IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シアメン サンアン インテグレイテッド サーキット カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2023-532305炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法
<>
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図1
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図2
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図3
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図4
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図5
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図6
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図7
  • 特表-炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/872 20060101AFI20230720BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20230720BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
H01L29/86 301F
H01L29/86 301D
H01L29/86 301E
H01L29/91 K
H01L29/48 F
H01L29/48 E
H01L29/48 D
H01L29/86 301P
H01L29/48 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580919
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2021103440
(87)【国際公開番号】W WO2022002111
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010626798.6
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021269885.2
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010626793.3
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】16/928,373
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522501384
【氏名又は名称】シアメン サンアン インテグレイテッド サーキット カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SANAN INTEGRATED CIRCUIT CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】タオ、ヨンホン
(72)【発明者】
【氏名】リン、ジドン
(72)【発明者】
【氏名】ペン、ジガオ
【テーマコード(参考)】
4M104
【Fターム(参考)】
4M104AA03
4M104BB05
4M104BB06
4M104BB14
4M104BB16
4M104BB17
4M104BB18
4M104CC01
4M104CC03
4M104DD26
4M104DD37
4M104DD79
4M104EE05
4M104EE15
4M104EE17
4M104EE18
4M104FF11
4M104FF32
4M104FF35
4M104GG02
4M104GG03
4M104GG18
(57)【要約】
活性領域を含むSiCエピタキシャル層が設けられた第1表面、及び第2表面によって形成されるSiC基板を有する炭化ケイ素パワーダイオード装置が提供される。ショットキー金属層は活性領域上に設けられ、第1電極層はショットキー金属層上に設けられる。第1オーミック接触金属層はSiC基板上に設けられ、第2電極層は第1オーミック接触金属層上に設けられる。SiCエピタキシャル層の活性領域は、複数の第1P型領域、複数の第2P型領域、およびN型領域を含む。第1P型領域、およびオーミック接触金属層が設けられていない第2P型領域は、第2P型領域のサイズを最小にすると共に、第1P型領域の与えられるサイズのためにN型領域を最大にしつつ、離隔されている。第2オーミック接触金属層は、第1P型領域とショットキー金属層との間に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化ケイ素パワーダイオード装置であって、少なくとも、
活性領域を含むSiCエピタキシャル層が設けられた第1表面、及び第2表面によって形成されるSiC基板と、
前記SiCエピタキシャル層の活性領域の表面上に設けられるショットキー金属層と、
前記ショットキー金属層の表面上に設けられる第1電極層と、
前記SiC基板の第2表面上に設けられる第1オーミック接触金属層と、
前記第1オーミック接触金属層の表面上に設けられる第2電極層と、
