(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】クロマティック共焦点測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/06 20060101AFI20230719BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
G01B11/06 Z
G02B6/32
G01B11/06 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578565
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-18
(86)【国際出願番号】 IB2021055084
(87)【国際公開番号】W WO2021255584
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】102020116215.4
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021104190.2
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521234685
【氏名又は名称】プレシテック オプトロニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】デイツ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ローマン,フィーリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス,ステファン
【テーマコード(参考)】
2F065
2H137
【Fターム(参考)】
2F065AA06
2F065AA30
2F065FF01
2F065FF10
2F065GG24
2F065LL02
2F065LL08
2F065LL28
2F065LL46
2F065LL67
2H137AA14
2H137AB01
2H137AB05
2H137AB06
2H137BA15
2H137BB12
2H137BB17
2H137BC05
2H137BC12
2H137BC23
2H137BC51
2H137BC53
2H137BC64
2H137BC71
2H137CA46
2H137CD45
2H137DB02
2H137DB08
2H137HA01
(57)【要約】
本発明は、結像光学ユニットを備えた測定ヘッドと、評価ユニットとを含む光学測定装置に関し、測定ヘッドは2本の光ファイバの経路によって評価ユニットに接続され、評価ユニットは光源を含み、その光は第1の光ファイバを通って測定ヘッドに導かれ、測定物によって反射された光は、測定ヘッドを通り、出射光と戻り光が分離されるようにしてビームスプリッタによって第2の光ファイバに戻るよう導かれ、そのファイバ端が相互に共役位置にあり、ビームスプリッタ及びファイバ端は、測定ヘッドに分離可能に接続されるプラグ内に一緒に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像光学系を備えた測定ヘッドと、評価ユニットとを含み、前記測定ヘッドは、2本の光ファイバによって前記評価ユニットに接続され、前記評価ユニットは光源を含み、該光源の光は第1の光ファイバを通って前記測定ヘッドに導かれ、被測定物によって反射された光は、前記測定ヘッドを通り、出射光と戻り光が分離されるようにしてビームスプリッタによって第2の光ファイバに戻るよう導かれ、ファイバ端が互いに対して共役位置に配置された、光学測定装置であって、
前記ビームスプリッタ及び前記ファイバ端は、前記測定ヘッドに分離可能に接続されるコネクタ内に一緒に配置されていることを特徴とする、光学測定装置。
【請求項2】
第1及び第2の前記ファイバ端のそれぞれが、共焦点開口を形成している、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項3】
前記コネクタは、共焦点開口を形成する少なくとも1つの開口構成を含む、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口構成が、複数のサブ開口を含む、請求項3に記載の光学測定装置。
【請求項5】
前記コネクタは、第1の開口構成と第2の開口構成とを含み、該第1の開口構成及び第2の開口構成は同一に構成される、請求項3又は4に記載の光学測定装置。
【請求項6】
