(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】抗菌化合物および組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 20/60 20060101AFI20230719BHJP
A01N 61/00 20060101ALI20230719BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20230719BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20230719BHJP
C08L 33/14 20060101ALI20230719BHJP
C08L 27/06 20060101ALI20230719BHJP
A61L 31/04 20060101ALI20230719BHJP
A61L 31/16 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
C08F20/60
A01N61/00 D
A01N25/00 101
C08L101/00
C08L33/14
C08L27/06
A61L31/04
A61L31/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580385
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021039026
(87)【国際公開番号】W WO2021263074
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522499391
【氏名又は名称】プリヴェニアル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】グリーンホー,ブライアン,エム.
【テーマコード(参考)】
4C081
4H011
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4C081AC01
4C081AC06
4C081AC11
4C081AC16
4C081BA14
4C081CA021
4C081CA031
4C081CA041
4C081CA051
4C081CA081
4C081CA161
4C081CA171
4C081CA181
4C081CA201
4C081CA231
4C081CA271
4C081CB051
4C081CE01
4H011AA01
4H011BA01
4H011BB19
4H011BC19
4H011DA12
4H011DC05
4H011DH02
4J002AA001
4J002BB121
4J002BD041
4J002BG072
4J002FD182
4J002GB01
4J002GC00
4J100AM21P
4J100BC69P
4J100CA01
4J100DA01
4J100DA71
4J100FA03
4J100FA19
4J100JA50
4J100JA57
(57)【要約】
式(I)[式中、Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]による抗菌化合物が開示されている。開示されている化合物を使用して、微生物汚染に抵抗する組成物および物品を形成することができる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
の化合物。
【請求項2】
Xが臭化物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが-CH
2CH
3である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
ISO 20776-1:2019によって測定して、約0.4%以下のMICを有する、前述の請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
ISO 20776-1:2019によって測定して、約0.2%以下のMICを有する、前述の請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
ISO 20776-1:2019によって測定して、約0.4%以下のMBCを有する、前述の請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
ISO 20776-1:2019によって測定して、約0.2%以下のMBCを有する、前述の請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の少なくとも2種の異なる化合物を含む、混合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物およびベース材料を含む、組成物。
【請求項10】
Xが臭化物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
Rが-CH
2CH
3である、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記ベース材料が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルブロックアミド、アクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオキシメチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エポキシ、シリコーン、ラテックス、天然有機材料、またはそれらの任意の組合せである、請求項9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ベース材料がポリ塩化ビニルである、請求項9から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
式(I)の前記化合物が、約1~10重量%の量で前記組成物中に存在する、請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
式(I)の前記化合物が、約2~7重量%の量で前記組成物中に存在する、請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
式(I)の前記化合物が、約3~5重量%の量で前記組成物中に存在する、請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
請求項9から13のいずれか一項に記載の組成物を含む、物品。
【請求項18】
使い捨て手袋、マスク、医療用ガウン、靴カバー、医療用キャップ、医療用チューブ、送達デバイス、保存容器、埋込型デバイス、埋込型医療用リード、テキスタイル、またはスポンジを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
塗料、コーティング、シーラント、またはワックスを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
式(I):
【化2】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
スキーム1:
【化3】
によるものである、方法。
【請求項21】
Xが臭化物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
Rが-CH
2CH
3である、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
