(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】経口製剤およびその用途
(51)【国際特許分類】
A61K 31/437 20060101AFI20230720BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20230720BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230720BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230720BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230720BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230720BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230720BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20230720BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230720BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230720BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230720BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A61K31/437
A61K47/20
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/32
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/28
A61K9/14
A61P35/00
A61P15/00
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577703
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021100806
(87)【国際公開番号】W WO2021254471
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/097036
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517023404
【氏名又は名称】インベンティスバイオ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ダイ シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャオメイ
(72)【発明者】
【氏名】リュー ヤンチン
(72)【発明者】
【氏名】チアン ユエハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤオリン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA44
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD05F
4C076DD67
4C076EE06H
4C076EE16
4C076EE31A
4C076GG14
4C076GG16
4C084AA19
4C084MA52
4C084NA05
4C084ZB26
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086GA14
4C086GA15
4C086ZA81
4C086ZB26
(57)【要約】
本願は、選択的エストロゲン受容体分解剤に関連する化合物、塩、結晶形態、および医薬組成物ならびにそれらの製造方法を提供する。本願は、さらに、疾患または障害、例えば乳癌を治療するために、前記化合物、塩、結晶形態、および医薬組成物を使用する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造で示される化合物FAのメグルミン塩を含み、
化合物FAのメグルミン塩が、化合物FAの約5mgから約1.2g、例えば、約10mgから約800mgに相当する量である、医薬組成物。
【請求項2】
化合物FAのメグルミン塩が、化合物FAの約10mgから約500mg、例えば、約10mgから約300mgに相当する量である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
化合物FAのメグルミン塩が、化合物FAの約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、または約500mgに相当する量である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含み、
(1)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5、および23.7°2θ、±0.2°;(2)一つまたは複数(例えば、8もしくはそれ以上、12もしくはそれ以上、16もしくはそれ以上、または20もしくはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、11.3、13.0、13.3、13.5、15.1、16.4、17.6、18.2、18.8、19.0、20.0、20.4、21.5、22.4、23.7、23.9、24.9、および25.3°2θ、±0.2°;(3)
図1Aで示されるものと実質的に同じであるXRPDパターン;(4)
図1Bで示されるものと実質的に同じである示差走査熱量法(DSC)パターン;またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項5】
遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項6】
メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項7】
形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない、請求項1~6のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項8】
結晶形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項1~6のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項9】
単位剤形である、請求項1~8のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項10】
即時放出製剤である、請求項1~9のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項11】
界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項12】
希釈剤、例えば微結晶セルロースをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項13】
マンニトールをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項14】
結合剤、例えばポビドン、例えばポビドンK30をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項15】
崩壊剤、例えばクロスポビドン、例えばクロスポビドンXL-10をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項16】
潤滑剤をさらに含む、請求項1~15のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項17】
錠剤またはカプセルである、請求項1~16のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項18】
コーティング錠剤である、請求項1~17のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項19】
(a)約10重量%から約80重量%の量である化合物FAのメグルミン塩と、
(b)約0.1重量%から約10重量%の量である界面活性剤と、
(c)約15重量%から約70重量%の量である希釈剤と、
(d)約0.1重量%から約10重量%の量である結合剤と、
(e)約0.1重量%から約10重量%の量である崩壊剤と、
(f)約0.1重量%から約5重量%の量である潤滑剤と
を含み、
化合物FAのメグルミンが、以下の構造で示される:
錠剤。
【請求項20】
結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含み、
(1)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5、および23.7°2θ、±0.2°;(2)一つまたは複数(例えば、8もしくはそれ以上、12もしくはそれ以上、16もしくはそれ以上、または20もしくはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、11.3、13.0、13.3、13.5、15.1、16.4、17.6、18.2、18.8、19.0、20.0、20.4、21.5、22.4、23.7、23.9、24.9、および25.3°2θ、±0.2°;(3)
図1Aで示されるものと実質的に同じであるXRPDパターン;(4)
図1Bで示されるものと実質的に同じである示差走査熱量法(DSC)パターン;またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とする、
請求項19記載の錠剤。
【請求項21】
遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項19または20記載の錠剤。
【請求項22】
メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項19~21のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項23】
形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない、請求項19~22のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項24】
結晶形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項19~23のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項25】
単位剤形である、請求項19~24のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項26】
化合物FAの5mgから約1.2g、例えば、約10mgから約800mgに相当する量である化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項19~25のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項27】
化合物FAの約10mgから約500mg、例えば、約10mgから約300mgに相当する量である化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項19~26のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項28】
化合物FAの約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、または約500mgに相当する量である化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項19~27のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項29】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項19~28のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項30】
前記希釈剤が、微結晶セルロースを含む、請求項19~29のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項31】
前記希釈剤が、マンニトールを含む、請求項19~30のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項32】
前記結合剤が、ポビドン、例えばポビドンK30を含む、請求項19~31のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項33】
前記崩壊剤が、クロスポビドン、例えばクロスポビドンXL-10を含む、請求項19~32のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項34】
顆粒を圧縮することを含むプロセスにより製造され、前記顆粒が、化合物FAのメグルミン塩、界面活性剤、希釈剤、結合剤、および崩壊剤を含む、請求項19~33のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項35】
顆粒を圧縮することを含むプロセスにより製造され、前記顆粒が、化合物FAのメグルミン塩、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶セルロース、マンニトール、ポビドン、および/またはクロスポビドンを含む、請求項19~33のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項36】
コーティングをさらに含む、請求項19~35のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項37】
前記コーティングが、ポリビニルアルコールを含む、請求項36記載の錠剤。
【請求項38】
前記コーティングが、顔料を含む、請求項36または37記載の錠剤。
【請求項39】
前記コーティングの重量増加が、約1%から約5%である、請求項36~38のいずれか一項記載の錠剤。
【請求項40】
(a)約10重量%から約80重量%の量である化合物FAのメグルミン塩と、
(b)約0.1重量%から約10重量%の量である界面活性剤と、
(c)約15重量%から約70重量%の量である希釈剤と、
(d)約0.1重量%から約10重量%の量である結合剤と、
(e)約0.1重量%から約10重量%の量である崩壊剤と
を含み、
化合物FAのメグルミンが、以下の構造で示される:
顆粒。
【請求項41】
結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含み、
(1)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5、および23.7°2θ、±0.2°;(2)一つまたは複数(例えば、8もしくはそれ以上、12もしくはそれ以上、16もしくはそれ以上、または20もしくはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、11.3、13.0、13.3、13.5、15.1、16.4、17.6、18.2、18.8、19.0、20.0、20.4、21.5、22.4、23.7、23.9、24.9、および25.3°2θ、±0.2°;(3)
図1Aで示されるものと実質的に同じであるXRPDパターン;(4)
図1Bで示されるものと実質的に同じである示差走査熱量法(DSC)パターン;またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とする、
請求項40記載の顆粒。
【請求項42】
遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項40または41記載の顆粒。
【請求項43】
メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項40~42のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項44】
形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない、請求項40~43のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項45】
結晶形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項40~43のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項46】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項40~45のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項47】
前記希釈剤が、微結晶セルロースを含む、請求項40~46のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項48】
前記希釈剤が、マンニトールを含む、請求項40~47のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項49】
前記結合剤が、ポビドン、例えばポビドンK30を含む、請求項40~48のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項50】
前記崩壊剤が、クロスポビドン、例えばクロスポビドンXL-10を含む、請求項40~49のいずれか一項記載の顆粒。
【請求項51】
(a)化合物FAのメグルミン塩、界面活性剤、希釈剤、結合剤、および崩壊剤の混合物を湿式造粒して湿潤顆粒を形成することと、
(b)任意に湿潤顆粒を乾燥させて、例えば、流動層で3%以下の水含有量まで乾燥させて、乾燥顆粒を形成することと、
(c)任意に前記乾燥顆粒を乾式粉砕して乾燥粉砕顆粒を形成することと
を含み、
化合物FAのメグルミンが、以下の構造で示される:
プロセス。
【請求項52】
前記乾燥粉砕顆粒を、顆粒外崩壊剤および潤滑剤とブレンドして、潤滑顆粒を形成することをさらに含む、請求項51記載のプロセス。
【請求項53】
前記潤滑顆粒を錠剤のコアに圧縮することをさらに含む、請求項52記載のプロセス。
【請求項54】
前記錠剤のコアをフィルムコーティングして、コーティング錠剤を形成することをさらに含む、請求項53記載のプロセス。
【請求項55】
前記混合物が、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含み、
(1)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5、および23.7°2θ、±0.2°;(2)一つまたは複数(例えば、8もしくはそれ以上、12もしくはそれ以上、16もしくはそれ以上、または20もしくはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、11.3、13.0、13.3、13.5、15.1、16.4、17.6、18.2、18.8、19.0、20.0、20.4、21.5、22.4、23.7、23.9、24.9、および25.3°2θ、±0.2°;(3)
図1Aで示されるものと実質的に同じであるXRPDパターン;(4)
図1Bで示されるものと実質的に同じである示差走査熱量法(DSC)パターン;またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、(1)と(4)、(2)と(4)、または(3)と(4))を特徴とする、
請求項51~54のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項56】
前記混合物における化合物FAのメグルミンが微粉化され、かつ、500μm未満、例えば、200μm未満または20μm未満のD90を有する、請求項55記載のプロセス。
【請求項57】
前記混合物が、遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項51~56のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項58】
前記混合物が、メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない、請求項51~57のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項59】
前記混合物が、形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない、請求項51~58のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項60】
前記混合物が、結晶形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む、請求項51~58のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項61】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項51~60のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項62】
前記希釈剤が、微結晶セルロースを含む、請求項51~61のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項63】
前記希釈剤が、マンニトールを含む、請求項51~62のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項64】
前記結合剤が、ポビドン、例えばポビドンK30を含む、請求項51~63のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項65】
前記崩壊剤が、クロスポビドン、例えばクロスポビドンXL-10を含む、請求項51~64のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項66】
前記混合物は、約10重量%から約80重量%の量である化合物FAのメグルミン塩と、約0.1重量%から約10重量%の量である界面活性剤と、約15重量%から約70重量%の量である希釈剤と、約0.1重量%から約10重量%の量である結合剤と、約0.1重量%から約10重量%の量である崩壊剤とを含む、請求項51~65のいずれか一項記載のプロセス。