色収差の原理に従って測定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項7】
スペクトル干渉の原理に従って測定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項8】
前記コネクタは、前記ファイバ端が前記測定ヘッドに対して正確に再配置可能に、特に所定の許容誤差内で、位置決めされるようにして構成される、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項9】
前記コネクタは、前記測定ヘッドの円錐形状の凹部に配置される円錐形状又は切頭円錐形状を有することを特徴とする、請求項8に記載の光学測定装置。
【請求項10】
前記コネクタは、保護ガラスを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項11】
前記測定ヘッドは、少なくとも4本の光ファイバによって前記評価ユニットに接続され、該ファイバは、それぞれが対で、特に2列で、共役に配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項12】
前記ビームスプリッタ及び/又は前記保護ガラスが反射防止膜を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項13】
前記評価ユニットは、前記第2の光ファイバによって出射されてスペクトル的に分解された測定光を検出器の列に結像する分光器を含み、その結像は、前記検出器の列方向での前記結像の大きさと前記検出器の前記列方向に直交する前記結像の大きさと+が異なるようにして歪像に構成される、請求項1から12のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の距離及び/又は厚さを測定するための光学式測定装置に関する。この光学測定装置は、結像光学系を備えた測定ヘッドと評価ユニットとを備え、測定ヘッドは、2本の光ファイバによって評価ユニットに接続されている。評価ユニットは光源を含み、その光は第1の光ファイバを通って測定ヘッドに導かれる。被測定物によって反射された光は、測定ヘッドを通って、出射光と戻り光に分離されるようにしてビームスプリッタによって第2の光ファイバに戻るよう導かれ、ここでそのファイバ端は互いに対して共役位置に配置される。クロマティック共焦点又は干渉測定の原理に基づく光学測定装置が知られている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、測定ヘッドに一体化されたビームスプリッタユニットを備えたクロマティック共焦点測定ヘッドを記載している。このビームスプリッタユニット並びに出射光及び戻り光のためのファイバは、測定ヘッドにしっかりと接続されている。測定ヘッドでのビームスプリッタユニットは、迷光の低減及び向上された測定精度をもたらす。この実施では、不都合なことに、例えばファイバに欠陥がある場合や、他の特性(長さ、ファイバコア径など)のファイバが必要な場合などに、ファイバの交換ができない。このことは、測定ヘッドの可能な用途を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】フランス国特許出願公開第2930334号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、迷光部分を著しく増加させることなく、ファイバの交換を可能にするクロマティック共焦点測定ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのような解決策は、先行技術にはまだ存在しない。個々のファイバの交換を可能にするような既知のファイバコネクタは、比較的大きなスペースが必要である。ビームスプリッタユニットを内蔵した測定ヘッドは、2つのファイバコネクタ(出射光用及び戻り光用)を含む必要があるため、これらのファイバコネクタを備えたコンパクトな測定ヘッドは実現できなかった。
【0006】
本発明によれば、ビームスプリッタとファイバ端が、測定ヘッドに分離可能に接続されるコネクタに一緒に配置されることで、この課題は解決される。
【0007】
有益な実施形態では、第1及び第2の光ファイバのファイバ端はそれぞれ、共焦点開口を形成している。第1のファイバ端は、測定ヘッドによって被測定物に結像する。第1のファイバの断面が、測定点の直径、すなわち被測定物でのファイバ端の像を定める。
【0008】