ベース材料を式(I):
【化4】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
の化合物と組み合わせることを含む、方法。
【請求項24】
Xが臭化物である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
Rが-CH
2CH
3である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記ベース材料が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルブロックアミド、アクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオキシメチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エポキシ、シリコーン、ラテックス、またはそれらの任意の組合せである、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、2020年6月25日に出願された米国仮出願第63/044,139号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、抗菌特性(抗微生物特性(antimicrobial property))を有する化合物および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
医療処置、医療機器の製造および包装、消費者製品、食品の調製または包装などの分野での使用を意図した材料の微生物汚染は、長年の関心事である。滅菌技術は、一時的に有効であり得、滅菌を維持することを意図した材料の製造および使用のプロトコールは、不完全であると証明されている。
【0004】
そのような材料への微生物負荷を低減するための別のアプローチとしては、抗菌コーティング、または抗菌特性を付与するために材料自体に組み込まれる組成物が挙げられる。関連分野での使用のための材料に抗菌特性を付与するためのさらなるアプローチが継続して必要である。
【発明の概要】
【0005】
要旨
本明細書には、式(I):
【0006】
【化1】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物(bromide)、塩化物(chloride)、フッ化物(fluoride)、またはリン酸塩(ホスフェート(phosphate))である負の対イオンである]
の化合物が開示される。
【0007】
式(I)の化合物およびベース材料を含む、組成物も開示されている。本開示は、そのような組成物を含む、物品も提供する。
【0008】
本開示は、式(I)による化合物を調製するための方法にも関する。ベースポリマー材料を式(I)の化合物と組み合わせることを含む、方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実例的な実施形態の詳細な説明
本発明は、本開示の一部を形成する添付の実施例に関連して用いられる以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。これらの発明は、本明細書に記載のおよび/または示されている特定の配合物、方法、物品、またはパラメータに限定されず、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を単に例示的に説明することを目的としており、特許請求される発明を限定することを意図するものではないと理解されたい。
【0010】
本文書で引用または説明される各特許、特許出願、および刊行物の開示全体が、これによって、参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
先におよび本開示全体にわたって用いられるように、以下の用語および略語は、特に指示のない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
【0012】
本開示において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数の言及を含み、特定の数値への言及は、文脈から明確に指示されない限り、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「材料」への言及は、当業者に公知のそのような材料およびその均等物などのうちの1つまたは複数への言及である。さらに、特定の要素がX、Y、またはZ「であり得る」ことを示す場合、そのような使用法によって要素の他の選択肢を全ての場合で除外することは意図されていない。
【0013】
直前に「約」を使用することによって値が近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成すると理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「約X」(ここで、Xは数値である)は、好ましくは、記述されている値の±10%(両端を含む)を指す。例えば、「約8」という語句は、7.2~8.8(両端を含む)の値を指し得る。この値は、「ちょうど8」を含み得る。存在する場合、全ての範囲は、包括的かつ組合せ可能である。例えば、「1~5」の範囲が記述されている場合、記述されている範囲は、「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2および4~5」、「1~3および5」などの範囲を任意選択的に含むものと解釈されるべきである。さらに、代替物の一覧が積極的に提供される場合、そのような一覧は、代替物のいずれかが除外され得る実施形態も含み得る。例えば、「1~5」の範囲が記載されている場合、そのような記載は、1、2、3、4、または5のいずれかが除外される状況に対応することができ、したがって、「1~5」という記述は、「1および3~5であるが2ではない」または単に「2が含まれていない場合」に対応し得る。
【0014】
微生物(例えば、細菌)汚染は、食品または医薬品成分と接触する医療機器または材料に関連しているかどうかにかかわらず、深刻な結果をもたらし得る。使い捨て手袋または医療用チューブなどの品目の製造に使用される場合、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、またはポリカーボネートなどの材料は、微生物汚染の影響を受けやすいであろう。微生物汚染が問題となる医療および他の文脈で一般的に使用される材料に抗菌特性を付与するこれまでの取り組みでは、材料自体への表面コーティングおよび添加剤の両方に焦点を当ててきた。本発明者らは、抗菌特性を付与するために一般的に使用される材料と容易に組み合わせることができる新規の化合物を発見した。この化合物は、多目的であり、製造が容易であり、低濃度で使用しても非常に効果的である。
【0015】
本明細書では、式(I):
【0016】
【化2】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
による化合物が提供される。
【0017】
ある特定の実施形態では、Xは臭化物である。これらの実施形態のうちのいくつかに関して、Rは、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、または-(CH2)3CH3である。例えば、一実施形態では、Xは臭化物であり、Rは-CH2CH3である。
【0018】
