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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】超高速PCRサーマルサイクラー
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230719BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20230719BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20230719BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12Q1/686 Z
G01N35/04 E
G01N35/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580450
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 IB2021000443
(87)【国際公開番号】W WO2021260436
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/044,719
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/119,833
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】522500136
【氏名又は名称】ファースト・エムディーエックス(アイピー)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ガンター
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ルイス
【テーマコード(参考)】
2G058
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB09
2G058CC02
2G058CD12
2G058CD23
2G058GA01
2G058GC02
2G058GC05
4B029AA07
4B029AA23
4B029BB20
4B029CC01
4B029DG10
4B029FA12
4B029GA03
4B029GB02
4B029GB04
4B029GB06
4B029GB09
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR56
4B063QR58
4B063QR62
4B063QR66
4B063QS25
4B063QX02
(57)【要約】
開示されているのは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための金属材料を含むマイクロプレートを有するシステムである。マイクロプレートは、マイクロプレートの一方の側に1つまたは複数のバーコードを備える。このシステムは、1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーを備える。システムは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備え得る。システムは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備え得る。システムは、サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートであって、前記マイクロプレートは第1の側と第2の側とを備え、前記第1の側は金属材料を含み、前記マイクロプレートは、前記第1の側または前記第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える、マイクロプレートと、
(b)前記1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーと、
(c)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、および/または前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックと、
(d)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、および/または前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックと、
(e)前記サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、前記第1の温度ブロック、および前記第2の温度ブロックの間で前記マイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤとを備えるシステム。
【請求項2】
前記システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルの前記サーマルサイクリングを完了するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サーマルサイクリングの間に、前記システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である、請求項1または2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロプレートの前記第1の側は、ウェルのアレイを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記アレイは、前記アレイの長さに沿ったウェルと前記アレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、前記システムは、サーマルサイクリングの間に前記加熱可能な蓋を前記マイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記金属材料はアルミニウムである、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記金属材料はポリプロピレンでコーティングされる、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記変性温度および/または前記伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンベヤは、ロボットアームを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記センシングデバイスは、前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間、または前記第1の温度ブロックもしくは前記第2の温度ブロックより上に位置決めされ、前記1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第1の側に配設される、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第2の側に配設される、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記マイクロプレートは、前記1つまたは複数の試料の加熱を循環させるための前記マイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の温度ブロックは、約1から10秒間前記変性温度を加え、前記第2の温度ブロックは、約1から30秒間前記伸長温度を加える、請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記変性温度は、約90℃から100℃の間である、請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記伸長温度は、約50℃から65℃の間である、請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である、請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される、請求項14または19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記センシングデバイスは、前記蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項14、19、または25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される、請求項14、19、25、または26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記マイクロプレートは、キャリッジによって支持される、請求項1から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンベヤは、レールを備える、請求項1から28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
システムであって、
(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートであって、前記マイクロプレートは第1の側と第2の側とを備え、前記第1の側は金属材料を含み、前記マイクロプレートは、前記第1の側または前記第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える、マイクロプレートと、
(b)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、および/または前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックと、
(c)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、および/または前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックと、
(d)前記1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスと、
(e)前記マイクロプレートを前記第1の温度ブロック、前記センシングデバイス、および前記第2の温度ブロックの間で移動するように構成され、それにより前記センシングデバイスは、前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートが前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間を移動するときに、前記1つまたは複数の試料から前記蛍光応答を決定する、コンベヤとを備えるシステム。
【請求項32】
前記変性温度を加えることおよび前記伸長温度を加えることの約20から80サイクルが、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で完了する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記サーマルサイクリングの間に、前記システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である、請求項31または32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項31から33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記マイクロプレートの前記第1の側は、ウェルのアレイを備える、請求項31から34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記アレイは、前記アレイの長さに沿ったウェルと前記アレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する、請求項31から35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える、請求項31から36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、前記システムは、サーマルサイクリングの間に前記加熱可能な蓋を前記マイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される、請求項31から37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記金属材料はアルミニウムである、請求項31から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記金属材料はポリプロピレンでコーティングされる、請求項31から39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記変性温度または前記伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては果たされない、請求項31から40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える、請求項31から41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記コンベヤは、ロボットアームを備える、請求項31から42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記センシングデバイスは、前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間、または前記第1の温度ブロックもしくは前記第2の温度ブロックより上に位置決めされ、前記1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する、請求項31から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第1の側に配設される、請求項31から44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第2の側に配設される、請求項31から45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む、請求項31から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項31から48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記マイクロプレートは、前記1つまたは複数の試料の加熱を循環させるための前記マイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む請求項31から49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記第1の温度ブロックは、約1から10秒間前記変性温度を加え、前記第2の温度ブロックは、約1から30秒間前記伸長温度を加える、請求項31から50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記変性温度は、約90℃から100℃の間である、請求項31から51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記伸長温度は、約50℃から65℃の間である、請求項31から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である、請求項31から53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される、請求項31から54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記センシングデバイスは、前記蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項31から55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記蛍光応答は、50℃から65℃の間の共通温度で収集される、請求項31から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記マイクロプレートは、キャリッジによって支持される、請求項31から57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記コンベヤは、レールを備える、請求項31から58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法であって、
(a)前記1つまたは複数の試料を識別するステップと、
(b)前記サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるステップと、
(c)前記サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるステップと、
(d)マイクロプレートを前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間で移動するステップとを含む方法。
【請求項62】
前記変性温度を加えることおよび前記伸長温度を加えることの約20から80サイクルが、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で完了する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間で移送するように動作可能である、請求項61から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記1つまたは複数の試料は、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項61から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記1つまたは複数の試料は、試料のアレイを含む、請求項61から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
試料の前記アレイは、前記アレイの長さに沿った試料と前記アレイの隣接する長さに沿った試料との2:3の比に適合する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記1つまたは複数の試料を追加の温度ゾーンに移動するステップをさらに含む、請求項61から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記1つまたは複数の試料に前記伸長温度または前記変性温度を加えるステップは、前記1つまたは複数の試料に約10から300ニュートンの力の上向きの力を及ぼすステップを含む、請求項61から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記1つまたは複数の試料が前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間にあるときに前記1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するステップをさらに含む、請求項61から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
(b)および(c)の前に前記1つまたは複数の試料をアライメントするステップをさらに含む、請求項61から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記変性温度は約1から2秒間加えられ、前記伸長温度は約4から10秒間加えられる、請求項61から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記変性温度は、約92℃から97℃の間であり、前記伸長温度は、約52℃から57℃の間である、請求項61から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間の経過時間は、約1秒から2秒である、請求項61から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ゾーンと前記第1の温度ゾーンとの間の遷移において記録される、請求項69または70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の温度で収集される、請求項69、70、または75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記1つまたは複数の試料に下向きの力を作用させるステップをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項78】
蛍光応答を決定するステップは、光の制御された波長を前記1つまたは複数の試料に照射するステップを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項79】
前記1つまたは複数の試料に前記変性温度および/または前記伸長温度を加えるステップは、接触を介した熱伝導を含む、請求項61から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記伸長温度および/または前記変性温度を加えるステップは、前記試料に熱を伝えるステップを含む、請求項61から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記伸長温度および/または前記変性温度を加えるステップは、前記試料から熱を伝えるステップを含む、請求項61から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記センシングデバイスはカメラである、請求項1または31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項83】
(g)前記1つまたは複数の試料の上に配設されたガラス蓋をさらに備える、請求項1、31、または82のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記ガラス蓋は、酸化インジウムスズ(ITO)を含むコーティングを有する、請求項1、31、82、または83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
前記カメラは、前記1つまたは複数の試料のうちのすべての試料の画像を同時にキャプチャすることによって蛍光応答を検出するようにさらに構成される、請求項1、31、または82から84のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項86】
サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法であって、
(a)前記サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるステップと、
(b)前記サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるステップと、
(c)前記1つまたは複数の試料を前記第2の温度ゾーン間で繰り返し移動しながら、前記第2の温度ゾーンと前記第1の温度ゾーンとの間にあるときに前記1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するステップとを含む方法。
【請求項87】
前記変性温度を加えることおよび前記伸長温度を加えることの約20から80サイクルが、約10から20分以内に完了する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記1つまたは複数の試料は、約10回から60回、前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間で移送される、請求項86から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記1つまたは複数の試料は、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項86から88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記1つまたは複数の試料は、試料のアレイを含む、請求項86から89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
