(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】安定化レチノールを有する化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20230719BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230719BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230719BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230719BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230719BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230719BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/60
A61K8/81
A61K8/06
A61K8/44
A61Q19/00
A61K8/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580828
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 US2021039523
(87)【国際公開番号】W WO2022006054
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファイグ, ジョナサン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ハルパーン, スーザン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB051
4C083AB052
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC231
4C083AC301
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC581
4C083AC642
4C083AC812
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD041
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD471
4C083AD511
4C083AD601
4C083AD621
4C083AD622
4C083BB51
4C083CC02
4C083DD33
4C083DD47
4C083EE01
(57)【要約】
約0.01重量%~約3重量%のレチノール;約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;約0.5重量%~約8重量%の油相;および水を含む化粧品組成物であり、すべての重量パーセントが、化粧品組成物の総重量に基づく、化粧品組成物。追加的に、化粧品組成物は、典型的には、水中油型エマルジョンを形成するように配合される。化粧品組成物を用いてダメージを受けた皮膚を処置する方法がまた、本明細書で開示されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約0.01重量%~約3重量%のレチノール;
(b)約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
(c)約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
(d)約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
(e)約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
(f)約0.5重量%~約8重量%の油相;および
(g)水
を含む化粧品組成物であって、水中油型エマルジョンであり、すべての重量パーセントが、化粧品組成物の総重量に基づく、化粧品組成物。
【請求項2】
油相が、シリコーンを含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
油相が、ヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
油相が、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートではない脂肪酸エステルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
脂肪酸エステルが、イソノナン酸イソノニル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびこれらの混合物から選択される、請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
(h)約0.05重量%~約5重量%の、ポリアクリル酸ナトリウムではない増粘剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
トリナトリウムエチレンジアミンジスクシネートの総量とポリアクリル酸ナトリウムの総量との重量比が、約1:1~約1:5である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
(i)約0.1重量%~約10重量%のマット化剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
マット化剤が、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートを含む、請求項8に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
(j)約1重量%~約30重量%のポリオールをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
ポリオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物から選択される、請求項10に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
(k)約0.05重量%~約5重量%の皮膚活性剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
活性剤が、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、ラノリン、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸、カプリロイルサリチル酸、レチノイド、レチナール、レチノール、アデノシン、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノイン酸、カロテノイド、パンテノール、アミノ酸、タンパク質、酵素、補酵素、およびこれらの混合物から選択される、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
トコフェロールを含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
パルミチン酸アスコルビルを含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
(I)水中油型エマルジョンの形態の化粧品組成物であり:
(a)約0.01重量%~約3重量%のレチノール;
(b)約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
(c)約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
(d)約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
(e)約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
(f)約0.5重量%~約8重量%の油相;および
(g)水
を含み、すべての重量パーセントが、化粧品組成物の総重量に基づく化粧品組成物、ならびに
(II)化粧品組成物を含有する容器
を含む化粧品。
【請求項17】
容器が、アルミニウム層を含有しない、請求項16に記載の化粧品。
【請求項18】
45℃で8週間保管した後、組成物が相分離せず、少なくとも85重量%のレチノールを保持する、請求項16または17に記載の化粧品。
【請求項19】
45℃で8週間保管した後、組成物が黄変しない、請求項16または17に記載の化粧品。
【請求項20】
(a)約0.01重量%~約3重量%のレチノール;
(b)約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
(c)約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
(d)約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
(e)約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
(f)約0.5重量%~約8重量%の油相;
(g)水;
(h)場合により、約0.05重量%~約5重量%の、ポリアクリル酸ナトリウムではない増粘剤;
(i)場合により、約0.1重量%~約10重量%のマット化剤;
(j)場合により、約1重量%~約30重量%のポリオール;および
(k)場合により、約5重量%までの量の皮膚活性剤
からなる化粧品組成物であって、
水中油型エマルジョンであり、すべての重量パーセントが、化粧品組成物の総重量に基づく、化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月30日に出願された米国出願第16/916,496号、および2020年9月7日に出願された仏国特許出願第2009032号の利益を主張し、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、安定化レチノールを有する化粧品組成物に関する。追加的に、本開示の態様は、化粧品組成物を用いてダメージを受けた皮膚を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は、内部環境と外部環境の間の天然のバリアとして機能するため、機械的および化学的損傷、微生物、および紫外線によるダメージからの保護など、生命維持に不可欠な生体機能において重要な役割を担っている。しかしながら、皮膚の健康および外観は、環境的要因、遺伝的素質、栄養、および日光曝露によって劣化し得る。
【0004】
環境汚染の状況は、急速に悪化しており、世界中の消費者の日常生活の中でより明らかになりつつある。ヒトの皮膚に対する汚染のダメージも、ますます明白になりつつある。ヒトの皮膚はまた、紫外(UV)照射、環境汚染、風、熱、赤外照射、低湿度、刺激の強い界面活性剤、研磨剤などの外因によって様々な傷害を受けている。最近の研究では、UV照射に加えて、他の環境的要因、特に大気汚染が日光黒子の発生の一因となっていることが示唆されている。最終的に、これらの要因は、特に高齢者に、皮膚上の小さな褐色の斑点など、目に見える皮膚ダメージの兆候をもたらす。
【0005】
典型的な皮膚ダメージとしては、小ジワ、シワ、色素沈着、黄ばみ、たるみ、目の下のくま、目の腫れ、毛穴の開き、目に見える死んだ皮膚、すなわち、剥離、鱗屑、乾燥、および肌荒れが挙げられる。消費者は、特に顔および目の周りの皮膚ダメージの増大を遅らせ、老化の影響を軽減することを望んでいる。輝きおよび透明感のある皮膚は、若々しく見え、良い健康状態および活力の現れである。したがって、皮膚の健康および視覚的外観を改善する新規な改良された製剤が、継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、安定化レチノールを有する化粧品組成物に関し、特に、成人ヒト皮膚へのそのようなレチノールの改善された浸透を提供する化粧品組成物に関する。本発明者らは、特定の量の特定の成分により、安定したレチノールが組み込まれた化粧品組成物が可能となり、その化粧品組成物が非保護的包装に収容され得るようになることを発見した。
【0007】
本開示の一態様による化粧品組成物は、典型的には:
(a)約0.01重量%~約3重量%のレチノール;
(b)約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
(c)約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
(d)約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
(e)約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
(f)約0.5重量%~約8重量%の油相;および
(g)水
を含み、
化粧品組成物は、水中油型エマルジョンであり、すべての重量パーセントは、化粧品組成物の総重量に基づく。
【0008】
いくつかの例では、化粧品組成物は、トリナトリウムエチレンジアミンジスクシネートの総量とポリアクリル酸ナトリウムの総量との重量比が、約1:1~約1:2、約1:1~約1:3、約1:1~約1:4、約1:1~約1:5;約1:1.5~約1:3、約1:1.5~約1:4、約1:1.5~約1:5;約1:2~約1:3、約1:2~約1:4、約1:2~約1:5;約1:2.5~約1:4、約1:2.5~約1:5;約1:3~約1:4、約1:3~約1:5であるように配合される。
【0009】
化粧品組成物は、シリコーンを含む油相を含んでもよい。油相は、追加的または代替的に、ヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、またはこれらの混合物を含む。いくつかの場合では、油相は、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートではない脂肪酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびこれらの混合物から選択されるものを含んでもよい。
【0010】
化粧品組成物は、約0.05重量%~約5重量%の、ポリアクリル酸ナトリウムではない増粘剤を含んでもよい。ポリアクリル酸ナトリウムではない増粘剤は、アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリレート共重合体、ポリアクリルアミド、カルボマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体およびこれらの混合物から選択することができる。
【0011】
いくつかの場合では、化粧品組成物は、約0.1重量%~約10重量%のマット化剤(mattifying agent)を含む。好ましくは、マット化剤は、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートを含む。
【0012】
追加的にまたは代替的に、化粧品組成物は、約1重量%~約30重量%のポリオールを含む。ポリオールの非限定的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0013】
化粧品組成物は、約0.05重量%~約5重量%の皮膚活性剤を含んでもよい。皮膚活性剤の例としては、例えば、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、ラノリン、レチノイド、レチナール、アデノシン、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノイン酸、カロテノイド、パンテノール、アミノ酸、タンパク質、酵素、補酵素、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0014】
いくつかの場合では、化粧品組成物は、トコフェロールを含まない。追加的に、または代替的に、化粧品組成物は、パルミチン酸アスコルビルを含まなくてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、安定化レチノールを有し、成人ヒト皮膚へのレチノールの改善された浸透を提供する化粧品組成物に関する。上述したように、本発明者らは、特定の量の特定の成分により、安定したレチノールが組み込まれた化粧品組成物が可能となり、その化粧品組成物が、非保護的包装に収容され得るようになることを発見した。例えば、遮光ガラス容器に45℃で8週間保管した後、化粧品組成物が相分離を示さず、少なくとも75重量%のレチノールを保持するように、化粧品組成物は、レチノールを安定化させることができる。
【0016】
驚くべきことに、レチノールの安定化に加えて、化粧品組成物は、いくつかの場合では、成人ヒト皮膚へのレチノールの改善された浸透を提供する。典型的に、安定したレチノールを提供しようとする化粧品組成物は、レチノールを溶解させた多量の油相を利用する。レチノールが溶解した多量の油相を有する化粧品組成物には、浸透エンハンサーが含まれていてもよく、多量の油相によるレチノールの浸透低下を打ち消す。本発明者らは、化粧品組成物の特定の実施形態が、レチノールを安定化させると同時に、ヒト成人の皮膚へのレチノールの改善された浸透を提供することを発見した。
【0017】
本開示の一態様によれば、典型的には:
