IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティの特許一覧

<>
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図1
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図2
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図3
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図4
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図5-1
  • 特表-抗がん作用を有する化合物 図5-2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】抗がん作用を有する化合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20230719BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P43/00 105
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581398
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021040171
(87)【国際公開番号】W WO2022006447
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/047,612
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518148685
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ギタイ、 ゼメル
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ハーン
(72)【発明者】
【氏名】マーチン、 ジェイムズ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】シーハン、 ジョセフ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ラビノウィッツ、 ジョシュア ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シュー、 シンチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェイン、 コナー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC01
4C086ZC75
(57)【要約】
一側面において、がんの治療用の化合物および関連する医薬組成物が記載される。いくつかの実施形態において、例えば、医薬組成物は、抗がん活性を示すのに十分な量の式(I)の化合物を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I) の化合物および/またはその塩を含む医薬組成物であって、
【化1】

式中、
R1、R3、R4およびR5は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、イミン、シアノイミン、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、酸、ハロ、および尿素からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミドおよびスルホンアミドは、任意で(C1~C10)-アルキル、(C1~C10)-アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アミド、スルホンアミド、尿素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C(O)OR6およびC(O)R7からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、R6は水素、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択され、R7は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は独立に水素、アルキル、アルケニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
R2は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキニル、アルケニル、アルキルニレンアルキル、アルキニレン-シクロアルキル、アルキニレン-ヘテロシクロアルキル、アルキニレン-アリール、アルキニレン-ヘテロアリール、アルキニレンアミン、アルキニレン-保護アミン、アルキニレン-アルキルシラン、フルオロアルキル、フルオロ、ブロモ、B(OH)2、ニトロ、シアノ、およびアルコキシからなる群から選択され;
Aは、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
XおよびZは、独立に、C、N、O、S、SO2、およびNR10R11からなる群から選択され、R10およびR11は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R12からなる群から選択され、R12は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10およびR11は任意で環構造を形成してもよく;
Yは、OH、アルコキシ、およびNR13R14からなる群から選択され、R13およびR14は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、およびC(O)R15からなる群から選択され、R15は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R13およびR14は任意で環構造を形成していてもよく、ここでアリール、ヘテロアリール、アルキレンアリール、およびアルキレンヘテロアリールは任意でアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、およびアルキニレン-アルキルシランからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく;
nは0から5までの整数であり、
式(I) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量で前記医薬組成物中に存在する、
医薬組成物。
【請求項2】
R2が、アルキニル、アルキルニレン-アルキル、アルキニレン-シクロアルキル、アルキニレン-ヘテロシクロアルキル、アルキニレン-アリール、アルキニレン-ヘテロアリール、アルキニレンアミン、アルキニレン保護アミン、およびアルキニレン-アルキルシランからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
R2が、アルキニル、アルケニル、およびアルキルニレンアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
R1およびR4が、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
YがNR12R13であり、R12およびR13は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
XおよびZが独立にCおよびNから選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
R3が、水素およびアルキルからなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
式(I) の化合物が、
【化2】

である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
XおよびZが、CおよびNからなる群から選択され、R1、R3およびR4は独立に水素、アルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
式(I) の化合物および/またはその塩が、0.01 nM~1μMの量で存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
式(I) の化合物および/またはその塩が、0.1 nM~500 nMの量で存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項12】
式(I) の化合物が、がん細胞におけるプリンおよび/またはチミンの生合成を阻害する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記がん細胞が膵がん細胞である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
式(I) の化合物が、還元型葉酸キャリアを下方調節するがん細胞に対して、ペメトレキセドまたはメトトレキサートと比較してより高い効力を示す、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項15】
式(I) の化合物が、結腸直腸腫瘍の増殖を阻害する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項16】
1つ以上のアジュバントまたは追加の化学療法剤をさらに含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項17】
がん組織を有する患者に、請求項1に記載の医薬組成物を投与することを含む、がんの治療方法。
【請求項18】
前記がん組織の細胞は還元型葉酸キャリアを下方調節する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式(I) の化合物のIC50が0.1 nM未満である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式(I) の化合物が、
【化3】

である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のデータ
本願は、2020年7月2日に出願された米国仮特許出願第63/047,612号に対して特許協力条約第8条に基づく優先権を主張するものであり、該米国仮特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の権利に関する声明
この発明は、国立衛生研究所 (NIH) から授与されたグラント第DP1AI124669のもとで政府の支援を受けてなされた。政府は、この発明に関して一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、抗がん化合物およびその化合物に関連する作用様式に関する。
【背景技術】
【0004】
がんは、米国および世界中において年間死亡数のかなりを占めている。現在、がんの治療のために、放射線療法、化学療法、ならびに、がん組織の完全除去および細胞切除やがん緩和を含む手術など、多くの戦略が存在する。多くの場合、がんの治療戦略には、手術や化学療法などの補助療法が含まれる。例えば、細胞切除術では、術後に残った異常組織が化学療法で処置され得る。
【0005】
がん治療は本質的に破壊的であるため、健康な非がん組織への損傷などの有害な副作用が生じることが多い。例えば、さまざまな化学療法剤の細胞毒性は、貧血、脱毛(毛髪脱落)、吐き気や嘔吐、神経の損傷(灼熱痛、しびれ感、チクチクする痛み、または電撃痛をもたらす)を引き起こす可能性がある。化学療法はさらに免疫抑制や骨髄抑制に陥らせることがあり、それによって患者が感染症その他の疾患にかかる可能性を増加させ得る。
【0006】
ナノ粒子組成物を利用した低体温性技術などの代替的戦略も開発されている。ナノ粒子療法には、深部の腫瘍組織を治療できないことや、リンパ系のさまざまな領域に集まるナノ粒子のネガティブな免疫反応を含め、いくつかの欠点がある。したがって、ナノモーラー濃度で効果的となり得る新しいがん治療が必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
一側面において、がんの治療用の化合物および関連する医薬組成物が本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、例えば、医薬組成物は、下記式 (I) の化合物および/またはその塩を含み、
【化1】

