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特表2023-532127多機能重合微小球/微小粒子細胞選別方法およびシステム
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  • 特表-多機能重合微小球/微小粒子細胞選別方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】多機能重合微小球/微小粒子細胞選別方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/02 20060101AFI20230719BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230719BHJP
   C12M 1/26 20060101ALI20230719BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230719BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20230719BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
C12N1/02
C12M1/00 A
C12M1/26
C12M1/34 A
C12N5/0783
C12N5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581395
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2021037394
(87)【国際公開番号】W WO2022005737
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/046,070
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516334709
【氏名又は名称】ザ・セカント・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196597
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ジェレミー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエーレ,ピーター・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ギン,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA09
4B029AA23
4B029AA24
4B029BB11
4B029CC01
4B029FA04
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC12
4B065BA01
4B065CA24
4B065CA44
(57)【要約】
細胞の選択および選別プロセスは、重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程と、重合ビーズの第1の組を保持するために第1のビーズ直径より小さく、結合していない細胞を除去するために細胞直径より大きい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによってチャンバを洗浄する工程と、重合ビーズの第1の組から標的細胞型の細胞を遊離させる工程と、標的細胞型の細胞を捕集する工程とを含む。細胞修飾プロセスは、チャンバ内で標的細胞型の細胞を修飾する工程を含む。細胞修飾システムは、投入口および排出口を持つ細胞修飾チャンバ、排出口上に選択可能に位置する予め定めた細孔サイズを持つフィルタ、および重合ビーズの組がフィルタによって分離可能なように選択された予め定めた直径を持つ重合ビーズの組、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内で第1のビーズ直径を有する重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程と、
重合ビーズの前記第1の組を保持するために前記第1のビーズ直径より小さく、結合していない細胞を除去するために細胞直径より大きい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによって前記チャンバを洗浄する工程と、
重合ビーズの前記第1の組から前記標的細胞型の前記細胞を遊離させる工程と、
前記標的細胞型の前記細胞を捕集する工程と
を含む、細胞選択および選別方法。
【請求項2】
前記重合ビーズが、グリセロールとセバシン酸の共重合体を含む、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項3】
前記重合ビーズが、結合のために前記標的細胞型の前記細胞に特異的な表面修飾を含む、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項4】
前記標的細胞型の前記細胞が、T細胞であり、前記修飾細胞が、キメラ抗原受容体T細胞である、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項5】
前記チャンバを洗浄する前に前記標的細胞型の前記細胞を活性化する工程をさらに含む、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項6】
前記チャンバを洗浄する前に前記標的細胞型の前記細胞をトランスフェクトする工程をさらに含む、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項7】
前記標的細胞型の前記細胞を捕集した後に、前記第1のビーズ直径より大きい第2のビーズ直径を有する重合ビーズの第2の組に前記標的細胞型の前記細胞を結合させる工程と、
重合ビーズの前記第2の組を保持するために前記第2のビーズ直径より小さいが、重合ビーズの前記第1の組および結合していない細胞を除去するために前記第1のビーズ直径より大きい第2の細孔サイズを有する第2のフィルタによって前記チャンバを洗浄する工程と、
重合ビーズの前記第2の組から前記標的細胞型の前記細胞を遊離させる工程と
をさらに含む、請求項1に記載の細胞選択および選別方法。
【請求項8】
チャンバ内で第1のビーズ直径を有する重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程と、
重合ビーズの前記第1の組を保持するために前記第1のビーズ直径より小さく、結合していない細胞を除去するために細胞直径より大きい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによって前記チャンバを洗浄する工程と、
重合ビーズの前記第1の組から前記標的細胞型の前記細胞を遊離させる工程と、
前記チャンバ内の前記標的細胞型の前記細胞を修飾する工程と、
前記第1のビーズ直径より大きい第2のビーズ直径を有する重合ビーズの第2の組に前記標的細胞型の前記細胞を結合させる工程と、
重合ビーズの前記第2の組を保持するために前記第2のビーズ直径より小さいが、重合ビーズの前記第1の組を除去するために前記第1のビーズ直径より大きい第2の細孔サイズを有する第2のフィルタによって前記チャンバを洗浄する工程と、
重合ビーズの前記第2の組から前記標的細胞型の前記修飾された細胞を遊離させる工程と、
前記標的細胞型の前記修飾された細胞を捕集する工程と
を含む、細胞修飾方法。
【請求項9】
前記重合ビーズが、グリセロールとセバシン酸の共重合体を含む、請求項8に記載の細胞修飾方法。
【請求項10】
前記重合ビーズが、結合のために前記標的細胞型の前記細胞に特異的な表面修飾を含む、請求項8に記載の細胞修飾方法。
【請求項11】
前記標的細胞型の前記細胞を修飾する工程が、前記チャンバを洗浄する前に前記標的細胞型の前記細胞を活性化する工程を含む、請求項8に記載の細胞修飾方法。
【請求項12】
前記標的細胞型の前記細胞を修飾する工程が、前記チャンバを洗浄する前に前記標的細胞型の前記細胞をトランスフェクトする工程を含む、請求項8に記載の細胞修飾方法。
【請求項13】
前記標的細胞型の前記細胞が、T細胞であり、前記修飾細胞が、キメラ抗原受容体T細胞である、請求項8に記載の細胞修飾方法。
【請求項14】
少なくとも1つの投入口および少なくとも1つの排出口を含む細胞修飾チャンバ、
前記少なくとも1つの排出口に選択可能に位置する複数のフィルタであり、前記複数のフィルタのそれぞれが、予め定めた細孔サイズを有するフィルタ、
複数の組の重合ビーズであり、各組の重合ビーズが、予め定めた直径を有し、前記予め定めた直径が、前記複数の組の重合ビーズが前記複数のフィルタによって分離できるように選択される重合ビーズ、
を含む細胞修飾システム。
【請求項15】
前記細胞修飾チャンバを洗浄するために、前記複数のフィルタのうち1つを選択するための前記少なくとも1つの排出口でマスクをさらに含む、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項16】
前記重合ビーズが、グリセロールとセバシン酸の共重合体を含む、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項17】
前記複数の組の重合ビーズのそれぞれが、結合のために前記標的細胞型の前記細胞に特異的な表面修飾を含む、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの投入口が、アフェレーシス産物投入口および遺伝子修飾薬剤投入口を含む、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの排出口が、細胞排出口および廃液捕集開口部を含む、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項20】