最終的な形態では、化合物は、約10kDa~約200kDaの分子量を有し得るホモポリマーを表す。例えば、ホモポリマー化合物は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200kDaの分子量を有し得る。
【0019】
式(I)による少なくとも2種の異なる化合物を含む、混合物も提供される。例えば、本開示による混合物は、式(I)[式中、Xは臭化物であり、Rは-CH2CH3である]による化合物および式(I)[式中、Xは臭化物であり、Rは-OHである]による化合物を含み得る。一実施形態では、混合物は、式(I)[式中、Xは臭化物であり、Rは-CH2CH3である]による化合物および式(I)の少なくとも1種の追加の化合物を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本混合物は、第1の化合物と同じ置換基を有するが第1の化合物の分子量とは異なる分子量を有する別の化合物(すなわち、ここで、可変基RおよびXは、第1の化合物と同じである)と組み合わされた、第1の分子量を有する式(I)の単一の化合物を表し得る。例えば、本開示による混合物は、Xが臭化物であり、Rがエチルであり、約50kDaの分子量を有する第1の化合物、およびXが臭化物であり、Rがエチルであり、約150kDaの分子量を有する第2の化合物を含み得る。
【0021】
本開示全体にわたって使用される場合、「抗菌(抗微生物(antimicrobial))」は、測定可能な程度で微生物負荷を低減する能力、または通常であれば発生し得る微生物汚染を防止もしくは縮小する能力を指す。例えば、本開示による抗菌化合物(抗微生物化合物(antimicrobial compound))は、それが混合されるベース材料に関して微生物負荷を低減することができるか、またはベース材料に関して永続的な微生物汚染を防止することができる。
【0022】
ベース材料と組み合わされる場合、本開示の化合物は、本化合物と組み合わせていないベース材料と比較して、ベース材料中またはその上の病原体の数を低減するのに有効である。本化合物の抗菌効果は、最小阻止濃度(MIC)、最小殺菌濃度(MBC)、またはその両方で表され得る。本化合物のMICは、ISO 20776-1:2019に従って測定して、例えば、約0.5%、0.45%、0.4%、0.35%、0.3%、0.25%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、または0.15%以下であり得る。本化合物のMBCは、ISO 20776-1:2019に従って測定して、例えば、約0.5%、0.45%、0.4%、0.35%、0.3%、0.25%、0.2%、0.19%、0.18%、0.17%、0.16%、または0.15%、0.14%、0.13%、0.12%、0.11%、0.1%、0.05%、0.01%、0.005%、または0.0005%以下であり得る。
【0023】
本化合物が数の低減を生じさせるのに有効である微生物は、例えば、グラム陰性菌、グラム陽性菌、原生動物、ウイルス、バクテリオファージ、および古細菌などの任意の単細胞生物であり得る。本化合物は、任意のそのような微生物に対して抗菌効果を有し得る。本化合物が数の低減を生じさせるのに有効である細菌の例としては、グラム陽性菌およびグラム陰性菌、例えば、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、大腸菌(Escherichia coli)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、カンピロバクター(Campylobacter)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、赤痢菌(Shigella)、モラクセラ種(Moraxella spp.)、ヘリコバクター(Helicobacter)、ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)、レジオネラ種(Legionella spp.)(例えば、ニューモフィラ(pneumophila))、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、サルモネラ・チフス(Salmonella typhi)、およびそれらの組合せが挙げられる。本開示の化合物を使用して低減することができるサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)血清型の例としては、例えば、サルモネラ・エンテリディティス(Salmonella enteriditis)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・プーナ(Salmonella poona)、サルモネラ・ハイデルベルグ(Salmonella heidelberg)、およびサルモネラ・アナタム(Salmonella anatum)が挙げられる。本化合物が数の低減を生じさせるのに有効である例示的なウイルスとしては、コロナウイルス、ライノウイルス、およびインフルエンザウイルスが挙げられる。
【0024】
本開示は、式(I)による化合物およびベース材料を含む、組成物も提供する。式(I)の化合物は、先に定義したような任意の化合物またはそのような化合物の混合物であり得る。ベース材料は、医療従事者によって使用されるチューブ、送達デバイスもしくは防護服を含む、医療診断もしくは処置での使用のための物品、医薬品もしくは食品の包装での使用のためなどの包装物品を少なくとも部分的に形成するために使用される任意の材料であり得るか、または微生物汚染を回避することが望ましい任意のその他のベース材料であり得る。
【0025】
例えば、ベース材料は、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ナイロン6、ナイロン10、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルブロックアミド、アクリレート(acrylate)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオキシメチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エポキシ、シリコーン、ラテックス、もしくは任意のその他のコモディティバルク材料、例えばコモディティバルクプラスチック、またはそれらの任意の組合せもしくは混合物であり得る。例えば、ベース材料は、アクリロニトリルとブタジエンとのコポリマーであるニトリルゴムであり得る。
【0026】
式(I)の化合物は、約0.05~15重量%(wt%)の量で組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約0.05~13、0.1~15、0.1~10、0.2~13、0.3~15、0.3~13、0.3~10、0.4~15、0.4~13、0.4~10、0.5~10、1~10、1~9、1~8、2~7、3~7、3~6、または3~5重量%の量で組成物中に存在する。例えば、式(I)の化合物は、約0.05、0.07、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、または15重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0027】
本組成物は、例えば、組成物の加工性または最終使用性能の改善などを行う1つまたは複数の追加の構成要素、例えば、1種または複数の充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、増粘剤、着色剤、レオロジー剤などを任意選択的に含み得る。
