(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】人工知能に基づいて同期を獲得する中継装置及びその中継装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20230719BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20230719BHJP
H04B 7/15 20060101ALI20230719BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20230719BHJP
H04W 16/22 20090101ALI20230719BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W16/26
H04B7/15
H04W24/02
H04W16/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580418
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2022005114
(87)【国際公開番号】W WO2022220499
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0048265
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522499782
【氏名又は名称】ユーキューヴィ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UQV CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1109-ho, 52, Gongdan-ro 140beon-gil, Gunpo-si, Gyeonggi-do 15847 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ガプ グ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョン ピル
【テーマコード(参考)】
5K067
5K072
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067AA41
5K067CC04
5K067DD25
5K067EE06
5K067KK01
5K072AA12
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB13
5K072BB25
5K072CC15
5K072FF23
(57)【要約】
【要約】中継装置及び中継装置の動作方法が提供される。前記方法は、学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Error Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行う段階と、前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力する段階と、前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から前記第2時点までの時間区間に端末に中継する段階と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と端末を中継するTDD(Time Division Duplex)中継器であって、
前記基地局と信号を送受信するためのドナーアンテナと、
前記端末と信号を送受信するためのサービスアンテナと、
前記ドナーアンテナ及び前記サービスアンテナに対するTDDアンテナスイッチングを制御し、前記TDD中継器の動作を制御するコントローラと、を含み、
前記コントローラは、
学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Error Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行い、
前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力し、
前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から前記第2時点までの時間区間に端末に中継するように設定されることを特徴とする、TDD中継器。
【請求項2】
前記複数の無線電波環境は、
多重経路、前記多重経路別の時間遅延、ドップラー拡散、フェージング、干渉及び減衰のうちの2つ以上の調整された環境を含むことを特徴とする、請求項1に記載のTDD中継器。
【請求項3】
前記コントローラは、
学習用上りリンク信号に前記複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用上りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の上りリンクEVMが最小値を有する上りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行い、
前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて前記端末から受信した上りリンク信号に対応する上りリンクオン(ON)同期制御信号及び上りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第3時点及び第4時点に出力し、
