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特表2023-532254コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法
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  • 特表-コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法 図1
  • 特表-コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法 図2
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  • 特表-コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法 図5B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20230720BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20230720BHJP
   B65D 81/22 20060101ALI20230720BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
G02C7/04
G02C11/00
B65D81/22
B65D75/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579866
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 GB2021051560
(87)【国際公開番号】W WO2021260353
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/042,575
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013611
【氏名又は名称】クーパーヴィジョン インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】エリス マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ノイス ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】スルカ ドミトリユス
【テーマコード(参考)】
2H006
3E067
【Fターム(参考)】
2H006BC07
2H006CA00
3E067AA13
3E067AB95
3E067AC01
3E067BA07A
3E067BA33A
3E067BB14A
3E067BB26A
3E067BC05A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA10
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA29
3E067EA32
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】コンタクトレンズに触れる必要性を最低限にするか又は少なくともコンタクトレンズを目に装着する前にコンタクトレンズの凹面表面に触れる必要性を最低限にするコンタクトレンズのブリスターパッケージおよびその使用方法を提供する。
【解決手段】コンタクトレンズのブリスターパッケージは、ベースシート及びシールシートを含む。ベースシート又はシールシートの一方はボウルを含み、他方は、ドーム及びシール面を含む。ドームは、約13mmから19mmの曲率半径と、シール面に対する7mm未満の高さとを有する。ドームは、ボウル内に突出して空洞を形成するように構成されている。また、関連する方法も記載される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースシート及びシールシートを備えるコンタクトレンズのためのブリスターパッケージであって、
前記ベースシート及び前記シールシートの一方は、ボウルを含み、
前記ベースシート及び前記シールシートの他方は、シール面及び前記シール面から突出するドームを含み、
前記ドームは、約13mmから19mmの曲率半径と、前記シール面に対する7mm未満の高さとを有し、
前記ドームは、前記ボウルの中に突出し、それによって前記ドームと前記ボウルとの間に空洞が形成され、
前記ベースシート及び前記シールシートは、互いに解放可能に取り付けられ、それによって前記空洞を解放可能に密封する、ブリスターパッケージ。
【請求項2】
前記ドームは、13mmから19mmの曲率半径と、シール面に対する1mmから7mmの高さとを有する、請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項3】
前記空洞の体積は2.0mL以下である、請求項1又は2に記載のブリスターパッケージ。
【請求項4】
前記ボウルは、前記ドームの前記曲率半径よりも小さい曲率半径と、前記ドームの前記高さよりも大きい深さとを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項5】
前記ベースシートは、前記ボウルの周縁部から外向きに延びるフランジ部を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項6】
前記シールシートは、プルタブをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項7】
前記ベースシート及び前記シールシートは、独立してフォイル材料で構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項8】
