(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】個人のスクリーンタイム量を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 15/00 20060101AFI20230719BHJP
H04N 21/475 20110101ALI20230719BHJP
H04N 21/488 20110101ALI20230719BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230719BHJP
【FI】
G06F15/00 420A
H04N21/475
H04N21/488
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581565
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 AU2021050716
(87)【国際公開番号】W WO2022000047
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522503931
【氏名又は名称】カーター アシュレイ
【氏名又は名称原語表記】CARTER,Ashley
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【氏名又は名称】杉山 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】カーター アシュレイ
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164UD12P
5C164UD33P
5C164YA10
5L049CC11
(57)【要約】
ユーザによるアクセスが制限される電子デバイス上でアクセス可能な1以上のソフトウェアアプリケーションを同定すること、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするためのユーザに対する許容期間を設定すること、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザに対する使用時間を監視すること、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間が、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を超えるときを判定すること、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための使用時間が、当該ユーザが同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容使用時間を超えることをユーザに警告し、電子デバイス上の同定された1以上のソフトウェアアプリケーションへのユーザによるアクセスを中断すること、ユーザが、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間の延長を要求できるようにすること、許容期間の延長要求に応じて実行するタスクをユーザに提供すること、上記タスクにおけるユーザの成果を評価すること、及び上記タスクを首尾良く完了した時、ユーザに対して、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を延長すること、を包括する、ユーザによる電子デバイスへのアクセスを制御する方法である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるアクセスが制限される電子デバイス上でアクセス可能な1以上のソフトウェアアプリケーションを同定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするためのユーザに対する許容期間を設定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザに対する使用時間を監視すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間が、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を超えるときを判定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための使用時間が、当該ユーザが同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容使用時間を超えることをユーザに警告し、電子デバイス上の同定された1以上のソフトウェアアプリケーションへのユーザによるアクセスを中断すること、
ユーザが、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間の延長を要求できるようにすること、
許容期間の延長要求に応じて実行するタスクをユーザに提供すること、
上記タスクにおけるユーザの成果を評価すること、及び
上記タスクを首尾良く完了した時、ユーザに対して、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を延長すること、
を包括する、ユーザによる電子デバイスへのアクセスを制御する方法。
【請求項2】