(a)約0.01重量%~約3重量%のレチノール;
(b)約0.01重量%~約1重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
(c)約0.01重量%~約3重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
(d)約0.5重量%~約7重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
(e)約0.9重量%~約7重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
(f)約0.5重量%~約8重量%の油相;および
(g)水
を含む化粧品組成物であって、水中油型エマルジョンであり、すべての重量パーセントは、化粧品組成物の総重量に基づく、化粧品組成物が提供される。
【0018】
好ましくは、化粧品組成物は、遮光ガラス容器に45℃で8週間保管した後、相分離せず、約80重量%以上、約82重量%以上、約84重量%以上、約86重量%以上、約88重量%以上、約90重量%以上、約92重量%以上、約94重量%以上、約96重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、または約99.5重量%以上のレチノールを保持する。本発明者らは、化粧品組成物の特定の実施形態について、遮光ガラス容器に45℃で8週間保管した後、100重量%のレチノールが保持され、相分離を示さなかったことに驚いた。いくつかの場合では、化粧品組成物は、遮光ガラス容器に45℃で8週間保管した後、相分離を示さず、約80重量%以上のレチノールを保持し、約5重量%以下、例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約5000ppm以下、約1000ppm以下、約900ppm以下、約800ppm以下、約700ppm以下、約600ppm以下、約500ppm以下、約400ppm以下、約300ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下の酸素を容器内に有した。さらなる場合では、化粧品組成物は、遮光ガラス容器に45℃で8週間保管した後、相分離を示さず、約80重量%以上のレチノールを保持し、化粧品組成物は、1000ppm以下の酸素、例えば、約900ppm以下、約800ppm以下、約700ppm以下、約600ppm以下、約500ppm以下、約400ppm以下、約300ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下の酸素を有した。
【0019】
いくつかの場合では、化粧品組成物は、成人ヒト皮膚への皮膚活性剤の改善された浸透を達成する。例えば、化粧品組成物は、皮膚の表皮および真皮への皮膚活性剤(例えば、レチノール)の浸透を達成することができる。いくつかの場合では、化粧品組成物は、約2μg/cm2以上、2.1μg/cm2以上、2.2μg/cm2以上、2.3μg/cm2以上、2.4μg/cm2以上、2.5μg/cm2以上、2.6μg/cm2以上、2.7μg/cm2以上、2.8μg/cm2以上、2.9μg/cm2以上、3μg/cm2以上の皮膚活性剤(例えば、レチノール)をヒト皮膚の表皮および真皮に得ることができる。特定の実施形態では、化粧品組成物は、浸透エンハンサーを使用することなく、皮膚活性剤の改善された浸透を得る。
【0020】
いくつかの治療用組成物または化粧品組成物は、皮膚への浸透を高める担体またはビヒクルを使用することによって、表皮への浸透を達成する。このような担体またはビヒクル(これらは化合物または化合物の混合物である)は、しばしば「浸透エンハンサー」、または「皮膚エンハンサー」と記載される。化粧品組成物から場合により除外され得る典型的な浸透エンハンサーには、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、DMSOなど)、アゾン(例えばラウロカプラム)、ピロリドン、(例えば2-ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(エタノール、またはデカノール)、界面活性剤(剤形においても一般的)およびテルペン類が含まれる。いくつかの浸透エンハンサーは、二重層の疎水性尾部の間に入り込み、そのパッキングを乱し、流動性を高め、その結果、脂質様浸透物質の拡散を容易にすることができる。本発明者らは、驚くべきことに、本開示による特定の化粧品組成物が、特定の浸透エンハンサーを使用せずに、成人ヒト皮膚へのレチノールおよび/または他の皮膚活性剤の改善された浸透を提供することを発見した。
【0021】
いくつかの場合では、化粧品組成物は、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の、前述の浸透エンハンサーのうちいずれか1種を有する。少なくとも1つの例では、化粧品組成物は、前述の浸透エンハンサー(penetration enhance)のうちいずれか1種を含まないか、または本質的に含まない。追加的にまたは代替的に、化粧品組成物は、浸透エンハンサーの総量の約5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下を有してもよい。例えば、化粧品組成物は、浸透エンハンサーを含まないか、または本質的に含まなくてもよい。
【0022】
化粧品組成物は、いくつかの場合では、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下のトコフェロールを有してもよい。少なくとも1つの例では、化粧品組成物は、トコフェロールを含まないか、または本質的に含まない。化粧品組成物は、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下のパルミチン酸アスコルビルを有してもよい。少なくとも1つの場合では、化粧品組成物は、パルミチン酸アスコルビルを含まないか、または本質的に含まない。
【0023】
化粧品組成物は、概してエマルジョンとして配合される。典型的には、化粧品組成物は、脂肪相が親水性相に乳化された水中油型エマルジョンとなるように配合される。しかしながら、いくつかの例では、化粧品組成物は、脂肪相に乳化された親水性相(例えば、アルコール、グリコール、ポリオールなど)を有するように配合され得る。化粧品組成物は、化粧水、美容液、クリーム、スプレー、または他の任意の好適な形態の製品となるように配合され得る。
【0024】
化粧品組成物は、ポンプを含有する容器に包装されてもよい。ポンプは、いくつかの場合では、標準的なプッシュポンプであり得る。好ましくは、化粧品組成物用の容器は、非保護的包装である。例えば、いくつかの例では、化粧品組成物は、酸素バリアとして機能するアルミニウム層または別の金属層を含まない容器に収容される。
【0025】
追加的に、本開示は、皮膚に本開示の化粧品組成物を適用することを含む、皮膚を処置する方法に関する。化粧品組成物は、追加的に、光老化による皮膚ダメージを処置および/または修復する方法、ならびにシワ、シミおよび不均一な皮膚のきめの外観を減少させる方法に有用である。前述の方法は、非治療的であってもよい。
【0026】
以下に列挙するものなどの好適な成分は、他の成分の特定の組合せ、化粧品組成物の形態、および/または製剤(例えば、化粧水、美容液、ゲル、クリーム、スプレーなど)の使用に応じて、化粧品組成物の製剤に含まれても除外されてもよい。
【0027】
レチノール
化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に基づいて、典型的には、約0.01重量%~約3重量%の量のレチノールを含む。例えば、化粧品組成物に存在するレチノールの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%から約3重量%まで、約0.01~約2.5重量%、約0.01~約2重量%、約0.01~約1.5重量%、約0.01~約1重量%、約0.01~約0.75重量%、約0.01~約0.5重量%;約0.05~約3重量%、約0.05~約2.5重量%、約0.05~約2重量%、約0.05~約1.5重量%、約0.05~約1重量%、約0.05~約0.75重量%、約0.05~約0.5重量%;約0.1~約3重量%、約0.1~約2.5重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1.5重量%、約0.1~約1重量%、約0.1~約0.75重量%、約0.1~約0.5重量%;約0.15~約3重量%、約0.15~約2.5重量%、約0.15~約2重量%、約0.15~約1.5重量%、約0.15~約1重量%、約0.15~約0.75重量%、約0.15~約0.5重量%;約0.25~約3重量%、約0.25~約2.5重量%、約0.25~約2重量%、約0.25~約1.5重量%、約0.25~約1重量%、約0.25~約0.75重量%、約0.25重量%~約0.5重量%であり得る。
【0028】
レチノールに加えて、化粧品組成物は、場合により、レチノイド、例えば、レチノイン酸、レチニルエステル、および他のレチノール誘導体から選択されるものなどを含んでもよい。化粧品組成物に存在するレチノール以外のレチノイドの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、例えば、約0.01重量%~約3重量%、約0.01~約2.5重量%、約0.01~約2重量%、約0.01~約1.5重量%、約0.01~約1重量%、約0.01~約0.75重量%、約0.01~約0.5重量%;約0.05~約3重量%、約0.05~約2.5重量%、約0.05~約2重量%、約0.05~約1.5重量%、約0.05~約1重量%、約0.05~約0.75重量%、約0.05~約0.5重量%;約0.1~約3重量%、約0.1~約2.5重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1.5重量%、約0.1~約1重量%、約0.1~約0.75重量%、約0.1~約0.5重量%;約0.15~約3重量%、約0.15~約2.5重量%、約0.15~約2重量%、約0.15~約1.5重量%、約0.15~約1重量%、約0.15~約0.75重量%、約0.15~約0.5重量%;約0.25~約3重量%、約0.25~約2.5重量%、約0.25~約2重量%、約0.25~約1.5重量%、約0.25~約1重量%、約0.25~約0.75重量%、約0.25重量%~約0.5重量%であってもよい。
【0029】
テトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート
化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に基づいて、典型的には、約0.01重量%から約1重量%までの量のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメートを含む。いくつかの例では、化粧品組成物に存在するテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメートの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約0.01重量%から約1重量%まで、約0.01~約0.8重量%、約0.01~約0.6重量%、約0.01~約0.4重量%、約0.01~約0.2重量%;約0.05~約1重量%、約0.05~約0.8重量%、約0.05~約0.6重量%、約0.05~約0.4重量%、約0.05~約0.2重量%;約0.1~約1重量%、約0.1~約0.8重量%、約0.1~約0.6重量%、約0.1~約0.4重量%、約0.1~約0.2重量%;約0.15~約1重量%、約0.15~約0.8重量%、約0.15~約0.6重量%、約0.15~約0.4重量%;約0.2~約1重量%、約0.2~約0.8重量%、約0.2~約0.6重量%、約0.2~約0.4重量%、約0.2重量%~約0.2重量%であってもよい。
【0030】
トリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート
化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に基づいて、典型的には、約0.01重量%から約3重量%までの量のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネートを含む。いくつかの例では、化粧品組成物に存在するトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネートの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約0.01重量%から約3重量%まで、約0.01~約2.5重量%、約0.01~約2重量%、約0.01~約1.5重量%、約0.01~約1重量%、約0.01~約0.8重量%、約0.01~約0.6重量%、約0.01~約0.4重量%、約0.01~約0.2重量%、約0.01~約0.1重量%;0.05~約3重量%、約0.05~約2.5重量%、約0.05~約2重量%、約0.05~約1.5重量%、約0.05~約1重量%、約0.05~約0.8重量%、約0.05~約0.6重量%、約0.05~約0.4重量%、約0.05~約0.2重量%、約0.05~約0.1重量%;0.1~約3重量%、約0.1~約2.5重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1.5重量%、約0.1~約1重量%、約0.1~約0.8重量%、約0.1~約0.6重量%、約0.1~約0.4重量%、約0.1~約0.2重量%;0.15~約3重量%、約0.15~約2.5重量%、約0.15~約2重量%、約0.15~約1.5重量%、約0.15~約1重量%、約0.15~約0.8重量%、約0.15~約0.6重量%、約0.15~約0.4重量%;0.2~約3重量%、約0.2~約2.5重量%、約0.2~約2重量%、約0.2~約1.5重量%、約0.2~約1重量%、約0.2~約0.8重量%、または約0.2重量%~約0.6重量%であってもよい。
【0031】
ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート
化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に基づいて、変動してもよい量で、典型的には約0.5重量%~約7重量%の量で存在するポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートを含む。いくつかの例では、化粧品組成物中のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約0.5重量%~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約0.75~約7重量%、約0.75~約6重量%、約0.75~約5重量%、約0.75~約4重量%、約0.75~約3重量%、約0.75~約2重量%;約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、または約1重量%~約2重量%である。
【0032】
ポリアクリル酸ナトリウム
化粧品組成物は、典型的には、化粧品組成物の総重量に基づいて、約0.9重量%~約7重量%の量のポリアクリル酸ナトリウムを含む。例えば、化粧品組成物に存在するポリアクリル酸ナトリウムの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約0.9重量%から約7重量%まで、約0.9~約6重量%、約0.9~約5重量%、約0.9~約4重量%、約0.9~約3重量%、約0.9~約2重量%、約0.9~約1.5重量%;約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、または約1~約2重量%;約1.25~約7重量%、約1.25~約6重量%、約1.25~約5重量%、約1.25~約4重量%、約1.25重量%~約3重量%であってもよい。
【0033】
典型的には、ポリアクリル酸ナトリウムは、微粒子または非微粒子の形態で組成物中に存在してもよい。ポリアクリル酸ナトリウムが微粒子の形態で存在する場合、水和状態でのそれらの平均サイズは、好ましくは10μm以下、さらにより優先的には、5μm以下である。非水和状態でのそれらの平均サイズは、好ましくは2μm以下、好ましくは1μm以下である。
【0034】
市販のポリアクリル酸ナトリウムの非限定的な例としては、AveciaからOctacare X100、X110およびRM100の名称で販売されているもの、SNFからFlocare GB300およびFlosorb 500の名称で販売されているもの;BASFからLuquasorb 1003、Luquasorb 1010、Luquasorb 1280およびLuquasorb 1100の名称で販売されているもの;Grain ProcessingからWater Lock G400およびG430の名称で販売されているもの(INCI名:アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体);住友精化株式会社により提供されているAqua Keep 10 SH NF、Aqua Keep 10 SH NFCの名称で販売されているもの、アクリル酸ナトリウムクロスポリマー-2;および/または、三洋化成工業株式会社からSanfresh ST-100C、ST100MCおよびIM-300MCの名称で販売されているもの(INCI名:アクリル酸ナトリウムグラフトデンプン)が挙げられる。