前記空洞は、コンタクトレンズを収容する、請求項1から7のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項9】
前記コンタクトレンズは、凹面がドームの方を向くように配向される、請求項8に記載のブリスターパッケージ。
【請求項10】
前記空洞は、コンタクトレンズ封入液も収容する、請求項8又は9に記載のブリスターパッケージ。
【請求項11】
前記コンタクトレンズ及び前記コンタクトレンズ封入液は、前記ボウルと前記ドームとの間に形成された前記空洞の全容積の少なくとも60%を満たす、請求項10に記載のブリスターパッケージ。
【請求項12】
前記コンタクトレンズ及び前記コンタクトレンズ封入液は、前記空洞内に密封される、請求項10又は11に記載のブリスターパッケージ。
【請求項13】
前記コンタクトレンズ及び前記コンタクトレンズ封入液は、前記空洞内に気密的に密封される、請求項12に記載のブリスターパッケージ。
【請求項14】
前記ドームは、14mmから18mmの曲率半径を有し、前記ボウルは、9mmから13mmの曲率半径を有し、前記ベースシートは、前記ボウルから半径方向外向きに延びる移行面を有し、前記移行面は、0.4mmから5.0mmの曲率半径を有する凸面を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のブリスターパッケージ。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一項に記載のブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法であって、前記ドーム及び前記コンタクトレンズが前記ボウルから引き離されるように、前記ベースシートから前記シールシートを剥がすことを含む、方法。
【請求項16】
前記ブリスターパッケージは、前記シールシートが前記ベースシートから剥がされる際に、前記封入液が実質的に前記ボウルの中に収容されるように配置される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンタクトレンズの凹面は、前記ドームに可逆的に付着される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンタクトレンズは、前記ドームから取り外され、目の表面に置かれる、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法であって、ドーム及びコンタクトレンズがボウルから引き離されるように、ベースシートからシールシートを剥がすことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示は、コンタクトレンズのためのパッケージ及びその使用方法に関し、より具体的には、コンタクトレンズを収容するブリスターパッケージ及びブリスターパッケージを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロゲル及びシリコーンヒドロゲル・コンタクトレンズなどのコンタクトレンズは、未着用のコンタクトレンズを無菌環境で保管することを可能にする密封されたブリスターパッケージ又はブリスターパックにしばしば包装される。例えば、使い捨ての親水性コンタクトレンズに無菌の密封された保管環境を提供するように適合されたブリスターパッケージは、米国特許第4,691,820号に記載されている。コンタクトレンズのパッケージのさらなる例は、米国特許第4,691,820号、米国特許第5,054,610号、米国特許第5,337,888号、米国特許第5,375,698号、米国特許第5,409,104号、米国特許第5,467,868号、米国特許第5,515,964号、米国特許第5,609,246号、米国特許第5,620,088号、米国特許第5,695,049号、米国特許第5,697,495号、米国特許第5,704,468号、米国特許第5,711,416号、米国特許第5,722,536号、米国特許第5,573,108号、米国特許第5,823,327号、米国特許第5,704,468号、米国特許第5,983,608号、米国特許第6,029,808号、米国特許第6,044,966号、米国特許第6,401,915号に開示されている。
【0003】
多くのコンタクトレンズのパッケージは、封入液中にコンタクトレンズを保管するためのボウルを有する比較的剛性のある熱可塑性基部と、熱可塑性基部にシールされた可撓性シール部材とからなる。コンタクトレンズのパッケージは、通常、ユーザが可撓性シール部材を熱可塑性基部から剥がし、空洞又はボウルに指を入れてコンタクトレンズをつまむか、さもなければパッケージから取り出すことができるように上手く扱う必要がある。その後、目に装着できるようにコンタクトレンズを指先に乗せる必要がある。コンタクトレンズを取り扱うことにより、レンズの表面に汚染物質が付着し、それが目に移送される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,691,820号
【特許文献2】米国特許第5,054,610号
【特許文献3】米国特許第5,337,888号
【特許文献4】米国特許第5,375,698号
【特許文献5】米国特許第5,409,104号
【特許文献6】米国特許第5,467,868号
【特許文献7】米国特許第5,515,964号
【特許文献8】米国特許第5,609,246号
【特許文献9】米国特許第5,620,088号
【特許文献10】米国特許第5,695,049号
【特許文献11】米国特許第5,697,495号
【特許文献12】米国特許第5,704,468号
【特許文献13】米国特許第5,711,416号
【特許文献14】米国特許第5,722,536号
【特許文献15】米国特許第5,573,108号
【特許文献16】米国特許第5,823,327号
【特許文献17】米国特許第5,704,468号
【特許文献18】米国特許第5,983,608号
【特許文献19】米国特許第6,029,808号