前記上りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記上りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記端末から受信した上りリンク信号を前記第3時点から前記第4時点までの時間区間に前記基地局に中継するように設定されることを特徴とする請求項1に記載のTDD中継器。
【請求項4】
前記基地局から送られた同期信号の検出なしに前記TDD中継器の動作方法を用いて前記基地局に対する同期を獲得することを特徴とする、請求項3に記載のTDD中継器。
【請求項5】
前記同期信号は、
3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)5G NR(5th Generation New Radio)標準によって定義されたPSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)信号のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項4に記載のTDD中継器。
【請求項6】
区間遅延が1つのシンボル区間よりも小さいL0(Layer 0)中継器を含むことを特徴とする、請求項4に記載のTDD中継器。
【請求項7】
TDD(Time Division Duplex)中継器の動作方法であって、
学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Error Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行う段階と、
前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力する段階と、
前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から第2時点までの時間区間に端末に中継する段階と、
を含むことを特徴とする、TDD中継器の動作方法。
【請求項8】
前記複数の無線電波環境は、
多重経路、前記多重経路別の時間遅延、ドップラー拡散、フェージング、干渉及び減衰のうちの2つ以上の調整された環境を含むことを特徴とする、請求項7に記載のTDD中継器の動作方法。
【請求項9】
学習用上りリンク信号に前記複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用上りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の上りリンクEVMが最小値を有する上りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行う段階と、
前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて前記端末から受信した上りリンク信号に対応する上りリンクオン(ON)同期制御信号及び上りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第3時点及び第4時点に出力する段階と、
前記上りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記上りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記端末から受信した上りリンク信号を前記第3時点から前記第4時点までの時間区間に前記基地局に中継する段階と、
を更に含むことを特徴とする、請求項7に記載のTDD中継器の動作方法。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され、請求項7~請求項9の何れか一項に記載のTDD(Time Division Duplex)中継器の動作方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置及び中継装置の動作方法に関する。より具体的に、本発明は、人工知能に基づいてTDD(Time Division Duplex)同期を獲得する中継装置及びその中継装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、中継装置(relay device)又は中継器(repeater)は、基地局の追加増設なしに基地局のカバレッジを拡大し、これと同時に陰影地域を解消するために広く用いられている。このために、中継器は、前記基地局と端末(又はユーザ端末)間の上りリンク/上りリンク信号の送受信を中継する役割を果たす。
【0003】
特に、LTE(Long Term Evolution)のTDD方式、5G NR(New Radio)のTDD方式などTDD方式によれば、中継器は、信号の送受信を同時に行わず、基地局の動作によって送信と受信を交互に行える。このとき、中継器は、基地局及び端末間の信号送受信タイミング(例えば、DL(downlink)区間、UL(uplink)区間など)に合わせてアンテナモジュールをスイッチングして、中継器が基地局(又は端末)と信号送受信するためのアンテナモジュールが送信信号処理モジュール又は受信信号処理モジュールと接続されるように構成されることができる。
【0004】
このような中継動作のために、中継器は、基地局に対する同期(synchronization)を獲得する必要がある。即ち、中継器は、基地局及び端末間の信号中継のためのアンテナモジュールのスイッチングのために、基地局の信号送信タイミング又は信号受信タイミングを同期させる必要がある。
【0005】
