(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】シリンジに針を収容するためのコーンを成形する装置、シリンジに針を収容するためのコーンを作る方法、及び、これらに関するシリンジ
(51)【国際特許分類】
C03B 23/045 20060101AFI20230720BHJP
A61M 5/34 20060101ALI20230720BHJP
C03B 33/14 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
C03B23/045
A61M5/34
C03B33/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579857
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 IB2021055449
(87)【国際公開番号】W WO2021260524
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】102020000014869
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517292697
【氏名又は名称】ステヴァナート・グループ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】STEVANATO GROUP S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】キッロン,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】キネッラート,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ニコレッティ,ファビアーノ
【テーマコード(参考)】
4C066
4G015
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE14
4C066FF05
4C066KK14
4C066PP02
4G015BA02
4G015FA09
4G015FB04
4G015FC07
(57)【要約】
ガラスシリンジのシリンジ本体(12)における針の収容コーン(8)の成形装置(4)は、収容コーン(8)を作り出すための穴(20)を作成するような形状を有する成形ツール(16)と、潤滑冷却液投入装置(24)とを備え、成形ツール(16)は、グリップ部(28)と、チップ(32)と、チップ(32)とグリップ部(28)との間に設けられ、穴(20)を作成するように構成されたチップ本体(36)とを備える。グリップ部(28)、チップ本体(36)、及びチップ(32)は、一体であり、主軸(X-X)に沿って配列されている。主軸(X-X)に垂直な断面に関して、チップ本体(36)は、非円形の断面を有し、主軸(X-X)に垂直な断面において、前記非円形の断面は、該断面の点(P)と主軸(X-X)との間の最大距離を半径とする最大円(40)に内接している。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療物質用のガラスシリンジのシリンジ本体(12)における針の収容コーン(8)の成形装置(4)であって、
前記シリンジ本体(12)における前記収容コーン(8)を作り出すための穴(20)を作成するような形状を有する成形ツール(16)と、
前記成形ツール(16)と前記シリンジ本体(12)との接触域に潤滑冷却液を投入する少なくとも1つの投入装置(24)と、を備え、
前記成形ツール(16)は、
対応する駆動手段によって掴まれて動かされるグリップ部(28)と、
前記シリンジ本体(12)上に前記穴(20)を成形するためのチップ(32)と、
前記穴(20)を作成するために前記チップ(32)と前記グリップ部(28)との間に設けられたチップ本体(36)と、を備え、
前記グリップ部(28)、前記チップ本体(36)、及び前記チップ(32)は、一体に連なり、前記シリンジ本体(12)及び/又は前記成形ツール(16)の回転軸である主軸(X-X)に沿って配列され、
前記主軸(X-X)に垂直な断面に関して、前記チップ本体(36)は、非円形の断面を有し、
前記主軸(X-X)に垂直な断面において、前記非円形の断面は、該断面の点(P)と前記主軸(X-X)との間の最大距離を半径とする最大円(40)に内接しており、
前記チップ本体(36)の全体の断面は、前記最大円(40)の断面よりも小さい、ことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
前記チップ本体(36)は、前記主軸(X-X)上の最大断面において、前記最大円(40)の断面の85%未満の断面を有する、請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記チップ本体(36)は、前記主軸(X-X)上の最大断面において、前記最大円(40)の断面の70%未満の断面を有する、請求項1または請求項2に記載の成形装置。
【請求項4】
前記チップ本体(36)の断面は、前記最大円(40)に対して、前記潤滑冷却液の通過を許容する少なくとも1つの凹部(44)を特定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項5】
