(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/519 20210101AFI20230720BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20230720BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20230720BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/284
H01M50/50 201A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577781
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2020096892
(87)【国際公開番号】W WO2021253356
(87)【国際公開日】2021-12-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520124888
【氏名又は名称】東莞新能安科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Poweramp Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xinghui Road, Songshan Lake Park, Dongguan City, Guangdong Province, 523000, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 明杰
(72)【発明者】
【氏名】胡 神
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040DD08
5H040DD10
5H043AA19
5H043FA02
5H043HA11F
5H043JA02
5H043JA06F
(57)【要約】
本願は電池パックを開示し、電池セル、回路基板、第1アダプタシート及び第2アダプタシートを含む。電池セルは、電極タブを含み、第1アダプタシートは、隣接する2つの電気セルの電極タブと溶接される。第2アダプタシートは、回路基板に溶接され、且つ第1アダプタシートと溶接される。前記電池パックは、第1アダプタシートを介して電池セルの電極タブとの電気的接続を実現し、第2アダプタシートを介して第1アダプタシートと回路基板とにそれぞれ電気的接続して、電池セルと回路基板との電気的接続を実現する。本願の回路基板は各々の電池セルの電極タブの情報を直接に収集することができ、従来技術における銅母線、中継回路基板及びフレキシブル回路基板などの構造を除去し、コストを削減し、構造を簡略化し、取り付けが便利になった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの電池セルと、1つの回路基板とを含む電池パックであって、
前記電池セルは、電極タブを含み、
前記電池パックは、
隣接する2つの前記電池セルの電極タブと溶接接続される第1アダプタシートと、
回路基板に溶接され、且つ前記第1アダプタシートと溶接するように接続される第2アダプタシートとをさらに含むことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記回路基板には第1貫通孔が設けられ、前記第1アダプタシートと前記第2アダプタシートとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記第1アダプタシートは、順次に接続された第1固定部、第1折曲部及び第1接続部を含み、前記第1固定部は、隣接する2つの前記電池セルの電極タブと溶接し、
前記第1接続部は、前記第2アダプタシートと溶接するために用いられ、且つ前記第1貫通孔内に設けられることを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第2アダプタシートは、順次に接続された第2固定部、第2折曲部、及び第2接続部を含み、
前記第2固定部は、前記回路基板に溶接され、
前記第2接続部は、前記第1アダプタシートに溶接され、且つ前記第1貫通孔内に設けられていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記第2折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記回路基板は、第1面と、前記第1面に対向して設けられた第2面とを含み、前記第1面は、前記電池セルに向けられ、前記第2固定部は、前記第2面に設けられることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
【請求項8】
前記回路基板には、第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔と連通し、
前記第1固定部は、少なくとも部分的に前記第2貫通孔に現れることを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池セルの一方の側には、正極タブと負極タブが設けられ、前記第1アダプタシートは、隣接する2つの前記電池セルの正極タブと負極タブとに電気的に接続されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記回路基板には、第3貫通孔が開設され、前記電池パックは、第3アダプタシートをさらに含み、前記第3アダプタシートは、前記回路基板における前記電池セルから離れる側に設けられ、
外側の前記電池セルの正極タブまたは負極タブは、前記第3貫通孔を貫通し、且つ前記第3アダプタシートに接続されることを特徴とする請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記回路基板には、第4貫通孔が開設され、前記第4貫通孔は、前記第3アダプタシートの前記回路基板での投影と部分的に重なることを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記回路基板は、第1面と、前記第1面に対向して設けられた第2面とを含み、前記第1面は、前記電池セルに向けられ、前記回路基板には、第1貫通孔が設けられ、
前記第1アダプタシートと前記第2アダプタシートとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔の外に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
