(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】食品調理物の注ぎと掻き出しを容易にする取手付き食品調理容器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/07 20060101AFI20230720BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A47J43/07
A47J27/00 103Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022574680
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2021065064
(87)【国際公開番号】W WO2021245270
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ルイ デシャイエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン ネスポー
(72)【発明者】
【氏名】オレリー ベス
【テーマコード(参考)】
4B053
4B055
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA12
4B053BC01
4B053BD03
4B053BE14
4B053BL01
4B055AA01
4B055BA38
4B055CA43
4B055CB02
(57)【要約】
本発明は、容器本体への食品の導入と、得られた食品調理物を容器本体(8)から取り出すための主開口部(11)を備えた、容器本体(8)を含む、食品調理容器(3)に関する。食品調理容器(3)は、主開口部(11)が容器本体(8)の頂部に位置づけられる通常の位置に容器本体(8)を維持しながら、容器本体(8)が取り扱われ得るように設計された、少なくとも一つの第1の取手(19、20)を含む。食品調理容器(3)は、本体(32)内に奥深く延びる空洞(53)を備えた下面を有する本体(32)を含む、第2の取手(22)を含み、前記空洞(53)は、少なくとも手の3本の中指の、少なくとも遠位指骨を収容し、容器本体(8)が、食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜した状態で、遠位指骨によって懸垂保持されることを可能にするように設計される。また、本発明は、そのような食品調理容器(3)を備えた、食品調理機器に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品調理容器(3)であって、前記食品調理容器(3)は、容器本体(8)への食品の導入、及び、前記容器本体(8)からの前記食品から作られた食品調理物の取り出しのための、主開口部(11)を画定する上縁(10)を備えた、前記容器本体(8)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)に取り付けられ、前記主開口部(11)が前記容器本体(8)の頂部に配置された、通常の位置に前記容器本体(8)を維持しながら、前記容器本体(8)が取り扱われ得るように設計された、少なくとも一つの第1の取手(19、20)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)に取り付けられ、本体(32)の中に奥深く延びる空洞(53)を有する下面(34a)を備える、前記本体(32)を含む、第2の取手(22)を含み、前記空洞(53)は、その中に、手の少なくとも3本の中指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、遠位指骨と中位指骨を収容し、前記容器本体(8)が、前記食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜した位置で、前記遠位指骨によって懸架状態に保持されることを可能にするように設計されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項2】
食品調理容器(3)であって、前記食品調理容器(3)は、容器本体(8)への食品の導入、及び、前記容器本体(8)からの前記食品から作られた食品調理物の取り出しのための、主開口部(11)を画定する上縁(10)を備えた、前記容器本体(8)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)に取り付けられ、前記主開口部(11)が前記容器本体(8)の上部に配置された、通常の位置に前記容器本体(8)を維持しながら、前記容器本体(8)が取り扱われ得るように設計された、少なくとも一つの第1の取手(19、20)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)に取り付けられ、下面(34a)を有する本体(32)を含む、第2の取手(22)を含み、前記下面(34a)は、前記本体(32)の中に奥深く延び、周囲壁を有する凹部を形成する空洞(53)を有し、前記空洞(53)は、その中に、手の少なくとも3本の中指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、前記遠位指骨と中位指骨を収容し、前記容器本体(8)が、前記食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜した位置で、前記遠位指骨によって懸架状態に保持されることを可能にするように設計されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)上に、互いに対向して配置された2つの第1の取手(19、20)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項4】
