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特表2023-531900フィルター媒体を評価するための試験チャンバー装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】フィルター媒体を評価するための試験チャンバー装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/08 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
G01N15/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577327
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 IB2021055693
(87)【国際公開番号】W WO2022003517
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】20183697.0
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ホエング ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】クックザイ アルカディウシュ
(72)【発明者】
【氏名】サンド アントナン
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー サンドロ
(57)【要約】
装置は、(i)入口および出口を有する試験チャンバーと、(ii)試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気中に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成された導入システムと、(iii)被験物質を保持するように構成された支持体であって、支持体が、入口から出口へ流れる空気が通路に入る前にフィルター媒体を通過するように、被験物質の位置の下流の通路を画定する、支持体と、(iv)通路および出口を通して試験チャンバー内から空気を引き込むように構成された空気流装置と、(v)呼吸の態様をシミュレートするように構成された呼吸条件シミュレーションシステム、外部環境の態様をシミュレートするように構成された外部環境シミュレーションシステム、または呼吸条件シミュレーションシステムと外部環境シミュレーションシステムの両方と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験物質のフィルター媒体を評価するための装置であって、
試験チャンバーの表面上に導入開口部、入口、および出口を含む前記試験チャンバーと、
試験汚染物質が前記入口から前記出口へ流れる空気中に混入されるように、前記導入開口部を通して前記試験汚染物質を前記試験チャンバー内に導入するように構成された導入システムと、
前記被験物質を保持するよう構成された支持体であって、前記支持体が、前記入口から前記出口へ流れる空気が通路に入る前に前記フィルター媒体を通過するように、前記被験物質の位置の下流の前記通路を画定する、支持体と、
前記通路および前記出口を通して前記試験チャンバー内から空気を引き込むように構成された空気流装置と、
前記導入開口部から前記支持体の前記通路に向かって空気流を方向付けるための内面を含むガイドと、
呼吸の態様をシミュレートするように構成された呼吸条件シミュレーションシステム、または外部環境の態様をシミュレートするように構成された外部環境シミュレーションシステム、または前記呼吸条件シミュレーションシステムと前記外部環境シミュレーションシステムの両方と、を備える、装置。
【請求項2】
前記導入開口部を取り囲み、前記試験チャンバーの前記表面から前記ガイドの内部容積内に延在する試験汚染物質入口管を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガイドが、第一の端部および第二の端部を有し、前記第一の端部が、前記導入開口部の周りの前記試験チャンバーの前記表面に対して封止され、前記第二の端部が前記支持体の表面に対して封止される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ガイドが、前記ガイドの前記第一の端部に近接したガイド空気入口を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記試験汚染物質入口管が、前記第一のガイド空気入口を超えて、前記ガイドの前記第二の端部に向かって前記ガイドの前記内部容積内に延在する、請求項2に従属するときの請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記空気流装置が、前記出口および前記通路を通して前記試験チャンバー内に空気を導入するようにさらに構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記呼吸条件シミュレーションシステムが、前記空気流装置に動作可能に結合された空気流装置コントローラを備え、前記空気流装置コントローラが、前記空気流装置に、前記通路および前記出口を通して前記試験チャンバーから空気を引き込むことと、前記出口および前記通路を通して前記試験チャンバー内に空気を導入することを交互にさせるように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記呼吸条件シミュレーションシステムが、加湿器を備え、前記加湿器が、前記空気流装置に動作可能に結合され、前記出口および前記通路を通して前記試験チャンバー内へ導入される空気が、制御された湿度を有するように構成される、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記呼吸条件シミュレーションシステムが、前記出口および前記通路を通して前記空気流装置によって前記試験チャンバー内に導入される空気が、前記通路にある時に制御された温度を有するように配置され構成される加熱システムを備える、請求項6~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記呼吸条件シミュレーションシステムが、前記出口および前記通路を通して前記試験チャンバー内に導入される空気に二酸化炭素を導入するように構成された二酸化炭素濃度コントローラシステムを備え、その結果、前記通路内の空気中の二酸化炭素の割合が、所望の範囲に調節されうる、請求項6~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記呼吸条件シミュレーションシステムが、pHコントローラシステムを備え、前記pHコントローラシステムが、前記出口および前記通路を通して前記試験チャンバー内に導入される前記空気流装置によって引き起こされる空気のpHを制御するように構成されたpHコントローラ装置を備える、請求項6~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が前記外部環境シミュレーションシステムを備え、前記外部環境シミュレーションシステムが、温度調節された空気が前記入口を介して前記試験チャンバーに入るように構成された外部温度制御システム、湿度制御された空気が前記入口を介して前記試験チャンバーに入るように構成された外部湿度制御システム、紫外線光が前記試験チャンバーの内部を通過するように構成された紫外線光源、のうちの一つ以上を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記外部環境シミュレーションシステムが、前記入口に動作可能に結合された希釈弁を備え、前記希釈弁が、前記入口を通して前記試験チャンバー内に環境空気汚染物質を導入するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記試験チャンバーから前記通路を通って引き込まれる空気が試験汚染物質収集器に接触するように、前記通路内の空気流経路内に位置付けられた前記試験汚染物質収集器を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記試験チャンバーが電気的に接地されている、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置に関する。本開示はまた、呼吸の態様をシミュレートするか、または外部環境の態様をシミュレートするか、または呼吸の態様および外部環境の態様の両方をシミュレートする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マスクまたはその他のウェアラブルデバイスは、対象によって吸入される外部環境からの汚染物質の量を減少させるフィルター媒体を含み得る。媒体によって濾過され得る汚染物質の例としては、化合物または複合体、ダストまたは他の粒子、ならびに花粉、細菌、およびウイルスなどの生体物質が挙げられる。
【0003】
気流動態および呼吸の生理学的態様は、ウェアラブル装置のフィルター媒体の汚染物質を濾過する能力に影響を与えることがあり、また汚染物質が対象と相互作用する能力に影響を与えることがある。とりわけ、吸入または呼気の空気流量、湿度、温度、および二酸化炭素の状況は、汚染物質を濾過する媒体の能力に影響を与えるか、または汚染物質自体に影響を与える場合がある。
【0004】
同様に、汚染物質が存在する外部環境および汚染物質が外部環境に導入される性質は、汚染物質が対象と相互作用する能力に影響を与えうる。特に、環境温度、湿度、および紫外線光は、汚染物質を濾過する媒体の能力に影響を与えるか、または汚染物質自体に影響を与える場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様によれば、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置が提供されている。装置は、試験チャンバー、導入システム、支持体、空気流装置、および(i)呼吸条件シミュレーションシステム、(ii)外部環境条件シミュレーションシステム、または(iii)呼吸条件シミュレーションシステムと外部環境シミュレーションシステムの両方を含む。試験チャンバーは、入口および出口を含む。導入システムは、試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成される。支持体は、被験物質を保持するように構成される。支持体は、入口から出口へ流れる空気が通路に入る前にフィルター媒体を通過するように、被験物質の位置の下流の通路を画定する。空気流装置は、通路および出口を通して試験チャンバー内から空気を引き込むように構成される。呼吸条件シミュレーションシステムは、呼吸の態様をシミュレートするように構成される。外部環境シミュレーションシステムは、外部環境の態様をシミュレートするように構成される。
【0006】
呼吸条件シミュレーションシステムによってシミュレーションされ得る呼吸に関連する態様の例には、気流量、気流速度、気流周期性、温度、湿度、酸性度、二酸化炭素含量、および類似のもののうちの一つ以上が含まれる。外部環境シミュレーションシステムによってシミュレーションされ得る外部環境の態様の例には、温度、湿度、紫外線光、試験汚染物質の放射の性質、およびこれに類するもののうちの一つ以上が含まれる。
【0007】
呼吸の態様、対象の外部環境の態様、または呼吸の態様および外部環境の態様の両方をシミュレートすることによって、本発明の装置は、被験物質が使用され得る条件により近い条件下で、被験物質の評価を有利に可能にする。さらに、被験物質は、様々な条件下で評価されて、その物質の潜在的な有効性を決定することができる。こうした試験によって、例えば、ユーザー、製造業者、またはユーザーおよび製造業者が、被験物質が良好に作用し得る特定の条件、および被験物質が良好に作用し得ない特定の条件が存在するかを判定することが可能になり得る。これにより、ユーザーは、被験物質を効果的に採用することができる。様々な条件下での試験により、製造業者は、被験物質を効果的に採用する方法を、より良くユーザーに指示することができる。
【0008】
本発明の装置は、任意の適切な試験チャンバーを含んでもよい。試験チャンバーは、入口および出口を含む。空気は、入口から出口へ試験チャンバーを通って流れ得る。チェック弁または他の適切な弁は、入口に動作可能に結合されてもよい。入口に結合された弁は、入口を通して試験チャンバー内に空気が流れることを可能にしてもよく、また入口を通して試験チャンバーから空気が流れ出るのを防止してもよい。
【0009】
試験チャンバーは、一つ以上の通気孔を備えてもよい。通気孔は、チャンバー内の相対圧力が十分に増加するか、またはチャンバー内の相対圧力が十分に減少する時にチャンバーに入るように空気を囲むと、チャンバー内の空気がチャンバーから脱出することを可能にしうる。通気孔は、試験汚染物質が通気孔を通って試験チャンバーから出ることを防止または低減するか、または周辺からの汚染物質が通気孔を通って試験チャンバーに入ることを防止するためのフィルターを含んでもよい。フィルターは、高性能エア(HEPA)フィルター材料または炭フィルターなどの任意の適切なフィルター材料を含んでもよい。
【0010】
試験チャンバーは、試験汚染物質が導入され得る開口部を備えてもよい。開口部は、入口と同じであってもよく、または入口とは異なってもよい。試験汚染物質は、入口以外の開口部を通して試験チャンバー内に導入されることが好ましい。
【0011】
試験チャンバーは、囲まれた内部空間を画定する一つまたは複数のパネルを保持するように構成されたフレームを備えてもよい。フレームは任意の適切な材料から形成されてもよい。フレームは、不活性材料を含んでもよい。試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通し得るフレームの任意の一部分は、不活性であることが好ましい。フレーム、またはフレームの一部分は、不活性となるように被覆または処理されてもよい。フレームは、ポリカーボネートなどのプラスチック、またはアルミニウムまたはステンレス鋼などの金属材料を含み得る。
【0012】
パネルは任意の適切な材料から形成されうる。少なくとも試験チャンバーの内部を画定するパネルの表面は不活性であることが好ましい。任意の適切な不活性材料が使用されてもよい。不活性材料は、パネルのバルクを形成してもよく、またはパネルの表面上に被覆されてもよい。試験チャンバーの内部を画定するパネルの表面は、疎水性であることが好ましい。
【0013】
パネルのバルクを形成するための適切な材料の例としては、ガラス、プラスチック、および金属材料が挙げられる。適切なプラスチック材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などが挙げられる。適切な金属材料の例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、およびこれに類するものが挙げられる。材料は、本質的に不活性であってもよく、または不活性となるように処理または被覆されてもよい。例えば、被覆または処理を表面に施して、表面を不活性にしてもよい。
【0014】
少なくとも一つのパネルは、囲まれた内部空間の視覚的観察を可能にするために透明であることが好ましい。パネル全体またはパネルの一部分は透明であってもよい。パネル全体またはパネルの大部分は、透明であることが好ましい。パネルを形成するための適切な透明材料は、透明なプラスチックまたはガラスを含む。囲まれた内部空間の視覚的観察は、試験装置のユーザーが、試験プロセスが期待通りに進行しているかどうかを決定することを可能にしうる。
【0015】
試験チャンバーは、二つ以上のパネルを含んでもよい。例えば、試験チャンバーは、上部パネル、底部パネル、および一つ以上の側壁パネルを含んでもよい。一部の実施例では、試験チャンバーは、上部パネル、底部パネル、前部側壁パネル、後部側壁パネル、左側壁パネル、および右側壁パネルを含む。
【0016】
フレームは、試験チャンバーの囲まれた内部容積が周囲環境に対して気密となるように、密封するようにパネルと係合することが好ましい。試験チャンバーを密封することは、汚染物質が例えば、感染性または毒性物質を含む場合、重要であり得る。密封された試験チャンバーは、感染性または毒性物質が試験チャンバーの外部に漏れることを防止し得る。これにより、試験装置のユーザー、または試験装置の近くの任意の者が、感染性または毒性物質に曝露されることを防ぐことができる。一つ以上の封止要素を使用して、フレームに対してパネルを封止してもよい。任意の適切な封止要素が使用されてもよい。例えば、Viton(登録商標)フルオロエラストマー(DuPont、Wilmington、Delaware、USA)などの合成ゴムまたはフルオロポリマーエラストマー、ストリップまたはコードを使用して、フレームに対してパネルの縁を封止してもよい。封止要素は、不活性であるか、または試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通し得る封止要素の任意の一部分が不活性であることが好ましい。
【0017】
試験チャンバーは、適切な任意の形状のものとし得る。一つ以上のパネルは、試験チャンバーの適切な形状を達成するように構成され、かつ配設されてもよい。一部の実施例では、試験チャンバーは立方体である。試験チャンバーの囲まれた内部容積および外部形状は立方体であることが好ましい。
【0018】
試験チャンバーは、任意の適切なサイズのものとし得る。一部の実施例では、試験チャンバーの囲まれた内部容積は、10リットル~20リットルなど、5リットル~30リットルである。
【0019】
試験チャンバーは、電気的に接地されてもよい。試験汚染物質を試験チャンバー内に導入すると、静電電荷の蓄積が生じる場合がある。静電電荷は、汚染物質または汚染物質の構成要素を試験チャンバーの内部表面に付着させうる。試験チャンバーを電気的に接地することにより、汚染物質または汚染物質の構成要素の、試験チャンバーの内部表面への収着を低減することができる。収着を低減することにより、被験物質のフィルター材料に接触する汚染物質の量が増加する場合がある。したがって、収着の減少は、被験物質が使用され得る条件下での被験物質の正確な評価を可能にし得る。