前記第2アダプタシートは、前記第1面に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記第2アダプタシートは、前記第2面に設けられ、
前記第1アダプタシートは、順次に接続されている第1固定部、第1折曲部及び第1接続部を含み、前記第1固定部は、隣接する2つの前記電池セルの電極タブに溶接され、前記第1接続部は、前記第2アダプタシートに溶接され、前記第1折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられることを特徴とする請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
前記回路基板は、バッテリ管理システムが設けられた回路基板であることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電池パックでは、通常、ケーブル、中継回路基板、銅母線及びフレキシブル配線板(FPC,FLEXIBLE PRINTED CIRCUIT)などを用いて電池ユニットの間の電気的接続や電池ユニットの電圧などの情報の収集を実現する必要があった。例えば、フレキシブルバッテリーパック内の電池セルにおける電極タブ及び銅母線を中継回路基板に同時に溶接し、さらに、中継回路基板を電池パックのバッテリ管理システム(BMS,BATTERY MANAGEMENT SYSTEM)とハーネスやコネクタなどで電気的に接続する。ケーブル、銅母線、中継回路基板、FPCなどを採用することは、ネジ締め、ケーブル固定、絶縁、FPC保護、コネクタ選択などの問題に関連する。既存の電池パックはコストが高く、スペースの需要が大きく、部品が多く、プロセスが複雑であり、自動化の程度が低く、標準化し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、銅母線などの中継構造を省略し、電圧などの情報の収集構造を簡略化した電池パックを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明による電池パックは、少なくとも2つの電池セル、1つの回路基板、第1アダプタシート及び第2アダプタシートを含み、前記電池セルは、電極タブを含み、前記第1アダプタシートは、隣接する2つの前記電池セルの電極タブと溶接接続されており、前記第2アダプタシートは、回路基板に溶接され、且つ前記第1アダプタシートと溶接接続されている。
【0005】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板には第1貫通孔が設けられ、前記第1アダプタシートと前記第2アダプタシートとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔内に設けられる
【0006】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第1アダプタシートは、順次に接続された第1固定部、第1折曲部及び第1接続部を含み、前記第1固定部は、隣接する2つの前記電池セルの電極タブと溶接し、前記第1接続部は、前記第2アダプタシートと溶接するために用いられ、且つ前記第1貫通孔内に設けられる。
【0007】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第1折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられる。
【0008】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第2アダプタシートは、順次に接続された第2固定部、第2折曲部、及び第2接続部を含み、前記第2固定部は、前記回路基板に溶接され、前記第2接続部は、前記第1アダプタシートに溶接され、且つ前記第1貫通孔内に設けられている。
【0009】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第2折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられる。
【0010】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板は、第1面と、前記第1面に対向して設けられた第2面とを含み、前記第1面は、前記電池セルに向けられ、前記第2固定部は、前記第2面に設けられる。
【0011】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板には、第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は、前記第1貫通孔と連通し、前記第1固定部は、少なくとも部分的に前記第2貫通孔に現れる。
【0012】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記電池セルの一方の側には、正極タブと負極タブが設けられ、前記第1アダプタシートは、隣接する2つの前記電池セルの正極タブと負極タブとに電気的に接続される。
【0013】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板には、第3貫通孔が開設され、前記電池パックは、第3アダプタシートをさらに含み、前記第3アダプタシートは、前記回路基板における前記電池セルから離れる側に設けられ、外側の前記電池セルの正極タブまたは負極タブは、前記第3貫通孔を貫通し、且つ前記第3アダプタシートに接続される。
【0014】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板には、第4貫通孔が開設され、前記第4貫通孔は、前記第3アダプタシートの前記回路基板での投影と部分的に重なる。
【0015】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板は、第1面と、前記第1面に対向して設けられた第2面とを含み、前記第1面は、前記電池セルに向けられ、前記回路基板には、第1貫通孔が設けられ、前記第1アダプタシートと前記第2アダプタシートとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔の外に設けられている。
【0016】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第2アダプタシートは、前記第1面に設けられている。