前記細胞排出口で前記細胞修飾チャンバにカップリングされた細胞ステージングチャンバをさらに含む、請求項19に記載の細胞修飾システム。
【請求項21】
前記細胞修飾チャンバが、単一の細胞修飾チャンバであり、細胞修飾方法の全ての工程が、前記単一の細胞修飾チャンバ内で起こる、請求項14に記載の細胞修飾システム。
【請求項22】
複数の捕獲チャンバであって、各捕獲チャンバが、予め定めた細胞型の複数の細胞を捕獲するために、予め定めた直径の捕獲重合ビーズの組を有する、前記複数の捕獲チャンバ;
複数の遊離チャンバであって、前記複数の捕獲チャンバおよび前記複数の遊離チャンバが、交互に順番に配置される、前記複数の遊離チャンバ;
複数のフィルタであって、各フィルタが、予め定めた細孔サイズを有し、各フィルタが、前記複数の捕獲チャンバのうちの1つと前記複数の遊離チャンバのうちの1つを分離して捕獲重合ビーズの組を分離する、前記複数のフィルタ;
を含む流水式細胞選択および選別システム。
【請求項23】
前記捕獲重合ビーズが、グリセロールとセバシン酸の共重合体を含む、請求項22に記載の流水式細胞選択および選別システム。
【請求項24】
捕獲重合ビーズの各組が、結合のために前記標的細胞型の前記細胞に特異的な表面修飾を含む、請求項22に記載の流水式細胞選択および選別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は2020年6月30日に出願の米国特許仮出願第63/046,070号の優先権および利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
[0002]本開示は、細胞を選択または選別するシステムおよびプロセスを全体的に対象とする。より具体的には、本開示は、分離工程を制御するためのグリセロールとセバシン酸(PGS)の共重合体の重合ビーズを含む細胞修飾システムおよびプロセスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003]特定の型の細胞を選択し、その特定の型の細胞を他の細胞および他の生体物質材料から選別する能力は、多くの異なる細胞操作プロセスに重要である。例えば、細胞修飾プロセスは、細胞選択および細胞選別を含む。
【0004】
[0004]細胞修飾プロセスは、特定の目的のために細胞を捕集し、修飾する。従来通りの細胞修飾プロセスは、複数の工程を含む。従来通りの細胞修飾プロセスは、細胞選択に磁気ビーズを利用しており、そのことが生産規模を著しく限定している。加えて、従来通りの細胞修飾プロセスは、修飾される細胞を異なる容器に複数回移動する必要がある。細胞が最小限に操作される場合に細胞の健康が最大になる状況において、これはさらに時間がかかり、細胞をさらに操作する必要がある。
【0005】
[0005]キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は、免疫療法のために遺伝子操作されたT細胞であり、T細胞に特異的標的化能力を与える人工的な受容体を発現する。CAR T細胞を作製するための従来通りの多段階細胞修飾プロセスは、血液試料からT細胞を捕集し、T細胞を活性化し、T細胞を形質導入し、T細胞を拡大し、得られたCAR T細胞を捕集する工程を含む。
【0006】
[0006]CAR T細胞作製のための従来通りの磁気ビーズは1回に1つの細胞の亜集団しか一般に分離できず、時間のかかるプロセスである。例えば、ヘルパーT細胞、細胞障害性T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を含有する系において、従来通りの磁気ビーズを使用するCAR T細胞作製プロセスは、CD4+細胞を最初に磁気的に分離し、その後残りの混合細胞集団に、順番にさらに2回磁気分離を行ってCD8+、その後CD56+細胞を分離することによって、これら3種の細胞の亜集団を1つずつ分離することが必要になる。細胞が最小限に操作される場合に細胞の健康が最大になる状況において、これはさらに時間がかかり、細胞をさらに操作する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]より効率的で、拡張性があり、細胞の取扱いを減少させる細胞修飾プロセスおよび細胞修飾システムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]典型的な実施形態において、細胞の選択および選別プロセスは、チャンバ内で第1のビーズ直径を有する重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程を含む。プロセスは、重合ビーズの第1の組を保持するために第1のビーズ直径より小さく、結合していない細胞を除去するために細胞直径より大きい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによって(を通して)(through)チャンバを洗浄する工程も含む。プロセスは、重合ビーズの第1の組から標的細胞型の細胞を遊離させる工程をさらに含む。プロセスは、重合ビーズの第2の組から標的細胞型の細胞を遊離させる工程と、標的細胞型の修飾された細胞を捕集する工程とを最終的に含む。
【0009】
[0009]典型的な実施形態において、細胞修飾プロセスは、チャンバ内で第1のビーズ直径を有する重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程を含む。プロセスは、重合ビーズの第1の組を保持するために第1のビーズ直径より小さく、結合していない細胞を除去するために細胞直径より大きい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによってチャンバを洗浄する工程も含む。プロセスは、重合ビーズの第1の組から標的細胞型の細胞を遊離させる工程をさらに含む。プロセスは、チャンバ内の標的細胞型の細胞を修飾する工程をなおさらに含む。プロセスは、第1のビーズ直径より大きい第2のビーズ直径を有する重合ビーズの第2の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程も含む。プロセスは、重合ビーズの第2の組を保持するために第2のビーズ直径より小さいが、重合ビーズの第1の組を除去するために第1のビーズ直径より大きい第2の細孔サイズを有する第2のフィルタによってチャンバを洗浄する工程をさらに含む。プロセスは、重合ビーズの第2の組から標的細胞型の修飾された細胞を遊離させる工程と、標的細胞型の修飾された細胞を捕集する工程とを最終的に含む。
【0010】
[0010]典型的な実施形態において、細胞修飾系(システム)は、少なくとも1つの投入口および少なくとも1つの排出口を含む細胞修飾チャンバを含む。細胞修飾系は、少なくとも1つの排出口に選択可能に位置する複数のフィルタを含み、複数のフィルタのそれぞれは、予め定めた(所定の)(predetermined)細孔サイズを有する。細胞修飾系は、複数の組の重合ビーズをさらに含み、各組の重合ビーズは、予め定めた直径を有し、予め定めた直径は、複数の組の重合ビーズが複数のフィルタによって分離できるように選択される。
【0011】
[0011]典型的な実施形態において、流水式(フロースルー)(flow-through)細胞修飾系(システム)は、複数の捕獲チャンバを含み、各捕獲チャンバは、予め定めた細胞型の複数の細胞を捕獲するために予め定めた直径の捕獲重合ビーズの組を有する。流水式細胞修飾系は、複数の遊離チャンバも含み、複数の捕獲チャンバおよび複数の遊離チャンバが、交互に順番に配置される。流水式細胞修飾系は、複数のフィルタをさらに含み、各フィルタは、予め定めた細孔サイズを有し、各フィルタは、複数の捕獲チャンバのうちの1つと複数の遊離チャンバのうちの1つを分離して捕獲重合ビーズの組を分離する。
【0012】
[0012]本発明の様々な特徴および優位性は、例によって本発明の原則を例示する添付の図面と併用して、以下のより詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013]本開示の一実施形態において単一の格納容器内でCAR T細胞を生産するための細胞修飾系を模式的に示す図である。
図2】[0014]図1の細胞修飾系の活性化工程を模式的に示す図である。
図3】[0015]図1の細胞修飾系の遺伝子修飾工程を模式的に示す図である。
図4】[0016]図1の細胞修飾系の拡大工程を模式的に示す図である。
図5】[0017]図1の細胞修飾系の捕集工程を模式的に示す図である。
図6】[0018]本開示の一実施形態において単一の格納容器内でCAR T細胞を生産するための細胞修飾系のためのフィルタの垂直スタックを模式的に示す図である。
図7】[0019]本開示の一実施形態においてCAR T細胞を生産するための4つの4分円を持つ細胞修飾系を模式的に示す図である。
図8】[0020]本開示の一実施形態において二次副チャンバを含む細胞修飾系を模式的に示す図である。
図9】[0021]本開示の一実施形態において複数の補助チャンバを含む細胞修飾系を模式的に示す図である。
図10】[0022]本開示の一実施形態においてCAR T細胞を生産するための流水式細胞修飾系を模式的に示す図である。
図11】[0023]重合ビーズに結合し、そこから遊離するJurkat細胞の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0024]可能な限り、同じ参照番号が、同じ部分を表すために図面の全体を通して使用されることになる。
【0015】
