(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】温度保持機能を有する重ね合わせ可能かつ積み重ね可能な多段式食品提供セット
(51)【国際特許分類】
B65D 21/032 20060101AFI20230719BHJP
A47G 19/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B65D21/032
A47G19/00 H
A47G19/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581375
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021039567
(87)【国際公開番号】W WO2022006078
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518347174
【氏名又は名称】アレン,トーマス,ジェイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレン,トーマス,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3B001
3E006
【Fターム(参考)】
3B001AA01
3B001AA11
3B001BB10
3B001CC17
3B001CC22
3B001CC33
3E006AA01
3E006BA08
3E006CA01
3E006CA05
3E006CA10
3E006DA03
3E006DB01
3E006FA03
3E006HA04
(57)【要約】
本発明は、底部と、周壁と、第1、第2、および第3の突起とを含む食品容器に関する。突起は、互いに間隔を空けて位置し、壁および底部に結合している。第1、第2、および第3の突起の各々は、壁から半径方向内側に延びるそれぞれの支持面と、底部における凹所と、壁における凹所とを定める。支持面の各々は、積み重ねられた構成において別の食品容器の底部の凹所でない部分を支持するように構成される。壁および底部の凹所の各々は、重ね合わせられた構成において別の食品容器の支持面を受け入れるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品容器であって、
底部と、
前記底部に結合した周壁と、
前記底部および前記周壁に結合した第1の突起と、
前記底部および前記周壁に結合し、前記第1の突起から間隔を空けて位置している第2の突起と、
前記底部および前記周壁に結合し、前記第1および第2の突起から間隔を空けて位置している第3の突起と
を備えており、
前記第1、第2、および第3の突起の各々は、
前記底部における凹所と、
前記周壁における凹所と、
前記周壁から半径方向内側に延びる支持面と
を定め、
前記支持面の各々は、積み重ねられた構成において第2の食品容器の底部の凹所でない部分を支持するように構成され、前記底部および前記周壁の前記凹所の各々は、重ね合わせられた構成において第3の食品容器の支持面を受け入れるように構成されている、食品容器。
【請求項2】
前記第1、第2、および第3の突起の各々は、前記支持面の上方に配置されたスタビライザを定め、前記スタビライザは、前記積み重ねられた構成において前記他の食品容器を水平方向に安定させるように構成されている、請求項1に記載の食品容器。
【請求項3】
前記周壁は、上部直径および前記上部直径よりも小さい下部直径を定め、前記スタビライザの各々は、前記周壁からの半径方向内側への延在が、前記上部直径と前記下部直径との間の差のおよそ半分以下である、請求項2に記載の食品容器。
【請求項4】
前記積み重ねられた構成において前記他の食品容器の前記底部の前記凹所でない部分を支持するように構成された3つ以下の支持面を含む、請求項1に記載の食品容器。
【請求項5】
前記第1、第2、および第3の突起は、前記底部の中心の周りで互いに約120°に分布している、請求項1に記載の食品容器。
【請求項6】
前記底部を貫いて延びる排水孔をさらに含む、請求項1に記載の食品容器。
【請求項7】
前記第1、第2、および第3の突起の各々は、下端部および上端部を有し、前記上端部の各々は、前記下端部よりも狭い、請求項1に記載の食品容器。
