IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハッピーガム ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-532315気分調整促進剤として使用される組成物
<>
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図1
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図2
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図3
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図4
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図5
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図6
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図7
  • 特表-気分調整促進剤として使用される組成物 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】気分調整促進剤として使用される組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/53 20060101AFI20230720BHJP
   A61K 9/68 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230720BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230720BHJP
   A23G 4/06 20060101ALN20230720BHJP
【FI】
A61K36/53
A61K9/68
A61K47/46
A61P25/00
A23L33/105
A23G4/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580949
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 IB2021055934
(87)【国際公開番号】W WO2022003630
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102020117395.4
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522501960
【氏名又は名称】ハッピーガム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HAPPYGUM G.M.B.H.
【住所又は居所原語表記】Bauernmarkt 8/8 1010 Wien AUSTRIA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファルカシュ ティム
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4C076
4C088
【Fターム(参考)】
4B014GG18
4B014GL01
4B014GL03
4B014GL04
4B018LB01
4B018MD01
4B018MD05
4B018MD09
4B018MD23
4B018MD32
4B018MD66
4B018ME14
4B018MF01
4C076AA69
4C076BB02
4C076BB22
4C076CC01
4C076DD21
4C076DD23
4C076DD38
4C076DD43Z
4C076DD60
4C076DD61
4C076FF34
4C076FF61
4C088AB38
4C088BA08
4C088CA03
4C088MA02
4C088MA03
4C088MA47
4C088MA57
4C088NA10
4C088ZA02
(57)【要約】
0.1~1wt%のラベンダー油を含有するガムベースを含む気分調整促進剤として使用される組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集中力障害の治療における医薬用の有効成分としてのラベンダー油と、ガムベースとを含む組成物であって、ガムベースと、有効成分としてのラベンダー油とを0.1~1wt%、好ましくは0.2~0.4wt%、さらに好ましくは0.3wt%の濃度で含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記ラベンダー油は単独の有効成分である、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ガムベースは、顔面筋を用いるために0.25N/mmと4N/mmの間の引っ張り強さを有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ガムベースは、合成及び/又は天然ガムを一貫性フォーマーとして含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ガムベースは、0.05~0.5wt%、好ましくは0.08~0.2wt%、特に好ましくは0.1wt%の微量元素を含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記微量元素は亜鉛である、ことを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記ガムベースは、0.1wt%~1wt%、好ましくは0.15wt%~0.35wt%、特に好ましくは0.25wt%の塩を含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記塩は塩化ナトリウムである、ことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記ガムベースは、0.05wt%~0.5wt%、好ましくは0.09wt%~0.3wt%、特に好ましくは0.15