【0017】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記第2アダプタシートは、前記第2面に設けられ、前記第1アダプタシートは、順次に接続されている第1固定部、第1折曲部及び第1接続部を含み、前記第1固定部は、隣接する2つの前記電池セルの電極タブに溶接され、前記第1接続部は、前記第2アダプタシートに溶接され、前記第1折曲部は、少なくとも前記第1貫通孔に部分的に設けられている。
【0018】
本願発明の幾つかの実施形態によれば、前記回路基板は、バッテリ管理システムが設けられた回路基板である。
【0019】
前記電池パックは、前記第1アダプタシートを介して前記電池セルの電極タブとの電気的接続を実現し、前記第2アダプタシートを介して前記第1アダプタシートと前記回路基板とに電気的接続して、電池セルと前記回路基板との電気的接続を実現する。回路基板は、第1アダプタシート及び第2アダプタシートを介して電池セルの電圧及び温度などの情報を収集することができる。さらに、前記回路基板は、バッテリ管理システム(BMS,BATTERY MANAGEMENT SYSTEM)が設けられた回路基板である。前記電池パックは、従来技術における銅母線、中継回路基板、フレキシブル回路基板などの構造を省略し、コストを下げ、構造を簡略化し、取り付けが便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本願の第1実施形態に係る電池パックの構成図である。
【
図2】
図1に示した電池パックの構造の分解模式図である。
【
図3】
図1に示した電池パック内の電池セルと第1アダプタシートとを組み付けた構成の模式図である。
【
図4】
図1に示した電池パックにおけるカバーが除去された後の構造概略図である。
【
図5】
図4に示した電池パックの構造の分解模式図である。
【
図6】
図1に示した電池パックのVI-VI線に沿った断面構造図である。
【
図7】
図6に示した電池パックのカバーの構造概略図である。
【
図8】
図1に示した電池パック内の電池セルと第1アダプタプレート、第2アダプタプレート、及び回路基板における他の実施形態での構造概略図である。
【
図9】
図8に示した電池パック内の電池セルと第1アダプタシートとの組み立て後の構造概略図である。
【
図10】本願の第2実施形態による電池パックはカバーが除去された後の構造概略図である。
【
図11】
図10に示した電池パックは電池セルが除去された後の構造分解概略図である。
【
図12】
図10に示した電池パックの上部カバーの構造概略図である。
【
図13】本願の第3実施形態による電池パックの構成図である。 以下の具体的な実施形態について、上述の図面に基づいて本願をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願の実施形態における技術的態様を本願の実施形態における図面と共に説明するが、説明された実施形態は、本願の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。
【0022】
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般に理解するものと同じ意味である。本願の明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本願を限定することを目的とするものではない。
【0023】
本願の幾つかの実施形態は、少なくとも2つの電池セル、1つの回路基板、第1アダプタシート及び第2アダプタシートを含む電池パックを提案し、前記電池セルは、電極タブを含む。前記第1アダプタシートは、隣接する2つの前記電池セルの電極タブに溶接される。前記第2アダプタシートは、回路基板に溶接され、且つ前記第1アダプタシートと溶接されている。
【0024】
前記電池パックは、前記第1アダプタシートを介して前記電池セルの電極タブとの電気的接続を実現し、前記第2アダプタシートを介して前記第1アダプタシートと前記回路基板とに電気的接続して、前記電池セルと前記回路基板との電気的接続を実現する。前記回路基板は、前記第1アダプタシート及び前記第2アダプタシートを介して前記電池セルの電極タブの電圧等の情報を収集することができる。前記電池パックは、従来技術における銅母線、中継回路基板、フレキシブル回路基板などの構造を省略し、コストを低減し、構造を簡略化し、取り付けが便利になる。
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本願の幾つかの実施形態について詳細に説明する。衝突しない場合には、以下の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0026】
[第1実施形態]
図1~
図3を同時に参照すると、本願の一実施形態は電池パック100を提案している。前記電池パック100は、ハウジング10と、電池セル20と、回路基板30とを備える。前記電池セル20及び前記回路基板30は、それぞれ前記ハウジング10内に位置している。前記ハウジング10は、前記電池セル20及び前記回路基板30を固定するために用いられる。前記回路基板30には、バッテリ管理システムが設けられている。
【0027】
前記電池セル20は、電池セル本体21と、2つの電極タブと、を含む。2つの前記電極タブは、それぞれ正極タブ23と負極タブ25である。前記正極タブ23及び前記負極タブ25は、前記電池セル本体21の一方側に設けられ、且つ前記電池セル本体21の外に突き出している。前記電池セル20の数は、複数であり、例えば13個であるが、これに限定されるものではない。複数の前記電池セル20は、前記ハウジング10内に順次配列されている。
【0028】
後述の便宜上、
図2に示すように、第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yを座標軸別に定義する。本実施形態では、前記第1方向Zは、前記正極タブ23または前記負極タブ25が前記電池セル本体21から突き出す方向に平行な方向である。前記第2方向Xは、複数の前記電池セル20の配列方向に対して平行である。前記第3方向Yは、前記第1方向Zと前記第2方向Xとに対してそれぞれ垂直である。
【0029】