【請求項67】
請求項51~66のいずれか一項により製造される、製品。
【請求項68】
請求項40~50のいずれか一項記載の顆粒をカプセルに封入することを含むプロセスにより製造される、製品。
【請求項69】
請求項40~50のいずれか一項記載の顆粒を圧縮することを含むプロセスにより製造される、製品。
【請求項70】
その必要がある対象に、請求項1~18のいずれか一項記載の医薬組成物、請求項19~39のいずれか一項記載の錠剤、請求項40~50のいずれか一項記載の顆粒、または請求項67~69のいずれか一項記載の製品を有効量で投与することを含む、増殖性疾患の治療方法。
【請求項71】
前記増殖性疾患が癌である、請求項70記載の方法。
【請求項72】
その必要がある対象に、請求項1~18のいずれか一項記載の医薬組成物、請求項19~39のいずれか一項記載の錠剤、請求項40~50のいずれか一項記載の顆粒、または請求項67~69のいずれか一項記載の製品を有効量で投与することを含む、乳癌および/または婦人科疾患もしくは癌の治療方法。
【請求項73】
その必要がある対象に、請求項1~18のいずれか一項記載の医薬組成物、請求項19~39のいずれか一項記載の錠剤、請求項40~50のいずれか一項記載の顆粒、または請求項67~69のいずれか一項記載の製品を有効量で投与することを含む、ER+乳癌および/またはER関連の婦人科疾患もしくは癌の治療方法。
【請求項74】
前記対象に有効量の追加の抗増殖剤を投与することをさらに含む、請求項70~73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
ER+乳癌を治療するための、請求項73または74記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
様々な実施形態では、本開示は、概して選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)の新型塩、それを含む医薬組成物、およびその製造方法および用途に関する。
【背景技術】
【0002】
乳癌とは、世界的に女性にとって最も一般的な死亡原因である。乳癌の大部分(約80%)は、エストロゲン受容体(ER)によって媒介されるシグナル伝達経路に依存して成長する。したがって、ERまたはそのシグナル伝達経路を標的とすることは、依然として、乳癌を治療するための薬物の開発における肝要となっている。エストロゲン受容体(ERαおよびERβを含む)は、ホルモンエストロゲン(17β-エストラジオール)によって活性化される受容体の群である。現在、ER陽性(ER+)乳癌に対する治療法は、受容体のリガンド結合ドメインに直接結合すること(例えば、タモキシフェン)、エストロゲンの合成を阻害すること(例えば、アナストロゾール(anastrozole)、レトロゾール(letrozole)などのアロマターゼ阻害剤)、または、ERの分解を誘導し、ER活性を抑製する薬物(例えば、フルビストラント(fulvestrant))を含む。
【0003】
エストロゲン受容体を抑制するまたはエストロゲンの生成を阻害する薬物は、ER+乳癌およびその他のホルモン依存性癌を治療および管理するためによく使用される。しかしながら、薬物耐性は、依然として、乳癌の治療、特に末期癌の治療における挑戦の一つである。
【発明の概要】
【0004】
簡単な概要
選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)とは、エストロゲン受容体に結合してエストロゲン受容体の分解を誘導する小分子である。研究により、SERDは、特にタモキシフェンおよび/またはアロマターゼ阻害剤等のその他の薬物に対して薬物耐性を有する癌を治療するために適する(McDonnellら,J. Med. Chem. 2015,58,4883-4887)。フルビストラントは、すでに承認されたER+乳癌を治療するためのSERDである。しかしながら、フルビストラントは、代謝が早く、かつ毎月筋内注射で投与されるため、体外研究に観察された完全ER分解と比較して、ERの有効な分解に制限がある(臨床的検体で約50%ER分解)。最近、アロマターゼ阻害剤治療に対して薬物耐性が生じる乳癌患者の生検検体には、ER変異が検出された。これらの変異は、主に、ERリガンド結合ドメイン内のアミノ酸537および538に発生する。興味深いところは、これらの変異を持つERは、一定の程度で依然としてタモキシフェンおよびフルビストラントと結合して抑制される(Liら,2013 Cell Reports 4,1116-1130;Toyら,2013,45,1439-1445;Robinsonら,Naturegenetics 2013,45,1446-1451)。さらに、フルビストラントは、依然として変異を持つTry537Ser ERタンパク質を効果的に分解することができるとわかった。フルビストラントと類似するER分解を標的する化合物も、変異を持つERタンパク質を効果的に分解することができ、アロマターゼ阻害剤に対して薬物耐性が生じる乳癌患者を治療するために用いられる。
【0005】
WO2017/136688には、乳癌、特にER+乳癌、および/またはその他のER関連疾患などの様々な疾患または障害を治療するのに有用な様々なSERDが記載されている。様々な実施形態では、本開示は、例えば、結晶形態および/または実質的に純粋な単離された塩としてのSERDの特定の塩、それらを含む医薬組成物、その製造方法およびその使用方法に関する。
【0006】
本開示のいくつかの具体的な実施形態は、(E)-3-(3,5-ジクロロ-4-((1R,3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリジノ[3,4-b]インドール-1-イル)フェニル)アクリル酸(「化合物FA」)のアミン塩に関する。いくつかの実施形態では、アミン塩は、メグルミン塩、トリアルキルアミン塩、リシン塩、アルギニン塩、トロメタモール塩、コリン塩またはアンモニウム塩である。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAのメグルミン塩を提供する。いくつかの実施形態では、化合物FAのメグルミン塩は、ここで定義される形態I、IIまたはIIIの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAのリシン塩を提供する。いくつかの実施形態では、化合物FAのリシン塩は、L-リシン塩(1:1モル比)である。いくつかの実施形態では、L-リシン塩は、ここで定義される形態Aの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAのトリアルキルアミン塩、例えば、ジイソプロピルエチルアミン塩を提供する。いくつかの実施形態では、トリアルキルアミン塩は、結晶形態である。いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、化合物FAのアミン塩の製造方法を提供する。一般的に、この方法は、化合物FAを適切な溶媒に溶解して化合物FA溶液を形成し、その後、適切なアミンを溶液に加えることを含む。
【0007】
本開示の塩、例えば、本願のアミン塩(例えば、ここで記載のいずれかの結晶形態)は、例えば、増殖性疾患または障害、例えば、乳癌、特にER+乳癌、および/またはER関連の疾患もしくは障害を治療するための、医薬組成物に含まれることができる。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、治療有効量のいずれか一つまたは複数の本開示の塩を含んでもよい。例えば、いくつかの具体的な実施形態では、前記医薬組成物における活性成分は、形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの具体的な実施形態では、前記医薬組成物における活性成分は、形態IIの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態IIIの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、結晶型I、アモルファス形態またはそれらの混合物の化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。本願の塩、例えば、本願のアミン塩(例えば、ここで記載のいずれかの結晶形態)は、単独で使用しても、互いに組み合わせて使用しても、または、例えばここで記載の追加の薬剤と一緒に使用してもよい。
【0008】
化合物FAは、ほとんど水に溶解しない。それにより、化合物FAが胃腸液を含む水性媒体における溶出速度が低下し、ひいては経口摂取後の生物利用度が不足となる。いくつかの実施形態では、本願のアミン塩は、化合物FAよりも優れる水溶性を持ってもよい。また、いくつかの実施形態では、本願の医薬組成物は、微粉化した化合物FAのアミン塩と、界面活性剤とを含むことができ、これにより、より速い溶出およびよりよい全体的経口薬物動態プロファイルとなる。
【0009】
ここで記載の医薬組成物は、いずれかの適切な投与経路のために調製されることができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために調製されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルであってもよい。
【0010】
本開示のいくつかの具体的な実施形態は、化合物FAのメグルミン塩の含有量が約5mgから約1.2g、例えば、約10mgから約800mgの化合物FAに相当する、化合物FAのメグルミン塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、希釈剤、例えば、微結晶セルロースおよび/またはマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、結合剤、例えば、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、崩壊剤、例えば、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単位剤形である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、即時放出製剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤、例えば、コーティング錠剤である。
【0011】
本開示のいくつかの具体的な実施形態は、化合物FAのメグルミン塩を含む錠剤に関する。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、a)含有量が約10重量%から約80重量%の化合物FAのメグルミン塩;b)含有量が約0.1重量%から約10重量%の界面活性剤;c)含有量が約15重量%から約70重量%の希釈剤;d)含有量が約0.1重量%から約10重量%の結合剤;e)含有量が約0.1重量%から約10重量%の崩壊剤;およびf)含有量が約0.1重量%から約5重量%の潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、さらに、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。本願錠剤に用いられる化合物FAのメグルミン塩の適切な量、界面活性剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤および潤滑剤のタイプおよび含有量は、任意の組み合わせでここで記載のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、単位剤形である。いくつかの実施形態では、錠剤は、即時放出製剤である。いくつかの実施形態では、錠剤は、さらに、コーティングを含み、例えば、コーティングの重量増加は、約1重量%から約5重量%である。
【0012】
本開示のいくつかの具体的な実施形態は、化合物FAのメグルミン塩を含む顆粒に関する。いくつかの実施形態では、前記顆粒は、a)含有量が約10重量%から約80重量%の化合物FAのメグルミン塩;b)含有量が約0.1重量%から約10重量%の界面活性剤;c)含有量が約15重量%から約70重量%の希釈剤;d)含有量が約0.1重量%から約10重量%の結合剤;およびe)含有量が約0.1重量%から約10重量%の崩壊剤を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、さらに、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。本願の顆粒剤について、化合物FAのメグルミン塩の適切な量、界面活性剤、希釈剤、結合剤および崩壊剤のタイプおよび含有量は、任意の組み合わせでここで記載のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、本願の錠剤の製造のために用いられる。いくつかの実施形態では、顆粒は、カプセル剤の製造のために用いられる。
【0013】
いくつかの具体的な実施形態は、さらに、本願の医薬組成物の製造方法に関する。いくつかの実施形態では、この方法は、化合物FAのメグルミン塩、界面活性剤、希釈剤、結合剤および崩壊剤の混合物を湿式造粒して湿潤顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、封入または圧縮する前に化合物FAのメグルミン塩と一種または複数種の賦形剤を乾式造粒または直接ブレンドすることにより製造することもできる。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、湿潤顆粒を乾燥させて、例えば、流動層で3%以下の水含有量まで乾燥させて、乾燥顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、乾燥顆粒を乾式粉砕して乾式粉砕顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、乾式粉砕顆粒と顆粒外結合剤および潤滑剤とブレンドして潤滑顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、潤滑の顆粒を錠剤のコアに圧縮することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、錠剤のコアに対してフィルムコーティングしてコーティング錠剤を形成することを含む。いくつかの実施形態では、湿式造粒のための混合物は、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、湿式造粒のための混合物は、さらに、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。本願方法のための化合物FAのメグルミン塩の適切な量、界面活性剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤および潤滑剤のタイプおよび含有量は、任意の組み合わせでここで記載のいずれかを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、例えば、500μm未満のD90を持つ、微粉化した化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)を含む、医薬組成物を提供する。その他の適切な成分は、任意の組み合わせでここで記載のいずれかの適切な成分を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)と、界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムとを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、微粉化した化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)と界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムとを含む。いくつかの実施形態では、前記微粉化した化合物FAのメグルミン塩は、500μm未満のD90を持つことができる。その他の適切な成分は、任意の組み合わせでここで記載のいずれかの適切な成分を含む。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の塩(例えば、本願におけるアミン塩(例えば、ここで記載のいずれかの結晶形態))および/または本願における医薬組成物(例えば、ここで記載のいずれかの錠剤または顆粒剤)を使用して、ER関連の疾患または障害(例えば、ER陽性乳癌またはER関連の婦人科疾患)を治療するための方法に関する。ここで記載の方法は、任意の特定の投与経路に限定しない。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、経口投与であってもよい。いくつかの実施形態では、本願の方法は、さらに、必要がある対象に追加の薬剤(例えば、ここで記載のもの)を投与することを含むことができる。いくつかの実施形態では、前記追加の薬剤は、同時にまたは任意の順序で順次投与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1Aは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態Iの代表的X線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【
図1B】
図1Bは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態Iの代表的熱重量解析(TGA)および示差走査熱量法(DSC)解析を示す。
【
図1C】
図1Cで示されるXRPDパターンは、25℃/92.5%RHの条件で10日間保存後に、形態Iが変化しないことを示す。
【
図2A】
図2Aは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態IIの代表的XRPDパターンを示す。
【
図2B】
図2Bは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態IIの代表的TGAおよびDSC解析を示す。
【
図3A】
図3Aは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態III(二水和物)の代表的XRPDパターンを示す。
【
図3B】
図3Bは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態IIIの代表的TGAおよびDSC解析を示す。
【
図4A】
図4Aは、化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)の結晶形態Aの代表的XRPDパターンを示す。
【
図5A】
図5Aは、動的水分吸着解析(DVS)研究の前(下部ライン)と後(上部ライン)の遊離酸化合物FAの固体形態の代表的XRPDパターンを示す。
図5Aは、遊離酸の固体形態のDVS研究の前と後に変化しないことを示し、それらのXRPDパターンにより証明されることができる。
【
図5B】
図5Bは、固体形態の遊離酸化合物FAの代表的DSCサーモグラムを示す。
【
図6A】
図6Aは、実施例2で製造された化合物FAのジイソプロピルエチルアミン塩(1:1モル比)の結晶形態の代表的XRPDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
様々な実施形態では、本開示は、SERDの新型塩および前記塩を含む医薬組成物に関する。2018年12月24日で出願されたPCT/CN2018/123031および2020年2月20日で出願された米国出願第16/796,448号は、それぞれの内容が引用として整体的に本願に取り組まれ、化合物FA、(E)-3-(3,5-ジクロロ-4-((1R,3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリジノ[3,4-b]インドール-1-イル)フェニル)アクリル酸が、いくつかの塩基(例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基およびアミン塩基)と塩を形成することができるが、テストされた複数種類の酸(例えば、HCl)と塩を形成することができないことを記載している。いくつかの塩、例えば、アミン塩は、固体形態として存在してもよく、結晶、溶媒和物、水和物またはアモルファス形態であってもよい。これらの塩は、化合物FAを製造、調製および使用する代替的方法を提供する。実施例部分で挙げられるように、化合物FAとL-リシンおよびメグルミンとで形成されたいくつかの代表的塩形態は、様々な結晶形態として存在してもよく、これらの結晶形態は、化合物FAそのもの(即ち、遊離酸形態)と比較して、pH1.2および6.8でいずれも水でより高い溶解度を有し、かつより強い安定性を有することができる。いくつかの実施形態では、遊離酸形態と比較して、本願の塩形態は、様々な薬物用途により適することができる。
【0018】
本開示は、さらに、様々な医薬組成物、特に化合物FAおよびその塩(例えば、ここで記載のアミン塩)を含む経口製剤(例えば、錠剤またはカプセル剤)を提供する。いくつかの具体的な実施形態では、本開示は、化合物FAのメグルミン塩を含む医薬組成物、より具体的に、化合物FAのメグルミン塩を含む錠剤、化合物FAのメグルミン塩を含む顆粒、ならびにそれらの製造方法および使用方法を提供する。
【0019】
アミン塩
様々な実施形態では、本開示は、(E)-3-(3,5-ジクロロ-4-((1R,3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリジノ[3,4-b]インドール-1-イル)フェニル)アクリル酸(「化合物FA」)のアミン塩(例えば、薬理学的に許容されるアミン塩)に関する。
【0020】
化合物FAとは、化合物FAにおけるカルボン酸官能基の内部電離が理論的に可能であるが、その外部の酸または塩基と形成された塩と区別させるように、ここでその遊離酸の形態を意味することができる。
【0021】