請求項3に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)の周りで、前記二つの第1の取手(19、20)に対して、60度(60°)から120度(120°)の間に、好ましくは、90度(90°)に位置づけられることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の食品調理容器(3)であって、前記二つの第1の取手(19、20)は、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)に続く半円形の周囲部片によって互いに接続され、前記第2の取手(22)は、前記周囲部片上に配置されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)は、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)と別個のものであることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項7】
請求項6に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)の前記本体(32)は、互いに固定され、組立システムによって前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)に固定された、上部(33)と下部(34)を含み、前記下部(34)は、前記空洞(53)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)に対向して位置づけられる、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)の部分は、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)を有しないことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項9】
請求項8に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記上縁(10)は、前記第2の取手(22)に対向して位置づけられる、注ぎ口(23)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)の前記本体(32)の前記空洞(53)は、垂直から60度(60°)と80度(80°)の間の、好ましくは、垂直から70度(70°)の傾斜で、前記容器本体(8)を持ち上げるように構成されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記主開口部(11)を閉鎖するのに適した閉鎖蓋(4)を含み、錠止システムが、前記蓋(4)と前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)との間に配置され、前記蓋(4)が前記容器本体(8)の前記主開口部(11)を閉鎖し、この閉鎖位置で、前記蓋(4)が錠止されたままである、錠止位置と、前記蓋(4)が、前記主開口部(11)にアクセスするために、前記容器本体(8)から取り外され得る錠止解除位置とに、前記蓋(4)をもたらすことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項12】
請求項11に記載の食品調理容器(3)であって、前記蓋(4)の前記錠止位置と前記錠止解除位置を示すシステムが、前記蓋(4)と前記第2の取手(22)との間に設けられることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)は、回転駆動組立体(17)を受け入れ得る中央開口(14)を含む底部(13)を含み、前記回転駆動組立体(17)自身は、前記容器本体(8)内に置かれた、前記回転駆動組立体(17)に対して取り外し可能であってもなくてもよい回転式作業工具(5)を回転させ得ることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)は、所望によりコーティングされた、金属材料で作製され、好ましくは、ステンレス鋼、又は、例えばPTFEでコーティングされたアルミニウム合金で作製され、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)及び第2の取手(22)は、熱絶縁材料、好ましくはBakelite(登録商標)、PBT又はガラス繊維入りPPで作製されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)と、前記食品調理容器(3)を受け入れるように構成された基台(2)とを含むことを特徴とする食品調理機器(1)。
【請求項16】
請求項13及び14に関連して請求項15に記載の食品調理機器(1)であって、前記食品調理機器(1)は、その主開口部(11)を通して導入することによって前記容器本体(8)内に配置されるのに適した、少なくとも一つの回転式作業工具(5)と、前記容器本体(8)内に配置された前記回転式作業工具(5)を駆動するために、前記容器本体(8)の前記底部(13)の中央開口(14)にしっかりと取り付けられるのに適した、回転駆動組立体(17)とを含み、前記食品調理機器(1)は、前記食品調理容器(3)が、前記基台(2)に取り付けられたとき、前記容器本体(8)の前記底部(13)を加熱する装置と、底部(13)に取り付けられた前記回転駆動組立体(17)を回転させる装置とを含むことを特徴とする食品調理機器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理のために食品を保持する食品調理容器に関する。また、本発明は、そのような食品調理容器を含む食品調理機器に関する。
【0002】
本発明の主な目的は、食品調理容器を使用する際、特に、食品から製造され、食品調理容器に収容された食品調理物を、注いだり、掻き出したりする際に、食品調理容器を取り扱うことを容易にすることである。
【背景技術】
【0003】
食品調理機器は、当業者にはよく知られる。そのような食品調理機器は、調理のための食品を保持する食品調理容器を受け入れる基台を含み得る。食品調理機器は、また、撹拌機又は混合機、撹拌パドル、刻みナイフ、泡立て器、混練器、又は、粉砕機などの、1つ又は複数の作業具を含み得る。作業具は、食品調理容器内に配置され、回転駆動組立体と結合され、この回転駆動組立体は、順に、基台上の回転駆動システムと結合される。基台及び食品調理容器は、例えば、スープ、ピューレ、又は、シチューのような熱い食品を調理するように設計され得、それによって、基台、及び/又は、食品調理容器上に配置された加熱装置が、その時、その中に収容される食品を温めたり、調理したりするために、食品調理容器を加熱することを可能にする。