【0028】
充填剤は、追加の強度を与えるために、または組成物の最終的な選択される特性に基づき得る追加の特性を提供するために、選択され得る。いくつかの態様では、充填剤は、粘土、酸化チタン、アスベスト繊維、ケイ酸塩およびシリカ粉末、ホウ素粉末、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、硫化物、バリウム化合物、金属および金属酸化物、ウォラストナイト、ガラス球、ガラス繊維、フレーク状充填剤、繊維状充填剤、天然充填剤および強化材、ならびに強化有機繊維状充填剤を含み得る無機材料を含み得る。ある特定の態様では、複合材は、ガラス繊維充填剤を含み得る。なおさらなる態様では、複合材は、ガラス充填剤を含んでいなくてもよいか、またはこれを実質的に含んでいなくてもよい。
【0029】
適切な充填剤または強化剤としては、例えば、雲母、粘土、長石、石英、珪岩、パーライト、トリポリ、珪藻土、ケイ酸アルミニウム(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、砂、窒化ホウ素粉末、ケイ酸ホウ素粉末、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム(白亜、石灰岩、大理石、および合成沈降炭酸カルシウムなど)、タルク(繊維状、モジュラー、針状、および層状タルクを含む)、ウォラストナイト、中空または中実ガラス球、ケイ酸塩球、セノスフィア、アルミノケイ酸塩または(アルモスフィア(armosphere))、カオリン、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、鉄、ニッケルまたは銅のウィスカー、連続および細断炭素繊維またはガラス繊維、硫化モリブデン、硫化亜鉛、チタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム、重晶石、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、粒子状または繊維状アルミニウム、青銅、亜鉛、銅、またはニッケル、ガラスフレーク、フレーク状炭化ケイ素、フレーク状二ホウ化アルミニウム、フレーク状アルミニウム、鋼フレーク、天然充填剤、例えば、木粉、繊維状セルロース、綿、サイザル麻、ジュート、デンプン、リグニン、粉砕されたナッツ殻または米粒皮、強化有機繊維状充填剤、例えば、ポリ(エーテルケトン)、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、ポリエチレン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリ(ビニルアルコール)、ならびに前述の充填剤または強化剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。充填剤および強化剤は、ポリマーマトリックスとの接着および分散を改善するために、例えばシランでコーティングまたは表面処理され得る。充填剤は、一般に、組成物全体の100重量部に対して、1~200重量部の量で使用され得る。
【0030】
組成物は、可塑剤も含み得る。例えば、可塑剤としては、フタル酸エステル、例えば、ジオクチル-4,5-エポキシ-ヘキサヒドロフタレート、トリス(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリステアリン、エポキシ化大豆油など、または前述の可塑剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。可塑剤は、一般に、あらゆる充填剤を除いた組成物全体の100重量部に対して、約0.5~約3.0重量部の量で使用される。
【0031】
紫外線(UV)吸収剤も、開示されている組成物中に存在し得る。例示的な紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシベンゾフェノン類;ヒドロキシベンゾトリアゾール類;ヒドロキシベンゾトリアジン類;シアノアクリレート類;オキサニリド類;ベンゾオキサジノン類;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(CYASORB(商標)5411);2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB(商標)531);2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチルオキシ)フェノール(CYASORB(商標)1164);2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)(CYASORB(商標)UV-3638);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(UVINUL(商標)3030);2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン);1,3-ビス[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]-2,2-ビス[[(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン;粒子サイズが全て100ナノメートル未満であるナノサイズ無機材料、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、および酸化亜鉛;もしくは同様のもの、または前述のUV吸収剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。UV吸収剤は、一般に、あらゆる充填剤を除いた組成物全体の100重量部に対して、0.01~3.0重量部の量で使用される。
【0032】
さらなる態様では、1種または複数の光安定剤が、本組成物中に存在し得る。例示的な光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、および2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンなど、または前述の光安定剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。光安定剤は、一般に、あらゆる充填剤を除いた組成物全体の100重量部に対して、約0.1~約1.0重量部の量で使用され得る。
【0033】
本組成物は、熱安定剤を含み得る。一例として、熱安定剤としては、例えば、有機ホスファイト類、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(混合モノ-およびジノニルフェニル)ホスファイトなど;ホスホン酸エステル、例えばジメチルベンゼンホスホネートなど、リン酸エステル、例えばトリメチルホスフェートなど、または前述の熱安定剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。熱安定剤は、一般に、あらゆる充填剤を除いた組成物全体の100重量部に対して、0.01~0.5重量部の量で使用され得る。
【0034】
