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特表2023-532167射出成形する装置および射出成形する方法
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  • 特表-射出成形する装置および射出成形する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】射出成形する装置および射出成形する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/12 20060101AFI20230720BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20230720BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B29C33/12
B29C45/26
B29C45/14
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022558327
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2020059281
(87)【国際公開番号】W WO2021197599
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト ミッテンドルファー
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴィンプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ パウル リンドナー
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AD05
4F202AD19
4F202AH33
4F202AH41
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CB20
4F202CB28
4F202CK12
4F202CK90
4F202CQ01
4F202CQ05
4F206AD05
4F206AD19
4F206AH33
4F206AH41
4F206AR07
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB20
4F206JB28
4F206JF05
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
本発明は特に、射出成形装置、特にマイクロ射出成形装置であって、少なくとも、第1の金型半部と第2の金型半部とを備えた金型であって、第1の金型半部と第2の金型半部とは、金型の閉鎖状態において射出成形空間を画定する、金型と、射出成形空間内に配置されたインサートとを有する、射出成形装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
-第1の金型半部(2)と第2の金型半部(3)とを有する金型(1)であって、前記第1の金型半部(2)と前記第2の金型半部(3)とは、前記金型(1)の閉鎖状態において射出成形空間(10)を画定する、金型(1)と、
-前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つのインサート(5)と
を備える、射出成形する装置、特にマイクロ射出成形する装置であって、
少なくとも1つの前記インサート(5)は、少なくとも部分的にポリマーを含んでいることを特徴とする、射出成形装置。
【請求項2】
前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つの別のインサート(5’)を有しており、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、弾性構造を備えた各1つの型取り表面(5s,5s’)を有している、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)と少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1から3までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)の構造と、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)の構造とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1から4までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記インサート(5)、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)および/または各前記構造に、少なくとも1つのヒータが組み込まれており、これにより、前記射出成形空間(10)を、特に充填開口(8)を介して前記射出成形空間(10)内に導入可能な射出成形材料を、少なくとも1つの前記ヒータにより的確に加熱することができる、請求項1から5までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、特に各前記型取り表面(5s,5s’)および/または各背面(5b,5b’)に、複数の位置合わせマーク(5m,5m’)を有している、請求項1から6までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項8】
前記第1の金型半部(2)および/または前記第2の金型半部(3)は、点検窓(4)を有しており、これにより、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能でありかつ/または相互に位置合わせ可能である、請求項1から7までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項9】
前記第1の金型半部(2)および/または前記第2の金型半部(3)は、それぞれ少なくとも1つの位置決め機構(6)を有しており、これにより、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能である、請求項1から8までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記背面(5b)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記背面(5b’)に設けられた複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき、少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)の前記構造と、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)の前記構造とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1から9までの少なくとも1項記載の装置。
【請求項11】
第1の金型半部(2)と第2の金型半部(3)とを備えた金型により、該金型(1)の閉鎖状態において射出成形空間(10)を画定する、射出成形方法、特にマイクロ射出成形方法であって、
前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つのインサート(5)は、少なくとも部分的にポリマーを含んでいることを特徴とする、射出成形方法。
【請求項12】
少なくとも1つの前記インサート(5)と前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つの別のインサート(5’)とを、特に少なくとも1つの前記インサート(5)の型取り表面(5s)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の型取り表面(5s’)を、前記金型(1)の閉鎖状態において前記射出成形空間(10)内で互いに位置合わせする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)を、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)に取り付けられた複数の位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき位置合わせする、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
請求項11から13までの少なくとも1項記載の方法により製造された射出成形品の測定に基づき、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の位置合わせを実施する、請求項11から13までの少なくとも1項記載の方法。
【請求項15】
位置合わせを、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の後処理により実施する、請求項11から14までの少なくとも1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形する方法および射出成形する装置に関する。マイクロレプリケーション用の製造手段としての射出成形は、周知の技術である。製造される射出成形品の精度に課される要求が高まるにつれて、技術はポリマー加工工業の当然の限界に到達する。特に、射出成形により製造される射出成形品の形状・位置誤差に対して高まる要求を、これまでの方法により適切に実現することはできない。例えば、射出成形用金型の前面と背面とを互いに位置合わせしようとすると、目下のところ、射出成形品は、約10マイクロメートルの誤差を伴ってしか製造され得ない。
【0002】
情報技術、レーザ技術または通信ネットワーク技術のような特定の産業分野で使用される射出成形品にとって、これらのオーダは許容不能に高い。それというのも、特に光導体に対する精度要件は、マイクロメートル範囲またはサブマイクロメートル範囲で変動するからである。機械製造の従来の製造方法では、装置の製造誤差に基づき、最早より正確な製造による改良を達成することはできない。
【0003】
射出成形品を、高められた精度でもって形成することができるようにするために、射出成形技術を、半導体工業の方法により拡張することができる。
