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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】化合物、組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 237/14 20060101AFI20230720BHJP
   A61K 31/50 20060101ALI20230720BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20230720BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230720BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230720BHJP
   C07D 253/065 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
C07D237/14 CSP
A61K31/50
C07D401/12
A61K31/501
C07D403/12
A61K31/506
C07D403/14
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P9/10
A61P11/06
A61P37/08
A61P11/00
A61P9/12
A61P9/00
A61P3/10
A61P3/04
A61P19/02
A61P37/06
C07D253/065
A61P19/06
A61P1/16
A61P3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580812
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021040145
(87)【国際公開番号】W WO2022006433
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/047,811
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518086619
【氏名又は名称】デナリ セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Denali Therapeutics Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ, ロバート エー. ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】デ ビセンテ フィダルゴ, ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】エストラーダ, アンソニー エー.
(72)【発明者】
【氏名】フォックス, ブライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】フー, チェン
(72)【発明者】
【氏名】レクサ, カトリーナ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ニレフスキ, リザン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】オシポフ, マクシム
(72)【発明者】
【氏名】トートゥムカラ, アルン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB09
4C063CC28
4C063CC29
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD28
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC41
4C086BC42
4C086BC64
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZC33
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、一般に、NLRファミリーピリンドメイン含有3(NLRP3)の小分子モジュレーターまたはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物もしくはプロドラッグ、それら及びその中間体の製造方法、ならびにその使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化50】
またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグであって、式中、
、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、NまたはCRであり、
Xは、NまたはCRであり、
及びYのそれぞれは、独立して、OまたはSであり、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、任意の2つの隣接するR基は、結合してC3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成することができ、ここで、C3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、-C(R10、-OR、-N(R)(R)、-SR、-S(O)R、-S(O)、-OC(O)N(R)(R)、-NRC(O)OR、-NRC(O)R、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
または、RとRが結合してヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、前記ヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、ここで、前記C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
または、RとRが結合してC3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環を形成し、ここで、前記C3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環は、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により更に置換されてもよく、
は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、または、
10は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Zは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R11の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各Z1aは、独立して、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R12、-OR12、-C(O)R12、-C(O)OR12、-S(O)0-212、-NR12S(O)0-2-R12、-S(O)0-2N(R12、-NR12S(O)0-2N(R12、-NR12C(O)N(R12、-C(O)N(R12、-NR12C(O)R12、-OC(O)N(R12、または-NR12C(O)OR12であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシC3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各R12は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R12の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各Z1bは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-L-C1-6アルキル、-L-C2-6アルケニル、-L-C2-6アルキニル、-L-C1-6ハロアルキル、-L-C3-10シクロアルキル、-L-ヘテロシクリル、-L-アリール、または-L-ヘテロアリールであり、
各Lは、独立して、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-N(C1-6アルキル)-、-N(C2-6アルケニル)-、-N(C2-6アルキニル)-、-N(C1-6ハロアルキル)-、-N(C3-10シクロアルキル)-、-N(ヘテロシクリル)-、-N(アリール)-、-N(ヘテロアリール)-、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1-6アルキル)-、-C(O)N(C2-6アルケニル)-、-C(O)N(C2-6アルキニル)-、-C(O)N(C1-6ハロアルキル)-、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)-、-C(O)N(ヘテロシクリル)-、-C(O)N(アリール)-、-C(O)N(ヘテロアリール)-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-NHS(O)-、または-S(O)NH-であり、
ここで、Z1b及びLの各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、1~5つのヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールで任意選択により更に置換され、
ただし、前記化合物は、N-(4-ブロモフェニル)-2-[3-メチル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル]アセトアミド、N-(4-ブロモフェニル)-5-[(3-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-6-オキソ-4-フェニル-1(6H)-ピリダジンアセトアミド、4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸1,1-ジメチルエチルエステル、または4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸ではない、前記式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
、A、A、A、及びAのそれぞれが、独立して、CRである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
、A、A、A、及びAのうちの1つがNであり、残りのA、A、A、A、及びAが独立して、CRである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
、A、A、A、及びAのうちの2つがNであり、残りのA、A、A、A、及びAが独立して、CRである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
XがNである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
XがCRである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項7】
が水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、請求項1~4または6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を結合することができる、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項9】
各Rが、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、-OCHCH、-CF、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、またはシクロブチルである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項10】
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項11】
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換される、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項12】
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換される、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
が、5-フルオロピリミジン-4-イル、1-シクロブチルピペリジン-3-イル、1-エチルピペリジン-3-イル、1-シクロプロピルピペリジン-3-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、3,5-ジフルオロピリジン-2-イル、または3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチルである、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
が水素である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項15】
が-C(R10であり、少なくとも1つのRが水素である、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項16】
が-C(R10であり、R10がハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項17】
が-ORであり、RがC1-6アルキルである、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項18】
が水素である、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項19】
が水素である、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項20】
、A、A、A、及びAのそれぞれが、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環またはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、CRであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
が、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であるか、または、RとRが、結合してC3-10シクロアルキルを形成し、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項21】
、A、A、A、及びAのうちの1つが、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAが、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、CRであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
が、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であるか、または、RとRが、結合してC3-10シクロアルキルを形成し、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項22】
、A、A、A、及びAのうちの2つが、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAが、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、CRであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
が、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であり、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項23】
、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、Nであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であるか、または、RとRが、結合してC3-10シクロアルキルを形成し、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項24】
、A、A、A、及びAのうちの1つが、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAが、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、Nであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であるか、または、RとRが、結合してC3-10シクロアルキルを形成し、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項25】
、A、A、A、及びAのうちの2つが、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAが、独立して、CRであり、
各Rが、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が、結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができ、
Xが、Nであり、
が、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、前記C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
が、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、前記C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、
が、水素であり、
少なくとも1つのRが、水素であり、
及びRが、水素であるか、または、RとRが、結合してC3-10シクロアルキルを形成し、
が、C1-6アルキルであり、
10が、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項26】
表1から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項27】
表2から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項28】
先行請求項のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項29】
少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、請求項28に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
前記疾患または状態が、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、喘息、アレルギー性気道炎症、クリオピリン関連周期性症候群、痛風、炎症性腸疾患及び関連障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高血圧、心筋梗塞、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳炎、シュウ酸誘発性腎症、インフルエンザ感染症後の過剰炎症、移植片対宿主病、脳卒中、珪肺症、1型糖尿病、肥満誘導性炎症もしくはインスリン抵抗性、リウマチ様関節炎、骨髄異形成症候群、接触過敏症、チクングニアウイルスによって惹起された関節炎症、または外傷性脳損傷である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記疾患がアルツハイマー病である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患または状態を治療するための、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの使用。
【請求項34】
前記疾患または状態が、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、喘息、アレルギー性気道炎症、クリオピリン関連周期性症候群、痛風、炎症性腸疾患及び関連障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高血圧、心筋梗塞、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳炎、シュウ酸誘発性腎症、インフルエンザ感染症後の過剰炎症、移植片対宿主病、脳卒中、珪肺症、1型糖尿病、肥満誘導性炎症もしくはインスリン抵抗性、リウマチ様関節炎、骨髄異形成症候群、接触過敏症、チクングニアウイルスによって惹起された関節炎症、または外傷性脳損傷である、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
治療法に使用するための、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項36】
アルツハイマー病の治療に使用するための、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項37】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療に使用するための、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ。
【請求項38】
神経変性疾患を治療し、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、喘息、アレルギー性気道炎症、クリオピリン関連周期性症候群、痛風、炎症性腸疾患及び関連障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高血圧、心筋梗塞、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳炎、シュウ酸誘発性腎症、インフルエンザ感染症後の過剰炎症、移植片対宿主病、脳卒中、珪肺症、1型糖尿病、肥満誘導性炎症もしくはインスリン抵抗性、リウマチ様関節炎、骨髄異形成症候群、接触過敏症、チクングニアウイルスによって惹起された関節炎症、または外傷性脳損傷を治療するための医薬品の製造のための、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2020年7月2日に出願された米国特許仮出願第63/047,811号の優先権を主張するものであり、その全体は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に、NLRファミリーピリンドメイン含有3(NLRP3)の小分子モジュレーター、及び治療薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
NLRP3活性化を阻害すると、炎症性疾患の動物モデルにおいて強力な治療効果をもたらすことが示されている。NLRP3のモジュレーター、特に阻害剤は、より良い治療選択肢を必要とするまたは適切な治療法が存在しない自己炎症性疾患及び慢性炎症性疾患において、幅広い治療可能性がある。NLRP3依存性サイトカインを標的とした治療法は、治療用途として既に承認されているが、直接的なNLRP3アンタゴニストと比べて顕著な欠点がある。NLRP3に拮抗する分子の発見及び臨床開発への強い要望が依然として残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で提供されるのは、少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患の治療及び/または予防に有用である、化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
いくつかの実施形態において、提供されるのは、NLRP3の活性を調節する化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、NLRP3の活性化を阻害する。
【0006】
別の実施形態において、提供されるのは、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。
【0007】
別の実施形態において、提供されるのは、少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグを含む、医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法である。
【0008】
別の実施形態において、提供されるのは、少なくとも部分的にはTNF-αによって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグを含む、医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態において、投与は、抗TNF-α剤による治療に耐性がある対象になされる。いくつかの実施形態において、疾患は、腸の疾患または状態である。いくつかの実施形態において、疾患または状態は、炎症性腸疾患、クローン病、または潰瘍性大腸炎である。
【0009】
本開示はまた、医薬組成物を含む組成物;化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグを含むキット;化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ、及びその中間体の使用(または投与)及び製造の方法を提供する。
【0010】
本開示は、更に、少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患、障害、または状態を治療する方法に使用するための、化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ、またはその組成物を提供する。
【0011】
更に、本開示は、少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患、障害、または状態の治療のための医薬品の製造における、化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグ、またはその組成物の使用を提供する。
【0012】
本明細書の説明は、本技術の例示的な実施形態を示すものである。ただし、そのような説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、例示的な実施形態の説明として提供されていることを認識されたい。
【0013】
1.定義
本明細書で使用される場合、以下の語、文言及び記号は、それらが使用される文脈で別途示される場合を除き、一般に以下に記載される意味を有することが意図される。
【0014】
2つの文字または記号の間ではないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば、-C(O)NHは、炭素原子を介して結合している。化学基の前または後のダッシュは、便宜上のものであり、化学基は、通常の意味を失うことなく、1つ以上のダッシュをつけて、またはダッシュをつけずに表されてもよい。構造内の線を通って描かれた波線または破線は、基の特定の結合点を示す。化学的または構造的に必要な場合を除き、化学基の表記または命名の順序によって、方向性または立体化学が示されたり、暗示されたりすることはない。
【0015】
「Cu-v」という接頭辞は、後に続く基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1-6アルキル」は、アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。
【0016】
本明細書において、「約」を付した値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び記載する)。ある特定の実施形態において、「約」という用語は、表示量の±10%を含む。他の実施形態において、「約」という用語は、表示量の±5%を含む。ある特定の他の実施形態において、「約」という用語は、表示量の±1%を含む。また、「Xについて」という用語には、「X」の記載が含まれる。また、単数形の「a」及び「the」は、文脈上、特に明確な指示のない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「アッセイ」への言及は、1つ以上のアッセイ及び当業者に知られているその等価物への言及を含む。
【0017】
「アルキル」は、非分岐鎖または分岐鎖の飽和炭化水素鎖を指す。本明細書で使用される場合、アルキルは、1~20個の炭素原子(すなわち、C1-20アルキル)、1~12個の炭素原子(すなわち、C1-12アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C1-8アルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C1-6アルキル)または1~4個の炭素原子(すなわち、C1-4アルキル)を有する。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、及び3-メチルペンチルが挙げられる。特定の炭素数を有するアルキル残基が化学名で表記されるか、または分子式によって識別される場合、その炭素数を有する全ての位置異性体が包含され得る。したがって、例えば、「ブチル」は、n-ブチル(すなわち、-(CHCH)、sec-ブチル(すなわち、-CH(CH)CHCH)、イソブチル(すなわち、-CHCH(CH)、及びtert-ブチル(すなわち、-C(CH)を含み、「プロピル」は、n-プロピル(すなわち、-(CHCH)及びイソプロピル(すなわち、-CH(CH)を含む。
【0018】
一般的に使用されている特定の代替化学物質名が使用される場合もある。例えば、二価の「アルキル」基、二価の「アリール」基、二価のヘテロアリール基などの二価基は、それぞれ「アルキレン」基または「アルキレニル」基(例えば、メチレニル、エチレニル、プロピレニル)、「アリーレン」基または「アリレニル」基(例えば、フェニルエニルもしくはナプチルエニル、またはヘテロアリーレンの場合はキノリニル)とも称される。また、明示的に別段の指示がない限り、本明細書において、基の組み合わせが1つの部分として、例えば、アリールアルキルまたはアラルキルと称される場合、最後に言及された基は、その部分が分子の残りの部分に結合する原子を含有する。
【0019】
「アルケニル」は、少なくとも1つ(例えば、1~3または1つ)の炭素-炭素二重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわち、C2-20アルケニル)、2~12個の炭素原子(すなわち、C2-12アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2-8アルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2-6アルケニル)、または2~4個の炭素原子(すなわち、C2-4アルケニル)を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニル及び1,3-ブタジエニルを含む)が挙げられる。
【0020】
「アルキニル」は、少なくとも1つ(例えば、1~3または1つ)の炭素-炭素三重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわち、C2-20アルキニル)、2~12個の炭素原子(すなわち、C2-12アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2-8アルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2-6アルキニル)、または2~4個の炭素原子(すなわち、C2-4アルキニル)を有する、アルキル基を指す。「アルキニル」という用語はまた、1つの三重結合及び1つの二重結合を有する基を含む。
【0021】
「アルコキシ」は、「アルキル-O-」基を指す。アルコキシ基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、及び1,2-ジメチルブトキシが挙げられる。
【0022】
「アルコキシアルキル」は、「アルキル-O-アルキル」基を指す。
【0023】
「アルキルチオ」は、「アルキル-S-」基を指す。「アルキルスルフィニル」は、「アルキル-S(O)-」基を指す。「アルキルスルホニル」は、「アルキル-S(O)-」基を指す。「アルキルスルホニルアルキル」は、-アルキル-S(O)-アルキル基を指す。
【0024】
「アシル」は、-C(O)R基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。アシルの例としては、例えば、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチル-カルボニル、及びベンゾイルが挙げられる。