【特許文献20】米国特許第6,044,966号
【特許文献21】米国特許第6,401,915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンタクトレンズの包装を改善する必要性が残っており、特に、ユーザにとって便利であり、コンタクトレンズに触れる必要性を最低限にするか又は少なくともコンタクトレンズを目に装着する前にコンタクトレンズの凹面表面に触れる必要性を最低限にすることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上記の必要性に対処する。第1の態様において、本開示は、請求項1に記載の特徴を有するブリスターパッケージを提供する。
【0007】
本発明者らは、本発明のコンタクトレンズパッケージのドームとボウルとの間に形成された空洞内に収納されるコンタクトレンズの凹面が、意外にもドームに付着することを見出した。従って、シールシートがベースシートから剥がされると、コンタクトレンズは、コンタクトレンズの凸面がユーザの方に提示され、凹面がドームに付着した状態で、ボウルから離れて持ち上げられる。
【0008】
本開示は、ブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法をさらに提供し、この方法は、請求項15に記載された特徴を有する。従って、コンタクトレンズは、ドームから取り外して目の表面に置くことができる。
【0009】
好ましいが随意的な特徴は、従属請求項に記載される。
【0010】
ブリスターパッケージ及び方法の追加の態様及び実施形態は、以下の説明、図面、及び請求項から明らかになるであろう。上述の及び以下の説明から理解できるように、本明細書に記載された各々の及び全ての特徴、及び2又は3以上のこのような特徴の各々の及び全ての組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しない場合は本開示の範囲内に含まれる。加えて、何らかの特徴又は特徴の組み合わせは、何らかの実施形態から具体的に除外することができる。
【0011】
本開示の実施形態は、以下に添付の図面を参照して例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示によるブリスターパッケージの一実施例の上面図である。
図2】コンタクトレンズと、ボウルとドームの間に形成された空洞内に封入されたコンタクトレンズ封入液とを含む、図1のブリスターパッケージの側面図を示す。
図3】シールシートがベースシートから引き離された後の図1のブリスターパッケージの側面図を示す。
図4】本開示の特定の実施形態によるブリスターパッケージの開封に関連する一連のステップを示す。
図5A】ブリスターパッケージのベースシートを示す。
図5B図5Aの丸で囲まれた領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ブリスターパッケージ内に収納されたコンタクトレンズの取り出しを容易にするコンタクトレンズのブリスターパッケージが開発されている。詳細には、ブリスターパッケージは、ユーザが目に装着する前にコンタクトレンズの凹面に触れることを避け、空洞又はボウルに指を入れてコンタクトレンズをつまむか又は他の方法で取り扱うことを必要とせずに、パッケージからコンタクトレンズを取り出すことを可能にする。加えて、ブリスターパッケージは、ブリスターパッケージに保管された場合にコンタクトレンズが裏返る可能性を低減する。これらの利点は、目の不快感、刺激又は感染につながる可能性がある、目に装着する前のコンタクトレンズの汚染の可能性を低減するのに役立つ。
【0014】
上述したように、本開示の第1の態様は、コンタクトレンズのためのブリスターパッケージを提供する。ブリスターパッケージは、ベースシート及びシールシートを備える。ベースシート及びシールシートの一方はボウルを含み、ベースシート及びシールシートの他方は、コンタクトレンズの凹面に適合するように構成されたドームを含む。ドームはボウルの中に突出し、それによってドームとボウルとの間に空洞が形成される。ベースシート及びシールシートは、互いに解放可能に取り付けられ、それによって空洞を解放可能に密封する。しかしながら、ベースシート及びシールシートは、コンタクトレンズを収容するシールパッケージの高圧減菌に耐えるのに適したシールを有するように結合される。ベースシートは、ボウルの周縁部から外向きに広がるフランジ部を含むことができる。フランジ部は、上面及び下面を有することができる。シールシートは、シール面を含むことができ、ドームは、シール面から突出することができる。
【0015】
シールシートは、シールシートの外縁の近く又は外縁に配置されたプルタブを含むことができる。プルタブは、ユーザが把持することができるフラップの形態とすることができる。
【0016】
シールシートは、フランジ部の上面に取り付けることができる。
【0017】
シール面は、ボウルの周縁部の周りに可逆的に取り付けることができる。シール面は、ボウルの全周囲の周りに可逆的に取り付けることができる。ドームとボウルの間に形成される空洞は、気密的に密封することができる。
【0018】
ボウルは、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液の容積を保持するように構成される。空洞は、ドームとボウルの内面との間に形成される。ボウルは、実質的に丸みを帯びた、円筒形、凹形又は裁頭円錐形の形状を有することができる。
【0019】
典型的には、ボウルは、約8mmから14mmの曲率半径と、ボウルの周縁部の上面に対する10mm未満の深さ、好ましくは10mm未満で4mmを超える深さとを有する。曲率半径が約8mmから約14mmと、ボウルの周縁部の上面に対する10mm未満の深さとを有するボウルは、コンタクトレンズをドームに付着させる位置に保持するのに特に有効であることが明らかになっている。約10mmから約12mmの曲率半径及びボウルの周縁部に対する約6mmから約8mmの深さ、例えば約11mmの曲率半径及びボウルの周縁部に対する約7mmの深さが特に有利であることが分かっている。