式中、
R1、R3、R4およびR5は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、イミン、シアノイミン、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、酸、ハロ、および尿素からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミドおよびスルホンアミドは、任意で、(C1-C10)-アルキル、(C1-C10)-アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アミド、スルホンアミド、尿素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C(O)OR6およびC(O)R7からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、R6は水素、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択され、R7は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は独立に水素、アルキル、アルケニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキニル、アルケニル、アルキルニレンアルキル、アルキニレン-シクロアルキル、アルキニレン-ヘテロシクロアルキル、アルキニレン-アリール、アルキニレン-ヘテロアリール、アルキニレンアミン、アルキニレン-保護アミン、アルキニレン-アルキルシラン、フルオロアルキル、フルオロ、ブロモ、B(OH)2、ニトロ、シアノ、およびアルコキシからなる群から選択され、
Aは、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
XおよびZは、独立に、C、N、O、S、SO2、およびNR10R11からなる群から選択され、ここでR10およびR11は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R12からなる群から選択され、R12は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、R10およびR11は任意で環構造を形成してもよく、
Yは、OH、アルコキシ、およびNR13R14からなる群から選択され、ここでR13およびR14は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、およびC(O)R15からなる群から選択され、R15は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、R13およびR14は任意で環構造を形成してもよく、ここでアリール、ヘテロアリール、アルキレンアリールおよびアルキレンヘテロアリールは、任意で、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、およびアルキニレン-アルキルシランからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
nは0から5までの整数であり、
式(I) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量において医薬組成物中に存在する。
【0008】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、式 (II) の化合物および/またはその塩を含み、
【化2】

式中、R1、R3、R4およびR5は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、酸、ハロ、および尿素からなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキレンアリール、アルキレンヘテロアリール、アミドおよびスルホンアミドは、任意で、(C1-C10)-アルキル、(C1-C10)-アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アミド、スルホンアミド、尿素、ハロ、ヒドロキシ、C(O)OR6およびC(O)R7からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、R6は水素、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択され、R7は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
R2は、アリーレンアルキニル、ヘテロアリーレンアルキニル、アリーレンアルケニル、ヘテロアリーレンアルケニル、アルキルニレンアルキル、アルキニレンシクロアルキル、アルキニレンヘテロシクロアルキル、アルキニレンアリール、アルキニレンヘテロアリール、アルケニレンアリール、アルケニレンヘテロアリール、アルキニレンアミン、アルキニレン保護アミン、およびアルキニレンアルキルシランからなる群から選択され、
XおよびZは、独立に、C、N、O、S、SO2、およびNR10R11からなる群から選択され、R10およびR11は、独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R12からなる群から選択され、R12は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、R10およびR11は任意で環構造を形成してもよく、
Yは、OHおよびNR12R13からなる群から選択され、R13およびR14は、独立に、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素およびC(O)R15からなる群から選択され、R15は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、R13およびR14は任意で環構造を形成してもよく、nは0から5までの整数であり、
式(II) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量において医薬組成物中に存在する。
【0009】
別の側面では、医薬組成物は、式 (III) の化合物および/またはその塩を含み、
【化3】

式中、R1~R6は独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、ハロ、尿素、および-C(O)OR7からなる群から選択され、R7は水素およびアルキルからなる群から選択され、各Xは独立にC、N、O、S、SO2、NR8R9からなる群から選択され、ここでR8およびR9は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R10からなる群から選択され、R10は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R8およびR9は任意で環構造を形成してもよく、Yは、OHおよびNR11R12からなる群から選択され、R11およびR12は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素およびC(O)R13からなる群から選択され、ここでR13は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R11およびR12は任意で環構造を形成してもよく、nは0から5までの整数であり、
式(III) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量において該医薬組成物中に存在する。
【0010】
別の側面では、医薬組成物は、式 (IV) の化合物および/またはその塩を含み、
【化4】

式中、R1~R6は独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、ハロ、尿素、および-C(O)OR7からなる群から選択され、R7は水素およびアルキルからなる群から選択され、各Xは独立にC、N、O、S、SO2、およびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R10からなる群から選択され、R10は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR8およびR9は任意で環構造を形成していてもよく;Yは、OHおよびNR11R12からなる群から選択され、R11およびR12は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R13からなる群から選択され、R13は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR11およびR12は任意で環構造を形成していてもよく;AAはアリレン、ヘテロアリレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され、nは0から5までの整数であり、
式(IV) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量で該医薬組成物中に存在する。
【0011】
別の側面では、医薬組成物は式 (V) の化合物および/またはその塩を含み、
【化5】

式中、R1~R6は、独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、ハロ、尿素、および-C(O)OR7からなる群から選択され、R7は水素およびアルキルからなる群から選択され、各Xは独立にC、N、O、S、SO2、およびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R10からなる群から選択され、R10は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR8およびR9は任意で環構造を形成していてもよく;Yは、OHおよびNR11R12からなる群から選択され、R11およびR12は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R13からなる群から選択され、R13は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR11およびR12は任意で環構造を形成していてもよく;nは0から5までの整数であり、
式(V) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量で該医薬組成物中に存在する。
【0012】
別の側面では、医薬組成物は、式 (VI) の化合物および/またはその塩を含み、
【化6】