【0025】
「アミド」は、-C(O)NR基を指す「C-アミド」基と、-NRC(O)R基を指す「N-アミド」基の両方を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよく、または、RとRが一緒になってシクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成し、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0026】
「アミノ」は、-NR基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0027】
「アミジノ」は、-C(NR)(NR )を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0028】
「アリール」は、単環(例えば、単環式)または縮合系を含む多環(例えば、二環式または三環式)を有する芳香族炭素環基を指す。本明細書で使用される場合、アリールは、6~20個の環炭素原子(すなわち、C6-20アリール)、6~12個の炭素環原子(すなわち、C6-12アリール)、または6~10個の炭素環原子(すなわち、C6-10アリール)を有する。アリール基の例としては、例えば、フェニル、ナフチル、フルオレニル、及びアンスリルが挙げられる。しかしながら、アリールは、以下に定義されるヘテロアリールをいかなるものも包含せず、重複しない。1つ以上のアリール基とヘテロアリールが縮合した場合、得られる環系は、ヘテロアリールである。1つ以上のアリール基とヘテロシクリルが縮合した場合、得られる環系は、ヘテロシクリルである。1つ以上のアリール基とシクロアルキルが縮合した場合、得られる環系は、シクロアルキルである。
【0029】
「アリールアルキル」または「アラルキル」は、「アリール-アルキル-」基を指す。
【0030】
「カルバモイル」は、-O-C(O)NR基を指す「O-カルバモイル」基と、-NRC(O)OR基を指す「N-カルバモイル」基の両方を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0031】
「カルボキシルエステル」または「エステル」は、-OC(O)Rと-C(O)ORの両方を指し、式中、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0032】
「シアノアルキル」は、上に定義されるアルキル基であって、1つ以上(例えば、1つまたは2つ)の水素原子がシアノ(-CN)基で置き換えられているものを指す。
【0033】
「シクロアルキル」は、単環、または縮合、架橋及びスピロ環系を含む多環を有する飽和または部分不飽和の環状アルキル基を指す。「シクロアルキル」という用語は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有する環状基)及び少なくとも1つのsp炭素原子(すなわち、少なくとも1つの非芳香族環)を有する炭素環式縮合環系を含む。本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわち、C3-20シクロアルキル)、3~14個の環炭素原子(すなわち、C3-12シクロアルキル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3-12シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわち、C3-10シクロアルキル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3-8シクロアルキル)、または3~6個の環炭素原子(すなわち、C3-6シクロアルキル)を有する。単環式基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを含む。多環式基は、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。更に、シクロアルキルという用語は、分子の残りの部分への結合に関係なく、アリール環に縮合し得る任意の非芳香族環を包含することが意図される。なお更に、シクロアルキルは、同一炭素原子上に2つの置換位置がある場合、「スピロシクロアルキル」、例えば、スピロ[2.5]オクタニル、スピロ[4.5]デカニル、またはスピロ[5.5]ウンデカニルを含む。
【0034】
「シクロアルキルアルキル」は、「シクロアルキル-アルキル-」基を指す。
【0035】
「イミノ」は、-C(NR)R基を指し、式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0036】
「イミド」は、-C(O)NRC(O)R基を指し、式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0037】
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードなどの周期表第VIIA族に属する原子を指す。
【0038】
「ハロアルキル」は、上に定義される非分岐鎖または分岐鎖のアルキル基であって、1つ以上(例えば、1~6または1~3)の水素原子がハロゲンで置き換えられているものを指す。例えば、残基が1を超えるハロゲンで置換されている場合、それは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することによって称され得る。ジハロアルキル及びトリハロアルキルは、2つ(「ジ」)または3つ(「トリ」)のハロ基で置換されたアルキルを指し、ハロ基は、同じハロゲンであり得るが、必ずしもそうである必要はない。ハロアルキルの例としては、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどが挙げられる。
【0039】
「ハロアルコキシ」は、上に定義されるアルコキシ基であって、1つ以上(例えば、1~6または1~3)の水素原子がハロゲンで置き換えられているものを指す。
【0040】
「ハロアルコキシアルキル」は、上に定義されるアルコキシアルキル基であって、1つ以上(例えば、1~6または1~3)の水素原子がハロゲンで置き換えられているものを指す。
【0041】
「ヒドロキシアルキル」は、上に定義されるアルキル基であって、1つ以上(例えば、1~6または1~3)の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられているものを指す。
【0042】
「ヘテロアルキル」は、任意の末端炭素原子(複数可)を除く1つ以上の炭素原子(及び任意の結合水素原子)が、それぞれ独立して、同一または異なるヘテロ原子基で置き換えられており、ただし、分子の残りの部分への結合点は、炭素原子を介している、アルキル基を指す。「ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子及びヘテロ原子を有する非分岐状または分岐状の飽和鎖を含む。例として、1、2または3個の炭素原子が、独立して、同一または異なるヘテロ原子基で置き換えられていてもよい。ヘテロ原子基には、-NR-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)-などが含まれるが、これらに限定されず、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。ヘテロアルキル基の例としては、例えば、エーテル(例えば、-CHOCH、-CH(CH)OCH、-CHCHOCH、-CHCHOCHCHOCHなど)、チオエーテル(例えば、-CHSCH、-CH(CH)SCH、-CHCHSCH、-CHCHSCHCHSCHなど)、スルホン(例えば、-CHS(O)CH、-CH(CH)S(O)CH、-CHCHS(O)CH、-CHCHS(O)CHCHOCHなど)、及びアミン(例えば、-CHNRCH、-CH(CH)NRCH、-CHCHNRCH、-CHCHNRCHCHNRCHなど(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換され得る))が挙げられる。本明細書で使用される場合、ヘテロアルキルは、2~10個の炭素原子、2~8個の炭素原子、または2~4個のヘテロ原子;及び1~3個のヘテロ原子、1~2個のヘテロ原子、または1個のヘテロ原子を含む。
【0043】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含む、単環、多環または複数の縮合環を有する芳香族基を指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールは、1~20個の環炭素原子(すなわち、C1-20ヘテロアリール)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3-12ヘテロアリール)、または3~8個の環炭素原子(すなわち、C3-8ヘテロアリール)と、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子、または1個の環ヘテロ原子とを含む。ある特定の場合には、ヘテロアリールは、5~10員環系、5~7員環系、または5~6員環系を含み、それぞれ独立して、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子、または1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の例としては、例えば、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、イソキノリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、フェナジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びトリアジニルが挙げられる。縮合ヘテロアリール環の例としては、ベンゾ[d]チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾ[d]イミダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、及びイミダゾ[1,5-a]ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。ここで、ヘテロアリールは、縮合系のいずれかの環を介して結合され得る。少なくとも1つのヘテロ原子を含有する単一または複数の縮合環を有する任意の芳香環は、分子の残りの部分への結合(すなわち、縮合環のいずれか1つを介する)に関係なく、ヘテロアリールとみなされる。ヘテロアリールは、上に定義されるアリールを包含せず、重複しない。
【0044】
「ヘテロアリールアルキル」は、「ヘテロアリール-アルキル-」基を指す。
【0045】
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含む、飽和または部分不飽和の環状アルキル基を指す。「ヘテロシクリル」という用語は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有するヘテロシクリル基)、架橋ヘテロシクリル基、縮合ヘテロシクリル基、及びスピロヘテロシクリル基を含む。ヘテロシクリルは、単環または多環であり得、ここで、多環は、縮合、架橋、またはスピロであってよく、1つ以上(例えば、1~3)のオキソ(=O)またはN-オキシド(-O)部分を含み得る。少なくとも1つのヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環は、結合に関係なく、ヘテロシクリルとみなされる(すなわち、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合することができる)。更に、ヘテロシクリルという用語は、分子の残りの部分への結合に関係なく、アリール環またはヘテロアリール環に縮合し得る少なくとも1つのヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環を包含することが意図される。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄、または酸素から独立して選択される1~5個の環ヘテロ原子、1~4個の環ヘテロ原子、1~3個の環ヘテロ原子、1~2個の環ヘテロ原子、または1個の環ヘテロ原子を有する、2~20個の環炭素原子(すなわち、C2-20ヘテロシクリル)、2~12個の環炭素原子(すなわち、C2-12ヘテロシクリル)、2~10個の環炭素原子(すなわち、C2-10ヘテロシクリル)、2~8個の環炭素原子(すなわち、C2-8ヘテロシクリル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3-12ヘテロシクリル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3-8ヘテロシクリル)、または3~6個の環炭素原子(すなわち、C3-6ヘテロシクリル)を有する。ヘテロシクリル基の例としては、例えば、アゼチジニル、アゼピニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾピラニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラノニル、ジオキサラニル、ジヒドロピラニル、ヒドロピラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、フラノニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、インドリニル、インドリジニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、オキセタニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、トリチアニル、テトラヒドロキノリニル、チオフェニル(すなわち、チエニル)、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニル.が挙げられる。「ヘテロシクリル」という用語は、同一炭素原子上に2つの置換位置がある「スピロヘテロシクリル」も含む。スピロヘテロシクリル環の例としては、例えば、オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタニル、及び6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタニルなどの二環式及び三環式環系が挙げられる。縮合ヘテロシクリル環の例としては、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、インドリニル、及びイソインドリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ここで、ヘテロシクリルは、縮合系のいずれかの環を介して結合され得る。
【0046】
「ヘテロシクリルアルキル」は、「ヘテロシクリル-アルキル-」基を指す。
【0047】
「オキシム」は、-CR(=NOH)基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0048】
「スルホニル」は、-S(O)基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。スルホニルの例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、及びトルエンスルホニルである。
【0049】
「スルフィニル」は、-S(O)R基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。スルフィニルの例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、及びトルエンスルフィニルである。
【0050】
「スルホンアミド」は、-SONR基及び-NRSO基を指し、式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールであり、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。
【0051】
「任意選択の」または「任意選択により」とは、後述される事象または状態が生じても生じなくてもよいこと、また、その記述が、当該事象または状況が生じる場合及び生じない場合を含むことを意味する。また、「任意選択により置換される」という用語は、指定される原子上または基上の任意の1つ以上(例えば、1~5または1~3)の水素原子が水素以外の部分によって置き換えられていても置き換えられていなくてもよいことを指す。
【0052】
本明細書で使用される「置換される」という用語は、少なくとも1つ(例えば、1~5または1~3)の水素原子が、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アシル、アミド、アミノ、アミジノ、アリール、アラルキル、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、グアナジノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-NHNH、=NNH、イミノ、イミド、ヒドロキシ、オキソ、オキシム、ニトロ、スルホニル、スルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオシアナート、-S(O)OH、-S(O)OH、スルホンアミド、チオール、チオキソ、N-オキシド、または-Si(R(式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルである)などの非水素原子への結合によって置き換えられている、上記の基(すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及び/またはヘテロアルキル)のいずれかを意味する。
【0053】
ある特定の実施形態において、「置換される」は、1つ以上(例えば、1~5または1~3)の水素原子が、独立して、重水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、オキソ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-NR、-NRC(O)R、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、-NRS(O)1-2、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-OC(O)NR、-OR、-SR、-S(O)R、-S(O)、-OS(O)1-2、-S(O)1-2OR、-NRS(O)1-2NR、=NSO、=NOR、-S(O)1-2NR、-SF、-SCF、または-OCFで置き換えられている、上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基のいずれかを含む。ある特定の実施形態において、「置換された」はまた、1つ以上(例えば、1~5または1~3)の水素原子が、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-CHSO、または-CHSONRで置き換えられている、上記の基のいずれかを意味する。前述において、R及びRは、同じであるか、異なっており、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、及び/またはヘテロアリールアルキルである。ある特定の実施形態において、「置換された」はまた、1つ以上(例えば、1~5または1~3)の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル,アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N-ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、及び/またはヘテロアリールアルキルへの結合によって置き換えられているか、あるいは、R及びR及びRのうちの2つが、それらが結合している原子と一緒になって、オキソ、ハロ、もしくはオキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシもしくはアルコキシで任意選択により置換されたアルキルで任意選択により置換されたヘテロシクリル環を形成する、上記の基のいずれかを意味する。
【0054】
更なる置換基が際限なく付加された置換基(例えば、置換アリールが置換アルキルを有し、その置換アルキル自体が置換アリール基で置換され、その置換アリール基が更に置換ヘテロアルキル基で置換されているなど)を定義することによって到達される高分子または類似の無限の構造は、本明細書中に含まれることを意図していない。特に記載のない限り、本明細書に記載される化合物の一連の置換の最大数は、3である。例えば、2つの他の置換アリール基で置換されたアリール基の一連の置換は、((置換アリール)置換アリール)置換アリールに限定される。同様に、上の定義は、許容されない置換パターン(例えば、5個のフッ素で置換されたメチル、または2つの隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を含むことを意図していない。そのような許容されない置換パターンは、当業者によく知られている。化学基を修飾するために使用される場合、「置換される」という用語は、本明細書で定義される他の化学基を記述し得る。
【0055】
ある特定の実施形態において、本明細書で使用される場合、「1つ以上」という文言は、1~5を指す。ある特定の実施形態において、本明細書で使用される場合、「1つ以上」という文言は、1~3を指す。
【0056】
本明細書で与えられる任意の化合物または構造はまた、その化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すことが意図される。化合物のこれらの形態は、「同位体濃縮アナログ」とも称され得る。同位体標識化合物は、1つ以上の原子が、選択された原子の質量または質量数を有する原子によって置き換えられていることを除き、本明細書で表される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられる。本開示の様々な同位体標識化合物は、例えば、H及び14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものである。そのような同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度論研究、薬物もしくは基質の組織分布アッセイを含む陽電子放射断層撮影(PET)もしくは単一光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)などの検出またはイメージング技術、または患者の放射線治療において有用であり得る。
【0057】
「同位体濃縮アナログ」という用語は、炭素原子上の水素などの1つ以上の水素が重水素によって置き換えられている、本明細書に記載される化合物の「重水素化アナログ」を含む。そのような化合物は、哺乳動物、特にヒトに投与した場合、代謝への耐性が増加するため、任意の化合物の半減期を延長するのに有用である。例えば、Foster,“Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism,” Trends Pharmacol.Sci.5(12):524-527(1984)を参照されたい。そのような化合物は、当該技術分野においてよく知られている手段、例えば、1つ以上の水素が重水素によって置き換えられた出発材料を採用することによって、合成される。
【0058】
本開示の重水素標識されたまたは置換された治療用化合物は、分布、代謝、及び排泄(ADME)に関連するDMPK(薬物代謝及び薬物動態)の特性が改善し得る。重水素などのより重い同位体での置換は、代謝安定性の向上、例えば、in vivo半減期の増加、必要投与量の減少、及び/または治療指数の改善から生じる、いくつかの治療上の利点をもたらし得る。PETもしくはSPECTまたは他のイメージング研究には、18F、H、11C標識化合物が有用であり得る。本開示の同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、一般に、以下に記載されるスキームまたは実施例及び調製方法に開示される手順を実施し、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることによって、調製され得る。この文脈において、重水素は、本明細書に記載される化合物の置換基とみなされることが理解される。
【0059】
そのような重同位体、特に重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物において、特定の同位体が具体的に指定されていない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。特に指示のない限り、位置が「H」または「水素」と具体的に指定されている場合、その位置は、水素をその天然存在度の同位体組成で有することが理解される。したがって、本開示の化合物において、重水素(D)と具体的に指定される任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
【0060】
多くの場合、本開示の化合物は、アミノ基及び/またはカルボキシル基もしくはそれに類似する基の存在により、酸性塩及び/または塩基性塩を形成することができる。
【0061】
また、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、重水素化アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、及びプロドラッグも提供される。「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」は、動物またはヒトの医薬用途に適した医薬組成物の調製に有用な化合物、塩、組成物、剤形、及び他の材料を指す。
【0062】
所与の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、所与の化合物の生物学的効果及び特性を保持し、かつ生物学的またはその他の点で望ましくないものではない塩を指す。「薬学的に許容される塩」または「生理学的に許容される塩」には、例えば、無機酸との塩、及び有機酸との塩が含まれる。加えて、本明細書に記載される化合物が酸付加塩として得られる場合、その酸性塩の溶液を塩基化することによって遊離塩基を得ることができる。反対に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基性化合物から酸付加塩を調製する従来の手順に従って、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、その溶液を酸で処理することによって、生成することができる。当業者であれば、薬学的に許容される非毒性の付加塩を調製するために使用され得る様々な合成方法を認識するであろう。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製され得る。無機酸から誘導される塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。有機酸から誘導される塩には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グルコン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、サリチル酸などが含まれる。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基または有機塩基から調製することができる。無機塩基から誘導される塩には、例示にすぎないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩が含まれる。有機塩基から誘導される塩には、アルキルアミン(すなわち、NH(アルキル))、ジアルキルアミン(すなわち、HN(アルキル))、トリアルキルアミン(すなわち、N(アルキル))、置換アルキルアミン(すなわち、NH(置換アルキル))、ジ(置換アルキル)アミン(すなわち、HN(置換アルキル))、トリ(置換アルキル)アミン(すなわち、N(置換アルキル))、アルケニルアミン(すなわち、NH(アルケニル))、ジアルケニルアミン(すなわち、HN(アルケニル))、トリアルケニルアミン(すなわち、N(アルケニル))、置換アルケニルアミン(すなわち、NH(置換アルケニル))、ジ(置換アルケニル)アミン(すなわち、HN(置換アルケニル))、トリ(置換アルケニル)アミン(すなわち、N(置換アルケニル)、モノ、ジもしくはトリシクロアルキルアミン(すなわち、NH(シクロアルキル)、HN(シクロアルキル)、N(シクロアルキル))、モノ、ジ、もしくはトリアリールアミン(すなわち、NH(アリール)、HN(アリール)、N(アリール))、または混合アミンなどの一級、二級、及び三級アミンの塩が含まれるが、これらに限定されない。好適なアミンの具体例としては、例示にすぎないが、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミンエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジンなどが挙げられる。
【0063】
一部の化合物は、互変異性体として存在する。互変異性体は、互いに平衡状態にある。例えば、アミド含有化合物は、イミド酸の互変異性体と平衡状態で存在し得る。どの互変異性体が示されるかに関係なく、また、互変異性体間の平衡の性質に関係なく、化合物は、アミド互変異性体とイミド酸互変異性体の両方を含むことが当業者に理解される。したがって、アミド含有化合物は、そのイミド酸互変異性体を含むことが理解される。同様に、イミド酸含有化合物は、そのアミド互変異性体を含むことが理解される。
【0064】
本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩は、不斉中心を含み、そのため、絶対立体化学の観点から、(R)-もしくは(S)-、またはアミノ酸の場合は(D)-もしくは(L)-と定義さえ得るエナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体を生じ得る。本開示は、そのような全ての可能な異性体、ならびにそれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学的に活性である(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、または(D)-及び(L)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができ、あるいは、従来技術、例えば、クロマトグラフィー及び/または分別晶析を使用して分割することもできる。個々のエナンチオマーを調製/単離するための従来技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。本明細書に記載される化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的不斉中心を含有する場合、特に明記しない限り、化合物は、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0065】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合された同じ原子からなるが、互換性はない、異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は、様々な立体異性体、またはその混合物を企図し、分子を互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含む。
【0066】
「ジアステレオマー」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。
【0067】
本明細書で表される化合物の相対中心は、「太い結合」スタイル(太線または平行線)を使用して図式的に示され、絶対立体化学は、くさび形結合(太線または平行線)を使用して表される。
【0068】
「プロドラッグ」は、かかるプロドラッグが哺乳動物対象に投与されたとき、本明細書に記載される構造による活性親薬物をin vivoで放出する任意の化合物を意味する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本明細書に記載される化合物に存在する官能基を修飾することによって調製され、その修飾は、in vivoで切断され、親化合物を放出することができるようなものである。プロドラッグは、慣用的な操作またはin vivoのいずれかで、修飾が切断されて親化合物になるように化合物中に存在する官能基を修飾することによって、調製することができる。プロドラッグは、本明細書に記載される化合物中のヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、またはスルフヒドリル基が、それぞれ遊離のヒドロキシ基、アミノ基、またはスルフヒドリル基を再生するようにin vivoで切断され得る任意の基に結合している、本明細書に記載される化合物を含む。プロドラッグの例としては、本明細書に記載される化合物のヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸、ギ酸、及び安息香酸誘導体)、アミド、グアニジン、カルバメート(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの調製、選択、及び使用は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series;“Design of Prodrugs,” ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985;及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に記述されており、そのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0069】
