(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】電池セル及び電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/593 20210101AFI20230720BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20230720BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20230720BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/533
H01M50/586
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500020
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 CN2021103450
(87)【国際公開番号】W WO2022002113
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010614979.7
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】袁万▲頌▼
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼洞▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】何科峰
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA04
5H043GA22
5H043GA26
5H043LA02E
(57)【要約】
電池セル(10)及び電池であり、電池セル(10)は、電極片(1)と、セパレータ(2)と、前記電極片(1)に接続されたタブ(3)と、前記電極片(1)の端部に設置されて前記タブ(3)を支持する絶縁支持部(4)とを含み、前記タブ(3)は、前記絶縁支持部(4)を貫通して外向きに延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極片と、セパレータと、前記電極片に接続されたタブと、
前記電極片の端部に設置されて前記タブを支持する絶縁支持部とを含み、前記タブは、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記タブは、前記電極片の端部に接続されたタブ根元部と、前記電極片の端部から離れたタブ頭部とを含み、前記絶縁支持部は、前記タブ根元部を支持する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記絶縁支持部の厚さは、前記電極片の厚さに等しい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記電極片は、一端部に前記絶縁支持部が設置された正極片を含み、前記絶縁支持部の自由端面は、前記セパレータの同じ側の端面を超えて存在している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記タブは、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する正極片に接続された正極タブを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記電極片は、端部に前記絶縁支持部が設置され、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する負極片をさらに含み、前記タブは、前記負極片に接続された負極タブをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記正極タブと前記負極タブは、前記電池セルの同じ側から引き出される、ことを特徴とする請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記正極タブと前記負極タブは、前記電池セルの異なる側から引き出される、ことを特徴とする請求項6に記載の電池セル。
【請求項9】
前記正極片に接続された前記タブを支持する絶縁支持部の高さHtと、前記セパレータと前記正極片に接続された前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtと、前記タブの折り曲げ角αと、前記セパレータの厚さxとは、Ht≧(100μm+x-Dt)/cosαという関係式を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項10】
前記Ht、Dt及びxは、10mm≧Ht≧2(100μm+x-Dt)という関係式を満たす、ことを特徴とする請求項4又は9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記電極片は、負極片を含み、前記負極片に接続されたタブを支持する絶縁支持部の高さHtは、1mm≦Ht≦10mmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項12】
前記絶縁支持部と前記電極片の端部とは、面と面を合わせて貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項13】