【0020】
試験汚染物質と接触し得る試験チャンバーの内部表面は、好ましくは導電性である。導電性表面は、電気接地を効果的にしうる。試験チャンバーの構造要素を形成する材料が導電性でない場合、構造要素の表面は、導電性材料で被覆または処理され得る。適切な導電性材料の例としては、金、銀、ニッケル、クロム、チタン、および白金が挙げられる。好ましい実施例では、試験汚染物質と接触し得る試験チャンバーの内部表面は、チタンを含む。
【0021】
試験汚染物質が導入される開口部を形成する材料は、好ましくは、試験材料に対して不活性であり、静電電荷の蓄積の影響を受けにくい。一例では、試験汚染物質が導入される開口部を形成する材料は、白金で被覆されたシリコンで形成される。出口を形成する材料は、白金で被覆されたシリコンで形成されてもよい。白金は、電気的に接地されてもよい。
【0022】
本発明の装置は、任意の好適な支持体を備えてもよい。支持体は、被験物質を保持するように構成されうる。支持体は、試験チャンバー内の空気が試験チャンバーの出口を流れる前に、被験物質のフィルター媒体を流れるように、被験物質を保持することが好ましい。支持体は、試験チャンバーの出口と連通する通路を画定しうる。試験チャンバー内の空気は、通路を通って出口に流れ得る。支持体は、フィルター媒体が通路内に配置されるか、または通路の入口上に配置されるように、被験物質を保持するように構成されうる。
【0023】
支持体は、パネルの表面など、試験チャンバーの表面から、試験チャンバーの囲まれた内部空間内に延在してもよい。例えば、支持体は、試験チャンバーの底部パネルからなど、試験チャンバーの底部から延在してもよい。支持体は、試験チャンバーの底部パネルなど、試験チャンバーの底部から延在するハウジングを含み得る。ハウジングは、試験チャンバーの出口の周りに、試験チャンバーの底部パネルなど、試験チャンバーの底部に取り付けられてもよい。ハウジングは、通路を画定しうる。
【0024】
支持体は、一つ以上の部品を含んでもよい。一部の実施例では、支持体はハウジングおよびインサートを含む。インサートは、試験チャンバーの出口を通して、試験チャンバーの外側からハウジング内に挿入されてもよい。インサートは、任意の適切な様式でハウジングと係合してもよい。例えば、インサートは、ねじ係合を通して、またはねじれおよびロック係合機構を通して、ハウジングと係合してもよい。ハウジングおよびインサートは共に、支持体の通路を画定しうる。
【0025】
支持体の通路は、任意の適切な形状およびサイズのものであってもよい。例えば、通路は、長方形、三角形、円形、または楕円形の断面形状を含みうる。通路は、円形の断面形状を含むことが好ましい。一部の実施例では、通路は、50ミリメートル~80ミリメートルの範囲の直径を有する円形または略円形の断面形状を有する。例えば、通路は、40ミリメートル~100ミリメートル、または30ミリメートル~120ミリメートルの範囲の直径を有する円形または略円形の断面形状を有してもよい。
【0026】
支持体の通路は、任意の適切な長さであってもよい。一部の実施例では、通路は、50ミリメートル~80ミリメートルの範囲の長さを有する。例えば、通路は、40ミリメートル~100ミリメートル、または30ミリメートル~120ミリメートルの長さを有してもよい。
【0027】
支持体の通路の断面形状、サイズ、または形状およびサイズは、通路の長さに沿って均一であってもよい。通路の断面形状、サイズ、または形状およびサイズは、通路の長さに沿って変化し得る。
【0028】
支持体の通路は、ヒトの呼吸通路を通る気流をシミュレートするように構成されうる。例えば、通路は、気管、喉頭、喉頭蓋、咽頭、または口腔、口、鼻腔、および鼻孔のうちの一つまたは複数と類似した形状および寸法を有し得る。
【0029】
支持体は、試験チャンバーの出口と連通する複数の通路を形成するように構成されうる。支持体は、試験チャンバーから二つ以上の通路を通って流れる空気が、出口を通って流れる前に、被験物質のフィルター媒体を通って流れるように、被験物質を保持するように構成されうる。
【0030】
支持体は、任意の適切な様式で被験物質を保持してもよい。支持体は、被験物質が載置し得る表面を備えてもよい。表面は、任意の適切な形状を有してもよい。たとえば、表面は、平坦であっても湾曲していてもよい。表面は、被験物質の表面を補完するように輪郭を描いてもよい。支持体の表面は、ヒトの顔の表面をシミュレートするように形状付けられてもよい。
【0031】
支持体は、被験物質の保持部材と係合するように構成された特徴を備えてもよい。例えば、被験物質が一つ以上のストラップを備える場合、支持要素は、ストラップと係合するように構成されたポストなどの戻り止めを含みうる。支持体は、被験物質を保持するための保持要素を含んでもよい。例えば、支持体は、試験チャンバーから通路を通って流れる空気が被験物質のフィルター媒体を通過するように、被験物質を保持するためのクランプ、ストラップ、加重部材、または同種のものを含みうる。
【0032】
一部の実施例では、支持体は締付要素を含む。締付要素は、被験物質に力を加えて、支持体の表面に対して被験物質を押し付けうる。締付要素は、締付ディスクを含みうる。締付要素は、任意の適切な様式で支持体の一部に固定されてもよい。一部の実施例では、締付要素は、ねじまたはボルトなどのねじ付き部材によって支持体の一部に固定される。一部の実施例では、締付要素は、ねじ付き部材によって支持体のハウジングに固定される。
【0033】
一つまたは複数の封止部材は、被験物質と支持体との間に配置されてもよい。例えば、Oリングまたは他の適切な封止要素は、被験物質と支持体との間に配置されてもよい。
【0034】
支持体は任意の適切な材料から形成されうる。例えば、支持体はポリマー材料、金属材料、セラミック材料、およびガラス材料のうちの一つ以上を含んでもよい。支持体は、一つの部品または複数の部品から形成されてもよい。支持体は、オートクレーブに耐え得る材料から形成されることが好ましい。
【0035】
本発明の装置は、任意の適切な導入システムを備えてもよい。導入システムは、任意の適切な試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成されうる。例えば、試験汚染物質は、化合物もしくは複合体、ダストもしくは他の粒子、または生体物質を含んでもよい。生体物質は、花粉、胞子、または病原体を含んでもよい。病原体には、細菌およびウイルスが含まれ得る。好ましくは、試験汚染物質は生体物質を含む。より好ましくは、試験汚染物質は病原体を含む。さらにより好ましくは、試験汚染物質はウイルスを含む。
【0036】
好ましくは、導入システムは、被験物質を使用してもよい対象が試験汚染物質に曝露し得る方法と同様の方法で、試験汚染物質を導入するように構成される。例えば、病原体は、生体物質を含む粘液または唾液の微細な液滴によって運ばれ、呼吸、咳、またはくしゃみを通して最初の人によって放出される生体物質への曝露によって、最初の人から二人目に伝染されうる。これらの微細な液滴の懸濁液の全体的な粒子サイズ分布は、それらの力学を画定する。呼吸、咳、くしゃみ、および会話などの呼気エアロゾルの場合の粒子サイズ分布は、サブミクロンからサブミリメートルの粒子サイズに及ぶ。
【0037】
したがって、導入システムは、0.1マイクロメートル~0.5ミリメートルの粒子サイズ分布を有する微細液滴にウイルスおよび細菌を導入するように構成されうる。一部の実施例では、導入システムは、0.1マイクロメートル~0.1ミリメートルのサイズ範囲を有する粒子内にウイルスを導入するように適合される。
【0038】
導入システムは、任意の適切な形態で試験汚染物質を導入しうる。好ましくは、形態は、被験物質を使用し得る対象が曝露され得る形態と類似している。例えば、導入システムは、液体形態または固体形態で試験汚染物質を導入しうる。導入システムは、試験汚染物質をエアロゾルとして導入し得る。エアロゾルは、微細な液体または固体粒子を含んでもよい。導入システムが細菌またはウイルスを導入する場合、導入システムは、細菌またはウイルスを微細な液滴に導入するように構成されることが好ましい。
【0039】
導入システムは、加圧ガス源または空気流を生成するための装置を含んでもよい。加圧ガスまたは空気は、試験汚染物質を含む供給源を通って流れてもよい。供給源を通る加圧ガスの流れは、試験汚染物質を微細な液体または固体粒子にエアロゾル化させうる。一部の実施例では、導入システムは、エアロゾル発生器を含む。一部の実施例では、導入システムはネブライザーを含む。ネブライザーは、微細な霧の形態で試験汚染物質を導入しうる。
【0040】
導入システムは、試験汚染物質を直接試験チャンバー内に導入しうる。導入システムは、試験チャンバーの上流または入口に試験汚染物質を導入しうる。好ましくは、導入システムは、試験汚染物質を直接試験チャンバー内に導入する。導入システムが試験汚染物質を導入する場所にかかわらず、導入システムは、試験汚染物質が試験チャンバーの入口から試験チャンバーの出口へ流れる空気に混入され得るように、試験汚染物質を導入する。
【0041】
導入システムは、試験チャンバーの表面上の導入開口部を通して試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成されうる。試験汚染物質をチャンバー内に導入するための導入開口部が提供される表面は、好ましくは、試験チャンバーの上面である。
【0042】
装置は、支持体によって保持される被験物質のフィルター媒体を通して、支持体の導入開口部から通路への空気中に混入した試験汚染物質の流れを促進する一つまたは複数の要素を含み得る。
【0043】
装置は、試験チャンバーの内部表面への試験汚染物質の損失を低減する一つまたは複数の要素を含み得る。例えば、試験汚染物質は、試験チャンバーの内部表面に吸着または堆積し得る。
【0044】
装置は、支持体の通路への導入開口部から空気中に混入された試験汚染物質の流れを促進し、試験チャンバーの内部表面への試験汚染物質の損失を低減しうる試験汚染物質入口管を含み得る。
【0045】
装置は、支持体の導入開口部から通路への空気中に混入した試験汚染物質の流れを促進し、試験チャンバーの内部表面への試験汚染物質の損失を低減しうるガイドを含んでもよい。
【0046】
好ましくは、装置は、試験汚染物質入口管およびガイドを含み得る。試験汚染物質入口管とガイドの組み合わせは、導入開口部から支持体の通路への空気中に混入した試験汚染物質の流れを促進し、試験チャンバーの内部表面への試験汚染物質の損失を低減し得る。
【0047】
試験汚染物質入口管は、導入開口部を囲むことができ、試験チャンバー内に延在し得る。試験汚染物質入口管は、試験チャンバーの表面と一体的に形成されてもよく、または任意の適切な様式で試験チャンバーの表面に対して固定され得る別個の要素であってもよい。例えば、試験汚染物質入口管は、クランプを用いて試験チャンバーの上面に対して固定されてもよい。
【0048】
試験汚染物質入口管は、任意の適切な寸法を有してもよい。試験汚染物質入口管は、導入開口部と同一またはより大きい内径を画定しうる。試験汚染物質入口管は、任意の適切な距離で試験チャンバー内に延在し得る。例えば、試験汚染物質入口管は、5センチメートル~10センチメートルなど、2センチメートル~15センチメートルの距離で試験チャンバー内に延在してもよい。
【0049】
試験汚染物質入口管は、任意の適切な材料から作製されてもよい。試験汚染物質入口管は不活性材料を含むことが好ましい。試験汚染物質と接触し得る試験汚染物質入口管の任意の部分は、不活性であることが好ましい。試験汚染物質入口管、または試験汚染物質入口管の一部は、不活性になるように被覆または処理されてもよい。試験汚染物質入口管の試験汚染物質接触面は疎水性であることが好ましい。試験汚染物質入口管のバルクを形成するための適切な材料の例としては、ガラス、プラスチック、および金属材料が挙げられる。適切なプラスチック材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(テトラフルオロエチレン)などが挙げられる。適切な金属材料の例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、およびこれに類するものが挙げられる。材料は、本質的に不活性であってもよく、または不活性となるように処理または被覆されてもよい。試験汚染物質入口管の少なくとも一部分は透明であることが好ましい。より好ましくは、試験汚染物質入口管全体が透明である。滅菌目的のために、試験汚染物質入口管は、好ましくは、最大130°Cの温度、エタノールまたはイソプロパノールなどの消毒溶液に一般的に存在する有機溶媒、漂白剤またはオゾンなどの酸化剤、およびUV照射の一つ以上に耐性である。
【0050】
ガイドは、導入開口部から通路に向かって空気流を方向付ける内表面を有する。ガイドは、第一の端部から第二の端部まで延在する。ガイドの第一の端部は、導入開口部に近接してもよい。「In proximity to(~に近接して)」は、接触することを含む。ガイドの第一の端部は、導入開口部の周りの試験チャンバー表面に対して封止されてもよい。例えば、Oリングまたはガスケットは、ガイドの第一の端部と試験チャンバー表面との間に、導入開口部と共に配置されてもよい。装置が組み立てられた構成にある時、ガイドは、導入開口部の周りの試験チャンバー表面に対して固定されてもよい。ガイドは、任意の適切な様式で表面に対して固定されてもよい。例えば、ガイドは、クランプで導入開口部の周りの表面に対して固定されてもよい。ガイドの第一の端部は、導入面における導入開口部の外径よりも大きい第一の内径を画定してもよい。
【0051】
ガイドの第二の端部は、支持体の通路に近接してもよい。「In proximity to(~に近接して)」は、接触していることを含む。ガイドの第二の端部は、被験物質の外径よりも大きい第二の内径を画定してもよい。ガイドの第二の端部は、被験物質の位置の周りの支持体に対して封止されてもよい。例えば、Oリングまたはガスケットは、ガイドの第二の端部と支持体の表面との間に配置されてもよい。装置が組み立てられた構成にある時、ガイドは支持体の表面に対して固定されてもよい。ガイドは、任意の適切な様式で支持体の表面に対して固定されてもよい。例えば、ガイドは、クランプを有する支持体の表面に対して、ねじ込み係合などによって固定されてもよい。
【0052】
ガイドは、第一の端部と第二の端部との間のガイド内部容積を画定する内部表面を備えてもよい。ガイド内部表面は、空気中に混入した試験エアロゾルを、導入開口部から支持体の通路へと流れるように方向付けることができる。ガイドは、任意の適切な内部形状および寸法を有してもよい。例えば、ガイドは円筒形でもよい。
【0053】
ガイドは、一つ以上の空気入口を含みうる。空気入口は、ガイドが試験チャンバー表面および支持体の表面に対して封止された時に有益であり得る。ガイド空気入口は、ガイドの内部容積を試験チャンバーの入口と流体連通させてもよい。一つ以上のガイド空気入口は、ガイドの第一の端部に近接していることが好ましい。ガイドの第一の端部に近接することによって、一つ以上のガイド空気入口は、試験汚染物質が導入される場所に近接して、試験チャンバーの入口からの空気が内部チャンバー内に流れることを可能にしうる。試験汚染物質が第二の端部に向かってガイドを通って流れるにつれて、空気が試験汚染物質と混合してもよい。
【0054】
ガイド空気入口は、任意の適切な様式で配置されてもよい。ガイドが複数のガイド空気入口を含む場合、ガイド空気入口は、ガイドの長手方向軸に対して軸対称に配置されることが好ましい。ガイド空気入口は任意の適切な寸法を有しうる。例えば、ガイド空気入口の直径は、0.5センチメートル~2センチメートルなど、0.2センチメートル~3センチメートルでありうる。
【0055】
ガイドは任意の適切な材料から形成されうる。好ましくは、ガイドは不活性材料を含む。好ましくは、試験汚染物質と接触し得るガイドの任意の部分は、不活性である。ガイド、またはガイドの一部分は、不活性となるように被覆または処理されてもよい。好ましくは、ガイドの試験汚染物質接触面は疎水性である。ガイドのバルクを形成するための適切な材料の例としては、ガラス、プラスチック、および金属材料が挙げられる。適切なプラスチック材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(テトラフルオロエチレン)などが挙げられる。適切な金属材料の例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、およびこれに類するものが挙げられる。材料は、本質的に不活性であってもよく、または不活性となるように処理または被覆されてもよい。ガイドの少なくとも一部分は透明であることが好ましい。より好ましくは、ガイド全体が透明である。滅菌目的のために、ガイドは、好ましくは、130°Cまでの温度の一つ以上、エタノールまたはイソプロパノールなどの消毒溶液に一般的に存在する有機溶媒、漂白剤またはオゾンなどの酸化剤、およびUV照射に耐性である。
【0056】
ガイドは、電気的に接地されてもよい。電気接地は、静電電荷の蓄積を低減してもよく、これは、ガイドの内面によって保持される試験汚染物質または試験汚染物質の構成要素の量を低減し得る。試験汚染物質と接触し得るガイドの内部表面は、好ましくは導電性である。導電性表面は、電気接地を効果的にしうる。ガイドの構造要素を形成する材料が導電性でない場合、構造要素の表面は、導電性材料で被覆または処理されてもよい。適切な導電性材料の例としては、金、銀、ニッケル、クロム、チタン、および白金が挙げられる。
【0057】