2.化合物
本明細書で提供されるのは、NLRP3のモジュレーターである化合物である。ある特定の実施形態において、提供されるのは、式Iの化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグであり、式中、
、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、NまたはCRであり、
Xは、NまたはCRであり、
及びYのそれぞれは、独立して、OまたはSであり、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、任意の2つの隣接するR基は、結合してC3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成することができ、ここで、C3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、-C(R10、-OR、-N(R)(R)、-SR、-S(O)R、-S(O)、-OC(O)N(R)(R)、-NRC(O)OR、-NRC(O)R、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
または、RとRが結合してヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、ここで、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
または、RとRが結合してC3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環を形成し、ここで、C3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環は、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により更に置換されてもよく、
は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、または、
10は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Zは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R11の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各Z1aは、独立して、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R12、-OR12、-C(O)R12、-C(O)OR12、-S(O)0-212、-NR12S(O)0-2-R12、-S(O)0-2N(R12、-NR12S(O)0-2N(R12、-NR12C(O)N(R12、-C(O)N(R12、-NR12C(O)R12、-OC(O)N(R12、または-NR12C(O)OR12であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシC3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各R12は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R12の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各Z1bは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-L-C1-6アルキル、-L-C2-6アルケニル、-L-C2-6アルキニル、-L-C1-6ハロアルキル、-L-C3-10シクロアルキル、-L-ヘテロシクリル、-L-アリール、または-L-ヘテロアリールであり、
各Lは、独立して、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-N(C1-6アルキル)-、-N(C2-6アルケニル)-、-N(C2-6アルキニル)-、-N(C1-6ハロアルキル)-、-N(C3-10シクロアルキル)-、-N(ヘテロシクリル)-、-N(アリール)-、-N(ヘテロアリール)-、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1-6アルキル)-、-C(O)N(C2-6アルケニル)-、-C(O)N(C2-6アルキニル)-、-C(O)N(C1-6ハロアルキル)-、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)-、-C(O)N(ヘテロシクリル)-、-C(O)N(アリール)-、-C(O)N(ヘテロアリール)-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-NHS(O)-、または-S(O)NH-であり、
ここで、Z1b及びLの各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、1~5つのヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールで任意選択により置換される。
【0070】
ある特定の実施形態において、化合物は、N-(4-ブロモフェニル)-2-[3-メチル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル]アセトアミド、N-(4-ブロモフェニル)-5-[(3-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-6-オキソ-4-フェニル-1(6H)-ピリダジンアセトアミド、4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸1,1-ジメチルエチルエステル、または4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸ではない。
【0071】
ある特定の実施形態において、Yは、Oである。ある特定の実施形態において、Yは、Sである。
【0072】
ある特定の実施形態において、Yは、Oである。ある特定の実施形態において、Yは、Sである。
【0073】
ある特定の実施形態において、YはOであり、YはOである。ある特定の実施形態において、YはOであり、YはSである。
【0074】
ある特定の実施形態において、YはSであり、YはOである。ある特定の実施形態において、YはSであり、YはSである。
【0075】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、式IAの化合物:
【化2】
またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグであり、式中、
、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、NまたはCRであり、
Xは、NまたはCRであり、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、任意の2つの隣接するR基は、結合してC3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成することができ、
は、-C(R10、-OR、-N(R)(R)、-SR、-S(O)R、-S(O)、-OC(O)N(R)(R)、-NRC(O)OR、-NRC(O)R、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはハロであり、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
または、RとRが結合してヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環を形成し、
は、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
または、RとRが結合してC3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環を形成し、
は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、または、
10は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、
各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
ここで、上に列挙される置換基の各アルキル。アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択により置換される。
【0076】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、式IAの化合物:
【化3】
またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグであり、式中、
、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、NまたはCRであり、
Xは、NまたはCRであり、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、任意の2つの隣接するR基は、結合してC3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環を形成することができ、ここで、C3-10シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、アリール環、またはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、-C(R10、-OR、-N(R)(R)、-SR、-S(O)R、-S(O)、-OC(O)N(R)(R)、-NRC(O)OR、-NRC(O)R、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
または、RとRが結合してヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、ヘテロシクリル環もしくはヘテロアリール環は、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、
は、水素、ハロ、C1-6アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、ここで、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであり、
または、RとRが結合してC3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環を形成し、ここで、C3-10シクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環は、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により更に置換されてもよく、
は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、または、
10は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、もしくはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、
各Zは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R11の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1aで任意選択により置換され、
各Z1aは、独立して、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R12、-OR12、-C(O)R12、-C(O)OR12、-S(O)0-212、-NR12S(O)0-2-R12、-S(O)0-2N(R12、-NR12S(O)0-2N(R12、-NR12C(O)N(R12、-C(O)N(R12、-NR12C(O)R12、-OC(O)N(R12、または-NR12C(O)OR12であり、ここで、各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシC3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各R12は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、R12の各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZ1bで任意選択により置換され、
各Z1bは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C2-6ヘテロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-L-C1-6アルキル、-L-C2-6アルケニル、-L-C2-6アルキニル、-L-C1-6ハロアルキル、-L-C3-10シクロアルキル、-L-ヘテロシクリル、-L-アリール、または-L-ヘテロアリールであり、
各Lは、独立して、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-N(C1-6アルキル)-、-N(C2-6アルケニル)-、-N(C2-6アルキニル)-、-N(C1-6ハロアルキル)-、-N(C3-10シクロアルキル)-、-N(ヘテロシクリル)-、-N(アリール)-、-N(ヘテロアリール)-、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1-6アルキル)-、-C(O)N(C2-6アルケニル)-、-C(O)N(C2-6アルキニル)-、-C(O)N(C1-6ハロアルキル)-、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)-、-C(O)N(ヘテロシクリル)-、-C(O)N(アリール)-、-C(O)N(ヘテロアリール)-、-NHC(O)-、-NHC(O)O-、-NHC(O)NH-、-NHS(O)-、または-S(O)NH-であり、
ここで、Z1b及びLの各C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、1~5つのヒドロキシ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールで任意選択により置換される。
【0077】
ある特定の実施形態において、化合物は、N-(4-ブロモフェニル)-2-[3-メチル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル]アセトアミドではない:
【化4】
【0078】
ある特定の実施形態において、化合物は、N-(4-ブロモフェニル)-5-[(3-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-6-オキソ-4-フェニル-1(6H)-ピリダジンアセトアミドではない:
【化5】
【0079】
ある特定の実施形態において、化合物は、4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸1,1-ジメチルエチルエステルではない:
【化6】
【0080】
ある特定の実施形態において、化合物は、4-[[2-[4-(2-アセチル-5-クロロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソ-1(6H)-ピリダジニル]-4-メチル-1-オキソペンチル]アミノ]-安息香酸ではない:
【化7】
【0081】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRである。
【0082】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRである。ある特定の実施形態において、Aは、Nであり、残りのA、A、A、及びAは、独立して、CRである。ある特定の実施形態において、Aは、Nであり、残りのA、A、A、及びAは、独立して、CRである。ある特定の実施形態において、Aは、Nであり、残りのA、A、A、及びAは、独立して、CRである。
【0083】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRである。
【0084】
ある特定の実施形態において、Xは、Nである。
【0085】
ある特定の実施形態において、Xは、CRである。
【0086】
ある特定の実施形態において、Rは、水素である。ある特定の実施形態において、Rは、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0087】
ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、またはC3-10シクロアルキルであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により更に置換されてもよく、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、またはC3-10シクロアルキルであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのハロで任意選択により更に置換されてもよく、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルである。
【0088】
ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、-OCHCH、-CF、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、またはシクロブチルである。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFである。
【0089】
ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素であるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素であるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素であるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してフェニル環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素であるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してヘテロアリール環を形成することができる。ある特定の実施形態において、各Rは、独立して、水素であるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してピリジル環を形成することができる。
【0090】
ある特定の実施形態において、少なくとも1つのRは、水素以外である。
【0091】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、ここで、少なくとも1つのRは、水素以外である。ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、ここで、少なくとも2つのRは、水素以外である。ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、少なくとも2つのRは、独立して、ハロである。
【0092】
ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換される。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのハロで任意選択により置換される。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのハロで任意選択により置換され、少なくとも1つのRは、水素であり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、Rは、C1-6アルキルである。
【0093】
ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10または-ORである。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10である。ある特定の実施形態において、Rは、-ORである。ある特定の実施形態において、Rは、C3-10シクロアルキルであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのハロで任意選択により置換される。ある特定の実施形態において、Rは、ハロである。ある特定の実施形態において、Rは、イソプロピルである。
【0094】
ある特定の実施形態において、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換される。
【0095】
ある特定の実施形態において、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換される。
【0096】
ある特定の実施形態において、Rは、5-フルオロピリミジン-4-イル、1-シクロブチルピペリジン-3-イル、1-エチルピペリジン-3-イル、1-シクロプロピルピペリジン-3-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、5-フルオロピリミジン-2-イル、3,5-ジフルオロピリジン-2-イル、または3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチルである。ある特定の実施形態において、Rは、5-フルオロピリミジン-4-イル、1-シクロブチルピペリジン-3-イル、または3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチルである。
【0097】
ある特定の実施形態において、Rは、水素である。
【0098】
ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10であり、少なくとも1つのRは、水素である。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10であり、1つのRは、水素である。
【0099】
ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10であり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10であり、R10は、C1-6アルキルである。ある特定の実施形態において、Rは、-C(R10であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R10は、C1-6アルキルである。
【0100】
ある特定の実施形態において、Rは、-ORであり、Rは、C1-6アルキルである。ある特定の実施形態において、Rは、-ORであり、Rは、C1-2アルキルである。
【0101】
ある特定の実施形態において、R及びRは、結合してC3-10シクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態において、Rは、水素である。ある特定の実施形態において、Rは、水素である。ある特定の実施形態において、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成する。
【0102】
ある特定の実施形態において、各Zは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、-SH、-NH、-NO、-SF、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-N(R11、-OR11、-C(O)R11、-C(O)OR11、-S(O)0-211、-NR11S(O)0-2-R11、-S(O)0-2N(R11、-NR11S(O)0-2N(R11、-NR11C(O)N(R11、-C(O)N(R11、-NR11C(O)R11、-OC(O)N(R11、または-NR11C(O)OR11である。
【0103】
ある特定の実施形態において、各Zは、独立して、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルである。
【0104】
ある特定の実施形態において、各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0105】
ある特定の実施形態において、各R11は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。ある特定の実施形態において、各R11は、独立して、水素またはC1-6アルキルである。ある特定の実施形態において、各R11は、水素である。
【0106】
ある特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0107】
ある特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。ある特定の実施形態において、各R12は、独立して、水素またはC1-6アルキルである。ある特定の実施形態において、各R12は、水素である。
【0108】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、CRであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成し、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0109】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、CRであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成し、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0110】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、CRであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルであり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0111】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、Nであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成し、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0112】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、Nであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成し、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0113】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、もしくはC3-10シクロアルキルであるか、または、任意の2つの隣接するR基が結合してアリール環もしくはヘテロアリール環を形成し、Xは、Nであり、Rは、-C(R10、-OR、C3-10シクロアルキル、またはハロであり、ここで、C3-10シクロアルキルは、独立して、1~5つのZで任意選択により置換され、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であるか、または、RとRが結合してC3-10シクロアルキルを形成し、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、ハロ、C1-6アルキル、またはC1-6ハロアルキルである。
【0114】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、CRであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0115】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、Xは、CRであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0116】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、CRであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0117】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、Xは、CRであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0118】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、CRであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0119】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、Xは、CRであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0120】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、Nであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0121】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、CRであり、Xは、Nであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0122】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、Nであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0123】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの1つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、Xは、Nであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0124】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、各Rは、独立して、水素、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC1-6ハロアルキルであり、Xは、Nであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0125】
ある特定の実施形態において、A、A、A、A、及びAのうちの2つは、Nであり、残りのA、A、A、A、及びAは、独立して、CRであり、Xは、Nであり、Rは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、-CH、-OCH、または-CFであり、Rは、-C(R10または-ORであり、Rは、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、ここで、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールは、独立して、1~5つのハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC3-10シクロアルキルで任意選択により置換され、Rは、水素であり、少なくとも1つのRは、水素であり、R及びRは、水素であり、Rは、C1-6アルキルであり、R10は、C1-6アルキルである。
【0126】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、表1から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、プロドラッグ、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物である。


【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0127】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、表2から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、プロドラッグ、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物である。


