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特表2023-532038アルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】アルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20230719BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/00
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580224
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2021004711
(87)【国際公開番号】W WO2021261726
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0077851
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】デ・ヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン・キル・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ネ・ギュ・カン
(72)【発明者】
【氏名】イン-ホ・イ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC062
4C083AC102
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC841
4C083AC842
4C083BB05
4C083BB06
4C083CC33
4C083EE07
(57)【要約】
本発明は、アルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物に関する。本発明による組成物は、毛髪または繊維表面のタンパク質残基と共有結合が可能なアルキルケテン化合物を含み、前記アルキルケテン化合物が毛髪または繊維に共有結合を形成して長時間持続するコンディショニングなどの有益な効果を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物:
【化1】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸である。
【請求項2】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸である、請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物。
【請求項3】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数16~18の直鎖の飽和または不飽和アルキルまたは18-メチルエイコサン酸(18-MEA)である、請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物。
【請求項4】
アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維処理用組成物の全重量に対して0.0001~10重量部で含まれる、請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物。
【請求項5】
アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維に適用されて、前記毛髪または繊維と共有結合を形成する、請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物。
【請求項6】
カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選ばれた1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物で毛髪または繊維を処理する段階を含む毛髪または繊維のコンディショニング方法。
【請求項8】
毛髪または繊維処理用組成物中のアルキルケテン化合物は、毛髪または繊維と共有結合を形成する、請求項7に記載の毛髪または繊維のコンディショニング方法。
【請求項9】
毛髪または繊維への処理は、20~250℃で行われる、請求項7に記載の毛髪または繊維のコンディショニング方法。
【請求項10】
請求項1に記載の毛髪または繊維処理用組成物を含む、熱損傷の防止または改善のための毛髪または繊維処理用製品。
【請求項11】
毛髪または繊維処理用製品を製造するための、下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む組成物の使用:
【化2】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸である。
【請求項12】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数16~18の直鎖の飽和または不飽和アルキルまたは18-メチルエイコサン酸(18-MEA)である、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
アルキルケテン化合物は、アルキルケテン化合物を含む組成物の全重量に対して0.0001~10重量部で含まれる、請求項11に記載の使用。
【請求項15】
アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維に適用されて、前記毛髪または繊維と共有結合を形成する、請求項11に記載の使用。
【請求項16】
アルキルケテン化合物を含む組成物は、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選ばれた1つ以上をさらに含む、請求項11に記載の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、毛髪化粧品は、毛髪に滑らかさ、柔らかさ、ブラッシングの容易性、ボリューム感、 きちんと感、スタイリングなど有益な特性を付与して毛髪を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、毛髪を元気にするために、毛髪に塗布、散布およびその他これらと似た方法で使用することを目的とする。
【0003】
毛髪のコンディショニングは、持続的な過程でなければならない。髪の毛は、基本的に皮膚の表面に深く存在する少数の生きている細胞から派生した基本的に死んでいる細胞といえる。したがって、毛髪コンディショニング成分は、実質的な細胞の成長に何の影響がなく、根本的な細胞のリペアに影響を及ぼすことができない。したがって、毛髪のコンディショニングは、一時的に損傷した毛髪の特性を向上させ、前記コンディショニングが除去されると、さらに適用しなければならない。
【0004】
物理的化学的処理による毛髪の損傷は、毛髪の物理的構造変更を誘発する。コンディショニング成分が毛髪の根本的な治癒をすることはできないが、洗浄剤を用いてコンディショナーをクレンジングして除去する前までは、一時的に毛髪の化粧学的価値と機能を高めることができる。したがって、コンディショニング成分は、洗浄剤を使用しても、除去されずに毛髪にさらに長時間残留しつつ、その効果を持続することが非常に重要な特性となる。
【0005】
大部分の毛髪損傷は、美容を目的とするシャンプー、乾燥、ブラッシング、スタイリング、コンディショニング、パーマのような毛髪手入れの習慣、化学物質への露出および日光、大気汚染、風、海水および塩素化プールのような環境的要因によって起こる。コンディショナーは、静電気減少、毛髪強度向上、紫外線放射からの保護および光沢の増加などの様々な形態のメカニズムを用いて風化した毛髪の化粧学的価値を向上させることができる。
【0006】
本発明において毛髪処理は、毛髪の切れと多孔性を減少させ、強度と光沢を増加させて、熱、染色、パーマ、洗浄、紫外線などの多様な損傷要因から毛髪の損傷を緩和したり、防止、回復することを含む。カチオン界面活性剤またはカチオン高分子成分を使用するコンディショナーは、界面活性剤または高分子と毛髪表面の反対の電荷との間の電気的相互作用に直接的に関与して親和性をもたらす非常に効率的なコンディショニング成分を含有する。コンディショナーは、一般的に、毛髪ストランドの表面に残ってブラッシングに対する摩擦力と毛髪の振乱現象を減少させ、毛髪の感触をやわらかく柔軟にする。他の一部のシステムでは、コンディショナーは、ボリューム強化、カール維持、毛髪の豊かさ、手入れの容易性などを付与し、このような特性も、本発明の毛髪処理に含まれる。
【0007】
また、最近のコンディショナーは、濡れ及び乾燥状態の毛髪に対するブラッシング容易性の提供、毛髪の損傷部分を埋め、再配列することによるやわらかさの提供、多孔性最小化、ヘアに光沢を付与してシルキー(Silky)感触を付与、熱および機械的損傷に対する保護機能を提供、保湿、ボリュームと厚い感じの付与、静電気を除去する機能のうちの1つ以上の機能を提供するように考案されているが、このような特性付与も、本発明の毛髪処理に含まれる。
【0008】
一般的に、ヒトの毛髪のキューティクルは、平たく重なった細胞(うろこ)で構成される。キューティクル細胞は、毛髪繊維の根元側から毛先側にまるで屋根のタイルのように付着している。各キューティクル層は、厚さが約0.3~0.5μmであり、これらのうち見えるキューティクルの部分は、約5~10μm程度である。ヒトの毛髪のキューティクルは、一般的に5~10層が積まれている。毛髪の各キューティクル細胞は、エピキューティクル(epicuticle)、A層(A-layer)、エキソキューティクル(exocuticle)、エンドキューティクル(endocuticle)、内層(inner layer)などの多様なサブラメラ(sublamella)層と、細胞膜複合体(cell membrane complex)で構成される。最外郭のエピキューティクル層は、共有結合した脂質(脂肪酸)で覆われており、脂質のうち最も多く含まれる成分が18-メチルエイコサン酸(18-Methyl Eicosanoic Acid、18-MEA)である。この層は、キューティクル細胞膜複合体(cell membrane complex)の外郭β層(β-layer)を構成し、潤滑、摩擦減少、疎水性表面形成などの役割をする。
【0009】
毛髪において頭皮より外側に出ている部分を毛幹といい、この部分は、毛髪の寿命と長さによって変わる。また、髪を刈るときや、シャンプー、ドライヤーを使用するとき、ブラッシングやパーマネントウェーブ、ヘアカラーなどを使用するとき、乾燥、紫外線、海水、プールの石灰分などの環境的ストレスによって変わる。特に毛幹の外側を取り囲んでいる毛小皮は、このようなストレスの影響を直接受けないとしても、複合的に蓄積される場合、損傷を被るようになる。損傷した毛髪は、毛小皮の端部が伸びているか、部分的に剥離して脱落が一層進行されている。このような毛髪は、光が乱反射するので、光沢を喪失し、滑らかでなくなる。毛髪の損傷がより多く進行されると、毛小皮層が完全に脱落し、内部の毛皮質が露出し、結局、毛髪が割れるか、切れやすくなる。
【0010】