そのための一例として、大韓民国特許公開公報第10-2020-0125855号では、TDD中継器が同期を獲得する方法を示している。この場合、中継器は、基地局から送られた同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、PBCH(Physical Broadcast Channel)信号など)を検出し、該当同期信号からTDDフレーム構造及びTDDフレームタイミングを獲得する必要がある。
【0006】
但し、このような動作を実現するために、該当中継器は、特定通信事業者のTDDフレーム構造に関する情報がなければならず、それだけでなく、該当TDDフレーム構造に対して3GPP(登録商標)標準に定義された物理階層技術を実現できなければならないうえに、このような要求事項を実質的に実現するために多くのコストを必要とするという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、基地局及び端末間の中継性能を最大化できる中継装置及び中継装置の動作方法を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない更に他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための本発明の一側面によって基地局と端末を中継するTDD(Time Division Duplex)中継器は、前記基地局と信号を送受信するためのドナーアンテナと、前記端末と信号を送受信するためのサービスアンテナと、前記ドナーアンテナ及び前記サービスアンテナに対するTDDアンテナスイッチングを制御し、前記TDD中継器の動作を制御するコントローラと、を含み、前記コントローラは、学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Error Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行い、前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力し、前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から前記第2時点までの時間区間に端末に中継できる。
【0010】
このとき、前記複数の無線電波環境は、多重経路、前記多重経路別の時間遅延、ドップラー拡散、フェージング、干渉及び減衰のうちの2つ以上の調整された環境を含むことができる。
【0011】
また、本発明において、前記コントローラは、学習用上りリンク信号に前記複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用上りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の上りリンクEVMが最小値を有する上りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行い、前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて前記端末から受信した上りリンク信号に対応する上りリンクオン(ON)同期制御信号及び上りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第3時点及び第4時点に出力し、前記上りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記上りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記端末から受信した上りリンク信号を前記第3時点から前記第4時点までの時間区間に前記基地局に中継するように設定することができる。
【0012】
一方、前記TDD中継器は、前記基地局から送られた同期信号の検出なしに前記TDD中継器の動作方法を用いて前記基地局に対する同期を獲得できる。ここで、前記同期信号は、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)5G NR(5th Generation New Radio)標準によって定義されたPSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。また、前記TDD中継器は、区間遅延が1つのシンボル区間よりも小さいL0(Layer 0)中継器を含むことができる。
【0013】
上述した課題を解決するための本発明の他の側面によるTDD(Time Division Duplex)中継器の動作方法は、学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Errror Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行う段階と、前記ディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力する段階と、前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から前記第2時点までの時間区間に端末に中継する段階とを含むことができる。
【0014】
上述した課題を解決するための本発明の更に他の側面によるコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され、前述したTDD中継器の動作方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを含むことができる。