試験汚染物質入口管は、ガイドの第一の端部に近接してガイド内に受容されてもよい。したがって、第一の端部でのガイドの内径は、試験汚染物質入口管の外径よりも大きい場合がある。試験汚染物質入口管は、任意の適切な距離でガイドの内部容積内に延在し得る。ガイドが一つ以上のガイド空気入口を含む場合、試験汚染物質入口管は、ガイド空気入口を超えて、ガイドの第二の端部に向かって、ガイドの内部容積内に延在することが好ましい。そのため、ガイド空気入口に入る空気は、試験汚染物質入口管の外部表面に沿って流れ、より層状で乱流の少ない空気がガイドを通って流れるのを促進しうる。層流は、イントロデューサー開口部から装置に入る試験汚染物質の周りにシースを形成しうる。シースは、空気がガイドの第二の端部に向かって流れる際に、ガイドの長さに沿って少なくとも部分的に残存してもよく、これは、試験汚染物質とガイドの内表面との相互作用を低減し得る。これにより、試験汚染物質の損失が減少し、試験に利用可能な試験汚染物質の質量が増加する可能性がある。
【0058】
ガイドが、ガイドの長手方向軸に対して軸対称に配置される複数のガイド空気入口を含む場合、放射状対称配置は、試験汚染物質の流れの均質性を増加させてもよく、試験汚染物質と空気の混合を増加させてもよく、これにより、支持体によって保持される被験物質への試験汚染物質のより時間的および空間的に均質な導入をもたらしうる。
【0059】
有利なことに、試験汚染物質入口管およびガイドは、試験汚染物質入口管およびガイドを含まない試験装置で経験し得るエアロゾル損失に関連する問題に対処しうる。試験汚染物質入口管およびガイドが存在しない場合、一つまたは複数の入口に一つまたは複数の試験チャンバー壁に入る空気は、乱流を生成しうる。空気が試験汚染物質と混合すると、試験汚染物質の一部は、試験汚染物質の損失が生じる可能性のある試験チャンバーの内部表面に乱流空気によって運ばれる場合がある。こうした損失は、分析に利用可能な試験汚染物質の総質量を減少させることがあり、それによって実験感度を減少させることがある。さらに、損失は予測が困難である場合がある。したがって、被験物質を通過する試験汚染物質の質量は十分に特徴付けられない場合があり、被験物質の濾過効率は正確に計算できない場合がある。
【0060】
試験汚染物質入口管およびガイドを含まない試験装置をもたらし得る乱流に加えて、試験汚染物質と希釈空気との不均一な混合が結果として生じる場合がある。したがって、試験汚染物質は、時間的および空間的に不均一な様式で被験物質に到達し得る。これにより、被験物質の濾過効率に影響を与える可能性があり、被験物質が試験汚染物質により局所的に過負荷となり、実験結果に影響を与える可能性がある。
【0061】
これらの交絡因子は、ガイドおよび試験汚染物質入口管によって低減され得る。
【0062】
本発明の被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、任意の適切な空気流装置を含んでもよい。空気流装置は、支持体の通路を通して、および試験チャンバーの出口を通して、試験チャンバー内から空気を引き込むように構成される。支持体によって被験物質が保持されると、空気が試験チャンバーから通路へと流れる際に、空気は被験物質のフィルター媒体を通って流れる。
【0063】
任意の適切な空気流装置を使用して、出口を通して試験チャンバーから空気を引き出すことができる。例えば、空気流装置は、試験チャンバー内の圧力に対する陰圧源、または出口を通してチャンバーから空気を引き出すための相対的陰圧を生成する装置を含んでもよい。相対的陰圧を生成しうる装置の例には、ベンチュリポンプ、ファン、または任意の他の適切な装置が含まれる。こうした装置は、本明細書では真空ポンプと呼ばれる。
【0064】
空気流装置は、流量計、気圧を測定するための変換器、または流量計および変換器を含み得る。流量計、変換器、または流量計および変換器は、コントローラに動作可能に結合されてもよい。コントローラは、相対的陰圧を生成する装置に結合されてもよい。コントローラは、流量計、変換器、または流量計および変換器からの入力に基づいて、被験物質を通る空気流を調節するように適合されてもよい。
【0065】
空気流装置は、出口および支持体の通路を通して試験チャンバー内に空気を導入するように構成されうる。支持体によって被験物質が保持されると、空気が出口および通路から試験チャンバーへ流れるとき、被験物質のフィルター媒体を通して空気が流れる。任意の適切な空気流装置を使用して、出口を通して試験チャンバーに空気を導入してもよい。例えば、空気流装置は、試験チャンバー内の圧力に対する相対的陽圧源、または出口を通して試験チャンバーに空気を導入するための相対的陽圧を生成する装置を含んでもよい。相対的陽圧を生成しうる供給源および装置の例には、加圧空気源、ファン、エアポンプ、または出口を通してチャンバーに空気を導入するための任意の他の適切な装置が含まれる。
【0066】
空気流装置は、ピストンポンプを備えてもよく、ピストンの第一の方向への移動は、空気を試験チャンバーから引き出し、ピストンの反対の第二の方向への移動は、空気を試験チャンバー内に導入させる。ピストンポンプは、有利なことに、生理学的容量および空気の移動を提供し得る。
【0067】
空気流装置は、人工呼吸器とも呼ばれうる、呼吸器を含んでもよい。
【0068】
空気流装置は、任意の適切な様式で、試験チャンバーの出口または支持体の通路に結合されてもよい。例えば、導管は、空気流装置および支持体の出口または通路に結合されて、空気流装置から出口または出口からの通路、または通路から空気流装置へ空気を運ぶことができる。
【0069】
導管は、空気を試験チャンバーから引き出すように構成された空気流装置への結合を可能にし、空気を試験チャンバーに導入させるように構成された空気流装置への結合を可能にするために、マニホールドに結合されてもよい。
【0070】
空気流装置は、一つ以上の弁を備えてもよい。例えば、第一の弁は、空気を試験チャンバーから引き出すように構成される装置に結合されてもよい。第二の弁は、空気を試験チャンバーに導入させるように構成された装置に結合されてもよい。弁は、空気が試験チャンバー内に流れることを可能にするか、または空気が試験チャンバーから引き出されることを可能にするために、適切な時に開閉されてもよい。弁は有利には、正確な流れ制御を可能にし得る。
【0071】
フィルターは、出口と空気流装置との間の導管内に位置付けられてもよい。フィルターは、試験チャンバー内に存在し得る汚染物質などの汚染物質から空気流装置を保護しうる。フィルターは、試験チャンバーから流れる空気中の水分から空気流装置を保護しうる。フィルターはまた、空気流装置から試験チャンバーへの空気が、汚染物質などの汚染なしに清浄であることを保証しうる。フィルターは、HEPAフィルター、炭フィルター、またはHEPAフィルターおよび炭フィルターの両方を含んでもよい。
【0072】
本発明の被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、呼吸条件シミュレーションシステムを含んでもよい。呼吸条件シミュレーションシステムは、気流量、気流速度、気流持続時間、気流周期性、方向または気流、温度、湿度、二酸化炭素含量、およびpHの一つまたは複数の、またはすべてなど、呼吸の任意の適切な態様をシミュレートしうる。好ましくは、呼吸条件シミュレーションシステムは、ヒト呼吸の一つ以上の態様をシミュレートする。
【0073】
呼吸条件シミュレーションシステムは、空気流装置に動作可能に結合されてもよい。呼吸条件シミュレーションシステムは、空気流装置に、被験物質を使用してもよい対象の呼吸の一つまたは複数の態様をシミュレートさせるように構成された空気流装置コントローラを含み得る。例えば、空気流装置コントローラは、空気流装置に、呼吸サイクル周期、吸入量、吸入速度、吸入時間、呼気量、呼気速度、および呼気時間のうちの一つまたは複数をシミュレートさせるように構成されうる。
【0074】
空気流装置コントローラは、空気流装置に、(i)支持体の通路および出口を通して試験チャンバーから空気を引き込むことと、(ii)出口および支持体の通路を通して空気を試験チャンバー内に導入することを、交互にさせるように構成されていることが好ましい。
【0075】
空気流装置コントローラは、空気流装置に、任意の適切な量の空気を試験チャンバーから出口を通して引き出させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、出口を通して、試験チャンバーから一定または可変量の空気を引き出させるように構成されうる。流れ装置コントローラは、空気流装置に、任意の適切な速度で、出口を通して試験チャンバーから空気を引き出させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、一定のまたは可変の速度で、出口を通して試験チャンバーから空気を引き出させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、任意の適切な時間の間、出口を通して試験チャンバーから空気を引き出させるように構成されうる。
【0076】
例えば、空気流装置は、0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、試験チャンバーから支持体の通路および出口を通して0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって引き込ませるように構成されうる。こうした流量、流量体積および持続時間は、ヒトの吸入に関連する条件の多くをシミュレートする。
【0077】
空気流装置コントローラは、空気流装置に、出口を通して任意の適切な量の空気を試験チャンバーに導入させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、出口を通して試験チャンバー内に一定または可変量の空気を導入させるように構成されうる。流れ装置コントローラは、空気流装置に、任意の適切な速度で出口を通して試験チャンバー内に空気を導入させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、一定のまたは可変の速度で出口を通して試験チャンバー内に空気を導入させるように構成されうる。空気流装置コントローラは、空気流装置に、任意の適切な時間の間、出口を通して試験チャンバー内に空気を導入させるように構成されうる。
【0078】
例えば、空気流装置は、0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、支持体の通路および出口を通して試験チャンバーに0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって導入させるように構成されうる。こうした流量、流量体積および持続時間は、ヒトの呼気に関連するほとんどの状態をシミュレートする。
【0079】
空気流装置コントローラは、任意の適切な様式で空気流装置を制御するように構成されうる。例えば、空気流装置コントローラは、空気流装置がピストンポンプを備える場合、ピストンポンプのモータに動作可能に結合されてもよい。空気流装置コントローラは、真空ポンプなどの試験チャンバーから引き出される空気流装置からの空気流の速度を調節する弁に動作可能に結合されてもよい。別の方法として、または追加的に、空気流装置コントローラは、空気流装置のモータに動作可能に結合されて、真空ポンプなどの試験チャンバーから空気を引き出してもよい。別の例として、空気流装置は、加圧空気源などの空気流装置から試験チャンバーへの空気流の速度を調節するように構成された弁に動作可能に結合されてもよい。
【0080】
呼吸条件シミュレーションシステムは、所定の湿度の空気を、試験チャンバーの出口を通して、支持体の通路を通して、試験チャンバー内に導入させるように構成されてもよい。被験物質が支持体によって保持される場合、所定の湿度の空気は、被験物質のフィルター媒体を通って流れうる。
【0081】
呼吸条件シミュレーションシステムは、加湿器を含んでもよい。加湿器は、空気流装置に動作可能に結合されてもよい。加湿器および空気流装置は共に、出口および支持体の通路を通して試験チャンバー内に導入される空気が、制御された湿度を有するように構成されうる。
【0082】
呼吸シミュレーションシステムは、任意の適切な加湿器を含んでもよい。例えば、加湿器は、水を保持するための貯蔵部を備えてもよい。空気流装置から試験チャンバーへ流れる空気は、水に渡って流れて、空気に湿度を加えてもよい。加湿器は、貯蔵部から水を引き出すための灯心を有してもよい。空気流装置から試験チャンバーへ流れる空気は、空気流が灯心を通過する際に、灯心からの水が空気に移送され得るため、相対湿度を増加させ得る。空気流装置は、空気が貯蔵部を通過する際に、貯蔵部から空気への水の移動を促進するための超音波振動装置またはその他の適切な装置を含んでもよい。超音波振動装置は、貯蔵部内の水と接触して位置付けられた要素を含み得る。要素が超音波振動するとき、水滴が形成されうる。水を通過する空気は、水滴と接触して、空気の湿度を増加させることができる。加湿器は、貯蔵部内の水を加熱するためのヒーターを備えてもよい。水を加熱すると、加熱された水を通過して流れる空気中により多くの水分が含有され得る。加湿器は、水に衝撃を与えて、貯蔵部を通過して流れる空気全体に水を分散するインペラを含んでもよい。
【0083】
湿度調節空気は、ヒトによって呼気される空気の相対湿度と類似した相対湿度を有することが好ましい。例えば、湿度調節空気は、相対湿度70パーセント~100パーセントの範囲の相対湿度を有してもよい。
【0084】
呼吸条件シミュレーションシステムは、呼吸湿度センサーと、呼吸湿度センサーに動作可能に結合された呼吸湿度コントローラとを含み得る。呼吸湿度センサーは、加湿器の下流の任意の適切な位置に配置されてもよい。この文脈では、下流とは、加湿器から出口を通って、支持体の通路を通って、試験チャンバー内に流れる空気に対するものである。例えば、湿度センサーは、湿度調節された空気が試験チャンバーの出口に向かって流れる導管内に位置付けられてもよく、または支持体の通路内に位置付けられてもよい。呼吸湿度コントローラは、加湿器を通って、または加湿器を通過して流れる空気に移送される水の量を制御するように構成された加湿器の構成要素に動作可能に結合されてもよい。例えば、呼吸湿度コントローラは、超音波振動装置に動作可能に結合されてもよい。超音波振動装置は、電流が印加されたときに超音波振動するように構成された圧電素子を含み得る。呼吸湿度コントローラ素子は、適切な電流を圧電素子に印加させるように構成されてもよい。
【0085】
呼吸条件シミュレーションシステムは、被験物質に近接した空気が、被験物質を使用し得る対象の口または鼻に近接した温度をシミュレートする温度を有するように構成されうる。呼吸条件シミュレーションシステムは、加熱システムを備えてもよい。加熱システムは、出口および支持体の通路を通して空気流装置によって試験チャンバー内に導入される空気が、通路内にあるときに制御された温度を有するように配置され構成されてもよい。
【0086】
呼吸条件シミュレーションシステムは、任意の適切な加熱システムを含んでもよい。加熱システムは、ヒーターおよびヒーターによって加熱された水を循環させることができる水循環システムを備えてもよい。水循環システムは、水を循環するポンプを備えてもよい。加熱システムは、循環加熱水から空気流装置から支持体の通路へ、および試験チャンバーへと流れる空気に熱を伝達する熱伝導素子を含んでもよい。加熱システムは、支持体を加熱するように構成されてもよい。
【0087】
加熱システムは、空気流装置から支持体の通路を通って試験チャンバー内に流れる空気に熱を伝達するために加熱され得る抵抗素子を備えてもよい。抵抗線、抵抗板、抵抗グリッド、抵抗ゲルなどの任意の適切な抵抗素子が採用されてもよい。
【0088】
加熱システムは誘導によって加熱するように構成されてもよい。例えば、誘導発熱体は、循環システムの水を加熱するか、または支持体の通路を通って試験チャンバー内に空気流装置から流れる空気に熱を伝達するために使用されうる。
【0089】
空気流装置から導管または支持体の通路に空気を運ぶ支持体または導管の構成要素は、熱伝導性でありうる。本開示の目的のために、材料は、10w/(m・K)以上または50w/(m・K)以上など、5ワット/メートルケルビン[w/(m・K)]以上の熱伝導率を有する場合、「熱伝導性」とみなされる。構成要素は、加熱システムの熱伝導素子と熱接触してもよい。加熱システムからの熱は、空気流装置から支持体の通路を通って、試験チャンバー内に流れる空気に伝達され得る。
【0090】
加熱システムは、呼吸温度センサーおよび呼吸温度センサーに動作可能に結合された呼吸温度コントローラを含み得る。呼吸温度コントローラはまた、抵抗素子または水ヒーターなどのヒーターに動作可能に結合されてもよい。呼吸温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。好ましくは、呼吸温度センサーは、支持体の通路内、または通路に近接して位置付けられる。
【0091】
加熱システムは、被験物質の近傍で支持体の通路を通って流れる空気が任意の適切な温度を有するように構成されうる。例えば、加熱システムは、出口および試験チャンバーへの通路を通して空気流装置によって導入される空気が、通路の中にあるとき、摂氏28度~摂氏45度の範囲の温度を有するように構成されうる。空気は、摂氏30度~摂氏42度の範囲の温度を有することが好ましい。より好ましくは、空気は、摂氏35度~摂氏40度の範囲の温度を有する。
【0092】
加熱システムまたは加熱システムの構成要素は、通路を画定する支持体に含まれてもよい。
【0093】
呼吸条件シミュレーションシステムは、試験チャンバーの出口から支持体の通路を通って流れる空気に、被験物質を使用してもよい対象の呼気のものと類似した二酸化炭素含量をもたらすように構成されうる。被験物質が支持体によって保持される場合、二酸化炭素制御空気は、被験物質のフィルター媒体を通して流れる。
【0094】
呼吸条件シミュレーションシステムは、二酸化炭素濃度コントローラシステムを含んでもよい。二酸化炭素コントローラシステムは、出口および支持体の通路を通して試験チャンバー内に導入される空気に二酸化炭素を導入するように構成されうる。通路内の空気中の二酸化炭素の割合は、所望の範囲に調節されてもよい。
【0095】