様々なアミン塩は、本開示に用いられる。いくつかの実施形態では、アミン塩は、メグルミン塩、トリアルキルアミン塩、リシン塩、アルギニン塩、トロメタモール塩、コリン塩またはアンモニウム塩であってもよい。一般的に、本願におけるアミン塩は、固体形態として存在し、例えば、結晶形態またはアモルファス形態、またはそれらの混合物として存在してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、アミン塩は、実質的に純粋である。例えば、いくつかの実施形態では、化合物FAのアミン塩(例えば、L-リシン塩またはメグルミン塩)は、重量でおよび/またはHPLC面積での純度が少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%)であることを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物FAのアミン塩(例えば、L-リシン塩またはメグルミン塩)は、重量でおよび/またはHPLC面積での純度が約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%またはこれらの指定値の間のいずれかの範囲であることを特徴とする。文脈から明らかにならない限り、実質的に純粋な塩における塩の重量百分率を計算するために、塩またはその溶媒和物または水和物形態以外のいずれの物質は、不純物として扱われ、例えば、残留溶媒、含まれる水分等を含む。疑問を避けるために、ここで実質的に純粋な塩と一種または複数種のその他の成分とを含む組成物は、ここで本願における実質的に純粋な塩と一種または複数種のその他の成分との混合物として理解されるべきであり、例えば、このような組成物は、直接的に得られてもよく、ここで実質的に純粋な塩と一種または複数種のその他の成分(例えば、水、薬理学的に許容される賦形剤等)とを混合して間接的に得られてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAのメグルミン塩を提供する。特に説明しない限り、本願におけるメグルミン塩とは、化合物FAとメグルミンとのモル比が1:1である塩を意味する。本願のいずれかの実施形態では、化合物FAのメグルミン塩は、以下の式で示されることができる。
【0024】
化合物FAのメグルミン塩は、複数種の結晶形態として存在してもよい。いくつかの実施形態では、メグルミン塩は、形態Iとして存在してもよい。いくつかの実施形態では、メグルミン塩は、形態IIとして存在してもよい。いくつかの実施形態では、メグルミン塩は、二水和物形態と同定された形態IIIとして存在してもよい。ここで使用されるように、塩がある特定の結晶形態として存在する、または、ある特定の形態であると呼ばれる場合、いくつかの実施形態では、塩が実質的にこの特定の形態として存在することを理解するべきである。しかしながら、いくつかの実施形態では、塩は、特定の形態として一種または複数種のその他の固体形態(アモルファス形態を含む)との混合物において存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、メグルミン塩は、例えば、80重量%を超え、90重量%を超えまたは95重量%を超えて、実質的に形態Iとして存在してもよく、かつ、いくつかの実施形態では、XRPDで同定可能のようなその他の固体形態が存在しない。いくつかの実施形態では、メグルミン塩は、形態Iとして一種または複数種の形態II、IIIおよびアモルファス形態からなる群より選ばれる固体形態との混合物において存在してもよい。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態は、化合物FAのメグルミン塩の形態Iに関する。実施例で詳細に記載されるように、化合物FAが固体形態として存在することができるものの、この固体形態は、低い結晶度を有することを特徴とする。化合物FAそのものと比較して、メグルミン塩の形態Iは、より理想的な安定性、溶解度およびその他の物理化学的特徴を示し、その中のいくつかが、実施例部分で挙げられる。例えば、化合物FAと比較して、メグルミン塩の形態Iは、pH1.2および6.8でより高い水溶性を有する。また、形態Iは、良好な保存安定性を有することがわかった。例えば、形態Iは、25℃/92.5%RH条件で10日間保存した後も変化しない。また、実施例部分で詳細に示されるように、結晶形態Iは、スケールアップが成功したため、大規模な生産が可能となる。例えば、実施例2を参照する。そのため、メグルミン塩の形態Iは、様々な薬物の応用により適することができる。
【0026】
ここで使用されるように、形態Iとは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態の一つを意味し、(1)
図1Aと実質的に同じであるXRPDパターン;(2)
図1Aの主要ピーク(例えば、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピーク)°2θ、±0.2°を有するXRPDパターン;(3)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7つまたは全部)の以下のピークを有するXRPDパターン:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5および23.7°2θ、±0.2°;(4)一つまたは複数(例えば、8またはそれ以上、12またはそれ以上、16またはそれ以上、または20またはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.7、9.1、10.0、11.3、13.0、13.3、13.5、15.1、16.4、17.6、18.2、18.8、19.0、20.0、20.4、21.5、22.4、23.7、23.9、24.9および25.3°2θ、±0.2°;(5)開始温度約224.8℃および/またはピーク温度約226.5℃の吸熱ピークを有するDSCサーモグラム;(6)
図1Bで示されるものと実質的に同じであるDSCサーモグラム;またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば、(1)と(5)、(1)と(6)、(2)と(5)、(2)と(6)、(3)と(5)、(3)と(6)、(4)と(5)、または(4)と(6))を特徴とする。ここで使用されるように、XRPDパターンの主要ピークとは、4-30°(2θ)の間の回折角であって、10%またはそれ以上の相対強度を有するピークを意味する。いくつかの実施形態では、XRPDパターンの主要ピークとは、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピークを意味することができる。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、四つまたはそれ以上(例えば、4、5、6、7または全部)の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とすることができる:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5および23.7°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態Iは、以下の全てのピークを有するXRPDパターンを特徴とすることができる:4.7、9.1、10.0、17.6、18.2、19.0、21.5および23.7°2θ、±0.2°。
【0027】
本願は、メグルミン塩の結晶形態Iを製造する例示的方法を記載する。一般的に、この方法は、化合物FAを溶媒(例えば、メタノールまたはイソプロパノール)に溶解して溶液を形成することと、溶液に約1当量のメグルミン(例えば、メタノール溶液において)を加入して沈殿可能なメグルミン塩を形成することとを含むことができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、溶媒(例えば、メタノールまたはイソプロパノール)に懸濁または部分溶解して懸濁液または部分溶液を形成することもでき、そして、この方法は、約1当量のメグルミン(例えば、メタノール溶液において)を懸濁液または部分溶液に加入して沈殿可能なメグルミン塩を形成することを含むことができる。本願は、形態Iの製造実施例を提供する。いくつかの実施形態では、形態Iは、メグルミン塩のその他の結晶形態からなることができる。実施例3Dで示されるように、室温でイソプロパノールに撹拌すると、形態I、形態IIと二水和物(形態III)を有する固体混合物は、最終的な主要固体形態としての結晶形態Iに転換することができる。類似的に、形態Iと二水和物形態IIIとの混合物は、60℃で水の中で加熱すると、最終的な主要固体形態としての形態Iに転換することもできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、形態Iは、適切な条件で様々な溶媒または混合溶媒から再結晶することができる。再結晶のための適切な溶媒は、THF、トルエン、MeOH、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、メチル-tert-ブチルエーテル、エチルエーテル、イソペンチルアルコール、酢酸ブチル、ギ酸エチル、1,4-ジオキサン、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、キシレン、酢酸イソブチル、2-ブタノン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよび水を含むが、これらに限定しない。溶媒は、単独で使用してもよく、様々な組み合わせで使用してもよい。再結晶技術は、当分野で一般的に周知である。例えば、化合物FAのメグルミン塩は、室温または加熱で一種または複数種の溶媒においてスラリー化することができ、化合物FAのメグルミン塩は、一種または複数種の溶媒において加熱し、その後冷却することができ、化合物FAのメグルミン塩を溶媒に溶解して、その後反溶媒を加入することができ、その他の技術、例えば、固/液拡散または液/液拡散を使用することもできる。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態は、化合物FAのメグルミン塩の形態IIに関する。形態IIは、例えば、化合物FAのメグルミン塩の二水和物形態(形態III)を乾燥することにより製造することができる。ここで使用されるように、形態IIとは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態の一つを意味し、(1)
図2Aと実質的に同じであるXRPDパターン;(2)
図2Aの主要ピーク(例えば、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピーク)°2θ、±0.2°を有するXRPDパターン;(3)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:8.0、12.0、12.4、16.1、17.2、19.7、22.1、22.5および23.9°2θ、±0.2°;(4)一つまたは複数(例えば、8またはそれ以上、12またはそれ以上、または16またはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.0、8.0、10.3、12.0、12.4、14.7、14.9、15.5、16.1、17.2、19.7、20.8、22.1、22.5、23.9、24.5、24.8および26.3°2θ、±0.2°;(5)開始温度が約174.1℃および/またはピーク温度が約178.0℃の吸熱ピークを有するDSCサーモグラム;(6)
図2Bで示されるものと実質的に同じであるDSCサーモグラム;またはその組み合わせ(例えば、(1)と(5)、(1)と(6)、(2)と(5)、(2)と(6)、(3)と(5)、(3)と(6)、(4)と(5)、または(4)と(6))を特徴とする。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、四つまたはそれ以上の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:8.0、12.0、12.4、16.1、17.2、19.7、22.1、22.5および23.9°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態IIは、以下の全てのピークを有するXRPDパターンを特徴とする:8.0、12.0、12.4、16.1、17.2、19.7、22.1、22.5および23.9°2θ、±0.2°。
【0030】
メグルミン塩の形態IIIは、水和物形態として同定され、より具体的には、二水和物形態である。二水和物形態IIIは、安定の固体形態であってもよい。例えば、互変実験で示されるように、室温で形態I、IIとIIIの水における混合物を撹拌すると、最終的な主要固体形態としての二水和物形態IIIを生成することができる。二水和物形態を製造するための例示的方法は、実施例部分で記載される。ここで使用されるように、形態IIIとは、化合物FAのメグルミン塩の結晶形態の一つを意味し、(1)
図3Aと実質的に同じであるXRPDパターン;(2)
図3Aの主要ピーク(例えば、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピーク)°2θ、±0.2°を有するXRPDパターン;(3)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:7.5、10.2、12.0、14.5、15.6、17.0、17.4、19.2、19.7、20.6、21.5、22.0、22.5、23.8、24.6、24.9および28.1°2θ、±0.2°;(4)一つまたは複数(例えば、8またはそれ以上、12またはそれ以上、16またはそれ以上、20またはそれ以上、または24またはそれ以上)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:3.7、6.4、7.5、10.2、11.2、12.0、14.5、15.6、17.0、17.4、17.8、19.2、19.7、20.3、20.6、21.5、22.0、22.5、22.8、23.8、24.6、24.9、25.5、25.9、26.5、28.1、30.9および31.4°2θ、±0.2°;(5)開始温度が約63.4℃および176.4℃および/またはそれぞれのピーク温度が約92.5℃および178.7℃の二つの吸熱ピークを有するDSCサーモグラム;(6)
図3Bで示されるものと実質的に同じであるDSCサーモグラム;またはその組み合わせ(例えば、(1)と(5)、(1)と(6)、(2)と(5)、(2)と(6)、(3)と(5)、(3)と(6)、(4)と(5)、または(4)と(6))を特徴とする。例えば、いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、四つまたはそれ以上の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:7.5、10.2、12.0、14.5、15.6、17.0、17.4、19.2、19.7、20.6、21.5、22.0、22.5、23.8、24.6、24.9および28.1°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、八つまたはそれ以上の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:7.5、10.2、12.0、15.6、17.0、17.4、19.2、19.7、20.6、21.5、22.0、22.5、23.8、24.9、および28.1°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、12またはそれ以上の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:7.5、10.2、12.0、14.5、15.6、17.0、17.4、19.2、19.7、20.6、21.5、22.0、22.5、23.8、24.6、24.9および28.1°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態IIIは、以下の全てのピークを有するXRPDパターンを特徴とする:7.5、10.2、12.0、14.5、15.6、17.0、17.4、19.2、19.7、20.6、21.5、22.0、22.5、23.8、24.6、24.9および28.1°2θ、±0.2°。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、以下の方法1-4のいずれかにより製造されるメグルミン塩を提供する。
【0032】
方法1:23.45mg化合物FAを500μLの0.1Mメグルミン/(メタノール-水)溶液に溶解する。透明溶液を一時間撹拌し続く。濃縮および沈澱を行う。200μL酢酸イソプロピルを加入し、溶液が透明となる。約10分間撹拌し、固体が現れる。さらに600μL酢酸イソプロピルを加入し、20分間撹拌し続く。濾過により固体試料を回収する。試料を40℃で一晩真空乾燥する。
【0033】
方法2:24.02mg化合物FAを1mL 0.05Mメグルミン/水溶液に溶解する。透明溶液を室温で一時間撹拌する。約50μLに濃縮し、400μL酢酸イソプロピルを加入する。約10分間撹拌し、固体が現れる。さらに200μL酢酸イソプロピルを加入し、一時間撹拌し続く。濾過により固体試料を回収する。
【0034】
方法3:24.01mg化合物FAを500μL 0.1Mメグルミン/(メタノール-水)溶液に溶解する。透明溶液を室温で一時間撹拌する。濃縮により固体試料が現れ、400μL水を加入する。30分間撹拌し、濾過により生成物を得る。40℃で一晩真空乾燥し、試料を同定する。
【0035】
方法4:23.13mg化合物FAを500μL IPA(イソプロパノール)に溶解し、室温で撹拌する。1mLの0.05 Mメグルミン/メタノール溶液を加入する。透明溶液を室温で一時間撹拌する。濃縮により固体試料が現れ、200μL IPAを加入する。室温で30分間撹拌し、濾過により生成物を得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、化合物FAのリシン塩を提供する。いくつかの実施形態では、リシン塩は、リシンと化合物FAとのモル比が約1:1である、L-リシン塩である。いくつかの実施形態では、化合物FAのL-リシン塩は、結晶形態またはアモルファス形態、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、L-リシン塩は、結晶形態Aである。ここで使用されるように、結晶形態Aとは、化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)の結晶形態の一つを意味し、(1)
図4Aと実質的に同じであるXRPD図;(2)
図4Aの主要ピーク(例えば、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピーク)°2θ、±0.2°を有するXRPDパターン;(3)一つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6または7つ)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)図:10.2、13.0、19.4、20.9、22.2、22.4および22.9°2θ、±0.2°;(4)一つまたは複数(例えば、4つまたはそれ以上、8つまたはそれ以上、10つまたはそれ以上または全部)の以下のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターン:4.2、10.2、11.1、13.0、13.3、19.4、20.9、22.2、22.4、22.9、24.6および31.7°2θ、±0.2°;(5)開始温度が約244.1℃および/またはピーク温度が約249.1℃の吸熱ピークを有するDSCサーモグラム;(6)
図4Bで示されるものと実質的に同じであるDSCサーモグラム;またはその組み合わせ(例えば、(1)と(5)、(1)と(6)、(2)と(5)、(2)と(6)、(3)と(5)、(3)と(6)、(4)と(5)、または(4)と(6))を特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、四つまたはそれ以上の以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:10.2、13.0、19.4、20.9、22.2、22.4および22.9°2θ、±0.2°。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、以下の全てのピークを有するXRPDパターンを特徴とする:10.2、13.0、19.4、20.9、22.2、22.4および22.9°2θ、±0.2°。
【0037】
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、以下の方法AからCのいずれかにより製造されるリシン塩を提供する。
【0038】
方法A:50℃で撹拌しながら23.93mg化合物FAを400μLイソブチルアルコールに溶解する。25μL 1ML-リシン/水溶液(0.5eq.)を加入し、そして50℃で反応する。約5分間内に沈澱が現れる。さらに20分間反応し、反応溶液をゆっくり室温まで冷却する。濾過により試料を回収する。
【0039】
方法B:50℃で撹拌しながら24.00mg化合物FAを400μLイソブチルアルコールに溶解する。50μL 1ML-リシン/水溶液(1eq.)を加入し、そして50℃で反応する。約13分間後に沈澱が現れる。さらに15分間反応し、反応液をゆっくり室温まで冷却する。濾過により試料を回収する。
【0040】
方法C:478μLメタノールに14.82mgリシンを加入する。室温で30分間撹拌した後、固体試料が溶解できない。43.88mg化合物FAを加入し、溶液が依然として混濁である。室温で一晩撹拌し、濾過により固体試料を得る。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態は、さらに、その他のアミン塩に関する。例えば、いくつかの実施形態では、化合物FAのトリアルキルアミン塩を提供する。このようなトリアルキルアミン塩は、医薬組成物にそのまま用いられてもよく、化合物FAまたはその塩の製造を促進してもよい。例えば、実施例2を参照する。いくつかの実施形態では、トリアルキルアミン塩は、ジイソプロピルエチルアミン塩である。いくつかの実施形態では、トリアルキルアミン塩は、以下の構造で示される化合物FAのジイソプロピルエチルアミン塩である。
【0042】
いくつかの実施形態では、ジイソプロピルエチルアミン塩は、結晶形態である。いくつかの実施形態では、ジイソプロピルエチルアミン塩は、(1)
図6Aで示されるものと実質的に同じであるXRPDパターン;(2)
図6Aの主要ピーク(例えば、相対強度20%またはそれ以上、30%またはそれ以上、40%またはそれ以上、50%またはそれ以上、60%またはそれ以上、70%またはそれ以上、80%またはそれ以上、または90%またはそれ以上のピーク)°2θ、±0.2°を有するXRPDパターン;(3)
図6Bで示されるものと実質的に同じであるDSCサーモグラム;またはその組み合わせを特徴とする、固体形態であってもよい。
【0043】
医薬組成物