【0004】
食品調理容器は、食品が容器本体内に導入される主開口部を画定する上縁を有する、容器本体を含む。容器本体は、また、その上縁に配置された注ぎ口を含み得る。この食品調理容器は、一般に、容器本体を取り扱い、正常な位置に容器本体を保持するために、容器本体の上部周囲部に配置された一つ又は二つの取手を備え、正常な位置によれば、主開口部が容器の頂部にとどまり、したがって、食品又は食品調理物がこぼれることを防止する。食品調理物が提供される準備ができたとき、調理者は、例えば、スプーン又はおたまを使って、食品調理物をすくい取り、盛り付け皿又は食品調理容器に食品調理物を注ぎ得、また、調理者は、時折、容器本体を傾けて、食品調理物を盛り付け皿又は食品調理容器に注ぎ得る。調理者は、料理皿又は料理容器に、最後の食品調理物を注ぐとき、又は、食品調理物がペースト状で、容器本体の内壁に付着するとき、通常、へらを使用して内壁をこすり、残りの食品調理物を注ぎ出す。そのため、調理者は、片手で取手、又は、二つの取手のうちの一方を保持し、他方の手で、へらを操作する。このような状況下において、特に、食品調理容器が重い場合には、この掻き出し段階の間、調理者の姿勢は、身体的に快適ではなく、取手は、握るのに容易ではないため、片手で食品調理容器を取り扱うことが困難であり得る。その結果、調理者は、自分の手で、容器本体の外壁に触れ、外壁が高温の場合、火傷し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第204158184号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で公開された、公知の中国実用新案が存在し、この実用新案は、主開口部を備えた上縁を含む容器本体を含む、食品調理容器を開示し、食品調理容器は、容器本体の周りに、互いに対向して配置された、2つの第1の平たいハンドルを含み、ハンドルは、主開口部が頂部にとどまる通常の位置で、容器本体が取り扱われることを可能にする。さらに、食品調理容器は、容器本体の上部周囲部に下方傾斜で取り付けられた、シャンクからなる第2のハンドルを含み、シャンクは、完全に把持され、そして、食品調理物を注ぎ出すことを容易にする位置において容器本体を保持するように設計される。この実施形態は、前述の欠点を部分的に解決するが、それにもかかわらず、例えば、へらで容器本体を擦るとき、調理者の姿勢が、あらゆる場合において、最適でないので、依然として不満足である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の説明
本発明は、前記の欠点を改善することを目的とする。この目的のために、本発明は、容器本体への食品の導入、及び、食品から作られた食品調理物の容器本体からの取り出しのための、主開口部を画定する上縁を備える、容器本体を含む食品調理容器に関する。食品調理容器は、また、容器本体の上部周囲部に取り付けられた、少なくとも第1の取手を含み、取手は、主開口部が容器の上部に位置づけられる通常の位置に、容器本体を維持しながら、容器本体が取り扱われ得るように設計される。この通常の位置は、主開口部を通して容器本体内に置かれた食品又は食品調理物をこぼす危険がない状態で、食品調理容器を、ある場所から別の場所に移動させることを可能にし、主開口部は、この通常の位置において、多かれ少なかれ水平面内に存在する。
【0008】
より詳細には、下面は、本体の中に奥深く延び、周壁を有する凹部を形成する、空洞を有する。
【0009】
したがって、本発明は、容器本体への食品の導入、及び、容器本体からの食品から作られた食品調理物の取り出しのための、主開口部を画定する上縁を備える容器本体を含む、食品調理容器に関し、食品調理容器は、容器本体の上部周囲部に取り付けられた、少なくとも第1の取手を含み、第1の取手は、主開口部が容器本体の頂部に位置づけられる正常位置に容器本体を保持しながら、容器本体が取り扱われ得るように設計され、食品調理容器は、容器の上部周囲部に取り付けられた第2の取手を含み、第2の取手は、下面を備える本体を含み、本体内に奥深く延び、周壁を備える凹部を形成する、空洞を有することによって、空洞が、そこに、手の少なくとも3本の中指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、遠位指骨及び中位指骨を収容し、食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜させた状態で、容器本体が、遠位指骨によって懸垂保持されることを可能にするように設計される。
【0010】
特に、本発明によれば、食品調理容器は、容器本体の上部周囲部に取り付けられた第2の取手を含む。この第2の取手は、本体の中に奥深く延びる空洞を有する下面を備える本体を含み、空洞は、手の少なくとも3本の中指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、遠位指骨及び中位指骨をそこに収容し、容器本体が、食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜した位置に、遠位指骨、及び、潜在的に中位指骨によって、吊り下げ保持されることを可能にするように設計される。言い換えれば、本体の下面の空洞は、手の少なくとも3本の中指、すなわち、人差し指、中指及び薬指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、これら3本の指の遠位指骨及び中位指骨を収容するための空間を、本体内に形成するのに十分に奥深く、空間は、本体の下面からアクセス可能である。「少なくとも3本の中指」は、空洞が、また、人差し指、中指及び薬指に加えて、ことによると、手の小指の遠位指骨及び潜在的に中位指骨も収容し得ることを意味し、なぜなら、空洞は、この目的のために設計されているか、又は、手の指の全幅がそれを可能にするかのいずれかであるからである。
【0011】