【0035】
油
化粧品組成物は、1種または複数の油を含む油相を含む。油相の量(例えば、油の総量)は、化粧品組成物の総重量に基づいて、典型的には、0.5重量%~8重量%である。油相は、1種または複数の油、例えば、シリコーン油、フルオロ油、炭化水素ベース油などを含んでもよい。いくつかの例では、化粧品組成物は、植物ベースまたは野菜ベース油である油を含む。
【0036】
化粧品組成物に存在する油および/または植物ベースもしくは野菜ベース油の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間のすべての範囲および部分範囲を含む、約0.5重量%から約8重量%まで、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%;約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約8重量%、約4~約7重量%、約4~約6重量%;約5~約8重量%、または約5重量%~約7重量%であってもよい。
【0037】
追加的に、および/または代替的に、化粧品組成物は、合成油を除外し得る。いくつかの場合では、化粧品組成物は、植物ベースおよび野菜ベース油以外の油を除外し得る。例えば、合成油ならびに/または植物ベースおよび野菜ベース油以外の油の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、または約0.5重量%以下であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、化粧品組成物は、合成油ならびに/または植物ベースおよび野菜ベース油以外の油を含まないか、または本質的に含まない。
【0038】
化粧品組成物は、低O2透過性油(例えば、0.3%以下のO2透過性を有する油);中程度O2透過性油(例えば、0.3%~0.4%のO2透過性を有する油);および/または高O2透過性油(例えば、0.4%を超えるO2透過性を有する油)、を含む油相を含んでもよい。いくつかの場合では、化粧品組成物は、油および/または油相の総重量に基づいて、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、または約90重量%以上の低O2透過性油の量を含む。化粧品組成物は、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下の中程度O2透過性油の量を含んでもよい。追加的に、または代替的に、化粧品組成物は、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下の高O2透過性油の量を含んでもよい。
【0039】
「油」という用語は、室温(20~25℃)、および大気圧(760mmHg)で液体形態である任意の脂肪性物質を意味する。多くの場合、化粧品組成物中の油の少なくとも1種は、油相の一部である。「油相」は、追加の脂溶性成分および親油性成分ならびに脂肪性物質を含み得る少なくとも1種の油を含む相である。本明細書での使用に好適な油は、揮発性でも不揮発性でもよい。「揮発性油」という用語は、皮膚またはケラチン線維と接触すると、室温および大気圧で、1時間未満で蒸発することができる油に関する。揮発性油は、室温で液体であり、室温および大気圧で、特に0.13Paから40,000Paまで(10-3~300mmHg)の範囲の非ゼロ蒸気圧を有する。「不揮発性油」という用語は、室温および大気圧で、少なくとも数時間、皮膚またはケラチン線維上に留まり、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油に関する。
【0040】
「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子、特に少なくとも1つのSi-O基を含む油に関する。「フルオロ油」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含む油に関する。「炭化水素ベース油」という用語は、主に水素原子および炭素原子を含む油に関する。炭化水素ベース油は、動物性炭化水素ベース油、植物性炭化水素ベース油、鉱物性炭化水素ベース油、または合成炭化水素ベース油であってもよい。さらに、好適な油は、鉱物性炭化水素ベース油、植物性炭化水素ベース油、または合成炭化水素ベース油であり得る。
【0041】
シリコーン油
本明細書に記載の化粧品組成物は、1種または複数のシリコーン油を含んでもよい。シリコーン油の非限定的な例としては、ジメチコン、シクロメチコン、ポリシリコーン-11、フェニルトリメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、およびステアロキシトリメチルシランが挙げられる。いくつかの場合では、化粧品組成物は、ジメチコン、および場合により、追加のシリコーン油を含む追加の油を含む。典型的には、1種または複数のシリコーン油は、不揮発性シリコーン油である。いくつかの実施形態では、シリコーン油は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、側鎖であり、かつ/またはシリコーン鎖末端にあるアルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン、(これらの基はそれぞれ、2個から24個までの炭素原子を含有する)、またはフェニルシリコーン類、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン、または(2-フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケートである。
【0042】
言及することができるシリコーン油の他の例としては、揮発性直鎖状または環状シリコーン油、特に粘度が8センチストーク(8×106m2/秒)であり、特に2個から7個までのケイ素原子を含有するものが挙げられ、これらのシリコーンは、場合により1個から10個までの炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシ基を含む。本発明に使用し得る揮発性シリコーン油としては、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびこれらの混合物に言及することができる。
【0043】
フルオロ油
本明細書に記載の化粧品組成物は、1種または複数のフルオロ油を含んでもよい。例えば、1種または複数のフルオロ油は、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン、ドデカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ブロモペルフルオロオクチル、ノナフルオロメトキシブタン、ノナフルオロエトキシイソブタン、および4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンからなる群から選択されてもよい。また、揮発性フルオロ油、例えば、ノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ドデカフルオロペンタンを使用してもよい。
【0044】
炭化水素ベース油
本明細書に記載の化粧品組成物は、1種または複数の炭化水素ベース油を含んでもよい。例えば、炭化水素ベース油は、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、脂質、トリグリセリド、天然油、および/または合成油であってもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、水添ポリイソブテンおよび水添ポリデセンからなる群から選択される合成油を含む。
【0045】
炭化水素ベース油は、不揮発性の炭化水素ベースであってもよく、例えば:
(i)植物由来の炭化水素ベース油、例えばグリセリドトリエステルであり、概して脂肪酸およびグリセロールのトリエステルであり、その脂肪酸が、C4からC24までの様々な鎖長を有することができ、これらの鎖が、飽和または不飽和、直鎖または分枝であることが可能であり、これらの油が、特に、コムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、アーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ種子油、マロウ油(marrow oil)、クロスグリ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キヌア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、およびモスカータバラ油である、植物由来の炭化水素ベース油;
(ii)10個から40個までの炭素原子を含有する合成エーテル;
(iii)鉱物または合成由来の直鎖または分枝状炭化水素、例えば、ワセリン、ポリデセン、Parleamなどの水添ポリイソブテン、および40スクワラン;
(iv)合成エステル、例えば式RCOOR’の油であり、式中、Rが、1個から40個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝状脂肪酸残基を表し、R’が、R+R’が≧10であるという条件で、1個から40個までの炭素原子を含有する、特に分枝状である炭化水素ベースの鎖を表している油、例えばPurcellin oil(オクタン酸セテアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15アルキルベンゾエート、例えば、WitcoからFinsolv TN(登録商標)もしくはWitconol TN(登録商標)という商品名で販売されている製品、またはEvonik GoldschmidtからTegosoft TN(登録商標)という商品名で販売されている製品、2-エチルフェニルベンゾエート、例えば、ISPからX-Tend 226の名称で販売されている市販品、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、例えば、Stearinerie Duboisから「Dub Dis」の名称で販売されている製品、アルコールまたは多価アルコールのオクタノエート、デカノエートまたはリシノレエート、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート;ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリルまたはリンゴ酸ジイソステアリル;およびペンタエリスリトールエステル;シトレートまたはタルトレート、例えば、ジ(直鎖C12~C13アルキル)タルトレート、例えば、Enichem Augusta IndustrialeからCosmacol ETI(登録商標)の名称で販売されているもの、また、ジ(直鎖C14~C15アルキル)タルトレート、例えば、同社からCosmacol ETL(登録商標)の名称で販売されているもの;またはアセテート;
(v)室温で液体であり、12個から26個までの炭素原子を含有する分枝および/または不飽和炭素ベース鎖を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールまたは2-ウンデシルペンタデカノール;
(vi)高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸;
(vii)カルボネート、例えば、炭酸ジカプリリル、例えば、CognisからCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている製品;
(viii)脂肪アミド、例えば、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、例えば、味の素株式会社からEldew SL 205(登録商標)の商品名で販売されている製品;ならびに
(ix)ヒマワリ油、ゴマ油、セイヨウハッカ油、マカダミアナッツ油、ティートリー油、月見草油、セージ油、ローズマリー油、コリアンダー油、タイム油、ピメントベリー油、ローズ油、アニス油、バルサム油、ベルガモット油、ローズウッド油、シダー油、カミツレ油、セージ油、クラリセージ油、クローブ油、イトスギ油、ユーカリ油、フェンネル油、シーフェンネル油(sea fennel oil)、フランキンセンス油、ゼラニウム油、ショウガ油、グレープフルーツ油、ジャスミン油、ジュニパー油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マジョラム油、ミルラ油、ネロリ油、オレンジ油、パチュリー油、コショウ油、黒コショウ油、プチグレン油、パイン油、ローズオットー油、ローズマリー油、ビャクダン油、スペアミント油、カンショウ油、ベチベルソウ油、トウリョクジュ油、およびイランイランからなる群から選択される精油
である。
【0046】
特定の例では、不揮発性炭化水素ベース油は、グリセリドトリエステル、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、合成エステル、特にイソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、C12~C15アルキルベンゾエート、2-エチルフェニルベンゾエート、および脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノールである。
【0047】
揮発性炭化水素ベース油としては、8個から16個までの炭素原子を含有する炭化水素ベース油、特に分枝状のC8~C16アルカン、例えば、石油由来のC8~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても公知である)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても公知である)、イソデカンまたはイソヘキサデカン、IsoparまたはPermethylの商品名で販売されている油、分岐状のC8~C16エステル、およびイソヘキシルネオペンタノエートが言及される。
【0048】
好ましくは、油は、植物ベースまたは野菜ベース油、例えば、ヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、およびこれらの混合物から選択される。
【0049】
ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の脂肪酸エステル
化粧品組成物は、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の脂肪酸エステルを含んでもよい。いくつかの場合では、脂肪酸エステルは、油相の一部とみなされる。ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の脂肪酸エステルは、グリセロール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪酸エステル、合成エステルなどであり得る。化粧品組成物に含まれ得るポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の脂肪酸エステルの議論を、以下に提供する。
【0050】
グリセロール脂肪酸エステル
非イオン性両親媒性脂質として使用できるグリセロール脂肪酸エステルは、特に、16個から22個までの炭素原子を有する飽和直鎖アルキル鎖を含む少なくとも1つの酸から形成されるエステル、および1個から10個までのグリセロール単位から形成されるエステルを含む群から選択することができる。これらのグリセロール脂肪酸エステルの1種または複数を、本開示のエマルジョンにおいて使用し得る。
【0051】
ソルビタン脂肪酸エステル
非イオン性両親媒性脂質として使用できるソルビタン脂肪酸エステルは、特に、C16~C22脂肪酸およびソルビタンのエステル、ならびにC16~C22脂肪酸およびソルビタンのオキシエチレン化エステルを含む群から選択することができる。これらは、それぞれ16個から22個までの炭素原子を有する少なくとも1つの飽和直鎖アルキル鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸、およびソルビトールまたはエトキシル化ソルビトールから形成される。オキシエチレン化エステルは、一般に1個から100個までのエチレンオキシド単位、好ましくは2個から40個までのエチレンオキシド(EO)単位を含む。
【0052】
これらのエステルは、特にステアレート、ベヘネート、アラキデート、パルミテートおよびこれらの混合物から選択することができる。ステアレート、およびパルミテートが、好ましくは使用される。
【0053】
ソルビタン脂肪酸エステルおよびオキシエチレン化ソルビタン脂肪酸エステルの例としては、ICI社からSpan 60の名称で販売されているソルビタンモノステアレート(CTFA名:ソルビタンステアレート)、ICI社からSpan 40の名称で販売されているソルビタンモノパルミテート(CTFA名:ソルビタンモノパルミテート)、またはICI社からTween 65の名称で販売されているソルビタン20 EO トリステアレート(CTFA名:ポリソルベート65)に言及することができる。
【0054】
エトキシル化脂肪酸エステル