【請求項8】
第1の底部と、
前記第1の底部に結合した第1の周壁と、
前記第1の底部および前記第1の周壁に結合した第1の突起と、
前記第1の底部および前記第1の周壁に結合し、前記第1の突起から間隔を空けて位置している第2の突起と、
前記第1の底部および前記第1の周壁に結合し、前記第1および第2の突起から間隔を空けて位置している第3の突起と
を有しており、
前記第1、第2、および第3の突起の各々は、前記第1の壁から半径方向内側に延びる第1の支持面と、前記第1の底部における第1の凹所と、前記第1の壁における第1の凹所とを定めている、第1の食品容器、および
第2の底部と、
前記第2の底部に結合した第2の周壁と、
前記第2の底部および前記第2の周壁に結合した第4の突起と、
前記第2の底部および前記第2の周壁に結合し、前記第4の突起から間隔を空けて位置している第5の突起と、
前記第2の底部および前記第2の周壁に結合し、前記第4および第5の突起から間隔を空けて位置している第6の突起と
を有しており、
前記第4、第5、および第6の突起の各々は、前記第2の周壁から半径方向内側に延びる第2の支持面と、前記第2の底部における第2の凹所と、前記第2の周壁における第2の凹所とを定めている、第2の食品容器
を含み、
前記第2の食品容器の前記第2の支持面の各々は、積み重ねられた構成において前記第1の食品容器の前記第1の底部の凹所でない部分を支持するように構成され、
前記第1の食品容器の前記第1の周壁および前記第1の底部の前記それぞれの第1の凹所の各々は、重ね合わせられた構成において前記第2の食品容器の前記第2の支持面を受け入れるように構成されている、食品容器セット。
【請求項9】
前記第4、第5、および第6の突起の各々は、前記第2の支持面の上方に配置されたスタビライザを定め、前記スタビライザは、前記積み重ねられた構成において前記第1の食品容器を水平方向に安定させるように構成されている、請求項8に記載の食品容器セット。
【請求項10】
前記第2の周壁は、上部直径を定め、前記第1の壁は、前記上部直径よりも小さい下部直径を定め、前記スタビライザの各々は、前記第2の壁からの半径方向内側への延在が、前記上部直径と前記下部直径との間の差のおよそ半分以下である、請求項9に記載の食品容器セット。
【請求項11】
前記第2の容器は、前記積み重ねられた構成において前記第1の食品容器の前記底部の前記凹所でない部分を支持するように構成された3つ以下の第2の支持面を含む、請求項8に記載の食品容器セット。
【請求項12】
前記第1、第2、および第3の突起は、前記第1の底部の中心の周りで互いに約120°に分布している、請求項8に記載の食品容器セット。
【請求項13】
前記第1の底部を貫いて延びる排水孔をさらに含む、請求項8に記載の食品容器セット。
【請求項14】
前記第2の底部は、排水孔を有していない、請求項13に記載の食品容器セット。
【請求項15】
前記第1、第2、および第3の突起の各々は、下端部および上端部を有し、前記上端部の各々は、前記下端部よりも狭い、請求項8に記載の食品容器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くには、容器に関し、より具体的には、これに限定されるわけではないが、食品を提供するための容器の積み重ねを容易にし、かつ空のときの保管のための容器の重ね合わせを容易にする容器に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の人々にビュッフェスタイル(すなわち、セルフサービス方式)で食品を提供する場合、一方、すなわち健康的な保温を伴う魅力的な食品の提示と、他方、すなわち労働効率および食事客にとっての利便性との間に、対立が存在する。そのような食品を給仕するための最も安価なやり方は、すべてを同時に提供し、少数の大きな配膳トレイに山盛りにすることであり、結果として、個々の食品が食事客によって取り去られるにつれて、全体的な提示の見た目が悪くなり、「熱い」食品は冷たくなり、「冷たい」食品は温まる。この提供方法におけるさらなる問題は、小エビまたは殻付きの牡蠣などの氷に乗せて提供されなければならない食品において発生し、氷が溶けるにつれて、水が配膳トレイに溜まることで、水っぽく、魅力に欠け、健康的でない塊となる。
【0003】