試料の前記アレイは、前記アレイの長さに沿った試料と前記アレイの隣接する長さに沿った試料との2:3の比に適合する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記1つまたは複数の試料を追加の温度ゾーンの間で移動するステップをさらに含む、請求項86から91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記1つまたは複数の試料に前記伸長温度または前記変性温度を加えるステップは、前記試料に約10から300ニュートンの力の上向きの力を及ぼすステップを含む、請求項86から92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項86から93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
(b)および(c)の前に前記1つまたは複数の試料をアライメントするステップをさらに含む、請求項86から94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記変性温度は約1から2秒間加えられ、前記伸長温度は約4から10秒間加えられる、請求項86から95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記変性温度は、92℃から97℃の間であり、前記伸長温度は、約52℃から57℃の間である、請求項86から96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記第1の温度ゾーンと前記第2の温度ゾーンとの間の経過時間は、約1から5秒である、請求項86から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ゾーンと前記第1の温度ゾーンとの間の遷移において記録される請求項86から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の温度で収集される、請求項86から99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記1つまたは複数の試料に下向きの力を作用させるステップをさらに含む、請求項93に記載の方法。
【請求項102】
前記蛍光応答を決定するステップは、光の制御された波長を前記1つまたは複数の試料に照射するステップを含む、請求項86から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記1つまたは複数の試料に前記変性温度および/または前記伸長温度を加えるステップは、接触を介した熱伝導を含む、請求項86から102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記伸長温度および/または前記変性温度を加えるステップは、前記試料に熱を伝えるステップを含む、請求項86から103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記伸長温度および/または前記変性温度を加えるステップは、前記試料から熱を伝えるステップを含む、請求項86から104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
システムであって、
(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートであって、前記マイクロプレートは第1の側と第2の側とを備え、前記第1の側は金属材料を含み、前記マイクロプレートは、前記第1の側または前記第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える、マイクロプレートと、
(b)前記1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーと、
(c)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックと、
(d)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックと、
(e)前記サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、前記第1の温度ブロック、および前記第2の温度ブロックの間で前記マイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤとを備えるシステム。
【請求項107】
前記システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルの前記サーマルサイクリングを完了するように動作可能である、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記サーマルサイクリングの間に、前記システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である、請求項106から107のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項109】
前記マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項106から108のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項110】
前記マイクロプレートの前記第1の側は、ウェルのアレイを備える、請求項106から109のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項111】
前記アレイは、前記アレイの長さに沿ったウェルと前記アレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える、請求項106から111のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項113】
前記システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、前記システムは、サーマルサイクリングの間に前記加熱可能な蓋を前記マイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される、請求項106から112のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項114】
前記金属材料はアルミニウムである、請求項106から113のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項115】
前記金属材料はポリプロピレンでコーティングされる、請求項106から114のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項116】
前記変性温度および/または前記伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない、請求項106から115のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項117】
液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える、請求項106から116のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項118】
前記コンベヤは、ロボットアームを備える、請求項106から117のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項119】
前記センシングデバイスは、前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間、または前記第1の温度ブロックもしくは前記第2の温度ブロックより上に位置決めされ、前記1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する、請求項106から118のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項120】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第1の側に配設される、請求項106から119のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項121】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第2の側に配設される、請求項106から120のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項122】
1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む、請求項106から121のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項123】
前記1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む、請求項122に記載のシステム。
【請求項124】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項119に記載のシステム。
【請求項125】
前記マイクロプレートは、前記1つまたは複数の試料の加熱を循環させるための前記マイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む、請求項106から124のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項126】
前記第1の温度ブロックは、約1から10秒間前記変性温度を加え、前記第2の温度ブロックは、約1から30秒間前記伸長温度を加える、請求項106から125のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項127】
前記変性温度は、約90℃から100℃の間である、請求項106から126のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項128】
前記伸長温度は、約50℃から65℃の間である、請求項106から127のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項129】
前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である、請求項106から128のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項130】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される、請求項119または124のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項131】
前記センシングデバイスは、前記蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項119、124、または130のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項132】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される、請求項119、124、130、または131のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項133】
前記マイクロプレートは、キャリッジによって支持される、請求項106から132のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項134】
前記コンベヤは、レールを備える、請求項106から133のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項135】
前記マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される、請求項106から134のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項136】
システムであって、
(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートであって、前記マイクロプレートは第1の側と第2の側とを備え、前記第1の側は金属材料を含み、前記マイクロプレートは、前記第1の側または前記第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える、マイクロプレートと、
(b)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックと、
(c)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックと、
(d)前記1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスと、
(e)前記マイクロプレートを前記第1の温度ブロック、前記センシングデバイス、および前記第2の温度ブロックの間で移動するように構成され、それにより前記センシングデバイスは、前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートが前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間を移動するときに、前記1つまたは複数の試料から前記蛍光応答を決定する、コンベヤとを備えるシステム。
【請求項137】
前記システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルの前記サーマルサイクリングを完了するように動作可能である、請求項136に記載のシステム。
【請求項138】
前記サーマルサイクリングの間に、前記システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である、請求項136から137のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項139】
前記マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項136から138のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項140】
前記マイクロプレートの前記第1の側は、ウェルのアレイを備える、請求項136から139のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項141】
前記アレイは、前記アレイの長さに沿ったウェルと前記アレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する、請求項136から140のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項142】
1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える、請求項136から141のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項143】
前記システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、前記システムは、サーマルサイクリングの間に前記加熱可能な蓋を前記マイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される、請求項136から142のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項144】
前記金属材料はアルミニウムである、請求項136から143のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項145】
前記金属材料はポリプロピレンでコーティングされる、請求項136から144のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項146】
前記変性温度および/または前記伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない、請求項136から145のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項147】
液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える、請求項136から146のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項148】
前記コンベヤは、ロボットアームを備える、請求項136から147のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項149】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第1の側に配設される、請求項136から148のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項150】
前記1つまたは複数のバーコードは、前記第2の側に配設される、請求項136から149のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項151】
1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む、請求項136から150のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項152】
前記1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む、請求項136から151のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項153】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項136から152のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項154】
前記マイクロプレートは、前記1つまたは複数の試料の加熱を循環させるための前記マイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む、請求項136から153のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項155】
前記第1の温度ブロックは、約1から10秒間前記変性温度を加え、前記第2の温度ブロックは、約1から30秒間前記伸長温度を加える、請求項136から154のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項156】
前記変性温度は、約90℃から100℃の間である、請求項136から155のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項157】
前記伸長温度は、約50℃から65℃の間である、請求項136から156のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項158】
前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である請求項136から157のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項159】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される、請求項136から158のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項160】
前記センシングデバイスは、前記蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項136から159のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項161】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される、請求項136から160のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項162】
前記マイクロプレートは、キャリッジによって支持される、請求項136から161のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項163】
前記コンベヤは、レールを備える、請求項136から162のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項164】
前記マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される、請求項136から163のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項165】
サーマルサイクラーシステムであって、
(a)1つまたは複数の試料を収容するマイクロプレートを受け取り、および/または前記受け取ったマイクロプレートに収容されている前記1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを、前記収容されている試料のサーマルサイクリングの間に行うように構成されている第1の温度ブロックと、
(b)前記サーマルサイクリングの間に、前記マイクロプレートを受け取り、および/または前記マイクロプレートに収容される前記1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックと、
(c)前記マイクロプレート上に配設されている1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーと、
(d)前記サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、前記第1の温度ブロック、および前記第2の温度ブロックの間で前記マイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤとを備えるサーマルサイクラーシステム。
【請求項166】
前記システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルの前記サーマルサイクリングを完了するように動作可能である、請求項165に記載のシステム。
【請求項167】
前記サーマルサイクリングの間に、前記システムは、反応毎に約10回から約60回、前記1つまたは複数の試料を前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である、請求項165から166のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項168】
前記マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む、請求項165から167のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項169】
前記マイクロプレートは、ウェルのアレイを備える、請求項165から168のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項170】
前記アレイは、前記アレイの長さに沿ったウェルと前記アレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する、請求項169に記載のシステム。
【請求項171】
1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える、請求項165から170のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項172】
前記システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、前記システムは、サーマルサイクリングの間に前記加熱可能な蓋を前記マイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される、請求項165から171のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項173】
前記マイクロプレートは第1の側を備え、前記第1の側は金属材料を含み、前記金属材料はアルミニウムである、請求項165から172のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項174】