様々な実施形態では、本開示は、さらに、本開示の塩、例えば、ここで記載のアミン塩と、任意の薬理学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ここで記載の医薬組成物は、本開示の塩、例えば、ここで記載のアミン塩と、薬理学的に許容される賦形剤とを含む。ここで記載の医薬組成物は、増殖性疾患(例えば、ER+乳癌)またはER関連の疾患を治療および/または予防するために用いられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、本開示は、一種または複数種の本開示の塩(例えば、化合物FAのアミン塩、例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)を含む、医薬組成物を提供する。一般的に、医薬組成物は、治療有効量の一種または複数種の本開示の塩(例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)と、任意の薬理学的に許容される賦形剤または担体とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1mgから約2,000mg(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約500mg、約800mg、約1000mg、約1500mg、約2000mg、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-1000mg、約50-500mg等)の一種または複数種の本開示の塩(例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)と、任意の薬理学的に許容される賦形剤または担体とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、ここで記載の量で一種または複数種のここで記載のような実質的に純粋なアミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、一種または複数種の結晶形態を含み、前記結晶形態は、化合物FAのメグルミン塩の形態I、II、IIIおよび化合物FAのリシン塩の形態Aからなる群より選ばれる。
【0045】
いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩の形態Iを含む。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、実質的に形態Iとして医薬組成物に存在し、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態Iとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、実質的にいずれかのその他の固体形態の化合物FA、例えば、その他の塩またはその他の結晶形態を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、その遊離酸形態としての化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、医薬組成物は、いくつかの実施形態では、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の遊離酸形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)の形態I以外の結晶形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の形態I以外の結晶形態の化合物FAを含むことができる。ここで使用されるように、医薬組成物中の化合物FAの合計重量とは、全ての形態の化合物FAの重量を合計したものを意味し、例えば、遊離酸形態、塩、結晶形態、アモルファス形態、水和物、溶媒和物等を含み、化合物FAの遊離酸形態の当量重量で示される。所定の医薬組成物におけるそれぞれの異なる形態の重量百分率の計算について、当業者は、それぞれの異なる形態の重量がまずそのそれぞれの遊離酸形態の化合物FAの当量重量に転換し、その後、ここで定義される化合物FAの合計重量を除することを理解すべきである。
【0046】
いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態I、アモルファス形態、またはそれらの混合物の化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、化合物FAのメグルミン塩の形態Iとアモルファス形態の混合物として医薬組成物に存在することができ、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態Iまたはアモルファス形態として医薬組成物に存在することができる。
【0047】
いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩の形態IIを含む。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態IIの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、実質的に形態IIとして医薬組成物に存在し、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態IIとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、実質的にいずれかのその他の固体形態の化合物FA、例えば、その他の塩またはその他の結晶形態を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、遊離酸形態としての化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、医薬組成物は、いくつかの実施形態では、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の遊離酸形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)の形態II以外の結晶形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、医薬組成物は、いくつかの実施形態では、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の形態II以外の結晶形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態II、アモルファス形態、またはそれらの混合物の化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、化合物FAのメグルミン塩の形態IIとアモルファス形態の混合物として医薬組成物に存在することができ、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態IIまたはアモルファス形態として医薬組成物に存在することができる。
【0048】
いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩の形態IIIを含む。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態IIIの化合物FAのメグルミン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、実質的に形態IIIとして医薬組成物に存在し、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態IIIとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、実質的にいずれかのその他の固体形態の化合物FA、例えば、その他の塩またはその他の結晶形態を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、遊離酸形態としての化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の遊離酸形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(1:1モル比)の形態III以外の結晶形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の形態III以外の結晶形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態III、アモルファス形態またはそれらの混合物の化合物FAのメグルミン塩を含む、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、化合物FAのメグルミン塩の結晶型IIIとアモルファス形態の混合物として医薬組成物に存在することができ、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態IIIまたはアモルファス形態として医薬組成物に存在することができる。
【0049】
一般的に、化合物FAのメグルミン塩(例えば、形態I、II、IIIおよび/またはアモルファス形態)を含む医薬組成物は、顕著な量の遊離酸形態の化合物FAを含まない。いくつかの実施形態では、ここで上記の医薬組成物は、さらに、メグルミン塩と遊離酸形態の混合物(バランスにより存在可能な任意の量以外)を含むことができる。
【0050】
その他の塩、例えば、ここで記載の化合物FAのいずれか一つまたは複数のその他のアミン塩、例えば、化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)は、ここで化合物FAのメグルミン塩、例えば、形態Iについて記載される内容と類似するように調製することができる。
【0051】
例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのL-リシン塩の形態Aを含むことができる。いくつかの具体的な実施形態では、医薬組成物における活性成分は、形態Aの化合物FAのL-リシン塩を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。いくつかの実施形態では、化合物FAは、実質的に形態Aとして医薬組成物に存在し、例えば、少なくとも80%(例えば、化合物FAの合計重量で、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%)の化合物FAが、形態Aとして医薬組成物に存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、実質的にいずれかのその他の固体形態の化合物FA、例えば、その他の塩またはその他の結晶形態を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、遊離酸形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の遊離酸形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)以外の塩形態の化合物FAを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)の形態A以外の結晶形態の化合物FAを含まなくまたは実質的に含まなく、例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAの合計重量で、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満または検出不可の量の形態A以外の結晶形態の化合物FAを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、アモルファス形態の化合物FAのL-リシン塩(1:1モル比)を含むことができる。
【0052】
トロメタモール塩、コリン塩等のようなその他の塩は、類似的に調製されることができる。
【0053】
一般的に、本開示の塩(例えば、化合物FAのアミン塩、例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)は、有効量で医薬組成物に加入される。いくつかの実施形態では、有効量は、治療有効量(例えば、必要がある対象の増殖性疾患を効果的に治療する量)である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、癌、例えば、ER+乳癌である。いくつかの実施形態では、有効量は、予防有効量(例えば、必要がある対象の増殖性疾患を効果的に予防する、および/または必要がある対象に増殖性疾患の寛解を維持させる有効量)である。
【0054】
ここで記載の医薬組成物は、薬理学分野で既知のいずれかの方法により製造されることができる。一般的に、このような製造方法は、本開示の塩のような活性成分と、担体または賦形剤、および/または一種または複数種のその他の補助成分と結合し、その後、必要および/または所望に応じて、製品を必要の単一用量または複数用量単位に成型および/または包装することを含む。
【0055】
医薬組成物は、単一の単位用量として、および/または、複数の単位用量として大量製造、包装および/または販売されることができる。「単位用量」とは、所定量の活性成分の離散量を含む医薬組成物を意味する。活性成分の量は、一般的に、対象に投与される活性成分の用量および/またはこの用量の便宜な分数、例えば、この用量の二分の一または三分の一に等する。
【0056】
ここで記載の医薬組成物における活性成分、薬理学的に許容される賦形剤および/またはいずれかの追加の成分の相対量は、治療される対象の身分、サイズおよび/または状況による、ならびに、さらに投与組成物の経路によるものである。この組成物は、0.1%から100%(w/w)の活性成分を含むことができる。
【0057】
ここでの医薬組成物を製造するための薬理学的に許容される賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、表面活化剤(surface active agents)、例えば界面活性剤(surfactants)および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤および/または油を含む。組成物には、ココアバターおよび坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、調味剤および芳香剤のような賦形剤が存在してもよい。
【0058】
医薬組成物は、いずれかの投与経路、例えば、経口投与のために調製されることができる。一般的に、医薬組成物は、固体剤型である。しかしながら、いくつかの実施形態では、その他の剤型、例えば、液体、懸濁液、シロップまたは半固体剤型を使用してもよい。
【0059】
経口投与のための固体剤型は、例えば、カプセル剤、錠剤、分散錠剤、ペレット剤(pellet)、ビーズ剤(beads)、丸剤(pills)、散剤および顆粒剤を含む。これらの固体剤型において、活性成分は、少なくとも一種の不活性の薬理学的に許容される賦形剤または担体:(a)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶セルロース、シリコン化微結晶セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、ソルビトール、アルファ化デンプンまたはその混合物、(b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアガム粉およびその組み合わせ、(c)保湿剤、例えば、グリセリン、(d)崩壊剤、例えば、クロスポリビニルピロリドン、ヒドロキシ酢酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、馬鈴薯またはタピオカデンプン、ならびにそれらの組み合わせ、(f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリド、(h)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト、および(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、硬化ヒマシ油、フマル酸ステアリルナトリウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤型は、緩衝剤を含むことができる。
【0060】
類似タイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を硬充填ゼラチンカプセルにおいてフィラーとして使用してもよい。錠剤、糖衣丸、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤型は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングおよび薬物科学分野で周知のその他のコーティングを製造してもよい。それらは、任意に遮光剤を含むことができ、そして腸道のある部分のみまたは優先的に、任意に徐放の方式で活性成分を放出する組成物であってもよい。使用できる封入成分の例は、重合体およびワックスを含む。類似タイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を硬充填ゼラチンカプセルにおいてフィラーとして使用してもよい。
【0061】
活性成分(例えば、本開示の塩)は、上記のような一種または複数種の賦形剤の微カプセル化形態であってもよい。錠剤、糖衣丸、カプセル、丸剤および顆粒剤の固体剤型は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび薬物製剤分野で周知のその他のコーティングを製造してもよい。このような固体剤型において、活性成分は、少なくとも一種の不活性希釈剤、例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプンと混合されてもよい。このような剤型は、正常の実践に従い、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、打錠潤滑剤およびその他の打錠助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含むことができる。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤型は、緩衝剤を含むことができる。それらは、任意に遮光剤を含むことができ、そして腸道のある部分のみまたは優先的に、任意に徐放の方式で活性成分を放出する組成物であってもよい。使用できる封入成分の例は、重合体およびワックスを含む。
【0062】
ここで提供する医薬組成物の記載は、主にヒトに投与するのに適した薬物組成物を対象としているが、このような組成物は通常様々な動物に投与するのに適している。ヒトに投与するのに適した医薬組成物を各種動物に投与するのに適したように修正することはよく知られており、通常の獣医薬理学者は通常の実験により設計および/またはその修正を行うことができる。
【0063】
本開示の塩は通常、投与と投与量の均一性を容易にするために投与量単位の形に調制される。しかし、ここで記載の組成物の1日あたりの総使用量は、医師が合理的な医学的判断の範囲内で決定することが理解されるべきである。特定の対象または生体の具体的な治療有効投与量レベルは、治療された疾患と疾患の重症度;使用する特定の活性成分の活性;採用される具体的な成分;対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路及び使用する特定の活性成分の排泄速度;治療の持続時間;使用する特定の活性成分と併用または同時に使用する薬物;医学分野でよく知られている同様の要因、を含む様々な要因に依存する。
【0064】
本開示は、試薬キット(例えば、薬物バッグ)も含む。提供される試薬キットは、ここで記載の医薬組成物または塩と容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、注射器および/またはディスペンサー包装、またはその他の適切な容器)を含むことができる。いくつかの実施形態では、提供される試薬キットは、必要に応じて、ここでの医薬組成物または本開示の塩を希釈または懸濁するための薬物賦形剤を含む第二容器をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第一容器と第二容器に提供された本開示の医薬組成物または塩を組み合わせて、単位剤形を形成する。
【0065】