電子デバイス上でアクセス可能な1以上のソフトウェアアプリケーションを同定するステップは、電子デバイス上でアクセス可能な全てのアプリケーションのリストを提供するために、電子デバイスのオペレーティングシステムに問い合わせることを包括する、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
ユーザ又はユーザを監督する管理者は、電子デバイス上でアクセス可能な全てのアプリケーションのリストから1以上のソフトウェアアプリケーションを選択することによって、ユーザによるアクセスが制限される1以上のソフトウェアアプリケーションを同定する、請求項2に記載された方法。
【請求項4】
ユーザに対する同定されたアプリケーションにアクセスするための許容期間は、ユーザを監督する管理者によって同定されたアプリケーション毎に設定される、請求項1に記載された方法。
【請求項5】
許容期間は、予め決定されるか又はユーザ又は管理者によって設定される離散的な時間間隔で設定される、請求項4に記載された方法。
【請求項6】
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間は、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションに対するユーザの累積アクセス時間を記録するクロックによって監視される、請求項1に記載された方法。
【請求項7】
ユーザの記録された累積アクセス時間は、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間が許容期間を超えるときを判定するために、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間と比較される、請求項6に記載された方法。
【請求項8】
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするためのユーザに対する許容期間の延長は、ユーザ又はユーザに代わって管理者によって予め決定され得る、請求項1に記載された方法。
【請求項9】
許容期間の延長要求に応じてユーザに割り当てられるタスクは、ユーザによって実行されるクイズ又はテストを包括する、請求項8に記載された方法。
【請求項10】
クイズ又はテストは、ユーザの教育要件に従って管理者又はユーザによって選択される、請求項9に記載された方法。
【請求項11】
タスクにおけるユーザの成果は、上記タスクを所定の精度レベルで完了するユーザの成功レベルに基づいて評価される、請求項1に記載された方法。
【請求項12】
所定の精度レベルは、管理者又はユーザによって設定される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
ユーザがアクセス可能で、ユーザの使用のためにデバイスのフォアグラウンドで1以上のソフトウェアアプリケーションを操作するためのオペレーティングシステムを有する電子デバイス、及び
電子デバイスのオペレーティングシステムの実質的にバックグラウンドで動作するように構成された専用ソフトウェアアプリケーションであって、
デバイスのフォアグラウンド内の電子デバイスのオペレーティングシステムによって操作される所定の1以上の上記ソフトウェアアプリケーションに対するユーザのアクセス時間を監視し、かつ監視対象アクセス時間が所定の許容アクセス時間を超えると、所定の1以上のソフトウェアアプリケーションへのユーザのアクセスを中断するように構成された専用ソフトウェアアプリケーションと、を包括し、
監視アクセス時間が所定のアクセス時間を超えると、専用ソフトウェアアプリケーションは、所定の許容アクセス時間を延長するオプションをユーザに提供するため、電子デバイスのオペレーティングシステムのフォアグラウンドで動作する、
ユーザの電子デバイスへのアクセス時間を制御するシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2020年7月3日の前出願に係るオーストラリア仮特許出願第2020902289号に基づく優先権を主張する、その全内容は参照によりここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、個人が行うスクリーンタイム(画面を見ている時間)の活動量を制御するための砂時計装置(sand apparatus)に関し、特に、個人が行う非生産的なスクリーンタイムの活動を制限するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の利用可能性が増大したことで、あらゆる年齢の個人の生活様式が劇的に変化した。コンピュータ、スマートフォンなどの情報技術により、多くの面で、以前はタイムリーなアクセスが困難であったさまざまな情報やサービスへのアクセスが拡大され、それにより生活が楽になった。その結果、大部分の人々にとって繁栄が増進し、これまで以上にリモートで効率的にタスクを実行できるようになった。技術の利用可能性が拡大したことにより、人々の自分自身が楽しみかつ意思疎通する方法も変わった。
【0004】
多くの人々にとって、アウトドアや運動を含む伝統的なレジャーや娯楽は捨て去られ、コンピュータやスマートフォンを介したオンラインエンターテイメントに置き換わった。このようなオンラインエンターテイメントは、スマートフォン又はパーソナルコンピュータデバイスを介して簡単に実施することができ、映画の鑑賞、ソーシャルメディアプラットフォームとの対話及び電子ゲームを楽しむ形態であり得る。残念ながら、子供や青少年にとって、過度のオンライン活動は個人の社会的成長に問題となり得る、またそうでなければ従来の学習活動、運動、その他の娯楽に使用できる時間を浪費している。