前記金属材料はポリプロピレンでコーティングされる、請求項173に記載のシステム。
【請求項175】
前記変性温度および/または前記伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない、請求項165から174のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項176】
液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える、請求項165から175のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項177】
前記コンベヤは、ロボットアームを備える、請求項165から176のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項178】
前記センシングデバイスは、前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間、または前記第1の温度ブロックもしくは前記第2の温度ブロックより上に位置決めされ、前記1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する、請求項165に記載のシステム。
【請求項179】
前記1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される、請求項165から178のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項180】
前記1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される、請求項165から179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項181】
1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む、請求項165から180のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項182】
前記1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む、請求項181に記載のシステム。
【請求項183】
前記蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む、請求項178に記載のシステム。
【請求項184】
前記マイクロプレートは、前記1つまたは複数の試料の加熱を循環させるための前記マイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む、請求項165から183のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項185】
前記第1の温度ブロックは、約1から10秒間前記変性温度を加え、前記第2の温度ブロックは、約1から30秒間前記伸長温度を加える、請求項165から184のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項186】
前記変性温度は、約90℃から100℃の間である、請求項165から185のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項187】
前記伸長温度は、約50℃から65℃の間である、請求項165から186のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項188】
前記第1の温度ブロックと前記第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である、請求項165から187のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項189】
前記蛍光応答は、前記第2の温度ブロックと前記第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される、請求項178または183のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項190】
前記センシングデバイスは、前記蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える、請求項178、183、または189のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項191】
前記蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される、請求項178、183、189、または190のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項192】
前記マイクロプレートは、キャリッジによって支持される、請求項165から191のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項193】
前記コンベヤは、レールを備える、請求項165から192のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項194】
前記マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される、請求項165から193のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年6月26日に出願した米国仮特許出願第63/044,719号、および2020年12月1日に出願した米国仮特許出願第63/119,833号に関係し、両方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が1983年に発見されたときに、研究者らは試薬を入れた管を温度制御された水槽の間で前方におよび後方に移動した。最終的に、企業は、熱交換器の加熱および冷却の両方を行うためにペルチェ効果素子を使用することによって試料をサーマルサイクリングする熱交換器内に置かれているプラスチックプレート内に試料を保持する機械を生産した。ペルチェ効果素子は電力制限され、熱がシステムから抽出されなければならないときに、熱交換器の温度を変化させるのが、特に冷却時に遅いことがある。PCRに必要な交互する加熱および冷却の連続サイクルを高速に実行することが困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機械性能の限界で作業することなく、2つまたはそれ以上の温度でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を高速に実行するためのコンパクトシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリング(thermocycling)の間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。このシステムは、(b)1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーも備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(d)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(e)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0005】
いくつかの実施形態において、システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルのサーマルサイクリングを完了するように動作可能である。
【0006】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である。
【0007】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートの第1の側は、ウェルのアレイを備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、アレイは、アレイの長さに沿ったウェルとアレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する。
【0010】
いくつかの実施形態において、システムは、1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、システムは、サーマルサイクリングの間に加熱可能な蓋をマイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウムである。
【0013】
いくつかの実施形態において、金属材料はポリプロピレンでコーティングされる。
【0014】
いくつかの実施形態において、変性温度および/または伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない。
【0015】
いくつかの実施形態において、システムは、液体処理またはオートピペットプラットフォーム(liquid handling or autopipette platform)をさらに備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、ロボットアームを備える。
【0017】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間、または第1の温度ブロックもしくは第2の温度ブロックより上に位置決めされ、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0018】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される。
【0019】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される。
【0020】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数の試料の加熱を循環させるためのマイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックは、約1から10秒間変性温度を加え、第2の温度ブロックは、約1から30秒間伸長温度を加える。
【0025】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約90℃から100℃の間である。
【0026】
いくつかの実施形態において、伸長温度は、約50℃から65℃の間である。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である。
【0028】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される。
【0029】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0030】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される。
【0031】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、キャリッジによって支持される。
【0032】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、レールを備える。
【0033】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される。
【0034】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(d)1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスも備える。システムは、(e)マイクロプレートを第1の温度ブロック、センシングデバイス、および第2の温度ブロックの間で移動するように構成されているコンベヤも備え、それによりセンシングデバイスは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートが第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間を移動するときに、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0035】
いくつかの実施形態において、変性温度を加えることおよび伸長温度を加えることを約20から80サイクルで行うことは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で完了する。
【0036】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である。
【0037】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートの第1の側は、ウェルのアレイを備える。
【0039】
いくつかの実施形態において、アレイは、アレイの長さに沿ったウェルとアレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する。
【0040】
いくつかの実施形態において、システムは、1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、システムは、加熱可能な蓋を備える。システムは、サーマルサイクリングの間に加熱可能な蓋をマイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウムである。
【0043】
いくつかの実施形態において、金属材料はポリプロピレンでコーティングされる。
【0044】
いくつかの実施形態において、変性温度または伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては果たされない。
【0045】
いくつかの実施形態において、システムは、液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える。
【0046】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、ロボットアームを備える。
【0047】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間、または第1の温度ブロックもしくは第2の温度ブロックより上に位置決めされ、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0048】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される。
【0049】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される。
【0050】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数の試料の加熱を循環させるためのマイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックは、約1から10秒間変性温度を加え、第2の温度ブロックは、約1から30秒間伸長温度を加える。
【0055】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約90℃から100℃の間である。
【0056】
いくつかの実施形態において、伸長温度は、約50℃から65℃の間である。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である。
【0058】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される。
【0059】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0060】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、50℃から65℃の間の共通温度で収集される。
【0061】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、キャリッジによって支持される。
【0062】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、レールを備える。
【0063】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される。
【0064】
一態様において、サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法が開示される。この方法は、(a)1つまたは複数の試料を識別することを含む。この方法は、(b)サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に変性温度を加えることも含む。この方法は、(c)サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に伸長温度を加えることも含む。この方法は、(d)マイクロプレートを第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間で移動することも含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、変性温度を加えることおよび伸長温度を加えることを約20から80サイクルで行うことは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で完了する。
【0066】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間で移送するように動作可能である。
【0067】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、試料のアレイを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、試料のアレイは、アレイの長さに沿った試料とアレイの隣接する長さに沿った試料との2:3の比に適合する。
【0070】
いくつかの実施形態において、この方法は、1つまたは複数の試料を追加の温度ゾーンに移動することをさらに含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料に伸長温度または変性温度を加えることは、1つまたは複数の試料に約10から300ニュートンの力の上向きの力を及ぼすことを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、この方法は、1つまたは複数の試料が第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンの間にあるときに1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定することをさらに含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0074】
(b)および(c)の前に1つまたは複数の試料をアライメントすることをさらに含む、請求項61から70のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
いくつかの実施形態において、変性温度は約1から2秒間加えられ、伸長温度は約4から10秒間加えられる。
【0076】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約92℃から97℃の間であり、伸長温度は、約52℃から57℃の間である。
【0077】
いくつかの実施形態において、第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間の経過時間は、約1秒から2秒である。
【0078】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ゾーンと第1の温度ゾーンとの間の遷移において記録される。
【0079】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の温度で収集される。
【0080】
いくつかの実施形態において、この方法は、1つまたは複数の試料に下向きの力を作用させることをさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、蛍光応答を決定することは、光の制御された波長を1つまたは複数の試料に照射することを含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料に変性温度および/または伸長温度を加えることは、接触を介した熱伝導を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、伸長温度および/または変性温度を加えることは、試料に熱を伝えることを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、伸長温度および/または変性温度を加えることは、試料から熱を伝えることを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスはカメラである。
【0086】
いくつかの実施形態において、この方法は、(g)1つまたは複数の試料上に配設されたガラス蓋をさらに備える。
【0087】
いくつかの実施形態において、ガラス蓋は、酸化インジウムスズ(ITO)を含むコーティングを有する。
【0088】
いくつかの実施形態において、カメラは、1つまたは複数の試料のうちのすべての試料の画像を同時にキャプチャすることによって蛍光応答を検出するようにさらに構成される。
【0089】
一態様において、サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法。この方法は、(a)サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを含む。この方法は、(b)サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に伸長温度を加えることも含む。この方法は、(c)1つまたは複数の試料を第2の温度ゾーン間で繰り返し移動しながら、第2の温度ゾーンと第1の温度ゾーンとの間にあるときに1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定することも含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、変性温度を加えることおよび伸長温度を加えることを約20から80サイクルで行うことは、約10から20分以内に完了する。
【0091】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、約10回から60回、第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間で移送される。
【0092】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0093】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、試料のアレイを含む。
【0094】
いくつかの実施形態において、試料のアレイは、アレイの長さに沿った試料とアレイの隣接する長さに沿った試料との2:3の比に適合する。
【0095】
いくつかの実施形態において、この方法は、1つまたは複数の試料を追加の温度ゾーンの間で移動することをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料に伸長温度または変性温度を加えることは、試料に約10から300ニュートンの力の上向きの力を及ぼすことを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、この方法は、(b)および(c)の前に1つまたは複数の試料をアライメントすることをさらに含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、変性温度は約1から2秒間加えられ、伸長温度は約4から10秒間加えられる。
【0100】
いくつかの実施形態において、変性温度は、92℃から97℃の間であり、伸長温度は、約52℃から57℃の間である。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間の経過時間は、約1秒から5秒である。