式中、R1~R6は、独立に水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、ハロ、尿素、および-C(O)OR7からなる群から選択され、R7は水素およびアルキルからなる群から選択され、各Xは独立にC、N、O、S、SO2、およびNR8R9からなる群から選択され、R8およびR9は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R10からなる群から選択され、R10は、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR8およびR9は任意で環構造を形成していてもよく;Yは、OHおよびNR11R12からなる群から選択され、R11およびR12は独立に水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アミド、スルホンアミド、尿素、およびC(O)R13からなる群から選択され、R13は水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR11およびR12は任意で環構造を形成していてもよく;AAは、アリレン、ヘテロアリレン、シクロアルキレン、およびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され、nは0から5までの整数であり、
式(VI) の化合物は、抗がん特性を示すのに十分な量で該医薬組成物中に存在する。
【0013】
いくつかの実施形態において、式 (I) ~ (VI) のうちの1つ以上に該当する1つ以上の化合物は、ナノモーラー(nM)濃度で抗がん特性を示す。いくつかの実施形態において、例えば、1つ以上の化合物は、0.01 nMから1μM超までの濃度において抗がん特性を示す。
【0014】
別の側面では、がん組織を治療する方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、方法は、治療的有効量の式I~VIの1つ以上の化合物を、がん組織を有する患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、がん細胞の増殖および/または腫瘍の増殖を停止させる。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、腫瘍の大きさを縮小させ得る。
【0015】
これらおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1Aおよび図1Bは、いくつかの実施形態に従って、本明細書に記載された式Iの化合物によるがん細胞増殖の阻害を示す。
図2図2は、いくつかの実施形態に従って、式Iの化合物からの葉酸競合を示す。
図3図3Aおよび3Bは、いくつかの実施形態に従って、式Iの化合物による処置に応答した経時的な腫瘍体積の変化および腫瘍倍加時間をそれぞれ示す。図3Cは、いくつかの実施形態に従って、式1の化合物で処置された腫瘍におけるプリン合成の中間体グリシンアミドリボヌクレオチド(GAR)および5-アミノイミダゾール-4-カルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)のレベルを示す。
図4図4Aおよび4Bは、いくつかの実施形態に従って、式Iの化合物による処置に応答した腫瘍体積の経時的変化および腫瘍倍加時間をそれぞれ示す。
図5図5Aは、いくつかの実施形態に従って、式Iの化合物の投与に応答した腫瘍体積の変化を示す。図5Bは、化合物1の投与に応答した循環チミジンのプールサイズを示す。図5Cは、化合物1の投与に応答した腫瘍におけるチミジンリボヌクレオチド中間体dUMPならびにプリン中間体GARおよびAICARのレベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載される実施形態は、以下の詳細な説明と例、およびそれらの前後の記述を参照することによって、より容易に理解することができる。ただし、ここに記載される要素、装置および方法は、詳細な説明と例に提示されている特定の実施形態に限定されない。これらの実施形態は、本発明の原理を例示しているにすぎないことが認識されるべきである。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多数の修正および適応が当業者に容易に明らかになるであろう。
【0018】
[定義]
本明細書において単独または組み合わせで使用される「アルキル」という用語は、任意で1つ以上の置換基で置換されてもよい直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を表す。例えば、アルキルはC1~C30またはC1~C18であり得る。
【0019】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し任意で1つ以上の置換基で置換されてもよい直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。
【0020】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し任意で1つ以上の置換基(アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミン、および/またはアルキルシランを含むがこれらに限定されない)で置換されてもよい直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。
【0021】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「アリール」という用語は、任意で1つ以上の環置換基で置換されてもよい芳香族単環または多環の環系を表す。
【0022】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「ヘテロアリール」という用語は、環原子のうちの1つ以上が窒素、酸素および/または硫黄などの炭素以外の元素である芳香族単環または多環の環系を表す。
【0023】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「シクロアルキル」という用語は、任意で1つ以上の環置換基で置換されてもよい非芳香族の単環または多環の環系を表す。
【0024】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環系中の原子のうちの1つ以上が窒素、酸素または硫黄などの炭素以外の元素(単独または組み合わせ)である、非芳香族の単環または多環の環系を表し、該環系は任意で1つ以上の環置換基で置換されてもよい。
【0025】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「ヘテロアルキル」という用語は、上記で定義されたアルキル部分であって、鎖中の1つ以上の炭素原子(例えば1つ、2つまたは3つの炭素原子)が1つまたは複数のヘテロ原子(同じであっても異なっていてもよい)で置き換えられているものを表し、分子の残りの部分との結合点はヘテロアルキルラジカルの炭素原子を介する。
【0026】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「アルコキシ」という用語は、化学部分RO-を指し、ここでRは上記で定義されたアルキルまたはアルケニルである。
【0027】
本明細書において単独または組み合わせで使用される「ハロ」という用語は、周期表のVIIA族の元素(ハロゲン)を表す。化学環境に応じて、ハロはニュートラル状態またはアニオン状態になり得る。ハロは例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを包含する。
【0028】
[I.がん治療用の医薬組成物]
本明細書では様々な化合物が記述されている。上で論じられ、下記の例でさらに説明するように、化合物はいくつかの実施形態において抗癌特性を示すことができる。化合物は、上述した式I~VIのいずれか1つに該当し得る。式I~VIの化合物および/または塩(複数可)は、癌組織の増殖を防止または阻害することと合致する任意の量で個別に投与され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の化合物が0.001 nMから1μM超の量または濃度で投与される。式I~VIのいずれかの化合物は、表Iから選択される量または濃度でも投与され得る。
【0029】
表I―式I~VIの化合物の量
【表1】
【0030】
さらに、式I~VIの化合物および/または塩は、本明細書に記載される医薬組成物において、お互いと、および/または他の化学療法剤もしくはアジュバントと、組み合わせることができる。式I~VIの化合物および/または塩(複数可)はまた、任意の生理学的に適切な担体または賦形剤と組み合わせることもできる。
【0031】
本明細書に記載される医薬組成物に使用される式I~VIの化合物の量または濃度は、治療されるがんのアイデンティティおよび/または性質に依存し得る。いくつかの実施形態において、式I~VIの化合物は、還元型葉酸キャリア(RFC:reduced folate carrier)を下方調節するがん細胞株に対して適用される。これらの細胞株は、例えば、ペメトレキセドおよび/またはメトトレキサートに対して耐性であり得る。しかしながら、本明細書で示されるように、式I~VIの化合物は、ペメトレキセドおよび/またはメトトレキサートと比較して、RFCを下方調節する細胞株に対してより高い効力を示すことができる。式I~VIの化合物は、いくつかの実施形態において、プリンおよび/またはチミジン生合成を妨害することによってがん細胞の増殖を阻害することができる。例えば、式I~VIの1つ以上の化合物は、膵がん細胞および/または結腸直腸がん細胞におけるプリンおよび/またはチミジン生合成を妨害し得る。いくつかの実施形態において、式I~VIの化合物は、がん細胞増殖を阻害することについて0.001 nM~1μMまたは0.1 nM~100 nMのIC50値を示すことができる。いくつかの実施形態においてIC50値は1μM超である。
【0032】
[II.がんを治療する方法]
別の側面では、がん組織を処置する方法が本明細書に記述される。いくつかの実施形態では、方法は、治療的有効量の式I~VIの1つ以上の化合物またはその塩を、がん組織を有する患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、がん細胞の増殖および/または腫瘍の増殖を停止または阻害する。いくつかの実施形態では、治療的有効量は、腫瘍の大きさを縮小することもできる。いくつかの実施形態では、式I~VIのいずれかの化合物またはその塩は、表Iから選択される量で投与される。いくつかの実施形態では、式I~VIのいずれかの2つ以上の化合物の組み合わせが、がん性の細胞および組織を処置することに利用され得る。さらに、式I~VIの化合物は、がんの治療のために、任意のアジュバントまたは他の化学療法剤と組み合わせることができる。
【0033】
これらおよび他の実施形態は、以下の非限定的な実施例でさらに例示される。
【実施例
【0034】
実施例―抗がん活性を示す化合物
いくつかの実施形態において、式I~VIの少なくとも1つに従う以下の化合物の1つ以上は抗がん活性を示す。化合物は、次の一般的反応スキームに従って調製された。一般的な溶媒は使用前に精製された。すべての試薬は試薬グレードであり、必要に応じて精製された。Whatmanプレコートシリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)によって反応を監視した。メルク社の超純シリカゲル(200~400メッシュ)上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを行った。1H NMRスペクトルはBruker AVANCE 300(300 MHz)、400 MHzまたは500 MHzの分光器で記録された。1H NMRの多重度は、s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、quint=五重項、sext=六重項、dd=二重項の二重項、dt=三重項の二重項、m=多重項、br=ブロードと指定される。エレクトロスプレイ衝突(ESI)質量スペクトルをISQEC質量分析計で記録した。
【化7】
【0035】
乾燥DMF(20 mL)中の7H-ピロロ[3, 2-f]キナゾリン-1,3-ジアミン(1.0 mmol)の撹拌溶液にNaH(1.2 mmol)を加えた。得られた反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、対応する臭化物(1.5 mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーで精製し、1% Et3Nを含む10:1 DCM:MeOHで溶出させ、目的の化合物を固体として得た。上記の手順に従って、以下の特定の化合物を合成した。
【0036】
[化合物1(IRS-17)]
【化8】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.78 (s, 2H), 5.89 (s, 2H), 5.53 (s, 2H), 4.14 (s, 1H). MS (ESI): [M+H+] 314.12.
【0037】
[化合物2]
【化9】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.65 - 7.56 (m, 5H), 7.47 - 7.40 (m, 2H), 7.37 - 7.31 (m, 1H), 7.29 - 7.24 (m, 2H), 7.22 - 7.11 (m, 2H), 6.74 (s, 2H), 5.60 (s, 2H), 3.84 - 3.66 (m, 4H).
【0038】
[化合物3]
【化10】