第2オーミック接触金属層と、を備え、
前記SiCエピタキシャル層の活性領域は、複数の第1P型領域、複数の第2P型領域、およびN型領域を含み、
前記第1P型領域および前記第2P型領域は、前記第2P型領域のサイズを最小にすると共に、第1P型領域の与えられるサイズのためにN型領域を最大にしつつ、離隔されており、
前記第2オーミック接触金属層は、第1P型領域とショットキー金属層との間に配置されており、
前記第2P型領域には、オーミック接触金属層が設けられていない、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項2】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第2オーミック接触金属層は、前記第1P型領域を完全に覆う、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項3】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第2オーミック接触金属層は、第1P型領域を部分的に覆う、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項4】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域および前記第2P型領域はいずれもストリップ状であり、
前記第1P型領域の幅は、前記第2P型領域の幅よりも大きい、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項5】
請求項4に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域の幅はそれぞれ同じであり、前記第1P型領域は等間隔で配置されている、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項6】
請求項4に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域の幅はすべて同じではない、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項7】
請求項6に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域の対向する辺の間の距離は、隣り合う第1P型領域間で同じである、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項8】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域および前記第2P型領域は、ブロック状の領域である、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項9】
請求項8に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域のいずれか1つの表面積は、前記第2P型領域のいずれか1つの表面積よりも大きい、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項10】
請求項9に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域および前記第2P型領域は、矩形領域、台形領域、正多角形領域、円形領域、不定形領域、またはこれらの組み合わせからなる、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項11】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域および前記第2P型領域は、ストライプ状の領域およびブロック状の領域の組み合わせからなる、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項12】
請求項11に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
少なくとも1つの前記第1P型領域がストリップ状であり、少なくとも1つの前記第2P型領域がブロック状であり、
前記第1P型領域の1つの表面積は、前記第2P型領域の1つの表面積よりも大きい、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項13】
請求項11に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
少なくとも1つの前記第1P型領域がブロック状であり、少なくとも1つの第2P型領域がストリップ状であり、
前記第1P型領域の1つの半径方向の幅は、前記第2P型領域の1つの表面幅よりも大きい、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項14】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記N型領域の総表面積は、前記第1P型領域および前記第2P型領域を組み合わせた領域の総表面積の1~10倍である、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項15】
請求項14に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1P型領域の表面幅は1~10μmであり、2以上の前記第1P型領域が存在している、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項16】