【0102】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ゾーンと第1の温度ゾーンとの間の遷移において記録される。
【0103】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の温度で収集される。
【0104】
いくつかの実施形態において、この方法は、1つまたは複数の試料に下向きの力を作用させることをさらに含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、蛍光応答を決定することは、光の制御された波長を1つまたは複数の試料に照射することを含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料に変性温度および/または伸長温度を加えることは、接触を介した熱伝導を含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、伸長温度および/または変性温度を加えることは、試料に熱を伝えることを含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、伸長温度および/または変性温度を加えることは、試料から熱を伝えることを含む。
【0109】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーをさらに備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(d)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(e)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0110】
いくつかの実施形態において、システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルのサーマルサイクリングを完了するように動作可能である。
【0111】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である。
【0112】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートの第1の側は、ウェルのアレイを備える。
【0114】
いくつかの実施形態において、アレイは、アレイの長さに沿ったウェルとアレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する。
【0115】
いくつかの実施形態において、システムは、1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備えることをさらに含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、システムは、サーマルサイクリングの間に加熱可能な蓋をマイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される。
【0117】
いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウムである。
【0118】
いくつかの実施形態において、金属材料はポリプロピレンでコーティングされる。
【0119】
いくつかの実施形態において、変性温度および/または伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない。
【0120】
いくつかの実施形態において、システムは、液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備えることをさらに含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、ロボットアームを備える。
【0122】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間、または第1の温度ブロックもしくは第2の温度ブロックより上に位置決めされ、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0123】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される。
【0124】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される。
【0125】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数の試料の加熱を循環させるためのマイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックは、約1から10秒間変性温度を加え、第2の温度ブロックは、約1から30秒間伸長温度を加える。
【0130】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約90℃から100℃の間である。
【0131】
いくつかの実施形態において、伸長温度は、約50℃から65℃の間である。
【0132】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である。
【0133】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される。
【0134】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0135】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される。
【0136】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、キャリッジによって支持される。
【0137】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、レールを備える。
【0138】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される。
【0139】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックを備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックを備える。システムは、(d)1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスも備える。システムは、(e)マイクロプレートを第1の温度ブロック、センシングデバイス、および第2の温度ブロックの間で移動するように構成されているコンベヤも備え、それによりセンシングデバイスは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートが第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間を移動するときに、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0140】
いくつかの実施形態において、システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルのサーマルサイクリングを完了するように動作可能である。
【0141】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である。
【0142】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートの第1の側は、ウェルのアレイを備える。
【0144】
いくつかの実施形態において、アレイは、アレイの長さに沿ったウェルとアレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する。
【0145】
いくつかの実施形態において、システムは、1つまたは複数の追加の温度ブロックをさらに備えることをさらに含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、システムは、サーマルサイクリングの間に加熱可能な蓋をマイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される。
【0147】
いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウムである。
【0148】
いくつかの実施形態において、金属材料はポリプロピレンでコーティングされる。
【0149】
いくつかの実施形態において、変性温度および/または伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない。
【0150】
いくつかの実施形態において、システムは、液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備えることをさらに含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、ロボットアームを備える。
【0152】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される。
【0153】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される。
【0154】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数の試料の加熱を循環させるためのマイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックは、約1から10秒間変性温度を加え、第2の温度ブロックは、約1から30秒間伸長温度を加える。
【0159】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約90℃から100℃の間である。
【0160】
いくつかの実施形態において、伸長温度は、約50℃から65℃の間である。
【0161】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である。
【0162】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される。
【0163】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0164】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される。
【0165】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、キャリッジによって支持される。
【0166】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、レールを備える。
【0167】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される。
【0168】
一態様において、サーマルサイクラーシステム(thermocycler system)が開示される。サーマルサイクラーシステムは、(a)1つまたは複数の試料を収容するマイクロプレートを受け取り、および/または受け取ったマイクロプレートに収容されている1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを、収容されている試料のサーマルサイクリングの間に行うように構成されている第1の温度ブロックを備える。サーマルサイクラーシステムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。サーマルサイクラーシステムは、(c)マイクロプレート上に配設されている1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーも備える。サーマルサイクラーシステムは、(d)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0169】
いくつかの実施形態において、システムは、最大で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分で約20から80サイクルのサーマルサイクリングを完了するように動作可能である。
【0170】
いくつかの実施形態において、サーマルサイクリングの間に、システムは、反応毎に約10回から約60回、1つまたは複数の試料を第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間で移送するように動作可能である。
【0171】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約48、約96、約384、または約1536個の個別試料を含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、ウェルのアレイを備える。
【0173】
いくつかの実施形態において、アレイは、アレイの長さに沿ったウェルとアレイの隣接する長さに沿ったウェルとの2:3の比に適合する。
【0174】
いくつかの実施形態において、システムは、加熱可能な蓋を備え、さらに、システムは、サーマルサイクリングの間に加熱可能な蓋をマイクロプレートに押し付けるために約10から300ニュートンの力を印加するように構成される。
【0175】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは第1の側を備え、第1の側は金属材料を含み、金属材料はアルミニウムである。
【0176】
いくつかの実施形態において、金属材料はポリプロピレンでコーティングされる。
【0177】
いくつかの実施形態において、変性温度および/または伸長温度は、直接的な抵抗加熱を使用しては達成されない。
【0178】
いくつかの実施形態において、システムは、液体処理またはオートピペットプラットフォームをさらに備える。
【0179】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、ロボットアームを備える。
【0180】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間、または第1の温度ブロックもしくは第2の温度ブロックより上に位置決めされ、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0181】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第1の側に配設される。
【0182】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のバーコードは、第2の側に配設される。
【0183】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、核酸試料を含む。
【0184】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料を含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、超高速蛍光光度法測定値を含む。
【0186】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数の試料の加熱を循環させるためのマイクロプレートの配置のためのアライメント特徴を含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックは、約1から10秒間変性温度を加え、第2の温度ブロックは、約1から30秒間伸長温度を加える。
【0188】
いくつかの実施形態において、変性温度は、約90℃から100℃の間である。
【0189】
いくつかの実施形態において、伸長温度は、約50℃から65℃の間である。
【0190】
いくつかの実施形態において、第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間の経過時間は、1秒から5秒の間である。
【0191】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移において記録される。
【0192】
いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、蛍光応答を測定するように構成されている1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を備える。
【0193】
いくつかの実施形態において、蛍光応答は、約50℃から65℃の間の共通温度で収集される。
【0194】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、キャリッジによって支持される。
【0195】
いくつかの実施形態において、コンベヤは、レールを備える。
【0196】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、機械的アクチュエータによって駆動される。
【0197】
本開示の別の態様は、1つまたは複数のコンピュータプロセッサにより実行されると、(たとえば、1つまたは複数の処理動作を指令することによって)本開示の任意の方法を実装する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ読取可能媒体を提供する。
【0198】
本開示の別の態様は、1つまたは複数のコンピュータプロセッサと、それに結合されたコンピュータメモリとを備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたは複数のコンピュータプロセッサにより実行されると、上記または本明細書の別の場所の方法のいずれかを実装する機械実行可能コードを含む。
【0199】
本開示の追加の態様および利点は、当業者には次の詳細な説明から容易に明らかなものであり、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明されている。理解されるように、本開示は、他のおよび異なる実施形態を可能にし、そのいくつかの詳細は、様々な明らかな点に関して修正することが可能であり、すべて本開示から逸脱しない。したがって、図面および説明は、制限ではなく、事実上例示するものとみなされるべきである。
【0200】
参照による組み込み
本明細書において言及されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により組み込まれることが特に、また個別に指示されている場合と同じ範囲にわたって参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれている刊行物および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する場合には、本明細書がそのような矛盾材料に取って代わり、および/または優先するものとする。
【0201】
本発明の新規性のある特徴は、付属の請求項において詳細に述べられる。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用されている例示的な実施形態について述べている次の詳細な説明と、添付図面(本明細書では「図」および「FIG.」とも称される)を参照することによってよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0202】
図1】96個のウェルを備えるマイクロプレートを例示する図である。
図2A】48ウェルマイクロプレートを例示する図である。
図2B】48ウェルマイクロプレートを例示する図である。
図3】超高速PCRサーマルサイクラーの概略図である。
図4】本明細書において提供される方法を実装するようにプログラムされるかまたは他の何らかの形で構成されているコンピュータ制御システムを示す図である。
図5】超高速PCRサーマルサイクラーの別の概略図である。
図6】センシングデバイスの構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0203】
本明細書では本発明の様々な実施形態が示され説明されているが、そのような実施形態は例のみを用いて提示されていることは当業者には明らかであろう。こうして、多数の変形、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者が思いつく可能性がある。本明細書で説明されている本発明の実施形態の様々な代替的形態が採用され得ることは理解されたい。
【0204】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーも備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(d)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(e)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0205】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(d)1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスも備える。システムは、(e)マイクロプレートを第1の温度ブロック、センシングデバイス、および第2の温度ブロックの間で移動するように構成されているコンベヤも備え、それによりセンシングデバイスは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートが第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間を移動するときに、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0206】
一態様において、サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法が開示される。この方法は、(a)1つまたは複数の試料を識別することを含む。この方法は、(b)サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に変性温度を加えることも含む。この方法は、(c)サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に伸長温度を加えることも含む。この方法は、(d)マイクロプレートを第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間で移動することも含む。
【0207】
一態様において、サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を加熱するための方法。この方法は、(a)サーマルサイクリングの間に第1の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを含む。この方法は、(b)サーマルサイクリングの間に第2の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に伸長温度を加えることも含む。この方法は、(c)1つまたは複数の試料を第2の温度ゾーン間で繰り返し移動しながら、第2の温度ゾーンと第1の温度ゾーンとの間にあるときに1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定することも含む。
【0208】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーも備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックも備える。システムは、(d)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。システムは、(e)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0209】
一態様において、システムが開示される。このシステムは、(a)サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備える。マイクロプレートは、第1の側と第2の側とを備える。第1の側は、金属材料を含む。マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備える。システムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックを備える。システムは、(c)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックを備える。システムは、(d)1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定するように構成されている第1の温度ブロックと第2の温度ブロックとの間に位置決めされたセンシングデバイスも備える。システムは、(e)マイクロプレートを第1の温度ブロック、センシングデバイス、および第2の温度ブロックの間で移動するように構成されているコンベヤも備え、それによりセンシングデバイスは、サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートが第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間を移動するときに、1つまたは複数の試料から蛍光応答を決定する。