代替案は、必要に応じて高温にされ、低温にされ、あるいは氷で冷やされるより小さな提供皿に魅力的に配置された食品を、厨房に絶えず出入りする給仕担当者によって配置することである。これは、高温および低温をより良好に保ちつつ食品をより上手く提示するうえで有用であるが、人件費が増加し、事故および混乱の可能性が生じ、かさばる提供皿を保管または提供場所間で運搬しなければならない。
【0004】
保温機能を備え、コンパクトな保管および魅力的な食品の提示を容易にする食品提供セットを提供することが、当技術分野における進歩であると考えられる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様において、温度保持機能を含み、コンパクトな保管を容易にする複数の容器からなる改善された重ね合わせ可能かつ積み重ね可能な多段式食品提供セットが説明される。容器は、好ましくは、底部と、底部に結合した周壁と、3つの突起とを含む。各々の突起は、好ましくは、底部および壁に結合し、他の突起から離して配置される。第1、第2、および第3の突起の各々は、好ましくは、壁から半径方向内側に延びる支持面と、底部における凹所と、壁における凹所とを定める。
【0006】
特定の実施形態において、第1、第2、および第3の突起の各々は、下端部と、それぞれの下端部よりも狭い上端部とを含む。
【0007】
別の実施形態において、支持面の各々は、好ましくは、積み重ねられた構成において別の食品容器の底部の凹所でない部分を支持するように構成される。壁および底部の凹所の各々は、好ましくは、重ね合わせられた構成において別の食品容器の支持面を受け入れるように構成される。
【0008】
また別の実施形態において、第1、第2、および第3の突起の各々は、好ましくは、それぞれの支持面の上方に配置されたスタビライザを定める。スタビライザは、好ましくは、積み重ねられた構成において別の食品容器を水平方向に安定させるように構成される。壁は、好ましくは、上部直径と、上部直径よりも小さい下部直径とを定める。スタビライザの各々は、好ましくは、壁からの半径方向内側への延在が、上部直径と下部直径との間の差のおよそ半分以下である。
【0009】
容器は、好ましくは、積み重ねられた構成において別の食品容器の底部の凹所でない部分を支持するように構成された3つ以下の支持面を含む。第1、第2、および第3の突起は、好ましくは、底部の中心の周りで互いに約120°に分布している。特定の実施形態においては、排水孔が底部を貫いて延びる。
【0010】
本発明の好ましい例および代替の例を、以下の図面を参照して以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】別の好ましい食品提供容器の斜視俯瞰図である。
【
図4】積み重ねられた状態の複数の好ましい食品提供容器の斜視図である。
【
図5】重ね合わせられた状態の
図4の食品提供容器の斜視側面図である。
【
図6】積み重ねられた状態の2つの好ましい食品提供容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
今回の食品提供セットの発明の原理による好ましい食品容器2が、
図1に示されている。食品容器2は、好ましくは、内面5を有している底部4と、内面7を有している外へと傾斜した周壁6とを有する。食品容器2は、好ましくは、底部4の内面5から上方に延び、かつ周壁6の内面7から内側に延びる少なくとも3つの突起8、10、12を含み、これらの突起により、食品容器のセットを積み重ねられた構成(
図4を参照)および重ね合わせられた構成(
図5を参照)の両方に配置することが容易になる。突起は、好ましくは、食品容器2の周囲を巡って実質的に均等に分布しているが、周囲における突起の正確な位置は、例えば、特定の給仕の状況における必要性に応じてさまざまであってよい。
図1に示される3つの突起8、10、12を有する好ましい実施形態において、突起は、好ましくは、食品容器2の周囲を巡って約120°の間隔で配置される。
【0013】