【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0128】
3.方法
「治療」または「治療すること」は、臨床結果を含む有益または望ましい結果を得るためのアプローチである。有益または望ましい臨床結果は、次のうちの1つ以上を含み得る:a)疾患または状態の抑制(例えば、疾患もしくは状態から生じる1つ以上の症状の軽減、及び/または疾患もしくは状態の程度の低減);b)疾患または状態に関連する1つ以上の臨床症状の発現の緩徐化または阻止(例えば、疾患もしくは状態の安定化、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行の防止もしくは遅延、及び/または疾患もしくは状態の拡大(例えば、移転)の防止もしくは遅延);及び/またはc)疾患の緩和、すなわち、臨床症状の退行の発生(例えば、疾患状態の改善、疾患もしくは状態の部分的もしくは全体的寛解の提供、別の薬剤の効果の増強、疾患の進行の遅延、生活の質の向上、及び/または生存期間の延長。
【0129】
「予防」または「予防すること」は、疾患または状態の臨床症状を発現させないようにする疾患または状態の任意の治療を意味する。化合物は、いくつかの実施形態において、疾患または状態のリスクがあるまたは家族歴がある対象(ヒトを含む)に投与され得る。
【0130】
「対象」は、治療、観察または実験の対象となったまたは対象となる哺乳動物(ヒトを含む)などの動物を指す。本明細書に記載される方法は、ヒトの治療法及び/または獣医学的用途に有用であり得る。いくつかの実施形態において、対象は、哺乳動物である。ある特定の実施形態において、対象は、ヒトである。
【0131】
本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの「治療上有効な量」または「有効量」という用語は、対象に投与されたときに、症状の緩和または疾患進行の遅延などの治療上の利益を提供する治療を効果的に行うのに十分な量を意味する。例えば、治療上有効な量は、本明細書に記載される疾患または状態の症状を減少させるのに十分な量であり得る。治療上有効な量は、対象、ならびに治療される疾患または状態、対象の体重及び年齢、疾患または状態の重症度、ならびに投与様式に応じて変わり得、当業者であれば容易に決定することができる。
【0132】
本明細書に記載される方法は、in vivoまたはex vivoで細胞集団に適用され得る。「in vivo」は、動物またはヒトの内部のように、生きている個体の内部にあることを意味する。この文脈において、本明細書に記載される方法は、個体に治療的に使用され得る。「ex vivo」は、生きている個体の外部にあることを意味する。ex vivoの細胞集団の例としては、in vitro細胞培養物及び個体から得られた体液または組織試料を含む生体試料が挙げられる。そのような試料は、当該技術分野においてよく知られている方法によって得ることができる。例示的な生体液試料には、血液、脳脊髄液、尿、及び唾液が含まれる。この文脈において、本明細書に記載される化合物及び組成物は、治療目的及び実験目的を含む、様々な目的に使用され得る。例えば、本明細書に記載される化合物及び組成物は、所定の適応症、細胞型、個体、及び他のパラメータに対して、本開示の化合物の最適な投与スケジュール及び/または投与量を決定するために、ex vivoで使用され得る。そのような使用から得られた情報は、in vivo治療におけるプロトコルを設定するために、実験目的または臨床で使用され得る。本明細書に記載される化合物及び組成物が好適であり得る他のex vivoでの使用は、以下に記載され、または、当業者には明らかであろう。選択された化合物は、ヒトまたは非ヒト対象における安全性または耐性用量を試験するために、更に特性評価がなされ得る。そのような特性は、当業者に一般的に知られている方法を使用して試験され得る。
【0133】
ある特定の実施形態において、NLRファミリーピリンドメイン含有3(NLRP3)の活性を調節する、化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグが提供される。ある特定の実施形態において、本明細書で提供される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグは、NLRP3の活性を阻害する。
【0134】
NLRタンパク質は、免疫系に関与し、損傷、毒素、または微生物による侵入に対する免疫系の応答を開始し、調節するのに役立つ。NLRP3(クリオピリン、NALP3、LRR及びPYDドメイン含有タンパク質3としても知られる)は、NLRP3遺伝子(CIAS1としても知られる)によってコードされるタンパク質である。活性化されると、NLRP3分子は、他のタンパク質とともに、インフラマソームへと組み立てられる。細胞ストレスによるNLRP3の活性化は、インフラマソームの活性化及び下流のタンパク質分解イベントを引き起こし、これには、インターロイキン(IL)-1β及びIL-18などの活性炎症促進性サイトカインの形成、それに続く、分泌が含まれる。他のサイトカインのなかでも、IL-1β及びIL‐18は、炎症、例えば、動脈壁の炎症、アテローム性動脈硬化症及び老化プロセスのメディエーターとして知られている。
【0135】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの有効量と細胞を接触させることを含む、インフラマソーム(例えば、NLRP3インフラマソーム)活性を阻害する方法である。阻害は、in vitroまたはin vivoであり得る。
【0136】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、インフラマソーム(例えば、NLRP3インフラマソーム)活性の阻害(例えば、in vitroまたはin vivo)に使用するための、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグである。
【0137】
ある特定の実施形態において、本開示は、インフラマソーム(例えば、NLRP3インフラマソーム)活性を阻害する(例えば、in vitroまたはin vivo)医薬品の製造における、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの使用を提供する。
【0138】
慢性的な炎症反応は、様々な種類のがんと関連している。悪性化時またはがん療法時に、インフラマソームは、特定のシグナルに反応して活性化することがあり、様々ながん(例えば、乳癌、前立腺癌、結腸癌、肺癌、頭頸部癌、黒色腫など)においてはIL-Ιβ発現が上昇し、IL-Ιβを産生する腫瘍のある患者は一般に予後が悪い。
【0139】
ある特定の実施形態において、少なくとも部分的にはNLRP3によって媒介される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの有効量を投与することを含む、方法である。
【0140】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、自己炎症性障害、自己免疫障害、神経変性疾患またはがんから選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの治療上有効な量を投与することを含む、方法である。
【0141】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、自己炎症性障害、自己免疫障害、神経変性疾患またはがんを治療することを、それを必要とする対象に行う際に使用するための、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグである。
【0142】
ある特定の実施形態において、本開示は、自己炎症性障害、自己免疫障害、神経変性疾患またはがんを治療または予防することを、それを必要とする対象に行うための医薬品の製造における、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの使用を提供する。
【0143】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、炎症、自己免疫疾患、がん、感染症、中枢神経系疾患、代謝疾患、心血管疾患、呼吸器疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、眼疾患、皮膚疾患、リンパ系の状態、精神障害、移植片対宿主病、アロディニア、または個体がNLRP3における生殖細胞系列もしくは体細胞系列の非サイレント突然変異を有することが決定された任意の疾患を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの治療上有効な量を投与することを含む、方法である。
【0144】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、免疫系、心臓血管系、内分泌系、消化管、腎臓系、肝臓系、代謝系、呼吸器系、中枢神経系の疾患もしく状態であり得、がんもしくは他の悪性腫瘍であり得、及び/または病原体に起因するものもしくは関連するものであり得る。疾患、障害及び状態の広範な分類に従って定義されたこれらの一般的な実施形態は、相互に排他的ではないことが理解される。
【0145】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、炎症性障害、例えば、自己炎症性疾患の結果として生じる炎症、非炎症性障害の症状として生じる炎症、感染の結果として生じる炎症、または外傷、損傷もしくは自己免疫に続発する炎症を含む炎症;急性播種性脳炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、抗合成酵素症候群、再生不良性貧血、自己免疫性副腎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性多腺性内分泌不全、自己免疫性甲状腺炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病(T1D)、グッドパスチャー症候群、グレーヴス病、ギランバレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑、川崎病、全身性エリテマトーデス(SLE)を含むエリテマトーデス、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)及び再発寛解型多発性硬化症(RRMS)を含む多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、多発性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、リウマチ様関節炎(RA)、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎またはスチル病、難治性痛風関節炎、ライター症候群、シェーグレン症候群、全身性結合組織障害である全身性硬化症、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、全身性脱毛症、ベーチェット病、シャーガス病、自律神経障害、子宮内膜症、化膿性汗腺炎(HS)、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、乾癬、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、シュニッツラー症候群、マクロファージ活性化症候群、ブラウ症候群、白斑または外陰痛などの自己免疫疾患;肺癌、膵臓癌、胃癌、骨髄異形成症候群、急性リンパ性白血病(ALL)及び急性骨髄性白血病(AML)を含む白血病、副腎癌、肛門癌、基底扁平上皮癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳脊髄腫瘍、乳癌、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭癌、肝臓癌、肺カルチノイド腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫を含むリンパ腫、悪性中皮腫、メラノーマ皮膚癌、メルケル細胞皮膚癌、多発性骨髄腫、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔及び口咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部肉腫、胃癌、精巣癌、胸腺癌、未分化甲状腺癌を含む甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストームマクログロブリン血症及びウィルムス腫瘍を含む癌;ウイルス感染症(例えば、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、αウイルス(チクングニア熱及びロスリバーウイルスなど)、フラビウイルス(デングウイルス及びジカウイルスなど)、ヘルペスウイルス(エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、及びKSHVなど)、ポックスウイルス(ワクシニアウイルス(改変ワクシニアウイルスアンカラなど)及び粘液腫ウイルス)、アデノウイルス(アデノウイルス5など)、またはパピローマウイルスによるもの)、細菌感染症(例えば、Staphylococcus aureus、Helicobacter pylori、Bacillusanthracis、Bordatella pertussis、Burkholderia pseudomallei、Corynebacterium diptheriae、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、Listeria monocytogenes、Hemophilus influenzae、Pasteurella multicida、Shigella dysenteriae、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Mycoplasma pneumoniae、Mycoplasma hominis、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Rickettsia rickettsii、Legionella pneumophila、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Propionibacterium acnes、Treponema pallidum、Chlamydia trachomatis、Vibrio cholerae、Salmonella typhimurium、Salmonella typhi、Borrelia burgdorferiまたはYersinia pestisによるもの)、真菌感染症(例えば、カンジダまたはアスペルギルス種によるもの)、原虫感染症(例えば、Plasmodium、Babesia、Giardia、Entamoeba、LeishmaniaまたはTrypanosomesによるもの)、蠕虫感染症(例えば、住血吸虫、線虫、条虫または吸虫によるもの)及びプリオン感染症を含む感染症;パーキンソン病,アルツハイマー病、認知症、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脳性マラリア、肺炎球菌髄膜炎による脳損傷、頭蓋内動脈瘤、外傷性脳損傷、及び筋萎縮性側索硬化症などの中枢神経系疾患;2型糖尿病(T2D)、アテローム性動脈硬化症、肥満症、痛風、及び偽痛風などの代謝系疾患;高血圧、虚血、MI後虚血再灌流障害を含む再灌流障害、虚血性脳卒中を含む脳卒中、一過性脳虚血発作、再発性心筋梗塞を含む心筋梗塞、鬱血性心不全及び駆出率の保たれた心不全を含む心不全、塞栓症、腹部大動脈瘤を含む動脈瘤、及びドレスラー症候群を含む心膜炎などの心臓血管疾患;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性喘息及びステロイド抵抗性喘息などの喘息、アスベスト症、珪肺症、ナノ粒子誘発性炎症、嚢胞性線維症及び特発性肺線維症を含む呼吸器疾患;非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(進行線維化ステージF3及びF4を含む);アルコール性脂肪性肝疾患(AFLD)、及びアルコール性脂肪性肝炎(ASH)を含む肝臓疾患;慢性腎臓病、シュウ酸腎症、腎石灰化症、糸球体腎炎、及び糖尿病性腎症を含む腎臓疾患;眼球上皮、加齢黄斑変性(AMD)(ドライ及びウェット)、ぶどう膜炎、角膜感染症、糖尿病網膜症、視神経障害、ドライアイ、緑内障を含む眼科疾患;接触皮膚炎及びアトピー性皮膚炎などの皮膚炎、接触過敏症、日焼け、皮膚病変、化膿性汗腺炎(HS)、他の嚢胞性皮膚疾患、及び集簇性ざ瘡などの皮膚疾患;リンパ管炎及びキャッスルマン病などのリンパ系の状態;鬱病及び精神的ストレスなどの精神障害;移植片対宿主病;機械的アロディニアを含むアロディニア;ならびに個体がNLRP3における生殖細胞系列もしくは体細胞系列の非サイレント突然変異を有することが決定された任意の疾患を含む。
【0146】
ある特定の実施形態において、疾患、障害または状態は、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、マックルウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、家族性地中海熱(FMF)、新生児発症多臓器炎症性疾患(NOMID)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、高免疫グロブリンD血症・周期性熱症候群(HIDS)、インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA)、Majeed症候群、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA)、成人スティル病(AOSD)、A20ハプロ不全症(HA20)、小児肉芽腫性動脈炎(PGA)、PLCG2関連抗体欠損・免疫異常症(PLAID)、PLCG2関連自己炎症・抗体欠損・免疫異常症(APLAID)、または鉄芽球性貧血・B細胞免疫不全、周期性発熱・発達遅滞(SIFD)などの自己炎症性疾患である。
【0147】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS;例えば、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS))、マックルウェルズ症候群(MWS)、慢性乳児神経皮膚関節(CINCA)症候群、新生児発症多臓器炎症性疾患(NOMID)、家族性地中海熱及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、痛風、リウマチ様関節炎、変形性関節症、クローン病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病(CKD)、線維症、肥満症、2型糖尿病、及び多発性硬化症ならびにタンパク質のミスフォールディング疾患で生じる神経炎症(例えば、プリオン病)から選択される自己炎症性障害及び/または自己免疫障害から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの治療上有効な量を投与することを含む、方法である。
【0148】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、マックルウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、新生児発症多臓器炎症性疾患(NOMID)、家族性地中海熱(FMF)、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA)、高免疫グロブリンD血症・周期性熱症候群(HIDS)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、全身型若年性特発性関節炎、成人スティル病(AOSD)、再発性多発軟骨炎、シュニッツラー症候群、スウィート症候群、ベーチェット病、抗合成酵素症候群、インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA)、及びA20ハプロ不全症(HA20)から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの治療上有効な量を投与することを含む、方法である。
【0149】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、喘息、アレルギー性気道炎症、クリオピリン関連周期性症候群、痛風、炎症性腸疾患及び関連障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高血圧、心筋梗塞、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳炎、シュウ酸誘発性腎症、インフルエンザ感染症後の過剰炎症、移植片対宿主病、脳卒中、珪肺症、1型糖尿病、肥満誘導性炎症もしくはインスリン抵抗性、リウマチ様関節炎、骨髄異形成症候群、接触過敏症、チクングニアウイルスによって惹起された関節炎症、または外傷性脳損傷から選択される疾患または状態を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの治療上有効な量を投与することを含む、方法である。
【0150】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、少なくとも部分的にはTNF-αによって媒介される疾患または状態を治療するための方法である。ある特定の実施形態において、疾患または状態は、抗TNF-α剤による治療に耐性がある。いくつかの実施形態において、疾患は、腸の疾患または状態である。いくつかの実施形態において、疾患または状態は、炎症性腸疾患、クローン病、または潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグは、抗TNF-α剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、抗TNF-α剤は、インフリキシマブ、エタネルセプト、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、またはアダリムマブである。
【0151】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、自己炎症性障害、自己免疫障害、神経変性疾患、またはがんである。
【0152】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、自己炎症性障害及び/または自己免疫障害である。
【0153】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、神経変性疾患である。
【0154】
ある特定の実施形態において、疾患または状態は、パーキンソン病またはアルツハイマー病である。
【0155】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、がんを治療するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの有効量を投与することを含む、方法である。
【0156】
ある特定の実施形態において、がんは、転移癌、胃腸癌、皮膚癌、非小細胞肺癌、または大腸腺癌である。
【0157】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病またはアルツハイマー病)を治療することを、それを必要とする対象に行う際に使用するための、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグである。
【0158】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、がんを治療することを、それを必要とする対象に行う際に使用するための、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグである。
【0159】
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグは、単独療法として単独で投与されてもよいし、1つ以上の他の物質及び/または治療に追加して投与することもできる。このような併用治療は、治療の個々の構成要素を、同時、順次または別々に投与することによって達成することができる。
【0160】
例えば、アジュバントの投与によって治療効果が高まる場合がある(すなわち、アジュバントは、それ自体だけでは最小の治療上の利益しか得られないが、別の治療薬と組み合わせると、個体に対する全体的な治療上の利益が向上する)。あるいは、例示にすぎないが、個体が経験する利益は、本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、治療上の利益を同様に有する別の治療薬(治療レジメンも含む)とともに投与することによって増大し得る。
【0161】
他の実施形態は、治療法における本開示の化合物の使用を含む。
【0162】
4.キット
本明細書では、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、好適な包装を含む、キットも提供される。ある特定の実施形態において、キットは、使用説明書を更に含む。一態様において、キットは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、本明細書に記載される疾患または状態を含む適応症の治療における化合物の使用に関するラベル及び/または説明書を含む。
【0163】
また、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグを適切な容器に含む製造品である。容器は、バイアル、ジャー、アンプル、予め充填されたシリンジ、または静注バッグであり得る。
【0164】
5.医薬組成物及び投与様式
本明細書で提供される化合物は、通常、医薬組成物の形態で投与される。したがって、本明細書で提供されるのはまた、1つ以上の本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグと、担体、アジュバント、及び賦形剤から選択される1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルとを含有する、医薬組成物である。好適な薬学的に許容されるビヒクルには、例えば、不活性固体希釈剤及び充填剤、無菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む希釈剤、浸透促進剤、可溶化剤、ならびにアジュバントが含まれ得る。そのような組成物は、薬学分野においてよく知られている様式で調製される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,Pa.17th Ed.(1985);及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker & C.T.Rhodes,Eds.)を参照されたい。
【0165】
医薬組成物は、単回投与または複数回投与のいずれかで投与され得る。医薬組成物は、例えば、直腸、頬側、鼻腔内、及び経皮経路を含む様々な方法で投与することができる。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所、または吸入剤として投与され得る。
【0166】
投与の一様式は、非経口であり、例えば、注射による。注射による投与のために本明細書に記載される医薬組成物を組み込むことができる形態には、例えば、水性もしくは油性の懸濁液、またはゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、もしくはピーナッツ油との乳濁液、ならびにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、または無菌水溶液、ならびに類似の薬学的ビヒクルが含まれる。
【0167】
経口投与は、本明細書に記載される化合物の別の投与経路であり得る。投与は、例えば、カプセル剤または腸溶性コーティング錠剤によりなされ得る。少なくとも1つの本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物の製造において、活性成分は、通常、賦形剤によって薄められ、及び/またはカプセル剤、サシェ、紙、もしくは他の容器の形態であり得る担体内に入れられる。賦形剤が希釈剤として機能する場合、それは、固体、半固形、または液体材料の形態であり得、活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として機能する。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル(固体または液体媒体)、例えば、10重量%までの活性化合物を含有する軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル剤、無菌注射液、ならびに無菌包装粉末の形態であり得る。
【0168】
好適な賦形剤のいくつかの例としては、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。製剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイルなどの滑沢化剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁化剤;メチル及びプロピルヒドロキシベンゾアートなどの保存剤;甘味剤;ならびに矯味矯臭剤を追加で含み得る。
【0169】
少なくとも1つの本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物もしくはプロドラッグを含む組成物は、当該技術分野において知られている手順を採用することによって、対象への投与後に活性成分の迅速な持続性または遅延放出をもたらすように製剤化することができる。経口投与のための制御放出薬物送達系は、浸透圧ポンプシステム及びポリマーコーティングされたリザーバーまたは薬物-ポリマーマトリックス製剤を含む溶解システムを含む。本明細書で開示される方法で使用するための別の製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ剤」)を利用するものである。そのような経皮パッチ剤は、本明細書に記載される化合物を制御された量で連続的または非連続的に注入するために使用され得る。薬剤を送達するための経皮パッチ剤の作製及び使用は、当該技術分野においてよく知られている。そのようなパッチ剤は、薬剤の連続的なパルス送達またはオンデマンド送達用に作製することができる。
【0170】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要活性成分を薬学的な賦形剤と混合して、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩、同位体濃縮アナログ、立体異性体、立体異性体の混合物、もしくはプロドラッグの均質な混合物を含有する固体前製剤組成物を形成してもよい。これらの前製剤組成物を均質と称する場合、活性成分は、組成物全体に均一に分散しており、それにより、組成物を、錠剤、丸剤、及びカプセル剤などの等しく有効な単位剤形に容易に分けることができる。
【0171】
本明細書に記載される化合物の錠剤または丸剤は、長期作用の利点をもたらす剤形を提供するために、または胃の酸性条件から保護するために、コーティングまたは他の方法で調製されてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、内側の投与構成成分及び外側の投与構成成分を含むことができ、後者は前者を覆う外被の形態である。2つの構成成分は、腸溶層によって分離され得、これは、胃での崩壊に耐え、内側構成成分を無傷で十二指腸まで通過させることまたは遅延放出されることを可能にするように機能する。そのような腸溶層またはコーティングには、様々な材料を使用することができ、そのような材料には、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸とセラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースなどの材料の混合物が含まれる。
【0172】
吸入または吹送のための組成物は、薬学的に許容される水性溶媒もしくは有機溶媒またはその混合物中の溶液及び懸濁液、ならびに粉末を含み得る。液体または固体組成物は、本明細書に記載されるような好適な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、組成物は、局所または全身的効果のために、経口または経鼻による呼吸器経路によって投与される。他の実施形態において、薬学的に許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスを使用することによって噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入されてもよいし、または、噴霧デバイスは、テント状顔用マスクもしくは間欠的陽圧呼吸器に付着されてもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは、適切な方式で製剤を送達するデバイスから経口または経鼻により投与され得る。
【0173】
6.投与