前記チップ本体(36)は、前記主軸(X-X)に沿った断面において、前記潤滑冷却液の通過のための連続したチャネルを作り出すように互いに流体接続された複数の前記凹部(44)を示す、請求項4に記載の成形装置。
【請求項6】
前記チップ本体(36)の前記凹部(44)は、前記チップ本体(36)に沿って前記潤滑冷却液の通過のための連続したチャネルを作り出すように前記主軸(X-X)に沿って互いに接続されている、請求項4または請求項5に記載の成形装置。
【請求項7】
前記チップ本体(36)の前記断面は、前記主軸(X-X)に沿って変化する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項8】
前記チップ本体(36)の前記断面は、前記グリップ部(28)から前記チップ(32)に向かって前記主軸(X-X)に沿って先細りする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項9】
前記チップ(32)及び前記チップ本体(36)は、タングステンを含まない金属、非金属、及び/又はセラミックの材料からなる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項10】
前記チップ(32)及び前記チップ本体(36)は、完全に又は少なくとも部分的にタングステンからなる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項11】
前記チップ本体(36)の前記断面は、前記最大円(40)に内接した正多角形である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項12】
前記チップ本体(36)の前記断面は、前記最大円(40)に内接した閉じたポリラインである、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項13】
前記チップ本体(36)の前記断面は、前記最大円(40)に内接した曲線である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項14】
前記チップ(32)は、前記チップ本体(36)への接続部から先細りしている、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項15】
前記主軸(X-X)に対して垂直な断面に関して、前記チップ(32)は、前記チップ本体(36)と同じ形状を有する、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項16】
ガラスシリンジのシリンジ本体(12)における収容コーン(8)を作り出すための穴(20)を作成するような形状を有する成形ツール(16)であって、
前記成形ツール(16)は、請求項1から請求項9のいずれか1項、または、請求項11から請求項15のいずれか1項に記載されたものである、成形ツール。
【請求項17】
前記成形ツール(16)は、特に前記チップ(32)及び前記チップ本体(36)において、イットリウム化合物が添加されたセラミック材料からなる、請求項16に記載の成形ツール。
【請求項18】
前記セラミック材料は、酸化イットリウム(Y
2O
3)が添加された窒化ケイ素(Si
3N
4)であり、
好ましくは、前記酸化イットリウムは、重量3%と重量7%との間、若しくは、重量4%と重量6%との間の量だけ前記窒化ケイ素に含まれるか、又は、
前記セラミック材料は、酸化イットリウムとアルミナ(Al
2O
3)とを、合わせて、重量7%と重量13%との間、若しくは、重量8%と重量12%との間の量だけ含む窒化ケイ素である、請求項17に記載の成形ツール。
【請求項19】
針の収容コーン(8)が設けられた医療物質用のガラスシリンジを作る方法であって、
前記収容コーン(8)において穴(20)の範囲を定めることを目的とした側壁(23)が設けられたガラスシリンジのシリンジ本体(12)を用意するステップと、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の成形装置(4)を提供するステップと、
前記主軸(X-X)周りに前記シリンジ本体(12)及び/又は前記成形ツール(16)を回転させるステップと、
作成される穴(20)の対称軸(S-S)に前記成形ツール(16)の前記主軸(X-X)を位置合わせした後、前記シリンジ本体(12)の前記側壁(23)を成形するステップと、を備える方法。
【請求項20】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の成形装置(16)を用いて、且つ/又は、請求項19に記載の方法を用いて作られるシリンジであって、
前記シリンジは、タングステンを含有せず、0.5ナノグラムと1ナノグラムとの間の残余量のイットリウムを含有する、シリンジ。
【請求項21】