【0020】
ドームは、コンタクトレンズの表面に実質的に適合するように構成されている。例えば、ドームは、コンタクトレンズの凹面に実質的に適合する凸面を有することができる。
【0021】
典型的には、ドームは、13mmから19mmの曲率半径と、シール面に対する7mm未満の高さ、好ましくは7mm未満で1mmを超える高さとを有する。コンタクトレンズは、約13mmから約19mmの曲率半径と、シール面に対する7mm未満の高さとを有するドームに容易に付着することが明らかになっている。詳細には、14.0mmから18.0mmの曲率半径及び3.5mmから4.5mmの高さ、例えば約15.7mmの曲率半径及びシール面に対する約4mmの高さが特に有効であることが分かっている。
【0022】
典型的には、ボウルは、ドームの曲率半径より小さい曲率半径と、ドームの高さより大きい深さとを有する。従って、ドームは、ボウルよりも浅く、湾曲が小さい。典型的には、ボウルの曲率半径は、ドームの曲率半径より少なくとも5%(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)小さく、ボウルの深さは、ドームの高さより少なくとも5%(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%)大きい。ドームがボウルより浅く、湾曲が小さい場合に、コンタクトレンズをボウルから確実に持ち上げることができることが分かっている。ボウルは、曲率半径がドームの曲率半径より約20%から約40%小さく、深さがドームの高さより約30%から約50%大きいことが特に有効である。好ましくは、ボウルは、ドームの曲率半径よりも約25%から約35%小さい曲率半径と、ドームの高さよりも約35%から約45%大きい深さを有し、例えば、ボウルは、約11mmの曲率半径及び約7mmの深さを有することができ、ドームは、約15.7mmの曲率半径及び約4mmの高さを有することができる。
【0023】
ドームとボウルとの間に形成された空洞は、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液の容積を収容するのに適した容積を有する。例えば、空洞は、2.0mL以下、例えば約1.5mLから約2.0mL、1.0mLから1.5mL、0.5mLから1.0mL又は0.1mLから0.5mLの容積を有することができる。好ましくは、空洞は0.3mLから0.9mL(例えば、0.3mL、0.4mL、0.5mL、0.6mL、0.7mL、0.8mL及び0.9mL)の容積を有する。より好ましくは、空洞は0.4mLから0.8mL(例えば0.40mL、0.45mL、0.50mL、0.55mL、0.60mL、0.65mL、0.70mL、0.75mL及び0.80mL)の容積を有する。さらに好ましくは、空洞は、0.5mLから0.7mL(例えば、0.50mL、0.51mL、0.52mL、0.53mL、0.54mL、0.55mL、0.56mL、0.57mL、0.58mL、0.59mL、0.60mL、0.61mL、0.62mL、0.63mL、0.64mL、0.65mL、0.66mL、0.67mL、0.68mL、0.69mL及び0.70mL)の容積を有する。
【0024】
ボウル内の封入液の容積は、キャビティの容積より小さいことになる。例えば、封入液の容積は、0.3mLから0.7mLとすることができる。封入液の量は、コンタクトレンズの不要な物理的変形をもたらすことなく、コンタクトレンズを水和状態で保存するのに十分である必要がある。好ましくは、ボウル内の封入液の量は、0.4mLから0.6mLである。
【0025】
ベースシート、シールシート、又はその両方は、平面からボウル又はドームの湾曲面へ延びる移行面を含むことができる。移行面は、平面とすることができ、ベースシート又はシールシートの平面からボウル又はドームの湾曲面(すなわち、ボウルの凹面又はドームの凸面)への降下角を与える。もしくは移行表面は、湾曲することができ、所望の大きさの力を用いてベースシートからシールシートを分離するのを容易にする曲率半径を有することができる。好ましくは、移行面は、ベースシートの平面からボウルの凹面に向かって凸状に湾曲しており、移行面の曲率半径は少なくとも0.4mmである。例えば、移行面の曲率半径は、0.4mmから5.0mmとすることができる。もしくは、移行面の曲率半径は、0.5mmから4.0mmとすることができる。もしくは、移行面の曲率半径は、0.5mmから3.0mmとすることができる。本発明者らは、本明細書に記載の移行面が、本明細書に記載のブリスターパッケージの開封をより容易にする可能性があることを見出している。追加的に又は代替的に、移行面の曲率半径を大きくすることで、密封されたブリスターパッケージを高圧殺菌処理した後に発生するブリスターパッケージの欠陥を低減できると思われる。例えば、曲率半径が約0.5mmの移行面を有する一部のブリスターパッケージでは、ベースシートのラミネート層間又はシールシートのラミネート層間、又はその両方で層間剥離が発生することが観察されている。移行面に対する0.5mmより大きい曲率半径を与えることによって、例えば、移行面に対する1.0mmから5.0mmの曲率半径を与えることによって、ベースシート、シールシート又はその両方において層間剥離を呈する、高温殺菌密封ブリスターパッケージの数を減少させることが可能である。
【0026】
シールシート及びベースシートは、別体とすること、又は、ベースシート又はシールシートの外縁付近又は外縁で部分的に取り付けることができる。
【0027】