wt%のビタミンBを含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ビタミンBは、ナイアシン及び/又はパントテン酸を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記ガムベースは、0.1wt%~1wt%、好ましくは0.2wt%~0.4wt%、特に好ましくは0.3wt%のビタミンDを含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ビタミンDはビオチンである、ことを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ガムベースは酸度調整剤をさらに含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記酸度調整剤はクエン酸である、ことを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ガムベースは、糖アルコールを含む、ことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気分調整促進剤として使用される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
Uehleke、B.らによる、「“Phase II trial on the effects of Silexan in patients with neurasthenia、post-traumatic stress disorder or somatization disorder”、Phytomedicine、year 2012、issue 19、page 665 to 671」は、鎮静及び抗不安作用を備えた抗うつ剤として、したがって鎮静剤としてもラベンダーを使用することが知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、ラベンダーの別の用途を特定することである。
【0004】
本発明の一態様によれば、組成物は、集中力障害や注意力欠如障害(ADD)の治療における医薬用の有効成分としてのラベンダー油と、ガムベースとを含み、ガムベースと、有効成分としてのラベンダー油を0.1~1wt%、好ましくは0.2~0.4wt%、さらに好ましくは0.3wt%の濃度で含むことを特徴とする。
【0005】
試験に基づいて、ラベンダー油は促進剤としても使用できることがわかっている。従って、この作用は、鎮静と抗不安作用を備えた抗うつ剤に逆転し、認知を活性化し、疲労を解消する。
【0006】
しかしながら、口から摂取したラベンダーは、消化不良や吐き気の形態の胃腸障害などの副作用を示す。アレルギー性反応も知られている。
【0007】
特に集中力障害に対して、ユーザは、潜在的な有効成分を1日中頻繁に高容量で摂取する傾向があり、これは、上記の副作用をさらに増大させる。
【0008】
従って、ラベンダーを気分調整促進剤として使用するために、本発明は、ラベンダー油が頬に又は舌下に吸収されるように、チューインガム形態での投与を提案する。試験を介して、カプセルや錠剤などの他の剤形と比較して、ラベンダーの量が大幅に少なくても、上記の認知力の向上と疲労解消効果が得られることが示されている。
【0009】
組成物の一実施形態では、ラベンダー油は唯一の有効成分である。
組成物の別の実施形態では、ガムベースは、顔面筋を用いるために0.25N/mmと4N/mmの間の引っ張り強さを有する。
【0010】
また別の実施形態では、ガムベースは、合成及び/又は天然ガムを一貫性フォーマーとして含む。
【0011】
特定のチューインガムの一実施形態では、ラベンダー油の量は、0.2wt%と0.4wt%との間である。頬側と舌下投与の間、著しく高い濃度のラベンダー油が血流に入り、これは噛むことによってさらに刺激される。ラベンダー油の割合が0.3wt%で最適な効果を得ることができる。
【0012】
特定の発明の付加的な実施形態では、特定の組成物は、0.05~0.5wt%、好ましくは0.08~0.2wt%、特に好ましくは0.1wt%の微量元素をさらに含む。特に、微量元素の亜鉛は、口腔粘膜の再生をサポートし、特定の組成物の長期摂取の場合、チューインガム塊を噛む際に放出されるラベンダー油が口腔粘膜を介して最適に吸収され得ることを確保する。
【0013】
特定の発明の付加的な実施形態では、特定の組成物は、0.1wt%~1wt%、好ましくは0.15wt%~0.35wt%、特に好ましくは0.25wt%の塩を含む。塩化ナトリウム塩などの塩は、口腔粘膜に対して抗菌、消毒、鎮静、充血除去、抗炎症効果を有する。これにより、口内の細菌が減少し、炎症や感染が防止される。塩はまた、喉の炎症の場合、刺激を受けて乾燥した粘膜を湿らせることで、その機能をサポートする。また、塩は、洗浄と血行促進効果を有する。粘膜から被膜や粘液が緩み、歯肉の再生が起こる。このようにして、口腔粘膜を介したラベンダー油の吸収がさらに改善され、任意とすることもできる。
【0014】
更なる実施形態では、特定の組成物は、0.05wt%~0.5wt%、好ましくは0.09wt%~0.3wt%、さらに好ましくは0.15wt%のビタミンBをさらに含む。パントテン酸やナイアシンなどのビタミンBは、口腔粘膜の維持に寄与し、従って、特定の組成物を長期にわたって摂取する場合、ラベンダー油の効率的な吸収を確保する。
【0015】
更なる実施形態では、特定の組成物は、0.1wt%~1wt%、好ましくは0.2wt%~0.4wt%、特に好ましくは0.3wt%のビタミンDをさらに含む。ビオチンなどのビタミンDは、口腔粘膜の維持に寄与し、従って、特定の組成物を長期にわたって摂取する場合、ラベンダー油の効率的な吸収を確保する。
【0016】
特別の実施形態では、特定の組成物は酸度調整剤をさらに含む。酸度調整剤は、口腔内の唾液の生成を調整するために使用することができ、従って口腔粘膜を介したラベンダー油の吸収の状態をさらに改善する。この目的のために、クエン酸が最も適した表酸度調整剤であることが判明している。
【0017】