トシリズマブ、ダルベポエチンアルファ、ベバシズマブ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、オナボツリヌス毒素A、エクセナチド、イミグルセラーゼ、セルトリズマブペゴル、酢酸グラチラマー、セクキヌマブ、トリプトレリン、デュピルマブ、エタネルセプト、エポエチン、セツキシマブ、アフリベルセプト、フォリトロピンベータ、テリパラチド、パピローマウイルスワクチン、グルカゴン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、トラスツズマブ、インスリンリスプロ、インスリン、アダリムマブ、ジボテルミンアルファ、インターフェロンアルファ-2a、パリペリドン、ペムブロリズマブ、アナキンラ、抗血友病因子(第VIII因子)、インスリングラルギン、エノキサパリン、ラニビズマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、テネクテプラーゼ、A型ボツリヌス毒素、エポエチンベータ、ペグフィルグラスチム、フィルグラスチム、ソマトロピン、インスリンアスパルト、活性化ヘプタゴンアルファ、ロミプロスチム、ペグアスパルガーゼ、ニボルマブ、アバタセプト、絨毛性ゴナドトロピンアルファ、ペグ化インターフェロンアルファ-2a、ペルツズマブ、ペグ化インターフェロンベータ-1a、肺炎連鎖球菌ワクチン、デノスマブ、インフリキシマブ、アルテプラーゼ、ゴリムマブ、バシリキシマブ、エクリズマブ、ウステキヌマブ、パリビズマブ、アテゾリズマブ、インスリン デグルデク、イバリズマブ、リラグルチド、及びオマリズマブのうち、いずれか1つの活性物質が充填されるシリンジであって、
前記シリンジ(12)は、タングステンを含有せず、0.5ナノグラムと1ナノグラムとの間の残留量のイットリウムを含有することを特徴とする、シリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジに針を収容するためのコーンを成形する装置、シリンジに針を収容するためのコーンを作る方法、及び、これらによって得られるシリンジに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、固体、懸濁液、または溶液の形態で注入される医療物質を収容できるような中空円筒状のシリンジ本体を備えたガラスシリンジは、医療産業で広く使用されている。注射は、前部の送出端部を通して、該送出端部に取り付けられた針を介して行われ、針自体は、中空であり、シリンジ本体のキャビティに流体接続している。
【0003】
キャビティ内部にはピストンすなわちプランジャが収容されており、ピストンすなわちプランジャが、使用者、又は、自動若しくは半自動システムによって押し込まれることで、既知の方法での薬液の注入が可能になる。
【0004】
針を固定するように構成されたコーンをシリンジ本体上に形成することは、重要なステップを意味する。該ステップでは、実際、複数のローラを閉じて該ローラでガラスを成形する直前に、ツールのチップがシリンジ本体に取り付けられる。したがって、ガラスが非常に高温で可鍛性のある段階において、シリンジ本体に取り付けられた針の一部を収容するチャネルを開いた状態、つまり透過状態に維持する必要がある。この段階は、針を収容するための穴が閉じやすいというリスクがあるため重要である。
【0005】
実際、この成形は、特に壊れやすいガラス製の本体にクラックが形成され、結果として機械的強度が低下する可能性があるため、正確かつ制御された方法で行わなければならない。さらに、所望の位置または台座への針の挿入により発生する亀裂を後にもたらし得るような残留ガラス若しくは破砕ガラス、および/または、鋭利なエッジ部分を避けるために、針を収容するための穴は、非常に正確に成形されなければならない。
【0006】
さらに、数万個または数十万個の部品を処理しなければならないため、シリンジ内に針を収容するためのコーンを成形する動作も、可能な限り高速でなければならないことに留意すべきである。成形速度を上げると、欠陥に関してより大きなリスクをもたらすことは明らかである。
【0007】
収容する穴の透過性を維持するために、既知の解決策は、タングステンを含む成形チップの使用を伴う。実際、タングステンは、特に硬い材料であり、成形されるガラスに接触したときにチップに発生するかなりの摩耗だけでなく、高温にも耐性がある。
【0008】
タングステンには、かなり急速な成形動作を可能にすることによって摩耗/温度に対する耐性の問題を解決するものの、シリンジのガラスの汚染物質になり得る問題がある。換言すれば、高いガラス成形温度によって生じるその塩および酸化物の剥離および再堆積の結果として、チップから少量のタングステンがガラス上に放出される。これらのタングステン派生物は、シリンジ本体に含まれる薬剤や製剤と相容れない可能性があり、時間の経過とともに治療効果を変化させ得る。
【0009】
この理由から、タングステンチップを使用する成形プロセスにおいて、前記チップは、シリンジ本体へのタングステン化合物の放出を最小限に抑えるために限られた時間(2~4時間の範囲)だけ使用される。その後、チップは、交換されなければならない。
【0010】
空気中に含まれる酸素の酸化作用による酸化タングステンの形成をできるだけ回避または制限するために、成形段階中に吹き込まれるガス(典型的には窒素)を使用することも知られている。
【0011】
しかしながら、これらの解決策は複雑であり、全体のプロセスコストを増大させる。
【0012】
タングステンを含まない代替の成形チップも知られており、この場合、酸化物および塩などのタングステン化合物の形成の問題が上流で防止される。窒化ケイ素を含むチップは、この目的で使用されることが知られている。しかしながら、これらの解決策にはいくつかの欠点とデメリットがある。
【0013】
実際、窒化ケイ素チップは、硬く、中高温に耐性があるが、(サイズおよび形状の点で)同等のタングステンチップによって達成される速度および作動温度には対応できない。