非イオン性両親媒性脂質として使用できるエトキシル化脂肪酸エステルは、1~100個のエチレンオキシド単位および16個から22個までの炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪酸鎖からなるエステルである。エステルの脂肪鎖は、特にステアレート、ベヘネート、アラキデート、およびパルミテート単位、ならびにこれらの混合物から選択することができる。エトキシル化脂肪酸エステルの例として、40個のエチレンオキシド単位を含むステアリン酸のエステル、例えばICI社からMyrj 52(CTFA名:PEG-40ステアレート)の名称で販売されている製品、および8個のエチレンオキシド単位を含むベヘン酸のエステル(CTFA名:PEG-8ベヘネート)、例えばGattefosse社からCompritol HD5 ATOの名称で販売されている製品に言及することができる。
【0055】
合成エステル
合成エステル、例えば式RCOOR’の油であり、式中、Rが、1個から40個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝状脂肪酸残基を表し、R’が、R+R’が≧10であるという条件で、1個から40個までの炭素原子を含有する、特に分枝状である炭化水素ベースの鎖を表している油、例えばPurcellin oil(オクタン酸セテアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12~C15アルキルベンゾエート、例えば、WitcoからFinsolv TN(登録商標)もしくはWitconol TN(登録商標)という商品名で販売されている製品、またはEvonik GoldschmidtからTegosoft TN(登録商標)という商品名で販売されている製品、2-エチルフェニルベンゾエート、例えば、ISPからX-Tend 226の名称で販売されている市販品、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、例えば、Stearinerie Duboisから「DubDis」の名称で販売されている製品、アルコールまたは多価アルコールのオクタノエート、デカノエートまたはリシノレエート、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート;ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリルまたはリンゴ酸ジイソステアリル;およびペンタエリスリトールエステル;シトレートまたはタルトレート、例えば、ジ(直鎖C12~C13アルキル)タルトレート、例えば、Enichem Augusta IndustrialeからCosmacol ETI(登録商標)の名称で販売されているもの、また、ジ(直鎖C14~C15アルキル)タルトレート、例えば、同社からCosmacol ETL(登録商標)の名称で販売されているもの;またはアセテート。
【0056】
化粧品組成物に存在するポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートではない脂肪酸エステルの量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間のすべての範囲および部分範囲を含む、約0.5重量%から約8重量%まで、約0.5~約7重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%;約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約2~約8重量%、約2~約7重量%、約2~約6重量%、約2~約5重量%;約3~約8重量%、約3~約7重量%、約3~約6重量%、約3~約5重量%;約4~約8重量%、約4~約7重量%、約4~約6重量%;約5~約8重量%、または約5重量%~約7重量%であってもよい。
【0057】
ポリアクリル酸ナトリウム以外の増粘剤
本明細書に記載の化粧品組成物は、場合により、ポリアクリル酸ナトリウム以外の増粘剤を含んでもよい。ポリアクリル酸ナトリウム以外の増粘剤は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの範囲および部分範囲を含む、約0.05重量%~約5重量%、約0.05重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%、約0.05重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%;約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%;約0.2重量%~約5重量%、約0.2重量%~約4重量%、約0.2重量%~約3重量%、約0.2重量%~約2重量%、約0.2重量%~約1重量%;約0.3重量%~約5重量%、約0.3重量%~約4重量%、約0.3重量%~約3重量%、約0.3重量%~約2重量%、または約0.3重量%~約1重量%の量であってもよい。さらに、増粘剤の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの範囲および部分範囲を含む、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%、または1.5重量%から2重量%、3重量%、4重量%または5重量%までであってもよい。
【0058】
多くの増粘剤は、水溶性であり、本発明の化粧品組成物が水に分散/溶解する場合、水の粘度を上昇させるか、または水性ゲルを形成する。この水溶液は、必要に応じて、ゲルを形成するために加熱、冷却しても中和してもよい。ポリアクリル酸ナトリウム以外の増粘剤は、水に分散/溶解させる場合には、水に可溶な水性溶媒、例えば、エチルアルコールに分散/溶解させてもよい。
【0059】
増粘剤は、「増稠剤」または「粘度調整剤」と称される場合がある。増粘剤は、典型的には、組成物の粘度を増加させるために含まれる。それにもかかわらず、いくつかの例では、特定の増粘剤が、組成物に追加的な驚くべき利点をもたらす。増粘剤の非限定的な例としては、ポリアクリレートクロスポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム以外)または架橋ポリアクリレートポリマー(架橋ポリアクリル酸ナトリウム以外)、カチオン性アクリレート共重合体、アニオン性アクリル酸ポリマーまたはカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、セルロース誘導体などの多糖類、ガム、ポリクオタニウム、ビニルピロリドンホモポリマー/共重合体、C8~24ヒドロキシル置換脂肪族酸、C8~24共役脂肪族酸、糖脂肪酸エステル、ポリグリセリルエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。ポリアクリル酸ナトリウム以外の好適な増稠剤は、米国特許出願第16/731,654号に見出すことができ、その全体が、すべての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0060】
ポリアクリル酸ナトリウム以外の増粘剤は、キサンタンガム、グアーガム、ビオサッカリドガム、セルロース、アカシア・セネカ(acacia seneca)ガム、スクレロチウムガム、アガロース、ペクチン、ジェランガム、ヒアルロン酸から選択することができる。追加的に、ポリアクリル酸ナトリウム以外の増稠剤には、アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、アクリレート共重合体、ポリアクリルアミド、カルボマー、およびアクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマーからなる群から選択される高分子増粘剤が含まれ得る。
【0061】
言及することができる特定の種類の増粘剤には、以下のものが含まれる:
カルボン酸またはカルボキシレートベースのホモポリマーまたは共重合体であり、直鎖状または架橋状であり得るもの。
【0062】
これらのポリマーは、アクリル酸(アクリレート)、置換アクリル酸、ならびにこれらのアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびエステルに由来する1種または複数のモノマーを含有する。市販のポリマーには、Carbopol、Acrysol、Polygel、Sokalan、Carbopol Ultrez、およびPolygelの商品名で販売されているものが含まれる。市販のカルボン酸ポリマーの例としては、スクロースまたはペンタエリストールのアリルエーテルを架橋したアクリル酸のホモポリマーであるカルボマーが挙げられる。カルボマーは、B.F.GoodrichのCarbopol 900シリーズ(例えば、Carbopol 954)として入手可能である。さらに、他の好適なカルボン酸高分子剤には、Ultrez 10(B.F.Goodrich)およびC10~30アルキルアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの短鎖(すなわちC1~4アルコール)エステルのうちの1つの、1つまたは複数のモノマーとの共重合体が含まれ、架橋剤は、スクロースまたはペンタエリストールのアリルエーテルである。これらの共重合体は、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートクロスポリマーとして公知であり、B.F.GoodrichからCarbopol 1342、Carbopol 1382、Pemulen TR-1、およびPemulen TR-2として市販されている。
【0063】
他の好適なカルボン酸またはカルボキシレート高分子剤には、アクリル酸およびアルキルC5~C10アクリレートの共重合体、アクリル酸および無水マレイン酸の共重合体、ならびにポリアクリレートクロスポリマー-6が含まれる。ポリアクリレートクロスポリマー-6は、SeppicからSEPIMAX ZENとして公知の原料で入手可能である。
【0064】
別の好適なカルボン酸またはカルボキシレート高分子剤には、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレート共重合体、SeppicからSIMULQUAT HC 305の商品名で公知である原料として入手可能な、カチオン性アクリレート共重合体(または四級アンモニウム化合物)が含まれる。
【0065】
特定の実施形態では、本明細書で有用なカルボン酸またはカルボキシレート高分子増稠剤は、カルボマー、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレート共重合体、およびこれらの混合物から選択されるものである。
【0066】
ポリクオタニウム化合物
非限定的な例としては、ポリクオタニウム-1、ポリクアテルニウム-2、ポリクアテルニウム-3、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-21、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-23、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-25、ポリクアテルニウム-26、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-40、ポリクアテルニウム-41、ポリクアテルニウム-42、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-51、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-61、ポリクアテルニウム-62、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクオタニウム-67などが挙げられる。いくつかの場合では、好ましいポリクオタニウム化合物には、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-67、およびこれらの混合物が含まれる。いくつかの例では、化粧品組成物は、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-67、またはこれらの混合物を含む。
【0067】
セルロース
セルロースの非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、セルロース硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの例では、セルロースは、水溶性セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム塩)から選択される。さらに、いくつかの例では、セルロースは、好ましくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。いくつかの例では、化粧品組成物は、1種または複数のセルロース増稠剤(例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース)を含む。
【0068】
ポリビニルピロリドン(PVP)および共重合体
非限定的な例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニル共重合体(PVP/VA共重合体)、ポリビニルピロリドン(PVP)/エイコセン共重合体、PVP/ヘキサデセン共重合体が挙げられる。市販のポリビニルピロリドンには、BASFから入手可能なLuviskol K30、K85、K90が含まれる。市販のビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの共重合体には、BASFから入手可能なLuviskol VA37、VA64が含まれ、ビニルピロリドン、メタクリルアミド、およびビニルイミダゾールの共重合体(INCI:VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール共重合体)は、BASFからLuvisetとして市販されている。いくつかの例では、PVPおよびPVP/VA共重合体が好ましい。
【0069】
スクロースエステル
非限定的な例としては、スクロースパルミテート、スクロースココエート、スクロースモノオクタノエート、スクロースモノデカノエート、スクロースモノ-またはジラウレート、スクロースモノミリステート、スクロースモノ-またはジパルミテート、スクロースモノ-およびジステアレート、スクロースモノ-、ジ-またはトリオレエート、スクロースモノ-またはジリノレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエートまたはスクロースオクトオレエート(octooleate)、および混合エステル、例えば、スクロースパルミテート/ステアレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
ポリグリセリルエステル
非限定的な脂肪酸のポリグリセロールエステル(ポリグリセリルエステル)には、下記式のものが含まれる。
[式中、nは2から20まで、または2から10まで、または2から5までであり、または2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10であり、R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立して脂肪酸部分または水素であってもよく、ただしR
1、R
2およびR
3の少なくとも1つが、脂肪酸部分である。例えば、R
1、R
2およびR
3は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖でも分岐でもよく、C
1~C
40、C
1~C
30、C
1~C
25、またはC
1~C
20、C
1~C
16、またはC
1~C
10の長さを有してもよい。]追加的に、脂肪酸の非イオン性ポリグリセロールエステルの非限定的な例としては、ポリグリセリル-4カプリレート/カプレート、ポリグリセリル-10カプリレート/カプレート、ポリグリセリル-4カプレート、ポリグリセリル-10カプレート、ポリグリセリル-4ラウレート、ポリグリセリル-5ラウレート、ポリグリセリル-6ラウレート、ポリグリセリル-10ラウレート、ポリグリセリル-10ココエート、ポリグリセリル-10ミリステート、ポリグリセリル-10オレエート、ポリグリセリル-10ステアレート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0071】
C8~24ヒドロキシル置換脂肪族酸およびC8~24共役脂肪族酸
非限定的な例としては、共役リノール酸、cis-パリナリン酸、trans-7-オクタデセン酸、cis-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸、cis-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸、コルンビン酸、リノレンエライジン酸、リシノライジン酸(ricinolaidic acid)、ステアリドン酸、2-ヒドロキシステアリン酸、アルファ-リノレン酸、アラキドン酸、cis-11,14-エイコサジエン酸、リノールエライジン酸、モノペトロセリン酸、ペトロセリン酸、リシノール酸、trans-バクセン酸、cis-11,14,17-エイコサトリエン酸、cis-5-エイコセン酸、cis-8,11,14-エイコサトリエン酸、ヘキサデカトリエン酸、パルミトレイン酸、ペトロセライジン酸、トランスファルネソール、cis-13,16-ドコサジエン酸、cis-バクセン酸、cis-11-エイコセン酸、cis-13,16,19-ドコサトリエン酸、cis-13-オクタデセン酸、cis-15-オクタデカン酸、cis-7,10,13,16-ドコサテトラエン酸、エライジン酸、ガンマ-リノレン酸、ゲラン酸、ゲラニルゲラノイン酸、リノール酸、オレイン酸、ピノレン酸、trans-13-オクタデセン酸が挙げられる。より好ましくは、脂肪族酸は、12-ヒドロキシステアリン酸、共役リノール酸、またはこれらの混合物を含む。