【0004】
機械製造と半導体工業の製造方法およびアプローチは、それぞれ基本的に互いに異なるため、製造方法または達成可能な精度を任意にスケーリングすることはできない。換言すると、半導体工業では、特に従来仕上げることが不可能な精度または表面品質が達成され得る。ただし半導体工業の方法は、寸法のスケーリング(長さ:一次、面積:二次、体積:三次)の可能性があるため、機械製造には転用され得ない。
【0005】
これにより、新規な射出成形品の、さらなる商業化の可能性が開かれる。特に、金型もしくは場合によりその中に挿入されるインサートの位置合わせは、従来は不十分な正確さで実施される。通常、所望の構造を、後に金型内で硬化する射出成形材料に転移させるためには、相応する型取り面もしくは対応する型取り面を備えたインサートを有する金型が使用される。
【0006】
この場合、金型もしくはインサートの位置合わせは、開放状態で行われ、この開放状態において2つ以上の金型半部もしくは金型部分は、後にその中に導入される射出成形材料のための射出成形空間をまだ提供してはいない。射出成形のために各金型が閉鎖状態に移行した後には、最早金型半部もしくは射出成形空間内に配置された1つ/複数のインサートを位置合わせすること/互いに位置合わせすることは不可能である。つまり、位置合わせ誤差、特にマイクロ射出成形品に対する高い要求に関して修正する必要がある位置合わせ誤差は、金型の開放状態においてのみ生じ得る。金型の閉鎖時または閉鎖後に、金型もしくは1つ/複数のインサートの位置合わせ誤差が再び生じることがある。したがって、特に射出成形に同一の金型もしくは1つ/複数の同一のインサートを用いた射出成形品の大量生産を、十分な精度で実施することはできない。
【0007】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に、特に完全に取り除く装置および方法を示すことにある。さらに本発明の課題は、改良された射出成形用の装置と、改良された射出成形用の方法とを示すことにある。
【0008】
特に本発明の課題は、製造される射出成形品の製造精度を向上させる装置および方法を示すことにある。
【0009】
この課題は、並列的な各請求項に記載の特徴により解決される。本発明の有利な改良は、各従属請求項に記載されている。本発明の枠内には、明細書、請求の範囲および/または図面に記載された少なくとも2つの特徴から成る全ての組合せも含まれる。記載した数値範囲では、記載範囲内の数値も限界値として開示されたものと見なされ、任意の組合せで特許請求可能であるものとする。
【0010】
よって本発明は、射出成形用の装置、特にマイクロ射出成形用の装置であって、少なくとも、
-第1の金型半部と第2の金型半部とを備えた金型であって、第1の金型半部と第2の金型半部とは、金型の閉鎖状態において射出成形空間を画定する、金型と、
-射出成形空間内に配置された少なくとも1つのインサートであって、少なくとも1つのインサートは、少なくとも部分的にポリマーを含んでいる、インサートと
を有する、射出成形装置に関する。
【0011】
当該装置は、少なくとも部分的にポリマーを含む、少なくとも1つのインサートを有している。当該装置は、少なくとも部分的にポリマーを含む2つ以上のインサートを有していてもよい。
【0012】
少なくとも1つのインサートは、好適には、特に別のインサートに対して、金型の閉鎖状態において位置合わせ可能である。
【0013】
さらに本発明は、射出成形用の方法、特にマイクロ射出成形用の方法であって、第1の金型半部と第2の金型半部とを有する金型により、金型の閉鎖状態において射出成形空間を画定し、射出成形空間内に配置された少なくとも1つのインサートは、少なくとも部分的に、ポリマーを含んでいる、射出成形方法に関する。
【0014】
射出成形空間内には、少なくとも部分的にポリマーを含む2つ以上のインサートが配置されていてもよい。
【0015】
好適には、少なくとも1つのインサートを、金型の閉鎖状態において射出成形空間内で、特に別のインサートに対して位置合わせする。
【0016】
本発明による1つの特に好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートは、特にインプリントリソグラフィにより製造された、構造化されて型取りされたポリマーから成る弾性表面を有している。換言すると、少なくとも1つのインサートもしくはその表面は、射出成形品の原型のためのマスタとして使用される、構造化された軟質ポンチを成していてよい。
【0017】
構造化されて型取りされたポリマーから成るこの弾性表面は、引き続く本文中では弾性構造としか呼ばれない。本発明による1つの特に好適な実施の形態では、インサートは、基板(英語:back plane)、特にプレート、さらに好適にはウェハから成り、その上に、構造化されるべきポリマーが堆積させられて型押しされ、これにより弾性構造が形成される。この場合、少なくとも1つのインサートは、少なくとも2つの構成部分、すなわち基板と、その上に型押しされた軟質ポンチとから成る構成部分群である。基板は特に、軟質ポンチのための支持体基板として用いられる。
【0018】
特に、少なくとも1つのインサートは、少なくとも部分的にポリマー弾性材料から成る、ということが想定されている。
【0019】
1つの特別な実施の形態では、少なくとも1つのインサートは、少なくとも部分的にエラストマーから成っている。
【0020】
1つの特に好適な実施の形態では、インサート、特に弾性構造は、以下の材料、すなわち
・シリコーン
・ビニル機能性ポリマー
・ビニル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:68083-12-2
・ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:68951-96-2
・ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、特にCAS:225927-21-9
・ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:8027-82-1
・ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:68951-98-4
・ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端、特にCAS:67762-94-1
・ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端、特にCAS67923-19-7
・ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ビニル末端、特にCAS:68083-18-1
・ビニルゴム
・ビニルQレジン分散体、特にCAS:68584-83-8
・ビニルメチルシロキサンホモポリマー、特にCAS:68037-87-6
・ビニルT構造ポリマー、特にCAS:126681-51-9
・モノビニル官能化ポリジメチルシロキサン、対称形または非対称形、特にCAS:689252-00-1
・ビニルメチルシロキサンターポリマー、特にCAS:597543-32-3
・ビニルメトキシシロキサンホモポリマー、特にCAS:131298-48-1
・ビニルエトキシシロキサンホモポリマー、特にCAS:29434-25-1
・ビニルエトキシシロキサン-プロピルエトキシシロキサンコポリマー
・ヒドリド機能性ポリマー
・ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:70900-21-9
・ポリフェニルメチルシロキサン、ヒドリド末端
・メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端、特にCAS:68037-59-2
・メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ヒドリド末端、特にCAS:69013-23-6
・ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端、特にCAS:63148-57-2
・ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキシ末端、特にCAS:24979-95-1
・ポリフェニル-ジメチルヒドロシロキシシロキサン、ヒドリド末端
・メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー、ヒドリド末端、特にCAS:115487-49-5
・メチルヒドロシロキサン-オクチルメチルシロキサンコポリマーおよびターポリマー、特にCAS:68554-69-8
・ヒドリドQレジン、特にCAS:68988-57-8
・シラノール機能性ポリマー
・シラノール末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:70131-67-8
・シラノール末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS68951-93-9および/またはCAS:68083-14-7
・シラノール末端ポリジフェニルシロキサン、特にCAS:63148-59-4
・シラノール末端ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサン、特にCAS:68607-77-2
・シラノール-トリメチルシリル変性Qレジン、特にCAS:56275-01-5
・アミノ官能化シリコーン
・アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:106214-84-0
・N-エチルアミノイソブチル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:254891-17-3
・アミノプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:99363-37-8
・アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS71750-79-3
・アミノエチルアミノイソブチルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:106842-44-8
・アミノエチルアミノプロピルメトキシシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:67923-07-3