1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.88 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.46 - 7.33 (m, 5H), 7.17 - 7.06 (m, 2H), 6.70 (s, 2H), 5.72 (s, 2H), 5.43 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+]314.12.
【0039】
[化合物4]
【化11】

1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.80 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.43 - 7.37 (m, 2H), 7.34 - 7.26 (m, 2H), 7.26 - 7.22 (m, 1H), 7.08 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 6.67 (s, 2H), 6.52 - 6.46 (m, 2H), 5.67 (s, 2H), 5.09 - 5.01 (m, 2H).
MS(ESI): [M+H+]316.15.
【0040】
[化合物5]
【化12】

1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.39 - 7.25 (m, 3H), 7.13 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.97 - 6.89 (m, 3H), 6.87 - 6.80 (m, 2H), 6.68 (s, 2H), 5.69 (s, 2H), 5.50 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 382.12.
【0041】
[化合物6]
【化13】

PPC-002-0036-1
【0042】
[化合物7]
【化14】

PPC-002-0053-1
【0043】
[化合物8]
【化15】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.73 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.65 (s, 2H), 5.65 (s, 2H), 5.43 (s, 2H), 2.80 (p, J= 7.0 Hz, 1H), 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 6H).
MS(ESI):[M+H+]332.42.
【0044】
[化合物9]
【化16】