このように18-MEAが消失して損傷した毛髪の表面を改善するために、多様な処理が試みられている。特に、シリコーンを使用して毛髪表面をコーティングするヘアマニキュアやヘアエッセンスのように毛髪にコンディショニング効果を提供する製品が販売されたり、美容室で施術されている。しかしながら、このようなコンディショニング成分を毛髪に使用する場合、処理後に次の洗浄時までの一時的かつ短期的な効果のみを提供し、洗浄後には、再処理しなければならない不都合が常に存在している。
【0011】
特許文献1は、皮膚または毛髪用非水系パーソナルケア製品に関し、毛髪または皮膚の表面のタンパク質残基と共有結合が可能な官能基として、カーボネート(carbonate)、アルデヒド(aldehyde)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、ブチルアルデヒド(butylaldehyde)、ニトロフェニルカーボネート(nitrophenyl carbonate)、アジリジン(aziridine)、イソシアネート(isocyanate)、チオシアネート(thiocyanate)、エポキシド(epoxide)、トレシレート(tresylate)、スクシンイミド(succinimide)、ヒドロキシスクシンイミジルエステル(hydroxysuccinimidyl ester)、イミダゾール(imidazole)、オキシカルボニルアミダゾール(oxycarbonylamidazole)、イミン(imine)、チオール(thiol)、マレイミド(maleimide)、ビニルスルホン(vinylsulfone)、エチレンイミン(ethyleneimine)、チオエーテル(thioether)、アクリロニトリル(acrylonitrile)、アクリル酸またはメタクリル酸エステル(acrylic acid or methacrylic ester)、ジスルフィド(disulfide)、ケトン(ketone)およびRXで表される官能基(Rは、アルキル、アリール、アラルキル、環および不飽和環からなる群から選ばれたいずれか1つであり、Xは、I、BrまたはClである)からなる群から選ばれたいずれか1つ以上を有するコンディショニング成分を開示する。また、毛髪または皮膚用パーソナルケア製品は、前記コンディショニング成分を含み、非水系パートと水系パートに分離していて、使用直前に混合して使用することを特徴とする。前記に提示された多様な官能基の場合、人体に有害であるか、または毛髪または皮膚を構成するタンパク質のアミノ酸のうち含有量が少ないリシン(毛髪1.9~3.1%、皮膚ケラチン3.1~6.9%)またはシステイン(毛髪16.6~18%、皮膚ケラチン2.3~3.8%)を標的として反応させるため、反応効率が低い問題、および各々の物質を1つ1つ別々に合成しなければならない問題がある。
【0012】
本発明において繊維処理剤の機能は、繊維に柔軟効果を付与したり、光による損傷を防止したり、繊維のシワ形成を抑制したり、形成されたシワを容易に除去したり、繊維本来の色を鮮明にしたり、本来の色感を長時間維持させたり、表面の汚染を容易に除去したり、香りを付与したり、臭いを除去したり、抗菌や害虫忌避をしたり、洗濯による損傷を防止したり、雨水などの浸透を防止したりするなどの機能を意味する。
【0013】
本発明において繊維処理用組成物は、一般的に繊維をケアするための洗浄、整頓、ポイント用などのための組成物、および染色、漂白、柔軟、殺菌、紫外線遮断、芳香、香りなど繊維に有益な機能のための組成物を含んでもよい。
【0014】
このような組成物を剤形化した製品としては、洗剤、柔軟剤、繊維リンス、トリートメントまたは部分処理剤などが挙げられる。
【0015】
このような繊維ケア用組成物を構成するために使用される一般的な原料としては、油脂、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油およびシリコーン油などの油性原料、アニオン、カチオン、両性、非イオン系界面活性剤、保湿剤、増粘剤および被膜形成剤に使用される高分子化合物、紫外線吸収および遮断剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、ビルダー、漂白剤、酵素、気泡調節剤、蛍光増白剤、移染防止剤、染料および顔料を含む色材、香料および防腐剤などがある。
【0016】
また、特別な性能を提供するための繊維ケア成分として、繊維に柔軟効果を付与したり、光による損傷を防止したり、繊維のシワ形成を抑制したり、形成されたシワを容易に除去できるようにしたり、繊維本来の色相を鮮明にしたり、本来の色感を長時間維持させたり、表面の汚染を容易に除去されるようにしたり、香りを付与したり、臭いを除去したり、抗菌や害虫忌避をしたり、洗濯による損傷を防止したり、雨水などの浸透を防止する成分などを含んでもよいし、具体的には、ソープ(せっけん)、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、アルファスルホ脂肪酸エステル、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、メチルグルカミド、アルキルポリグルコシド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、イミダゾリニウム誘導体、アルキルジメチルベンゼンアンモニウムクロリド、エステルクォート、アミノエステル塩、アルキルベタイン、アルキルスルホベタイン、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ソジウムトリホスフェート、ニトリロ三酢酸、ポリカルボキシレート、ゼオライト、ソジウムポリカルボキシレート、ソジウムポリアクリレート、ソジウムヒドロキシエタンジホスフェート、ソジウムパーボレート、ソジウムパーカーボネート、ペルオキシド、ヒポクロリット、テトラアセチルエチレンジアミン、ソジウムパラノナノイルオキシベンゼンスルホナート、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、デンプン分解酵素、ペクチン分解酵素、セルロース分解酵素、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、セルロースエーテル、ポリエチレンテレフタル酸/ポリオキシエチレンテレフタル酸共重合体、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、スチルベン、コウマリン、ビスベンゾアゾール、ジスチリルビフェニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジンオキシド、香料、シクロデキストリン、硫酸ナトリウム、シリコーンおよび誘導体、アルキルアミン、脂肪アルコール、脂肪酸、ポリエチレン、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウムおよび酢酸ナトリウムなどを含んでもよい。
【0017】
しかしながら、このような繊維ケア成分を繊維に使用する場合には、処理後に次の洗浄時までの一時的な効果のみが提供され、洗浄後に再処理しなければならない不都合が常に存在している。
【0018】
特許文献2は、ウール繊維と構成成分が類似している毛髪に化粧特性を長時間持続させる化粧処置方法を開示する。前記技術では、毛髪の化粧処理前に毛髪の表面に変化が生じるように熱、電磁波、電場、音波およびプラズマなどの物理的方法や、還元方法を除いた化学的方法を用いて一次に毛髪を活性化させる過程を行わなければならない。しかしながら、このような毛髪活性化過程は、熱、電磁波、電場、音波およびプラズマなど高いエネルギーを毛髪に加えなければならず、還元方法を除いた化学的不活性化物質に使用される過酸化水素、臭素酸(bromate)などの酸化剤は、毛髪に深刻な損傷を誘発する。その他ポリアミンや多糖類ポリマーの場合、活性化は可能であるが、これらのポリマーが毛髪に共有結合形態で活性化しない状態であるから、洗浄により容易に除去される問題がある。
【0019】
また、特許文献3は、繊維の柔軟効果の他に、香りの持続性に優れており、繊維に抗菌性を付与するために、抗菌成分であるキトサンを使用して香りをマイクロカプセル化して添加する方案を考慮した。このように香りをマイクロカプセルで処理すると、カプセルが内部物質(core material)の香りを外部環境から保護して貯蔵安定性を向上させるので、繊維において香りの持続性に優れるという長所がある。一方、この香りカプセルも、洗濯過程で繊維表面に残存せずにほとんどが洗われてしまうため、一部の繊維に残っているカプセル成分だけではその効果を提供するのに限界があり、経済的にも使用したカプセルがほとんど機能を発揮せず、洗浄水で洗われてしまう問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許公開第2008-0064467号公報
【特許文献2】日本国特許公開第2004-182731号公報
【特許文献3】韓国特許公開第2002-0068427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、毛髪または繊維に損傷を与えることなく、コンディショニングなどの有益な効果を長時間持続させることができる毛髪または繊維処理用組成物を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、毛髪または繊維に残香を維持し、柔軟性、やわらかさ、疎水性および/または収縮防止力を強化させることができる毛髪または繊維処理用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物を提供する。
【0024】
【化1】
【0025】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸である。
【0026】
また、本発明は、前述した毛髪または繊維処理用組成物を毛髪または繊維に処理する段階を含む毛髪または繊維のコンディショニング方法を提供する。前記方法は、熱処理段階をさらに含んでもよい。
【0027】
また、本発明は、前述した毛髪または繊維処理用組成物を含む熱損傷の防止または改善のための毛髪または繊維処理用製品を提供する。
【0028】
また、本発明は、毛髪または繊維処理用製品を製造するための前述した化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む組成物の使用を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、毛髪または繊維のタンパク質残基と共有結合が可能なアルキルケテン化合物が含有されているので、前記アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維に損傷を与えることなく、前記タンパク質残基と共有結合を形成し、永久的な疎水性の付与を通じて長時間持続するコンディショニングなどの有益な効果を提供することができる。
【0030】
また、本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、熱(heat)による毛髪または繊維の損傷を防止および/または改善することができる。
【0031】