・ヒンダードアミン官能化シロキサン(英語:hindered amine functional siloxanes)
・テトラメチルピペリジニルオキシプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:182635-99-0
・エポキシ官能化シリコーン
・エポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:102782-97-8
・エポキシプロポキシプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:68440-71-7
・エポキシプロポキシプロピル末端ポリフェニルメチルシロキサン、特にCAS:102782-98-9
・エポキシプロポキシプロピルジメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:188958-73-8
・トリス(グリシドキシプロピルジメチルシロキシ)フェニルシラン、特にCAS:90393-83-2
・モノ-(2,3-エポキシ)-プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:127947-26-6
・エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:67762-95-2
・(2~3%エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサン)(10~15%メトキシポリアルキレンオキシメチルシロキサン)-ジメチルシロキサンターポリマー、特にCAS:69669-36-9
・脂環式エポキシシランおよびシリコーン
・エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:67762-95-2
・(2~3%エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサン)(10~15%メトキシポリアルキレンオキシメチルシロキサン)-ジメチルシロキサンターポリマー、特にCAS:69669-36-9
・エポキシシクロヘキシルエチル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:102782-98-9
・カルビノール官能化シリコーン
・カルビノールヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:156327-07-0、CAS:104780-66-7、CAS:68937-54-2、CAS:161755-53-9、CAS:120359-07-1
・ビス(ヒドロキシエチル)アミン末端ポリジメチルシロキサン
・カルビノール官能化メチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:68937-54-2、CAS:68957-00-6、CAS:200443-93-2
・モノカルビノール末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:207308-30-3
・モノジカルビノール末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:218131-11-4
・メタクリレートおよびアクリレート官能化シロキサン
・メタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:58130-03-3
・(3-アクリロキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル)末端ポリジメチルシロキサン、特にCAS:128754-61-0
・アクリロキシ末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロックコポリマー、特にCAS:117440-21-9
・メタクリルオキシプロピル末端分枝ポリジメチルシロキサン、特にCAS:80722-63-0
・メタクリルオキシプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:104780-61-2
・アクリロキシプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、特にCAS:158061-40-6
・(3-アクリロキシ-2-ヒドロキシプロポキシプロピル)メチルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー
・メタクリルオキシプロピルT構造化シロキサン、特にCAS:67923-18-6
・アクリルオキシプロピルT構造化シロキサン
・多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)
・オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
・ポリ(オルガノ)シロキサン
・多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)
・ポリジメチルシロキサン(PDMS)
・オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
・ポリ(オルガノ)シロキサン(シリコーン)
・パーフルオロポリエーテル(PFPE)
のうちの少なくとも1つから成る。
【0021】
特に、少なくとも1つのインサートは、金型の開放状態において第1の金型半部または第2の金型半部に挿入される、特に位置固定される、ということが想定されている。金型は、閉鎖状態において内部に第1および第2の金型半部により形成される射出成形空間を有している。
【0022】
射出成形空間内には、少なくとも1つのインサートが配置されており、好適には位置合わせ可能である。このようにして、少なくとも1つのインサートの位置合わせを、有利には金型の閉鎖状態において行うことができ、位置合わせ誤差を修正することができる。
【0023】
この場合、特に、少なくとも1つのインサートは、金型もしくは射出成形空間に対して相対的に、1つまたは複数の方向に可動である、ということが想定されている。好適には、位置合わせ誤差は、射出成形により製造された射出成形品の測定により検出される。
【0024】
当該装置および当該方法は、好適には、成形精度に対して特に高い要求が課された射出成形品を大量生産するために設計されている。特に当該装置および当該方法により、機能領域を有する射出成形品が製造され得る。これらの機能領域は、特に位置合わせ可能な少なくとも1つのインサートにより、特に金型内に導入された射出成形材料の硬化に際して、射出成形品において型取りされる。
【0025】
本発明の1つの好適な実施の形態では、当該装置は、射出成形空間内に配置された少なくとも1つの別のインサートを有しており、この場合、インサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートは、金型の閉鎖状態において位置合わせ可能である、ということが想定されている。このようにして、射出成形品は、複数のインサートを用いて成形もしくは製造されてもよい。
【0026】
さらに各インサートは、有利には互いに金型の閉鎖状態において相対して位置合わせされ得る。射出成形品のフレキシブルな造形の他に、有利には、製造に関する正確な位置合わせが、2つのインサートを位置合わせすることにより可能になる。この実施の形態では、特に一方のインサートが第1の金型半部内に配置されており、少なくとも1つの別のインサートが第2の金型半部内に配置されている。
【0027】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、インサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートは、それぞれ弾性構造を有する型取り表面を有している、ということが想定されている。型取り表面により、有利には射出成形品の形状が予め設定され得る。
【0028】
弾性構造により、有利には特に小さな、特にマイクロ構造および/またはナノ構造が、射出成形方法で射出成形品上に型取りされ得る。構造の弾性は、射出成形品における構造の、より微細でより正確な型取りを可能にする。
【0029】
特に、歯列またはアンダカットを形成する形状も型取りされ得る。剛性構造は離型の際に、マイクロ構造および/またはナノ構造を破壊するもしくは自身が破壊される恐れがある。例として、傾斜したマイクロ構造および/またはナノ構造が挙げられる。
【0030】
このような構造化された型取り表面を用いて、好適には、極めて高い要求が課された複数の射出成形品を、射出成形により大量に製造することができる。これにより、射出成形品を廉価、迅速かつ高品質に製造することができる製造方法が示される。
【0031】
弾性構造は、好適には半導体工業において軟質ポンチに使用されるポリマーから成っている。このようなポリマーは、例えば国際公開第2015078520号および国際公開第2014202127号の各刊行物に記載されている。
【0032】
本発明の別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートの型取り表面と、少なくとも1つの別のインサートの型取り表面とは、金型の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、ということが想定されている。インサートの型取り面を互いに位置合わせすることにより、有利には射出成形品の形状を極めて正確に設定することができる。金型の閉鎖状態において位置合わせ可能なインサートの型取り表面同士を位置合わせすることにより、有利には、型取り表面相互の位置もしくは場所を特に正確に設定することが可能である。
【0033】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートの型取り表面の構造と、少なくとも1つの別のインサートの型取り表面の構造とは、金型の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、ということが想定されている。
【0034】
型取り面に配置された弾性構造相互の位置合わせにより、有利には、射出成形品の前面および背面において型取りされる構造の位置を、互いに正確に調整することができる。特にいくつかの用途に関しては、射出成形材料上もしくは射出成形品上に特定の形状および構造が特に正確に型取りされるだけでなく、型取りされる形状および構造相互のそれぞれの位置が、射出成形品に可能な限り正確に型取りされることも要求される。