1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.14 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.68 (s, 2H), 6.47 - 6.30 (m, 1H), 5.53 (s, 2H), 4.16 (s, 1H), 2.84 - 2.70 (m, 1H), 0.68 - 0.57 (m, 2H), 0.48 - 0.39 (m, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 354.15.
【0045】
[化合物10]
【化17】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.60 (s, 2H), 7.37 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 7.31 - 7.24 (m, 2H), 7.21 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.18 - 7.11 (m, 2H), 5.56 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 308.15.
【0046】
[化合物11]
【化18】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.78 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.68 (s, 2H), 5.69 (s, 2H), 4.13 (d, J= 7.5 Hz, 2H), 2.42 - 2.29 (m, 1H), 1.66 - 1.58 (m, 2H), 1.58 - 1.52 (m, 2H), 1.51 - 1.44 (m, 2H), 1.28 - 1.20 (m, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 282.24.
【0047】
[化合物12]
【化19】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 - 7.82 (m, 1H), 7.80 - 7.72 (m, 1H), 7.39 - 7.31 (m, 1H), 7.25 - 7.18 (m, 1H), 7.14 - 7.05 (m, 2H), 7.04 - 6.96 (m, 2H), 5.55 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 308.06.
【0048】
[化合物13]
【化20】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.75 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.41 - 7.34 (m, 1H), 7.34 - 7.26 (m, 1H), 7.11 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.02 - 6.99 (m, 1H), 6.72 (s, 2H), 5.73 (s, 2H), 5.49 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 326.10.
【0049】
[化合物14]
【化21】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.76 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.18 - 7.09 (m, 2H), 7.05 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 6.90 - 6.84 (m, 2H), 6.78 (s, 2H), 5.81 (s, 2H), 5.54 (s, 2H).
MS(ESI): [M+H+] 326.10.
【0050】
[化合物15]
【化22】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.69 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 3H), 7.01 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.77 (s, 2H), 5.78 (s, 2H), 5.48 (s, 2H), 2.81 - 2.65 (m, 1H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
MS (ESI): [M+H+] 356.20
【0051】
[化合物16]
【化23】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.34 - 7.29 (m, 2H), 7.29 (s, 1H), 7.18 - 7.05 (m, 3H), 7.01 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.79 (s, 2H), 5.79 (s, 2H), 5.49 (s, 2H), 3.91 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 1.35 (s, 9H).
MS (ESI): [M+H+] 443.53
【0052】
[化合物17]
【化24】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.68 (m, 1H), 7.64 - 7.59 (m, 1H), 7.34 - 7.26 (m, 2H), 7.15 - 7.06 (m, 4H), 6.67 (s, 2H), 6.37 (s, 1H), 5.51 (s, 2H), 2.83 - 2.74 (m, 1H), 1.18 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 0.63 (m, 2H), 0.51 - 0.37 (m, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 396.50
【0053】
[化合物18]
【化25】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.73 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.69 - 7.60 (m, 1H), 7.32 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.15 - 7.07 (m, 4H), 5.51 (s, 2H), 2.88 - 2.72 (m, 1H), 0.86 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 0.64 (dd, J = 6.4, 2.4 Hz, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 368.45
【0054】
[化合物19]
【化26】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.74 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.55 - 7.49 (m, 4H), 7.42 (d, J= 3.2Hz, 3H), 7.20 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 - 7.11 (m, 2H), 6.75 (s, 2H), 6.46 (s, 1H), 5.57 (s, 2H), 2.79 (m, 1H), 0.64 (m, 2H), 0.52 - 0.40 (m, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 430.49
【0055】
[化合物20]
【化27】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.33 - 7.26 (m, 2H), 7.16 - 7.06 (m, 4H), 6.69 (s, 2H), 6.40 (s, 1H), 5.50 (s, 2H), 2.79 (m, 1H), 1.51 (m, 1H), 0.91 - 0.81 (m, 4H), 0.73 - 0.59 (m, 4H)
MS (ESI): [M+H+] 394.19
【0056】
[化合物21]
【化28】

PPC-002-0082-1
【0057】
[化合物22]
【化29】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.17 - 7.08 (m, 3H), 7.02 (d, J = 8.8Hz, 1H), 6.73 (s, 2H), 5.76 (s, 2H), 5.50 (s, 2H), 1.50 (m, 1H), 0.91 - 0.79 (m, 2H), 0.72 - 0.64 (m, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 354.46
【0058】
[化合物23]
【化30】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.80 (d, J= 8.8Hz, 1H), 7.71 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.57 - 7.46 (m, 4H), 7.42 (q, J= 2.8 Hz, 3H), 7.25 - 7.16 (m, 3H), 7.08 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.13 (s, 2H), 5.58 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 390.41
【0059】
[化合物24]
【化31】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (d, J=9.0Hz, 1H), 7.93 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.67 (s, 2H), 7.47 - 7.37 (m, 3H), 7.22 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 3H), 5.64 (s, 2H), 3.98 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 343.38
【0060】
[化合物25]
【化32】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.75 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.37 - 7.26 (m, 2H), 7.17 - 7.10 (m, 3H), 7.04 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.88 (s, 2H), 5.93 (s, 2H), 5.51 (s, 2H), 2.00 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 328.37
【0061】
[化合物26]
【化33】

1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.90 - 7.79 (m, 4H), 7.77 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.52 - 7.43 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.22 (s, 2H), 5.68 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 340.35
【0062】
[化合物27]
【化34】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (s, 1H), 7.65 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.41 - 7.34 (m, 6H), 7.31 (s, 1H), 7.23 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.86 (s, 2H), 5.51 (s, 2H), 4.83 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 0.95 (m, 18H), 0.59 (m, 12H).
MS (ESI): [M+H+] 657.03
【0063】
[化合物28]
【化35】

PPC-002-0091-1
【0064】
[化合物29]
【化36】

PPC-002-0092-1
【0065】
[化合物30]
【化37】

PPC-002-0093-1
【0066】
[化合物31]
【化38】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.79 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 3.2 Hz, 5H), 7.05 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.92 (s, 2H), 5.98 (s, 2H), 5.46 (s, 2H), 2.55 (m, 2H), 1.12 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 318.36
【0067】
[化合物32]
【化39】