複数の前記電池セル20は、直列して電気的に接続されている。具体的には、隣接する2つの前記電池セル20のうち、一方の電池セル20の正極タブ23と他方の電池セル20の負極タブ25とが折り曲げられた後に、前記第2方向Xに沿って対向して延びて積み重ねている。前記第2方向Xに沿って、複数の配列された前記電池セル20は、第1端201と第2端203とを含む。前記第1端201に位置する電池セル20の正極タブ23と前記第2端203に位置する電池セル20の負極タブ25とは、それぞれ前記第2方向Xに沿って互いに対して逆方向に延び、且つそれぞれ複数の前記電池セル20の正極と負極として機能する。他の実施例では、複数の電池セル20は、並列して電気的に接続されてもよい。
【0030】
図3、
図4、及び
図5に示すように、電池パック100は、第1アダプタシート40及び第2アダプタシート50をさらに含む。前記第1アダプタシート40は、隣接する2つの前記電池セル20の前記正極タブ23と前記負極タブ25とに電気的に接続されている。具体的には、前記第1方向Zに沿って、前記第1アダプタシート40、前記負極タブ25及び前記正極タブ23が順次に積層されているが、これに限定されない。前記第1アダプタシート40、前記正極タブ23及び前記負極タブ25は超音波溶接又はレーザ溶接を用いて接続され、さらに電気的接続を実現する。ここで、溶接領域は、
図3により示される陰影領域である。
【0031】
前記第1アダプタシート40と前記負極タブ25の材質は銅であり、前記正極タブ23の材質はアルミニウムであるが、これに限定されない。前記第1方向Zにおいて、材質が銅である第1アダプタシート40と前記負極タブ25は、材質がアルミニウムである前記正極タブ23の下方に配置され、銅の融点がアルミニウムより高い。溶接を行う際には、溶接エネルギーが下に行くほど高くなり、さらに溶接効果が向上する。
【0032】
他の実施例では、前記第1アダプタシート40、前記負極タブ25及び前記正極タブ23の重ね合わせ順序が変化してもよい。例えば、前記第1アダプタシート40は、前記負極タブ25の上方に位置してもよい。前記負極タブ25と前記正極タブ23との重ね合わせ順序は、材質変化に応じて設定されてもよい。
【0033】
複数の前記電池セル20における正極タブ23、負極タブ25及び前記第1アダプタシート40は、電池セルの組立効率を高めるために、金型などの装置を用いて同時に溶接されることができる。
【0034】
前記第2アダプタシート50は、前記回路基板30に設けられている。前記第2アダプタシート50は、前記回路基板30と前記第1アダプタシート40とに電気的に接続されている。回路基板30には、第1貫通孔31が設けられている。前記第1貫通孔31は、前記回路基板30の側辺を貫通しているが、これに限定されない。前記第1貫通孔31から露出する一部の前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50との前記第1方向Zに沿った投影は、部分的に重なり合う。溶接装置(図示せず)を用いて、前記第1貫通孔31を介して前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタ50とに対して超音波溶接またはレーザ溶接を行う。
【0035】
前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50とのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔31内に位置するが、これに限定されない。具体的には、前記第2アダプタシート50は、前記回路基板30における前記第1貫通孔31の一方側に接続され、且つ前記第1貫通孔31まで延びている。前記第2アダプタシート50は、表面組立技術(SMT,SURFACE MOUNT TECHNOLOGY)によって前記回路基板30に接続され、且つ前記第2方向Xに沿って延びる。ここで、前記第2アダプタシート50と前記回路基板30との接続領域は、
図4により示されるシャドウ領域である。前記第1アダプタシート40は、前記第2アダプタシート50と接続するために、前記第3方向Yに沿って前記第1貫通孔31まで延びている。
【0036】
前記第2アダプタ50は、順次に接続された第2固定部51と、第2折曲部53と、第2接続部55とを含む。前記第2固定部51は、前記回路基板30に接続されている。前記第2接続部55は、前記第1アダプタシート40に接続されている。前記第2折曲部53は、前記第2固定部51及び第2接続部55に対してそれぞれ傾斜しており、前記第2アダプタシート50において折り曲げ構造を形成している。
【0037】
前記第2固定部51は、前記回路基板30の前記電池セル20から離反する側に位置する。前記回路基板30は、第1面301と、第1面301に対向して設けられた第2面303とを含む。前記第1面301は、前記電池セル20に向いている。前記第2固定部51は、前記第2面303に設けられている。溶接する時に、前記第2接続部55が前記第1アダプタシート40と強固に溶接できるように、前記第2アダプタシート50は変形して第2接続部55を前記第1アダプタシート40に近接する方向へ延伸させることができる。例えば、前記第2折曲部53と前記第2固定部51とのなす角度の変化、前記第2折曲部53自体の変形、または前記第2折曲部53と前記第2接続部55とのなす角度の変化などが挙げられる。前記第1アダプタシート40が前記正極タブ23及び前記負極タブ25と溶接する際に変形したり、前記電池パック100内の構造に製造又は取り付け誤差があったりしても、前記第2アダプタシート50にベンド構造の第2折曲部53を設けることにより、前記第2アダプタシート50と前記第1アダプタシート40との溶接を強固にすることができる。他の実施例では、前記第2固定部51は、前記回路基板30の前記電池セル20に向かう側に位置してもよい。
【0038】
前記第2固定部51と前記第2接続部55は互いに対して平行であるが、これに限定されず、他の実施例では、前記第2固定部51と前記第2接続部55とは平行でなくてもよく、前記第2接続部55が前記第1アダプタシート40と接続可能であればよい。
【0039】
図3及び
図4に示すように、前記第1アダプタシート40は、順に接する第1固定部41と、第1折曲部43と、第1接続部45とを含む。前記第1固定部41は、前記正極タブ23と前記負極タブ25とに接続されている。前記第1接続部45は、前記第2アダプタ50の第2接続部55に接触するように接続されている。前記第1折曲部43は、前記第1固定部41と前記第1接続部45とに対してそれぞれ傾斜し、前記第1アダプタシート40においてベンド構造を形成し、さらに前記第1アダプタシート40を変形し易くし、第1接続部45を前記第2アダプタシート50に近接する方向に延伸させて、前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50の溶接効果を高める。