いくつかの実施形態では、ここで記載の試薬キットは、本開示の塩またはここで記載の医薬組成物を含む第一容器を含む。いくつかの実施形態では、ここで記載の試薬キットは、必要がある対象の増殖性疾患(例えば、ER+乳癌)の治療、および/または必要がある対象の増殖性疾患の予防に用いることができる。いくつかの実施形態では、ここで記載のSERDは、エストロゲンなどのステロイドホルモンに関連する疾患および/または障害の治療に用いることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ここで記載の試薬キットは、試薬キットに含まれる化合物または医薬組成物を使用する説明も含む。本論文に記載されている試薬キットには、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関が要求する情報も含まれていてもよい。一部の実施形態では、試薬キットに含まれる情報は、処方情報である。いくつかの実施形態では、試薬キットと説明は、必要がある対象の増殖性疾患を治療し、および/または必要がある対象の増殖性疾患を予防するために提供される。ここで記載の試薬キットは、単独の組成物として、一種または複数種のここで記載の追加の薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記一種または複数種の追加の薬剤は、一種または複数種の追加の抗増殖剤であってもよく、ここでいう塩と一緒に同じまたは単独の組成物に含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、抗増殖剤は、CDK4/CDK6阻害剤、例えば、セリシクリブ(seliciclib)、UCN-01、P1446A-05、パルボシクリブ(palbociclib)(PD-0332991)、アベマシクリブ(abemaciclib)、ジナシクリブ(dinaciclib)、P27-00、AT-7519、RGB286638およびSCH727965等であってもよい。いくつかの実施形態では、抗増殖剤は、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤(anti-metabolites)、挿入抗生物質(intercalating antibiotics)、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、イソメラーゼ阻害剤、生物反応調節剤、抗ホルモン、血管新生阻害剤および抗アンドロゲンからなる群より選ばれる化学治療剤であってもよい。いくつかの実施形態では、抗増殖剤は、EGFR阻害剤、MEK阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、TOR阻害剤、Mcl-1阻害剤、BCL-2阻害剤、SHP2阻害剤、プロテアソーム阻害剤、および、モノクローナル抗体、免疫調節性イミド(IMiD)、抗PD-1、抗PDL-1、抗CTLA4、抗LAg1および抗OX40薬物、GITR作動剤、CAR-T細胞およびBiTEを含む免疫療法からなる群より選ばれる一種または複数種の薬剤であってもよい。必要に応じて、本願における塩および医薬組成物は、例えば、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、アビシン(AVICINE)、アバゴボマブ(Abagovomab)、アクリジンカルボキサミド(Acridine carboxamide)、アデカツムマブ(Adecatumumab)、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナミシン(17-N-Allylamino-17-demethoxygeldanamycin)、アルファラジン(Alpharadin)、アルボシジブ(Alvocidib)、3-アミノピリジン-2-カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン(3-Aminopyridine-2-carboxaldehyde thiosemicarbazone)、アモナファイド(Amonafide)、アントラセンジオン(Anthracenedione)、抗CD22免疫毒素(Anti-CD22 immunotoxins)、抗腫瘍薬(Antineoplastic)、抗腫瘍生成ハーブ(Antitumorigenic herbs)、アパジキノン(Apaziquone)、アチプリモド(Atiprimod)、アザチオプリン(Azathioprine)、ベロテカン(Belotecan)、ベンダムスチン(Bendamustine)、BIBW 2992、ビリコダール(Biricodar)、ブロスタリシン(Brostallicin)、ブリオスタチン(Bryostatin)、ブチオニンスルホキシミン(Buthionine sulfoximine)、CBV(化学療法)、カリクリン(Calyculin)、細胞周期非特異的抗腫瘍薬(cell-cycle nonspecific antineoplastic agents)、ジクロロ酢酸(Dichloroacetic acid)、ディスコダーモライド(Discodermolide)、エルサミトルシン(Elsamitrucin)、エノシタビン(Enocitabine)、エポチロン(Epothilone)、エリブリン(Eribulin)、エベロリムス(Everolimus)、エキサテカン(Exatecan)、エクシスリンド(Exisulind)、フェルギノール(Ferruginol)、フォロデシン(Forodesine)、ホスフェストロール(Fosfestrol)、ICE化学療法方案(chemotherapy regimen)、IT-101、イメキソン(Imexon)、イミキモド(Imiquimod)、インドロカルバゾール(Indolocarbazole)、イロフルベン(Irofulven)、ラニキダール(Laniquidar)、ラロタキセル(Larotaxel)、レナリドミド(Lenalidomide)、ルカントン(Lucanthone)、ルルトテカン(Lurtotecan)、マホスファミド(Mafosfamide)、ミトゾロミド(Mitozolomide)、ナフォキシジン(Nafoxidine)、ネダプラチン(Nedaplatin)、オラパリブ(Olaparib)、オルタタキセル(Ortataxel)、PAC-1、Pawpaw、ピキサントロン(Pixantrone)、プロテアソーム阻害剤(Proteasome inhibitor)、レベッカマイシン(Rebeccamycin)、レシキモド(Resiquimod)、ルビテカン(Rubitecan)、SN-38、サリノスポラミド(Salinosporamide)A、サパシタビン(Sapacitabine)、Stanford V、スワンソニン(Swainsonine)、タラポルフィン(Talaporfin)、タリキダール(Tariquidar)、テガフルウラシル(Tegafur-uracil)、テモダール(Temodar)、テセタキセル(Tesetaxel)、四硝酸トリプラチン(Triplatin tetranitrate)、トリ(2-クロロエチル)アミン(Tris(2-chloroethyl)amine)、トロキサシタビン(Troxacitabine)、ウラムスチン(Uramustine)、バジメザン(Vadimezan)、ビンフルニン(Vinflunine)、ZD6126またはゾスキダール(Zosuquidar)のような、一般的な抗癌薬物と組み合わせて使用してもよい。
【0067】
例示的医薬組成物および製造方法
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物FAまたはその薬理学的に許容される塩(例えば、ここで記載のもの)を含む、ある医薬組成物を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、化合物FAまたは化合物FAのアミン塩(例えば、ここで記載のもの)を含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物における合計化合物FAは、遊離酸化合物FAの当量重量で、約5mgから約1.2g(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約500mg、約750mg、約800mg、約1000mg、約1200mg、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-1000mg、約10-800mg、約10-500mg、約10-300mg、約50-800mg、約50-500mg等)にある化合物FAである。医薬組成物は、一般的に、経口剤型、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等である。
【0068】
いくつかの具体的な実施形態では、本開示は、化合物FAのメグルミン塩を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、一般的に、経口剤型、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、コーティング錠剤、例えば、非腸溶コーティング錠剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、単位剤形である。例えば、いくつかの実施形態では、単一の錠剤またはカプセルは、ここで記載の量(例えば、約5mgから約1.2gの化合物FAに相当する量)で化合物FAまたは化合物FAのアミン塩(例えば、ここで記載のメグルミン塩)を含むことができる。
【0069】
医薬組成物に一般的に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約5mgから約1.2g(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約500mg、約750mg、約800mg、約1000mg、約1200mg、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-1000mg、約10-800mg、約10-500mg、約10-300mg、約50-800mg、約50-500mg等)の化合物FAに相当する。当業者は、化合物FAのメグルミン塩と化合物FAとの重量換算比が約1.4107:1であり、即ち、100mg遊離酸(化合物FA)が約141.07mgメグルミン塩に相当することを理解できる。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約800mg(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mgまたは前記値の間のいずれかの範囲)の化合物FAに相当する。いくつかの実施形態では、医薬組成物に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約500mg(例えば、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約150mg、200mg、約300mg、約400mg、約500mgまたは前記値の間にあるいずれかの範囲)の化合物FAに相当する。いくつかの実施形態では、医薬組成物に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約300mg(例えば、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mgまたは前記値の間のいずれかの範囲)の化合物FAに相当する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mgまたは約500mgまたは前記値の間のいずれかの範囲の化合物FAに相当する量の化合物FAのメグルミン塩を含む。
【0070】
医薬組成物は、一般的に結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。しかしながら、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、遊離酸形態の化合物FA(バランスにより存在可能な任意の量以外)を含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、形態I、アモルファス形態またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、結晶形態I、II、III、アモルファス形態またはいずれかの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含むことができる。ここで記載のいずれかの実施形態では、文脈に反対しない限り、医薬組成物は、例えば、500μm未満、例えば、200μm未満または20μm未満のD90を有してもよい、微粉化した化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)を含む、またはそれから調製することができる。
【0071】
医薬組成物は、一般的に、さらに、一種または複数種の薬理学的に許容される賦形剤、例えば、界面活性剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤等を含む。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、文脈に反対しない限り、医薬組成物は、化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)と、界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムとを含むことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、微粉化した化合物FAのメグルミン塩(例えば、ここで記載のもの)と、界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムとを含む(またはそれからなる)。いくつかの実施形態では、微粉化した化合物FAのメグルミン塩のD90は、500μm未満、例えば、200μm未満または20μm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、希釈剤、例えば、微結晶セルロースおよび/またはマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、微結晶セルロースおよびマンニトールを含み、例えば、微結晶セルロースとマンニトールとの重量比が約1:5から約5:1であり、好ましくは、マンニトールの量がより多く、例えば、微結晶セルロースとマンニトールとの重量比が約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5または前記値の間のいずれかの範囲である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、崩壊剤、例えば、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10、またはクロスカルメロースナトリウム等を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、結合剤、例えば、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、潤滑剤、例えば、フマル酸ステアリルナトリウムまたはステアリン酸マグネシウムを含む。賦形剤の適切な量には、特に制限されていない。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、a)化合物FAのメグルミン塩、重量で、含有量が約10%から約80%(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-70%、約10-60%、約20-50%等);b)界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-7%等);c)希釈剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約15%から約70%(例えば、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約20-50%、約30-70%等);d)結合剤、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-6%等);e)崩壊剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約3-8%等)、ならびにf)潤滑剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約5%(例えば、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約0.5-1.5%、約0.5-2.5%等)を含むことができる。
【0072】
医薬組成物は、一般的に即時放出製剤に調製される。例えば、一つの典型的な実施形態では、パドル法(中国薬局方<0931>、方法2、パドル法)を採用して50rpmで900mL媒体(0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(またはドデシル硫酸ナトリウム、SDS)の水溶液)の溶出試験において測定する場合、医薬組成物は、約60分間内に実質的にすべての化合物FAのメグルミン塩を放出することができる。いくつかの実施形態では、パドル法(中国薬局方<0931>、方法2、パドル法)を採用して50rpmで900mL媒体(0.5% SDS水溶液)の溶出試験において測定する場合、医薬組成物は、約45分間内に80%またはより多い化合物FAのメグルミン塩を放出することができる。
【0073】
錠剤
本開示のいくつかの実施形態は、化合物FAまたはその薬理学的に許容される塩を含む錠剤に関する。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、化合物FAのアミン塩を含む。
【0074】
いくつかの具体的な実施形態では、錠剤は、化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、コーティングされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、錠剤は、ポリビニルアルコールを含むコーティングでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、さらに、顔料、例えば、酸化鉄(黄色)を含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコール、チタニア、ポリエチレングリコール、タルク粉および黄色酸化鉄を含む。コーティングの重量増加は、一般的に錠剤(コア)の約1%から約5%、例えば、約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%または約5%である。コーティングが錠剤の溶出プロファイルに影響する可能性があるため、いくつかの実施形態では、コーティングの重量増加が5%よりも高いものの、一般的に好ましくはコーティングの重量増加が5%を超えるコーティングを含まない。
【0075】
一般的に、ここでの錠剤は、一種または複数種の薬理学的に許容される賦形剤、例えば、界面活性剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤等を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、a)化合物FAのメグルミン塩、重量で、含有量が約10%から約80%(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-70%、約10-60%、約20-50%等);b)界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-7%等);c)希釈剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約15%から約70%(例えば、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約20-50%、約30-70%等);d)結合剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-6%等);e)崩壊剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約3-8%等)、ならびにf)潤滑剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約5%(例えば、約0.1%、約0.3%、約0.5%、約0.7%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約0.5-1.5%、約0.5-2.5%等)を含む。
【0076】
錠剤は、一般的に結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。しかしながら、いくつかの実施形態では、錠剤は、さらに、遊離酸形態の化合物FA(バランスにより存在可能な任意の量以外)を含むことができる。いくつかの実施形態では、錠剤は、メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、錠剤は、形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、錠剤は、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、形態I、アモルファス形態またはそれらの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、さらに、結晶形態I、II、III、アモルファス形態またはいずれかの組み合わせの化合物FAのメグルミン塩を含むことができる。
【0077】
錠剤に一般的に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約5mgから約1.2g(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mg、約500mg、約750mg、約800mg、約1000mg、約1200mgまたは前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-1000mg、約10-800mg、約10-500mg、約10-300mg、約50-800mg、約50-500mg等)の化合物FAに相当する。錠剤は、一般的に、単位剤形として製造される。それぞれの錠剤は、一般的に一定の用量規格を有するように、即ち、一定量の活性成分を含むように調製される。例えば、いくつかの実施形態では、単一の錠剤に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約5mgから約1.2g、例えば、ここで挙げられるように、例えば、約10mgから約500mgの化合物FAに相当することができる。いくつかの実施形態では、単一の錠剤に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約800mg(例えば、約10mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mgまたは前記値の間のいずれかの範囲)の化合物FAに相当することができる。いくつかの実施形態では、単一の錠剤に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約500mg(例えば、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mgまたは前記値の間のいずれかの範囲)の化合物FAに相当することができる。いくつかの実施形態では、単一の錠剤に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mgから約300mg(例えば、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約120mg、約140mg、約160mg、約180mg、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mgまたは前記値の間のいずれかの範囲)の化合物FAに相当することができる。いくつかの実施形態では、単一の錠剤に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mgまたは約500mgまたは前記値の間のいずれかの範囲の化合物FAに相当することができる。一般的に、必要の治療有効量となるように、一つまたは複数の薬物錠剤を使用することができる。
【0078】
複数種の界面活性剤は、適切にここでの錠剤に含まれる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、例えば、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体またはポロキサマー、例えば、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338またはポロキサマー407、商標名Cremophor(登録商標)RH40で販売されるようなポリエトキシ化ヒマシ油、それぞれ商品名Tween(登録商標) 20、Tween(登録商標) 40、Tween(登録商標) 60およびTween(登録商標) 80で販売されるポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80のようなエトキシ化ポリソルベート、または、商品名Solutol(登録商標) H515で販売されるポリエチレングリコールヒドロキシステアレート660のようなポリエチレングリコールヒドロキシステアレートを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、イオン性界面活性剤、例えば、カチオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含むことができる。その他の適切な界面活性剤は、本願で記載のようないずれかを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、特に説明しないまたは文脈に反対しない限り、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムを含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。