コンタクトレンズは、ドームとボウルとの間に形成された空洞内に密封することができる。コンタクトレンズ封入液は、ドームとボウルとの間に形成された空洞内に密封することができる。例えば、シール面は、ボウルの周縁部の周りに取り付けることができるので、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、パッケージ内に密封することができる。コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、パッケージが破裂することなく高圧減菌による滅菌に耐えることができるように、空洞内に気密的に密封することができる。好ましくは、空洞内に密封されるコンタクトレンズは、未着用のコンタクトレンズである。
【0028】
空洞内に封入するのに適した典型的なコンタクトレンズは、略凸面及び反対側の略凹面を有し、コンタクトレンズが目の上に配置される場合に凸面は目から外方に向き、コンタクトレンズが目の上に配置される場合に凹面は目の方に向く。コンタクトレンズの形状は、実質的に球面キャップであり、約4mmから約20mmの直径を有する。例えば、コンタクトレンズは、5mmから17mm、6mmから16mm、又は7mmから15mmの直径を有することができる。また、コンタクトレンズは、約6mmから約15mmのベースカーブを有する。例えば、コンタクトレンズは、7mmから14mm、7mmから13mm、7mmから12mm、7mmから11mm、7mmから10mm、又は7mmから9mmのベースカーブを有することができる。好ましくは、コンタクトレンズは、約13mmから約15mm(例えば、14.0mm、14.2mm又は14.4mm)の直径及び約8mmから約9mm(例えば、8.4mm、8.6mm、及び8.7mm)のベースカーブを有する。
【0029】
空洞内に密封されたコンタクトレンズは、その凹面がドームの方を向くように配向することができる。好ましくは、コンタクトレンズの凹面は、ドームに可逆的に付着される。
【0030】
ブリスターパッケージに収納することができるコンタクトレンズの例は、ヒドロゲル・コンタクトレンズ又はシリコーンヒドロゲル・コンタクトレンズを含む。具体的な例は、以下の米国一般名(USAN)を有するものを含む。すなわち、メタフィルコンA、オキュフィルコンA、オキュフィルコンB、オキュフィルコンC、オキュフィルコンD、オマフィルコンA、オマフィルコンB、コンフィルコンA、エンフィルコンA、ステンフィルコンA、ファンフィルコンA、エタフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンB.セノフィルコンC、ナラフィルコンA、ナラフィルコンB、バラフィルコンA、サムフィルコンA、カリフィルコンA、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ソモフィルコンA、リオフィルコンA、デレフィルコンA、ベロフィルコンAなどである。
【0031】
空洞内に収容されるコンタクトレンズ封入液は、水、生理食塩水、又は緩衝水溶液を含む、コンタクトレンズを保存するために有用な何らかの公知の液体又は溶液とすることができる。コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、好ましくは、ボウルとドームとの間に形成された空洞の全容積の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%を満たす。コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、好ましくは、ボウルとドームとの間に形成された空洞の全容積の少なくとも60パーセントを満たす。例えば、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、ボウルとドームとの間に形成された空洞の全容積の60、65、70、75、80、85、90、95%又はそれ以上(例えば、95、96、97、98、99又は100%)、より好ましくは、ボウルとドームとの間に形成された空洞の全容積の少なくとも70%を満たすことができる。
【0032】
封入液は、典型的にはリン酸緩衝生理食塩溶液又はホウ酸緩衝生理食塩溶液であり、界面活性剤、湿潤剤、粘性剤などの1又は2以上の添加剤を含有することができる。
【0033】
ブリスターパッケージは、幅約30mmから35mm、長さ約60mmから70mm、高さ約10mmとすることができる。しかしながら、ブリスターパッケージは何らかのサイズ及び/又は形状を有することができることを理解されたい。
【0034】
ブリスターパッケージのベースシートはフォイル材料からなること、シールシートはフォイル材料からなること、又はベースシート及びシールシートの両方はフォイル材料からなることができる。フォイル材料は、アルミニウムフォイルのような金属フォイル材料からなることができる。ベースシート及び/又はシールシートは、2層又は多層材料からなることができ、例えば、ベースシート及び/又はシールシートは、ポリプロピレン積層金属フォイル材料又はポリアミド積層金属フォイル材料などのプラスチック積層フォイル材料からなることができる。ドームは、プラスチック材料の層、フォイルの二重層、プラスチック補強ドーム、又はこれらの組み合わせなどで補強することができる。ボウルは、プラスチック材料の層、フォイルの二重層、プラスチック補強ドーム、又はこれらの組み合わせなどで補強することができる。ボウル及び/又はドームは、ボウル及び/又はドームの周縁部に予め形成された接着剤リングを有することができる。ベースシートはプラスチック材料からなり、シールシートはフォイル材料からなることができる。ベースシート及びシールシートは、同じ材料で形成されたモノリシック構造とすることができる。ベースシート及びシールシートは、ヒートシール機を用いて熱と圧力を加えて2枚のシートを接合することで付着させることができる。ベースシート又はシールシート、又はその両方に有用な適切なフォイル材料は、欧州又は北米のAmcor Flexiblesなどの会社から入手することができる(www.amcor.com)。
【0035】