[0025]グリセロールとセバシン酸(PGS)の共重合体の重合ビーズを分離工程の制御に使用する細胞選択および選別系ならびにプロセスが提供される。典型的な実施形態において、細胞選択および細胞選別は、細胞修飾系またはプロセスの部分である。選択および/または選別のための細胞は、懸濁細胞でも接着細胞でもよい。
【0016】
[0026]本開示の実施形態は、例えば、本明細書に開示される特徴の1つまたは複数を含むことができない概念と比較して、細胞に基づく療法のための使い捨てであり、自己充足的で、高スループットな製造系を提供する;多段階細胞修飾製造プロセス全体に対して1つの格納構造内に細胞を含有する;細胞に対するプロセッシングの負担を減少させる;より高い細胞製造収量を実現する;培養バッグ、チューブおよびチューブセットなどの消耗品を減少させる;設定時間を減少させる;汚染の危険性を減少させる;選択、選別、分離および/または捕集のために微小球もしくは細胞の物理的寸法を利用する;あるいはその組合せである。
【0017】
[0027]典型的な実施形態において、混合細胞集団は、様々な細胞集団が、様々なサイズの重合ビーズに係留される1段階、1容器のプロセスで分離される。例えば、大サイズの抗CD4、中サイズの抗CD8、小~中サイズの抗CD19ビーズ、および小サイズの抗CD56ビーズを使用して、ヘルパーT細胞、細胞障害性T細胞、B細胞およびNK細胞をそれぞれ分離する。ビーズ含有溶液を、一連のフィルタにその後通して、ビーズサイズに基づいて細胞集団を選択的に分離することができる。
【0018】
[0028]典型的な実施形態において、細胞選択および選別系は、特別に操作された微小球を創出するために重合微小球技術を組み込む。
【0019】
[0029]一部の実施形態において、細胞選択および選別系は、従来通りの細胞修飾系に使用される多連バッグおよびチューブではなく、単一の挿入可能なカートリッジを含む。
【0020】
[0030]一部の実施形態において、細胞選択および選別は、流水式プロセスを組み込む。
【0021】
[0031]用語「微小球」および「ビーズ」は、本明細書において互換的に使用される。
【0022】
[0032]一部の実施形態において、重合ビーズは、市販の重合ビーズである。適当な市販の重合ビーズには、磁気重合ビーズ、蛍光重合マイクロビーズ、抗体標識重合マイクロビーズ、ポリスチレンビーズおよび/または多糖類ビーズがあるが、これに限定されない。
【0023】
[0033]重合ビーズは多孔性でもまたは無孔でもよい。
【0024】
[0034]典型的な実施形態において、重合ビーズは、多価アルコールと酸のポリエステル共重合体の形状をなすPGS微小球である。典型的な実施形態において、重合ビーズは、グリセロールとセバシン酸(PGS)の共重合体の形状をなすPGS微小球である。PGSは、ポリ(グリセロールセバケート)、PGS-ウレタン(PGSU)、PGS-アクリレート(PGSA)、または他のグリセロールエステル誘導体でありうる。
【0025】
[0035]細胞係留に加えて、重合ビーズは、プロセスの特定の工程の間に必要とされる様々な薬剤と配合されることによって細胞チャンバを補充するために使用されうる。例えば、重合ビーズは、細胞栄養素、細胞特異的補助剤、緩衝剤、抗微生物剤、酸素産生剤および/または細胞性廃液キレート化/吸収剤と共にロードされうる。
【0026】
[0036]PGSの1つの有用性は、カスタマイズされるその能力である。例えば、生分解性が、ビーズの好ましい特徴でない場合、PGSポリマーは、時間的プロセス要件に適合するように分解が遅れる程度に重合されてもよい。さらに、ヒドロキシ基およびカルボキシ基などの活性な官能基は、細胞を輸送するために使用される固定または結合ドッキング化学を含みうる表面修飾を可能にする。
【0027】
[0037]これらの固定点は、細胞修飾プロセスの各特異的工程を解決するためにカスタマイズされうる。例えば、利用可能なヒドロキシおよびカルボキシ基を有するPGS微小球の場合、微小球は、特定の周波数の照射による命令(光連結)によって捕獲(抗体特異性による)および遊離するために光連結と抗体で修飾されうる。
【0028】
[0038]捕獲および遊離は、少なくとも2つの分子間、この場合細胞もしくは担体上の生体分子と標的ドッキング分子間の配位複合体形成(イオン-イオン電荷に基づく誘引力)を含む複合体形成またはコンジュゲーション(共有結合架橋連結)のいずれかに基づきうる。
【0029】
[0039]捕獲および遊離生体分子の複合体形成/コンジュゲーションは、分子標的をドッキングまたは結合する位置の近傍において外因性もしくは内因性いずれかの化学エネルギー変数が、分子間の接続変化もしくは連結、イオン配位または共有結合のいずれか、をもたらすことによって促進されうる。加えて、捕獲および遊離は、化学もしくは物理エネルギーのいずれかによる可逆的な複合体形成またはコンジュゲーション部位に基づきうる。物理エネルギーの場合、脱連結は、吸収結合複合体への周波数特異的光電子放射の導入に基づきうる。
【0030】
[0040]例えば、カスタマイズされたPGS微小球は、処置後に特定の細胞を、光起動される遊離によって「捕獲および遊離」するために、光リンカーおよび抗体特異的「係留鎖」を組み込むという選択肢を提供する。光切断可能な連結、または光連結は、1点で微小球のカルボキシ基および別の点で抗体に共有結合的にカップリングされうる。光連結で遊離させるための光活性化は、微小球から抗体結合細胞を分離する。Pahattugeら(「Visible photorelease of liquid biopsy markers following microfluidic affinity-enrichment」、Chem.Commun.第56巻、4098~4101頁(2020年)、本明細書にその全体を参照により組み込む)は、抗体を共有結合的に結合し、その後可視光で、2分間に90%を超える遊離でそれを遊離する能力がある適当な光連結について記載している。
【0031】
[0041]また、PGSは、本質的に抗微生物性であり、PGS微小球は、細胞に対して代謝増強をもたらすことができる。これは、例えば、ポリスチレンまたは多糖類ビーズなどの他の重合微小球に勝るPGSのさらなる優位性である。
【0032】
[0042]細胞修飾プロセスは、細胞を結合させる工程と、工程間に非結合成分を除去する工程と、細胞を引き離す工程との複数の工程を含む任意のプロセスでありうる。
【0033】
[0043]典型的な実施形態において、細胞の選択および選別プロセスは、チャンバ内で第1のビーズ直径を有する重合ビーズの第1の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程と、重合ビーズの第1の組を保持するために第1のビーズ直径より小さい第1の細孔サイズを有する第1のフィルタによってチャンバ内容物を洗浄する工程と、重合ビーズの第1の組から標的細胞型の細胞を遊離させる工程とを含む。プロセスが、細胞修飾プロセスである場合、また、プロセスは、チャンバ内の標的細胞型の細胞を修飾する工程と、第1のビーズ直径より大きい第2のビーズ直径を有する重合ビーズの第2の組に標的細胞型の細胞を結合させる工程と、重合ビーズの第2の組を保持するために第2のビーズ直径より小さいが、重合ビーズの第1の組を除去するために第1のビーズ直径より大きい第2の細孔サイズを有する第2のフィルタによってチャンバを洗浄する工程とを含む。プロセスは、重合ビーズの第2の組から標的細胞型の修飾された細胞を遊離させる工程と、標的細胞型の修飾された細胞を捕集する工程とをさらに含む。
【0034】
[0044]一部の実施形態において、標的細胞型は、T細胞の亜集団である。
【0035】
[0045]典型的な実施形態において、T細胞の亜集団は、ビーズ集団と関連付けられた1つまたは複数の抗原への曝露によって混合細胞集団から分離されえ、抗原には、CD4ヘルパーT細胞の場合抗CD3+抗CD4、細胞障害性T細胞の場合抗CD3+抗CD8、CD4調節性T細胞の場合抗CD3+抗CTLA-4、CD8記憶T細胞の場合抗CD3+抗CD95、γδT細胞の場合抗Vδ1+抗Vγ9Vδ2、またはナチュラルキラーT細胞の場合抗CD3+抗CD57があるが、これに限定されえない。
【0036】
[0046]抗原の組合せへの曝露は、逐次でもまたは同時でもよい。一部の実施形態において、曝露は、より広い選別用抗体ビーズ、例えば、T細胞の場合CD3に細胞混合物を逐次曝露し、その後細胞を取り出し、続いて第2の、異なる亜集団ビーズに曝露し、例えば、CD3陽性細胞を採取し、それを抗CD4ビーズに適用してヘルパーT細胞を抜き出す工程を含む。他の実施形態において、曝露は、複数の抗原を同時に含有するビーズに曝露することによって細胞の亜集団を直接抜き出す、例えば同じビーズ上に抗CD3と抗CD4両方を持つビーズを使用することによって初期混合集団からヘルパーT細胞を直接抜き出す工程を含む。
【0037】
[0047]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、小胞ヘルパーT細胞が選択される:抗BTLA、抗CD3、抗CD4、抗CD10、抗CD40L、抗CD57、抗CD84、抗CD150、抗CXCR4、抗CXCR5、抗ICOS、抗IL6Rα、抗IL21R、抗OX40、抗PD-1。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、Th1ヘルパーT細胞が選択される:抗CCR1、抗CCR5、抗CD3、抗CD4、抗CXCR3、抗IFNγR1、抗IFNγR2、抗IL12Rβ2、抗IL18Rα、抗IL27Rα。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、Th2ヘルパーT細胞が選択される:抗CCR3、抗CCR4、抗CCR8、抗CD3、抗CD4、抗CXCR4、抗IL4Rα、抗IL17Rb、抗IL33R、抗TSLP R。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、Th9ヘルパーT細胞が選択される:抗CD3、抗CD4、抗IL4Rα、抗IL17Rb、抗TGFβRII。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、Th17ヘルパーT細胞が選択される:抗CCR4、抗CCR6、抗CD3、抗CD4、抗IL1RI、抗IL6Rα、抗IL21R、抗IL23R、抗TGFβRII。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、Th22ヘルパーT細胞が選択される:抗CCR4、抗CCR6、抗CCR10、抗CD3、抗CD4、抗IL6Rα、抗TGFβRII、抗TNF RI。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、調節性T細胞が選択される:抗CD3、抗CD4、抗CD5、抗CD25、抗CD39、抗CD62L、抗CD73、抗CD103、抗CD127、抗CD134、抗CD223、抗CTLA4、抗葉酸受容体4、抗GITR、抗LAP、抗LRRC32、抗BDCA4。
