(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】偏光ダイバーシティおよびタイミングスキュー管理を備えたマルチチャネル電気光学レシーバ、トランスミッタ、および、コンバイナ装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/67 20130101AFI20230720BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20230720BHJP
H04B 10/516 20130101ALI20230720BHJP
G02F 2/00 20060101ALI20230720BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20230720BHJP
G02B 6/126 20060101ALI20230720BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20230720BHJP
【FI】
H04B10/67
H04J14/02
H04B10/516
G02F2/00
G02B6/12 301
G02B6/126
H01L31/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579930
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021038550
(87)【国際公開番号】W WO2021262766
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519011669
【氏名又は名称】アヤー・ラブス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AYAR LABS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルガバ・パヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン オーデン・デレク
(72)【発明者】
【氏名】ウェイド・マーク
(72)【発明者】
【氏名】フィ-ニ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ポポビク・ミロス
(72)【発明者】
【氏名】キーロ・アナトール
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
5F149
5K102
【Fターム(参考)】
2H147AB02
2H147AB05
2H147AB13
2H147AB16
2H147AB21
2H147AC04
2H147BA05
2H147BB02
2H147BC05
2H147BD03
2H147BD15
2H147BD16
2H147BE15
2H147BE22
2H147BG04
2H147CA17
2H147CA21
2H147CA22
2H147CA23
2H147DA10
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14A
2H147EA14B
2H147GA11
2K102BA14
2K102BA40
2K102BB01
2K102BD02
2K102CA02
2K102DC07
2K102EA21
2K102EA25
2K102EB06
2K102EB11
2K102EB22
5F149AA02
5F149AA04
5F149AB02
5F149DA06
5F149EA11
5F149XB05
5F149XB15
5F149XB36
5F149XB37
5K102AD01
5K102AD15
5K102MA01
5K102MA02
5K102MB12
5K102MC06
5K102MD01
5K102MD03
5K102MH03
5K102MH14
5K102MH22
5K102PB12
5K102PB15
5K102PC04
5K102PH01
5K102PH22
5K102PH31
5K102PH32
5K102PH42
5K102PH49
5K102PH50
5K102RB01
5K102RD04
5K102RD05
5K102RD13
(57)【要約】
【解決手段】特性化されておらずおよび/または時間と共に変化する2つの偏光を有する入射光を、処理に向けて単一偏光の光に変換するために、偏光スプリッタ/ローテータ(PSR)が、様々な電気光学レシーバ、トランスミッタ、および、コンバイナ内に実装されている。単一偏光は、レシーバ実施形態において検出され、または、トランスミッタ実施形態において変調される。複数のリング共振器が、単一偏光の検出および/または変調を容易にするために用いられ、ここで、各リング共振器は、PSR出力から伸びる1または複数の光導波路へ光結合している。いくつかのトランスミッタ実施形態において、PSRによって出力された偏光回転済みの光は、逆接続されたPSRによる変調の後に、偏光逆回転される。いくつかのレシーバ実施形態において、偏光回転された光および偏光回転されていない光(同じ偏光を有する)が、1または複数の光検出器への結合に向けて、PSRから同じ光導波路へ反対方向に出力される。線形光検出器が、入射光信号内の異なる偏光に対応する光を別個に検出する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学レシーバであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に第1端と、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続されている第2端とを有する光導波路と、前記入射光の前記第1部分は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力から前記光導波路を通して第1方向に伝搬し、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力から前記光導波路を通して前記第1方向と反対向きの第2方向に伝搬し、
前記光導波路に沿って前記光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器型光検出器と、を備え、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、前記複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記第1部分が、第1伝搬方向に前記複数のリング共振器型光検出器の内の前記所与の1つへ光結合し、前記複数のリング共振器型光検出器の内の前記所与の1つの前記それぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が、前記第1伝搬方向とは反対向きの第2伝搬方向に前記複数のリング共振器型光検出器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学レシーバであって、前記複数のリング共振器型光検出器は、前記光導波路の前記第1端と、前記光導波路の前記第1端および前記第2端の間のおよそ中間に位置する前記光導波路の中間点との間に配置されている第1セットのリング共振器型光検出器を含み、前記複数のリング共振器型光検出器は、前記光導波路の前記第2端と前記光導波路の前記中間点との間に配置されている第2セットのリング共振器型光検出器を含む、電気光学レシーバ。
【請求項3】
請求項1に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記光導波路へ光結合されている可変光減衰器であって、電気制御信号に従って光を減衰させるよう構成されている、可変光減衰器を備える、電気光学レシーバ。
【請求項4】
請求項1に記載の電気光学レシーバであって、前記偏光スプリッタ/ローテータは、二重偏光型光カプラとして実装されている、電気光学レシーバ。
【請求項5】
請求項1に記載の電気光学レシーバであって、前記偏光スプリッタ/ローテータは、エッジカプラから入射光を受信するように光学的に接続されている、電気光学レシーバ。
【請求項6】
請求項1に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記複数のリング共振器型光検出器の内の任意の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数のリング共振器型光検出器の内の前記任意の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システムを備える、電気光学レシーバ。
【請求項7】
電気光学レシーバであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続されている第1端と、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続されている第2端とを有する光導波路と、前記入射光の前記第1部分は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力から前記光導波路を通して第1方向に伝搬し、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力から前記光導波路を通して前記第1方向と反対向きの第2方向に伝搬し、
前記光導波路に沿って前記光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器と、前記複数のリング共振器の各々は、前記複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記第1部分が、第1伝搬方向に前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合し、前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つの前記それぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が、前記第1伝搬方向とは反対向きの第2伝搬方向に前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、
前記複数のリング共振器とそれぞれ関連付けられている複数の光検出器と、
前記複数のリング共振器へそれぞれ光結合されている複数の出力光導波路と、を備え、前記出力光導波路の各々は、結合セクション、短尺セクション、および、長尺セクションを備え、前記結合セクションは、前記複数のリング共振器の内の対応する1つからの光をエバネッセントにインカップリングするように配置され、前記短尺セクションは、前記結合セクションの第1端から前記複数の光検出器の内の対応する1つまで伸び、前記長尺セクションは、前記結合セクションの第2端から前記複数の光検出器の内の前記対応する1つまで伸びている、電気光学レシーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の電気光学レシーバであって、前記長尺セクションの長さおよび前記短尺セクションの長さは、前記長尺セクションおよび前記短尺セクションが光学的に接続されている前記光検出器の内の前記対応する1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するように規定されている、電気光学レシーバ。
【請求項9】
請求項7に記載の電気光学レシーバであって、前記長尺セクションの前記長さは、前記複数の出力光導波路の各々について異なっている、電気光学レシーバ。
【請求項10】
請求項7に記載の電気光学レシーバであって、前記長尺セクションの前記長さは、前記複数のリング共振器の内の前記対応する1つと、前記光導波路の中間点との間の距離が減少するにつれて減少し、前記光導波路の前記中間点は、前記光導波路の前記第1端と前記光導波路の前記第2端との間のおよそ中間にある、電気光学レシーバ。
【請求項11】
請求項7に記載の電気光学レシーバであって、前記複数の光検出器の各々は、線形光検出器であり、前記短尺セクションは、前記線形光検出器の第1端へ光学的に接続され、前記長尺セクションは、前記線形光検出器の第2端へ光学的に接続されている、電気光学レシーバ。
【請求項12】
請求項11に記載の電気光学レシーバであって、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第1半分において前記入射光の前記第1部分のほとんどを吸収するよう構成され、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第2半分において前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学レシーバであって、前記線形光検出器の前記第1半分に沿って配置されている1または複数の電気接点が、第1光電流検出回路へ電気的に接続され、前記線形光検出器の前記第2半分に沿って配置されている1または複数の電気接点が、第2光電流検出回路へ電気的に接続されている、電気光学レシーバ。
【請求項14】
請求項7に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記複数の光検出器の内の所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数の光検出器の内の前記所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システムを備える、電気光学レシーバ。
【請求項15】
フォトニック回路を動作させるための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
光導波路の第1端を通るように前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
前記光導波路の第2端を通るように前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、前記光導波路は、前記第1端から前記第2端まで連続的に伸び、
前記光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、複数のリング共振器を動作させること、を備え、前記複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する前記入射光の前記第1部分および前記それぞれの共振波長を有する前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の両方をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作される、方法。
【請求項16】
請求項15に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
可変光減衰器を通して、前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記第2部分を伝送し、
前記複数のリング共振器が前記それぞれの共振波長に調整されている時に、前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記第2部分の光電力を減衰させるように前記可変光減衰器を制御し、
前記複数のリング共振器が前記それぞれの共振波長で動作している時に、前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記第2部分の前記光電力を減衰させないように前記可変光減衰器を制御すること、
を備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、前記複数のリング共振器の各々は、それぞれの光検出器を備える、方法。
【請求項18】
請求項15に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記入射光の前記第1部分が、前記複数の出力光導波路の内の対応する1つの長尺セクションを通して伝送され、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が、前記複数の出力光導波路の内の前記対応する1つの短尺セクションを通して伝送されるように、前記複数のリング共振器の各々からの光を、前記複数の出力光導波路の内の前記対応する1つへ光結合し、
前記複数の出力光導波路の内の前記対応する1つの前記長尺セクションの出力端で前記入射光の前記第1部分を検出するように、光検出器を動作させ、
前記複数の出力光導波路の内の前記対応する1つの前記短尺セクションの出力端で前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を検出するように、前記光検出器を動作させること、
を備える、方法。
【請求項19】
電気光学レシーバであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路と、
前記第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器と、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記第1部分が、前記第1複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、
前記第1複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路と、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路と、
前記第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器と、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第2複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が、前記第2複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、
前記第2複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路と、
複数の光検出器と、を備え、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、および、前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続され、前記第1複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つは、所与の共振波長を有する前記第1複数のリング共振器の内の1つへ光結合され、前記第2複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つは、実質的に同じ所与の共振波長を有する前記第2複数のリング共振器の内の1つへ光結合されている、電気光学レシーバ。
【請求項20】
請求項19に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力から、前記第1複数のリング共振器の内の前記偏光スプリッタ/ローテータに最も近い1つまで伸びている第1セクションを備え、前記第2光導波路は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力から、前記第2複数のリング共振器の内の前記偏光スプリッタ/ローテータに最も近い1つまで伸びている第1セクションを備え、前記第1光導波路の前記第1セクションは前記第2光導波路の前記第1セクションよりも長く、または、前記第2光導波路の前記第1セクションは前記第1光導波路の前記第1セクションよりも長い、電気光学レシーバ。
【請求項21】
請求項20に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路の前記第1セクションの長さおよび前記第2光導波路の前記第1セクションの長さは、前記複数の光検出器の内の前記偏光スプリッタ/ローテータに最も近い1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するよう規定されている、電気光学レシーバ。
【請求項22】
請求項20に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路の前記第1セクションの長さおよび前記第2光導波路の前記第1セクションの長さは、前記偏光スプリッタ/ローテータが、前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ出力し、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ出力する際の時間差を補償するように規定されている、電気光学レシーバ。
【請求項23】
請求項19に記載の電気光学レシーバであって、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、前記第2複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器である、電気光学レシーバ。
【請求項24】
請求項23に記載の電気光学レシーバであって、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第1半分において前記入射光の前記第1部分のほとんどを吸収するよう構成され、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第2半分において前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項25】
請求項24に記載の電気光学レシーバであって、1または複数の電気接点が、前記線形光検出器の前記第1半分に沿って配置され、第1光電流検出回路へ電気的に接続されており、1または複数の電気接点が、前記線形光検出器の前記第2半分に沿って配置され、第2光電流検出回路へ電気的に接続されている、電気光学レシーバ。
【請求項26】
請求項19に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記複数の光検出器の内の所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数の光検出器の内の前記所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システムを備える、電気光学レシーバ。
【請求項27】
フォトニック回路を動作させるための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路へ前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記第1光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器を動作させ、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作され、
前記第1複数のリング共振器からの光を前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合し、
前記第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付け、
前記第2光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器を動作させ、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第2光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作され、
前記第2複数のリング共振器からの光を前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合し、
前記第2複数の出力光導波路内の光を前記複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けること、
を備える、方法。
【請求項28】
請求項27に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、前記第1光導波路は、入力セクションを備え、前記第2光導波路は、入力セクションを備え、前記第1光導波路の前記入力セクションが前記第2光導波路の前記入力セクションよりも長く、または、前記第2光導波路の前記入力セクションが前記第1光導波路の前記入力セクションよりも長い、方法。
【請求項29】
請求項28に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記複数の光検出器の内の所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するように、前記第1光導波路の前記入力セクションの長さおよび前記第2光導波路の前記入力セクションの長さを規定することを備える、方法。
【請求項30】
請求項29に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記複数の光検出器の内の前記所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数の光検出器の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償することを備える、方法。
【請求項31】
請求項29に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、前記第1光導波路の前記入力セクションの長さおよび前記第2光導波路の前記入力セクションの長さは、前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ方向付けることと、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ方向付けることとの間の時間差を補償するように規定される、方法。
【請求項32】
請求項27に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器である、方法。
【請求項33】
請求項32に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記線形光検出器の第1半分において前記入射光の前記第1部分のほとんどを吸収するように、前記線形光検出器を動作させ、
前記線形光検出器の第2半分において前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するように、前記線形光検出器を動作させること、
を備える、方法。
【請求項34】
請求項33に記載のフォトニック回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記線形光検出器の前記第1半分で生成された光電流を検出するよう第1光電流検出回路を動作させ、
前記線形光検出器の前記第2半分で生成された光電流を検出するよう第2光電流検出回路を動作させること、
を備える、方法。
【請求項35】
電気光学レシーバであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する2×2光スプリッタと、前記2×2光スプリッタは、前記第2光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、前記2×2光スプリッタは、前記入射光の前記第1部分の一部および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を、前記2×2光スプリッタの前記第1光出力および前記第2光出力の各々を通して出力するよう構成され、
前記2×2光スプリッタの前記第1光出力へ光学的に接続されている第3光導波路と、
前記第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器と、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第3光導波路から前記第1複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、
前記第1複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路と、
前記2×2光スプリッタの前記第2光出力へ光学的に接続されている第4光導波路と、
前記第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器と、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第2複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第4光導波路から前記第2複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、
前記第2複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路と、
複数の光検出器と、を備え、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、および、前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続され、前記第1複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つは、所与の共振波長を有する前記第1複数のリング共振器の内の1つへ光結合され、前記第2複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つは、同じ所与の共振波長を有する前記第2複数のリング共振器の内の1つへ光結合されている、電気光学レシーバ。
【請求項36】
請求項35に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路および前記第2光導波路は、異なる長さを有する、電気光学レシーバ。
【請求項37】
請求項36に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さは、前記2×2光スプリッタの前記第1光入力および前記第2光入力への前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するよう規定されている、電気光学レシーバ。
【請求項38】
請求項36に記載の電気光学レシーバであって、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さは、前記偏光スプリッタ/ローテータが、前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ出力し、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ出力する際の時間差を補償するように規定されている、電気光学レシーバ。
【請求項39】
請求項36に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記第1光導波路および第2光導波路の内の短い方に結合されている位相シフタを備え、前記位相シフタは、前記位相シフタが結合されている前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項40】
請求項35に記載の電気光学レシーバであって、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、前記第2複数の出力光導波路の内の前記それぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器である、電気光学レシーバ。
【請求項41】
請求項40に記載の電気光学レシーバであって、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第1半分において前記入射光の前記第1部分のほとんどを吸収するよう構成され、前記線形光検出器は、前記線形光検出器の第2半分において前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項42】
請求項41に記載の電気光学レシーバであって、1または複数の電気接点が、前記線形光検出器の前記第1半分に沿って配置され、第1光電流検出回路へ電気的に接続されており、1または複数の電気接点が、前記線形光検出器の前記第2半分に沿って配置され、第2光電流検出回路へ電気的に接続されている、電気光学レシーバ。
【請求項43】
請求項35に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかに結合されている位相シフタを備え、前記位相シフタは、前記位相シフタが結合されている前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するよう構成されている、電気光学レシーバ。
【請求項44】
請求項35に記載の電気光学レシーバであって、さらに、
前記複数の光検出器の内の所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数の光検出器の内の前記所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システムを備える、電気光学レシーバ。
【請求項45】
フォトニック集積回路を動作させるための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通して2×2スプリッタの第1光入力へ前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通して前記2×2スプリッタの第2光入力へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの前記第1光出力を通して前記第3光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの前記第2光出力を通して前記第4光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
前記第3光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器を動作させ、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第3光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作され、
前記第1複数のリング共振器からの光を前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合し、
前記第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付け、
前記第4光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器を動作させ、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第4光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作され、
前記第2複数のリング共振器からの光を前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合し、
前記第2複数の出力光導波路内の光を前記複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けること、
を備える、方法。
【請求項46】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、前記複数の光検出器の各々は、前記第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、前記第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器である、方法。
【請求項47】
請求項46に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記線形光検出器の前記第1半分で生成された光電流を検出するよう第1光電流検出回路を動作させ、
前記線形光検出器の前記第2半分で生成された光電流を検出するよう第2光電流検出回路を動作させること、
を備える、方法。
【請求項48】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、さらに、
位相シフタが結合されている前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかに結合されている前記位相シフタを動作させること、備える、方法。
【請求項49】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、前記第1光導波路および前記第2光導波路は、異なる長さを有する、方法。
【請求項50】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記第1の2×2光スプリッタの前記第1光入力への前記入射光の前記第1部分の到達時間と、前記第1の2×2光スプリッタの前記第2光入力への前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間との差を低減するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項51】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ方向付けること、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ方向付けることとの間の時間差を補償するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項52】
請求項45に記載のフォトニック集積回路を動作させるための方法であって、さらに、
前記複数の光検出器の内の前記所与の1つへの前記入射光の前記第1部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、前記複数の光検出器の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償することを備える、方法。
【請求項53】
光入力偏光管理装置であって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかに結合されている第1位相シフタと、
前記第1光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する第1の2×2光スプリッタと、前記第1の2×2光スプリッタは、前記第2光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記第1の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、
第1端および第2端を有する第3光導波路と、前記第3光導波路の前記第1端は、前記第1の2×2光スプリッタの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第4光導波路と、前記第4光導波路の前記第1端は、前記第1の2×2光スプリッタの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第3光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する第2の2×2光スプリッタと、前記第2の2×2光スプリッタは、前記第4光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記第2の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、
前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれかに結合されている第2位相シフタと、
前記第2の2×2光スプリッタの前記第1光出力または前記第2の2×2光スプリッタの前記第2光出力のいずれかへ光学的に接続されている第5光導波路と、
を備える、光入力偏光管理装置。
【請求項54】
請求項53に記載の光入力偏光管理装置であって、前記第1光導波路の長さは、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が前記第1の2×2光スプリッタの前記第2光入力へ到達するのとほぼ同じ時刻に、前記入射光の前記第1部分が前記第1の2×2光スプリッタの前記第1光入力へ到達するように構成されている、光入力偏光管理装置。
【請求項55】
請求項53に記載の光入力偏光管理装置であって、さらに、
前記第5光導波路に沿って前記第5光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器型光検出器を備え、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、前記複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第5光導波路から前記複数のリング共振器型光検出器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成されている、光入力偏光管理装置。
【請求項56】
請求項55に記載の光入力偏光管理装置であって、前記第1位相シフタは、第1複数のリング共振器型位相シフタを含み、前記第2位相シフタは、第2複数のリング共振器型位相シフタを含む、光入力偏光管理装置。
【請求項57】
請求項56に記載の光入力偏光管理装置であって、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ内のリング共振器の数は、前記複数のリング共振器型光検出器内のリング共振器の数に等しく、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ内のリング共振器の数は、前記複数のリング共振器型光検出器内のリング共振器の前記数に等しい、光入力偏光管理装置。
【請求項58】
請求項57に記載の光入力偏光管理装置であって、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ、および、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、同じ共振波長で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備え、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ、および、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、複数の異なる共振波長の各々で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備える、光入力偏光管理装置。
【請求項59】
光入力偏光管理のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通して第1の2×2スプリッタの第1光入力へ前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通して前記第1の2×2スプリッタの第2光入力へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
位相シフタが結合されている前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかに結合されている前記第1位相シフタを動作させ、
前記第1の2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記第1の2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記第1の2×2光スプリッタの前記第1光出力を通して前記第3光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
前記第1の2×2光スプリッタの前記第2光出力を通して前記第4光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
位相シフタが結合されている前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれかに結合されている前記第2位相シフタを動作させ、
前記入射光の前記第1部分の前記一部および前記入射光の前記偏光回転済みの前記第2部分の前記一部を前記第3光導波路から第2の2×2スプリッタの第1光入力へ方向付け、
前記入射光の前記第1部分の前記一部および前記入射光の前記偏光回転済みの前記第2部分の前記一部を前記第4光導波路から前記第2の2×2スプリッタの第2光入力へ方向付け、
前記入射光の前記第1部分の前記一部の一部分および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の前記一部の一部分を、前記第2の2×2スプリッタの光出力を通して第5光導波路へ方向付けること、
を備える、方法。
【請求項60】
請求項59に記載の光入力偏光管理のための方法であって、さらに、
前記第5光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、複数のリング共振器型光検出器を動作させることを備え、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、それぞれの共振波長を有する前記入射光の前記第1部分の前記一部の前記一部分および前記それぞれの共振波長を有する前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の前記一部の前記一部分の両方をインカップリングするために、前記それぞれの共振波長で動作される、方法。
【請求項61】
請求項60に記載の光入力偏光管理のための方法であって、前記第1位相シフタは、第1複数のリング共振器型位相シフタを含み、前記第2位相シフタは、第2複数のリング共振器型位相シフタを含む、方法。
【請求項62】
請求項61に記載の光入力偏光管理のための方法であって、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ内のリング共振器の数は、前記複数のリング共振器型光検出器内のリング共振器の数に等しく、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ内のリング共振器の数は、前記複数のリング共振器型光検出器内のリング共振器の前記数に等しい、方法。
【請求項63】
請求項62に記載の光入力偏光管理のための方法であって、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ、および、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、同じ共振波長で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備え、前記第1複数のリング共振器型位相シフタ、前記第2複数のリング共振器型位相シフタ、および、前記複数のリング共振器型光検出器の各々は、複数の異なる共振波長の各々で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備える、方法。
【請求項64】
電気光学トランスミッタであって、
複数の光入力ポートと、
複数の偏光コントローラと、前記複数の偏光コントローラの各々は、前記複数の光入力ポートの内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている光入力を有し、前記複数の偏光コントローラの各々は、前記複数の光入力ポートの内の前記それぞれの1つを通して受信された入射光の2つの偏光を単一の偏光を有する光に変換し、前記偏光コントローラの出力光導波路を通して前記単一の偏光を有する前記光を出力するよう構成され、