任意の特定の対象に対する本出願の化合物の具体的な用量レベルは、採用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食生活、投与時期、投与経路、及び排泄速度、薬物の組み合わせ、及び治療法を受ける対象の特定の疾患の重症度を含む様々な因子に依存する。例えば、用量は、対象の体重の1キログラムあたりの本明細書に記載される化合物のミリグラム数として表すことができる(mg/kg)。約0.1~150mg/kgの用量が適切であり得る。いくつかの実施形態において、約0.1~100mg/kgが適切であり得る。他の実施形態において、0.5~60mg/kgの用量が適切であり得る。いくつかの実施形態において、1日あたり1kg体重あたり約0.0001~約100mg、1kg体重あたり約0.001~約50mgの化合物、または1kg体重あたり約0.01~約10mgの化合物の用量が適切であり得る。対象の体重による正規化は、人間の子どもと成人の両方に薬物を使用する場合、またはイヌなどのヒト以外の対象の有効用量をヒト対象に適した用量に変換する場合に生じるように、大きさが大きく異なる対象間で用量を調節する場合に特に有用である。
【0174】
7.化合物の合成
化合物は、本明細書で開示される方法及びその常用の変法を使用して調製することができるが、本明細書の開示及び当該技術分野においてよく知られている方法を考慮すれば明らかであろう。本明細書における教示に加えて、従来からよく知られている合成方法が使用されてもよい。本明細書に記載される典型的な化合物の合成は、以下の実施例に記載のとおりに達成され得る。入手可能であれば、試薬及び出発材料は、例えば、Sigma Aldrichまたは他の化学サプライヤーから商業的に購入することができる。
【0175】
典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶媒、圧力など)が示されているが、特に指示のない限り、他のプロセス条件も使用できることを理解されたい。最適な反応条件は、使用される特定の反応体または溶媒により変わり得るが、そのような条件は、当業者であれば、最適化の定法から決定することができる。
【0176】
更に、ある特定の官能基が望ましくない反応を受けることがないように、従来の保護基(「PG」)が必要な場合がある。様々な官能基に好適な保護基ならびに特定の官能基の保護及び脱保護に好適な条件は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Wuts,P.G.M.,Greene,T.W.,& Greene,T.W.(2006) Greene’s protective groups in organic synthesis.Hoboken,N.J.,Wiley-Interscience及び当該文献中に引用されている参考文献に多数の保護基が記載されている。例えば、ヒドロキシなどのアルコールの保護基には、シリルエーテル(トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、及びトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテルを含む)が含まれ、これらは、酸またはフッ化物イオン、例えば、NaF、TBAF(フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム)、HF-Py、もしくはHF-NEtによって除去することができる。アルコールの他の保護基には、酸または塩基により除去されるアセチル、酸または塩基により除去されるベンゾイル、水素化により除去されるベンジル、酸により除去されるメトキシエトキシメチルエーテル、酸により除去されるジメトキシトリチル、酸により除去されるメトキシメチルエーテル、酸により除去されるテトラヒドロピラニルまたはテトラヒドロフラニル、及び酸により除去されるトリチルが含まれる。アミンの保護基の例としては、水素化分解によって除去されるカル簿ベンジルオキシ、水素化分解によって除去されるp-メトキシベンジルカルボニル、濃強酸(HClまたはCFCOOHなど)または約80℃を超える加熱により除去されるtert-ブチルオキシカルボニル、ピペリジンなどの塩基によって除去される9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、塩基での処理によって除去されるアセチル、塩基での処理によって除去されるベンゾイル、水素化分解によって除去されるベンジル、酸及び穏やかな加熱によって除去されるカルバメート基、水素化分解によって除去されるp-メトキシベンジル、水素化分解によって除去される3,4-ジメトキシベンジル、硝酸アンモニウムセリウム(IV)によって除去されるp-メトキシフェニル、濃縮した酸(HBrまたはHSOなど)及び強還元剤(液体アンモニア中のナトリウムまたはナフタレン化ナトリウム)によって除去されるトシル、酢酸の存在下でのZnの挿入によって除去されるtroc(クロロギ酸トリクロロエチル)、ならびにヨウ化サマリウムまたは水素化トリブチルスズによって除去されるスルホンアミド(Nosyl & Nps)が挙げられる。
【0177】
更に、本開示の化合物は、1つ以上のキラル中心を含有し得る。したがって、所望により、そのような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち、個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体の濃縮混合物として、調製または単離することができる。そのような全ての立体異性体(及び濃縮混合物)は、特に指定のない限り、本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または濃縮混合物)は、例えば、当該技術分野においてよく知られている光学的に活性な出発材料または立体選択的試薬を使用して調製され得る。あるいは、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを使用して分割することができる。
【0178】
以下の反応のための出発材料は、一般に知られている化合物であるか、または、既知の手順もしくはその明白な変法によって調製することができる。例えば、出発材料の多くは、Aldrich Chemical Co(Milwaukee,Wisconsin,USA)、Bachem(Torrance,California,USA)、Emka-ChemceまたはSigma(St.Louis,Missouri,USA)などの市販業者から入手可能である。その他は、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1-15(John Wiley,and Sons,1991),Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5,and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989)organic Reactions,Volumes 1-40(John Wiley,and Sons,1991),March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley,and Sons,5th Edition,2001)、及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの標準的な参考書に記載されている手順またはその明らかな変法によって調製され得る。
【0179】
一般的な合成方法
スキームIは、本明細書に記載される化合物の合成に利用することができる一般的な方法を例示するものであり、X、Y、Y、A~A、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して、本明細書で定義されるとおりであり、各R50は、独立して、C1-6アルキルであるか、または2つのR50がそれらが結合している原子と一緒になって環を形成し、各LGは、脱離基(例えば、ハロ)である。化合物I-1、I-3、及びI-5のいずれか1つ以上、またはスキームIで概説されるプロセスによって得られる任意の生成物の誘導体化を実施して、式Iの様々な化合物を提供することができることを理解されたい。
【化8】
【0180】
スキームIにおいて、化合物I-1と化合物I-2のカップリングにより化合物I-3が得られ、これをアミド結合形成反応条件で適宜置換したアミンI-4と反応させると、化合物I-5が得られる。あるいは、化合物I-6とのカップリングにより、化合物I-1から化合物I-5を調製することができる。化合物I-5と適宜置換した化合物I-7を標準的な金属触媒カップリング条件下で接触させることによって、式Iの化合物が提供される。
【0181】
あるいは、スキームIIに示されるように、まず、化合物I-1と化合物I-7を標準的な金属触媒カップリング条件下でカップリングさせて化合物II-1を得、続いて、これを、上記と同様の反応条件下で、化合物I-2次いでI-4または化合物I-6のいずれかとカップリングさせることによって、式Iの化合物を提供することができる。


【化9】
【0182】
適切な出発材料及び試薬は、当業者に知られている方法によって購入または調製することができる。中間体または最終化合物のそれぞれは、各反応終了時に、中和、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、濾過などの従来技術によって回収され、任意選択により、精製され得る。
【0183】
いくつかの実施形態において、スキームI及びIIに使用される化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、及びII-1の様々な置換基は、式Iについて定義されるとおりである。しかしながら、化合物I-1、I-2、I-3、I-4、I-5、I-6、I-7、及びII-1の誘導体化により、式Iの様々な化合物が提供される。
【0184】
例えば、Rがハロである化合物II-1から出発して、官能基の相互交換を介してRでの誘導体化を実施して、上のスキームで使用するための様々な出発材料を得ることができる(例えば、スキームIII参照)。そのような方法は、当業者に知られている。


【化10】
【0185】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、式Iの化合物を調製するためのプロセスであって、式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式I-5の化合物を式I-7の化合物と接触させることを含む、プロセスである。
【0186】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式I-5の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-3の化合物を式I-4の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式I-5の化合物を式I-7の化合物と接触させること。
【0187】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式I-3の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-1の化合物を式I-2の化合物と接触させること;
式I-5の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-3の化合物を式I-4の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式I-5の化合物を式I-7の化合物と接触させること。
【0188】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式I-5の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-1の化合物を式I-6の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式I-5の化合物を式I-7の化合物と接触させること。
【0189】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、式Iの化合物を調製するためのプロセスであって、式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式II-1の化合物を式I-6の化合物と接触させることを含む、プロセスである。
【0190】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式II-2の化合物を与えるのに適した条件下で、式II-1の化合物を式I-2の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式II-2の化合物を式I-4の化合物と接触させること。
【0191】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式II-1の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-1の化合物を式I-7の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式II-1の化合物を式I-6の化合物と接触させること。
【0192】
ある特定の実施形態において、提供されるのは、以下を含む、式Iの化合物を調製するためのプロセスである:
式II-1の化合物を与えるのに適した条件下で、式I-1の化合物を式I-7の化合物と接触させること;
式II-2の化合物を与えるのに適した条件下で、式II-1の化合物を式I-2の化合物と接触させること;及び
式Iの化合物を与えるのに適した条件下で、式II-2の化合物を式I-4の化合物と接触させること。
【実施例
【0193】
以下の実施例は、本開示の具体的な実施形態を示すために含まれるものである。以下に続く実施例で開示される技術は、本発明の実施において良好に機能する技術を表すものであり、そのため、その実施の具体的な様式を構成するとみなされ得ることが当業者によって理解されるものである。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示される特定の実施形態に対して多くの変更をなすことができ、それでもなお同等または類似の結果を得ることができることを理解するべきである。
【0194】
一般的な実験方法
使用した溶媒は全て市販のものであり、更に精製することなく使用した。反応は、典型的に、窒素による不活性雰囲気下で無水溶媒を使用して実施した。
【0195】
NMR分光法:H核磁気共鳴(NMR)分光法は、300MHzで作動するBBFO 300MHzプローブを備えたBruker Avance IIIまたは次の機器のうちの1つ:プローブDUAL 400 MHz S1を備えたBruker Avance 400機器、プローブ6 S1 400MHz 5mm H-13CIDを備えたBruker Avance 400機器、プローブBroadband BBFO 5mmダイレクトを備えたナノベイ付きBruker Avance III 400機器、400MHzで動作するBruker400BBOプローブを備えたBruker Mercury Plus 400 NMR分光計を使用して実施した。全ての重水素化溶媒には,典型的に、0.03%~0.05%v/vのテトラメチルシランが含まれており、これを参照シグナルとして使用した(H及び13Cの両方でδ0.00に設定)。ある特定の場合、H核磁気共鳴(NMR)分光法は、特に指示のない限り、指定の溶媒を室温付近で使用し、400MHzで作動するBruker Advance 400機器を使用して実施した。全ての場合において、NMRデータは、提案された構造と一致した。特徴的なケミカルシフト(δ)は、主要ピークを指定する従来の略語を使用して百万分率で与えられる:例えば、s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;dd、ダブレットのダブレット;dt、トリプレットのダブレット;br、ブロード。
【0196】
薄層クロマトグラフィー:薄層クロマトグラフィー(TLC)が使用される場合、シリカゲルF254(Merck)プレートを使用するシリカゲルTLCを指し、Rfは、TLCプレート上で化合物が移動した距離を溶媒が移動した距離で割ったものである。カラムクロマトグラフィーは、自動フラッシュクロマトグラフィーシステムを使用してシリカゲルカートリッジ上で、逆相クロマトグラフィーの場合はC18カートリッジ上で実施した。あるいは、薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Mancherey-Nagel社のAlugram(登録商標)(シリカゲル60 F254)上で実施し、スポットの可視化にはUVを典型的に使用した。ある場合には、追加の可視化法も採用した。これらの場合、TLCプレートは、ヨウ素(およそ1gのIを10gのシリカゲルに加え、よく混合することによって生成)、ニンヒドリン(Aldrichから市販)、またはMagic Stain(25gの(NHMo24.4HO、5gの(NHCe(IV)(NOを450mLの水及び50mLの濃HSO中で十分に混合することによって生成)で展開して、化合物を可視化した。
【0197】
液体クロマトグラフィー質量分析法及びHPLC分析:HPLC分析は、フォトダイオードアレイ検出器及びLuna-C18(2)2.0×50mm、5μmカラムを備えるShimadzu 20AB HPLCシステムで、移動相A(MPA、HO+0.037%(v/v)TFA):移動相B(MPB、ACN+0.018%(v/v)TFA)(0.01分、10%MPB;4分、80%MPB;4,9分、80%MPB;4.92分、10%MPB;5.5分、10%MPB)のグラジエント溶媒を1.2mL/分の流速で用いて実施した。LCMSは、220nm及び254nmで検出するか、または蒸発光散乱(ELSD)検出及び正のエレクトロスプレーイオン化(MS)を使用した。セミ分取HPLCは、酸性条件または中性条件のいずれかによって実施した。酸性:Luna C18 100×30mm、5μm;MPA:HCl/HO=0.04%、またはギ酸/HO=0.2%(v/v);MPB:ACN。中性:Waters Xbridge 150×25、5μm;MPA:10mM NHHCO/HO;MPB:ACN。両条件のグラジエント:10%のMPBから80%のMPBへ流速20mL/分で12分、次いで、100%MPBで2分、10%MPBで2分、UV検出器。SFC分析は、UV/Vis検出器ならびにAD、AS-H、OJ、OD、AY及びIC、4.6×100mm、3μmカラムを含む一連のキラルカラムを備えるThar分析SFCシステムで、移動相A(MPA、CO):移動相B(MPB、MeOH+0.05%(v/v)IPAm)(0.01分、10%MPB;3分、40%MPB;3.5分、40%MPB;3.56-5分、10%MPB)のグラジエント溶媒を4mL/分の流速で用いて実施した。SFC分取は、UV/Vis検出器ならびにAD-H、AS-H、OJ-H、OD-H、AY-H及びIC-H、30×250mm、5μmカラムを含む一連のキラル分取カラムを備えるThar80分取SFCシステムで、移動相A(MPA、CO):移動相B(MPB、MeOH+0.1%(v/v)NHO)(0.01分、10%MPB;5分、40%MPB;6分、40%MPB;6.1-10分、10%MPB)のグラジエント溶媒を65mL/分の流速で用いて実施した。また、LC-MSデータを、PDA検出器を備え、正と負のエレクトロスプレーイオン化モードで交互に作動するWatersシングル四重極型質量分析計に連結されたUPLC-MS Acquity(商標)システムを使用して取得した。使用したカラムは、Cortecs UPLC C18、1.6μm、2.1×50mmであった。95%A(A:0.1%ギ酸/水)で始まり、95%B(B:0.1%ギ酸/MeCN)で終わる2.0分の線形グラジエントを適用し、ランタイムは合計2.5分であった。カラム温度は40℃、流速は0.8mL/分であった。
【0198】
中間体1
【化11】
2-クロロ-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド:cis-3-アミノ-1-メチルシクロブタノールHCl塩(1.1g、7.99mmol)のDCM(15mL)中溶液にDMF(2mL)及びN-メチルモルホリン(2.43g、24.0mmol)を加えた。反応混合物に2-クロロアセチルクロリド(903mg、7.99mmol)のDCM(2mL)中溶液を-78℃で滴加した。反応混合物を20℃で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.81 (br s, 1H), 4.10-3.96 (m, 3H), 2.59-2.48 (m, 2H), 2.14-2.04 (m, 2H), 1.39 (s, 3H).
【0199】
中間体2
【化12】
2-(3,4-ジクロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:5,6-ジクロロピリダジン-3(2H)-オン(40g、242mmol)及び2-ブロモ酢酸メチル(37.8g、247mmol)のDMF(500mL)中溶液にCsCO(79g、242mmol)を加えた。反応混合物を15℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(2000mL)中に注ぎ、EtOAc(3×700mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(700mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得、これを更に精製することなく直接使用した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.13 (s, 1H), 4.83 (s, 2H), 3.79 (s, 3H).
【0200】
2-(3-クロロ-4-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3,4-ジクロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(58g、245mmol)のMeOH(300mL)中溶液にMeONa(MeOH中5M、53.8mL)を0℃で加えた。反応混合物を15℃で1時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl(300mL)中に注ぎ、減圧下で濃縮した。残りの水溶液をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をMTBE(500mL)でトリチュレートし、次いで、濾過して、所望の生成物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.22 (s, 1H), 4.81 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.78 (s, 3H).
【0201】
2-(4-メトキシ-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:1,4-ジオキサン(600mL)及びHO(150mL)中の2-(3-クロロ-4-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(47.6g、205mmol)、2-イソプロペニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(51.5g、307mmol)及びCsCO(133g、409mmol)の混合物にPd(dppf)Cl(7.49g、10.2mmol)を加えた。反応混合物を110℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(1000mL)を加えてクエンチし、DCM(3×400mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 239.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.18 (s, 1H), 5.64 (dd, J = 0.8, 1.5 Hz, 1H), 5.41 (quin, J = 1.6 Hz, 1H), 4.85 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.08 - 2.00 (m, 3H).
【0202】
2-(3-イソプロピル-4-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-メトキシ-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(15g、63.0mmol)のMeOH(150mL)中溶液にPd(5g、10wt%炭素担持)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで3回パージした。反応混合物をHの雰囲気下30℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 241.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.13 (s, 1H), 4.93-4.72 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.13 (spt, J = 6.8 Hz, 1H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0203】
2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-イソプロピル-4-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(18.8g、78.3mmol)の1,4-ジオキサン(200mL)中溶液にPOBr(44.9g、157mmol)を加えた。反応混合物を110℃で1時間攪拌した。反応混合物を氷水(300mL)中に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 289.1, 291.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.27 (s, 1H), 4.85 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.27 (spt, J = 6.8 Hz, 1H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0204】
中間体3
【化13】
2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:THF(60mL)及びHO(15mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)酢酸メチル(5.8g、20.1mmol)の溶液にLiOH・HO(1.68g、40.1mmol)を加えた。反応混合物を20℃で1時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)中に注ぎ、MTBE(3×40mL)で洗浄した。次いで、水層にHCl(2N)水溶液を加えてpH=3に調整し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせたEtOAc層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。LCMS: m/z = 275.2, 277.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.40 (br s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.89 (s, 2H), 3.27 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0205】
2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド:2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(2.0g、7.27mmol)のDMF(30mL)中溶液にHATU(4.15g、10.9mmol)及びDIPEA(3.76g、29.1mmol)を加えた。反応混合物を20℃で0.5時間攪拌し、次いで、cis-3-アミノ-1-メチルシクロブタノールHCl塩(1.65g、11.96mmol)を加えた。得られた反応混合物を20℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(150mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 358.1, 360.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.29 (s, 1H), 6.60 (br d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.22-3.20 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 2.57-2.46 (m, 2H), 2.09-1.96 (m, 2H), 1.37 (s, 3H), 1.25 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0206】
中間体4
【化14】
2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(50mL)及びTHF(50mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)酢酸メチル(3.0g、10.4mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(3.5g、31.1mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、15.6mL)を加えた。反応混合物を110℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(120mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 370.0, 372.0 [M+H]
【0207】
中間体5
【化15】
(R)-2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(1-エチルピペリジン-3-イル)アセトアミド:2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(700mg、2.54mmol)のDMF(8mL)中溶液に(R)-1-エチルピペリジン-3-アミン塩酸塩(563mg、2.80mmol)、DIPEA(1.32g、10.2mmol)及びHATU(1.94g、5.09mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得、これを逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 385.0, 387.0 [M+H]
【0208】
実施例1
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(3-イソプロピル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド
【化16】
6-クロロ-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン:HO(1mL)及び1,4-ジオキサン(10mL)中の5,6-ジクロロピリダジン-3(2H)-オン(500mg、3.03mmol)、フェニルボロン酸(296mg、2.42mmol)、及びKCO(838mg、6.06mmol)の混合物にPd(dppf)Cl(222mg、0.30mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液をHO(20mL)中に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製した。LCMS: m/z = 207.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 12.49 (br s, 1H), 7.63-7.41 (m, 5H), 6.98 (s, 1H).
【0209】
5-フェニル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン:1,4-ジオキサン(5mL)及びHO(0.5mL)中の6-クロロ-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(220mg、1.06mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(267mg、1.59mmol)の溶液にPd(dppf)Cl(78mg、0.11mmol)及びKCO(293mg、2.12mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液をHO(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製した。LCMS: m/z = 213.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.46-7.33 (m, 5H), 6.87 (s, 1H), 5.23-5.17 (m, 1H), 4.96 (s, 1H), 1.80 (s, 3H).