請求項14に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第2P型領域の表面幅は、0.1μm以上である、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項17】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記第1オーミック接触金属層および前記第2オーミック接触金属層は、チタン、ニッケル、アルミニウム、金、タンタル、またはタングステンのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【請求項18】
請求項1に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置において、
前記ショットキー金属層は、チタン、タングステン、タンタル、ニッケル、モリブデン、または白金のいずれか1つまたはこれらの組み合わせである、炭化ケイ素パワーダイオード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の技術分野に関し、より詳細には、炭化ケイ素パワーダイオード装置および炭化ケイ素パワーダイオード装置を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のSiベースのデバイスと比較して、SiCデバイスには、動作周波数がより高く、動作損失がより少なく、動作温度がより高いという特性がある。SiCパワーデバイスの代表的なデバイスとして、SiCダイオードは、電源、新エネルギー車、および他の分野において広く使用されている。
【0003】
SiC SBD(Schottky Barrier Diode:ショットキーバリアダイオード)の順方向電圧は低く、動作周波数は高い。PiNダイオードの逆方向回復時間および損失は存在しない。ただし、逆阻止特性に劣るため、動作電圧は200V未満にしかなり得ず、満足できるものではない。650V/1200Vの高電圧分野における需要。
【0004】
SiC SBDの改良構造として、SiC JBS(Junction Barrier Schottky:ジャンクションバリアショットキー)では、SBDデバイス構造に基づいて、活性領域にP型注入を行う。PN比、注入ドーピング濃度、および注入量等のパラメータを調整することによって、リーク電流が大幅に低減され、JBSデバイスの逆素子特性が改善されるほか、デバイスの信頼性の向上も可能となる。ただし、JBSは、サージ耐力および安定性に劣ることから、屋外の耐サージ・耐雷試験環境では顧客のニーズを満たせない場合がある。
【0005】
SiC MPS(Merged PiN Schottky:組み合わせPiNショットキー)は、JBSおよびPiNダイオードの特性を組み合わせた新たなダイオード構造である。これは、活性領域のP型注入領域上にオーミック接触を形成する。大電流条件下では、PiNダイオードのポテンシャル障壁がオンとなり、デバイスの突入電流がさらに増加して、よりハイエンドな分野のニーズを満たすことができる。
【0006】
従来技術において、SiC MPSでは通例、複数のP型注入領域を活性領域に形成するとともに、オーミック接触金属を各P型注入領域上に成長させるが、既存の機器(リソグラフィ装置)およびエッチングプロセスの制約から、P型注入領域をより良好にエッチングしてオーミック接触金属の成長を促進するには、P型注入領域の面積を適切に大きくしてより良好なプロセスウィンドウを実現する必要があり、そうしなければ、過度に高いアスペクト比のため、エッチングおよび金属成長等のエッチング関連プロセスの実行が困難になり、また、デバイスの突入電流が十分に大きく電流が十分に安定することを確保するために、十分なP型注入領域を設定する必要があるものの、これはN型導電性領域の減少に直接つながり、順方向電圧の降下が大きくなるため、デバイスの伝導損失が増加する。したがって、N型導電性領域のサイズを確保する場合には、P型注入領域の数的要件と、小型化という設計の方向性と、の間に矛盾がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現行技術の欠点を克服して、MPSデバイスが良好な順方向サージ耐力および順方向伝導特性を有する一方で、狭隘なウィンドウによるオーミック接触プロセスの問題を回避する、炭化ケイ素パワーダイオード装置およびその作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は、以下の通りである。
炭化ケイ素パワーダイオード装置は、
SiC基板と、SiC基板の第1表面上に配設され、活性領域が設けられたSiCエピタキシャル層と、を少なくとも備える。
【0009】
SiCエピタキシャル層の活性領域の表面上には、ショットキー金属層が設けられる。
ショットキー金属層の表面上には、第1電極層が設けられる。
SiC基板の第2表面上には、第1オーミック接触金属層が設けられる。
【0010】
第1オーミック接触金属層の表面上には、第2電極層が設けられる。
活性領域は、少なくとも1つまたは複数の第1P型領域、複数の第2P型領域、およびN型領域を含む。第1P型領域および第2P型領域は離隔されており、第1P型領域の表面には、A第2オーミック接触金属層が設けられており、第2オーミック接触金属層は、第1P型領域とショットキー金属層との間に配置されており、第2P型領域には、オーミック接触金属層が設けられていない。