したがって、調理者は、自分の手の3本の中指、さらには、小指の、遠位指骨、好ましくは、また、中位指骨を、空洞に挿入し、この第2の取手の本体の外側周囲部の周りに自分の手のひらを置くことによって、第2の取手を把持し得、次に、調理者は、空洞に配置された遠位指骨によって、食品調理容器を持ち上げ、その後、吊り下げられた容器本体は、平衡状態で、自然に傾斜した姿勢を取り、これにより、主開口部は、第2の取手と対向する側で下方に傾けられ、水平と垂直との間に位置づけられる傾斜面内で平衡状態にとどまる。この設計によれば、調理者は、片手で容器を持ち上げ、傾斜位置で、この手の手首に力を入れる必要なくして、容器の主開口部を、自分に向くように、又は、わずかに横に向くように回転させ得、これは、調理者が、容器本体の内部を見ること、および、ヘラを用いて、他方の手で、容器本体の内壁及び底部の周りを擦ることを可能にする。さらに、手の3本の中指、さらには、人差し指の、遠位指骨と、潜在的に中位指骨が空洞に配置され、手の残りの部分は、容器本体の外壁から離れるので、容器本体は、その外壁に触れる危険性がない状態で取り扱われ得、これは、外壁が熱いときに火傷の危険を防止する。
【0012】
本発明で開示された食品調理容器の一実施形態によれば、食品調理容器は、容器本体の上部周囲部上に互いに対向して配置された、2つの第1の取手を含む。したがって、調理者は、その主開口部を通常の位置に維持しながら、両手で容器本体を保持し得、これは、容器本体が、食品、又は、食品調理物で満たされたとき、特に、大きな容積、例えば、2リットルから5リットルの容積を有する容器本体の場合、通常の位置で、食品調理容器を運ぶことを容易にする。もちろん、本発明は、例えば、ソースパンやミキサーボウルのような、単一の第1の取手を含む食品調理容器に使用され得る。
【0013】
好ましくは、食品調理容器のこの前述の実施形態によれば、第2の取手は、2つの第1の取手に対して、60度(60°)と120度(120°)の間、好ましくは、90度(90°)で、容器本体の上部周囲部の周りに配置される。
【0014】
食品調理容器の第1の実施形態によれば、食品調理容器が2つの第1の取手を含む場合、2つの第1の取手は、容器の上部周囲部に続く、半円形の周囲部片によって互いに接続され、第2の取手は、周囲部片上に配置される。
【0015】
食品調理容器の第2の実施形態によれば、容器が、1つ以上の第1の取手を含むか否かにかかわらず、第2の取手は、少なくとも一つの第1の取手とは別個のものである。好ましくは、食品料理容器のこの実施形態によれば、第2の取手の本体は、互いに取り付けられ、組立システムによって容器の上部周囲部に取り付けられる、上部片及び下部片を含み、下部片は、空洞を含む。
【0016】
本発明で開示された食品調理容器によれば、第2の取手に対向して配置された容器の上部周囲部の部分は、少なくとも一つの第1の取手を有しない。これは、調理者が、第2の取手によって容器本体を保持することによって容器本体を取り扱い、食品調理物を注いだり、掻き落としたりする際に、食品調理物が、第1の取手上にこぼれることを防止する。好ましくは、容器本体の上縁は、食品調理物を注ぐことを容易にするために、第2の取手に対向して配置された、注ぎ口を含む。
【0017】
本発明で開示される食品調理容器の優先的な実施形態によれば、第2の取手の本体での空洞は、垂直に対して60度(60°)と80度(80°)の間に含まれる傾斜、好ましくは、垂直に対して70度(70°)の傾斜で、容器本体を吊るすように設計される。これは、容器本体の傾斜した位置での、容器本体の内部の適切な視認とアクセスを提供する。
【0018】
本発明で開示された食品調理容器の一実施形態によれば、食品調理容器は、容器本体の主開口部を閉鎖し得る、閉鎖蓋を含む。さらに、蓋と少なくとも一つの第1の取手との間に、錠止システムが配置され、蓋が容器本体の主開口部を閉鎖し、その閉鎖位置に錠止されたままである、錠止位置と、蓋が容器本体から取り外されて主開口部にアクセスし得る、錠止解除位置とに、蓋を移動させ得る。これは、例えば、容器本体に入れられた食品を調理する間、又は、容器本体に入れられた食品を、回転式作業工具で加工する間でさえも、食品調理容器を確実に閉鎖することを可能にする。好ましくは、この実施形態によれば、食品調理容器は、蓋の錠止位置及び錠止解除位置を識別するためのシステムを含み、識別システムは、蓋と第2の取手との間に配置される。これは、容器本体が蓋によって正しく閉鎖されることを視覚的に確認することを可能にする。
【0019】
本発明によって開示された食品調理容器の一実施形態によれば、容器本体は、回転駆動組立体を受け入れるのに適した中央開口を含む底部を含み、回転駆動組立体は、回転駆動組立体から取り外し可能であってもなくてもよい、回転式作業工具を回転させるのに適しており、回転式作業工具は、容器本体内に配置される。この回転式作業工具は、例えば、撹拌機又は混合機、攪拌パドル、刻みナイフ、泡立て器、混練器、又は、粉砕機であり得る。そのような食品調理容器は、また、食品調理容器を受け入れるための基台を有する食品調理機器において使用されるであろう。
【0020】
本発明で開示される食品調理容器の一実施形態によれば、容器本体は、所望によりコーティングされた、金属材料で設計され、好ましくは、ステンレス鋼、又は、例えば、PTFEでコーティングされたアルミニウム合金で作製される。さらに、少なくとも一つの第1の取手と第2の取手は、熱絶縁材料、好ましくは、Bakelite(登録商標)、PBT、又は、ガラス充填PPで作製される。そのような食品調理容器は、容器本体に入れられた食品を調理するために、加熱装置によって加熱されるように設計される。
【0021】
本発明による食品調理容器は、容器本体に入れられた食品を調理して食品調理物を作るために、オーブン内又は調理台上に置かれるように設計され得る。しかしながら、食品調理容器は、好ましくは、熱い食品調理物を作るために、又は、冷たい食品調理物を作るためでさえ、独立型の食品調理機器で使用されるであろう。この目的のために、本発明は、また、上記の特徴の、いずれか又は両方を有する食品調理容器と、食品調理容器を受け入れるように設計された基台とを含む、食品調理機器に関する。
【0022】
食品調理機器の一実施形態によれば、食品調理容器は、熱伝導性材料で作製され、底部に中央開口を含む、容器本体を含む。食品調理容器の少なくとも一つの第1の取手、及び、第2の取手は、熱絶縁性材料で作製される。さらに、食品調理機器は、回転式作業工具を、容器本体の主開口部を通して挿入することによって、容器本体内に配置されるのに適した、少なくとも1つの回転式作業工具と、容器本体内に配置された回転式作業工具を駆動するために容器本体の底部の中央開口にしっかりと取り付けられるのに適した、回転駆動組立体とを含む。さらに、食品調理機器は、食品調理容器が基台に取り付けられたとき、容器本体の底部を加熱するための装置と、底部に取り付けられた回転駆動組立体を駆動するための装置とを含む。回転式作業工具は、例えば、撹拌機又は混合機、攪拌パドル、刻みナイフ、泡立て器、混練器、又は、粉砕機であり得る。