また、本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、毛髪または繊維に残香を維持させることができ、柔軟性、やわらかさ、疎水性または収縮防止力を強化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む毛髪または繊維処理用組成物に関する。
【0033】
また、本発明は、毛髪または繊維処理用製品を製造するための下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む組成物の使用に関する。
【0034】
【化2】
【0035】
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
【0036】
本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、前記アルキルケテン化合物を含有し、これらのアルキルケテン化合物は、毛髪または繊維と共有結合を形成することによってコンディショニング効果を最大化させ、前記効果を長時間持続させることができる。また、熱(heat)による毛髪または繊維の損傷を防止することができる。すなわち、本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、毛髪または繊維のコンディショニング組成物に使用され得る。
【0037】
本発明において、「コンディショニング」効果というのは、毛髪または繊維にブラッシングの容易性、滑らかさ、やわらかさ、きちんと感、ツヤおよびボリューム感など有益な特性を付与して毛髪または繊維を美化し、魅力を増加させ、容貌を変化させ、毛髪または繊維を元気にするために、身体(毛髪)または繊維に塗布、散布、その他これらと似た方法で使用することであり、コンディショニング効果として、例えば、光沢およびツヤ付与、静電気減少などが挙げられる。また、毛髪または繊維の表面を疎水性にして、外部環境からの水分の毛髪浸透を防止し、また、毛髪または繊維内部の水分が外部に逃げないように防止し、毛髪または繊維の水分維持を助ける。また、毛髪およびタンパク質系繊維(ウール、シルクなど)の損傷によって洗浄で毛髪または繊維内部のタンパク質成分が溶出される現象も防止することができる。したがって、損傷した毛髪または損傷した繊維の症状を緩和ないし回復させるだけでなく、究極的には、毛髪または繊維の損傷を予防できる効果も期待することができる。
【0038】
本発明においてコンディショニング組成物は、毛髪または繊維のコンディショニング効果のために使用される組成物を意味する。
【0039】
本発明において使用されるアルキルケテン化合物は、下記化学式1で表すことができる。
【0040】
【化3】
【0041】
上記化学式1中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸でありうる。
【0042】
本発明において「アルキル」は、別途記載がない限り、明示された数の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状の炭化水素を示す。
【0043】
本発明において「脂肪酸」は、別途記載がない限り、明示された数の炭素原子を有するカルボン酸を示す。この際、前記明示された数の炭素原子は、直鎖または分岐鎖の構造を有していてもよい。
【0044】
一具体例において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸でありうる。好ましくは、炭素数16~18の直鎖の飽和または不飽和アルキルおよび18-メチルエイコサン酸(18-MEA)(18-Methyleicosanoic acid)からなる群から選ばれ、最も好ましくは、18-MEAである。
【0045】
また、前記Rおよび/またはRは、前記アルキル基または脂肪酸の他に、2-オキセタノン二量体(2-oxetanone dimer)の末端のアルコール(alcohol)などの求核性基を含んでもよいし、このようなアルコールのアルキル基には、エステル(esters)、エーテル(ethers)などの官能性基が含まれてもよい。また、アルコールのエトキシレート(EO/PO付加)または水素添加物などを含んでもよい。
【0046】
一具体例において、アルキルケテン化合物は、例えば、アルキル(R、R;C12-16)ケテン、水添牛脂脂肪酸(R、R;C12-16)ジケテン(R、R;Fatty acids,tallow,hydrogenated,dimers,diketene derivatives)、アルキル(R、R;C14-16)ケテン、アルキル(R、R;C16-18)ケテン、アルキル(R、R;C20-22)ケテン、アルキル(R、R;C14)ケテン、アルキル(R、R;C16)ケテン、アルキル(R、R;C18)ケテン、アルキル(R、R;C22)ケテン、アルキル(R;C14、R;C16)ケテン、アルキル(R;C16、R;C14)ケテン、アルキル(R;C16、R;C18)ケテン、アルキル(R;C18、R;C16)ケテン、アルキル(R、R;C18-MEA)ケテン、アルキル(R;C16、R;C18-MEA)ケテン、アルキル(R;C18、R;C18-MEA)ケテン、アルキル(R;C22、R;C18-MEA)ケテン、アルキル(R;C18-MEA、R;C16)ケテン、アルキル(R;C18-MEA、R;C18)ケテンおよびアルキル(R;C18-MEA、R;C22)ケテンからなる群から選ばれる1つ以上を使用できるが、これに限定されるものではなく、多様な種類のアルキルケテン化合物を使用することができる。この際、例えば、「C12」は、炭素数12の飽和または不飽和アルキルを意味し、「C12-16」は、炭素数12~16の飽和または不飽和アルキルからなる混合物を意味し、「C18-MEA」は、18-メチルエイコサン酸(18-MEA)(18-Methyleicosanoic acid)を意味する。また、「アルキル(R;C18、R;C16)ケテン」は、化学式1の化合物においてRが炭素数18の飽和または不飽和アルキルであり、Rが炭素数16の飽和または不飽和アルキルであることを意味し、「アルキル(R、R;C14)ケテン」は、化学式1の化合物においてRおよびRがそれぞれ炭素数14の飽和または不飽和アルキルであることを意味する。
【0047】
一具体例において、アルキルケテン化合物の含有量は、特に限定されず、全体組成物100重量部に対して0.0001~10重量部、0.01~7重量部または0.1~5重量部で含まれてもよい。前記含有量が0.0001重量部未満であれば、持続的なコンディショニング効果が発現しにくく、10重量部を超過すると、前記化合物が毛髪または繊維に存在する反応位置以上に過度に存在して、毛髪または繊維と反応して残った状態のアルキルケテン化合物が損失される問題がある。
【0048】
このような、アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維に適用されて、前記毛髪または繊維のタンパク質残基と共有結合を形成することができる。これによって、毛髪または繊維のコンディショニング効果を最大化することができる。
【0049】
本発明において前記化学式1で表されるアルキルケテン化合物は、あらかじめ分散、乳化させた形態またはカプセル化された形態で毛髪または繊維処理用組成物中に含まれていてもよい。
【0050】
分散および乳化された形態で使用する場合、組成物は、分散剤および乳化剤を含んでもよいし、前記分散剤および乳化剤は、従来使用されているものを使用することができる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、パルミチン酸(palmitic acid)、ステアリン酸(stearic acid)などの脂肪酸せっけんなどのアニオン界面活性剤、エトキシル化脂肪アルコール、グリセリルエステル、脂肪酸のソルビタンエステルなどの非イオン性界面活性剤、第四級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、およびカチオン性スターチ、カチオン性セルロースなどのカチオン性ポリマーを使用することができる。具体的に、非イオン性界面活性剤(乳化剤)としてグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどからなる群から選ばれる1つ以上を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0051】
また、カプセル化した形態で使用する場合、アルキルケテン化合物を液体炭化水素、エステルオイル、シリコーンオイルなどで希釈し、ゼラチン、カラギナン、Agar、シリカなどでカプセル化して使用することができる。カプセル化技術は、列挙した例に限定されず、化粧品に一般的に使用される剤形化技術を適用することができる。
【0052】
本発明による組成物は、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選ばれた1つ以上をさらに含んでもよい。前記成分をさらに含むことによって、コンディショニング効果をさらに向上させることができる。
【0053】
本発明による組成物は、カチオン界面活性剤として通常毛髪または繊維処理用組成物に使用できるものを制限されることなく使用することができ、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、エステルクォート、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩、アルキルアミン塩および脂肪酸アミドアミン塩などからなる群から選ばれる1つ以上を使用することができ、好ましくは、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩、エステルクォートを使用することができ、さらに好ましくは、エステルクォートを使用することができる。
【0054】
本発明において、アルキルケテン化合物とカチオン界面活性剤とを組み合わせて使用することによって、アルキルケテン化合物とカチオン界面活性剤との疎水性部分間の相互作用により前記アルキルケテン化合物が基質にさらに容易に作用できるように補助することができる。これによって、それぞれを単独で処方して使用した場合よりも優れた効果を奏することが予想されるが、本発明は、前記理論に制限されるものではない。
【0055】
また、本発明による組成物は、前記アニオン界面活性剤として通常毛髪または繊維処理用組成物に使用できるものを制限されることなく使用することができ、例えば、せっけん(soap)、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルスルホアセテート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクテート、アシルタウレート、アシルグルタメート、アシルアラニネート、アシルイセチオネートおよびアシルサコシネートなどからなる群から選ばれた1つ以上を使用することができる。好ましくは、せっけん(soap)、アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネートを使用することができ、さらに好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートを使用することができる。
【0056】