【0011】
その中でも、炭化ケイ素エピタキシャル層の活性領域には、第1P型領域のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)が与えられ、第2P型領域のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)は、最小化される、および(N型領域の最大サイズを含むがこれに限定されない)。
【0012】
ここで、第1P型領域の与えられるサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)は、第2P型領域(幅を含むがこれに限定されない)の設定のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)よりも大きい。
【0013】
その中でも、第2オーミック接触金属層は、第1P型領域を完全に覆う。
第2オーミック接触金属層は、第1P型領域を完全には覆わないバルク金属層である。
第1P型領域および第2P型領域はいずれもストリップ状であり、任意の第1P型領域の表面の幅は、任意の第2P型領域の幅よりも大きい。
【0014】
ここで、第1P型領域はそれぞれ、同じ幅を有し、等間隔で配置されている。
その中でも、第1P型領域の幅は、すべて同じではない。
ここで、隣り合う第1P型領域の隣り合う辺間の距離は、同じであり、すなわち、第1P型領域の対向辺間の距離は、隣り合う第1P型領域間で同じである。
【0015】
その中でも、第1P型領域および第2P型領域は、ブロック領域である。
ここで、任意の1つの第1P型領域の表面の平面積は、任意の1つの第2P型領域の表面の平面積よりも大きい。
【0016】
第1P型領域および第2P型領域は、矩形領域、台形領域、正多角形領域(正六角形等)、円形領域、不定形領域、またはこれらの組み合わせである。
ここで、第1P型領域および第2P型領域は、ストライプおよびブロック領域(たとえば、正方形領域)の組み合わせである。
【0017】
ここで、少なくとも1つの第1P型領域がストリップ状であり、少なくとも1つの第2P型領域がブロック状であり、第1P型領域の表面の平面積は、第2P型領域の表面の平面積よりも大きい。
【0018】
ここで、少なくとも1つの第1P型領域がブロック状であり、少なくとも1つの第2P型領域がバー状であり、任意の方向における第1P型領域の表面の半径方向の幅は、第2P型領域の表面の幅よりも大きい。
【0019】
N型領域の表面の総平面積は、第1P型領域の表面および第2P型領域の表面の総平面積の1~10倍である。
その中でも、任意の第1P型領域の表面の幅の値は、1~10μmであり、その数は2以上である。
【0020】
その中でも、任意の第2P型領域の表面の幅は、0.1μm以上である。
第1オーミック接触金属層および第2オーミック接触金属層は、Ti、Ni、Al、Au、Ta、またはWのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。
【0021】
ここで、ショットキー金属層は、Ti、W、Ta、Ni、Mo、またはPtのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。
炭化ケイ素パワーダイオード装置を製造するための方法は、
(1)N型活性領域を含むSiCエピタキシャル層をSiC基板の第1表面上に成長させるステップと、
(2)保護膜をSiCエピタキシャル層の表面上に堆積させ、エッチングによって複数の離間した注入ウィンドウをN型活性領域に開けて、N型活性領域の注入ウィンドウにイオン注入を実行するステップと、を含み、高温による活性化によって、N型活性領域は、少なくとも1つの第1P型領域と、間隔を空けて配置された複数の第2P型領域と、を形成する。
【0022】
(3)第1P型領域の表面は、金属層により全部または一部が覆われ、第2P型領域の表面は、金属層により覆われず、高温アニーリングによって、第1P型領域の表面上に第2オーミック接触金属層が形成される。
【0023】
(4)SiCエピタキシャル層は、高温でのアニーリングによってショットキー金属層を形成する金属層により覆われ、ショットキー金属層上に第1電極層が堆積される。
その中でも、ステップ(2)において、端子領域における注入領域がエッチングにより開けられ、端子領域の注入領域にイオン注入が実行され、活性化(高温活性化等)によって、端子領域が端子構造を形成する。
【0024】
その中でも、(5)第1パッシベーション層を端子構造の表面上に成長させ、第2パッシベーション層を第1パッシベーション層の表面上に形成して、エッチングによって第1電極層の接触領域を得るステップと、をさらに含み、第1オーミック接触金属層の表面上に第2電極層が堆積される。
【0025】
ここで、ステップ(3)またはステップ(5)は、SiC基板の第2層を金属層で覆うステップと、高温アニーリングによって第1オーミック接触金属層をSiC基板の第2表面上に形成するステップと、をさらに含み、第1オーミック接触金属層の表面上に第2電極層が堆積される。
【0026】
その中でも、第1オーミック接触金属層および第2オーミック接触金属層を形成するための高温アニーリングプロセスは、800℃ 1100℃ 1100℃で、時間が60秒~300秒であり、ショットキー金属層を形成する高温アニーリングプロセスは、温度が300℃~500℃で、時間が60秒~300秒である。
【0027】
その中でも、第1電極層の厚さは、25μmであり、第1パッシベーション層の厚さは、0.5 3μmであり、第2電極層の厚さは、2~5μmである。