【0079】
複数種の希釈剤は、適切にここでの錠剤に含まれる。非限定的な有用な希釈剤は、例えば、様々な糖類、例えば、スクロース、ラクトース、多糖、例えば、デンプン、例えば、アルファ化デンプン、セルロース(例えば、微結晶セルロース)、セルロースエーテル、糖アルコール、例えば、キシリトール、ソルビトールまたはマンニトール、タンパク質、例えば、ゼラチン、タルク等を含む。いくつかの具体的な実施形態では、前記錠剤は、微結晶セルロースおよび/またはマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、微結晶セルロースおよびマンニトールを含み、例えば、微結晶セルロースとマンニトールの重量比が約1:5から約5:1であり、好ましくは、マンニトールの量がより多く、例えば、微結晶セルロースとマンニトールの重量比が約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5または前記値の間のいずれかの範囲である。その他の適切な希釈剤は、本願で記載のようないずれかを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、特に説明しないまたは文脈に反対しない限り、希釈剤は、例えば、ここで記載の比率で微結晶セルロースおよび/またはマンニトールを含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。
【0080】
適切にここでの錠剤に用いられる結合剤には、特に制限されていない。非限定的な有用な結合剤は、スクロース、ラクトースのような様々な糖類、アルギン酸/アルギン酸塩のような多糖、ワックス、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン等)、セルロース、セルロースエーテル、キシリトール、ソルビトールまたはマンニトールのような糖アルコール、タンパク質、例えば、ゼラチン、およびその他の重合体例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、コポビドン、ポリエチレングリコール等を含む。例えば、いくつかの実施形態では、結合剤は、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含むことができる。その他の適切な結合剤は、本願で記載のようないずれかを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、特に説明しないまたは文脈に反対しない限り、結合剤は、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。
【0081】
適切にここでの錠剤に用いられる崩壊剤にも、特に制限されていない。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10を含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、クロスカルメロースナトリウムを含む。その他の適切な崩壊剤(解砕剤)は、本願で記載のようないずれかを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、特に説明しないまたは文脈に反対しない限り、崩壊剤は、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10またはクロスカルメロースナトリウムを含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。
【0082】
複数種の潤滑剤は、ここでの錠剤にも適切に使用される。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸またはその塩であってもよい。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、前記錠剤は、フマル酸ステアリルナトリウムを含む。その他の適切な潤滑剤は、本願で記載のようないずれかを含む。ここで記載のいずれかの実施形態では、特に説明しないまたは文脈に反対しない限り、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウムを含んでもよく、実質的にそれらからなる、またはそれらからなることができる。
【0083】
なお、いくつかの賦形剤は複数の機能を持つ可能性があることを明らかにする必要がある。明確に重量%を計算するために、ここで使用するように、錠剤や顆粒剤のような本開示中の医薬組成物に二重(または多重)機能剤が含まれている場合、文脈から明らかにそうでない限り、その機能の一つに応じて指定された重量制限に適合できる限り、その量は適切である。
【0084】
錠剤には、調味料、着色料、防腐剤、甘味料、酸化防止剤など、他の一般的な賦形剤を含むことができる。これらの賦形剤は当業者の知識の範囲内にあり、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients(薬用補助材料ハンドブック)(2012年第7版)に記載されている。
【0085】
ここで説明するいずれかの実施形態では、特に明記されていない限り、または他の方法で文脈と相反する場合を除き、医薬組成物/錠剤は、実質的に同じ量または実質的に同じ百分率(例えば、ここで示される相応の値の20%または10%内)で、例えば、本願の表8A、8Cまたは8Dに示すそれらの成分のいずれかを有する、または実施形態の部分で説明した方法で生成されたもののいずれかを有する。
【0086】
ここでの錠剤は、例えば、直接打錠、乾式造粒または湿式造粒のような、いずれかの適切な方法により製造されることができ、一般的に、秤量、研磨、混合、造粒、乾燥、圧密化、任意のコーティングと包装を含むことができる。いくつかの実施形態では、錠剤は湿式造粒を含むプロセスで製造される。いくつかの実施形態では、錠剤は顆粒を圧縮して錠剤を形成することを含むプロセスで製造される。顆粒は、例えば、ここで記載されるように、一般的に化合物FAのメグルミン塩、界面活性剤、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、錠剤は、化合物FAのメグルミン塩、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶セルロース、マンニトール、ポビドンおよび/またはクロスポビドンを含み、それらの量が、いずれかの組み合わせのここで記載されるいずれかであってもよい、錠剤を形成するための顆粒を圧縮することを含むプロセスにより製造される。いくつかの実施形態では、顆粒は、錠剤に打錠される前にさらに潤滑剤と混合されてもよい。
【0087】
ここで製造される錠剤は、一般的に、許容される物理的性質および溶出プロファイルを有する。例えば、本願の錠剤は、一般的に、約30-200N、例えば、約80Nから約140Nの硬度を有する。本願の錠剤は、一般的に、さらに、1%未満、例えば、0.5%未満の脆化度(4分間、100回転)を有する。錠剤の厚さは、例えば、約3-10mm、例えば、約5-6mmに調節されてもよい。
【0088】
ここでの錠剤は、一般的に、即時放出プロファイルを有する。例えば、いくつかの実施形態では、50rpm、900mL媒体(0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(またはドデシル硫酸ナトリウム、SDS)の水溶液)で、パドル法(中国薬局方<0931>、方法2、パドル法)を使用する溶出試験において測定する場合、錠剤は、約60分間内に実質的にすべての化合物FAのメグルミン塩を放出することができる。いくつかの実施形態では、50rpm、900mL媒体(0.5% SDS水溶液)で、パドル法(中国薬局方<0931>、方法2、パドル法)を使用する溶出試験において測定する場合、医薬組成物は、約45分間内に80%またはより多い化合物FAのメグルミン塩を放出することができる。
【0089】
本願の錠剤は、一般的に、少なくとも1ヶ月、例えば、1、3、6、12ヶ月またはより長い期間で安定的に保存することができる。例えば、(1)60℃;(2)25℃/92.5%RH;(3)40℃/75%RH;または(4)光照(1.2×106Lux・hr/200w・hr/m2)条件で保存する場合、ここでの錠剤は、(直接曝露で、または、ここで記載のPP蓋付きのHDPE瓶のような包装容器において)、少なくとも1ヶ月安定し、例えば、初期と比較して、外観、薬物含有量および関連物質には、顕著な変化がない。
【0090】
顆粒
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、例えば、本願の錠剤またはカプセル製剤を製造するための、顆粒を提供する。顆粒は、湿潤または乾燥(例えば、水分含有量5重量%未満、例えば、3%未満)であってもよい。顆粒は、一般的に、化合物FAまたはその薬理学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、化合物FAのアミン塩を含む。
【0091】
いくつかの具体的な実施形態では、顆粒は、化合物FAのメグルミン塩を含む。一般的に、顆粒は、さらに、一種または複数種の薬理学的に許容される賦形剤、例えば、界面活性剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤等を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、a)化合物FAのメグルミン塩、重量で、含有量が約10%から約80%(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約10-70%、約10-60%、約20-50%等);b)界面活性剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-7%等);c)希釈剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約15%から約70%(例えば、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約20-50%、約30-70%等);d)結合剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%、または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約2-6%等);ならびにe)崩壊剤(例えば、ここで記載のもの)、重量で、含有量が約0.1%から約10%(例えば、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約10%または前記値の間のいずれかの範囲、例えば、約1-8%、約3-8%等)を含む。
【0092】
顆粒は、一般的に、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、顆粒は、メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、顆粒は、結晶形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、顆粒は、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせのとしての化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、さらに、結晶形態I、II、III、アモルファス形態、またはいずれかの組み合わせのとしての化合物FAのメグルミン塩を含むことができる。
【0093】
複数種の界面活性剤は、適切にここでの顆粒に含まれる。いくつかの実施形態では、顆粒は、ラウリル硫酸ナトリウムを含むことができる。
【0094】
複数種の希釈剤は、適切にここでの顆粒に含まれる。いくつかの具体的な実施形態では、顆粒は、微結晶セルロースおよび/またはマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、前記顆粒剤は、微結晶セルロースおよびマンニトールを含み、例えば、微結晶セルロースとマンニトールの重量比が約1:5から約5:1であり、好ましくは、マンニトールの量がより多く、例えば、微結晶セルロースとマンニトールの重量比が約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5または前記値の間のいずれかの範囲である。
【0095】
ここでの顆粒に適する結合剤には、特に制限されていない。例えば、いくつかの実施形態では、結合剤は、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含むことができる。
【0096】
ここでの顆粒に適する崩壊剤にも、特に制限されていない。いくつかの実施形態では、顆粒は、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10を含む。いくつかの実施形態では、顆粒は、クロスカルメロースナトリウムを含む。ここでの顆粒は、一般的に崩壊剤を含むが、いくつかの実施形態では、顆粒は、崩壊剤を含まなくてもよい。例えば、顆粒内崩壊剤なしの場合に顆粒を製造し、顆粒外崩壊剤と混合してもよく、この顆粒外崩壊剤も、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10、またはクロスカルメロースナトリウムを含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、ここでの顆粒は、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウムと混合されてもよい。
【0098】
顆粒は様々なサイズを持つことができ、この顆粒から作られた錠剤の溶出に著しい影響はないようだ。通常、顆粒は1mm未満のサイズを有することができる。
【0099】
製造方法
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、本願における錠剤の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、直接打錠、乾式造粒または湿式造粒を含むことができる。いくつかの具体的な実施形態では、錠剤は、湿式造粒を含むプロセスにより製造される。
【0100】
いくつかの実施形態では、この方法は、化合物FAのメグルミン塩、界面活性剤、希釈剤、結合剤および崩壊剤の混合物を湿式造粒して湿潤顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、湿潤顆粒を乾燥して乾燥顆粒を形成することを含む。いくつかの実施形態では、乾燥は、流動層乾燥により行われる。乾燥顆粒の水分含有量を、例えば、5%以下または3%以下の水分含有量(LODによるもの)に制御されることができる。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、乾燥顆粒を乾式粉砕して乾式粉砕顆粒を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、湿式研磨工程を含まない。
【0101】
乾式粉砕顆粒は、一般的に、顆粒外崩壊剤(例えば、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10)および潤滑剤(例えば、ここで記載のもの)と混合して潤滑顆粒を形成する。いくつかの実施形態では、潤滑顆粒は、錠剤のコアに圧縮される。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、錠剤のコアをフィルムコーティングしてコーティング錠剤を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングの重量増加は、錠剤(コア)の約1%から約5%、例えば、約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%または約5%である。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコールを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは、さらに、顔料、例えば、酸化鉄(黄色)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリビニルアルコール、チタニア、ポリエチレングリコール、タルク粉および黄色酸化鉄を含む。
【0102】
化合物FAのメグルミン塩の量、ならびに界面活性剤、希釈剤、結合剤および崩壊剤のタイプおよび量は、任意の組み合わせで本願で記載されるいずれかを含む。例えば、いくつかの実施形態では、湿式造粒のための混合物に含まれる化合物FAのメグルミン塩の量は、約10重量%から約80重量%であり;界面活性剤の量は、約0.1重量%から約10重量%であり;希釈剤の量は、約15重量%から約70重量%であり;結合剤の量は、約0.1重量%から約10重量%であり;および崩壊剤の量は、約0.1重量%から約10重量%である。
【0103】
湿式造粒のための混合物は、一般的に、結晶形態Iの化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、遊離酸形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、混合物は、メグルミン塩以外の塩形態の化合物FAを含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、混合物は、形態I以外の結晶形態の化合物FAのメグルミン塩を含まないまたは実質的に含まない。いくつかの実施形態では、混合物は、アモルファス形態の化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、形態I、アモルファス形態、またはそれらの組み合わせとしての化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、さらに、結晶形態I、II、III、アモルファス形態、またはいずれかの組み合わせとしての化合物FAのメグルミン塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、混合物は、微粉化され、そして500μm未満、例えば、200μm未満または20μm未満のD90を有する、化合物FAのメグルミン塩を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、微粉化されていない化合物FAのメグルミンを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、微結晶セルロースおよびマンニトールを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、ポビドン、例えば、ポビドンK30を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、クロスポビドン、例えば、クロスポビドンXL-10を含む。
【0104】
ここで記載のいずれかの方法(実施例で示されるようなもの)により生産された顆粒、乾燥顆粒、乾式粉砕顆粒、潤滑顆粒、錠剤のコアおよびコーティング片も、本開示の新たな組成物である。
【0105】
治療方法
本開示の塩およびここで記載の医薬組成物は、増殖性疾患および/またはエストロゲンのようなステロイドホルモンに関連する疾患を治療および/または予防するために用いられる。WO2017/136688(その内容が参照により整体として本願に取り組まれる)で議論するように、化合物FAのようなSERDは、ER分解を誘導し、そしてER+乳癌細胞の成長を抑制し、かつフルビストラントのような同類の薬物やGDC-0810およびAZD9496等の臨床試験におけるそれらの薬物よりも優れる人肝細胞除去率を示す。
【0106】
そのため、いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、必要がある対象において増殖性疾患および/またはエストロゲンのようなステロイドホルモンに関連する疾患を治療する方法であって、対象に有効量(例えば、治療有効量)の本開示の塩(例えば、化合物FAのアミン塩、例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)、またはここで記載の医薬組成物(例えば、ここで記載の錠剤)を投与することを含む、方法を提供する。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示は、さらに、必要がある対象において増殖性疾患および/またはエストロゲンのようなステロイドホルモンに関連する疾患を予防する方法であって、対象に有効量の(例えば、予防有効量)の本開示の塩(例えば、化合物FAのアミン塩、例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の形態A)、またはここで記載の医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0108】
いくつかの実施形態では、この方法は、癌を治療および/または予防するために用いられる。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌である。いくつかの実施形態では、この方法は、婦人科疾患またはER関連の癌、例えば、卵巣癌、子宮頸癌または子宮内膜癌および乳癌、特にER+乳癌を治療および/または予防するために用いられる。いくつかの実施形態では、癌(例えば、乳癌、例えば、ER+乳癌)は、エストロゲン調節剤、例えば、タモキシフェンおよび/またはアロマターゼ阻害剤に対して耐性がある。
【0109】
いくつかの実施形態では、ここで記載の方法は、対象に追加の薬剤、例えば、追加の抗増殖剤を投与することができる。いくつかの実施形態では、抗増殖剤は、CDK4/CDK6阻害剤、例えば、パルボシクリブ(palbociclib)であってもよい。いくつかの実施形態では、ここで記載の方法は、さらに、生物試料と追加の薬剤を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ここで記載の方法は、さらに、組織と追加の薬剤を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ここで記載の方法は、さらに、細胞と追加の薬剤を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ここで記載の方法は、放射線療法、免疫療法および/または移植(例えば、骨髓移植)を含む。