第2のファイバ端は、被測定物により反射されて測定ヘッドによって第2のファイバ端に導かれた測定光のための空間フィルタとして機能する。2つのファイバ端は互いに共役位置にあるため、第1及び第2のファイバ端は共焦点開口として機能する。ファイバ端を共焦点開口として使用することは、開口を形成する追加部品が不要になるので有益である。また、ファイバを別の開口部品と位置合わせする必要もない。この実施形態では、ファイバの直径は、開口の直径である。
【0009】
固定されたファイバコネクタを備えた測定ヘッドと比較しての交換可能なファイバコネクタを備えた測定ヘッドの利点は、共焦点開口の大きさ(この実施形態では、光ファイバの断面によって与えられる)を、ファイバコネクタを交換することによって変えることができることである。
【0010】
クロマティック共焦点測定では、開口の大きさによる、達成可能な分解能と測定光の強度(したがって信号強度)の間に相反する依存性がある。最適な開口の大きさは、特定の測定作業に依存する。
【0011】
この依存関係を
図2に示す。
図2は、クロマティック共焦点測定ヘッドで透明な層を測定した際の、測定信号に対する開口の大きさの影響を例示したものである。第2の光ファイバから評価ユニットに導かれる測定光の強度を、波長の関数として示している。
【0012】
透明な層の上側と下側のそれぞれで測定光が反射することで、2つのピーク波長(λ1、λ2)で特徴付けられる2つのピークの出現をもたらす。ピーク波長の差から、層の厚みに関する情報が得られる。
【0013】
2つの図ではファイバ径が異なり、右図では左図の4倍の大きさである。左図では、ピークが明確に分離されている。ファイバ径が大きいほど光源から測定ヘッド、そして被測定物から評価ユニットへより多くの光を導くことができるため、右図では信号強度がかなり大きくなっている。しかし、ファイバ径が大きいことは大きなピーク幅ももたらすため、左図におけるほどには層の厚さの分解能を良くすることはできない。
【0014】
小さなファイバ径は小さな測定点をもたらし、それは被測定物の横方向での分解能を向上させることができ、また距離分解能も向上させることができるため、薄い層をより良好に測定することができる。その代わりに信号強度が低下し、低反射率の被測定物についてはより長い露光時間を必要とし、そのため測定速度に悪影響を及ぼす。
【0015】
従来の測定装置の構成、特に使用する光ファイバとクロマティック共焦点測定ヘッドの結像の対比は、分解能と信号強度の間で固定された妥協点を与えていた。
【0016】
しかし、分解能と信号強度の最適な組み合わせは、被測定物や測定作業のそれぞれの特性に依存する。例えば、特殊な測定作業のためにより良好な横方向の分解能が必要な場合には、固定された一体型ビームスプリッタユニットを用いる従来技術では、測定ヘッドを交換する必要がある。しかし、これは時間がかかり、異なる測定作業のために異なる測定ヘッドが必要とされる場合には、コスト増加をもたらす。
【0017】
本発明は、交換可能なファイバコネクタを使用することによって、この問題を解決する。これにより、各測定作業に最適な分解能と信号強度の組み合わせを得るという課題に対して、簡単かつ費用対効果の高い解決策が提供される。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態では、ファイバコネクタは、第1のファイバ端の後に配置されて、第1のファイバ端から放射される光のための空間フィルタとして作用する第1の開口構成と、第2のファイバ端の前に配置されて、測定ヘッドによって第2のファイバ端に導かれる光のための空間フィルタとして作用する第2の開口構成とを含む。第1及び第2の開口構成は、互いに対して共役位置に配置され、したがって共焦点開口として機能する。
【0019】
この実施形態は、共焦点開口の形を様々に自由に構成して、特定の測定作業に最適化できるという利点を提供する。
【0020】
ファイバ径の影響に関する上記の説明は、したがって開口の断面にも適用される。
【0021】
図3bは、開口配置の可能な構成の例を示す。光透過性領域はここでは暗く示されている。この開口の構成は、4つの円形のサブ開口からなる。同じ大きさの単一の開口と比較して、信号強度は4倍に増大している。サブ開口間の距離により、クロストーク、すなわち各サブ開口が隣接するサブ開口に与える影響が低く抑えられる。
【0022】
図4bは、クロマティック共焦点測定ヘッドで層の厚さを測定した時の、対応する波長分解測定信号を示す。ピークの幅は、ここでは個々の円形のサブ開口の直径によって決まる。つまり、単一の開口の場合と同様に、薄い層の厚さの分解能を有することができる。しかし同時に、前述のように信号強度は4倍に増大し、それはより高速な測定を可能にする。
【0023】