組成物は、1種または複数の酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、一次酸化防止剤または二次酸化防止剤のいずれかを含み得る。例えば、酸化防止剤としては、有機ホスファイト類、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなど;アルキル化モノフェノール類またはポリフェノール類;ポリフェノール類とジエン類とのアルキル化反応生成物、例えばテトラキス[メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンなど;パラクレゾールまたはジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;アルキル化ヒドロキノン類;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類;アルキリデンビスフェノール類;ベンジル化合物;ベータ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル類;ベータ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル類;チオアルキルまたはチオアリール化合物のエステル類、例えば、ジステアリルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど;ベータ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド類など、または前述の酸化防止剤のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。酸化防止剤は、一般に、あらゆる充填剤を除いた組成物全体の100重量部に対して、0.01~0.5重量部の量で使用され得る。
【0035】
本組成物は、顔料または着色剤を含み得る。好適な着色剤としては、ソルベントグリーン3、ソルベントグリーン28、ソルベントグリーン38、ピグメントグリーン50、ピグメントグリーン36、ソルベントレッド52、ソルベントレッド101、ソルベントレッド111、ソルベントレッド135、ソルベントレッド169、ソルベントレッド179、ソルベントレッド207、ピグメントレッド101、ディスパースレッド22、バットレッド41、ソルベントオレンジ60、ソルベントオレンジ63、ディスパースオレンジ47、ソルベントバイオレット13、ソルベントバイオレット14、ソルベントバイオレット36、ソルベントバイオレット50、ディスパースバイオレット26/31、ピグメントブルー29、ピグメントブルー60、銅フタロシアニンピグメントブルー15.4、ディスパースブルー73、ソルベントブルー97、ソルベントブルー101、ソルベントブルー104、ソルベントブルー122、ソルベントブルー138、ピグメントイエロー53、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー33、ソルベントイエロー114、ソルベントイエロー93、ソルベントイエロー98、ソルベントイエロー163、ソルベントイエロー160:1、ソルベントイエロー188、ピグメントブラウン24、アミノケトンブラック、酸化クロム、カーボンブラック、チャンネルブラック、およびピグメントブラック6など、ならびに前述のもののうちの1種または複数を含む組合せが挙げられ得るが、これらに限定されることはない。任意の有効量の着色剤が成形品に含まれ得る。いくつかの態様では、着色剤は、成形品中に、組成物の約0.00001~約0.01重量%の量で存在するか、またはある特定の態様では、組成物の約0.00002~約0.0010重量%の量で存在するか、もしくは組成物の約0.00002~約0.0005重量%の量でさえ存在する。
【0036】
組成物は、白色顔料などの1種または複数の顔料を含み得る。白色顔料は、不透明性または明るい不透明な外観を与え得る。白色顔料の例としては、二酸化チタン、硫化亜鉛(ZnS)、酸化スズ、酸化アルミニウム(AlO3)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸カルシウム、硫酸バリウム(BaSO4)、炭酸カルシウム(例えば、白亜)、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン(Sb2O3)、白鉛(塩基性炭酸鉛、2PbCO3・Pb(OH)2)、リトポン(硫酸バリウムと硫化亜鉛との組合せ)、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素(SiO2、すなわち、シリカ)、雲母、粘土、タルク、前述の材料の金属ドープしたバージョン、および前述の材料のうちの少なくとも1種を含む組合せが挙げられ得る。顔料は、約0.1重量%~約50重量%の量で存在し得る。一例として、組成物は、二酸化チタンを0.1重量%~50重量%の間の量で含み得る。さらなる例では、組成物は、二酸化チタンを0.1重量%~20重量%の間の量で含み得る。
【0037】
本明細書では、開示されている実施形態のうちのいずれかによる組成物を含む、物品も提供される。本開示による物品は、最終的な製品を製造するために少なくとも部分的に使用されるバルクコモディティ材料であり得るか、または物品自体は、製品の構成要素、もしくは完成品であり得る。例えば、物品は、テキスタイル、または材料のシート、インゴット、ペレットもしくはロールであり得る。一実施形態では、物品は、室内装飾ビニルなどのビニル製品である。別の実施形態では、物品は、なめし皮革または生皮革などの天然物である。物品が完成品または完成品の構成要素を表す場合、物品は、例えば、医療処置または医療従事者(例えば、医師、歯科医、看護師、衛生士、用務員、助手)による他の方法で使用される製品、例えば、使い捨て手袋、保護マスク、医療用ガウン、靴カバー、医療用キャップ、医療用チューブ、送達デバイス、保存容器、埋込型デバイス、埋込型医療用リード、スポンジ、またはそれらの構成要素であり得る。あるいは、物品は、塗料(paint)、シーラント、コーティングもしくはワックス、またはそれらの構成要素であり得る。物品中の本発明の化合物の存在は、物品が、微生物汚染の影響を受けにくく、医療処置および食品の加工、保存または給仕などの重要な文脈でより安全に使用することができるように、抗菌特性を付与する。
【0038】
本開示は、式(I):
【0039】
【化3】
[式中、
Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
スキーム1:
【0040】
【0041】
本方法は、先に記載のような式(I)による任意の化合物を生成するために使用され得る。例えば、本方法が生成する化合物は、Xが臭化物であるようなものであり得る。これらの実施形態のうちのいくつかに関して、Rは、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、または-(CH2)3CH3である。例えば、一実施形態では、Xは臭化物であり、Rは-CH2CH3である。
【0042】
本方法に関する追加の態様は、以下に提供される実施例に関連して提供される。
【0043】
本明細書では、ベース材料を式(I):
【0044】
【化5】
[式中、Rは、H、-OH、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、または-(CH
2)
2OCH
3であり、Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、またはリン酸塩である負の対イオンである]
の化合物と組み合わせることを含む、方法も提供される。本方法は、先に記載のような式(I)による任意の化合物の使用を含み得る。例えば、本方法での使用のための化合物は、Xが臭化物であるものであり得る。これらの実施形態のうちのいくつかに関して、Rは、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、または-(CH