【0072】
ガム
ガムの非限定的な例としては、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、グアーガム、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、セネカガム(seneca gum)、スクレロチウムガムなどが挙げられる。
【0073】
マット化剤
本開示の化粧品組成物は、マット化剤を含んでもよい。化粧品組成物中のマット化剤の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、例えば、約0.1重量%~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1重量%;約0.25~約10重量%、約0.25~約8重量%、約0.25~約6重量%、約0.25~約5重量%、約0.25~約4重量%、約0.25~約3重量%、約0.25~約2重量%、約0.25~約1重量%;約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約0.75~約10重量%、約0.75~約8重量%、約0.75~約6重量%、約0.75~約5重量%、約0.75~約4重量%、約0.75~約3重量%、約0.75~約2重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、または約1重量%~約2重量%であってもよい。
【0074】
マット化剤(「マット化充填剤」とも称する)は、顔色により透明感およびかすみ効果を与え、皮膚に脂ぎった、てかてかした、つやのある外観を付与することなく、自然で望ましい外観を与える材料を指す。これを行うために、これらの材料は、多くの場合、吸着性充填剤、例えば、タルク、シリカ、カオリン、または光散乱性の光学特性を有する充填剤であり、これらの特性は「ソフトフォーカス」効果という名称で公知である。マット化剤は、つやまたは油っぽさを軽減することに加えて、化粧品組成物全体の質感および厚みに寄与することができる。マット化剤は、多くの場合(必ずしもそうではないが)、粒子状の材料または粉末である。
【0075】
マット化剤を含有する化粧品組成物は、以下のプロトコールによって特徴付けることができる。試験組成物を、機械式フィルムスプレッダー(mechanical film spreader)を使用して、コントラストカード(contrast card)(Erichsen社から販売されているPrufkarte型24/5-250cm2)上に2mg/cm2の割合で延展する。次いで、組成物を37℃で一晩乾燥させた後、Micromodule社から販売されているゴニオレフレクトメーターを使用してその反射を測定する。30°で鏡面反射した強度(R)および90°で散乱した強度(D)を連続的に測定する。得られた結果は、鏡面反射と拡散反射の間の比率Rである。Rの値は、充填剤によってもたらされるマット化効果が大きいほど、それに比例して小さくなる。2以下のRの値は、一般にマット化効果を示す。本開示によるマット化剤は、好ましくは、化粧品組成物中の5%の含有量で、1.5未満、好ましくは1未満のRの値を与えるものを含む。
【0076】
マット化剤の非限定的な例としては、シリカ、クレイ、シリケート誘導体、疎水性シリカエアロゲル粒子、多孔性シリカ微小粒子、例えば平均サイズが5ミクロンの、三好化成株式会社のシリカビーズSB150およびSB700;AGC株式会社のSunsphereシリーズH製品、例えば、それぞれのサイズが3μm、5μm、および5μmの、Sunsphere H33、H51、およびH53、ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均サイズが8ミクロンの、ClariantのPTFE Ceridust 9205F、シリコーン樹脂粉末、例えば、平均サイズが4.5ミクロンの、GE Siliconeのシリコーン樹脂Tospearl 145A、中空半球状シリコーン粒子、例えば竹本油脂株式会社のNLK500、NLK506、およびNLK510、アクリル共重合体粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレート、例えば、平均サイズが8ミクロンの、Nihon JunyokiのPMMA粒子Jurymer MBI、Wackher社からCovabead LH 85の名称で販売されている中空PMMA球、およびExpancelの名称で販売されているビニリデンクロリド/アクリロニトリル/メチレンメタクリレートの膨張ミクロスフェア;ワックス粉末、例えば、平均サイズが7ミクロンの、MicroPowdersのパラフィンワックス粒子MicroEase 114S、ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸共重合体を含み、特にエチレン/アクリル酸共重合体からなるポリエチレン粉末、例えば、住友化学株式会社のFlobeads EA209粒子(平均サイズ10ミクロン)、シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマーオルガノポリシロキサン粉末であり、例えば米国特許第5,538,793号に記載されているもの(このようなエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社からKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104、およびKSP-105の名称で販売されている)、ポリアミド(Nylon.RTM.)粉末、例えば、平均サイズが10ミクロンの、AtofinaのOrgasolタイプのナイロン12粒子、ポリメチルメタクリレート(PMMA)タイプの粉末、タルク、シリカ/TiO2またはシリカ/酸化亜鉛複合体、スチレン/アクリル共重合体粉末、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0077】
クレイの中でも、スメクタイト類のクレイ、例えば、ラポナイト、カオリナイト類のクレイ、例えば、カオリナイト、ディッカイトまたはナクライト、ハロイサイト、ドンバサイト(dombassite)、アンチゴライト、ベンチエリン(benthierine)または葉ろう石類の場合により改質されたクレイ、モンモリロナイト、バイデライト、バーミキュライト、タルク、ステベンサイト(stevensite)、ヘクトライト、サポナイト、クロライト、セピオライトおよびイライトに言及することができる。
【0078】
クレイには、例えば、刊行物Mineralogie des argiles[Mineralogy of Clays]、S.Caillere、S.Henin、M.Rautureau、第2版 1982、Massonに記載されている製品が含まれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。天然のクレイは、その大部分が特定の鉱物、ケイ酸塩、一般にアルミニウムで構成される堆積岩である。カオリンは、天然のクレイである。クレイはまた、合成であってもよい。クレイはまた、様々な化合物、例えば、アクリル酸、多糖類(例えばカルボキシメチルセルロース)、または有機カチオンで化学的に修飾することができる。いくつかの例では、本開示の化粧品組成物は、カオリナイト、モンモリロナイト、サポナイト、ラポナイト、ヘクトライト(ジステアルジモニウムヘクトライトを含む)、およびイライトからなる群から選択されるクレイを含む。
【0079】
言及することができるシリカ誘導体には、シリカ粉末、例えば、三好化成株式会社から販売されている、Silica Beads SB-700の名称で販売されている多孔質シリカミクロスフェア、AGC株式会社から販売されている製品Sunsphere H51、Sunsphere H33、およびSunsphere H53;AGC株式会社から販売されている、SA Sunsphere H-33、およびSA Sunsphere H-53の名称で販売されているポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカミクロスフェア;シリカマイクロビーズ、例えば、三好化成株式会社からSB150の名称で販売されているものが含まれる。
【0080】
いくつかの例では、化粧品組成物は、メチルメタクリレート/グリコールジメタクリレートクロスポリマー、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、メチルメタクリレートクロスポリマー、ナイロン12、ポリアミド、ポリエチレン、タルク、二酸化チタン、シリカ、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、クレイ(ジステアリジモニウムヘクトライトを含むヘクトライトクレイなど)、シリカ、ポリメチシルセキオキサン(polymethysilsequioxane)、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種または複数のマット化剤を含む。好ましくは、マット化剤は、存在する場合、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートである。
【0081】
ポリオール
化粧品組成物は、1種または複数のポリオールを含んでもよい。化粧品組成物中のポリオールの量は、存在する場合、化粧品組成物の総重量に基づいて、約1重量%から約30重量%までの範囲であってもよい。例えば、化粧品組成物は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの範囲および部分範囲を含む、約1重量%~約30重量%、約1~約25重量%、約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%;約5~約30重量%、約5~約25重量%、約5~約20重量%、約5~約18重量%、約5~約16重量%、約5~約14重量%、約5~約12重量%、約5~約10重量%;約10~約30重量%、約10~約25重量%、約10~約20重量%、約10~約18重量%、約10~約16重量%、約10~約14重量%;約12~約30重量%、約12~約25重量%、約12~約20重量%、約12~約18重量%、約12~約16重量%;約14~約30重量%、約14~約25重量%、約14~約20重量%、約14~約18重量%;約16~約30重量%、約16~約25重量%、約16~約20重量%;約18~約30重量%、約18~約25重量%、約18重量%~約20重量%の量の水溶性溶媒を含んでもよい。
【0082】
多価アルコールは、有用である。「ポリオール」という用語は、本開示の意味の内において、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む有機分子を意味すると理解されるべきである。化粧品組成物のポリオールは、グリコール類でも多数のヒドロキシル基を有する化合物でもよい。いくつかの場合では、1種または複数のポリオールは、C2~C32ポリオールからなる群から選択される。1種または複数のポリオールは、常温(25℃)で液体であってもよい。1種または複数のポリオールは、2個から32個までの炭素原子、3個から16個までの炭素原子、または3個から12個までの炭素原子を有し得る。
【0083】
場合により、化粧品組成物に含まれ得るポリオールの非限定的な例は、アルカンジオール、例えば、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、カプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオールおよび4-メチル-1,2-ペンタンジオール;グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、トリアセチンならびにこれらの混合物を含み、かつ/またはこれらから選択され得る。1種または複数のポリオールは、場合により、グリコールまたはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテルおよびモノブチルエーテル、プロピレングリコールまたはそのエーテル、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ならびにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールのモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルであってもよい。
【0084】
いくつかの場合では、ポリオールは、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオールおよびこれらの混合物を含む。また、ポリオール化合物を使用してもよい。非限定的な例としては、脂肪族ジオール、例えば、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオールおよび2-エチル-1,3-ヘキサンジオールおよびこれらの混合物が含まれる。
【0085】
いくつかの場合では、ポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物から選択される。
【0086】
皮膚活性剤
化粧品組成物は、場合により、1種または複数の皮膚活性剤、例えば、抗老化剤、抗シワ活性剤、抗酸化剤、湿潤剤、保湿成分、脱色素剤、および/または脂性肌を処置するための薬剤などを含んでもよい。皮膚活性剤は、組成物の総重量に基づいて、0超から約5重量%までの範囲の量で化粧品組成物に含まれてもよい。例えば、皮膚活性剤の総量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、ゼロ超から約5重量%まで、ゼロ超~約4重量%、ゼロ超~約3重量%、ゼロ超~約2重量%;約10ppm~約5重量%(50,000ppm)、約10ppm~約2.5重量%(25,000ppm)、約10ppm~約1重量%(10,000ppm)、約10ppm~約0.5重量%(5,000ppm)、約10ppm~約0.3重量%(3,000ppm)、約10ppm~約0.2重量%(2,000ppm)、約10ppm~約0.1重量%(1,000ppm)、約10ppm~500ppm;約0.05重量%~約5重量%、約0.05~約2.5重量%、約0.05~約1重量%、約0.05~約0.5重量%;約0.1~約5重量%、約0.1~約2.5重量%、約0.1~約1重量%、約0.1~約0.5重量%;約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%;約2~約5重量%、約2~約4重量%;、または約3重量%~約5重量%であってもよい。
【0087】
いくつかの場合に化粧品組成物に含まれ得る皮膚活性剤の非限定的な議論が、以下に提供される。
【0088】
湿潤剤および/または保湿成分
湿潤剤および/または保湿成分の例としては、グリセロールおよびその誘導体、尿素およびその誘導体、特にNational Starchから市販されているHydrovance、ヒアルロン酸、ピドール酸ナトリウム、キシリトール、セリン、エクトインおよびその誘導体、コラーゲン、プランクトン、SedermaからMoist 24の名称で販売されているイムペラタ・シリンドラ(Imperata cylindra)の抽出物、日油株式会社のLipidure-HMなどのアクリル酸のホモポリマー、β-グルカン、特にMibelle-AG-Biochemistryのカルボキシメチルベータ-グルカンナトリウム、NestleからNutraLipidsの名称で販売されているパッションフラワー、アプリコット、コーンおよびコメヌカの油の混合物、C-グリコシド誘導体、特に、Chimex社から「Mexoryl SBB」の商品名で製造されている製品などの、水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中の活性物質30重量%の溶液の形態の、C-13-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、Nestleから市販されているローズヒップオイル、VincienceからAlgualane Zincという名称で市販されている、亜鉛が強化された微細藻類プロフィリジウム・クルエンツム(Prophyridium cruentum)抽出物、Engelhard Lyon社からMarine Filling Spheresの名称で販売されている海洋由来のコラーゲンおよびコンドロイチン硫酸の球(Atelocollagen)、Engelhard Lyonから市販されているものなどのヒアルロン酸の球、ならびにアルギニンが挙げられる。
【0089】
脱色素剤