【0038】
[0048]典型的な実施形態において、T細胞は、抗CD3および抗CD28を持つビーズへの曝露により活性化されうる。一部の実施形態において、T細胞は、ビーズ表面にコンジュゲートまたは吸着されたフィトヘムアグルチニンを持つビーズへの曝露により活性化されうる。
【0039】
[0049]典型的な実施形態において、B細胞の亜集団は、ビーズ集団と関連付けられた1つもしくは複数の抗原の逐次または同時の組合せへの曝露によって混合細胞集団から分離され、抗原には、未成熟B細胞の場合、抗CD19+抗CD10、移行期B細胞の場合、抗CD19+抗CD10+抗CD27+抗CD24+抗CD38、活性化されたB細胞の場合、抗CD19+抗CD22、活性化B細胞の場合抗CD19+抗CD69+抗CD86、記憶B細胞の場合、抗CD19+抗CD21+抗CD27、調節性B細胞の場合、抗CD19+抗CD43、および形質細胞の場合、抗CD19+抗CD27+抗CD38があるが、これに限定されえない。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、小胞B細胞が選択される:抗CD19、抗CD20、抗CD21、抗CD22、抗CD23、抗CD24、抗CD38、抗CXCR5、抗HLA-DR、抗IgD、抗IgM、抗TACI。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、記憶B細胞が選択される:抗CD19、抗CD20、抗CD21、抗CD23、抗CD27、抗CD40、抗CD80、抗CD86、抗CD93、抗CD95、抗CD148、抗HLA-DR、抗TACI。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、調節性B細胞が選択される:抗CD1d、抗CD5、抗CD19、抗CD20、抗CD21、抗CD24、抗CD27、抗CD38、抗CD40、抗IgD、抗IgM。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、形質B細胞が選択される:抗BCMA、抗CD19、抗CD27、抗CD38、抗CD138、抗CXCR4。
【0040】
[0050]典型的な実施形態において、B細胞は、抗CD40を持つビーズへの曝露により活性化されうる。一部の実施形態において、リポ多糖類が、B細胞を活性化するためにビーズ表面にコンジュゲートされる。他の実施形態において、細菌性莢膜性多糖類が、ビーズ表面にコンジュゲートされる。
【0041】
[0051]典型的な実施形態において、樹状細胞、顆粒球、マクロファージ、単球、自然リンパ球、骨髄由来サプレッサ細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞を含めた他の細胞型が、ビーズを含有するバイオリアクタ系で使用されうる。
【0042】
[0052]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD14、抗CD16、抗CD40、抗CD80、抗CD83、抗CD86、抗CD123、抗CD141、抗CD172a、抗CD207、抗CD209、抗CXCR1、抗CLEC9a、抗EpCAM、抗HLA-DR、抗IGSF4A、抗XCR1。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、炎症性樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD14、抗CD64、抗CD172a、抗CD206、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、表皮性ランゲルハンス樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD172a、抗CD207、抗Eカドヘリン、抗EpCAM、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、CD14皮膚樹状細胞が選択される:抗CD1c、抗CD11c、抗CD14、抗CD163、抗CD209、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、CD1aCD1c皮膚樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD141、抗CD172a、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、CD1a+CD1c+皮膚樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD141、抗CD172a、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、CD1aCD141皮膚樹状細胞が選択される:抗CD1a、抗CD1c、抗CD11b、抗CD11c、抗CD141、抗CD172a、抗CLEC9a、抗HLA-DR、抗IGSF4A、抗XCR1。
【0043】
[0053]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、好塩基球細胞が選択される:抗CCR3、抗CD11c、抗CD22、抗CD45、抗CD49b、抗CD69、抗CD123、抗CD203、抗CRTH-2、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、好酸球細胞が選択される:抗CCR3、抗CD11b、抗CD14、抗CD15、抗CD45、抗CD49d、抗CD66b、抗CD125、抗EMR1、抗HLA-DR、抗シグレック8。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、肥満細胞が選択される:抗CD11c、抗CD32、抗CD33、抗CD45、抗CD117、抗CD123、抗CD203c、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、好中球細胞が選択される:抗CD11b、抗CD14、抗CD15、抗CD16、抗CD18、抗CD32、抗CD33、抗CD44、抗CD45、抗CD62L、抗CD66b、抗HLA-DR。
【0044】
[0054]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、グループ1自然リンパ球が選択される:抗CD25、抗CD45、抗CD49a、抗CD69、抗CD117、抗CD122、抗CD127、抗CD161、抗CXCR3、抗ICOS、抗IL1RI、抗IL12Rβ2、抗NKp46。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、グループ2自然リンパ球が選択される:抗CD25、抗CD45、抗CD90、抗CD117、抗CD127、抗CD161、抗CRTH2、抗ICOS、抗IL1RI、抗IL12Rβ2、抗IL17RB、抗KLG1、抗Sca1、抗ST2、抗TSLP R。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、グループ3自然リンパ球が選択される:抗CCR6、抗CD25、抗CD45、抗CD90、抗CD117、抗CD127、抗IL1RI、抗IL12Rβ2、抗IL23R、抗CD56、抗NKp44、抗NKp46、抗Sca1。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、ナチュラルキラー細胞が選択される:抗CD56、抗CD94、抗CD122、抗CD16、抗KIR、抗NKG2A、抗NKG2D、抗NKp30、抗NKp44、抗NKp46、抗NKp80。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、調節性自然リンパ球が選択される:抗CD25、抗CD45、抗Cd90、抗CD122、抗CD127、抗Sca1、抗TGFβRI、抗TGFβRII。
【0045】