2)
3CH
3である。例えば、一実施形態では、Xは臭化物であり、Rは-CH
2CH
3である。
【0045】
ベース材料は、ここに開示されている組成物に関連して先に記載されている任意の材料であり得る。したがって、ベース材料は、医療従事者によって使用されるチューブ、送達デバイスもしくは防護服を含む、医療診断もしくは処置での使用のための物品、医薬品もしくは食品の包装での使用のためなどの包装物品を少なくとも部分的に形成するために使用される任意の材料であり得るか、または微生物汚染を回避することが望ましい任意のその他のベース材料であり得る。
【0046】
例えば、ベース材料は、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルブロックアミド、アクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリオキシメチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エポキシ、シリコーン、ラテックス、天然有機材料、もしくは任意のその他のコモディティバルク材料、例えばコモディティバルクプラスチック、またはそれらの任意の組合せもしくは混合物であり得る。例えば、ベース材料は、アクリロニトリルとブタジエンとのコポリマーであるニトリルゴムであり得る。「天然有機材料」としては、例えば、農作物、飼料、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、家禽、および毛皮動物を含むがこれらに限定されない作物および家畜から作製された材料を含む農産物が挙げられ得る。家畜からの材料の具体例としては、皮(例えば、皮革製品)および毛皮が挙げられる。
【0047】
式(I)の化合物は、これが組成物(すなわち、ベース材料および任意のその他の構成要素との組合せから得られるもの)中に組成物の総重量に対して約0.5~15重量%の量で存在するように提供され得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、組成物中に、約0.5~10、1~10、1~9、1~8、2~7、3~7、3~6、または3~5重量%の量で存在する。例えば、式(I)の化合物は、約0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、または15重量%の量で存在し得る。
【0048】
本方法に従って式(I)による化合物をベース材料と混合することは、混合またはブレンドなどの任意の許容可能な技術を使用して実施され得る。当業者は、化合物をベース材料と組み合わせるための好適な実験室用および産業用機器、例えば、タービン、ミキサー(例えば、クロスクリアランス(cross-clearance)、静的、真空、ジェット、高粘度、水平、インターミックス、ターボ、プラネタリー、バンバリー)、ブレンダー(例えば、Vブレンダー、ツインスクリュー、コーンスクリュー、ダブルコーン)、または他の好適な機器を識別することができる。
【実施例】
【0049】
以下の実施例は、本明細書で特許請求される配合物、方法、および物品がどのように開発および評価され得るかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために記載されており、純粋に発明の例示であることを意図しているのであって、発明者らが自身の発明として考慮するものの範囲を限定することを意図したものではない。数値(例えば、量)について正確性を期すよう努めているが、多少の誤差および偏差が配慮されるべきである。
【0050】
実施例1 式(I)の化合物の調製
式(I)
【0051】
【化6】
の化合物をスキーム1に従って以下の通りに調製した:
【0052】
【化7】
[式中、Rは-CH
2CH
3であり、Xは臭素である]。
【0053】
最初に、第二級アミン前駆体(6.81g、50.0mmol)およびトリエチルアミン(7.3mL、52.5mmol)を、撹拌棒、N2入口およびサーモウェルを備えた250mLの三口フラスコ内でトルエン(100mL)に溶解させた。混合物を氷-メタノール浴中で-12℃に冷却した。塩化アクリロイル(4.06mL、50.0mmol)を滴下添加した。最初の液滴で黄色の塊が生成されたため、塩化アクリロイルの残りをトルエン(20mL)中に希釈し、最大撹拌速度で滴下添加した。添加速度を制御し、冷却浴を手動で撹拌して、添加全体にわたって内部温度を-4℃未満に保った。混合物を周囲温度付近(7℃)に温め、真空濾過して、沈殿したEt3N・HClを除去した。濾過ケークをトルエン(2×20mL)で洗浄し、合わせた濾液を、トルエン中で調製したシリカゲルカラム(48g)に充填した。生成物をEtOAcで溶出した。望ましい生成物の最初の画分は、EtOAc溶媒フロントの直前で溶出し、より高いRf不純物で汚染されていた。混合画分の収量1.48g。生成物の残りは、純粋なEtOAcに溶出し、TLCおよびNMRによると、純粋であった(ゆっくりと回転させながら一晩さらに乾燥させることによって除去された残留EtOAcを除く)。純粋な画分の収量4.50g(47%)、総収量5.98g(63%)。モノマー501PAL25(純粋な画分、4.47g、23.5mmol)を、N2ラインバブラーへの入口、サーモウェルおよび撹拌棒を有する100mLの三口フラスコ内でメタノール(45mL)に溶解させた。3つ目のネックをポリエチレンストッパーで密閉し、ストッパーを通して挿入した針を使用して、溶液にN2をスパージした。20分後に、溶液を60℃に加熱した。AIBN(19.3mg、117μmol、および0.5mol%)をN2流に逆らって添加し、フラスコを新しいポリエチレンストッパーで密閉した。フラスコのネックからAIBNを洗い流すために、手動撹拌が必要であった。60℃にてN2下で21時間撹拌した後に、シリンジによって0.2mLの試料を採取し、N2下でブロー乾燥させ、CDCl3中で1H NMRによって分析したところ、これは、約25%の重合を示した。第2の試料(1mL)を、急速に撹拌しているMTBE(10mL)に滴下添加した。得られたゴム状の黄色の沈殿物をDCMに溶解させ、ブロー乾燥させ、DCMに再溶解させ、シリンジ(総体積0.3mL)に取り、急速に撹拌しているMTBE(3mL)中で再沈殿させた。得られた白色の粉末状沈殿物を濾過(綿栓パスツールピペット)によって収集し、MTBEで洗浄し、N2流下で乾燥させ、CDCl3中で1H NMRによって分析したところ、これは、ポリマーと一致する広いピークのみを示した。AIBNの2つ目の部分(19mg、0.5mol%)を添加し、混合物を60℃でさらに24時間撹拌した。NMRは、50%強の変換を示した。AIBNの3つ目の0.5mol%の部分を添加し、混合物を60℃でさらに45時間撹拌した。冷却後に、混合物を泡状のガラス状固体に濃縮した。残留物をDCMに取り込み、16mLに希釈し、NMR分析のために少しの試料を乾燥させたところ、これは、70%の変換を示した。残りの橙褐色の溶液を、急速に撹拌しているMTBE(160mL)に滴下添加した。10分間の撹拌後に、沈殿物を濾過によって収集し、N2流下で乾燥させ、DCM(15mL)に再溶解させ、MTBE(150mL)に再沈殿させた。生成物を濾過によって収集し、室温にて真空(75mtorr)下で一晩乾燥させた。CDCl3中でのNMRは、0.39当量(15質量%)の残留MTBE含有量を示した。さらに45℃で4時間乾燥させると、MTBE含有量は、質量損失およびCD3OD中でのNMRに基づいて、12%に低減した。最終的な収量3.22g(溶媒含有量について補正して63%)。
【0054】
