逆止弁55を有する。例示された実施形態において、各逆止弁55は、畑を通る運搬中にトラクタ12のキャビン内の制御装置からそれぞれの散布ノズル38への液体流を個別に制御するために電子的に動作される。電子式逆止弁55は、Chemsaverの名で販売されているモデル番号115880のような市販のタイプのものであってもよい。このような電子式逆止弁は、一般に使用されるバネ作動式逆止弁よりもサイズが実質的に大きいので、散布ノズルアセンブリからのそれらの突出は、これまで、散布ブームの動作または運搬中に損傷を与える干渉に対するそれらの感受性を増大させた。これらはまた、散布ノズルアセンブリを介して通信する外部配線を必要とする。
【0022】
[0028]例示された逆止弁55は、各々が、ネジ山付きキャップ59によって、それぞれの端部本体40の、外方にネジが切られて横断方向に延びるハブ58に装着されている。Y本体通路41から液体を連通させるために、端部本体40には、それが装着されるY本体液体供給脚部36の液体通路41と連通する環状の液体流路60が形成される(図7および図8)。端部本体40は、装着ステム通路62および散布ノズル51と連通する環状通路60内の中央に内部液体通路61を更に有する。例示された実施形態において、逆止弁55はプランジャ62(図7および図8)を有し、このプランジャ62は、(1)散布ブーム液体導管14、入口セクション通路20、Y本体通路41、および端部本体環状通路60からの液体液体が、中央通路61を介して装着ステム通路51および散布ノズル38に連通する開放後退位置と、(2)内部液体通路61、したがって散布ノズル38への液体の連通を遮断する閉鎖位置との間で電気的に移動可能である。電子式逆止弁プランジャ62の制御された動作によって、散布ノズル38のための液体排出を特定の散布用途に対して選択的に制御することができることは、当業者には理解されよう。
【0023】
[0029]例示的な実施形態は電子式逆止弁55を含むが、バネ作動式逆止弁および空気圧制御式逆止弁を含む他の形式の逆止弁を使用することができることが理解されるであろう。いずれの場合にも、逆止弁は、散布ノズル38に対して横方向後方に配置された関係で支持されて、外側に突出したり、散布ノズルアセンブリ11の横方向設置面積を増大させたりしないようになっている。従って、これらは、ブーム部分が貯蔵位置若しくは移動位置に移動したとき、又は散布ブームの動作中に、ブームの他の散布ノズル若しくは部分との干渉接触を受けにくい。
【0024】
[0030]本実施形態のさらに別の特徴を実行する際に、各散布ノズルアセンブリ11は、入口セクション18の液体入口通路20内のそれぞれの液体流量モニタ70を含むが、この液体流量モニタ70は、散布ノズル38への流量を監視し、入口セクション18から散布ノズル30(図6図7)への液体供給通路における可能な目詰まりを決定することが可能である。液体流量モニタ70は、タービン71(図9)を含むが、このタービン71は、入口セクション18の前方に延びる通路20b内に配置され、液体流量がタービン71を通って散布ノズル38に入るのに伴って回転するようにアレンジされている。タービン71は、中央液体ハブ72と、液体流量への入射としてタービンに回転回転運動を分割するための径方向に突出する円筒形ベーン74とを含む。タービン71は、入口セクション通路20a内のそれぞれのウェブ構成支持体内に支持された両端部外側に延びるシャフトセグメント75を有する。円筒ハブ72は、その半分72aが北に偏極され、反対側の半分72bとは異なる磁石(図10)を担持しており、これにより、磁場は、液体流量からのハブ72の回転への入射として制御装置によって感知され得る。このような流量モニタ70は、散布ブームの動作中に化学物質の適用を監視するためと、Y本体通路41の一方または他方への液体通路の遮断を検出するための両方に使用することができることが理解されよう。
【0025】
[0031]上述のことから、各々が複数の散布ノズルとそれぞれ関連付けられた液体逆止弁または制御弁とを含む液体散布ノズルアセンブリを有する液体散布ブームが提供されることが分かる。逆止弁は、それぞれのノズルからの個別に制御された排出に対して動作可能な比較的大きな電子式制御および逆止弁とすることができる。散布ノズルアセンブリは、散布ノズルアセンブリ間の接触を妨害または損傷することなく、散布ブームを貯蔵位置または移動位置に折り畳むことをより確実に可能にするためのコンパクトな設計を有する。電子式逆止弁は、保護された態様で、逆止弁の効率的な電気配線を可能にする態様で、散布ブーム液体供給導管の下に装着される。例示された実施形態において、逆止弁および散布ノズル支持端部本体は、Y本体脚部上に着脱自在に組み立てられた別個の構成要素であるが、代替的に、Y本体および端部本体を一体的に形成することもできる。
図1
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】