ここで、第1オーミック接触金属層および第2オーミック接触金属層は、Ti、Ni、Al、Au、Ta、またはWのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。
【0028】
ここで、ショットキー金属層は、Ti、W、Ta、Ni、Mo、またはPtのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。
その中でも、第1P型領域および第2P型領域はいずれもストリップ状であり、1つの第1P型領域の表面積は、1つの第2P型領域の表面積よりも大きい。
【0029】
その中でも、第1P型領域および第2P型領域はいずれもブロック領域であり、1つの第1P型領域の表面積は、1つの第2P型領域の表面積よりも大きい。
その中でも、第1P型領域および第2P型領域は、ストリップ領域とブロック領域との組み合わせであり、第1P型領域がストリップで第2P型領域がブロック領域の場合、第1P型領域の表面積は、第2P型領域の表面積よりも大きく、第1P型領域がブロック領域で第2P型領域がストリップの場合、任意の方向における第1P型領域の表面の半径方向の幅、第2P型表面の幅。
【0030】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
本発明の炭化ケイ素パワーダイオード装置には、概ね2つの仕様のP型領域が設けられている。表面積がより大きく範囲がより幅広の第1P型領域の表面はオーミック接触金属により覆われ、表面積がより小さくより狭隘な表面積。第2P型領域の表面にはオーミック接触金属が存在しない。小電流条件下では電流が活性領域のN型領域を通過し、大電流条件下ではダイオードの順方向電圧が上昇し、オーミック接触に覆われた第1P型領域の表面により形成されたPiNダイオード障壁がオンとなる。この領域を電流が通過可能となるため、ダイオードのサージ電流耐力が向上する。
【0031】
本発明の炭化ケイ素パワーダイオード装置の作製方法は、本発明の炭化ケイ素パワーダイオード装置の作製に用いられる。小電流条件下では、ダイオードのN型領域は、電流を伝達する領域である。理論上、P型領域の表面積が同じという前提の下では、N型領域の表面積が大きいほど、ダイオードの順方向電流耐力が強くなる。大電流条件下では、理論上、N型領域の表面積が同じという前提の下では、オーミック接触金属により覆われるP型領域の表面積が大きいほど、ダイオードのサージ耐力が強くなる。したがって、ダイオードの順方向電流耐力とサージ耐力とをどう選定するかがデバイスの構造設計の焦点であり、難しさでもある。半導体装置およびプロセスの能力の問題から、オーミック金属接触を各P型注入領域上に構成するのに必要なエッチングプロセスの精度が高すぎる。プロセスの安定性および量産可能な種類に適合するために、オーミック金属によって覆われるP型領域の表面の幅は0.3umよりも大きく、したがってN型領域の表面積の一部が無駄になる。本発明の炭化ケイ素パワーダイオード装置では、2つの異なる仕様のP型領域を使用し、表面積がより大きく範囲がより幅広の第1P型領域の表面はオーミック接触金属によって覆われ、表面積がより小さくより狭隘な第2P型領域。そのゾーンの表面にはオーミック接触金属が存在しない。これら2つの組み合わせによって、ダイオードの同じサージ耐力を維持しつつ、ダイオードの電流密度を高くするとともに、オン電圧の降下を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態における活性領域の模式構造図である(第2オーミック接触金属層は、第1P型領域を完全に覆う)。
図2】第1実施形態の模式断面図である(第2オーミック接触金属層は、第1P型領域を完全に覆う)。
図3】第1実施形態に係る活性領域の模式構造図である(第2オーミック接触金属層は、バルク金属層である)。
図4】参考例の活性領域の構造の模式図である。
図5】参考例の模式断面図である。
図6】本発明のI‐V特性曲線と参考例とを比較した模式図である。
図7】第2実施形態における活性領域の模式構造図である。
図8】第3実施形態における活性領域の模式構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図中、10はSiC基板、20はSiCエピタキシャル層、21は活性領域、22は第1P型領域、23は第2P型領域、24はN型領域、25は端子領域、26は端子構造、30はショットキー金属層、40は第1電極層、50は第1オーミック接触金属層、60は第2電極層、70は第2オーミック接触金属層、81は第1パッシベーション層、82は第2パッシベーション層である。
【0034】
以下、図面および実施形態を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、順方向サージ耐力および順方向伝導特性、(オーミック金属堆積の影響を考慮する必要があるため)オーミックプロセスウィンドウを十分に狭くできない点等の、従来技術の既存のMPSデバイスの欠点を解決するための、炭化ケイ素を提供する。パワーダイオード装置およびその作製方法、特にMPSデバイスは、プロセス互換性の向上、複雑なプロセスの簡素化、ならびに順方向電圧の降下の抑制、高い逆電圧、および大きなサージ電流といった特性の実現を可能にする。
【0035】
第1実施形態
図1および図2に示すように、本発明の炭化ケイ素パワーダイオード装置すなわちMPSデバイスは、
SiC基板10を少なくとも具備し、
SiC基板10の第1表面上には、SiCエピタキシャル層20が設けられ、このSiCエピタキシャル層20には、活性領域21が設けられており、