【0023】
第1の実施形態によれば、食品調理容器は、加熱装置を含み得、この加熱装置は、容器本体の底部の下方で、食品調理容器の底部に配置されるであろう。第2の実施形態によれば、基台は、食品調理容器が基台上に配置されたときに、容器本体を加熱する加熱装置を含み得る。この加熱装置は、抵抗加熱装置又は誘導加熱装置のような、電気加熱要素を含み得る。
【0024】
本発明の特徴及び利点は、図に基づいた以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】食品調理機器の非限定的な実施形態の概観を示す図である。
【
図2】
図1の食品調理機器での使用を意図された食品調理容器の概観を示し、食品調理容器が通常の位置にある図である。
【
図3】
図2の食品調理容器を部分的に示し、第2の取手が分解図で現れる図である。
【
図4】第1の視角に従って、第2の取手の本体の上部片を示す図である。
【
図5】
図4における上部片を、第2の視角から説明する図である。
【
図6】第2の取手の本体の下部片の第1の視角を示す図である。
【
図7】
図6における下部片の第二の視角からの説明図である。
【
図8】傾斜した位置に平衡状態に置かれ、それにより、第2の取手によって吊り下げ保持される、
図2における食品調理容器の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
本説明の残りの部分において、本説明で使用され得る「上方」、「下方」、「頂部」、「底部」、「前部」、「後部」、「側部」、「垂直」、「水平」という用語は、テーブル又はカウンター上で使用者に面する、機能的構成で配置された食品調理機器の要素の通常の位置を考慮して使用されるであろう。
【0027】
図1は、基台2、食品調理容器3、蓋4、及び、回転式作業工具5を含む、食品調理機器1の例示的な実施形態を示す。基台2の前面パネル2aは、例えば、ソース、スープ、ペストリー、ムースデザート、ホイップクリーム、又は、野菜ピューレの調理、蒸気調理又は浸漬調理、さらには、回転式作業工具5のスイッチ入れ、食品調理容器3の保温モードへの切り替え、及び、タイマーのスイッチ入れなど、使用者が、実行されるべき食品調理の種類を選択することを可能にする、キーボード6を含む。もちろん、これらの各種動作プログラムは、本発明で開示される食品調理機器1において限定されるものではない。これらの各種プログラムは、基台2に内蔵された制御回路(不図示)によって起動、制御されるであろう。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、食品調理容器3は、容器本体8の下端に配置された底板7を含み、容器本体8は、食品調理物を作るために、食品を受け入れるのに適している。容器本体8は、食品が容器本体8内に導入され、得られた食品調理物が注がれる主開口部11を画定する上縁10によって範囲が定められる、周囲部9を含む。底板7は、基台2の上側2bのハウジング12に適合し、食品調理容器3を基台2上に掛止することを可能にする。容器本体8は、
図8に示されるように、中央開口14を備える底部13を含み、この中央開口14は、一方では、容器本体8の主開口部11から、他方では、底部13に向けて開口する中央凹部16を含む、底板7の下面から、アクセス可能である。この中央開口14は、回転駆動組立体17が、容器本体8の底部13に取り付けられることを可能にし、回転駆動組立体17は、取り付けを実現するためのバヨネット固定システム(不図示)、及び、この中央開口14の平面で、容器本体8の底部13での密封を実現するためのガスケット(不図示)を有する。この回転駆動組立体17は、
図1に示されるように、回転式作業工具5をZ軸に沿って回転させるために用いられる。回転駆動組立体17は、それ自体、基台2内に収容された電動装置(不図示)によって、Z軸に沿って回転させられ、電動装置は、例えば、その駆動軸が、例えば、スプライン型の結合システムによって、回転駆動組立体17に結合された、電気モータを含み、結合システムは、食品調理容器3の底板7が基台2上のハウジング12に係合されると位置決めされる。
【0029】
食品調理容器3は、容器本体8内において、熱い食品を保持するように、あるいは、食品を温めるように構成され得る。この目的のために、容器本体8は、所望によりコーティングされた金属材料で作製され得、好ましくは、ステンレス鋼、又は、例えば、PTFEでコーティングされた、アルミニウム合金で作製され得る。一実施形態によれば、食品調理容器3は、容器本体8の底部13の下方に配置される、抵抗加熱要素18を含む。特に、抵抗加熱要素18は、底部13の下方に配置された底板の内部、又は、底部13の下方に配置された底板の下方に配置され得る。底板は、良好な熱伝導を確実にするために、好ましくは、アルミニウムで作製される。抵抗加熱要素18は、底板7が基台2上のハウジング12に嵌め込まれたとき、基台2内に配置された制御回路(不図示)と、底板7内に配置されて、基台2上に配置された電気ストリップと機械的に接触する、電気ピンなどの接続システムとによって、電気的に制御される。また、制御回路は、中でも、回転式作業工具5を回転させる電動装置の制御、各種食品調理プログラムの制御、タイマーの制御などを管理する。食品調理機器1での容器本体を加熱するための装置のこの使用は、限定的ではなく、使用者は、例えば、底板7がハウジング12に嵌め込まれたときに、基台2上の抵抗加熱要素18が、容器本体8の底部13又はその近くに接触し、底板7は、この場合、この目的のために設計されることを、想定するかもしれない。代替的に、抵抗加熱要素18の代わりに、誘導加熱装置が想定され、誘導加熱装置は、好ましくは、容器本体8の底部13及び/又は容器本体8の下部を加熱するために、基台2内に配置され得るであろう。そして、食品調理容器3は、容器本体8の下方に底板を設けることなく製造され得る。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、食品調理容器3は、容器本体8の周囲部9の上部21に対向して取り付けられた、2つの第1の取手19、20を含み、これら2つの第1の取手19、20は、好ましくは円筒形である周囲部9に対して、半径方向に延びる。これら2つの第1の取手19、20は、容器本体8の主開口部11を、通常の、多かれ少なかれ水平な位置に保ちながら、食品調理容器3を両手で取り扱うことを可能にし、食品又は食品から作られた食品調理物が、容器本体8からこぼれるのを防止する。食品調理容器3は、また、好ましくは、2つの第1の取手19、20に対して90°で配置される、第2の取手22を含み、第2の取手22は、容器本体8の上縁10に配置された、注ぎ口23に対向して配置される。この第2の取手22は、