二酸化炭素コントローラシステムは、加圧二酸化炭素源を含んでもよい。加圧二酸化炭素源は、所望の濃度の二酸化炭素を含んでもよい。加圧二酸化炭素源が所望の濃度の二酸化炭素を含む場合、加圧二酸化炭素源は、空気を試験チャンバー内に導入するように構成された空気流装置の構成要素としての役割を果たしうる。
【0096】
加圧二酸化炭素源は、所望の二酸化炭素濃度よりも多い二酸化炭素の濃度を含み得る。例えば、供給源は、50体積パーセント以上の濃度の二酸化炭素を含んでもよい。供給源は、最大100体積パーセントの濃度の二酸化炭素を含んでもよい。加圧二酸化炭素源が、所望の二酸化炭素濃度よりも多い二酸化炭素の濃度を含む場合、二酸化炭素は、空気流装置から試験チャンバーの出口へ、および支持体の通路内へ流れる空気中に、任意の適切な様式で供給源から導入されうる。二酸化炭素コントローラシステムは、供給源からの二酸化炭素と空気流装置からの空気とを混合する混合器を備えてもよい。
【0097】
二酸化炭素コントローラシステムは、二酸化炭素センサーおよび二酸化炭素センサーに動作可能に結合された二酸化炭素コントローラを含み得る。二酸化炭素コントローラは、空気中に導入される供給源からの二酸化炭素の量を制御する弁に動作可能に結合されてもよい。二酸化炭素センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。二酸化炭素センサーは、支持体の通路内に、または近接して位置付けられることが好ましい。
【0098】
二酸化炭素コントローラシステムは、被験物質に近接した支持体の通路を流れる空気が任意の適切な二酸化炭素濃度を有するように構成されうる。例えば、二酸化炭素コントローラシステムは、出口および試験チャンバーへの通路を通して空気流装置によって導入される空気が、2体積パーセント~7体積パーセント、好ましくは4体積パーセント~5体積パーセントの範囲で二酸化炭素濃度を有するように構成されうる。
【0099】
呼吸条件シミュレーションシステムは、支持体の通路を通して(したがって、被験物質のフィルター媒体を通して)、試験チャンバーの出口を通って流れる空気に、被験物質を使用してもよい対象の呼気のpHと類似したpHをもたらすように構成されうる。例えば、呼吸条件シミュレーションシステムは、pHコントローラシステムを含む。pHコントローラシステムは、出口および試験チャンバーへの通路を通して導入される空気流装置によって引き起こされる空気のpHを制御するように構成されたpHコントローラ装置を含み得る。
【0100】
pHコントローラシステムは、酸を含有するために貯蔵部に結合され、かつ出口および支持体の通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中に酸を導入するように構成される、酸ポンプを含み得る。酸ポンプは、上述の加湿器などの加湿器の貯蔵部に酸を送達するように適合され得る。酸ポンプは、酸貯蔵部から加湿器貯蔵部に酸をポンプ注入して、加湿器内の水のpHを低下しうる。これにより、pHが低下した水に接触する空気のpHが低下し得る。
【0101】
酸貯蔵部は、酸を含む任意の適切な溶液を含んでもよい。例えば、溶液はクエン酸を含んでもよい。
【0102】
pHコントローラシステムは、塩基を含有するために貯蔵部に結合され、塩基を、出口および支持体の通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中に導入するように構成される、塩基ポンプを含み得る。塩基ポンプは、上述の加湿器などの加湿器の貯蔵部に塩基を送達するように適合されてもよい。塩基ポンプは、塩基貯蔵部から加湿器貯蔵部に塩基をポンプ注入して、加湿器内の水のpHを増加させうる。これにより、増加したpH水に接触する空気のpHが増加する場合がある。
【0103】
塩基貯蔵部は、塩基を含む任意の適切な溶液を含んでもよい。例えば、溶液は、クエン酸ナトリウム溶液を含んでもよい。
【0104】
pHコントローラシステムは、pHセンサーと、pHセンサーに動作可能に結合されたpHコントローラとを含み得る。pHコントローラは、酸ポンプ、塩基ポンプ、または酸ポンプおよび塩基ポンプに動作可能に結合されてもよい。pHセンサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。好ましくは、pHセンサーは、支持体の通路内、または通路に近接して位置付けられる。
【0105】
pHコントローラシステムは、被験物質に近接した支持体の通路を流れる空気に、任意の適切なpHをもたらすように構成されうる。例えば、pHコントローラシステムは、出口および試験チャンバーへの通路を通して空気流装置によって導入される空気に、8~8.3、好ましくは約8.1~8.2の範囲のpHをもたらすように構成されうる。
【0106】
呼吸条件シミュレーションシステムは、呼吸湿度コントローラ、呼吸温度コントローラ、二酸化炭素コントローラ、およびpHシステムコントローラのうちの一つ以上として機能するか、または動作可能に結合される呼吸条件シミュレーションシステムコントローラを含んでもよい。呼吸条件シミュレーションシステムコントローラは、ユーザーインターフェースに動作可能に結合されてもよい。ユーザーインターフェースは、被験物質のフィルター媒体を評価する際に採用される望ましい呼吸シミュレーション条件を設定するために使用されうる。
【0107】
本発明の被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、任意の適切な外部環境シミュレーションシステムを備えてもよい。外部環境シミュレーションシステムは、ユーザーが被験物質を使用し得る環境の任意の適切な態様をシミュレートしうる。例えば、外部環境シミュレーションシステムは、試験チャンバー内に導入される空気の温度、試験チャンバー内の空気の温度、試験チャンバー内に導入される空気の湿度、試験チャンバー内の空気の湿度、試験チャンバー内に導入される空気の環境空気汚染物質濃度、試験チャンバー内の空気の環境空気汚染物質濃度、試験チャンバー内に導入されるUV光、のうちの一つ以上またはすべてを調節するように構成され得る。外部環境シミュレーションシステムは、屋内環境または屋外環境をシミュレートしうる。
【0108】
外部環境シミュレーションシステムは、試験チャンバー内に導入される空気の温度、試験チャンバー内の空気の温度、または試験チャンバー内に導入される空気の温度および試験チャンバー内の空気の温度の両方を制御するように構成されうる。外部環境シミュレーションシステムは、温度調節された空気が入口を介して試験チャンバーに入るように構成された外部温度制御システムを含んでもよい。外部環境シミュレーションシステムは、任意の適切な外部温度制御システムを含んでもよい。
【0109】
外部温度制御システムは、試験チャンバー内に導入された空気が周囲空気よりも高い温度を有するように周囲空気を加熱するように構成された外部システムヒーター、試験チャンバー内に導入された空気が周囲空気よりも低い温度を有するように周囲空気を冷却するように構成された冷却器、またはヒーターと冷却器の両方を備えてもよい。
【0110】
外部温度制御システムは、任意の適切なヒーターを含んでもよい。ヒーターは抵抗素子、誘導素子などを含んでもよい。ヒーターは、抵抗素子から入口を通して試験チャンバーに入る空気に熱を伝達しうる熱伝導素子を含んでもよい。
【0111】
外部温度制御システムは、任意の適切な冷却器を含んでもよい。冷却器は、ペルチェ冷却器、冷媒圧縮機などを含んでもよい。冷却器は、入口を通して試験チャンバーに入る空気から熱が伝達され得る熱伝導素子を含んでもよい。
【0112】
外部温度制御システムは、周囲空気の上下の温度の水が循環する水循環システムを備えてもよい。外部温度制御システムは、循環水から周囲空気に熱を伝達するか、または周囲空気から循環水に熱を伝達する熱伝導素子を含んでもよい。
【0113】
外部温度制御システムは、外部システム温度センサーと、外部システム温度センサーに動作可能に結合された外部システム温度コントローラとを備えてもよい。外部システム温度コントローラはまた、ヒーター、冷却器、またはヒーターおよび冷却器に動作可能に結合されてもよい。外部システム温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。外部システム温度センサーは、試験チャンバー内の温度を検出するように位置付けられることが好ましい。
【0114】
外部温度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気が任意の適切な温度を有するように構成されうる。例えば、外部温度制御システムが、屋外環境をシミュレートするように構成される場合、外部温度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気に、摂氏-40度~摂氏45度、好ましくは摂氏0度~摂氏30度、より好ましくは摂氏10度~摂氏27度の範囲の温度をもたらすように構成されうる。外部温度制御システムが、屋内環境をシミュレートするように構成される場合、外部温度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気が、例えば、摂氏17度~摂氏26度の範囲の温度を有するように構成されうる。
【0115】
外部環境シミュレーションシステムは、試験チャンバー内に導入される空気の湿度、試験チャンバー内の空気の湿度、または試験チャンバー内に導入される空気の湿度および試験チャンバー内の空気の湿度の両方を制御するように構成されうる。外部環境シミュレーションシステムは、湿度調節された空気が入口を介して試験チャンバーに入るように構成された外部湿度制御システムを含んでもよい。外部環境シミュレーションシステムは、試験チャンバーに入る空気の相対湿度を増加または減少させるために位置付けられ、適合される、加湿器、除湿機、または加湿器および除湿機の両方を含み得る。
【0116】
外部温度制御システムは、外部システム湿度センサーと、外部システム湿度センサーに動作可能に結合された外部システム湿度コントローラとを備えてもよい。外部システム湿度コントローラはまた、加湿器、除湿機、または加湿器および除湿機に動作可能に結合されてもよい。外部システム湿度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。外部システム湿度センサーは、試験チャンバー内の湿度を検出するように位置付けられることが好ましい。
【0117】
外部湿度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気が任意の適切な湿度を有するように構成されうる。例えば、外部湿度制御システムが、屋外環境をシミュレートするように構成される場合、外部湿度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気に、20パーセント~90パーセント、好ましくは50パーセント~70パーセントの範囲の相対湿度をもたらすように構成されうる。外部湿度制御システムが屋内環境をシミュレートするように構成されている場合、外部湿度制御システムは、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気に、例えば、30パーセント~55パーセントの範囲の相対湿度をもたらすように構成されうる。
【0118】
外部環境シミュレーションは、紫外線(UV)光を試験チャンバーに導入するように構成されうる。例えば、外部環境シミュレーションシステムは、紫外線光が試験チャンバーの内部を通過するように構成される紫外線光源を含んでもよい。UV光源は、試験チャンバーの内部内または試験チャンバーの外側に位置してもよい。UV光源が試験チャンバーの外側にある場合、試験チャンバーは、光源からのUV光が試験チャンバーの一部分を通過し、試験チャンバーの内部に到達することを可能にするUV透過性部分を含む。外部環境シミュレーションは、UV光源の強度またはUV光源のスペクトル出力を制御するように構成されうる。UV光源の強度を変化させることによって、一日の異なる時間、一年の異なる時間、および異なる気象条件をシミュレートすることができる。好ましくは、UV源は、日光と類似したスペクトルを有する光を放射する。例えば、UV源は、300ナノメートル~400ナノメートルの範囲の波長を有する光を放射してもよい。日光は、315ナノメートル~400ナノメートルの波長である95パーセントのUV A光、および280ナノメートル~315ナノメートルの範囲の波長を有する5パーセントのUV B光を放射する。好ましくは、UV光源は、95パーセントのUV A線および5パーセントのUV B線を放射する。
【0119】
外部環境シミュレーションシステムは、フォトダイオードなどのUVセンサーと、UVセンサーに動作可能に結合されたUV源コントローラとを備えてもよい。UV源コントローラは、UV光源がUVセンサーからの入力に基づいて光信号を放射する強度またはスペクトル出力を制御しうる。UVセンサーは、好ましくは、試験チャンバー内のUV光を検出するように配置される。
【0120】
外部環境シミュレーションシステムは、環境空気汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成されうる。外部環境シミュレーションシステムは、試験チャンバー内に導入される空気中の空気汚染物質の量、試験チャンバー内の空気中の空気汚染物質の量、または試験チャンバー内に導入される空気中の空気汚染物質の量および試験チャンバー内の空気中の空気汚染物質の量の両方を制御するように構成され得る。環境空気汚染物質は、任意の適切な様式で試験チャンバー内に導入されてもよい。
【0121】
例えば、外部環境シミュレーションシステムは、液体形態または固体形態の環境空気汚染物質を導入しうる。外部環境シミュレーションシステムは、試験汚染物質をエアロゾルとして導入しうる。エアロゾルは、微細な液体または固体粒子を含んでもよい。外部環境シミュレーションシステムは、エアロゾルが試験チャンバーの入口を通して試験チャンバー内に引き込まれ得るように、環境空気汚染物質を含むエアロゾルを生成するように位置付けられ構成される外部システムエアロゾル発生器を備えてもよい。外部システムエアロゾル発生器は、環境汚染物質を微細ミストとして導入するための外部システムネブライザーを含んでもよい。
【0122】
外部環境シミュレーションシステムは、環境汚染物質が導入される副室を含んでもよい。空気が入口を流れる前に副室を通って流れるように、副室は試験チャンバーの入口と連通してもよい。環境汚染物質は、入口を通って試験チャンバー内に流れる空気に混入されてもよい。
【0123】
外部環境シミュレーションシステムは、入口に動作可能に結合された希釈弁を含んでもよい。希釈弁は、入口を通して試験チャンバー内に環境空気汚染物質を導入するように構成されてもよい。
【0124】
外部環境シミュレーションシステムは、環境汚染物質センサーと、環境汚染物質センサーに動作可能に結合された環境汚染物質コントローラとを備えてもよい。環境汚染物質コントローラは、外部システムエアロゾル発生器などの環境汚染物質イントロデューサーに動作可能に結合されて、環境汚染物質センサーからの入力に基づいて、試験チャンバーの入口に入る空気によって生成され、運ばれる環境汚染物質の量を制御することができる。環境汚染物質コントローラは、希釈弁に動作可能に結合されて、環境汚染物質センサーからの入力に基づいて、試験チャンバーの入口に入る空気中に運ばれる汚染物質の量を制御することができる。
【0125】
外部環境シミュレーションシステムは、任意の適切な環境汚染物質をシステムに導入するように構成されうる。環境汚染物質の例としては、粒子汚染、オゾン、一酸化炭素、二酸化硫黄、二酸化窒素、鉛、煙、およびスモッグが挙げられる。
【0126】
環境シミュレーションシステムは、外部システム温度コントローラ、外部システム湿度コントローラ、UV源コントローラ、および環境汚染物質コントローラのうちの一つ以上として機能するか、またはそれらに結合される、動作可能な環境システムコントローラを備えてもよい。環境システムコントローラは、ユーザーインターフェースに動作可能に結合されてもよい。ユーザーインターフェースは、被験物質のフィルター媒体を評価する際に採用される望ましい環境シミュレーション条件を設定するために使用されうる。
【0127】
被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、メインシステムコントローラを備えてもよい。メインシステムコントローラは、呼吸シミュレーションシステムの一つ以上のコントローラ、環境シミュレーションシステムの一つ以上のコントローラ、または呼吸シミュレーションシステムの一つ以上のコントローラ、および環境シミュレーションシステムの一つ以上のコントローラとして機能してもよく、または動作可能に結合されてもよい。メインシステムコントローラは、ユーザーインターフェースに動作可能に結合されてもよい。ユーザーインターフェースは、被験物質のフィルター媒体を評価する際に採用される、一つ以上の所望の呼吸シミュレーションシステムパラメータ、一つ以上の所望の環境シミュレーションシステムパラメータ、または一つ以上の所望の呼吸シミュレーションシステムパラメータおよび所望の環境シミュレーションシステムパラメータを設定するために使用されうる。
【0128】
本発明の被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、試験汚染物質収集器を含み得る。試験汚染物質収集器は、被験物質の下流の空気流経路に位置付けられてもよい。この文脈では、下流とは、支持体の通路を通って試験チャンバーから、および試験チャンバーの出口から出て流れる空気に対するものである。試験汚染物質収集器は、支持体の通路を通して試験チャンバーから引き込まれる空気が試験汚染物質収集器に接触するように位置付けられることが好ましい。
【0129】
試験汚染物質収集器は、試験汚染物質を収集するための材料を含んでもよい。収集材料は、試験汚染物質を収集するための装置に保持されてもよい。収集材料または収集装置は、空気に対して不透過性であってもよく、または空気に対して透過性であってもよい。同じ材料でありうる収集材料および収集装置が空気に対して透過性である場合、透過性収集材料は、支持体の通路にわたることが好ましい。したがって、通路を通って流れるすべての空気は、収集材料に接触しうる。