【0005】
そのため、子供及び青少年の多くの両親及び保護者達は、個人が教育や人生経験を仕上げるための他のタスクを実行するのに利用できる時間を確保するために、彼らのスクリーンタイム量を規制しようと努めている。そのため、個人のスクリーンタイムでの閲覧を監視し、個人がオンラインでさまざまな異なる有意義な経験に触れることを保証するシステムと方法を提供する必要がある。
【0006】
従来の提案又は製品に対する上記参照及び説明は、この技術分野における一般的な共通知識を述べ又は自認することを意図したものではなく、かつそのように解すべきではない。とくに、上記先行技術の議論は当業者によって一般的に又はよく知られていることとは関係がないが、関連する先行技術提案について同定したことは本発明の一部に過ぎず、そのことは本発明の進歩性についての理解の助けとなる。
【発明の概要】
【0007】
1以上の態様による本発明は、独立請求項で規定する通りである。本発明の幾つかのオプション及び/又は好ましい特徴は、従属請求項において規定する。したがって、本発明の1態様においては、
ユーザによるアクセスが制限される電子デバイス上でアクセス可能な1以上のソフトウェアアプリケーションを同定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするためのユーザに対する許容期間を設定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザに対する使用時間を監視すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間が、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を超えるときを判定すること、
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための使用時間が、当該ユーザが同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容使用時間を超えることをユーザに警告し、電子デバイス上の同定された1以上のソフトウェアアプリケーションへのユーザによるアクセスを中断すること、
ユーザが、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間の延長を要求できるようにすること、
許容期間の延長要求に応じて実行するタスクをユーザに提供すること、
上記タスクにおけるユーザの成果を評価すること、及び
上記タスクを首尾良く完了した時、ユーザに対して、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間を延長すること、
を包括する、ユーザによる電子デバイスへのアクセスを制御する方法が提供される。
【0008】
電子デバイス上でアクセス可能な1以上のソフトウェアアプリケーションを同定するステップは、電子デバイス上でアクセス可能な全てのアプリケーションのリストを提供するために、電子デバイスのオペレーティングシステムに問い合わせることを包括し得る。
【0009】
ユーザ又はユーザを監督する管理者は、電子デバイス上でアクセス可能な全てのアプリケーションのリストから1以上のソフトウェアアプリケーションを選択することによって、ユーザによるアクセスが制限される1以上のソフトウェアアプリケーションを同定し得る。
【0010】
ユーザに対する同定されたアプリケーションにアクセスするための許容期間は、ユーザを監督する管理者によって同定されたアプリケーション毎に設定され得る。許容期間は、予め決定されるか又はユーザ又は管理者によって設定される離散的な時間間隔(discrete time intervals)で設定され得る。
【0011】
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間は、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションに対するユーザの累積アクセス時間を記録するクロックによって監視され得る。
【0012】
ユーザの記録された累積アクセス時間は、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするユーザの使用時間が許容期間を超えるときを判定するために、同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするための許容期間と比較され得る。
【0013】
同定された1以上のソフトウェアアプリケーションにアクセスするためのユーザに対する許容期間の延長は、ユーザ又はユーザに代わって管理者によって予め決定され得る。
【0014】
許容期間の延長要求に応じてユーザに割り当てられるタスクは、ユーザによって実行されるクイズ又はテストを包括し得る。クイズ又はテストは、ユーザの教育要件(educational requirements)に従って管理者又はユーザによって選択され得る。
【0015】
タスクにおけるユーザの成果(performance)は、上記タスクを所定の精度レベルで完了するユーザの成功レベルに基づいて評価され得る。所定の精度レベルは、管理者又はユーザによって設定され得る。
【0016】
したがって、本発明の別の態様では、
ユーザがアクセス可能で、ユーザの使用のためにデバイスのフォアグラウンドで1以上のソフトウェアアプリケーションを操作するためのオペレーティングシステムを有する電子デバイス、及び