【0015】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る中継装置は、開発及び検証にかかるコストを最小化し、基地局及び端末間の中継性能を最大化できる。
【0017】
また、本発明に係る中継装置は、低遅延(約2μs以内)で基地局及び端末間の中継を行える。
【0018】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない更に他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る中継器の動作方法を簡単に示す図である。
【
図2】本発明に係る中継器の構造及びこれを含む通信システムを簡単に示す図である。
【
図3】本発明の一例に係るディープラーニングを通じたAIモデリング方法を簡単に示す図である。
【
図4】本発明に係る好適なDL/UL同期制御信号タイミングを示す図である。
【
図5】不適切なDL/UL同期制御信号タイミングを示す図である。
【
図6】本発明に係る中継器の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態にて実現することができる。但し、本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野における通常の技術者に本発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は請求の範囲により定義されるに過ぎない。
【0021】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書全体に亘って同一の図面符号は同一の構成要素を示し、「及び/又は」は言及された構成要素のそれぞれ及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。たとえ、「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために用いられていても、これらの構成要素は、これらの用語により制限されないのは当然である。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いる。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのは言うまでもない。
【0022】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】
本発明の説明に先立ち、本発明で活用する用語は、次のように定義できる。
【0025】
基地局(base station):無線通信ネットワークと接続され、端末に無線通信サービスを提供する通信設備である。一例として、LTE(long term evolution)システムによるeNB(evolve d NodeB)、5G NR(new radio)システムによるgNBを含むことができる。
【0026】
端末:基地局から無線通信サービスの提供を受ける通信装置である。別名、ユーザ機器(user equipment;UE)とも称することができる。一例として、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル装置などを含むことができる。
【0027】
中継器(relay device、repeater):基地局と端末間の無線通信サービスを中継する通信装置である。一例として、LTEシステムによるリレイ(relay)装置、5G NRシステムによるIAB(Integrated Access Backhauled Networks)装置を含むことができる。
【0028】
上りリンク(uplink;UL):端末が基地局に信号を送信するのに用いる通信リンクである。一例として、上りリンク信号は、PUCCH(physical uplink control channel)、PUSCH(physical uplink shared channel)などのチャネルを介して送信できる。
【0029】
下りリンク(downlink;DL):基地局が端末に信号を送信するのに用いる通信リンクである。一例として、下りリンク信号は、PDCCH(physical downlink control channel)、PDSCH(physical downlink shared channel)などのチャネルを介して送信できる。
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る中継器の動作方法を簡単に示す図である。
【0032】
図1に示すように、中継器10は、基地局1及び端末100間の信号送受信を中継する役割を果たす。より具体的には、前記中継器10は、前記基地局1が前記基地局1から前記端末100に送信しようとする下りリンク信号(例えば、制御信号、データ信号など)を受信して前記端末100に送信できる。また、前記中継器10は、前記端末100が前記端末100から前記基地局1に送信しようとする上りリンク信号(例えば、制御信号、データ信号など)を受信して前記基地局1に送信できる。
【0033】
本発明において、「信号中継」とは、中継器が送信端から受信した信号を受信端が受信できるように信号処理して伝送(又は放送)する一連の動作を含むことができる。一例として、「信号中継」は、中継器が送信端から受信した信号の強度、前記信号の内容などに基づいて受信信号の送出信号の強度を調節して受信端に伝送(又は放送)することを含むことができる。他の例として、「信号中継」は、中継器が送信端から受信した信号情報を中継器-受信端のチャネル状態に応じて新たに変調して前記受信端に伝送(又は放送)することを含むことができる。このとき、送信端-受信端のペアは、基地局-端末のペア、端末-基地局のペアなどを含むことができる。