ブリスターパッケージ材料及びブリスターパッケージの製造方法の例は、例えば、米国特許第6,398,018号、米国特許第7,426,993号、及び米国特許第7,477,366号に、米国公開第2012/0061260号及び米国公開第2017/0096272号に、並びに国際公開第2013/160667号に記載されており、各々は参照により本明細書に組み込まれている。当業者は、ブリスターパッケージを製造するために当技術分野で知られている適切な材料及び技術に精通しているはずである。
【0036】
本発明のブリスターパッケージは、14mmから18mmの曲率半径を有するドームと、9mmから13mmの曲率半径を有するボウルとを有することができ、ベースシートは、ボウルから半径方向外向きに延びる移行面を有し、移行面は、曲率半径0.4mmから5.0mmの凸面を有する。ヒドロゲル又はシリコーンヒドロゲル・コンタクトレンズは、ボウルの凹面とドームの凸面との間の空洞に収容される封入液に含めることができる。ヒドロゲル又はシリコーンヒドロゲル・コンタクトレンズは、13.0mmから15.00mmの直径及び8.0mmから9.0mmのベースカーブを有することができる。ヒドロゲル又はシリコーンヒドロゲル・コンタクトレンズは、3.5mmから4.5mmの外矢状高さを有することができる。(外矢状高さは、コンタクトレンズの幾何学的中心における凸面から、コンタクトレンズ縁全体を含む平面の最も近い点までの垂直距離に相当する)。上述したように、ベースシート及びシールシートの各々は、積層フォイルで構成される、本質的に積層フォイルからなる、又は積層フォイルからなることができる。
【0037】
本発明のブリスターパッケージは、互いに取り付けてブリスターパッケージのアレイを形成することができる。これらは、その側面で横方向に取り付けること、又は互いに積み重ねることができる。
【0038】
上述のように、本開示の第2の態様は、第1の態様のブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法を提供し、ブリスターパッケージはコンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液を収容し、両方ともドームとボウルとの間に形成された空洞内に密封される。好ましくは、コンタクトレンズは、ドームに可逆的に付着される。
【0039】
本方法は、ドーム及びコンタクトレンズがボウルから引き離されるように、ベースシートからシールシートを剥がすステップを含む。
【0040】
シールシートは、最初にシールシートの縁部をベースシートから引き離し、続いてシールシートの残りの付着部分をベースシートから引き離すことによって、ベースから引き離すことができる。例えば、本方法は、ユーザがベースシートを第1の手の親指と指との間で保持し、次いでトップシートを第2の手の親指と指とで把持して、シールシートをベースシートから引き離すことを含むことができる。
【0041】
シールシートは、シール面がもはやベースシートに付着しないように、ベースシートから完全に引き離すことができる。あるいは、ユーザがドーム及びボウルにアクセスできるように、シールシートをベースシートから部分的に引き離すこともできるが、シールシートはベースシートに取り付いたままである。例えば、シールシートは、シール面がボウルの周縁部から完全に分離されるがフランジ部の外縁の近く又は外縁に取り付けられたままであるように、ベースシートから剥がすことができる。
【0042】
好ましくは、コンタクトレンズは、ドームに可逆的に付着される。従って、シールシートがベースシートから剥がされると、コンタクトレンズはボウルから離れて持ち上げられる。より好ましくは、コンタクトレンズの凹面は、ドームに可逆的に付着される。従って、コンタクトレンズの凸面が使用者に提示され、凹面がドームに可逆的に付着される。
【0043】
ブリスターパッケージは、プルタブを有するシール部材を含むことができる。プルタブは、ベースシートからシールシートを分離するために引っ張ることができる。従って、本方法は、プルタブを引っ張ることによってシールシートをベースシートから剥がすことをさらに含むことができる。例えば、ユーザは、ベースシートを第1の手の親指と指との間で保持し、次に、プルタブを第2の手の親指と指とで把持して、プルタブ及びシールシートをベースシートから引き離すことができる。
【0044】
本方法は、シールシートがベースシートから剥がされる際にコンタクトレンズ封入液がボウル内に実質的に収容されるようにブリスターパッケージを位置付けること、すなわち、ボウルがフロアから離れて上向きに配向され、シールシートがベースシートから剥がされる際にコンタクトレンズ封入液がボウル内に実質的に位置するように、ユーザによってブリスターパッケージが保持されることを含むことができる。
【0045】
本方法は、シールシートがベースシートから引き離された後、コンタクトレンズをドームから取り外すことをさらに含むことができる。次に、コンタクトレンズは、目、例えば人間の目の表面に配置することができる。
【0046】
本方法は、コンタクトレンズ封入液をボウルから吐出されること及び/又はブリスターパッケージを廃棄することをさらに含むことができる。
【0047】
上述のように、本発明者らは、ブリスターパッケージのボウルとドームとの間に形成された空洞内に収容されるコンタクトレンズが、驚くべきことに、空洞を画定するドームに付着することを見出した。従って、シールシートとベースシートが剥離されると、コンタクトレンズはボウルから離れて持ち上げられる。有利には、コンタクトレンズの凹面は、ドームに可逆的に付着する。従って、コンタクトレンズがボウルから持ち上げられると、コンタクトレンズの凸面がユーザに向かって提示され、凹面はドームに付着している。従って、コンタクトレンズは、ブリスターパッケージからレンズを取り出し、移送のためにコンタクトレンズを目の表面に配置するために、ユーザがレンズの内側の凹面に接触するのを回避することができる向きで提示される。さらに、ブリスターパッケージ及び方法は、ユーザが、ボウル内に収容される封入液に接触することなく、ブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出すことを可能にする。