バックグラウンド信号の幅は、個々の円形のサブ開口のクロストークに起因する。開口構成の形、特に円形のサブ開口の直径と間隔は、ピーク幅やバックグラウンド信号の大きさなどのパラメーターに広い範囲で影響を与えるために使用されることができる。したがって、ファイバコネクタを交換することによって、それぞれの測定作業に最適な分解能と信号強度の組み合わせを得ることができる。
【0024】
図3に示された開口構成の形状に加えて、特定の測定作業に最適化された様々な他の開口形状にすることができる。
【0025】
例えば、これには一列の個々の円形のサブ開口のようなサブ開口の一次元配列が含まれる。そのような配列は、列方向での測定信号の空間的平均化をもたらし、一方で直交する方向では高い空間分解能を維持する。
【0026】
別の有利な構成は、サブ開口の2次元配列である。
図4に示された形状に加えて、これは、例えば、円形のサブ開口の六角形パターンや市松模様などを含む。
【0027】
開口の構成は、光ファイバ側に部分的にクロム層が被覆されたガラス板として構成されてもよい。クロムで被覆されたガラス板の領域は非透過領域として作用し、一方で被覆されていない領域は光透過性領域として作用する。
【0028】
有益な実施形態では、測定装置は、クロマティック共焦点の原理に従って測定する。この場合、測定ヘッドは、測定ヘッドと測定点(第1の共焦点開口の像)との間の距離が波長に対して明確な依存性を有するようにして、縦色収差を生成する分散光学素子を含む。
【0029】
第2の共焦点開口は、被測定物によって反射されて、測定ヘッドによって第2の共焦点開口に導かれた光を受け取る。第2の共焦点開口を通じて送られて評価ユニットに導かれる光の強度は、測定点が被測定物で鮮明に結像される波長において最大である。
【0030】
別の実施形態では、測定装置は、スペクトル干渉測定の原理に従って測定する。この場合、測定ヘッドからの光は2つの界面に導かれ、界面によって反射された光は測定ヘッドによって捕捉されて、評価ユニットに導かれる。
【0031】
評価ユニットでは、第1の界面からの反射光と第2の界面からの反射光との間の位相差が決定される。波長に対する位相差の依存性から、経路長差、したがって2つの界面間の距離に関する情報が得られる。
【0032】
有益な実施形態では、コネクタは、ファイバ端が測定ヘッドに対して正確に再配置可能に、特に所定の許容誤差内で、位置決めされるようにして構成される。特に、測定ヘッド及びコネクタは、コネクタが交換される時に、結像光学系に対する共焦点開口の相対位置が所定の許容誤差内に維持されるようにして構成される。
【0033】
これにより、ファイバコネクタが交換される時に、測定ヘッドの特性がほとんど変わらないことを確保することができる。特に、測定ヘッドに対する測定点の位置が変わらないことを確保することができる。これにより、ファイバコネクタの交換時に測定装置が再調整される必要がなく、測定装置の運用が簡略化されるという利点が得られる。
【0034】
一実施形態では、コネクタは、測定ヘッドの円錐形状の凹部に配置される円錐形状又は切頭円錐形状を有している。コネクタの円錐形又は切頭円錐形は、コネクタが測定ヘッドに対して常に中心に配置されることを保証する。特に、コネクタが交換される時に、共焦点開口と結像光学系との間で(結像光学系の光軸に対して)横方向でのずれが生じない。
【0035】
コネクタの円錐形状又は切頭円錐形状により、コネクタの外形寸法及び測定ヘッドの凹部の内形寸法は、測定ヘッドからのコネクタの着脱性に影響を与えることなしに、非常に小さな嵌め合い公差で製造されることができる。これはまた、共焦点開口と結像光学系との間の軸方向でのずれを任意の最小値にすることが可能である。
【0036】
別の実施形態では、コネクタは、円錐以外の形状を有することもでき、例えば、切頭角錐形として構成されてもよい。
【0037】
更なる別の実施形態では、コネクタ及び測定ヘッドは、測定ヘッドへの接続後にコネクタの向き及び位置が常に同じであることを確実にするための、溝及びボールなどの手段を含んでもよい。
【0038】
一実施形態では、コネクタは、測定ヘッドに面する側に取り付けられた保護ガラスを含む。その保護ガラスは、コネクタが測定ヘッドに接続されていない時に、コネクタが汚染から保護されるという利点を提供する。
【0039】
特に、保護ガラスが発散ビーム経路にある場合、例えば、ファイバ端と保護ガラスの間に集束光学素子がない場合、第2のファイバ端に導かれるのは保護ガラスで反射された迷光のごく一部なので、測定信号が損なわれない。
【0040】
また、測定ヘッドは、コネクタに面する側に保護ガラスを備えてもよい。
【0041】