[0055]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、マクロファージ細胞が選択される:抗CCR5、抗CD11a、抗CD11b、抗CD11c、抗CD14、抗CD15、抗CD16、抗CD32、抗CD33、抗CD64、抗CD68、抗CD80、抗CD85k、抗CD86、抗CD107b、抗CD115、抗CD162、抗EMR1、抗ガレクチン3、抗GITRL、抗HLA-DR、抗MHCクラスII、抗TLR2、抗TLR4。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、M1マクロファージ細胞が選択される:抗CD16、抗CD32、抗CD36、抗CD68、抗CD80、抗Cd86、抗HLA-DR、抗IFNγR、抗MHCクラスII。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、M2aマクロファージ細胞が選択される:抗CD163、抗CD200R1、抗CD206、抗CD209、抗CD301、抗CXCR1、抗CXCR2、抗デクチン1、抗HLA-DR、抗IL1RII、抗IL4Rα、抗MHCクラスII。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、M2bマクロファージ細胞が選択される:抗CD86、抗HLA-DR、抗IL4Rα、抗MHCクラスII。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、M2cマクロファージ細胞が選択される:抗CCR2、抗CD150、抗CD163、抗IL4α、抗CD206、抗SR-AI、抗SR-BI、抗TLR1。
【0046】
[0056]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、単球細胞が選択される:抗CD11b、抗CD14、抗CCR2、抗HLA-DR、抗CD115、抗CD62L。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、中間単球細胞が選択される:抗CD11b、抗CD14、抗CD16、抗CD62L、抗CD115、抗CD163、抗CCR2、抗CCR5、抗CX3CR1、抗HLA-DR。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、非古典的単球細胞が選択される:抗CD11b、抗CD14、抗CD16、抗CD115、抗CX3CR1、抗HLA-DR。
【0047】
[0057]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、単球性骨髄由来サプレッサ細胞が選択される:抗CD11b、抗CD14、抗CD33、抗HLA-DR、抗IL4Rα。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、多形核性骨髄由来サプレッサ細胞が選択される:抗CD11b、抗CD15、抗CD16、抗CD33、抗CD66b、抗IL4Rα、抗VEGF R1。
【0048】
[0058]一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、人工多能性幹細胞が選択される:抗ABCG2、抗アルカリホスファターゼ、抗Cripto-1、抗Eカドヘリン、抗Frizzled-5、抗CD29、抗CD49f、抗PODXL、抗SSEA3、抗SSEA4、抗TRA-1-60。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、造血幹細胞が選択される:抗ABCG2、抗CD10、抗CD34、抗CD38、抗CD43、抗CD44、抗CD48、抗CD90、抗CD93、抗CD117、抗CD133、抗CD150、抗CDCP1、抗CXCR4、抗Flt3、抗VEGF R2。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、間葉系幹細胞が選択される:抗BMP R、抗CD29、抗CD44、抗CD49a、抗CD51、抗CD73、抗CD90、抗CD105、抗CD106、抗CD117、抗CD166、抗STRO-1。一部の実施形態において、以下のうち1つまたは複数をビーズと共に使用して、神経幹細胞が選択される:抗ABCG2、抗CD133、抗CXCR4、抗FGF R4、抗Frizzled-9、抗Glut1、抗Notch1、抗Notch2、抗PDGF Rα、抗SSEA1。
【0049】
[0059]典型的な実施形態において、細胞修飾プロセスは、CAR T細胞プロセスである。典型的な実施形態において、CAR T細胞修飾プロセスは、単離工程、活性化工程、遺伝子修飾工程、拡大工程および捕集工程を含む。
【0050】
[0060]典型的な実施形態において、細胞修飾系は、CARプロセスによってT細胞を往復させ、単一の格納容器内に細胞を維持するように特別に操作された微小球を創出するために、重合微小球技術を取り入れる。
【0051】
[0061]図1を参照すると、細胞修飾系10は、細胞チャンバ12、白血球アフェレーシスT細胞を単離するための抗体標識ビーズを含む第1の試薬バッグ14、例えば、抗CD3および/または抗CD28標識で標識された活性化ビーズを含む第2の試薬バッグ16、遺伝子修飾のためのビーズを含む第3の試薬バッグ18、および拡大ビーズを含む第4の試薬バッグ20、ならびに廃液バッグ22を含む。ビーズの各組は、CARプロセスの工程のために設計されたPGSUのスマートビーズである。各型のビーズは、第1のバッグ14から第2のバッグ16、第3のバッグ18、第4のバッグ20へと直径が徐々により大きくなる。細胞修飾系10は使い捨てであり、ユーザインターフェースおよびポンプを含む本体ならびに流体の流れを指令するための他のデバイスに搭載される。
【0052】
[0062]典型的な実施形態において、T細胞は、細胞修飾プロセスの間、抗体標識ビーズから活性化ビーズ、遺伝子修飾ビーズ、拡大ビーズへと往復する。これらビーズは、ある組のビーズを次の組のビーズと良好に分離できるように、各組のビーズが厳密な直径分布を有する不連続に増大するサイズのものである。一組のビーズについて適当な直径分布は、±50%もしくはより小さい、別法として±40%もしくはより小さい、別法として±25%もしくはより小さい、別法として±10%もしくはより小さい、別法として±5%もしくはより小さい、または任意の値、範囲もしくはその間の部分的範囲である。重合ビーズの組の適当な平均直径は、約5μm~約1000μm、別法として約10μm~約800μm、別法として約10μm~約200μm、別法として約20μm~約100μm、または任意の値、範囲もしくはその間の部分的範囲である。重合ビーズの組の適当な直径は、約5μm~約1000μm、別法として約10μm~約800μm、別法として約10μm~約200μm、別法として約50μm~約500μm、または任意の値、範囲もしくはその間の部分的範囲である。2組のビーズ間の適当な平均直径変化は、約20μm、別法として約20μmもしくはより大きい、別法として約20μm~約50μm、別法として約40μm~約60μm、別法として約50μmもしくはより大きい、別法として約50μm~約100μm、別法として約100μmもしくはより大きい、または任意の値、範囲もしくはその間の部分的範囲である。
【0053】
[0063]典型的な実施形態において、各分離工程で異なるフィルタは、ビーズのサイズとフィルタの孔のサイズに基づいて2組のビーズを分離する。フィルタは、好ましくは低タンパク質結合性および低細胞結合性材料である。典型的な実施形態において、フィルタは、例えば非分解性の、織られた布地などの布地フィルタである。一部の実施形態において、布地は、単なる不活性な障壁ではなく、例えば、細胞修飾プロセスのための成分が埋め込まれているものなど、活性な高性能布地である。典型的な一実施形態において、活性な高性能布地は、例えばインターロイキンなどの埋め込まれた成長因子を含み、または例えばグルコース監視もしくは細胞密度監視などのために布地中に埋め込まれたセンサを含む。一部の実施形態において、布地は、中心がポリエステルである鞘芯構造を含み、例えば鞘は浸漬被覆されている。
【0054】
[0064]典型的な実施形態において、細胞修飾系は、少なくとも1つの投入口および少なくとも1つの排出口を含む細胞修飾チャンバを含む。細胞修飾系は、少なくとも1つの排出口に選択可能に位置する複数のフィルタも含み、複数のフィルタのそれぞれは、予め定めた細孔サイズを有する。細胞修飾系は、複数の組の重合ビーズをさらに含み、各組の重合ビーズは、予め定めた直径を有し、予め定めた直径は、複数の組の重合ビーズが複数のフィルタによって分離できるように選択される。
【0055】
[0065]典型的な実施形態において、細胞は、プロセスの全体を通じて1つのチャンバ内に留まる。全てのプロセッシング工程を単一のチャンバ内で起こさせることは、「病床」細胞修飾系を忠実に作るために必要な設置面積を減少させる。小型のサイズは、CARの真のポイントオブケア系を作る能力を提供し、プロセッシング施設と処置センター間で材料を搬送するのではなく現場での作製が可能になる。特定の細胞結合用として仕立てられ、物理学的な分離を可能にするために様々な直径で容易に作られる微小球は、中心チャンバ内に細胞を維持する。細胞は、バッグからバッグへ移されないので、バッグの接続を排除し、汚染の可能性を減少させる。
【0056】
[0066]T細胞は、中心プロセッシングチャンバ内に留まるので、受ける剪断力が減少する。細胞分離は、サイズ排除によって行われので、磁気系の必要性を排除し、より高いスループットが可能になる。細胞チャンバは、全てのプロセッシングパラメータについて常時監視され、必要に応じて自動的に調整されうる。そのような監視されるパラメータには、pH、溶存酸素レベルおよび/または溶存二酸化炭素レベルがあるが、これに限定されえない。
【0057】
[0067]一部の実施形態において、主チャンバは、初期プロセッシング中に培地およびビーズで例えば25%充填されるなど、部分的に充填され、さらなる充填は、細胞の活性化、形質導入および拡大を支持するためのその後の工程の間に起こる。例えば、拡大の間に、培地容積は、75%まで増大されてもよく、容積の50%がビーズで充填されるように、栄養素をロードしたビーズがその後に添加されてもよい。高い培地対ビーズ比は、浮遊性T細胞が占有する空間をより大きくし、プロセス収量を最大化することができる。
【0058】
[0068]さらにまたは選択的に、細胞チャンバは、フィルタによる微小球と産物の分離に重力だけを利用するように構成され、潜在的に故障する可能性があるポンプおよび他の機械系の要件を排除することができる。