【0210】
一態様において、サーマルサイクラーシステムが開示される。サーマルサイクラーシステムは、(a)1つまたは複数の試料を収容するマイクロプレートを受け取り、および/または受け取ったマイクロプレートに収容されている1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを、収容されている試料のサーマルサイクリングの間に行うように構成されている第1の温度ブロックを備える。サーマルサイクラーシステムは、(b)サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートを受け取り、および/またはマイクロプレートに収容される1つまたは複数の試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックも備える。サーマルサイクラーシステムは、(c)マイクロプレート上に配設されている1つまたは複数のバーコードを読み取るためのバーコードリーダーも備える。サーマルサイクラーシステムは、(d)サーマルサイクリングの間に、センシングデバイス、第1の温度ブロック、および第2の温度ブロックの間でマイクロプレートを移動させるように構成されているコンベヤも備える。
【0211】
一態様において、超高速サーマルサイクリングを提供するためのシステムが開示される。サーマルサイクリングは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に対するものであってもよい。このシステムは、サーマルサイクリングの間に1つまたは複数の試料を収容するためのマイクロプレートを備え得る。マイクロプレートは、少なくとも第1の側と第2の側とを備え得る。たとえば、マイクロプレートは、頂部側および底部側(裏面)を有する実質的に平坦なプレートであってよい。他の実施形態では、マイクロプレートは、頂部側および底部側(たとえば、直方体の隣接する側)に加えて、追加の側を有していてもよく、その上に情報が記録されるか、または機械的特徴が取り付けられて、サーマルサイクラーを通してマイクロプレートの処理および搬送を円滑にし得る。マイクロプレートは、第1の側にポリマーコーティング(たとえば、ポリプロピレン)を施したアルミニウムまたは他の金属材料から作られた剛体長方形プレートであってよい。ポリマーコーティング上に配設されるのは、複数のウェル(たとえば、円形または正方形のウェル)、リング、または管であってもよく、これもまた同じもしくは異なるポリマー材料から作られる。マイクロプレートは、幅方向のウェル数と長さ方向のウェル数の(または、アレイの一方の側のウェルの数とアレイの隣接する側のウェルの数の)2:3の比に適合する長方形の寸法を有し得、寸法の配列において、6、12、24、48、96、384、または1536個のウェル、たとえば、2×3、4×6、8×12、16×24、または32×48のウェルを含み得る。
【0212】
マイクロプレートは、第1の側または第2の側に配設された1つまたは複数のバーコードを備え得る。たとえば、1つまたは複数のバーコードは、試料を収容しないマイクロプレートの第1の側の一部分に付けられてよい。1つまたは複数のバーコードは、マイクロプレートの底部の面積の少なくとも50%、またはマイクロプレートの底部の面積の少なくとも40%、またはマイクロプレートの底部の面積の少なくとも30%、またはマイクロプレートの底部の面積の少なくとも20%、またはマイクロプレートの底部の面積の少なくとも10%、またはマイクロプレートの底部の面積の少なくとも5%を含むマイクロプレートの底部の一部分に付けられてもよい。マイクロプレートが試料収容側に垂直なより厚い側を有し得る実施形態では、1つまたは複数のバーコードが、これらのより厚い試料隣接側面の1つに付けられてよい。マイクロプレートは、収容される試料のすべてを識別する1つのバーコードを有し得る。マイクロプレートは、試料のサブセットを記述する2つまたはそれ以上のバーコードを有してもよく、マイクロプレートの異なるセクションは、異なる種類の試料を収容し得る。マイクロプレートは、各試料ウェルの下および反対側に配設され、各個別ウェルに収容される異なる試料を識別するバーコードを有し得る。
【0213】
システムは、バーコードリーダーを備え得る。バーコードリーダーは、マイクロプレート上に印刷されたバーコードを登録し、バーコードをデコードして(コンピューティングデバイスを使用して)マイクロプレート内の試料の同一性を決定する光学センサーであってよい。バーコードリーダーは、ハンドヘルドスキャナ、ペン型スキャナ、レーザースキャナ、カメラ、または別のタイプの光学センサーであってもよい。
【0214】
システムは、2つまたはそれ以上の温度ブロックまたは温度ユニットを備え得る。温度ブロックは、サーマルサイクリングの間に試料との間で熱を伝達するように構成され得る。温度ブロックは、マイクロプレートに接触して加熱を行い、マイクロプレートを加熱可能な蓋に押し付ける上向きの力を及ぼすように、マイクロプレートの下に配設され得る。マイクロプレートを加熱可能な蓋に押し付けるのに必要な上向きの力を及ぼすことに加えて、いくつかの温度ユニットは、複数の側からの加熱を行うために(たとえば、スリーブのように)マイクロプレートを完全にまたは部分的に囲むかまたは封緘するものとしてよい。温度ブロックはそれ自体、ブロックの一定の温度を維持するために抵抗加熱法、またはペルチェ加熱法によって加熱されてもよい。温度ブロックに対する一抵抗加熱システムは、埋込カートリッジヒーターを使用することを含み得る。温度ブロックは、対流加熱システムを使用して加熱されてもよい。たとえば、温度ブロックは、加熱された液体を循環させるためにブロック内にチャネルを収容し得る。別の対流加熱方法は、取り付けられたストリップヒーターを使用し得る。別の対流加熱方法は、キャピラリーチューブヒーターを使用し得る。温度ブロックは、マイクロプレートの下に配設されるか、または昇降カムもしくは他の機械装置を介して作動されるときに、力を試料に及ぼして加熱可能な蓋もしくは別の種類の対向する第2の表面に試料を押し付けるように他の何らかの形で構成され得る。その結果生じる挟持作用は、試料に高速で均一な加熱または冷却をもたらし得る。
【0215】
温度ブロックは、マイクロプレートを受け取り、マイクロプレート内の試料に変性温度を加えるように構成されている第1の温度ブロックを含み得る。温度ブロックは、マイクロプレートを受け取り、試料に伸長温度を加えるように構成されている第2の温度ブロックを含み得る。第2の温度ブロックは、第1のブロックと同じ材料であってもよく、または異なる材料であってもよい。第1の温度ブロックは、1~10秒間に変性温度を加え得、第2の温度ブロックは、1~30秒間に伸長温度を加え得る。
【0216】
変性温度は、核酸の変性、すなわち「溶融」に対する温度である。この温度で、サーマルサイクラーは、相補的核酸塩基間の水素結合を切断し、2つの一本鎖核酸分子を形成する。変性温度は、90℃から100℃の間であってよい。
【0217】
伸長温度は、核酸テンプレート鎖に相補的な新しい核酸鎖を合成し、それにより核酸標的を増幅するための1サイクルを完了させるための温度である。伸長温度は、50℃から65℃の間であってよい。
【0218】
伸長前に、アニーリングが第2の温度ブロックによって実行され得る。アニーリングは、伸長温度で実行されてもよい。アニーリングは、新しい核酸を合成するために、核酸テンプレート鎖へのプライマーの結合を含み得る。
【0219】
サーマルサイクリングシステムは、マイクロプレートをバーコードリーダーから温度ブロックに、次いで温度ブロックとセンシングデバイスとの間に高速に移動するように構成されているコンベヤも含み得る。コンベヤは、移動軌道であってもよい。コンベヤは、マイクロプレートが搭載されるレール、たとえばボールレールのセットを備え得る。マイクロプレートは、機械的アクチュエータを使用して、レール上のサーマルサイクラーコンポーネントの間を移動され得る。機械的アクチュエータは、リードネジ、または螺旋運動を使用してマイクロプレートを移動し得る別のデバイスであってもよい。コンベヤは、スプロケットのプーリー上に装着された、歯付きベルトであり得る。ステッピングモーターは、歯付きベルトの下に配設された歯車を回転させ、歯付きベルトを移動させることによって、マイクロプレートを前進させ得る。他の実施形態では、マイクロプレートは、ラックアンドピニオンシステムを使用して移動してもよい。他の実施形態では、マイクロプレートは、プーリーおよびチェーンを備えるシステム上で移動し得る。
【0220】
それに加えて、マイクロプレートは、軌道によって支持されていないプラットフォーム上に配設され、アクチュエータ(たとえば、空気圧、熱、電気、機械、または油圧アクチュエータ)を使用して移動され得る。マイクロプレートは、モーターによって駆動され得る。マイクロプレートは、ロボットアームによって保持され、オペレータによって手動で制御されて、被加熱ブロックの間を移動され得る。他の実施形態では、ロボット制御は部分的に自動化されてもよい。他の実施形態では、ロボット制御は完全に自動化されてもよい。
【0221】
マイクロプレートは、1、2、3、4、または5秒以内に温度ブロックの間を通過し得る。マイクロプレートは、異なる速度でブロック間を通過してもよい(たとえば、第1のブロックから第2のブロックへ、逆方向よりも速く、またはその逆に)。ブロック間の通過速度は、約少なくとも100mm/秒、または約少なくとも150mm/秒、または約少なくとも200mm/秒、または約少なくとも250mm/秒、または約少なくとも300mm/秒、または約少なくとも350mm/秒であってよい。ブロック間の通過速度は、約最大で100mm/秒、または約最大で150mm/秒、または約最大で200mm/秒、または約最大で250mm/秒、または約最大で300mm/秒、または約最大で350mm/秒であってもよい。ブロック間の通過速度は、約100mm/秒から150mm/秒の間、または約150mm/秒から200mm/秒の間、または約200mm/秒から250mm/秒の間、または約250mm/秒から300mm/秒の間、または約300mm/秒から350mm/秒の間、または約350mm/秒から400mm/秒の間であってよい。
【0222】
第1のブロックから第2のブロックへのマイクロプレートの搬送は約150mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへのマイクロプレートの搬送は約200mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。第1のブロックから第2のブロックへの搬送は約200mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへの搬送は約250mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。第1のブロックから第2のブロックへの搬送は約250mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへの搬送は約300mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。第1のブロックから第2のブロックへの搬送は約100mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへの搬送は約200mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。第1のブロックから第2のブロックへの搬送は約150mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへの搬送は約250mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。第1のブロックから第2のブロックへの搬送は約200mm/秒であり得、第2のブロックから第1のブロックへの搬送は約300mm/秒であり得るか、またはその逆であり得る。
【0223】
センシングデバイスは、サーマルサイクリングの間に反応(たとえば、PCR)の進行を追跡し得る。センシングデバイスは、2つの温度ブロックの間に位置決めされ得る。センシングデバイスは、2つの温度ブロックのいずれかの真上に位置決めされ得る。センシングデバイスは、2つの温度ブロック(の側)の同じ水平面内に位置決めされてよい。センシングデバイスは、2つの温度ブロックより上に、それら2つの温度ブロックに対してある角度で位置決めされ得る。追加の温度ブロックを有する他の実施形態では、センシングデバイスは、伸長の後の蛍光応答を収集するように位置決めされ得る。たとえば、センシングデバイスは、第1のブロックと第2のブロックとの間、または第2のブロックと第3のブロックとの間に位置決めされ得る。センシングデバイスは、第1のブロックより上、第2のブロックより上、または第3のブロックより上に位置決めされてもよい。追加の温度ブロックを有する実施形態では、追加のセンシングデバイスがあってもよい。たとえば、第1のブロックと第2のブロックとの間、および第2のブロックと第3のブロックとの間にセンシングデバイスがあってもよい。
【0224】
センシングデバイスは、可視指示を提供してもよい。センシングデバイスは、PCR反応時に放出されるルミネセンスを測定し得る。ルミネセンスは、ケミルミネセンスであってもよい。センシングデバイスは、ランタニドレポーターなどのルミネセンスレポーターを使用し得る。
【0225】
センシングデバイスは、PCR反応時に放出される蛍光を測定し得る。試料は、マイクロプレートがセンシングデバイスの配置位置に入るときに試料に蛍光を発光させ得るプローブまたは色素と接触させられ得る。たとえば、センシングデバイスは、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、フォトダイオード、および1つまたは複数のフィルタを備える光スキャナであってよい。LEDは、プローブまたは色素が付着されている試料を光に接触させることによって蛍光を刺激し得る。いくつかの実施形態において、紫外線(UV)光源(たとえば、レーザー)またはランプ(たとえば、タングステンハロゲンランプ)などの、異なる光源が蛍光発光を刺激するために使用され得る。フィルタは、放出される波長を蛍光発光を刺激する波長に制限するように構成されたバンドパスフィルタまたは他のフィルタであってもよい。フォトダイオードは、そのような蛍光発光を検出し、収集された信号を電気信号に変換するものとしてよく、この信号は定量化可能な蛍光測定を反映し得る。蛍光測定(本明細書では「蛍光応答」と入れ換えて称される)は、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間の遷移に記録され得る。センシングデバイスは、マイクロプレートが第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間を移動するときに(伸長から変性まで)、蛍光測定を実行し得る(または蛍光応答を収集し得る)。センシングデバイスは、マイクロプレートが50℃から65℃の範囲内の特定の温度にあるときにすべての蛍光測定を実行してもよい(または、蛍光応答を収集してもよい)。センシングデバイスは、試料から放出される蛍光の特性を測定し得る。たとえば、センシングデバイスは、蛍光偏光を測定し得る。
【0226】
センシングデバイスは、カメラであってもよい。カメラは、マイクロプレートウェル内の試料の画像を同時にキャプチャすることによって蛍光を検出するように構成され得る。カメラは、電荷結合素子(CCD)、電子増倍CCD(EMCCD)、または科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)デバイスであってもよい。カメラは、ピクセルのアレイを備えるものとしてよく、ピクセルは電子蓄積ウェル(electron storage well)に結合されたシリコン基板を有するフォトダイオードを含む。光子がシリコン基板に当たると、光電子が発生する。これらの光電子は、増幅器によって電圧に変換され、次に、アナログ/デジタル変換器(ADC)によってデジタル信号に変換され得る。
【0227】
蛍光応答は、1つまたは複数の超高速蛍光光度法測定値を含み得る。センシングデバイスは、発光ダイオード(LED)などの光源を使用して、試料の蛍光を励起し得る。フォトダイオードは、蛍光応答を測定し得る。他の実施形態では、センシングデバイスは別の光源を使用してもよい。たとえば、センシングデバイスは、レーザーを使用し得る。センシングデバイスは、フィルタ付き白熱光源を使用してもよい。センシングデバイスは、ランプを使用してもよい。ランプは、タングステンハロゲンランプであってもよい。たとえば、レーザー蛍光光度法は、蛍光応答をキャプチャし得る。いくつかの実施形態において、蛍光分光光度計が蛍光応答をキャプチャし得る。
【0228】
マイクロプレートは、加熱、バーコードスキャン、および/またはセンシングのためにサーマルサイクラーシステム内でマイクロプレートを正確に配置するか、または置くためのアライメント特徴を備え得る。たとえば、マイクロプレートは、マイクロプレートが誘導システムに付着するか、嵌るか、または他の何らかの形でインターフェースすることを可能にするための複数のノッチを備え得る。いくつかの実施形態において、誘導システムは、1つまたは複数の軌道を備え得る。いくつかの実施形態において、誘導システムは、1つまたは複数のレールを備え得る。いくつかの実施形態において、誘導システムは、1つまたは複数のポールを備え得る。マイクロプレートは、長方形の場合に、その周に沿ってマッチする数のノッチを、その周の長いセクション上により多くのノッチを、またはその周の小さなセクション上により多くのノッチを備え得る。マイクロプレートは、たとえば、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、またはそれ以上のノッチをトータルで備え得る。マイクロプレートは、その周の長いセクション上に約1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のノッチを有し得る。マイクロプレートは、その周の短い側上に約1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のノッチを有し得る。ノッチは、長方形、円形、卵形、または三角形の形状であってもよい。
【0229】
サーマルサイクリングの間に、マイクロプレートは、第2の温度ブロックと第1の温度ブロックとの間で10回から60回、移動させられ得る。この方式でのサイクリングは、約10分未満、または約25分未満で完了し得る。たとえば、20~80サイクルは、10~20分で完了し得る。
【0230】
マイクロプレートは、実験室で使用される様々な種類の液体処理機器で使用可能であり得る。液体処理機器は、遠心分離機を備え得る。液体処理は、実験室機器を使用してさらに分析するためにマイクロプレートウェルの内容物を取り除くことを含み得る。たとえば、液体処理は、穴開けすることを含み得る。液体処理機器は、穴開け器を備え得る。液体処理は、流体を吸引することを含み得る。液体処理機器は、吸引装置を備え得る。液体処理機器は、真空ポンプを備え得る。
【0231】
液体処理機器は、液体または他の媒体を分注するための機器を備え得る。液体処理機器は、ピペットまたはピペッティングシステムであってもよい。ピペッティングシステムは、自動ピペットプラットフォームであってもよい。
【0232】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている1つまたは複数の方法は、完全に自動化できる。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている1つまたは複数のステップは、自動化できる。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている方法はどれもその一部が自動化され得る。いくつかの実施形態において、本明細書において開示されている方法はどれも別の部分は自動化されないことがあり得る。
【0233】
マイクロプレートウェルが配設されるマイクロプレートのサイズ、形状、およびアレイフォーマットは、それが標準機器を使用して試験後手順に使用されることを可能にし得る。試験後手順は、試料分析手順を含み得る。試料分析は、ゲル電気泳動であってもよい。試料分析は、質量分析であってもよい。
【0234】
いくつかの場合において、システムは、1つまたは複数の追加の温度ブロックを有し得る。たとえば、システムは、第3の温度ブロックを有してよく、1つのブロックが伸長温度を加え、1つのブロックがアニーリング温度を加え、1つのブロックが変性温度を加える。そのような実施形態は、マイクロプレートがブロックの任意の対の間でシフトするときに蛍光測定値を提供するための追加のセンシングデバイスを有し得る。
【0235】
伸長温度または変性温度を試料に加えることは、温度ブロックから試料に圧力を加えることによって、10から300ニュートンの力を及ぼすことを含み得る。温度ブロックの下に配設されている昇降カムは、温度ブロックを上方に押し上げ得る。そのような力は、試料を収容するマイクロプレートを加熱可能な蓋に押し付け、蓋および温度ブロックの両方からの圧力が、温度ブロックからマイクロプレート内の試料への熱伝達のペースを速め得る。たとえば、そのようなプロセスは、試料の加熱または冷却を加速し得る。それに加えて、マイクロプレートによって及ぼされる圧力は、試料に均等な加熱または冷却をもたらし得る。
【0236】
加熱可能な蓋は、機械システムによって適所に保持され得る。たとえば、加熱可能な蓋は、ケーブル布線を使用して適所に保持され得る。加熱可能な蓋は、プーリーを使用して適所に保持され得る。加熱可能な蓋は、機械的アクチュエータを使用して適所に保持され得る。加熱可能な蓋は、ロボットアームを使用して適所に保持され得る。加熱可能な蓋は、粘着剤システムを使用して適所に保持され得る。たとえば、加熱可能な蓋は、吊り下げられた平坦な表面に溶接され得る。加熱可能な蓋は、エンクロージャに嵌められ得る。加熱可能な蓋は、レールのセット上に置かれ、マイクロプレートを加熱ブロックとアライメントするためのものに類似するアライメント用ノッチを使用してレールに嵌められ得る。
【0237】
マイクロプレート内の試料ウェルは、自動的に封止され得る。機械またはコンピュータ制御デバイスが、マイクロプレートウェルを配置し、ウェルの各々にシールを施すように構成され得る。試料ウェルは、手動で、またはデバイスの手動制御を介して封止されてもよい。シールは、ヒートシール性フィルムであってもよい。フィルムは、透明フィルムであってもよい。フィルムは、半透明フィルムであってもよい。フィルムは、不透明フィルムであってもよい。複数のマイクロプレートウェルは、透明フィルムで封止され得、残りのウェルは、半透明フィルムで封止され得る。複数のマイクロプレートウェルは、透明フィルムで封止され得、残りのウェルは、不透明フィルムで封止され得る。複数のマイクロプレートウェルは、不透明フィルムで封止され得、残りのウェルは、半透明フィルムで封止され得る。個別のフィルムは、部分的に透明、部分的に半透明であってもよい。個別のフィルムは、部分的に半透明、部分的に不透明であってもよい。個別のフィルムは、部分的に不透明、部分的に透明であってもよい。試料ウェルは、ガラス蓋で覆われていてもよい。ガラス蓋は、透明導電性酸化物でコーティングされてもよい。たとえば、ガラス蓋は、電気的に加熱できるように、酸化インジウムスズ(ITO)のコーティングを有し得る。ガラス蓋は、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)でコーティングされてもよい。ガラス蓋は、インジウムドープ酸化カドミウムでコーティングされてもよい。ガラス蓋は、錫酸バリウムでコーティングされてもよい。ガラス蓋は、バナジウム酸ストロンチウムでコーティングされてもよい。ガラス蓋は、バナジウム酸カルシウムでコーティングされてもよい。
【0238】
マイクロプレート内の試料は、核酸試料であってもよい。たとえば、試料は、デオキシリボ核酸(DNA)試料であってもよい。試料は、人間の被験者(たとえば、特定の細胞または組織)、植物、動物、細菌、ウイルス、または他の生物からの試料であってもよい。
【0239】