【0035】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、金型半部のうちの少なくとも一方および/または少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートおよび/または各構造に、少なくとも1つのヒータが組み込まれており、これにより、射出成形空間を、特に射出成形空間内に案内される射出成形材料を、少なくとも1つのヒータにより的確に加熱することができる、ということが想定されている。
【0036】
ヒータは、あらゆる種類のヒータであり得る。例えば抵抗加熱ヒータまたは誘導加熱器が考えられる。誘導加熱により、金型もしくは1つまたは複数のインサート、特に射出成形時に射出成形材料と直接に接触する弾性構造を有する型取り面の境界面を、有利に加熱することができる。このようにして、特にインサートの型取り表面の微細な構造における射出成形材料の管理されない凝固を防止することができ、液状の射出成形材料を、1回の射出成形過程において有利には均一に加熱して保持することができる。さらに、型取りの質が高められるか、もしくは製造すべき射出成形品における形状エラーが阻止される。特に、マイクロ構造および/またはナノ構造の型取りが、加熱された型取り表面もしくは加熱された構造により改善されかつ簡易化される。
【0037】
本発明による1つの特に好適な実施の形態では、ヒータは、少なくとも1つのインサートに組み込まれる。少なくとも1つのインサートが半導体である場合、ヒータは直接、活性構成素子として形成される。すなわち、電流を効率的にジュール熱に変換するために適した金属の導体路または半導体素子が、少なくとも1つのインサート内に直接に製造される。これにより、極めて効率的な加熱が可能になる。ヒータは、好適には国際公開第2019210976号の刊行物に記載されたものと同様に形成される。
【0038】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートは、特に各型取り表面および/または各背面に、複数の位置合わせマークを有している、ということが想定されている。位置合わせマークは、インサートの所定の位置に対応して配置され得るマークである。
【0039】
特にこれは、規則的に配置された位置合わせマーク、特に位置合わせマークフィールドであり、位置合わせマークフィールド内で、各位置合わせマークは位置合わせマークフィールド内の所定の位置に対応して配置され得る。型取り表面上の位置合わせマークは、特に少なくとも1つのインサートの型取り表面に配置された構造であってもよい。
【0040】
好適には、少なくとも1つのインサートは、型取り表面と背面とに位置合わせマークを有している。特に好適には、少なくとも1つのインサートの背面における位置合わせマークの位置に対する、型取り表面上の位置合わせマークの位置は、互いに既知である。
【0041】
位置合わせマークは、好適には光学的な位置合わせ手段により検出、処理されて、相互に関連付けることができる。位置合わせ手段は、例えば金型内に、特に少なくとも1つのインサートの背面側に配置されていてよい。位置合わせマークにより、少なくとも1つのインサートの特に正確で簡単な位置合わせが可能になる。
【0042】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、第1の金型半部および/または第2の金型半部は、点検窓を有しており、これにより、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートは、複数の位置合わせマークに基づき金型の閉鎖状態において位置合わせ可能でありかつ/または相互に位置合わせ可能である、ということが想定されている。複数の点検窓であることも考えられる点検窓は、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートの位置合わせマークが金型の外から視認可能であるように、特に光学的な位置合わせ手段に関して視認可能もしくは検出可能であるように、金型内に配置されている。
【0043】
このようにして、1つ/複数のインサートを位置合わせする/互いに位置合わせすることができる。好適には、点検窓は、金型の閉鎖状態において少なくとも、少なくとも1つのインサートの背面における位置合わせマークが視認可能であるように、金型内に配置されている。これにより有利には、各インサートの監視式の相対的な位置合わせが実施され得る。
【0044】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、第1の金型半部および/または第2の金型半部は、それぞれ少なくとも1つの位置決め機構を有しており、これにより、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートは、複数の位置合わせマークに基づき金型の閉鎖状態において位置合わせ可能である、ということが想定されている。位置決め機構は、特に自動化またはコンピュータ制御されて、有利には少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートの位置合わせを、金型が閉鎖された状態で実施することができる。
【0045】
この場合、位置合わせは、有利には位置合わせマークに基づいて実施される。特に位置決め機構は、少なくとも1つのインサートもしくは複数のインサートを特に正確に位置合わせすることができるように設計されている。好適には、位置決め機構はアライナである。位置合わせすべきインサートは、金型内に位置固定されるが、位置決め機構により位置合わせ可能である。このようにして、少なくとも1つのインサートを、有利には金型が閉鎖された状態でも位置合わせマークに基づき位置合わせすることができる。
【0046】
本発明の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートの背面側および/または少なくとも1つの別のインサートの背面側に設けられた複数の位置合わせマークに基づき、少なくとも1つのインサートの型取り表面の構造と、少なくとも1つの別のインサートの型取り表面の構造とは、金型の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、ということが想定されている。この実施の形態では、少なくとも1つの別のインサートの型取り表面上の構造に対する、少なくとも1つのインサートの背面側の位置合わせマークの位置が既知である。このようにして、有利には金型の閉鎖状態において、インサートおよび/または複数のインサート同士、特に射出成形品上に型取りするために重要な構造は、各背面側の位置合わせマークに基づいてのみ位置合わせされ得るもしくは相互に位置合わせされ得る。このようにして有利には、インサートの型取り表面上の構造の位置合わせは、背面側の位置合わせマークに基づいてのみ可能である。例えば、インサートの背面側の位置合わせマークに基づいた位置合わせは、射出成形中にも実施され得る。
【0047】
本発明による方法の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートと、射出成形空間内に配置された少なくとも1つの別のインサートとを、特に少なくとも1つのインサートの型取り表面および/または少なくとも1つの別のインサートの型取り表面とを、金型の閉鎖状態において射出成形空間内で互いに位置合わせする、ということが想定されている。このようにして当該方法により、各インサートの型取り表面、特に型取り表面に配置された構造を位置合わせすることもしくは互いに位置合わせすることが可能である。その結果、有利には、射出成形時に製造される射出成形品の形状精度が高められる。
【0048】
本発明による方法の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートを、インサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートに取り付けられた複数の位置合わせマークに基づき位置合わせする、ということが想定されている。このようにして有利には、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートを、位置合わせマークに基づき位置合わせすることができる。
【0049】
本発明による方法の1つの別の好適な実施の形態では、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートの位置合わせを、射出成形方法により製造された射出成形品の測定に基づき実施する、ということが想定されている。射出成形品を製造した後に、これを測定しかつ分析することができる。このとき、射出成形品の形状もしくは幾何学形状の実際値を目標値と比較する。この比較から、形状エラーを確認することができると共に、修正を導出することができる。1つもしくは複数のインサートを再度位置合わせすることで位置合わせを複数回実施すると、特に形状エラーが予め設定された製造誤差範囲内になるまで、このエラーを反復式に改善することができる。好適には、型取り面に配置された構造が型取りする射出成形品の領域を測定する。それというのも、これらの領域は特に製造された射出成形品の機能性にとって重要であるからである。このようにして、製造された射出成形品に基づいて位置合わせの改善を達成することができる。
【0050】
本発明による方法の1つの別の好適な実施の形態では、位置合わせを、少なくとも1つのインサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートの後処理により実施する、ということが想定されている。検出された形状エラーに基づき、1つもしくは複数のインサートを位置合わせすることにより、修正を実施する。位置合わせは、相応する材料の後加工、特に除去または被着により達成してもよい。例えば、インサート同士が対向して位置していると、インサート同士の不正確な平行性に基づき、射出成形品の形状エラーが生じることがある。特にこのことは、インサートの、特に背面側の材料を除去することにより行うことができる。このためには、例えばレーザビームを使用してよい。有利にはこのようにして、例えば位置決め機構を用いた位置合わせによっては補償不可能な射出成形品の形状エラーを補償することができる。
【0051】