【0014】
このような高温耐性の制限を少なくとも部分的に克服するために、ガラスと成形チップとの接触部に潤滑冷却流体の流れを適切に与えて、その作動温度を下げることが知られている。
【0015】
いずれにしても、チップの絶対的なサイズ、すなわち厚さは非常に小さいため、潤滑冷却流体が常に効果的に浸透してチップを潤滑および冷却するとは限らない。
【0016】
その結果、上記のような従来技術のチップでは、同等のタングステンチップの生産性能を達成したり、超えたりすることはできない。
【発明の概要】
【0017】
したがって、従来技術を参照して上述した欠点および制約を解決する必要がある。
【0018】
特に、シリンジの針の収容コーン用の成形チップにおいて、制御された雰囲気(例えば、窒素などの不活性ガス)を高コストで複雑に使用しなくても、正確、迅速、かつ信頼性の高い成形が可能であり、タングステンチップに劣らない機能寿命を有し、シリンジ本体での化合物の分離(放出)を完全になくしたり大幅に減らしたりすることを保証する成形チップを提供する必要がある。
【0019】
この要求は、請求項1に係る成形装置、及び、シリンジ内に針を収容するためのコーンを作るための請求項19に係る方法によって満足される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明のさらなる特徴および利点は、好ましく非限定的な実施例における以下の説明からより容易に理解され得る。
【0021】
【
図1a】本発明の一実施形態に係る成形装置の側面図を示す。
【
図1b】本発明に従って成形されたシリンジ本体の断面図を示す。
【
図2a】本発明の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図2c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図3a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図3c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図4a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図4c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図5a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図5c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図6a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図6c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図7a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図7c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図8a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図8c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図9a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図9c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図10a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図10c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図11a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図11c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図12a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図12c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図13a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図13c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【
図14a】本発明の別の実施例に係る成形ツールの側面図を示す。
【
図14c】同成形ツールをチップ側から見た平面図を示す。
【0022】
以下に説明される実施形態において共通する要素または要素部分は、同じ参照符号によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前述の図を参照して、参照符号4は、医療物質用のガラスシリンジのシリンジ本体12内に針(ニードル)の収容コーン(ハウジングコーン)8を成形するための装置を全体的に指すために使用されている。シリンジ本体12は、主軸(主たる延長軸、すなわち長手軸)X-Xを有する。
【0024】