ビームスプリッタ及び保護ガラスは、僅かな迷光を更に低減させるために、反射防止膜を備えてもよい。これにより、特に、ファイバ端の近くに素子を配置することが可能となり、これはコネクタの特にコンパクトな構成を可能にする。
【0042】
可能な実施形態では、測定ヘッドは、少なくとも4本の光ファイバによって評価ユニットに接続されており、ここではファイバはそれぞれが対で、特に2列で、共役に配置される。ファイバの各対について、測定信号は評価ユニットに導かれて、他の測定信号とは独立して評価されることができる。
【0043】
これにより、例えば被測定物に複数の測定点を作り、それにより複数の測定点で被測定物によって反射された光が測定ヘッドによって捕捉されて個別に評価されることができる。
【0044】
単純なファイバ保持部を備えた既存の測定ヘッドについて、ファイバ保持部は、大きな手間なしにファイバコネクタ(ビームスプリッタユニットを備えた)のための取付装置に交換されることができる。したがって、その測定ヘッドの使用を継続しながら、ビームスプリッタコネクタの利点を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】2つの異なる開口径についての測定信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明による光学測定装置(1)を示し、それはクロマティック共焦点測定の原理に従って測定を行う。この光学測定装置は、2本の光ファイバ(5、6)によって評価ユニット(4)に接続された測定ヘッド(2)を含む。
【0047】
評価ユニットは、多色光を第1の光ファイバ(5)に供給する光源(7)を含み、第1の光ファイバ(5)はその光を測定ヘッドに導く。第1の光ファイバは、第1のファイバ端(10)を含む。測定ヘッドは、第1のファイバ端から出射された光の少なくとも一部を被測定物(14)に導く結像光学系(3)を含む。
【0048】
結像光学系は、第1のファイバ端から出射された光が波長に応じて測定ヘッドからの異なる距離で集束されるようにして、顕著な縦色収差を有している。
【0049】
被測定物による反射光は、測定ヘッドによって捕捉される。被測定物による反射光の少なくとも一部は、ビームスプリッタ(12)によって第2のファイバ端(11)に導かれ、第2の光ファイバ(6)を通って更に評価ユニットに導かれる。評価ユニットは、スペクトル的に分解した形態で被測定物による反射光の強度を評価する分光器(15)を含む。
【0050】
第1及び第2のファイバ端(10、11)は、共焦点開口を形成する。第1の光ファイバ(5)から放射され、被測定物(14)による反射光は、第2のファイバ(6)に導かれる。第2のファイバ端(11)は、空間フィルタとして機能する。第1のファイバ(5)によって放射された光が測定ヘッド(2)によって被測定物(14)に鋭く結像される波長について、第2のファイバ(6)によって受け取られて評価ユニットに導かれる光の強度が最大となるようにして、2つのファイバ端(10、11)は互いに対して共役位置に配置されている。
【0051】
分光器(15)で波長分解強度を評価することにより、測定ヘッド(2)からの被測定物(14)の距離に関する情報を得ることができる。
【0052】
ビームスプリッタ(12)は、第1のファイバ(5)から出射されて被測定物(14)に向かう光(8)と、被測定物(14)から戻って第2のファイバ(6)に導かれる光(9)とを空間的に分離する。これは、光源(7)から出て第1のファイバ端(10)によって後方散乱された光が第2のファイバ(6)に到達せず、そのため測定信号に影響を与えないという利点を提供する。
【0053】
ビームスプリッタ(12)及び2つのファイバ端(10、11)は、測定ヘッド(2)に分離可能に接続されるコネクタ(13)内に一緒に配置される。コネクタ(13)は円錐台形状を有し、一方で測定ヘッド(2)は対応する凹部(16)を含む。
【0054】
コネクタと凹部のこれらの形状は、コネクタが挿入後に凹部に対して自動的に中央に配置される、すなわち、結像光学系の光軸に対して、定められた横方向位置に配置されるという利点を提供する。
【0055】
これは、コネクタを交換する時にも、光が出る面(この場合は第1のファイバ端)の位置が結像光学系に対して変化しないので、そのため、例えば、被測定面での測定点の位置が変化しないという大きな利点を有する。
【0056】
図2は、
図1の測定装置での透明な層の測定によって生じた測定信号を示す。その層の2つの界面、すなわちその層の上側と下側での測定ヘッドによって照射された光の反射が、測定信号での2つの強度の最大値の発生をもたらす。
【0057】