【0048】
図面を参照すると、図1は、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液がパッケージ内に密封される前の、本開示による例示的なブリスターパッケージ100の上面図である。パッケージは、ホイルベースシート102及びホイルシールシート104を有する。ベースシート102は、ボウル106と、ボウル106の周縁部から外向きに延びるフランジ部108とを有する。ボウル106は、フランジ部分108から(図1では紙面の中に)凹んでいる。シールシート104は、ドーム112と、シール面110を含むフランジ部分とを有する。ドーム112は、シール面110から(図1では紙面の外に)広がっている。シールシート104の外縁114は、ベースシート102の外縁116に沿って取り付けられている。コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、ボウル106内に収容することができる。シールシートは、シール面110がフランジ部分108を覆うように、取り付けられた外縁116及び114によって形成されたヒンジに沿って折り畳むことができる。このような構成において、ドーム112は、ドーム112の略凸面とボウル106の略凹面との間に空洞を形成するようにボウル106内に広がる。
【0049】
図2は、コンタクトレンズ118及びコンタクトレンズ封入液120がブリスターパッケージ内に密封された密封構成におけるブリスターパッケージ100を示す。シールシート104はベースシート102上に重ねられている。ドーム112は、ドーム112がボウル106内に広がるようにボウル106と位置合わせされている。シール面110は、ボウル106の周縁部の周りに取り付けられ、ボウル106とドーム112との間に密封された空洞122を形成する。コンタクトレンズ118及びコンタクトレンズ封入液120は、キャビティ122内に密封される。ドーム112は、コンタクトレンズ118の凹面に適合するか又は実質的に適合する。コンタクトレンズ102は、その凹面がドーム112の凸面の方を向くように配向される。
【0050】
図3は、シールシート104がベースシート102から剥がされた状態のブリスターパッケージ100の側面図を示す。シール面110は、ボウル及びドームが使用者にアクセス可能であるように、ボウルの周縁部から剥離されている。コンタクトレンズ118の凹面は、ドーム112に付着している。従って、コンタクトレンズ118の凸面は、ユーザに提示される。コンタクトレンズ封入液120は、ボウル106内に実質的に収容される。ユーザは、コンタクトレンズの凹面に触れることなく及びボウル106内に収容されるコンタクトレンズ封入液に触れることなく、コンタクトレンズ118をドーム112から取り外すことができる。ベースシート及びシールシートは、外縁114及び116に沿って取り付けられたままである。
【0051】
図4は、ブリスターパッケージ220を示し、これは、開封されると、コンタクトレンズ250が、コンタクトレンズ用のシートとして機能するドーム228上でユーザに提示されるように構成されている(図4の右端の描写によって示されるように)。コンタクトレンズは、コンタクトレンズ封入液を収容することができるボウルに指を入れることなく、ドームから持ち上げて取り出すことができる。コンタクトレンズをドーム上に提示するためには、ボウル236がドーム228から離れて持ち上げられる際に、ドーム228がフロアから離れて上方に向けられるようにブリスターパッケージ220を位置決めする必要がある。図4は、開封手順中の3つの異なる時点におけるブリスターパッケージ220を示す。左端は、新しい、未開封の、剥がされていないブリスターパッケージ220である。ブリスターパッケージ220は、ベースシート224と、ドーム228の外側側壁232とボウル236の内側側壁240との間にコンタクトレンズ250を密封するシールシート222とを備える。ボウル236の外面242は、密封されたブリスターパッケージドーム245の外面244でもある。図示の中間状態において、ベースシート224は、シールシート222のシール面252の一部から持ち上げられている。図4の右端に示すように、ベースシート224が剥がされると、コンタクトレンズ250は、指先と接触させて目の表面に装着することができる。ベースシート224がドーム228から離れて持ち上げられると、ボウル内に収容されるあらゆるコンタクトレンズ封入液は、ボウルから排出され、コンタクトレンズ及びドーム228から離れてフロア又は他の表面に排出される。図4に示されるように、本開示の特定の実施形態において、コンタクトレンズのブリスターパッケージ220が提供され、ブリスターパッケージ220は、ベースシート224及びシールシート222を備え、ベースシート224及びシールシート222の両方は、第1及び第2の半球状の端部を有し、ベースシート224は、ボウル236を含み、シールシート222は、シール面223と、シール面223から突出するドーム228とを含み、ドームは、コンタクトレンズ250のためのシート面232を提供し、ドームは、ブリスターパッケージが密封されると、ドームがボウル236内に突出し、それによってドーム228とボウル236の間に空洞を形成するように構成されている。加えて、ブリスターパッケージのベースシート224及びシールシート222の両方は、円形貫通孔270、280を含み、円形貫通孔は、ブリスターパッケージが密封される場合に整合して、これは、第2の、別個ではあるが実質的に同一のブリスターパッケージのドームを少なくとも部分的に収容する。
【0052】
図5Aは、本開示のブリスターパッケージのベースシートを示す。図5Bは、ベースシートの丸で囲まれた領域の拡大図である。図5Bは、平面121と、ボウル106と、平面からボウルの湾曲面まで延びる移行面124とを有するベースシート102を示す。移行面124は、所定の曲率半径を有する凸状の湾曲面として示されている。曲率半径は、図5Bに示される直径Dの半分に相当する。移行面の曲率半径は、0.4mmから5.0mmとすることができる。