装置4は、成形ツール16を備える。成形ツール16は、ガラス製のシリンジ本体12に収容コーン8を作り出すための穴20を作成するように形作られている。
【0025】
換言すれば、収容コーン8は、ガラス製のシリンジ本体12の壁を成形することによって、一連の段階で得られる。シリンジ本体12は、好ましくは一対のローラ22を使用することで、成形ツール16の周りに成形ツール16を囲むように収縮される。したがって、成形ツール16は雄プラグまたはピンとして機能し、一方、シリンジ本体12の側壁23は、主軸(主要延長軸)X-Xに垂直な径方向R-Rに沿って移動する前記ローラ22によって成形ツール16上で収縮される。成形ツール16が取り除かれると、後にシリンジの針を収容するための穴20が残される。
【0026】
成形装置4はまた、成形ツール16のチップ(先端)32、および/または、成形ツール16とガラス製のシリンジ本体12との接触域に、潤滑冷却液の投入装置(分配装置)24を備える。投入装置24は、潤滑冷却液のための1つまたは複数の投入ノズル(分配ノズル)25を備えてもよい。
【0027】
本発明の目的には、投入装置24の種類も、使用される潤滑冷却液の種類も関係ない。
【0028】
成形ツール16は、関連する駆動手段(モータ手段)による把持に適したグリップ部(シャンク部)28を備える。駆動手段は、シリンジ本体12に対して、成形ツール16を、主軸X-Xに沿って並進移動させたり、回転させたり、回転させながら平行移動させたりしてもよい。また、成形ツール16を動かないように保持し、シリンジ本体12を主軸X-Xに沿って並進、回転、且つ/又は、回転させながら平行移動させることも可能である。成形ツール16は、シリンジ本体12を成形するのに適したチップ(先端)32と、チップ32とグリップ部28との間に挿入され、ガラスを機械加工することによって穴20を作るのに適したチップ本体36とをさらに備える。
【0029】
グリップ部28、チップ本体36、およびチップ32は、好ましくは、互いに一体的に形成されており、成形ツール16の主軸(回転軸)X-Xに沿って配列(整列)されている。
【0030】
有利なことに、チップ本体36は、主軸X-Xに垂直な断面に関して、非円形の断面を有する。非円形の断面は、該断面における任意の点と主軸X-Xとの最大距離を半径として有する最大円40に内接するものである。前記最大距離は、主軸X-Xに垂直な断面上で測定されるものである。
【0031】
換言すれば、主軸X-Xに垂直な断面に関して、同じ主軸からの最大半径または最大距離が、主軸(回転軸)X-X周りに成形ツールを回転させた後、シリンジ本体12に形成され得る穴20の半径および直径を定義するものとして考慮される。
【0032】
このことは主軸X-Xに垂直な断面に関して、チップ本体36の断面が、最大円40の断面すなわち面積よりも常に小さいことを意味する。最大円40は、作られる穴20の半径に等しい半径を有する円である。さらに言い換えれば、チップ本体36は、最大円40に対する1つまたは複数の横方向の掘削部(凹部)を有する。
【0033】
好ましくは、チップ本体36は、主軸X-X上での最大の断面において、最大円40の断面の85%未満の断面を有する。
【0034】
さらなる実施形態によれば、チップ本体36は、主軸X-X上での最大の断面において、最大円40の断面の70%未満の断面を有する。
【0035】
チップ本体36の断面と最大円40との比率は、チップ本体36の必要な機械的ねじり強度(及び、曲げ強度)が常に保証されるように更に減少されてもよい。
【0036】
特に、チップ本体36の断面は、最大円40に対して、潤滑冷却液の通過を可能にするのに適した少なくとも1つの凹部44を画定する。
【0037】
換言すれば、最大円40によって与えられるチップ本体36の理論上の最大サイズに関して、円形ではなく、代わりに、潤滑冷却液の通路を形成するキャビティ(空洞)を構成する少なくとも1つの凹部44を有する形状を使用することが想定される。
【0038】
一実施形態によれば、チップ本体36は、主軸X-X上の断面において、潤滑冷却液の通路のための連続したチャネルを形成するように互いに流体接続された複数の凹部44を有する。
【0039】
好ましくは、チップ本体36の凹部44は、チップ本体36に沿った潤滑冷却液の通路のための連続したチャネルを形成するように主軸X-Xに沿って互いに流体接続されている。
【0040】
チップ本体36の断面は、主軸に沿って一定であることが好ましい。言い換えれば、チップ本体36は、円筒形であり、すなわち、全て主軸に平行な複数の直線からなるが、円形断面とは異なる断面(特に、少なくとも1つの凹部44が存在することにより最大円40よりも小さい断面)を有する。
【0041】
言うまでもなく、成形ツール16の機械的強度および耐久性/信頼性の目的のために、シリンジ本体12(チップ本体36)の断面は可能な限り対称であることが好ましい。
【0042】
チップ本体36の断面は、主軸X-Xに沿って変化してもよい。
【0043】
例えば、1つの可能な実施形態によれば、チップ本体36の断面は、グリップ部(シャンク部)28からチップ32に向かって、主軸X-Xに沿って先細りしてもよい。
【0044】
チップ本体36には、多くの可能な形状が存在する。
【0045】
例えば、チップ本体36の断面は、三角形、正方形、ひし形、五角形、六角形など、最大円40に内接する正多角形であってもよい。
【0046】