PPC-002-0095-1
【0068】
[化合物33]
【化40】

1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.41 - 7.34 (m, 2H), 7.13 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.07 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.74 (s, 2H), 6.65 (dd, J = 17.6, 11.0 Hz, 1H), 5.81 - 5.68 (m, 3H), 5.46 (s, 2H), 5.19 (dd, J = 10.9, 1.0 Hz, 1H).
MS (ESI): [M+H+] 316.40
【0069】
[化合物34]
【化41】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.22 - 8.17 (m, 2H), 7.96 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.43 - 7.35 (m, 3H), 7.19 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.12 (s, 2H), 5.76 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 335.08
【0070】
[化合物35]
【化42】

PPC-002-0101
【0071】
[化合物36]
【化43】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.80 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.33 - 7.23 (m, 2H), 7.19 - 7.07 (m, 3H), 7.01 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.80 (s, 2H), 5.95 (q, J= 6.8 Hz, 1H), 5.81 (s, 2H), 1.90 (d, J = 6.8Hz, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 322.32
【0072】
[化合物37]
【化44】

PPC-002-0114
【0073】
[化合物38]
【化45】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.07 (dd, J= 4.0, 2.0 Hz, 1H), 8.43 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.8Hz, 1H), 7.73 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 8.4, 4.4 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.16 (d, J = 3.2Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.4, 4.4Hz, 2H), 6.92 (s, 2H), 6.15 (s, 2H), 5.95 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 341.33
【0074】
[化合物39]
【化46】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.78 (d, J= 8.8Hz, 1H), 7.37 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.25 - 7.14 (m, 2H), 7.12 - 6.94 (m, 4H), 6.73 (s, 2H), 5.79 (s, 2H), 4.47 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.08 (t, J= 7.2 Hz, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 341.33
【0075】
[化合物40]
【化47】

1H NMR (300 MHz, Methanol-d4) δ 7.78 (dd, J= 9.1, 0.9 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.62 - 7.55 (m, 2H), 7.41 - 7.30 (m, 2H), 7.25 - 7.18 (m, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 294.30
【0076】
[化合物41]
【化48】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.74 (s, 1H), 7.65 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.55 - 7.46 (m, 2H), 7.30 - 7.20 (m, 2H), 7.20 - 7.09 (m, 3H), 7.01 - 6.94 (m, 2H), 6.83 (s, 2H), 5.71 (s, 2H), 5.54 (s, 2H), 3.80 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 414.48
【0077】
[化合物42]
【化49】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.22 - 8.13 (m, 1H), 8.12 - 8.03 (m, 1H), 7.72 (d, J = 9.2Hz, 1H), 7.66 - 7.57 (m, 2H), 7.48 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.2Hz, 1H), 6.70 (s, 2H), 6.68 (s, 1H), 5.97 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 2.62 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 354.44
【0078】
[化合物43]
【化50】

1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.70 (dd, J= 2.2, 0.8 Hz, 1H), 8.57 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.04 (dt, J = 8.0, 2.0Hz, 1H), 7.83 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.29 - 7.18 (m, 2H), 7.13 (dd, J = 3.2, 0.8 Hz, 1H), 7.10 - 7.00 (m, 2H), 5.56 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 385.41
【0079】
[化合物44]
【化51】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.25 (m, 2H), 7.79 - 7.70 (m, 4H), 7.55 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.76 (s, 2H), 6.54 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.04 (s, 2H), 5.76 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 418.31
【0080】
[化合物45]
【化52】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.82 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 7.47 (s, 2H), 7.25 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 2H), 6.58 (s, 2H), 5.59 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 309.36
【0081】
[化合物46]
【化53】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.66 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.29 - 7.20 (m, 2H), 7.20 - 7.09 (m, 3H), 6.85 (s, 2H), 5.94 (s, 2H), 5.51 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 386.21
【0082】
[化合物47]
【化54】

1H NMR (400 MHz, Chloroform-d+MeOD) δ 7.82 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.25 - 7.23 (m, 1H), 6.90 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.03 (s, 1H).
MS (ESI): [M+H+] 393.25
【0083】
[化合物48]
【化55】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.00 - 7.86 (m, 2H), 7.77 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.29 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 6.76 (s, 2H), 5.63 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 309.33
【0084】
[化合物49]
【化56】

1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.59 (d, J= 4.4 Hz, 2H), 7.27 - 7.15 (m, 2H), 7.13 - 6.98 (m, 3H), 5.53 (s, 2H), 2.20 (m,1H), 1.15 - 1.03 (m, 2H), 0.76 - 0.65 (m, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 348.45
【0085】
[化合物50]
【化57】

PPC-002-0134-1
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d+MeOD) δ 8.35 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.45 (m 2H), 7.35 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.03 (d, J = 8.4Hz, 1H), 6.77 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.42 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 359.30
【0086】
[化合物51]
【化58】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.03 (m, 3H), 7.92 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.45 (s, 2H), 7.38 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 5.59 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 334.17
【0087】
[化合物52]
【化59】

1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.79 (d, J= 0.8 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.56 - 7.44 (m, 2H), 7.30 - 7.19 (m, 4H), 7.16 (dd, J = 3.2, 0.8 Hz, 1H), 7.10 - 7.01 (m, 2H), 5.55 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 402.40
【0088】
[化合物53]
【化60】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.94 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 8.76 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.23 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.28 (s, 2H), 5.64 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 316.31
【0089】
[化合物54]
【化61】

1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.11 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 3.2, 0.8Hz, 1H), 6.27 (d, J = 1.0Hz, 1H), 5.31 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.14 (t, J = 1.6 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 376.22
【0090】
[化合物55]
【化62】