【0110】
本開示の塩および/または組成物は、腸内(例えば、経口)、腸胃外、静脈内、筋内、動脈内、髓内、鞘内、皮下、心室内、透皮、皮膚間、直腸、膣内、腹膜内、局所(例えば、粉剤、軟膏剤、乳膏剤および/または点滴剤による)を含む、いずれかの経路で投与されてもよい。特に考慮される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静脈内注射)、血液および/または淋巴により供給することにより影響される部位に局所投与および/または直接投与する。一般的に、最適切な投与経路は、薬物の性質(例えば、その胃腸環境での安定性)および/または対象の状況(例えば、対象が経口投与に耐えられるか)を含む様々な要因に依存する。
【0111】
有効量、例えば、治療有効量の本開示の塩または本願の医薬組成物は、一般的に、一つまたは複数の本願の単位剤形、例えば、異なる規格(例えば、錠剤あたり10-800mg、例えば、10-500mgまたは10-300mg当量重量の化合物FAを含有する)の一錠または複数錠の錠剤を投与することにより、必要がある対象に送達することができる。いくつかの実施形態では、有効量を送達するために、対象に単一の単位剤形、例えば、所要量の活性成分を有する錠剤を投与する。いくつかの実施形態では、有効量は、対象に、所要量の活性成分を有する、例えば、10-800mg、10-500mgまたは10-300mg当量重量の化合物FAを有する、一つ以上の単位剤形、例えば、1、2、3または4つの錠剤を投与することにより送達される。本願の方法の投与量および投与方案には、特に制限されていない。例えば、いくつかの実施形態では、毎日化合物FAまたはその薬理学的に許容される塩を対象に投与する。いくつかの実施形態では、化合物FAまたはその薬理学的に許容される塩の日用量は、一日以内に、それぞれの用量が、本願の一つまたは複数の単位剤形により満たされる(例えば、本願の一つまたは複数の錠剤)、単一の用量または2または3つの相等のより小さい用量により対象に投与することができる。
【0112】
本開示の塩および/または組成物は、一種または複数種の増殖性疾患を治療および/または予防するための追加の薬剤(例えば、治療および/または予防性活性剤)と組み合わせて投与することができる。塩または組成物は、追加の薬剤と組み合わせて投与することができ、前記追加の薬剤は、それらの活性(例えば、必要がある対象の増殖性疾患を治療するおよび/または必要がある対象の増殖性疾患を予防するための活性(例えば、效力および/または効果)を向上させ、生物利用度を向上させ、安全性を向上させ、薬物耐性を低下させ、代謝を減少および/または変化させ、排泄を抑制させ、および/または、対象、生物試料、組織または細胞における分布を変化させる。なお、採用される療法は、同じ障害の所望の效果、および/または、異なる效果を実現させることができる。いくつかの実施形態では、本願で記載される本開示の塩と追加の薬剤とを含む医薬組成物は、化合物と追加の薬剤とのいずれかを含むが両方は含まない医薬組成物において存在しない相乗効果を示す。
【0113】
本開示の塩または組成物は、一種または複数種の追加の薬剤と同時に、その前または後に投与されることができ、例えば、増殖性疾患を治療および/または予防する併用療法として使用されることができる。薬剤は、治療活性剤を含む。薬剤は、さらに、予防的活性剤を含む。薬剤は、有機小分子、例えば、薬物化合物(例えば、米国法律(CFR)により規定される米国食品医薬品局により承認された人または獣医に使用できる化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムチン、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、抗体、タンパク質と連結する小分子、例えば、抗体、糖タンパク質、ストロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンおよび細胞を含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増殖性疾患を治療することができる薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、増殖性疾患を予防することができる薬剤である。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、承認機関(例えば、米国FDA)により増殖性疾患を治療および/または予防するために承認された薬剤である。それぞれの追加の薬剤は、この薬剤に特定される用量および/または時間表で投与されることができる。追加の薬剤は、互いに一緒におよび/または本開示の塩または組成物と一緒に単一の用量で投与される、または、異なる用量でそれぞれ投与されることができる。方案で採用される特定の組み合わせは、本開示の塩と追加の薬剤との相容性および/または実現したい必要な治療および/または予防效果によるものである。一般的に、組み合わせて使用される追加の薬剤の水平は、それら単独で使用のレベルを超えないと予想する。いくつかの実施形態では、組み合わせて使用されるレベルは、単独で使用のレベルより低い。
【0114】
いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、抗増殖剤(例えば、抗癌剤、例えば、免疫腫瘍剤(例えば、抗PD-1抗体)または細胞(例えば、CAR-T細胞))である。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、抗血管新生剤、抗炎剤、免疫阻害剤、抗菌剤、抗病毒剤、心血管薬、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、鎮痛剤、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、本開示の塩または医薬組成物は、抗癌療法と組み合わせて投与されることができ、前記抗癌療法は、標的療法(例えば、mTORシグナル伝達通路阻害剤)、細胞療法、手術、放射療法、免疫療法および化学療法(例えば、ドセタキセル、ドキソルビシン)を含むが、これらに限定されない。
【0115】
定義
文脈から明らかにそうでない限り、ここで記載のいずれの実施形態においても、適用される場合、ここでの化合物/塩は主に、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%など、記載された立体異性体として存在していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ここでの化合物FAは、エナンチオマーの過剰量が85%を超える(例えば、90%ee超え、95%ee超えまたは99%ee超え)のエナンチオマー純度を有してもよく;いくつかの実施形態では、ここでの化合物FAは、ジアステレオマーの過剰量が85%を超える(例えば、90%ee超え、95%ee超えまたは99%ee超え)ジアステレオマー純度を有してもよく;また、いくつかの実施形態では、ここでの化合物FAは実質的にアクリル酸二重結合に対するE配置を有していてもよく、例えば1%未満または検出不可能なZ配置を有していてもよい。
【0116】
ここで使用する場合、「本開示の塩」とは、ここで説明する化合物FAの任意の塩を意味し、好ましくは、ここで説明する化合物FAのアミン塩であり、固体形態であってもよく、例えば、一種または複数種のここで記載の結晶形態(例えば、化合物FAのメグルミン塩の形態I、IIまたはIIIまたは化合物FAのリシン塩の結晶型A)、アモルファス形態またはそれらのいずれかの混合物であり、無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
【0117】
ここで使用するように、単数形「a」、「an」、「the」には、明示的に説明されていない限り、または文脈から明確にそうでないことが示されていない限り、複数の参照が含まれる。
【0118】
ここでの「Aおよび/またはB」などのフレーズで使用される用語「および/または」は、AとBの両方;AまたはB;A(単独);B(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、および/またはC」などのフレーズで使用される用語「および/または」は、以下の各実施形態、すなわちA、B、およびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AとC;AとB;BとC;A(単独);B(単独);C(単独)を含むことを意図している。
【0119】
タイトルとサブタイトルは、単に便宜的または形式的なコンプライアンスのために使用され、テーマ技術を制限するものではなく、テーマ技術の説明の解釈には関連付けられていない。様々な実施態様では、本開示のあるタイトルまたはあるサブタイトルの下に記載される特徴は、他のタイトルまたはサブタイトルの下に記載される特徴と組み合わせることができる。また、1つのタイトルまたは1つのサブタイトルの下にあるすべての特徴は、実装で一緒に使用されるとは限らない。
【0120】
ここで使用されるように、本開示に関連する量を修飾する用語「約」とは、発生可能な数値量の変化、例えば、通常の測定および処理によるもの;このような測定および処理における過失エラーによるもの;本開示で使用される成分の製造、由来または純度の差によるものなどを意味する。ここで使用されるように、「約」の特定値は、さらにこの特定値を含み、例えば、約10%は、10%を含む。いくつかの実施形態では、用語「約」により修飾されているか否かに関わらず、請求項には、いずれも前記数の同等物が含まれる。一つの実施形態では、用語「約」とは、報告される数値の20%以内にあることを意味する。
【0121】
ここで使用されるように、用語「治療」(「treat」、「treating」、「treatment」等)とは、疾患または障害、および/またはそれに関連する症状を消除、軽減または寛解することを意味する。排除されていないが、疾患または障害の治療は、必ずしも疾患、障害またはそれに関連する症状を完全に消去することを意味しない。ここで使用されるように、用語「治療」(「treat」、「treating」、「treatment」等)は、「予防的治療」を含み、疾患または障害がないがリスクがあるまたは再発しやすい対象、あるいは疾患または障害が再発する対象において、疾患または障害の再発の可能性、またはすでに制御された疾患または障害の再発の可能性を抑制することを意味する。用語「治療」および同義語は、必要がある治療の対象に治療有効量の本開示の塩を投与することを考慮する。
【0122】
ここで使用されるように、用語「治療有効量」とは、疾患または障害(例えば、乳癌、例えば、ER+乳癌)の一種または複数種の症状の寛解、または疾患または障害の出現または進展を阻止することにつながり、または疾患または障害の消去または治癒に繋がる治療剤(例えば、本開示のいずれか一つまたは複数の塩)の量を意味する。
【0123】
ここで使用されるように、用語「対象」(ここで「患者」ともいう)とは、治療、観察または実験の対象としての動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは人を意味する。ここで記載のいずれかの実施形態では、対象は、人であってもよい。
【実施例】
【0124】
実施例1.汎用方法
材料:開始材料、試薬、溶媒等は、一般的に市販の由来により得られる。
1H NMRは、オートサンプラー(B-ACS 120)付きのBruker Advance 300を使用して行った。
【0125】
粉末X線回折(XRPD):X線回折器(Bruker D8 Advance)を使用して固体試料を検査した。このシステムは、LynxEye検出器を配置した。X線波長は、1.5406Åであった。試料は、3から40°2θでスキャンされ、ステップ幅が0.02°2θであった。管電圧および電流は、それぞれ、40KVおよび40mAであった。
【0126】
偏光顕微鏡解析(PLM):PLM解析は、Nikon Instruments Eclipse 80iで行われた。画像は、DSカメラにより捕獲され、コンピュータに伝送された。写真は、NIS-Elements D3.0ソフトで処理された。
【0127】
TGA解析:TA Instruments TGA Q500を使用してTGA解析を行った。試料は、オープンの量ったアルミパンに置き、自動的に重量を量り、その後、TGAオーブンに挿入した。10℃/minの速度で試料を最終的な温度に加熱した。
【0128】
DSC解析:DSC解析は、TA Instruments Q200で行われた。校正基準は、インジウムであった。重量試料をTA DSCパンに置き、正確的に重量を記録した。試料を窒素ガス(50mL/min)で10℃/minの速度で最終的な温度に加熱した。
【0129】
動的水分吸着解析(DVS):IGAsorp(Hiden Ischema、UK)を使用してDVSを測定した。試料を、10から90%全サイクルの目標相対湿度(RH)でステップワイズモードで測定を行った。10%RHの増量で解析を行った。
【0130】
HPLC解析:代表的HPLC方法は、以下に示し、例えば、本願の塩の純度、溶解度および安定性の解析のために用いられた。
【0131】
実施例2.(E)-3-(3,5-ジクロロ-4-((1R,3R)-2-(2-フルオロ-2-メチルプロピル)-3-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリジノ[3,4-b]インドール-1-イル)フェニル)アクリル酸メグルミン塩の製造
【0132】
3,5-ジクロロベンズアルデヒド(250.0g、1.43mol)、マロン酸(223.0g、2.14mol)およびピリジン(250mL)のDMF(500mL)における混合物を30℃から75℃の温度で反応完了まで加熱した。その後、混合物を10から20℃までに冷却し、そして塩酸溶液(0.6 N、5L)を加入した。混合物を10から20℃で6時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを水で洗浄し、40から60℃で真空乾燥して、1(281g、90%収率)を得た。
【0133】
-80から-60℃およびN2で、1(50.0g、0.23mol)のTHF(1L)における溶液にLDA(2.0M THF中、290mL)を滴下した。混合物をこの温度範囲で0.5時間撹拌し、その後ゆっくりDMF(42.0g、0.58mol)を加入した。得られた混合物を-70から-50℃で反応完了まで撹拌した。順次に水(10mL)および塩酸(2.0M、900mL)を加入した。有機層を分離し、NaCl水溶液(5%、250mL)で洗浄して200mLまで濃縮した。残留物にDCM(50mL)を加入し、得られたスラリーを20から30℃で6時間撹拌して濾過した。濾過ケーキを30から40℃で真空乾燥して、2(36.1g、64%収率)を得た。
【0134】
NaBH4(16.5g、0.44mol)のTHF(120mL)における懸濁液に複数回分けて3(40.0g、0.33mol)を加入し、N2で反応温度を35から45℃に維持した。混合物を35から45℃で反応完了まで撹拌した。KHCO3水溶液(20%、80L)およびDCM(400mL)を加入し、得られた混合物を濾過した。有機層を分離し、NaCl水溶液(20%、200mL)で洗浄し、4Å分子篩(24g)で乾燥して濾過し、粗品4のDCMにおける溶液を生成した。4のDCM溶液にピリジン(52.7g、0.67mol)を加入し、その後、ゆっくりTf2O(98.7g、0.35mol)を加入し、反応温度を-10から0℃に維持した。混合物を0から10℃で反応完了まで撹拌した。水(400mL)を加入し、有機層を分離し、順次にNaHCO3水溶液(6.5%、400mL)およびNaCl水溶液(20%、200mL)で洗浄し、濃縮して、5(57.7g、78%収率)を得た。
【0135】
6(20.0g、0.115mol)およびDIPEA(19.3g、0.149mol)のMeCN(200mL)における溶液に5(40.0g、0.178mol)を加入し、N2で混合物を65から75℃で反応完了まで加熱した。反応混合物を20から30℃で真空濃縮し、その後EtOAc(300mL)を加入した。得られた混合物をNaHCO3水溶液(6.5%、200L)、水(2×100L)で洗浄して、濃縮した。-5から5℃で粗残留物にMeCN(40mL)およびEtOAc(20mL)を加入し、その後塩酸溶液(4.0M EtOAc中、40mL)を加入した。混合物を-5から5℃で8時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(65L)で洗浄し、50から65℃で真空乾燥して、7(23.9g、73%収率)を得た。
【0136】
7(12.8g、0.045mol)のトルエン(250mL)における懸濁液に、Na2CO3水溶液(13%、208g)を加入し、混合物を0.5時間撹拌した。有機層を分離した。有機層にDIPEA(3.64g)および2(10g、0.041mol)を加入し、混合物をN2で100から120℃で反応完了まで加熱した。混合物を45-55℃まで冷却、その後8の種結晶およびEtOAc(200mL)を加入した。追加量のEtOAc(2x250mL)と一緒に蒸留してスラリー化したことによりトルエンからEtOAcの溶媒転換を行い、その後DIPEA(5.2g)を加入した。スラリーを15から25℃で12時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(28mL)およびトルエン(12mL)の混合溶媒で洗浄し、35から45℃で真空乾燥して、8(18.0g、73%収率)を得た。
【0137】
8(17.5g、0.029mol)のEtOAc(315mL)における懸濁液にクエン酸水溶液(1.5%、226mL)を加入した。混合物を1時間撹拌し、分層した。有機層をクエン酸水溶液(0.1%、262mL)、水(2×175mL)で洗浄し、35mLの小体積に濃縮した。濃縮物にメタノール(210mL)を加入し、そしてメグルミン水溶液(20%、26.2g)および9の種結晶を加入した。混合物を15から25℃で2時間撹拌し、その後、さらに追加量のメグルミン水溶液(20%、8.8g)を加入した。その後、混合物を15から25℃で16時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをMeOHおよび水の混合溶液(6:1、70mL)で洗浄し、46から65℃で真空乾燥して、9(15.2g、78%収率)を得て、結晶形態Iであった。HRMSシステムは、 [M+H]+イオンピークが:m/z 475.1348であったことを示した。
【0138】
下記の表は、9のプロトンNMRおよびその帰属を示した。
*δ=2.50ppmでのDMSO-d
6を参照した
†s:一重線;d:二重線;t:三重線;m:多重線;dd:二二重線;td:三二重線;brs:幅広一重線;
brd:幅広二重線
【0139】
8の種結晶の製造方法:7(128g、0.45mol)のトルエン(2.5L)における懸濁液にNa
2CO
3水溶液(13%、2080g)を加入し、混合物を0.5時間撹拌した。有機層を分離した。有機層にDIPEA(36.4g)および2(100g、0.41mol)を加入し、混合物をN
2で100から120℃で反応完了まで加熱した。混合物を45-55℃まで冷却した。追加量のEtOAc(2×2.5L)と一緒にトルエンの蒸留しスラリー化し、その後DIPEA(52g)を加入した。スラリーを15から25℃で12時間以上撹拌し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(280mL)およびトルエン(120mL)の混合物で洗浄し、35から45℃および真空で乾燥して、種結晶としての8(180.5g、73%収率)を得た。結晶形態8の代表的XRPDおよびDSCサーモグラムは、
図6Aおよび6Bに示す。
【0140】
9の種結晶の製造方法:8(8.7g、0.014mol)のEtOAc(157mL)における懸濁液にクエン酸水溶液(1.5%、112mL)を加入した。混合物を1時間撹拌し、分層した。有機層をクエン酸水溶液(0.1%、130mL)、水(2×87mL)で洗浄し、約17mLの小体積に濃縮した。濃縮物にメタノール(104mL)を加入し、その後メグルミン水溶液(20%、13.0g)を加入した。混合物を15から25℃で2時間撹拌し、その後追加量のメグルミン水溶液(20%、4.4g)を加入した。その後、混合物を15から25℃で16時間以上撹拌し、濾過した。濾過ケーキをMeOHおよび水の混合物(6:1、35mL)で洗浄し、真空で46から65℃で乾燥して、種結晶(形態I)としての9(7.6g、78%収率)を得た。
【0141】
実施例3. 化合物FAメグルミン塩の結晶多形および相互転換
化合物FAのメグルミン塩を製造し、それを結晶多形スクリーンの出発材料(形態I)として使用した。様々な結晶方法により、例えば、溶媒結晶法、沈澱法、スラリー法、蒸発法および拡散法により、単一のおよび二元溶媒混合物を使用してスクリーンを行った。さらに、熱処理および機械処理を行い、追加の結晶形態を探索した。
【0142】
得られた固体試料は、X線粉末回折器(XRPD)、示差走査熱量計(DSC)、熱重量解析計(TGA)および偏光顕微鏡(PLM)により同定した。
【0143】
スクリーンにおいて2種類の結晶形態(形態I、II)および二水和物を同定・製造した。室温および60℃の水中およびIPAにおいて、異なる形態および二水和物の相互転換研究を行った。結果によると、二水和物は、室温の水中で最も安定であったが、形態IがIPA(室温および60℃)および60℃水中で最も安定なの結晶形態であった。また、形態Iの結晶形態は、92.5%RHで10日間保存後、変化しなかった。
【0144】
実施例3A.メグルミン塩の形態I
形態Iの製造:室温で撹拌しながら1.08536gメグルミンを50mLメタノールに加入した。さらに30mLメタノールを加入し、20分間撹拌後、固体試料をほとんど溶解した。2.6g化合物FAを加入し、溶液が透明となった。25分間後に沈澱が現れた。1時間後、懸濁液を乾燥まで濃縮した。20mL IPAを加入し、室温で一晩撹拌した。その後、30mL IPAを加入し、2時間撹拌した。濾過により試料を回収した。同定後、試料を結晶多形スクリーンの出発材料として使用した。
【0145】
形態Iの物理的処理:メグルミン塩の形態Iを2分間および5分間研磨した。研磨後、結晶度が低下したが、結晶形態が依然として形態Iであった。
【0146】
形態Iの同定:試料が、棒状結晶体であった。TGAおよびDSCサーモグラムは、分解前に約0.2%の重量損失を示し、そして開始温度224.83℃の吸熱ピークを有する。この試料は、形態Iと名付けられた。代表的XRPDおよびDSCサーモグラムは、
図1A-1Bに示す。XRPDピークのリストは、以下の表1に示す。
【0147】
【0148】
実施例3B.メグルミン塩形態の形態III