本発明において、アルキルケテン化合物とアニオン界面活性剤とを組み合わせて使用することによって、アニオン界面活性剤が基質の脂質などを除去し、アルキルケテン化合物が基質にさらに容易に作用できるように補助することができる。これによって、それぞれを単独で処方して使用した場合よりも優れた効果を奏することが予想されるが、本発明は、前記理論に制限されるものではない。
【0057】
一具体例において、カチオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤の含有量は、特に限定されず、全体組成物100重量部に対して0.01~50重量部、1~30重量部または10~20重量部で含まれてもよい。前記含有量の範囲においてより優れたコンディショニング効果を付与することができる。
【0058】
本発明による組成物は、ヒドロキシエチル-、ヒドロキシプロピル-、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、およびスターチ、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、アクリレートポリマーおよびカルボキシビニルポリマーなどの分散および乳化安定剤をさらに含んでもよい。
【0059】
本発明による組成物は、香りをさらに含んでもよい。前記香りの種類は、通常毛髪または繊維処理用組成物に使用できるものであれば、特に限定されず、log P値が-1.0~4.5の香りを使用することができる。
【0060】
前記Pは、分配係数であり、2個の溶媒に対する化合物の溶解度を示す。例えば、Pは、オクタノールに対する化合物の溶解度の、水に対する化合物の溶解度に対する割合でありうる。化合物が親油性である場合、P値は、非常に大きくなりえるので、log P値で表現することができる。好ましくは、香りのlog P値は、0.5~4.5、0.7~4.5、1.0~4.4または2.0~4.4でありうる。
【0061】
一具体例において、香りは、例えば、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート((2-tert-butylcyclohexyl)acetate)、(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)酢酸((3-oxo-2-pentylcyclopentyl)acetic acid)、(E)-4-デカナール((E)-4-decanal)、1-(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)エタノン(1-(1,2,3,4,5,6,7,8-Octahydro-2,3,8,8-tetramethyl-2-naphthalenyl)ethanone)、1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-3-イル)2-ブテン-1-オン((1-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohex-3-enyl)but-2-en1-one)、1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)ペンテン-3-オン(1-(2,6,6-trimethyl-2-cyclohexen-1-yl)penten-3-one)、1,2-ジクロロエタン(1,2-Dichloroethane)、1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2,2,2]オクタン(1,3,3-trimethyl-2-oxabicyclo[2,2,2]octane)、1,4-ジオキサン(1,4-Dioxane)、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(1,6 Hexanediol diglycidyl ether)、1,7,7-トリメチルビシクロ[2,2,1]2-ヘプチルアセテート(1,7,7-Trimethylbicyclo[2.2.1]hept-2-yl acetate)、10-ウンデセナール(10-undecenal)、17a-ヒドロキシプロゲストロン(17a-Hydroxyprogesterone)、1-ブロモエタン(1-bromoethane)、1-ブロモペンタン(1-bromopentane)、1-ブタノール(1-butanol)、1-ブテン(1-butene)、1-クロロヘキサン(1-chlorohexane)、1-フルオロオクタン(1-fluorooctane)、1-ヘプタノール(1-heptanol)、1-ヘプテン(1-heptene)、1-ヘキサノール(1-hexanol)、1-ヘキセン(1-hexene)、1-ヨードブタン(1-iodobutane)、1-メトキシ-2-プロパノール(1-Methoxypropan-2-ol)、1-ナフトール(1-Naphthol)、1-ノナノール(1-nonanol)、1-オクタノール(1-octanol)、1-オクチン(1-octyne)、1-ペンタノール(1-pentanol)(1.56)、1-ペンテン(1-pentene)(2.80)、1-プロパノール(1-propanol)(0.25)、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール(2-(2-Butoxyethoxy)ethanol)(0.65)、2-(ジメチルアミノ)-5,6-ジメチルピリミジン-4-オール(2-(dimethylamino)-5,6-dimethylpyrimidin-4-ol)(1.63)、2-(エトキシカルボニル)安息香酸(2-(ethoxycarbonyl)benzoic acid)(1.80)、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエタノール(2,2,2-trichloro-1-phenylethanol)、2,3-ブタンジオール(2,3-Butanediol)、2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-Trichlorophenol)、2,4-ジクロロフェノール(2,4-Dichlorophenol)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-Dichlorophenoxyacetic acid)、2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(2,4-dihydroxy-3,6-dimethylbenzoic acid)、2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド(2,4-dimethylcyclohex-3-ene-1-carbaldehyde)、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール(2,6-dimethyl-2-heptanol)、2-ブタノール(2-butanol)、2-ブタノン(2-butanone)、2-ブトキシエタノール(2-Butoxyethanol)、2-ブチン(2-butyne)、2-クロロフェノール(2-Chlorophenol)、2-クレゾール(2-Cresol)、2-デカノン(2-decanone)、2-エトキシエタノール(2-Ethoxy ethanol)、2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)、2-エチルヘキセン(2-ethylhexene)、2-ヘプタノン(2-heptanone)、2-ヘキサノール(2-hexanol)、2-ヘキサノン(2-hexanone)、2-ヘキセン-1-オール(2-hexen-1-ol)、2-ヒドロキシ安息香酸(2-Hydroxybenzoic acid)、2-ヨードブタン(2-iodobutane)、2-イソプロポキシエタノール(2-Isopropoxyethanol)、2-イソプロポキシフェノール(2-isopropoxyphenol)、2-MeTHF、2-メトキシ-4-(2-プロフェニル)-フェノール(2-methoxy-4-(2-propenyl)-phenol)、2-メトキシ-4-プロピルフェノール(2-Methoxy-4-propylphenol)、2-メトキシ-4-ビニルフェノール(2-Methoxy-4-vinylphenol)、2-メトキシエタノール(2-Methoxyethanol)、2-メトキシエチルアセテート(2-Methoxyethyl acetate)、2-メチル-1-ブタノール(2-methyl-1-butanol)、2-メチル-1-プロパナール(2-methyl-1-propanal)、2-メチル-2-ブタノール(2-methyl-2-butanol)、2-メチル-2-ペンタノール(2-methyl-2-pentanol)、2-メチル-2-プロパノール(2-methyl-2-propanol)、2-メチルブチルアセテート(2-methylbutyl acetate)、2-メチル酪酸(2-methylbutyric acid)、2-メチルプロパン(2-methylpropane)、2-メチルプロピオン酸(2-methylpropionic acid)、2-ナフトール(2-Naphthol)、2-ナフチルアミン(2-Naphthylamine)、2-ニトロ-4-フェニレンジアミン(2-Nitro-4-Phenylenediamine)、2-ノナノン(2-nonanone)、2-オクタノン(2-octanone)、2-オクチン(2-octyne)、2-ペンタノン(2-pentanone)、2-フェノキシエタノール(2-Phenoxyethanol)、2-フェニル-1-エタノール(2-phenyl-1-ethanol)、2-フェニルフェノール(2-phenylphenol)、2-プロパノール(2-propanol)、2-ウンデカノン(2-undecanone)、3(4)-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキサルデヒド(3 and 4-(4-Hydroxy-4-methylpentyl)-3-cyclohexene-1-carboxaldehyde)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール(3-(4-tert-butylphenyl)-2-methylpropanal(Lilial))、3,4-キシレノール(3,4-Xylenol)、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(3,7-Dimethyloct-6-en-1-ol)、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(3,7-dimethylocta-2,6-dienal)、3,7-ジメチル-3-オクタノール(3,7-dimethyloctan-3-ol)、3-クレゾール(3-Cresol)、3-ヘキサノール(3-hexanol)、3-ヘキサノン(3-hexanone)、3-メチル-1-ブタノール(3-methyl-1-butanol)、3-メチル-3-ペンタノール(3-methyl-3-pentanol)、3-メチルブチルアセテート(3-methylbutyl acetate)、3-メチル酪酸(3-methylbutyric