本発明による方法の1つの別の好適な実施の形態では、当該方法は、少なくとも以下のステップを、特に以下の順序で有している、ということが想定されている。すなわち:
i)インサートおよび/または少なくとも1つの別のインサートを金型に装着するステップ、
ii)金型を閉じるステップ、
iii)特に射出成形材料を導入しかつ射出成形材料を硬化させることにより、射出成形品を製造するステップ、
iv)射出成形品を取り出して測定するステップ、
v)目標値と比較することにより位置合わせ誤差を特定するステップ、
vi)インサートおよび/または少なくとも第2のインサートを位置合わせするステップ。
【0052】
このようにして、射出成形方法を、インサートの位置合わせに基づくプロセスに、有利には反復式に適合させることができる。
【0053】
本発明の1つの態様は、射出成形方法もしくは射出成形装置の変更に基づくものであり、これにより、少なくとも部分的にフレキシブルなインサートでもって、特に軟質ポンチ技術により表面構造化されたインサートでもって、マイクロメートル構造またはナノメートル構造を備えた表面が形成され得る。射出成形精度を向上させるために、半導体工業のアプローチが適用され、これにより、各型部分もしくは各型取り面を位置合わせするもしくは互いに位置合わせする。製造された射出成形品もしくは最終製品の測定およびフィードバックに基づき、製造方法の精度を高めるもしくは適合させることができる。これに関連して、フィードバックとは、大量生産された射出成形品を複数回測定し、場合により、これにより確認可能な射出成形品のエラーを、インサートの位置合わせにより、かつ/またはインサートの後加工により補償し、これにより、製造される各射出成形品の品質を反復式に改善することができる、ということを意味する。
【0054】
本発明による装置および本発明による方法に基づき、型押しされた工作物の表面の機能化が可能になり、その結果、製造方法をその時々で最適化することにより、製造コストを下げることができると同時に工作物の精度が高められる。換言すると、従来の製造方法が賦形に使用され得る。特に表面の機能化は、新規の高精度の少なくとも1つのインサートにより、金型内で達成される。機能表面もしくはマイクロ構造化されかつ/またはナノ構造化された表面を備えた射出成形品の製造は、これまで従来の射出成形装置もしくは射出成形方法によっては不可能であった。
【0055】
本発明は、射出成形方法および射出成形装置、特にマイクロ射出成形方法およびマイクロ射出成形装置に関する。つまり、型取り面が射出成形材料もしくは相応する射出成形品に型取りする極小構造を備えた射出成形品の製造に関する。
【0056】
周知の射出成形装置を、製造される射出成形品の精度および/または形状・位置誤差および/または表面クオリティおよび/または表面機能化が、特に少なくとも部分的に弾性の、好適にはマイクロ構造化されたインサートにより改良されるように設計する。
【0057】
射出成形では一般に、射出成形品は金型において原型もしくは射出成形空間(射出成形室ともいう)内で製造され、その際、金型は射出成形材料で満たされる。この場合、射出成形材料は、特定の体積、温度および充填圧に関して特定の状態変数を有している。金型は高圧下で、射出成形材料の溶融温度超に加熱され圧縮された圧縮性の射出成形材料で満たされ、再加圧される。射出成形材料の温度は、射出成形材料の溶融温度よりも特に10℃、好適には25℃、さらに好適には50℃、最も好適には75℃高くなっている。溶融物は、金型内で再加圧された状態で凝固する。(物理的に生ぜしめられる不可避の収縮を伴う)固体の状態への相転移後でありかつ特に金型内が大気圧に達した後に、金型は、少なくとも1つの型分離平面において開かれ、射出成形品が取り出されるまたは自動的に投下される。
【0058】
射出成形品の達成可能な寸法安定性を担うのは、状態可変の材料、温度、圧力ならびに金型の賦形および/または機能化である。
【0059】
開示した第1の射出成形装置は、金型ひいては製造される射出成形品の適合および/または機能化のための少なくとも1つのインサートを備える、少なくとも1つの変更された金型を有している。
【0060】
インサートは、好適には射出成形品の製造時に型取りされる、特にマイクロ構造化またはナノ構造化された表面を有している。
【0061】
特に好適には、少なくとも1つのインサートは、コーティング、好適には構造化されたコーティング、特に好適にはマイクロ構造化またはナノ構造化されたコーティングを有し、このコーティングは、射出成形品の製造時に型取りされる。
【0062】
好適には、少なくとも1つのインサートは、特にマイクロ構造および/またはナノ構造を有する弾性的な構造化部を有している。つまり、表面に可撓性の構造を備える、特に少なくとも部分的に剛性のインサートは、高精度で、表面構造化に対する高度な要求でもって、かつ/または小さな形状・位置誤差でもって、射出成形品の改良された型取りを生ぜしめることができる。
【0063】
好適には、金型および/または少なくとも1つのインサートの形状および設計が少なくとも大まかな賦形を確定し、射出成形品において型取りされるインサート表面の特に弾性的な構造化部が、射出成形品の表面もしくは射出成形品の表面の機能化部を決定することにより、特に大まかな賦形と、少なくとも1つの製品表面の機能化との間で機能分離が生ぜしめられる。
【0064】
少なくとも1つの、特にマイクロ構造化またはナノ構造化されるインサートには、追加的な局所的なヒータが組み込まれている、ということが考えられ、これにより、型に忠実な型取りを向上させることができ、かつより高い、いわゆる形状係数(アスペクト比)を得ることができる、つまりより高度な、より狭幅な構造を形成することができる。
【0065】
ヒータを、少なくとも1つのインサートの表面構造化部に連結することも同様に考えられ、これにより射出成形材料を的確かつ直接に、射出成形材料と接触状態にある領域において加熱することができる。これにより、構造化された型取り面の形状係数をさらに改善することができる。
【0066】
本発明による射出成形装置の金型には、特に独自の発明が見られる。金型の、射出成形品の機能に関して最重要ではない部分は、従来の製造方法によりISO2768-1ならびにISO2768-2に準拠して、特に「細かい」もしくは「高」に分類されるように設計され得る。
【0067】
金型は、少なくとも1つのインサートを有している。少なくとも1つのインサートは、インサートの少なくとも型取り表面上を型押し法によりコーティングされ得、ひいては機能化され得る。
【0068】
表面特性、特にマイクロ構造化された周期的な表面構造等の機能化に対して比較的高い要求が課された少なくとも1つのインサートは、好適にはいわゆるマイクロレプリケーション、特にマイクロリソグラフィまたはナノリソグラフィ式の型押し方法により製造され、少なくとも部分的に弾性のインサートとして金型内に組み込まれる。型押し方法によるこの表面コーティングに基づき、少なくとも1つのインサートに設けられた少なくとも部分的に弾性の構造を、有利には個別にかつ正確に、射出成形品上に型取りすることができる。
【0069】
少なくとも1つのインサートの表面構造は、特に欧州特許第2870510号明細書の刊行物に詳細に記載された技術と同様に、例えばリソグラフィインプリント技術により各インサートに形成される。
【0070】
例えば無機の担体、好適には半導体材料、および/または特に好適には窒化ケイ素(Si)および/または炭化ケイ素(SiC)および/またはダイヤモンドおよび/または工業用ガラスを含み得る少なくとも1つのインサートは、金型内に好適には位置合わせ可能に取り付けられる。したがって、少なくとも1つのインサートは局所的に位置固定されてはいるが、的確に動かされてもよく、ひいては別の位置に位置固定されて支持され得る。
【0071】
周知のインプリントリソグラフィ技術を用いて、特に弾性的な構造をまず支持体上に形成し、次いで少なくとも1つのインサートの表面に転移させることも考えられる。構造の転移には、特にプラズマ活性化および/または接着剤が用いられてよい。ただし好適には、弾性的な構造は、少なくとも1つのインサートの表面に直接に形成される。少なくとも1つのインサートの表面上で構造化部を位置合わせしかつ/または予め位置固定するためには、アライナが用いられてよい。この場合、少なくとも1つのインサートに支持体を取り付けるために、例えば加工レーザが用いられてよいもしくは金型内に組み込まれていてよい。
【0072】
金型の1つの特に好適で有利な実施の形態では、半導体技術から周知のアライナを用いて、少なくとも1つのインサートを金型内で位置合わせして固定することが可能である。この場合、金型内での少なくとも1つのインサートの位置合わせ精度は、特に金型の横方向平面内で5マイクロメートルより良好であり、好適には1マイクロメートルより良好であり、特に好適には500ナノメートルより良好であり、極めて特に好適には250nmより良好である。金型の別の運動方向への同一の位置合わせ精度が、前記アライナまたは別のアライナにより提供され得る。
【0073】
好適には、金型内での少なくとも1つのインサートの位置合わせ精度は、製造された射出成形品において測定される。つまり大量生産プロセスでは、製造された1つもしくは複数の第1の射出成形品が測定され、ひいては測定された実際値と予め設定された目標値との比較により、位置合わせ精度が特定され得る。
【0074】
好適には、アライナが位置合わせモジュールとして射出成形装置に組み込まれている。したがってモジュール構成形式でもって、射出成形品を測定する測定モジュール、材料調製モジュール等の複数のモジュールを備える装置を、射出成形装置の適用ニーズに従って柔軟に付け加えることができる。
【0075】
特に、半導体工業のいわゆるマスクアライナを変更することが考えられ、これにより、単色UV線を生ぜしめる既存の光学システムが使用され得る。したがって射出成形装置は、アライナと、インサート上に特に弾性的なマイクロ構造化またはナノ構造化された表面を形成するためのインプリンタとを有していることも考えられる。
【0076】
さらに好適には、少なくとも1つのインサートを、金型内で組み合わせられたアライナにおいて位置合わせし、特に高エネルギ放射線、特にレーザまたはヒータを用いて金型内に予め固定することが考えられ、これにより、弾性的な表面コーティングを備えたインサートが、金型内で正確な位置に固定され、金型を動かすことができるようになる。
【0077】
固定は、少なくとも1つのインサートと、運転条件(最高2000bar超、好適には2400bar超の過剰圧力、最高摂氏150度超、好適には最高摂氏200度超の型押し材料ならびに金型の温度)に合うように適合させられたもしくは設計された金型との結合を生ぜしめる。固定により、少なくとも1つのインサートは、金型内に正確な場所・位置で、特に任意に位置固定される。