図2にのみ現れるが、また、
図1の食品調理容器3にも使用されるであろう。
【0031】
蓋4は、また、2つの対向配置された、半径方向に延びる、第3の取手24、25を含み、第3の取手24、25は、
図1に示されるように、第1の取手19、20と形状において同様である。第1の取手19、20は、それぞれ、その上側19a、20aに、容器本体8の周囲部9の上部21と隣接して円形に延びるノッチ26を含み、
図1及び
図2には、第1の取手19上のノッチ26のみが現れる。蓋4の第3の取手24、25は、それぞれ、その下面24a、25aに、タブ27を含み、
図1及び
図2には、第3の取手24のタブ27のみが現れる。容器3の主開口部11を閉じるための蓋4は、ロック解除位置に対応する、第1の取手19、20に対して第3の取手24、25がオフセットした状態において、蓋4を位置決めすることによって嵌められ、次に、タブ27が、容器本体8上の蓋4のロック位置に対応する停止部に達するまで、蓋4をZ軸に沿って回転させることにより、これらの第3の取手24、25上のタブ27を、第1の取手19、20上のそれぞれのノッチ26内に係止する。蓋4を容器本体8のロック位置に位置付けることは、容器本体8の周囲部9の外側で下方に延びる機械的停止部28を作動させることが可能にし、機械的停止部28は、底板7が基台2のハウジング12に係合されると、基台2上に配置された位置センサー(不図示)を作動させる。
【0032】
食品調理容器3は、また、第1の取手19、20の下方で、下方に延びる2つの係止タブ29を含み、
図2には、第1の取手19の側の係止タブ29のみが現れる。これらの係止タブ29は、底板7がハウジング12に係合されたときに、食品調理容器3をロックするため、基台2上に配置された相補的な係止タブ(不図示)と協働する。係止タブ29は、第1の取手19、20の下に配置された二つのそれぞれのトリガー30、31によって作動させられ、基台2から食品調理容器3を取り出すために、相補的係止タブからのそれらの係合解除を可能にし、ハウジング12から底板7のロックを解除する。
【0033】
第2の取手22に関するものを除いて、上述した特徴は、COMPANION(登録商標)という名で本出願人によって販売される、食品調理器具に既に見出され得る。したがって、当業者は、さらに、第2の取手22に関する特徴を組み込んだ、本発明に開示される食品調理機器1の好ましい実施形態に対して、これを参照し得るであろう。
【0034】
以下の説明は、特に、
図1の食品調理機器1における第2の取手22の優先的な実装に関する。先に説明され、
図2に示されるように、第2の取手22は、2つの第1の取手19、20から、90度(90°)-Z軸周りの回転-の位置で、注ぎ口23に対向して配置される。食品調理機器1の変形例は、第2の取手22を、一方の第1の取手19に対して、60度(60°)と90度(90°)の間に配置し、逆に、他方の第1の取手20に対して、120度(120°)と90度(90°)の間に配置することによって、考慮され得るであろう。単一の第1の取手を備える食品調理機器1の他の変形例では、第2の取手22は、また、第1の取手に対して、0度(0°)と90度(90°)との間に存在し、注ぎ口23に面し得る。
【0035】
図2-
図8に示される実施形態では、第2の取手22は、上部33、下部34、及び、ブリッジ片35で形成された本体32からなる。ブリッジ片35は、周囲部9を貫通し、ブリッジ片35の2つのねじ穴36、37に締め付けられる、2つの締結ねじ(不図示)によって、容器本体8の周囲部9の上部21上にねじ止めされる。ブリッジ片35は、2つの支持ラグ38、39を含み、その各々は、2つの締結ねじ42、43が貫通する、貫通オリフィス40、41を備える。上部33は、その下面33aに、2つの締結ねじ42、43がねじ込まれる、2つのねじ孔44、45を含む。下部34は、下部34の下面34a側に、締結ねじ42、43の頭部42a、43aを受け入れるためのザグリ穴48、49を含む、2つの貫通孔46、47を含む。中心距離は、2つの貫通オリフィス40、41の間、2つのねじ孔44、45の間、及び、2つの貫通孔46、47の間で同じである。締結ねじ42、43の本体42b、43bは、貫通孔46、47を通り、次に、貫通オリフィス40、41を通り、ねじ孔44、45にねじ込まれ、ブリッジ片35は、このようにして、ブリッジ片が挟まれた、上部33と下部34を、容器本体8の周囲部9の上部21と締結することを確実にする。上部33と下部34とを組み付けられると、上部33の下面33aに設けられた3つのスタッド50が、下部34の上面34bに設けられた3つのオリフィス51に嵌合し、したがって、本体32を形成する上部33と下部34との間の、正確かつ安定的な組み付けを確実にする。
【0036】
上部33は、特に、
図2-
図5に示されるように、段差形状を備える上面33bを含む。さらに、下部34は、
図6-
図8に示されるように、下部34の下面34aに、第2の取手の本体32の中に奥深く上方に延びる空洞53を設けるために、上部33に向かって延びる、目立った変形部52を有する。