acid)、3-ニトロフェノール(3-Nitrophenol)、3-フェニルブタナール(3-phenyl butanal)、3-フェニル-1-プロパノール(3-Phenyl-1-propanol)、4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン(4-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexene-1-yl)-3-butene-2-one)、4-(メチルチオ)-3,5-キシレノール(4-(methylthio)-3,5-xylenol)、4-アセタミドフェノール(4-Acetamidophenol)、4-アミノ-2-ニトロフェノール(4-Amino-2-nitrophenol)、4-アミノ安息香酸(4-Aminobenzoic acid)、4-アミノフェノール(4-Aminophenol)、4-ブロモフェノール(4-Bromophenol)、4-クロロ-3-キシレノール(4-Chloro-3-xylenol)、4-クロロクレゾール(4-Chlorocresol)、4-クロロフェノール(4-Chlorophenol)、4-クレゾール(4-Cresol)、4-シアノフェノール(4-Cyanophenol)、4-エトキシ-4-オキソブト-2-エン酸(4-ethoxy-4-oxobut-2-enoic acid)、4-エチルフェノール(4-Ethyl phenol)、4-ヘプチルオキシフェノール(4-Heptyloxyphenol)、4-ヨードフェノール(4-Iodophenol)、4-メトキシアセトフェノン(4-Methoxy acetophenone)、4-メトキシベンジルアルコール(4-Methoxybenzyl alcohol)、4-メチルペンタン酸(4-methylpentanoic acid)、4-ニトロアニリン(4-Nitroaniline)、4-ニトロフェノール(4-Nitrophenol)、4-ペンチルオキシフェノール(4-Pentyloxyphenol)、5-フルオロウラシル(5-Fluorouracil)、5-ヘキシルオキソラン-2-オン(5-Hexyloxolan-2-one)、アセトアルデヒド(acetaldehyde)、酢酸(Acetic acid)、アセトン(Acetone)、アセトニトリル(Acetonitrile)、アセトフェノン(acetophenone)、アセチルセドレン(Acetyl cedrene)、アセチルシステイン(Acetylcysteine)、アセチルサリチル酸(Acetylsalicylic acid)、アリルアルコール(allyl alcohol)、アリルヘプタノエート(allylheptanoate)、アルファテルピネオール(alpha terpineol)、アモバルビタール(Amobarbital)、アミルアルコール(Amyl alcohol)、アミルサリシレート(Amyl salicylate)、アンドロステンジオン(Androstenedione)、アネトールUSP(anethole USP)、アニリン(Aniline)、アルファ-テルピネオール(α-terpineol)、アトラジン(Atrazine)、アトロピン(Atropine)、アゾドリン(Azodrin)、バルビタール(Barbital)、ベンズアルデヒド(benzaldehyde)、ベンゼン(Ben

zene)、ベンゾカイン(Benzocaine)、安息香酸(Benzoic acid)、安息香酸、2-アミノ、二塩酸塩(Benzoic acid、2-amino-、dihydrochloride)、ベンゾフェノン(Benzophenone)、ベンジルアセテート(Benzyl acetate)、ベンジルアルコール(Benzyl alcohol)、ベンジルベンゾアート(Benzyl benzoate)、ベンジルニコチネート(Benzyl nicotinate)、ベンジルサリシレート(Benzyl salicylate)、ベータ-テルピネオール(beta terpineol)、ベータ-エストラジオール(Beta-estradiol)、ホウ酸(Boric Acid)、ブタクロール(Butachlor)、ブトバルビタール(Butobarbital)、ブチル4-ヒドロキシベンゾアート(Butyl 4-hydroxybenzoate)、ブチルアセテート(butyl acetate)、ブチルアルコール(Butyl alcohol)、ブチルニコチネート(Butyl nicotinate)、ブチルアルデヒド(butyraldehyde)、酪酸(Butyric acid)、カフェイン(Caffeine)、カルバミン酸、ジメチル-、エチルエステル(Carbamic acid,dimethyl-、ethylester)、カルバリル(Carbaryl)、カルボン(Carvone)、カテコール(Catechol)、クロラムフェニコール(Chloramphenicol)、クロロクレゾール(Chlorocresol)、クロロホルム(Chloroform)、クロロキシレノール(Chloroxylenol)、クロルフェニラミン(Chlorpheniramine)、ケイ皮酸(Cinnamic acid)、シンナミックアルデヒド(Cinnamic aldehyde)、シンナミックアルコール(Cinnamic alcohol)、シンナミルアルコール(Cinnamyl alcohol)、シンナミル.アンスラニレート(Cinnamyl anthranilate)、シス-1,3-ジクロロプロペン(cis-1,3-Dichloropropene)、シス-3-ヘキセニルアセテート(cis-3-Hexenyl acetate)、シス-6-ノネナール(cis-6-nonenal)、シス-ジャスモン(cis-jasmone)、コデイン(Codeine)、コルテクソン(Cortexone)、クマリン(Coumarin)、クメン(Cumene)、シクロドデカノン(cyclododecanone)、シクロヘキサン(cyclohexane)、シクロヘキサノン(cyclohexanone)、シクロペンタノン(cyclopentanone)、シクロウンデカノン(cycloundecanone)、デカナール(decanal)、デカン酸(decanoic acid)、デオキシコルチコステロン(Deoxycorticosterone)、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)、デヒドロエピアンドロステロンホスフェート(DHEA)、ダイアジノン(Diazinon)、ジクロロメタン(Dichloromethane)、ジクロフェナク(Diclofenac)、ジエチルエーテル(Diethyl ether)、ジエチルマリエート(Diethyl maleate)、ジエチルマロネート(Diethyl malonate)、ジエチルフタレート(Diethyl phthalate)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(Diethylene glycol monobutyl ether)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(Diethylene glycol monobutyl ether acetate)、ジエチルエーテル(Diethylether)、ジヒドロリナロール(dihydro linalool)、ジヒドロミルセノール(Dihydromyrcenol)、ジヒドロ-α-テルピネオール(Dihydro-α-terpineol)、ジメトエート(Dimethoate)、ジメチルベンジルカルビニルアセテート(Dimethyl benzyl carbinyl acetate)、ジメチルカーボネート(Dimethyl carbonate)、ジメチルシクロヘキサノール(dimethylcyclohexanol)、ジメチルエチルアミン(Dimethylethylamine)、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)、ジメチルニトロサミン(Dimethylnitrosamine)、ジニトロクロロベンゼン(Dinitrochlorobenzene)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(Dipropylene glycol methyl ether)、dl-シトロネロール(dl-Citronellol)、d-リモネン(d-Limonene)、ジメチルフタレート(DMP)、E-2-ブテナール(E-2-butenal)、E-2-ヘキセナール(E-2-hexenal)、E-2-オクテン(E-2-octene)、エチレングリコール(Ethylene glycol)、エフェドリン(Ephedrine)、エストラジオール(Estradiol)、エストラゴール(Estragole)、エストリオール(Estriol)、エストロン(Estrone)、エタン(ethane)、エタノール(Ethanol)、エチルアセテート(Ethyl acetate)、エチルベンゼン(Ethyl benzene)、エチルエーテル(Ethyl ether)、エチルハイドロゲンマロネート(Ethyl hydrogen malonate)、エチルニコチネート(Ethyl nicotinate)、エチルバニリン(ethyl Vanillin)、エチルベンゼン(ethylbenzene)、エチレングリコールメチルエーテル(Ethylene glycol methyl ether)、エチニルベンゼン(ethynylbenzene)、ユーカリプトール(Eucalyptol)、オイゲノール(Eugenol)、オイゲニルメチルエーテル(Eugenyl methyl ether)、フロルアセテート (flor acetate)、フルタミド(Flutamide)、ゼラニオール(geraniol)、ゲラニルニトリル(Geranyl nitrile)、グリセロールホルマール(Glycerol formal)、ヘディオン(Hedione)、ヘプタナール(heptanal)、ヘプタン(Heptane)、ヘプタン酸(Heptanoic acid)、ヘプタノール(Heptanol)、ヘキサナール(hexanal)、ヘキサン酸 (Hexanoic acid)、ヘキサノール(Hexanol)、馬尿酸(Hippuric acid)、塩酸(Hydrochloric acid)、ヒドロキシシトロネラール(hydroxycitronellal)、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドール(Indole)、ヨードメタン(iodomethane)、イソオイゲノール(iso eugenol)、イソブチルイソブチレート(isobutyl isobutyrate)、イソブチルサリシレート(isobutyl salicylate)、イソオイゲノール(Isoeugenol)、イソ吉草酸イソペンチル(isopentyl isovalerate)、イソキノリン(Isoquinoline)、コアボン(koavone)、乳酸(Lactic acid)、リッファローム(LIFFAROME)、リナロール(Linalool)、リンダン(Lindane)、マラチオン(Malathion)、マレイン酸(Maleic acid)、マロン酸(Malonic