化粧品組成物に組み込まれてもよい脱色素剤としては、アルファおよびベータアルブチン、ルシノールおよびその誘導体、コウジ酸、レゾルシノールおよびその誘導体、ホモゲンチシン酸、ゲンチシン酸メチルまたはホモゲンチシン酸メチル、二酸、Dパンテテインカルシウムスルホネート(D pantheteine calcium sulphonate)、リポ酸、エラグ酸、ビタミンB3、リノール酸およびその誘導体、植物、例えば、カミツレ、ウワウルシ、アロエ属(ベラ(vera)、フェロクス(ferox)、バルデンシス(bardensis))、クワ、スカルキャップ、Gattefosseから市販されているオニマタタビ(Actinidia chinensis)に由来する特定の化合物、ボタン(Paeonia suffruticosa)の根の抽出物、例えば、一丸ファルコス株式会社からLiquid Botanpi Beの名称で販売されているもの、サトウキビ(Saccharum officinarum)の抽出物、例えば、太陽化学株式会社からLiquid Molassesの名称で市販されている糖みつ抽出物から選択されるものが挙げられるが、この列挙は網羅的ではない。特定の脱色素剤には、アルファおよびベータアルブチン、コウジ酸、レゾルシノールおよびその誘導体、Dパンテテインカルシウムスルホネート、リポ酸、エラグ酸、ビタミンB3、Gattefosseから市販されているオニマタタビ(Actinidia chinensis)、ボタン(Paeonia suffruticosa)の根の抽出物、例えば一丸ファルコス株式会社からBotanpi Liquid Bの名称で販売されているものが含まれる。
【0090】
抗シワ活性剤
化粧品組成物は、1種または複数の抗シワ活性剤を含んでもよい。「抗シワ活性剤」という用語は、シワのある皮膚の領域に接触させた場合、生物学的効果、例えば、特定の酵素の合成および/または活性の増加をもたらす天然または合成化合物を指し、これはシワおよび/または小ジワの外観を低減する効果を有する。例示的な抗シワ活性剤は、落屑剤、抗糖化剤、NO-シンターゼの阻害剤、真皮または表皮の高分子の合成を刺激するおよび/またはそれらの分解を防止する薬剤、線維芽細胞および/またはケラチノサイトの増殖を刺激するための薬剤、またはケラチノサイト分化低減剤を刺激するための薬剤;筋弛緩剤および/または皮膚弛緩剤(dermo-decontracting agent)、抗フリーラジカル剤、ならびにこれらの混合物から選択され得る。このような化合物の例としては、アデノシンおよびその誘導体、ならびにレチノール以外のレチノイド(上述)、アスコルビン酸およびその誘導体、例えば、マグネシウムアスコルビルフォスフェートおよびアスコルビルグルコシド;ニコチン酸およびその前駆体、例えば、ニコチンアミド;ユビキノン;グルタチオンおよびその前駆体、例えば、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、特にEP-1345919に記載の化合物C-グリコシドおよびその誘導体、特にEP-1345919に記載の特にC-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、シーフェンネルおよびオリーブ葉の抽出物を含む植物抽出物、ならびに植物およびその加水分解物、例えば、コメタンパク質加水分解物またはダイズタンパク質;藻類抽出物、特にラミナリア、細菌抽出物、サポゲニン、例えば、ジオスゲニン、およびヤマノイモ植物、特に野生ヤマノイモの抽出物(a-ヒドロキシ酸、f3-ヒドロキシ酸、例えば、サリチル酸、およびn-オクタノイル-5-サリチル酸オリゴペプチド、および疑似ジペプチドおよびそのアシル誘導体、特に酸{2-[アセチル-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アミノ]-3-メチル}酢酸を含む)、およびSEDERMA Matrixyl500およびMatrixyl3000という商品名でその会社から市販されているリポペプチド;リコペン、マンガン塩およびマグネシウム塩、特にグルコネート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの場合では、化粧品組成物は、アデノシン誘導体、例えば、アデノシンの非ホスフェート誘導体、例えば、特に2’-デオキシアデノシン、2’,3’-アデノシンイソプロポイリデン(isopropoylidene);トヨカマイシン(toyocamycine)、1-メチルアデノシン、N-6-メチルアデノシン;アデノシンN-オキシド、6-メチルメカプトプリンリボシド、および6-クロロプリンリボシドを含む。他の誘導体には、アデノシン受容体アゴニスト、例えば、アデノシンフェニルイソプロピル(「PIA」)、1-メチルイソグアノシン、N6-シクロヘキシルアデノシン(CHA)、N6-シクロペンチルアデノシン(CPA)、2-クロロ-N6-シクロペンチルアデノシン、2-クロロアデノシン、N6-フェニルアデノシン、2-フェニルアミノアデノシン、MECA、N6-フェネチルアデノシン、2-p-(2-カルボキシ-エチル)フェネチル-アミノ-5’-N-エチルカルボキシアミドアデノシン(CGS-21680)、N-エチルカルボキシアミド-アデノシン(NECA)、5’(N-シクロプロピル)-カルボキシアミドアデノシン、DPMA(PD129・944)およびメトリフジルが含まれる。
【0091】
脂性肌のための皮膚活性剤
化粧品組成物は、場合により、脂性肌に対処する皮膚活性剤を含んでもよい。これらの薬剤は、脂腺の活動を調節することができる皮脂調節剤または抗脂漏剤であり得る。脂性肌に対処するための例示的な皮膚活性剤には、レチノイン酸、レチノール、過酸化ベンゾイル、硫黄、ビタミンB6(ピリドキシンまたは)塩化物、セレン、サムファイア--シナモン抽出物のブレンド、チャノキおよびオクタノイルグリシン、例えば、--Seppicの15 Sepicontrol A5 TEA--特にSeppicからSepicontrol A5という商品名で市販されているシナモン、サルコシンおよびオクタノイルグリシンの混合物--亜鉛塩、例えば、グルコン酸亜鉛、ピロリドンカルボン酸亜鉛(またはピドール酸亜鉛)、乳酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、カルボン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛20、システイン酸亜鉛;--Cuivridone Solabiaなどの特に銅およびピドール酸銅の誘導体--例えばすべて丸善製薬株式から市販されているアルニカ(Arnica montana)、アカキナノキ(Cinchona succirubra)、チョウジ(Eugenia caryophyllata)、ホップ(Humulus lupulus)、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)、メンサ・メンタ・ピペンタ(Mentha pipenta)25ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、セージ(Salvia officinalis)およびタチジャコウソウ(Thymus vulgaris)の植物からの抽出物--セイヨウナツユキソウ(Spiraeaulmaria)の抽出物、例えば、SilabからSebonormineの名称で販売されているもの--藻類カラフトコンブ(Laminaria saccharina)の抽出物、例えば、BiotechmarineからPhlorogineの30名称で販売されているもの--ワレモコウ混合物(ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)/ポテリウム・オフィシナレ(Poterium officinale))の根抽出物、ショウガ(Zingiber officinalis)の根茎および桂皮(カシア(Cinnamomum cassia))、例えば、SolabiaからSebustopの名称で販売されているもの--アマニの抽出物、例えば、Lucas MeyerからLinumineの名称で販売されているもの、キハダ抽出物、例えば、丸善製薬株式からPhellodendrone xtract BGの名称で販売されているもの、または一丸ファルコス株式会社からOubaku liquid Bの名称で販売されているもの--セレノア・セルラタ(Serenoa serrulata)(ノコギリパルメット)抽出物およびゴマ種子のアルガン油混合抽出物、例えば、PentapharmからReguSEBの名称で販売されているもの、アカバナ、ミロバラン(Terminalia chebula)、オランダガラシ、および生物学的利用可能な亜鉛(微細藻類)の抽出物の混合物、例えば、Seborilys Green Techの名称で販売されているもの;--ピジウムアフリアヌム(Pygeum afrianum)の抽出物、例えば、EuromedからPygeum afrianum sterolic lipid extractの名称で販売されているもの--セレノア・セルラタ(Serenoa serrulata)の抽出物、例えば、Actives InternationalからViapure Sabalの名称で販売されているもの、およびEuromed社から販売されているもの--プランテーンのブレンド、ヒイラギメギ(Berberis aquifolium)およびサリチル酸ナトリウム20の抽出物、例えば、Seboclear Rahnの名称で販売されているもの--チョウジの抽出物、例えば、丸善製薬株式からClove extract powderの名称で販売されているもの--アルガン油、例えば、Lipofructyl Laboratories Serobiologiquesの名称で販売されているもの;25--乳タンパク質濾過物、例えばSedermaからNormasebの名称で販売されているもの--海藻コンブ抽出物、例えばBiotech marineからLaminarghaneの名称で販売されているもの--オリゴ糖海藻ラミナリア・ディギタータ(Laminaria digitata)、例えば、Codif社からPhycosaccharide 30 ACの名称で販売されているもの--サトウキビの抽出物、例えば、Sabinsa社からPolicosanolの名称で販売されているもの、スルホン化けつ岩油、例えば、IchthyolからIchtyol Paleの名称で販売されているもの、セイヨウナツユキソウ(Spiraea ulmaria)の抽出物、例えば、societeLibiolからCytobiol Ulmaireの名称で販売されているもの--セバシン酸、特にポリアクリル酸ナトリウムゲルの形態でSedermaからSebosoftの名称で販売されているもの--コンニャクの塊茎から抽出し、スルホン酸アルキル鎖で修飾したグルコマンナン、例えば、Arch ChemicalからBiopol Betaの名称で販売されているもの--クララ(Sophora angustifolia)の抽出物、例えば、BiolandからSophora powderまたはSophora extractの名称で販売されているもの--アカキナノキ(cinchona succirubra)樹皮の抽出物、例えば、Alban MullerからRedBark HSの名称で販売されているもの--キラヤ(Quillaja saponaria)の抽出物、例えば、Alban Mullerから15Panamawood HSの名称で販売されているもの--ウンデシレン鎖にグラフト化されたグリシン、例えば、SEPPICからLipacide UG ORの名称で販売されているもの--オレアノール酸およびノルジヒドログアイアレチン酸の混合物、例えば、SedermaからAC.Netの名称でゲルの形態で販売されているもの;20--フタルイミドペルオキシヘキサン酸--SasolからCOSMACOL.RTM.ECIの名称で販売されているシトレートトリ(citrate tri)(C12-C13);SasolからCOSMACOL.RTM.ECLの名称で販売されているトリアルキルシトレート(C14-C15)--混合物酸-ヒドロキシデカンオクトーバー25(hydroxydecanoic October 25)を含む10-ヒドロキシデカン酸、セバシン酸、および1,10-デカンジオール、例えばVincienceからAcnacidol BGの名称で販売されているもの、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0092】
抗酸化剤
アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、および脂溶性エステルのテトラヘキシルデシルアスコルベートおよびパルミチン酸アスコルビル、マグネシウムアスコルビルフォスフェート、アスコルビルグルコシド、アスコルビン酸グルコサミン、酢酸アスコルビル等を含むビタミンCおよび誘導体を使用することができる。追加的に、多量のビタミンCを含有する植物、例えば、カムカムベリー(Myrciaria dubia)、アセロラ、ユカン(emblica officinalis)からの抽出物、ならびにローズヒップおよび柑橘類からのビオフラボノイドを使用することができ、また、ヘスペリジンメチルカルコンなどの水溶性ビオフラボノイドを使用することができる。
【0093】
また、ゴマ(Sesamum indicum)またはゴマリグナンを添加してもよい。ゴマおよびそのリグナン(ゴマに関連する繊維状の化合物)は、抗酸化剤として働く。ゴマ種子リグナンは、ビタミンE活性を大幅に向上させる。
【0094】
他の抗酸化剤には、トコフェロール(例えば、d-α-トコフェロール、d-β-トコフェロール、d-γ-トコフェロール、d-デルタ-トコフェロール)、トコトリエノール(例えば、d-α-トコトリエノール、d-β-トコトリエノール、d-γ.-トコトリエノール、d-デルタ-トコトリエノール)およびビタミンE(α-トコフェロールアセテート)が含まれる。これらの化合物は、天然資源から単離されても、合成手段によって調製されても、またはこれらの混合物であってもよい。トコトリエノール強化型ビタミンE製剤は、ビタミンE製剤を分別して、トコフェロールの一部を除去し、トコトリエノールがより高濃度な製剤を回収することにより得ることができる。有用なトコトリエノールは、例えば、コムギ胚芽油、穀類、もしくはパーム油から高速液体クロマトグラフィーを使用して単離した天然物、またはオオムギ、ビール粕、カラスムギからアルコール抽出および/または分子蒸留により単離した天然物である。本明細書では、用語「トコトリエノール」には、純粋な化合物だけでなく、これらの天然物から得られるトコトリエノールに富む画分が含まれる。増加したグルタチオンペルオキシダーゼ活性は、酸化ダメージから皮膚を保護する。
【0095】
さらに、カロテノイド、特にキサントフィル系カロテノイドも、使用することができる有用な抗酸化剤である。キサントフィル(xanthopyll)系カロテノイドには、ルテイン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、およびアスタキサンチンなどの分子が含まれる。キサントフィルは、ビタミンA、ビタミンE、および他のカロテノイドなどの化合物を保護する。
【0096】
フラボノイド類
皮膚活性剤は、フラボノイド類の群から選択される抗酸化剤であってもよい。いくつかの例では、フラボノイドは、フラバノン(2,3-ジヒドロ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)である。フラボン類には、ブチン、エリオジクチオール、ヘスペレチン、ヘスペリジン、ホモエリオジクチオール、イソサクラネチン、ナリンゲニン、ナリンギン、ピノセンブリン、ポンシリン、サクラネチン、サクラニン、およびステルビンが含まれる。フラボノイドは、フラバノノール(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)であってもよい。フラバノール類には、タキシホリン、アロマデドリン、クリサンドロシドA、クリサンドロシドB、クセラクチノール、アスチルビン、およびフスチンが含まれる。フラボノイドは、フラボン(2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)であってもよい。フラボン類には、アピゲニン、ルテオリン、タンゲリチン、クリシン、バイカレイン、スクテラレイン、オウゴニン、合成フラボン:ジオスミンおよびフラボキセートが含まれる。フラボノイドは、フラボノール(3-ヒドロキシ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)であってもよい。フラボノール類には、3-ヒドロキシフラボン、アザレアチン、フィセチン、ガランギン、ゴッシペチン、ケンペリド、ケンフェロール、イソルハムネチン、モリン、ミリセチン、ナツダイダイン、パキポドール、クエルセチン、ラムナジン、ラムネチン、アザレイン、ヒペロシド、イソケルシチン、ケンペリトリン、ミリシトリン、クエルシトリン、ロビニン、ルチン、スピレオシド、キサントラムニン、アムレンシン、イカリイン、およびトロキセルチンが含まれる。フラボノイドは、フラバン-3-オール(2-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3-オールの誘導体)であってもよい。フラバン-3-オール類には、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピアフゼレキン、フィセチニドール、ギブルチニドール、メスキトールおよびロビネチニドールが含まれる。フラボノイドは、フラバン-4-オール(2-フェニルクロマン-4-オールの誘導体)であってもよい。フラバン-4-オール類には、アピホロールおよびルテオホロールが含まれる。フラボノイドは、イソフラボン(3-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)であってもよい。イソフラボン類には、ゲニステイン、ダイゼイン、ビオカニンA、ホルモノネチンおよびダイゼインからのエクオル代謝物が含まれる。
【0097】