前記複数の偏光コントローラの前記出力光導波路へそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力を有する光マルチプレクサと、前記光マルチプレクサは、複数の光出力を有し、
複数の光導波路と、前記複数の光導波路の各々は、第1端および第2端を有し、前記複数の光導波路の各々の前記第1端は、前記光マルチプレクサの前記複数の光出力へそれぞれ光学的に接続され、
前記複数の光導波路の各々に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器と、
複数の光出力ポートと、を備え、前記複数の光導波路の各々の前記第2端は、前記複数の光出力ポートへそれぞれ光学的に接続されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項65】
請求項64に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数の光入力ポートの各々は、単一波長の連続波レーザ光として入射光を受信するように光学的に接続されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項66】
請求項65に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数の光入力ポートの内の異なる光入力ポートは、異なる波長の連続波レーザ光として入射光を受信するように光学的に接続されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項67】
請求項64に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数の偏光コントローラの各々は、
前記複数の光入力ポートの内の前記それぞれの1つから入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれかに結合されている第1位相シフタと、
前記第1光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する第1の2×2光スプリッタと、前記第1の2×2光スプリッタは、前記第2光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記第1の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、
第1端および第2端を有する第3光導波路と、前記第3光導波路の前記第1端は、前記第1の2×2光スプリッタの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第4光導波路と、前記第4光導波路の前記第1端は、前記第2の2×2光スプリッタの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれかに結合されている第2位相シフタと、
前記第3光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する第2の2×2光スプリッタと、を備え、前記第2の2×2光スプリッタは、前記第4光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記第2の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光コントローラの前記出力光導波路は、前記第2の2×2光スプリッタの前記第1光出力または前記第2の2×2光スプリッタの前記第2光出力のいずれかへ光学的に接続されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項68】
電気光学トランスミッタを動作させるための方法であって、
複数の光入力ポートを通して入射光を受信し、
複数の偏光コントローラを動作させ、前記複数の偏光コントローラの各々は、前記複数の光入力ポートへそれぞれ光学的に接続されている光入力を有し、前記複数の偏光コントローラの各々は、前記複数の光入力ポートの内の対応する1つを通して受信された2つの偏光を有する光を単一の偏光を有する光に変換するよう動作し、前記複数の偏光コントローラの各々は、前記偏光コントローラの出力光導波路を通して前記単一の偏光を有する前記光を出力するよう構成され、
前記複数の偏光コントローラの前記出力光導波路へそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力を有する光マルチプレクサを動作させ、前記光マルチプレクサは、複数の光出力を有し、前記光マルチプレクサは、前記光マルチプレクサの前記複数の光入力の各々で受信した光の一部を、前記光マルチプレクサの前記複数の光出力の各々へ方向付けるよう動作し、
複数の光導波路の内のそれぞれの導波路を通るように、前記光マルチプレクサの前記複数の光出力の各々からの光を方向付け、前記複数の光導波路の各々は、第1端および第2端を有し、前記複数の光導波路の各々の前記第1端は、前記光マルチプレクサの前記複数の光出力へそれぞれ光学的に接続され、前記複数の光導波路の各々の前記第2端は、複数の光出力ポートへそれぞれ光学的に接続され、
デジタルデータに従って前記複数の光導波路の内の所与の1つで光を変調するために、前記複数の光導波路の前記所与の1つに沿って配置されている複数のリング共振器型変調器を動作させること、
を備える、方法。
【請求項69】
請求項68に記載の電気光学トランスミッタを動作させるための方法であって、前記複数の光入力ポートの内の任意の1つを通して受信される前記入射光は、単一波長の連続波レーザ光である、方法。
【請求項70】
請求項69に記載の電気光学トランスミッタを動作させるための方法であって、前記複数の光入力ポートの内の異なるポートを通して受信される前記入射光は、異なる波長を有する、方法。
【請求項71】
請求項68に記載の電気光学トランスミッタを動作させるための方法であって、前記複数の偏光コントローラを動作させることは、
前記複数の光入力ポートの内の前記対応する1つから入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを動作させ、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう動作し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう動作し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう動作し、
第1光導波路を通して前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力から2×2光スプリッタの第1光入力へ前記入射光の前記第1部分を伝送し、
第2光導波路を通して前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力から前記2×2光スプリッタの第2光入力へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を伝送し、
前記第1光導波路または前記第2光導波路のいずれか内の光へ制御された量の位相シフトを適用するように、第1位相シフタを動作させ、
第3光導波路を通して第2の2×2光スプリッタの第1光入力へ前記入射光の前記第1部分の一部を伝送するように、前記第1の2×2光スプリッタを動作させ、
第4光導波路を通して前記第2の2×2光スプリッタの第2光入力へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を伝送するように、前記第1の2×2光スプリッタを動作させ、
前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれか内の光へ制御された量の位相シフトを適用するように、第2位相シフタを動作させ、
前記第2の2×2光スプリッタの光出力を通して前記光マルチプレクサの前記複数の光入力の内の対応する1つへ前記入射光の前記第1部分の一部を伝送するように、前記第2の2×2光スプリッタを動作させ、
前記第2の2×2光スプリッタの前記光出力を通して前記光マルチプレクサの前記複数の光入力の内の前記対応する1つへ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を伝送するように、前記第2の2×2光スプリッタを動作させること、
を含む、方法。
【請求項72】
電気光学トランスミッタであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する第1偏光スプリッタ/ローテータと、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記第1偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記第1偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1逆接続光出力を有する第2偏光スプリッタ/ローテータと、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2逆接続光出力を有し、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、逆接続光入力を有し、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2偏光スプリッタ/ローテータを通る光の伝搬に対して逆向きに接続され、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1逆接続光出力を通して前記第1光導波路から受信された前記第1偏光を有する光を、前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記逆接続光入力へ方向付けるように接続され、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2逆接続光出力を通して前記第2光導波路から受信された前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の偏光を、前記第1偏光から前記第2偏光へ戻すように逆回転させることで、前記入射光の偏光逆回転済みの第2部分を生成するよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の前記偏光逆回転済みの第2部分を前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記逆接続光入力へ方向付けるよう構成され、
第1光導波路および第2光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアと、を備え、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、前記第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、前記第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器とを含む、電気光学トランスミッタ。
【請求項73】
請求項72に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、所定の共振波長で動作するよう構成されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項74】
請求項72に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数のリング変調器ペアの内の所与の1つにおける各リング共振器型変調器は、同じビットパターンを変調するよう構成されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項75】
請求項72に記載の電気光学トランスミッタであって、前記入射光は、複数の波長の連続波レーザ光を含む、電気光学トランスミッタ。
【請求項76】
請求項72に記載の電気光学トランスミッタであって、前記第1偏光スプリッタ/ローテータおよび第2偏光スプリッタ/ローテータは、同じ構成を有する、電気光学トランスミッタ。
【請求項77】
光変調のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通るように前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通るように前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記第1光導波路および前記第2光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを動作させ、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、前記第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、前記第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器とを含み、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、前記第1および第2光導波路を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調して、前記第1光導波路内で前記第1偏光を有する変調光の第1部分を生成すると共に前記第2光導波路内で前記第1偏光を有する変調光の第2部分を生成するために、所定の共振波長で動作するよう構成され、
前記第2光導波路内の前記変調光の第2部分の偏光を前記第1偏光から前記第2偏光へ戻すように回転させ、
前記第1偏光を有する前記変調光の第1部分および前記第2偏光を有する前記変調光の第2部分の両方を、同じ光出力ポートを通るように方向付けること、
を備える、方法。
【請求項78】
電気光学トランスミッタであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する第1偏光スプリッタ/ローテータと、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記第1偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記第1偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記第1偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1光入力を有する2×2光スプリッタと、前記2×2光スプリッタは、前記第2光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2光入力を有し、前記2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有し、前記2×2光スプリッタは、前記入射光の前記第1部分の一部および前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を、前記2×2光スプリッタの前記第1光出力および前記第2光出力の各々を通して出力するよう構成され、
第1端および第2端を有する第3光導波路と、前記第3光導波路の前記第1端は、前記2×2光スプリッタの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第4光導波路と、前記第4光導波路の前記第1端は、前記2×2光スプリッタの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第3光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第1逆接続光出力を有する第2偏光スプリッタ/ローテータと、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第4光導波路の前記第2端へ光学的に接続されている第2逆接続光出力を有し、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、逆接続光入力を有し、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2偏光スプリッタ/ローテータを通る光の伝搬に対して逆向きに接続され、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記第1逆接続光出力を通して受信された光を、前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記逆接続光入力へ方向付けるように接続され、前記第2偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記第2逆接続光出力を通して受信された光の偏光を、前記第1偏光から前記第2偏光へ逆回転させることで、偏光逆回転済みの光を生成するよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記偏光逆回転済みの光を前記第2偏光スプリッタ/ローテータの前記逆接続光入力へ方向付けるよう構成され、
第3光導波路および第4光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアと、を備え、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、前記第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、前記第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器とを含む、電気光学トランスミッタ。
【請求項79】
請求項78に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、所定の共振波長で動作するよう構成されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項80】
請求項78に記載の電気光学トランスミッタであって、前記複数のリング共振器型変調器ペアの内の所与の1つにおける各リング共振器型変調器は、同じビットパターンを変調するよう構成されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項81】
請求項78に記載の電気光学トランスミッタであって、前記第1偏光スプリッタ/ローテータおよび第2偏光スプリッタ/ローテータは、同じ構成を有する、電気光学トランスミッタ。
【請求項82】
請求項78に記載の電気光学トランスミッタであって、前記第1光導波路の長さは、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が前記2×2光スプリッタの前記第2光入力へ到達するのとほぼ同じ時刻に、前記入射光の前記第1部分が前記2×2光スプリッタの前記第1光入力へ到達するように構成されている、電気光学トランスミッタ。
【請求項83】
請求項78に記載の電気光学トランスミッタであって、前記入射光は、複数の波長の連続波レーザ光を含む、電気光学トランスミッタ。
【請求項84】
光変調のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通して2×2スプリッタの第1光入力へ前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通して前記2×2スプリッタの第2光入力へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ前記入射光の前記第1部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの前記第1光出力を通して前記第3光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
前記2×2光スプリッタの前記第2光出力を通して前記第4光導波路へ前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の一部を方向付け、
前記第3光導波路および前記第4光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを動作させ、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、前記第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、前記第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器とを含み、前記複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、前記第3光導波路および第4光導波路を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調するために、所定の共振波長で動作するよう構成され、
前記第3光導波路または前記第4光導波路のいずれかにおける変調光の偏光を前記第1偏光から前記第2偏光へ回転させ、
前記第1偏光を有する変調光および前記第2偏光を有する変調光の両方を、同じ光出力ポートを通るように方向付けること、
を備える、方法。
【請求項85】
電気光学コンバイナであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている、偏光スプリッタ/ローテータと、
第1端および第2端を有する第1光導波路と、前記第1光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続され、
第1端および第2端を有する第2光導波路と、前記第2光導波路の前記第1端は、前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続され、
前記第1光導波路のコンバイナセクションと前記第2光導波路のコンバイナセクションとの間に配置されている複数のリング共振器と、を備え、前記複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路および前記第2光導波路の両方のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置され、前記第1光導波路の前記コンバイナセクションにおける光伝搬方向は、前記第2光導波路の前記コンバイナセクションにおける光伝搬方向とは反対向きであり、前記複数のリング共振器の各々は、前記複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第1光導波路の前記コンバイナセクションから前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ、そして、前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つから前記第2光導波路へ、光を光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成されている、電気光学コンバイナ。
【請求項86】
請求項85に記載の電気光学コンバイナであって、前記第2光導波路は、前記第2光導波路における前記光伝搬方向に関して、前記第2光導波路の前記コンバイナセクションの前に、約180度の方向の変化を備える、電気光学コンバイナ。
【請求項87】
請求項85に記載の電気光学コンバイナであって、前記第1光導波路の前記コンバイナセクションおよび前記第2光導波路の前記コンバイナセクションは、互いに実質的に平行に伸びるように方向付けられている、電気光学コンバイナ。
【請求項88】
請求項85に記載の電気光学コンバイナであって、さらに、
前記第1光導波路に結合されている複数の位相シフタを備え、前記複数の位相シフタは、前記第1光導波路の前記コンバイナセクションにおける前記光伝搬方向に関して、前記複数のリング共振器の前にそれぞれ配置され、前記複数の位相シフタの各々は、前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するよう構成されている、電気光学コンバイナ。
【請求項89】
請求項88に記載の電気光学コンバイナであって、さらに、
前記第2光導波路の前記コンバイナセクションにおける前記光伝搬方向に関して、前記第2光導波路の前記コンバイナセクションの後ろの位置で、前記第2光導波路へ光学的に接続されている1または複数の光検出器を備える、電気光学コンバイナ。
【請求項90】
請求項89に記載の電気光学コンバイナであって、前記1または複数の光検出器によって生成された光電流が、前記複数の位相シフタのフィードバック制御を提供する、電気光学コンバイナ。
【請求項91】
請求項88に記載の電気光学コンバイナであって、前記複数の位相シフタの内の1または複数が、温度調節器として実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項92】
請求項88に記載の電気光学コンバイナであって、前記複数の位相シフタの内の1または複数が、ダイオードとして実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項93】
請求項88に記載の電気光学コンバイナであって、前記複数の位相シフタの内の1または複数が、リング共振器として実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項94】
光信号の結合のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通るように前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通るように前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に配置されている複数のリング共振器を動作させること、を備え、前記複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路から光をエバネッセントにインカップリングし、前記第2光導波路へ光をアウトカップリングするよう動作し、前記複数のリング共振器の各々は、前記複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第1光導波路から前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ、そして、前記複数のリング共振器の内の前記所与の1つから前記第2光導波路へ、光を光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成されている、方法。
【請求項95】
請求項94に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、前記第1光導波路へ結合されている複数の位相シフタを動作させることを備え、前記複数の位相シフタの各々は、前記第1光導波路における光伝搬方向に関して、前記複数のリング共振器の内のそれぞれの1つの前に配置されている、方法。
【請求項96】
請求項94に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1光導波路の一部分から1または複数の光検出器へ光を方向付けることを備え、前記第1光導波路の前記一部分は、前記第1光導波路における光伝搬方向に関して、前記複数のリング共振器の後ろに配置されている、方法。
【請求項97】
電気光学コンバイナであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路と、
前記第1光導波路に沿って配置されている第1複数のリング共振器と、前記第1複数のリング共振器は、前記位相シフタが、前記第1光導波路における光伝搬方向に関して、前記第1複数のリング共振器の前に前記第1光導波路に沿って配置されるように配置され、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路と、
前記第2光導波路に沿って前記第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器と、を備え、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内のそれぞれの1つからの光を光学的にインカップリングし、前記第2光導波路へ光を光学的にアウトカップリングするように配置されている、電気光学コンバイナ。
【請求項98】
請求項97に記載の電気光学コンバイナであって、前記入射光の前記第1部分が前記第1複数のリング共振器に到達するのとほぼ同時に、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分が前記第2複数のリング共振器に到達するように、前記偏光スプリッタ/ローテータと前記第1複数のリング共振器との間の前記第1光導波路の長さが、前記偏光スプリッタ/ローテータと前記第2複数のリング共振器との間の前記第2光導波路の長さよりも長い、電気光学コンバイナ。
【請求項99】
請求項97に記載の電気光学コンバイナであって、前記第2光導波路は、前記第2複数のリング共振器すべてを過ぎての伸びた後に、1または複数の光検出器へルーティングされている、電気光学コンバイナ。
【請求項100】
請求項97に記載の電気光学コンバイナであって、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、前記第1光導波路から前記第1複数のリング共振器の内の前記所与の1つへ光結合するように、前記それぞれの共振波長で動作するよう構成され、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内の対応する1つへ光結合され、前記第1複数のリング共振器の内の前記対応する1つと実質的に等しいそれぞれの共振波長で動作するよう構成されている、電気光学コンバイナ。
【請求項101】
請求項97に記載の電気光学コンバイナであって、さらに、
前記第1光導波路に結合され、前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するよう構成されている、位相シフタを備える、電気光学コンバイナ。
【請求項102】
請求項101に記載の電気光学コンバイナであって、前記位相シフタは、温度調節器として実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項103】
請求項101に記載の電気光学コンバイナであって、前記位相シフタは、ダイオードとして実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項104】
請求項101に記載の電気光学コンバイナであって、前記位相シフタは、リング共振器として実装されている、電気光学コンバイナ。
【請求項105】
光信号の結合のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通るように前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通るように前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器を動作させ、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするよう動作し、
前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器を動作させること、備え、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第1複数のリング共振器の内のそれぞれの1つからの光をエバネッセントにインカップリングするよう動作し、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするよう動作し、前記第1および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作され、前記第1および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する、方法。
【請求項106】
請求項105に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1複数のリング共振器への前記入射光の前記第1部分の到達時間と、前記第2複数のリング共振器への前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間との差を低減するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項107】
請求項105に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ方向付けることと、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ方向付けることとの間の時間差を補償するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項108】
請求項105に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第2光導波路の一部分から1または複数の光検出器へ光をルーティングすることを備え、前記第2光導波路の前記一部分は、前記第2光導波路における光伝搬方向に関して、前記第2複数のリング共振器の後ろに配置されている、方法。
【請求項109】
請求項105に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、前記第1光導波路に結合されている位相シフタを動作させることを備える、方法。
【請求項110】
電気光学コンバイナであって、
入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータと、前記偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有し、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第1光出力を通るように、第1偏光を有する前記入射光の第1部分を方向付けるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記入射光の第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の偏光を第2偏光から前記第1偏光へ回転させるよう構成され、前記偏光スプリッタ/ローテータは、前記第2光出力を通るように、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路と、
前記第1光導波路に沿って配置されている第1複数のリング共振器と、前記第1複数のリング共振器は、前記位相シフタが、前記第1光導波路における光伝搬方向に関して、前記第1複数のリング共振器の前に前記第1光導波路に沿って配置されるように配置され、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置され、
前記偏光スプリッタ/ローテータの前記第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路と、
前記第2光導波路に沿って前記第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器と、
複数の中間光導波路と、を備え、前記複数の中間光導波路の各々は、光が、前記第1光導波路から前記第1複数のリング共振器の内の対応する1つへ、そして、前記第1複数のリング共振器の内の前記対応する1つから前記中間光導波路へ、そして、前記中間光導波路から前記第2複数のリング共振器の内の対応する1つへ、そして、前記第2複数のリング共振器の内の前記対応する1つから前記第2光導波路へ光結合するように、前記第1複数のリング共振器の内の前記対応する1つと前記第2複数のリング共振器の内の前記対応する1つとの間に配置されている、電気光学コンバイナ。
【請求項111】
請求項110に記載の電気光学コンバイナであって、さらに、
複数の光検出器を備え、前記第1複数のリング共振器の内の前記対応する1つから前記複数の中間光導波路の内の所与の1つへ光結合する前記光の一部が、前記複数の中間光導波路の内の前記所与の1つへ光学的に接続されている前記複数の光検出器の内の1つへ伝達されるように、前記複数の中間光導波路へそれぞれ光結合されている、電気光学コンバイナ。
【請求項112】
請求項111に記載の電気光学コンバイナであって、さらに、
前記複数の光検出器から出力された電気信号を用いて、前記第1複数のリング共振器および前記第2複数のリング共振器の前記共振波長を制御するよう構成されているフィードバック回路を備える、電気光学コンバイナ。
【請求項113】
請求項112に記載の電気光学コンバイナであって、前記フィードバック回路は、前記複数の光検出器から出力された電気信号を用いて、位相シフタ内のリング共振器の共振波長を制御するよう構成されている、電気光学コンバイナ。
【請求項114】
請求項110に記載の電気光学コンバイナであって、前記複数の中間光導波路の各々は、略直線形状を有し、実質的に同じ長さ方向の範囲を有するように方向付けられ、前記第1複数のリング共振器および前記第2複数のリング共振器は、前記複数の中間光導波路が伸びる前記長さ方向と実質的に平行な方向へ互いに対してオフセットされている、電気光学コンバイナ。
【請求項115】
光信号の結合のための方法であって、
光入力ポートを通して入射光を受信し、前記入射光の第1部分は第1偏光を有し、前記入射光の第2部分は第2偏光を有し、
前記入射光の前記第1部分を前記入射光の前記第2部分から分割し、
第1光導波路を通るように前記入射光の前記第1部分を方向付け、
前記入射光の前記第2部分が前記入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、前記入射光の前記第2部分の前記第2偏光を前記第1偏光へ回転させ、
第2光導波路を通るように前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を方向付け、
前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器を動作させ、前記第1複数のリング共振器の各々は、前記第1光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングし、複数の中間光導波路の内の対応する1つへ光をエバネッセントにアウトカップリングするよう動作し、
前記第1光導波路と前記第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器を動作させること、を備え、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記複数の中間光導波路の内の対応する1つからの光をエバネッセントにインカップリングするよう動作し、前記第2複数のリング共振器の各々は、前記第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするよう動作し、前記複数の中間光導波路の内の同じ1つへ光結合されている前記第1および第2複数のリング共振器の中の各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作され、前記複数の中間光導波路の内の前記同じ1つへ光結合されている前記第1および第2複数のリング共振器の中の各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する、方法。
【請求項116】
請求項115に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1複数のリング共振器への前記入射光の前記第1部分の到達時間と、前記第2複数のリング共振器への前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分の到達時間との差を低減するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項117】
請求項115に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記入射光の前記第1部分を前記第1光導波路へ方向付けることと、前記入射光の前記偏光回転済みの第2部分を前記第2光導波路へ方向付けることとの間の時間差を補償するように、前記第1光導波路の長さおよび前記第2光導波路の長さを規定することを備える、方法。
【請求項118】
請求項115に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第2光導波路の一部分から1または複数の光検出器へ光をルーティングすることを備え、前記第2光導波路の前記一部分は、前記第2光導波路における光伝搬方向に関して、前記第2複数のリング共振器の後ろに配置されている、方法。
【請求項119】
請求項115に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、位相シフタを動作させることを備える、方法。
【請求項120】
請求項115に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記複数の中間光導波路のそれぞれへ光結合されている光の量を検出するように、複数の光検出器を動作させることを備える、方法。
【請求項121】
請求項120に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1複数のリング共振器、前記複数の中間導波路、および、前記第2複数のリング共振器を介して、前記第1光導波路から前記第2光導波路へ伝達される光電力の量を最適化するために、前記複数の光検出器の内の対応する光検出器によって生成された光電流に従って、前記第1複数のリング共振器および前記第2複数のリング共振器の共振波長を制御することを備える、方法。
【請求項122】
請求項121に記載の光信号の結合のための方法であって、さらに、
前記第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように、位相シフタを動作させ、
前記複数の光検出器によって生成された光電流に従って、前記位相シフタの動作を制御すること、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【0002】
本発明は、光データ通信に関する。
【背景技術】
【0003】
【0004】
光データ通信システムは、デジタルデータパターンを符号化するためにレーザ光を変調することによって動作する。変調レーザ光は、光データネットワークを通して送信ノードから受信ノードへ送信される。受信ノードに到達した変調レーザ光は、元のデジタルデータパターンを取得するために復調される。したがって、光データ通信システムの実装および動作は、光信号変調用および光信号受信用の信頼性の高い効率的なデバイスを有することに依存する。本発明は、この文脈で生まれたものである。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態例において、電気光学レシーバが開示されている。電気光学レシーバは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に第1端を有する光導波路を備える。光導波路は、入射光の第1部分が、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力から光導波路を通して第1方向に伝搬すると共に、入射光の偏光回転済みの第2部分が、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力から光導波路を通して第1方向と反対向きの第2方向に伝搬するように、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている第2端を有する。電気光学レシーバは、さらに、光導波路に沿って光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器型光検出器を備える。複数のリング共振器型光検出器の各々は、複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1伝搬方向に複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つへ光結合すると共に、複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第1伝搬方向とは反対向きの第2伝搬方向に複数のリング共振器型光検出器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。
【0006】
一実施形態例において、電気光学レシーバが開示されている。電気光学レシーバは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている第1端を有する光導波路を備える。光導波路は、入射光の第1部分が、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力から光導波路を通して第1方向に伝搬すると共に、入射光の偏光回転済みの第2部分が、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力から光導波路を通して第1方向と反対向きの第2方向に伝搬するように、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている第2端を有する。電気光学レシーバは、さらに、光導波路に沿って光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器を備える。複数のリング共振器の各々は、複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1伝搬方向に複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合すると共に、複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第1伝搬方向とは反対向きの第2伝搬方向に複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、複数のリング共振器とそれぞれ関連付けられている複数の光検出器を備える。電気光学レシーバは、さらに、複数のリング共振器へそれぞれ光結合されている複数の出力光導波路を備える。複数の出力光導波路の各々は、結合セクション、短尺セクション、および、長尺セクションを備える。結合セクションは、複数のリング共振器の内の対応する1つからの光をエバネッセントに結合するように配置されている。短尺セクションは、結合セクションの第1端から複数の光検出器の内の対応する1つまで伸びている。長尺セクションは、結合セクションの第2端から複数の光検出器の内の対応する1つまで伸びている。
【0007】
一実施形態例において、フォトニック集積回路を動作させるための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、光導波路の第1端を通るように入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、光導波路の第2端を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。光導波路は、第1端から第2端まで連続的に伸びている。方法は、さらに、光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、複数のリング共振器を動作させることを備える。複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する入射光の第1部分およびそれぞれの共振波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分の両方をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。