チップ本体36の断面は、長方形、台形、または任意の閉じた形状など、最大円40に内接する閉じたポリラインであってもよい。
【0047】
チップ本体36の断面は、最大円40に内接する曲線で形成されてもよい。この断面は、まっすぐな側面および/または湾曲した側面などを有してもよい。
【0048】
図2~
図14は、本発明に係る上述の可能な実施形態のいくつかを示す。
【0049】
例として示すように、
図2~
図14は、本発明の様々な実施形態に係るチップ本体36の可能な形状のいくつかを示す。
【0050】
例えば、
図2a~
図2cでは、特に、最大円40に内接する正三角形に従って、三角形の断面形状が想定されている。
【0051】
図3a~
図3cは、正方形の断面形状を示し、
図4a~
図4cは、長方形の断面形状を示し、
図5a~
図5cは、菱形の断面形状を示す。
【0052】
図6a~
図6cでは五角形の断面形状が想定され、
図7a~
図7cでは六角形の断面形状が想定されている。
【0053】
図8a~
図8cは、星形の断面形状を示し、
図9a~
図9cは、互いに垂直で等しい2つのアームを備え、該アームの長さが最大円40の直径に等しい十字形の断面形状を想定している。
【0054】
図10a~
図10cでは、片側にファセット(平面部)56を備えた、部分的に円形の断面形状が想定されている。排他的ではないが、好ましくは、ファセット56は、残りの円形断面の直径よりも小さい長さを有する。
【0055】
図11a~
図11cでは、楕円形の断面形状が想定され、該楕円の長軸は最大円40の直径に等しい。
【0056】
図12a~
図12cでは、部分的に円形の断面形状が想定され、主軸X-Xを挟んだ両側に、好ましくは対称に配置された一対のファセット(平面部)56が設けられている。
【0057】
図13a~
図13cは、最大円40の直径に等しい直径を有する円形断面形状を示し、実質的な放物線形状を有する一対の凹部44が、主軸X-Xを挟んだ両側に配置されている。
【0058】
最後に、
図14a~
図14cは、最大円40の直径よりも小さい直径を有する円形断面形状を示し、最大円40に実質的に接する円弧60が設けられている。
【0059】
円弧60は、主軸X-Xに沿って、前記円形形状の周りにらせん状にねじ込まれるねじ山64に対応する。
【0060】
チップ32は、好ましくは、チップ本体36への接続部から先細になっている。
【0061】
好ましくは、チップ32は、主軸X-Xに垂直な断面に関して、チップ本体36と同じ形状を有する。
【0062】
例えば、チップ本体36が正方形の断面を有する場合、チップ32もまた正方形の断面を有するが、先細であり、すなわち、より小さい辺(側面)を有する。
【0063】
チップ32の端部(先端)48は、鋭利である必要はない。
【0064】
例えば、チップ32は、主軸X-Xに垂直な面内に含まれる平らな端部(端面)48を有してもよい。
【0065】
チップ32には、円錐形、角錐形、または円錐台形の端部48が設けられてもよい。
【0066】
一実施形態によれば、グリップ部(シャンク部)28をチップ本体36に接続するための領域に、主軸X-Xに垂直な断面に関して、段状部(ネックイン部)52が設けられる。
【0067】
グリップ部(シャンク部)28は、任意の断面を有し得る。グリップ部(シャンク部)28は、最大円40に等しい円形断面を有してもよい。
【0068】
グリップ部(シャンク部)28の機能は、主軸X-X周りにおける成形ツール16の把持および/または移動を可能にすることであるが、シリンジ本体12から材料を除去する機能を有していない。
【0069】
好ましくは、グリップ部(シャンク部)28、チップ32、およびチップ本体36は、金属、セラミック、および/または非金属の材料からなり、タングステンを含まない。
【0070】
言うまでもなく、本発明は、完全または部分的にタングステンからなるチップに適用されてもよい。
【0071】
上述のように、成形ツール16およびチップ32の特定の形状により、収容コーン8での潤滑および温度封じ込めが可能になる。これにより、(従来のチップを用いて達成される高温を容易に形成し得る)タングステン化合物によるコーン8の汚染が低減されたり、ある程度の耐破損性を備えたセラミックチップの使用が可能になったりする。
【0072】
ただし、イットリウム化合物が添加されたセラミック材料を使用することによって、高強度のチップ32を有する成形ツール16が得られることが分かった。特に、イットリウム化合物が添加されたこのセラミック材料と、前述の成形ツール16およびチップ32の形状との組み合わせにより、タングステンチップに典型的な高温耐性の特性を失うことなく、タングステンチップの使用を回避することが可能になる。
【0073】
好ましい実施形態において、使用されるセラミック材料は、酸化イットリウム(Y2O3)が添加された窒化ケイ素(Si3N4)であり、より好ましくは、酸化イットリウムは、重量3%と重量7%との間、若しくは、重量4%と重量6%との間の量だけ窒化ケイ素に含まれる。特定の実施形態において、窒化ケイ素は、酸化イットリウムとアルミナ(Al2O3)とを、合わせて、重量7%と重量13%との間、若しくは、重量8%と重量12%との間の量だけ含む。
【0074】
イットリウム化合物が添加されたセラミック材料からなる成形ツール16を用いて、シリンジのコーンが成形された後、シリンジのコーン内に存在するイットリウムの残留量を評価するために、以下に説明される分析検出方法が開発された。
【0075】