【0210】
6-イソプロピル-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン:5-フェニル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(150mg、0.71mmol)のMeOH(10mL)中溶液にPd(70mg、10wt%炭素担持)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで3回パージした。反応混合物をH(15psi)下15℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 215.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.51-7.43 (m, 3H), 7.32-7.26 (m, 2H), 6.77 (s, 1H), 3.04-2.95 (m, 1H), 1.10 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0211】
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(3-イソプロピル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド:6-イソプロピル-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(40mg、0.19mmol)及び2-クロロ-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(33mg、0.19mmol)のCHCN(2mL)中溶液にCsCO(91mg、0.28mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液をHO(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 356.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.55-7.40 (m, 3H), 7.32-7.26 (m, 2H), 7.08 (br d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.77 (s, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.18-3.91 (m, 1H), 3.06-2.95 (m, 1H), 2.89 (s, 1H), 2.55-2.49 (m, 2H), 2.07 (br t, J = 10 Hz, 2H), 1.36 (s, 3H), 1.10 (d, J = 6.4 Hz, 6H).
【0212】
実施例2
以下の化合物は、上記と同様の手順を介して製造した。または、製造することができる。
【表3】
【0213】
実施例3
2-(3-エチル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド
【化17】
5-フェニル-6-ビニルピリダジン-3(2H)-オン:1,4-ジオキサン(10mL)及びHO(1mL)中の6-クロロ-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(230mg、1.11mmol)及びカリウムトリフルオロ(ビニル)ボラート(1.49g、11.13mmol)の溶液にPd(dppf)Cl(81mg、0.11mmol)及びCsCO(725mg、2.23mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液をHO(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製した。LCMS: m/z = 199.1 [M+H]
【0214】
6-エチル-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン:5-フェニル-6-ビニルピリダジン-3(2H)-オン(130mg、0.66mmol)のMeOH(10mL)中溶液にPd(70mg、10wt%炭素担持)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで3回パージした。反応混合物をHの雰囲気(15psi)下15℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。LCMS: m/z = 201.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.93 (br s, 1H), 7.49-7.45 (m, 3H), 7.43-7.39 (m, 2H), 6.62 (s, 1H), 2.48-2.44 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
【0215】
2-(3-エチル-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド:6-エチル-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(50mg、0.25mmol)及び2-クロロ-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(45mg、0.25mmol)のCHCN(3mL)中溶液にCsCO(122mg、0.37mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間攪拌した。反応混合物をHO(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 342.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.56-7.42 (m, 3H), 7.31 (m, 2H), 6.90 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 4.84 (s, 2H), 4.13-3.84 (m, 1H), 2.65-2.47 (m, 4H), 2.41 (br s, 1H), 2.08 (br t, J = 10.4 Hz, 2H), 1.38 (s, 3H), 1.07 (t, J = 7.6 Hz, 3H).
【0216】
実施例4
2-(4-(2-クロロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド
【化18】
2-(4-(2-クロロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:1,4-ジオキサン(2mL)及びHO(0.5mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.35mmol)及び(2-クロロフェニル)ボロン酸(59mg、0.38mmol)の溶液にPd(dppf)Cl(13mg、0.017mmol)及びCsCO(225mg、0.69mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(5mL)中に溶解し、MTBE(2×3mL)で洗浄した。次いで、水相にHCl(3N)水溶液を加えてpH=3に調整した。水相をEtOAc(2×3mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを2-(4-(2-クロロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチルと2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸の混合物(1:1のモル比)として直接使用した。
【0217】
2-(4-(2-クロロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド:DMF(3mL)中の2-(4-(2-クロロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル及び2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(100mg、1:1のモル比)ならびにcis-3-アミノ-1-メチル-シクロブタノールHCl塩(47mg、0.34mmol)の混合物にDIPEA(121mg、0.94mmol)及びHATU(178mg、0.47mmol)を加えた。反応混合物を20℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2×3mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製し、次いで、逆相HPLCによって更に精製した。LCMS: m/z = 390.0 [M+H]H-NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.53-7.49 (m, 1H), 7.46-7.36 (m, 2H), 7.25 (m, 1H), 6.79-6.77 (m, 2H), 4.96-4.74 (m, 2H), 4.06-3.96 (m, 1H), 2.75-2.62 (m, 1H), 2.59-2.49 (m, 2H), 2.12-1.97 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.20 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.00 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0218】
実施例5~6
以下の化合物は、上記と同様の手順を介して製造され、または製造することができる。
【表4】
【0219】
実施例7
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(3-イソプロピル-4-(3-メトキシフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド
【化19】
1,4-ジオキサン(2mL)及びHO(0.5mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(80mg、0.22mmol)及び(3-メトキシフェニル)ボロン酸(41mg、0.27mmol)の混合物にKCO(62mg、0.44mmol)及びPd(dppf)Cl(16mg、0.022mmol)を加えた。反応混合物を100℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 386.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.39 (m, 1H), 7.00 (m, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.84-6.76 (m, 3H), 4.83 (s, 2H), 4.01 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.10-2.95 (m, 1H), 2.63-2.42 (m, 2H), 2.13-1.99 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.12 (d, J = 7.2 Hz, 6H).
【0220】
実施例8~16
以下の化合物は、上記と同様の手順を介して製造され、または製造することができる。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0221】
実施例17
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(3-イソプロピル-6-オキソ-4-(ピリジン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド
【化20】
2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(100mg、0.30mmol)及びトリブチル(2-ピリジル)スタンナン(154mg、0.42mmol)のDMF(2mL)中溶液にPd(PPhCl(20mg、0.03mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(15mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 357.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.72-8.71 (m, 1H), 7.87-7.83 (m, 1H), 7.44-7.38 (m, 2H), 6.93-6.91 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.03-3.97 (m, 1H), 3.31-3.25 (m, 1H), 2.63 (s, 1H), 2.54-2.49 (m, 2H), 2.07-2.02 (m, 2H), 1.36 (s, 3H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0222】
実施例18
2-(3-クロロ-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド
【化21】
CHCN(1mL)中の6-クロロ-5-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(50mg、0.24mmol)及びCsCO(118mg、0.36mmol)の混合物に2-クロロ-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(45mg、0.25mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 348.1 [M+H]H-NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.53-7.48 (m, 3H), 7.47-7.41 (m, 2H), 6.96 (s, 1H), 6.50 (br d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 4.16-3.96 (m, 1H), 2.76-2.46 (m, 2H), 2.20 (br s, 1H), 2.17-1.91 (m, 2H), 1.39 (s, 3H).
【0223】
実施例19
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(3-メトキシ-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド
【化22】
2-(3-クロロ-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(50mg、0.14mmol)のMeOH(1mL)中溶液にNaOMeの溶液(0.06mL、MeOH中5M)を加えた。反応混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCによって直接精製した。LCMS: m/z = 344.2 [M+H]H-NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.57-7.52 (m, 2H), 7.49-7.45 (m, 3H), 6.97 (s, 1H), 6.84 (br d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.72 (s, 2H), 4.07-3.94 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 2.60-2.48 (m, 2H), 2.14-2.01 (m, 3H), 1.38 (s, 3H).
【0224】
実施例20
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(6-イソプロピル-3-オキソ-5-フェニル-1,2,4-トリアジン-2(3H)-イル)アセトアミド
【化23】
3-メチル-1-フェニルブタン-1,2-ジオン:3-メチル-1-フェニルブタン-2-オン(500mg、3.08mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中溶液にSeO(684mg、6.16mmol)を加えた。反応混合物を100℃で15時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)中に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.97-7.91 (m, 2H), 7.69-7.62 (m, 1H), 7.55-7.48 (m, 2H), 3.36 (m, 1H), 1.21 (d, J = 7.2 Hz, 6H).
【0225】
6-イソプロピル-5-フェニル-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン:3-メチル-1-フェニルブタン-1,2-ジオン(100mg、0.57mmol)のAcOH(1mL)中溶液にN-アミノウレアHCl塩(69mg、0.62mmol)及びNaOAc(51mg、0.62mmol)を加えた。反応混合物を120℃で15時間攪拌した。反応混合物を水(8mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 12.07 (br s, 1H), 7.65-7.59 (m, 2H), 7.58-7.48 (m, 3H), 3.28 (m, 1H), 1.17 (d, J = 7.2 Hz, 6H).
【0226】
N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-2-(6-イソプロピル-3-オキソ-5-フェニル-1,2,4-トリアジン-2(3H)-イル)アセトアミド:6-イソプロピル-5-フェニル-1,2,4-トリアジン-3(2H)-オン(80mg、0.37mmol)及び2-クロロ-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(66mg、0.37mmol)のDMF(2mL)中溶液にCsCO(145mg、0.45mmol)を加えた。反応混合物を90℃で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCによって直接精製した。LCMS: m/z = 357.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.64-7.45 (m, 6H), 4.84 (s, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.43 (br s, 1H), 3.24 (m, 1H), 2.47 (m, 2H), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.32 (s, 3H), 1.15 (d, J = 7.2 Hz, 6H).
【0227】
実施例21~28
以下の化合物は、上記と同様の手順を介して製造され、または製造することができる。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0228】
実施例29
N-[(3R)-1-エチルピペリジン-3-イル]-2-(4-ナフタレン-1-イル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル)アセトアミド
【化24】
1,4-ジオキサン(1mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)-N-[rac-(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アセトアミド(18mg、0.05mmol)及び1-ナフチルボロン酸(16mg、0.09mmol)の混合物に水(0.14mL)中のKCO(62mg、0.44mmol)及びPd(PPh(11mg、0.01mmol)を加えた。反応混合物を80℃で20時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 433.9 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.93 (dd, J = 7.7, 6.4 Hz, 2H), 7.56-7.52 (m, 2H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.34 (dt, J = 7.0, 1.2 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.86 (d, J = 0.4 Hz, 1H), 4.99-4.87 (m, 2H), 4.21-4.17 (m, 1H), 2.72-2.60 (m, 2H), 2.57-2.43 (m, 4H), 2.27-2.20 (m, 1H), 1.86-1.53 (m, 4H), 1.10-1.06 (m, 3H), 1.04-0.96 (m, 6H).
【0229】
実施例30~32
以下の化合物は、適切な試薬を使用し、上記と同様の手順を介して製造され、または製造することができる。


【表7】
実施例33
N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)-2-(4-イソキノリン-8-イル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル)アセトアミド


【化25】
1,4-ジオキサン(1.5mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド(39mg、0.11mmol)及び8-イソキノリルボロン酸(36mg、0.21mmol)の混合物に水(0.13mL)中のKCO(58mg、0.42mmol)及びPd(PPh(18mg、0.15mmol)を加えた。反応混合物を80℃で20時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 419.6 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.21 (s, 1H), 9.03 (s, 1H), 8.79 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.87-7.81 (m, 2H), 7.53 (dd, J = 7.0, 0.9 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 5.60-5.39 (m, 2H), 2.56-2.49 (m, 1H), 1.04 (dd, J = 14.3, 6.8 Hz, 6H).
【0230】
実施例34
2-(3-エトキシ-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド
【化26】
EtOH(1mL)中のNaH(14mg、0.35mmol、純度60%)の混合物を20℃で15分間攪拌した。この溶液に2-(3-クロロ-6-オキソ-4-フェニルピリダジン-1(6H)-イル)-N-(cis-3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)アセトアミド(40mg、0.11mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、逆相分取HPLCによって直接精製した。LCMS: m/z = 358.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.60-7.53 (m, 2H), 7.47 (m, 3H), 6.96 (s, 1H), 6.94-6.84 (m, 1H), 4.70 (s, 2H), 4.27 (m, 2H), 4.05-3.91 (m, 1H), 2.60-2.45 (m, 2H), 2.17-1.99 (m, 2H), 1.42-1.26 (m, 6H).
【0231】
実施例35
2-[5-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化27】
2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:1,4-ジオキサン(200mL)及び水(40mL)中の2-(3,4-ジクロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(20g、59.1mmol、純度70%)の溶液に(3-フルオロフェニル)ボロン酸(12.4g、88.6mmol)、NaCO(12.5g、118mmol)及びPd(PPh(3.4g、2.9mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間攪拌した。混合物を水(200mL)中に注ぎ、NaHCOでpH=9に調整した。混合物をEtOAc(150mL)で抽出した。水相をHCl(3M)水溶液でpH=5に調整し、EtOAc(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 283.1, 285.1 [M+H]
【0232】
2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:1,4-ジオキサン(160mL)及び水(40mL)中の2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(16g、56mmol)の溶液に4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(47g、283mmol)、CsCO(74g、226mmol)、及びPd(dppf)Cl(4.2g、5.7mmol)を加えた。混合物を110℃で16時間攪拌した。混合物を水(200mL)中に注ぎ、EtOAc(150mL)で抽出した。水相をHCl(3M)水溶液でpH=5に調整し、EtOAc(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 289.2 [M+H]
【0233】
2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(16g、55mmol)のMeCN(160mL)中溶液に(ジアゾメチル)トリメチルシラン(n-ヘキサン中2M、55.5mL)を0℃で加えた。混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をAcOHに加えてpH=6に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 303.3 [M+H]
【0234】
2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(10g、33mmol)のEtOAc(70mL)中溶液にPd/C(2g、純度10%)を加えた。混合物をH(15psi)下20℃で2時間攪拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 305.1 [M+H]
【0235】
2-(5-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(5mL)及びMeCN(5mL)中の2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(500mg、1.64mmol)及びプロピオン酸(6g、82mmol)の溶液に(NH(936mg、4.10mmol)及びAgNO(557mg、3.28mmol)を加えた。混合物を20℃で16時間攪拌した。次いで、混合物を50℃で更に4時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×8mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(8mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。LCMS: m/z = 333.2 [M+H]
【0236】
2-[5-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(2mL)及びTHF(2mL)中の2-(5-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(190mg、0.57mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(194mg、1.71mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.86mL)を20℃で一度に加えた。混合物を110℃で4時間攪拌した。反応混合物を冷HO(8mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 414.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.40 (br s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.50 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.53-7.43 (m, 1H), 7.21-7.12 (m, 1H), 6.97 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.91 (br d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.34 (s, 2H), 2.59 (m, 1H), 2.37 (m, 2H), 1.11-1.01 (m, 9H).
【0237】
実施例36
2-[4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化28】
2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(5mL)及びMeCN(5mL)中の2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(500mg、1.64mmol)及びAcOH(4.93g、82.2mmol)の溶液にアンモニア;スルホオキシ硫酸水素塩(937mg、4.11mmol)及びAgNO(558mg、3.29mmol)を加えた。反応混合物を20℃で16時間攪拌した。反応混合物をブライン(30mL)中に注ぎ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 319.1 [M+H]
【0238】
2-[4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(110mg、0.34mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(117mg、1.04mmol)のトルエン(5mL)中溶液にAlMe(トルエン中2M、0.5mL、1.04mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 400.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.14 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.62-7.41 (m, 1H), 7.16 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.37 (s, 2H), 2.65 (m, 1H), 1.96 (s, 3H), 1.08 (t, J = 6.8 Hz, 6H).
【0239】
実施例37
2-[5-(ジフルオロメチル)-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化29】
2-(5-(ジフルオロメチル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(6mL)及びMeCN(1.5mL)中の2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(1.0g、3.29mmol)及び2,2-ジフルオロ酢酸(442mg、4.60mmol)の溶液に水(2mL)中のTFA(75mg、0.66mmol)及びAgNO(112mg、0.66mmol)を55℃で加えた。この混合物に水(6mL)中のアンモニア;スルホオキシ硫酸水素塩(1.2g、5.26mmol)を加えた。反応混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を冷水(10mL)中に注ぎ、EtOAc(3×8mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.48 (td, J = 8.0, 5.6 Hz, 1H), 7.17-7.23 (m, 1H), 7.05 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 5.98 (t, J = 53.2 Hz, 1H), 5.01 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.64-2.73 (m, 1H), 1.08 (dd, J = 10.4, 6.8 Hz, 6H).
【0240】
2-[5-(ジフルオロメチル)-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(1mL)及びTHF(0.5mL)中の2-(5-(ジフルオロメチル)-4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.28mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(96mg、0.85mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.42mL)を加えた。反応混合物を110℃で5時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 436.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.78 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.53 (m, 2H), 7.44-7.52 (m, 1H), 7.20 (td, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.00 (br d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.87 (t, J = 53.2 Hz, 1H), 5.53 (s, 2H), 2.64-2.73 (m, 1H), 1.09 (dd, J = 9.6, 6.8 Hz, 6H).