【0034】
以下では、各図面を参照して本発明に係る中継器について詳細に説明する。
【0035】
図2は、本発明に係る中継器の構造及びこれを含む通信システムを簡単に示す図である。
【0036】
本発明に係る中継器の説明に先立ち、
図2に活用された用語は、次のように定義できる。
【0037】
ANT(antenna):特定周波数帯域の電磁波を送信又は受信するための信号変換装置である。一例として、中継器が含むANTは、(1)基地局と信号を送受信するためのドナーANT及び(2)端末と信号を送受信するためのサービスANTを含むことができる。
【0038】
BPF(band pass filter):入力された信号内の特定周波数帯域の信号のみを通過させ、残りの周波数帯域の信号を遮断するフィルタである。即ち、BPFは、入力信号のうち特定周波数帯域の信号のみを出力する変換装置である。
【0039】
LNA(low noise amplifier):微弱な無線信号を増幅させ、雑音を最小化するように設計された低雑音増幅器である。一般に、LNAは、アンテナによって受信した微弱な無線信号をダウンコンバータ(down converter)又はその他の受信機回路で処理するために適当なレベルの信号に増幅する役割を果たせる。このために、LNAは、無線通信システムの受信機の入口端であるANTの直後に設けられることができる。一例として、LNAは、ANTと受信機周波数ダウンコンバータ(mixer)との間に設けることができる。
【0040】
PA(power amplifier)、AMP:電力増幅器であって、本発明の実施例によってPAはHPA(high power amplifier)と称することもできる。
【0041】
DNC(down converter):入力信号を低い周波数帯域の信号に変換する周波数帯域変換器である。
【0042】
UPC(up converter):入力信号を高い周波数帯域の信号に変換する周波数帯域変換器である。
【0043】
ADC(analog to digital converter):アナログ信号をデジタル信号に変換する装置である。
【0044】
DAC(digital to analog converter):(信号処理された) デジタル信号をアナログ信号に変換する装置である。
【0045】
DET(Detector):TDD RF信号エンベロープ(Envelope)検出装置である。
【0046】
カプラ(Coupler):信号結合又は分配器であって、本発明の場合、カプラは、ドナー/サービスアンテナを介して入力される信号をAI基盤同期獲得モジュールに分配して提供できる。
【0047】
図2に示すように、本発明に係るTDD中継器10は、5G基地局1及び5G端末100間の信号中継のために、ドナーアンテナ11、サービスアンテナ12、第1RFブロック13、デジタルブロック14、第2RFブロック15、コントローラ16及びAI基盤同期獲得モジュール17を含むことができる。このとき、TDD中継器の各構成要素は、次のように構成できる。
【0048】
ドナーアンテナ11は、TDD中継器10と5G基地局1との間の信号送受信を行える。即ち、TDD中継器10は、前記ドナーアンテナ11を介して、前記5G基地局1からDL信号を受信するか、前記5G基地局1にUL信号を送信できる。
【0049】
サービスアンテナ12は、TDD中継器10と5G端末100との間の信号送受信を行える。即ち、TDD中継器10は、前記サービスアンテナ12を介して、前記5G端末100からUL信号を受信するか、前記5G端末100にDL信号を送信できる。
【0050】
第1RFブロック13、デジタルブロック14、第2RFブロック15は、それぞれ、DL信号を中継するためのDL中継パートとUL信号を中継するためのUL中継パートを含むことができる。このとき、コントローラ16は、TDD RFスイッチを制御してドナーアンテナ11及びサービスアンテナ12が前記第1RFブロック13、前記デジタルブロック14、前記第2RFブロック15内のDL中継パート又はUL中継パートと電気的に接続されるように設定できる。これにより、前記第1RFブロック13、前記デジタルブロック14、前記第2RFブロック15は、TDD RFスイッチの制御によってDL信号中継又はUL信号中継のための信号処理を行える。
【0051】
より具体的には、第1RFブロック13は、ドナーアンテナ11と接続されているBPF、BPFと接続されているTDD RFスイッチ、前記TDD RFスイッチと接続されているDL/UL中継パートを含むことができる。ここで、BPF素子は、ドナーアンテナ11と接続されて不要な周波数帯域の信号を最小化することによって干渉信号の除去及び原信号の復元の効率性を向上させることができる。このとき、前記BPF素子は、実施例によって前記第1RFブロック13内に含まれるか、含めないようにできる。
【0052】
そして、第1RFブロック13内のDL中継パートは、DL LNA、DL DNC、ADCを含むように構成できる。これにより、前記第1RFブロック13は、基地局から受信したDL信号の雑音を最小化して増幅し、増幅された無線周波数帯域の信号を低い周波数帯域(例えば、中間周波数帯域)の信号に変換し、変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換できる。
【0053】
また、第1RFブロック13内のUL中継パートは、DAC、UL UPC、UL PAを含むように構成できる。これにより、前記第1RFブロック13は、信号処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、前記アナログ信号を高い周波数帯域(例えば、無線周波数帯域)に変換し、前記変換された信号を増幅して基地局に伝送できる。