【0008】
一実施形態例において、電気光学レシーバが開示されている。電気光学レシーバは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器を備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、第1複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器を備える。第2複数のリング共振器の各々は、第2複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第2複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、第2複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、複数の光検出器を備える。複数の光検出器の各々は、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、および、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続され、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つは、所与の共振波長を有する第1複数のリング共振器の内の1つへ光結合され、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つは、実質的に同じ所与の共振波長を有する第2複数のリング共振器の内の1つへ光結合されている。
【0009】
一実施形態例において、フォトニック集積回路を動作させるための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路へ入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器を動作させることを備える。第1複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する光を第1光導波路からインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第1複数のリング共振器からの光を第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合することを備える。方法は、さらに、第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けることを備える。方法は、さらに、第2光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器を動作させることを備える。第2複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する光を第2光導波路からインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第2複数のリング共振器からの光を第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合することを備える。方法は、さらに、第2複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けることを備える。
【0010】
一実施形態例において、電気光学レシーバが開示されている。電気光学レシーバは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、第1端および第2端を有する第1光導波路を備える。第1光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている。電気光学レシーバは、さらに、第1端および第2端を有する第2光導波路を備える。第2光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている。電気光学レシーバは、さらに、第1光導波路の第2端に光学的に接続されている第1光入力を有する2×2光スプリッタを備える。2×2光スプリッタは、第2光導波路の第2端に光学的に接続されている第2光入力を有する。2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有する。2×2光スプリッタは、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、2×2光スプリッタの第1光出力および第2光出力の各々を通して出力するよう構成されている。電気光レシーバは、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力へ光学的に接続されている第3光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器を備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第3光導波路から第1複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、第1複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路を備える。電気光レシーバは、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力へ光学的に接続されている第4光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器を備える。第2複数のリング共振器の各々は、第2複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第4光導波路から第2複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。電気光学レシーバは、さらに、第2複数のリング共振器のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路を備える。電気光学レシーバは、さらに、複数の光検出器を備える。複数の光検出器の各々は、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、および、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続され、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つは、所与の共振波長を有する第1複数のリング共振器の内の1つへ光結合され、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つは、同じ所与の共振波長を有する第2複数のリング共振器の内の1つへ光結合されている。
【0011】
一実施形態例において、フォトニック集積回路を動作させるための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通して2×2スプリッタの第1光入力へ入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通して2×2スプリッタの第2光入力へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第3光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器を動作させることを備える。第1複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する光を第3光導波路からインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第1複数のリング共振器からの光を第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合することを備える。方法は、さらに、第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けることを備える。方法は、さらに、第4光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器を動作させることを備える。第2複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する光を第4光導波路からインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第2複数のリング共振器からの光を第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの光導波路へ光結合することを備える。方法は、さらに、第2複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けることを備える。
【0012】
一実施形態例において、光入力偏光管理装置が開示されている。光入力偏光管理装置は、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。光入力偏光管理装置は、さらに、第1端および第2端を有する第1光導波路を備える。第1光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている。光入力偏光管理装置は、さらに、第1端および第2端を有する第2光導波路を備える。第2光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている。光入力偏光管理装置は、さらに、第1光導波路または第2光導波路のいずれかに結合されている第1位相シフタを備える。光入力偏光管理装置は、さらに、第1光導波路の第2端に光学的に接続されている第1光入力を有する第1の2×2光スプリッタを備える。第1の2×2光スプリッタは、第2光導波路の第2端に光学的に接続されている第2光入力を有する。第1の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有する。光入力偏光管理装置は、さらに、第1端および第2端を有する第3光導波路を備える。第3光導波路の第1端は、第1の2×2光スプリッタの第1光出力へ光学的に接続されている。光入力偏光管理装置は、さらに、第1端および第2端を有する第4光導波路を備える。第4光導波路の第1端は、第1の2×2光スプリッタの第2光出力へ光学的に接続されている。光入力偏光管理装置は、さらに、第3光導波路の第2端に光学的に接続されている第1光入力を有する第2の2×2光スプリッタを備える。第2の2×2光スプリッタは、第4光導波路の第2端に光学的に接続されている第2光入力を有する。第2の2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有する。光入力偏光管理装置は、さらに、第3光導波路または第4光導波路のいずれかに結合されている第2位相シフタを備える。光入力偏光管理装置は、さらに、第2の2×2光スプリッタの第1光出力または第2の2×2光スプリッタの第2光出力のいずれかへ光学的に接続されている第5光導波路を備える。
【0013】
一実施形態例において、光入力偏光管理のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通して第1の2×2スプリッタの第1光入力へ入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通して第1の2×2スプリッタの第2光入力へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路または第2光導波路のいずれかに結合されている第1位相シフタを動作させることであって、位相シフタが結合されている第1光導波路または第2光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように動作させる、ことを備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第3光導波路または第4光導波路のいずれかに結合されている第2位相シフタを動作させることであって、位相シフタが結合されている第3光導波路または第4光導波路のいずれかを通して伝搬する光の位相へ制御された量のシフトを適用するように動作させる、ことを備える。方法は、さらに、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を第3光導波路から第2の2×2スプリッタの第1光入力へ方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を第4光導波路から第2の2×2スプリッタの第2光入力へ方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第1部分の一部の一部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部の一部分を、第2の2×2スプリッタの光出力を通して第5光導波路へ方向付けることを備える。
【0014】
一実施形態例において、電気光学トランスミッタが開示されている。電気光学トランスミッタは、複数の光入力ポートを備える。電気光学トランスミッタは、さらに、複数の偏光コントローラを備える。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートの内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている光入力を有する。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートの内のそれぞれの1つを通して受信された入射光の2つの偏光を単一の偏光を有する光に変換し、偏光コントローラの出力光導波路を通して単一の偏光を有する光を出力するよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、複数の偏光コントローラの出力光導波路へそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力を有する光マルチプレクサを備える。光マルチプレクサは、複数の光出力を有する。電気光学トランスミッタは、さらに、複数の光導波路を備える。複数の光導波路の各々は、第1端および第2端を有する。複数の光導波路の各々の第1端は、光マルチプレクサの複数の光出力へそれぞれ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、複数の光導波路の各々に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器を備える。電気光学トランスミッタは、さらに、複数の光出力ポートを備える。複数の光導波路の各々の第2端は、複数の光出力ポートへそれぞれ光学的に接続されている。
【0015】
一実施形態例において、電気光学トランスミッタを動作させるための方法が開示されている。方法は、複数の光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。方法は、さらに、複数の偏光コントローラを動作させることを備える。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートへそれぞれ光学的に接続されている光入力を有する。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートの内の対応する1つを通して受信された2つの偏光を有する光を単一の偏光を有する光に変換するよう動作される。複数の偏光コントローラの各々は、偏光コントローラの出力光導波路を通して単一の偏光を有する光を方向付けるよう動作される。方法は、さらに、複数の偏光コントローラの出力光導波路へそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力を有する光マルチプレクサを動作させるためのことを備える。光マルチプレクサは、複数の光出力を有する。光マルチプレクサは、光マルチプレクサの複数の光入力の各々で受信した光の一部を、光マルチプレクサの複数の光出力の各々へ方向付けるよう動作される。方法は、さらに、複数の光導波路の内のそれぞれの導波路を通るように、光マルチプレクサの複数の光出力の各々からの光を方向付けるためのことを備える。複数の光導波路の各々は、第1端および第2端を有する。複数の光導波路の各々の第1端は、光マルチプレクサの複数の光出力へそれぞれ光学的に接続されている。複数の光導波路の各々の第2端は、複数の光出力ポートへそれぞれ光学的に接続されている。方法は、さらに、デジタルデータに従って複数の光導波路の内の所与の1つで光を変調するために、複数の光導波路の所与の1つに沿って配置されている複数のリング共振器型変調器を動作させることを備える。
【0016】
一実施形態例において、電気光学トランスミッタが開示されている。電気光学トランスミッタは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する第1偏光スプリッタ/ローテータを備える。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。第1偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第1光導波路を備える。第1光導波路の第1端は、第2偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第2光導波路を備える。第2光導波路の第1端は、第1偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1光導波路の第2端へ光学的に接続されている第1逆接続光出力を有する第2偏光スプリッタ/ローテータを備える。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2光導波路の第2端へ光学的に接続されている第2逆接続光出力を有する。第2偏光スプリッタ/ローテータは、逆接続光入力を有する。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2偏光スプリッタ/ローテータを通る光の伝搬に対して逆向きに接続されている。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第1逆接続光出力を通して第1光導波路から受信された第1偏光を有する光を、第2偏光スプリッタ/ローテータの逆接続光入力へ方向付けるように接続されている。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2逆接続光出力を通して第2光導波路から受信された入射光の偏光回転済みの第2部分の偏光を、第1偏光から第2偏光へ戻すように逆回転させることで、入射光の偏光逆回転済みの第2部分を生成するよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の偏光逆回転済みの第2部分を第2偏光スプリッタ/ローテータの逆接続光入力へ方向付けるよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1光導波路および第2光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを備える。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。
【0017】
一実施形態例において、光変調のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通るように入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路および第2光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを動作させることを備える。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、第1および第2光導波路を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調して、第1光導波路内で第1偏光を有する変調光の第1部分を生成すると共に第2光導波路内で第1偏光を有する変調光の第2部分を生成するために、所定の共振波長で動作するよう構成されている。方法は、さらに、第2光導波路内の変調光の第2部分の偏光を第1偏光から第2偏光へ戻すように回転させるためのことを備える。方法は、さらに、第1偏光を有する変調光の第1部分および第2偏光を有する変調光の第2部分の両方を、同じ光出力ポートを通るように方向付けることを備える。
【0018】
一実施形態例において、電気光学トランスミッタが開示されている。電気光学トランスミッタは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する第1偏光スプリッタ/ローテータを備える。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。第1偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。第1偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第1光導波路を備える。第1光導波路の第1端は、第2偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第2光導波路を備える。第2光導波路の第1端は、第1偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1光導波路の第2端に光学的に接続されている第1光入力を有する2×2光スプリッタを備える。2×2光スプリッタは、第2光導波路の第2端に光学的に接続されている第2光入力を有する。2×2光スプリッタは、第1光出力および第2光出力を有する。2×2光スプリッタは、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、2×2光スプリッタの第1光出力および第2光出力の各々を通して出力するよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第3光導波路を備える。第3光導波路の第1端は、2×2光スプリッタの第1光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第1端および第2端を有する第4光導波路を備える。第4光導波路の第1端は、2×2光スプリッタの第2光出力へ光学的に接続されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第3光導波路の第2端へ光学的に接続されている第1逆接続光出力を有する第2偏光スプリッタ/ローテータを備える。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第4光導波路の第2端へ光学的に接続されている第2逆接続光出力を有する。第2偏光スプリッタ/ローテータは、逆接続光入力を有する。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2偏光スプリッタ/ローテータを通る光の伝搬に対して逆向きに接続されている。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2偏光スプリッタ/ローテータの第1逆接続光出力を通して受信された光を、第2偏光スプリッタ/ローテータの逆接続光入力へ方向付けるように接続されている。第2偏光スプリッタ/ローテータは、第2偏光スプリッタ/ローテータの第2逆接続光出力を通して受信された光の偏光を、第1偏光から第2偏光へ逆回転させることで、偏光逆回転済みの光を生成するよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、偏光逆回転済みの光を第2偏光スプリッタ/ローテータの逆接続光入力へ方向付けるよう構成されている。電気光学トランスミッタは、さらに、第3光導波路および第4光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを備える。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。
【0019】
一実施形態例において、光変調のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通して2×2スプリッタの第1光入力へ入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通して2×2スプリッタの第2光入力へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の第1部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けることを備える。方法は、さらに、第3光導波路および第4光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペアを動作させることを備える。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第3光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第4光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、第3光導波路および第4光導波路を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調するために、所定の共振波長で動作するよう構成されている。方法は、さらに、第3光導波路または第4光導波路のいずれかにおける変調光の偏光を第1偏光から第2偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第1偏光を有する変調光および第2偏光を有する変調光の両方を、同じ光出力ポートを通るように方向付けることを備える。
【0020】
一実施形態例において、電気光学コンバイナが開示されている。電気光学コンバイナは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学コンバイナは、さらに、第1端および第2端を有する第1光導波路を備える。第1光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている。電気光学コンバイナは、さらに、第1端および第2端を有する第2光導波路を備える。第2光導波路の第1端は、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている。電気光学コンバイナは、さらに、第1光導波路のコンバイナセクションと第2光導波路のコンバイナセクションとの間に配置されている複数のリング共振器を備える。複数のリング共振器の各々は、第1光導波路および第2光導波路の両方のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。第1光導波路のコンバイナセクションにおける光伝搬方向は、第2光導波路のコンバイナセクションにおける光伝搬方向とは反対向きである。複数のリング共振器の各々は、複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第1光導波路のコンバイナセクションから複数のリング共振器の内の所与の1つへ、そして、複数のリング共振器の内の所与の1つから第2光導波路へ、光を光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。
【0021】
一実施形態例において、光信号の結合のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通るように入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている複数のリング共振器を動作させることを備える。複数のリング共振器の各々は、第1光導波路から光をエバネッセントにインカップリングし、第2光導波路へ光をアウトカップリングするよう動作される。複数のリング共振器の各々は、複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第1光導波路から複数のリング共振器の内の所与の1つへ、そして、複数のリング共振器の内の所与の1つから第2光導波路へ、光を光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。
【0022】
一実施形態例において、電気光学コンバイナが開示されている。電気光学コンバイナは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学コンバイナは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路を備える。電気光学コンバイナは、さらに、第1光導波路に沿って配置されている第1複数のリング共振器であって、第1複数のリング共振器は、位相シフタが、第1光導波路における光伝搬方向に関して、第1複数のリング共振器の前に第1光導波路に沿って配置されるように配置されている、第1複数のリング共振器を備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。電気光学コンバイナは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路を備える。電気光学コンバイナは、さらに、第2光導波路に沿って第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器を備える。第2複数のリング共振器の各々は、第1複数のリング共振器の内のそれぞれの1つから光を光学的にインカップリングし、第2光導波路へ光を光学的にアウトカップリングするように配置されている。
【0023】
一実施形態例において、光信号の結合のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通るように入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器を動作させることを備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするよう動作される。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器を動作させることを備える。第2複数のリング共振器の各々は、第1複数のリング共振器のそれぞれの1つからの光をエバネッセントにインカップリングするよう動作される。第2複数のリング共振器の各々は、第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするように動作される。第1および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作される。第1および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する。
【0024】
一実施形態例において、電気光学コンバイナが開示されている。電気光学コンバイナは、入射光を受信するように光学的に接続されている光入力を有する偏光スプリッタ/ローテータを備える。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力および第2光出力を有する。偏光スプリッタ/ローテータは、第1光出力を通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。偏光スプリッタ/ローテータは、第2光出力を通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。電気光学コンバイナは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第1光出力へ光学的に接続されている第1光導波路を備える。電気光学コンバイナは、さらに、第1光導波路に沿って配置されている第1複数のリング共振器であって、第1複数のリング共振器は、位相シフタが、第1光導波路における光伝搬方向に関して、第1複数のリング共振器の前に第1光導波路に沿って配置されるように配置されている、第1複数のリング共振器を備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。電気光学コンバイナは、さらに、偏光スプリッタ/ローテータの第2光出力へ光学的に接続されている第2光導波路を備える。電気光学コンバイナは、さらに、第2光導波路に沿って第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器を備える。電気光学コンバイナは、さらに、複数の中間光導波路を備える。複数の中間光導波路の各々は、光が、第1光導波路から第1複数のリング共振器の内の対応する1つへ、そして、第1複数のリング共振器の内の対応する1つから中間光導波路へ、そして、中間光導波路から第2複数のリング共振器の内の対応する1つへ、そして、第2複数のリング共振器の内の対応する1つから第2光導波路へ光結合するように、第1複数のリング共振器の内の対応する1つと第2複数のリング共振器の内の対応する1つとの間に配置されている。電気光学コンバイナは、さらに、複数の光検出器であって、第1複数のリング共振器の内の対応する1つから複数の中間光導波路の内の所与の1つへ光結合する光の一部が、複数の中間光導波路の内の所与の1つへ光学的に接続されている複数の光検出器の内の1つへ伝達されるように、複数の中間光導波路へそれぞれ光結合されている、複数の光検出器を備える。
【0025】
一実施形態例において、光信号の結合のための方法が開示されている。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信することを備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割することを備える。方法は、さらに、第1光導波路を通るように入射光の第1部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させることを備える。方法は、さらに、第2光導波路を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けることを備える。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器を動作させることを備える。第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングし、複数の中間光導波路の内の対応する1つへ光をエバネッセントにアウトカップリングするよう動作される。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器を動作させることを備える。第2複数のリング共振器の各々は、複数の中間光導波路の内の対応する1つからの光をエバネッセントにインカップリングするよう動作される。第2複数のリング共振器の各々は、第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするように動作される。複数の中間光導波路の内の同じ1つへ光結合されている第1および第2複数のリング共振器の中の各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作される。複数の中間光導波路の内の同じ1つへ光結合されている第1および第2複数のリング共振器の中の各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する。
【0026】
本発明のその他の態様および利点については、本発明を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】いくつかの実施形態に従って、電気光学レシーバの構成例を示す図。
【0028】
【
図1B】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学レシーバの構成例を示す図。
【0029】
【
図1C】いくつかの実施形態に従って、PSRの構成例を示す図。
【0030】
【
図1D】いくつかの実施形態に従って、
図1Cの矢視線A-AにおけるPSR例を示す垂直断面図。
【0031】
【
図1E】いくつかの実施形態に従って、PSRの構成例を示す図。
【0032】
【
図1F】いくつかの実施形態に従って、
図1Eの矢視線A-AにおけるPSR例を示す垂直断面図。
【0033】
【
図1G】いくつかの実施形態に従って、
図1Eの矢視線B-BにおけるPSR例を示す垂直断面図。
【0034】
【
図2A】いくつかの実施形態に従って、連続的なループ状構成で伸びるよう構成されている光導波路に沿って配置された複数のリング共振器型光検出器を備えたWDM光レシーバの例を示す図。
【0035】
【
図2B】いくつかの実施形態に従って、
図2AのWDM光レシーバの改良版であるWDM光レシーバを示す図。
【0036】
【
図2C】いくつかの実施形態に従って、
図2BのWDM光レシーバの改良版であるWDM光レシーバを示す図。
【0037】
【
図3】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学レシーバの構成例を示す図。
【0038】
【
図4】いくつかの実施形態に従って、線形光検出器の一例を示す図。
【0039】
【
図5】いくつかの実施形態に従って、フォトニック回路を動作させるための方法を示すフローチャート。
【0040】
【
図6】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学レシーバの構成例を示す図。
【0041】
【
図7】いくつかの実施形態に従って、フォトニック回路を動作させるための方法を示すフローチャート。
【0042】
【
図8】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学レシーバの構成例を示す図。
【0043】
【
図9】いくつかの実施形態に従って、フォトニック集積回路を動作させるための方法を示すフローチャート。
【0044】
【
図10A】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装されている光入力偏光管理装置の構成例を示す図。
【0045】
【
図10B】いくつかの実施形態に従って、偏光コントローラの実装例と共に、
図10Aの光入力偏光管理装置を示す図。
【0046】
【
図10C】いくつかの実施形態に従って、第1位相シフタが第1複数のリング共振器型位相シフタとして実装され、第2位相シフタが第2複数のリング共振器型位相シフタとして実装されている光入力偏光管理装置の実装例を示す図。
【0047】
【
図11】いくつかの実施形態に従って、光入力偏光管理方法を示すフローチャート。
【0048】
【
図12】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学トランスミッタの構成例を示す図。
【0049】
【
図13】いくつかの実施形態に従って、電気光学トランスミッタを動作させるための方法を示すフローチャート。
【0050】
【
図14】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学トランスミッタの構成例を示す図。
【0051】
【
図15】いくつかの実施形態に従って、光変調方法を示すフローチャート。
【0052】
【
図16】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学トランスミッタの構成例を示す図。
【0053】
【
図17】いくつかの実施形態に従って、光変調方法を示すフローチャート。
【0054】
【
図18】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学コンバイナの構成例を示す図。
【0055】
【
図19】いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャート。
【0056】
【
図20】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学コンバイナの構成例を示す図。
【0057】
【
図21】いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャート。
【0058】
【
図22】いくつかの実施形態に従って、PIC内に実装された電気光学コンバイナの構成例を示す図。
【0059】
【
図23】いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャート。
【0060】
【
図24A】いくつかの実施形態に従って、偏光依存のタイミングスキューを許容するよう構成されている電気光学レシーバを示す図。
【0061】
【
図24B】いくつかの実施形態に従って、
図24Aの電気光学レシーバの変形例を示す図。
【0062】
【
図24C】いくつかの実施形態に従って、
図24Bの電気光学レシーバの変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下では、開示されている実施形態を理解できるように、多くの具体的な詳細事項について説明する。ただし、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全部がなくとも実施可能である。また、開示されている実施形態が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略している。
【0064】
光データ通信システムは、電気ドメイン内のデジタルデータパターンを光ドメイン内の変調光信号として符号化するためにレーザ光を変調することによって動作する。変調光信号は、光ファイバを通して電気光学レシーバへ送信され、そこで、変調光信号は検出され、電気ドメインにおいて元の符号化デジタルデータパターンを取得するために復号される。多くの光データ通信システムでは、光ファイバ内での光の偏光状態は制御されず、システムの動作中に光ファイバの小さい動きおよび/または周囲温度の変化によって摂動されうる。これらのシステムにおいて、電気光学レシーバは、時間と共に変化する任意の偏光を有する入射光信号を扱う必要がある。
【0065】
電気光学レシーバシステムは、しばしば、フォトニック集積回路(PIC)に組み込まれ、光ファイバから入力として受信された変調光信号のコンパクトかつ高性能な検出を可能にする。光ファイバからPICへ光を光結合するには、光ファイバのいずれかの偏光(横電気(TE)または横磁気(TM))から入力光を受け入れ、それをPIC上の1または複数の光導波路へ出力して、しばしば好ましい偏光状態にすることができる光結合構成が必要である。本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、光結合構成が提供されており、その構成では、入射光が二重偏光垂直格子カプラまたはエッジカプラのいずれかを通して受信され、PIC偏光スプリッタへ搬送され、偏光スプリッタが、2つの入射光ファイバ偏光(TEおよびTM)からの入射光を分割して、第1偏光および第2偏光の入射光をPIC上の2つの別個の光導波路へそれぞれ出力する。また、いくつかの実施形態において、第1偏光または第2偏光のいずれかは、PIC上の2つの別個の光導波路へのルート内で他方の偏光へ回転され、その結果、同じ偏光を有する光が、PIC上の2つの別個の光導波路の各々へ搬送される。いくつかの実施例において、偏光に基づいてこのように分割された光信号を効率的に検出できる光学デバイスを用いることにより、重要な利点が得られる。また、いくつかの実施例において、入射光の2つの偏光モード成分の別個の検出を提供するためにフォトダイオードの数を2倍にするのではなく、入射光の偏光モード成分の両方に対して1つのフォトダイオードを(例えば、光検出器内で)用いることによって得られるさらなる利点があり、ここで、かかるさらなる利点は、光学回路の複雑性の低減、チャネルあたりの検出器キャパシタンスの低減、および、フォトダイオード/光検出器の感度の上昇につながる暗電流の低減を含む。
【0066】
電気光学レシーバについての様々な実施形態が、本明細書で開示されている。電気光学レシーバは、単一の光検出器または光検出器セットで任意の入力偏光の光信号の検出を可能にする。電気光学レシーバは、デジタルデータパターンに復号可能な信号を搬送する任意の(制御されていない)偏光を備えた入射光(変調光)を伝送する入射光ファイバを備える。電気光学レシーバは、さらに、入力ファイバからPICへ入射光を転送する光結合装置を備える。電気光学レシーバは、さらに、任意の入力偏光状態を受信し、それをPICの2つの別個の光導波路に分割する偏光ビームスプリッタを備えており、ここで、各光導波路は、入射光の入力偏光状態の直交成分の1つ(おそらくは、別の偏光状態に変換されている)を含む。電気光学レシーバのいくつかの実施形態において、偏光ビームスプリッタの機能は、二重偏光格子カプラの形態の光結合装置と組み合わせられる。電気光学レシーバのいくつかの実施形態において、PICの2つの光導波路は、他の空間モード(他の偏光状態など)から伝搬定数が良好に分離されている単一の偏光モードをサポートして、それを動作上は単一モード、単一偏光にする。電気光学レシーバは、さらに、PICの2つの光導波路が同じ光検出器または光検出器セットへルーティングされる光ルーティングシステムを備える。電気光学レシーバは、さらに、PICの2つの光導波路と光検出器または光検出器セットとの間の時間遅延の不一致から生じる信号の劣化を補正するタイミングスキュー管理システムを備える。
【0067】
本明細書で開示されている電気光学レシーバは、PIC内に実装された電気光学レシーバが、偏光の制御されていない入射光ファイバから光を検出する用途で特に有用である。電気光学レシーバは、例えば波長分割多重(WDM)を用いて、異なる波長で入射光ファイバ上の複数のデータチャネルを符号化する用途において、および、偏光ダイバーシティWDM電気光学レシーバアーキテクチャがタイミングスキューを有する場合に、特に有利である。このタイミングスキューは、典型的には周知の方法で、チャネルによって異なりうる。制御されていない入力偏光を扱うことのできるいくつかの既存の電気光学レシーバは、信号を結合するために、膨大なデジタル信号処理と共に、2つの別個の電気光学レシーバ(各直交偏光状態に対して1つ)を必要とする。本明細書で開示されている電気光学レシーバ実施形態は、任意の波長チャネルの2つの偏光状態からの信号を結合して検出するために、単一のコンパクトかつ電力効率のよい電気光学レシーバを提供することを理解されたい。
【0068】
本明細書で開示されている電気光学レシーバのいくつかの実施形態は、異なる波長チャネルの入射光の偏光状態が波長チャネルの間でおおよそ同じであり、異なる波長チャネルの入射光の偏光状態が未知である状況で、特に有用である。本明細書で開示されている電気光学レシーバのいくつかの実施形態は、所与の波長チャネルの入六光の偏光状態が未知であり、所与の波長チャネルの入射光の偏光状態が、入射光のその他の波長チャネルと比較して遅くかつ制御された方法で(例えば、単調に)変化する状況で、特に有用である。例えば、これらの状況は、WDMポイントツーポイントリンクの場合と同様に、WDM信号波長チャネルすべてが同じソースに由来し、同じ光ファイバを通り、一緒に受信される場合に起こりうる。本明細書で開示されている電気光学レシーバのいくつかの実施形態は、入射光の各波長チャネルが完全に異なる未知の偏光を有し、入射光の異なる波長チャネルの偏光状態に相関関係がないより一般化された状況で有用である。例えば、これらの状況は、異なるWDMチャネルが異なる場所に由来し、入射光のそれぞれのソースから電気光学レシーバへの伝搬経路全体にわたって同じ光ファイバを共有しえない場合に起こりうる。本明細書で開示されている電気光学レシーバは、偏光状態が未知であり、時間的に静的でありまたは時間的に動的に変化している入射光信号を扱うよう構成されている。本明細書で開示されている電気光学レシーバの様々な実施形態は、偏光状態が高速で(例えば、ギガヘルツ(GHz)レジームに、より典型的には、キロヘルツ(kHz)(またはミリ秒)レジームで)変化する場合でも、未知の偏光状態を有する入射光信号の受信を提供する。
【0069】