【0241】
実施例38
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化30】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(3mL)及びMeCN(3mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(300mg、0.93mmol)、AcOH(2.79g、46.54mmol)、(NH(531mg、2.33mmol)及びAgNO(316mg、1.86mmol)の混合物を20℃で16時間攪拌した。反応混合物をブライン(8mL)中に注ぎ、混合物をEtOAc(3×3mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(8mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 337.2 [M+H]
【0242】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(1mL)及びTHF(1mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(60mg、0.18mmol)の溶液に5-フルオロピリミジン-4-アミン(61mg、0.54mmol)及びAlMe(トルエン中2M、0.54mmol、0.27mL)をN下で加えた。混合物を110℃で3時間攪拌した。混合物を水(3mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(3mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 418.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.78 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.96-6.87 (m, 1H), 6.77-6.70 (m, 2H), 5.39 (s, 2H), 2.66-2.58 (m, 1H), 1.97 (s, 3H), 1.10 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0243】
実施例39
N-[(3R)-1-シクロプロピルピペリジン-3-イル]-2-[4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]アセトアミド
【化31】
(R)-tert-ブチル=3-(2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート:EtOAc(7mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)酢酸(0.7g、2.54mmol)及びtert-ブチル=(3R)-3-アミノピペリジン-1-カルボキシラート(559mg、2.8mmol)の混合物にDIEA(1.3g、10.2mmol)及びT3P(3.02mL、5.1mmol、EtOAc中純度50%)を0℃で加えた。混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×8mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(8mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 357.1, 359.1 [M-99]
【0244】
(R)-tert-ブチル=3-(2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート:1,4-ジオキサン(3mL)及び水(0.5mL)中の(R)-tert-ブチル=3-(2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート(300mg、0.65mmol)及び(3-フルオロフェニル)ボロン酸(110mg、0.78mmol)の混合物にCsCO(427mg、1.3mmol)及びPd(dppf)Cl(48mg、0.065mmol)の混合物を加えた。混合物を100℃で3時間攪拌した。残渣を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(8mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 373.2 [M-99]
【0245】
(R)-2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(ピペリジン-3-イル)アセトアミドHCl塩:(R)-tert-ブチル=3-(2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)アセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート(370mg、0.78mmol)のHCl(EtOAc中4M、5mL)中溶液を2時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 373.1 [M+H]
【0246】
N-[(3R)-1-シクロプロピルピペリジン-3-イル]-2-[4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]アセトアミド:(R)-2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)-N-(ピペリジン-3-イル)アセトアミドHCl塩(40mg、0.1mmol)のMeOH(2.5mL)中溶液にEtN(19.8mg、0.19mmol)を加えた。反応物を20℃で0.5時間攪拌し、続いて、AcOH(0.5mL)、(1-エトキシシクロプロポキシ)-トリメチル-シラン(34.1mg、0.19mmol)、MgSO(23.6mg、0.19mmol)、及びNaBHCN(12.3mg、0.19mmol)を加えた。反応混合物を60℃で更に12時間攪拌した。混合物を濾過し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 413.2 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.46 (m, 1H), 7.18 (dt, J = 2.0, 8.4 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.52 (br d, J = 6.6 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 4.06 (br s, 1H), 3.02-2.93 (m, 1H), 2.73-2.71 (m, 1H), 2.57 (br s, 2H), 2.35-2.33 (m, 1H), 1.64-1.45 (m, 4H), 1.11 (t, J = 6.2 Hz, 6H), 0.48-0.38 (m, 2H), 0.33-0.24 (m, 1H), 0.19-0.09 (m, 1H).
【0247】
実施例40
2-[3-シクロブチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-[(3R)-1-エチルピペリジン-3-イル]アセトアミド
【化32】
2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:1,4-ジオキサン(200mL)及び水(40mL)中の2-(3,4-ジクロロ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(20g、59.1mmol)の溶液に(3-フルオロフェニル)ボロン酸(12.4g、88.6mmol)、NaCO(12.5g、118mmol)、及びPd(PPh(3.4g、2.9mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間攪拌した。混合物を水(200mL)中に注ぎ、NaHCOでpH=9に調整した。混合物をEtOAc(150mL)で抽出した。水相をHCl(3M)水溶液でpH=5に調整し、EtOAc(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を直接使用した。LCMS: m/z = 283.1, 285.1 [M+H]+.
【0248】
2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(2.0g、7.08mmol)のMeCN(30mL)中溶液にジアゾメチル(トリメチル)シラン(n-ヘキサン中2M7.08mL)を0℃で加えた。混合物を20℃で16時間攪拌した。混合物にNHCl水溶液(60mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 297.2, 299.2 [M+H]+.
【0249】
2-(3-シクロブチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸:シクロブチル亜鉛(II)ブロミド(THF中0.5M、10.1mL)の1,4-ジオキサン(5mL)中溶液にPd(dppf)Cl(74mg、0.1mmol)及び2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチルを加えた。混合物を80℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 303.3 [M+H]+.
【0250】
2-[3-シクロブチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-[(3R)-1-エチルピペリジン-3-イル]アセトアミド:2-(3-シクロブチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸(20mg、0.07mmol)及び(R)-1-エチルピペリジン-3-アミン塩酸塩(16mg、0.10mmol)のDMF(2mL)中溶液にDIPEA(26mg、0.20mmol)及びHATU(50mg、0.13mmol)を加えた。混合物を20℃で3時間攪拌した。反応混合物を逆相分取HPLCによって直接精製した。LCMS: m/z = 413.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.43 (td, J = 8.0, 5.6 Hz, 1H), 7.16 (td, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.96 (br d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.82 (br s, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.82-4.93 (m, 2H), 4.11-4.13 (m, 1H), 3.42 (m, 1H), 2.33-2.65 (m, 5H), 2.16-2.31 (m, 3H), 1.89-2.06 (m, 5H), 1.64-1.78 (m, 3H), 1.03 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0251】
実施例41
2-[4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(3-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド
【化33】
2-[4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(3-フルオロピリジン-2-イル)アセトアミド:トルエン(3mL)中の2-(4-(3-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.33mmol)及び3-フルオロピリジン-2-アミン(48mg、0.43mmol)の混合物にAlMe(トルエン中2M、0.49mL)を加えた。混合物をN下100℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 385.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.66 (br s, 1H), 8.22 (br d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.52-7.39 (m, 2H), 7.21-7.15 (m, 1H), 7.14-7.06 (m, 2H), 7.03 (br d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.33 (br s, 2H), 2.97 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0252】
実施例42
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化34】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(2.5mL)及びTHF(5mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(880mg、1.52mmol)、(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン酸(200mg、1.27mmol)、CsF(577mg、3.80mmol)の混合物にPd(dppf)Cl(93mg、0.13mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 323.2 [M+H]
【0253】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(2mL)及びTHF(2mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.31mmol)、5-フルオロピリミジン-4-アミン(105mg、0.93mmol)の混合物にAlMe(トルエン中2M、0.5mL)をN下20℃で滴加した。混合物を110℃で3時間攪拌した。反応混合物を0℃のHO(10mL)中に注ぎ、EtOAc(4×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(2×10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 404.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.03 (br s, 1H), 8.77 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.98-6.90 (m, 1H), 6.89-6.80 (m, 3H), 5.43 (s, 2H), 2.98-2.90 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0254】
実施例43
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-アセトアミド
【化35】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-アセトアミド:トルエン(2mL)及びTHF(2mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(80mg、0.25mmol)及びピリミジン-2-アミン(71mg、0.74mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.37mL)を加えた。混合物を100℃で8時間攪拌した。反応混合物を氷冷した水(5mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 386.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.52 (br s, 1H), 8.66 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.05 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 6.93 (tt, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.89-6.84 (m, 2H), 6.80 (s, 1H), 5.52 (s, 2H), 2.98-2.88 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0255】
実施例44
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化36】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-アセトアミド:トルエン(1.5mL)及びTHF(1.0mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.31mmol)及び5-フルオロピリミジン-2-アミン(105mg、0.93mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.47mL)を加えた。混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を氷冷した水(5mL)中に注ぎ、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 404.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.37 (br s, 1H), 8.51 (s, 2H), 6.93 (tt, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.86 (br d, J = 5.4 Hz, 2H), 6.81 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.00-2.85 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0256】
実施例45
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)アセトアミド
【化37】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-アセトアミド:2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.31mmol)及び3,5-ジフルオロピリジン-2-アミン(48mg、0.37mmol)のトルエン(3mL)中溶液にAlMe(トルエン中2M、0.2mL)を加えた。混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を氷冷した水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 421.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.12 (br s, 1H), 8.12 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.25-6.92 (m, 1H), 6.87-6.78 (m, 3H), 5.27 (br s, 2H), 2.98-2.88 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0257】
実施例46
2-[4-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化38】
2-(4-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:THF(2.0mL)及び水(1.0mL)中の2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(200mg、0.69mmol)、(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)ボロン酸(133mg、0.76mmol)及びCsF(315mg、2.08mmol)の溶液にPd(dppf)Cl(51mg、0.07mmol)を加えた。混合物を110℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×4mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(4mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 339.1, 341.1 [M+H]
【0258】
2-[4-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:2-(4-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.3mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(50.1mg、0.44mmol)のトルエン(3.0mL)中溶液にAlMe(トルエン中2M、0.45mL)を加えた。混合物を50℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 420.1, 422.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.91 (br s, 1H), 8.78 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.22 (td, J = 2.0, 8.4 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.96 (dd, J = 1.2, 8.4 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.43 (s, 2H), 2.98-2.89 (m, 1H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0259】
実施例47
2-[4-[3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル]-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化39】
1-ブロモ-3-フルオロ-5-ビニルベンゼン:メチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(12.3g、34.5mmol)のTHF(125mL)中溶液にt-BuOK(2.87g、25.6mmol)を加えた。反応混合物を20℃で1時間攪拌した。反応混合物0°Cまで冷却した。次いで、3-ブロモ-5-フルオロベンズアルデヒド(5.0g、24.6mmol)のTHF(50mL)中溶液を滴加した。反応混合物を20℃で更に12時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液(100mL)で希釈し、石油エーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0260】
1-ブロモ-3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロベンゼン:1-ブロモ-3-フルオロ-5-ビニルベンゼン(50mg、0.25mmol)のCHCN(2.0mL)中溶液にTMSCF(354mg、2.49mmol)及びNaI(7mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物を110℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、MTBE(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。
【0261】
2-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン:4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(30mg、0.12mmol)、1-ブロモ-3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロベンゼン(20mg、0.08mmol)、及びKOAc(23mg、0.24mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)中溶液にPd(dppf)Cl・CHCl(20mg、0.02mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。LCMS: m/z = 299.2 [M+H]+.
【0262】
2-(4-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(1.0mL)及びTHF(2.0mL)中の2-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(100mg、0.11mmol)、2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(42mg、0.14mmol)、及びCsF(49mg、0.32mmol)の混合物にPd(dppf)Cl(8mg、0.01mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 381.2 [M+H]+.
【0263】
2-[4-[3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル]-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(1.0mL)及びTHF(1.0mL)中の2-(4-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-5-フルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(10mg、0.03mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(9mg、0.09mmol)の混合物にAlMe(トルエン中2M、0.039mL)を滴加した。反応混合物を110℃で3時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(4×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 462.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.02 (br s, 1H), 8.78 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.05 (br d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.99-6.89 (m, 2H), 6.83 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 2.94 (m, 1H), 2.83-2.75 (m, 1H), 2.01-1.88 (m, 1H), 1.75-1.68 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0264】
実施例48
2-[3-シクロプロピル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化40】
2-(3-クロロ-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:1,4-ジオキサン(6.0mL)中の2-(3,4-ジクロロ-6-オキソ-ピリダジン-1-イル)酢酸メチル(600mg、2.53mmol)、(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン酸(400mg、2.53mmol)、及びCsF(1.15g、7.59mmol)混合物にPd(dppf)Cl(93mg、0.13mmol)を加えた。反応混合物を100℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 315.1, 317.1 [M+H]
【0265】
2-(6-ブロモ-4-イソプロピル-1-オキソフタラジン-2(1H)-イル)-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)プロパンミド:1,4-ジオキサン(5.0mL)中の2-(3-クロロ-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.32mmol)、シクロプロピルボロン酸(136mg、1.59mmol)、及びCsF(144.82mg、0.953mmol)の混合物にPd(dppf)Cl(12mg、0.016mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 321.2 [M+H]
【0266】
2-[3-シクロプロピル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(5.0mL)中の2-(6-ブロモ-4-イソプロピル-1-オキソフタラジン-2(1H)-イル)-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)プロパンアミド(130mg、0.41mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(92mg、0.81mmol)の混合物にAlMe(トルエン中2M、0.30mL)を加えた。反応混合物を80℃で5時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、濾過した。濾液をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 402.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.88 (br s, 1H), 8.77 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.02 (br d, J = 5.6 Hz, 2H), 6.98-6.91 (m, 1H), 6.87 (s, 1H), 5.36 (s, 2H), 1.69-1.66 (m, 1H), 1.10-1.04 (m, 2H), 0.95-0.88 (m, 2H).
【0267】
実施例49
2-[3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化41】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-ビニルピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-クロロ-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(2.0g、6.36mmol)の1,4-ジオキサン(100mL)中溶液にカリウムビニルトリフルオロボラート(8.51g、63.6mmol)、CsF(2.90g、19.1mmol)、及びPd(dppf)Cl(465mg、0.64mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.89-6.99 (m, 3H), 6.84 (s, 1H), 6.36 (dd, J = 17.2, 10.8 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 17.2, 1.2 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 10.8, 1.2 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 3.83 (s, 3H).
【0268】
2-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-ビニルピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.33mmol)及びNaI(10mg、0.07mmol)のTHF(1.0mL)中溶液にTMSCF(929mg、6.53mmol)を滴加した。反応混合物を65℃で16時間攪拌した。進行中の反応5バッチを並行して行い、ワークアップのために合わせた。合わせた反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0269】
2-[3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(1.0mL)及びTHF(3.0mL)中の2-(3-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.28mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(25.39mg、0.22mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.28mL)を加えた。反応混合物を90℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 438.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.77 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.49-8.63 (m, 2H), 6.92-7.01 (m, 4H), 5.62 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.22-2.34 (m, 1H), 1.69-1.77 (m, 1H).
【0270】
実施例50
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-triフルオロエチル)ピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化42】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-ホルミル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:-78℃の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-ビニルピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(1.45g、4.73mmol)のDCM(20mL)中溶液をオゾンで0.5時間バブリングし、続いて、MeS(3.97g、63.9mmol)を加えた。反応混合物を昇温させ、20℃で15.5時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これを直接使用した。LCMS: m/z = 309.1 [M+H]+.
【0271】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:0℃の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-ホルミル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(1.40g、4.54mmol)のTHF(30mL)中溶液にTMSCF(3.23g、22.7mmol)及びTBAF(THF中1M、0.45mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間攪拌し、続いて、TBAF(THF中1M、9.08mmol)を加えた。反応混合物を20℃で更に4時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 379.1 [M+H]+.
【0272】
2-(3-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:0℃のピリジン(105mg、1.32mmol)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(250mg、0.66mmol)の混合物にSOCl(87mg、0.73mmol)及びDMF(5mg、0.66mmol)を加えた。反応混合物を50℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×2mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 397.1, 399.1 [M+H]+.
【0273】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-(1-クロロ-2,2,2-トリフルオロエチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.25mmol)のEtOAc(5.0mL)中溶液にPd/C(20mg、純度10%)を加えた。反応混合物をH雰囲気(15psi)下20℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得、それを直接使用した。LCMS: m/z = 363.1 [M+H]
【0274】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:トルエン(1.0mL)及びTHF(1.0mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(40mg、0.11mmol)の溶液に5-フルオロピリミジン-4-アミン(18mg、0.17mmol)及びAlMe(トルエン中2M、0.17mL)を加えた。反応混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 444.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.77 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.43 (br s, 1H), 6.98 (tt, J = 2.4, 8.8 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.89-6.83 (m, 2H), 5.58 (s, 2H), 3.42 (q, J = 9.6 Hz, 2H).
【0275】
実施例51
1-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-シクロプロパンカルボキサミド
【化43】
1-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)シクロプロパン-カルボン酸メチル:5-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(180mg、0.72mmol)及び2,4-ジブロモ酪酸メチル(206mg、0.79mmol)のDMF(4.5mL)中溶液にCsCO(937mg、2.88mmol)を加えた。反応混合物を45℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製した。LCMS: m/z = 349.0 [M+H]
【0276】
1-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]-N-ピリミジン-2-イル-シクロプロパンカルボキサミド:THF(1.0mL)及びトルエン(1.0mL)中の1-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)シクロプロパンカルボン酸メチル(80mg、0.23mmol)及びピリミジン-2-アミン(44mg、0.46mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.11mL)を加えた。反応混合物を70℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 412.2 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.97 (br. s, 1H), 8.70 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 7.24 (m, 3H), 6.86 (s, 1H), 2.96-2.89 (m, 1H), 1.87-1.83 (m, 2H), 1.45-1.39 (m, 2H), 1.06 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0277】
実施例52
2-[3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド
【化44】
2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-ビニルピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-クロロ-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(300mg、1.01mmol)及びカリウムビニルトリフルオロボラート(1.35g、10.11mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中溶液にCsF(307mg、2.02mmol)及びPd(dppf)Cl(74mg、0.1mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0278】
2-(3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソ-3-ビニルピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(280mg、0.98mmol)のEtOAc(10mL)中溶液にPd/C(100mg、純度10%)を加えた。混合物を真空下で脱気し、Hでパージした。反応混合物をHの雰囲気(15psi)下20℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、それを直接使用した。
【0279】
2-(3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:水(5.0mL)及びMeCN(5.0mL)中の2-(3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(140mg、0.48mmol)及びAcOH(1.45g、24.1mmol)の溶液にアンモニア;スルホオキシ硫酸水素(275mg、1.21mmol)及びAgNO(164mg、0.96mmol)を加えた。反応混合物を20℃で16時間攪拌し、次いで、50℃で更に4時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 305.1 [M+H]
【0280】
2-[3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-4-イル)アセトアミド:THF(1.0mL)及びトルエン(1.0mL)中の2-(3-エチル-4-(3-フルオロフェニル)-5-メチル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.33mmol)及び5-フルオロピリミジン-4-アミン(37mg、0.33mmol)の溶液にAlMe(トルエン中2M、0.50mL)を加えた。反応混合物を90℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 386.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.25-8.92 (m, 1H), 8.86-8.72 (m, 1H), 8.50 (br s, 1H), 7.52-7.45 (m, 1H), 7.16 (dt, J = 2.0, 8.4 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.90 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 2.36 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.08-1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H).
【0281】
実施例53
2-[3-(ジフルオロメチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化45】
2-(3-(ジフルオロメチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-ホルミル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(1.30g、4.22mmol)のBAST(13.1g、59.4mmol)中溶液を20℃で12時間攪拌した。反応混合物を氷冷した飽和NaHCO水溶液(50mL)中に注ぎ、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 6.98-6.94 (m, 3H), 6.90 (s, 1H), 6.42 (t, J = 53.6 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 3.84 (s, 3H).