【0054】
前記第1RFブロック13と同様に、第2RFブロック15は、サービスアンテナ12と接続されているBPF、BPFと接続されているTDD RFスイッチ、前記TDD RFスイッチと接続されているDL/UL中継パートを含むことができる。ここで、BPF素子は、サービスアンテナ12と接続されて不要な周波数帯域の信号を最小化することによって、干渉信号の除去及び原信号の復元の効率性を向上させることができる。このとき、前記BPF素子は、実施例によって前記第2RFブロック15内に含まれるか、含めないようにできる。
【0055】
そして、第1RFブロック13と同様に、第2RFブロック15内のDL中継パートは、DAC、DL UPC、DL PAを含むように構成できる。このとき、DL UPC、DL PAは、前述したUL UPC、UL PAと同様に伝送信号を処理できる。
【0056】
また、第1RFブロック13と同様に、第2RFブロック15内のUL中継パートは、UL LNA、UL DNC、ADCを含むように構成できる。このとき、UL LNA、UL DNC、ADCは、前述したDL LNA、DL DNC、ADCと同様に受信信号を処理できる。
【0057】
デジタルブロック14は、第1RFブロック13及び第2RFブロック15と接続され、DL中継パートのための信号処理又はUL中継パートのための信号処理を行える。より具体的には、前記デジタルブロック14は、デジタル信号に変換されたDL信号(又はUL信号)から干渉信号を除去して原信号のみを抽出できる。このために、デジタルブロック14内のDL中継パートは、第1RFブロック13から提供されたデジタル信号に対してフィルタリング及びDLフィードバック(例えば、DL信号がDLドナーアンテナに受信されて発生する干渉)の除去を行うことができる。これと同様に、前記デジタルブロック14内のUL中継パートは、第2RFブロック15から提供されたデジタル信号に対してフィルタリング及びULフィードバック(例えば、UL信号がULサービスアンテナに受信されて発生する干渉)の除去を行うことができる。
【0058】
コントローラ16は、TDD中継器10内の全ての構成要素と電気的に接続され、前記全ての構成要素の動作を制御できる。具体的な一例として、前記コントローラ16は、第1RFブロック13及び第2RFブロック15を制御し、特に前記第1RFブロック13及び第2RFブロック15内のTDD RFスイッチを制御できる。
【0059】
本発明に係るAI(Aritifical Intelligence)基盤同期獲得モジュール17は、基地局から受信したDL信号に基づいて同期獲得を実現できる。実施例によって、前記AI基盤同期獲得モジュール17は、前記基地局から受信したDL信号だけでなく、端末から受信したUL信号も共に考慮して同期獲得を実現することもできる。
【0060】
より具体的には、AI基盤同期獲得モジュール17は、ドナーアンテナ11と(実施例によってサービスアンテナ12も追加的に)接続されて受信される信号を感知できる。このために、前記AI基盤同期獲得モジュール17は、BPF素子、AMP素子、DET素子を含んでアンテナを介して受信した信号を適切に感知できる。次に、前記AI基盤同期獲得モジュール17は、感知された信号を予め学習されたAIアルゴリズムに入力して出力値としてDL同期制御信号を(実施例によってUL同期制御信号も共に)出力できる。
【0061】
本発明において、DL同期制御信号(又はUL同期制御信号)は、TDD中継器内のDL中継パート(又はUL中継パート)のON/OFF状態を制御する信号を含むことができる。一例として、DL/UL ON同期制御信号は、TDD中継器のDL/UL中継パート内の増幅回路を動作させ、DL/UL OFF同期制御信号は、TDD中継器のDL/UL中継パート内の増幅回路を停止させることができる。他の例として、DL/UL ON同期制御信号は、TDD RFスイッチがDL/UL中継パートと接続されるように動作させ、DL/UL OFF同期制御信号は、前記TDD RFスイッチとDL/UL中継パートとの接続を解除させることができる。
【0062】
このような動作のために、本発明に係るAIアルゴリズムは、以下のような方法により学習できる。
【0063】
図3は、本発明の一例に係るディープラーニングによるAIモデリング方法を簡単に示す図である。
【0064】
本発明に係るAIモデリング(又はAIモデル学習)は、別途に生成された信号に多様な無線電波環境を適用させ、中継器のEVM(Error Vector Magnitude)性能が最大化するDL/UL同期制御信号を出力するようにAIモデルを学習するシステムを含むことができる。
【0065】
より具体的には、
図3に示すように、AIモデリングのために、別途にTDD基地局信号が生成されるか、追加的に前記TDD基地局信号と同期化されたTDD端末信号を生成できる。即ち、本発明に係るAIモデリングを構築するために、任意に生成されたTDD基地局信号(又は追加的に任意に生成されたTDD端末信号)を活用できる。
【0066】
無線チャネルシミュレータは、このように生成された信号に多様な無線電波環境をそれぞれ適用して学習用信号セットを生成できる。本発明において、無線チャネルシミュレータは、前記信号に対して、多重経路、前記多重経路別の時間遅延、ドップラー拡散、フェージング、干渉及び減衰のうちの2つ以上の調整された環境を適用できる。このとき、無線チャネルシミュレータ統制器(PC)は、前記無線チャネルシミュレータに適用される電波環境シナリオを統制できる。