【0130】
収集材料または収集装置が不透過性である場合、空気は、材料または収集装置と接触した後に、収集材料または収集装置の周りを流れうる。不透過性収集材料または収集装置は、空気が不透過性材料または収集装置の周りを流れ、不透過性材料または収集装置の下流の通路を流れ続けることができるように、支持体の通路を横切っては通らないことが好ましい。支持体の通路内の空気は、試験チャンバーから通路を通って流れる全てのまたは実質的に全ての空気が収集材料に接触するように、収集材料に向けられてもよい。
【0131】
試験汚染物質を運ぶ空気は、収集材料に影響を与えることが好ましい。漏斗要素は、収集材料の表面の上流の支持体の通路内に位置付けられてもよく、またはその一部を形成してもよい。この文脈では、上流とは、試験チャンバーから支持体の通路を通って試験チャンバーの出口に流れる空気に対するものある。任意の適切な漏斗要素を使用してもよい。例えば、漏斗要素は、カスケードインパクターリングを含んでもよい。漏斗要素は、試験チャンバーから支持体の通路を通って流れる空気を収集材料に導いてもよい。空気が接触または衝突する収集材料は、通路の中心に位置付けられうる。
【0132】
支持体の試験汚染物質収集器および通路は、空気が通路を通って流れ続け、収集材料または収集装置に接触または衝突した後、試験チャンバーの出口から出て行けるように構成されうる。一部の実施例では、試験汚染物質収集器または通路は、試験汚染物質収集器の衝突面に対して横方向の一つまたは複数の開口部を備える。横方向の開口部は、試験汚染物質収集器の表面に衝突した後に、空気が収集器の表面の周りに流れ、通路を通って、試験チャンバーの出口から流れ続けることを可能にし得る。
【0133】
一部の実施例では、試験汚染物質収集器は、カップと、カップを受容および保持するように構成されたホルダとを含む。カップまたはカップ内に配置される材料は、支持体の通路を通って流れる空気が接触または衝突する表面を含んでもよい。ホルダは、カップが受容される位置に対して横方向の一つまたは複数の開口部を備えてもよい。一つ以上の横方向の開口部は、環状であってもよい。カップは、支持体の通路内に位置付けられ、ホルダの一つまたは複数の横方向の開口部が通路と連通するように保持され得る。
【0134】
試験汚染物質収集器は、試験汚染物質を運ぶ空気が試験汚染物質収集器に接触する時に、試験汚染物質を収集するための任意の適切な材料を含んでもよい。例えば、試験汚染物質収集器は、試験汚染物質を運ぶ空気が試験汚染物質収集器に接触する時に、ヒドロゲル、フィルター、または試験汚染物質を捕捉しうる他の材料を含んでもよい。ヒドロゲルは、試験汚染物質が細菌またはウイルスなどの生体物質を含む場合の使用に特に好適であり得る。試験汚染物質収集器は、アガロース、ポリアクリルアミド、またはアルギン酸塩ゲルなどの任意の適切なヒドロゲルを含んでもよい。
【0135】
ヒドロゲルは、捕捉された細菌またはウイルスの生存率を維持し得る。したがって、細菌またはウイルスなどの生物学的試験汚染物質を捕捉したヒドロゲルを含む試験汚染物質収集器または試験汚染物質収集器の構成要素を、試験装置から除去してもよい。一旦除去されると、補足した細菌またはウイルスの特性は、試験装置の外部で評価されてもよい。例えば、収集された病原体の数、または収集された病原体の生存率または病原性が評価されてもよい。
【0136】
試験汚染物質収集器または試験汚染物質収集器の一部は、一部の実施例では、試験チャンバーの内部にアクセスすることなく、試験装置から除去されてもよい。例えば、試験収集器または試験収集器の構成要素は、試験チャンバーの出口を通して除去されてもよい。いくつかの実施例では、被験物質が支持体によって保持されている状態で、試験チャンバーの出口を通して試験収集器を除去してもよい。
【0137】
支持体は、試験チャンバー内に配置されたハウジングを含んでもよい。ハウジングは、試験チャンバーの出口の周りに試験チャンバーに取り付けられてもよい。支持体は、ハウジングと取り外し可能に結合するために、試験チャンバーの出口を通して挿入され得るインサートを備えてもよい。インサートは、任意の適切な様式でハウジングに結合されてもよい。例えば、インサートは、ねじ係合によって、またはねじれおよびロック係合機構によって、ハウジングに結合されてもよい。インサートは、一方向にねじれてハウジングと係合してもよく、または別の方向にねじれてハウジングと係合解除されてもよい。インサートは、試験汚染物質収集器を保持してもよい。試験汚染物質収集器は、インサートがハウジングから係合解除され、試験チャンバーの出口を通って引き出された後、インサートから除去され得る。
【0138】
インサートは、インサートがハウジングと完全に係合された時に、試験チャンバーの外表面を超えて延在するハンドルを備えてもよい。ハンドルは、ハウジングからのインサートの係合および係合解除を容易にするために使用されうる。
【0139】
試験チャンバーの内部にアクセスせずに試験汚染物質収集器を除去することができることは、試験汚染物質が有害物質である可能性がある場合に有利でありうる。試験チャンバーの内部にアクセスすることなく試験汚染物質収集器を除去することができることは、試験汚染物質が細菌またはウイルスなどの感染性物質でありうる場合に特に有利であり得る。したがって、試験システムのユーザーは、試験チャンバー内に存在し得るいかなる有害または感染性物質に曝露されることなく、試験収集器を除去することができる。
【0140】
試験汚染物質収集器は除去および交換され得るため、システムは、様々な呼吸効果、環境効果、または呼吸効果および環境効果の組み合わせの効果を研究するために使用されうる。
【0141】
試験収集器の試験汚染物質を収集するための材料は、除去され、任意の適切な目的のために研究されてもよい。例えば、収集された試験汚染物質の質量が決定されてもよい。エアロゾル線量測定分析が実施されることがある。試験汚染物質が病原体である場合、病原性を試験してもよい。例えば、病原体の生存率が試験されてもよい。病原体がウイルスなどの細胞に感染する場合、収集された病原体が細胞を感染する能力が試験されてもよい。
【0142】
一部の実施例では、試験汚染物質収集器は、培養細胞を含む。培養細胞は、組織をシミュレートしてもよい。例えば、培養細胞は、肺組織をシミュレートするために培養された肺上皮細胞を含んでもよい。このような培養細胞系は、試験汚染物質が、SARS-CoV-2ウイルスなどの呼吸器ウイルス、または肺に影響を及ぼすことが知られている別の試験汚染物質を含む場合、特に有利であり得る。
【0143】
一部の実施例では、培養細胞は、ケラチノサイト、皮膚上皮細胞、およびこれに類するもののうちの一つ以上などの皮膚細胞を含んでもよい。
【0144】
一部の実施例では、試験汚染物質収集器は、第一の細胞または模擬組織タイプ、ならびに肝細胞または模擬肝臓組織を含む。試験汚染物質収集器は、模擬肺組織および模擬肝臓組織を含むことが好ましい。肝細胞または肺組織を有する第一の型の細胞または模擬組織を培養することによって、試験汚染物質に対する肝臓代謝の効果を評価しうる。特に、第一の細胞または組織型に対する試験汚染物質代謝物の効果を評価してもよい。
【0145】
肝細胞または模擬肝臓組織、および第一の細胞または模擬組織型は、接触しているか、または分離していてもよい。肝細胞または擬似肝臓組織が、培養された第一の細胞または擬似組織型から分離される場合、分離された細胞は流体連通することが好ましい。一部の実施例では、試験汚染物質収集器は、分離された細胞間で流体を循環するマイクロ流体循環システムを備える。循環した流体は、分離された細胞間の分子および材料の移動を提供しうる。循環した流体は、培養細胞または模擬組織に栄養素を提供し、培養細胞または模擬組織から老廃物を除去しうる。試験汚染物質収集器は、一方または両方の細胞型が、支持体の通路を通って流れる空気との接触によって最初に試験汚染物質に曝露されるように位置付けられてもよい。
【0146】
漏斗要素は、通路を通って流れる空気を培養細胞に配向するために、支持体の部分または通路内に位置付けられてもよく、またはその一部または通路を形成してもよい。培養細胞を接触させる前に、空気流が分散して、空気流からの細胞への損傷を防止してもよい。任意の適切な空気分散装置を使用してもよい。例えば、通路の内径は、培養細胞の上流の領域で増加し得る。増加した内径は、細胞を接触させる前に空気を減速および分散させる役割を果たしうる。
【0147】
一部の実施例では、細胞は、透過性膜上で培養される。支持体の通路を通って流れる空気は、透過性膜と接触するか、または衝突しうる。透過性膜に接触する試験汚染物質は、膜を通って遊走して細胞に接触する場合がある。
【0148】
本発明による被験物質のフィルター媒体を評価するための装置は、任意の適切なフィルター媒体を含む、任意の適切な被験物質を評価するために使用されうる。例えば、被験物質は、加熱、換気、および空調(HVAC)装置、フィルター媒体を含む職業用、環境用、および医療機器、ならびにフィルター媒体を含む個人用保護装置のためのフィルターを含んでもよい。好ましくは、フィルター媒体は、対象の口、鼻、または口および鼻の上に着用されるか、または上に配置されるように構成された装置に採用される。こうした装置には、マスクおよび人工呼吸器が含まれる。
【0149】
フィルター媒体は、少なくともいくつかの試験汚染物質の通過を防止してもよく、試験汚染物質を実質的に変化させてもよく、または少なくともいくつかの試験汚染物質の通過を防止してもよく、試験汚染物質を実質的に変化させてもよい。
【0150】
試験汚染物質を実質的に変化させ得るフィルター媒体は、試験汚染物質が毒性試験汚染物質、感染性試験汚染物質、病原性試験汚染物質、またはこれに類するものを含む場合に有利であり得る。こうしたフィルター媒体は、有利には、試験汚染物質を非毒性、非感染性、非病原性などにし得る。
【0151】
本発明の試験装置が試験汚染物質収集器を含む場合、捕捉された試験汚染物質は、毒性、感染性、病原性などについて評価されてもよい。異なる呼吸条件、外部環境条件、または呼吸条件、および外部環境条件が毒性、感染性、病原性などに与える影響も、本発明の試験装置を用いて試験されうる。
【0152】
一部の実施例では、本発明の試験装置は、フィルター媒体を含む被験物質なしで使用されうる。例えば、試験装置は、フィルター媒体が存在しない場合に、試験汚染物質の効果を研究するために使用されうる。
【0153】
本発明の態様によれば、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置が提供されている。装置は、試験チャンバー、導入システム、支持体、空気流装置、および試験汚染物質収集器を含む。上述のように、試験チャンバーは、入口および出口を備える。上述のように、導入システムは、試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成される。上述のように支持体は、被験物質を保持するように構成される。支持体は、入口から出口へ流れる空気が通路に入る前にフィルター媒体を通過するように、被験物質の位置の下流の通路を画定する。上述のように、試験汚染物質収集器は、試験チャンバーから通路を通して引き込まれた空気が試験汚染物質収集器と接触するように、通路内の空気流経路に位置付けられる。上述のように空気流装置は、通路および出口を通して試験チャンバー内から空気を引き込むように構成される。試験汚染物質は、生体物質を含むことが好ましい。生体物質は、病原体を含むことが好ましい。病原体は、ウイルスを含むことが好ましい。
【0154】
また本明細書で使用される「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」という単数形は、複数形の対象を有する実施形態も包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0155】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0156】
本明細書で使用される、装置またはシステムを提供する文脈における「提供する」とは、装置またはシステムを製造する、装置またはシステムを購入する、またはそうでなければ装置またはシステムを得ることを意味する。
【0157】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用されてもよい。
【0158】
「不活性」とは、不活性材料が、エアロゾルなどの試験される構成成分と実質的に化学的または物理的に反応しないこと、および不活性材料が、試験される構成成分を汚染することによって試験結果に影響を与え得る物質を実質的に放射しないことを意味する。同様に、不活性材料は、試験される構成成分を実質的に吸収しない場合がある。
【0159】
「収着」とは、吸収および吸着のうちの一方、またはその両方を指す。吸収とは、液体または固体材料であり得る、分子がバルク相で取り込まれる現象またはプロセスである。吸着とは、表面への分子の接着を指す。
【0160】
本明細書で使用される「疎水性」表面とは、撥水性特性を呈する表面である。表面が90度を超える水接触角を呈する場合、表面は疎水性と見なされ得る。「水接触角」は、従来的に液体を通して測定された角度であり、液体/蒸気界面が固体表面と交わる所である。水接触角は、液体による固体表面の湿潤性を、ヤングの式を介して定量化する。接触角は、角度を直接見るために顕微鏡対物レンズを使用する接触角ゴニオメーターを使用することによって測定され得る。接触角は、顕微鏡対物レンズを介して観察されてもよく、表面上に堆積された水滴を見ることによって判定されてもよい。
【0161】
本明細書で使用される「コントローラ」は、二つ以上の実体間のデータの流れを管理または方向付ける、一つ以上のハードウェア装置、一つ以上のソフトウェアもしくはファームウェアプログラム、または、一つ以上のハードウェア装置およびソフトウェアもしくはファームウェアプログラムである。コントローラは、メモリ、特定用途向け集積回路(ASIC)状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路を含んでもよい。コントローラは、回路の一つ以上の構成要素にコントローラの機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含んでもよい。本開示におけるコントローラに帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを含んでもよい。
【0162】
下記に非限定的な実施例を非網羅的に提供している。これらの実施例のうちのいずれか一つ以上の特徴は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0163】
実施例1
(i)入口および出口を含む試験チャンバーと、(ii)試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気中に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成された導入システムと、(iii)被験物質を保持するように構成された支持体であって、支持体が、入口から出口へ流れる空気が通路に入る前にフィルター媒体を通過するように、被験物質の位置の下流の通路を画定する、支持体と、(iv)通路および出口を通して試験チャンバー内から空気を引き込むように構成された空気流装置と、(v)呼吸の態様をシミュレートするように構成された呼吸条件シミュレーションシステム、外部環境の態様をシミュレートするように構成された外部環境シミュレーションシステム、または呼吸条件シミュレーションシステムと外部環境シミュレーションシステムの両方と、を備える、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置。
実施例2
導入システムが、試験チャンバーの表面上の導入開口部を通して、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成される、実施例1に記載の装置。
実施例3
導入開口部を取り囲み、試験チャンバー内に延在する試験汚染物質入口管を含む、実施例2に記載の装置。
実施例4
導入開口部から通路に向かって空気流を方向付けるために内表面を有するガイドを備え、ガイドが第一の端部から第二の端部に延在する、実施例2または実施例3に記載の装置。
実施例5
ガイドの第一の端部が、導入開口部に近接し、ガイドの第二の端部が、通路に近接する、実施例4に記載の装置。
実施例6
ガイドの第一の端部が、導入開口部の周りの導入面に対して封止される、実施例4または5に記載の装置。
実施例7
ガイドの第一の端部が、第一の内径を画定し、第一の内径が、導入面における導入開口部の外径よりも大きい、実施例6に記載の装置。
実施例8
第一の内径が試験汚染物質入口管の外径よりも大きい、実施例3の試験汚染物質入口管を含む、実施例6または7に記載の装置。
実施例9
ガイドの第二の端部が、被験物質の位置の周りの支持体に対して封止される、実施例4~8のいずれか一つに記載の装置。
実施例10
ガイドの第二の端部が第二の内径を画定し、第二の内径が被験物質の外径よりも大きい、実施例9に記載の装置。
実施例11
ガイドが、第一の端部と第二の端部との間にガイド内部容積を画定する、実施例4~10のいずれか一つに記載の装置。
実施例12
試験汚染物質入口管がガイドの内部容積内に延在する、実施例3の試験汚染物質入口管を含む、実施例11に記載の装置。
実施例13
ガイドが円筒形である、実施例10または11に記載の装置。
実施例14
ガイドが第一のガイド空気入口を含む、実施例11~13のいずれか一つに記載の装置。
実施例15
第一のガイド空気入口が、ガイドの第一の端部に近接している、実施例14に記載の装置。
実施例16
第一のガイド空気入口が、ガイド内部容積を試験チャンバーの入口と連通させる、実施例14または15に記載の装置。
実施例17