突起8、10、12の各々は、好ましくは、実質的に水平に配置され、周壁6の内面7から半径方向内側に延びるそれぞれの支持面14、16、18を有する。突起8、10、12は、好ましくは、それぞれの支持面14、16、18から上方に延び、かつ周壁6の内面7から内側に延びるそれぞれのスタビライザ32、34、36を有する。代替の実施形態においては、各々のスタビライザ32、34、36が、それぞれの支持面8、10、12から上方に延び、周壁6から半径方向内側に離れて位置するそれぞれのフランジ(図示せず)を含む。突起8、10、12の支持面14、16、18は、食品容器のセットが積み重ねられた構成(
図4を参照)に配置されるときに、支持面上に配置されたそのような食品容器に垂直方向の支持を提供する。スタビライザ32、34、36は、好ましくは、食品容器が積み重ねられた構成に配置されるときに、食品容器に水平方向の安定化を提供する。
【0014】
図2に示されるように、突起8、10、12は、好ましくは、底部4の外面20および周壁6の外面22に凹所9、11、13を定める。凹所9、11、13は、積み重ねられた構成(
図5を参照)において本容器の真下に配置される食品容器の突起の受け入れを容易にする。スタビライザ32、34、36は、
図2に示されるように中実であってもよく、あるいは積み重ねられた構成において直下のスタビライザの上面の受け入れを容易にするために、中空であって下面から開いていてもよい(図示せず)。やはり
図2に示されるように、底部4の好ましい外面20は、好ましくは、積み重ねられた構成(
図4を参照)において支持面14、16、18上に安定に載せることが容易になるように実質的に平坦である。
【0015】
図6に示されるように、周壁6の外側への傾斜の結果として、食品容器2の上部開口部63の上部直径62は、食品容器2の底部4の底部直径64よりも大きくなる。上部直径62は、好ましくは、約12インチである。各々のスタビライザ32、34、36の最も半径方向内側の部分は、好ましくは上部直径62と底部直径64との間の差の約半分である距離66だけ、周壁6から半径方向内側にオフセットされる。別の実施形態において、例えば、この比は、差の3分の1または3分の2であってよい。結果として、スタビライザ32、34、36は、積み重ねられた構成において、突起8、10、12上に積み重ねられた食品容器が、周壁6に向かう方向または周壁6から離れる方向に滑ることを防止する役に立つ。
【0016】
今回の食品提供セットの発明の別の好ましい食品容器80が、
図3に示されている。食品容器80は、この食品容器80が、好ましくは、いかなる排水孔も有さず、好ましくは、この食品容器80を最下部の容器とする積み重ねられた構成または重ね合わせられた構成(
図4および
図5を参照)のセットの運搬を容易にするために容器80の両側に2つのハンドル82、84を含むことを除き、好ましくは食品容器2と同じまたは同様である。ハンドル82、84は、好ましくは、食品容器の上縁86と実質的に同一平面にある。ハンドル82、84は、好ましくは丸みを帯びており、最も好ましくは約1.5インチの半径を有する。
【0017】
図4および
図5が、食品容器40、42、44、46からなる食品提供セット38を示しており、食品容器40、42、44、46の各々は、好ましくは上述の食品容器2と構造的に同一または同様である。本明細書の目的に関して、各々の容器40、42、44、46は、容器2に関して上述した構造的特徴と同様のそれぞれの構造的特徴を有し、容器2に関して使用された言及は、容器40、42、44、46の対応する構造的特徴に言及する。
【0018】
食品容器40、42、44は、食品提供セットを積み重ねられた構成(
図4を参照)または重ね合わせられた構成(
図5を参照)に選択的に配置するために、食品容器40、42、44のそれぞれの突起と直下の食品容器42、44、46の突起とを周上において整列させ、あるいはずらすために、垂直軸48を中心にして回転できるように配置されてよい。積み重ねられた構成は、各々の食品容器の底部4の外面20を、直下の食品容器の底部の内面5から離すことを可能にすることで、食品容器の底部の外面20が、直下の食品容器に収容された食品と接触することを防止する。そのような間隔の隔たりは、直下の食品容器内の突起の高さ50(
図6を参照)によって定められ、食品は、直下の食品容器の突起の支持面の高さ50よりも下方に収容されるべきである。高さ50は、特定の給仕の構成に関して望まれる容器の全体的なサイズおよび形状に応じ、突起8、10、12の特定の構造的構成に応じてさまざまであってよい。
【0019】
図1および