特定の組成物の別の実施形態では、ガムベースは、50wt%と99wt%の間の、好ましくは70wt%と80wt%の間の、特に好ましくは75wt%の、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、ポリグリシトールシロップなどの糖アルコール又は糖アルコールの混合物を含む。糖アルコールは口腔内をわずかに冷却する効果があり、これは、ラベンダー油の頬側又は舌下の吸収にもプラスの効果がある。
【0018】
本発明の上述の特性、特徴及び利点、ならびにそれらが達成される方法は、図面に関連してより詳細に説明される実施形態の以下の説明に関連して、より明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)に従って、本発明による組成物を摂取した被験者の肯定的に含意された気分について経時的にプロットされた平均値を有する図である。
図2】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)に従って、代替組成物を摂取した被験者の肯定的に含意された気分について経時的にプロットされた平均値を有する図である。
図3】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)に従って、本発明による組成物を摂取した被験者の否定的に含意された気分について経時的にプロットされた平均値を有する図である。
図4】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)に従って、代替組成物を摂取した被験者の否定的に含意された気分について経時的にプロットされた平均値を有する図である。
図5】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)による「愉快-不愉快」尺度で収集された試験データの評価を示す図である。
図6】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)による「興奮-平静」尺度で収集された試験データの評価を示す図である。
図7】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)による「肯定的-疲れた」尺度で収集された試験データの評価を示す図である。
図8】簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)による「否定的-リラックスした」尺度で収集された試験データの評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面において、同じ技術的要素には同じ参照符号が付されており、一度しか記載されていない。
【0021】
請求されている組成物の効力は、臨床試験における請求されている組成物の実施形態の例を使用して決定され、代替組成物と比較された。
【0022】
請求されている組成物の実施形態の例は、それぞれ2gの複数のチューインガムであった。各チューインガムは、1.5gのソルビット、マルチオール(maltiol)及びマンニトールの糖アルコールブレンド、ならびに5mgの塩、2mgの亜鉛、2mgのナイアシン、0.8mgのパントテン酸及び6.5μgのビオチンのビタミンとミネラルのブレンドを含有した。さらに、2mgのクエン酸及び6mgのラベンダー油が組成物に加えられた。各チューインガムの残りは、組成物の主張されている効果に寄与しない皮ふ軟化剤、湿潤剤、抗酸化剤、着香剤、着色剤及び乳化剤であった。
【0023】
代替組成物は、様々な錠剤であった。各錠剤は、例えばQueisser Pharma GmbH & Co. KGにより商品名Doppelherz aktiv Lavendelで販売されるものなど、50mgのラベンダー花抽出物、10mgのラベンダー油、1.1mgのビタミンB1、1.4mgのビタミンB2、6mgのパントテン酸、1.4mgのビタミンB6及び5μgのビタミンB12を含有した。
【0024】
従って、代替組成物の各錠剤は、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムと比較して、約二倍のラベンダー抽出物を含有した。
【0025】
臨床試験データを収集するために、80人の被験者が、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムを摂取する40人の被験者のグループと、代替組成物による錠剤を摂取する40人の被験者のグループと分けられた。グループに応じて、被験者は、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムを1つ、又は代替組成物による錠剤を2錠、14日間にわたって1日2回摂取した。
【0026】
試験データを収集するために、被験者は、1日目、3日目、5日目、8日目、11日目、14日目に、簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)に従ってアンケートに記入し、このアンケートで彼らは様々な尺度で自分の気分に関する情報を提供した。
【0027】
各アンケートで、被験者の気分が16個の異なる気分尺度で評価された。個々の気分尺度はBMISによって定義されており、被験者がどの程度活き活き(BMISでは、「活き活き(Lively)」)と感じるかの気分尺度、被験者がどの程度幸せ(BMISでは、「幸せ(Happy)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度悲しい(BMISでは、「悲しい(Sad)」)と感じるかの気分尺度、被験者がどの程度疲れた(BMISでは、「疲れた(Tired)」)と感じるかの気分尺度、被験者がどの程度思いやり(BMISでは、「思いやり(Caring)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度満足した(BMISでは、「満足(Content)」)と感じるかの気分尺度、被験者がどの程度憂鬱(BMISでは、「憂鬱(Gloomy)」)に感じるかの気分尺度、被験者がどの程度神経質(BMISでは、「神経質(Jittery)」)に感じるかの気分尺度、被験者がどの程度眠気(BMISでは、「眠気(Drowsy)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度不機嫌(BMISでは、「不機嫌(Grouchy)」)に感じるかの気分尺度、被験者がどの程度元気(BMISでは、「元気(Peppy)」)に感じるかの気分尺度、被験者がどの程度緊張(BMISでは、「緊張(Nervous)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度平静(BMISでは、「平静(Calm)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度愛情(BMISでは、「愛情(Loving)」)を感じるかの気分尺度、被験者がどの程度うんざりした(BMISでは、「うんざり(Fed up)」)と感じるかの気分尺度、被験者がどの程度活発(BMISでは、「活発(Active)」)に感じるかの気分尺度が問われる。