図1Aは、いくつかの実施形態に従って、電気光学レシーバ100の構成例を示す。電気光学レシーバ100は、入射光が光ファイバ103から受信されるPIC101を備える。PICは、光ファイバ103から入射光を受信し、その入射光をPIC101内の光導波路107へ方向付けるよう構成されている光カプラ105を備える。入射光は、1または複数の光信号を搬送する。例えば、入射光は、デジタルビットパターンを光学的に搬送する変調光である。また、入射光は、偏光制御を持たない。したがって、光ファイバ103から受信された入射光の偏光は、光カプラ105に入る時には未知である。電気光学レシーバ100の例において、光カプラ105は、垂直格子カプラである。いくつかの実施形態において、光カプラ105は、入射光の2つの偏光(TEおよびTM)を分割する二重偏光格子カプラとして(エッジ格子カプラまたは垂直格子カプラのいずれかとして)構成されている。二重編波格子カプラは、第1偏光(TEまたはTMのいずれか)を有する入射光の第1部分を光導波路107の第1端107Aへ方向付けるよう構成されている。二重偏光格子カプラは、さらに、第1偏光を有する入射光の偏光回転された第2部分を提供するために、入射光の第2部分の偏光を第1偏光と反対の第2偏光(例えば、第1偏光がTEの場合、第2偏光はTMであり、その逆も同様である)から第1偏光へ回転させるよう構成されている。二重偏光格子カプラは、さらに、入射光の偏光回転済みの第2部分を光導波路107の第2端へ方向付けるよう構成されている。光導波路107は、第1端107Aから第2端107Bまで連続的なループ状の構成で伸びるよう構成されている。このように、第1偏光を有する入射光の第1部分は、第1端107Aから第2端107Bへ向かって光導波路107を通して第1光伝搬方向に伝搬し、入射光の偏光回転済みの第2部分(これも第1偏光を有する)は、第2端107Bから第1端107Aへ向かって光導波路107を通して第2光伝搬方向へ伝搬する。したがって、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分は、光導波路107を通して逆の光伝搬方向に伝搬する。いくつかの実施形態において、光導波路107の第1端107Aおよび第2端107Bは、二重偏光格子カプラから光導波路107への光の光結合を容易にするために、光導波路107のそれぞれのテーパ状領域として構成されている。
【0070】
電気光学レシーバ100は、さらに、複数のリング共振器型光検出器109-1~109-nを備え、ここで、nは、1より大きい整数値である。リング共振器型光検出器109-1~109-nは、光導波路107に沿って光導波路107のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。リング共振器型光検出器109-1~109-nの各々は、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器109-1~109-nの任意の1つが動作するそれぞれの共振波長は、狭い波長範囲である。記載の簡単のために、本明細書に開示の任意のリング共振器は、それぞれの共振波長が、実際には、その他の異なる共振波長範囲から区別できる狭い波長範囲であるという理解の下で、それぞれの共振波長を操作するものとして記載されている。このように、リング共振器型光検出器109-1~109-nの各々は、それぞれの共振波長の(それぞれの共振波長の周りの狭い波長範囲内の)光を検出するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器109-1~109-nの各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器109-1~109-nの各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0071】
リング共振器型光検出器109-1~109-nの各々は、リング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xに対応する共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1伝搬方向にリング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへ光学的に結合すると共に、リング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xに対応する共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分も、第1伝搬方向と逆向きの第2伝搬方向にリング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへ光学的に結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。例えば、光導波路107の第1端107Aから光導波路107の第2端107Bに向かって伝搬する入射光の第1部分の特定の波長は、入射光の第1部分の特定の波長が、光学的に結合する1または複数のリング共振器型光検出器109-1~109-n内で反時計回りの方向に伝搬するように、特定の波長と実質的に等しい共振波長で動作するリング共振器型光検出器109-1~109-nの内の1または複数へ光学的に結合する。逆に、光導波路107の第2端107Bから光導波路107の第1端107Aに向かって伝搬する入射光の偏光回転済みの第2部分の特定の波長は、入射光の偏光回転済みの第2部分の特定の波長が、光学的に結合する1または複数のリング共振器型光検出器109-1~109-n内で反時計回りの方向に伝搬するように、特定の波長と実質的に等しい共振波長で動作するリング共振器型光検出器109-1~109-nの内の1または複数へ光学的に結合する。
【0072】
入射光の第1部分および入射光の対応する偏光回転済みの第2部分は、リング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへ同時に到達しえないので、電気光学レシーバ100は、さらに、入射光で搬送される光信号の回復を提供するために、リング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへの入射光の第1部分および入射光の対応する偏光回転済みの第2部分の到達時間の時間差を特定して補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システム111を備える。リング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへの入射光の第1部分および入射光の対応する偏光回転済みの第2部分の到達時間の差は、光導波路107を通ってリング共振器型光検出器の内の所与の1つ109-xへ至る光学経路長の差によって、および/または、光カプラ105から(二重偏光格子カプラから)入射光の偏光回転済みの第2部分を出力する際の入射光の第1部分に対する遅延によって、引き起こされうる。
【0073】
図1Bは、いくつかの実施形態に従って、PIC151内に実装された電気光学レシーバ150の構成例を示す。電気光学レシーバ150は、矢印154で示すように、光カプラ153を通して光ファイバ/導波路152から入射光信号を受信する。いくつかの実施形態において、光カプラ153は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ153は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路152へのPIC151の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光信号は、光カプラ153から光導波路155を通して電気光学レシーバ150の偏光スプリッタ/ローテータ(PSR)156の光入力へ搬送される。このように、PSR156は、入射光を受信するために光学的に接続された光入力156Aを有する。いくつかの実施形態において、PSR156の光入力156Aは、光導波路155が必要ないように、光カプラ153へ直接的に光結合されている。PSR156は、第1光出力156Bおよび第2光出力156Cを有する。PSR156は、第1光出力156Bを通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。PSR156は、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR156は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR156は、第2光出力156Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。
【0074】
電気光学レシーバ150は、PIC151内に形成された光導波路157を備える。光導波路157は、PSR156の第1光出力156Bへ光学的に接続されている第1端157Aを有する。光導波路157は、さらに、PSR156の第2光出力156Cへ光学的に接続されている第2端157Bを有する。このように、入射光の第1部分は、矢印158で示すように、PSR156の第1光出力156Aから光導波路157を通して第1方向に伝搬する。また、入射光の偏光回転済みの第2部分は、矢印159で示すように、PSR156の第2光出力156Cから光導波路157を通して第1方向と反対向きの第2方向に伝搬する。光導波路157は、光がイン結合、アウト結合、および、ガイドされうるような材料で形成されている。光導波路157は、光導波路157内で光を導くことを可能にするために、光導波路157とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。
【0075】
電気光学レシーバ150は、さらに、光導波路157に沿って光導波路157のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6を備える。リング共振器型光検出器161-1~161-6の数は、例として提供されていることを理解されたい。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ150は、6より少ないリング共振器型光検出器を備える。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ150は、6より多いリング共振器型光検出器を備える。リング共振器型光検出器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、光導波路157に沿って配置できるリング共振器型光検出器の数(例えば、161-1~161-6)に制限はないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器161-1~161-6は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器161-1~161-6は、円板として実装される。リング共振器型光検出器161-1~161-6は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器型光検出器161-1~161-6の各々は、リング共振器型光検出器161-1~161-6内およびリング共振器型光検出器161-1~161-6の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器型光検出器161-1~161-6とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器161-1~161-6の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器161-1~161-6の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0076】
複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の各々は、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1伝搬方向に複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つへ光結合すると共に、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第1伝搬方向とは反対向きの第2伝搬方向に複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ6で動作するようそれぞれ構成されている。例えば、入射光が、波長λ2と実質的に等しい波長を有する場合、波長λ2を有する入射光の第1部分は、リング共振器161-2へ光学的に結合し、リング共振器161-2内で反時計回りの方向に伝搬し、波長λ2を有する入射光の偏光回転済みの第2部分も、リング共振器161-2へ光学的に結合し、リング共振器161-2内で時計回りの方向に伝搬する。入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の両方が、光導波路157内で同じ偏光状態を有することを理解されたい。したがって、特定の共振波長で動作するリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の任意の1つが、特定の共振波長を有する入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の両方を光学的にインカップリングして検出することができる。
【0077】
電気光学レシーバ例150で示すものなど、いくつかの実施形態において、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6は、光導波路157の第1端157Aと、光導波路157の第1端157Aおよび第2端157Bの間の中間に位置する光導波路157の中間点157Cとの間に配置されている第1セットのリング共振器型光検出器161-1~161-3を含む。また、これらの実施形態において、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6は、光導波路157の第2端157Bと光導波路157の中間点157Cとの間に配置されている第2セットのリング共振器型光検出器161-4~161-6を含む。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器の第1セットにおけるリング共振器型光検出器の数は、3つのリング共振器型光検出器161-1~161-3よりも少ないまたは多いことを理解されたい。また、いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器の第2セットにおけるリング共振器型光検出器の数は、3つのリング共振器型光検出器161-4~161-6よりも少ないまたは多い。
【0078】
いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ150は、さらに、電気制御信号に従って制御された方法で、光導波路157を通して伝搬される光を減衰させるよう構成されている可変光減衰器(VOA)163を備える。いくつかの実施形態において、VOA163は、光導波路157の第1端157Aまたは第2端157Bのいずれかの近くで光導波路157に光学的に結合するよう配置されている。電気光学レシーバ例150において、VOA163は、光導波路157の第1端157Aの近くで光導波路157へ光学的に結合されている。VOA163は、電気光学レシーバ150が最初にオンにされた時、入射光信号に存在する様々な波長チャネルの光をインカップリングするためにリング共振器型光検出器161-1~161-6がそれぞれの共振波長λ1~λ6に調整される前に、光導波路157から光ファイバ/導波路152へ戻る光の反射/伝達を制限するよう動作する。電気光学レシーバ150の起動中、リング共振器型光検出器161-1~161-6のいずれにも結合しない入射光は、光導波路157を通って光ファイバ/導波路152を通して戻り、入射光が送信されたソースに損傷を与える場合がある。例えば、入射光のソースがレーザ源である場合、入力レーザ光がレーザ源へ戻る逆伝達が、レーザ源に損傷を与え、または、その性能を低下させうる。これを防ぐために、電気光学レシーバ150の起動中に、VOA163は、光導波路157内を伝搬する光を、光ファイバ/導波路152に戻る光が入射光の送信元のソース(例えば、レーザ源)を損傷せずおよび/またはその動作を妨害しないレベルまで減衰させるように動作しつつも、光導波路157内の光電力を、リング共振器型光検出器161-1~161-6が、入射光信号に存在する様々な波長チャネルに対応するそれぞれの共振波長λ1~λ6に調整されてロックされるのを可能にするだけの高さに維持する。次いで、リング共振器型光検出器161-1~161-6が、入射光信号に存在する様々な波長チャンネルに対応するそれぞれの共振波長λ1~λ6に調整されてロックされた後、VOA163の動作は、光導波路157内で伝搬する光の減衰を低減または停止するよう調整される。
【0079】
いくつかの実施形態において、VOA163は、自由キャリア吸収によってVOA163の光導波路内での光吸収を増大させるVOA163の光導波路内の電流を順方向バイアス時に生み出す組み込みPNダイオードまたはPINダイオードを有する光導波路(または光導波路157の一部)として実装される。これらの実施形態において、VOA163の光導波路内の光吸収は、VOA163の光導波路内の順方向バイアス電圧を増大させることによって(ひいては、電流を増大させることによって)増大される。また、これらの実施形態において、VOA163の光導波路内の光吸収は、VOA163の光導波路内の順方向バイアス電圧を減少させることによって(ひいては、電流を減少させることによって)減少される。また、これらの実施形態において、VOA163の光導波路内の光吸収は、VOA163の光導波路内のPNダイオードまたはPINダイオードの逆バイアスによって停止される。いくつかの実施形態において、VOA163のPNダイオードまたはPINダイオードは、光導波路157内に実際に形成される。いくつかの実施形態において、VOA163は、光導波路157から分離した独自の光導波路を備え、ここで、VOA163の光導波路は、光導波路157の一部にエバネッセント光結合されており、PNダイオードまたはPINダイオードは、VOA163の光導波路に組み込まれている。
【0080】
いくつかの実施形態において、電子光学レシーバ150は、さらに、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の任意の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の前述の任意の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システム165を備える。タイミングスキュー管理システム165が、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の各々による光電流発生の時間差を電子的に補償するよう動作した後、リング共振器型光検出器161-1~161-6の各々によって生成された光電流は光電流を入射光信号によって搬送されたデジタルデータパターンに復号するために、光電流処理回路167へ伝送される。異なる偏光からの光が、同じ偏光を有するようにされ、単一の導波路に結合されるいくつかの実施形態において、もしくは、異なる偏光からの光が、同じ偏光を有するようにされ、単一の光検出器または光検出器セットに結合されるいくつかの実施形態において、各偏光状態からの光信号の間に時間遅延の差(タイミングスキュー)が存在しうる。結合された光信号を光検出器または光検出器セットで電気信号に変換した後、タイミングスキューは、ベースバンド信号の電気高周波成分周辺のノッチフィルタとして現れる。ノッチフィルタの中心周波数は、タイミングスキューの大きさに依存し、ノッチフィルタの深さは、2つの偏光状態の間の光電力の相対分割によって決定される。デジタル通信用途では、このノッチフィルタは、符号間干渉(ISI)の増大につながる。タイミングスキュー管理システム165は、タイミングスキューの存在を検出し、タイミングスキューの大きさを決定し、光電流処理回路167へ伝送される光電流ベースの信号におけるタイミングスキューを補償するよう構成されている。
【0081】
いくつかの実施形態において、複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、リング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つによる光電流発生の時間差(タイミングスキュー)は、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が移動する複数のリング共振器型光検出器161-1~161-6の内の所与の1つまでの光移動距離の差を低減することによって低減される。
図2A、
図2B、および、
図2Cは、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が移動する同じ光導波路を通って複数の光検出器の内の所与の1つに至る光移動距離の差を低減する方法の例を示しており、ここで、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分は、同じ光導波路(
図1Bの電気光学レシーバ150内の光導波路など)を通して反対方向に移動する。
【0082】
様々な実施形態において、PSR156、および、本明細書で言及されているPSRのいずれかが、1)入射光の2つの偏光(TEおよびTM)の受信、2)入射光の偏光の一方を他方の偏光へ回転(TEをTMへ回転、または、TMをTEへ回転)、3)回転されていない偏光を有する入射光の部分を第1出力光導波路へ出力、ならびに、4)回転された偏光を有する入射光の部分を第2出力光導波路へ出力、を提供するように構成されている。様々な実施形態において、PSR156および本明細書で言及されているPSRのいずれかによって実行される入射光の偏光回転および元の偏光に基づいた分割は、PSR内で同時または順次に実行可能であることを理解されたい(例えば、偏光回転が、入射光の元の偏光に基づいた分割の前、後、または、同時に実行される)。
【0083】
図1Cは、いくつかの実施形態に従って、PSR171の構成例を示す。PSR例171は、PSR156および/または本明細書で言及されているPSRのいずれかに利用できることを理解されたい。また、PSR171は例として提供されており、PSR156および/または本明細書で言及されているPSRのいずれかが様々な実施形態においてどのように構成されうるのかを決して限定しないことを理解されたい。PSR171は、第1光導波路172および第2光導波路173を備える。
図1Dは、いくつかの実施形態に従って、
図1Cの矢視線A-AにおけるPSR例171を示す垂直断面図である。いくつかの実施形態において、第1光導波路172は、窒化シリコン光導波路であり、第2光導波路173は、シリコン光導波路である。いくつかの実施形態において、PSR171は、基板174上に配置された埋め込み酸化物(BOX)層175上に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路173および第2光導波路172は、光クラッド176内に形成されている。いくつかの実施形態において、光クラッド176は、二酸化シリコンである。第1光導波路172は、矢印177で示すように、光クラッドの層によって第2光導波路173から垂直に分離されている。
【0084】
第1光導波路172は、TE偏光およびTM偏光の両方を含む入射光を受信するために接続されている入力セクション172Aを備える。いくつかの実施形態において、入力セクション172Aは、入射光のスポットサイズを第1光導波路172の光モードに変換するために逆テーパとして構成されている。(光伝搬方向に関して)入力セクション172Aの後ろに、第1光導波路172は、回転/分割セクション172Bを備える。いくつかの実施形態において、回転/分割セクション172Bは、略直線形状を有する。回転/分割セクション172Bの後ろに、第1光導波路172は、PSR171の第1光出力172Dへ光学的に接続されている出力セクション172Cを備える。第1光導波路172は、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の部分が実質的に変化することなしに第1光導波路172を通してPSR171の第1光出力172Dへ伝搬するよう構成されている。PSR例171は、入射光のTE偏光が実質的に変化することなしに第1光導波路172を通してPSR171の第1光出力172Dへ伝搬する様子を示している。
【0085】
第2光導波路173は、第1光導波路172の回転/分割セクション172Bからの入射光のTM偏光をエバネッセントにインカップリングすると同時にインカップリングされたTM偏光をTE偏光へ回転させるよう構成されている回転/分割セクション173Aを備える。これを達成するために、第2光導波路173の回転/分割セクション173Aは、第1光導波路172の回転/分割セクション172Bに対して偏心は位置された(光伝搬方向と垂直な方向に横方向オフセットを有する)逆テーパ構成を有する。第1光導波路172の回転/分割セクション172Bに対する第2光導波路173の回転/分割セクション173Aの横方向オフセットは、第1光導波路172の回転/分割セクション172BにおいてTM0モードを回転させて回転済みTE0モードにして、この回転済みTE0モードを第2光導波路173の回転/分割セクション173Aへ結合するために、水平および垂直の対称性を破るよう機能する。回転済みTE0モードは、第2光導波路173の出力セクション173Bを通してPSR171の第2光出力173Cへ伝達される。PSR例171は、入射光のTE偏光が実質的に変化することなしに第1光導波路172を通してPSR171の第1光出力172Dへ伝搬する様子を示すと共に、入射光のTM偏光がPSR171の第2光出力173Cへのルート内でTE偏光へ回転される様子を示しているが、PSR171の他の実施形態は、PSR171の第2光出力173Cへのルート内で入射光のTE偏光をTM偏光へ回転させつつ、実質的に変化することなしに第1光導波路172を通してPSR171の第1光出力172Dへ入射光のTM偏光を伝搬させるよう構成される。
【0086】
図1Eは、いくつかの実施形態に従って、PSR181の構成例を示す。PSR例181は、PSR156および/または本明細書で言及されているPSRのいずれかに利用できることを理解されたい。また、PSR181は例として提供されており、PSR156および/または本明細書で言及されているPSRのいずれかが様々な実施形態においてどのように構成されうるのかを決して限定しないことを理解されたい。PSR181は、リブ型光導波路を実装する広帯域PSRである。PSR181は、第1ブランチ183および第2ブランチ185を備える。PSR181は、第1ブランチスラブ導波路187、第1ブランチリブ導波路189、第2ブランチスラブ導波路188、および、第2ブランチリブ導波路190を備えた光導波路システムとして構成されている。
図1Fは、いくつかの実施形態に従って、
図1Eの矢視線A-AにおけるPSR例181を示す垂直断面図である。
図1Gは、いくつかの実施形態に従って、
図1Eの矢視線B-BにおけるPSR例181を示す垂直断面図である。いくつかの実施形態において、第1ブランチスラブ導波路187、第2ブランチスラブ導波路188、第1ブランチリブ導波路189、および、第2ブランチリブ導波路190は、モノリシック光導波路構造として一体的に形成されており、そこで、第1ブランチスラブ導波路187、第2ブランチスラブ導波路188、第1ブランチリブ導波路189、および、第2ブランチリブ導波路190は、モノリシック光導波路構造の異なる部分を形成している。いくつかの実施形態において、モノリシック光導波路構造は、シリコン光導波路として形成されている。いくつかの実施形態において、モノリシック光導波路構造は、窒化シリコン光導波路として形成されている。いくつかの実施形態において、PSR181は、基板192上に配置されたBOX層191上に形成されている。いくつかの実施形態において、第1スラブ導波路187、第2ブランチスラブ導波路188、第1ブランチリブ導波路189、および、第2ブランチリブ導波路190を備えたモノリシック光導波路構造は、光クラッド193内に形成されている。いくつかの実施形態において、光クラッド193は、二酸化シリコンである。
【0087】
第1ブランチリブ導波路189は、略直線形状を有する入力セクション189Aを備え、(PSR181における光伝搬方向に関して)その後ろにテーパ状セクション189Bが続き、その後ろに出力セクション189Cが続いている。第1ブランチスラブ導波路187は、テーパ状入力セクション187Aを備え、その後ろにテーパ状セクション187B(リブテーパ状セクション189Bに対応する)が続き、その後ろに出力セクション187C(リブ出力セクション189Cに対応する)が続いている。第2ブランチリブ導波路190は、テーパ状セクション190Aを備え、(PSR181における光伝搬方向に関して)その後ろに出力セクション190Bが続いている。第2ブランチスラブ導波路188は、テーパ状セクション188A(リブテーパ状セクション190Aに対応する)を備え、その後ろに出力セクション188B(リブ出力セクション190Bに対応する)が続いている。いくつかの実施形態において、第1ブランチリブ導波路189と第2ブランチリブ導波路190との間に配置されている第2ブランチスラブ導波路188の出力セクション188Bの一部は、出力光導波路を分離する目的で、第1ブランチ183および第2ブランチ185の出力の容易な光ルーティングを提供するために光伝搬方向に沿って増大する幅を有する。
【0088】
第1ブランチリブ導波路189の入力セクション189Aおよびテーパ状セクション189B、ならびに、第1ブランチスラブ導波路187のテーパ状入力セクション187Aおよびテーパ状セクション187Bは、集合的に偏光ローテータとして機能する。第1ブランチリブ導波路189の出力セクション189Cおよび第1ブランチスラブ導波路187の出力セクション187C、ならびに、第2ブランチリブ導波路190のテーパ状セクション190Aおよび第2ブランチスラブ導波路188のテーパ状セクション188Aは、集合的に偏光スプリッタとして機能する。このように、入射光のTE0偏光は、第1ブランチ183を通してPSR181の第1光出力195へ実質的に変化することなしに伝送される。入射光のTM0偏光は、入射光のこの部分が第1ブランチ183を通して伝送される間に、TE1偏光へ回転され、次いでTE0偏光へ回転され、第2光出力197へのルート内で第2ブランチ185へ光結合される。あるいは、いくつかの他の実施形態において、PSR181は、実質的に変化させることなしに入射光のTM偏光を通過させ、入射光のTE偏光を出力TM偏光へ回転/分割させるよう構成されている。
【0089】
PSR171およびPSR181は、本明細書に記載のPSRが、いくつかの実施形態例においてどのように実装されうるのかを示す例として提供されていることを理解されたい。また、いくつかの実施形態において、本明細書に記載のPSRはいずれも、二編波回折格子カプラ(
図1Aに関して記載したものなど)として実装可能であることを理解されたい。PSR例171およびPSR例181は、本明細書に記載の様々なPSRが、様々な実施形態でどのように実装されうるのかを決して限定しないことを理解されたい。本明細書に記載のPSRはいずれも、PSRによって受信された入射光の2つの入力偏光の一方(TEまたはTM)が、他方の偏光へ回転され、PSRの2つの出力の一方へ方向付けられ、入射光の非回転偏光がPSRの2つの出力の他方へ方向付けられる限りは、異なる方法で実装されてもよい。
【0090】
図2Aは、いくつかの実施形態に従って、第1端205Aから第2端205Bまで連続的なループ状構成で伸びるよう構成されている光導波路205に沿って配置された複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6(波長チャネルごとに1つ)を備えたWDM光レシーバ201の例を示す。複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の各々は、検出された光電流を複数のレシーバ回路207-1~207-6の内の対応する1つへ伝送するように電気接続されている。複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の各々は、特定のリング共振器型光検出器の動作共振波長と実質的に同じ波長を有する光導波路205からの光をエバネッセントにインカップリングするように配置されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器203-1~203-6の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型光検出器203-1~203-6の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。光導波路205は、光導波路205の第1端205Aおよび第2端205Bの間のおよそ中間にある中心位置205Cを有する。
図2Aの例において、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6はすべて、光導波路205の同じ半分に沿って配置されており、これにより、異なるリング共振器型光検出器203-1~203-6の間で光学経路長の不一致が大きくなっている。したがって、
図2Aの例において、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差に起因して、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つによる光電流発生に大きい時間差(タイミングスキュー)が存在する。
【0091】
図2Bは、いくつかの実施形態に従って、
図2AのWDM光レシーバ201の改良版であるWDM光レシーバ201Aを示す。WDM光レシーバ201Aにおいて、複数のリング共振器型光検出器の内の第1半分203-1~203-3は、光導波路の第1端205Aから中心位置205Cまで伸びる光導波路205の第1半分に沿って配置されている。また、リング共振器型光検出器の第1半分203-1~203-3は、光導波路205の中心位置205Cの近くに配置されている。同様に、WDM光レシーバ201Aにおいて、複数のリング共振器型光検出器の内の第2半分203-4~203-6は、光導波路205の第2端205Bから中心位置205Cまで伸びる光導波路205の第2半分に沿って配置されている。また、リング共振器型光検出器の第2半分203-1~203-3は、光導波路205の中心位置205Cの近くに配置されている。光レシーバ201Aにおいて、リング共振器型光検出器203-1-203-6は、光導波路205の中心位置205Cの周りに、できるだけ光導波路205の中心位置205Cの近くに均等に分配されている。複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6を光導波路205の中心位置205Cを中心に配置することで、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が移動する複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つまでの光移動距離の差が最小化され、ひいては、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の間のタイミングスキューが最小化されることを理解されたい。光レシーバ201Aは、入射光信号内の各波長チャネル信号の各々の各偏波の間の残留経路長差を最小化する。
【0092】
図2Cは、いくつかの実施形態に従って、
図2BのWDM光レシーバ201Aの改良版であるWDM光レシーバ201Bを示す。WDM光レシーバ201Bにおいて、光導波路205は、第1端209A、第2端209B、および、中心位置209Cを有する光導波路209で置き換えられている。光導波路209は、さらに、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6が光導波路205の中心位置205Cを中心として光導波路209の線形部分に沿って配置される複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の線形配置を収容するのに十分に長い光導波路209の線形部分に沿って、光導波路209の中心位置209Cが配置されるように構成されている追加の導波路セクション209Dを備える。複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6を光導波路205の中心位置209Cを中心に配置させることで、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が移動する複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つまでの光移動距離の差が最小化され、ひいては、複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の間のタイミングスキューが最小化される。複数のリング共振器型光検出器203-1~203-6をWDM光レシーバ201B内で線形配置に置くことで、レシーバ回路207-1~207-6をチップ上で互いに隣り合わせで配置することになり、これにより、他のフォトニック回路および/または電子回路の実装のためにチップのその他の領域が開放されることを理解されたい。光レシーバ201Bも、各偏波の信号の各々の間の残留経路長差を最小化する。
【0093】
図3は、いくつかの実施形態に従って、PIC302内に実装された電気光学レシーバ300の構成例を示す。
図1Bの電気光学レシーバ150と同様に、電気光学レシーバ300は、矢印154で示すように、光カプラ153を通して光ファイバ/導波路152から入射光信号を受信する。入射光信号は、光カプラ153から光導波路155を通してPSR156の光入力へ搬送される。
図1Bの電気光学レシーバ150と同様に、PSR156は、PSR156の第1光出力156Bを通るように、第1偏光を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR156は、入射光の第2部分が入射光の偏光回転された第2部分になるように、入射光の第2部分の偏光を第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。PSR156は、PSR156の第2光出力156Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。光導波路157の第1端157Aは、PSR156の第1光出力156Bへ光学的に接続されている。光導波路157の第2端157Bは、PSR156の第2光出力156Cへ光学的に接続されている。電気光学レシーバ300の光導波路157は、
図1Bの電気光学レシーバ150のものと同様である。光導波路157は、連続的なループ状構造を有する。このように、入射光の第1部分は、矢印158で示すように、PSR156の第1光出力156Aから光導波路157を通して第1方向に伝搬する。また、入射光の偏光回転済みの第2部分は、矢印159で示すように、PSR156の第2光出力156Cから光導波路157を通して第1方向と反対向きの第2方向に伝搬する。
【0094】
電気光学レシーバ300は、光導波路157に沿って光導波路157のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器301-1~301-3を備える。電気光学レシーバ300の構成例は、説明のために3つのリング共振器301-1~301-3を備える。様々な実施形態において、電気光学レシーバ300は、光導波路157に沿って光導波路157のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている3より少ないまたは3より多いリング共振器を備える。リング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、光導波路157に沿って配置できるリング共振器の数(例えば、301-1~301-3)に制限はない。いくつかの実施形態において、リング共振器301-1~301-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器301-1~301-3は、円板として実装される。リング共振器301-1~301-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器301-1~301-3の各々は、リング共振器301-1~301-3内およびリング共振器301-1~301-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器301-1~301-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器301-1~301-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器301-1~301-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0095】
複数のリング共振器301-1~301-3の各々は、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。このように、複数のリング共振器301-1~301-3の内の所与の1つに対応する共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の第1部分が、第1伝搬方向に複数のリング共振器301-1~301-3の内の所与の1つへ光学的に結合し、複数のリング共振器301-1~301-3内の所与の1つに対応する共振波長と実質的に等しい波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第1伝搬方向と逆向きの第2伝搬方向に複数のリング共振器301-1~301-3の内の所与の1つへ光学的に結合する。例えば、特定の波長を有する入射光の第1部分は、特定の波長で動作するリング共振器301-xに光結合し、リング共振器301-x内で反時計回りの方向に伝搬する。特定の波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分は、特定の波長で動作するリング共振器301-xに光結合し、リング共振器301-x内で時計回りの方向に伝搬する。
【0096】
電気光学レシーバ300は、複数のリング共振器301-1~301-3のエバネッセント光結合距離内にそれぞれ配置されている複数の出力光導波路303-1~303-3を備える。複数の出力光導波路303-1~303-3の各々は、それぞれ、結合セクション303A-1~303A-3を備える。複数の出力光導波路303-1~303-3の各々は、それぞれ、短尺セクション303B-1~303B-3を備える。複数の出力光導波路303-1~303-3の各々は、それぞれ、長尺セクション303C-1~303C-3を備える。出力光導波路303-1~303-3の数は、リング共振器301-1~301-3の数に等しい。したがって、リング共振器の数が様々な実施形態において変化すると、出力光導波路の数も変化する。結合セクション303A-1~303A-3は、複数のリング共振器301-1~301-3の内の対応する1つからの光をエバネッセントにインカップリングするように配置されている。このように、リング共振器301-1~301-3の各々は、入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の特定の波長を光導波路157から出力光導波路303-1~303-3の内の対応する1つへ転送するよう動作する。リング共振器301-1~301-3内で反時計回りの方向に伝搬する入射光の第1部分は、それぞれ、結合セクション303A-1~303A-3を通って、それぞれ、矢印307-1~307-3で示すように、それぞれ、長尺セクション303C-1~303C-3へ光結合される。リング共振器301-1~301-3内で時計回りの方向に伝搬する入射光の偏光回転済みの第2部分は、それぞれ、結合セクション303A-1~303A-3を通って、それぞれ、矢印309-1~309-3で示すように、それぞれ、短尺セクション303B-1~303B-3へ光結合される。
【0097】
出力光導波路303-1~303-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。出力光導波路303-1~303-3の各々は、出力光導波路303-1~303-3内で光を導くことを可能にするために、それぞれ、出力光導波路303-1~303-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、出力光導波路303-1~303-3は、ラックトラック型の形状を有するように実装されている。ただし、他の実施形態において、出力光導波路303-1~303-3は、それぞれ、結合セクション303A-1~303A-3と、それぞれ、短尺セクション303B-1~303B-3と、それぞれ、長尺セクション303C-1~303C-3と、を備える限りは、任意の形状を有するように実装されてよいことを理解されたい。
【0098】
電気光学レシーバ300は、複数のリング共振器303-1~303-3とそれぞれ関連付けられている複数の光検出器(PD)305-1~305-3を備える。したがって、リング共振器の数が様々な実施形態において変化すると、光検出器の数も変化する。出力光導波路303-1~303-3の短尺セクション303B-1~303B-3は、対応する結合セクション303A-1~303A-3の第1端から複数の光検出器305-1~305-3の内の対応する1つまで伸びている。出力光導波路303-1~303-3の長尺セクション303C-1~303C-3は、対応する結合セクション303A-1~303A-3の第2端から複数の光検出器305-1~305-3の内の対応する1つまで伸びている。出力光導波路303-1~303-3の内の所与の1つ内の長尺セクション303C-1~303C-3の長さおよび短尺セクション303B-1~303B-3の長さは、長尺セクション303C-1~303C-3および短尺セクション303B-1~303B-3が光学的に接続されている光検出器305-1~305-3の内の対応する1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するように規定されている。光導波路157の第2端157Bからリング共振器301-1~301-3の各々までの光導波路157に沿った距離が異なるため、長尺セクション303C-1~303C-3の長さは、出力光導波路303-1~303-3の各々について異なっている。いくつかの実施形態において、長尺セクション303C-1~303C-3の長さは、複数のリング共振器301-1~301-3の内の対応する1つと、光導波路157の中間点との間の距離が減少するにつれて減少し、ここで、光導波路157の中間点は、光導波路157の第1端157Aおよび第2端157Bの間のおよそ中間にある。
【0099】
電子光学レシーバ300は、さらに、複数の光検出器305-1~305-3の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、複数の光検出器305-1~305-3の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するよう構成されているタイミングスキュー管理システム165を備える。いくつかの実施形態において、光検出器305-1~305-3は、線形光検出器であり、出力光導波路303-1~303-3の内の対応する1つの短尺セクション303B-1~303B-3が、線形光検出器の第1端へ光学的に接続され、出力光導波路303-1~303-3の対応する1つの長尺セクション303C-1~303C-3が、線形光検出器の第2端へ光学的に接続されている。
【0100】