【0059】
[0069]典型的な実施形態において、T細胞選択的PGSまたはPGSU(「Leuka」)ビーズを使用して、患者から採取した白血球アフェレーシス産物から予め定めたT細胞表現型を最初に単離する。Leukaビーズは、適当なT細胞表現型を選択的に結合するために特異的抗原で修飾され、残りのアフェレーシス材料は、チャンバ下に内蔵しているフィルタによってチャンバから除去される。工程特異的フィルタの細孔サイズは、Leukaビーズの直径より小さいため、細胞チャンバ内にビーズを保ち、それによって選択されたT細胞表現型を単離する。チャンバおよびビーズは、従来通りの手順で容易に洗い流され、浄化されうる。本実施形態は、CARプロセッシング前に一般に必要とされる遠心分離工程の必要性を効果的に排除する。
【0060】
[0070]図2を参照すると、細胞修飾プロセスの活性化工程は、細胞チャンバ12に活性化(「Act」)ビーズ24と共に適切な活性化培地を添加することにより始まり、そのチャンバは、Leukaビーズ28に係留された予め定めたT細胞26をすでに含有している。Actビーズ24は、適当なT細胞活性化を増進するために修飾される。
【0061】
[0071]Leukaビーズ28に係留されたT細胞26は切断され、その後Actビーズ24に結合することができ、その時点で、Leukaビーズ28は、Actビーズ24および係留されているT細胞26が細胞チャンバ12内に留まるようにLeukaビーズ28の直径より大きいが、Actビーズ24の直径より小さい細孔サイズを有するAct工程特異的フィルタ30を通してチャンバから洗い流されうる。Act工程特異的フィルタ30は、布地フィルタである。
【0062】
[0072]一部の実施形態において、Leukaビーズ28に係留されたT細胞26は切断され、その後Actビーズ24に結合することができ、その時点で、係留されたT細胞26を伴うActビーズ24は、Actビーズ24より大きいが、Leukaビーズ28より小さい細孔サイズを有するフィルタ30を通して細胞チャンバ12から第2容器へと洗い流される。
【0063】
[0073]他の実施形態において、細胞選択および活性化は、同じプロセッシング工程において行われる。そのような実施形態において、二重単離および活性化が、同じビーズ上で起こり、別々のLeukaビーズおよびActビーズを有する必要性がなくなる。
【0064】
[0074]図3を参照すると、細胞修飾プロセスの遺伝子修飾工程は、活性化工程と類似の手順に従う。遺伝子修飾(「GM」)ビーズ32と共に適切な遺伝子修飾培地が、Actビーズ24に係留されている活性化されたT細胞26をすでに含有する細胞チャンバ12に添加される。
【0065】
[0075]T細胞26は、Act工程からのActビーズ24から切断され、その後GMビーズ32に係留され、それにより、GMビーズ32が細胞チャンバ12内に留まり、Actビーズ24が残らないような、Actビーズ24の直径より大きいが、GMビーズ32の直径より小さい細孔サイズを有するGM工程特異的フィルタ34によってActビーズ24を、細胞チャンバから除去することが可能になる。
【0066】
[0076]一部の実施形態において、GMビーズ32は、ウイルス修飾されている。そのような実施形態において、ウイルスは、特異的抗原部位でGMビーズ32に係留される。T細胞26とウイルスは両方とも、同じGMビーズ32上にドッキングしているので、その結果、ウイルスがT細胞26を見出す効率が増大する。
【0067】
[0077]他の実施形態において、ウイルスが、ウイルスビーズを被覆するように、細胞を修飾するためのウイルスは、さらにより小さいウイルスビーズにカップリングされる(図示せず)。例えば、Actビーズ24は、直径約250μmを有してもよく、ウイルスビーズは直径約25μmを有してもよい。典型的な実施形態において、ウイルスビーズは、重合ビーズである。一部の実施形態において、重合ビーズは、PGSビーズである。
【0068】
[0078]図4を参照すると、細胞修飾プロセスの拡大工程も、活性化工程と類似の手順に従う。拡大(「Exp」)ビーズ36と共に適切な拡大培地が、GMビーズ32に係留されている修飾されたT細胞26をすでに含有する細胞チャンバ12に添加される。
【0069】
[0079]T細胞26は、GMビーズ32から切断され、Expビーズ36にその後係留され、それにより、Expビーズ36が細胞チャンバ12内に留まり、GMビーズ32が残らないような、GMビーズ32の直径より大きいが、Expビーズ36の直径より小さい細孔サイズを有するExp工程特異的フィルタ38によってGMビーズ32を、細胞チャンバ12から除去することが可能になる。
【0070】
[0080]一部の実施形態において、T細胞26は、拡大工程のためにActビーズ24上に留まる。そのような実施形態において、細胞修飾系は、予め定めた数(Y)個のActビーズ24を含み、各Actビーズ24は、最大数(X)個のT細胞26と相互作用し、合計細胞数(N)個が、X×Y個より大きい場合、Actビーズ24上に捕捉できない過剰な[N-(X×Y)]個の拡大されたT細胞26は、「種」T細胞26をActビーズ24から除去する必要がないような浮遊性である。そのような実施形態において、細胞修飾系は、拡大工程の間チャンバの底部に布地フィルタを含んでもよい。布地フィルタは、浮遊性T細胞26が、ゆっくり下り、通過することを可能にするが、Actビーズ24が通り抜けることを防ぐ。
【0071】
[0081]拡大工程後、CAR T細胞26は、浄化され、捕集工程における低温保存のために調製されうる。図5を参照すると、T細胞26は、Expビーズ36から切断され、Expビーズ36の直径より小さい細孔サイズを有する捕集工程特異的フィルタ42によって低温保存バッグ44へと直接通過させることが可能になり、T細胞26は、細胞修飾系10から直接取り出され、低温保存に入れられうる。別法として、捕集したCAR T細胞26は、捕集直後に使用されてもよい。一部の実施形態において、低温保存バッグは、非滅菌環境で系を使用するために拡大チャンバに無菌的に接続される。
【0072】
[0082]典型的な実施形態において、細胞チャンバは、様々なプロセッシングセンサーを内蔵して、例えば、pH、Oレベル、栄養素、COレベルおよび/または微生物負荷などの特定のチャンバ条件を監視し、それによりチャンバ条件のリアルタイムデータも提供する。センサーフィードバックに基づいて、チャンバ環境を容易に調整して、最適なプロセッシング条件を維持することができる。典型的な実施形態において、Oを、網目フィルタを通して泡立たせて、細胞増殖を補助してもよい。別法として、細胞修飾系は、Oを添加し、COを抜き出すためにチャンバを貫通する気体透過性材料の中心垂直チューブを含んでもよい。
【0073】
[0083]典型的な実施形態において、重合ビーズは球形または実質的に球形である。一部の実施形態において、重合ビーズは、例えば、1より大きい縦横比など非球形の予め定めた形状を有して、例えば、ろ過選択またはプロセッシング効率を補助するように形成されてもよい。
【0074】
[0084]一部の実施形態において、重合ビーズは、例えば、細胞栄養素または遺伝子修飾薬剤の送達のためなど、細胞修飾プロセスの工程の間に溶解するように設計される。一部の実施形態において、溶解は、例えばチャンバのpHなど、チャンバ条件によって誘発されうる。条件および溶解は、プロセス工程が完了した指標となりうる。
【0075】
[0085]細胞分離および選別プロセスまたは系のためのフィルタは、粒子サイズに基づく分離に適する任意の型でもよい。適切なフィルタには、有機膜フィルタ、無機膜フィルタ、溶解ガラスフィルタおよび/または布地網目がある。
【0076】
[0086]典型的な実施形態において、フィルタは、布地網目である。ろ過網目は、各工程に対して選択されるので、例えば特定の工程に対するプロセッシング薬剤を提供するなどのために、網目はPGSで修飾されうる。一部の実施形態において、布地網目層の細孔サイズは、レーザーアブレーションによって生成される。
【0077】
[0087]一部の実施形態において、図6に示すように、フィルタ30、34、38、42は垂直に積み重ねられ、各フィルタ30、34、38、42は、異なる細孔サイズを有し、最も小さい細孔サイズを持つ残りのフィルタが、各ろ過後に除かれる。
【0078】
[0088]一部の実施形態において、図7に模式的に示されるように、フィルタ30、34、38、42は、細胞チャンバ12の異なる4分円に配置され、各4分円内のフィルタ(図示せず)は、異なる細孔サイズを有する。フィルタは、図7の概観におけるページと平行に向けられる。マスク45は、4つの4分円のうち3つを所与の時間覆うことを可能にし、細胞チャンバ12は、フィルタまたはマスク45の回転によって異なるフィルタに曝露される。マスク45またはフィルタは、図7の概観におけるページに対して垂直な軸を中心に回転する。
【0079】
[0089]典型的な一実施形態において、図8に模式的に示されるように、細胞修飾系10は、小さい二次ウイルス副チャンバ46を含み、ウイルスまたは別の遺伝子修飾薬剤が、小さいGMビーズ48に添加され、結合され、または中に保持される。副チャンバ46は、フィルタまたは弁でもよい副チャンバ開口部50によって細胞チャンバ12と分離される。チャンバフィルタ52は、細胞チャンバ12の別の縁に位置する。
【0080】
[0090]副チャンバ46の内容物は、活性化工程の間に主細胞チャンバ12内に洗浄される。一部の実施形態において、サイトカインレベルまたは他の可溶性識別子の変化を測定するセンサー(図示せず)は、いつウイルスが主細胞チャンバ12に添加されたかを決定する。副チャンバ開口部50は、生物学的安全性キャビネットの外側でのプラグアンドプレイ機能のために滅菌に保たれ、フィルタまたは弁が、遺伝子修飾副チャンバ46と主チャンバを分離する。
【0081】