別の態様では、1つまたは複数の試料の高速PCRサーマルサイクリングのための方法が説明される。この方法は、最初に、1つまたは複数の試料を識別することを含むものとしてよい。試料は、少なくとも1つの側がバーコードを含んでいるマイクロプレート内に置かれてもよい。バーコードスキャナは、バーコードをスキャンして、試料の同一性を決定し得る。次いで、加熱プロセスは、サーマルサイクリングの間に、第1の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に変性温度を加えることを含み得る。第1の温度ゾーンは、加熱が2つの方向(上方および下方)から加えられるときに試料に力(たとえば、上方圧力および下方圧力)が及ぼされる場所であってよい。加熱および力を提供する加熱要素は、加熱可能な蓋および温度ブロックであってもよい。加熱プロセスは、サーマルサイクリングの間に、第2の温度ゾーンで1つまたは複数の試料に伸長温度を加えることも含み得る。伸長温度は、それに加えて、上向きの力および下向きの力ならびに加熱を使用して提供され得る。上向きの力は、温度ブロックを上方に押し上げるための昇降装置(たとえば、昇降カム)によって及ぼされ得る。加熱可能な蓋は、マイクロプレートが温度ブロックによって押し上げられて蓋に当てられるときに下向きの力を加え得る。加熱プロセスは、試料を第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとの間で移動することを含み得る。移動は、螺旋運動、ロボットアームによってもたらされる運動、作動方法を使用して、移動軌道または装置上に置くことによって、または機械的処理方法によって実行され得る。加熱プロセスは、試料が第2の温度ゾーンから第1の温度ゾーンに移動している間に、1つまたは複数の試料からの蛍光応答を決定することを含み得る。
【0240】
加熱プロセスは、2つよりも多い温度ゾーンの間で試料を移動し得る。たとえば、加熱プロセスは、伸長および変性のための温度ゾーンに加えて、1つまたは複数の追加の温度ゾーンへ試料を移動し得る。たとえば、1つの追加の温度ゾーンは、変性用のゾーンであってよい。別の追加の温度ゾーンは、逆転写のためのゾーンであってもよい。いくつかの実施形態において、逆転写のための温度ゾーンに移動することは、約25℃から58℃の間で試料を加熱することを含み得る。いくつかの実施形態において、逆転写のための温度ゾーンに移動することは、約42℃から48℃の間で試料を加熱することを含み得る。いくつかの実施形態において、逆転写時間は、約10分未満、約20分未満、約30分未満、または約40分未満であってよい。いくつかの実施形態において、逆転写時間は、約10分超、約20分超、約30分超、または約40分超であってよい。いくつかの実施形態において、逆転写時間は、約1分から10分の間、約10分から20分の間、約20分から30分の間、または約30分から40分の間であってよい。
【0241】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用マイクロプレート
いくつかの実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のマイクロプレートアセンブリ(本明細書では「マイクロプレート」とも称される)が提供される。本開示のマイクロプレートは、PCR中の高速で、正確な熱制御として、現行のPCRシステムに勝る様々な利点を提供し得る。いくつかの実施形態において、マイクロプレートが提供され、これは少なくとも毎分約0.1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000PCRサイクル、または最大で毎分約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、もしくは2000PCRサイクル、または毎分約1~60、10~70、20~80、30~90、40~100、100~200、200~300、300~400、500~1000PCRサイクルで、いくつかの場合においてサイクル毎に蛍光測定を行って、実行することができる。別の実施形態では、マイクロプレートが提供され、これが有する平均加熱ランプ速度は、少なくとも約0.01℃/秒、もしくは0.1℃/秒、もしくは1℃/秒、もしくは2℃/秒、もしくは3℃/秒、もしくは4℃/秒、もしくは5℃/秒、もしくは6℃/秒、もしくは7℃/秒、もしくは8℃/秒、もしくは9℃/秒、もしくは10℃/秒、もしくは11℃/秒、もしくは12℃/秒、もしくは13℃/秒、もしくは14℃/秒、もしくは15℃/秒、もしくは16℃/秒、もしくは17℃/秒、もしくは18℃/秒、もしくは19℃/秒、もしくは20℃/秒、もしくは25℃/秒、もしくは30℃/秒、もしくは35℃/秒、もしくは40℃/秒、もしくは45℃/秒、もしくは50℃/秒、100℃/秒、もしくはそれ以上、または最大で約0.01℃/秒、もしくは0.1℃/秒、もしくは1℃/秒、もしくは2℃/秒、もしくは3℃/秒、もしくは4℃/秒、もしくは5℃/秒、もしくは6℃/秒、もしくは7℃/秒、もしくは8℃/秒、もしくは9℃/秒、もしくは10℃/秒、もしくは11℃/秒、もしくは12℃/秒、もしくは13℃/秒、もしくは14℃/秒、もしくは15℃/秒、もしくは16℃/秒、もしくは17℃/秒、もしくは18℃/秒、もしくは19℃/秒、もしくは20℃/秒、もしくは25℃/秒、もしくは30℃/秒、もしくは35℃/秒、もしくは40℃/秒、もしくは45℃/秒、もしくは50℃/秒、100℃/秒、もしくはそれ以上、または約1℃/秒~10℃/秒、もしくは約10℃/秒~20℃/秒、もしくは約20℃/秒~30℃/秒、もしくは約30℃/秒~40℃/秒、もしくは約40℃/秒~50℃/秒の間である。別の実施形態では、マイクロプレートは、熱均一性に対する能動的制御を有するものとしてよく、±2℃、±1℃、±0.5℃、±0.2℃、±0.1℃、±0.05℃またはそれよりよい範囲内で熱制御を行い得る。
【0242】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは消耗品であってもよい。別の実施形態において、マイクロプレートは再生利用可能品であってもよい。別の実施形態において、マイクロプレートは再利用可能品であってもよい。別の実施形態において、マイクロプレートは生分解性であってもよい。別の実施形態において、マイクロプレートは非消耗品であってもよい。
【0243】
本開示の一態様は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のマイクロプレートを提供する。実施形態において、マイクロプレートは、PCR試料を加熱するための金属材料を含む基板と、基板の上に配設されたバリア層とを備え、バリア層は第1のポリマー材料から形成されるものとしてよい。マイクロプレートは、PCR試料を収容するための1つまたは複数のウェルをさらに備え、1つまたは複数のウェルはバリア層に封止された第2のポリマー材料から形成されるものとしてよい。いくつかの場合において、第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料と異なっていてもよい。一例において、第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料と異なるガラス転移温度を有していてもよい。他の場合には、第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料と同じであってもよい。一例において、第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料と同じ、または実質的に同じガラス転移温度を有していてもよい。
【0244】
いくつかの実施形態において、基板がもたらし得るPCRランプ速度(または加熱速度)は、少なくとも約0.01℃/秒、もしくは0.1℃/秒、もしくは1℃/秒、もしくは2℃/秒、もしくは3℃/秒、もしくは4℃/秒、もしくは5℃/秒、もしくは6℃/秒、もしくは7℃/秒、もしくは8℃/秒、もしくは9℃/秒、もしくは10℃/秒、もしくは11℃/秒、もしくは12℃/秒、もしくは13℃/秒、もしくは14℃/秒、もしくは15℃/秒、もしくは16℃/秒、もしくは17℃/秒、もしくは18℃/秒、もしくは19℃/秒、もしくは20℃/秒、もしくは25℃/秒、もしくは30℃/秒、もしくは35℃/秒、もしくは40℃/秒、もしくは45℃/秒、もしくは50℃/秒、もしくは100℃/秒、もしくはそれ以上、または最大で約0.1℃/秒、もしくは1℃/秒、もしくは2℃/秒、もしくは3℃/秒、もしくは4℃/秒、もしくは5℃/秒、もしくは6℃/秒、もしくは7℃/秒、もしくは8℃/秒、もしくは9℃/秒、もしくは10℃/秒、もしくは11℃/秒、もしくは12℃/秒、もしくは13℃/秒、もしくは14℃/秒、もしくは15℃/秒、もしくは16℃/秒、もしくは17℃/秒、もしくは18℃/秒、もしくは19℃/秒、もしくは20℃/秒、もしくは25℃/秒、もしくは30℃/秒、もしくは35℃/秒、もしくは40℃/秒、もしくは45℃/秒、もしくは50℃/秒、もしくは100℃/秒、もしくはそれ以上、または約1℃/秒~10℃/秒、もしくは約10℃/秒~20℃/秒、もしくは約20℃/秒~30℃/秒、もしくは約30℃/秒~40℃/秒、もしくは約40℃/秒~50℃/秒、もしくは約50℃/秒~60℃/秒の間である。
【0245】
いくつかの実施形態において、PCR試料の加熱は、基板に電流を通すことによって達成され得る。別の実施形態では、PCR試料の加熱は、基板に直流電流(DC)を通すことによって達成され得る(直接抵抗加熱)。いくつかの実施形態において、加熱は、電流を使用して抵抗加熱要素を収容する温度ブロックまたはユニットの温度を上昇させることと、基板に電流を直接通すことなく(すなわち、直接抵抗加熱によってではなく)温度ブロックまたはユニットをマイクロプレートと接触させることとを含み得る。いくつかの実施形態において、温度ブロックは、上方の力を及ぼしてマイクロプレートを加熱可能な蓋に押し付けたままにしながら、赤外線を照射してマイクロプレートを加熱するものとしてよい。
【0246】
いくつかの実施形態において、基板は、PCR試料から1マイクロメートル(「ミクロン」)以下、または2ミクロン以下、または3ミクロン以下、または4ミクロン以下、または5ミクロン以下、または6ミクロン以下、または7ミクロン以下、または8ミクロン以下、または9ミクロン以下、または10ミクロン以下、または11ミクロン以下、または12ミクロン以下、または13ミクロン以下、または14ミクロン以下、または15ミクロン以下、または16ミクロン以下、または17ミクロン以下、または18ミクロン以下、または19ミクロン以下、または20ミクロン以下だけ隔てられ得る。他の実施形態では、基板は、PCR試料から少なくとも約0.1ミクロン、もしくは1ミクロン、もしくは2ミクロン、もしくは3ミクロン、もしくは4ミクロン、もしくは5ミクロン、もしくは10ミクロン、もしくは15ミクロン、もしくは20ミクロン、もしくは30ミクロン、もしくは40ミクロン、もしくは50ミクロン、もしくは100ミクロン、もしくは500ミクロン、もしくは1000ミクロン、もしくは5000ミクロン、もしくは10,000ミクロン、もしくはそれ以上、または約1マイクロメートル(「ミクロン」)以上、もしくは2ミクロン以上、もしくは3ミクロン以上、もしくは4ミクロン以上。もしくは5ミクロン以上、もしくは6ミクロン以上、もしくは7ミクロン以上、もしくは8ミクロン以上、もしくは9ミクロン以上、もしくは10ミクロン以上、もしくは11ミクロン以上、もしくは12ミクロン以上、もしくは13ミクロン以上、もしくは14ミクロン以上、もしくは15ミクロン以上、もしくは16ミクロン以上、もしくは17ミクロン以上、もしくは18ミクロン以上、もしくは19ミクロン以上、もしくは20ミクロン以上だけ隔てられ得る。他の実施形態では、基板は、PCR試料から少なくとも約0.1ミクロン、または1ミクロン、または2ミクロン、または3ミクロン、または4ミクロン、または5ミクロン、または10ミクロン、または15ミクロン、または20ミクロン、または30ミクロン、または40ミクロン、または50ミクロン、または100ミクロン、または500ミクロン、または1000ミクロン、または5000ミクロン、または10,000ミクロン、またはそれ以上隔てられる。
【0247】
いくつかの実施形態において、第2のポリマー材料は、バリア層に熱融着されてもよい。別の実施形態では、第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料との化学的親和性を有し得る。いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウムを含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料はアルミニウム合金を含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料はニッケルを含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料は鋼鉄を含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料は銅を含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料は銀を含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料は金を含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料はモリブデンを含み得る。いくつかの実施形態において、金属材料は真鍮を含み得る。
【0248】
いくつかの実施形態において、基板は、電流が基板を通って流れた後に熱を発生させるためのものであってもよい。別の実施形態において、基板は、直流電流(DC)が基板を通って流れた後に熱を発生させるためのものであってもよい。別の実施形態において、基板は、交流電流(AC)が基板を通って流れた後に熱を発生させるためのものであってもよい。
【0249】
いくつかの実施形態において、基板は、約0.01℃/秒から100℃/秒の間、または約0.1℃/秒から50℃/秒の間、または約1℃/秒から35℃/秒の間、または約3℃/秒から25℃/秒の間、または約5℃/秒から15℃/秒の間の速度で1つまたは複数のウェル内の試料の温度を上昇させるためのものであってもよい。基板は、少なくとも約0.01℃/秒、または少なくとも約0.1℃/秒、または少なくとも約1℃/秒、または少なくとも約10℃/秒、または少なくとも約20℃/秒、または少なくとも約30℃/秒で温度を上昇させるためのものであってよい。基板は、最大で約0.01℃/秒、または最大で約0.1℃/秒、または最大で約1℃/秒、または最大で約10℃/秒、または最大で約20℃/秒、または最大で約30℃/秒で温度を上昇させるためのものであってもよい。
【0250】
いくつかの実施形態において、基板は、PCR試料を加熱するための金属材料を含み得る。金属材料は、約5×10-9Ω-mから1×10-6Ω-mの間、または約1×10-8Ω-mから1×10-7Ω-mの間、または約2×10-8Ω-mから8×10-8Ω-mの間の抵抗率を有し得る。
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1つまたは複数のウェルを備えることができる。いくつかの場合において、マイクロプレートは、約1個のウェル、または2個のウェル、または3個のウェル、または4個のウェル、または5個のウェル、または6個のウェル、または7個のウェル、または8個のウェル、または9個のウェル、または10個のウェル、または11個のウェル、または12個のウェル、または13個のウェル、または14個のウェル、または15個のウェル、または16個のウェル、または17個のウェル、または18個のウェル、または19個のウェル、または20個のウェル、または21個のウェル、または22個のウェル、または23個のウェル、または24個のウェル、または25個のウェル、または26個のウェル、または27個のウェル、または28個のウェル、または29個のウェル、または30個のウェル、または31個のウェル、または32個のウェル、または33個のウェル、または34個のウェル、または35個のウェル、または36個のウェル、または37個のウェル、または38個のウェル、または39個のウェル、または40個のウェル、または41個のウェル、または42個のウェル、または43個のウェル、または44個のウェル、または45個のウェル、または46個のウェル、または47個のウェル、または48個のウェル、または49個のウェル、または50個のウェル、または51個のウェル、または52個のウェル、または53個のウェル、または54個のウェル、または55個のウェル、または56個のウェル、または57個のウェル、または58個のウェル、または59個のウェル、または60個のウェル、または61個のウェル、または62個のウェル、または63個のウェル、または64個のウェル、または65個のウェル、または66個のウェル、または67個のウェル、または68個のウェル、または69個のウェル、または70個のウェル、または71個のウェル、または72個のウェル、または73個のウェル、または74個のウェル、または75個のウェル、または76個のウェル、または77個のウェル、または78個のウェル、または79個のウェル、または80個のウェル、または81個のウェル、または82個のウェル、または83個のウェル、または84個のウェル、または85個のウェル、または86個のウェル、または87個のウェル、または88個のウェル、または89個のウェル、または90個のウェル、または91個のウェル、または92個のウェル、または93個のウェル、または94個のウェル、または95個のウェル、または96個のウェル、または97個のウェル、または98個のウェル、または99個のウェル、または100個のウェル、または101個のウェル、または102個のウェル、または103個のウェル、または104個のウェル、または105個のウェル、または106個のウェル、または107個のウェル、または108個のウェル、または109個のウェル、または110個のウェル、または111個のウェル、または112個のウェル、または113個のウェル、または114個のウェル、または115個のウェル、または116個のウェル、または117個のウェル、または118個のウェル、または119個のウェル、または120個のウェル、または121個のウェル、または122個のウェル、または123個のウェル、または124個のウェル、または125個のウェル、または126個のウェル、または127個のウェル、または128個のウェル、または129個のウェル、または130個のウェル、またはそれ以上の個数のウェルを備えることができる。いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1個以上、または5個以上、または10個以上、または15個以上、または20個以上、または25個以上、または30個以上、または35個以上、または40個以上、または45個以上、または50個以上、または60個以上、または70個以上、または80個以上、または90個以上、または100個以上、または110個以上、または120個以上、または130個以上、または140個以上、または150個以上、または200個以上、または300個以上、または400個以上、または500個以上、または1000個以上のウェルを備えることができる。いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、1個以下、または5個以下、または10個以下、または15個以下、または20個以下、または25個以下、または30個以下、または35個以下、または40個以下、または45個以下、または50個以下、または60個以下、または70個以下、または80個以下、または90個以下、または100個以下、または110個以下、または120個以下、または130個以下、または140個以下、または150個以下、または200個以下、または300個以下、または400個以下、または500個以下、または1000個以下のウェルを備えることができる。
【0251】
一実施形態において、マイクロプレートは、24個のウェルを備え得る。別の実施形態において、マイクロプレートは、48個のウェルを備え得る。別の実施形態において、マイクロプレートは、54個のウェルを備えることができる。別の実施形態において、マイクロプレートは、72個のウェルを備え得る。別の実施形態において、マイクロプレートは、96個のウェルを備え得る。マイクロプレートは、使い捨ておよび/または再生利用可能なものであってよい。
【0252】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、各ウェルが5マイクロリットル(μl)から40μlの充填量の間の体積を有する、24個のウェル、または各ウェルが約0.5μlから5μlの間の体積を有する、96個のウェルを備え得る。
【0253】
他の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のマイクロプレートは、PCR試料を加熱するための金属材料を含む基板と、基板上に配設されるコーティング層(本明細書では「バリア層」ともいう)であって、コーティング層は第1のポリマー材料から形成される、コーティング層と、PCR試料を収容するためにコーティング層に封止された第2のポリマー材料から形成される1つまたは複数のウェルとを備え得る。いくつかの実施形態において、第2のポリマー材料は、第1のポリマー材料と同じであってもよい。いくつかの実施形態において、金属基板は、外部加熱要素またはペルチェ加熱ブロックを必要とせずに、±2℃以上、または±1℃以上、または±0.5℃以上、または±0.2℃以上、または±0.1℃以上、または±0.05℃以上良好なウェル間熱均一性を提供し得る。
【0254】
他の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のマイクロプレートは、PCR試料を加熱するための金属材料を含む基板と、基板上に配設されるコーティング層であって、コーティング層は第1のポリマー材料から形成される、コーティング層と、PCR試料を収容するための1つまたは複数のウェルであって、1つまたは複数のウェルはコーティング層に封止された第2のポリマー材料から形成される、1つまたは複数のウェルとを備え得る。いくつかの実施形態において、金属基板は、少なくとも毎分0.1PCRサイクル、または少なくとも毎分1PCRサイクル、または少なくとも毎分2PCRサイクル、または少なくとも毎分3PCRサイクル、または少なくとも毎分4PCRサイクル、または少なくとも毎分5PCRサイクル、または少なくとも毎分6PCRサイクル、または少なくとも毎分7PCRサイクル、または少なくとも毎分8PCRサイクル、または少なくとも毎分9PCRサイクル、または少なくとも毎分10PCRサイクル、または少なくとも毎分20PCRサイクル、または少なくとも毎分30PCRサイクル、または少なくとも毎分40PCRサイクル、または少なくとも毎分50PCRサイクル、または少なくとも毎分60PCRサイクル、または少なくとも毎分70PCRサイクル、または少なくとも毎分80PCRサイクル、または少なくとも毎分90PCRサイクル、または少なくとも毎分100PCRサイクル、または少なくとも毎分200PCRサイクル、または少なくとも毎分300PCRサイクル、または少なくとも毎分400PCRサイクル、または少なくとも毎分500PCRサイクル、または少なくとも毎分1000PCRサイクルを許容する十分な加熱効率をもたらし、場合によりサイクル毎の蛍光測定を含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属基板は、最大で毎分0.1PCRサイクル、または最大で毎分1PCRサイクル、または最大で毎分2PCRサイクル、または最大で毎分3PCRサイクル、または最大で毎分4PCRサイクル、または最大で毎分5PCRサイクル、または最大で毎分6PCRサイクル、または最大で毎分7PCRサイクル、または最大で毎分8PCRサイクル、または最大で毎分9PCRサイクル、または最大で毎分10PCRサイクル、または最大で毎分20PCRサイクル、または最大で毎分30PCRサイクル、または最大で毎分40PCRサイクル、または最大で毎分50PCRサイクル、または最大で毎分60PCRサイクル、または最大で毎分70PCRサイクル、または最大で毎分80PCRサイクル、または最大で毎分90PCRサイクル、または最大で毎分100PCRサイクル、または最大で毎分200PCRサイクル、または最大で毎分300PCRサイクル、または最大で毎分400PCRサイクル、または最大で毎分500PCRサイクル、または最大で毎分1000PCRサイクルを許容する十分な加熱効率をもたらし、場合によりサイクル毎の蛍光測定を含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属基板は、毎分1~10PCRサイクル、または毎分10~20PCRサイクル、または毎分20~30PCRサイクル、または毎分30~40PCRサイクル、または毎分40~50PCRサイクルの間を許容する十分な加熱効率をもたらす。
【0255】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、接触層とは反対側の基板の側に赤外線(IR)正規化材料の層をさらに含み得る。IR正規化層は、IR放射率の増大を促し、それによって、PCRにおけるマイクロプレートおよび1つまたは複数のウェルのより効率的な熱調節を提供し得る。別の実施形態では、マイクロプレートは、コーティング層とは反対側の基板の側にIR正規化材料の層を含み得る。いくつかの実施形態において、IR正規化層は、約10マイクロメートル(「ミクロン」)未満、または約5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約0.5ミクロン未満、または約0.1ミクロン未満の厚さを有し得る。