【0040】
前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50とにそれぞれベンド構造を設け、電池パック100の耐震効果を高め、前記第1アダプタシート40と前記正極タブ23または前記負極タブ25、及び前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50との接続信頼性を高めている。
【0041】
前記第2折曲部53及び前記第1折曲部43は、それぞれ少なくとも前記第1貫通孔31内に部分的に位置するが、これに限定されない。前記第1貫通孔31は、前記第2アダプタシート50と前記第1アダプタシート40とが変形した後に延びる空間を提供する。
【0042】
なお、他の実施例では、前記第1アダプタシート40及び/又は前記第2アダプタシート50は、ベンド構造を省略してもよい。
【0043】
前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50は、両者のコンタクトインターフェースが前記第1貫通孔31の外に位置するようにそれぞれ延びていてもよい。例えば、別の実施形態では、前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50とのコンタクトインターフェースは、前記回路基板30と前記電池セル本体21との間の空間内に位置し、この空間内で溶接装置を用いて前記第1貫通孔31を介して両者のコンタクトインターフェースの溶接固定を実現する。また、別の実施形態では、前記第2アダプタシート50の第2固定部51は、前記第2面303に設けられる。前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50とのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔31の前記電池セル20から離反する側に位置する。前記第1アダプタシート40の第1固定部41は、隣接する2つの前記電池セル20の電極タブに溶接され、且つ前記回路基板30の前記電池セル20に向かう側に位置する。前記第1折曲部43の少なくとも一部は、前記第1貫通孔31内に設けられている。前記第1接続部45の前記第1面301に向かう表面は、前記第2接続部55と溶接接続されている。前記第1接続部45の前記第1面301に向かう表面は、前記第1貫通孔31の前記電池セル20から離反する側の上面よりも高いかまたはそれと面一である。即ち、前記第1接続部45と前記第2接続部55とのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔31の外に位置する。
【0044】
前記回路基板30には、第2貫通孔33が設けられている。前記第1固定部41は、前記第2貫通孔33において少なくとも部分的に現れ、前記第1アダプタシート40における正極タブ23と負極タブ25との電気的接続箇所を露出させる。前記第2貫通孔33は、内部抵抗試験のためのプローブ(図示せず)が通過することを許容する。前記プローブは、内部抵抗試験を達成するために、前記第1アダプタシート40における正極タブ23及び負極タブ25との接続箇所と当接することができる。なお、他の実施例では、前記第2貫通孔33を省略し、他の方法で内部抵抗試験を行うこともできる。
【0045】
複数の前記第1貫通孔31は、前記回路基板30の両側にそれぞれ開設され、且つ前記回路基板30の側辺を貫通しているが、これに限定されない。前記第2貫通孔33は、前記第1貫通孔31と連通する。他の実施例では、前記第1貫通孔31は、前記回路基板30の側辺を貫通しなくてもよい。前記第1貫通孔31の前記回路基板30での位置は、前記電池セル20における正極タブ23と負極タブ25の位置に応じて決定される。前記第2貫通孔33は、前記第1貫通孔31と連通しなくてもよい。
【0046】
図4及び
図5に示すように、前記電池パック100は、第3アダプタシート60をさらに含む。前記第3アダプタシート60は、前記回路基板30に設けられている。具体的には、前記第3アダプタシート60は、表面組立技術により前記回路基板30の前記電池セル20から離れる側に接続される。即ち、前記第3アダプタシート60は、前記電気基板30の第2面303に接続されている。
【0047】
前記第3アダプタシート60の数は、2つである。その中の1つの前記第3アダプタシート60は、前記第1端201に位置する電池セル20の正極タブ23と電気的に接続される。もう1つの前記第3アダプタシート60は、前記第2端203に位置する電池セル20の負極タブ25と電気的に接続されている。前記回路基板30は、前記第3アダプタシート60の一方の側に第3貫通孔34を開設する。前記正極タブ23及び前記負極タブ25は、それぞれ対応する前記第3貫通孔34を通過し、且つ第3アダプタシート60とそれぞれ超音波溶接又はレーザ溶接により接続される。
【0048】
図6に示すように、前記回路基板30には第4貫通孔35が開設されている。前記第4貫通孔35は、前記第3アダプタシート60の前記回路基板30での投影と部分的に重なる。前記第3アダプタシート60が溶接する時に発生した熱は、前記第4貫通孔35を通って排出される。他の実施例では、前記第4貫通孔35は省略してもよい。
【0049】
組み立てる場合、前記第2アダプタシート50と前記第3アダプタシート60とを前記回路基板30にそれぞれ接続する。前記第1アダプタシート40を前記正極タブ23と前記負極タブ25とに溶接して接続する。次に、同時に、前記第1アダプタシート40と前記第2アダプタシート50、前記第3アダプタシート60と前記正極タブ23、前記負極タブ25とをそれぞれ溶接する。前後に2回の溶接を採用し、前記回路基板30において、前記第1アダプタシート40が前記正極タブ23と前記負極タブ25とに溶接する際に、貫通孔を開く必要がなく、前記回路基板30の有効な使用面積を増加し、前記回路基板30におけるレイアウト空間を増大させた。他の実施例では、前記回路基板30に貫通孔を設けて、2回の溶接を1回の溶接に統合しながら行うこともできる。
【0050】
図8と