図4は、いくつかの実施形態に従って、線形光検出器の一例400を示す図である。いくつかの実施形態において、別個の線形光検出器400が、電気光学レシーバ300において光検出器305-1~305-3の各々に対して用いられる。線形光検出器400は、Pドープ領域401、固有領域403、および、Nドープ領域405を備えたPINタイプの光検出器として示されている。固有領域403は、Pドープ領域401とNドープ領域405との間に配置されている。いくつかの実施形態において、Pドープ領域401およびNドープ領域405は、入れ換えられている。いくつかの実施形態において、固有領域403は、検出される光を方向付けるための光導波路である。いくつかの実施形態において、Pドープ領域401の少なくとも一部およびNドープ領域405の少なくとも一部が、光導波路内に形成される。動作中、光検出器400は、固有領域403内で光吸収によって生成された電荷キャリアが、光検出器400の長さに沿って接続されている電気接点407にスイープされるように、逆バイアスされる。
【0101】
線形光検出器400は、各偏光からの入射光を独立的に検出することを可能にする。より具体的には、第1偏光を有する入射光の第1部分は、光検出器400の第1端から入力され、第1偏光を有する入射光の偏光回転済みの第2部分(ただし、第2偏光を有する入射光に対応する)は、光検出器400の第2端を通して入力される。線形光検出器400の長さに沿った光吸収に起因して、光検出器400の第1端を通して入力された第1偏光を有する入射光の第1部分の強度は、矢印409で示すように、光が光検出器400の長さに沿って第1方向に伝搬するにつれて、光吸収係数に従って指数関数的に減衰する。同様に、光検出器400の第2端を通して入力された第1偏光を有する入射光の偏光回転済みの第2部分の強度は、矢印411で示すように、光が光検出器400の長さに沿って第2方向に伝搬するにつれて、光吸収係数に従って指数関数的に減衰する。したがって、第1偏光を有する入射光の第1部分のほとんどが、線形光検出器400の第1半分413で吸収され、第1偏光を有する入射光の偏光回転済みの第2部分のほとんどが、線形光検出器400の第2半分415で吸収される。いくつかの実施形態において、光検出器400の第1半分413に沿った電気接点407はセグメント化されて、第1逆バイアス回路および第1受信回路に接続されており、光検出器400の第2半分415に沿った電気接点407はセグメント化されて、第2逆バイアス回路および第2受信回路に接続されている。これらの実施形態において、入力信号の偏光回転済みの第2部分が、実際には、入射光信号内の第2偏光に対応することを考慮すると、第1受信回路によって測定された光電流および第2受信回路で測定された光電流を比較することで、入射光信号内の異なる偏光の間で分割された相対光電力を決定することができる。
【0102】
図3の電気光学レシーバ300は、入射光ファイバ/導波路152が偏光制御なしで入射光信号をPIC302に送信する一実施形態を表している。光カプラ153は、入射光信号の入射光をチップ上の導波路155に結合する。いくつかの実施形態において、PSR156は、入射光信号の偏光を分割し、2つの偏光をPSR156内の2つの別個の導波路へ伝送する。PSR156内のこれら2つの導波路の一方は、偏光ローテータを通過しており、その結果、それの偏光は、PSR156内の他方の導波路と同じ状態へ回転される。PSR156内の2つの導波路は、リング共振器301-1~301-3へエバネッセント結合されている光導波路157(ループ)の第1端157Aおよび第2端157Bへそれぞれ光学的に接続されている。いくつかの実施形態において、リング共振器301-1~301-3は、それぞれ、パッシブリングフィルタに置き換えられる。リング共振器301-1~301-3(またはパッシブリングフィルタ)の各々は、狭い波長範囲内の単一の波長チャネルから、対応する光検出器305-1~305-3へ光学的に接続されている対応する出力光導波路303-1~303-3(例えば、線形光検出器400など)へ、光をルーティングするよう設計されている。
【0103】
図3の電気光学レシーバ300において、光導波路157から、リング共振器301-1~301-3(またはパッシブリングフィルタ)へ右から結合された光(光導波路157の第2端157Bから第1端157Aに向かって伝搬する光)は、リング共振器301-1~301-3(またはパッシブリングフィルタ)を通して時計回りにルーティングされ、対応する出力光導波路303-1~303-3の結合セクション303A-1~303A-3で結合されており、ここで、その光は、対応する出力光導波路303-1~303-3の短尺セクション303B-1~303B-3を通過して、光検出器305-1~305-3の第2端に入る。逆に、光導波路157から、リング共振器301-1~301-3(またはパッシブリングフィルタ)へ左から結合された光(光導波路157の第1端157Aから第2端157Bに向かって伝搬する光)は、リング共振器301-1~301-3(またはパッシブリングフィルタ)を通して反時計回りにルーティングされ、対応する出力光導波路303-1~303-3の結合セクション303A-1~303A-3で結合されており、ここで、その光は、対応する出力光導波路303-1~303-3の長尺セクション303C-1~303C-3を通過して、光検出器305-1~305-3の第1端に入る。出力光導波路303-1~303-3の長尺セクション303C-1~303C-3は、光遅延線として機能する。出力光導波路303-1~303-3の長尺セクション303C-1~303C-3は、光ファイバ/導波路152内の所与の波長チャネルからの入射光信号の2つの偏光が(分割、偏光回転、および、導波路ルーティング後に)、ほぼ同時に反対方向から(線形光検出器400として規定されている)所与の光検出器305-1~305-3に入るように規定されており、これは、所与の光検出器305-1~305-3での入射光信号の2つの偏光の間のタイミングスキューを低減させ、それに応じて、電子タイミングスキュー管理の実装を可能(または容易)にし、タイミングスキュー管理の必要性を完全に排除しうる。
【0104】
さらに、
図3の電気光学レシーバ300のいくつかの実施形態において、所与の光検出器305-1~305-3からの光電流は、対応するリング共振器301-1~301-3の共振波長と入射光信号内の所与のデータチャネルの波長との間のアライメントを制御するために、フィードバック信号として用いられる。例えば、いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ300は、光検出器305-1~305-3に到達する光電力を最適化するために、リング共振器301-1~301-3に組み込まれている温度調節器および/またはダイオードを用いて、リング共振器301-1~301-3のリング共振波長を調整する制御回路を備える。また、いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ300は、電気光学レシーバ300の起動時に用いるために、
図1Bの電気光学レシーバ150に関して記載したように、VOA163を備える。
【0105】
図5は、いくつかの実施形態に従って、フォトニック回路を動作させるための方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図5の方法は、電気光学レシーバ150および/または300を用いて実行される。方法は、フォトニック回路の光入力ポートを通して入射光を受信するための工程501を備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、例えばPSR156を用いて、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程503を備える。方法は、さらに、光導波路の第1端を通るように(例えば、光導波路157の第1端157Aを通るように)入射光の第1部分を方向付けるための動作505を備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程507(例えばPSR156によって実行される)を備える。方法は、さらに、光導波路の第2端を通るように(例えば、光導波路157の第2端157Bを通るように)入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程509を備え、ここで、光導波路157は、第1端157Aから第2端157Bまで連続的に伸びている。いくつかの実施形態において、工程503、505、507、および、509は、基本的に同時に行われる。方法は、さらに、光導波路157から光をエバネッセントにインカップリングするように、複数のリング共振器(例えば、161-1~161-6および301-1~301-3)を動作させるための工程511を備え、ここで、複数のリング共振器の各々は、それぞれの共振波長を有する入射光の第1部分およびそれぞれの共振波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分の両方をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。
【0106】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、可変光減衰器(VOA163など)を通して、入射光の第1部分および入射光の第2部分を伝送する工程と、複数のリング共振器(例えば、161-1~161-6および301-1~301-3)がそれぞれの共振波長に調整されている時に、入射光の第1部分と入射光の第2部分の光電力を減衰させるように可変光減衰器を制御する工程と、を備える。これらの実施形態において、方法は、さらに、複数のリング共振器がそれぞれの共振波長で動作している時に(例えば、通常動作中に)、入射光の第1部分および入射光の第2部分の光電力を減衰させないように可変光減衰器を制御する工程を備える。
【0107】
いくつかの実施形態において、複数のリング共振器(例えば、161-1~161-6)の各々は、それぞれの光検出器を備える。いくつかの実施形態において、方法は、入射光の第1部分が、複数の出力光導波路の内の対応する1つの長尺セクション(例えば、303C-1~3030C-3)を通して伝送され、入射光の偏光回転済みの第2部分が、複数の出力光導波路の内の対応する1つの短尺セクション(例えば、303B-1~303B-3)を通して伝送されるように、複数のリング共振器(例えば、301-1~301-3)の各々からの光を、複数の出力光導波路(例えば、303-1~303-3)の内の対応する1つへ光結合する工程を備える。これらの実施形態において、方法は、さらに、複数の出力光導波路の内の対応する1つの長尺セクションの出力端で入射光の第1部分を検出し、複数の出力光導波路の内の対応する1つの短尺セクションの出力端で入射光の偏光回転済みの第2部分を検出するように、光検出器(例えば、305-1~305-3)を動作させる工程を備える。
【0108】
図6は、いくつかの実施形態に従って、PIC601内に実装された電気光学レシーバ600の構成例を示す。電気光学レシーバ600は、光導波路614を通して光カプラ615から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力613Aを有するPSR613を備える。いくつかの実施形態において、PSR156の光入力613Aは、光導波路155が必要ないように、光カプラ615へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ615は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ615は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路617へのPIC601の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印616で示すように、光ファイバ/導波路617から光カプラ615に伝送される。PSR613は、第1光出力613Bおよび第2光出力613Cを有する。PSR613は、第1光出力613Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR613は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR613は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR613は、第2光出力613Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。
【0109】
電気光学レシーバ600は、PSR613の第1光出力613Bへ光学的に接続されている第1光導波路603を備える。電気光学レシーバ600は、さらに、PSR613の第2光出力613Cへ光学的に接続されている第2光導波路605を備える。電気光学レシーバ600において、第1光導波路603および第2光導波路605は、互いに光学的に接続/結合されていない。第1光導波路603および第2光導波路605は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路603および第2光導波路605の各々は、第1光導波路603および第2光導波路605内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路603および第2光導波路605とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路603および第2光導波路605は、同じ材料で形成されている。入射光の第1部分は、PSR613の第1光出力613Bを通して第1光導波路603へ伝送され、矢印604で示すように第1光導波路603に沿って伝搬する。入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR613の第2光出力613Cを通して第2光導波路605へ伝送され、矢印606で示すように第2光導波路605に沿って伝搬する。
【0110】
電気光学レシーバ600は、第1光導波路603に沿って第1光導波路603のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器607-1~607-3を備える。電気光学レシーバ例600は、説明のために3つのリング共振器607-1~607-3を示しているが、第1複数のリング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第1光導波路603に沿って配置できる第1複数のリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器607-1~607-3の各々は、リング共振器607-1~607-3の内の所与の1つに対応する共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の第1部分が、リング共振器607-1~607-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器607-1~607-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器607-1から607-3は、円板として実装される。リング共振器607-1~607-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器607-1~607-3の各々は、リング共振器607-1~607-3内およびリング共振器607-1~607-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器607-1~607-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器607-1~607-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器607-1~607-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0111】
電気光学レシーバ600は、第2光導波路605に沿って第2光導波路605のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器609-1~609-3を備える。電気光学レシーバ例600は、説明のために3つのリング共振器609-1~609-3を示しているが、第2複数のリング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第2光導波路605に沿って配置できる第2複数のリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器609-1~609-3の各々は、リング共振器609-1~609-3の内の所与の1つに対応する共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、リング共振器609-1~609-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。第2複数のリング共振器609-1~609-3の数は、第1複数のリング共振器607-1~607-3の数に等しい。また、リング共振器609-1~609-3のそれぞれの共振波長(λ1、λ2、λ3)は、リング共振器607-1~607-3のそれぞれの共振波長(λ1、λ2、λ3)と実質的に一致する。いくつかの実施形態において、リング共振器609-1~609-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器609-1~609-3は、円板として実装される。いくつかの実施形態において、第2複数のリング共振器609-1~609-3の各々は、第1複数のリング共振器607-1~607-3の内の(共振波長(λ1、λ2、λ3)に関して)対応する1つと同じ形状およびサイズを有するように形成されている。リング共振器609-1~609-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器609-1~609-3の各々は、リング共振器609-1~609-3内およびリング共振器609-1~609-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器609-1~609-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第2複数のリング共振器609-1~609-3の各々は、第1複数のリング共振器607-1~607-3の内の(共振波長(λ1、λ2、λ3)に関して)対応する1つと同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器609-1~609-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器共振器609-1~609-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0112】
電気光学レシーバ600は、第1複数のリング共振器607-1~607-3のエバネッセント光結合距離内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路608-1~608-3を備える。電気光学レシーバ600は、さらに、第2複数のリング共振器609-1~609-3のエバネッセント光結合距離内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路610-1~610-3を備える。電気光学レシーバ600は、さらに、複数の光検出器611-1~611-3を備える。光検出器611-1~611-3の各々は、第1複数の出力光導波路608-1~608-3の内のぞれぞれの1つから、および、第2複数の出力光導波路610-1~610-3の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続されており、ここで、第1複数の出力光導波路608-1~608-3の内のそれぞれの1つは、所与の共振波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する第1複数のリング共振器607-1~607-3の内の1つへ光結合され、第2複数の出力光導波路610-1~610-3の内のそれぞれの1つは、所与の共振波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する第2複数のリング共振器609-1~609-3の内の1つへ光結合されている。このように、光検出器611-1~611-3の各々は、第1複数の出力光導波路608-1~608-3の内の対応する1つから、および、第2複数の出力光導波路610-1~610-3の内の対応する1つから、実質的に同じ波長の入射光を受信する。
【0113】
いくつかの実施形態において、光検出器611-1~611-3の各々は、第1複数の出力光導波路608-1~608-3の内の対応する1つが光検出器611-1~611-3の一端に接続され、第2複数の出力光導波路610-1~610-3の内の対応する1つが光検出器611-1~611-3の他端に接続されるように、
図4に関して記載した線形光検出器のように構成されている。このように、光検出器611-1~611-3は、光検出器611-1~611-3の第1線形半分において(第1偏光を有する)入射光の第1部分のほとんどを吸収し、光検出器611-1~611-3の第2線形半分において(これも第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するよう構成されている。いくつかの実施形態において、光検出器611-1~611-3の第1線形半分に沿って配置されている1または複数の電気接点(例えば、407)が、光電流処理回路167内の第1光電流検出回路へ電気的に接続され、光検出器611-1~611-3の第2線形半分に沿って配置されている1または複数の電気接点(例えば、407)が、光電流処理回路167内の第2光電流検出回路へ電気的に接続されている。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1光導波路603は、PSR613の第1光出力613Bから、第1複数のリング共振器607-1~607-3の内のPSR613に最も近い1つ(607-1)まで伸びている第1セクション603Aを備える。また、第2光導波路605は、PSR613の第2光出力613Cから、第2複数のリング共振器609-1~609-3の内のPSR613に最も近い1つ(609-1)まで伸びている第1セクション605Aを備える。これらの実施形態において、第1複数のリング共振器607-1~607-3への入射光の第1部分の光結合と第2複数のリング共振器609-1~609-3の内の(波長で)対応する共振器への入射光の偏光回転済みの第2部分の光結合との間のタイミングスキュー(タイミングの差)を最小化する目的で、PSR613から出る入射光の第1部分とPSR613から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するために、第1光導波路603の第1セクション603Aが第2光導波路605の第1セクション605Aよりも長く、または、第2光導波路605の第1セクション605Aが第1光導波路603の第1セクション603Aよりも長くなっている。電気光学レシーバ例600において、第1光導波路603の第1セクション603Aは、第1光導波路603の第1セクション603Aを通る光学経路長が第2光導波路605の第1セクション605Aを通る光学経路長よりも長くなるように構成されている遅延セクション603Bを備える。遅延セクション603Bは、PSR613から出る入射光の第1部分とPSR613から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するよう構成されている。第1光導波路603の第1セクション603Aの長さおよび第2光導波路605の第1セクション605Aの長さは、複数の光検出器611-1~611-3の内のPSR613に最も近い光検出器(611-1)への入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するよう規定されている。また、いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ600は、それぞれ複数の光検出器607-1~607-3の内の対応する1つへの入射光の第1部分の到達時間と、それぞれ複数の光検出器609-1~609-3の内の対応する1つへの入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間との間の差によって引き起こされる、複数の光検出器611-1~611-3の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するために、タイミングスキュー管理システム165を備える。
【0115】
電気光学レシーバ600のいくつかの実施形態において、2つの光導波路(603および605)は、パッシブリングフィルタ(それぞれ、607-1~607-3および609-1~609-3)のアレイへ別個に結合されている。各パッシブリングフィルタ(607-1~607-3および609-1~609-3)は、狭い波長範囲内の単一の波長チャネル(λ
1、λ
2、λ
3)から、線形光検出器(それぞれ、611-1~611-3)に接続されている対応する出力導波路(それぞれ608-1~608-3、および、それぞれ610-1~610-3)へ、光をルーティングするよう設計されている。電気光学レシーバ600内での光のルーティングは、光カプラ615を通して受信された所与の波長チャネル内の入射光の2つの偏光が別個のリングフィルタ(607-1~607-3および609-1~609-3)を通して同じ線形検出器(611-1~611-3)へ反対方向から別個にルーティングされるように設計されている。いくつかの実施形態において、光遅延線(603B)が、PSR613によって導入される入射光の第1部分と入射光の偏光回転済みの第2部分との間の非対称遅延を補償するために、2つの光導波路(603、605)の一方に(例えば、導波路のより長いセクションの形態で)追加されてよい。電子タイミングスキュー管理システム165は、PSR613によって導入される入射光の第1部分と入射光の偏光回転済みの第2部分との間の任意の残りのタイミングスキューを補正するために実装および動作されてよい。また、第1光導波路603は、第2光導波路605へ光学的に接続されていないため、電気光学レシーバ600は、
図1Bの電気光学レシーバ150におけるVOA163に関して上述したようなVOAを必要としない。
【0116】
電気光学レシーバ600のいくつかの実施形態において、所与の光検出器611-1~611-3からの光電流は、所与の光検出器611-1~611-3に対応するリング共振器のペア(607-1~607-3および609-1~609-3)の共振波長(λ1、λ2、λ3)と、光カプラ615を通して受信された入射光の対応するデータ波長チャネルの波長との間のアライメントを制御するためのフィードバック信号として用いられる。例えば、いくつかの実施形態において、制御回路が、所与の光検出器611-1~611-3に到達する光電力を最適化する目的で、所与の光検出器611-1~611-3に対応するリング共振器のペア(607-1~607-3および609-1~609-3)の2つの共振波長を調整するために用いられる。いくつかの実施形態において、制御回路は、所与の光検出器611-1~611-3に到達する光電力を最適化する目的で、所与の光検出器611-1~611-3に対応するリング共振器のペア(607-1~607-3および609-1~609-3)の温度を制御するために実装された温度調節器(例えば、ヒータ)を制御するよう動作する。いくつかの実施形態において、制御回路は、所与の光検出器611-1~611-3に到達する光電力を最適化する目的で、所与の光検出器611-1~611-3に対応するリング共振器のペア(607-1~607-3および609-1~609-3)に組み込まれたダイオードを制御するよう動作する。
【0117】
図7は、いくつかの実施形態に従って、フォトニック回路を動作させるための方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図7の方法は、電気光学レシーバ600を用いて実行される。方法は、フォトニック回路(例えば、PIC601)の光入力ポート(例えば、光カプラ615)を通して入射光を受信するための工程701を備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程703を備える。いくつかの実施形態において、工程703は、PSR613によって実行される。方法は、さらに、入射光の第1部分を第1光導波路(例えば、光導波路603)に方向付けるための工程705を備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程707を備える。いくつかの実施形態において、工程703は、PSR613によって実行される。方法は、さらに、入射光の偏光回転済みの第2部分を第2光導波路(例えば、光導波路605)に方向付けるための工程709を備える。方法は、さらに、第1光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器(例えば、リング共振器607-1~607-3)を動作させるための工程711を備え、ここで、第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第1複数のリング共振器からの光を第1複数の出力光導波路(例えば、光導波路608-1~608-3)の内のそれぞれの光導波路へ光結合するための工程713を備える。方法は、さらに、第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器(例えば、光検出器611-1~611-3)の内のそれぞれの光検出器へ方向付けるための工程715を備える。方法は、さらに、第2光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器(例えば、リング共振器609-1~609-3)を動作させるための工程717を備え、ここで、第2複数のリング共振器の各々は、第2光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第2複数のリング共振器からの光を第2複数の出力光導波路(例えば、光導波路610-1~610-3)の内のそれぞれの光導波路へ光結合するための工程719を備える。方法は、さらに、第2複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けるための工程721を備える。
【0118】
いくつかの実施形態において、第1光導波路は、入力セクション(例えば、603A)を備え、第2光導波路は、入力セクション(例えば、605A)を備え、ここで、第1光導波路の入力セクションが第2光導波路の入力セクションよりも長く、または、第2光導波路の入力セクションが第1光導波路の入力セクションよりも長くなっている。これらの実施形態において、方法は、複数の光検出器の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するように、第1光導波路の入力セクションの長さおよび第2光導波路の入力セクションの長さを規定する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法は、複数の光検出器の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、複数の光検出器の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償する工程を備える。いくつかの実施形態において、第1光導波路の入力セクションの長さおよび第2光導波路の入力セクションの長さは、入射光の第1部分を第1光導波路へ方向付ける工程と、入射光の偏光回転済みの第2部分を第2光導波路へ方向付ける工程との間の時間差を補償するように規定される。
【0119】
いくつかの実施形態において、この方法で用いられる複数の光検出器の各々は、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器(例えば、線形光検出器400)である。これらの実施形態の一部において、方法は、線形光検出器の第1半分において入射光の第1部分のほとんどを吸収し、線形光検出器の第2半分において入射光の偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するように、線形光検出器を動作させる工程を備える。これらの実施形態の一部において、方法は、線形光検出器の第1半分で生成された光電流を検出するよう第1光電流検出回路を動作させる工程と、線形光検出器の第2半分で生成された光電流を検出するよう第2光電流検出回路を動作させる工程と、を備える。このように、方法は、元の入射光信号の第1偏光および第2偏光の各々から線形光検出器へどれだけの光電力が伝達されるのかを決定する。これに対応して、このように、方法は、第1偏光および第2偏光の各々において元の入射光信号でどれだけの光電力が受信されたのかを決定する。
【0120】
図8は、いくつかの実施形態に従って、PIC801内に実装された電気光学レシーバ800の構成例を示す。電気光学レシーバ800は、光導波路824を通して光カプラ823から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力821Aを有するPSR821を備える。いくつかの実施形態において、PSR821の光入力821Aは、光導波路824が必要ないように、光カプラ823へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ823は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ823は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路825へのPIC801の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印826で示すように、光ファイバ/導波管825から光カプラ823に伝送される。PSR821は、第1光出力821Bおよび第2光出力821Cを有する。PER821は、第1光出力821Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR821は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR821は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR821は、第2光出力821Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1偏光を有する入射光の第1部分は、第2光出力821Cを通して伝送され、入射光の偏光回転済みの第2部分は、第1光出力821Bを通して伝送される。
【0121】
電気光学レシーバ800は、PSR821の第1光出力821Bへ光学的に接続されている第1光導波路803を備える。電気光学レシーバ800は、さらに、PSR821の第2光出力821Cへ光学的に接続されている第2光導波路805を備える。第1光導波路803および第2光導波路805は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路803および第2光導波路805の各々は、第1光導波路803および第2光導波路805内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路803および第2光導波路805とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路803および第2光導波路805は、同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR821の第1光出力821Bを通して第1光導波路803へ伝送され、矢印804で示すように第1光導波路803に沿って伝搬する。いくつかの実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR821の第2光出力821Cを通して第2光導波路805へ伝送され、矢印806で示すように第2光導波路805に沿って伝搬する。あるいは、いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR821の第2光出力821Cを通して第2光導波路805へ伝送され、矢印806で示すように第2光導波路805に沿って伝搬する。また、これらの代替実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR821の第1光出力821Bを通して第1光導波路803へ伝送され、矢印804で示すように第1光導波路803に沿って伝搬する。
【0122】
電気光学レシーバ800は、さらに、第1光導波路803の第2端に光学的に接続されている第1光入力809Aを有する2×2光スプリッタ809を備える。2×2光スプリッタ809は、第2光導波路805の第2端に光学的に接続されている第2光入力809Bを有する。2×2光スプリッタ809は、第1光出力809Cおよび第2光出力809Dを有する。2×2光スプリッタ809は、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、2×2光スプリッタ809の第1光出力809Cおよび第2光出力809Dの各々を通して出力するよう構成されている。いくつかの実施形態において、2×2光スプリッタ809は、等分の50-50光スプリッタである。ただし、他の実施形態において、2×2光スプリッタ809は、等分の50-50光スプリッタではない。2×2光スプリッタ809の光分割比は、第1光入力809Aおよび第2光入力809Bの各々から第1光出力809Cおよび第2光出力809Dへどれだけの光電力が伝送されるのかを規定する。2×2光スプリッタ809によって提供される光分割比は、第1光出力809Cまたは第2光出力809Dのいずれかを通る光電力伝送が非常に低いことが、第1光入力809Aおよび第2光入力809Bを通して受信される入射光の波長チャネルのいずれについても回避されることを保証するように、設定および/または制御される。また、いくつかの実施形態において、2×2光スプリッタ809は、非広帯域光スプリッタである。
【0123】
いくつかの実施形態において、位相シフタ807が、第1光導波路803または第2光導波路805のいずれかへ光結合されている。電気光学レシーバ例800は、第2光導波路805へ光結合されている位相シフタ807を有する。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、第2光導波路805の上に配置されている温度調節器(例えば、加熱装置)として実装され、第2光導波路805の材料の熱光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、第2光導波路805に組み込まれた電気光学素子(例えば、ダイオード)として実装され、第2光導波路805内の電気光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、1または複数のリング共振器型位相シフタとして実装される。
【0124】
これらの実施形態において、2×2光スプリッタ809への入射光の第1部分の到達と2×2光スプリッタ809への入射光の偏光回転済みの第2部分の到達との間のタイミングスキュー(タイミングの差)を最小化する目的で、PSR821から出る入射光の第1部分とPSR821から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するために、第1光導波路803が第2光導波路805よりも長く、または、第2光導波路805が第1光導波路803より長くなっている。電気光学レシーバ例800において、第1光導波路803は、第1光導波路803を通る光学経路長が第2光導波路805を通る光学経路長よりも長くなるように構成されている遅延セクション803Aを備える。遅延セクション803Aは、PSR821から出る入射光の第1部分とPSR821から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するよう構成されている。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、第1光導波路803および第2光導波路805の内の短い方に光結合されている。
【0125】
いくつかの実施形態において、遅延セクション803Aは、電気光学レシーバ800が、単一の光波長だけではなく、広域の光波長で動作するよう実装されている場合に、2×2光スプリッタ809への入射光の第1部分の到達と入射光の偏光回転済みの第2部分の到達との間のタイミングスキューを補償/最小化するよう規定されている。2つの偏光の間の群遅延差が十分に補償/最小化されない場合、第1光導波路803における入射光の第1部分と第2光導波路805における入射光の偏光回転済みの第2部分との間の位相差が、光の波長に依存することから、単一の位相シフタ807では、対象となるすべての波長に適切な位相を設定できない場合がある。遅延セクション803Aは、第1光導波路803における入射光の第1部分と第2光導波路805における入射光の偏光回転済みの第2部分との間の位相差が光の波長の関数として変化しないように、2つの偏光の間の群遅延差が十分に補正/最小化されることを保証するよう規定され、これは、単一の位相シフタ807が、光カプラ823を通して受信された入射光信号内の対象となるすべてのチャネル波長に適切な位相を設定することを可能にする。PSR821、遅延セクション803Aを備えた第1光導波路803、第2光導波路805、2×2光スプリッタ809、位相シフタ807の組み合わせは、偏光イコライザ812を構成する。
【0126】
電気光レシーバ800は、2×2光スプリッタ809の第1光出力809Cへ光学的に接続されている第3光導波路811を備える。電気光学レシーバ800は、さらに、2×2光スプリッタ809の第2光出力809Dへ光学的に続されている第4光導波路813を備える。電気光学レシーバ800において、第3光導波路811および第4光導波路813は、互いに光学的に接続/結合されていない。第3光導波路811および第4光導波路813は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第3光導波路811および第4光導波路813の各々は、第3光導波路811および第4光導波路813内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第3光導波路811および第4光導波路813とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第3光導波路811および第4光導波路813は、同じ材料で形成されている。(第1偏光を有する)入射光の第1部分の一部は、2×2光スプリッタ809の第1光出力809Cを通して第3光導波路811へ方向付け/搬送される。また、(第1偏光を有する)入射光の第1部分の一部は、2×2光スプリッタ809の第2光出力809Dを通して第4光導波路813へ方向付け/搬送される。(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分の一部は、2×2光スプリッタ809の第1光出力809Cを通して第3光導波路811へ方向付け/搬送される。また、(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分の一部は、2×2光スプリッタ809の第2光出力809Dを通して第4光導波路813へ方向付け/搬送される。
【0127】
電気光学レシーバ800は、第3光導波路811に沿って第3光導波路811のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器815-1~815-3を備える。電気光学レシーバ例800は、説明のために3つのリング共振器815-1~815-3を示しているが、第1複数のリング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第3光導波路811に沿って配置できる第1複数のリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器815-1~815-3の各々は、リング共振器815-1~815-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が、第3光導波路811からリング共振器815-1~815-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器815-1~815-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器815-1~815-3は、円板として実装される。リング共振器815-1~815-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器815-1~815-3の各々は、リング共振器815-1~815-3内およびリング共振器815-1~815-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器815-1~815-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器815-1~815-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器815-1~815-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0128】
電気光学レシーバ800は、第4光導波路813に沿って第4光導波路813のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器817-1~817-3を備える。電気光学レシーバ例800は、説明のために3つのリング共振器817-1~817-3を示しているが、第2複数のリング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第2光導波路813に沿って配置できる第2複数のリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器817-1~817-3の各々は、リング共振器609-1~609-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第4光導波路813からリング共振器817-1~817-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。第2複数のリング共振器817-1~817-3の数は、第1複数のリング共振器815-1~815-3の数に等しい。また、リング共振器817-1~817-3のそれぞれの共振波長(λ1、λ2、λ3)は、リング共振器815-1~815-3のそれぞれの共振波長(λ1、λ2、λ3)と実質的に一致する。いくつかの実施形態において、リング共振器817-1~817-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器817-1~817-3は、円板として実装される。いくつかの実施形態において、第2複数のリング共振器817-1~817-3の各々は、第1複数のリング共振器815-1~815-3の内の(共振波長(λ1、λ2、λ3)に関して)対応する1つと同じ形状およびサイズを有するように形成されている。リング共振器817-1~817-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器817-1~817-3の各々は、リング共振器817-1~817-3内およびリング共振器817-1~817-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器817-1~817-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第2複数のリング共振器817-1~817-3の各々は、第1複数のリング共振器815-1~815-3の内の(共振波長(λ1、λ2、λ3)に関して)対応する1つと同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器817-1~817-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器817-1~817-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0129】