その最大値は、測定される層の上側又は下側のそれぞれで光が集束される波長で発生する。この2つの波長が分光器で明らかにされて、層の厚さに関する情報を得ることができる。
【0058】
2つの図では光ファイバの直径が異なる。測定装置の他の構成要素、特に測定ヘッドは、どちらの図も同じである。
図2bでのファイバ径は、
図2aの4倍である。これは、例えば、ファイバ径が
図2aについて50μm、
図2bについて200μmであった場合である。
【0059】
図2aのより小さなファイバ径がより良好な距離分解能をもたらし、それはここでは2つの最大強度の間での明確な分離で表れる。
図2bのより大きなファイバ径はより悪い距離分解能をもたらし、2つの最大強度の間でのより不明確な分離と関係するが、代わりに測定光の強度が大きくなりことももたらし、それは測定信号でのより大きな振幅で表れる。
【0060】
全体として、
図2はファイバコネクタの交換が、測定装置の他の構成部品の変更なしに、測定装置の特性にどのような変化をもたらすかを示している。これは、各測定作業に測定装置の最適な特性を提供するために、有利に使用されることができる。
【0061】
図3aは、
図1での測定装置用のコネクタの別の実施形態を示す。コネクタ(13)は、第1のファイバ端(10)のすぐ後に配置された第1の開口構成(17)を含む。第1の開口構成は、第1の光ファイバ(5)から測定ヘッドに導かれて第1のファイバ端から放射される光のための空間フィルタとして機能する。
【0062】
この例では、第1の開口構成は、第1のファイバ端(10)に面する側に部分的にクロム層を備えたガラス板(18)として構成されている。クロム層を備えた領域は光の透過を防止し、一方で被覆されていないガラス板の領域は光透過性であり、共焦点開口を定める。
【0063】
図3bは、部分的に被覆されたガラス板(18)の例示の構成を示している。ガラス板の光透過性領域、すなわちクロムで被覆されていない領域は、暗色で示されている。全体として、ここでの共焦点開口は4つの円形のサブ開口(27)の配列からなる。
【0064】
ファイバ断面は、ここでは破線で示されている。ここでは、ファイバ径はサブ開口(27)の配列の範囲よりも大きく、そのためすべての光透過性領域が第1のファイバ端からの光で照らされる。
【0065】
図3aのコネクタは、第2のファイバ端(11)のすぐ前に配置された第2の開口構成(19)を更に含む。ここで、第2の開口構成(19)は、第1の開口構成(17)と同一に構成され、被測定物から第2のファイバ端(11)へと測定ヘッドを通って導かれ、次に第2の光ファイバ(6)を通って評価ユニットへと更に導かれる光の空間フィルタリングを提供する。
【0066】
第1及び第2のファイバ端(10、11)は互いに対して共役位置にあるので、第1及び第2の開口構成(17、19)も互いに対して共役位置にあり、したがって共焦点開口として機能する。
【0067】
図示の実施形態では、コネクタは保護ガラス(20)を含む。この保護ガラスにより、コネクタ内部の光学部品は、迷光の原因となり得る、したがって信号品質に悪影響を及ぼす可能性のある汚染から保護された状態を維持することを確保する。
【0068】
第1のファイバ端(10)から放射された光は、発散して保護ガラス(20)に衝突する。光の一部は、保護ガラスの両表面で戻って第1のファイバ端(10)に導かれ、またビームスプリッタ(12)を経て第2のファイバ端(11)にも導かれる。
【0069】
しかし、発散するビーム経路により、保護ガラス(20)による反射光は第1及び第2のファイバ端(10、11)の位置では非常に大きく分散されるので、迷光のごくわずかな部分しか得られない。
【0070】
迷光の部分を更に減少させるために、保護ガラス(20)及び/又はビームスプリッタ(12)の表面に反射防止膜を備えてもよい。これにより、特に、コネクタ内の光学部品を互いに近接して配置することが可能となり、したがって迷光の部分を大きく増加させることなく、コネクタを非常にコンパクトに構成することができる。
【0071】
図4は、
図3の測定装置での透明な層の測定によって生じた測定信号を示す。その層の2つの界面、すなわちその層の上側と下側での測定ヘッドによって照射された光の反射が、測定信号に2つの強度の最大値の発生をもたらす。
【0072】
その最大値は、測定される層の上側又は下側のそれぞれで光が集束される波長で発生する。この2つの波長が分光器で明らかにされて、層の厚さに関する情報を得ることができる。
【0073】
2つの図では共焦点開口の構成が異なっている。左の図では、ファイバ径に対応した直径である、単一の円形開口が使用されている。右の図では、共焦点開口は、