二水和物の製造:60℃で撹拌しながら、約60mgメグルミン塩(形態I)を3mLメタノールに溶解した。6mL水を加入し、60℃で30分間撹拌し続いた。透明溶液をゆっくり室温まで冷却し、室温で一晩撹拌した。沈澱がなかった。1mL水を加入し、さらに一晩撹拌し、固体試料が現れ、濾過により回収した。40℃で4時間乾燥し、XRPDは、大部分の試料が無水和物(形態II)を示した。水中で30分間撹拌し、室温で乾燥し、二水和物を製造した。
【0149】
あるいは、溶媒/反溶媒沈澱法を使用することにより二水和物形態を製造することができる。例えば、60℃で撹拌しながら、約20mgメグルミン塩を1mLメタノールに溶解した。2mL水を加入し、60℃で20分間撹拌を維持した。ゆっくり室温まで冷却した。最初に、溶液が透明であった。室温で一晩撹拌後に、沈澱が現れた。この沈澱から得られた結晶形態は、二水和物であった。
【0150】
試料は、XRPD、TGAおよびDSCにより測定した。分解前に、約6.824%の重量損失があった。DSCサーモグラムにおいて、2つの吸熱ピークがあり、開始温度が、それぞれ、63.4℃および176.4℃であった。
【0151】
二水和物の同定:代表的XRPDおよびDSCサーモグラムは、
図3A-3Bに示す。XRPDピークのリストは、以下の表2に示す。
【0152】
(表2)メグルミン塩二水和物のXRPDピークのリスト
【0153】
実施例3C.メグルミン塩の形態II
形態IIの製造:以上で製造された二水和物を60℃で5時間乾燥し、40℃で一晩乾燥した。試料は、直ちに、XRPD、TGAおよびDSCにより測定した。乾燥試料のXRPDパターンは、形態Iおよび二水和物と相違した(
図2A)。TGAおよびDSCから同定されたように、分解前に重量損失がなく、DSCサーモグラムにおいて2つの吸熱ピークがあった(
図2B)。試料の融点は、174.13℃であった。開始温度43.41℃およびエントロピー3.999J/gである小さい吸熱ピークは、脱溶媒化のピークであるべきであった。DSC測定期間に、少量の水を吸着すべきであった。融点が174.13℃である試料は、形態IIと名付けられた。この試料は、相互転換研究に用いられた。
【0154】
形態IIの同定:代表的XRPDおよびDSCサーモグラムは、
図2A-2Bに示す。XRPDピークのリストは、以下の表3に示す。
【0155】
【0156】
実施例3D. メグルミン塩形態の相互転換研究
相互転換研究:相互転換研究は、それぞれ、IPAまたは水に同じ数の異なる形態の固体を混合することにより行った。懸濁液を室温および60℃で数日間撹拌を維持し、その期間中に懸濁液を濾過しXRPDにより解析した。
【0157】
それぞれの物質、温度および溶媒の8つの条件で相互転換研究を行った。結果からわかるように、二水和物は、室温の水中で最も安定な結晶形態であり、形態Iは、60℃水中およびIPA中で最も安定な結晶形態であった。
【0158】
すべての条件および結果は、いずれも、表4に示した。
【0159】
【0160】
実施例3E.メグルミン塩結晶形態の安定性研究
形態Iを92.5%RHで10日間の固体安定性測定:約20mgのメグルミン塩形態Iを25℃/92.5%RH条件で10日間置いた。10日目、XRPDにより試料を解析した。
【0161】
結果は、メグルミン塩の形態Iが10日間後に変化しなかったことを示す。代表的XRPDパターンは、
図1Cに示す。
【0162】
結論 化合物FA固形のメグルミン塩を製造し、結晶多形スクリーンの出発材料(形態I)として使用した。スクリーン中に、2種類の結晶形態(形態I、結晶型II)および二水和物を同定・製造した。室温または60℃の水中およびIPA中で異なる形態および二水和物の相互転換研究を行った。結果からわかるように、二水和物が室温の水中で最も安定であり、形態IがIPA(室温および60℃)中および60℃水中で最も安定であった。また、メグルミン塩の形態Iは、92.5%RHで10日間保存した後、依然として変化しなかった。
【0163】
実施例4.溶解度および安定性測定のためのL-リシン塩およびメグルミン塩の製造
リシン塩:239.8mg化合物FAを50℃で撹拌しながら4.5mLイソブチルアルコールに溶解した。0.52mLの1ML-リシン/水溶液を加入した。約15分間後に沈澱が現れた。反応を50℃で約1時間撹拌し続けた。室温まで冷却し、濾過により固体試料を回収し、60℃で一晩真空乾燥した。このような得られたリシン塩は、形態Aであった。代表的XRPDおよびDSCサーモグラムは、
図4A-4Bに示す。XRPDピークのリストは、以下の表5に示す。
【0164】
【0165】
メグルミン塩:237.92mg化合物FAを室温で撹拌しながら5mL IPAに溶解した。その後、10mLの0.05 Mメグルミン/メタノール溶液を加入した。約25分間後に沈澱が現れた。反応を室温で3時間撹拌を維持した。濾過により固体試料を得て、60℃で一晩真空乾燥した。解析からわかるように、得られたメグルミン塩は、形態Iであった。
【0166】
溶解度測定:約20mg化合物FA、L-リシン塩およびメグルミン塩(形態I)を量り、バイアルに置き、3mL pH1.2またはpH6.8緩衝液を加入して飽和溶液を調製した。すべての懸濁液を室温で200rpmの速度で24時間振盪した。30分間および24時間で、試料溶液を濾過し、HPLC解析により溶解度を決定した。24時間で、残りの固体を回収して、XRPDにより測定した。
【0167】
安定性測定:約20mgの化合物FA、L-リシン塩およびメグルミン塩(形態I)を量り、バイアルに置き、40℃/75%RHの条件で8日間置いた。0日目および8日目、アセトニトリル/水(1/1)で固体試料を溶解し、濃度0.2mg/mLの溶液を調製した。試料溶液をHPLCにより解析し、固体試料をXRPDにより検査した。
【0168】
溶解度測定結果
化合物FA、L-リシン塩およびメグルミン塩の溶解度は、pH1.2およびpH6.8の緩衝溶液で30分間および24時間測定した。XRPDにより24時間の残りの固体試料を解析した。HPLC結果からわかるように、測定された3つの試料は、pH1.2の緩衝溶液中で不安定であった。
【0169】
溶解度は、不純物と、主要ピーク面積の合計により算出された。すべての溶解度結果は、表6に示す。測定された2つの塩は、30分間および24時間で、化合物FAよりもはるかに高い溶解度を示した。XRPD解析からわかるように、L-リシン塩は、アモルファスとなり、化合物FAおよびメグルミン塩の結晶度が低下した。1H NMR解析に基づいて、pH1.2緩衝液中で分解が発生し、pH6.8緩衝液中で解離が発生した。
【0170】
(表6)リシン塩、メグルミン塩および化合物FAの溶解度
pH1.2での溶解度は、不純物と主要ピークの面積の合計により算出された。
【0171】
固体安定性試験結果
40℃/75%RHで8日間保存後、HPLCおよびXRPDにより化合物FA、L-リシン塩およびメグルミン塩の固体安定性を測定した。HPLC結果(表7)は、明らかな分解が発生せず、2つの測定された塩の純度がより高いことがわかった。40℃/75%RHで8日間保存後、XRPDパターンに変化がなかった。化合物FA、L-リシン塩およびメグルミン塩は、40℃/75%RHで8日間、いずれも物理化学的に安定であった。
【0172】
(表7)リシン塩、メグルミン塩および化合物FAの安定性
【0173】
結論
結晶L-リシン塩およびメグルミン塩(二水和物および無水物)の製造が成功し、1H NMR、XRPD、DSC、TGAおよびDVSにより同定した。それぞれの塩の固形特性を比較することにより、L-リシン塩(形態A)および無水メグルミン塩(形態I)と遊離酸を選択して、一緒に溶解度/固体安定性測定によりさらに評価した。
【0174】
溶解度測定において、2つの塩は、30分間および24時間で、化合物FAよりもはるかに高い溶解度を示した。化合物FAおよび塩は、いずれも、pH1.2の緩衝液で分解した。固体安定性評価では、L-リシン塩およびメグルミン塩は、40℃/75%RH 8日間で、いずれも物理および化学的安定であった。それらの純度は、化合物FAよりも高かった。
【0175】
実施例5A.10および50mg規格錠剤の製造
本実施例は、2つの異なる規格の錠剤(10mgおよび50mg)の製造を示す。その他の規格の錠剤は、類似的に本実施例に従って製造することができる。2つの錠剤は、いずれも即時放出のために調製され、よく使用される容器密閉系、例えば、ポリプロピレン(PP)蓋付きの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶に封入した。
【0176】
化合物FAのメグルミン塩:活性成分(実施例2により製造され、形態I)を微粉化した。活性成分が、約0.238g/mLの嵩密度および約0.359g/mLのタップ密度を有した。Malvernレーザー粒度解析計を使用してメグルミン塩の粒度分布を解析した。検出方法:SDC(注入、転送、制御)サンプラーシステム付きのMicrotrac社のS3500激光粒度解析計を使用して、粒度分布を検出した。湿法測定を使用し、試料をIsopargイソアルカン溶媒に分散した。30秒超音波処理し、潜在的な塊を減少した。同じバッチの測定では、このような材料のD
90が20mm未満であったことが分かった。詳細は以下に示す。
【0177】
詳細な配合:表8Aは、50mg錠剤の代表的成分を示す。10mg規格の錠剤は、同じ成分および重量百分率を有し、10mgの活性成分に基づいた。
(表8A)50mg規格錠剤の成分
* 製品用量規格は、遊離酸で、換算係数が1.4107であった。50mg遊離酸は、70.53mgメグルミン塩に相当した。
** 5.00%コーティングの重量増加は、錠剤のコア重量のw/w%であった。
【0178】
調製プロセス:湿式造粒を使用して錠剤を製造し、顆粒を提供し、その後、それらを10mgまたは50mg規格の錠剤に圧縮した。原薬、微結晶セルロースPH101、マンニトール50C、ラウリル硫酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(顆粒内加入)、ポビドンK30を30メッシュ篩に通した。混合物を湿式造粒機で少なくとも3分間予備ブレンドした。高効率湿式造粒機の撹拌速度を450回転として、せん断速度を1500回転として設定し、3分間内に理論量のポビドン溶液を加入し、顆粒状態に応じて適量の水を加入した。ポビドン溶液を加入した後、造粒プロセスを約1-3分間行い、湿潤顆粒を提供した。3つの異なる造粒時間(1分間、2分間および3分間)の50mg錠剤溶出度に対する影響を研究した。30分間の溶出度データからわかるように、造粒時間は、測定された50mg錠剤の溶出度に顕著な影響がなく、すべての測定された錠剤は、30分間での薬物放出率がいずれも95%を超えた。
【0179】
その後、湿潤顆粒を、水分含有量(LOD)3%以下まで、流動層を使用して約40-50℃で乾燥するように転移した。乾燥後の顆粒を30メッシュ篩に通し、30メッシュ篩以上の顆粒を粉砕した。その後、クロスカルメロースナトリウムを30メッシュ篩に通し、混合桶に加入し、20rpmの速度で乾燥の顆粒と10分間混合した。その後、フマル酸ステアリルナトリウムを30メッシュ篩に通し、混合桶に加入し、20rpmで材料と5分間混合した。それにより形成された混合物が均一であったことがわかった。
【0180】
その後、上記の混合物を、錠あたり重量約80mg、直径約6mm、厚さ約2.6mmである10mg錠剤、または、錠あたり重量約400mg、直径10mm、厚さ約4.8mmである50mg錠剤に圧縮した。錠剤の硬度は、パドル法を使用して50rpm、900mL媒体(0.5% SDS水溶液であってもよい)での溶出度に影響が少なかった。10mg錠剤について、硬度が20-40Nの範囲内の錠剤が類似する溶出度を示した。50mg錠剤について、硬度が35-80Nの範囲内の錠剤が類似する溶出度を示した。
【0181】
その後、以上で製造された10mg錠剤または50mg錠剤を、OpadryII 85G68918でコーティングした。これらの錠剤に対して、それぞれのコーティングの重量増加は、パドル法を使用して50rpm、900mL媒体(0.5% SDS水溶液であってもよい)での溶出度に顕著な影響がなかった(0から3.5%)。
【0182】
コーティング錠剤を防湿蓋付きの高密度ポリエチレン瓶に包装し、その後、アルミホイル袋を二次包装として使用した。
【0183】
溶出度測定:パドル法(中国薬局方<0931>、方法2、パドル法)を使用して50rpm、900mL媒体(0.5% SDS水溶液であってもよい)で製造された錠剤の溶出度を測定することができる。本実施例で製造された10mgおよび50mg規格錠剤は、約45分間で約80%またはそれ以上の薬物を放出し、60分間でほぼ100%となった。
【0184】
ビーグル犬PK研究:犬PK研究を行い、本実施例で製造された50mg規格錠剤のPKプロファイルと、化合物FA経口懸濁液のPKプロファイルを比較した。表8Bで示すように、PK研究により、錠剤で約5% SDSを加入した場合、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間で経口懸濁剤製剤と類似する化合物FA血漿レベルを達成した。5% SDSなしの錠剤と比較して、5% SDS含有の錠剤は、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間の血漿濃度は、5% SDSの代わりに5%マンニトールを使用した以外、配合が表8Aで示される50mg錠剤配合と同じである、5% SDSなしの錠剤よりも高かった。
【0185】
【0186】
実施例5B. 100mgおよび200mg規格錠剤の製造
この実施例は、2つの異なる規格(100mgおよび200mg)の錠剤の製造を示す。その他の規格の錠剤は、類似して本実施例に従って製造されることができる。100mg錠剤は、約400mgのコア重量を有し、黄色コーティング層が付いた。200mg錠剤は、約600mgのコア重量を有し、黄色コーティング層も付いた。2つの錠剤は、いずれも即時放出のために調製され、よく使用される容器密閉系、例えば、ポリプロピレン(PP)蓋付きの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶に封入した。
【0187】
配合詳細情報:表8Cおよび8Dは、100mgおよび200mg錠剤の代表的成分を示す。
(表8C)100mg規格錠剤の成分
* 製品用量規格は、遊離酸で、換算係数が1.4107であった。100mg遊離酸は、141.07mgメグルミン塩に相当した。
** 24.76%は、顆粒内賦形剤に対するw/w%であった。乾燥プロセスでは、精製水を除去し、その含有量が、物質合計量に計算されなかった。
*** 3.00%のコーティングの重量増加は、錠剤のコア重量に対するw/w%であった。Opadry成分は、以下である:ポリビニルアルコール、チタニア、ポリエチレングリコール、タルク粉および黄色酸化鉄。
(表8D)200mg規格錠剤の成分
* 製品用量規格は、遊離酸で、換算係数が1.4107であった。200mg遊離酸は、282.14mgメグルミン塩に相当した。
** 23.37%は、顆粒内賦形剤に対するw/w%であった。乾燥プロセスでは、精製水を除去し、その含有量が、物質合計量に計算されなかった。
*** 3.00%のコーティングの重量増加は、錠剤のコア重量に対するw/w%であった。
【0188】
プロセス説明:30メッシュ篩を使用して、以下の材料を順次に造粒鍋に篩い加入した:マンニトール50C、クロスポビドンXL-10(粒内)、ポビドンK30、化合物FAのメグルミン塩(形態I、微粉化した)、ラウリル硫酸ナトリウムおよび微結晶セルロースPH-101。その後、混合物を高せん断造粒機(TMG1/6、Glatt)を使用して湿式造粒し、予備ブレンド、噴霧を含み、その後、造粒して湿潤顆粒を提供した。その後、流動層乾燥(GPCG2、Glatt)を使用して湿潤顆粒を乾燥し、一般的に乾燥顆粒の水含有量を3%以下に制御した。その後、991μm篩付きのComil U5(Quadro)を使用し、乾燥顆粒を乾式粉砕した。その後、乾式粉砕顆粒を、30メッシュ篩を使用して篩い分けたクロスポビドンXL-10(顆粒外)および同じように30メッシュ篩を使用して篩い分けたステアリン酸マグネシウムとブレンドした。その後、回転打錠機法XL-100(Korsch)を使用して、この混合物を錠剤に圧縮し、必要の錠剤を提供した。100mgおよび200mg規格錠剤を生産するプロセスに使用された成分および含有量は、それぞれ表8Cおよび8Dに詳細に説明した。厚さが約5.50(約5.30-5.70)mm;硬度が約10.00(約8.00-14.00)KP;崩壊時間≦10minとなるように、設定の時の打錠機パラメーターを調整した。100mg規格の錠剤について、錠剤のコアの合計重量が約400mgであった。200mg規格の錠剤について、錠剤のコアの合計重量が約600mgであった。その後、OpadryII 85F620077-CN Yellowで生産された錠剤のコアをコーティングし、目標の重量増加が約3%(例えば、約2.5-3.5%)であった。コーティング錠剤は、PP蓋付きのHDPE瓶に包装された。
【0189】
安定性:60℃、25℃/92.5%RH、40℃/75%RHおよび光照(1.2×106Lux・hr/200w・hr/m2)で保存した際に、100mg規格錠剤(曝露および瓶入り錠剤)は、良好の化学および物理的安定性を示した。30日間後、外観、含有量ならびに関連物質は、初期と比較して明らかな変化がなかった。含水量結果から観察されたように、25℃/92.5%RHおよび40℃/75%RHの条件下で10日間および30日間保存した後、瓶入り薬錠と比較して、バラ錠剤は、より多い水分を吸収した。同じように、曝露および包装の錠剤について、60℃、25℃/92.5%RH、40℃/75%RHおよび光照(1.2×106Lux・hr/200w・hr/m2)条件下で、200mg規格錠剤(曝露および瓶入り錠剤)は、いずれも、良好の化学および物理的安定性を示した。25℃/92.5%RHで保存した際に、含水量がやや増加した。30日間後、外観、含有量ならびに関連物質は、初期と比較して明らかな変化がなかった。
【0190】
100mg規格錠剤のプロセス開発過程において、微結晶セルロースとマンニトールの比率は、溶出度に影響があることを発見した(実施例5Aにおける溶出測定詳細を参照する)。具体的に、クロスカルメロースナトリウムを崩壊剤として使用した場合、微結晶セルロースとマンニトール重量比が約1:2の錠剤は、当該比率が約2:1の錠剤と比較して、すべての測定時点(5分間、15分間、30分間、45分間、60分間、および75分間)でより速い溶出を示した。また、100mg規格錠剤配合でクロスポビドンを使用することが有利であることを発見した。クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウムおよびクロスポビドンという3つの異なる崩壊剤の錠剤の溶出度を比較した。カルボキシメチルデンプンナトリウム(12分間)またはクロスカルメロースナトリウム(10分間)を有する錠剤で観察された結果と比較して、クロスポビドンを有する錠剤の崩壊速度(8分間)がより早くなることが分かった。
【0191】
プロセス開発過程において、さらに、湿式造粒プロセスにおける水量および造粒時間は、顆粒微小構造に影響があることを発見し、さらに錠剤特性、例えば、その溶出度を影響する可能性がある。1Lの鍋における湿式造粒について、25%の水量および1-3分間の造粒時間は、適切なプロセスパラメーターと考えられた。顆粒の形態および性質により異なる製造規模の水量および造粒終点の許容値を調整することができる。
【0192】
湿式研磨プロセスにおいて、大きいサイズの顆粒が観察された。そのため、過度の造粒の潜在リスクを回避するために、錠剤製造プロセスにおいて、湿式研磨を含まないことが好ましい。乾燥失重(LOD)値は、顆粒粒度分布(PSD)、錠剤属性または粘着状況に顕著な影響がなく、その後、LODを3%以下として設定した。乾式粉砕について、研磨篩サイズおよび速度は、顆粒PSDに顕著な影響がなかったことを発見した。本願で使用された処理について、991μmの篩サイズおよびより速い研磨機速度1750rpmを選択した。目標崩壊時間が、10分間以下に設定した。錠剤の硬度は、崩壊時間および溶出に関係がないことを発見した。脆化度要求およびその他の要求に応じて、本実施例には、100mgおよび200mg規格錠剤に対して記載された硬度範囲は、約8-14KPまたは約80Nから約140Nに設定した。
【0193】
コーティングは、錠剤溶出に不利な影響があることを発見した。光安定性測定において、コーティングの重量増加が3%および5%であることが関連物質に対する影響の結果から分かるように、200mg規格コーティング錠は、光照条件下(1.2×106Lux・hr/200w・hr/m2)で安定的であった。2つのコーティングの重量増加について、不純物は、いずれも、大幅に増加しなかった。また、重量増加3%および5%のコーティング錠剤は、不純物に差異が少ない。錠剤溶出度および光安定性測定をバランスを取る結果、本実施例は、3%のコーティングの重量増加を選択した。
【0194】
簡単な説明と要約部分ではなく、詳細な説明部分は、特許請求の範囲を説明するために使用されることを理解すべきである。簡単な説明および要約の部分は、発明者が検討したような本発明の1つ以上の例示的な実施形態を示すことができるが、すべての例示的な実施形態ではないため、いかなる方法で本発明および添付の特許請求の範囲を制限することは意図されていない。
【0195】
以上、機能構築ブロックを用いて本発明を説明したが、特定の機能とその関係の実現について説明した。説明の便宜上、これらの機能構築ブロックの境界はここで任意に定義した。指定した機能とその関係が適切に行われる限り、代替境界を定義できる。
【0196】
「属(genus)」と記載されている本発明の態様については、すべての単一の種類が単独で本発明の単独の態様とみなされる。本発明の様々な態様が特徴「を含む」と記載されている場合に、実施形態は、特徴「からなる」または「基本的にからなる」とも考えられる。
【0197】
上記の具体的な実施形態の説明は、本開示の一般的な性質を非常に十分に明らかにするので、当技術分野の知識を応用することにより、他の人が過剰な実験をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、様々な応用のために本具体的な実施形態を容易に修正および/または調整できるようになる。したがって、ここで示した教示と指導に基づいて、このような調整と修正を開示した実施形態の同等案の意味と範囲内にすることを目的としている。ここでの用語または用語は、説明のためのものであって、限定の目的ではないので、ここでの用語または用語は、教示および指導のもと当業者によって説明されることを理解されたい。
【0198】
本発明の幅と範囲は、上記の例示的な実施形態によって制限されるべきではない。
【0199】
ここで記載されているすべての側面、実施形態、およびオプションは、任意の方法とすべての変更方法で組み合わせることができる。
【0200】
ここで言及されているすべての出版物、特許出願および特許出願は、個々の出版物、特許出願または特許出願が具体的かつ個別に参照によって組み込まれていることを示しているかのように、参照によってここで組み込まれている。ここでの用語の意味または定義が、参照によって組み込まれた文書内の同じ用語の意味または定義と矛盾する場合は、ここでその用語に与えられた意味または定義に従うものとする。
【国際調査報告】