電子デバイスのオペレーティングシステムの実質的にバックグラウンドで動作するように構成された専用ソフトウェアアプリケーションであって、
デバイスのフォアグラウンド内の電子デバイスのオペレーティングシステムによって操作される所定の1以上の上記ソフトウェアアプリケーションに対するユーザのアクセス時間を監視し、かつ監視対象アクセス時間が所定の許容アクセス時間を超えると、所定の1以上のソフトウェアアプリケーションへのユーザのアクセスを中断するように構成された専用ソフトウェアアプリケーションと、を包括し、
監視アクセス時間が所定のアクセス時間を超えると、専用ソフトウェアアプリケーションは、所定の許容アクセス時間を延長するオプションをユーザに提供するため、電子デバイスのオペレーティングシステムのフォアグラウンドで動作する、
ユーザの電子デバイスへのアクセス時間を制御するシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、好ましい実施形態の以下の非限定的な説明からより良好に理解し得る。
【
図1】本発明による電子デバイスへのアクセスを制御するための例示的なシステムの機能図である。
【
図2】
図1のシステムをスマートフォンにセットアップする方法を示すフロー図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る制御されたアクセスシステムを実行する方法を示すフロー図である。
【
図4】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図5】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図6】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図7】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図8】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図9】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図10】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図11】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図12】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図13】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図14】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【
図15】
図2及び
図3に示された本発明のステップ(工程)を描いたスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい特徴を、とくに添付図面を参照して説明する。しかしながら、図面に示す特徴及び図面を参照して説明する特徴は、本発明の範囲を限定するものと解すべきではないことを理解されたい。
【0019】
本発明を、スマートフォン又は類似の電子デバイス上のユーザのスクリーンタイムアクセス(screen time access)を監視及び制御するためのシステム及び方法に関連して以下説明する。
本発明のシステム及び方法は、ゲーム機、コンピュータ、ラップトップ、タブレットなどのような様々な電子デバイスと共に使用するために採用され得ることが理解されよう。本発明のシステム及び方法を、監視対象のデバイスに記憶されるソフトウェアアプリケーションに関連して説明する。しかしながら、本発明のシステム及び方法は、当業者によって理解されるように、リモートホストサーバを介して又はクラウド上でアクセスされ得ることが理解されよう。
【0020】
図1は、本発明を具体化し得る例示的なシステム10の機能図を示す。システム10は、本発明の好ましい実施形態に従って、以下でより詳細に説明するように構成されたホストサービス(host service)12を包括する。ホストサービス12は、インターネットなどのネットワーク14を介して複数のリモートユーザサービス15、16、17、18に接続されている。ホストサービス12は、ホストサービス12とホストサービス12のカスタマー(customers)であるリモートサービス15、16、17、18との間の選択的な関連付け(engagement)を容易にするように構成されている。
【0021】
リモートサービス15、16、17、18は、本発明のユーザによって使用され得る電子デバイスを包括する。例示的なホストサービス12は、ネットワーク14に接続され、したがってそのネットワーク14を介して、当業者に理解される従来の方法で有線又は無線通信システムにより通信する1以上のホストサーバを包括する。ホストサーバは、リモートサービス15、16、17、18から収集される様々な情報を記憶するように構成され、かつホストサービス12とリモートサービス15、16、17、18との間の情報の送信を容易にする。
【0022】