部分的に四級化されたポリマー:中性ピリジンポリマー(2.4g、11.1mmolのモノマー単位)をメタノール(9mL)に溶解させ、ブロモヘキサン(3.1mL、22mmol)を添加した。混合物をN2下で14時間還流し、試料をN2下でブロー乾燥させ、真空下でさらに乾燥させ、CD3OD中での1H NMRによって分析したところ、これは、70%強の四級化を示した。60℃でさらに25時間、続いて室温で4日後に、NMRは、遊離ピリジン基が完全に消費されたことを示したが、ピリジニウム基と一致する2セットのシグナルがあった。反応混合物の試料(それぞれ0.2mL)を、THF、EtOAc、またはiPrOAc(溶媒はそれぞれ3mL)を含有するバイアルに添加した。EtOAcは、最も濾過性のある沈殿物をもたらした。後者を濾過によって収集し、N2流下で乾燥させ、CD3OD中での1H NMRによって分析したところ、これも、2セットのピリジニウムシグナルを示した。Et3N(10μL)をNMR試料に添加し、スペクトルを再度実行した。ピリジニウムシグナルは、N-ヘキシルピリジニウム(85%)および遊離ピリジン(15%)と一致するセットに分岐し、これは、プロトン化の競合を理由に四級化が停止したことを示していた。反応混合物の第2の試料を、Bu3N(0.1mL)で処理し、単相になるまでMeOHで希釈し、EtOAc中に沈殿させた。得られた沈殿物(501PAL32p2)のNMRは、先と同じピリジニウム-遊離ピリジン比を示し、Bu3Nは、ポリマーに保持されなかった。反応混合物の残りをBu3N(2.6mL、1当量)で処理し、急速に撹拌しているEtOAc(170mL)中に沈殿させた。得られたゴム状の橙色の沈殿物をデカンテーションによって分離し、粉末になるまでEtOAcで粉砕し、濾過によって収集し、EtOH(9mL)中に溶解させ、EtOAc(180mL)中に沈殿させた。粉末状の沈殿物をN2下で濾過によって収集し、スクロールポンプ真空で回転させながら45℃で乾燥させた。NMRは、88%のN-ヘキシルピリジニウムおよび12%の遊離ピリジン基を示した。収量2.79g(75%)。
【0055】
完全に四級化されたポリマー:部分的に四級化されたポリマー(2.50g、重量平均MWに基づいて7.45mmolのモノマー単位)をMeCN(7.5mL)に溶解させた。ブロモヘキサン(1.04mL、7.45mmol)を添加し、混合物をN2下で24.5時間還流した。試料をN2下でブロー乾燥させ、CD3OD中でのNMRによって分析したところ、これは、完全な四級化と一致していた。これは、Et3N(10μL)を添加することによって確認したが、それによっては、芳香族領域に変化はもたらされなかった。反応混合物の残りを、0.45μmのシリンジフィルターに通したEtOH(2.5mL)で希釈し、急速に撹拌しているEtOAc(180mL)中に沈殿させた。15分間の撹拌後、生成物をN2下で濾過によって収集し、EtOAcで2回洗浄し、N2流下で乾燥させた。得られた粉末を真空(最終的に65mtorr)下で回転させながら50℃で2.5時間さらに乾燥させると、淡い橙色の粉末が得られた。収量2.39g(90%)。NMRは、これらの乾燥条件下で溶媒の完全な除去を示した。
【0056】
実施例2 抗菌効果
式(I)による化合物、実施例1に記載の手順に従って形成された化合物であるN-ヘキシルピリジウム-N-エチルアクリルアミドポリマーを試験して、医療機器および食品加工および保存材料の汚染に一般的に関連する2つの細菌種であるサルモネラ・アウレウス(Salmonella aureus)(ATCC 6538)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 9027)に対する最小阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)を決定した。
【0057】
試験化合物(粉末形態で生成)を滅菌DI水中で再構成した。開始濃度を12.5%にするために、0.25gmを、2.0mLの滅菌DI水を有する溶液に混合した。
【0058】
ライブラリフリーザーストック(library freezer stock)からの試験微生物を10.0mLのトリプティックソイブロス(TSB)プレートに加えること(initiating)によって試験接種物を調製し、36.0±1℃で18~24時間インキュベートした。インキュベーション後に、培養物を遠心分離し、10.0mLの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁させた。0.200mLの培養物を9.0mLの滅菌PBSに移して、約1.5×108CFU/mLの0.5マクファーランド標準濃度を達成した。マクファーランド標準の原培養物(raw culture)0.500mLを10.0mLのPBSに移して試験接種物を作製することによって、培養物をPBS中にさらに希釈して、試験接種物についての2×105~8×105CFU/mLの目標濃度を達成した。調製された試験接種物は、接種物の調製を完了してから30分以内に使用した。
【0059】
ブロス微量希釈MIC。連続1:1希釈(1部の試験化合物:1部の希釈剤)を96ウェルマイクロタイタープレートにおいて実施した。ミュラーヒントンブロス(MHB)をウェル希釈剤として使用した。0.100mLのMHBをウェル2~10に添加した。0.200mLの試験化合物をウェル1に添加し、次いで、ウェル1から0.100mLを採取し、これをウェル2に添加し、混合することによって希釈した。次いで、ウェル2から0.100mLを採取し、ウェル3に添加し、次いで、完全に混合した。前のウェルから次のウェルへの0.100mLの移すことをウェル10まで続けた。内容物が完全に混合された後に、0.100mLをウェル10から廃棄した。ブロス微量希釈MICは、1回の反復で(in single replicate)実施した。
【0060】
調製した接種物を適切な微生物の各ウェルに0.010mLの量で添加した。試験接種物を使用して、試験における使用のための培養物の希釈から30分以内に全てのウェルに接種した。
【0061】
対照。0.100mLのMHBをウェルに入れ、0.010mLの適切な試験接種物をブロスに添加し、ウェルを完全に混合することによって、陽性対照ウェルをウェル12に作製した。陽性対照ウェルには試験物質を添加しなかった。0.200mLのMHBをウェルに入れることによって、ウェル11に陰性対照ウェルを作製した。陰性ウェルには接種せず、ウェルには試験物質を添加しなかった。
【0062】
濁り対照ウェル。試験物質の濁りのために、各試験物質について対照ウェルを作製した。対照ウェルは、ブロス微量希釈MICの項で先に記載したのと同じように試験物質およびMHBを含有し、ウェルには接種物を添加しなかった。
【0063】
ウェルのゼロ時濃度。0.010mLを陽性ウェルから取り出し、これを10.0mLの滅菌PBSに添加することによって、ウェルのゼロ時濃度を決定した。適切な希釈物をトリプティックソイアガーにプレーティングした。
【0064】
培地対照。それぞれの試験微生物の純度画線は、TSAにおいて実施した。試験で使用した全ての培地の滅菌は、TSAにおいて実施した。
【0065】
中和検証。それぞれの微生物について、MBCの前に中和有効性および中和毒性試験を実施した。検証は、二重反復で実施した。中和検証は、試験で使用した試験物質の最高濃度に対してのみ実施した。中和有効性検証は、マクファーランド標準の試験微生物を使用することによって実施した。試験微生物を滅菌PBSで連続希釈して、中和剤懸濁液中で約10~100CFU/mLの濃度を達成した。0.900mLの滅菌Dey-Engley中和ブロス(D/Eブロス)に0.010mLの希釈された試験微生物を接種した。それから、接種されたD/Eブロス懸濁液に0.100mLの試験物質を添加した。懸濁液を10分間超放置し、次いで、チューブ全体をTSAにプレーティングした。中和剤毒性検証は、中和有効性試験に使用した希釈された試験微生物を使用することによって実施した。0.900mLの滅菌Dey-Engley中和ブロス(D/Eブロス)に0.010mLの希釈された試験微生物を接種し、接種されたD/Eブロス懸濁液に0.100mLのPBSを添加した。懸濁液を10分間超放置し、次いで、チューブ全体をTSAにプレーティングした。