[0091]典型的な実施形態において、図9に模式的に示されるように、細胞修飾系10は、モジュール式であり、アフェレーシスチャンバ54、ウイルスチャンバ46、主チャンバ12、ステージングチャンバ56、濃縮CAR T細胞捕集チャンバ58および廃液チャンバ60を含む。
【0082】
[0092]アフェレーシスチャンバ54およびウイルスチャンバ46それぞれは、主チャンバ12への別々の開口部62、50をそれぞれ有する。アフェレーシス産物(apheresis product)は、アフェレーシスチャンバ54によって細胞修飾系10にロードされる。ウイルスまたは他の遺伝子修飾薬剤は、ウイルスチャンバ46によって細胞修飾系10にロードされる。例えば、細胞拡大のための栄養素支持薬剤を搭載しているビーズを含有するためなど、追加のローディング装置(図示せず)も、主チャンバ12の上に配置されうる。
【0083】
[0093]主チャンバ12は、チャンバフィルタ52に2つの排出口を含み、一方は、廃液、例えば洗い流されたウイルス/GMビーズなどを捕集するための廃液チャンバ60用であり、一方は、ステージングチャンバ56へ拡大後のステージングT細胞26の捕集用である。ステージングチャンバ56は、濃縮CAR T細胞捕集チャンバ58への排出口64を有する。典型的な実施形態において、細胞修飾系10は、手作業の介入なしに作動する。
【0084】
[0094]CAR T細胞26は、ステージングチャンバ56が、予め定めたCAR T細胞26の集団サイズに達した後、即時使用または凍結のために濃縮チャンバ58に捕集される。プロセッシング中のステージングチャンバ56内のT細胞濃度は、捕集のための要求より低いので、CAR T細胞26は、別のチャンバ58中に濃縮される。典型的な実施形態において、濃縮は、遠心分離機なしに起こる。一部の実施形態において、低温保存バッグが、濃縮チャンバ58に結合される。
【0085】
[0095]典型的な実施形態において、流水式細胞修飾系は、複数の捕獲チャンバを含み、各捕獲チャンバは、予め定めた細胞型の複数の細胞を捕獲するために予め定めた直径の捕獲重合ビーズの組を有する。流水式細胞修飾系は、複数の遊離チャンバも含み、複数の捕獲チャンバおよび複数の遊離チャンバが、交互に順番に配置される。流水式細胞修飾系は、複数のフィルタをさらに含み、各フィルタは、予め定めた細孔サイズを有し、各フィルタは、複数の捕獲チャンバのうちの1つと複数の遊離チャンバのうちの1つを分離して捕獲重合ビーズの組を分離する。
【0086】
[0096]一部の実施形態において、光子放射は、捕えた細胞を重合ビーズから遊離させる切り離しをもたらす。光子吸収によって切り離すには、光子エネルギーは直線的に伝播するので標的連結は、放射される光子供給源の照準線を必要とする。光子放射は、散乱させうるが、通過する屈折率界面の範囲を超えて角の周りに伝播することはできない。
【0087】
[0097]成熟した細胞培養を効率的に切り離すには、連結された構造の全てが、開始放射に接近できるべきである。細胞および担体の連結された集団の全てが、培養に損傷を与えることなく開始放射に曝露されることを確実にすることが困難な場合がある。各細胞が、切り離し光子を遮るまたはエネルギー的に競合する潜在性を有する場合、細胞培養系は、光学密度の問題を示す場合がある。したがって光子系が捕獲および遊離に使用される一部の実施形態において、培養を乱流混合するなど、物理的操作を使用して全ての連結吸収部位を曝露することができる。
【0088】
[0098]他の実施形態において、遠隔物理的電磁場誘起誘導は、ラジオマイクロ波または磁場などの磁気もしくは電磁エネルギー源のいずれかによって、切り離しをもたらす。適切な場の下で、分子は、その電子結合配置または配位複合体形成関係を修飾することによって応答する。関連分子のうち1つが、常磁性であるまたは磁化率を特徴とする場合、系は、誘導場の存在下でオン/オフスイッチのように再編成される。
【0089】
[0099]一部の実施形態において、分子構造の遷移は、光子的と磁気的の両方で誘導されうる古典的なケト-エノール立体配座変化である。一部の実施形態において、化学は、トリアジン構造に基づくシアヌル酸または液晶化学、ならびに強い双極子官能性および影響を受けやすい電子配置を持つ選択したアミノ酸を含む。場に誘起される切り離しは、結合電子または誘導場との電荷相互作用によって連結している関係を逆転させる。一部の実施形態において、マンガンなどの金属と複合体形成したアミノ酸は、そのような磁化率を有する。
【0090】
[00100]そのような実施形態において、エネルギー開始の遮蔽または競合を懸念することなく、培養全体が、誘導場に曝露される。そのような効果は、磁気共鳴映像(MRI)によって明らかに実証される。典型的な実施形態において、開始周波数は、低エネルギーであり、非電離であり、培養に影響を及ぼさないものが選択される。
【0091】
[00101]微小球から細胞を遊離するための追加の適切な遊離機序には、機械的振動、低温ショック、酸性度、競合的結合、微小粒子表面浸食またはその組合せがあるが、これに限定されえない。
【0092】
[00102]一部の実施形態において、細胞は、ビオチン化された小分子および抗体などのタンパク質と相互作用するストレプトアビジン標識微小球を含有する培地溶液へのビオチンの添加など、細胞リガンド部位に競合的に結合する薬剤の添加によってPGS粒子表面から引き離される。
【0093】
[00103]一部の実施形態において、細胞はPGS表面の浸食によってPGS粒子表面から引き離される。他の実施形態において、酵素の存在、pH、溶液のイオン強度変化などの培地条件の存在下で溶解する刺激感受性PGS粒子が使用される。
【0094】
[00104]一部の実施形態において、図10に模式的に示されるように、細胞修飾系10は、流水式プロセスとして作動する。
【0095】
[00105]図10を参照すると、細胞修飾系10は、連続的または半連続的移動相「活性栄養素」流水式プロセスを含み、矢印は流れの方向を示し、交互にある捕獲(アセンブリ)チャンバ70、74、78、82および遊離(選別)チャンバ72、76、80は、サイズ排除微小球輸送を必要とする。この流水式プロセスにある垂直フィルタ84は、標的細胞を通過させるのにちょうど十分な大きさの孔を好ましくは有する。一部の実施形態において、ビーズは、ある組のビーズを次の組のビーズと良好に分離できるように、各組のビーズが厳密な直径分布を有する不連続に増大するサイズのものである。一部の実施形態において、上のプロセスにある水平フィルタ86は、担体ビーズが通過するのにちょうど十分な大きさの孔を有する。したがって、各組のビーズは、次のチャンバへの渡し船であるので、各組のビーズの相対的なサイズは、サイズ排除にとって重要である。活性な栄養素の移動相は、生体分子「スープ」のアセンブリおよび遊離と組み合わせた代謝支持化学を含みうる。他の実施形態において、ビーズは、サイズが不連続に減少するものである。他の実施形態において、ビーズは、同じサイズのものまたはサイズ傾向がないものであってもよい。
【0096】
[00106]図10をさらに参照すると、白血球26はフィルタを通過して、血液68の他の形成された血液成分(赤血球および血小板)から第1の捕獲チャンバ70内に分離される。Leukaビーズ28は、第1の捕獲チャンバ70において白血球26を捕獲する。白血球26は、第1の遊離チャンバ72内へLeukaビーズ28と共に移動し、そこでLeukaビーズ28から遊離される。白血球26は、別のフィルタを通過し、第2の捕獲チャンバ74に入る。Actビーズ24は、第2の捕獲チャンバ74内に白血球26を捕獲する。白血球26は、第2の遊離チャンバ76内へActビーズ24と共に移動し、そこでActビーズ28から遊離される。白血球26は、別のフィルタを通過し、第3の捕獲チャンバ78に入る。GMビーズ32は、第3の捕獲チャンバ78内に白血球26を捕獲し、ウイルス粒子88が、白血球26に導入される。白血球26は、第3の遊離チャンバ80内へGMビーズ32と共に移動し、そこでGMビーズ32から遊離される。白血球26は、別のフィルタを通過し、第4の捕獲チャンバ82に入る。Expビーズ36は、第4の捕獲チャンバ82内に白血球26を捕獲する。最終的に、白血球72およびExpビーズ36が、第4の捕獲チャンバ82から出る。
【0097】
[00107]その後に遊離および捕獲するための流水式の分割された組合せ式装置は、区分およびサイズ制限されたPGS微小球によってプロセスされた対象細胞のみに次のチャンバのプロセスアセンブリを排他的に可能にする。各分割されたチャンバは、プロセス工程の生化学および生体分子組成物を提供して、関連するプロセス工程を支持する。一部の実施形態において、ある組のビーズの相対的なサイズが、別の組のビーズと比較して重要でないように各組のビーズは、それぞれの捕獲チャンバと遊離チャンバの間のみ前後に往復し、他の組のビーズとは相互作用しない。
【0098】
[00108]流水系の経路は、最初から最後まで、細胞操作を終了するのに適当な時間各プロセス工程を局所的に隔てる能力がある連続的なブリードアンドフィードチャンバのあるアセンブリである。好ましくは、あるチャンバの容積および内容物から次のチャンバへの運動は「一時的に」押され、各チャンバのプロセスが進行する時間を与える特定の時間保持される。例えば、各流体容積が、あるチャンバから別のチャンバへ移動する場合、細胞が担体から離れるまでの容積保持時間がある。この一時的保持時間の間、チャンバは、隣接するチャンバとの流体連通から一時的に隔てられうる。また、この間に残屑および不要な化学物質は、次のチャンバへ細胞を遊離する前の局所的再利用およびろ過による流体管理を含めた電気泳動、電気泳動的作用ならびに化学的こすり洗いによって排除されうる。残屑由来の生細胞は、電気泳動または生細胞に関連する特性を非生細胞および化学的残屑と区別する他の活性な生理電気もしくは生理機械的デバイスプロセスを用いて、垂直な網を選択的に通過するようにさらに方向づけられうる。小分子汚染も、Miltenyi Biotec(Bergisch Gladbach、Germany)細胞化学物質などの標準的な市販の化学物質を使用して同様に分離、もしくはろ過、またはこすり洗いされうる。したがって、各チャンバは、部分的バイオリアクタとして作動しうる。