イットリウムを検出する分析方法は以下の通りである。
[測定]
抽出溶媒として2%硝酸(HNO3)を使用して、加熱された超音波浴で抽出することにより、シリンジコーンから除去可能な元素Y
[分析技術]
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
[試験項目]
タイプI中性ホウケイ酸ガラス(USP<660>で定義されているタイプI中性ホウケイ酸ガラス)におけるバルクシリンジ(針が組み付けられておらず、内側コーティングされていないもの)であって、2種類のコーン型(ステークニードル(SN)およびルアーロック(LLC))を備えたもの
[定量範囲]
0.1~200μg/L
[抽出方法]
(a)各シリンジをスクリューキャップ付試験管に挿入する。
(b)シリンジに1mlの2%硝酸を満たし、試験管をキャップで閉じる。
(c)予熱された超音波浴に75度で1時間浸す。
(d)シリンジが入れられた試験管を(ボルテックスシェーカーで)振とうする。
(e)室温まで冷ます。
(f)試験管内のすべての液体を空にするように注意しながら、試験管からシリンジを取り出す。
(g)抽出溶液0.3mlを取り、新しい清潔な試験管に移し、2.7mlの内部標準溶液(2%硝酸中、イリジウム56μg/L)を加えることで、抽出物を10倍に希釈する。
(h)溶液を振って均質化する。
[機器の設定]
分析用に提出されたサンプル量:3mL(ステップ(g)のように希釈して取得)
内部標準の使用:イリジウム、最終濃度50μg/L
取得モード:標準
2%硝酸で調整され、0.1~200μg/Lの範囲の元素Yの検量線で校正される機器
原子量:193Ir、89Y
[シリンジ当たりのY抽出量の計算(1mLの抽出量を考慮)]
Y(ナノグラム/シリンジ)=C×FD
ここで、
C :ソフトウェアによって返される希釈抽出液の濃度(μg/L)
FD:希釈係数(10に等しい)
【0076】
コーン8からイットリウムを抽出する第2の方法が以下に説明される。
【0077】
[測定]
フッ化水素酸または無機化を促進する他の溶媒を用いたガラスマトリックス(コーン領域フラグメントのみ)の完全な無機化/分解に続いて定量可能なシリンジコーン中に存在する元素Y
【0078】
[分析技術]
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
【0079】
[試験項目]
タイプI中性ホウケイ酸ガラス(USP<660>で定義されているタイプI中性ホウケイ酸ガラス)におけるバルクシリンジ(針が組み付けられておらず、内側コーティングされていないもの)であって、2種類のコーン型(ステークニードル(SN)およびルアーロック(LLC))を備えたもの
【0080】
コーン8からイットリウムを抽出する第3の方法が以下に説明される。
【0081】
[測定]
シリンジのコーン領域の断片化によって識別可能なシリンジコーンに存在する元素Yであって、前処理または誘導体化を必要とすることなく、サンプリング、及び、その後のICP-MSによる決定のためにレーザーアブレーションを受けたもの
【0082】
[分析技術]
レーザーアブレーション、誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)
【0083】
[試験項目]
タイプI中性ホウケイ酸ガラス(USP<660>で定義されているタイプI中性ホウケイ酸ガラス)におけるバルクシリンジ(針が組み付けられておらず、内側コーティングされていないもの)であって、2種類のコーン型(ステークニードル(SN)およびルアーロック(LLC))を備えたもの
【0084】
上述の方法を使用することで、本発明の方法に従って、チップを用いて成形されたシリンジのコーン中のイットリウム含有量は、0.5ナノグラムと1ナノグラムとの間であることが確認された。
【0085】
成形装置4は、成形ツール16によって作り出された前記穴20を仕上げるために形作られた少なくとも1つの第2の成形ツールを備えてもよい。
【0086】
換言すれば、成形装置4はしばしば、一連の段階(一連のステップ)によって針の収容コーン8の形状を作り出す機能を有する複数の成形ツール16を含む。第1の段階(第1のステップ)は、下地の形成、すなわちメインの穴の成形で構成され、その後の段階(ステップ)は、細部を規定するために使用される。使用される複数の成形ツール16は、上述の特徴を有し得る。複数の成形ツール16は、同じ形状で異なるサイズを有してもよいし、異なる外形、表面形状、及び材料を有してもよい。複数の成形ツール16が一組の成形ツール16を構成する。
【0087】
次に、本発明に係る、シリンジ内に針を収容するためのコーンを成形する動作または方法が説明される。
【0088】
特に、成形ツール16は、グリップ部(シャンク部)28を介して適切な駆動手段に取り付けられる。
【0089】
次に、チップ32及び/又はチップ本体36の領域に潤滑冷却液の流れを有効にするように留意しつつ、シリンジ本体12が主軸(回転軸)X-X周りに回転される。
【0090】
最大円40の断面よりも小さい断面を想定するチップ本体36の形状により、潤滑冷却液は、シリンジ本体12のガラスが穴20を作成しながら機械加工されることを可能にし、同時に、成形ツール16の過熱と、これによる早期摩耗とを回避するために、潤滑冷却液の適切な流れが通過できるようにする。
【0091】
言うまでもなく、シリンジ本体12における(作られるべき)穴20の中心は、主軸X-Xの中心に位置合わせされなければならない。