試験汚染物質入口管が、ガイドの第二の端部に向かって、第一のガイド空気入口を超えて、ガイドの内部容積内に延在する、実施例3の試験汚染物質入口管を含む、実施例14~16のいずれかに記載の装置。
実施例18
ガイドが第二のガイド空気入口を画定する、実施例11~17のいずれか一つに記載の装置。
実施例19
第一のガイド空気入口および第二のガイド空気入口が、ガイドの長手方向軸に対して軸対称に配置される、実施例18に記載の装置。
実施例20
第二のガイド空気入口が、ガイド内部容積を試験チャンバーの入口と連通させる、実施例18または19に記載の装置。
実施例21
ガイドが電気的に接地されている、実施例4~20のいずれか一つに記載の装置。
実施例22
空気流装置が、出口および通路を通して試験チャンバー内に空気を導入するようにさらに構成される、実施例1~21のいずれか一つに記載の装置。
実施例23
呼吸条件シミュレーションシステムが、空気流装置に動作可能に結合された空気流装置コントローラを備え、空気流装置コントローラが、空気流装置に、通路および出口を通して試験チャンバーから空気を引き込むことと、出口および通路を通して試験チャンバー内に空気を導入することとを交互にさせるように構成される、実施例22に記載の装置。
実施例24
空気流装置コントローラが、空気流装置に0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって通路および出口を通してチャンバーから引き込ませるように構成される、実施例23に記載の装置。
実施例25
空気流装置コントローラが、空気流装置に0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって出口および通路を通してチャンバー内に導入させるように構成される、実施例23または24に記載の装置。
実施例26
空気流装置がピストンポンプを含む、実施例21~25のいずれか一つに記載の装置。
実施例27
空気流装置が、(i)陽圧ポンプに動作可能に結合された陽圧ポンプおよび第一の弁と、(ii)動作可能な真空ポンプと、ポンプに動作可能に連結された第二の弁とを含み、空気流装置コントローラが、第一の弁および第二の弁に動作可能に結合されて、第一の弁および第二の弁を、(a)通路および出口を通して試験チャンバーから引き込まれる空気と、(b)出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気との間で、交互に開閉させる、実施例23~25のいずれか一つに記載の装置。
実施例28
呼吸条件シミュレーションシステムが、空気流装置に動作可能に結合され、出口および通路を通して試験チャンバー内へ導入される空気が、制御された湿度を有するように構成される加湿器を含む、実施例22~27のいずれか一つに記載の装置。
実施例29
呼吸条件シミュレーションシステムが、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中の相対湿度を検出するように配置され構成される、呼吸湿度センサーを含む、実施例28に記載の装置。
実施例30
呼吸条件シミュレーションシステムが、呼吸湿度センサーおよび加湿器に動作可能に結合された呼吸湿度コントローラを備え、呼吸湿度コントローラが、呼吸湿度センサーからの入力に基づいて制御された湿度を維持するために、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気の相対湿度を加湿器に増加または減少させるように構成される、実施例29に記載の装置。
実施例31
制御された湿度が、70パーセント~100パーセントの範囲の相対湿度である、実施例29または30に記載の装置。
実施例32
呼吸条件シミュレーションシステムが、空気流装置によって出口および通路を通して試験チャンバーへ導入される空気が、通路にある時に制御された温度を有するように配置され構成される、加熱システムを備える、実施例22~31のいずれか一つに記載の装置。
実施例33
加熱システムが、空気流装置によって出口および通路を通して試験チャンバーへ導入される空気が、通路にあるとき、摂氏28度から摂氏45度、好ましくは摂氏30度~摂氏38度の範囲の温度を有するように配置され構成される、実施例32に記載の装置。
実施例34
加熱システムが、被験物質を保持する支持体の少なくとも一部分を、摂氏35度から摂氏40度、好ましくは摂氏36度から摂氏38度の範囲の温度に加熱するように配置され構成される、実施例32または33に記載の装置。
実施例35
加熱システムが発熱体を含む、実施例32~34のいずれか一つに記載の装置。
実施例36
加熱システムが、呼吸温度センサーおよび呼吸温度コントローラを備え、呼吸温度コントローラが、呼吸温度センサーおよび発熱体に動作可能に結合され、呼吸温度センサーが、温度センサーからの入力に基づいて制御された温度を維持するために、発熱体に温度を増加または減少させるように構成される、実施例35に記載の装置。
実施例37
発熱体が抵抗素子または誘導性発熱体を含む、実施例35または実施例36に記載の装置。
実施例38
加熱システムが、水を加熱するように構成された発熱体、および加熱した水を循環するためのポンプを含む、実施例32~37のいずれか一つに記載の装置。
実施例39
呼吸条件シミュレーションシステムが、出口および通路を通して試験チャンバーに導入される空気に二酸化炭素を導入するように構成された二酸化炭素濃度コントローラシステムを備え、その結果、通路内の空気中の二酸化炭素の割合が所望の範囲に調節されうる、実施例22~38のいずれか一つに記載の装置。
実施例40
空気中の二酸化炭素の割合の所望の範囲は、2体積%~7体積%、好ましくは4体積%~5体積%である、実施例39に記載の装置。
実施例41
二酸化炭素濃度コントローラシステムが、所望の範囲よりも大きい二酸化炭素の濃度を有する二酸化炭素の加圧源から、出口および通路を通して試験チャンバーに導入される空気に二酸化炭素を導入するように構成される、実施例39または40に記載の装置。
実施例42
二酸化炭素濃度コントローラシステムが、二酸化炭素検出器と、二酸化炭素検出器および二酸化炭素の供給源と連通する弁に動作可能に結合された二酸化炭素コントローラとを備え、二酸化炭素コントローラが、二酸化炭素検出器からの入力に基づいて、弁が供給源からの二酸化炭素を多かれ少なかれ空気に入れることを可能にするように構成される、実施例41に記載の装置。
実施例43
呼吸条件シミュレーションシステムが、pHコントローラシステムを備え、pHコントローラシステムが、出口および通路を通して試験チャンバー内へ導入される空気流装置によって引き起こされる空気のpHを制御するように構成されたpHコントローラ装置を備える、実施例22~42のいずれか一つに記載の装置。
実施例44
pHコントローラシステムが、空気が8.0~8.3、好ましくは8.1~8.2のpHを有するように構成される、実施例43に記載の装置。
実施例45
pHコントローラシステムが、酸を含有するための貯蔵部に結合され、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中に酸を導入するように構成される、酸ポンプを含む、実施例43または44に記載の装置。
実施例46
pHコントローラシステムが、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中のpHを検出するように配置され構成されるpHセンサーと、pHセンサーに動作可能に結合されたpHコントローラとを備え、pHコントローラが、pHセンサーからの入力に基づいて、酸ポンプに空気に加えられる酸の量を増加または減少させるように構成される、実施例45に記載の装置。
実施例47
加湿器が水源を備え、酸ポンプが酸を含有する貯蔵部から水源に酸を導入するように構成される、実施例28~31のいずれか一つを参照する、実施例45または46に記載の装置。
実施例48
pHコントローラシステムが、塩基を含有するために貯蔵部に結合され、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中に塩基を導入するように構成される、塩基ポンプを備える、実施例43~47のいずれか一つに記載の装置。
実施例49
pHコントローラシステムが、出口および通路を通して試験チャンバー内に導入される空気流装置によって引き起こされる空気中のpHを検出するように配置され構成されるpHセンサーと、pHセンサーに動作可能に結合されるpHコントローラとを備え、pHコントローラが、pHセンサーからの入力に基づいて、ベースポンプに空気に加えられる塩基量を増加または減少させるように構成される、実施例48に記載の装置。
実施例50
加湿器が水源を備え、塩基ポンプが酸を含有する貯蔵部から水源に塩基を導入するように構成される、実施例48または49に記載の装置。
実施例51
装置が外部環境シミュレーションシステムを備える、実施例1~50のいずれか一つに記載の装置。
実施例52
外部環境シミュレーションシステムが、温度調節された空気が入口を介して試験チャンバーに入るように構成された外部温度制御システムを備える、実施例51に記載の装置。
実施例53
外部温度制御システムが、試験チャンバーに導入された空気が周囲空気よりも高い温度を有するように周囲空気を加熱するように構成されたヒーターを備える、実施例52に記載の装置。
実施例54
外部温度制御システムが、試験チャンバーに導入される空気が周囲空気よりも低い温度を有するように、周囲空気を冷却するように構成された冷却器を備える、実施例52または53に記載の装置。
実施例55
外部温度制御システムが、試験チャンバー内の空気の温度を検出するように配置され構成される外部システム温度センサーと、外部システム温度センサーに動作可能に結合された外部システム温度コントローラとを備え、外部システム温度コントローラが、外部システムヒーターまたは冷却器を制御して、温度センサーからの入力に基づいて試験チャンバー内の空気の温度を変更するように構成される、実施例51~54のいずれか一つに記載の装置。
実施例56
外部環境シミュレーションシステムが、外部湿度制御システムを備え、湿度制御された空気が入口を介して試験チャンバーに入るように構成される、実施例51~55のいずれか一つに記載の装置。
実施例57
外部湿度制御システムが、入口を介して試験チャンバーに入る空気中の相対湿度を検出するように配置され構成される外部システム湿度センサーを備える、実施例56に記載の装置。
実施例58
外部湿度制御システムが、試験チャンバー内の空気中の相対湿度を検出するように配置され構成される外部システム湿度センサーを備える、実施例56または57に記載の装置。
実施例59
外部湿度制御システムが、除湿機を備え、周囲空気よりも低い相対湿度を有する試験チャンバー内に空気を導入するように構成される、実施例56~58のいずれか一つに記載の装置。
実施例60
外部湿度制御システムが、外部システム湿度センサーおよび除湿機に動作可能に結合された外部システム湿度コントローラを備え、呼吸湿度コントローラが、外部システム湿度センサーからの入力に基づいて除湿機を調節するように構成される、実施例57または58を参照する実施例59に記載の装置。
実施例61
湿度制御装置が加湿器を備え、周囲空気よりも高い相対湿度を有する試験チャンバー内に空気を導入するように構成される、実施例56~60のいずれか一つに記載の装置。
実施例62
外部湿度制御システムが、外部システム湿度センサーおよび加湿器に動作可能に結合された外部システム湿度コントローラを備え、呼吸湿度コントローラが、外部システム湿度センサーからの入力に基づいて加湿器を調節するように構成される、実施例57または68を参照する、実施例61に記載の装置。
実施例63
外部環境シミュレーションシステムが、紫外線光が試験チャンバーの内部を通過するよう構成される紫外線光源を含む、実施例51~62のいずれか一つに記載の装置。
実施例64
紫外線光源が試験チャンバーの外部にある、実施例63に記載の装置。
実施例65
紫外線光源が試験チャンバーの内部内にある、実施例63に記載の装置。
実施例66
紫外線光センサーと、紫外線光センサーに動作可能に結合された紫外線源コントローラを含み、紫外線源コントローラが紫外線光源に動作可能に結合され、紫外線光センサーからの入力に基づいて光源の強度またはスペクトル出力を変更するよう構成される、実施例63~65のいずれか一つに記載の装置。
実施例67
外部環境シミュレーションシステムが、環境空気汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成される、実施例51~66のいずれか一つに記載の装置。
実施例68
外部環境シミュレーションシステムが、試験チャンバーの入口に動作可能に結合された希釈弁を備え、希釈弁が、入口を通して環境空気汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成される、実施例67に記載の装置。
実施例69
外部環境システムが外部システムエアロゾル発生器を備え、外部システムエアロゾル発生器が、入口を通してエアロゾルが試験チャンバー内に引き込まれ得るように、環境空気汚染物質を含むエアロゾルを生成するように配置され構成される、実施例67または68に記載の装置。
実施例70
外部システムエアロゾル発生器が外部システムネブライザーを含む、実施例69に記載の装置。
実施例71
外部環境シミュレーションシステムが、環境汚染物質センサーと、環境汚染物質センサーに動作可能に結合された環境汚染物質コントローラとを備え、環境汚染物質コントローラが、実施例69または70に記載の外部システムエアロゾル発生器、実施例67の希釈弁、または実施例69または70に記載の外部システムエアロゾル発生器および実施例67の希釈弁の両方に動作可能に結合され、環境汚染物質センサーからの入力に基づいて、入口を通して試験チャンバーに入る環境空気汚染物質の量を制御する、実施例67~70のいずれか一つに記載の装置。
実施例72
試験チャンバーから通路を通って引き込まれる空気が試験汚染物質収集器に接触するように、通路内の空気流経路内に位置付けられた試験汚染物質収集器を含む、実施例1~71のいずれか一つに記載の装置。
実施例73
試験汚染物質収集器が、試験汚染物質を捕捉するように構成された収集材料を含む、実施例72に記載の装置。
実施例74
試験汚染物質を捕捉するように構成された収集材料が空気透過性である、実施例73に記載の装置。
実施例75
収集材料が通路に及ぶ、実施例74に記載の装置。
実施例76
収集材料が収集装置内またはその上に配置される、実施例73または74に記載の装置。
実施例77
収集装置が、空気が収集装置の周りを流れ、通路を通って、および出口を通って流れ続けるように、通路内に配置される、実施例76に記載の装置。
実施例78
収集装置が、カップを備える、実施例77に記載の装置。
実施例79
試験汚染物質収集器が、カップを受容するように構成されたホルダをさらに備え、ホルダが、カップが受容される位置に対して横方向の一つまたは複数の開口部を備える、実施例78に記載の装置。
実施例80
収集材料の上流に位置する漏斗要素をさらに含み、漏斗要素が通路を通って引き込まれる空気を収集材料に向ける、実施例73~78のいずれか一つに記載の装置。
実施例81
収集材料がヒドロゲルを含む、実施例73~80のいずれか一つに記載の装置。
実施例82
収集材料がフィルター材料を含む、実施例73~81のいずれか一つに記載の装置。
実施例83
収集材料が培養細胞を含む、実施例73~81のいずれか一つに記載の装置。
実施例84
培養細胞が組織をシミュレートする、実施例83に記載の装置。
実施例85
培養細胞が、皮膚細胞、肺細胞、または肺細胞および皮膚細胞を含む、実施例83または84に記載の装置。
実施例86
培養細胞が肺細胞を含む、実施例85に記載の装置。
実施例87
培養肝細胞をさらに含む、実施例86に記載の装置。
実施例88
培養肝細胞が培養肺細胞と接触している、実施例86に記載の装置。
実施例89
培養肝細胞が培養肺細胞から分離される、実施例86に記載の装置。
実施例90
分離された細胞間で流体を循環するマイクロ流体循環システムをさらに含む、実施例89に記載の装置。
実施例91
導入システムが、試験汚染物質を直接試験チャンバー内に導入するように構成される、実施例1~90のいずれか一つに記載の装置。
実施例92
導入システムが、エアロゾル発生器を含む、実施例1~91のいずれか一つに記載の装置。
実施例93
エアロゾル発生器がネブライザーを含む、実施例92に記載の装置。
実施例94
試験チャンバーが電気的に接地されている、実施例1~93のいずれか一つに記載の装置。
実施例95
空気流装置が、試験チャンバー内の圧力に対する陰圧を生成し、空気を試験チャンバーから通路を通って、および出口を通って流すように構成される真空ポンプを備える、実施例1~94のいずれか一つに記載の装置。
実施例96
空気流装置が、試験チャンバーから真空ポンプへの空気の流れを制御するように構成された弁を備える、実施例95に記載の装置。
実施例97
空気流装置が、流量計、気圧を測定するための変換器、または流量計および変換器を含む、実施例96に記載の装置。
実施例98
空気流装置が、流量計、変換器、または流量計および変換器に動作可能に結合された流量コントローラを備え、流量コントローラが、流量計、変換器、または流量計および変換器からの入力に基づいてシステムを通る空気流を調節するために真空ポンプに動作可能に結合される、実施例97に記載の装置。
実施例99
(i)入口および出口を含む試験チャンバーと、ii)試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気中に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入するように構成された導入システムと、(iii)被験物質を保持するように構成された支持体であって、支持体が、入口から出口へ流れる空気が通路に入る前にフィルター媒体を通過するように、被験物質の位置の下流の通路を画定する、支持体と、(iv)通路および出口を通して試験チャンバー内から空気を引き込むように構成された空気流装置と、(v)試験チャンバーから通路を通って引き込まれる空気が試験汚染物質収集器に接触するように、通路内の空気流経路内に位置付けられた試験汚染物質収集器と、を備える、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置。