【0067】
このように生成された学習用信号セットは、コンピュータに適用され、前記コンピュータは、DL(又は追加的にUL)同期制御信号を変化させながら、DL(又は追加的にUL)EVM値を確認できる。好適な一例として、DL EVM測定は、基本的に行われ、補完的にUL EVM測定が行われることができる。
【0068】
EVM値は、中継器のオン/オフ動作によるRising/Falling時間などによって変動し得る。これにより、本発明に係るAIモデリングによると、前記のような方法を繰り返し行って特定のDL/UL信号に対して最適なEVM値を導き出せるDL/UL同期制御信号を獲得できる。
【0069】
因みに、EVMは、本来意図した送信信号と実際に送信された信号間の差であるエラーベクトル(Error Vector)の大きさを意味し、これは送信システムの性能による信号品質の低下を示す性能指標として用いられる。従って、EVM性能が最大の場合、該当EVM値は最小になり得る。
【0070】
本発明に係る具体的な動作についての説明のために、EVM性能が最大の場合のDL/UL同期制御信号のタイミングと、そうでない場合のDL/UL同期制御信号のタイミングを例として詳細に説明する。
【0071】
図4は、本発明に係る好適なDL/UL同期制御信号タイミングを示す図であり、
図5は、
図4とは異なり、不適切なDL/UL同期制御信号タイミングを示す図である。
【0072】
図4及び
図5において、「DL信号」は、TDD中継器が基地局から受信したDL信号を端末に中継した時間区間を意味し、「UL信号」は、TDD中継器が端末から受信したUL信号を基地局に中継した時間区間を意味し得る。
【0073】
図4の場合、中継器は、DL/UL ON/OFF同期制御信号を好適に導き出したため、前記中継器は(基地局から送られた)DL信号及び(端末から送られた)UL信号の両方を伝送(中継)できる。これにより、前記中継器のEVM性能も最大化できる。
【0074】
一方、
図5の場合、中継器は、DL/UL ON/OFF同期制御信号を適切に導き出せないため、前記中継器は(基地局から送られた)DL信号及び(端末から送られた)UL信号の一部を伝送(中継)できない。これにより、前記中継器のEVM性能も低くならざるを得ない。
【0075】
このように、本発明に係るTDD中継器は、周辺基地局から受信した信号に基づいたディープラーニングによって学習されたAIシステムを用いることによって、特定基地局のDL信号に対して最適なEVMを導き出せるDL同期制御信号を獲得できる。特に、基地局は、固定局(fixed station)として常に一定位置に固定されているうえに、通信事業者の特性上、該当基地局のTDDフレーム構造は、動的に多様に変更されるというよりも一定のパターンを有するか、一定のアルゴリズムによって静的に(static)管理できる。従って、本発明に係るTDD中継器は、AIモデリングによって前記特定基地局のDL信号に対して最適なEVMを導き出せるDL同期制御信号を獲得でき、これにより高い性能のDL中継動作を実現できる。
【0076】
なお、本発明に係るTDD中継器が用いるAIシステムは、周辺に位置する1つ以上の端末から受信した信号を追加的に用いたディープラーニングによって学習できる。即ち、
図3に示すように、TDD端末信号によるUL同期制御信号を導き出し、これに対するUL EVM性能を測定する動作を繰り返し行うことによって、前記AIシステムは、特定のUL信号に対して最適なEVM値を導き出せるUL同期制御信号を獲得できる。このとき、全体的なTDDフレーム構造は、基地局によって管理されることを考慮して、前記獲得されるUL同期制御信号は、前述した方法によって獲得されるDL同期制御信号と衝突しない場合に限って活用できる。
【0077】
上述した技術の内容に基づいた中継装置の動作方法をまとめると、次の通りである。
【0078】
図6は、本発明に係る中継器の動作方法を示すフローチャートである。本発明において、後述する動作方法は、基地局と信号を送受信するためのドナーアンテナ、端末と信号を送受信するためのサービスアンテナ、及び前記ドナーアンテナ及び前記サービスアンテナに対するTDDアンテナスイッチングを制御し、前記TDD中継器の動作を制御するコントローラを含む中継器によって実行できる。このとき、前記コントローラは、
図3に示す第1RFブロック、デジタルブロック、第2RFブロック、コントローラ及びAI基盤同期獲得モジュールを何れも含むことができる。
【0079】
図6に示すように、本発明に係る中継器の動作方法は、DL/UL EVM性能を考慮したディープラーニング実行段階(S610)、AIプログラムを用いてDL/UL同期を獲得する段階(S620)、及び獲得されたDL/UL同期によって信号中継を行う段階(S630)を含むことができる。
【0080】
好適な一例として、S610段階で、
図3に示すように、本発明に係る中継器は、学習用下りリンク信号に複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用下りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の下りリンクEVM(Errror Vector Magnitude)が最小値を有する下りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行える。
【0081】
ここで、複数の無線電波環境は、以下の環境のうちの2つ以上の調整された環境を含むことができる。
【0082】
-多重経路
【0083】
-多重経路別の時間遅延
【0084】
-ドップラー拡散
【0085】
-フェージング
【0086】
-干渉
【0087】