図9を同時に参照すると、別の実施形態では、電池パック100aは、電池パック100の構造とほぼ一致するが、前記電池パック100aの第1アダプタシート40a及び第2アダプタ50aの構造が異なる点で電池パック100と異なる。具体的には、前記第1アダプタシート40aと前記第2アダプタシート50aは、それぞれ平面シート状構造である。前記第2アダプタシート50aは、前記回路基板30の第1面301上に設けられている。前記第1アダプタシート40aと前記第2アダプタシート50aは、それぞれ前記第3方向Yに沿って前記回路基板30における第1貫通孔31に向かって延びる。前記第1アダプタシート40aと前記第2アダプタシート50aとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔31の外に設けられている。溶接装置を利用して、前記第1貫通孔31を介して前記第1アダプタシート40a及び前記第2アダプタシート50aに対して溶接作業を行なう。
【0051】
他の実施例では、前記第1アダプタシート40aと前記第2アダプタシート50aとのコンタクトインターフェースは、前記第1貫通孔31内に設けられてもよい。例えば、前記回路基板30において貫通孔を開き、且つ前記第1アダプタシート40aにベンド構造を設けて、前記第1アダプタシート40aを前記第1貫通孔31内へ延びさせて、且つ前記第2アダプタシート50aと前記第1貫通孔31内で接触接続を実現する。
【0052】
図2及び
図4に示すように、前記回路基板30は前記ハウジング10内に係合の方式で装着されている。前記電池パック100は、さらに、前記ハウジング10の内壁に設けられた第1位置決め構造1001と第2位置決め構造1003、及び前記回路基板30に設けられた第3位置決め構造3001と第4位置決め構造3003と、を含む。第1位置決め構造1001と第3位置決め構造3001は、前記回路基板30を平面(図示せず)内に位置決めするように協働する。前記平面は、前記第1方向Zに垂直な何れかの平面である。前記平面は、前記回路基板30に対して平行である。前記第2位置決め構造1003と前記第4位置決め構造3003とは協働して、前記回路基板30を前記第1方向Zにおいて位置決めする。前記ハウジング10は、前記回路基板30を前記第1方向Z、前記第2方向X及び前記第3方向Yにおいて位置決めして、前記回路基板30を前記ハウジング10に固定する。
【0053】
前記ハウジング10は、筐体構造101と、前記筐体構造101の一方側に設けられるカバー103とを含む。前記電池セル20は、前記筐体構造101内に配置される。前記カバー103は、前記回路基板30の前記電池セル20から離反する側に位置する。前記第1位置決め構造1001は、前記筐体構造101に設けられている。前記第2位置決め構造1003は、前記筐体構造101及び/又は前記カバー103に設けられている。
【0054】
前記筐体構造101は、第1筐体構造1011と、第2筐体構造1013と、を含む。前記第1筐体構造1011と前記第2筐体構造1013は、それぞれ前記電池セル20の両側から対向して移動し、且つ係合するように接続固定されている。前記第1筐体構造1011と前記第2筐体構造1013とは、それぞれ前記第1方向Zに沿って2つの当接壁1015が離間して設けられている。前記第1筐体構造1011と前記第2筐体構造1013とが係合固定されると、2つの前記当接壁1015はそれぞれ前記電池セル20の電池セル本体21の両側に当止して、複数の前記電池セル20を挟持して固定する。
【0055】
前記第1位置決め構造1001及び前記第2位置決め構造1003は、それぞれ前記第1筐体構造1011及び前記第2筐体構造1013において対称に設けられているが、これに限定されない。
【0056】
前記第1位置決め構造1001は、前記筐体構造101に間隔を置いて配置された2つの位置決めピン11を含む。前記第3位置決め構造3001は、前記回路基板30に間隔を置いて設けられた位置決め孔36を含む。各々の前記位置決めピン11は、前記回路基板30の前記平面内での移動を制限するために、対応する位置決め穴36内に挿入される。前記回路基板30は、前記第2方向X及び前記第3方向Yにおいて位置決めされる。
【0057】
2つの前記位置決めピン11のうち、一方の前記位置決めピン11は前記第1筐体構造1011に設けられ、他方の前記位置決めピン11は前記第2筐体構造1013に設けられている。2つの前記位置決めピン11は、回路基板30と平行な平面内に中心対称に配置されているが、これに限定されない。他の実施例では、2つの位置決めピン11は、前記第1筐体構造1011または前記第2筐体構造1013において間隔を置いて配置されてもよい第2筐体構造。
【0058】
図4及び
図5に示すように、前記第2位置決め構造1003は、第1スナップ13と、支持部14とを含む。前記第1スナップ13は、本体131と、第1締結部133とを含む。前記本体131は、前記筐体構造101に設けられ、且つ前記回路基板30の一方側に位置している。前記第1締結部133は、前記本体131の前記回路基板30に向かう側に設けられている。前記支持部14は、前記筐体構造101に設けられている。前記第4位置決め構造3003は、前記回路基板30の対向する両側に設けられた第1面301と、第2面303とを含む。前記第1面301は、前記電池セル20に向いている。前記支持部14は、前記第1締結部133と対向している。前記回路基板30が前記第1方向Zにおいて移動することを規制し、前記回路基板30を前記第1方向Zに位置決めするように、前記支持部14は前記第1面301に突き当てられ、前記第1締結部133は前記第2面303に突き当てられている。前記支持部14は、前記回路基板30を支持しており、前記電池セル20と前記回路基板30との電気的接続空間を残すことができる。
【0059】
前記第1スナップ13の数は、複数であり、例えば、6つである。複数の前記第1スナップ13は、前記回路基板30の両側に配置され、且つ前記第1筐体構造1011及び前記第2筐体構造1013にそれぞれ対称的に配置されている。
【0060】
前記第1締結部133には、ガイド面1331と第1当接面1333とが設けられている。前記本体131は、弾性変形可能である。前記第1当接面1333は、前記支持部14と間隔を置いて対向している。前記ガイド面1331は、前記回路基板30が前記第1当接面1333と前記支持部14との間にスライドするようにガイドする。前記回路基板30が前記第1方向Zに沿って前記筐体構造101に移動するときに、前記回路基板30は前記ガイド面1331に当接され、且つ前記本体131を変形させて、前記回路基板30を前記支持部14と前記第1当接面1333との間に入り込ませる。
【0061】