電気光学レシーバ800は、第1複数のリング共振器815-1~815-3のエバネッセント光結合距離内にそれぞれ配置されている第1複数の出力光導波路816-1~816-3を備える。電気光学レシーバ800は、さらに、第2複数のリング共振器817-1~817-3のエバネッセント光結合距離の範囲内にそれぞれ配置されている第2複数の出力光導波路818-1~818-3を備える。電気光学レシーバ800は、さらに、複数の光検出器819-1~819-3を備える。光検出器819-1~819-3の各々は、第1複数の出力光導波路816-1~816-3の内のそれぞれの1つから、および、第2複数の出力光導波路818-1~818-3の内のそれぞれの1つから、光を受信するように光学的に接続されており、ここで、第1複数の出力光導波路816-1~816-3の内のそれぞれの1つは、所与の共振波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する第1複数のリング共振器815-1~815-3の内の1つへ光結合され、第2複数の出力光導波路818-1~818-3の内のそれぞれの1つは、同じ所与の共振波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する第2複数のリング共振器817-1~817-3の内の1つへ光結合されている。このように、光検出器819-1~819-3の各々は、第1複数の出力光導波路816-1~816-3の内の対応する1つから、および、第2複数の出力光導波路818-1~818-3の内の対応する1つから、実質的に同じ波長の入射光を受信する。
【0130】
いくつかの実施形態において、光検出器819-1~819-3の各々は、第1複数の出力光導波路816-1~816-3の内の対応する1つが光検出器819-1~819-3の一端に接続され、第2複数の出力光導波路818-1~818-3の内の対応する1つが光検出器819-1~819-3の他端に接続されるように、
図4に関して記載した線形光検出器のように構成されている。このように、光検出器819-1~819-3は、光検出器819-1~819-3の第1線形半分において(第1偏光を有する)入射光の第1部分のほとんどを吸収し、光検出器819-1~819-3の第2線形半分において(これも第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するよう構成されている。いくつかの実施形態において、光検出器819-1~819-3の第1線形半分に沿って配置されている1または複数の電気接点(例えば、407)が、光電流処理回路167内の第1光電流検出回路へ電気的に接続され、光検出器819-1~819-3の第2線形半分に沿って配置されている1または複数の電気接点(例えば、407)が、光電流処理回路167内の第2光電流検出回路へ電気的に接続されている。また、いくつかの実施形態において、電気光学レシーバ800は、それぞれ複数の光検出器819-1~819-3の内の対応する1つへの入射光の第1部分の到達時間と、それぞれ複数の光検出器819-1~819-3の内の対応する1つへの入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間との間の差によって引き起こされる、複数の光検出器819-1~819-3の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償するために、タイミングスキュー管理システム165を備える。
【0131】
電気光学レシーバ800は、光カプラ823を通して受信された入射光の大部分または全部が1つの偏光(ほとんどTEまたはほとんどTMのいずれか)を有することに起因して、第1光導波路803または第2光導波路805のいずれかが非常に少ない光を搬送する可能性のある厄介な状況に対処する。この状況において、2×2光スプリッタ809が実装されていなければ、リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3の動作共振波長を、光カプラ823を通して受信される入射光における対応するチャネル波長とそれぞれアライメントし続けることは、どのリング調整アルゴリズムにとっても非常に困難になる。また、リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3は、光電力が上昇するに伴って、チャネル波長に再ロックする必要があるため、上述の状況は、光ファイバ/導波路825における偏光が時間と共に進行した時に、さらにいっそう問題となる。リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3が、変化するチャネル波長に再ロックする必要がある場合、電気光学レシーバ800によって出力されるデータ信号に遮断が発生する。上述の状況に対処する目的で、電気光学レシーバ800は、リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3に光が到達する前に、第3光導波路811および第4光導波路813の各々において無視できない光電力を確保するために、2×2光スプリッタ809および位相シフタ807を実装する。2×2光スプリッタ809は、リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3が、入射光信号におけるチャネル波長と実質的に一致するそれぞれの共振波長にロックして維持できることを保証するために、第3光導波路811および第4光導波路813の各々が第1偏光の十分な光を伝達することを保証する。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、光ファイバ/導波路825における偏光が時間と共にドリフトするため、アクティブ制御を利用する。位相シフタ807のアクティブ制御は、アクティブ制御回路(フィードバック回路1015)によって実施される。例えば、いくつかの実施形態において、位相シフタ807のアクティブ制御は、リング共振器815-1~815-3および817-1~817-3における光電力を測定するアクティブ制御回路によって実施され、その測定された光電力をフィードバック信号として用いて、光ファイバ/導波路825における偏光を追跡する必要に応じて位相シフト807の動作を調整する。
【0132】
図9は、いくつかの実施形態に従って、フォトニック集積回路を動作させるための方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図9の方法は、電気光学レシーバ800を用いて実行される。方法は、フォトニック回路(例えば、PIC801)の光入力ポート(例えば、光カプラ823)を通して入射光を受信するための工程901を備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程903を備える。いくつかの実施形態において、工程903は、PSR821によって実行される。方法は、さらに、第1光導波路(例えば、光導波路803)を通して2×2スプリッタ(例えば、809)の第1光入力(例えば、809A)へ入射光の第1部分を方向付けるための工程905を備える。いくつかの実施形態において、工程905は、PSR821によって実行される。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程907を備える。いくつかの実施形態において、工程907は、PSR821によって実行される。方法は、さらに、第2光導波路(例えば、光導波路805)を通して2×2スプリッタの第2光入力(例えば、809B)へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程909を備える。いくつかの実施形態において、工程909は、PSR821によって実行される。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力(例えば、809C)を通して第3光導波路(例えば、光導波路811)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程911を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力(例えば、809D)を通して第4光導波路(例えば、光導波路813)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程913を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程915を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程917を備える。いくつかの実施形態において、工程911~917は、2×2光スプリッタ809によって実行される。
【0133】
図9の方法は、さらに、第3光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第1複数のリング共振器(例えば、リング共振器815-1~815-3)を動作させるための工程919を備え、ここで、第1複数のリング共振器の各々は、第3光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第1複数のリング共振器からの光を第1複数の出力光導波路(例えば、光導波路816-1~816-3)の内のそれぞれの光導波路へ光結合するための工程921を備える。方法は、さらに、第1複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器(例えば、光検出器819-1~819-3)の内のそれぞれの光検出器へ方向付けるための工程923を備える。方法は、さらに、第4光導波路からの光をエバネッセントにインカップリングするように、第2複数のリング共振器(例えば、リング共振器817-1~817-3)を動作させるための工程925を備え、ここで、第2複数のリング共振器の各々は、第4光導波路からそれぞれの共振波長を有する光をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。方法は、さらに、第2複数のリング共振器からの光を第2複数の出力光導波路(例えば、光導波路818-1~818-3)の内のそれぞれの光導波路へ光結合するための工程927を備える。方法は、さらに、第2複数の出力光導波路内の光を複数の光検出器の内のそれぞれの光検出器へ方向付けるための工程929を備える。
【0134】
いくつかの実施形態において、
図9の方法は、さらに、位相シフタが光結合されている第1光導波路または第2光導波路のいずれかを通過する光の位相へ制御された量のシフトを適用するために、第1光導波路または第2光導波路のいずれかと光結合している位相シフタを動作させる工程を備える。いくつかの実施形態において、第1光導波路は第2光導波路よりも長く、または、第2光導波路は第1光導波路よりも長い。これらの実施形態において、
図9の方法は、2×2光スプリッタへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差を低減するように、第1光導波路の長さおよび第2光導波路の長さを規定する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法は、複数の光検出器の内の所与の1つへの入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分の到達時間の差によって引き起こされる、複数の光検出器の内の所与の1つによる光電流発生の時間差を電子的に補償する工程を備える。いくつかの実施形態において、第1光導波路の長さおよび第2光導波路の長さは、入射光の第1部分を第1光導波路へ方向付ける工程と、入射光の偏光回転済みの第2部分を第2光導波路へ方向付ける工程との間の時間差を補償するように規定される。
【0135】
いくつかの実施形態において、
図9の方法で用いられる複数の光検出器の各々は、第1複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第1端と、第2複数の出力光導波路の内のそれぞれの1つへ光学的に接続されている第2端とを有する線形光検出器(例えば、線形光検出器400)である。これらの実施形態の一部において、
図9の方法は、線形光検出器の第1半分において入射光の第1部分のほとんどを吸収し、線形光検出器の第2半分において入射光の偏光回転済みの第2部分のほとんどを吸収するように、線形光検出器を動作させる工程を備える。これらの実施形態の一部において、
図9の方法は、線形光検出器の第1半分で生成された光電流を検出するよう第1光電流検出回路を動作させる工程と、線形光検出器の第2半分で生成された光電流を検出するよう第2光電流検出回路を動作させる工程と、を備える。このように、
図9の方法は、元の入射光信号の第1偏光および第2偏光の各々から線形光検出器へどれだけの光電力が伝達されるのかを決定する。これに対応して、このように、方法は、第1偏光および第2偏光の各々において入射光信号でどれだけの光電力が受信されたのかを決定する。
【0136】
図10Aは、いくつかの実施形態に従って、PIC1001内に実装されている光入力偏光管理装置1000の構成例を示す。光入力偏光管理装置1000は、光導波路1006を通して光カプラ1005から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力1003Aを有する偏光コントローラ1003を備える。いくつかの実施形態において、偏光コントローラ1003の光入力1003Aは、光導波路1006が必要ないように、光カプラ1005へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ1005は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1005は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路1007への偏光コントローラ1003の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印1008で示すように、光ファイバ/導波路1007から光カプラ1005に伝送される。光ファイバ/導波路1007は、多波長光源1009からの光を受信して伝達するために光学的に接続されている。いくつかの実施形態において、多波長光源1009は、光ファイバ/導波路1007を通して複数の波長の連続波レーザ光を送信するよう構成されている。いくつかの実施形態において、光ファイバ/導波路1007を通して多波長光源1009によって送信される光の偏光は制御されておらず、時間と共に変化する可能性がある。
【0137】
オンチップ偏光コントローラ1003は、光入力1003Aを通して受信された入射光の2つの偏光を単一の偏光として結合し、偏光コントローラ1003の光出力1003Bを通して低損失で単一の偏光を出力するよう構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、偏光コントローラ1003は、光入力1003Aを通してTE偏光およびTM偏光の両方の偏光を受信し、TE偏光をTM偏光へ回転させ、光入力1003Aを通して受信した光の基本的にすべてを、光出力1003Bを通してTM偏光として伝送するよう構成されている。逆に、いくつかの実施形態において、偏光コントローラ1003は、光入力1003Aを通してTE偏光およびTM偏光の両方の偏光を受信し、TM偏光をTE偏光へ回転させ、光入力1003Aを通して受信した光の基本的にすべてを、光出力1003Bを通してTE偏光として伝送するよう構成されている。いくつかの実施形態において、偏光コントローラ1003は、未知であり時と共に変化する可能性のある入射光の中の2つの偏光(TEおよびTM)の間の電力差および位相差に対応するために電子的に調整可能である。
【0138】
光入力偏光管理装置1000は、偏光コントローラ1003の光出力へ光学的に接続されている出力光導波路1011を備える。いくつかの実施形態において、フィードバック回路1015は、光出力導波路1011を通して伝送された光に基づいて、偏光コントローラ1003を制御するよう構成されている。出力導波路1011における光電力のごく一部が、フィードバック回路1015への入力信号として機能するように光学的に取り出されて測定される。いくつかの実施形態において、方向性光カプラが、光導波路1011における光電力のごく一部をタップオフ導波路1017へ転送するための光タップとして実装されており、光電力のごく一部は、その後、光検出器1019(例えば、線形光検出器)に入射する。いくつかの実施形態において、光検出器1019は、すべての波長チャネル内の光電力のごく一部を検出するよう構成されている。いくつかの実施形態において、一連のリング共振器型フィルタ1013-1~1013-1が、出力導波路1011の単一波長チャネルからの光電力のごく一部を取り出し、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3自体に配置された光検出器によって、または、電気光学レシーバ800内のリング共振器815-1~815-3、出力光導波路816-1~816-3、光検出器819-1~819-3に関して上述したような、線形検出器に接続されている出力導波路へ光信号を送信することによって、その光電力のごく一部を検出するように設計されている。この実施形態において、各波長チャネル(λ1、λ2、λ3)内の光電力を別個に測定することができ、これにより、フィードバック回路1015は、偏光コントローラ1003の光入力1003Aを通して受信された入射光信号内の波長チャネルごとに別個かつ独立的に、偏光コントローラ1003の動作を最適化することができる。
【0139】
電気光学レシーバ例1000は、説明のために3つのリング共振器型フィルタ1013-1~1013-3を示しているが、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、出力導波路1011に沿って配置できるリング共振器型フィルタの数に制限はないことを理解されたい。リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する出力導波路1011内の光が、出力導波路1011からリング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3は、円板として実装される。リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3内およびリング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0140】
図10Bは、いくつかの実施形態に従って、偏光コントローラ1003の実装例と共に、
図10Aの光入力偏光管理装置1000を示す。偏光コントローラ1003は、偏光コントローラ1003の光入力1003Aから入射光を受信するように光学的に接続されている光入力1021Aを有するPSR1021を備える。いくつかの実施形態において、PSR1021の光入力1021Aは、偏光コントローラ1003の光入力1003Aである。PSR1021は、第1光出力1021Bおよび第2光出力1021Cを有する。PSR1021は、第1光出力1021Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR1021は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR1021は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR1021は、第2光出力1021Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。いくつかの代替実施形態において、第1偏光を有する入射光の第1部分は、第2光出力1021Cを通して伝送され、入射光の偏光回転済みの第2部分は、第1光出力1021Bを通して伝送される。
【0141】
偏光コントローラ1003は、PSR1021の第1光出力1021Bへ光学的に接続されている第1光導波路1023を備える。偏光コントローラ1021は、さらに、PSR1021の第2光出力1021Cへ光学的に接続されている第2光導波路1025を備える。第1光導波路1023および第2光導波路1025は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路1023および第2光導波路1025の各々は、第1光導波路1023および第2光導波路1025内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路1023および第2光導波路1025とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路1023および第2光導波路1025は、同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1021の第1光出力1021Bを通して第1光導波路1023へ伝送され、矢印1024で示すように第1光導波路1023に沿って伝搬する。いくつかの実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR1021の第2光出力1021Cを通して第2光導波路1025へ伝送され、矢印1026で示すように第2光導波路1025に沿って伝搬する。逆に、いくつかの代替実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1021の第2光出力1021Cを通して第2光導波路1025へ伝送され、矢印1026で示すように第2光導波路1025に沿って伝搬する。また、これらの代替実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR1021の第1光出力1021Bを通して第1光導波路1023へ伝送され、矢印1024で示すように第1光導波路1023に沿って伝搬する。
【0142】
偏光コントローラ1003は、さらに、第1光導波路1023の第2端に光学的に接続されている第1光入力1029Aを有する第1の2×2光スプリッタ1029を備える。第1の2×2光スプリッタ1029は、第2光導波路1025の第2端に光学的に接続されている第2光入力1029Bを有する。第1の2×2光スプリッタ1029は、第1光出力1029Cおよび第2光出力1029Dを有する。第1の2×2光スプリッタ1029は、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、第1の2×2光スプリッタ1029の第1光出力1029Cおよび第2光出力1029Dの各々を通して出力するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1の2×2光スプリッタ1029は、等分の50-50光スプリッタである。ただし、他の実施形態において、第1の2×2光スプリッタ1029は、等分の50-50光スプリッタではない。第1の2×2光スプリッタ1029の光分割比は、第1光入力1029Aおよび第2光入力1029Bの各々から第1光出力1029Cおよび第2光出力1029Dへどれだけの光電力が伝送されるのかを規定する。第1の2×2光スプリッタ1029によって提供される光分割比は、第1光出力1029Cまたは第2光出力1029Dのいずれかを通る光電力伝送が非常に低いことが、第1光入力1029Aおよび第2光入力1029Bを通して受信される入射光の波長チャネルのいずれについても回避されることを保証するように、設定および/または制御される。また、いくつかの実施形態において、第1の2×2光スプリッタ1029は、非広帯域光スプリッタである。いくつかの実装形態において、第1の2×2光スプリッタ1029は、多モード干渉素子(MMI)または方向性導波路カプラ(断熱方向性カプラなど)を用いて実装されている。
【0143】
いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027が、第1光導波路1023または第2光導波路1025のいずれかへ光結合されている。偏光コントローラ例1003は、第2光導波路1025へ光結合されている第1位相シフタ1027を有する。いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027は、第2光導波路1025の上に配置されている温度調節器(例えば、加熱装置)として実装され、第2光導波路1025の材料の熱光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027は、第2光導波路1025に組み込まれた電気光学素子(例えば、ダイオード)として実装され、第2光導波路1025内の電気光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027は、1または複数のリング共振器として実装され、これらのリング共振器の各々は、第1位相シフタ1027が光結合されている光導波路内の特定の波長の光の位相をシフトするために、特定の波長で動作する。
【0144】
これらの実施形態において、第1の2×2光スプリッタ1029への入射光の第1部分の到達と第1の2×2光スプリッタ1029への入射光の偏光回転済みの第2部分の到達との間のタイミングスキュー(タイミングの差)を最小化する目的で、PSR1021から出る入射光の第1部分とPSR1021から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するために、第1光導波路1023が第2光導波路1025よりも長く、または、第2光導波路1025が第1光導波路1023より長くなっている。偏光コントローラ例1003において、第1光導波路1023は、第1光導波路1023を通る光学経路長が第2光導波路1025を通る光学経路長よりも長くなるように構成されている遅延セクション1023Aを備える。遅延セクション1023Aは、PSR1021から出る入射光の第1部分とPSR1021から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するよう構成されている。いくつかの実施形態において、位相シフタ1027は、第1光導波路1023および第2光導波路1025の内の短い方に光結合されている。
【0145】
いくつかの実施形態において、遅延セクション1023Aは、偏光コントローラ1003が、単一の光波長だけではなく、広域の光波長で動作するよう実装されている場合に、第1の2×2光スプリッタ1029への入射光の第1部分の到達と入射光の偏光回転済みの第2部分の到達との間のタイミングスキューを補償/最小化するよう規定されている。2つの偏光の間の群遅延差が十分に補償/最小化されない場合、第1光導波路1023における入射光の第1部分と第2光導波路1025における入射光の偏光回転済みの第2部分との間の位相差が、光の波長に依存することから、単一の位相シフタ1027では、対象となるすべての波長に適切な位相を設定できない場合がある。遅延セクション1023Aは、第1光導波路1023における入射光の第1部分と第2光導波路1025における入射光の偏光回転済みの第2部分との間の位相差が光の波長の関数として変化しないように、2つの偏光の間の群遅延差が十分に補正/最小化されることを保証するよう規定され、これは、位相シフタ1027が、光カプラ1005を通して受信された入射光信号内の対象となるすべてのチャネル波長に適切な位相を設定することを可能にする。
【0146】
偏光コントローラ1003は、第1の2×2光スプリッタ1029の第1光出力1029Cへ光学的に接続されている第3光導波路1031を備える。偏光コントローラ1003は、さらに、第1の2×2光スプリッタ1029の第2光出力1029Dへ光学的に続されている第4光導波路1033を備える。第3光導波路1031および第4光導波路1033は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第3光導波路1031および第4光導波路1033の各々は、第3光導波路1031および第4光導波路1033内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第3光導波路1031および第4光導波路1033とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第3光導波路1031および第4光導波路1033は、同じ材料で形成されている。(第1偏光を有する)入射光の第1部分の一部は、第1の2×2光スプリッタ1029の第1光出力1029Cを通して第3光導波路1031へ方向付け/搬送される。また、(第1偏光を有する)入射光の第1部分の一部は、第1の2×2光スプリッタ1029の第2光出力1029Dを通して第4光導波路1033へ方向付け/搬送される。(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分の一部は、第1の2×2光スプリッタ1029の第1光出力1029Cを通して第3光導波路1031へ方向付け/搬送される。また、(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分の一部は、第1の2×2光スプリッタ1029の第2光出力1029Dを通して第4光導波路1033へ方向付け/搬送される。
【0147】
偏光コントローラ1003は、さらに、第3光導波路1031の第2端に光学的に接続されている第1光入力1037Aを有する第2の2×2光スプリッタ1037を備える。第2の2×2光スプリッタ1037は、第4光導波路1033の第2端に光学的に接続されている第2光入力1037Bを有する。第2の2×2光スプリッタ1037は、偏光コントローラ1003の光出力1003Bへ光学的に接続されている少なくとも1つの光出力1037Cを有する。いくつかの実施形態において、第2の2×2光スプリッタ1037の少なくとも1つの光出力1037Cは、偏光コントローラ1003の光出力1003Bである。第2の2×2光スプリッタ1037は、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、光出力1037Cを通して出力するよう構成されている。第2の2×2光スプリッタ1037は、等分の50-50光スプリッタである必要はない。第2の2×2光スプリッタ1037の光分割比は、第1光入力1037Aおよび第2光入力1037Bの各々から光出力1037Cへどれだけの光電力が伝送されるのかを規定する。第2の2×2光スプリッタ1037によって提供される光分割比は、光出力1037Cを通る光電力伝送が、第1光入力1037Aおよび第2光入力1037Bを通して受信される入射光の波長チャネルに対して最適化されることを保証するように、設定および/または制御される。また、いくつかの実施形態において、第2の2×2光スプリッタ1037は、非広帯域光スプリッタである。いくつかの実装形態において、第2の2×2光分割器1037は、MMI素子または方向性導波路カプラ(断熱方向性カプラなど)を用いて実装されている。
【0148】
いくつかの実施形態において、第2位相シフタ1035が、第3光導波路1031または第4光導波路1033のいずれかへ光結合されている。偏光コントローラ例1003は、第2光導波路1033へ光結合されている第2位相シフタ1035を有する。いくつかの実施形態において、第2位相シフタ1035は、第4光導波路1033の上に配置されている温度調節器(例えば、加熱装置)として実装され、第4光導波路1033の材料の熱光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、第2位相シフタ1035は、第4光導波路1033に組み込まれた電気光学素子(例えば、ダイオード)として実装され、第4光導波路1033内の電気光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、第2位相シフタ1035は、1または複数のリング共振器として実装され、これらのリング共振器の各々は、第2位相シフタ1033が光結合されている光導波路内の特定の波長の光の位相をシフトするために、特定の波長で動作する。いくつかの実施形態において、2つの位相シフタ1027および1035の間の相対位相は、光導波路の一方だけではなく、2つの光導波路1025および1033上に位相シフタをそれぞれ配置することによって制御される。これは、特に熱位相シフタについて、相対位相のより高速な調整を提供する。
【0149】
いくつかの実施形態において、偏光コントローラ1003は、PSR1021と、2つの導波路1023、1025の一方の導波路上の第1位相シフタ1027が第1の2×2光スプリッタ1029に入り、2つの導波路1031、1033の一方の導波路上の第2位相シフタ1035が第2の2×2光スプリッタ1037に入る第1の2×2光スプリッタ1029および第2の2×2光スプリッタ1037のカスケード構成とを用いて、効果的な電気光学コンバイナとして機能する。第1位相シフタ1027および第2位相シフタ1035は、時間の経過に伴って2つのそれぞれの光導波路の位相および強度の不均衡を考慮するように調整される。第1位相シフタ1027および第2位相シフタ1035は、入力ファイバ/導波路1007の偏光が時間と共に変化するのに伴って、出力導波路1011内の光電力を最適化するために用いられる。いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027および/または第2位相シフタ1035は、それぞれの光導波路の近くに配置されたヒータとして、または、それぞれの光導波路に組み込まれたダイオードとして実装されている。また、いくつかの実施形態において、第1位相シフタ1027および/または第2位相シフタ1035は、リング共振器型位相シフタとして実装され、複数のリング共振器の各々が、光導波路内の光のそれぞれの単一波長チャネルの位相をシフトさせるよう動作される。第1位相シフタ1027および第2位相シフタ1035をリング共振器型位相シフタとして実装することで、幅広い波長チャネルにわたって出力導波路1011へのより高い光電力伝送が提供される。いくつかの状況では、入力ファイバ/導波路1007の偏光が時間と共に十分にドリフトするため、第1位相シフタ1027および第2位相シフタ1035は、位相の範囲の限界に到達しないように位相を2πの量だけ急激に変化させることによって「リセット」する必要がありうる。かかる「リセット」には時間がかかり、信号の遮断を引き起こす。いくつかの実施形態において、位相シフタ1027、1035の「リセット」を避けるために、偏光コントローラ1003は、3以上のカスケード接続された2×2光スプリッタをそれらに対応する位相シフタと共に備える。また、いくつかの実施形態において、フィードバック回路1015は、光出力導波路1011を通して伝送された光に基づいて、偏光コントローラ1003内の第1位相シフタ1027、第2位相シフタ1035、および、任意の他の位相シフタを制御するよう構成されている。
【0150】
光入力偏光管理装置1000は、未知の偏光特性(および時間と共に変化するおそらくは制御されていない偏光状態)を有する入射光信号を、既知の偏光の対応する入力光信号に変換するよう機能する。PSR1021の光出力は、同じ偏光で、単一の出力導波路1011に結合されるので、出力導波路1011内の光の検出および/または変調のための光学回路および電気回路を単純化することができる。いくつかの実施形態において、光入力偏光管理装置1000は、波長チャネルの範囲にわたって低損失で、時間と共に変化しうる未知の相対位相および相対強度を有する2つの光信号を結合するための電気光学コンバイナとして実装されている。いくつかの実施形態において、光入力偏光管理装置1000が、検出システムへの出力に向けて変調光信号を結合するために用いられる場合、光タイミングスキュー管理および/または電気タイミングスキュー管理が、入射光信号の受信をサポートするために、光入力偏光管理装置1000と共に実装されてよい。
【0151】
図10Cは、いくつかの実施形態に従って、第1位相シフタ1027が第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3として実装され、第2位相シフタ1035が第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3として実装されている光入力偏光管理装置1000の実装例を示す。第1複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3の各々は、光導波路1025に沿って光導波路1025のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043ー3は、光導波路1033に沿って光導波路1033のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3の各々は、光導波路1025内の光の単一のそれぞれの波長チャネルの位相に、制御された量のシフトを提供するよう動作される。第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3の各々は、光導波路1033内の光の単一のそれぞれの波長チャネルの位相に、制御された量のシフトを提供するよう動作される。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3内のリング共振器の数は、第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内のリング共振器の数に等しい。また、フィードバック制御のために、リング共振器型フィルタ(光検出器)1013-1~1013-3の数は、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3の数に等しく、また、リング共振器型フィルタ(光検出器)の数1013-1~1013-3の数は、第2複数のリング共振器位相シフタ1043-1~1043-3の数に等しい。
【0152】
いくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内のリング共振器は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内のリング共振器は、円板として実装される。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内のリング共振器は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内のリング共振器の各々は、リング共振器内およびリング共振器の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0153】
図10Cの例は、説明のために第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内の3つのリング共振器を示しているが、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3ならびに関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3の各々の中のリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3内の各リング共振器は、リング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ
1、λ
2、または、λ
3)と実質的に等しい波長(λ
1、λ
2、または、λ
3)を有する光が、光導波路1025、1033からリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ
1~λ
3で動作するよう構成されている。第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3、第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3、および、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、入射光信号内のチャネル波長に対応する同じ共振波長(λ
1、λ
2、または、λ
3)で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備える。また、第1複数のリング共振器型位相シフタ1041-1~1041-3、第2複数のリング共振器型位相シフタ1043-1~1043-3、および、リング共振器型フィルタ1013-1~1013-3の各々は、入射光信号内のチャネル波長に対応する複数の異なる共振波長(λ
1、λ
2、または、λ
3)の各々で動作するよう構成されている少なくとも1つのリング共振器を備える。第1複数のリング共振器1041-1~1041-3および第2複数のリング共振器1043-1~1043-3は、入射光信号の異なる波長チャネルの間の固有の位相および強度の不均衡に対応するために、異なる波長チャネルが別個に位相シフトされることを可能にすることを理解されたい。
【0154】
図11は、いくつかの実施形態に従って、光入力偏光管理方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図11の方法は、
図10A~
図10Cの光入力偏光管理装置1000を用いて実行される。方法は、PIC(例えば、1001)の光入力ポート(例えば、1003A)を通して入射光を受信するための工程1101を備える。入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程1103を備える。方法は、さらに、第1光導波路(例えば、1023)を通して第1の2×2スプリッタ(例えば、1029)の第1光入力(例えば、1029A)へ入射光の第1部分を方向付けるための工程1105を備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程1107を備える。方法は、さらに、第2光導波路(例えば、1025)を通して第1の2×2スプリッタの第2光入力(例えば、1029B)へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程1109を備える。方法は、さらに、位相シフタが光結合されている第1光導波路または第2光導波路のいずれかを通過する光の位相へ制御された量のシフトを適用するために、第1光導波路または第2光導波路のいずれかと光結合している第1位相シフタ(例えば、1027)を動作させる工程1111を備える。
【0155】
方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第1光出力(例えば、1029C)を通して第3光導波路(例えば、1031)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程1113を備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第2光出力(例えば、1029D)を通して第4光導波路(例えば、1033)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程1115を備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第1光出力を通して第3光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程1117を備える。方法は、さらに、第1の2×2光スプリッタの第2光出力を通して第4光導波路へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程1119を備える。方法は、さらに、位相シフタが光結合されている第3光導波路または第4光導波路のいずれかを通過する光の位相へ制御された量のシフトを適用するために、第3光導波路または第4光導波路のいずれかと光結合している第2位相シフタ(例えば、1035)を動作させる工程1121を備える。
【0156】
方法は、さらに、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を第3光導波路から第2の2×2スプリッタ(例えば、1037)の第1光入力(例えば、1037A)へ方向付けるための工程1123を備える。方法は、さらに、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を第4光導波路から第2の2×2スプリッタの第2光入力(例えば、1037B)へ方向付けるための工程1125を備える。方法は、さらに、入射光の第1部分の一部および入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を、第2の2×2スプリッタの光出力(例えば、1037C)を通して第5光導波路へ(例えば、出力光導波路1011へ)方向付けるための工程1127を備える。
【0157】
いくつかの実施形態において、
図11の方法は、第5光導波路から光をエバネッセントにインカップリングするように、複数のリング共振器型光検出器(例えば、1013-1~1013-3)を動作させる工程を備え、ここで、複数のリング共振器型光検出器の各々は、それぞれの共振波長を有する入射光の第1部分の一部およびそれぞれの共振波長を有する入射光の偏光回転済みの第2部分の一部をインカップリングするために、それぞれの共振波長で動作される。
図11の方法のいくつかの実施形態において、第1位相シフタは、第1複数のリング共振器型位相シフタ(例えば、1041-1~1041-3)を備え、第2位相シフタは、第2複数のリング共振器型位相シフタ(例えば、1043-1~1043-3)を備える。これらの実施形態において、リング共振器型光検出器は、第1位相シフタおよび第2位相シフタ内のリング共振器型位相シフタの内のそれぞれを制御するためのフィードバック信号を生成するために用いられる。
【0158】
図12は、いくつかの実施形態に従って、PIC1201内に実装された電気光学トランスミッタ1200の構成例を示す。電気光学トランスミッタ1200は、
図10A~
図10Cおよび
図11に関して上述した偏光コントローラ1003を複数個(N個)実装する。各偏光コントローラ1003-x(ここで、xは1~N)は、光導波路1204-x(ここで、xは1~N)を介してそれぞれの光カプラ1203-x(ここで、xは1~N)から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力1003Aを有する。いくつかの実施形態において、各偏光コントローラ1003-xの光入力1003Aは、光導波路1204-xが必要ないように、光カプラ1203-xへ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ1203-xは、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1203-xは、垂直格子カプラとして、または、それぞれの光ファイバ/導波路1205-x(ここで、xは1~N)への偏光コントローラ1003-xの光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印1206-x(ここで、xは1~N)で示すように、光ファイバ/導波路1205-xから光カプラ1203-xに伝送される。光ファイバ/導波路1205-1~1205-Nの各々は、それぞれの単一波長光源1207-1~1207-Nからの光を受信して伝達するために光学的に接続されている。いくつかの実施形態において、異なる単一波長光源1207-1~1207-Nは、連続波レーザ光のそれぞれ異なる波長を供給するよう構成されている。いくつかの実施形態において、それぞれの光ファイバ/導波路1205-1~1205ーNを通して単一波長光源1207-1~1207-Nによって送信される偏光は、制御されない。
【0159】