-減衰
【0088】
追加的な例として、S610段階で本発明に係る中継器は、学習用上りリンク信号に前記複数の無線電波環境をそれぞれ適用した学習用上りリンク信号セットを基に、前記TDD中継器の上りリンクEVMが最小値を有する上りリンク同期制御信号を導き出すためのディープラーニングを行える。
【0089】
次に、S620段階で本発明に係る中継器は、基地局から受信した信号(又は追加的に端末から受信した信号)をAIプログラムの入力値として活用してDL/UL同期を獲得できる。具体的に、前記中継器は、上述したディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて基地局から受信した下りリンク信号に対応する下りリンクオン(ON)同期制御信号及び下りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第1時点及び第2時点に出力できる。または、前記中継器は、上述したディープラーニングによって学習された人工知能プログラムを用いて前記端末から受信した上りリンク信号に対応する上りリンクオン(ON)同期制御信号及び上りリンクオフ(OFF)同期制御信号をそれぞれ第3時点及び第4時点に出力できる。
【0090】
次に、S630段階で、本発明に係る中継器は、獲得されたDL/UL同期によって信号中継を行える。具体的に、前記中継器は、前記下りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記下りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記基地局から受信した下りリンク信号を前記第1時点から前記第2時点までの時間区間に端末に中継できる。または、前記中継器は、前記上りリンクオン(ON)同期制御信号及び前記上りリンクオフ(OFF)同期制御信号によるTDDアンテナスイッチングに基づいて、前記端末から受信した上りリンク信号を前記第3時点から前記第4時点までの時間区間に前記基地局に中継できる。
【0091】
このような同期獲得動作によって、本発明に係るTDD中継器は、基地局から送られた同期信号の検出なしに前記TDD中継器の動作方法を用いて前記基地局に対する同期を獲得できる。
【0092】
ここで、同期信号とは、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)5G NR(5th Generation New Radio)標準によって定義されたPSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0093】
これにより、本発明に係る中継器は、区間遅延が1つのシンボル区間よりも小さい値(例えば、最大2us)に設定されるL0(Layer 0)中継器を含むことができる。このとき、1つのシンボル区間の長さは、基地局によって設定されたニューマロロジー(又は副搬送波間隔(subcarrier spacing、SCS))によって対応的に設定できる。
【0094】
更に、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータと結合して、前述した多様な中継装置の動作方法を実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納できる。
【0095】
前述したプログラムは、コンピュータがプログラムを読み込んでプログラムとして実現した前記方法を実行させるために、前記コンピュータのプロセッサ(CPU)が前記コンピュータの装置インターフェースを介して読み取られるC、C++、JAVA(登録商標)、機械語などのコンピュータ言語でコード化されたコード(Code)を含むことができる。このようなコードは、前記方法を実行するのに必要な機能を定義した関数などと関連する機能的なコード(Functional Code)を含むことができ、前記機能を前記コンピュータのプロセッサが所定の手順通りに実行させるのに必要な実行手順関連の制御コードを含むことができる。また、このようなコードは、前記機能を前記コンピュータのプロセッサが実行させるのに必要な追加の情報やメディアが前記コンピュータの内部又は外部メモリのどの位置(アドレス)で参照されるべきかに対するメモリ参照関連のコードを更に含むことができる。更に、前記コンピュータのプロセッサが前記機能を実行させるために、遠隔(Remote)にある任意の他のコンピュータやサーバなどと通信が必要な場合、コードは前記コンピュータの通信モジュールを用いて遠隔にある任意の他のコンピュータやサーバなどとどのように通信すべきか、通信時に如何なる情報やメディアを送受信すべきかなどに対する通信関連のコードを更に含むことができる。
【0096】
本発明の実施例と関連して説明された方法又はアルゴリズムの段階は、ハードウェアで直接実現できるか、ハードウェアによって実行されるソフトウェアモジュールで実現できるか、それらの結合によって実現できる。ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROM、又は本発明の属する技術分野において周知となっている任意の形態のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に常に存在できる。
【0097】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施され得るということが理解できるだろう。従って、以上で述べた実施例はあらゆる面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解すべきである。
【国際調査報告】