【0078】
金型内での少なくとも1つのインサートの任意の固定とは、まさに6の運動自由度が、少なくとも1つのインサートから奪われることを意味する。これにより有利には、インサートにおける寄生力による変形が回避される。
【0079】
インサート同士の位置合わせ精度も同様に射出成形品において測定され、当業者は、結果として生じる位置合わせ誤差と呼ぶ。つまり位置合わせ誤差は、インサートと第2の構成部分、特に別のインサートとの間に相対的に生じる。
【0080】
特に射出成形品において、それぞれの型取り面の方を向いた2つのインサートに関して相対的に測定された位置合わせ誤差は、好適には10マイクロメートル未満、好適には5マイクロメートル未満、特に好適には1マイクロメートル未満、極めて特に好適には500ナノメートル未満、最も好適には200ナノメートル未満である。
【0081】
特別な、特に光学的な用途には、より小さな位置合わせ誤差が必要である。つまり、射出成形品における位置合わせ誤差は、150ナノメートル未満、好適には100ナノメートル未満、特に好適には50ナノメートル未満である。
【0082】
射出成形品内に周期的な、好適には同一のもしくは周期的に繰り返される構造が型取りされる場合には、周期を互いに位置合わせすることが機能性にとって重要である。
【0083】
周期が互いに「山と山」、または「谷と谷」または「谷と山」として位置合わせされるか否かということは、射出成形品における周期誤差の考慮にとって重要ではない。つまり周期誤差は、理想的な、予め設定された位置合わせ状態からの偏差と見なされる。
【0084】
この偏差、つまり射出成形品の誤差だけが重要である。よって有利には、周期同士の位置合わせ状態を品質特徴として示すことが可能である。ちょうど1周期である位置合わせ誤差は、射出成形品の型押し構造の縁部に誤差を生ぜしめるだけに過ぎず、換言すると、1周期の長さ分だけずれた誤差を生ぜしめるだけに過ぎない。
【0085】
この場合、射出成形品において測定された位置合わせ誤差、特に周期誤差は、0.25周期未満、好適には0.1周期未満、特に好適には0.05周期未満であることが望ましい。
【0086】
位置合わせ誤差は、回転に関しても最小でなければならない。50mmの距離にわたり、構造は、1.0μmを超えては相違しないことが望ましい。これは、2*10-5°の最大角度に相当する。よって角度に関する位置合わせ誤差は、2*10-5°未満、好適には10-5°未満、さらに好適には5*10-6°未満、最も好適には2*10-6°未満、最高に好適には2*10-7°未満である。
【0087】
換言すると、製品の周および/または縁部において測定された、50mmの基準長さにおける回転誤差は、1μm未満、好適には500nm未満、特に好適には250nm未満、極めて特に好適には100nm未満、最も好適には10nm未満になる。
【0088】
射出成形装置の1つの好適な実施の形態では、射出成形材料は、感光硬化性の、特にUV硬化性の成分を含んでいてよい。このような射出成形材料を使用した場合には、射出成形材料の、熱に起因する液体から固形物への硬化または相転移が行われるのではなく、UV線に基づく相転移が行われる。
【0089】
射出成形装置のこの実施の形態における金型は、組み込まれた線源および/または硬化放射線に対して透過性の照射窓を有しており、照射窓を介して硬化放射線を射出成形材料に照射し、これにより硬化を開始させる。1つの好適な実施の形態では、金型は透明である。
【0090】
射出成形材料として、工業用ポリマーおよび/または汎用プラスチック、換言すると大量生産によるポリマーが使用され得る。この場合、材料選択は、射出成形品の用途に従う。
【0091】
充填剤を含むまたは含まないポリマーおよび/またはポリマーの混合物および/またはブレンドが使用され得、これらは特に以下の材料、すなわち、
-POSS
-ポリエチレン(LDPE、HDPE)および/または
-ポリプロピレン(PP、塩化されたPVC)および/または
-ポリスチレン、および/または
-メタクリレート(PMMA)、および/または
-テレフタレート(PET)、および/または
-フッ素化ポリマー(PTFE)、および/または
-TPO、CAB、ABS、PA-66、POM、PC、PPS、PES、LCP、PEEK、PF、UF、UP、EP、PIBおよび/またはPIM
を含んでいてよい。
【0092】
使用される射出成形材料の収縮は、好適には5%未満、特に好適には3%未満、さらに好適には1.7%未満、最も好適には0.7%未満である。
【0093】
射出成形装置の第2の実施の形態は、互いに位置合わせされるべき2つのインサートを備えた少なくとも1つの変更された金型を含み、インサートは、特に弾性的な、好適にはマイクロ構造化されかつ/またはナノ構造化された表面でもって射出成形品の機能化を実施する。
【0094】
射出成形装置のこの実施の形態では、特に弾性の、マイクロ構造化されかつ/またはナノ構造化されたインサート表面を有する少なくとも2つのインサートが、金型内で互いに位置合わせされて固定され得る。
【0095】
金型内でのインサート同士の位置合わせ精度は、金型内で1つのインサートを位置合わせする精度と同程度である。
【0096】
各インサートが、金型の分割平面の、それぞれ異なる金型半部に含まれるように、各インサートを金型内に配置することが可能である。このようにして、射出成形装置および射出成形方法は、金型内のインサートの位置に関して、特にフレキシブルに構成され得る。
【0097】
インサート同士の位置合わせ過程を高い精度で実施するために、金型は、少なくとも部分的に透明に構成されている、ということが可能である。換言すると、金型は、押当て圧力の力伝達および均一な力分散に用いられる取出し可能な支持部分と、インサートもしくはインサートの構造化された表面の位置合わせを金型が完全に閉鎖された状態で行うことができる点検窓または位置合わせ窓とを有していてよい。射出成形過程の力および温度変動を、特に弾性の、マイクロ構造化されたインサートならびに点検窓および/または位置合わせ窓により吸収することができるように、金型は、相応する支持構造を有していてよい。点検窓は、特にUV線による射出成形材料の硬化用に形成されていてもよい。
【0098】
金型の少なくとも2つの金型半部内で1つ/複数のインサートの精密な位置合わせを実施するためには、閉じられた型内のインサート同士を位置合わせする必要がある。このようにして、金型の閉鎖中または閉鎖状態において生じるかまたは金型内での固定時に既に存在する、1つもしくは複数のインサート同士の位置合わせ誤差を補償もしくは修正することが可能である。
【0099】
位置合わせは、例えばいわゆる位置合わせマークまたはマーキングにより行われてよい。これらは、1つまたは複数のインサートに取り付けられている。好適には、金型の閉鎖状態において位置合わせ可能な各インサートに、少なくとも1つのマーキングが取り付けられている。
【0100】
位置合わせは、好適には、一方のインサートの背面に配置された少なくとも1つのマーキングと、別のインサートの背面に配置された位置合わせマークとを光学的に位置合わせすることにより行われる。つまり位置合わせは、有利にはインサートの、各型取り面とは反対の側の背面を介して行われてよい。
【0101】
マーキングもしくは位置合わせマークは、半導体工業において一般的な十字、プロペラ状の位置合わせマーク、円、多角形パターン、光学干渉用の線形パターン、QRコードを含んでいてよい。
【0102】
好適には、位置合わせマークはマークフィールド内に配置されており、この場合、個々の位置合わせマークは所定の情報内容を有しているため、マークフィールド内の位置ひいては光学的な位置合わせ手段に対して相対的な、相応するインサートの位置は既知である。この場合、位置合わせは、マークフィールド内の個々のマークの既知の位置に基づき、有利には相対的に行われてよい。
【0103】
インサートが、互いに反対の側に位置する2つの表面に位置合わせマークまたはマーキングを有していると、特に有利である。好適には、位置合わせマークまたはマーキングは、インサートの各背面と、インサートの各型取り面の側とに位置している。このようにして、有利にはインサートの両側から位置合わせを行うことができる。
【0104】
極めて特に好適には、射出成形装置は、2つのインサートのためのアライナと位置固定手段とを有しており、この場合、アライナは、型取り面に形成された、特に位置合わせマークとして機能する表面構造化部と、インサートの背面における位置合わせマークとの相関を行い、この相関は、特に画像評価に基づいている。相関データを用いて、少なくとも2つのインサートの背面対背面の位置合わせが実施され得る。この場合、背面における各位置合わせマークを検出するための光学的な位置合わせ手段は、金型内に配置されていてよい。よってインサート同士の位置合わせは、有利には金型の閉鎖状態において行われてよい。
【0105】
また、位置合わせは、金型の外部に配置された、例えば通路または位置合わせ窓を介してインサートの位置合わせマークもしくはマーキングを検出可能な位置合わせ手段により行われる、ということも考えられる。
【0106】
インサートの表面構造化は、インサート表面もしくは型取り表面において、特に位置合わせして行うことができるため、特に軟質の表面構造の位置および場所を測定することができる。この場合、有利には、表面構造を位置合わせマークもしくはマーキングとして用いることができる。特に、インサートは背面に、表面構造に対して相対的に測定可能な別のマーキングもしくは位置合わせマークを有している、ということが考えられる。このようにして、マーキングを測定すると、反対の側に位置する表面構造の位置もやはり既知となり、その逆もある。
【0107】
インサートは、表面構造のそれぞれ異なる領域またはそれぞれ異なる膜を有していてよい。これらには、型取りされるべき表面構造および/または型取りされるべきでない表面構造、特に位置合わせマークが含まれていてよい。表面構造は、いわゆる「ファーストプリント」においてまたは連続的な製造において形成され得る。
【0108】
装置の1つの有利な実施の形態では、インサートの、特に軟質の、型取りされるべき構造を備えた表面ならびにこれに対向して位置するインサートの表面に、マーキング、特に位置合わせマークが取り付けられかつ/または被着されかつ/またはもたらされてよい。換言すると、インサートは、両方の表面に位置合わせマークおよび/または位置合わせマークフィールドを有していてよく、位置合わせマークおよび/または位置合わせマークフィールドは、特にリソグラフィまたは電子ビームを介して、インサートをアライナ内での位置合わせに適格にする。