【0256】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約0.1mm未満、または約0.2mm未満、または約0.3mm未満、または約0.4mm未満、または約0.5mm未満、または約0.6mm未満、または約0.7mm未満、または約0.8mm未満、または約0.9mm未満、または約1mm未満の厚さを有し得る。別の実施形態では、マイクロプレートは、約0.1mmから100mmの間、または約0.2mmから20mmの間、または約0.3mmから10mmの間、または約0.4mmから0.6mmの間の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、約0.1mm超、または約0.2mm超、または約0.3mm超、または約0.4mm超、または約0.5mm超、または約0.6mm超、または約0.7mm超、または約0.8mm超、または約0.9mm超、または約1mm超の厚さを有し得る。
【0257】
いくつかの実施形態において、コーティング層は、約10マイクロメートル(「ミクロン」)未満、または約5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約0.5ミクロン未満、または約0.1ミクロン未満の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、コーティング層は、約10マイクロメートル(「ミクロン」)超、または約5ミクロン超、または約1ミクロン超、または約0.5ミクロン超、または約0.1ミクロン超の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、コーティング層は、約0.1から1ミクロンの間、約1から2ミクロンの間、約2から3ミクロンの間、約3から5ミクロンの間、または約5から10ミクロンの間の厚さを有し得る。
【0258】
本開示の別の態様は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とともに使用するための使い捨て試料ホルダーを提供し得る。いくつかの場合における使い捨て試料ホルダーは、ポリマー材料、金属材料(たとえば、アルミニウム)、または複合材料などの再生利用可能な材料から形成される。
【0259】
いくつかの場合において、使い捨て試料ホルダーは、第1のポリマー材料でコーティングされたアルミニウム基板と、第1のポリマー材料に熱融着された複数のウェルとを備え得る。複数のウェルは、第1のポリマー材料と親和性のある第2のポリマー材料から形成することができる。
【0260】
いくつかの場合において、使い捨て試料ホルダーは、使い捨て試料ホルダーの複数のウェルに熱を加えるためのアルミニウム含有基板を備え得る。使い捨て試料ホルダーは、約100g、または90g、または80g、または70g、または60g、または50g、または40g、または30g、または20g、または15g、または10g、または5g、または4g、または3g、または2g、または1g、またはそれ以下より小さいもしくは等しい重量を有することができる。使い捨て試料ホルダーは、約1g、または2g、または5g、または10g、または15g、または20g、または30g、または40g、または50g、または60g、または70g、または80g、または90g、または100gより大きいまたは等しい重量を有することができる。いくつかの実施形態において、試料ホルダーは、1から10gの間、10から20gの間、20から30gの間、30から40gの間、40から50gの間、50から100gの間、またはそれ以上の重量を有することができる。いくつかの実施形態において、使い捨て試料ホルダーは、単回使用試料ホルダーである。いくつかの実施形態において、使い捨て試料ホルダーは、複数回使用試料ホルダーである。
【0261】
本開示の別の態様は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とともに使用するための低コスト試料ホルダーを提供し得る。低コスト試料ホルダーは、約2.0g/cmから4.0g/cmの間、または2.7g/cmから3.0g/cmの間の密度を有する金属材料から形成された基板を含むことができる。基板は、約0.01℃/秒から100℃/秒の間、または約0.1℃/秒から50℃/秒の間、または約1℃/秒から35℃/秒の間、または約3℃/秒から25℃/秒の間、または約5℃/秒から15℃/秒の間の加熱速度で低コスト試料ホルダーの1つまたは複数のウェルに熱を加えるように構成され得る。いくつかの実施形態において、基板はアルミニウムを含む。いくつかの状況において、低コスト試料ホルダーは、基板の上に第1のポリマー材料から形成されたバリア層をさらに備え得る。低コスト試料ホルダーの1つまたは複数のウェルは、第1のポリマー材料に結合された第2のポリマー材料から形成されてもよい。
【0262】
サーマルサイクラーシステム
開示されるのは、超高速サーマルサイクラーシステムであり、これは25分以内に40PCRサイクルを実行することができるものであり得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、10分で約20PCRサイクル、または10分で約30PCRサイクル、または10分で約40PCRサイクル、または10分で約50PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、20分で約20PCRサイクル、または20分で約30PCRサイクル、または20分で約40PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、30分で約20PCRサイクル、または30分で約30PCRサイクル、または30分で約40PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、10分で約10~20PCRサイクル、または10分で約20~30PCRサイクル、または10分で約30~40PCRサイクル、または10分で約40~50PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、20分で約10~20PCRサイクル、または20分で約20~30PCRサイクル、または20分で約30~40PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、30分で約10~20PCRサイクル、または30分で約20~30PCRサイクル、または30分で約30~40PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、10~20分で約20PCRサイクル、または10~20分で約30PCRサイクル、または10~20分で約40PCRサイクル、または10~20分で約50PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、20~30分で約20PCRサイクル、または20~30分で約30PCRサイクル、または20~30分で約40PCRサイクルを実行し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、30~40分で約20PCRサイクル、または30~40分で約30PCRサイクル、または30~40分で約40PCRサイクルを実行し得る。
【0263】
サーマルサイクラーシステムは、被加熱ブロック間でマイクロプレートを高速に移送するためのキャリッジによって支持されたマイクロプレートを備え得る。一方の被加熱ブロック(たとえば、温度ブロックまたは温度ユニット)は、マイクロプレートを伸長温度まで加熱してもよく、他方の被加熱ブロックは、マイクロプレートを変性温度まで加熱してもよい。光スキャナは、蛍光測定を行うことによってサーマルサイクリング反応の進行を追跡し得る。
【0264】
マイクロプレートは、薄い、両面、剛性、非変形プレートであってもよい。マイクロプレートは、金属材料(たとえば、アルミニウム)から作られてもよい。一方の側では、プレートは、ポリマー材料(たとえば、ポリプロピレン)でコーティングされ、試料収容ウェルを貼り付けられ得る。他方の側では、マイクロプレートは、マイクロプレートの下に配設されたバーコードスキャナによってスキャンされるべきバーコードを含んでもよい。マイクロプレートは、サーマルサイクリングシステム内でマイクロプレートを正確に配置するためのアライメント用ノッチを備え得る。
【0265】
温度ブロック(加熱ブロックまたは温度ユニットとも称される)は、伸長、アニーリング、および変性のためにマイクロプレートの試料に熱を加え得る。温度ブロックは、マイクロプレートに電気加熱(たとえば、抵抗加熱)を行い得るか、または赤外線加熱を介して、もしくは他の方法によって加熱し得る。
【0266】
光スキャナは、蛍光センサーであってもよい。光スキャナは、サーマルサイクリングを受けているウェル内に蛍光を励起し得る複数の発光ダイオード(LED)を備え得る。フォトダイオードまたは他のデバイスは、次いで、蛍光を測定し得る。
【0267】
図1は、一実施形態による、マイクロプレート100を例示している。マイクロプレートは、サーマルサイクラーによって(たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して)増幅される複数のデオキシリボ核酸(DNA)含有試料をそのウェル内に保持し得る。マイクロプレート100は、96個のウェル105を有するが、他の実施形態では、マイクロプレートは、2:3の長方形マトリックス(たとえば、標準のSociety for Biomolecular Sciences(SBS)サイズの定量PCR(qPCR)テストプレート)に配置構成された、6、12、24、48、192、384、または1536個のウェルを有し得る。マイクロプレート100は、PCRプロセスに典型的な温度の幅広い変化に耐えることを可能にするために片面をポリプロピレンでコーティングしたアルミニウムプレートであってもよい。アルミニウムプレートは薄く(たとえば、0.4mm)、コーティングも薄く(たとえば、0.01mm)てよい。コーティングは、液体として塗布され、熱処理されて、それを硬化し、アルミニウムプレートに接着し得る。ウェルは、それに加えて、硬質ポリプロピレンから作られてもよく、プレートのポリプロピレンコーティング側に溶接されてもよい。他の実施形態では、ウェルおよびコーティングは、異なる材料を含み得る。実施形態100では、ウェルおよびコーティングは、白色であってよいが、他の実施形態では、コーティングおよび/またはウェルは、センシングデバイスの過飽和を回避するためにつや消し(または半透明)であり得るか、または異なる色であってもよい。試料ウェルが装填された後、試料ウェルは、ヒートシール性フィルム(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル蓋、またはラミネートフィルム)で封止され得る。96ウェルプレート100において、個別の試料ウェル105は、段付きセクションリングを備え得る。段付きセクションリングは、大きなリングとそれより小さなリングとを結合したものであってよい。内部リングの直径は、5mmであってよい。内部リングの深さは、4mmであってよい。ウェルは、ポリマー材料から形成され得る。これは、ウェル105の各々において効率的な熱制御を可能にし得る。
【0268】
マイクロプレートは、マイクロプレートウェル105を収容するコーティングされた側に加えて、1つまたは複数の側を備え得る。マイクロプレートの下側(すなわち、裏側または反対側)は、マイクロプレートの下に配設されたバーコードスキャナがウェルの内側の試料および/または試薬の種類を読み取ることができるように配置されたバーコードを含み得る。
【0269】
マイクロプレート100は、マイクロプレートをヒーターブロック上の一貫した位置に配置し、さらには信号測定のためにセンサーとアライメントするための1つまたは複数のノッチ110を有し得る。ノッチ110は、マイクロプレート100を信号測定システムより下およびバーコードリーダーより上に正確にアライメントするために使用され得る。この実施形態では、ノッチは、長方形の形状になるように切断され得るが、三角形、円形、またはサーマルサイクリングシステム内のアライメントに必要な別の形状であってもよい。ノッチは、幅4mm×高さ4mmであってもよい。ノッチの幅は、約少なくとも1mm、約少なくとも2mm、約少なくとも3mm、約少なくとも4mm、または約少なくとも5mmであってよい。ノッチの幅は、約最大で2mm、約最大で3mm、約最大で4mm、約最大で5mm、または約最大で6mmであってよい。ノッチの幅は、約1mmから2mmの間、約2mmから3mmの間、約3mmから4mmの間、約4mmから5mmの間、または約5mmから6mmの間であってもよい。ノッチの高さは、約少なくとも1mm、約少なくとも2mm、約少なくとも3mm、約少なくとも4mm、または約少なくとも5mmであってよい。ノッチの高さは、約最大で2mm、約最大で3mm、約最大で4mm、約最大で5mm、または約最大で6mmであってよい。ノッチの高さは、約1mmから2mmの間、約2mmから3mmの間、約3mmから4mmの間、約4mmから5mmの間、または約5mmから6mmの間であってもよい。この実施形態では、ノッチは均一なサイズであるが、代替的実施形態では、ノッチは異なるサイズであり得る。マイクロプレート100は、8つのアライメント用ノッチを備えるが、他の実施形態は、アライメント用により多いまたはより少ないノッチを有してもよい。ノッチ110は、マイクロプレート100が垂直ガイドレールに沿って移動することを確実にすることによってサーマルサイクラーコンポーネントとのアライメントを実行し得る。
【0270】
いくつかの実施形態において、マイクロプレートの1つの長方形の辺がノッチを有し得るか、または2つの長方形の辺がノッチを有し得るか、または3つの長方形の辺がノッチを有し得るか、または4つの長方形の辺がノッチを有し得る。いくつかの実施形態において、1つのノッチ、または2つのノッチ、または4つのノッチ、または8つのノッチ、または16個のノッチがあってもよい。いくつかの実施形態において、ノッチは、1mm、または2mm、または3mm、または4mm、または6mm、または12mm、または18mm、または24mm、または36mm、または54mm、または72mmだけ離間され得る。いくつかの実施形態において、対向する長方形の辺は、ノッチを備え得る。いくつかの実施形態において、隣接する長方形の辺は、ノッチを備え得る。ノッチは、各長方形の辺において同一の間隔を有していなくてもよい。一実施形態において、ノッチは8個であってよい。1つの長い長方形の辺では、それらは36mm離間され得る。2つの対向する短い長方形の辺では、それらは54mm離間され得る。残りの長い長方形の辺では、それらは72mm離間され得る。
【0271】
図2A図2Bは、代替的48ウェルマイクロプレート実施形態200の側面図および正面図を示しており、硬質ポリプロピレンウェル205がアルミニウムシート215に溶接され、アライメント用ノッチ210を備える。マイクロプレート200は、ポリマーコーティングされ得る。ポリマーコーティングは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、または他のコーティングを含み得る。
【0272】
様々な実施形態において、ウェル205は、4X6、6X8、8X12、16X24、または他の2:3の長方形のウェル配置構成を含むアレイフォーマットで配置構成され得る。ウェルは、業界標準の幾何学的形状および寸法を有する業界標準の自動液体処理装置に適合するように、9mmまたは4.5mmまたは2.25mmのピッチを有していてもよい。マイクロプレートのサイズ、マイクロプレート内のウェルのサイズおよびピッチ、ならびに長方形のウェル配置構成またはアレイに対する2:3の比は、標準的機器を使用して後試験手順を可能にする。いくつかの実施形態において、マイクロプレートは、アレイ内のウェルの代替的配置構成を有し得る。たとえば、マイクロプレートは、1:2配置構成、2:4配置構成、2:5配置構成、3:4配置構成、3:5配置構成、または4:5配置構成を有していてもよい。
【0273】
コンベヤに装着されたキャリッジは、マイクロプレート100またはマイクロプレート200を、そのアライメント特徴を使用して配置し、支持し、必要に応じてそれらを直線的に移動するために使用され得る。コンベヤは、レールを備えてもよく、マイクロプレートは、リードネジまたは歯付きベルトによってレールを横断するように作動され得る。PCRに必要な加熱と冷却を交互に行うために、マイクロプレート100または200は、試薬の変性温度と伸長温度(たとえば、95℃と55℃)に設定され、次いで、プリセットされた時間の間に、各々にしっかりクランプされた2つの電気加熱された温度制御ブロックの間を前後に素早く(たとえば、250mm/秒で)移動され得る。たとえば、マイクロプレート100または200は、変性ブロック(たとえば、図3のブロック330または図5のブロック530)に対して1から2秒間クランプされ、DNA標的配列の長さに応じて、4~10秒間、伸長ブロックに対してクランプされ得る。
【0274】
PCRの進行の後に、各リング205に収容される試料からの蛍光測定値を使用し得る。プレート200がサーマルサイクリングのときにブロック間を移動する間、センシングデバイスの下を通過し得る。センシングデバイスは、光学式読み取り装置(たとえば、蛍光検出器)であってもよい。いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、マイクロプレートの運動方向に対して法線方向のウェルのアレイに、制御された波長の光を照射し得、次いで、各リングからの蛍光応答を測定し得る。これは、運動方向でウェル205の線の各々について繰り返され得る。他の実施形態では、センシングデバイスは、マイクロプレートの運動方向に対して法線方向にないウェルのアレイを照射してもよい。
【0275】
異なる発蛍光団が各ウェルから読み取られる場合、追加のセンシングデバイスが、放出される光の各波長について蛍光を検出するために使用され得る。検出器は、2つのブロックの間に一列に置かれ得る。
【0276】
マイクロプレート200は、たとえば位置で±0.15または半径で±0.2の公差を有する薄い(たとえば0.4mm)、ポリマーコーティングされたアルミニウムシートを備え得る。シートの一方の側は(蛍光生物学的アッセイに対する改善された検出のために炭素を添加することにより)黒色であり、他方の側は白色であり得る。他の実施形態では、ポリマーコーティングは、つや消し(すなわち、半透明)であり得るか、または他の色であり得る。
【0277】
図3は、実施形態による、超高速PCRサーマルサイクラー300の図を例示している。サーマルサイクラー300は、マイクロプレート100またはマイクロプレート200に類似するマイクロプレートであり得る、マイクロプレート320、マイクロプレート320を搭載するキャリッジ325、センシングデバイス310、複数の加熱可能な蓋340、変性のための被加熱ブロック330、伸長のための被加熱ブロック335、複数の昇降カム350、およびバーコードリーダー370を備え得る。コンポーネントは、基部360の上に置かれてもよい。サーマルサイクラーは、ロボットまたは機械的処理を使用して被加熱ブロック330および335の間で試料を、10回から60回、移送し得る。いくつかの実施形態において、サーマルサイクラーは、マイクロプレートの自動封止およびロボット処理による液体処理/オートピペットプラットフォームを備え得る。
【0278】
図3の実施形態では、被加熱ブロック335は、伸長温度およびアニーリング温度を提供し得る。しかし、他の実施形態では、PCRサーマルサイクラーは、3つまたはそれ以上の被加熱ブロックを有していてもよい。たとえば、3ブロックサーマルサイクラーは、伸長用に1ブロック、アニーリング用に1ブロック、変性用に1ブロックを有し得る。そのようなサーマルサイクラーは、マイクロプレートが第1のブロックから第2のブロックへ、第2のブロックから第3のブロックへ、または第3のブロックから第1のブロックへ移動するときに反応の測定を行うための複数の検知デバイスを有していてもよい。キャリッジ325は、マイクロプレート320を支持し得、それをサーマルサイクラー内に通す。キャリッジは、被加熱ブロック330および335によって提供される熱に抵抗することができる材料から作られた実質的に平坦なプラットフォームであってもよい。
【0279】
キャリッジは、金属から作られてもよい。金属は、クロムであってよい。金属は、銅であってよい。金属は、鉄であってよい。金属は、マグネシウムであってよい。金属は、ニッケルであってよい。金属は、チタンであってよい。金属は、亜鉛であってよい。金属は、シリコンであってよい。金属は、前述の金属のうちの1つまたは複数の金属の合金であってもよい。金属は、鋼鉄であってよい。キャリッジは、耐熱ポリマーから作られてもよい。ポリマーは、ポリエーテルイミドであってよい。ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトンであってよい。ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンであってよい。ポリマーは、ポリベンゾイミダゾールであってよい。ポリマーは、ポリジシクロペンタジエンであってよい。
【0280】
キャリッジは、マイクロプレートの下側のバーコードがバーコードスキャナで読み取られ得るようにその下側に開口部を有していてもよい。ブロック間でマイクロプレートおよび試料を移動させるために、キャリッジは、軌道またはコンベヤ上に置かれ得るか、またはブロック間で素早く移送させるようにアクチュエータに取り付けられ得る。
【0281】
図3の実施形態300では、プレート320を運ぶ、キャリッジ325が移動する3つのキャリッジ位置があり得る。位置は、ロード/アンロード(370で)、伸長(335で)、および変性(330で)を含んでもよい。ロード/アンロード位置では、マイクロプレートはサーマルサイクラー内に置かれ、最初にバーコードリーダー370によってスキャンされ得る。サイクリングの間、キャリッジ325は、変性用の被加熱ブロック330と伸長用の被加熱ブロック335の間で前後に移動し得る。
【0282】
キャリッジ325が変性用の被加熱ブロック330または伸長用の被加熱ブロック335の上で静止しているときに、昇降カム350は、10~300ニュートン(N)の力でマイクロプレート320を加熱可能な蓋340にクランプするためにブロックを上昇させ得る。いずれかの被加熱ブロックと加熱可能な蓋との間にマイクロプレートをクランプする(または押し付ける)ことで、ブロックとマイクロプレート320との間の熱伝達の速度を高め、伸長については10秒未満、変性については30秒未満の熱伝達時間をもたらす。被加熱ブロックをキャリッジを通して上昇させ、それを加熱可能な蓋に対して相当の力で押し付けることで、封止フィルムの下側に凝結が形成されないことを確実にし得、またマイクロプレートのコーティングされていないアルミニウム面の下側と被加熱ブロックとの間に均一で密着した接触を発生させ得る。この密着した接触は、マイクロプレート320を伸長およびアニーリング温度ブロック上の変性温度から冷却するときにマイクロプレート320からの熱の放散がマイクロプレート320のアルミニウム表面全体にわたって可能な限り均一に素早く伝達されることを可能にし得る。それに加えて、密着した接触は、マイクロプレート320を変性温度ブロック上で接触させるときにマイクロプレート320の加熱を速く、より均一にし得る。より低い伸長温度ブロックは、伸長反応が生じる正しい温度が達成されるようにマイクロプレート320から熱を放散させるために冷却を必要とし得る。
【0283】
被加熱ブロックは、抵抗加熱またはジュール加熱などの電気加熱を使用して試料を加熱し得る。たとえば、被加熱ブロックは、電位を供給されたときに加熱する1つまたは複数の導電性要素を備え得る。それに加えて、マイクロプレート内の試料は、加熱ランプなどの赤外線加熱デバイスを使用して加熱することも可能であろう。伸長温度は、約50℃から65℃の範囲内、または約52℃から57℃の範囲内であってもよい。変性温度は、約90℃から100℃の範囲内、または約92℃から97℃の範囲内であってもよい。変性用の被加熱ブロック330は、約1秒から10秒間変性温度を加え得、伸長用の被加熱ブロック335は、約1秒から30秒間伸長温度を加え得る。いくつかの実施形態において、変性用の被加熱ブロック330は、約1から2秒間変性温度を加え得、伸長用の被加熱ブロック335は、約4から10秒間伸長温度を加え得る。
【0284】