図2に示されるように、食品容器40、42、44のうちの1つ以上は、排水孔52を含むことができる。排水孔を有する食品容器は、好ましくは、低温の食品または氷で冷やされる食品を提供するために使用される。排水孔を持たない食品容器は、好ましくは、温かい食品または高温の食品を提供するために使用され、あるいは低温の食品または氷で冷やされる食品を提供するために使用されるが、積み重ねられたセット38の底部に配置され、中間または上部の食品容器内の溶けた氷からの水の捕捉を容易にする。温かい食品または高温の食品を収容する食品容器は、好ましくは、低温の食品または氷で冷やされる食品を収容する食品容器の上方に積み重ねられ、低温の食品または氷で冷やされる食品の加熱の防止を容易にし、温かい食品または高温の食品の冷却を防止する。場合によっては、底部の容器を除く積み重ねにおけるすべての容器が、好ましくは食品を氷に載せて収容し、溶ける氷からの水は、好ましくは氷から流れ去り、底部の容器に集まる。氷が溶けるにつれて水が氷から運び去られる場合、氷は好ましくはより長持ちし、食品は好ましくはより低温のままである。
【0020】
今回の食品提供セットの発明の好ましい蓋100が、
図7に示されている。蓋100は、好ましくは、おおむね凸状の外面102およびおおむね状の内面(図示せず)を有する。したがって、蓋100の上部輪郭104は、好ましくはドーム状である。蓋100の周縁106は、好ましくは、少なくとも最上部の容器40の上部開口部63と実質的に同じ形状を有する。蓋100の周縁106の外径は、好ましくは、少なくとも最上部の容器40の底部直径64と実質的に同じである。したがって、セット38が積み重ねられた構成にあるときに蓋100が最上部の容器40に載せられると、蓋100は、最上部の容器40内の食品を実質的に取り囲む。蓋100は、好ましくは、最上部の容器40からの蓋100の取り外しを容易にするために、ノブ、または
図7に示されるような指穴112を有する。したがって、セット38が重ね合わせられた構成にあるとき、蓋100は、好ましくは、最上部の容器40内への蓋100のコンパクトな収容(図示せず)を容易にするために、最上部の容器40内で反転される(蓋100の凹面が上を向く)。
【0021】
いくつかのバージョンにおいて、蓋100は、最上部の容器40が有する突起8、10、12などの突起と実質的に同じ数の凹所108などの凹所を有する。これらのバージョンにおいて、蓋100の周縁106の外径は、好ましくは、上部開口部63の直径64と実質的に同じである。最も半径方向外側の縁110などの凹所の最も半径方向外側の縁は、好ましくは、最上部の容器40の底部直径64と実質的に同じ断面長さまたは直径を有する円などの形状を定める。したがって、セット38が重ね合わせられた構成にあるとき、蓋100は、好ましくは、最上部の容器40内への蓋100のコンパクトな収容をさらに容易にするために、最上部の容器40内の突起を蓋100の凹所に受け入れて、最上部の容器40内で反転される。
【0022】
食品提供セット38は、すべての食品を、例えばビュッフェテーブルに、同時に、各々が各々の容器の内側に食品を魅力的に配置して有している提供容器の複数の積み重ねにて、分配することを容易にする。容器40、42、44、46の積み重ねにおける最上部の容器40内の食品がなくなるとすぐに、この容器を取り除いて、食品で満たされている第2の容器を露出させることができ、次いで、この第2の容器が空になると、この第2の容器を取り除いて、第3の容器を露出させることができ、以下同様である。
【0023】
空になったときに最上部の提供容器を積み重ねから取り除くことは、厨房からの不断の再給仕に必要な労力と比べ、はるかに少ない給仕の労力しか必要とせず、本発明の食品提供セットを使用しない場合と比べ、食事客にとっての妨げがはるかに少ない。さらに、本発明は、下方の容器に食品を有していなくても、積み重ねられた容器のための支持を提供し、容器を離して清浄を維持し、使用済み容器の洗浄を容易にする。
【0024】
特定の実施形態において、積み重ねの設計、および最上部の容器が好ましくは空になったときに取り除かれるという事実は、食品からの熱の喪失および食品への熱の到達を低減し、したがって、このセットによれば、優れた保温および保冷が存在する。
【0025】