図6で明確に理解されるように、この空洞53は、本体32の中に奥深く延び、周壁を有する凹部を形成する。この空洞53は、手の3本の中指(人差し指、中指、薬指)の遠位指骨、好ましくは、また、中位指骨を収容する。また、手の小指(薬指)の遠位指節、及び、好ましくは、また、中位指節が、この空洞53に、また、収まり得ることが想定され得るであろう。上部33の上面33bの段差形状は、手の指(人差し指、中指、薬指、及び、潜在的に小指)の遠位及び中位指骨が空洞53に配置され、これらの指の近位指骨が、本体32の下縁54に配置されるときに、上面33b上に、手の平及び親指が、適切に配置されることを可能にする。このように、第2の取手22の本体32は、好適に把持され、容器本体8の周囲部9に接触する手の危険はなく、第2の取手22は熱絶縁材料で作製されるので、調理者の手は火傷し得ない。この熱絶縁材料は、Bakelite(登録商標)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ガラス繊維を充填したPP(ポリプロピレン)の中から選択され得る。食品調理容器3の第1の取手19、20と蓋4の第3の取手24、25は、また、この熱絶縁材料で作製される。
【0037】
この設計によれば、調理者は、上述したように、自分の遠位指骨及び中位指骨を、空洞53内に配置することによって、片手で食品調理容器3を持ち上げ得る。食品調理容器3の重心に対して第2の取手22をオフセットし、空洞53内に配置された遠位及び中位指骨のみによって、食品調理容器3を持ち上げることは、
図8に示されるように、容器本体8が平衡状態の傾斜位置に達するまで、容器本体8が重力によって(注ぎ口23の側で)自然に前傾されることを可能にする。好ましくは、この傾斜位置において、垂直軸Z1に対する食品調理容器3のZ軸の傾斜は、60度(60°)と80度(80°)との間、好ましくは、70度(70°)で構成されるであろう。もちろん、傾斜平衡位置において、垂直軸Z1に対する食品調理容器3の軸Zの傾斜を変えるために、第2の取手22の本体32に奥深く延びる、この空洞53の形状、及び、食品調理容器3の重心に対する第2の取手22の位置は変化させられ得る。
【0038】
調理プロセスが完了すると、調理者は、第1の取手19、20を用いて、食品調理容器3を両手で持ち上げ、トリガー30、31を作動させることにより、基台2から食品調理容器3を取り外し得、したがって、食品調理容器3が移動させられる間、容器本体8の主開口部11を、その通常の、実質的に垂直の位置に維持する。調理者は、予め、蓋4のロックを解除して容器本体8から取り外しておくであろうが、調理者は、また、食品調理容器3を基台2から取り外した後、食品調理容器3がテーブルやカウンターの台などの表面に置かれたら、そのようにし得る。食品調理物の粘性が液体であるかペースト状であるかに応じて、調理者は、次に、2つの第1の取手19、20を扱いながら、注ぎ口23の側で、容器本体8を最初に傾けることによって、食品調理物の注ぎを開始し得、又は、前述したように、片手で、第2の取手22によって容器本体8を持ち上げて、容器本体8を直接傾け、容器本体が、その後、平衡状態で自然に傾斜した位置をとることによって、食品調理物の注ぎを開始し得、これは、調理者が、へらを操作して容器本体8の内壁55と底部13を掻き出すために、もう一方の手を利用することを可能にする。有利には、調理者は、容器本体8を、片手で、傾斜した位置に保持しながら、容器本体8の主開口部11を、自分に向けて配置し得、これは、調理者が、主開口部11を適切な視認位置に回転させるために、自分の手首に力を入れる必要なく、掻き出しながら容器本体8内の調理物を適切に視認することを可能にする。
【0039】
他の特徴が、本発明の文脈の中で可能である。例えば、本体32の上部33の上面33bは、2つのマーク56、57を含み得、蓋4は、食品調理容器3に対する蓋4のロック及びロック解除位置を示すために、第2の取手22上の2つのマーク56、57のいずれかに一致する、マーク58を含み得る。
【0040】
本発明の範囲内で変形例が、また、可能である。例えば、2つの第1の取手19、20と第2の取手22が、1つのブロックに製造されることが想定される。例えば、2つの第1の取手19、20は、容器本体8の周囲部9の上部21に続く、半円形の周囲部片(不図示)によって互いに接続され得、第2の取手22は、周囲部片に、好ましくは、第2の取手22を、2つの第1の取手19、20に対して、90度(90°)に位置づけるために、周囲部片の中間部に配置される。
【0041】
第2の取手22の本体32は、また、単一片(不図示)として設計され得るであろうし、その下面には、手の人差し指、中指、及び、薬指の遠位指骨、及び、好ましくは、また、中位指骨を収容するために、並びに、好ましくは、また、手の人差し指、中指、薬指、さらには、小指の中位指骨を収容するように、空洞53が配置されるであろうから、食品調理容器3が持ち上げられたとき、食品調理容器3は、Z軸が、好ましくは、垂直軸Z1に対して70度(70°)の角度を形成する、傾斜角で、バランスする。
【0042】
第2の取手22の位置は、また、先の説明に関連して、すなわち、第1の2つの取手19、20に関連して変化し得、重要なことは、食品調理物を注ぐか掻き出す間に、第1の取手上に食品調理物がこぼれないように、この第2の取手22が、第1の取手に対向して配置されないということである。
【0043】
実施形態の以上の説明において、食品調理容器3は、食品調理機器1の構成要素を構成する。もちろん、本発明は、基台2とは別に使用され得る、他の食品調理容器、例えば、圧力鍋、ポット、シチューポットに適用され得るであろう。また、本発明は、食品調理容器3の上方に配置されるか、又は、食品調理容器3内に延在する、駆動力取出口を含む、食品調理機器1に用いられる食品調理容器3と共に使用され得、駆動力取出口は、回転式作業工具5を受け入れるように設計されるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品調理容器(3)であって、前記食品調理容器(3)は、容器本体(8)への食品の導入、及び、前記容器本体(8)からの前記食品から作られた食品調理物の取り出しのための、主開口部(11)を画定する上縁(10)を備えた、前記容器本体(8)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)に取り付けられ、前記主開口部(11)が前記容器本体(8)の頂部に配置された、通常の位置に前記容器本体(8)を維持しながら、前記容器本体(8)が取り扱われ得るように設計された、少なくとも一つの第1の取手(19、20)を含み、前記食品調理容器(3)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)に取り付けられ、下面(34a)を備える本体(32)を含む、第2の取手(22)を含み、前記第2の取手(22)に対向して位置づけられる、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)の部分は、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)を有さず、前記下面(34a)は、前記本体(32)の中に奥深く延び、周囲壁を有する凹部を形成する空洞(53)を有し、前記空洞(53)は、その中に、手の少なくとも3本の中指の、少なくとも遠位指骨、好ましくは、前記遠位指骨と中位指骨を収容し、前記容器本体(8)が、前記食品調理物を注ぐか掻き出すために、傾斜した位置で、前記遠位指骨によって懸架状態に保持されることを可能にするように設計されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項2】