【0028】
各尺度で、被験者は、対応する尺度の気分が確実に自分に当てはまるか否か、対応する尺度の気分がおそらく自分に当てはまるか否か、対応する尺度の気分がおそらく自分に当てはまらないか否か、又は、対応する尺度の気分が確実に自分に当てはまらないか否かを決定することができた。気分が被験者にとって確実に真実であれば、被験者の決定には4の値が割り当てられた。気分が被験者にとっておそらく真実であれば、被験者の決定には3の値が割り当てられた。気分が被験者にとっておそらく真実でなければ、被験者の決定には2の値が割り当てられた。気分が被験者にとって確実に真実でなければ、被験者の決定には1の値が割り当てられた。
【0029】
アンケートは、まず各日の各グループと各尺度の全参加者を平均化することで分析された。
【0030】
以下の表1は、請求されている組成物の実施形態の例に従ってチューインガムが投与されたグループについてのこの平均化の結果を示す。
【0031】
対照的に、以下の表2は、代替組成物に従って錠剤が投与されたグループについての平均化の結果を示す。
【0032】
図1~4では、表1と2からの値1は時間2に対してプロットされている。図1は、表1の肯定的に含意された気分尺度の値1を示す。これらは、活き活き4、幸せ6、思いやり7、満足8、元気10、平静12、愛情14、及び活発16という気分尺度である。図2では、同じ肯定的に含意された気分尺度がプロットされているが、表2からのものである。
【0033】
図3は、表1の否定的に含意された気分尺度の値1を示す。これらは、悲しい18、疲れた20、憂鬱22、神経質24、眠気25、不機嫌26、緊張28、及びうんざり30という気分尺度である。図4では、同じ否定的に含意された気分尺度がプロットされているが、表2からのものである。
【0034】
図1と2は、すべての刺激的な気分尺度が、請求されている組成物と代替組成物の両方について、肯定的な傾向を示すことを示している。請求されている組成物の単一の評価で有意なのは、平静12の気分尺度であり、代替組成物の単一の評価で有意なのは、活き活き4の気分尺度である。両方の組成物の被験者グループをプールすると、満足8の気分尺度が大幅に改善される。
【0035】
図1と2の気分尺度に属する気分は、簡単な気分の内省尺度(Brief Mood Introspection Scale、BMISと略称され、第3版、2019年2月26日)の表1.1に示すように、愉快で、刺激的で、肯定的なものとして認識される。請求されている組成物と代替組成物の両方で、これらの肯定的な気分のすべてを傾向的に、又は著しく増加させることが可能であった。
【0036】
図3と4は、すべての抑制的な気分尺度が、請求されている組成物と代替組成物の両方について、一定の傾向を示すことを示している。個々の評価で有意なのは、請求されている組成物による疲労20の減少傾向でさえあるが、これは代替組成物ではあまり認識できない。被験者は、より機敏で、より集中できた。
【0037】
次に、更なる評価のために、BMISによる4つの下位尺度の値が、各日の平均値、即ち、満足度尺度(BMISによると、「愉快-不愉快」)の毎日の値、興奮尺度(BMISによると、「興奮-平静」)の毎日の値、疲労尺度(BMISによると、「肯定的-疲れた」)の毎日の値、リラクゼーション尺度(BMISによると、「否定的-リラックスした」)の毎日の値から計算された。
【0038】
以下の表3は、請求されている組成の実施形態の例に従って、チューインガムを投与されたグループの下位尺度の値を示す。
【0039】
対照的に、以下の表4は、代替組成物に従って錠剤を投与されたグループの下位尺度の値を示す。
【0040】
下位尺度についてこのように計算された値は、結果を評価するために、図5~8に示される図に時間2に対してプロットされた。図5の図は、満足度尺度34(BMISによると、「愉快-不愉快」)に対して時間2にわたる、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムの毎日の値を伴うチューインガム満足度曲線36、代替組成物による錠剤の毎日の値を伴う錠剤満足度曲線38を示す。図6の図は、興奮尺度44(BMISによると、「興奮-平静」)に対して時間2にわたる、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムの毎日の値を伴うチューインガム興奮曲線46、代替組成物による錠剤の毎日の値を伴う錠剤興奮曲線48を示す。図7の図は、疲労尺度54(BMISによると、「肯定的-疲れた」)に対して時間2にわたる、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムの毎日の値を伴うチューインガム疲労曲線56、代替組成物による錠剤の毎日の値を伴う錠剤疲労曲線58を示す。図8の図は、レクリエーション尺度64(BMISによると、 「否定的-リラックスした」)に対して時間2にわたる、請求されている組成物の実施形態の例によるチューインガムの毎日の値を伴うチューインガムレクリエーション曲線66、代替組成物による錠剤の毎日の値を伴う錠剤レクリエーション曲線68を示す。
【0041】
図5~8の曲線は、両方の組成物が否定的な気分を低下させるか、又は少なくともそれらを一定に保ち、肯定的な気分を向上させるという図1~4から解釈された結果をサポートする。被験者はより機敏に感じ、よりより注意深くなった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】