SiCエピタキシャル層20の活性領域21の表面上には、ショットキー金属層30が設けられており、
ショットキー金属層30の表面上には、第1電極層40が配設されており、
SiC基板10の第2表面上には、第1オーミック接触金属層50が設けられており、
第1オーミック接触金属層50の表面上には、第2電極層60が配設されており、
活性領域21は、複数の第1P型領域22、複数の第2P型領域23、およびN型領域24を含み、第1P型領域22の表面には、第2オーミック接触金属層70が設けられている、すなわち、第1P型領域22。第2オーミック接触金属層70は、オーミック接触である。第2オーミック接触金属層70は、第1P型領域22とショットキー金属層30との間に配置されている。第2P型領域23には、オーミック接触金属層が設けられていない。すなわち、ショットキー金属層30によって直接覆われている。第2P型領域22に第2オーミック接触金属層70が設けられ、第2P型領域23にオーミック接触金属層が設けられていない構造に基づく。その中でも、SiCエピタキシャル層20の活性領域には、第1P型領域22のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)が与えられ、第2P型領域23のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)は、最小面積であって、N型領域24のサイズ(表面積を含むがこれに限定されない)を最大化する。さらに、所与の設定における第1P型領域22の領域サイズ(表面積を含むがこれに限定されない)は、第2P型領域23(表面積の幅を含むがこれに限定されない)の領域サイズ(表面積を含むがこれに限定されない)よりも大きい。
【0036】
本発明においては、活性領域21のサイズが固定されている条件下で、N型領域24の表面の平面積が大きくなるように第1P型領域22および第2P型領域23の表面の総平面積を縮小でき、第2P型領域23の幅が可能な限り狭く実装されてもよい。これにより、デバイスの総面積の増加なく、順方向電圧の降下が抑えられ、順方向伝導特性が向上する。本発明において、第1P型領域22の範囲内で電流を通す有効範囲のサイズは、第1P型領域22と第2オーミック接触金属層70との重畳面積のサイズによって実際に決まる。第1P型領域22が十分に大きいという事実に基づいて、第2オーミック接触金属層70の形状を多様化可能であり、良好な順方向サージ耐力を満たせると同時に、第2P型領域23を可能な限り狭隘化可能である。本発明において、第1P型領域22と第2P型領域23との間のサイズの関係は、以下の原理に従って選択可能である。すなわち、任意の第1P型領域22の表面がオーミック接触の全部または一部を覆う場合、任意の1つの第2P型領域23の表面がオーミック接触を完全に覆うものと仮定すると、第1P型領域22を通る電流の量を第2P型領域23よりも多くする必要がある。
【0037】
特定の実施態様において、第2オーミック接触金属層70は、第1P型領域22の範囲を超えて覆うような実装、第1P型領域22と実質的に一致するような実装、第1P型領域22よりもわずかに小さくなるような実装、またはP型領域22の第1部分のみを覆うような実装が可能である。
【0038】
本実施形態において、第1P型領域22および第2P型領域23はいずれもストリップ状であり、任意の第1P型領域22の表面積は、任意の第2P型領域23の表面積よりも大きい。第1P型領域22および第2P型領域23がいずれもストリップ状で、第1P型領域22と第2P型領域23との長さの差が小さい場合は、幅の値を表すことによって、第1Pを決定することができる。型領域22および第2P型領域23の表面の平面積間の差の関係。本発明においては、隣り合う第2オーミック接触金属層70の動作による発熱が相互に影響してデバイスの全体的な放熱に影響が及ぶことでデバイスが不安定になることを回避するために、第1P型領域22および第2P型領域23を交互に配置している。
【0039】
本実施形態においては、第1P型領域22の幅が同じであり、等間隔に配置されているか、あるいは、第1P型領域22の幅はすべてが同じではなく、隣り合う第1P型領域22の対向する辺の間の距離が同じであり、さらに、動作によって第2オーミック接触金属層70が発生させた熱の均一な分散によって、放熱性が向上するとともに、全体の温度上昇を効果的に制御してデバイスの安定性を確保することができる。特定の実施態様において、隣り合う第1P型領域22間の幾何学的中心距離は、10μm~300μmである。
【0040】
特定の実施態様において、第1P型領域22および第2P型領域23は、矩形ストリップ、台形ストリップ、正六角形、不定形ストリップ(くさび状もしくは長辺を有する他の不定形ストリップ)、またはこれらの組み合わせとして実装されてもよい。本実施形態において、第2オーミック接触金属層70は、第1P型領域22を完全に覆っており、矩形ストリップとして実装されている。
【0041】
別の実施形態として、図3に示すように、第2オーミック接触金属層70は、第1P型領域22を完全には覆わないブロック状金属層である。第1P型領域がそれぞれ、少なくとも1つの第2オーミック接触金属層70によって覆われている。第2オーミック接触金属層70がブロック状金属層である場合は、隣り合う第2オーミック接触金属層70の中心距離が10μm~300μmであり、また、第2オーミック接触金属層70は、均一に配置されており、これは、均一な放熱に有利であり、全体の温度上昇を効果的に制御して、デバイスの安定性を確保することができる。