【0282】
2-[3-(ジフルオロメチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド:トルエン(5.0mL)中の5-フルオロピリミジン-2-アミン(205mg、1.82mmol)及び2-(3-(ジフルオロメチル)-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(200mg、0.61mmol)の混合物にトリメチル-(4-トリメチルアルマヌイジル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)アルマヌイド(139mg、0.55mmol)を加えた。反応混合物を60℃で12時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(4×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCで精製し、続いて、分取SFCによって精製した。LCMS: m/z = 412.1 [M+H]H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 11.22 (s, 1H), 8.79 (s, 2H), 7.49-7.40 (m, 1H), 7.30 (br d, J = 6.0 Hz, 2H), 7.13 (s, 1H), 6.89 (t, J = 53.2 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H).
【0283】
実施例54
2-[4-(5-フルオロピリジン-3-イル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化46】
2-(4-(5-フルオロピリジン-3-イル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(4-ブロモ-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(200mg、0.69mmol)の1,4-ジオキサン(2.0mL)中溶液に(5-フルオロピリジン-3-イル)ボロン酸(292mg、2.08mmol)、CsF(315mg、2.08mmol)、及びPd(dppf)Cl(51mg、0.07mmol)を加えた。反応混合物を90℃で4時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×2mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 306.1 [M+H]
【0284】
2-[4-(5-フルオロピリジン-3-イル)-6-オキソ-3-プロパン-2-イルピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド:トルエン(1.0mL)及びTHF(0.5mL)中の2-(4-(5-フルオロピリジン-3-イル)-3-イソプロピル-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.33mmol)の溶液に5-フルオロピリミジン-2-アミン(111mg、0.98mmol)及びAlMe(トルエン中2M、0.49mL)を加えた。反応混合物を90℃で6時間攪拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×2mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 387.1 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.08 (br s, 1H), 8.61 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.51 (s, 2H), 8.44 (s, 1H), 7.42 (td, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.42 (br s, 2H), 2.93-2.84 (m, 1H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0285】
実施例55
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-フルオロプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化47】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-(3-クロロ-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(5.0g、15.9mmol)及び2-イソプロペニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(26.7g、158.9mmol)の1,4-ジオキサン(100mL)中溶液にCsF(7.24g、47.7mmol)及びPd(dppf)Cl(1.16g、1.59mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過した。濾液を水(150mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 321.0 [M+H]
【0286】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-イソプロペニル-6-オキソ-ピリダジン-1-イル]酢酸メチル(1.80g、5.62mmol)のDCM(30mL)中溶液に9-BBN(0.5MinTHF、39.3mL)を加えた。反応混合物を50℃で64時間攪拌した。反応混合物を水(60mL)で希釈し、飽和NaCO水溶液を加えてpH=8に調整した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、続いて、H(2.55g、22.48mmol、36%純度)を加えた。反応混合物を15℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和Na水溶液(20mL)を加えてクエンチし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 339.0 [M+H]
【0287】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-フルオロプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:0℃の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(300mg、0.887mmol)のDCM(3mL)中溶液にBAST(1.96g、8.87mmol、1.94mL)の溶液を加えた。反応混合物を25℃で16時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、DCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)を加えてクエンチした。得られた混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 341.0 [M+H]
【0288】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-フルオロプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド:2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(1-フルオロプロパン-2-イル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(100mg、0.294mmol)及び5-フルオロピリミジン-2-アミン(37mg、0.32mmol)のDCE(3.0mL)中溶液にトリメチル-(4-トリメチルアルマヌイジル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)アルマヌイド(75mg、0.29mmol)を加えた。反応混合物を80℃で24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 422.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.13-8.84 (m, 1H), 8.62-8.45 (m, 2H), 7.04-6.79 (m, 4H), 5.58-5.24 (m, 2H), 4.74-4.30 (m, 2H), 3.33-3.09 (m, 1H), 1.13 (dd, J = 1.2, 6.8 Hz, 3H).
【0289】
実施例56
2-[3-シクロブチル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化48】
1-シクロブチル-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エタノン:THF(15mL)中の1-ブロモ-3,5-ジフルオロ-ベンゼン(1.0g、5.18mmol)、(5-ジフェニルホスファニル-9,9-ジメチル-キサンテン-4-イル)-ジフェニル-ホスファン(60mg、0.11mmol)、Pd(dba)(48mg、0.05mmol)、及びt-BuONa(598mg、6.22mmol)の混合物に1-シクロブチルエタノン(1.02g、10.4mmol)を加えた。反応混合物を50℃で7時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0290】
(Z)-エチル=4-シクロブチル-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-オキソブタ-2-エノアート:トルエン(10mL)中の1-シクロブチル-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エタノン(1.0g、4.76mmol)及び2-オキソ酢酸エチル(971mg、4.76mmol)の混合物にEtN(3.64g、35.9mmol)を加えた。反応混合物を20℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0291】
6-シクロブチル-5-(3,5-ジフルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン:EtOH(5.0mL)中のエチル=(Z)-4-シクロブチル-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-4-オキソ-ブタ-2-エノアート(900mg、3.06mmol)の混合物にNHNH・HO(1.56g,30.6mmol)を加えた。反応混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。LCMS: m/z = 263.0 [M+H]
【0292】
2-(3-シクロブチル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:DMF(1.0mL)中の6-シクロブチル-5-(3,5-ジフルオロフェニル)ピリダジン-3(2H)-オン(40mg、0.15mmol)及び2-ブロモ酢酸メチル(35mg、0.23mmol)の混合物にCsCO(76mg、0.23mmol)を加えた。反応混合物を20℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を分取TLCによって精製した。LCMS: m/z = 335.0 [M+H]
【0293】
2-[3-シクロブチル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド:DCE(1.0mL)中の2-(3-シクロブチル-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(40mg、0.12mmol)及び5-フルオロピリミジン-2-アミン(41mg、0.36mmol)の混合物にAlMe(トルエン中2.0M、0.2mL)を加えた。反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 416.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.22 (br s, 1H), 8.52 (s, 2H), 6.92 (br t, J = 8.8 Hz, 1H), 6.86-6.78 (m, 3H), 5.43 (br s, 2H), 3.41 (quin, J = 8.4 Hz, 1H), 2.37-2.19 (m, 2H), 2.06-1.70 (m, 4H).
【0294】
実施例57
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド
【化49】
2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル:MeOH(10mL)中の2-(3-クロロ-4-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(500mg、1.59mmol)の混合物にNaOMe(129mg、2.38mmol)を加えた。反応混合物を35℃で12時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLCによって精製した。LCMS: m/z = 311.2 [M+H]+.
【0295】
2-[4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソピリダジン-1-イル]-N-(5-フルオロピリミジン-2-イル)アセトアミド:DCE(1.0mL)中の2-(4-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-メトキシ-6-オキソピリダジン-1(6H)-イル)酢酸メチル(50mg、0.16mmol)及び5-フルオロピリミジン-2-アミン(37mg、0.32mmol)の混合物にトリメチル-(4-トリメチルアルマヌイジル-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)アルマヌイド(54mg、0.21mmol)を加えた。反応混合物を80℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を逆相分取HPLC、続いて、分取SFCによって精製した。LCMS: m/z = 392.0 [M+H]H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.11 (br s, 1H), 8.50 (s, 2H), 7.16-7.04 (m, 2H), 7.01 (s, 1H), 6.93 (tt, J = 2.4, 8.8 Hz, 1H), 5.26 (br s, 2H), 3.89 (s, 3H).
【0296】
生物学的実施例1
化合物の生化学的アッセイ
本明細書で提供される化合物を以下のアッセイで試験した。RPMI1640培地(89%)、FBS(10%)、Pen/Strep(1%)、及び2-メルカプトエタノール(0.05mM)を含有する細胞培養培地を利用した。凍結培地は、90%FBS及び10%DMSOで構成された。THP-1細胞を液体窒素から取り出し、37℃の水浴に入れ、氷の痕跡が消えるまで解凍した。次いで、細胞を温めた細胞培養培地9mLに加え、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を捨て、細胞を新しい細胞培養培地に再懸濁させた。次いで、THP-1細胞を分割し、細胞培養培地中で培養し、2~3日ごとに継代した(5×10細胞/mLを2日ごとに継代、3×10細胞/mLを3日ごとに継代)。細胞密度は、5×10~1.5×10個の生細胞/mLに維持した。
【0297】
凍結するために、細胞を新しい凍結培地に再懸濁し、細胞密度を3×10~10×10細胞/mLに調整した。細胞懸濁液をバイアルあたりアリコート1mLに分注し、バイアルを-80℃のフリーザーに移した。-80℃で1日後、細胞バイアルを保管のための液体窒素フリーザーに移した。
【0298】
96ウェルフォーマットプレートの手順
PBST溶液を3600mLの水、400mLの10X PBS、及び4mLのTween(登録商標)20を混合することによって調製した。IFN-γ溶液を100μLの水で再構成して1mg/mLの溶液を得、次いで、これを0.1%BSAで希釈して、100μg/mLの溶液を得た。IFN-γ溶液を-20℃で保存した。LPSを1mLのPBS溶液で再構成して1mg/mLのストック溶液を得、これを更に無血清培地で50ng/mLに希釈した。LPS溶液を4℃で保存した。
【0299】
1日目:THP-1細胞のIFN-γによる分化
細胞培養培地中に1.0×10個のTHP-1細胞/mLを含有する懸濁液に、IFN-γ(最終濃度:25ng/mL)を加えた。この懸濁液100μLを所望の96ウェルプレートの各ウェルに分注した。次いで、96ウェルプレートを5%COの加湿雰囲気下37℃で24時間インキュベートした。
【0300】
2日目:LPS誘導及びIL-1β検出キット
LPS誘導:IFN-γ処理が完了した時点で、上清を手で捨てた。無血清培地中のLPSの1X溶液(50ng/mL)を100μL加えた。プレートを37℃のインキュベータで5%COの加湿雰囲気下4時間インキュベートした。試料化合物をDMSO中に溶解し、Tecan D300eデジタルディスペンサーを使用して化合物溶液をウェルに分注した。各ウェルのDMSOの最終濃度は0.5%であった。次いで、プレートを5%COの加湿雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。ATPの6X溶液を20μL加え(ウェルあたりの最終濃度:5mM)、プレートを5%COの加湿雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。次いで、上清を回収し、IL-Iβ検出キットを使用して分析した。必要であれば、分析するまで試験試料を-20℃で保存することもできる。
【0301】
化合物の希釈:化合物溶液のソースプレート(各化合物の10mM溶液20μLを所定のウェルに供給し、試験まで窒素キャビネットで保存した。
【0302】
Elisaプレートのコーティング:捕捉抗体(mAb Mt175)をPBSで2μg/mLの濃度に希釈し、次いで、これを使用してELISAプレート(SIGMA-P6366)を4℃で一晩コーティングした。
【0303】
3日目:IL-1β検出
抗体のコーティングを捨て、プレートをPBSTで4回洗浄した。0.1%Tween(登録商標)20を含むブロッキング緩衝液(LiCor-927-40000)を25μL/ウェルで加えることでプレートをブロッキングし、次いで、室温で1時間インキュベートした。次いで、ブロッキング緩衝液を捨て、プレートをPBSTで4回洗浄した。
【0304】
試験試料を加える1時間前に、試料プレートを室温で解凍し、1000rpmで1分間遠心分離し、30秒間振盪した。25μL/ウェルの試験試料をELISAプレートに移し、プレートを室温で2時間インキュベートした。
【0305】
試験試料を捨て、ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。次いで、ブロッキング緩衝液中の0.5μg/mL(1:1000)のmAb7P10-ビオチンを15μL/ウェルでELISAプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。
【0306】
抗体を捨て、ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。次いで、ブロッキング緩衝液で1:1000に希釈したストレプトアビジン-HRPを15μL/ウェルでELISAプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。
【0307】
ストレプトアビジン-HRPを捨て、プレートをPBSTで4回洗浄した。次いで、HRP基質を25μL/ウェルでELISAプレートに加えた。プレートを室温で1~2分間インキュベートすると、その間に溶液は青色に変化した。次いで、液体の反応停止溶液を25μL/ウェルでプレートに加えると、溶液は黄色に変化した。次いで、マイクロプレートリーダーで、プレートを450nmで読み取った。阻害率(%)は、以下のように算出した:
%阻害率=(処理した試料-高コントロール)/(低コントロール-高コントロール)×100
【0308】
試験した化合物の活性を以下の表3に提供する:+++=IC50<10μM;++=IC50 10~15μM;+=IC50>15μM。
【表8】
【0309】
384-ウェルプレートでのIL-1β分泌のアッセイ手順
PMAをDMSO中に溶解して5mg/mLのストック溶液を作製し、シングルユースのために10μlのアリコートで-20℃で保存した。正常な増殖培地にPMAを添加する。LPSを1mLの水溶液で希釈して1mg/mLのストック溶液を得、シングルユースのために15μlのアリコートで-20℃で保存した。ニゲリシンを氷冷100%エタノールで5mg/mL(6.7mM)に希釈し、シングルユースのために75μLのアリコートで-20℃で保存した。無血清培地は、RPMI1640培地(99%)、Pen/Strep(1%)、及び2-メルカプトエタノール(0.05mM)を含有する。試験化合物の用量反応曲線を定量及び正規化するために使用した2つのコントロール条件は次のとおりであった:高コントロール=25ng/mLのLPS、5μMのニゲリシン、0.5%DMSO、低コントロール=25ng/mLのLPS、0.5%DMSO。
【0310】
1日目:PMAによる分化
THP-1細胞を希釈し、1.0×10細胞/mLの濃度の懸濁液を得、所望の数のアッセイプレートが可能となるのに必要な懸濁液の総量を準備した。増殖培地にPMA(最終濃度5ng/mL)を添加し、細胞を5%COの加湿雰囲気下37℃で40時間インキュベートした。
【0311】
3日目:LPS及びニゲリシンの順次刺激によるプレーティング
各培養フラスコから全ての培地を注意深く吸引した。細胞を1x DPBSで注意深く洗浄した。次いで、細胞をトリプシンLEにより23℃で5分間手早く消化し、直ちに細胞増殖培地に再懸濁した。再懸濁後、細胞を1000rpmで3分間遠心分離し、上清を捨てた。細胞をDPBSに再懸濁し、もう一度1000rpmで5分間遠心分離した。上清を捨て、細胞ペレットをLPS(最終濃度25ng/mL)を添加した無血清培地に再懸濁することで、45μLの培地内の30KのTHP-1細胞を384ウェルPDLコートプレートの各ウェルに分注することが可能となった。次いで、384ウェルプレートを5%COの加湿雰囲気下37℃で2時間インキュベートした。その後、所望の濃度範囲にわたる試験化合物をTecanによって分注した。全てのウェルは、0.5%DMSOの最終濃度に正規化した。次いで、プレートを5%COの加湿雰囲気下37℃で1時間インキュベートした。その後、5μLの5mg/mLニゲリシンストック溶液を適切なウェルのそれぞれに加え、プレートを1000rpmで30秒間遠心分離した。プレートを直ちに5%COの加湿雰囲気下37℃のインキュベータに2時間戻した。この後、35μL/ウェルの上清を採取し、v底プレートに移し、1000rpmで1分間遠心分離した。これらの上清アリコートを、以下に記載されるようにIL-Iβ検出キットを使用して分析した。必要であれば、試験試料を急速凍結し、分析するまで-80℃で保存することもできる。
【0312】
IL-1β検出
各ELISAプレートを調製するために、捕捉抗体(mAb Mt175)をPBSで最終濃度2μg/mLに希釈し、次いで、この溶液の20μLをELISAプレートの各ウェルに加えた。各プレートを4℃で一晩インキュベートした。翌日、捕捉抗体溶液を除去し、捨てた。各ELISAプレートをPBSTで4回洗浄し、続いて、0.1%Tween(登録商標)20を添加したブロッキング緩衝液(Licor-927-40010)を25μL/ウェルで加えた。次いで、各ELISAプレートを23℃で1時間インキュベートした。この後、ブロッキング緩衝液を除去し、捨てた。各ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。この間に、アッセイランから得た上清アリコートを含むv底プレートを300gで5分間遠心分離した後、上清試料を15μL/ウェルで各ELISAプレートに移した。次いで、各ELISAプレートを23℃で2時間インキュベートした。この後、上清試料を除去し、捨てた。各ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。各ELISAプレートに0.5μg/mLのmAb 7P10-ビオチン(ブロッキング緩衝液で1:1000に希釈)を15μL/ウェルで加えた。次いで、各ELISAプレートを23℃で1時間インキュベートした。この後、抗体溶液を除去し、捨てた。各ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。各ELISAプレートにストレプトアビジン-HRP(ブロッキング緩衝液で1:2000に希釈)を20μL/ウェルで加えた。次いで、各ELISAプレートを23℃で1時間インキュベートした。この後、緩衝液を除去し、捨てた。各ELISAプレートをPBSTで4回洗浄した。各ELISAプレートにHRP基質を20μL/ウェルで加えた。次いで、各ELISAプレートを23℃で2分間インキュベートした。この後、各ELISAプレートに反応停止液を40μL/ウェルで加えた。各ELISAプレートを1200rpmで30秒間遠心分離した。
【0313】
次いで、マイクロプレートリーダーで、プレートを450nmで読み取った。阻害率(%)は、以下のように算出した:
%阻害率=(処理した試料-高コントロール)/(低コントロール-高コントロール)×100
【0314】
試験した化合物の活性を以下の表4に提供する。


【表9】
【0315】
別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0316】
本明細書に例示的に記載される本開示は、本明細書で具体的に開示されていない何らかの1つまたは複数の要素、1つまたは複数の制限がない場合でも好適に実施することができる。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、制限なく広範に解釈されるものとする。更に、本明細書で採用される用語及び表現は、説明のための用語として使用されており、限定するためのものではない。かかる用語及び表現の使用において、示される及び記載される特徴またはその部分の任意の等価物を除外することを意図するものではないが、本開示の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。
【0317】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それぞれが参照により個別に援用されるのと同様に、その全体が参照により明示的に援用される。矛盾する場合には、定義を含め、本明細書が優先する。
【0318】
本開示を上記の実施形態に関連して説明してきたが、前述の説明及び実施例は例示を意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示の範囲内の他の態様、利点及び変更は、本開示が関係する当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】