抗酸化剤は、アントシアニジン(2-フェニルクロメニリウムカチオンの誘導体)であってもよい。アントシアニジン類には、オーランチニジン、シアニジン、デルフィニジン、エウロピニジン、ルテオリニジン、ペラルゴニジン、マルビジン、ペオニジン、ペツニジン、ロシニジンおよびキサントンが含まれる。
【0098】
抗酸化剤は、ジヒドロカルコン(1,3-ジフェニル-1-プロパノンの誘導体)であってもよい。ジヒドロカルコン類には、フロレチン、ジヒドロカルコンフロレチンフロリジン、アスパラチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびノトファギンが含まれる。本発明の作用機序を限定するもことなく、ジヒドロカルコン類は、活性酸素および活性窒素種のような反応性フリーラジカルを還元することにより、抗酸化作用を発揮することができる。
【0099】
抗酸化剤は、アントシアニンであってもよい。アントシアニンおよびその誘導体は、抗酸化剤である。アントシアニンは、フラボノイド化合物のクラスを包含しており、フラボノイド化合物は、天然に存在する水溶性化合物であり、多くの果実、野菜、穀物、および花の赤、紫、および青の色の原因となっている。追加的に、アントシアニンは、コラゲナーゼ阻害剤である。コラゲナーゼを阻害することで、皮膚コラーゲンの減少に起因するシワの予防および軽減、皮膚の弾力性の向上などに役立つ。アントシアニンは、様々な植物源の任意の部分、例えば、果実、花、茎、葉、根、樹皮、または種子から得ることができる。当業者は、植物の特定の部分がより高い天然レベルのアントシアニンを含有する可能性があり、したがって、所望のアントシアニンを得るためにそれらの部分が使用されることを理解するであろう。いくつかの例では、抗酸化剤は、1種または複数のベタシアニンを含んでもよい。ベタシアニンは、アントシアニンと同様に、天然資源から得ることができ、抗酸化剤である。
【0100】
抗酸化剤は、フェニルプロパノイド(桂皮酸の誘導体)であってもよい。フェニルプロパノイド類には、桂皮酸、コーヒー酸、フェルラ酸、trans-フェルラ酸(その抗酸化薬物(pharmacore)2,6-ジヒドロキシアセトフェノムを含む)、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナプ酸、クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、オイゲノール、カビコール、サフロール、P-クマル酸およびシナピン酸が含まれる。本発明の作用機序を限定することなく、フェニルプロパノイド類は、フリーラジカルを中和することができる。
【0101】
抗酸化剤は、カルコン(1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オンの誘導体)であってもよい。カルコン類には、ブテイン、オカニン、カルタミン、マレイン、ソホラジン、キサントフモール、フラボクバインA(Flavokvain A)、フラボカバインB、フラボカビンC、および合成サファルコン(Safalcone)が含まれる。
【0102】
抗酸化剤は、クルクミノイドであってもよい。クルクミノイド類には、クルクミン、デスメトキシクルクミン、ビス-デスメトキシクルクミン、テトラヒドロクルクミン、およびテトラヒドロクルクミノイドが含まれる。クルクミンおよびテトラヒドロクルクミノイドは、ウコン(Curcuma longa)の根茎に由来するものであってもよい。テトラヒドロクルクミンは、クルクミンの代謝生成物であり、クルクミンと比較してより強力な抗酸化剤であり、より安定であることが分かっている。
【0103】
抗酸化剤は、タンニンであってもよい。タンニン類には、タンニン、テルフラビンB、グルコガリン、D没食子酸(Dgallic acid)、およびクエルシタンニン酸(Quercitannic acid)が含まれる。
【0104】
抗酸化剤は、スチルベノイドであってもよい。スチルベノイド類には、レスベラトロール、プテロスチルベン、およびピセアタンノールが含まれる。レスベラトロールには、3,5,4’-トリヒドロキシスチルベン、3,4,3’,5’-テトラヒドロキシスチルベン(ピセアタンノール)、2,3’,4,5’-テトラヒドロキシスチルベン(オキシレスベラトロール)、4,4’-ジヒドロキシスチルベン、ならびにアルファ、およびベータグルコシド、ガラクトシド、およびそれらのマンノシド誘導体が含まれ得るが、それらに限定されない。
【0105】
抗酸化剤は、クマリン(2H-クロメン-2-オンの誘導体)であってもよい。クマリン類には、4-ヒドロキシクマリン、ウンベリフェロン、エスクレチン、ヘリニアリン、アウラプテンおよびジクマロールが含まれる。
【0106】
抗酸化剤は、カロテノイドであってもよい。カロテノイド類には、ベータ-カロテン、アルファ-カロテン、ガンマ-カロテン、ベータ-クリプトキサンチン、リコペン、ルテイン、およびイデベノンが含まれる。また、ゴマ(Sesamum indicum)またはゴマリグナンを添加してもよい。ゴマおよびそのリグナン(ゴマに関連する繊維状の化合物)は、抗酸化剤として働く。ゴマ種子リグナンは、ビタミンE活性を大幅に向上させる。
【0107】
抗酸化剤は、キサントン、ブチル化ヒドロキシトルエン、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール、没食子酸、オイゲノール、尿酸、アルファ-リポ酸、エラグ酸、キコル酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸、サリチル酸、アセチルシステイン、S-アリルシステイン、バルビゲロン、ケブラギン酸、エダラボン、エトキシキン、グルタチオン、ヒドロキシチロソール、イデベノン、メラトニン、N-アセチルセロトニン、ノルジヒドログアイアレチン酸、オレオカンタール、オロイロペイン、パラドール、ピセアタンノール、プロブコール、没食子酸プロピル、プロトカテク酸、ピリチノール、ルチン、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セサミン、セサモール、シリビニン、シリマリン、テアフラビン、テアフラビンジガレート、スモキノン(Thmoquinone)、トロロックス、チロソール、多価不飽和脂肪酸、および硫黄系抗酸化剤、例えば、メチオニンまたはリポ酸であってもよい。
【0108】
トリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート以外のキレート剤
化粧品組成物は、場合により、上述のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネートに加えて、キレート剤を含んでもよい。化粧品組成物に存在するトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート以外のキレート剤の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、例えば、約0.1重量%~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%、約0.1~約4重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約2重量%、約0.1~約1重量%;約0.25~約10重量%、約0.25~約8重量%、約0.25~約6重量%、約0.25~約5重量%、約0.25~約4重量%、約0.25~約3重量%、約0.25~約2重量%、約0.25~約1重量%;約0.5~約10重量%、約0.5~約8重量%、約0.5~約6重量%、約0.5~約5重量%、約0.5~約4重量%、約0.5~約3重量%、約0.5~約2重量%、約0.5~約1重量%;約0.75~約10重量%、約0.75~約8重量%、約0.75~約6重量%、約0.75~約5重量%、約0.75~約4重量%、約0.75~約3重量%、約0.75~約2重量%;約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%、約1~約4重量%、約1~約3重量%、または約1重量%~約2重量%であってもよい。
【0109】
化学キレート剤の非限定的な例としては、アミノトリメチルホスホン酸、β-アラニン二酢酸、クエン酸、シクロデキストリン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ジエタノールアミンN-酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTAまたはYH4)およびそのナトリウム塩(YH3Na、Y2H2Na2、YHNa3、およびYNa4)、カリウム塩(YH3K、Y2H3K3、およびYK4)、カルシウム二ナトリウム塩、ならびにジアンモニウム塩およびそのトリエタノールアミンとの塩(TEA-EDTA)、エチドロン酸、ガラクタン酸(galactanic acid)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(HEDTA)およびその三ナトリウム塩、グルコン酸、グルクロン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)およびその三ナトリウム塩、ペンテト酸、フィチン酸、リボン酸、クエン酸ジアンモニウム、ジナトリウムアザシクロヘプタンジホスホネート、ジナトリウムピロホスエート(disodium pyrophoshate)、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、三リン酸五カリウム、ペンタナトリウムアミノトリメチレンホスホネート、ペンタナトリウムエチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、ペンテト酸五ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、クエン酸カリウム、EDTMPカリウム、EDTMPナトリウム、ナトリウムキトサンメチレンホスホネート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ナトリウムジヒドロキシエチルグリシネート、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコペプチン酸ナトリウム(sodium glucopeptate)、ナトリウムグリセレス-1ポリホスフェート、ピロリン酸四カリウム、トリエタノールアミンポリホスフェート(TEA)、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、メタケイ酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、ナトリウムポリジメチルグリシノフェノールスルホネート、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、エチドロン酸四カリウム、エチドロン酸四ナトリウム、イミノジコハク酸四ナトリウム、トリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート、エタノールアミンN,N-二酢酸、酢酸二ナトリウム、ジメルカプロール、デフェロキサミン、ジロックス(Zylox)、ならびに/またはその全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる、国際特許出願WO第94/61338号に開示および請求されている鉄キレート剤が挙げられる。生物学的キレート剤の例としては、メタロチオネイン、トランスフェリン、カルモジュリン、およびナトリウムキトサンメチレンホスホネートが挙げられる。
【0110】
ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の非イオン性乳化剤
いくつかの場合では、化粧品組成物は、ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレートに加えて、非イオン性乳化剤を含んでもよい。ポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート以外の非イオン性乳化剤の量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間のすべての範囲および部分範囲を含む、約0.1重量%~約20重量%、約0.1~約18重量%、約0.1~約16重量%、約0.1~約14重量%、約0.1~約12重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約7重量%、約0.1~約6重量%、約0.1~約5重量%;約1~約20重量%、約1~約18重量%、約1~約16重量%、約1~約14重量%、約1~約12重量%、約1~約10重量%、約1~約8重量%、約1~約7重量%、約1~約6重量%、約1~約5重量%;約4~約20重量%、約4~約18重量%、約4~約16重量%、約4~約14重量%、約4~約12重量%、約4~約10重量%、約4~約8重量%、または約4重量%~約7重量%であってもよい。
【0111】
乳化剤は、典型的には、油および/または脂肪化合物を水性媒体などの親水性媒体に組み込み、水中油型エマルジョンを形成するために使用される。しかしながら、いくつかの例では、乳化剤は、親水性相(例えば、水性媒体)を、油または脂肪相に組み込んで油中水型エマルジョンを形成するために使用され得る。化粧品組成物は、1種または複数の非イオン性乳化剤を含む。しかしながら、両性、アニオン性、および/またはカチオン性乳化剤など、追加の乳化剤も含めることができる(または除外することができる)。
【0112】
O/Wエマルジョンの場合、言及することができる乳化剤の例としては、非イオン性乳化剤、例えば、グリセロールのオキシアルキレン化(より詳細には、ポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪アルコールエーテル;糖エステル、例えば、スクロースステアレート;およびこれらの混合物が挙げられる。有用な非イオン性乳化剤のより網羅的であるが非限定的な列挙は、「非イオン性乳化剤」の見出しで後述する。
【0113】
いくつかの場合では、天然油を含有する化粧品組成物は、2種以上の非イオン性乳化剤を含む。特に、HLBが10以上の1種または複数の非イオン性乳化剤、およびHLBが5以下の1種または複数の非イオン性乳化剤である。これらの乳化剤の総量は、ヘアトリートメント組成物の最終的なHLBが、化粧品組成物中の天然油のHLBの+/-0.5以内となるような量であり得る。これにより、典型的には、ヘアトリートメント組成物中の乳化天然油の最終的なHLBは、約6から約8までの範囲となる。
【0114】
言及することができる乳化剤の例としては、非イオン性乳化剤、例えば、グリセロールのオキシアルキレン化(より詳細には、ポリオキシエチレン化)脂肪酸エステル;ソルビタンのオキシアルキレン化脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化)脂肪アルコールエーテル;糖エステル、例えば、スクロースステアレート;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0115】
非イオン性乳化剤の非限定的な例としては、ポリグリセリル系乳化剤、ポリオールエステル、グリセロールエーテル、オキシエチレン化エーテル、オキシプロピレン化エーテル、エチレングリコールポリマー、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの例では、1種または複数の非イオン性乳化剤は、ポリグリセリル10-ステアレート、ポリグリセリル-3-カプレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-メチルグルコースジステアレート、またはこれらの混合物から選択される。
【0116】
pH調整剤
化粧品組成物は、化粧品組成物全体のpHを上昇または低下させるために、1種または複数のpH調整剤を含んでもよい。例えば、化粧品組成物のpHを低下させるために、1種または複数の酸が含まれ得る。化粧品組成物のpHを低下させるための好適な酸の例としては、クエン酸、酢酸などが挙げられるが、これらに限定されない。化粧品組成物は、化粧品組成物のpHを低下させるために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの1種または複数の塩基を含んでもよい。化粧品組成物のpHを調整するための好適な追加的なまたは代替の酸および塩基は、当業者には容易に公知である。
【0117】
化粧品組成物は、望ましくは、約4~約7、好ましくは約4.5~約6.5、または約5.5~約6.5のpHを有し得る。一例では、化粧品組成物のpHは、6または約6である。化粧品組成物中のpH調整剤の量は、最終的な化粧品組成物および/または製品の所望のpHに基づき得る。例えば、pH調整剤の総量は、組成物の総重量に基づいて、約0.05重量%から約20重量%までの範囲であってもよい。いくつかの例では、pH調整剤の総量は、組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約0.05重量%から約15重量%まで、約0.5重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%、約1.5重量%~約4重量%、または約2.0重量%~約3重量%である。
【0118】
水