【0099】
[00109]典型的な実施形態において、サイズ特異的なPGS微小球は、それぞれのチャンバプロセスアセンブリ事象に割り当てられた微小球サイズに基づくチャンバ間の制限された渡し船である。分割された各チャンバまでの運動は、微小球サイズ排除によって制限され、それにより各特異的にサイズ定義された微小球は、1方向にしか動くことができず、捕獲チャンバと遊離チャンバの間で「制限される」。各サイズ特異的微小球は、剪断または力を加えることなく細胞を捕獲するために細胞特異的「生物学的」係留鎖で修飾される。
【0100】
[00110]選別または修飾された細胞だけが、サイズ特異的に分割された1つのチャンバから別のチャンバへ通過する。一部の実施形態において、細胞の指向的通過は、図10内で垂直な点線84として図示されるチャンバ壁の細孔サイズによって限定される。
【0101】
[00111]CAR T細胞プロセスの工程は、特定の順序で起こるように本明細書に記載され、示されるが、CAR T細胞プロセスの工程は、任意の順序で起こってもよい。一部の実施形態において、プロセスは、選択、活性化、形質導入、拡大、産物に対する任意の選択、および捕集の順で存在する。一部の実施形態において、プロセスは、一部の工程、工程の部分的順序または1つの工程の再編成を伴って存在する。
【0102】
[00112]CAR T細胞形成に関する実施形態において細胞修飾プロセスが、本明細書に特に記載されるが、細胞修飾プロセスは、細胞の係留、遊離および分離を含めた任意のプロセスでありうる。一部の実施形態において、細胞修飾プロセスは、ビーズ表面に係留された免疫細胞をバイオプロセッシングする工程と、係留された細胞にモノクローナル抗体(mAb)を産生させる工程とを含んでもよく、その抗体は、フィルタによって容易に取り出され、捕集され、一方で係留された細胞はチャンバ内に留まる。
【実施例
【0103】
[00113]本発明は、限定するためではなく例示するために示される以下の例の文脈でさらに記載される。
【0104】
実施例1
[00114]抗体を係留するためのPGSU微小球を、100℃に設定したオーブン中で1時間、第1の溶融PGS樹脂によって生成した。溶融樹脂を、次いで混合カップに注入し、5分間冷却し、およそ50重量%のアセトンを添加して樹脂を可溶化した。PGS樹脂およびアセトンを、FlackTekミキサー(FlackTek、Inc.Landrum、SC)中で、2000RPMで2分間混合して、均一なプレポリマー溶液を形成させた。2L反応容器に油1200mLを添加することによって連続的な油相を調製した。界面活性剤トリオレイン酸ソルビタン[Span(登録商標)85]36gを反応容器に添加し、次いで、回転翼、蓋およびクランプアセンブリを構築してシールを形成した。次いで窒素ガスを、連続的な油相上に流した。次いで回転翼のスイッチを入れ、連続的な油相を速度約800RPMで混合した。任意選択で、反応容器温度の熱電対測定で加熱マントルを30分間平衡化した後、反応速度を増大させるために昇温を使用してもよい。ここで、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を、PGSプレポリマー溶液に添加し、FlackTekミキサー中で、2000RPMで1分間混合した。HDI 14.85mLをPGS 56gに添加し、PGS:HDI比3.6:1.0のプレポリマーを形成した。HDIを含有する完成されたプレポリマー溶液を、125mL添加漏斗に入れ、反応容器に接続し、次いで連続的な油相内で計量した。PGS微小球を次いで乳化し、連続的な油相の温度によって決まるが、典型的には数分間から24時間である時間、架橋させた。一旦微小球の架橋が完成したら、PGSU微小球を反応容器から抽出し、ヘプタンで洗浄して残油を除去し、真空下で数日間乾燥させ、次いで適用に必要な所望のサイズにふるい分けした。
【0105】
実施例2
[00115]45μm~75μmにサイズ調整したPGSU微小球の粒子を、実施例1に記載の通り調製して、抗体をPGSU微小球表面へコンジュゲーションさせた。1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)/N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)に基づいて微小球に抗体をコンジュゲートする場合、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液を50mMに希釈し、界面活性剤として作用するために0.5mg/mLドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加することによって、活性化緩衝液50mLを調製した。乾燥した、清浄なPGSU粒子500mgを秤量し、15mL遠心チューブに入れた。PGSU微小球の表面を、微小球に0.1M NaOH 10mL溶液を添加することによって水酸化エッチングし、微小球表面の均一な活性化を確実にするために回転ミキサーで次いで5分間混合した。5分後、PGSU微小球を、800gの力で3分間ペレットへと遠心分離し、次いで上清を除去した。一旦NaOHを除去したら、微小球を、活性化緩衝液10mLで5分間3回洗浄し、洗浄間には800gで3分間の遠心分離工程および上清除去を含んだ。3回目の洗浄後、微小球を活性化緩衝液3mLに懸濁し、取り置いた。別々の1.5mLエッペンドルフチューブにEDC 0.2gおよびNHS 0.2gを秤量し、次いで活性化緩衝液1mLを各チューブに添加し、その後EDCおよびNHS固形物が溶解するまでボルテックスすることによってEDC/NHS溶液を調製した。溶解したEDC溶液を、微小球を含有するチューブに次いで添加し、続いて微小球およびEDCを含有するチューブに、溶解したNHS溶液を添加した。組み合わせた溶液を、室温で、回転ミキサーで30分間混合し、次いで800gで3分間遠心分離した。EDC/NHS上清溶液を除去し、活性化緩衝液5mLと置きかえて、それぞれ5分間、合計2回洗浄し、各洗浄の終了時には遠心分離および上清除去を行った。活性化した微小球を、pH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS)緩衝液5mLに次いで懸濁した。抗体のコンジュゲーションを、活性化した微小球に抗体400μgを添加することによって行い、次いでそれを回転ミキサーで2時間混合した。コンジュゲーション後、抗体結合微小球を、pH7.4のPBS緩衝液5mLで3回洗浄し、洗浄工程の間には800gで3分間遠心分離し上清除去した。最後の洗浄サイクル後、微小球をPBS緩衝液5mLに懸濁して、PGSU-ab微小球の10%質量/容積溶液を形成した。
【0106】
実施例3
[00116]ヒトT細胞の不死化細胞系の1つの型であるJurkat細胞を、濃度1000000個細胞/mLで播種して、抗CD3/抗CD28PGSU細胞活性化微小球へ終夜付着させた。図11の第1の画像90および第2の画像92は、高倍率で微小球100および付着している細胞102を示し、第1の画像90におけるスケールバーは150μmを表し、第2の画像92におけるスケールバーは、50μmを表す。
【0107】
実施例4
[00117]実施例3のJurkat細胞が付着した微小球90を、1mLピペットを使用して2分間の激しいピペット操作の形態で機械的振動に曝露した。付着しているJurkat細胞を、機械的振動によって細胞活性化微小球表面から遊離させた。図11の第3の画像94は、機械的振動によって遊離された細胞104を示す。第3の画像94におけるスケールバーは、150μmを表す。
【0108】
実施例5
[00118]実施例3のJurkat細胞が付着した微小球90を、冷却培地の形態、特に温度4℃の培地で低温ショックに15分間曝露して、細胞膜を固め、細胞を遊離させた。付着しているJurkat細胞を、低温ショックによって細胞活性化微小球表面から遊離させた。図11の第4の画像96は、低温ショックによって遊離された細胞104を示す。第4の画像96におけるスケールバーは、150μmを表す。
【0109】
実施例6
[00119]実施例3のJurkat細胞が付着した微小球90を、酸性培地、特にpH3.5の酸性培地に10分間曝露した。付着しているJurkat細胞を、酸性培地によって細胞活性化微小球表面から遊離させた。図11の第5の画像98は、酸性培地によって遊離された細胞104を示す。第5の画像98におけるスケールバーは、150μmを表す。
【0110】
[00120]上述の参照の全てを、本明細書において参照によりここに組み込む。
【0111】
[00121]本発明について、1つまたは複数の典型的な実施形態を参照して記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が行われてもよく、同等物がその要素の代わりに置換されうることは当業技術者によって理解されよう。加えて、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるために、その本質的な範囲から逸脱することなく多くの修飾が、行われてもよい。したがって、本発明は、この発明を実施することを考慮した最良の様式として開示される特定の実施形態に限定されるものではないが、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことになることが意図される。加えて、詳細な説明において特定される数値の全ては、あたかも正確な値と近似値が両方とも明示的に特定されているかのように解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】