acid)、4,4’-メチレンbis(2-クロロアニリン)(MbOCA)、m-クレゾール(m-Cresol)、MDA、メペリジン(Meperidine)、メシチレン(mesitylene)、メタノール(Methanol)、メチオカルブ(Methiocarb)、メチル2-(3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート(methyl 2-(3-oxo-2-pentylcyclopentyl)acetate)、メチル2-ノニノエート(Methyl 2-nonynoate)、メチルアセテート(methyl acetate)、メチルアンスラニレート(methyl anthranilate)、アトラリン酸メチル(Methyl atrarate)、メチルベンゾアート(methyl benzoate)、メチルベータナフチルケトン(methyl beta naphthyl ketone)、メチルジヒドロジャスモネート(Methyl dihydrojasmonate)、メチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl ketone)、メチルNメチルアンスラニレート(Methyl N methylanthranilate)、メチルニコチネート(Methyl nicotinate)、メチルプロピオネート(methyl propionate)、サリチル酸メチル(Methyl salicylate)、メチルtert-ブチルエーテル(Methyl tert-butyl ether)、メチル-4-ヒドロキシベンゾアート(Methyl-4-hydroxy benzoate)、メチル-4-OHベンゾアート(Methyl-4-OH benzoate)、メチル-パラチオン(Methyl-Parathion)、メチルサリシレート(Methylsalicylate、モルヒネ(Morphine)、モスクケトン(Musk ketone)、m-キシレン(m-xylene)、N,N-ジエチル-m-トルアミド(N、N-Diethyl-m-toluamide)、ナプロキセン(Naproxen)、n-ブタン(n-butane)、n-ブタノール(n-Butanol)、n-デカノール(n-Decanol)、ネロール(Nerol)、n-ヘプタン(n-heptane)、n-ヘプタノール(n-Heptanol)、n-ヘキサン(n-Hexane)、n-ヘキサノール(n-Hexanol)、N-ヘキシルニコチネート(N-Hexyl nicotinate)、ニコチンアミド(Nicotinamide)、ニコチン(Nicotine)、ニコチン酸(Nicotinic acid)、ニトロベンゼン(Nitrobenzene)、ニトログリセリン(Nitroglycerine)、N-メチルピロリドン(N-Methyl pyrrolidone)、N-メチルカルバマート(N-methylcarbamate)、n-ノナノール(n-Nonanol)、n-オクタノール(n-Octanol)、ノナルラクトン(nonalactone)、ノナン酸(nonanoic acid)、n-ペンタン(n-pentane)、n-ペンタノール(n-Pentanol)、N-フェニル-2-ナフチルアミン(N-Phenyl-2-naphthylamine)、n-プロパノール(n-Propanol)、n-プロポキシエタノール(n-Propoxyethanol)、o-クロロトルエン(o-chlorotoluene)、o-クレゾール(o-Cresol)、o-クレシルグリシジルエーテル(o-cresyl glycidyl ether)、オクタナール(octanal)、オクタン酸 (Octanoic acid)、オクタノール(Octanol)、オレンジフラワーエーテルフェニルエチルアセテート(orange flower ether phenyl ethyl acetate)、o-トルイジン(o-toluidine)、o-キシレン(o-xylene)、パラオキソン(Paraoxon)、パラチオン(Parathion)、p-クレゾール(p-Cresol)

、ペンタン酸(Pentanoic acid)、ペンタノール(Pentanol)、フェネチルアルコール(Phenethyl alcohol)、フェノバルビタール(Phenobarbital)、フェノール(Phenol)、フェノキサノール(Phenoxanol)、フェノキシエチルイソブチレート(phenoxy ethyl isobutyrate)、フェニルエチルアルコール(phenyl ethyl alcohol)、フェニルプロピルアルコール(phenyl propyl alcohol)、フェニルエチルアルコール(Phenylethyl alcohol)、ホスメット(Phosmet)、ホキシム(Phoxim)、フタル酸(phthalic acid)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、プレグネノロン(Pregnenolone)、プロゲストロン(Progesterone)、2-プロフェニルヘプタノエート(prop-2-enyl heptanoate)、プロパン(propane)、プロペナール(propenal)、プロペン(propene)、プロピオンアルデヒド(propionaldehyde)、プロピオン酸(propionic acid)、プロポクサー(Propoxur)、プロプラノロール(Propranolol)、プロピルアセテート(propyl acetate)、プロピルブチレート(propyl butyrate)、プロピルホルメート(propyl formate)、プロピレンカーボネート(Propylene carbonate)、プロピレングリコール(Propylene glycol)、p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド(p-t-Butyl-α-methylhydrocinnamic aldehyde)、p-キシレン(p-Xylene)、ピリジン(Pyridine)、レゾルシノール(Resorcinol)、サフロール(Safrole)、サリチル酸(Salicylic acid)、スコポラミン(Scopolamine)、スチレン(Styrene)、テルピネン-4-オール(terpinen-4-ol)、tert-ブタノール(tert-Butanol)、テストステロン(Testosterone)、テトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)、テトラヒドロリナロール(Tetrahydrolinalool)、テオフィリン(Theophylline)、チモール(Thymol)、トルエン(Toluene)、トリアセチン(Triacetin)、トリクロロメタン(Trichloromethane)、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート(Trichloromethyl phenyl carbinyl acetate)、トリクロピル(Triclopyr)、トリシクロドデセニルアセテート(Tricyclododecenyl Acetate)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)、トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、ウンデカン酸(undecanoic acid)、吉草酸(valeric acid)、バニリン(vanillin)およびα-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-プロピオンアルデヒド(α-Methyl-1,3-benzodioxole-5-propionaldehyde)からなる群から選ばれる1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0062】
一具体例において、香りの含有量は、特に限定されず、全体組成物100重量部に対して0.0001~30重量部でありうる。
【0063】
また、本発明による組成物は、付随的に安定化およびコンディショニング効果を増大させるために、脂肪酸、脂肪アルコール、カチオン化スターチ、カチオン化セルロース、カチオン化グアー、カチオン化アクリレートおよびアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどのカチオン化ポリマーおよびシリコーンなどをさらに含んでもよい。また、剤形化のために、溶剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、パール化剤、外観改善剤、顔料および粉体粒子などの製剤化のための成分をさらに含んでもよい。
【0064】
本発明による組成物が毛髪処理用組成物、すなわち、毛髪コンディショニング化粧品組成物に使用される場合、剤形は、特に限定されず、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアパック、ヘアエッセンス、ワックス、ジェルおよびスプレーなどのすべての剤形が含まれ得る。
【0065】
また、本発明において組成物が繊維処理用組成物に使用される場合、一般的に繊維をケアするための洗浄、整頓、ポイント用などの機能を付与する成分および染色、漂白、柔軟、殺菌紫外線遮断、芳香、香りなどの繊維に有益な機能を付与する成分を含んでもよい。前記繊維処理用組成物の剤形は、特に限定されず、適用例としては、洗剤、柔軟剤、繊維リンス、トリートメントおよび部分処理剤などの製品が挙げられる。
【0066】
本発明による組成物に含まれる前記言及された成分それぞれは、好ましくは、各国の政府によって規定された規範に明示された最大使用量を超過しない範囲内で本発明の組成物に含まれてもよい。例えば、薬学組成物を提供する場合、韓国、米国、ヨーロッパ、ドイツ、日本国、中国などで規定する薬局方(Pharmacopoeia)または医薬品集に明示された製法、性状、使用量などの範囲内で本発明に含まれてもよい。また、化粧料組成物を提供する場合、各国の政府で規定する化粧品安全に関する法律または中国政府で規定する化粧品安全技術仕様に明示された最大使用量を超過しない範囲内で本発明の化粧料組成物に含まれてもよい。
【0067】
また、本発明は、前述した毛髪または繊維処理用組成物を毛髪または繊維に処理するコンディショニング方法に関する。
【0068】
本発明において処理は、塗布、散布、その他これらと似た方法を使用することができる。
【0069】
本発明による毛髪または繊維処理用組成物を毛髪または繊維に処理する場合、化学式1で表されるアルキルケテン化合物は、毛髪または繊維のタンパク質残基と共有結合を形成する。これによって、毛髪または繊維に永久的な疎水性を付与し、コンディショニング効果を持続させることができる。
【0070】
前記アルキルケテン化合物の活性化基(ラクトン環)は、毛髪または繊維中のヒドロキシル基とエステル化反応によって固定された共有結合の形態で毛髪または繊維と結合することができる。具体的に、アルキルケテン化合物は、ヒドロキシル基と共有結合を形成して表面に疎水性を付与することができ、剛性を増大させ、柔軟性を阻害しない。
【0071】