前記セパレータと前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtは、4μm≦Dt≦100μmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項14】
前記セパレータの厚さxは、4μm≦x≦40μmという関係式を満たす、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記絶縁支持部は、無機塩材料の支持部として構成される、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項16】
前記無機塩材料の支持部は、アルミニウムの酸化物又はアルミニウムの水酸化物又はケイ素の酸化物又はケイ素の水酸化物又はマグネシウムの酸化物又はマグネシウムの水酸化物からなる、ことを特徴とする請求項15に記載の電池セル。
【請求項17】
前記絶縁支持部は、耐熱性高分子材料の支持部として構成される、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項18】
前記耐熱性高分子材料の支持部は、ポリイミドフィルム又は熱可塑性ポリエステル又はポリブチレンテレフタレートからなる、ことを特徴とする請求項17に記載の電池セル。
【請求項19】
前記絶縁支持部の横断面は、長方形である、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、「ビーワイディーカンパニーリミテッド」が2020年6月30日に提出した、名称が「電池セル及び電池」の中国特許出願第「202010614979.7」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に電池セル及び該電池セル有する電池に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、電池の電池セルは、電極片と、セパレータと、タブとを有し、タブを電池のカバープレートに接続する過程中、タブとカバープレートとの接続が完了して電池を形成した後、タブに異なる程度の折り曲げが発生することがあり、折り曲げ過程においてタブが傾斜し、タブ根元部がセパレータを押し倒して、正極片、セパレータ、負極片の3者が緊密に接触することがあるため、電池の使用中に押圧されたセパレータが破損して、セパレータの絶縁故障を引き起こし、正極片と負極片が接触して、電池セルの内部の短絡を引き起こす可能性があり、電池の使用安全性を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。このために、本願は、絶縁支持部によりタブに対して支持作用を果たし、タブがセパレータを押し倒すことによりセパレータが破損するリスクを低減し、さらに電池セルの内部に短絡が発生するリスクを低減することにより、電池の使用安全性を向上させることができる電池セルを提供することを目的とする。
【0005】
本願は、電池をさらに提供する。
【0006】
本願に係る電池セルは、電極片と、セパレータと、前記電極片に接続されたタブと、前記電極片の端部に設置されて前記タブを支持する絶縁支持部とを含み、前記タブは、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する。
【0007】
本願に係る電池セルでは、絶縁支持部を設置することにより、タブを電池のカバープレートに接続する過程において、絶縁支持部は、タブに対して支持作用を果たし、タブが大きく傾斜することがなく、タブがセパレータを押圧することがなく、セパレータが破損するリスクを低減することができ、電池セルの内部に短絡が発生するリスクを低減することができため、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0008】
本願のいくつかの例では、前記タブは、前記電極片の端部に接続されたタブ根元部と、前記電極片の端部から離れたタブ頭部とを含み、前記絶縁支持部は、前記タブ根元部を支持する。
【0009】
本願のいくつかの例では、前記絶縁支持部の厚さは、前記電極片の厚さに等しい。
【0010】
本願のいくつかの例では、前記電極片は、一端部に前記絶縁支持部が設置された正極片を含み、前記絶縁支持部の自由端面は、前記セパレータの同じ側の端面を超えて存在している。
【0011】
本願のいくつかの例では、前記タブは、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する正極片に接続された正極タブを含む。
【0012】
本願のいくつかの例では、前記電極片は、端部に前記絶縁支持部が設置され、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する負極片をさらに含み、前記タブは、前記負極片に接続された負極タブをさらに含む。
【0013】
本願のいくつかの例では、前記正極タブと前記負極タブは、前記電池セルの同じ側から引き出される。
【0014】
本願のいくつかの例では、前記正極タブと前記負極タブは、前記電池セルの異なる側から引き出される。
【0015】
本願のいくつかの例では、正極片に接続されたタブを支持する絶縁支持部の高さHtと、前記セパレータと前記正極片に接続された前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtと、前記タブの折り曲げ角αと、前記セパレータの厚さxとは、Ht≧(100μm+x-Dt)/cosαという関係式を満たす。