ホストサーバは、本発明の方法及びシステムの運用(operation)に必要な複数のデータベース12aを収容することもできる。ホストサーバは、当業者に知られた多数のサーバのいずれかを包括し得る、またリモートサービス15、16、17、18に関連するコンピュータシステムに動作可能にリンクするために、ネットワーク14に動作可能に接続されることを意図したものである。ホストサーバは、サービスを提供する第三者サーバによって操作及び供給が可能であり、又は代替的にはローカルに提供することができる。
【0023】
ホストサーバは、典型的には中央処理装置(CPU)12bを含み、CPU12bは1以上のマイクロプロセッサ及びCPU12bに動作可能に接続されたメモリ12cを含む。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ハードディスクドライブ12aなどの記憶媒体の任意の組み合わせを含むことが出来る。記憶媒体12aは、プログラム部品(program components)の長期記憶、ならびに顧客及びその取引に関するデータの記憶に使用される。
【0024】
ランダムアクセスメモリ12cに関連付けられた中央処理装置12bは、ホストサービス12によって提供されるサービスの動作に関連するプログラム命令(program instructions)及び一時データ(transient data)を含有するために使用される。とくに、メモリ12cは、リモートサービス15、16、17、18の各々の画面使用を監視するための方法の少なくとも一部を実施するための命令本体12dを含有する。命令12dには、ユーザが、従来のウェブブラウザソフトウェアを実行する任意のクライアントコンピュータからホストサービス12にリモートアクセス出来るようにする、ネット上のユーザインタフェースを提供するための命令も含まれる。
【0025】
好ましい実施形態では、コンピュータネットワーク14は、インターネット、又は例えばGSM、CDMA、UTMS、WCDMA(登録商標)又はLTEネットワークのような、インターネットと組み合わせた専用のモバイル又はセルラーネットワークである。イントラネット、エクストラネット、仮想プライベートネットワーク(VPN)及び非TCP/IPベースのネットワークなど、他のタイプのネットワークも想定される。リモートサービス15、16、17、18のユーザは、電子メール又は類似の電子通信アカウントを有する個人ユーザを含み得る。リモートサービス15、16、17、18の各ユーザは、以下でより詳細に論じる、本発明によって必要な関連情報を取り込む正式な登録プロセスを介して、ホストサービス12に登録される。
【0026】
リモートサービス15、16、17、18の各ユーザは、ネットワーク14を介してホストサービス12からの通信を受信することができ、かつネットワーク14を介してホストサービス12と通信することが出来る。ホストサービス12は、CPU12bによって操作されるホストサーバに記憶された専用のソフトウェアアプリケーション、つまり「アプリ」を備え得る。ソフトウェアアプリケーションのコピーは、ホストサービスから又は商用ソフトウェアアプリケーションの小売サイトを通じて、ソフトウェアアプリケーションをリモートサービス15、16、17、18に直接ダウンロードすることによって、リモートサービスのユーザが取得することが出来る。
【0027】
一度インストールされると、ホストサービス12のソフトウェアアプリケーションは、ホストサービス12のユーザリモートサービス15、16、17、18への情報の通信を容易にするインタフェースを提供する。本発明の好ましい実施形態では、ユーザリモートサービス15、16、17、18の管理者、典型的には、ユーザリモートサービス15、16、17、18のユーザである子供又は青少年の親又は保護者がホストサービス12に登録する。登録すると、ソフトウェアアプリケーションは、サービスの管理者に対して、ユーザリモートサービス15、16、17、18に関連するデバイスでのインストール及び操作のための利用が可能になるようにする。
【0028】
スマートフォンのようなデバイスは、通常、管理者が希望する設定に従ってインストール及びセットアップされる。インストールされたソフトウェアアプリケーションは、一度ユーザリモートサービス15、16、17又は18にインストールされると、典型的には、以下でより詳細に説明するように、バックグラウンドモードで動作する。
【0029】
図2は、管理者がスマートフォン又は類似のデバイス上で本発明のシステムをセットアップできる仕方を説明する方法20の実施形態を示している。先に論じたように、管理者、典型的には、デバイスの意図したユーザの親又は保護者は、方法20を実施するに先立って、ソフトウェアアプリケーションを、ホストサービス12又は類似のソフトウェアアプリケーションプロバイダからスマートフォンのオペレーティングシステムにダウンロードする。これにより、ユーザがデバイス上で実行する活動を、本発明に従って監視及び制御することができる手段が提供される。
【0030】
第1のステップ22では、管理者は、登録プロセスの一部として、意図するユーザにとって適切な動作パラメータ及びアクティビティが使用中に完備されたことをホストサービス12が判別できるようにするために、監視すべきデバイスの意図するユーザの年齢を提供する。次に、管理者は、デバイス上でアプリケーションを起動して、
図4のスクリーンショットに示すセットアップモードを開始する。起動すると、管理者は
図5に示す画面に移動して、ここでは、ステップ24で、意図するユーザに許可される中断のない当初所望量の「スクリーンタイム」又はアプリケーションの使用の設定が必要になる。
【0031】