【0053】
本発明のブリスターパッケージ及び方法の様々な態様は、以下の条項から理解されるであろう。
【0054】
[条項1]
ベースシート及びシールシートを含むコンタクトレンズのためのブリスターパッケージであって、ベースシート及びシールシートの一方はボウルを含み、ベースシート及びシールシートの他方はシール面及びシール面から突出するドームを含み、ドームは、約13mmから19mmの曲率半径と、シール面に対する7mm未満の高さを有し、ドームは、ボウル内に突出して、それによってドームとボウルの間に空洞が形成され、ベースシート及びシールシートは互いに解放可能に取り付けられ、それによって空洞を解放可能に密封する。
【0055】
[条項2]
ドームは、13mmから19mmの曲率半径と、シール面に対する1mmから7mmの高さを有し、好ましくは、ドームは、14.0mmから18.0mmの曲率半径と、シール面に対する3.5mmから4.5mmの高さとを有する、条項1に記載のブリスターパッケージ。
【0056】
[条項3]
空洞は、2.0mL以下、例えば約1.5mLから2.0mL、1.0mLから1.5mL、0.5mLから1.0mL、又は0.1mLから0.5mLの体積を有し、好ましくは、空洞は、0.3mLから0.9mLの体積を有する、条項1又は2のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0057】
[条項4]
ボウルは、ドームの曲率半径よりも小さい曲率半径と、ドームの高さよりも大きい深さとを有し、例えば、ボウルは、ドームの曲率半径よりも少なくとも5%小さい曲率半径と、ドームの高さよりも少なくとも5%大きい深さとを有する、条項1から3のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0058】
[条項5]
ベースシートは、ボウルの周縁部から外向きに延びるフランジ部を含む、条項1から4のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0059】
[条項6]
シールシートは、プルタブをさらに含む、条項1から5のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0060】
[条項7]
ベースシート及びシールシートは、独立してフォイル材料で構成される、条項1から6のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0061】
[条項8]
空洞は、コンタクトレンズ、好ましくは未使用のコンタクトレンズを収容する、条項1から7のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
【0062】
[条項9]
コンタクトレンズは、その凹面がドームの方を向くように配向される、条項8に記載のブリスターパッケージ。
【0063】
[条項10]
空洞は、コンタクトレンズ封入液も収容する、条項8又は9に記載のブリスターパッケージ。
【0064】
[条項11]
コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、ボウルとドームとの間に形成された空洞の全容積の少なくとも60%を満たす、条項10に記載のブリスターパッケージ。
【0065】
[条項12]
コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、空洞内に密封される、第10項又は第11項に記載のブリスターパッケージ。
【0066】
[条項13]
コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ封入液は、空洞内に気密的に密封される、条項12に記載のブリスターパッケージ。
【0067】
[条項14]
条項8から13のいずれかに記載のブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法であって、ドーム及びコンタクトレンズがボウルから引き離されるように、ベースシートからシールシートを剥がすことを含む方法。
【0068】
[条項15]
ブリスターパッケージは、シールシートがベースシートから剥がされる際に、封入液が実質的にボウルの中に収容されるように配置される、条項14に記載の方法。
【0069】
[条項16]
コンタクトレンズの凹面は、ドームに可逆的に付着される、条項14又は15に記載の方法。
【0070】
[条項17]
コンタクトレンズは、ドームから取り外され、目の表面に置かれる、条項14から16のいずれかに記載の方法。
【0071】
[条項18]
ブリスターパッケージからコンタクトレンズを取り出す方法であって、ドーム及びコンタクトレンズがボウルから引き離されるように、ベースシートからシールシートを剥がすことを含む方法。
【0072】
本明細書における開示は、特定の例示的な実施形態に言及するが、それらの実施形態は例示的に提示されたものであり、限定するためのものでない。上述の詳細な説明の目的は、例示的な実施形態が説明されるが、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲含まれる実施形態の全ての変更例、代替例、及び等価物を網羅するように解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
100 ブリスターパッケージ
102 ベースシート
104 シールシート
106 ボウル
108 フランジ部
110 シール面
112 ドーム
114 外縁
116 外縁
118 コンタクトレンズ
120 コンタクトレンズ封入液
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【国際調査報告】