図3bに示されるように4つの円形のサブ開口の配列からなる。
【0074】
右の図では、最大強度は明確に分離される。これは測定装置の距離分解能が向上したためであり、それは光ファイバの直径よりも小さいサブ開口の直径によって決まる。同時に、各サブ開口が測定信号に寄与するため、単一のサブ開口と比べて信号強度が4倍に増大される。
【0075】
したがって、開口の配置の構成によって、距離分解能と信号強度の最適な組み合わせを、それぞれの測定作業について実現することができる。
【0076】
図5は、
図1での測定装置用の分光器の可能な実施形態を示す。分光器(21)は価ユニット内に配置され、第2の光ファイバ(6)によって測定ヘッドに接続されている。第2のファイバ(6)は、被測定物からの反射光を測定ヘッドから分光器(21)へ導く。分光器は、この光の強度をスペクトル的に分解された形で評価するために使用される。
【0077】
第2のファイバ(6)から放射された光は、最初に平行にされて、透過回折格子に導かれる。光は透過回折格子(24)によって回折され、ここで回折角は波長に依存する。回折光は、次に集束光学系によって検出器の列(26)に結像され、ここで光が検出器の列に当たる位置は波長に依存する。
【0078】
光が検出器の列に衝突する位置を評価できるようにするために、検出器の列は、分割方向(以下、「列方向」という。)で複数の感光セルに分けられる。空間分解能、したがって波長分解能を向上させるためには、列方向での感光セルの大きさを小さくすることが有利である。
【0079】
同時に、検出器の列でのファイバの像を小さくすること、理想的には感光セルの大きさよりも小さくすること、すなわち、検出器の列におけるファイバの縮小した結像を選択することが有利である。特に、ファイバ径の大きなファイバを使用する場合は、大きく縮小するように結像を選択する必要がある。
【0080】
しかし、そのような大きく縮小された結像では、開口数が大きくなる、つまり集束光学系から検出器の列に導かれる光のビーム錐面の開口角が大きくなるという不都合をもたらす。良好な結像の質を得るためには、コストに悪影響を与える複雑な集束光学系を備えなければならないか、又は光は光損失をもたらすビネットの影響を受けなければならない。
【0081】
ここで示される分光器の実施形態では、明るさをそれ程制限することなく、波長分解能を最適化することが可能である。この目的のために、列方向でファイバ端を大きく縮小し、一方で列方向と直交する方向では小さく縮小する歪像が選択される。
【0082】
このために、分光器は、第2のファイバ(2)から出射された光を列方向と直交する方向で分光器に集束させる第1のシリンドリカルレンズ(22)と、第1のシリンドリカルレンズの後方に配置されてその光を列方向で集束させる第2のシリンドリカルレンズ(23)とを含む。
【0083】
第2のシリンドリカルレンズは、第1のシリンドリカルレンズよりも大きな焦点距離を有している。ファイバまでの距離が長いため、光は列方向でビネットの影響を受ける、すなわち、ファイバから放射された光の一部が検出器の列まで導かれない。一方で列方向に直交する方向では、ほとんど又は全くビネットの影響がない。
【0084】
第1又は第2のシリンドリカルレンズのそれぞれによって平行にされた光は、透過回折格子(24)を通り、スペクトル的に分けられて、球面レンズ(25)によって検出器の列(26)に結像される。結像の大きさは、検出器の列で丸いファイバ端の像が、短半軸が列方向と平行である楕円形状を有するように、列方向に直交する方向よりも列方向で小さい。
【0085】
分光器の別の実施形態では、例えば200μmのような大きなファイバ径を有するファイバからの光は、最初に、例えば50μmのような小さなファイバ径を有する複数のファイバに結合される。次に、小さなファイバ径の各ファイバからの光はスペクトル的に分けられて、それぞれが別の検出器の列又は検出器の列の別の領域に結像されることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 光学測定装置
2 測定ヘッド
3 結像光学系
4 評価ユニット
5 第1の光ファイバ
6 第2の光ファイバ
7 光源
8 光
9 光
10 第1のファイバ端
11 第2のファイバ端
12 ビームスプリッタ
13 コネクタ
14 被測定物
15 分光器
16 凹部
17 第1の開口構成
18 ガラス板
19 第2の開口構成
20 保護ガラス
21 分光器
22 第1のシリンドリカルレンズ
23 第2のシリンドリカルレンズ
24 透過回折格子
25 球面レンズ
26 検出器の列
27 サブ開口
【国際調査報告】