【0016】
本願のいくつかの例では、前記Ht、Dt及びxは、10mm≧Ht≧2(100μm+x-Dt)という関係式をさらに満たす。
【0017】
本願のいくつかの例では、前記電極片は、負極片を含み、負極片に接続されたタブを支持する絶縁支持部の高さHtは、1mm≦Ht≦10mmを満たす。
【0018】
本願のいくつかの例では、前記絶縁支持部と前記電極片の端部とは、面と面を合わせて貼り付けられる。
【0019】
本願のいくつかの例では、前記セパレータと前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtは、4μm≦Dt≦100μmを満たす。本願に係る電池は、上記電池セルを含む。
【0020】
本願のいくつかの例では、前記セパレータの厚さxは、4μm≦x≦40μmという関係式を満たす。
【0021】
本願のいくつかの例では、前記絶縁支持部は、無機塩材料の支持部として構成される。
【0022】
本願のいくつかの例では、前記無機塩材料の支持部は、アルミニウムの酸化物又はアルミニウムの水酸化物又はケイ素の酸化物又はケイ素の水酸化物又はマグネシウムの酸化物又はマグネシウムの水酸化物からなる支持部である。
【0023】
本願のいくつかの例では、前記絶縁支持部は、耐熱性高分子材料の支持部として構成される。
【0024】
本願のいくつかの例では、前記耐熱性高分子材料の支持部は、ポリイミドフィルム又は熱可塑性ポリエステル又はポリブチレンテレフタレートからなる支持部である。
【0025】
本願のいくつかの例では、前記絶縁支持部の横断面は、長方形である。
【0026】
本願に係る電池は、上記電池セルを含む。
【0027】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の実施例に係る電池セルの断面図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池セルのタブが傾斜した場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似する部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0030】
以下、
図1及び
図2を参照して、本願の実施例に係る電池セル10について説明し、電池セル10は、電池内に設置されてもよい。
【0031】
図1及び
図2に示すように、本願の実施例に係る電池セル10は、電極片1と、セパレータ2と、絶縁支持部4と、タブ3とを含む。タブ3は、電極片1に接続され、なお、電極片1は、正極片11と負極片12とを含み、タブ3は、正極片11に接続された正極タブ33と、負極片12に接続された負極タブ34とを含む。絶縁支持部4は、電極片1の端部に設置されてタブ3を支持し、タブ3は、絶縁支持部4を貫通して外向きに延在する。絶縁支持部4は、タブ3に接続された電極片1の端部に設置され、すなわち絶縁支持部4は、電極片1のタブ3が引き出された端部に設置される。なお、正極片11の端部と負極片12の端部にいずれも絶縁支持部4が設置されてもよく、正極タブ33と負極タブ34は、いずれも絶縁支持部4を貫通して外向きに延在してもよい。
【0032】
図1に示すように、正極片11の上端部と負極片12の下端部に絶縁支持部4が設置され、正極タブ33の上端は、絶縁支持部4を貫通して上向きに延在するように設置され、負極タブ34の下端は、絶縁支持部4を貫通して下向きに延在するように設置される。具体的には、正極タブ33又は負極タブ34を電池のカバープレートに接続する過程において、例えば、正極タブ33を電池のカバープレートに接続する過程において、タブ3が折り曲げられる場合、絶縁支持部4は、タブ3に対して支持作用を果たすことができる。タブ3とカバープレートとの接続が完了して電池を形成した後にも、絶縁支持部4は、タブ3に対して支持作用を果たす。従来技術に比べて、タブ3が大きく傾斜することがなく、タブ3がセパレータ2を過度に押圧することがなく、電池セル10が振動するか又は押圧される場合、セパレータ2が破損するリスクを低減して、正極片11と負極片12が直接接触することを防止することができるため、電池セル10の内部に短絡が発生するリスクを低減することができ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
図1は、正極タブ33と負極タブ34が異なる側から引き出される状況を示し、すなわち、正極タブ33が上向きに引き出され、負極タブ34が下向きに引き出される。理解されるように、正極タブ33と負極タブ34は、同じ側から引き出されてもよく、すなわち、正極タブ33は、負極タブ34と共に上向きに引き出されるか、又は共に下向きに引き出される。正極タブ33と負極タブ34がどのように引き出されるかにかかわらず、絶縁支持部4は、電極片1のタブ3が引き出された端部に設置される。
【0033】