化粧品組成物中の水の総量は変化し得るが、典型的には、化粧品組成物の総重量に基づいて、約50重量%~約95重量%である。いくつかの例では、水の総量は、化粧品組成物の総重量に基づいて、それらの間の範囲および部分範囲を含む、約50重量%~約90重量%、約50~約85重量%、約50~約80重量%;約55~約95重量%、約55~約90重量%、約55~約85重量%、約55~約80重量%;約60~約95重量%、約60~約90重量%、約60~約85重量%、約60~約80重量%;約65~約95重量%、約65~約90重量%、約65~約85重量%、または約65~約80重量%;約70~約95重量%、約70~約90重量%、約70~約85重量%、約70重量%~約80重量%である。
【0119】
製造方法
本開示はまた、本明細書に記載の化粧品組成物を作製/製造する方法またはプロセスに関する。また、これらの方法またはプロセスによって調製される製品を包含する。
【0120】
化粧品組成物の特定の実施形態を作製するプロセスは、油相の形成、および別個の水性相(水を含有する)の形成を含み、両相を加熱し、温かいうちに組み合わせる。各相は、同じ温度に加熱してもよく、または異なる温度に加熱してもよい。
【0121】
増粘剤は、化粧品組成物の水性相に添加してもよい。しかしながら、いくつかの例では、1種または複数の乳化剤および/または増粘剤は、油相に添加される。追加的に、または代替的に、増粘剤を乳化後に添加してもよく、例えば、アンモニウムポリアクリロイジメチルタウレート(ammonium polyacryloydldimethyl taurate)を乳化後に添加してもよい。
【0122】
油相および水性相を組み合わせてエマルジョンを形成した後、組成物は、典型的には、冷却される。乳化の時点でさらなる成分を添加してもよく、または乳化後に添加してもよい。例えば、特定の香料、着色料、皮膚摩擦剤、有効成分などを水性相、脂肪相に添加してもよく、または乳化後に添加してもよい。
【0123】
使用方法
本開示はまた、本明細書に記載の化粧品組成物を使用する方法に関する。例えば、化粧品組成物は、化粧品組成物をヒトの皮膚に適用することを含む方法に使用することができる。いくつかの場合では、組成物は顔面に適用される。さらに、化粧品組成物は、皮膚へのダメージ(例えば、光老化によるダメージ)を処置および/または修復する方法、ならびに皮膚のシワ、シミ、および不均一な皮膚のきめの外観を減少させる方法に使用することができる。前述した方法は、非治療的である。
【0124】
化粧品組成物は、1日1回、1日2回、または1日1回もしくは2回より多く適用することができる。いくつかの場合では、組成物は、夜の就寝前に適用される。他の場合では、組成物は、朝に適用される。さらに他の場合では、組成物は、皮膚を洗浄した直後に適用され得る。組成物は、1回使用してもよく、または数日、数週間、もしくは数か月にわたって連続して使用してもよい。例えば、組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8週間以上、または数か月の期間、毎日使用してもよい。
【0125】
実施形態
特定の実施形態では、本開示の化粧品組成物は、典型的には、
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.05重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のレチノール;
- 約0.01重量%~約1重量%、好ましくは約0.01重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.05重量%~約0.8重量%のテトラジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.01重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
- 約0.5重量%~約7重量%、好ましくは約0.75重量%~約6重量%、より好ましくは約0.75重量%~約5重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
- 約0.9重量%~約7重量%、好ましくは約1重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
- 約0.5重量%~約8重量%、好ましくは約0.5重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のシリコーン、またはヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、もしくはこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む油相;ならびに
- 水、好ましくは約50重量%~約95重量%の水、より好ましくは約60重量%~約95重量%の水を含み、化粧品組成物は、水中油型エマルジョンであり、すべての重量%は、化粧品組成物の総重量に基づく。
【0126】
さらなる実施形態では、
(i)水中油型エマルジョンの形態の化粧品組成物であり、
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.05重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のレチノール;
- 約0.01重量%~約1重量%、好ましくは約0.01重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.05重量%~約0.8重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.01重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
- 約0.5重量%~約7重量%、好ましくは約0.75重量%~約6重量%、より好ましくは約0.75重量%~約5重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
- 約0.9重量%~約7重量%、好ましくは約1重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
- 約0.5重量%~約8重量%、好ましくは約0.5重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のシリコーン、またはヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、もしくはこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む油相;ならびに
- 水、好ましくは約50重量%~約95重量%の水、より好ましくは約60重量%~約95重量%の水を含む化粧品組成物;ならびに
(ii)例えば、アルミニウム層を有せず、かつ/または化粧品組成物を分注するためのポンプを有するものなどの非保護的包装を含む、化粧品組成物を含有する容器
を含む製品が提供される。
【0127】
さらなる実施形態では、本開示の化粧品組成物は、典型的には、
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.05重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のレチノール;
- 約0.01重量%~約1重量%、好ましくは約0.01重量%~約0.8重量%、より好ましくは約0.05重量%~約0.8重量%のテトラ-ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロシンナメート;
- 約0.01重量%~約3重量%、好ましくは約0.01重量%~約2.5重量%;より好ましくは約0.1重量%~約2重量%のトリナトリウムエチレンジアミンジスクシネート;
- 約0.5重量%~約7重量%、好ましくは約0.75重量%~約6重量%、より好ましくは約0.75重量%~約5重量%のポリグリセリル-3メチルグルコースジステアレート;
- 約0.9重量%~約7重量%、好ましくは約1重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のポリアクリル酸ナトリウム;
- 約0.5重量%~約8重量%、好ましくは約0.5重量%~約6重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%のシリコーン、またはヤシ油、ダイズ油、カノラ油、アブラナ種子油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ナンヨウアブラギリ油、からし油、アマナズナ油、グンバイナズナ油、ヒマシ油、コムギ胚芽油、アプリコット核油、ピスタシオ油、ケシ油、パイン油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、ブドウ種子油、ナタネ油、杜松油、モモ核油、コーヒー豆油、ホホバ油、もしくはこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む油相;
- 水、好ましくは約50重量%~約95重量%の水、より好ましくは約60重量%~約95重量%の水;
- 場合により、約0.05重量%~約5重量%、好ましくは約0.05重量%~約4重量%、より好ましくは約0.05重量%~約3重量%の、ポリアクリル酸ナトリウムではない増粘剤であり、例えば、アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリレート共重合体、ポリアクリルアミド、カルボマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体およびこれらの混合物から選択されるもの;
- 場合により、約0.1重量%~約10重量%、好ましくは約0.25重量%~約8重量%、より好ましくは約0.5重量%~約6重量%のマット化剤、例えば、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート;
- 場合により、約1重量%~約30重量%、好ましくは約5重量%~約25重量%、より好ましくは約10重量%~約20重量%のポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、1,3プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコールまたはこれらの混合物;
- 場合により、約5重量%まで、好ましくは約0.05重量%~約5重量%、より好ましくは約0.1重量%~約4重量%の量の皮膚活性剤であり、例えば、ヒアルロン酸、ラノリン、ナイアシンアミド、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸、カプリロイルサリチル酸、レチノイド、レチナール、レチノール、アデノシン、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノイン酸、カロテノイド、パンテノール、アミノ酸、タンパク質、酵素、補酵素、およびこれらの混合物から選択されるものからなり、化粧品組成物は、水中油型エマルジョンであり、すべての重量パーセントは、化粧品組成物の総重量に基づく。
【実施例】
【0128】
以下の実施例は、主に本開示の実施形態によって達成される利益を明らかにする目的で提供される。実施例は、技術を説明するのに役立つものであり、全く必ずしも限定的なものではない。
【0129】
【0130】
実施例2
実施例組成物Aおよび8種の市販のベンチマーク(市販ベンチマークB-I)を不透明容器に入れ、制御された環境チャンバで保管し、8週間の期間にわたるレチノールの安定性を決定した。制御された環境チャンバは、45℃の温度に設定した。実施例組成物Aを、標準的なポンプを使用して組成物を分注する容器に保管した(標準的な化粧品用ポンプを備えた取り外し可能な上蓋を有する容器に保管した)。8種の市販のベンチマークの容器および残存レチノールの量は、下記表に示す。
【0131】
実施例組成物Aおよび市販ベンチマークB-Iは、高速液体クロマトグラフを使用して、保管後の残存レチノール含有量について評価した。高速液体クロマトグラフは、Kinetex XB C-18カラムを使用して、25%メタノールおよび75% ACNの移動相で、流速2mL/分、45℃の温度で実施した。検出器は、UV/Vis検出器であった。高速液体クロマトグラフは、6分間の走査運転の間、250nm~400nmの走査波長で、10μLの試料を評価した。
【0132】
「INCI」という用語は、化粧品成分国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)の略で、パーソナルケア製品評議会の国際命名法委員会(International Nomenclature Committee of the Personal Care Products Council)が定めた、パーソナルケア成分を表す名称の体系である。
【0133】
本明細書では、提供されるすべての範囲は、所与の範囲内のすべての特定の範囲、および所与の範囲の間の部分範囲の組合せを含むことを意味する。したがって、1~5の範囲には、具体的には1、2、3、4、および5と同様に、2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの部分範囲が含まれる。
【0134】
本開示で積極的に説明されたすべての成分および要素は、特許請求の範囲から消極的に除外することができる。換言すれば、本開示の化粧品組成物は、本開示を通じて積極的に言及されているすべての成分および要素を含まないか、または本質的に含まなくてもよい。
【0135】
いくつかの例では、本開示の化粧品組成物は、本明細書に記載の成分または化合物の非付随的な量を実質的に含まなくてもよい。成分または化合物の非付随的な量とは、化粧品組成物に単独で添加されるその成分または化合物の量である。例えば、化粧品組成物は、そのような成分または化合物が、2種以上の化合物のブレンドとして含まれる原料の一部として存在し得るが、成分または化合物の非付随的な量を実質的に含まなくてもよい。
【0136】
特定された成分の様々なカテゴリーの一部は、重複している場合がある。このように、重複が存在する可能性があり、組成物が両方の成分を含む場合(または組成物が重複している2種より多い成分を含む場合)、重複している化合物は、1種より多い成分を表さない。例えば、トコフェロールは、皮膚活性剤と防腐剤の両方として特徴付けることができる。特定の組成物が、皮膚活性剤と防腐剤の両方を含む場合、ステアレス-20は皮膚活性剤としてのみ、または防腐剤としてのみ機能する(トコフェロールは、皮膚活性剤と防腐剤の両方として機能しない)。
【0137】
本明細書で引用したすべての刊行物および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれ、いかなるおよびすべての目的のためにも、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが明確にかつ個別に示されているかのように組み込まれる。本開示と、参照により本書に組み込まれる刊行物または特許出願との間に矛盾がある場合、本開示が支配する。
【0138】
本明細書では、「含む(comprising)」、「有する(having)」および「含む(including)」という用語は、それらのオープンで非限定的な意味で使用される。
【0139】
「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」という用語は、単数形だけでなく複数形も包含すると理解される。したがって、「これらの混合物(a mixture there of)」という用語はまた、「これらの混合物(mixtures there of)」に関する。本開示を通じて、「これらの混合物」という用語は、文字A~Fが要素を表す以下の例に示されるように、要素の列挙に続いて使用される:「A、B、C、D、E、F、およびこれらの混合物からなる群から選択される1つまたは複数の要素」。「これらの混合物」という用語は、混合物がA、B、C、D、E、およびFのすべてを含むことを必要としない(ただし、A、B、C、D、E、およびFのすべてを含んでもよい)。むしろ、A、B、C、D、E、およびFのいずれか2つ以上の混合物を含むことができることを示す。換言すれば、「A、B、C、D、E、F、ならびにA、B、C、D、E、およびFのいずれか2つ以上の混合物からなる群から選択される1つまたは複数の要素」という表現と同等である。
【0140】
「1つまたは複数(one or more)」という表現は、「少なくとも1つの」を意味し、したがって、混合物/組合せだけでなく、個々の成分を含む。
【0141】
実施する実施例以外、または別途指示されない限り、成分および/または反応条件の量を表すすべての数は、すべての例において、示される数の+/-5%内を意味する「約」という用語で修正され得る。
【0142】
本明細書では、「処置する」という用語(およびその文法的変形)は、ユーザーの頭部および/または身体の毛髪などのケラチン基質の表面に、本開示の組成物を適用することを指す。
【0143】
本明細書では、「実質的に含まない」または「本質的に含まない」という用語は、組成物の総重量に基づいて、約2重量%未満の、組成物に添加される特定の材料が存在することを意味する。それにもかかわらず、組成物は、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の特定の材料を含むか、または全く特定の材料を含まなくてもよい。本明細書に記載されているすべての成分は、組成物/方法/キットに場合により含まれるか、または除外され得る。除外される場合、組成物/方法/キットは、その成分を含まないか、または本質的に含まなくてもよい。例えば、特定の組成物は、シリコーンを含まないか、または本質的に含まなくてもよい。
【国際調査報告】