【0109】
好適には、表面構造化部の位置合わせマークは、インサートの同一表面に関して測定され、これにより、インサートにおける表面構造の位置を確認することができる。
【0110】
特に有利には、インサートの表面構造化部の位置合わせマークの、表面構造化(型押し)されていない側の位置合わせマークに対する測定および照合が想定されている。換言すると、インサートの背面に対する表面構造化部(特にその位置および/または場所)の相関が生ぜしめられる。これにより、アライナが光学的に直接には到達し得ないインサート同士の表面構造を位置合わせすることが可能である。インサートの前面を背面に相関させることにより、各インサートを、表面構造化(型押し)されていない背面に基づき、表面構造化部同士が直接位置合わせされたかのように、互いに位置合わせすることができる。
【0111】
極めて特に好適には、インサート同士の位置合わせは、閉じられた金型内で実施される。
【0112】
表面構造化された全てのインサートを測定し、互いに相関させることができるため、インサート同士をより良く位置合わせすることにより、測定した射出成形品の位置合わせ誤差を、射出成形品の位置合わせ誤差から導出される誤差修正ベクトルに基づき修正することができる。
【0113】
位置合わせの検査結果は、製造された射出成形品の測定もしくは製造された射出成形品に基づく位置合わせ誤差の検出の結果として得られる。
【0114】
特に、インサートは閉じられた金型内で、特に固体ジョイントを介した1000マイクロメートル未満、好適には500マイクロメートル未満、特に好適には250マイクロメートル未満の送り運動により、特に遊びなく位置決め可能もしくは位置合わせ可能である、ということが想定されている。
【0115】
1つの別の好適な実施の形態では、金型内に組み込まれた空気軸受が、インサートの可動性を向上させることができる。このようにして、容易かつ極めて正確な位置合わせが可能になる。
【0116】
換言すると、送り運動は、位置合わせする際の金型内でのインサートの最大限の移動距離を意味する。
【0117】
最大移動距離もしくは最大限の送り運動の結果として、位置合わせマークは、位置決め装置もしくは位置合わせ装置の移動ベクトルの和よりも大きな少なくとも1つの面を被覆する。例えば、x方向に1mm移動可能でありかつy方向にもやはり1mm移動可能である場合には、位置合わせマークがアライナの視野内で1mmより大きな面の上に存在していることが望ましい。
【0118】
インサートは、特にピエゾ駆動装置および/または差動ねじ山付き調整手段を備えた精密位置決め装置を用いて位置決め可能である、ということが想定されている。
【0119】
例えばピエゾ駆動装置、リニアピエゾ駆動装置、ねじ山付き駆動装置等が使用され得る。
【0120】
さらに、各インサートは互いに位置合わせされてから、射出成形品の一連の製造または少なくとも統計的に重要な射出成形品のサンプルの製造によりインサートの位置および場所が1%未満だけ調整されるように、好適には50ppm未満だけ調整されるように、特に好適には100ppb未満だけ調整されるように金型内に固定される、ということが想定されている。調整は、製造される射出成形品の理想的な値に関係する。換言すると、インサートの場所および/または位置に関する製造誤差のばらつきは、1%未満、好適には50ppm未満、特に好適には100ppb未満の狭い製造誤差範囲内に保たれる。
【0121】
効果として射出成形品における製造誤差の最小化をもたらす、金型内のインサートの位置および場所の反復式の修正が終了してから、インサートを、特に大量生産するために金型内に固定してよい。
【0122】
この場合、固定とは、金型からのインサートの解離が、(特に金型に対する高い付着性に基づき)インサートを損傷すること無しには不可能である、ということを意味する。
【0123】
固定されたインサートの交換が必要になることも考えられる。この場合、インサートは破壊してよいが、金型の機能性は、必要なクリーニングを除いて維持し、金型の後加工無しで別のインサートを収容することができる、ということが望ましい。
【0124】
射出成形装置における金型の1つの好適な実施の形態では、有利には、特に開示された方法による射出成形品の形状誤差および位置誤差を、特に各インサートのうちの少なくとも1つの弾性の表面構造の後加工により、かつ/または各インサートのうちの少なくとも1つの後加工により向上させる、ということが想定されている。特に、射出成形品の平行平面性を向上させることができる。
【0125】
さらに、金型もしくは1つもしくは複数のインサートの配置を、反復式の、特に近似的な確認法で調整する、ということが想定されている。
【0126】
特に統計的に重要な量の、特に大量の射出成形品を製造する金型を形成する。
【0127】
射出成形品を測定し、特に統計的に評価する。このようにして、有利には平均的な位置合わせ誤差を求めることができる。
【0128】
次いで、これに基づき金型の修正、特にインサートの調整を実施することができる。この修正は、例えば材料を除去するかまたは加えかつ/または向きを変化させかつ/またはインサートの位置を適合させることであってよい。
【0129】
修正した射出成形品を、特に統計的に重要な量で製造し、評価する。理想的な射出成形品の近似を引き続き反復式に実施するか、または射出成形品の製造を開始する。
【0130】
引き続き誤差を修正するためには、射出成形品のランダムサンプルの統計的評価を実施してよく、これにより引き続き、所要の適合化を実施することができる。特に、金型の劣化の影響ならびに摩耗を早期に認識することができる。
【0131】
換言すると、射出成形装置の各金型毎に個別の適合および調整が、射出成形品の大量生産前に行われ、これにより射出成形品の品質が改良され、特にマイクロ技術で製造される領域において、射出成形品のより狭小な製造誤差が可能になる。
【0132】
第1の好適な、例示的な射出成形方法は、特に以下のステップで、好適には以下の順に実施される。すなわち:
-金型に、少なくとも1つの弾性の、マイクロ構造化またはナノ構造化されたインサートを装着するステップ、
-金型を閉じるステップ、
-特に組み込まれたアライナ(位置合わせモジュール)において、インサートと金型および/またはインサート同士、特に背面同士を位置合わせし、金型内に固定するステップ、
-金型を、射出成形装置内に組み込むステップ、
-少なくとも1つの射出成形品を、特に射出成形方法により製造するステップ、
-射出成形品を金型から取り出し、特に3D座標測定機において測定し、データをデータメモリおよびデータ分析装置に転送するステップ、
-任意の方法ステップにおいて、射出成形品を機能に関して検査しかつ/または試験するステップ、
-コンピュータにより、測定値ならびに目標値から導出された誤差-ベクトルフィールドを作成し、修正要因および修正手段を求めるステップ、
-的確な修正を適用するステップ、
-的確な修正に、金型内の少なくとも1つのインサートの位置および場所の変更を含めるステップ、
-任意には、金型およびインサートの調整を引き続き反復するステップ。
【0133】
1つの別の好適な、例示的な射出成形方法は、特に以下の順を有する特に以下の方法ステップを有している。
【0134】
準備方法ステップにおいて、金型を準備する。このためには、インサートを表面構造により機能化することが必要である。インサートの表面構造から背面まで、各インサートの相関を測定し、特に、データメモリおよびデータ分析装置としてのコンピュータにおいて処理する。
-金型に、特に弾性の、マイクロ構造化またはナノ構造化されたインサートを装着するステップ、
-金型を閉じるステップ、
-特に、射出成形装置に組み込まれたアライナ(位置合わせモジュール)において、インサート同士、特に背面同士を位置合わせし、金型内に固定するステップ、
-金型を、射出成形装置内に組み込むステップ、
-少なくとも1つの射出成形品を、特に射出成形方法により製造するステップ、
-射出成形品を金型から取り出し、特に3D座標測定機において測定し、データをデータメモリおよびデータ分析装置に転送するステップ、
-任意の方法ステップにおいて、射出成形品を機能に関して検査しかつ/または試験するステップ、
-コンピュータにより、測定値ならびに目標値から導出された誤差-ベクトルフィールドを作成し、修正要因および修正手段を求めるステップ、
-的確な修正を適用するステップ。
【0135】
修正は、少なくとも局所的な材料増大または少なくとも局所的な材料減少または表面構造化部の変更として含まれていてよい。特に、射出成形品の厚さの変動または波打ちは、インサートの背面の的確な材料除去または材料増大により変更され得る。
【0136】
射出成形に際して生じる圧入圧力は、インサートに生じる変形を的確に利用して、射出成形品の形状に少なくとも局所的に影響を及ぼすために使用され得る。
【0137】
インサートの背面から材料が少なくとも局所的に除去されると、射出成形品の体積は増加する。これにより、射出成形品の局所的な窪みを修正することができる。
【0138】
材料が、少なくともインサートの背面において局所的に増量されると、射出成形品の体積は減少する。
【0139】
当業者は、膜形成のために、蒸着またはPVDまたはCVDまたは分子ビームエピタキシ等の的確な加工方法を用いることができるか、または不連続支持フィルムを利用することができる。膜除去には、電子ビーム除去またはレーザ除去または毛焼またはラッピングまたは研削またはサンドブラストまたはプラズマ処理またはイオン源を用いた処理が考えられる。位置合わせの意味で、当業者はあらゆる周知の加工法を使用してよい。
-変更されたインサートを金型内に組み込み、中断判定基準に達するまで、射出成形品の引き続く反復製造を開始する。
【0140】
可能な中断判定基準は、射出成形品の質的、機能的な判定基準への到達である。別の中断判定基準は、射出成形品の回復不能の劣化であり、その結果、金型および/またはインサートは検査され、交換されることになる。
【0141】
本発明の別の利点、特徴および詳細は、以下の好適な実施例の説明から図面に基づき明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
図1】本発明による射出成形装置のための金型を示す図である。
【0143】
図中、同一の構成部材または同一の機能を備えた構成部材には、同一の符号を付してある。
【0144】