請求項1に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)上に、互いに対向して配置された2つの第1の取手(19、20)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項3】
請求項2に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)は、前記容器本体(8)の上部周囲部(21)の周りで、前記二つの第1の取手(19、20)に対して、60度(60°)から120度(120°)の間に、好ましくは、90度(90°)に位置づけられることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の食品調理容器(3)であって、前記二つの第1の取手(19、20)は、前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)に続く半円形の周囲部片によって互いに接続され、前記第2の取手(22)は、前記周囲部片上に配置されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)は、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)と別個のものであることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項6】
請求項5に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)の前記本体(32)は、互いに固定され、組立システムによって前記容器本体(8)の前記上部周囲部(21)に固定された、上部(33)と下部(34)を含み、前記下部(34)は、前記空洞(53)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記上縁(10)は、前記第2の取手(22)に対向して位置づけられる、注ぎ口(23)を含むことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記第2の取手(22)の前記本体(32)の前記空洞(53)は、垂直から60度(60°)と80度(80°)の間の、好ましくは、垂直から70度(70°)の傾斜で、前記容器本体(8)を持ち上げるように構成されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)の前記主開口部(11)を閉鎖するのに適した閉鎖蓋(4)を含み、錠止システムが、前記蓋(4)と前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)との間に配置され、前記蓋(4)が前記容器本体(8)の前記主開口部(11)を閉鎖し、この閉鎖位置で、前記蓋(4)が錠止されたままである、錠止位置と、前記蓋(4)が、前記主開口部(11)にアクセスするために、前記容器本体(8)から取り外され得る錠止解除位置とに、前記蓋(4)をもたらすことを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項10】
請求項9に記載の食品調理容器(3)であって、前記蓋(4)の前記錠止位置と前記錠止解除位置を示すシステムが、前記蓋(4)と前記第2の取手(22)との間に設けられることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)は、回転駆動組立体(17)を受け入れ得る中央開口(14)を含む底部(13)を含み、前記回転駆動組立体(17)自身は、前記容器本体(8)内に置かれた、前記回転駆動組立体(17)に対して取り外し可能であってもなくてもよい回転式作業工具(5)を回転させ得ることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)であって、前記容器本体(8)は、所望によりコーティングされた、金属材料で作製され、好ましくは、ステンレス鋼、又は、例えばPTFEでコーティングされたアルミニウム合金で作製され、前記少なくとも一つの第1の取手(19、20)及び第2の取手(22)は、熱絶縁材料、好ましくはBakelite(登録商標)、PBT又はガラス繊維入りPPで作製されることを特徴とする食品調理容器(3)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の食品調理容器(3)と、前記食品調理容器(3)を受け入れるように構成された基台(2)とを含むことを特徴とする食品調理機器(1)。
【請求項14】
請求項11及び12に関連して請求項13に記載の食品調理機器(1)であって、前記食品調理機器(1)は、その主開口部(11)を通して導入することによって前記容器本体(8)内に配置されるのに適した、少なくとも一つの回転式作業工具(5)と、前記容器本体(8)内に配置された前記回転式作業工具(5)を駆動するために、前記容器本体(8)の前記底部(13)の中央開口(14)にしっかりと取り付けられるのに適した、回転駆動組立体(17)とを含み、前記食品調理機器(1)は、前記食品調理容器(3)が、前記基台(2)に取り付けられたとき、前記容器本体(8)の前記底部(13)を加熱する装置と、底部(13)に取り付けられた前記回転駆動組立体(17)を回転させる装置とを含むことを特徴とする食品調理機器(1)。
【国際調査報告】