1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 7.60 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 2H), 7.04 (dd, J= 8.8, 3.2 Hz, 2H), 6.95 (t, J = 3.2 Hz, 1H), 5.44 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 2.52 (d, J = 3.2 Hz, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 322.34
【0091】
[化合物56]
【化63】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (d, J= 5.2 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.00 - 6.98 (m, 1H), 6.84 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.79 (s, 2H), 5.80 (s, 2H), 5.64 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 309.36
【0092】
[化合物57]
【化64】

PPC-002-0144-1
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.91 - 7.79 (m, 3H), 7.63 (d, J = 3.2Hz, 1H), 7.11 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.74 (s, 2H), 5.77 (s, 2H), 5.51 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 321.38
【0093】
[化合物58]
【化65】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.85 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.01 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 9.2Hz, 1H), 7.74 - 7.63 (m, 3H), 7.48 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.41 (t, J= 7.2 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.82 (s, 2H), 5.83 (s, 2H), 5.65 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 367.41
【0094】
[化合物59]
【化66】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.68 - 7.54 (m, 2H), 7.13 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.8Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.87 (s, 2H), 5.91 (s, 2H), 5.55 (s, 2H), 2.88 (m,1H), 1.17 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
MS (ESI): [M+H+] 333.40
【0095】
[化合物60]
【化67】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 - 7.82 (m, 2H), 7.62 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.83 (s, 2H), 5.87 (s, 2H), 5.71 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 365.33
【0096】
[化合物61]
【化68】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.63 (dt, J= 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.06 - 7.98 (m, 2H), 7.94 - 7.81 (m, 2H), 7.78 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.35 - 7.25 (m, 3H), 7.15 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.85 (s, 2H), 5.93 - 5.80 (m, 2H), 5.58 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 367.41
【0097】
[化合物62]
【化69】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 8.8Hz, 1H), 7.45 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.14 - 6.99 (m, 2H), 6.66 (s, 2H), 6.15 (s, 1H), 5.67 (s, 2H), 5.24 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 3.73 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 298.11
【0098】
[化合物63]
【化70】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 - 8.25 (m, 1H), 7.91 - 7.55 (m, 2H), 7.01 (m,5H), 6.59 (s, 1H), 6.04 (s, 2H), 5.52 (s, 2H), 3.73 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 321.20.
【0099】
[化合物64]
【化71】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.83 (s, 2H), 7.51 - 7.38 (m, 2H), 7.19 - 7.11 (m, 4H), 7.08 (s, 1H), 6.55 (s, 2H), 6.29 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.29 (d, J = 6.0 Hz, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 284.30
【0100】
[化合物65]
【化72】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.70 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.0, 2.8 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 6.76 (s, 2H), 6.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.78 (s, 2H), 5.50 (s, 2H), 3.74 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 354.79
【0101】
[化合物66]
【化73】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.74 (dd, J= 9.0, 0.8 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.13 - 7.08 (m, 1H), 7.04 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.75 (s, 2H), 6.38 (t, J = 2.4Hz, 1H), 6.34 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 5.76 (s, 2H), 5.41 (s, 2H), 3.67 (s, 6H).
MS (ESI): [M+H+] 350.34
【0102】
[化合物67]
【化74】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.79 (dd, J= 9.0, 0.8 Hz, 1H), 7.69 - 7.50 (m, 2H), 7.18 - 7.09 (m, 1H), 7.05 (d, J= 8.8Hz, 1H), 6.78 (s, 2H), 6.69 (dd, J = 8.8, 0.8 Hz, 1H), 6.51 (dd, J= 7.2, 0.8 Hz, 1H), 5.80 (s, 2H), 5.49 (s, 2H), 3.82 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 321.37
【0103】
[化合物68]
【化75】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.62 - 7.51 (m, 2H), 7.33 - 7.13 (m, 2H), 7.04 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.76 (s, 2H), 6.39 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 5.76 (s, 2H), 5.65 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 359.21
【0104】
[化合物69]
【化76】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.78 (d, J= 8.8Hz, 1H), 7.62 (d, J = 3.0Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.0Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.88 - 6.79 (m, 2H), 6.76 - 6.73 (m, 1H), 5.96 (s, 2H), 5.76 (s, 2H), 5.38 (s, 2H).
MS (ESI): [M+H+] 334.36
【0105】
[化合物70]
【化77】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.07 - 7.01 (m, 2H), 6.79 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 6.73 (s, 2H), 5.75 (s, 2H), 5.42 (s, 2H), 3.87 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 398.24.
【0106】
[化合物71]
【化78】

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.83 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.74 (s, 2H), 6.61 (s, 2H), 5.76 (s, 2H), 5.38 (s, 2H), 3.68 (s, 6H), 3.59 (s, 3H).
MS (ESI): [M+H+] 398.24
【0107】
[化合物1(IRS-17)の抗がん特性]
化合物1の抗がん特性を以下のように調べた。
【化79】
【0108】
A.化合物1:プリンとチミジンの阻害
(a) HCT116および (b) Panc1細胞株の細胞を、10 vol%透析FBSを添加したDMEM培地80μL中3000/ウェルの密度で、それぞれ96ウェルプレートに播種した。翌日、ヒポキサンチン(1 mM)およびチミジン(160μM)の有りまたは無しの培地10μLを各ウェルに添加した。目的濃度の10倍ストックとして培地中に希釈された10μLの化合物1も加えた。化合物1を加える直前と4日後に、レサズリンによって相対細胞数を測定する。すなわち、リン酸緩衝生理食塩水 (PBS) に溶解したレサズリンを各ウェルに最終濃度10μg/mLで加えた後、37°Cで1時間インキュベートした。その後、蛍光(励起550 nm、発光590 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。結果を図1Aおよび図1Bに示す。図1Aおよび図1Bに示すように、化合物1は、サプリメント条件下および非サプリメント条件下で細胞増殖を阻害した。プリンおよびチミン合成の破壊を介して、両がん細胞株の増殖阻害が達成された。
【0109】
B.化合物1―葉酸競合
低および高RFC発現レベルを有する2つのアイソジェニックCHO細胞株に対して、ペメトレキセドおよびメトトレキサートと比較しながら化合物1を試験した。10 vol%の透析FBSおよび25 nMの5-ホルミルTHFを補充した葉酸フリーRPMI培地中でIC50値を測定した。表IIは、化合物1、ペメトレキセドおよびメトトレキサートのIC50値を示す。