オンチップ偏光コントローラ1003-1~1003-Nの各々は、それぞれの光カプラ1203-1~1203-Nを通して受信された入射光の2つの偏光(TEおよびTM)を単一の偏光として結合し、それぞれの光導波路1209-1~1209-Nを通して低損失で単一偏光を出力するよう構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、所与の偏光コントローラ1003-xは、光カプラ1203-xを通してTE偏光およびTM偏光の両方の偏光を受信し、TE偏光をTM偏光へ回転させ、光カプラ1203-xを通して受信した光の基本的にすべてを、光導波路1209-xを通してTM偏光として伝送するよう構成されている。あるいは、いくつかの実施形態において、所与の偏光コントローラ1003-xは、光カプラ1203-xを通してTE偏光およびTM偏光の両方の偏光を受信し、TM偏光をTE偏光へ回転させ、光カプラ1203-xを通して受信した光の基本的にすべてを、光導波路1209-xを通してTE偏光として伝送するよう構成されている。いくつかの実施形態において、各偏光コントローラ1003-xは、未知であり時と共に変化する可能性のある入射光の中の2つの偏光(TEおよびTM)の間の電力差および位相差に対応するために電子的に調整可能である。偏光コントローラ1003-1~1003-Nの各々は、単一波長に対して最適化されうるため、電気光学トランスミッタ1200の構成は、有限の光帯域幅を有する偏光コントローラ1003-1~1003-Nの個々のコントローラに関連するあらゆる制限を有利に克服できることを理解されたい。
【0160】
電気光学トランスミッタ1200は、さらに、複数の偏光コントローラ1003-1~1003ーNに対応する光導波路1209-1~1209-Nにそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力1211A-1~1211A-Nを有する光マルチプレクサ1211を備える。光マルチプレクサ1211は、さらに、複数の光出力1211B-1~1211B-Nを有する。光マルチプレクサ1211は、光入力1211A-1~1211A-Nの所与の1つを通して受信した光の一部を光出力1211B-1~1211B-Nの各々に伝達するよう構成されている。このように、光入力1211A-1~1211A-Nの各々を通して受信された光の一部が、光出力1211B-1~1211B-Nの各々へ伝達される。したがって、単一波長光源1207-1~1207-NがそれぞれN個の異なる波長(λ1~λN)の光を供給すると、光入力1211A-1~1211A-Nの各々は、(単一の制御された偏光(TEまたはTM)を有する)N個の異なる波長(λ1~λN)の光の内の異なる1つを受信し、光マルチプレクサ1211は、(単一の制御された偏光(TEまたはTM)を有する)N個の異なる波長(λ1~λN)の光すべてが、光出力1211B-1~1211B-Nの各々を通して伝達されるように、光入力1211A-1~1211A-Nの各々から光出力1211B-1~1211B-Nの各々へN個の異なる波長(λ1~λN)の光の各々の一部を伝達するよう機能する。いくつかの実施形態において、光マルチプレクサ1211は、スターカプラとして実装される。いくつかの実施形態において、光マルチプレクサ1211は、一連のカスケード接続された2×2光スプリッタとして実装される。ただし、他の実施形態において、光マルチプレクサ1211は、光マルチプレクサ1211の上述した機能が達成される限りは、他の方法で実装されてもよいことを理解されたい。
【0161】
電気光学トランスミッタ1200は、さらに、複数の光導波路1213-1~1213-Nを備え、光導波路1213-1~1213-Nの各々は、光マルチプレクサ1211の光出力1211B-1~1211B-Nのそれぞれの1つへ光学的に接続されている第1端を有し、光導波路1213-1~1213-Nの各々は、電気光学トランスミッタ1200のそれぞれの光出力ポートへ光学的に接続されている第2端を有する。いくつかの実施形態において、電気光学トランスミッタ1200の光出力ポートは、光カプラ1219-1~1219-Nとして実装される。いくつかの実施形態において、各光カプラ1219-x(ここで、xは1~N)は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1219-xは、垂直格子カプラとして、または、電気光学トランスミッタ1200へ接続/結合されているそれぞれの出力光ファイバ/導波路への対応する光導波路1213-1~1213-Nの光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。
【0162】
いくつかの実施形態において、電気光学トランスミッタ1200は、複数の光導波路1213-1~1213-Nの各々に沿ってそのエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている複数のリング共振器型変調器1215-x-y(ここで、xは1~N、および、yは1~Y)を備える。電気光学トランスミッタ例1200は、説明のために光導波路1213-1~1213-Nの各々に沿って3つのリング共振器型変調器1215-x-1~1215ーx-3を示しているが、リング共振器型変調器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、光導波路1213-1~1213-Nの各々に沿って配置できるリング共振器型変調器の数に制限はないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-yは、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-yは、円板として実装される。リング共振器型変調器1215-x-yは、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器型変調器1215-x-yの各々は、リング共振器型変調器1215-x-y内およびリング共振器型変調器1215-x-yの各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器型変調器1215-x-yとは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-yの各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-yの各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0163】
リング共振器型変調器1215-x-1~1215-x-3の各々は、リング共振器型変調器1215-x-1~1215-x-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ-3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の第1部分および入射光の偏光回転済みの第2部分が、対応する光導波路1213-xからリング共振器型変調器1215-x-1~1215-x-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。リング共振器型変調器1215-x-yの各々は、デジタルデータを搬送するために、対応する光導波路1213-x内の特定の波長の光を変調するよう動作する。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-yは、リング共振器型変調器1215-x-yの各々へ結合されている光電力の監視を可能にするための光検出装置を備える。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1215-x-y内の光検出器によって測定された光電力は、偏光コントローラ1003-1~1003-Nを制御するためにフィードバック回路1015によって利用される。
【0164】
図13は、いくつかの実施形態に従って、電気光学トランスミッタを動作させるための方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図13の方法は、
図12の電気光学トランスミッタ1200を用いて実行される。方法は、複数の光入力ポート(例えば、光カプラ1203-1~1203-N)を通して入射光を受信するための工程1301を備える。いくつかの実施形態において、複数の光入力ポートの内の任意の1つを通して受信される入射光は、単一波長(例えば、波長λ
1~λ
Nの任意の1つ)の連続波レーザ光である。また、複数の光入力ポートの内の異なるポートを通して受信される入射光は、異なる波長を有する。このように、異なる光入力ポートの各々は、異なる波長の連続波レーザ光を受信する。方法は、さらに、複数の偏光コントローラ(例えば、偏光コントローラ1003-1~1003-N)を動作させるための工程1303を備える。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートへそれぞれ光学的に接続されている光入力を有する。複数の偏光コントローラの各々は、複数の光入力ポートの内の対応する1つを通して受信された2つの偏光(TEおよびTM)を有する光を単一の偏光(TEまたはTM)を有する光に変換するよう動作する。複数の偏光コントローラの各々は、偏光コントローラの出力光導波路(例えば、1209-1~1209-N)を通して単一の偏光を有する光を方向付けるよう動作する。いくつかの実施形態において、複数の偏光コントローラの各々は、
図11の方法に従って動作される。
【0165】
この方法は、さらに、複数の偏光コントローラの出力光導波路へそれぞれ光学的に接続されている複数の光入力(例えば、1211A-1~1211A-N)を有する光マルチプレクサ(例えば、1211)を動作させるための工程1305を備える。光マルチプレクサは、複数の光出力(例えば、1211B-1~1211B-N)を有する。光マルチプレクサは、光マルチプレクサの複数の光入力の各々で受信した光の一部を、光マルチプレクサの複数の光出力の各々へ方向付けるよう動作する。方法は、さらに、複数の光導波路(例えば、光導波路1213-1~1213-N)の内のそれぞれの導波路を通るように、光マルチプレクサの複数の光出力の各々からの光を方向付けるための工程1307を備える。複数の光導波路の各々は、第1端および第2端を有する。複数の光導波路の各々の第1端は、光マルチプレクサの複数の光出力へそれぞれ光学的に接続されている。複数の光導波路の各々の第2端は、複数の光出力ポート(例えば、1219-1~1219-N)へそれぞれ光学的に接続されている。この方法は、さらに、デジタルデータに従って複数の光導波路の内の所与の1つで光を変調するために、複数の光導波路の所与の1つに沿って配置されている複数のリング共振器型変調器(例えば、1215-x-y)を動作させるための工程1309を備える。いくつかの実施形態において、別個の複数のリング共振器型変調器が、複数の光導波路の各々に沿って配置され、別個の複数のリング共振器型変調器の各々は、デジタルデータに従って、対応する光導波路内の光を変調するよう動作される。
【0166】
図14は、いくつかの実施形態に従って、PIC1401内に実装された電気光学トランスミッタ1400の構成例を示す。電気光学トランスミッタ1400は、光導波路1406を通して光カプラ1405から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力1403Aを有する第1PSR1403を備える。いくつかの実施形態において、PSR1403の光入力1403Aは、光導波路1406が必要ないように、光カプラ1405へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ1405は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1405は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路1407へのPIC1401の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印1408で示すように、光ファイバ/導波路1407から光カプラ1405に伝送される。光ファイバ/導波路1407は、多波長光源1409からの光を受信して伝達するために光学的に接続されている。いくつかの実施形態において、多波長光源1409は、光ファイバ/導波路1407を通して複数の波長の連続波レーザ光を送信するよう構成されている。いくつかの実施形態において、光ファイバ/導波路1407を通して多波長光源1409によって送信される光の偏光は制御されておらず、時間と共に変化する可能性がある。
【0167】
PSR1403は、第1光出力1403Bおよび第2光出力1403Cを有する。PER1403は、第1光出力1403Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR1403は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR1403は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR1403は、第2光出力1403Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。
【0168】
電気光学トランスミッタ1400は、PSR1403の第1光出力1403Bへ光学的に接続されている第1光導波路1411を備える。電気光学トランスミッタ1400は、さらに、PSR1403の第2光出力1403Cへ光学的に接続されている第2光導波路1413を備える。第1光導波路1411および第2光導波路1413は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路1411および第2光導波路1413の各々は、第1光導波路1411および第2光導波路1413内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路1411および第2光導波路1413とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路1411および第2光導波路1413は、同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1403の第1光出力1403Bを通して第1光導波路1411へ伝送され、矢印1412で示すように第1光導波路1411に沿って伝搬する。いくつかの実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR1403の第2光出力1403Cを通して第2光導波路1413へ伝送され、矢印1414で示すように第2光導波路1413に沿って伝搬する。あるいは、いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1403の第2光出力1403Cを通して第2光導波路1413へ伝送され、矢印1414で示すように第2光導波路1413に沿って伝搬する。また、これらの代替実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR1403の第1光出力1403Bを通して第1光導波路1411へ伝送され、矢印1412で示すように第1光導波路1411に沿って伝搬する。
【0169】
電気光学トランスミッタ1400は、第1光導波路1411に沿って第1光導波路1411のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数(アレイ)のリング共振器型変調器1415-1~1415-3を備える。電気光学トランスミッタ例1400は、説明のために3つのリング共振器型変調器1415-1~1415-3を示しているが、第1複数のリング共振器型変調器1415-1~1415-3および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第1光導波路1411に沿って配置できる第1複数のリング共振器型変調器1415-1~1415-3におけるリング共振器型変調器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器型変調器1415-1~1415-3の各々は、リング共振器型変調器1415-1~1415-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の第1部分が、第1光導波路1411からリング共振器型変調器1415-1~1415-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1415-1~1415-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1415-1~1415-3は、円板として実装される。リング共振器型変調器1415-1~1415-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器型変調器1415-1~1415-3の各々は、リング共振器型変調器1415-1~1415-3内およびリング共振器型変調器1415-1~1415-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器型変調器1415-1~1415-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1415-1~1415-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1415-1~1415-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0170】
電気光学トランスミッタ1400は、さらに、第2光導波路1413に沿って第2光導波路1413のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数(アレイ)のリング共振器型変調器1417-1~1417-3を備える。電気光学トランスミッタ例1400は、説明のために3つのリング共振器型変調器変調器1417-1~1417-3を示しているが、第2複数のリング共振器型変調器1417-1~1417-3および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、第2光導波路1413に沿って配置できる第2複数のリング共振器型変調器1417-1~1417-3におけるリング共振器型変調器の数に制限はないことを理解されたい。リング共振器型変調器1417-1~1417-3の各々は、リング共振器型変調器1417-1~1417-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長(λ1、λ2、または、λ3)と実質的に等しい波長(λ1、λ2、または、λ3)を有する入射光の偏光回転済みの第2部分が、第2光導波路1413からリング共振器型変調器1417-1~1417-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長λ1~λ3で動作するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1417-1~1417-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1417-1~1417-3は、円板として実装される。リング共振器型変調器1417-1~1417-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器型変調器1417-1~1417-3の各々は、リング共振器型変調器1417-1~1417-3内およびリング共振器型変調器1417-1~1417-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器型変調器1417-1~1417-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1417-1~1417-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器型変調器1417-1~1417-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0171】
第1複数のリング共振器型変調器1415-1~1415-3および第2複数のリング共振器型変調器1417-1~1417-3は、第1光導波路1411および第2光導波路1413に沿って配置された複数のリング共振器型変調器ペアを形成する。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第1光導波路1411のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置された1つのリング共振器型変調器(1415-1~1415-3の内の1つ)と、第2光導波路1413のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置された1つのリング共振器型変調器(1417-1~1417-3の内の1つ)と、を含んでおり、複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、所定の共振波長(λ1~λ3の内の1つ)で動作するよう構成されている。複数のリング共振器型変調器ペアの内の所与の1つにおける各リング共振器型変調器は、同じビットパターンを変調するよう構成されている。例えば、リング共振器型変調器1415-1および1417-1のペアは、同じビットパターンを変調するよう構成されている。リング共振器型変調器1415-2および1417-2のペアは、同じビットパターンを変調するよう構成されている。また、リング共振器型変調器1415-3および1417-3のペアは、同じビットパターンを変調するよう構成されており、以下同様である。
【0172】
電気光学トランスミッタ1400は、逆接続光入力1419A、第1逆接続光出力1419B、および、第2逆接続光出力1419Cを有する第2PSR1419を備える。第2PSR1419は、第1逆接続光出力1419Bおよび第2逆接続光出力1419Cが、それぞれの光入力として機能するよう接続され、逆接続光入力1419Aが、光出力として機能するよう接続されるように、電気光学トランスミッタ1400内で逆向きに接続されている。このように、第2PSR1419は、偏光ローテータおよび光コンバイナとして機能する。具体的には、第2PSR1419の第1逆接続光出力1419Bは、第1光導波路1411を通して伝達された光が、第1逆接続光出力1419Bへの入力光として受信されるように、第1光導波路1411の第2端へ光学的に接続されている。また、第2PSR1419の第2逆接続光出力1419Cは、第2光導波路1413を通して伝達された光が、第2逆接続光出力1419Cへの入力光として受信されるように、第2光導波路1413の第2端へ光学的に接続されている。PSR1419の逆接続光入力1419Aは、光導波路1423を通して電気光学トランスミッタ1400の出力カプラ1421へ光学的に接続されている。このように、逆接続光入力1419Aは、実際には光出力として動作し、それを通して、PSR1419から光導波路1423を介して出力カプラ1421へ光が伝送される。変調出力光が、矢印1425で示すように、光カプラ1421を通して伝送される。いくつかの実施形態において、PSR1419の逆接続光入力1419Aは、光導波路1423が必要ないように、光カプラ1421へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ1421は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1421は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路へのPIC1401の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。
【0173】
逆に機能することで、PSR1419は、第1逆接続光出力1419Bを通して第1光導波路1411から受信された(第1偏光を有する)入射光の第1部分に基づいた変調光を、逆接続光入力1419Aひいては光カプラ1421へ方向付けるよう構成されている。また、逆に機能することで、PSR1419は、第2逆接続光出力1419Cを通して第2光導波路1413から受信された(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分に基づいた変調光の偏光を、第1偏光から(第1偏光と反対の)第2偏光へ戻すように回転させるよう構成されている。このように、PSR1419は、(第1偏光を有する)入射光の偏光回転済みの第2部分に基づいた変調光を、(第2偏光を有する)偏光逆回転済みの変調光に変換する。PSR1419は、逆接続光入力1419Aを通して光カプラ1421へ偏光逆回転済みの変調光を方向付けるよう構成されている。各光信号が、後に光カプラ1421を通して光ファイバ/導波路へ出力される結合光出力信号として結合され、PSR1419の逆接続光入力1419Aを通して伝送される時に、各光信号は異なる偏光状態にあるため、逆実装されたPSR1419は、アクティブ位相制御なしに光信号を結合することを可能にする。
【0174】
図15は、いくつかの実施形態に従って、光変調方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図15の方法は、
図14の電気光学トランスミッタ1400を用いて実行される。方法は、光入力ポートを通して入射光を受信するための工程1501を備え、ここで、入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。いくつかの実施形態において、
図15の方法は、
図14の電気光学トランスミッタ1400を用いて実行される。いくつかの実施形態において、入射光は未知の偏光を有する。いくつかの実施形態において、入射光の偏光は制御されておらず、時間と共に変化する可能性がある。方法は、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程1503を備える。方法は、第1光導波路(例えば、光導波路1411)を通るように入射光の第1部分を方向付けるための工程1505を備える。方法は、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程1507を備える。方法は、第2光導波路(例えば、光導波路1413)を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程1509を備える。いくつかの実施形態において、工程1501~1509は、PSR1403によって実行される。
【0175】
方法は、第1光導波路および第2光導波路に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペア(例えば、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3のペア)を動作させるための工程1511を備える。複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第1光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第2光導波路のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、第1光導波路および第2光導波路を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調して、第1光導波路内で第1偏光を有する変調光の第1部分を生成すると共に第2光導波路内で第1偏光を有する変調光の第2部分を生成するために、所定の共振波長で動作するよう構成されている。方法は、第2光導波路内の変調光の第2部分の偏光を第1偏光から第2偏光へ戻すように回転させるための工程1513を備える。方法は、さらに、第1偏光を有する変調光の第1部分および第2偏光を有する変調光の第2部分の両方を、同じ光出力ポート(例えば、光カプラ1421)を通るように方向付ける工程1515を備える。いくつかの実施形態において、工程1513および1515は、逆実装されたPSR1419によって実行される。
【0176】
図16は、いくつかの実施形態に従って、PIC1601内に実装された電気光学トランスミッタ1600の構成例を示す。電気光学トランスミッタ1600は、
図14の電気光学トランスミッタ1400の変形例である。具体的には、電気光学トランスミッタ1600では、電気光学トランスミッタ1400のPSR1403が、
図8の電気光学レシーバ800に関して上述した偏光イコライザ812で置き換えられている。PSR821の光入力821Aは、光導波路1406を通して、または、光カプラ1405への光入力821Aの直接光結合を介して、光カプラ1405から入射光を受信するように光学的に接続されている。2×2光スプリッタ809の第1光出力809Cは、第1光導波路1411の第1端へ光学的に接続されている。2×2光スプリッタ809の第2光出力809Dは、第2光導波路1413の第1端へ光学的に接続されている。
【0177】
電気光学トランスミッタバ1600は、光カプラ1405を通して受信された入射光の大部分または全部が1つの偏光(ほとんどTEまたはほとんどTMのいずれか)を有することに起因して、第1光導波路803または第2光導波路805のいずれかが非常に少ない光を搬送する可能性のある厄介な状況に対処する。この状況において、2×2光スプリッタ809が実装されていなければ、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3の動作共振波長を、光カプラ1405を通して受信される入射光における対応するチャネル波長とそれぞれアライメントし続けることは、どのリング調整アルゴリズムにとっても非常に困難になる。また、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3は、光電力が上昇するに伴って、チャネル波長に再ロックする必要があるため、上述の状況は、光ファイバ/導波路1407における偏光が時間と共に進行した時に、さらにいっそう問題となる。リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3が、変化するチャネル波長に再ロックする必要がある場合、電気光学トランスミッタ1600によって出力される信号に遮断が発生する。上述の状況に対処する目的で、電気光学トランスミッタ1600は、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3に光が到達する前に、第1光導波路1411および第2光導波路1413の各々において無視できない光電力を確保するために、2×2光スプリッタ809および位相シフタ807を備えた偏光イコライザ812を実装する。2×2光スプリッタ809は、リング共振器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3が、入射光信号におけるチャネル波長と実質的に一致するそれぞれの共振波長にロックして維持できることを保証するために、第1光導波路1411および第2光導波路1413の各々が第1偏光の十分な光を伝達することを保証する。いくつかの実施形態において、位相シフタ807は、光ファイバ/導波路1407における偏光が時間と共にドリフトするため、アクティブ制御を利用する。位相シフタ807のアクティブ制御は、アクティブ制御回路(フィードバック回路1015)によって実施される。例えば、いくつかの実施形態において、位相シフタ807のアクティブ制御は、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3における光電力を測定するアクティブ制御回路によって実施され、その測定された光電力をフィードバック信号として用いて、光ファイバ/導波路1407における偏光を追跡する必要に応じて位相シフト807の動作を調整する。
【0178】
図17は、いくつかの実施形態に従って、光変調方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図17の方法は、
図16の電気光学トランスミッタ1600を用いて実行される。方法は、光入力ポート(例えば、光カプラ1405)を通して入射光を受信するための工程1701を備え、ここで、入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程1703を備える。方法は、さらに、第1光導波路(例えば、光導波路1411)を通して2×2光スプリッタ(例えば、809)の第1光入力(例えば、809A)へ入射光の第1部分を方向付けるための工程1705を備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程1707を備える。方法は、さらに、第2光導波路(例えば、光導波路805)を通して2×2スプリッタの第2光入力(例えば、809B)へ入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程1709を備える。いくつかの実施形態において、工程1701~1709は、PSR821によって実行される。
【0179】
方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力(例えば、809C)を通して第3光導波路(例えば、光導波路1411)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程1711を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力(例えば、809D)を通して第4光導波路(例えば、光導波路1413)へ入射光の第1部分の一部を方向付けるための工程1713を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第1光出力(例えば、809C)を通して第3光導波路(例えば、1411)へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程1715を備える。方法は、さらに、2×2光スプリッタの第2光出力(例えば、809D)を通して第4光導波路(例えば、1413)へ入射光の偏光回転済みの第2部分の一部を方向付けるための工程1717を備える。
【0180】
方法は、第3光導波路(例えば、1411)および第4光導波路(例えば、1413)に沿って配置されている複数のリング共振器型変調器ペア(例えば、リング共振器型変調器1415-1~1415-3および1417-1~1417-3)を動作させるための工程1719を備え、ここで、複数のリング共振器型変調器ペアの各リング共振器型変調器ペアは、第3光導波路(例えば、1411)のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、第4光導波路(例えば、1413)のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている1つのリング共振器型変調器と、を含む。複数のリング共振器型変調器ペアの各々は、第3光導波路(例えば、1411)および第4光導波路(例えば、1413)を通して伝搬する光へ同じビットパターンを変調するために、所定の共振波長で動作するよう構成されている。方法は、さらに、第3光導波路(例えば、1411)または第4光導波路(例えば、1413)のいずれかにおける変調光の偏光を第1偏光から第2偏光に戻すように回転させる工程1721を備える。方法は、さらに、第3および第4光導波路からの第1偏光を有する変調光および第2偏光を有する変調光の両方を、同じ光出力ポート(例えば、光カプラ1421)を通るように方向付けるための工程1723を備える。いくつかの実施形態において、工程1721~1723は、逆実装されたPSR1419によって実行される。
【0181】
図18は、いくつかの実施形態に従って、PIC1801内に実装された電気光学コンバイナ1800の構成例を示す。電気光学コンバイナ1800は、光導波路1806を通して光カプラ1805から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力1803Aを有するPSR1803を備える。いくつかの実施形態において、PSR1803の光入力1803Aは、光導波路1806が必要ないように、光カプラ1805へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ1805は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ1805は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路1807へのPIC1801の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印1808で示すように、光ファイバ/導波路1807から光カプラ1805に伝送される。PSR1803は、第1光出力1803Bおよび第2光出力1803Cを有する。PSR1803は、第1光出力1803Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR1803は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR1803は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR1803は、第2光出力1803Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。あるいは、いくつかの実施形態において、第1偏光を有する入射光の第1部分は、第2光出力1803Cを通して伝送され、入射光の偏光回転済みの第2部分は、第1光出力1803Bを通して伝送される。
【0182】
電気光学コンバイナ1800は、PSR1803の第1光出力1803Bへ光学的に接続されている第1光導波路1809を備える。電気光学コンバイナ1800は、さらに、PSR1803の第2光出力1803Cへ光学的に接続されている第2光導波路1811を備える。第1光導波路1809および第2光導波路1811は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路1809および第2光導波路1811の各々は、第1光導波路1809および第2光導波路1811内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路1809および第2光導波路1811とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路1809および第2光導波路1811は、同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1803の第1光出力1803Bを通して第1光導波路1809へ伝送され、矢印1810で示すように第1光導波路1809に沿って伝搬する。また、入射光の第1偏光回転済みの第2部分は、PSR1803の第2光出力1803Cを通して第2光導波路1811へ伝送され、矢印1812で示すように第2光導波路1811に沿って伝搬する。第1光導波路1809は、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aに向かって方向を反転させるよう構成されている。このように、光は、光が第2光導波路1811を通して伝搬する方向(矢印1812)とは反対の方向(矢印1810A示す)へ、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aを通して伝搬する。あるいは、いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR1803の第2光出力1803Cを通して第2光導波路1811へ伝送され、矢印1812で示すように第2光導波路1811に沿って伝搬する。また、これらの代替実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR1803の第1光出力1803Bを通して第1光導波路1809へ伝送され、矢印1810で示すように第1光導波路1809に沿って伝搬し、矢印1810Aで示すように、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aを通して戻るように伝搬する。
【0183】
電気光学コンバイナ1800は、さらに、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aと第2光導波路1811のコンバイナセクション1811Aとの間に配置されている複数のリング共振器1813-1~1813-3を備える。電気光学コンバイナ例1800は、説明のために3つのリング共振器815-1~815-3を示しているが、リング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、これらのリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、リング共振器1813-1~1813-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器1813-1~1813-3は、円板として実装される。リング共振器1813-1~1813-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器1813-1~1813-3の各々は、リング共振器1813-1~1813-3内およびリング共振器1813-1~1813-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器1813-1~1813-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器1813-1~1813-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器1813-1~1813-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0184】
複数のリング共振器1813-1~1813-3の各々は、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aおよび第2光導波路1811のコンバイナセクション1811Aの両方のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている。第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aにおける光伝搬方向は、第2光導波路1811のコンバイナセクション1811Aにおける光伝搬方向とは反対向きである。複数のリング共振器1813-1~1813-3の各々は、複数のリング共振器1813-1~1813-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、光導波路1811のコンバイナセクション1811Aから複数のリング共振器1813-1~1813-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長(λ1~λ3)で動作するよう構成されている。リング共振器1813-1~1813-3へ結合された光は、リング共振器1813-1~1813-3の周りを時計回りに伝搬し、矢印1814で示すように、第2光導波路1811のコンバイナセクション1811Aへ結合する。このように、PSR1803から第1光導波路1809へ出力された光は、PSR1803によって第2光導波路1811へ出力された光と結合される。(光伝搬方向1812および1814に関して)第2光導波路1811のコンバイナセクション1811Aの後ろの第2光導波路1811内の結合光は、電気光学コンバイナ1800から出力される。いくつかの実施形態において、結合光は、電気光学コンバイナ1800から光検出器へ出力される。ただし、他の実施形態において、結合光は、必要に応じて、電気光学コンバイナ1800から基本的に任意のタイプのフォトニックデバイスへ出力される。リング共振器1813-1~1813-3は、PSR1803から出力された光信号を結合するためのパッシブフィルタとして機能する。
【0185】
また、電気光学コンバイナ1800は、第1光導波路1809へ光結合されている複数の位相シフタ1815-1~1815-3を備える。複数の位相シフタ1815-1~1815-3の各々は、第2光導波路1809のコンバイナセクション1809Aを通る光伝搬方向1810Aに関して、複数のリング共振器1813-1~1813-3の内のそれぞれの1つの前に配置されている。このように、いくつかの実施形態において、複数の位相シフタ1815-1~1815-3の数は、複数のリング共振器1813-1~1813-3の数に等しい。いくつかの実施形態において、位相シフタ1815-1~1815-3の各々は、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aにわたって配置されている温度調節器(例えば、加熱装置)として実装され、第1光導波路1809の材料の熱光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ1815-1~1815-3の各々は、第1光導波路1809のコンバイナセクション1809Aに組み込まれた電気光学素子(例えば、ダイオード)として実装され、第1光導波路1809内の電気光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ1815-1~1815-3の各々は、1セットのリング共振器として実装される。複数の位相シフタ1815-1~1815-3の各々は、第1光導波路1809を通して伝搬する光の位相へ、制御された量のシフトを適用するよう構成されている。位相シフタ1815-1~1815-3は、第1光導波路1809および第2光導波路1811の光信号の間での適切な位相整合を保証するように制御/動作される。位相シフト1815-1~1815-3は、第1光導波路1809および第2光導波路1811内での位相および強度の不均衡を経時的に考慮するために、リング共振器1813-1~1813-3の共振波長に合わせて調整される。いくつかの実施形態において、電気光学コンバイナ1800は、タイミングスキュー管理システムを必要としない。
【0186】
図19は、いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図19の方法は、
図18の電気光学コンバイナ1800を用いて実行される。方法は、フォトニック回路(例えば、PIC1801)の光入力ポート(例えば、光カプラ1805)を通して入射光を受信するための工程1901を備え、ここで、入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、さらに、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程1903を備える。方法は、さらに、第1光導波路(例えば、光導波路1809)を通るように入射光の第1部分を方向付けるための工程1905を備える。方法は、さらに、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程1907を備える。方法は、さらに、第2光導波路(例えば、光導波路1811)を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程1909を備える。いくつかの実施形態において、工程1903~1909は、PSR1803によって実行される。方法は、さらに、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている複数のリング共振器(例えば、1813-1~1813-3)を動作させるための工程1911を備え、ここで、複数のリング共振器の各々は、第1光導波路から光をエバネッセントにインカップリングし、第2光導波路へ光をアウトカップリングするように動作される。複数のリング共振器の各々は、複数のリング共振器の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第1光導波路から複数のリング共振器の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長で動作するよう構成されている。方法は、さらに、第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ、制御された量のシフトを適用するために、第1光導波路と光結合している複数の位相シフタ(例えば、1815-1~1815-3)を動作させるための工程1913を備える。複数の位相シフタの各々は、第1光導波路における光伝搬方向に関して、複数のリング共振器の内のそれぞれの1つの前に配置されている。いくつかの実施形態において、方法は、第2光導波路の出力部分から1または複数の光検出器へ光を方向付ける工程を備え、ここで、第2光導波路の出力部分は、第2光導波路における光伝搬方向に関して、複数のリング共振器の後ろに配置されている。