管理者は、個人の好みに応じて、たとえば10分単位で種々の時間長を選択し得る。一度「スクリーンタイム」又はアプリケーションの使用制限が選択されると、次に管理者はこの設定をソフトウェアアプリケーションによって適用されるルールとして保存する。ステップ26では、管理者は、ステップ24で選択したルールによって、デバイスに存在するアクセス時間が制限される特定のソフトウェアアプリケーションを選択することができる。
【0032】
セットアッププロセスの一部として、本発明のソフトウェアアプリケーションは、デバイスのユーザがアクセスし得るデバイス内に存在する全てのソフトウェアアプリケーションのリストを提供するため、デバイスのオペレーティングシステムに問い合わせる。このリストは、
図6のスクリーンショットに示されているような仕方で管理者に提供される。その際、管理者は、そのソフトウェアアプリケーションに関連付けられている適切なボックスを起動することにより、アクセス制限を希望する各ソフトウェアアプリケーションを選択できる。
【0033】
一度選択すると、ソフトウェアアプリケーションはセットアップ手順の一部としてリストを保存する。ステップ28では、管理者は、プロセスを開始できるようにするため、
図7に示す画面ページに移動する。一度管理者がプロセスを開始すると、
図8に示す画面ページに移動し、ソフトウェアアプリケーションが起動したことを確認し、その段階で、管理者は画面からそのページを削除するために閉じることができる。その際、本発明のソフトウェアアプリケーションは、デバイス上で実行中のフォアグラウンドアプリケーションへの変更をチェックするための通知を受信するバックグラウンドサービスとして動作する。
【0034】
本システムが、デバイス上で実行されているフォアグラウンドアプリケーションが本システムのルール下でアクセスが制限されるように管理者によって選択されたアプリケーションの1つであることを検出したときは、本発明のソフトウェアアプリケーションは、次に、
図3の方法30に従って、そのソフトウェアアプリケーションに対するユーザの使用/アクセスの持続時間を測定するタイマ/クロックを開始する。
【0035】
方法30のステップ32において、ソフトウェアアプリケーションは、システムクロックによって測定される選択されたフォアグラウンドアプリケーションの操作に関連する累積時間と、管理者によって設定されたスクリーンタイム/アクセス時間ルールの制限とを比較する。ステップ34において、フォアグラウンドアプリケーションの動作時間が、管理者がルールに基づいて設定した制限時間未満であると判定されたときは、ユーザは、妨げられることなくフォアグラウンドアプリケーションに引き続きアクセスできる。
【0036】
しかしながら、フォアグラウンドアプリケーションの動作時間がルールの制限を超えると判定されたときは、フォアグラウンドアプリケーションは本システムのソフトウェアアプリケーションによって中断されるようになり、かつソフトウェアアプリケーションは、ステップ36で画面に表示されることとなる警告メッセージを発行する。ユーザに表示される警告メッセージの一例を示すスクリーンショットを
図9に示す。
【0037】
ステップ36では、そのデバイスに割り当てられたスクリーンタイム/アクセス時間が消尽したことをユーザに警告するだけでなく、そのメッセージは、ユーザに、ユーザが使用していたフォアグラウンドアプリケーションを閉じるか、アクセス時間の延長を求めるかのオプションをも提供する。ステップ38で、ユーザがフォアグラウンドアプリケーションを閉じることを決定したときは、フォアグラウンドアプリケーションはステップ39で閉じられ、システムはバックグラウンドサービスとして動作し続け、ユーザの使用状況を監視することになる。
【0038】
その際、ユーザは、電話を掛けるなどデバイスを引き続き使用することはできるが、同定されたソフトウェアアプリケーションのいずれにもアクセスすることは妨げられる。ユーザが管理者によって選択されたこれらのソフトウェアアプリケーションのいずれかにアクセスしようとしても、アプリケーションの実行が妨げられ、
図9の警告メッセージが再発行されることになる。
【0039】
しかしながら、ユーザがステップ38で彼らのスクリーン/アクセス時間を延長することを求めると決めたときは、本システムのソフトウェアアプリケーションはユーザをタスクページに再移動し、ここでは、ユーザは、追加のスクリーンタイムへのアクセスの資格を得るために、ステップ40でタスクを実行するように要求される。ステップ40でユーザに提示されるタスクのタイプは、典型的には、セットアップ手順の間に管理者によって予め決定される。このようなタスクには、典型的には、ユーザが教育機能を実行し、かつそのタスクの成功に関してユーザをテストすることを要求することが含まれる。
【0040】
1実施形態では、
図10-
図13に示すように、タスクは、ユーザの数学的問題解決能力をテストするために、ユーザの年齢に適した一連の数学的問題をユーザに提示することを含む。数学的問題には、回答を提供するための時間制限があり得る、ユーザには、問題への回答の成功又は失敗に関するフィードバックが即座に提供され、
図13のスクリーンショットに示されているように、必要に応じて正しい回答が提供される。ユーザに提供されるタスクのタイプは変り得ることが理解されよう。
【0041】
他のアプリケーションでは理解度テストを含めることができ、ここではユーザに読むテキストが提供され、かつ次にテキストの理解に基づいて質問に答える必要がある。そのようなタスクは、ユーザの年齢に関連するものとして教育機関によって提供され得る、またタスクがユーザの教育ニーズに関連することを保証するために、学校のカリキュラム又は同様の機関(institution)と整合したものとなし得る。ステップ40で行われるタスクのタイプは、年齢、性別、人口統計(demographics)及び個々のユーザの能力に応じて異なり得ることが理解されよう。