前記第1スナップ13には、第2当接面1311がさらに設けられている。具体的には、前記第2当接面1311は、前記本体131の前記回路基板30に向かう側に設けられている。前記第3位置決め構造3001は、前記回路基板30の対向する両側に設けられた第1壁と第2壁とをさらに含む。前記回路基板30の両側に位置する2つの第2当接面1311は、前記第1壁と前記第2壁にそれぞれ当接され、前記回路基板30の両側に位置する2つの第1スナップ13で前記回路基板30を挟持して固定し、前記回路基板30と前記筐体構造101との接続強度を高める。なお、他の実施例では、前記第2当接面1311を省略してもよい。
【0062】
前記回路基板30の両側には、それぞれ複数の第1係止溝38が開設されている。前記第1係止溝38は、第1側壁381、第2側壁383、及び第3側壁385を含む。前記第1側壁381と前記第2側壁383は、前記第3側壁385の両端に対向して設けられている。前記第1壁と前記第2壁は、それぞれ前記回路基板30の両側の2つの前記第1係止溝38の2つの第3側壁385である。前記第2当接面1311は、前記第3側壁385に当接される。
【0063】
第1スナップ13は、前記回路基板30の電子部品を配置できる面積を増大させるために、前記第1係止溝38内に位置する。前記第1側壁381と前記第2側壁383は、前記第1スナップ13からの最小距離がゼロよりも大きい。これにより、前記第1スナップ13を前記第1係止溝38内で移動可能にし、製造誤差等による第1スナップ13と回路基板30との干渉の問題を回避する。他の実施例において、前記第1係止溝38を省略してもよく、前記第1スナップ13を前記回路基板30の両側に直接圧持すればよい。
【0064】
引き続き
図6及び
図7を参照して、前記回路基板30を支持する強度を高めるために、前記筐体構造101における前記回路基板30に向かう側には、別の支持部16が設けられている。前記支持部16の数は、複数であり、且つそれぞれ前記第1筐体構造1011及び前記第2筐体構造1013に間隔を置いて設けられている。前記支持部16は、前記回路基板30を支持するように、前記第1面301に当接される。前記第2位置決め構造1003は、支持部16と、支持部14と、押さえ部17とをさらに含む。前記押さえ部17は、前記カバー103に設けられている。前記第1面301は、前記電池セル20に向いている。前記支持部16と前記支持部14は、それぞれ前記第1面301に当接される。前記押さえ部17は、前記第2面303に当接され、前記第1方向Zにおける前記回路基板30の位置決めの安定性をさらに強化する。
【0065】
他の実施例では、前記電池パック100は、支持部14または支持部16のみを保留してもよい。なお、支持部16は、支持部14であってもよい。
【0066】
他の実施例では、前記第2位置決め構造1003は、前記第1スナップ13及び前記支持部14のみを含んでもよい。または、前記第2位置決め構造1003は、前記支持部16または支持部14、及び押え部17のみを含んでもよい。
【0067】
前記支持部16は、柱体構造である。具体的には、前記支持部16は、支持面積を増大させ、支持安定性を高めるために、その径方向に沿ってその両側にそれぞれ延びて前記第3方向Yに平行な矩形柱体を形成する円柱体であるが、これに限定されない。例えば、別の実施形態では、前記支持部16の数は、2つであってもよく、それぞれ前記第1筐体構造1011及び前記第2筐体構造1013においてそれぞれ前記第2方向Xに沿って延設される。
【0068】
各前記支持部16には、1つの前記位置決めピン11が設けられている。前記回路基板30には、逃げ穴37がさらに設けられている。前記逃げ穴37は、位置決め穴36と協力する位置決めピン11を除いた位置決めピン11に対応する。そして、前記逃げ穴37は、過度な位置決めを回避するために、前記位置決めピン11の移動を許容する。他の実施例では、前記位置決めピン11は、前記筐体構造101に直接に設けられてもよい。さらに別の実施形態では、前記逃げ穴37を省略してもよい。それ相応に、前記位置決めピン11は、前記筐体構造101に前記位置決め孔36に対応する位置のみに設けられてもよい。
【0069】
図4、
図6及び
図7を同時に参照すると、前記電池パック100は、第2スナップ13aをさらに含む。前記第2スナップ13aは、本体131と第2締結部133aとを含む。前記第1スナップ13と前記第2スナップ13aの本体131は、同一構成であるが、これに限定されない。他の実施例では、前記第1スナップ13は、前記第2スナップ13aと互いに独立した構造であり、前記筐体構造101において間隔を置いて配置される。前記第2締結部133aは、前記本体131の前記回路基板30から離反する側に設けられている。前記カバー103内には、第2係止溝15が設けられている。前記第2締結部133aは、前記第2係止溝15内に係合され、前記カバー103を前記筐体構造101に連結固定する。他の実施例では、前記第2スナップ13aを省略してもよく、前記カバー103と前記筐体構造101とは接着、溶接などの方法で接続固定されてもよい。
【0070】
[第2実施形態]
図10、
図11及び
図12に示すように、電池パック100bは、第1位置決め構造1001b、第2位置決め構造1003b、第3位置決め構造3001b及び第4位置決め構造3003を含む。前記電池パック100bの構成は、前記第1位置決め構造1001bが前記第1位置決め構造1001の構成と異なり、前記第2位置決め構造1003bが前記第2位置決め構造1003の構成と異なり、前記第3位置決め構造3001bが前記第3位置決め構造3001の構成と異なる点を除いて、第1の実施形態における前記電池パック100の構成とほぼ同じである。
【0071】
前記第1位置決め構造1001bは、第3スナップ18を含む。前記第3位置決め構造3001bは、第3係止溝39を含む。少なくとも2つの前記第3係止溝39は、それぞれ前記回路基板30の両側に開設されている。前記第3係止溝39は、前記第1面301と前記第2面303とを貫通している。前記第3スナップ18には、前記第3係止溝39に倣った突き当て部181が設けられている。前記第3係止溝39の前記第1方向Zに垂直な断面形状は、略台形状であるが、これに限定されない。例えば、他の実施例において、前記第3係止溝39の断面形状は、前記第3係止溝39の開口が前記第3方向Yに沿って前記回路基板30の外側に向かって徐々に大きくなれば、3段のアーク線が接続することによって形成される弧状溝などであってもよい。
【0072】
前記回路基板30の両側に位置する2つの前記突き当て部181は、それぞれ対応する前記第3係止溝39に嵌め込まれる。前記突き当て部181は、前記第3係止溝39に嵌め込まれ、且つ前記第3係止溝39の溝壁に当接して、前記回路基板30の前記第2方向X及び前記第3方向Yでの移動を規制する。