金型1は、型分離平面Eにより互いに分離させられてよい第1の金型半部2と第2の金型半部3とから成っている。金型1の技術設計は、必要な金型部分の数と、型分離平面の数とを決定する。必要な、当業者には周知のガイド、嵌合コーン、ならびに押出しピン、冷却および/または加熱用の媒体供給部、加熱用の電子構成群、カウンタシンク、充填通路の切断用の切断工具は、図示しない。
【0145】
金型1は、第1のインサート5および第2のインサート5’を有している。本発明では、インサート5,5’はポリマーを含んでいる。
【0146】
第2の金型半部3には、点検窓4が示されており、点検窓4は、第2の金型半部3を射出成形空間10ならびにインサート5’から、特に気密に切り離している。点検窓4を介して、インサート5’の位置合わせマーク5m’を、特にアライナ(図示せず)を用いて観察することができ、位置決め機構6により調整することができる。
【0147】
圧力分配器7は、射出過程時に点検窓4および/またはインサートの背面5b’を位置合わせマーク5m’と共に覆い隠すことを可能にし、これにより、射出成形材料(図示せず)が金型1から、特に制御されずに漏出する恐れ無しに、射出成形時の運転圧力を、例えば最高2500barの過剰圧力に保つことができる。
【0148】
インサート5,5’は、金型1内の射出成形空間10の方向に構造化された型取り表面5s、5s’でもって、特に金型半部2,3内に位置合わせ可能かつ調整可能に位置決めされる。
【0149】
インサート5,5’は、特にマーク群として構成された位置合わせマーク5m,5m’を、構造化された型取り面5s,5s’にもインサートの背面5b,5b’にも有していてよく、これにより特に、インサート5,5’の型取り表面5s,5s’とインサート5,5’の背面5b,5b’との関連付けもしくは相関を実施することができる。測定は、必ずしも金型1内で行われるわけではない。
【0150】
1つの特に好適な実施の形態(図示せず)では、平坦性の要求を達成するために、インサート5,5’の背面5b,5b’の加工が行われてよく、この場合、構造化部無しの、インサート5,5’の型取り表面5s,5s’が使用され得る。特別なケースでは、インサート5,5’の背面5b,5b’の加工または加工性に関係無く構造化部無しのインサート5,5’の型取り表面5s,5s’が存在していてよい。
【0151】
金型1は、充填開口8内に射出成形材料(図示せず)を充填され、これにより、射出成形材料は射出成形空間10に流入し、射出成形空間10のキャビティを、特に完全に満たす。金型1の射出成形空間10を、気泡または気孔または封入物無しに完全に満たすことができるようにするために、特に複数の脱気通路9が金型1内に形成される。
【0152】
第1の金型半部2には、インサート5が点検窓無しで象徴的に示されている。光学的な手段を用いて特にインサート5の背面5bを観察し、インサート5,5’を互いに位置合わせすることができるようにするために、金型1内には、相応する複数の通路が形成される。この実施の形態では、圧力分配器7がインサート5,5’を支持しており、これによりインサート5,5’を、射出成形材料による過負荷に起因する破損から保護している。
【0153】
インサート5,5’の過負荷には、熱的な過負荷および機械的な過負荷が含まれていてよく、これらの過負荷は、金型1内でインサート5,5’を任意に緊締することと、特に全面的に支持することとにより回避され得る。
【符号の説明】
【0154】
1 射出成形用の金型
2 第1の金型半部
3 第2の金型半部
4 点検窓
5,5’ インサート
5s,5s’ インサートの構造化された型取り表面
5b,5b’ インサートの背面
5m,5m’ インサートの位置合わせマーク
6 位置決め機構
7 圧力分配器
8 充填開口
9 脱気通路
10 射出成形空間
E 型分割平面
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
-第1の金型半部(2)と第2の金型半部(3)とを有する金型(1)であって、前記第1の金型半部(2)と前記第2の金型半部(3)とは、前記金型(1)の閉鎖状態において射出成形空間(10)を画定する、金型(1)と、
-前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つのインサート(5)と
を備える、射出成形する装置、特にマイクロ射出成形する装置であって、
少なくとも1つの前記インサート(5)は、少なくとも部分的にポリマーを含んでおり、
当該装置により、射出成形品を製造することができるようになっており、該射出成形品を、少なくとも1つの前記インサート(5)から取り出しかつ測定することができるようになっており、位置合わせ誤差は、目標値と比較することにより、決定可能であり、少なくとも1つの前記インサート(5)は、位置合わせ可能であり、
さらに、前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つの別のインサート(5’)を備え、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能であり、
前記位置合わせ誤差は、位置合わせを複数回実施することにより反復式に改善される
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、弾性構造を備えた各1つの型取り表面(5s,5s’)を有している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)と少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)の構造と、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)の構造とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記インサート(5)、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)および/または各前記構造に、少なくとも1つのヒータが組み込まれており、これにより、前記射出成形空間(10)を、特に充填開口(8)を介して前記射出成形空間(10)内に導入可能な射出成形材料を、少なくとも1つの前記ヒータにより的確に加熱することができる、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、特に各前記型取り表面(5s,5s’)および/または各背面(5b,5b’)に、複数の位置合わせマーク(5m,5m’)を有している、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項7】
前記第1の金型半部(2)および/または前記第2の金型半部(3)は、点検窓(4)を有しており、これにより、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能でありかつ/または相互に位置合わせ可能である、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項8】
前記第1の金型半部(2)および/または前記第2の金型半部(3)は、それぞれ少なくとも1つの位置決め機構(6)を有しており、これにより、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)は、複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき前記金型(1)の閉鎖状態において位置合わせ可能である、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記インサート(5)の前記背面(5b)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記背面(5b’)に設けられた複数の前記位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき、少なくとも1つの前記インサート(5)の前記型取り表面(5s)の前記構造と、少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の前記型取り表面(5s’)の前記構造とは、前記金型(1)の閉鎖状態において互いに位置合わせ可能である、請求項1からまでの少なくとも1項記載の装置。
【請求項10】
第1の金型半部(2)と第2の金型半部(3)とを備えた金型により、該金型(1)の閉鎖状態において射出成形空間(10)を画定する、射出成形方法、特にマイクロ射出成形方法であって、
前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つのインサート(5)は、少なくとも部分的にポリマーを含んでおり、
射出成形品を製造し、該射出成形品を、少なくとも1つの前記インサート(5)から取り出して測定し、目標値と比較することにより、位置合わせ誤差を測定し、少なくとも1つの前記インサート(5)を位置合わせし、
少なくとも1つの前記インサート(5)と前記射出成形空間(10)内に配置された少なくとも1つの別のインサート(5’)とを、特に少なくとも1つの前記インサート(5)の型取り表面(5s)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の型取り表面(5s’)を、前記金型(1)の閉鎖状態において前記射出成形空間(10)内で互いに位置合わせし、
前記位置合わせ誤差を、位置合わせを複数回実施することにより反復式に改善する
ことを特徴とする、射出成形方法。
【請求項11】
少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)を、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)に取り付けられた複数の位置合わせマーク(5m,5m’)に基づき位置合わせする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項10または11の少なくとも1項記載の方法により製造された射出成形品の測定に基づき、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の位置合わせを実施する、請求項10または11の少なくとも1項記載の方法。
【請求項13】
位置合わせを、少なくとも1つの前記インサート(5)および/または少なくとも1つの前記別のインサート(5’)の後処理により実施する、請求項10から12までの少なくとも1項記載の方法。
【国際調査報告】