よって、絶縁支持部4を設置することにより、タブ3を電池のカバープレートに接続する過程において、絶縁支持部4は、タブ3に対して支持作用を果たし、タブ3が大きく傾斜することがなく、タブ3がセパレータ2を押圧することがなく、セパレータ2が破損するリスクを低減することができ、電池セル10の内部に短絡が発生するリスクを低減することができるため、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0034】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、タブ3は、電極片1の端部に接続されたタブ根元部31と、電極片1の端部から離れたタブ頭部32とを含んでもよく、絶縁支持部は、タブ根元部31を支持する。正極タブ33と負極タブ34は、いずれもタブ根元部31とタブ頭部32を含んでもよく、正極タブ33を例として説明すると、
図1に示すように、タブ根元部31は、タブ頭部32の下方に位置し、タブ根元部31は、タブ頭部32に接続され、かつタブ根元部31は正極片11の上端部に接続され、正極タブ33を電池のカバープレートに接続する過程において、絶縁支持部4は、タブ根元部31に対して支持作用を果たし、正極タブ33が大きく傾斜することを防止することができ、正極タブ33の折り曲げ角度を適切にすることができるため、正極タブ33がセパレータ2を過度に押圧することを回避することができ、セパレータ2が破損することを効果的に防止し、さらに正極片11と負極片12が直接接触することを防止することができ、電池の使用安全性をさらに向上させる。
【0035】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、絶縁支持部4の横断面は、長方形である。長方形の絶縁支持部4は、製造過程においてコーティング成形で実現されやすい。理解されるように、絶縁支持部4の横断面形状は、長方形に限定されず、台形等の他の形状であってもよい。絶縁支持部4の厚さは、電極片1の厚さに等しい。なお、正極片11において、
図1における左右方向に、絶縁支持部4の厚さは、絶縁支持部4の左側表面と右側表面との間の間隔距離であり、絶縁支持部4の左側表面と右側表面との間の間隔距離値は、正極片11の左側表面と右側表面との間の間隔距離値に等しく、
図1における上下方向に、絶縁支持部4の左側表面と正極片11の左側表面は、同一平面内に位置し、絶縁支持部4の右側表面と正極片11の右側表面は、同一平面内に位置する。同様に、負極片12において、
図1における左右方向に、絶縁支持部4の厚さは、絶縁支持部4の左側表面と右側表面との間の間隔距離であり、絶縁支持部4の左側表面と右側表面との間の間隔距離値は、負極片12の左側表面と右側表面との間の間隔距離値に等しく、
図1における上下方向に、絶縁支持部4の左側表面と負極片12の左側表面は、同一平面内に位置し、絶縁支持部4の右側表面と負極片12の右側表面は、同一平面内に位置する。このように構成することで、絶縁支持部4が正極タブ33と負極タブ34をよりよく支持することができ、正極タブ33と負極タブ34の折り曲げ角度がより適切であることを保証することができ、正極タブ33と負極タブ34がセパレータ2を圧壊することをよりよく防止することができ、さらに正極タブ33と負極片12との接触、負極タブ34と正極片11との接触を防止して、電池セル10の短絡のリスクをよりよく防止することができる。
【0036】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、正極片11の一端部に絶縁支持部4が設置され、絶縁支持部4の自由端面は、セパレータ2の同じ側の端面を超えて存在している。正極片11の上端部に絶縁支持部4が設置され、絶縁支持部4の上端面は、セパレータ2の上端面を超え、正極タブ33が折り曲げられる場合、このように構成することで、正極タブ33とセパレータ2を分離することができ、正極タブ33がセパレータ2を押圧することを防止することができるため、セパレータ2が破損することをさらに防止することができ、さらにセパレータ2の絶縁性能を保証することができる。
【0037】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、正極片11に接続されたタブ3(すなわち、正極タブ33)を支持する絶縁支持部4の高さHtと、絶縁支持部4の厚さDtと、タブ3の折り曲げ角αと、セパレータ2の厚さxとは、Ht≧(100μm+x-Dt)/cosαという関係式を満たす。絶縁支持部4の高さ方向は、
図1における上下方向であり、絶縁支持部4の厚さ方向は、
図1における左右方向であり、セパレータ2の厚さxは、4μm≦x≦40μmという関係式を満たし、正極タブ33が折り曲げられた後、このように構成することで、正極タブ33の折り曲げ角度を適切にすることができ、タブ3がセパレータ2を押圧することをさらに回避することができ、電池セル10が振動するか又は押圧される場合、セパレータ2が破損するリスクをさらに低減して、正極片11と負極片12が直接接触することをさらに防止することができるため、電池セル10の内部に短絡が発生するリスクをさらに低減することができ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0038】
本願のいくつかの実施例では、Ht、Dt及びxは、10mm≧Ht≧2(100μm+x-Dt)という関係式をさらに満たし、このように構成することで、正極タブ33の折り曲げ角度をより適切にすることができ、タブ3がセパレータ2を押圧することをさらに回避することができ、セパレータ2が破損するリスクをさらに低減して、正極片11と負極片12が直接接触することを防止することができるため、電池セル10の内部に短絡が発生するリスクをさらに低減することができ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。絶縁支持部4の高さの関係式の設計により、タブに対して支持作用を果たすだけでなく、タブ根元部に絶縁支持部があることを保証し、短絡を回避し、より優れた絶縁効果を果たすことができる。