【0073】
前記第2位置決め構造1003bは、前記筐体構造101に設けられた支柱19と、前記カバー103bに設けられた押さえ部17とを含む。前記第4位置決め構造3003は、前記第3位置決め構造3001と同じ構造であり、前記第1面301と前記第2面303とを含む。前記回路基板30が前記第1方向Zにおいて位置決めされるように、前記支柱19は前記第1面301に突き当てられ、前記押さえ部17は前記第2面303に突き当てられている。
【0074】
[第3実施形態]
図13に示すように、電池パック100cは、第2実施形態に記載した電池パック100bの構成とほぼ同じであるが、前記電池パック100cのハウジング10cの構成が前記電池パック100bのハウジング10bと違う点で異なっている。
【0075】
前記ハウジング10cは、第1サイドシェル104と、第2サイドシェル105とを含む。前記第1サイドシェル104と前記第2サイドシェル105は、それぞれ前記電池セル20の両側から対向して移動し、且つ係合するように接続固定されている。
【0076】
従来技術では、一般に銅母線を採用して、それを複数の電池セルの電極タブに溶接して複数の電池セルの電気的導通を実現する。電極タブと銅母線には大電流が流すため、発熱するようになる、これは銅母線の性能に対する要求が高く、銅母線の製造コストを向上させた。また、銅母線を用いた電池パックには一般的に中継回路基板が設けられており、中継回路基板が銅母線と溶接し、さらに前記回路板30と接続することにより、銅母線と電極タブと前記回路基板30との電気的接続を実現し、且つ中継回路基板に線路検出素子を設けて、この線路検出素子を利用して電極タブと銅母線との電圧、温度などの情報を収集する。または、収集シートが設置されたフレキシブル回路基板を用いてそれぞれ銅母線と回路基板とに電気的に接続して、電極タブと銅母線との電圧、温度などの情報を収集することを実現する。従来技術では、フレキシブル回路基板を直接に電極タブに接続して、フレキシブル回路基板で電極タブの電圧、温度などの情報を直接に収集することもある。上述の電極タブの情報収集方案では、中継回路基板及びフレキシブル回路基板はいずれも電池パックの製造コストを増加させ、電池パックの多くの空間を占有するとともに、生産中の工程ステップを増加させた。
【0077】
本願で提案された電池パック100、100a、100b及び100cは、前記第1アダプタシート40、40aを介して前記電池セル20の電極タブとの電気的接続を実現し、且つ前記第2アダプタシート50、50aを介して前記第1アダプタシート40、40a及び前記回路基板30と電気的接続することにより、電池セル20と前記回路基板30との電気的接続を実現する。回路基板30は、各電池セル20の電極タブの電圧、温度などの情報を直接に収集することができる。前記電池パック100、100a、100b、100cは、従来技術における銅母線、中継回路基板、フレキシブル回路基板などの構造を省略し、コストを低減し、構造を簡略化し、取り付けが便利である。
【0078】
さらに、前記電池パック100、100a、100b、100cにおいて、前記第1アダプタシート40、40a及び前記第2アダプタ50、50aは、それぞれ簡単なシート構造で電極タブと前記回路基板30との電気的接続を実現し、電池パック内の空間を十分に利用し、その構造のコンパクト性を高めた。
【0079】
さらに、前記第1アダプタシート40、40aと電極タブとの溶接作業、及び前記第2アダプタシート50、50aと前記第1アダプタシート40、40aとの溶接作業を自動化することができ、電池パックの製造効率を向上させた。
【0080】
さらに、前記電池セル20の電極タブには大電流を流すが、前記第1アダプタシート40、40aと前記第2アダプタシート50、50aは、前記回路基板30が電極タブの電圧、温度などの情報を収集するように、各電池セル20の電極タブと前記回路基板30との電気的接続を実現するために用いられ、即ち、前記第1アダプタシート40、40aと前記第2アダプタシート50、50aには大電流を通さず、発熱が少なく、その構造が簡単であり、電池パック内の温度上昇への影響を回避した。
【0081】
さらに、前記回路基板はバッテリ管理システム(BMS,BATTERY MANAGEMENT SYSTEM)を設けた回路基板であり、中継回路基板とフレキシブル回路基板を省略し、スペースを節約し、さらにスペース利用率を向上させた。
【0082】
さらに、上記の電池パック100、100a、100b、100cは構造が簡略化されたので、故障率が低下すると共に、メンテナンスが容易である。
【0083】
以上の実施形態は、本願の技術的態様を説明するためにのみ使用されるが、本願発明を限定するものではない。好適な実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、本願の技術的態様の精神及び実質から逸脱することなく、本願の技術的態様を修正または均等に置換することができることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0084】
100,100a,100b,100c 電池パック
10,10b,10c ハウジング
1001,1001b 第1位置決め構造
1003,1003b 第2位置決め構造
101 筐体構造
1011 第1筐体
1013 第2筐体
1015 当接壁
103,103b カバー
11 位置決めピン
13 第1スナップ
131 本体
1311 第2当接面
133 第1締結部
1331 ガイド面
1333 第1当接面
13a 第2スナップ
133a 第2締結部
14 支持部
15 第2係止溝
16 支持部
17 押え部
18 第2スナップ
181 突き当て部
19 支柱
104 第1サイドシェル
105 第2サイドシェル
20 電池セル
201 第1端
203 第2端
21 電池セル本体
23 正極タブ
25 負極タブ
30 回路基板
301 第1面
303 第2面
31 第1貫通孔
33 第2貫通孔
34 第3貫通孔
35 第4貫通孔
3001,3001b 第3位置決め構造
3003 第4位置決め構造
36 位置決め孔
37 逃げ穴
38 第1係止溝
381 第1側壁
383 第2側壁
385 第3側壁
39 第3係止溝
40,40a 第1アダプタシート
41 第1固定部
43 第1折曲部
45 第1接続部
50,50a 第2アダプタシート
51 第2固定部
53 第2折曲部
55 第2接続部
60 第3アダプタシート
第1方向Z
第2方向X
第3方向Y
【国際調査報告】