実施例100
試験汚染物質収集器が、試験チャンバーの内部にアクセスすることなく通路から取り外し可能である、実施例99に記載の装置。
実施例101
支持体が、出口の周りに試験チャンバーに取り付けられたハウジングを備え、支持体が、ハウジングと係合および係合解除するように構成されたインサートを備え、インサートが出口を通して挿入可能であり、インサートが試験汚染物質収集器を保持する、実施例100に記載の装置。
実施例102
試験汚染物質収集器が、試験汚染物質を捕捉するように構成された収集材料を含む、実施例99~101のいずれか一つに記載の装置。
実施例103
試験汚染物質を捕捉するように構成された収集材料が空気透過性である、実施例102に記載の装置。
実施例104
収集材料が通路に及ぶ、実施例103に記載の装置。
実施例105
試験汚染物質収集器が収集装置を備え、収集材料が収集装置内またはその上に配置される、実施例102または103に記載の装置。
実施例106
収集装置が、空気が収集装置の周りを流れ、通路を通って、および出口を通って流れ続けるように、通路内に配置される、実施例105に記載の装置。
実施例107
収集装置がカップを備える、実施例106に記載の装置。
実施例108
試験汚染物質収集器が、カップを受容するように構成されたホルダをさらに備え、ホルダが、カップが受容される位置に対して横方向の一つまたは複数の開口部を備える、実施例107に記載の装置。
実施例109
収集材料の上流に位置付けられた漏斗要素をさらに備え、漏斗要素が、通路を通って引き出される空気を収集材料に向ける、実施例102~108のいずれか一つに記載の装置。
実施例110
収集材料がヒドロゲルを含む、実施例102~109のいずれか一つに記載の装置。
実施例111
収集材料がフィルター材料を含む、実施例102~109のいずれか一つに記載の装置。
実施例112
収集材料が培養細胞を含む、実施例102~109のいずれか一つに記載の装置。
実施例113
培養細胞が組織をシミュレートする、実施例112に記載の装置。
実施例114
培養細胞が、皮膚細胞、肺細胞、または肺細胞および皮膚細胞を含む、実施例112または113に記載の装置。
実施例115
培養細胞が肺細胞を含む、実施例114に記載の装置。
実施例116
培養肝細胞をさらに含む、実施例115に記載の装置。
実施例117
培養肝細胞が培養肺細胞と接触している、実施例115に記載の装置。
実施例118
培養肝細胞が、培養肺細胞から分離される、実施例115に記載の装置。
実施例119
分離された細胞間で流体を循環するマイクロ流体循環システムをさらに含む、実施例118に記載の装置。
実施例120
導入システムが、試験汚染物質を試験チャンバーに直接導入するように構成される、実施例99~119のいずれか一つに記載の装置。
実施例121
導入システムがエアロゾル発生器を含む、実施例99~120のいずれか一つに記載の装置。
実施例122
エアロゾル発生器がネブライザーを含む、実施例121に記載の装置。
実施例123
試験チャンバーが電気的に接地されている、実施例99~122のいずれか一つに記載の装置。
実施例124
空気流装置が、試験チャンバー内の圧力に対して陰圧を生成し、空気を試験チャンバーから通路を通って、および出口を通って流すように構成される、真空ポンプを含む、実施例99~123のいずれか一つに記載の装置。
実施例125
空気流装置が、試験チャンバーから真空ポンプへの空気の流れを制御するように構成された弁を備える、実施例124に記載の装置。
実施例126
空気流装置が、流量計、気圧を測定するための変換器、または流量計および変換器を備える、実施例125に記載の装置。
実施例127
空気流装置が、流量計、変換器、または流量計および変換器に動作可能に結合された流量コントローラを備え、流量コントローラが、流量計、変換器、または流量計および変換器からの入力に基づいてシステムを通る空気流を調節するために、真空ポンプに動作可能に結合される、実施例126に記載の装置。
実施例128
(i)入口から出口へ流れる空気が被験物質のフィルター媒体を通って流れ、出口から入口へ流れる空気が被験物質のフィルター媒体を通って流れるように、被験物質を入口および出口を備える試験チャンバー内に位置付けることと、(ii)試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入することと、(iii)空気が試験チャンバーからフィルター媒体を通り、出口を通って流れるようにすることと、(iv)呼吸の態様をシミュレートすること、外部環境の態様をシミュレートすることと、または呼吸の態様および外部環境の態様をシミュレートすることを含む、被験物質のフィルター媒体を評価するための方法。
実施例129
呼吸の態様をシミュレートすることが、空気を、ヒトの吸入の速度、量、または持続時間、または周期で、試験チャンバーからフィルター媒体を通して、および出口を通して流すことを含む、実施例128に記載の方法。
実施例130
0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって、フィルター媒体を通して、および出口を通して試験チャンバーから流す、実施例129に記載の方法。
実施例131
フィルター媒体および出口を通る試験チャンバーからの空気の流れの速度を監視することと、所望の速度を維持するように流量を調整することを含む、実施例129または130に記載の方法。
実施例132
呼吸の態様をシミュレートすることが、空気を出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内に流すことを含む、実施例128~131のいずれか一つに記載の方法。
実施例133
呼吸の態様をシミュレートすることが、空気を試験チャンバーからフィルター媒体を通り、出口を通って流すことと、出口からフィルター媒体を通って、試験チャンバー内に流すことを交互にさせることを含む、実施例132に記載の方法。
実施例134
呼吸の態様をシミュレートすることが、ヒト吸入の速度、量、持続時間、または周期で、空気を出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内に流すことを含む、実施例132または133に記載の方法。
実施例135
0.2リットル~6リットル、好ましくは0.5リットル~3リットルの空気を、0.5秒~15秒、好ましくは1秒~6秒の時間にわたって、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流す、実施例134に記載の方法。
実施例136
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内への空気の流れの速度を監視することと、所望の速度を維持するように流量を調整することを含む、実施例132~135のいずれか一つに記載の方法。
実施例137
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、制御された湿度を有するようにすることを含む、実施例132~136のいずれか一つに記載の方法。
実施例138
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内に流れる空気の相対湿度を監視することと、空気の相対湿度を調整して制御された湿度を維持することを含む、実施例137に記載の方法。
実施例139
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、70パーセント~100パーセントの範囲の相対湿度を有するようにすることを含む、実施例137または138に記載の方法。
実施例140
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、制御された温度を有するようにすることを含む、実施例132~139のいずれか一つに記載の方法。
実施例141
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内に入る空気の温度を監視することと、空気の温度を調整して制御された温度を維持することを含む、実施例140に記載の方法。
実施例142
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内に流れる空気が、通路にあるとき、摂氏28度から摂氏40度、好ましくは摂氏30度~摂氏38度の範囲の温度を有するようにすることを含む、実施例140または141に記載の方法。
実施例143
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、制御された二酸化炭素濃度を有するようにすることを含む、実施例132~142のいずれか一つに記載の方法。
実施例144
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内への空気の二酸化炭素濃度を監視することと、空気の二酸化炭素濃度を調整して、制御された二酸化炭素濃度を維持することと、を含む、実施例143に記載の方法。
実施例145
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通って試験チャンバー内へと流れる空気が、2体積%~7体積%、好ましくは4体積%~5体積%の二酸化炭素濃度を有するようにすることを含む、実施例143または144に記載の方法。
実施例146
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、調節されたpHを有するようにすることを含む、実施例132~145のいずれか一つに記載の方法。
実施例147
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内への空気のpHを監視することと、空気のpHを調整して制御されたpHを維持することを含む、実施例146に記載の方法。
実施例148
呼吸の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通って試験チャンバー内へと流れる空気が、8.0~8.3、好ましくは8.1~8.2のpHを有するようにすることを含む、実施例146または147に記載の方法。
実施例149
外部環境の態様をシミュレートすることが、温度調節された空気が入口を通して試験チャンバーに入るようにすることを含む、実施例128~148のいずれか一つに記載の方法。
実施例150
入口を通して試験チャンバーに入る空気の温度を監視することと、空気の温度を調整して制御された温度を維持することを含む、実施例149に記載の方法。
実施例151
空気の温度を調節することが、空気を加熱するか、または空気を冷却することを含む、実施例150に記載の方法。
実施例152
外部環境の態様をシミュレートすることが、出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へと流れる空気が、制御された湿度を有するようにすることを含む、実施例108~131のいずれか一つに記載の方法。
実施例153
出口からフィルター媒体を通して試験チャンバー内へ入る空気の相対湿度を監視することと、空気の相対湿度を調整して制御された湿度を維持することを含む、実施例152に記載の方法。
実施例154
空気の相対湿度を調節することが、空気の相対湿度を増加させるか、または空気の相対湿度を減少させることを含む、実施例153に記載の方法。
実施例155
外部環境の態様をシミュレートすることが、紫外線光を試験チャンバーの内部に通過させることを含む、実施例128~154のいずれか一つに記載の方法。
実施例156
試験チャンバー内の紫外線光の強度、スペクトル出力、または強度およびスペクトル出力を監視することと、所望の強度、スペクトル出力、または強度およびスペクトル出力を維持するために、強度、スペクトル出力、または強度およびスペクトル出力を調節することを含む、実施例155に記載の方法。
実施例157
外部環境の態様をシミュレートすることが、環境空気汚染物質を試験チャンバー内に導入することを含む、実施例128~156のいずれか一つに記載の方法。
実施例158
チャンバー内に導入される環境空気汚染物質の濃度を監視することと、チャンバー内に導入される環境空気汚染物質の量を調整して、環境空気汚染物質の所望の濃度を維持することを含む、実施例157に記載の方法。
実施例159
試験チャンバーからの空気がフィルター媒体を通過した後、試験汚染物質を収集することを含む、実施例128~158のいずれか一つに記載の方法。
実施例160
収集された試験汚染物質の量を決定することを含む、実施例159に記載の方法。
実施例161
試験汚染物質が病原体を含む、実施例159または160に記載の方法。
実施例162
病原体の生存率を決定することを含む、実施例161に記載の方法。
実施例163
病原体の病原性を決定することを含む、実施例162に記載の方法。
実施例164
試験チャンバーからフィルター媒体を通過して流された空気を、培養細胞と接触させることを含む、実施例128~163のいずれか一つに記載の方法。
実施例165
培養細胞が組織をシミュレートする、実施例164に記載の方法。
実施例166
培養細胞が、皮膚細胞、肺細胞、または肺細胞および皮膚細胞を含む、実施例164または165に記載の方法。
実施例167
培養細胞が肺細胞を含む、実施例166に記載の方法。
実施例168
培養された肝細胞をさらに含む、実施例167に記載の方法。
実施例169
培養肝細胞が、培養肺細胞と接触している、実施例167に記載の方法。
実施例170
培養肝細胞が、培養肺細胞から分離される、実施例167に記載の装置。
実施例171
分離された細胞間で流体を循環させることをさらに含む、実施例170に記載の方法。
実施例172
試験汚染物質を試験チャンバー内に導入することが、試験汚染物質をエアロゾルとしてチャンバー内に導入することを含む、実施例128~171のいずれか一つに記載の方法。
実施例173
エアロゾルがミストを含む、実施例172に記載の方法。
実施例174
(i)入口から出口へ流れる空気が被験物質のフィルター媒体を通して流れ、出口から入口へ流れる空気が被験物質のフィルター媒体を通して流れるように、被験物質を、入口および出口を備える試験チャンバー内に位置付けることと、(ii)試験汚染物質が入口から出口へ流れる空気に混入されるように、試験汚染物質を試験チャンバー内に導入することと、(iii)試験チャンバーからフィルター媒体を通り、出口を通って空気を流すことと、(iv)試験チャンバーからの空気がフィルター媒体を通過した後、試験汚染物質を収集することと、を含む、被験物質のフィルター媒体を評価する方法。
実施例175
収集された試験汚染物質の量を決定することを含む、実施例174に記載の方法。
実施例176
試験汚染物質が病原体を含む、実施例174または175に記載の方法。
実施例177
病原体の生存率を決定することを含む、実施例176に記載の方法。
実施例178
病原体の病原性を決定することを含む、実施例177に記載の方法。
実施例179
試験チャンバーからフィルター媒体を通過して流れてきた空気を、培養細胞と接触させることを含む、実施例174~178のいずれか一つに記載の方法。
実施例180
培養細胞が組織をシミュレートする、実施例179に記載の方法。
実施例181
培養細胞が、皮膚細胞、肺細胞、または肺細胞および皮膚細胞を含む、実施例179または180に記載の方法。
実施例182
培養細胞が肺細胞を含む、実施例181に記載の方法。
実施例183
培養肝細胞をさらに含む、実施例182に記載の方法。
実施例184
培養肝細胞が、培養肺細胞と接触している、実施例183に記載の方法。
実施例185
培養肝細胞が、培養肺細胞から分離される、実施例183に記載の装置。
実施例186
分離された細胞間で流体を循環させることをさらに含む、実施例185に記載の方法。
実施例187
試験汚染物質を試験チャンバー内に導入することが、試験汚染物質をエアロゾルとしてチャンバー内に導入することを含む、実施例174~186のいずれか一つに記載の方法。
実施例188
エアロゾルがミストを含む、実施例187に記載の方法。
【0164】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0165】
図1図1は、試験チャンバーの概略斜視図である。
図2図2は、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置のブロック図である。
図3図3は、試験汚染物質入口管およびガイドを有する装置の概略断面図である。
図4図4は、支持体および試験汚染物質収集器の概略断面図である。
図5図5は、図4に示されるいくつかの構成要素を示す、支持体および試験汚染物質収集器の概略断面図である。
図6図6は、試験汚染物質収集器の概略断面図である。
図7図7は、試験汚染物質収集器の概略斜視図である。
図8図8は、試験汚染物質収集器の概略断面図である。
図9図9は、空気流装置および呼吸条件シミュレーションシステムのいくつかの構成要素のブロック図である。
図10図10は、空気流装置および呼吸条件シミュレーションシステムのいくつかの構成要素のブロック図である。
図11図11は、呼吸加湿器システムを含む装置の一部の構成要素のブロック図である。
図12図12は、呼吸温度制御システムを含む装置の一部の構成要素のブロック図である。
図13図13は、二酸化炭素制御システムを含む装置の一部の構成要素のブロック図である。
図14図14は、pH制御システムを含む装置の一部の構成要素のブロック図である。
図15図15は、外部システム温度制御システムのいくつかの構成要素のブロック図である。
図16図16は、外部システム湿度制御システムのいくつかの構成要素のブロック図である。
図17図17は、外部システムUV光制御システムのいくつかの構成要素のブロック図である。