本発明において処理温度、すなわち、本発明による毛髪または繊維処理用組成物を毛髪または繊維に処理するときの温度は、特に限定されず、20~250℃で処理することができ、好ましくは、30~230℃で、さらに好ましくは、80~120℃で処理することができる。前記温度範囲で化合物と毛髪または繊維間の永久的な結合効率を高めて、持続的なコンディショニング効果を提供することができる。
【0072】
一例として、本発明の組成物は、熱(heat)による毛髪または繊維の損傷を防止および/または改善することができる。
【0073】
また、一例として、本発明の組成物は、毛髪または繊維に残香を維持させ、また、毛髪または繊維の柔軟性、やわらかさ、疎水性および/または収縮防止力を強化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。下記実施例は、単に本発明を例示するものであり、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0075】
以下、本発明の実施例および比較例で使用された物質は、一般的な原料供給元から購入して使用した。
【実施例
【0076】
製造例1.毛髪処理用組成物の製造(実施例1~8および比較例1~6)
下記表1および表2の成分を含む毛髪処理用組成物(実施例1~8および比較例1~6)を製造した。下記表2において、アルキルケテン化合物は、化学式1の構造を有する化合物として、RおよびRを記載した。
【0077】
まず、精製水に脂肪酸またはアルキルケテン化合物と非イオン乳化剤および増粘剤を投入し、70℃まで加温して十分に撹拌した後、常温(25℃)に冷却して組成物を製造した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
実験例1.毛髪処理用組成物のコンディショニング効果の比較
(1)方法
前記製造された実施例1~8および比較例1~6の毛髪処理用組成物を4g程度の毛髪トレス(tress)に1gずつを均一に塗布し、常温で30分間放置して反応を誘導し、最初に流水とシャンプーで洗浄し、初期コンディショニング効果(使用直後の毛髪の滑らかさ満足度_満足度1)を比較した。
【0081】
その後、毎日1回ずつシャンプーし、10日後に毛髪のコンディショニング効果(10回シャンプー後の毛髪の滑らかさ満足度_満足度2)を比較した。
【0082】
前記コンディショニング効果は、5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)で官能評価して比較した。
【0083】
(2)結果
前記満足度の評価結果を下記表3に示した。
【0084】
表3に示されたように、アルキルケテン化合物を含まない比較例1~6に比べて、アルキルケテン化合物を使用した実施例1~8が、より優れたコンディショニング効果とコンディショニング持続効果を示すことを確認することができる。
【0085】
【表3】
【0086】
実験例2.処理温度による毛髪処理用組成物のコンディショニング効果の比較
(1)方法
実施例1~8の組成物を使用して、前記組成物を4g程度の毛髪トレスに1gずつを均一に塗布し、80~100℃の温度条件のヘアドライヤーで5分間乾燥して熱を加える方式で処理した。
【0087】
処理した後、最初に流水とシャンプーで洗浄し、初期コンディショニング効果(使用直後の毛髪の滑らかさ満足度_満足度1)を比較した。
【0088】
その後、毎日1回ずつシャンプーし、10日後に毛髪のコンディショニング効果(10回シャンプー後の毛髪の滑らかさ満足度_満足度2)を比較した。
【0089】
前記コンディショニング効果は、5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)で官能評価して比較した。
【0090】
(2)結果
前記満足度の評価結果を下記表4に示した。
【0091】
表4に示されたように、実施例のアルキルケテン化合物を含み、ヘアドライヤーを用いて80~100℃で5分間処理した毛髪トレスは、同一組成物を使用して常温で乾燥した場合と比較して、コンディショニング効果および持続性が比較的優れていることを確認することができる。
【0092】
これによって、熱処理条件が付加される場合、アルキルケテン化合物と毛髪との共有結合形成効率にさらに優れており、その結果、より優れたコンディショニング効果および持続効果を示すことを確認することができる。すなわち、本発明による組成物を使用する場合、毛髪が熱により損傷されず、コンディショニング効果がさらに改善される驚くべき効果が得られた。
【0093】
【表4】
【0094】
製造例2.繊維処理用組成物の製造(実施例9~16および比較例7~12)
下記表5および表6の成分を含む繊維処理用組成物(実施例9~16および比較例7~12)を製造した。下記表6で、アルキルケテン化合物は、化学式1の構造を有する化合物として、RおよびRを記載した。
【0095】
まず、精製水に脂肪酸またはアルキルケテン化合物と非イオン乳化剤およびエタノールを投入し、70℃まで加温して十分に撹拌した後、常温(25℃)に冷却して組成物を製造した。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
実験例3.繊維処理用組成物のコンディショニング効果の比較
(1)方法
前記製造された実施例8~16および比較例7~12の繊維処理用組成物を横×縦が20cm×20cmの標準ウール(Wool)布に1gずつ均一に処理し、常温で30分間放置して反応を誘導し、最初に流水と洗剤で洗浄し、乾燥して、初期繊維柔軟効果(使用直後の繊維柔軟力満足度_満足度1)を比較した。
【0099】
その後、3回洗濯洗剤を用いて洗濯した後、乾燥させて、繊維柔軟効果(3回洗濯後の繊維柔軟力満足度_満足度2)を比較した。
【0100】
前記繊維柔軟効果を5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)で官能評価して比較した。
【0101】
(2)結果
前記満足度の評価結果を下記表7に示した。
【0102】
表7に示されたように、アルキルケテン化合物を含まない比較例7~12に比べて、アルキルケテン化合物を使用した実施例9~16の場合がさらに繊維柔軟効果と繊維柔軟持続効果が得られることを確認することができる。
【0103】
【表7】
【0104】
実験例4.処理温度による繊維処理用組成物のコンディショニング効果の比較
(1)方法
実施例9~16の組成物を使用して、横×縦が20cm×20cmの標準ウール(Wool)布に1gずつ均一に処理し、約150~170℃の温度条件のアイロンで1分間アイロンをかけて、熱による反応を誘導した。
【0105】
その後、最初に流水とシャンプーでと洗剤で洗浄し、乾燥して、初期繊維柔軟効果(使用直後の繊維柔軟力満足度_満足度1)を比較した。
【0106】
その後、3回洗濯洗剤を用いて洗濯した後、乾燥させて、繊維柔軟効果(3回洗濯後の繊維柔軟力満足度_満足度2)を比較した。
【0107】
前記繊維柔軟効果を5点尺度(5:非常に優秀、4:若干優秀、3:差異なし、2:効果なし、1:非常に効果なし)で官能評価して比較した。
【0108】
(2)結果
前記満足度の評価結果を下記表8に示した。
【0109】
表8に示されたように、アルキルケテン化合物を含み、アイロンを用いて150~170℃で1分間処理したウール布は、同一組成物を使用して常温で乾燥した場合と比較して繊維柔軟効果および持続性がより優れていると評価された。
【0110】
これによって、熱処理条件が付加される場合、アルキルケテン化合物とウール繊維の共有結合形成効率がより優れていて、その結果、より優れた繊維柔軟効果および持続効果が得られたことを確認することができる。すなわち、本発明による組成物を使用する場合、繊維が熱により損傷されず、コンディショニング効果がさらに改善される驚くべき効果が得られた。
【0111】
【表8】
【0112】
さらに、実施例による組成物は、衣類乾燥機(LG電子-RH16VS)を使用して熱処理を加えても、同様の効果が得られた。
【0113】
製造例3.繊維処理用組成物の製造(実施例17~23および比較例13~18)
下記表9および表10の成分を含む繊維処理用組成物(実施例17~23および比較例13~18)を製造した。
【0114】
アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネートおよびせっけん(Soap)は、アニオン界面活性剤であり、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩およびエステルクォートは、カチオン界面活性剤であり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、非イオン界面活性剤である。
【0115】
また、アルキルケテン化合物としてC12-16アルキルケテン二量体(C12-16 alkyl ketene dimer)を使用した。
【0116】
まず、精製水にアニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤およびアルキルケテン化合物を投入し、70℃まで加温して十分に撹拌した。その後、温度を40℃に下げ、香りを投入して十分に撹拌した後、常温(25℃)に冷却して組成物を製造した。
【0117】
【表9】
【0118】
【表10】
【0119】
実験例5.アルキルケテン化合物および界面活性剤の組み合わせによる繊維物性改善効果の評価
実施例17~23の組成物について、官能評価(残香強度、柔軟性)、Stiffness、摩擦係数、接触角および収縮率を評価した。
【0120】
試料処理を次のように行った。
【0121】
まず、前記繊維処理用組成物を10倍希釈した。
【0122】
横×縦が8cm×8cmの標準綿布(E-211,Center For Testmaterials BV,Netherlands)を前記希釈した繊維処理用組成物に浸漬させ、マグネチックバーで400rpmの速度および35℃で1時間撹拌した。その後、綿布を取り出して、流れる水道水に3分間洗浄した後、キッチンタオルで表面の水気を拭き取り、60℃のドライオーブンに投入して2時間乾燥させた。25℃、50%RH条件で24時間保管した後、各評価項目の試験を行った。
【0123】
(1)官能評価
(1)方法
(A)試料処理後、綿布に残った香りの強度と柔軟性の程度を官能評価し、1点から5点までの点数を付与した。評価は、熟練したパネリストにより進行され、10回繰り返して平均値を求めた。
(B)また、綿布にSLES15%溶液を前記試料処理方法と同一に全3回処理し、洗浄および乾燥を3回繰り返した後、(A)と同じ方法で官能評価を行った。
-残香強度:1:香りがほとんど出ない、2:香りが弱い、3:香りが適当に出る、4:香りが強い、5:香りが非常に強い
-柔軟性:1:非常に堅い、2:若干堅い、3:普通、4:若干柔軟、5:非常に柔軟
【0124】
(2)結果
前記官能評価の結果を下記表11および表12に示した。
【0125】
表に示されたように、アルキルケテン化合物を単独使用した実施例23およびアルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した実施例17~22は、比較例と比較して、残香強度および柔軟性点数が高く評価されたことを確認することができる。特に、アルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用する場合、より優れた残香強度および柔軟性を有することを確認することができる。
【0126】
このような結果は、洗濯後にもその傾向を維持した。