【0042】
本発明による良好な順方向サージ耐力と順方向伝導特性とのバランスをとるために、N型領域24の表面の総平面積は、第1P型領域22および第2P型領域23の総平面積の1~10倍である。N型領域24の総平面積は、第1P型領域22および第2P型領域23の総平面積の3倍であることが好ましい。また、任意の1つの第1P型領域22の表面の幅の値は1~10μmであり、その数は2以上であり、任意の1つの第2P型領域23の表面の幅の値は0.1μm以上である。
【0043】
活性領域21を画定する有効領域として、SiCエピタキシャル層20には、活性領域21を囲む端子領域25がさらに設けられており、端子領域25の表面上には第1パッシベーション層81が設けられ、第1パッシベーション層81が第1電極層40の表面縁部を覆っている。さらに、第1パッシベーション層81の表面が第2パッシベーション層82を覆っている。本実施形態において、第1パッシベーション層81は、酸化ケイ素または窒化ケイ素で構成された誘電体層であり、第2パッシベーション層82は、ポリイミドで構成されたPI層である。
【0044】
第1オーミック接触金属層50とSiC基板10との間および第2オーミック接触金属層70と第1P型領域22との間の良好なオーミック特性を確保するために、第1オーミック接触金属層50および第2オーミック接触金属層70は、Ti、Ni、Al、Au、Ta、またはWのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。本実施形態において、第1オーミック接触金属層50および第2オーミック接触金属層70は、Ti/Ni組み合わせ多層である。
【0045】
ショットキー金属とN型領域24との間の良好なショットキー特性を確保するために、ショットキー金属層30は、Ti、W、Ta、Ni、Mo、またはPtのいずれか1つまたはこれらの組み合わせである。本実施形態において、ショットキー金属層30は、Ti/Ni/Ag組み合わせ多層金属である。
【0046】
従来技術に基づく参考例(図4および図5に示す)と比較して、本発明は、参考例の活性領域21と同じ面積を有し、同じ数のP型領域が設けられているものと仮定する。これらの領域がすべて、オーミック接触金属層を覆っている。本発明においては、第1P型領域22のみが第2オーミック接触金属層70によって覆われ、第2P型領域23が第2オーミック接触金属層70によって覆われている。
【0047】
本発明においては、参考例と同じ順方向サージ耐力を保証するために、第1P型領域22および第2P型領域23の平面積が参考例のP型領域の総平面積よりも小さく、本発明におけるN型領域24の平面積が参考例のN型領域24の平面積よりも大きく、本発明は、参考例よりも優れた順方向伝導特性を有する。
【0048】
実験により、大きな順方向電流を通す場合は、参考例のP型領域およびN型領域24が大きな電流を通し得る。本発明の第2オーミック接触金属層70およびN型領域24の総平面積によって大きな電流を通すことができ、本発明は、参考例と同じ順方向サージ耐力を有する。
【0049】
小さな順方向電流を通す場合は、参考例および本発明のN型領域24は、いずれも小さな電流を通し得る。本発明のN型領域24の平面積が参考例よりも大きいことから、電流密度がより高くなるため、本発明は参考例よりも優れた順方向伝導特性を有する。
【0050】
図6に示すように、本発明において、小電流条件下では電流が活性領域のN型領域を通過し、大電流条件下ではダイオードの順方向電圧が上昇し、オーミック接触によって覆われた第1P型領域によって形成されたPiNダイオード障壁が開放され、電流がこの領域を通過可能となって、ダイオードのサージ電流耐力が向上する。
【0051】
第2実施形態
本実施形態と第1実施形態との相違として、第1P型領域22および第2P型領域23の表面の形状が異なる。図7に示すように、本実施形態において、第1P型領域22および第2P型領域23エリア23は、ブロック領域である。上記実施形態と同様に、本実施形態において、任意の第1P型領域22の表面の平面積は、第2P型領域23のいずれか1つの表面の平面積よりも大きい。
【0052】
特定の実施態様において、第1P型領域22および第2P型領域23は、矩形領域、正多角形領域、円形領域、不定形領域、またはこれらの組み合わせであり、第2オーミック接触金属層70は通例、第1P型領域22を完全に覆っており、第2オーミック接触金属層70の形状は、第1P型領域22と一致する。
【0053】
その他の部分については、第1実施形態と同じである。
第3実施形態
本実施形態と第1実施形態との相違として、第1P型領域22および第2P型領域23の表面の形状が異なる。図8に示すように、本実施形態において、第1P型領域22および第2P型領域23。エリア23は、ストライプおよびブロック領域の組み合わせである。上記実施形態と同様に、本実施形態において、第1P型領域22がストリップ状で、第2P型領域23がバルク領域である場合、第1P型領域22の表面の面積は、第2P型領域23の表面の平面積よりも大きい。表面の平面積について、第1P型領域22がブロック領域で、第2P型領域23がストリップである場合、任意の方向における第1P型領域22の表面の半径方向の幅は、第2P型領域23の表面の幅よりも大きい。
【0054】
特定の実施態様において、第1P型領域22および第2P型領域23は、矩形ストリップ、台形ストリップ、不定形ストリップ、矩形領域、正多角形領域、円形領域、不定形領域、またはこれらの組み合わせであり、本実施形態においては、第1P型領域22が矩形領域で、第2P型領域23が矩形ストリップであり、また、第2オーミック接触金属層70は通例、第1P型領域22を完全に覆っており、第2オーミック接触金属層70の形状は、第1P型領域22と同じである。