類似または同一の提供容器が、重ね合わせ可能および積み重ね可能の両方(明らかな矛盾)であり得るという事実は、それらの独自の設計に起因する。容器は、好ましくは、実質的に直線状の側面およびわずかにテーパ状の設計を有する比較的薄い材料で作られる。すなわち、各々の容器の上部の直径が好ましくは各々の容器の底部の直径よりもわずかに大きいことにより、保管および運搬のために、容器を、一方が他方の上かつ内側となるようにはめ合わせる(「重ね合わせる」)ことができる。テーパの程度は、特定のニーズおよび状況に基づき、食品提供セットの正確なサイズおよび構成に応じてさまざまであり得る。
【0026】
本発明の利点として、容器が積み重ね可能な性質であることが挙げられる。これは、好ましくは容器の側壁および底部と一体であり、上方の容器を下方の容器の上方に支持して中心に位置させる好ましくは狭い段状の突起を使用することによって達成される。食品提供セットは、好ましくは、周囲を巡って120度の間隔で位置する3つの突起を含むが、例えば90度の間隔の4つの突起など、別の間隔の別の数の突起を含んでもよい。
【0027】
好ましい実施形態において、突起は、好ましくは、容器の周壁および底部に結合するように鋳造または形成され、突起の底部は突起の上部よりも幅が広い。また、好ましい実施形態において、突起は中空であり、底部および外側において開いており、これにより、突起を、容器の保管時に突起を互いに整列させたときに、互いに「重ね合わせる」ことができる。
【0028】
使用時に、上方の容器は、好ましくは、突起が互いに整列しないように上方の容器が数度回転させられたときに、下方の容器の上方に積み重ねられ、下方の容器によって支持される。下方の容器の突起の段状の上部が、好ましくは、上方の容器の底部を支持し、中心に位置させる。この積み重ね可能/重ね合わせ可能な特徴は、容器が重ね合わせ可能ではない場合に必要になると考えられる体積の25%未満しか利用しないきわめて効率的な保管に役立つ。
保温および保冷:
【0029】
別の実施形態においては、提供容器の底部に沿ってはまり込むように各々が構成された再使用可能なセラミック、金属、またはプラスチックのディスクが提供される。好ましい動作において、これらは、所望の使用に応じて加熱または冷蔵され、その後に、食品が加えられる前の容器に配置され、加熱および保冷を助ける。
氷で冷やされる食品の設計の選択肢:
【0030】
別の実施形態において、セットは、好ましくは、底部の中心に1つ以上の排水孔を有するいくつかの提供容器を備える。次いで、提供用の積み重ねが、好ましくは、最下方の容器を除く特定の積み重ねにおけるすべての容器が排水孔を有するように構成される。この実施形態の適用において、小エビ、殻付きの牡蠣、アイスクリームサンド、などの氷で冷やされる食品を上方の容器にて提供し、溶ける氷からの水を最下方の(収集)容器に流し落とすことができる。液体を有さない食品は、排水孔を持たない容器にて提供されてよい。
【0031】
上述の食品提供セットにおいて、食品容器40、42、44、46は、好ましくは、ステンレス鋼、アルミニウム、あるいは他の材料または鋳造もしくは真空成形プラスチックから液圧成形またはプレスされるが、任意の適切な材料から作られてもよい。
【0032】
一実施形態において、図示の好ましい型式のステンレス鋼バージョンを使用して、10個の容器を、好ましくは、1つの容器が占めるスペースの2倍未満で保管することができる。例えば、1つの典型的な容器自体は、好ましくは3インチの高さであり、それらの同じ容器を8個互いに重ね合わせると、好ましくは全体としての高さはわずか4-1/2インチにすぎない。各々の突起は、好ましくは、三角形の断面を有し、上部が底部よりも狭く、全体の肉厚が好ましくは容器の肉厚と同じである。いくつかのバージョンにおいて、容器は、より大型または小型、正方形、長円形、長円形、または自由形式の芸術的設計であり、場合によっては4つ以上の支持リッジを有するが、すべてが好ましくは同じ重ね合わせ可能かつ積み重ね可能な特徴を利用する。別の特徴は、好ましくは、食品を高温に保つために好ましくは各々の容器内に配置されるセラミック製のオーブン加熱蓄熱ディスクまたは電池式発熱ディスクを含む。
【0033】