表II
【表2】

表IIに示すように、ペメトレキセドおよびメトトレキサートに抵抗性である、RFCを下方制御する細胞において、化合物1はより高い効力を示す。図2も、低RFC発現細胞における化合物1のより高い効力を図示している。
【0110】
C.KPC膵管腺癌同種移植に対する化合物1の効果
K-rasLSL.G12D/+; Trp53R172H/+; Pdx-1-Cre(KPC)マウスから採取した腫瘍をC57BL/6の側腹部皮下で継代させた。同種移植を開始するために、皮下腫瘍を採取してDMEM培地中で破砕し、等体積のマトリゲル基底膜マトリックス(コーニング354234)と混合し、雄C57BL/6マウスの側腹部に皮下注入した。腫瘍は週に2回測定された。平均腫瘍体積が100 mm3に達したら、化合物1(5 mg/kg体重、10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに溶解)およびビークル(10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、10 mL/kg体重)を1日1回腹腔内に注入し、腫瘍モニタリングを継続した。実験の最後に、マウスを6時間絶食させた後、頸椎脱臼により安楽死させた。腫瘍をアルミホイル中に回収し、液体N2中で予冷されたWollenbergクランプでクランプし、液体N2中で低温に保たれる。
【0111】
腫瘍サンプルから代謝産物を抽出するために、腫瘍は最初にクライオミル(Retsch)によって粉砕された。約10 mgの粉砕組織を測定し、10 mgの組織あたり370μLのバッファーの比率で抽出バッファー(アセトニトリル:メタノール:H2O=2:2:1とし、それから0.5 vol%ギ酸を添加)によって抽出する。サンプルをボルテックスし、15% NH4HCO3(10 mgの組織あたり30μL)によってpH 7に調整した。サンプルを4℃で遠心分離し(16000 gで20分間)、測定のために上清を採取した。負イオン化モードで動作する、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)と組み合わせたQ Exactive Plus Hybrid Quadrupole-Orbitrapによって代謝物レベルを測定した。
【0112】
図3Aは経時的な腫瘍体積の変化を示し、図3Bは腫瘍倍加時間を示している。図3Aおよび3Bに示されているように、化合物1は試験期間中の腫瘍増殖を実質的に阻害し、腫瘍倍加時間を延長させた。図3Cは、腫瘍におけるプリン合成の中間体であるグリシンアミドリボヌクレオチド(GAR)および5-アミノイミダゾール-4-カルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)のレベルを示しており、葉酸の競合または干渉を示している。
【0113】
D.HCT116結腸直腸癌異種移植片に対する化合物1の効果
同種移植を開始するために、2 x 106のMC38細胞を雌C57BL/6マウスの側腹部に皮下注射した。平均腫瘍体積が50 mm3に達したら、化合物1(5 mg/kg体重、10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに溶解)およびビークル(10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、10 mL/kg体重)を1日1回腹腔内に注射する。最終投与後、マウスを12時間絶食させた。その後、テイルスニップにより血液を抗凝固剤なしでチューブに採取した。遠心分離後に上清を採ることにより血清を採取した。その後、マウスを頸部脱臼により安楽死させ、腫瘍を採取して液体N2中で凍結させた。Cにおいて先述したように腫瘍代謝物を抽出して測定した。血清代謝物を抽出するために、2.5μLの血清を80μLのメタノールに加えた。サンプルを4℃で遠心分離し(16000 gで10分間)、上清を採取した。
【0114】
図4Aは経時的な腫瘍体積の変化を示し、図4Bは腫瘍倍加時間を示している。図4Aおよび4Bに示されているように、化合物1は試験期間中の腫瘍増殖を実質的に阻害し、腫瘍倍加時間を延長させた。
【0115】
E.MC38マウス結腸腺癌同種移植片に対する化合物1の効果
同種移植を開始するために、2 x 106のMC38細胞を雌C57BL/6マウスの側腹部に皮下注射した。平均腫瘍体積が50 mm3に達したら、IRS-17(5 mg/kg体重、10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに溶解)およびビークル(10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、10 mL/kg体重)を1日1回腹腔内に注射する。最終投与後、マウスを12時間絶食させた。その後、テイルスニップにより血液を抗凝固剤なしでチューブに採取した。遠心分離後に上清を採ることにより血清を採取した。その後、マウスを頸部脱臼により安楽死させ、腫瘍を採取して液体N2中で凍結させた。Cにおいて先述したように腫瘍代謝物を抽出して測定した。血清代謝物を抽出するために、2.5μLの血清を80μLのメタノールに加えた。サンプルを4℃で遠心分離し(16000 gで10分間)、上清を採取した。
【0116】
図5Aは、処置期間中の腫瘍体積のいくらかの減少を示している。図5Bは、循環チミジンのプールサイズを示し、図5Cは、化合物1の投与に応答した腫瘍におけるチミジンリボヌクレオチド中間体dUMPならびにプリン中間体GARおよびAICARのレベルを示している。
【0117】
本発明の様々な目的を達成する本発明の様々な実施形態を記述してきた。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それらの多数の修正および適応が当業者には容易に明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
【国際調査報告】