図18図18は、環境空気汚染物質制御システムのいくつかの構成要素のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0166】
図1は、試験チャンバー100の実施例を例示する。試験チャンバーは、入口110、出口120、および導入開口部130を含む。出口が、陰圧源またはポンプに結合される場合、空気は入口を通って試験チャンバー100内に流れてもよい。エアロゾルを導入するための装置は、導入開口部130に動作可能に結合されて、エアロゾルを試験チャンバー内に導入することができる。導入されたエアロゾルは、入口110から試験チャンバー100を通って出口120を通って流れる空気に混入されてもよい。
【0167】
図2は、被験物質のフィルター媒体を評価するための装置900の実施例を示す。装置900は、図1の試験チャンバー100などの試験チャンバー100、導入システム200、支持体300、空気流装置400、呼吸条件シミュレーションシステム500、および外部環境シミュレーションシステム600を備える。導入システム200は、試験チャンバー100上に取り付けられ、試験汚染物質を含むエアロゾルを試験チャンバー100内に導入するように構成される、エアロゾル発生器を含む。支持体300は、試験チャンバー100の内部および試験チャンバーの出口(図1に示す出口120など)と連通する通路を画定するよう構成される。支持体300は、試験チャンバー100から通路および出口を通って通過する空気が、被験物質のフィルター媒体を通過するように、被験物質を保持するように構成される。
【0168】
空気流装置400は、支持体300の通路および出口を通して試験チャンバー100から空気を引き込み、試験チャンバー100の出口、支持体300の通路を通して試験チャンバー100内に空気を押し込むように構成される。試験チャンバー100は、空気流装置400から試験チャンバー100内に押し込まれた空気が、試験チャンバー100の内部から逃れることを可能にする、フィルター付き通気孔(図示せず)を備えてもよい。
【0169】
呼吸条件シミュレーションシステム500は、空気流装置400を制御し、協働して動作し、または制御および協働して動作し、気流の速度、量、持続時間、および周期性、湿度、温度、pH、および二酸化炭素濃度などの呼吸の一つまたは複数の態様をシミュレーションしうる。
【0170】
環境シミュレーションシステム600、または環境シミュレーションシステム600の構成要素は、入口に動作可能に結合されて、試験チャンバー100の入口(図1の入口110など)に入る空気の内容物を制御してもよい。環境シミュレーションシステム600は、試験チャンバーの入口に動作可能に結合された弁610を含む。弁610は、試験チャンバー100の外部から試験チャンバー100の内部へ空気が流れるが、試験チャンバー100の内部から試験チャンバー100の外部へ空気が流れるのを防止するチェック弁であってもよい。弁610は、制御された量の環境空気汚染物質を試験チャンバー100に導入するための希釈弁であってもよい。
【0171】
図3は、試験汚染物質入口管2000およびガイド2100を有する装置の一部の構成要素の例を示す。破線は、試験チャンバー100の入口110を通り、ガイド2100および支持体300の通路320を通り、試験チャンバー100の出口120から出る空気の流れを示す。ガイド2100の第一の端部2102は、導入開口部130を備える試験チャンバー100の上面150に封止される。ガイドの第二の端部2104は、支持体300の表面に封止される。ガイド2100は、試験チャンバー100の入口110を通って流れる空気が、ガイド2100の内部容積内に、支持体300の通路320を通って、試験チャンバー100の出口120から流れ出ることを可能にする、軸方向に配置されるガイド入口2106を有する。試験汚染物質入口管2000は、導入開口部130を取り囲み、ガイド入口2106を超えてガイド2100内に延在する。試験汚染物質を含むエアロゾル2200は、導入開口部130および試験汚染物質入口管2000を通して導入システム200によって導入され、ガイド2100に流れ込み、ガイド2100は、試験汚染物質を含むエアロゾル2200を支持体300の通路320に向ける。ガイド入口2106を通って流れる空気(破線で示される)は、より多くの層状層を導入し、空気の乱流が少ない試験汚染物質入口管2000の外部表面に沿って流れる。空気がガイド2100の第二の端部2104に向かって流れるにつれて、気流の層状態様の少なくとも一部が維持されるが、これは、エアロゾル2200のガイド2100の内部表面との相互作用を減少させる。これにより、収着による試験汚染物質の損失が低減され、実験の正確さ、信頼性、または装置の精度および信頼性が向上する場合がある。
【0172】
図4~8は、支持体300および試験汚染物質収集器700の例を示す。支持体300は、ボルト311を用いて出口(図1の出口120など)の周りの試験チャンバーに取り付けられ得るハウジング310を備える。支持体300は、試験チャンバーの出口を通して挿入されるように構成されたインサート360を備える。インサート360は、例えば、ねじ係合またはねじれおよびロック係合を介して、ハウジング310に可逆的に結合するように構成される。Oリング365は、ハウジング310とインサート360との間の封止を容易にし得る。
【0173】
ハウジング310およびインサート360は共に、支持体300を通る通路320を画定する。試験チャンバーからの空気は、出口を通って通路320を通って流れてもよい。インサート360は、管などの導管410に接続して空気流装置に接続するためのカップリング380を備え、これは通路320を通して試験チャンバーから空気を引き込みうる。
【0174】
支持体300は、ボルト351でハウジング310に取り付けられうる保持アセンブリ350を備える。保持アセンブリ350は、空気が通路320を通って試験チャンバーから流れるとき、空気がフィルター媒体を通過するように、フィルター媒体を含む被験物質999を保持する。保持アセンブリ350は、ボルト351が延在する開口部を含む締付ディスク355、上部被験物質封止ディスク330、下部被験物質封止ディスク335、高さ調整ディスク340、およびOリング封止ディスク333を備える。被験物質999は、下部被験物質封止ディスク335上に配置されてもよく、高さ調整ディスク340は、被験物質999上に配置されてもよく、上部被験物質封止ディスク330は、高さ調整ディスク340上に配置されてもよく、締付ディスク355は、上部被験物質封止ディスク330上に配置されてもよく、アセンブリは、ボルト351でハウジング310に対して締められて、被験物質999を保持してもよい。
【0175】
ハンドル370は、インサート360とハウジング310との係合または係合解除のために、インサート360の把持およびねじれを容易にするために、インサート360に結合される。インサート360は、試験チャンバーの出口(図1の出口120など)を通して除去されてもよい。試験汚染物質収集器700は、インサート360上に保持される。インサート360が試験チャンバーの出口を通して除去されると、試験汚染物質収集器700も除去される。したがって、試験汚染物質収集器700は、試験チャンバーの内部にアクセスすることなく、試験チャンバーから除去され得る。
【0176】
試験汚染物質収集器700は、カップ710およびホルダ730を含む。ホルダ730は、カップ710を受容および保持するためのレセプタクル737を備える。試験汚染物質を捕捉するように構成された材料720は、カップ710内に配置される。材料720は、試験汚染物質がウイルスなどの生体物質を含むとき、ヒドロゲルを含んでもよい。カスケードインパクターリングなどの漏斗要素800は、空気が材料720に衝突するように、通路320を通って流れる空気を材料720に配向する。空気が材料720に衝突した後、空気が通路320を通って流れ続け、試験チャンバーから出られるように、空気はホルダ730の横方向の開口部735を通って流れてもよい。
【0177】
図9は、空気流装置および呼吸条件シミュレーションシステムの例のいくつかの構成要素を示す。空気流装置は、ピストン425を含むピストンポンプ420を含む。ポンプ420は、(例えば、図8に示すように)支持体のインサートに連結された導管410に動作可能に連結され、ピストン425の動きにより、ピストン425が動く方向に応じて、空気が試験チャンバーから支持体の通路を通して導管410へ引き出されるか、または導管410および支持体の通路を通して試験チャンバー内に導入される。
【0178】
ピストン425は、モータ430に動作可能に結合される。モータ430は、直線運動または回転運動を提供するように構成されてもよい。モータ430が回転運動を提供する場合、モータ430は、回転運動を線形運動に変換するための移動変換器435を備えてもよい。モータ435は、モータを制御するためのコーダ437を備える。コーダ437は、速度、量、持続時間、および周期性などの吸入または呼気の一つまたは複数の態様をシミュレートする方法でピストン425を移動させるように、モータ430に命令を提供する動作コントローラ510に動作可能に結合される。動作コントローラ510は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合され得る。
【0179】
図10は、空気流装置および呼吸条件シミュレーションシステムの実施例のいくつかの構成要素を示す。空気流装置は、支持体のインサート(例えば、図8に示すように)に結合された導管410に結合された、陽圧ポンプ450、真空ポンプ460、第一の弁442、第二の弁444、および示差流コントローラ440を備える。コントローラ520は、第一の弁442、第二の弁444、および示差流コントローラ440に動作可能に結合され、陽圧ポンプ450および真空ポンプ460に動作可能に結合されてもよい。コントローラ520は、示差流コントローラ440からの入力に基づいて、第一の弁442および第二の弁444を開閉させ、陽圧ポンプ450から導管410を通り、支持体の通路および試験チャンバーの中へ、または試験チャンバーから支持体の通路を通って、導管を通って、真空ポンプ460に向かって空気を流すことができる。コントローラ520は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0180】
図11は、呼吸加湿器システムを備える装置の例を示す。装置は、空気流装置から導管410を通って、支持体300の通路を通って試験チャンバー100内に流れる空気を加湿するように配置され構成される、加湿器570を含む。湿度センサー572は、支持体300の通路に位置する。湿度センサー572は、湿度コントローラ574に動作可能に結合され、これは、加湿器570に動作可能に結合される。コントローラ574は、センサー572からの入力に基づいて、加湿器570に空気の湿度を増加または減少させる。湿度コントローラ574は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0181】
図12は、呼吸温度制御システムを備える装置の例を示す。システムは、通路から試験チャンバー100へと流れる空気が温度調節されるように、支持体300の通路内の空気の温度を制御するように構成される。システムは、通路内の空気を加熱するように配置され構成されるヒーター560、通路内の温度を検出するように配置され構成される温度センサー562、および温度センサー562およびヒーター560に動作可能に結合された温度コントローラ564を含む。温度コントローラ562は、ヒーター560を制御して、温度センサー562からの入力に基づいて空気の温度を調節するように構成される。温度コントローラ564は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0182】
図13は、二酸化炭素制御システムを備える装置の例を示す。システムは、第一の弁552に動作可能に結合された加圧100%二酸化炭素550の供給源、第二の弁554に動作可能に結合された陽圧ポンプ450、および弁552、554の上流のインラインミキサー559を含む。システムはまた、ミキサー559の上流の二酸化炭素センサー558、二酸化炭素センサー558および第一の弁552および第二の弁554に動作可能に結合された二酸化炭素コントローラ556を含む。コントローラ556は、第一の弁552および第二の弁554を、センサー558からの入力に基づいて開閉させて、導管410を通って支持体の通路内および試験チャンバー内に流れる空気中の所望の二酸化炭素濃度を維持するように構成される。二酸化炭素コントローラ556は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0183】
図14は、pH制御システムを備える装置の例を示す。システムは、水を含む貯蔵部を有する加湿器570、加湿器570の貯蔵部におけるミキサー586、酸源581に結合され、酸源581から加湿器470の貯蔵部へ酸をポンプで注入するように構成される酸ポンプ582を含む。システムはまた、塩基源583に結合され、塩基を塩基源583から加湿器470の貯蔵部内にポンプ注入するように構成される塩基ポンプ584、貯蔵部570の上流のpHセンサー588、およびpHコントローラ580を含む。pHコントローラ580は、pHセンサー588、酸ポンプ582、塩基ポンプ584、およびミキサー586に動作可能に結合される。pHコントローラ580は、酸ポンプ582または塩基ポンプ584に、pHセンサー588からの入力に基づいて、酸または塩基を加湿器570の貯蔵部にポンプで注入し、ミキサー586を起動させうる。pHコントローラ580は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0184】
図15は、温度制御システムを有する外部環境シミュレーションシステムの一部の構成要素の例を示す。温度制御システムは、試験チャンバー100の入口に動作可能に結合された弁610に動作可能に結合された温度制御ユニット620を含む。温度制御ユニット620は、ヒーター、冷却器、またはヒーターおよび冷却器を含みうる。システムは、入口を通して試験チャンバー100に入る空気の温度を測定するように位置付けられ、構成される温度センサー624を含む。温度センサー624は、温度制御ユニット620に動作可能に結合される温度コントローラ622に動作可能に結合される。温度コントローラ622は、温度制御ユニット620に、温度センサー624からの入力に基づいて、試験チャンバーに入る空気の温度を調整するように構成される。温度コントローラ622は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0185】
図16は、湿度制御システムを有する外部環境シミュレーションシステムの一部の構成要素の例を示す。湿度制御システムは、試験チャンバー100の入口に動作可能に結合された弁610に動作可能に結合された湿度制御ユニット630を含む。湿度制御ユニット630は、加湿器、除湿機、または加湿器および除湿機を含み得る。システムは、入口を通して試験チャンバー100に入る空気の湿度を測定するように位置付けられ、構成される湿度センサー634を含む。湿度センサー634は、湿度コントローラ632に動作可能に結合され、これは湿度制御ユニット630に動作可能に結合される。湿度コントローラ632は、湿度制御ユニット630に、湿度センサー634からの入力に基づいて、試験チャンバーに入る空気の湿度を調整するように構成される。湿度コントローラ632は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0186】
図17は、UV光制御システムを有する外部環境シミュレーションシステムの一部の構成要素の例を示す。UV光制御システムは、試験チャンバー100の外側に位置するUV光源640を含む。試験チャンバー100または試験チャンバー100の一部は、光源からのUV光が試験チャンバー100の内部を通過することを可能にするように、UV透過性である。UV源640は、試験汚染物質イントロデューサー200の上に位置付けられてもよい。UVシステムは、試験チャンバー100内に位置するUVセンサー644およびUVコントローラ642を含む。UVセンサー644は、UV光強度、波長、または強度および波長を検出し得る。UVコントローラ642は、UV光源640およびUVセンサー644に動作可能に結合され、UVセンサー644からの入力に基づいて、UV光源に強度、スペクトル出力、または強度およびスペクトル出力を調整させるように構成される。UVコントローラ642は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0187】
図18は、環境空気汚染物質制御システムのいくつかの構成要素の例を示す。システムは、ネブライザーなどのエアロゾル発生器を備えうる、汚染物質イントロデューサー650を含む。汚染物質イントロデューサー650は、試験チャンバー100の入口に入る汚染物質の量を制御しうる希釈弁611に動作可能に結合される。システムは、入口を通して試験チャンバー100に入る環境汚染物質の量を検出するように配置され構成される、汚染センサー654を含む。システムは、汚染物質イントロデューサー650、希釈弁611、および汚染物質センサー654に動作可能に結合された汚染物質コントローラ652を含む。汚染物質コントローラ650は、汚染物質イントロデューサー650および希釈弁611を制御して、汚染物質センサー654からの入力に基づいて、入口を通して試験チャンバーに入る汚染物質の量を制御する。汚染物質コントローラ652は、ユーザーインターフェースに動作可能に結合され得るシステムコントローラ1000に動作可能に結合されてもよい。
【0188】
図9~18に示すシステムのうちの一つ以上またはすべては、本開示に記載される試験装置に含まれ得ることが理解されよう。
【0189】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±2%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】