本明細書において使用されるとき、以下の用語は、文脈からそのようでないことが明らかでない限り、本明細書において明示的に関連付けられた意味をとる。「または(or)」という用語は、この用語で接続された用語のうちの1つ以上が使用され得ることを示す包括的な文法上の接続詞である。例えば、「1つ以上のA、B、またはC(one or more A,B,or C)」という語句または「1つ以上のA、B、またはC(one or more As,Bs,or Cs)」という語句は、(i)1つ以上のA、(ii)1つ以上のB、(iii)1つ以上のC、(iv)1つ以上のAおよび1つ以上のB、(v)1つ以上のAおよび1つ以上のC、(vi)1つ以上のBおよび1つ以上のC、ならびに(vii)1つ以上のA、1つ以上のB、および1つ以上のCの各々を個別に開示するものとして使用される。本明細書において使用されるとき、「・・・に基づく」という用語は、排他的ではなく、記載されていないさらなる要因に基づくことも許容する。冠詞「a」、「an」、および「the」は、言及の対象物が複数である場合も含む。複数形での言及は、単数形も開示することを意図している。「1つ以上の」または「少なくとも1つの」という用語は、ただ1つ、2つ以上、または全部を開示する。
【0034】
「横断」という用語は、非平行な向きを指し、垂直な向きを含むが、垂直な向きに限られない。「構成された」という用語は、要素が、言及された機能または結果を達成または提供するためのサイズ、寸法、配置、または向きのうちの1つ以上を有することを指す。「およそ」または「実質的に」という用語は、記載された値、あるいは記載された値の5、10、20、30、40、または50%の範囲内のすべての値を含む値の範囲を指す。例えば、「実質的に平行」という用語は、平行、あるいは平行の5、10、15、20、25、30、35、40、または45度の範囲内を指す。別の例として、「実質的に水平」という用語は、水平、あるいは水平の5、10、15、20、25、30、35、40、もしくは45度の範囲内を指す。「直接的に結合」という用語は、或る構成要素が別の構成要素に接触する(例えば、締結され、接着され、あるいは一体である)ことを指す。「間接的に結合」という用語は、或る構成要素が、第2の構成要素に結合した1つ以上の他の構成要素、または第2の構成要素に結合した1つ以上のさらなる構成要素に結合することを指す。「結合」という用語は、互いに結合していると記載される構成要素または要素の直接的な結合および間接的な結合の両方を開示すると理解されるべきである。
【0035】
本発明の好ましい実施形態を図示および説明してきたが、上述したように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多数の変更を行うことが可能である。例えば、或る要素または構成要素が好ましくは或る特徴または特性を有すると開示されるとき、そのような開示の各々は、本発明の原理からそのようでないことが明らかでない限り、その要素または構成要素をそのような特徴または特性を有さないものとして開示することも意図している。したがって、本発明の範囲は、好ましい実施形態の開示によって限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲を参照することによって完全に決定されるべきである。さらに、本明細書に記載の各々の特徴、特性、要素、または構成要素は、本明細書に記載の1つ以上の他の特徴、特性、要素、または構成要素と組み合わせて実装されてもよい。さらに、特許請求の範囲に記載された請求項の従属関係および要素の組み合わせが、本明細書に開示された他の主題の特許請求を差し控える意図ではないことに留意されたい。むしろ、本開示は、従属請求項のうちの任意の1つが選択肢(例えば、「先行または後続の請求項のいずれか一項に記載の食品容器」)中の任意の他の1つ以上の請求項およびすべての他の請求項に従属すると後の特許請求の範囲に記載できるように、任意の2つ以上の請求項の任意の組み合わせからなる主題も開示することを意図している。さらに、本開示は、従属請求項のいずれか一項に記載の主題を、元の独立請求項の主題または本明細書に開示された任意の他の主題のすべてまたは一部を含み、あるいは含まない独立請求項であるかのように開示することを意図している。
排他的な所有権または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のように定義される。
【国際調査報告】