センシングデバイス310は、マイクロプレート320が伸長温度ゾーンと変性温度ゾーンとの間で遷移するときに蛍光測定を行うことによってマイクロプレートウェル内のPCRプロセスの進行を測定し得る。図3の実施形態では、センシングデバイスは、光学式読み取り装置であってもよい。光学式読み取り装置は、進行する反応からの蛍光を測定し得る。他の実施形態では、光学式読み取り装置は、ケミルミネセンスまたは蛍光偏光などの別の量を測定し得る。試料は、二本鎖DNAの内側にそれ自体を挿入し得る蛍光色素で処理されてもよい。または、蛍光レポーターで標識された核酸プローブが試料に入れられ、ハイブリダイゼーション後に蛍光信号を発するものとしてもよい。マイクロプレートが加熱ブロックの間を移動するときに、センシングデバイスはマイクロプレートウェルの蛍光を検出し得る。蛍光測定値は、すべて共通の温度で収集され得る。センシングデバイスは、マイクロプレートウェルのうちの1つまたは複数に光を当てる発光ダイオード(LED)を備え得る。ウェル内の試料は蛍光を発し得、この蛍光はセンシングデバイス内の1つまたは複数のフォトダイオードによって検出され得る。いくつかの実施形態において、センシングデバイスは、CMOSおよびCCD静止カメラおよびビデオカメラ、フォトダイオード、オプトダイオード、シリコン光電子増倍管(SiPM)、またはスペクトロメーターを使用して超高速蛍光光度法測定を行い得る。使用されるいくつかのスペクトロメーターは、狭い波長帯の光を検出して測定するために、発光ダイオード(LED)照明および複数のフィルタセットを有し得る。
【0285】
サーマルサイクラーの実行は、次のとおりに進行してよい。装填され封止されたマイクロプレート320は、ロード/アンロード位置でキャリッジ325上に置かれるものとしてよい。マイクロプレート320の底部のバーコードは、読み取られ、チェックされ得る。次いで、キャリッジ325は、伸長位置に移動し得る。ブロック330、335は、キャリッジを通って上昇し、マイクロプレート320を持ち上げ、それをクランプして加熱可能な蓋340に当てるものとしてよい。マイクロプレート320は、マイクロプレート320の熱条件を正規化し、それを最初の「ゼロ」蛍光測定のために50℃に加熱するために、この位置で5~10秒間保持され得る。蛍光出力は常に温度依存性があるので、したがって、すべての測定は同じ温度で実施され得る。
【0286】
次いで、ブロック330、335は下げられ得、キャリッジ325は変性位置330に移動し得る。マイクロプレート320は、光学式読み取り装置310の下を通過し得る。ウェルの各列が読み取り装置310の下を通過するとき、各ウェル位置の発光ダイオード(LED)は、数ミリ秒間オンにされ得、各ウェルからの蛍光発光は、各ウェル位置に配置されているフォトダイオードを使用して測定され得る。センサーの下をゆっくり移動することは必要ではない場合があり、したがって200mm/秒で、ブロック間の経過時間は約1.25秒であり得る。他の実施形態では、経過時間は1から5秒の間であり得る。
【0287】
被加熱ブロック330、335は、次いで、マイクロプレート320をクランプして加熱可能な蓋に当てるために上昇され得る。プリセットされた時間(たとえば、2から3秒)後、ブロック330、335は下げられ得、キャリッジ325は、伸長位置に戻され、プリセットされた時間(たとえば、5から10秒)の間クランプされ得る。
【0288】
次いで、キャリッジ325は、変性ブロック330と伸長ブロック335の間を繰り返し移動し、各ブロックにクランプされ得る。伸長ブロック330と変性ブロック335との間の遷移毎に、ウェルから蛍光値が記録され得る。ブロック330、335への交互のクランプ動作は、プリセットされたサイクル数だけ継続し得る。最後のサイクルで、キャリッジ325は、伸長位置から変性位置に移動して、蛍光測定値が得られるが、クランプしなくてもよい。その代わりに、これはロード/アンロード位置に戻り、停止するだけであり得る。終了した警告が発せられ得る。
【0289】
開示されたサーマルサイクラーシステム300は、機械性能の限界で作業することなく、10分以内、15分以内、20分以内、30分以内、40分以内、50分以内、または1時間以内で40サイクルPCRを達成し得る。開示されているシステム300は、2温度PCRに限定されるものではなく、第3または第4の温度制御ブロックが容易にシステムに追加され得る。
【0290】
図5は、リアルタイムPCRまたはqPCRサーマルサイクラーシステムの別の実施形態を例示している。図5の実施形態において、カメラ510が、ポリメラーゼ連鎖反応の伸長相が生じ得る低温ヒーターブロック535より上に置かれる。システム500(たとえば、サーマルサイクラーシステム)は、試料の含有量を決定するためのバーコードリーダー570を備え得る。マイクロプレート520は、キャリッジ525上のサーマルサイクラーシステム500内を移動することができる。被加熱ブロック530、535は、昇降カム550を使用してマイクロプレート520を適所にクランプするために持ち上げられ得る。ここでまた、マイクロプレート520は、サーマルサイクラー500内を進行する際にキャリッジ525上で静止してもよい。
【0291】
カメラ510は、1つまたは複数のフィルタとともに使用するように構成され得、および/または蓋540(たとえば、コーティングされたガラス製の加熱可能な蓋)の下に位置決めされたウェル内で生じる反応からの蛍光を検出するために画像データを収集し得る。蓋は、優れた導電性および光学的透明性を有する材料(たとえば、酸化インジウムスズ(ITO))でコーティングされたガラスを含み得る。システムが電流をITOコーティングに通したときに、ガラスは加熱され得る。これは、マイクロプレートの上の封止フィルムの下側表面に、試料を見えなくし、蛍光測定値の検出を妨げる可能性のある、凝結が形成されるのを防ぐことができる。下側表面に凝結が形成された場合、1つまたは複数のウェル内のPCR反応の進行を定量化することが困難になり得る。
【0292】
カメラ510は、蓋540および封止フィルム(たとえば、透明な封止フィルム)を通してマイクロプレート520のすべてのウェルを同時に撮像し得る。システムは、レポーター色素が1つまたは複数のウェル内で蛍光を発する特定の波長の光を検出するためのフィルタを使用してもよい。
【0293】
伸長用の低温被加熱ブロック535の温度は一定のままであってよく、試料(たとえば、生体試料)を収容するマイクロプレート520は、伸長用の低温ブロック535から、試料がより高温で変性することができる隣接ブロック530に移動し得る。
【0294】
変性の後、システムは、マイクロプレート520を伸長ブロック535(たとえば、低温ブロック)に戻し得、試料内で伸長が起こり得る。熱サイクリングは、複数回(たとえば、20から50回の間の温度サイクルで)繰り返され得る。
【0295】
リアルタイムPCRまたはqPCRの間、システムは、試料が低温ブロックに曝された後、および/またはサイクルの伸長が起きた後に、画像を取得し、および/または1回もしくは複数回の蛍光測定を実行し得る。
【0296】
所定の数のサイクルが完了したときに、確認試験が実行されてよい。確認試験は、デオキシリボ核酸(DNA)鎖が変性するかまたは「溶融」して分離する正確な温度を検出するために、試料の温度をゆっくりと上昇させることを含むことができる。溶融分離は、蛍光のレベルの顕著な変化によって検出され得る。
【0297】
DNAの異なる配列は、異なる温度で溶融し得る。溶融温度は、溶融されている配列が、誤ったアーチファクト(たとえば、プライマー二量体)ではなくむしろアッセイ方法およびシステム(たとえば、キットおよび実験)が増幅するように設計された特定の配列であることを確認するために特定の生成物配列に対する知られている溶融温度と比較され得る。プライマー二量体は、標的DNA配列よりも短くなり得るので、これらは標的配列よりも低い温度で変性(たとえば、溶融)し得、したがって容易に分別され得る。
【0298】
伸長用の低温ブロック535は、加熱されPCR増幅プロセス全体を通して一定の温度に維持することができる(たとえば、ヒーターカートリッジを使用する)。完了した後、温度は、溶融確認ステップを実施するためにゆっくりと高められ得る。
【0299】
次のPCR方法のために冷却して元の伸長温度に速やかに戻すために、システム500は、電気駆動ヒーターカートリッジを使用してブロックを加熱し、コンプレッサまたは電動ファンからの強制空気を使用して裏面上に周囲空気を通すことによって冷却し得る。また、システム500は、主に被加熱ブロックを一定の温度に維持するために使用されるであろう、ペルチェ効果素子を使用して、低温ブロックを加熱し、冷却し得る。
【0300】
いくつかの場合において、変性ヒーターブロック530が伸長温度ブロック535から分離して、隣接しているときに、試料が温度を変化させるのにかかる時間も最小限にされ得る。システムは、各伸長期間の終了時にqPCR撮像を実行してもよく、高解像度溶融曲線は、同一または異なる蛍光撮像システムを使用して適切な数のサイクルの終わりに取得され得る。
【0301】
図6は、隣接するマイクロプレートウェルからの蛍光測定におけるクロストークを補正するセンシングデバイス310の構成600を例示している。センシングデバイス310は、それ自体が1つまたは複数のLED、1つまたは複数のフィルタ、および1つまたは複数のフォトダイオードを備え得る1つまたは複数のセンサー素子アレイ620を備え得る。この構成は、個別のセンサー素子が隣接するマイクロプレートウェル上の蛍光を同時に測定していないようにセンサー素子の1つまたは複数のアレイを角度を付けて置く。その代わりに、センサー素子610は、順番に(たとえば、一番右の素子から一番左の素子の順に)蛍光を測定し得る。
【0302】
センシングデバイス構成600は、複数のセンサー素子アレイ620を備え得る。たとえば、各アレイは、試料プレート上に収容されるアッセイにおいて使用される8つの異なる発蛍光団の各々について、8つのセンサー素子を含み得る。複数のセンサー素子アレイ620は、アレイがプレート移動方向630に関して通常配設されないように、角度を付けられ得る。プレート移動方向630に関する素子アレイ620の角度は、0°から90°の間にあるものとしてよい。角度は、約0°から10°の間、約10°から20°の間、約20°から30°の間、約30°から40°の間、約40°から50°の間、約50°から60°の間、約60°から70°の間、約70°から80°の間、または約80°から90°の間であるものとしてよい。
【0303】
マイクロプレートがセンサー素子610のラインの下を通過するときに、試料を収容するウェルは、ライン内のセンサー素子の各々と順次アライメントし得る。個別のセンサー素子610内のLEDは、特定のウェルとアライメントされるときに、数ミリ秒間だけ点灯し、フォトダイオードは、それ自体のLEDが点灯している間だけ、ウェルに収容されるアッセイからの蛍光出力を測定する。この実施形態では、複数のセンサー素子アレイ620のうちの1つのセンサー素子610が任意の特定の時刻にアクティブであるので、1つのウェルからの光信号は、隣接ウェルからの光信号と干渉し得ない。他の実施形態では、センサー素子アレイは、隣接するセンサー素子がアクティブであることから生じるであろうクロストークをそのまま排除しつつ、2つ以上のセンサー素子が一度にアクティブになることを可能にするように異なる形状(たとえば、曲線)にされ得る。
【0304】
コンピュータ制御システム
本開示は、開示の方法を実装するようにプログラムされているコンピュータ制御システムを実現する。図4は、PCRデータを分析するようにプログラムされるかまたは他の何らかの形で構成されているコンピュータシステム401を示す。コンピュータシステム401は、たとえば、温度ブロックの温度を調整すること、および温度ブロック間でマイクロプレートを高速に遷移させることなど、本開示のマイクロプレートの運動を調節する様々な態様を調節することができる。コンピュータシステム401は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに関してリモートに配置されているコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとすることができる。
【0305】
コンピュータシステム401は、中央演算処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」とも称される)405を含み、これはシングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理用の複数のプロセッサであってよい。コンピュータシステム401は、メモリまたはメモリロケーション410(たとえば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置ユニット415(たとえば、ハードディスク)、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース420(たとえば、ネットワークアダプタ)、およびキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス425も含む。メモリ410、記憶装置ユニット415、インターフェース420、および周辺デバイス425は、マザーボードなどの、通信バス(実線)を通してCPU405と通信する。記憶装置ユニット415は、データを記憶するためのデータ記憶装置ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム401は、通信インターフェース420の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)430に動作可能に結合され得る。ネットワーク430は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってよい。ネットワーク430は、いくつかの場合において、遠隔通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク430は、クラウドコンピューティングなどの、分散コンピューティングを可能にし得る、1つまたは複数のコンピュータサーバを含み得る。ネットワーク430は、いくつかの場合においてコンピュータシステム401の助けを借りて、コンピュータシステム401に結合されているデバイスがクライアントまたはサーバとして動作することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装し得る。
【0306】
CPU405は、プログラムまたはソフトウェアで具現化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ410などの、メモリロケーション内に記憶され得る。これらの命令はCPU405に向けられるものとしてよく、その後、本開示の方法を実装するようにCPU405をプログラムするか、または他の何らかの方法で構成することができる。CPU405によって実行される演算の例は、フェッチ、復号、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0307】
CPU405は、集積回路などの、回路の一部であってよい。システム401の1つまたは複数の他のコンポーネントが回路内に含まれ得る。いくつかの場合において、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0308】
記憶装置ユニット415は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどの、ファイルを記憶することができる。記憶装置ユニット415は、ユーザデータ、たとえば、ユーザ設定およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム401は、いくつかの場合において、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム401と通信するリモートサーバ上に配置されているような、コンピュータシステム401の外部にある1つまたは複数の追加のデータ記憶装置ユニットを含むことができる。
【0309】
コンピュータシステム401は、ネットワーク430を通じて1つまたは複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。たとえば、コンピュータシステム401は、ユーザ(たとえば、科学者または技師)のリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(たとえば、ポータブルPC)、スレートもしくはタブレットPC(たとえば、Apple iPad(登録商標)、Samsung Galaxy Tab(登録商標))、電話、スマートフォン(たとえば、Apple iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク430を介してコンピュータシステム401にアクセスすることができる。
【0310】
本明細書で説明されているような方法は、たとえば、メモリ410または電子記憶装置ユニット415などの、コンピュータシステム401の電子記憶装置ロケーション上に記憶されている機械(たとえば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中に、コードはプロセッサ405によって実行され得る。いくつかの場合において、コードは、記憶装置ユニット415から取り出され、プロセッサ405によってすぐにアクセスできるようにメモリ410に記憶され得る。いくつかの状況において、電子記憶装置ユニット415は除外されてよく、機械実行可能命令は、メモリ410上に記憶される。
【0311】
コードは、プリコンパイルされ、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械と使用するように構成され得るか、または実行時間中にコンパイルされ得る。コードは、プリコンパイルまたはコンパイルされたままの方式でコードを実行することを可能にするように選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0312】
コンピュータシステム401などの、本明細書で提供されているシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具現化され得る。この技術の様々な態様は、典型的には機械可読媒体の一種で運ばれるか、または具現化される機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連するデータの形態をとる「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(たとえば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置ユニット上に記憶され得る。「記憶装置」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのために随時非一時的記憶装置を実現し得る、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同様のものなどの、コンピュータ、プロセッサもしくは同様のもの、または関連するそのモジュールの有形のメモリのいずれかまたはすべてを含むことができる。ソフトウェアの全部または一部は、時には、インターネットまたは他の様々な遠隔通信ネットワークを通じて通信され得る。そのような通信は、たとえば、一方のコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサに、たとえば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームにソフトウェアをロードすることを可能にし得る。そこで、ソフトウェア要素を収め得る別のタイプの媒体は、有線および光地上通信線ネットワークを通じて、および様々なエアリンク上で、ローカルデバイス間の物理的インターフェース上で使用されるような、光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンク、または同様のものなどの、そのような波を運ぶ物理的要素も、ソフトウェアを収めた媒体として考慮されてよい。本明細書で使用されているように、非一時的な有形の「記憶装置」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに参加する任意の媒体を指す。
【0313】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの、機械可読媒体は、限定はしないが有形の記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性記憶媒体は、たとえば、図面に示されている、データベースなどを実装するために使用され得るような、コンピュータまたは同様のものの記憶装置デバイスのうちのいずれかなどの、光または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形の伝送媒体は、コンピュータシステム内にバスを含む電線を含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような電気もしくは電磁信号、または音波もしくは光波の形態をとり得る。したがって、一般的な形態のコンピュータ可読媒体は、たとえば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意の他の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令をトランスポートする搬送波、そのような搬送波をトランスポートするケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスをプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0314】
コンピュータシステム401は、たとえば、マイクロプレートを移動させる方法または温度を変更する方法を提供するためのユーザインターフェース(UI)440を備える電子ディスプレイ435を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例は、限定することなく、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0315】
本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムを用いて実装され得る。アルゴリズムは、中央演算処理装置405による実行時にソフトウェアを用いて実装され得る。アルゴリズムは、たとえば、PCRサイクルを指令することができる。
【0316】
本明細書では本発明の好ましい実施形態が図示され説明されているが、そのような実施形態は例のみを用いて提示されていることは当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。本発明は、前述の明細書を参照しつつ説明されてきたが、本明細書における実施形態の説明および図解は、限定的な意味で解釈されることを意味していない。こうして、多数の変形、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者が思いつくであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する本明細書において規定されている特定の描写、構成、または相対的な割合に限定されないことは理解されるものとする。本明細書で説明されている本発明の実施形態の様々な代替的形態は、本発明を実施するうえで採用され得ることは理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替的形態、修正形態、変更形態、または等価形態も対象とすることが企図される。次の請求項は発明の範囲を定義すること、これらの請求項およびその等価物の範囲内にある方法および構造がそれによって対象となることが意図されている。
【符号の説明】
【0317】
100 マイクロプレート
105 ウェル、マイクロプレートウェル
110 ノッチ
200 代替的48ウェルマイクロプレート
205 硬質ポリプロピレンウェル
210 アライメント用ノッチ
215 アルミニウムシート
300 超高速PCRサーマルサイクラー、サーマルサイクラーシステム
310 センシングデバイス、光学式読み取り装置
320 マイクロプレート
325 キャリッジ
330 被加熱ブロック
335 被加熱ブロック
340 加熱可能な蓋
350 昇降カム
360 基部
370 バーコードリーダー
401 コンピュータシステム
405 中央演算処理装置、CPU
410 メモリまたはメモリロケーション
415 電子記憶装置ユニット
420 通信インターフェース
425 周辺デバイス
430 コンピュータネットワーク
435 電子ディスプレイ
440 ユーザインターフェース(UI)
500 システム、サーマルサイクラーシステム、サーマルサイクラー
510 カメラ
520 マイクロプレート
525 キャリッジ
530 被加熱ブロック、変性ヒーターブロック
535 低温ヒーターブロック、被加熱ブロック、低温被加熱ブロック、低温ブロック、伸長ブロック、伸長温度ブロック
570 バーコードリーダー
600 構成、センシングデバイス構成
610 センサー素子
620 センサー素子アレイ
630 プレート移動方向
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】