【0042】
他のアプリケーションでは、タスクは、広告、調査又はアンケート(questionnaire)を包括し得る、そこでは、ユーザは、特定の目的に関連する質問に答えることを要求される。好ましい実施形態では、ホストサーバは、タスクが子供の年齢に対する標準と考えられる学校基準の適格性(school based competencies)を表すように、教育カリキュラムに基づく様々な異なるテストを記憶し得る。ホストサービスが、ホストサーバへの登録時に管理者が選択でき個々の学校又は学習システムによって設定され得る、様々なテストを記憶可能であることも理解されよう。
【0043】
これにより、管理者は、教室でユーザが学習することとなっている本についてのクイズや、ユーザが経験し得る特定の数学的問題など、ユーザの既存の学習体験を向上させる可能性のあるタスクを選択することが出来る。ステップ40でユーザに提示されるタスクに関係なく、そのステップの目的は、ユーザの継続する満足な状態(ongoing wellbeing)に資する教育的要素を備えたタスクを、ユーザが実行することを保証することである。
【0044】
ステップ42では、ユーザは、ステップ40で設定されたタスクに基づいて評価される。ユーザがタスクの実行に成功しなかったときは、ステップ43で、スクリーン/アクセス時間の追加要求が失敗したことが通知される。その際、中断されたフォアグラウンドアプリケーションは閉じられる。このようなメッセージの1例は、
図14のスクリーンショットに示されている。
【0045】
これとは別に、ステップ42で、ユーザがタスクの実行に成功したと判定されたときは、
図15に示すメッセージがユーザに通知され、かつスクリーンタイムの延長が許可される。その際、中断されたフォアグラウンドアプリケーションが再開され、かつユーザはフォアグラウンドアプリケーションを使用し続け、システムはステップ32に従ってスクリーン/アクセス時間を監視し続ける。
【0046】
本出願は、ユーザがタスクにおいて成功したか否かに関してステップ42で判定することが理解されよう。タスクが首尾よく完了したかどうかを判定するスコア(score;成績)は、許可される追加のスクリーンタイム長及びユーザ毎の可能な延長数(number of extensions)と共に、管理者、その他の第三者又はユーザにより設定出来る。本システムアプリケーションは、その結果とホストサービスに記憶された一組の結果と比較することで各タスクを評価し得る。
【0047】
本システムのソフトウェアアプリケーションは、管理者がユーザに対する適格性についてタスクの見直しができるように、新しいタスクがいつ利用可能になるかについて管理者に最新情報を提供する。ユーザがタスクの完遂に失敗したとシステムが見做した状態においては、ユーザに、スクリーンタイムの延長を取得するために、タスクをやり直すか別のタスクを実行する追加の機会を与え得る。場合によっては、ユーザがデバイスからロックアウトされる前に、限定された回数の試行が提供され得る。
【0048】
本発明のシステム及び方法は、子供(又は誰か)が、モバイル又は他のコンピュータデバイス(ipad(登録商標)、xbox(登録商標)、playstation(登録商標)、コンピュータ、スマートテレビなど)で選択されたアプリで費やす時間を両親及び保護者達が制御するルールを設定できるようにするものであることが理解されよう。本システム及び方法では、許可されたスクリーンタイムが時間切れになると、スクリーンタイムを延長するために、管理者は、ユーザに対して質問を受け又は質問を読んで回答し又は調査を完了することを求めるように制御出来る。
【0049】
このようなタスクを正しく実行することに失敗すると、管理者/両親が制御した将来の予め決定された日/時まで、ユーザはそれらのアプリにアクセスできなくなる。そのようなシステム及び方法は、デバイスが余暇の追求のためにユーザだけが使用することになっている場合であっても、ユーザが現在継続している何らかの教育的及び有用な活動の実証を要することなく、デバイスの過剰使用を制限することを保証することが理解されよう。
【0050】
このようなシステムにより、両親/保護者達は、電子デバイスの延長使用に単なるゲームプレイ又はソーシャルメディアの使用以外の少なくとも何らかの教育機能の達成が含まれることに満足でき、かつ追加のスクリーン/使用時間へのアクセスは、そのようなタスクを実行することに対する報酬と見做される。
【0051】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して「包括する(comprise)」という語及びその派生語は、逆のことが明示的に述べられているか、文脈が別段の要求をしない限り、排他的ではなく包括的な意味を有することを意図したものである。すなわち、「包括する」という言葉及びその派生語は、逆のことが明示的に述べられているか、文脈が別段の要求をしない限り、それが直接参照する列挙した構成要素、ステップ又は特徴だけではなく、格別列挙していない他の構成要素、ステップ又は特徴も含むと解すべきである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された本発明の方法に多くの修正及び変形を加え得ることは、当業者によって理解されよう。
【国際調査報告】