【0092】
穴20を作り出した後、成形ツール16が取り出され、上述のように、少なくとも第2の成形ツールを使用して穴20の表面の仕上げが続けられる。
【0093】
上記の説明から分かるように、本発明に係る、シリンジ内に針を収容するためのコーンを成形するための装置により、従来技術に存在する欠点を克服することが可能になる。
【0094】
特に、本発明によれば、タングステンを全く含まなくてもよい成形チップの使用を想定しているため、ガラス製のシリンジ本体へのタングステン化合物の分離(放出)を回避または大幅に低減することが可能になる。
【0095】
したがって、本発明によれば、(タングステンチップを利用し、ガラス体上のタングステンの分離(放出)を封じ込めるための技術を採用する従来技術の解決策に係る)低タングステン含量を有するガラスシリンジから、タングステンを完全に含まないガラスシリンジ、または、従来技術よりもタングステン化合物の量が完全に少なく無視できる量のガラスシリンジへの移行が可能になる。
【0096】
タングステンが存在しないにもかかわらず、本発明の成形チップは、何らかの制御された雰囲気を使用することなく、タングステンチップを用いる場合と同じ成形精度および成形速度を得ることができる。
【0097】
実際、タングステンが存在しないことにより、関連するタングステン化合物の形成が妨げられ、他方で、チップ本体の特別な形状を想定することにより、チップの加熱温度を効果的に制御および抑制できるように、潤滑冷却流体の豊富な流れの使用が可能になる。
【0098】
この形状により、機械的および熱的観点から最もストレスのかかる領域に効果的に到達することができる潤滑冷却流体のための適切な断面通路が存在し、これにより、将来、ガラスにひびが入り得るような過剰な加熱と処理不良の両方を回避できる。例えば、冷却剤の準最適な流れにより、従来技術の方法に典型的なシリンジコーン表面のいわゆる「ねじ込み(screwing)」を排除することが可能である。なお、この現象は、コーンにおけるシリンジ内側の輪郭の不規則な形状、特に波形状に現れる。従来のチップの場合、この現象は、回転速度を遅くするだけで、実際に減らすことはできるが、なくすことはできず、結果的に処理が遅くなる。
【0099】
また、本発明の成形チップの機械的摩耗は、ガラス体の機械的処理中にチップが絶えず効果的に潤滑および冷却されるため、有利に監視および制御することができる。したがって、窒化ケイ素などの、タングステンよりも耐性の低い材料を使用する場合でも、ガラスの機械加工中に効果的な冷却と潤滑が存在することにより、チップは臨界温度に達することは決してないため、チップの消費は減少し、高い加工精度が保証され得る。
【0100】
特に、イットリウム化合物が添加されたセラミック材料からなる成形ツール16を使用する場合、タングステンを全く含まない(そして、無関係な残留イットリウム内容物を有する)シリンジを得ることが可能であり、同時に、生産プロセスを最適化できる。すなわち、従来の形状および組成のセラミックチップでは不可能であった高強度および高耐久性をチップ32に提供できる。
【0101】
これらのシリンジは、例えば、トシリズマブ、ダルベポエチンアルファ、ベバシズマブ、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、オナボツリヌス毒素A、エクセナチド、イミグルセラーゼ、セルトリズマブペゴル、酢酸グラチラマー、セクキヌマブ、トリプトレリン、デュピルマブ、エタネルセプト、エポエチン、セツキシマブ、アフリベルセプト、フォリトロピンベータ、テリパラチド、パピローマウイルスワクチン、グルカゴン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、トラスツズマブ、インスリンリスプロ、インスリン、アダリムマブ、ジボテルミンアルファ、インターフェロンアルファ-2a、パリペリドン、ペムブロリズマブ、アナキンラ、抗血友病因子(第VIII因子)、インスリングラルギン、エノキサパリン、ラニビズマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、テネクテプラーゼ、A型ボツリヌス毒素、エポエチンベータ、ペグフィルグラスチム、フィルグラスチム、ソマトロピン、インスリンアスパルト、活性化ヘプタゴンアルファ、ロミプロスチム、ペグアスパルガーゼ、ニボルマブ、アバタセプト、絨毛性ゴナドトロピンアルファ、ペグ化インターフェロンアルファ-2a、ペルツズマブ、ペグ化インターフェロンベータ-1a、肺炎連鎖球菌ワクチン、デノスマブ、インフリキシマブ、アルテプラーゼ、ゴリムマブ、バシリキシマブ、エクリズマブ、ウステキヌマブ、パリビズマブ、アテゾリズマブ、インスリン デグルデク、イバリズマブ、リラグルチド、及びオマリズマブなど、タングステンの存在に敏感な所定の活性物質に特に適合される。
【0102】
したがって、本発明のさらなる主題は、前述の活性物質の1つが充填されるシリンジが、タングステンを含まず、0.5ナノグラムと1ナノグラムとの間のイットリウム残留量を含むことを特徴とする。
【0103】
当業者は、偶発的かつ特定の必要性を満たすために、上述の成形装置に対して多くの修正および変形を行ってもよく、これらの修正および変形は、すべて、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】