【0066】
最小阻止濃度(MIC)の決定。インキュベーション後に、マイクロタイターウェルを濁りについて目視で調べた。濁りおよび/またはマイクロタイターウェル内の大きな微生物凝集の存在は、希釈における増殖を示す。増殖を陽性対照ウェルおよび対照ウェルと比較した。MICは、増殖(濁り)が目視で観察されない最低濃度であると決定された。
【0067】
最小殺菌濃度(MBC)の決定。0.050mLを、観察されたMICに対応するウェルおよびより高い試験物質濃度の2つの連続したウェルから取り出した。観察されたMICのウェルおよびより高い試験物質濃度の2つの連続したウェルから取り出したアリコートを、0.900mLのD/Eブロスに添加し、ボルテックス混合した。懸濁液をTSAで注入プレーティングした。D/E懸濁液を有するマイクロタイターチューブの内容物全体をプレーティングした。MBCは、ウェルのゼロ時濃度と比較してCFU/mLで3log10の減少を示した試験物質の最低濃度であった。
【0068】
調査の成功基準は、以下の通りであった:1.陽性対照ウェルは、増殖について陽性である;2.陰性対照ウェルは、増殖について陰性である;3.全ての培地滅菌対照は、増殖について陰性である;4.純度画線は、目標微生物の純粋な増殖を示す;5.陽性対照ウェルにおける濃度は、2×105~8×105CFU/mLの間である;6.中和剤有効性試験から回収される微生物の濃度は、中和剤毒性試験から回収される濃度の70%以上であるべきである。
【0069】
実施の成功基準は、以下の通りであった:1.MICは、試験微生物の増殖を完全に阻止する最低濃度の試験物質を含有するウェルであると決定される:2.MBCは、ゼロ時計数と比較した場合にCFU/mLで99.9%の減少を示す試験物質の最低濃度であると決定される。
【0070】
関連する計算は、以下の通りに実施した:
Log減少=Log10(B/A)、式中、A=ウェルの生存微生物濃度、B=初期数対照濃度
パーセント減少=(A-B)/A、式中、A=初期数対照濃度、B=ウェルの生存微生物濃度。
【0071】
以下の表1は、プレーティングしたウェルについての黄色ブドウ球菌(S. aureus)ATCC 6538のパーセント減少およびlog減少に関する評価の結果を提供する。
【0072】
【0073】
以下の表2は、プレーティングしたウェルについての緑膿菌(P. aeruginosa)ATCC 9027のパーセント減少およびlog減少に関する評価の結果を提供する。
【0074】
【0075】
以下の表3は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)ATCC 6538に対する測定されたMIC/MBCの結果を提供する。
【0076】
【0077】
以下の表4は、緑膿菌(P. aeruginosa)ATCC 9027に対する測定されたMIC/MBCの結果を提供する。
【0078】
【0079】
以下の表5は、緑膿菌(P. aeruginosa)ATCC 9027に対する中和検証の結果を提供する。
【0080】
【0081】
以下の表6は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)ATCC 6538に対する中和検証の結果を提供する。
【0082】
【0083】
以下の表7は、対照プレートの評価の結果を提供する。
【0084】
【0085】
以下の表8は、様々な試験プレートについてのインキュベーション条件を提供する。
【0086】
【0087】
実施例3 プラスチック材料と一緒に使用した場合の抗菌効果
抗菌効果は、スパンボンド、スパンブローン、不織布、および織られたテキスタイルに使用することができる、ポリプロピレンを含む、固体の非多孔質プラスチックでも実証された。
【0088】
日本工業規格委員会(JIS)は、様々な製品および材料の試験方法を開発および標準化する国際組織である。JIS法Z2801は、硬質の非多孔質表面に対する抗菌仕上げの性能を評価するために設計された定量的試験である。この方法は、10分~最大24時間の範囲の接触時間を使用して実施することができる。JIS Z 2801試験の場合、非抗菌対照表面が、微生物減少の計算のための基準線として使用される。この方法は、多目的であり、プラスチック、金属、およびセラミックを含む多種多様な表面の抗菌活性を決定するために使用することができる。
【0089】
JIS Z 2801試験手順は、以下の通りに要約することができる:試験微生物は、通常、液体培養培地中での増殖によって調製される。試験微生物の懸濁液は、試験中に増殖する機会を微生物にもたらす栄養ブロス中に希釈することによって標準化される。対照および試験の表面に微生物を接種し、次いで、微生物接種物を薄い滅菌フィルムで覆う。接種物を覆うことによって、これが広がり、蒸発が防がれ、抗菌表面との密接な接触が確実になる。微生物濃度は、溶出とそれに続く希釈およびアガーへのプレーティングによって「ゼロ時」で決定する。試験される抗菌表面において中和/溶出法が抗菌剤を効果的に中和することを検証するために、対照を実行する。接種されて覆われた対照および抗菌試験表面を、通常は体温で、24時間湿潤環境で静かにインキュベートする。インキュベーション後に、微生物濃度を決定する。対照表面に対する微生物の減少を計算する。
【0090】
JIS Z 2801調査が科学的に正当化されるためには、以下の基準を満たす必要がある:(1)ゼロ時の試料から回収される生存細菌の平均数は、細胞約1×104個/cm2以上である必要がある;(2)複製間の通常の一貫性は、ゼロ時の試料について観察する必要がある;(3)接触時間後に対照表面から回収される生存細菌の数は、元々の接種濃度を著しく(>2-Log10)下回ってはならない;(4)陽性/増殖対照は、適切な試験微生物の増殖を示す必要がある;(5)陰性/純度対照は、試験微生物の増殖がないことを示す必要がある。
【0091】
合格基準は、接触時間後に処理表面を対照表面と比較した場合に、試験微生物において2Log10または99%以上の減少の抗菌効果の性能基準を指定している。
【0092】
以下の表9は、添加剤として使用される6%wt/wtのN-ヘキシルピリジウム-N-エチルアクリルアミドポリマーと配合されたポリプロピレンの、黄色ブドウ球菌(S. aureus)および緑膿菌(P. aeruginosa)に対する24時間にわたる殺菌効果を示す。この材料は、24時間の接種時間で、試験生物に対して3logを超過する減少を示したが、なおも不織布に加工可能である。
【0093】
【0094】
実施例4 多孔質材料と一緒に使用した場合の抗菌効果
以下に示されるように、式(I)による試験化合物、N-ヘキシルピリジウム-N-エチルアクリルアミドポリマーは、生皮革などの多孔質材料に抗菌特性を加えるためにも使用することができる。
【0095】
エタノール中で3%のN-ヘキシルピリジウム-N-エチルアクリルアミドポリマーの混合物に10分間浸し、次いで、24時間乾燥させることによって、処理された皮革試料を調製した。以下の表10は、試験の結果、具体的には接種時間24時間での病原体のパネルの殺菌効果を示す。多くの場合、log減少は、試験の限界を上回った。
【0096】
【国際調査報告】