【0187】
図20は、いくつかの実施形態に従って、PIC2001内に実装された電気光学コンバイナ2000の構成例を示す。電気光学コンバイナ2000は、光導波路2006を通して光カプラ2005から入射光を受信するように光学的に接続されている光入力2003Aを有するPSR2003を備える。いくつかの実施形態において、PSR2003の光入力2003Aは、光導波路2006が必要ないように、光カプラ2005へ直接的に光結合されている。いくつかの実施形態において、光カプラ2005は、エッジカプラとして実装される。ただし、他の実施形態において、光カプラ2005は、垂直格子カプラとして、または、光ファイバ/導波路2007へのPIC2001の光結合を提供する別のタイプの光結合装置として、実装される。入射光は、矢印2008で示すように、光ファイバ/導波路2007から光カプラ2005に伝送される。PSR2003は、第1光出力2003Bおよび第2光出力2003Cを有する。PSR2003は、第1光出力2003Bを通るように、第1偏光(TEまたはTM)を有する入射光の第1部分を方向付けるよう構成されている。また、PSR2003は、入射光の第2部分の偏光を(第1偏光と反対の)第2偏光から第1偏光へ回転させるよう構成されている。このように、PSR2003は、入射光の第2部分を入射光の偏光回転済みの第2部分へ変化させる。PSR2003は、第2光出力2003Cを通るように、入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるよう構成されている。あるいは、いくつかの実施形態において、第1偏光を有する入射光の第1部分は、第2光出力2003Cを通して伝送され、入射光の偏光回転済みの第2部分は、第1光出力2003Bを通して伝送される。
【0188】
電気光学コンバイナ2000は、PSR2003の第1光出力2003Bへ光学的に接続されている第1光導波路2009を備える。電気光学コンバイナ2000は、さらに、PSR2003の第2光出力2003Cへ光学的に接続されている第2光導波路2011を備える。第1光導波路2009および第2光導波路2011は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。第1光導波路2009および第2光導波路2011の各々は、第1光導波路2009および第2光導波路2011内で光の導くことを可能にするために、それぞれ、第1光導波路2009および第2光導波路2011とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、第1光導波路2009および第2光導波路2011は、同じ材料で形成されている。いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR2003の第1光出力2003Bを通して第1光導波路2009へ伝送され、矢印2010で示すように第1光導波路2009に沿って伝搬する。また、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR2003の第2光出力2003Cを通して第2光導波路2011へ伝送され、矢印2012で示すように第2光導波路2011に沿って伝搬する。あるいは、いくつかの実施形態において、入射光の第1部分は、PSR2003の第2光出力2003Cを通して第2光導波路2011へ伝送され、矢印2012で示すように第2光導波路2011に沿って伝搬する。また、これらの代替実施形態において、入射光の偏光回転済みの第2部分は、PSR2003の第1光出力2003Bを通して第1光導波路2009へ伝送され、矢印2010で示すように第1光導波路2009に沿って伝搬する。
【0189】
電気光学コンバイナ2000は、第1光導波路2010に沿って第1光導波路2010のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第1複数のリング共振器2013-1~2013-3を備える。電気光学コンバイナ2000は、さらに、第2光導波路2011に沿って第2光導波路2011のエバネッセント光結合距離の範囲内に配置されている第2複数のリング共振器2017-1~2017-3を備える。第1の複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3は、第1光導波路2009と第2光導波路2011との間に配置されている。第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の各々は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3のそれぞれの1つからの光を光学的にインカップリングするために配置されている。電気光学コンバイナ例2000は、説明のために3つのリング共振器2013-1~2013および3つのリング共振器2017-1~2017-3を示しているが、リング共振器および関連する信号処理回路が、チップ上に空間的および電気的に収容可能である限りは、これらのリング共振器の数に制限はないことを理解されたい。また、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の数は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3が、集合的に複数のリング共振器ペアを形成するように、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の数と等しくなっており、ここで、所与のリング共振器ペア内の各リング共振器は、同じ共振波長で動作される。各リング共振器ペア2013-1/2017-1~2013-3/2017-3は、ダブルリングフィルタとして機能する。ダブルリングフィルタのリング共振波長は、第1光導波路2009および第2光導波路2011の位相および強度の不均衡を経時的に考慮するために、チャネル波長に対して調整可能である。
【0190】
いくつかの実施形態において、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3は、周回構成(例えば、円形、楕円形、レーストラック形状、または、別の任意の周回形状)を有する環状の導波路として実装される。いくつかの実施形態において、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3は、円板として実装される。リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3は、光がインカップリング、アウトカップリング、および、ガイドされうるような材料で形成されている。リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3の各々は、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3内ならびにリング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3の各々によって規定されている周回経路の周りで光を導くことを可能にするために、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3とは十分に異なる光屈折率を有する周囲の材料の中に形成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3の各々は、約50マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。いくつかの実施形態において、リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3の各々は、約10マイクロメートル未満の外径の環形状またはディスク形状を有するよう構成されている。
【0191】
第1複数のリング共振器2013-1~2013-3は、第1光導波路2009からの光をインカップリングし、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内のそれぞれの1つへ光をアウトカップリングする。第2複数のリング共振器2017-1~2017-3は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内のそれぞれの1つからの光をインカップリングし、第2光導波路2011へ光をアウトカップリングする。このように、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3は集合的に、矢印2014で示すように、第1光導波路2009から第2光導波路2011へ光を結合するよう動作する。第1複数のリング共振器2013-1~2013-3における光伝搬方向は、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3における光伝搬方向とは反対向きである。電気光学コンバイナ例2000において、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の各々の中では、矢印2016-1~2016-3で示すように、光が反時計回り方向に伝搬し、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の各々の中では、矢印2018-1~2018-3で示すように、光が時計回り方向に伝搬する。
【0192】
第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の各々は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、光導波路2009から第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長(λ1~λ3)で動作するよう構成されている。第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の各々は、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内の所与の1つのそれぞれの共振波長と実質的に等しい波長を有する光が、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の対応する1つから第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内の所与の1つへ光結合するように、それぞれの共振波長(λ1~λ3)で動作するよう構成されている。第2複数のリング共振器2017-1~2017-3へ結合された光は、第2複数リング共振器2017-1~2017-3の周りを時計回りに伝搬し、矢印2014で示すように、第2光導波路2011へ結合する。このように、PSR2003から第1光導波路2009へ出力された光は、PSR2003によって第2光導波路2011へ出力された光と結合される。(光伝搬方向2012および2014に関して)第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の後ろの第2光導波路2011内の結合光は、電気光学コンバイナ2000から出力される。いくつかの実施形態において、結合光は、電気光学コンバイナ2000から光検出器へ出力される。ただし、他の実施形態において、結合光は、必要に応じて、電気光学コンバイナ2000から基本的に任意のタイプのフォトニックデバイスへ出力される。リング共振器2013-1~2013-3および2017-1~2017-3は、PSR2003から出力された光信号を結合するためのパッシブフィルタとして機能する。
【0193】
いくつかの実施形態において、第1光導波路2009は、PSR2003の第1光出力2003Bから、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内のPSR2003に最も近い1つ(2013-1)まで伸びている第1セクション2009Aを備える。また、第2光導波路2011は、PSR2003の第2光出力2003Cから、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内のPSR2003に最も近い1つ(2017-1)まで伸びている第1セクション2011Aを備える。これらの実施形態において、第1光導波路2009への入射光の第1部分の伝送と第2光導波路2011への入射光の偏光回転済みの第2部分の伝送との間のタイミングスキュー(タイミングの差)を最小化する目的で、PSR2003から出る入射光の第1部分とPSR2003から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するために、第1光導波路2009の第1セクション2009Aが第2光導波路2011の第1セクション2011Aよりも長く、または、第2光導波路2011の第1セクション2011Aが第1光導波路2009の第1セクション2009Aよりも長くなっている。電気光学コンバイナ例2000において、第1光導波路2009の第1セクション2009Aは、第1光導波路2009の第1セクション2009Aを通る光学経路長が第2光導波路2011の第1セクション2011Aを通る光学経路長よりも長くなるように構成されている遅延セクション2009Bを備える。遅延セクション2009Bは、PSR2003から出る入射光の第1部分とPSR2003から出る入射光の偏光回転済みの第2部分との間のタイミング遅延を補償するよう構成されている。遅延セクション2009Bは、電気光学コンバイナ2000の広帯域動作を保証するよう構成されている。遅延セクション2009Bは、PIC2001構成要素(光カプラ2005、PSR2003、および、ルーティング導波路2006、2009、2011など)を通して伝搬する時に蓄積される2つの偏光の間の微分群遅延を補償するように設計されている。遅延セクション2009Bがない場合、複数の独立的な位相シフタの1つが第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内のそれぞれの1つの前に配置される(
図18に関して記載した位相シフタ1815-1~1815-3と同様)ように、複数の独立的な位相シフタを第1光導波路2009へ光結合することができる。
【0194】
第1光導波路2009の第1セクション2009Aと共に遅延セクション2009Bを設けると、電気光学コンバイナ2000は、第1光導波路2009または第2光導波路2011のいずれかにおいて、リング共振器ペア2013-1/2017-1~2013-3/2017-3の前の位置に単一の位相シフタ2019を実装することができる。電気光学コンバイナ例2000において、位相シフタ2019は、第1光導波路2009において、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の第1リング共振器2013-1の前に実装されている。位相シフタ2019は光信号を第2光導波路2011(出力導波路)へ低損失で結合することを保証するために、リング共振器ペアが結合している入射光信号のチャネルの波長に対して、リング共振器ペア2013-1/2017-1~2013-3/2017-3の各ペアの共振波長に合わせて調整される。いくつかの実施形態において、位相シフタ2019は、第1光導波路2009の上に配置されている温度調節器(例えば、加熱装置)として実装され、第1光導波路2009の材料の熱光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ2019は、第1光導波路2009に組み込まれた電気光学素子(例えば、ダイオード)として実装され、第1光導波路2009内の電気光学効果を利用して動作する。いくつかの実施形態において、位相シフタ2019は、1セットのリング共振器として実装される。
【0195】
図21は、いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図21の方法は、
図20の電気光学コンバイナ2000を用いて実行される。方法は、フォトニック回路(例えば、PIC2001)の光入力ポート(例えば、光カプラ2005)を通して入射光を受信するための工程2101を備え、ここで、入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程2103を備える。方法は、第1光導波路(例えば、光導波路2009)を通るように入射光の第1部分を方向付けるための工程2105を備える。方法は、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程2107を備える。方法は、第2光導波路(例えば、光導波路2011)を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程2109を備える。いくつかの実施形態において、工程2103~2109は、PSR2003によって実行される。方法は、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器(例えば、2013-1~2013-3)を動作させるための工程2111を備え、ここで、第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路から特定のチャネル波長の光をエバネッセントにインカップリングするように動作される。方法は、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器(例えば、2017-1~2017-3)を動作させるための工程2113を備え、ここで、第2複数のリング共振器の各々は、第1複数のリング共振器の内のそれぞれの1つから特定のチャネル波長の光をエバネッセントにインカップリングするように動作される。第2複数のリング共振器の各々は、さらに、第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするように動作される。第1複数のリング共振器および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作される。また、第1複数のリング共振器および第2複数のリング共振器の中で光結合されている各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する。いくつかの実施形態において、方法は、第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ、制御された量のシフトを適用するために、第1光導波路と光結合している位相シフタ(例えば、位相シフタ2019)を動作させる工程を備える。また、いくつかの実施形態において、方法は、さらに、第2光導波路の出力セクションから1または複数の光検出器へ光をルーティングする工程を備え、ここで、第2光導波路の出力セクションは、第2光導波路における光伝搬方向に関して、第2複数のリング共振器の後ろに配置されている。
【0196】
図22は、いくつかの実施形態に従って、PIC2201内に実装された電気光学コンバイナ2200の構成例を示す。電気光学コンバイナ2200は、
図20の電気光学コンバイナの変形例である。具体的には、電気光学コンバイナ2200は、電気光学コンバイナ2000のすべての構成要素を備え、さらに、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3と第2複数のリング共振器2017-1~2017-3との間にそれぞれ配置されている複数の中間光導波路2203-1~2203-3を備える。複数の中間光導波路2203-1~2203-3の各々は、所定の共振波長で動作するよう構成されている第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の対応する1つと、同じ所定の共振波長で動作するよう構成されている第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内の対応する1つとの間に配置されている。所定の共振波長を有する光は、第1光導波路2009から第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の対応する1つへ、そして、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の対応する1つから複数の中間光導波路2203-1の内の対応する1つへ、そして、中間光導波路2203-1~2203-3から第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内の対応する1つへ、そして、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内の対応する1つから第2光導波路2011へ光結合する。いくつかの実施形態において、複数の中間光導波路2203-1~2203-3の各々は、略直線形状を有し、実質的に同じ長さ方向の範囲を有するように方向付けられている。
図22に示すようないくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3は、複数の中間光導波路2203-1~2203-3が伸びる長さ方向と実質的に平行な方向へ互いに対してオフセットされている。
【0197】
電気光学コンバイナ2200は、さらに、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3の内の対応する1つから複数の中間光導波路2203-1~2203-3の内の所与の1つへ光結合する光の一部が、複数の中間光導波路2203-1~2203-3の内の所与の1つへ光学的に接続されている複数の光検出器2205-1~2205-3の内の1つへ伝達されるように、複数の中間光導波路2203-1~2203-3へそれぞれ光結合されている複数の光検出器2205-1~2205-3を備える。いくつかの実施形態において、電気光コンバイナ2200は、複数の光検出器2205-1~2205-3の内の対応する光検出器から出力された電気信号(光電流信号)を用いて、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の共振波長を制御するよう構成されているフィードバック回路2207を備える。また、いくつかの実施形態において、フィードバック回路2207は、複数の光検出器2205-1~2205-3から出力された電気信号を用いて、位相シフタ2019を制御するよう構成されている。複数の中間光導波路2203-1~2203-3は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3と第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の内のそれぞれ対応するリング共振器との間のエバネッセント光結合のより良好な制御を有利に提供する。また、複数の中間光導波路2203-1~2203-3は、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3、第2複数のリング共振器2017-1~2017-3、および、位相シフタ2019のためのフィードバック制御システム(フィードバック回路2207)へ供給するために、線形の光タップを有利に提供する。いくつかの実施形態において、第1複数のリング共振器2013-1~2013-3および第2複数のリング共振器2017-1~2017-3の最適な調整、ならびに、位相シフタ2019による第1光導波路2009における最適な位相シフトの結果として、最小限の光電力が複数の光検出器2205-1~2205-3の各々へ入るようになり、これは、制御システムが、入射光信号における各波長チャネルに対して出力伝送を別個かつ独立的に最適化することを可能にする。
【0198】
図23は、いくつかの実施形態に従って、光信号結合方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図23の方法は、
図22の電気光学コンバイナ2200を用いて実行される。方法は、フォトニック回路(例えば、PIC2001)の光入力ポート(例えば、光カプラ2005)を通して入射光を受信するための工程2301を備え、ここで、入射光の第1部分は第1偏光を有し、入射光の第2部分は第2偏光を有する。方法は、入射光の第1部分を入射光の第2部分から分割するための工程2303を備える。方法は、第1光導波路(例えば、光導波路2009)を通るように入射光の第1部分を方向付けるための工程2305を備える。方法は、入射光の第2部分が入射光の偏光回転済みの第2部分になるように、入射光の第2部分の第2偏光を第1偏光へ回転させるための工程2307を備える。方法は、第2光導波路(例えば、光導波路2011)を通るように入射光の偏光回転済みの第2部分を方向付けるための工程2309を備える。いくつかの実施形態において、工程2303~2309は、PSR2003によって実行される。方法は、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第1複数のリング共振器(例えば、2013-1~2013-3)を動作させるための工程2311を備え、ここで、第1複数のリング共振器の各々は、第1光導波路から特定のチャネル波長の光をエバネッセントにインカップリングするように動作される。
【0199】
方法は、さらに、第1複数のリング共振器の各々からの光を複数の中間光導波路(例えば、光導波路2203-1~2203-3)の内の対応する1つへ光結合するための工程2313を備える。方法は、第1光導波路と第2光導波路との間に配置されている第2複数のリング共振器(例えば、2017-1~2017-3)を動作させるための工程2315を備え、ここで、第2複数のリング共振器の各々は、複数の中間光導波路の内のそれぞれの1つから特定のチャネル波長の光をエバネッセントにインカップリングするように動作される。第2複数のリング共振器の各々は、さらに、第2光導波路へ光をエバネッセントにアウトカップリングするように動作される。第1複数のリング共振器および第2複数のリング共振器の中で光接続されている各ペアのリング共振器は、実質的に同じ共振波長で動作される。また、第1複数のリング共振器および第2複数のリング共振器の中で光接続されている各ペアのリング共振器は、反対向きの光伝搬方向を有する。いくつかの実施形態において、方法は、第1光導波路を通して伝搬する光の位相へ、制御された量のシフトを適用するために、第1光導波路と光結合している位相シフタ(例えば、位相シフタ2019)を動作させる工程を備える。また、いくつかの実施形態において、方法は、第2光導波路の出力セクションから1または複数の光検出器へ光をルーティングする工程を備え、ここで、第2光導波路の出力セクションは、第2光導波路における光伝搬方向に関して、第2複数のリング共振器の後ろに配置されている。
【0200】
いくつかの実施形態において、方法は、複数の中間光導波路のそれぞれへ光結合されている光の量を検出するために、複数の光検出器(例えば、2205-1~2205-3)を動作させる工程を備える。いくつかの実施形態において、方法は、第1複数のリング共振器、複数の中間導波路、および、第2複数のリング共振器を介して、第1光導波路から第2光導波路へ伝達される光電力の量を最適化するために、複数の光検出器の内の対応する光検出器によって生成された光電流に従って、第1複数のリング共振器および第2複数のリング共振器の共振波長を制御する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法は、複数の光検出器によって生成された光電流に従って、位相シフタの動作を制御する工程を備える。
【0201】
図24Aは、いくつかの実施形態に従って、偏光依存のタイミングスキューを許容するよう構成されている電気光学レシーバを示す図である。電気光学レシーバは、光検出器から光電流を受け入れ、ブロック2401に示すように、増幅および線形等化を実行する。いくつかの実施形態では、線形等化は、偏波スキュー起因して増大したISIをキャンセルするために用いられる。次に、フィルタリングおよび増幅された信号は、ブロック2403に示すように、データを抽出するためにサンプリングされる。また、いくつかの実施形態において、フィルタリングおよび増幅された信号は、判定フィードバック等化(DFE)などの非線形等化を受ける。同時に、プリカーソルISI、ポストカーソルISI、および、メインタップ高さが、データレベルスライサ(dLev)を通して測定される。また、クロックデータリカバリ(CDR)が、ブロック2405に示すように、フィルタリングされたデータをサンプリングして、最適なサンプリング時間を抽出するためにデータを出力する。ブロック2407に示すように、残留ISIを分析し、それに応じてフィルタ重みを調整するために、ISIに関する情報が、等化(EQ)適応ブロックへ送信される。
【0202】
図24Bは、いくつかの実施形態に従って、
図24Aの電気光学レシーバの変形例を示す。この実施形態において、ISIに関する情報は、ブロック2409で示すように、偏光検出器にも送信される。プリカーソルISIおよびポストカーソルISIの相対強度に基づいて、偏光状態に関する情報が抽出され、次いで、理想的なロック位置へ移行する目的でEQ適応およびCDRを調整するために用いられる。
【0203】
図24Cは、いくつかの実施形態に従って、
図24Bの電気光学レシーバの変形例を示す。この実施形態において、ブロック2409に示すように、2つの偏光(TEおよびTM)の各々からの光電流を、偏光検出器による測定に向けて別個の出力へ出力するために、
図4の線形光検出器400が実装されている。偏光検出器は、線形光検出器400に逆バイアスを提供し、各バイアスを通して流れる光電流の量を測定する。各バイアスの相対光電流を比較することにより、偏光状態に関する情報が抽出される。次いで、この情報は、理想的なロック位置へ移行する目的でEQ適応およびCDRを調整するために用いられる。
【0204】
いくつかの実装形態において、電気光学レシーバは、偏光依存タイミングスキュー、帯域幅限界、および、クロックタイミングジッタの複合効果を扱うために、等化/タイミング回復回路を備える。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、等化およびクロックデータ回復のための信号を調整するために増幅器を備える。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、ISIの存在を検出して、線形フィルタまたはDFEによる非線形フィードバック制御でISIを補正する適応等化回路を備える。いくつかの実施形態において、ISIの量は、モニタまたはdLevによって動作中に測定される。相対ISIタップ重みに関する情報が、残留ISIを最小限に抑えるように等化回路を適応させるために用いられる。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、データ遷移からタイミング情報を抽出してそれに応じて内部サンプリングクロックを調整することにより、入力信号をサンプリングするのに最適な時間を検出するCDR回路を備える。
【0205】
いくつかの実施形態において、入力偏光は、良好に制御されない場合があり、時間と共に変化しうる。時間と共に変化する入力偏光の存在は、ISI条件が時間と共に変化することにつながる。また、時間と共に変化する入力偏光は、動作中に最大で2つの偏光の間のスキューまで電気光学レシーバの最適なサンプリング時間を動的にシフトさせることができる。いくつかの実施形態において、さらなる補正がなければ、CDR/等化回路は、最適な設定にロックしない条件に遭遇しうる。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、動作中に偏光状態の間の光電力の相対的な分割を検出するためのさらなる回路を含む。いくつかの実施形態において、光検出器における光電流発生の空間分布が、入力の偏光状態を測定するために用いられてよい。いくつかの実施形態において、線形光検出器(例えば、400)が用いられ、2つの異なる側から光が入力され、各側が1つの入力偏光から光を供給する。これらの実施形態において、1つの偏光からの光および結果として生成されたキャリアの強度は、光吸収係数に従って光検出器の長さにわたって指数関数的に減衰する。このため、一方の偏光からの光のほとんどは、光検出器の一方の半分で吸収され、他方の偏光からの光のほとんどは、光検出器の他方の半分で吸収される。これらの実施形態において、光検出器への接点は、セグメント化され、複数の異なる逆バイアス回路およびレシーバ回路へ接続されてよい。異なるレシーバの間で測定された相対光電流を比較することにより、異なる偏光の間の相対電力分割が決定されうる。
【0206】
いくつかの実施形態において、ISIの相対量の変化は、入力の偏光状態を検出するために利用できる。ISIへの偏光タイミングスキューの影響は、入力偏光が受信チップの線形偏光の1つと直接的に一致する場合に、最小になる。ISIへの偏光タイミングスキューの影響は、入力偏光が受信チップの2つの線形偏光の間で均等に電力を分割する場合に、最大になる。いくつかの実施形態において、dLevは、動作中にISIの大きさを測定するために用いられてよい。ISIの大きさの変化と、プリカーソルISIおよびポストカーソルISIの比の変化とに関する情報が、偏光状態のシフトを推測するために利用可能である。また、いくつかの実施形態において、偏光状態に関する情報が、最適なサンプリング位置のドリフトをキャンセルするようにCDR回路を動的に調整するために利用可能である。いくつかの実施形態において、偏光状態に関する情報は、残留ISIを最小限に抑えるように等化回路を動的に調整するために利用可能である。いくつかの実施形態において、偏光状態に関する情報は、偏光多重化を用いて結合されたデータストリームを検出して分離するために利用可能である。
【0207】
いくつかの実装形態において、入射光ファイバ/導波路からPICへ光を結合する光カプラは、おそらく同じ導波路偏光で、異なる入力偏光からの光をPIC上の2つの出力導波路へ直接的にルーティングする二重偏光垂直格子カプラである。いくつかの実施形態において、入射光ファイバ/導波路の2つの偏光からの光は、偏光ビームスプリッタによって別個の方向に分割され、2つの別個の垂直格子カプラを通して、または、2つの別個のエッジカプラを通して、または、任意のその他の結合スキームを通して、2つの別個のPIC導波路へ結合される。様々な形態において、偏光ビームスプリッタは、独立した装置であり、または、入射光ファイバ/導波路の終端の適切な変形によって入射光ファイバ/導波路自体に組み込まれる。
【0208】
いくつかの実施形態において、2つの偏光からの光は、エッジ結合または垂直格子結合または何らかの他の方法によって、異なる導波路偏光で、PICの同じ導波路へ入力され、信号を2つの異なる導波路へ分割することは、PICに組み込まれている偏光スプリッタによってなされる。かかる場合に、統合偏光スプリッタの出力は、1つの偏光モードを各々伝送する2つの出力導波路を提供し、偏光モードは、一方の偏光モードがTE様であり、他方の偏光モードがTM様であるように、異なっている。したがって、いくつかの実施形態において、さらに統合された偏光ローテータが、一致する導波路断面において、出力モードの一方を、他方の出力モードと同じ偏光状態と一致するように変換する。他の実施形態において、偏光スプリッタ装置の2つの出力は、2つの入力直交偏光状態の組み合わせを含む。例えば、偏光スプリッタ装置の2つの出力は、入力TM波およびTE波の和および差を含む。
【0209】
いくつかの実施形態において、PICは、半導体チップ(シリコン系またはリン化インジウム系のチップなど)の上に形成されている。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバの電子機器は、チップ上に光学素子と共に配置されている。いくつかの実施形態において、光検出器からの電気信号は、チップから外部レシーバ回路へルーティングされる。いくつかの実装形態において、PICは、ガラスで形成され、入射光ファイバ/導波路信号を受信するガラスPIC内の2つの導波路は、2つのチップのバット結合を通して、または、接続している外部光ファイバ/導波路を通して、別のチップ上の光検出器へルーティングされる。
【0210】
いくつかの実施形態において、WDMは、入射光ファイバ/導波路内の異なる波長チャネルから情報を受信するために用いられる。これらの実施形態において、PICは、複数の光検出器を有し、各光検出器が、狭くて異なる波長範囲内の単一の波長チャネルを検出する。いくつかの実施形態において、複数の光検出器すべてが、分割入力信号を受信する2つのPIC導波路を接続する単一バス光導波路の近くに配置されている。光検出器は、光信号が所与の光検出器の所定の波長範囲内にある場合にのみ、どちらの方向からも単一バス光導波路内の光信号に結合するよう設計されており、これは、複数の光検出器が、単一(共有)バス光導波路上で独立的に動作することを可能にする。いくつかの実施形態において、複数の光検出器は、リング共振器、または、ディスク共振器、または、波長選択性制御を備えた他の共振光検出器に組み込まれている。いくつかの実施形態において、複数の光検出器は、線形検出器である。いくつかの実施形態において、パッシブリング共振器が、WDMフィルタとして用いられ、単一の波長チャネルからデータのみを検出する単一の線形光検出器に入射光信号の各波長チャネルを渡す。
【0211】
光検出器が共振装置(リング共振器、または、ファブリペロー共振器、または、非共振線形光検出器、など)であるいくつかの実施形態において、2つの反対方向からの光信号を受信する場合に、光検出器内に定常波または部分定常波が形成される。この定常波パターンは、光電力が高い光検出器内で個別の位置の配列として現れる。いくつかの構成において、光検出器は、応答性が光検出器の空洞内で局所的に変化するように構築されている。例えば、いくつかの実施形態において、光検出器は、光検出器の空洞にわたって不均一なドーパントプロファイルによって形成された1セットのインターリーブダイオードを備える。別の例で、いくつかの実施形態において、光検出器は、光吸収性材料を離散領域の「アイランド」に分割することを含む。いくつかの実施形態において、定常波が、強い応答性を持たない光検出器の離散部分へ光電力密度を分離する可能性がある。いくつかの実施形態において、この問題に対処するために、光検出器は、光検出器の長さにわたる平均応答性が最小化されないように構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、光検出器は、光検出器の空洞内で定常波のピーク振幅位置と空間的に一致するように、高い応答性を示す光検出器領域の適切な間隔または配置を有するよう構成される。
【0212】
いくつかの実施形態において、偏光状態の2つの成分を運ぶ2つのPIC導波路を介した光検出器への遅延差が、光回路で補償される。例えば、
図3の電気光学レシーバ300において、2つの分割信号の各波長チャネルに対して導波路経路長を等化することによって光検出器への信号の時間遅延を低減するために、光遅延ラインが実装されている。いくつかの場合に、これは、レシーバタイミングスキュー管理システムの必要生を排除する。他の場合において、タイミング遅延の不確実性から、依然としてレシーバタイミングスキュー管理システムが必要になるが、光遅延ラインは、システムのサイズ(検出器の間の間隔など)をはるかに大きくすることを可能にし、これは、光検出器およびレシーバ回路が同じチップ上に共に配置されている実施形態においてレシーバおよびその他の回路のサイズに対応するのに役立ち、レシーバ回路が別のチップ上に配置される実施形態にとってはパッケージングの制約を低減するのに役立つ。
【0213】
いくつかの実施形態において、さらなるPIC光スキュー補償器(OSC)が、偏光状態の2つの成分を運ぶ2つのPIC導波路の入力と複数のチャネルレシーバとの間に挿入される。OSCは、波長チャネルのための導波路長によって課される群遅延の不一致を整合させるために、周波数(波長)の関数として群遅延を提供するよう設計されている。いくつかの実施形態において、OSCは、周波数の線形群遅延を提供し、チャネルレシーバは、周波数が単調に増加する順にレシーバ導波路に沿って配置されている。いくつかの実施形態において、2つのPIC導波路入力の各々に1つのOSCずつで、2つのOSCが提供され、各々がタイミングスキュー遅延補償の半分を提供する。いくつかの実施形態において、2つのOSCは、周波数の線形ランプ群遅延を提供し、第1OSCは、周波数の増大ランプ群遅延を有し、第2OSCは、周波数の減少ランプ群遅延を有する。いくつかの実施形態において、OSCは、全域通過フィルタを備える。いくつかの実施形態において、OSCは、1セットのリング(マイクロリング)共振器型全域通過フィルタを備える。いくつかの実施形態において、OSCは、WDMチャネルに対応するすべての波長で最小の挿入損失を提供し、適合された群遅延を提供する。いくつかの実施形態において、増大する周波数に伴った群遅延ランプのOSCの傾きは、単一のチャネル間隔にわたって、生成される群遅延差が、2つの隣接するチャネルについてチャネルレシーバの物理的位置の差によって生成される群遅延差にほぼ等しくなるような傾きである。
【0214】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、2パス微分群遅延を補償できるチャネルレシーバ回路が提供されている。また、本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、WDMレシーバアーキテクチャが、ラップアラウンドループとして提供されている。また、本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、2つの入力ポートの間で任意に分布した入力光の問題を回避するチャネルレシーバフォトダイオードが提供されている(例えば、NULLなしで、離調に対して一定の応答性を有するために、動作波長付近の波長の数と異なるジャンクションの数を有するくし形光検出器)。また、本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、WDM通信に一般化される広帯域動作を保証するために、タイミングスキュー補償のための統合遅延ラインを利用するなど、フィードバック制御で偏光を単一モードに結合するための方法およびシステムが提供されている。また、本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、同じビットパターンでの直交偏光成分の変調を備えたトランスミッタが提供されている。
【0215】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、任意の偏光を有する光信号が、入射光ファイバ/導波路からPICへ結合され、入射光ファイバ/導波路内の光信号の光の偏光状態に関係なく、PIC内の1または複数の光検出器によって検出される電気光学レシーバ構成が提供されている。いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、各線形偏光からの光がPIC内の同じループ構造光導波路の異なる端部に結合され、2つの線形偏光の内の一方を有する光がループ構造光導波路に結合する前に他方の偏光へ回転されるように、制御されていない偏光を有する光を入射光ファイバ/導波路からPIC内の同じループ構造光導波路の2つの別個の端部へ結合する偏光ビーム分割/回転装置を備える。このように、第1端または第2端のいずれかからループ構造光導波路を通して伝搬する光は、同じ偏光を有し、同じ光検出器で検出可能である。これにより、光の2つの偏光をそれぞれ検出するために重複して光検出器を有する必要がなくなり、それによって、チップ領域の利用が最適化され、コストが削減される。
【0216】
また、いくつかの実施形態において、電気光学レシーバは、入射光ファイバ/導波路内の各線形偏光からの光が、PIC内の別個の導波路へ結合されるように、制御されていない偏光を有する光を入射光ファイバ/導波路からPIC内の2つの別個の導波路へ結合する偏光ビーム分割/回転装置を備える。また、偏光ビーム分割/回転装置は、PIC内のそれぞれの導波路へ光を結合する前に、2つの線形偏光の一方を有する光の偏光を他方の偏光へ回転させるよう設計されている。このように、PIC内の2つの導波路へ結合された光は、同じ好ましい導波路偏光を有する。PIC内の2つの導波路は、同じ光検出装置(または1セットの光検出装置)へルーティングされ、これは、入射光信号の任意の偏光が同じ光検出装置で検出されることを可能にする。これにより、光の2つの偏光をそれぞれ検出するために重複して光検出器を有する必要がなくなり、それによって、チップ領域の利用が最適化され、コストが削減される。
【0217】
いくつかの実施形態において、入射光ファイバ/導波路からの光信号が両方の偏光を含んでいる場合、光信号の光は、PICの両方の導波路へ結合される。PIC内の2つの導波路は、所与の光検出装置に到達するまでの長さが異なるため、光信号の各偏光成分は、所与の光検出装置へ異なる時刻に到達し、タイミング差(タイミングスキュー)を有しうる。かかる場合に、タイミング差があっても、電気光学レシーバが、入射光ファイバ/導波路から受信した光信号を忠実に回復することを可能にするために、タイミングスキュー管理システムが電子光学レシーバ回路に実装される。タイミング差が大きすぎてタイミングスキュー管理システムで処理できない場合、タイミングスキュー管理システムで処理できる十分に低いレベルまでタイミング差を低減し、または、タイミング差を無くすために、光遅延ラインがPIC内に実装される。
【0218】
本明細書で開示されている電気光学レシーバの実施形態は、偏光が制御されていない入射光ファイバ/導波路からの光を電気光学レシーバが検出する用途で有用であることを理解されたい。偏光ビームスプリッタ/ローテータ(特に、二重偏光格子カプラなど)が、いずれかの偏光の入射光を電気光学レシーバのPICの好ましい偏光へ送信するために、いくつかの実施形態で用いられる。いくつかの実施形態において、入射光信号がPIC内の2つの別個の光導波路へ分割された状態では、複雑な位相制御および光電力監視システムなしで、低損失の広帯域な方法で、2つの光導波路からの光を単一の導波路へ結合することはできない。この問題を軽減するために、本明細書で開示されている電気光学レシーバの様々な実施形態は、同じ検出器または検出器セットによる偏光分割入射光信号の非同時検出を提供し、それにより、電気光学レシーバのコストおよび複雑さを低減する。
【0219】
以上の実施形態の記載は、例示および説明を目的としたものであり、包括的であることも限定的であることも意図されていない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、適用可能であれば、置き換え可能であり、特に図示も記載もない限りは、選択された実施形態で利用できる。このように、本明細書で開示されている1または複数の実施形態からの1または複数の特徴を、本明細書で開示されている1または複数の他の実施形態からの1または複数の特徴と組み合わせることで、本明細書で明示的に開示されていないが本明細書で暗示的に開示されている別の実施形態を形成することができる。この他の実施形態も、多くの方法で変形されてよい。かかる実施形態の変形例は、本開示からの逸脱と見なされず、すべてのかかる実施形態の変形例および変更例が、本明細書で提供されている開示の範囲内に含まれると意図されている。
【0220】
いくつかの方法工程は、本明細書で具体的な順序で記載されている場合があるが、方法工程の処理が、方法の実施が成功するような方法で実行される限りは、他のハウスキーピング工程が、方法工程の合間に実行されてもよく、および/または、方法工程が、若干異なる時刻または同時に実行されるように調整されてもよく、または、処理に関連する様々な間隔で処理工程が実行されることを許容するシステムに分配されてもよいことを理解されたい。
【0221】
本実施形態は、理解しやすいように、或る程度詳しく説明されているが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本明細書で開示されている実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、そのため、本明細書に示した詳細のみに限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲および等価物の中で変形されてもよい。
【国際調査報告】