【0055】
その他の部分については、第1実施形態と同じである。
第4実施形態
本発明は、炭化ケイ素パワーダイオード装置の作製に用いられる炭化ケイ素パワーダイオード装置を作製するための方法も提供し、そのステップは以下の通りである。
【0056】
(1)N型活性領域21を有するSiCエピタキシャル層20をSiC基板10の第1表面上に成長させ(具体的には、SiC基板10に対してRCA洗浄工程を実行する)、SiC基板10は、結晶形が4H‐SiC、厚さが350μm、ドーピング濃度が1×1019~1×1020/cmであり、MOCVDを用いて、N型SiC基板10の第1表面上にN型SiCエピタキシャル層20を成長させ、SiCエピタキシャル層20は、厚さが5~80μm、ドーピング濃度が1×1014~5×1016/cmである。
【0057】
(2)保護膜をSiCエピタキシャル層20の表面上に堆積させる(堆積方法としては、PVDまたはCVDが可能である)。ドライエッチングを用いて、端子領域25およびN型活性領域21の注入領域に複数の離間した注入ウィンドウを開け、端子領域25および活性領域21の注入領域にイオン注入を実行すし、高温で活性化させた後、端子領域25が端子構造26を形成し、N型活性領域21が複数の離間した第1P型領域22および複数の第2P型領域23を形成する。
【0058】
(3)SiC基板10の第2表面を金属層で覆い、第1P型領域22の表面の全部または一部を金属層で覆い、第2P型領域の表面は金属層で覆わず、第1オーミック接触金属層50をSiC基板10の第2表面上に形成し、第2オーミック接触金属層70を第1P型領域22の表面上に形成する。
【0059】
ここでは、堆積またはスパッタリングによって金属層をSiC基板10の第2表面上に形成し、堆積またはスパッタリングによって金属層を第1P型領域22上に形成し、第1オーミック接触金属層50を形成し、2‐オーミック接触金属層70の第1高温アニーリングプロセス、その温度は800℃~1100℃であり、時間は60秒~300秒である。
【0060】
(4)金属層をSiCエピタキシャル層20の表面に被覆し、高温アニーリングによってショットキー金属層30を形成し、第1電極層40をショットキー金属層30上に堆積させる。
【0061】
温度が300℃~500℃で時間が60秒~300秒の高温アニーリングプロセスにおいて、金属層をSiCエピタキシャル層20上に形成し、堆積またはスパッタリングによって、ショットキー金属層30を形成する。続いて、2~5μmの第1電極層40をアノード電極としてショットキー金属層30上に堆積させ、エッチング法によって、端子構造26を覆うショットキー金属層30および第1電極層40を除去する(すなわち、作製工程においては、ショットキー金属層30および第1電極層40が不可避的に、端子構造26の金属の表面に残る)。
【0062】
(5)CVDまたはPVDによって、0.5~3μmの誘電体層を第1パッシベーション層81として端子構造26の表面上に成長させ、2~5μmのポリイミドを第2精製層として第1パッシベーション層81の表面上に被覆し、湿式法またはドライエッチング法を用いて第1電極層40の接触領域をエッチングし、2~5μmの第2電極層60をカソード電極として第1オーミック接触金属層50の表面上に堆積させる。
【0063】
本実施形態において、ステップ(3)における第1オーミック接触金属層50の作製はステップ(5)においても実行可能であり、ステップ(5)における第2電極層60はステップ(3)において作製可能である。層50を連続して作製した後、ステップ(3)における第1オーミック接触金属層50の作製から間隔を空けて実行してもよい。
【0064】
ステップ(1)においては、SiC基板10のドーピング濃度が2×1019/cmであるのが好ましく、SiCエピタキシャル層20の厚さが10μmであるのが好ましく、ドーピング濃度が1×1016/cmであるのが好ましい。
【0065】
ステップ(3)においては、第1オーミック接触金属層50および第2オーミック接触金属層70がTi/Ni組み合わせ多層金属であるのが好ましく、プロセス温度が950℃で、時間が100秒であるのが好ましい。
【0066】
ステップ(4)においては、ショットキー金属層30がTiであるのが好ましく、プロセス温度が450℃で、時間が100秒であるのが好ましく、また、第1電極層40がAlで、厚さが4μmであるのが好ましい。
【0067】
ステップ(5)においては、第1パッシベーション層81が酸化ケイ素SiOで、厚さが1.2μmであるのが好ましく、第2パッシベーション層82の厚さが5μmであるのが好ましく、また、第2電極層60が金属層用のTi/Ni/Agの組み合わせであるの好ましく、厚さが2μmであるのが好ましい。
【0068】
本実施形態に記載の製造方法に基づき、第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態に記載の構造に従って、第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態に記載の炭化ケイ素パワーダイオード装置を作製可能である。
【0069】
上記実施形態は、本発明の説明のために使用しているに過ぎず、本発明を制限する意図はない。本発明の技術的本質に基づく限り、上記実施形態についての変更、改良等は、本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】