【0127】
【表11】
【0128】
【表12】
【0129】
(2)Stiffness評価
(1)方法
(A)試料処理後、綿布の対向する2つの辺を装置(Pure Bending Tester(KES-FB2-S、Kato Tech,Japan))の2つの軸に平たく広げて固定させ、一方の軸を固定した状態で他方の軸を回転させ、綿布が曲がるときにかかるモーメントM(gf cm/cm)を綿布の曲率K(cm-1)によって記録(回転範囲:K=±2.5cm-1、回転速度:0.5cm-1/sec)した。
(B)曲率K=0~2.5cm-1の範囲内でモーメント変化量が一定の区間に対して線形フィッティング(linear fitting)を通じて勾配値1を得た。
(C)綿布を90度回転させて(A)および(B)過程を繰り返し、勾配値2を得た。
(D)勾配値1と2を幾何平均してStiffness(gf cm/cm)で示した(10回繰り返して平均)。
(E)また、綿布にSLES15%溶液を前記試料処理方法と同一に全3回処理し、洗浄および乾燥を3回繰り返した後、(A)~(D)と同様の方法でStiffness評価を行った(10回繰り返して平均)。
本実験は、25℃、50%RHで行われた。
【0130】
(2)結果
前記Stiffnessの評価結果を下記表13および表14に示した。
【0131】
表に示されたように、アルキルケテン化合物を単独使用した実施例23、およびアルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した実施例17~22は、比較例と比較して、Stiffnessが低く、より柔軟であることを確認でき、特に、アルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した場合、その効果がより優れていることを確認することができる。
【0132】
このような結果は、洗濯後にもその傾向を維持した。前記結果は、前述した柔軟性官能評価の結果と類似している。
【0133】
【表13】
【0134】
【表14】
【0135】
(3)摩擦係数の評価
(1)方法
(A)Friction Tester(MTT175,Dia-stron,UK)に専用ゴムProbeと200gの垂直抗力を加える分銅を装着し、試料処理された綿布を平たく広げて装置の移動板に固定させた。ゴムProbeを綿布の一端に接触させ、移動板を200mm/minの速度で移動させながら、ゴムProbeと綿布の間に発生する摩擦力を綿布の位置によって記録した。綿布の特定範囲における摩擦力の平均値と垂直抗力から摩擦係数を得た(10回繰り返して平均)。
(B)また、綿布にSLES15%溶液を前記試料処理方法と同様に全3回処理し、洗浄および乾燥を3回繰り返した後、(A)と同様の方法で摩擦係数を評価した(10回繰り返した平均値)。
本実験は、25℃、50%RHで行った。
【0136】
(2)結果
前記摩擦係数の評価結果を下記表15および表16に示した。
【0137】
表に示されたように、アルキルケテン化合物を単独使用した実施例23、およびアルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した実施例17~22は、比較例と比較して、摩擦係数が低いため、繊維表面の損傷がより少なく、かつやわらかいことを確認することができ、特に、アルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した場合、その効果がより優れていることを確認することができる。
【0138】
このような結果は、洗濯後にもその傾向を維持した。
【0139】
【表15】
【0140】
【表16】
【0141】
(4)接触角
(1)方法
(A)試料処理後、綿布を平たく広げて平行板に載置した後、任意の位置5ヶ所にそれぞれ蒸留水10μLを落とし、生成されたdropletのイメージをDrop Shape Analyzer(DSA100,Kruss,Germany)を用いて撮影し、接触角を測定した(10回繰り返して平均)。
(B)また、綿布にSLES15%溶液を前記試料処理方法と同一に全3回処理し、洗浄および乾燥を3回繰り返した後、(A)と同様の方法で接触角を評価した(10回繰り返して平均)。
本実験は、25℃、50%RHで行った。
【0142】
(2)結果
前記接触角の評価結果を下記表17に示した。
【0143】
界面活性剤のみが処理された比較例13~18は、液滴(droplet)が綿布に完全に吸収されて、接触角の測定が不可能であった。
【0144】
しかしながら、アルキルケテン化合物を単独使用した実施例23およびアルキルケテン化合物と界面活性剤を共に使用した実施例17~22は、30°以上の接触角を示し、これによって、繊維の表面が疎水性化したことを確認することができる。また、洗濯後にも、表面疎水性をある程度維持することを確認することができる。
【0145】
特に、アルキルケテン化合物と界面活性剤共に使用した実施例17~22は、90°に近い接触角を示し、洗濯後にも高い接触角を示すため、本発明の目的とする疎水性の付与を通じて長時間持続するコンディショニング効果を付与することができる。
【0146】
【表17】
【0147】
(5)収縮率
(1)方法
(A)実施例17~23および比較例13~18で製造した繊維処理用組成物を標準ウール布(537,Testfabrics,Inc.,USA)に処理した。
処理方法は、実験例5で前述した処理方法と同じである。
(B)ウール布を広げて一方の終端を装置(Volume Tester(Bolero Lite,BOSSA NOVA VISION,USA))内グリッパで保持して吊るした後、カメラで写真を撮って、ウール布の面積を測定して、元の面積(8cm×8cm)に対して収縮した程度を収縮率(%)で示した(10回繰り返して平均)。
(C)また、ウール布にSLES15%溶液を前記試料処理方法と同一に全3回処理して洗浄および乾燥を3回繰り返した後、(B)と同様の方法で収縮率を評価した(10回繰り返して平均)。
【0148】
(2)結果
前記収縮率の評価結果を下記表18および表19に示した。
【0149】
表に示されたように、アルキルケテン化合物を単独使用した実施例23、およびアルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した実施例17~22は、比較例と比較して、収縮率が低いため、繊維収縮防止力が高いことを確認することができる。特に、アルキルケテン化合物と界面活性剤とを共に使用した場合、その効果がさらに優れていることを確認することができる。
【0150】
このような結果は、洗濯後にもその傾向を維持した。
【0151】
【表18】
【0152】
【表19】
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、毛髪または繊維のタンパク質残基と共有結合が可能なアルキルケテン化合物が含有されているので、前記アルキルケテン化合物は、毛髪または繊維に損傷を与えることなく、前記タンパク質残基と共有結合を形成し、永久的な疎水性の付与を通じて長時間持続するコンディショニングなどの有益な効果を提供することができる。
【0154】
また、本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、熱(heat)による毛髪または繊維の損傷を防止および/または改善することができる。
【0155】
また、本発明による毛髪または繊維処理用組成物は、毛髪または繊維に残香を維持させることができ、柔軟性、やわらかさ、疎水性または収縮防止力を強化させることができる。

【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む毛髪処理用組成物:
【化1】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸である。
【請求項2】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸である、請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項3】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数16~18の直鎖の飽和または不飽和アルキルまたは18-メチルエイコサン酸(18-MEA)である、請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項4】
アルキルケテン化合物は、毛髪処理用組成物の全重量に対して0.0001~10重量部で含まれる、請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項5】
アルキルケテン化合物は、毛髪に適用されて、前記毛髪と共有結合を形成する、請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項6】
カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選ばれた1つ以上をさらに含む、請求項1に記載の毛髪処理用組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の毛髪処理用組成物で毛髪を処理する段階を含む毛髪のコンディショニング方法。
【請求項8】
髪処理用組成物中のアルキルケテン化合物は、毛髪と共有結合を形成する、請求項7に記載の毛髪のコンディショニング方法。
【請求項9】
髪への処理は、20~250℃で行われる、請求項7に記載の毛髪のコンディショニング方法。
【請求項10】
請求項1に記載の毛髪処理用組成物を含む、熱損傷の防止または改善のための毛髪処理用製品。
【請求項11】
髪処理用製品を製造するための、下記化学式1で表されるアルキルケテン化合物を含む組成物の使用:
【化2】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1~40の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数1~40の飽和または不飽和脂肪酸である。
【請求項12】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキルまたは炭素数8~22の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪酸である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
およびRは、それぞれ独立して、炭素数16~18の直鎖の飽和または不飽和アルキルまたは18-メチルエイコサン酸(18-MEA)である、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
アルキルケテン化合物は、アルキルケテン化合物を含む組成物の全重量に対して0.0001~10重量部で含まれる、請求項11に記載の使用。
【請求項15】
アルキルケテン化合物は、毛髪に適用されて、前記毛髪と共有結合を形成する、請求項11に記載の使用。
【請求項16】
アルキルケテン化合物を含む組成物は、カチオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤からなる群から選ばれた1つ以上をさらに含む、請求項11に記載の使用。
【国際調査報告】