【0039】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、負極片12に接続されたタブ3(負極タブ34)を支持する絶縁支持部4の高さHtは、1mm≦Ht≦10mmという関係式を満たし、絶縁支持部4の高さ方向は、
図1における上下方向であり、このように構成することで、負極片12の端部が一定の構造強度を有することを保証することができ、タブ3が折り曲げられる場合、正極片11と負極片12が傾斜しないように保証することができるため、タブ3が引き出されるときの状態を保証することができ、セパレータ2の摩耗を回避することができ、それにより正極片11と負極片12との間の絶縁性を保証することができる。
【0040】
本願の実施例では、
図1に示すように、上記絶縁支持部4の厚さDtは、4μm≦Dt≦100μmを満たす。絶縁支持部4の厚さの設計により、タブ3に対して支持作用を効果的に果たすことができ、タブの傾斜及び押圧による短絡を回避する。
【0041】
本願のいくつかの実施例では、絶縁支持部4と電極片1の端部とは、面と面を合わせて貼り付けられ、なお、
図1に示すように、絶縁支持部4と正極片11の上端部とは、面と面を合わせて貼り付けられ、絶縁支持部4と負極片12の下端部とは、面と面を合わせて貼り付けられ、このように構成することで、絶縁支持部4を電極片1の端部に確実に取り付けることができ、絶縁支持部4がタブ3を堅固に支持することができるため、絶縁支持部4の配置方式をより合理的にすることができる。
【0042】
本願のいくつかの実施例では、絶縁支持部4は、無機塩材料の支持部又は耐熱性高分子材料の支持部として構成されてもよい。絶縁支持部4が無機塩材料の支持部として構成される場合、絶縁支持部4は、アルミニウムの酸化物、アルミニウムの水酸化物、ケイ素の酸化物、ケイ素の水酸化物、マグネシウムの酸化物、マグネシウムの水酸化物からなる支持部として構成されてもよく、絶縁支持部4は、窒素、硫黄、リンの塩類からなる支持部として構成されてもよい。絶縁支持部4が耐熱性高分子材料の支持部として構成される場合、絶縁支持部4は、PI(PolyimideFilm-ポリイミドフィルム)、PET(Polyethylene terephthalate-熱可塑性ポリエステル)、PBT(polybutylene terephthalate-ポリブチレンテレフタレート)等のアラミド及び耐熱高分子材料からなる支持部として構成されてもよく、このように構成することで、絶縁支持部4の熱変形を回避することができ、絶縁支持部4の構造強度を保証することもでき、絶縁支持部4がタブ3を確実に支持することができるため、電池セル10の動作信頼性を保証することができる。
【0043】
本願の実施例に係る電池は、上記実施例に係る電池セル10を含み、電池セル10は、電池内に設置され、タブ3を電池のカバープレートに接続する過程において、絶縁支持部4は、タブ3に対して支持作用を果たし、タブ3が大きく傾斜することがなく、タブ3がセパレータ2を押圧することがなく、セパレータ2が破損するリスクを低減することができ、電池セル10の内部に短絡が発生するリスクを低減することができるため、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0044】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0045】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極片と、セパレータと、前記電極片に接続されたタブと、
前記電極片の端部に設置されて前記タブを支持する絶縁支持部とを含み、前記タブは、前記絶縁支持部を貫通して外向きに延在する、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記タブは、前記電極片の端部に接続されたタブ根元部と、前記電極片の端部から離れたタブ頭部とを含み、前記絶縁支持部は、前記タブ根元部を支持する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記絶縁支持部の厚さは、前記電極片の厚さに等しい、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池セル。
【請求項4】
前記電極片は、一端部に前記絶縁支持部が設置された正極片を含み、前記絶縁支持部の自由端面は、前記セパレータの同じ側の端面を超えて存在している、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記正極片に接続された前記タブを支持する絶縁支持部の高さHtと、前記セパレータと前記正極片に接続された前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtと、前記タブの折り曲げ角αと、前記セパレータの厚さxとは、Ht≧(100μm+x-Dt)/cosαという関係式を満たす、ことを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記Ht、Dt及びxは、10mm≧Ht≧2(100μm+x-Dt)という関係式を満たす、ことを特徴とする請求項
4に記載の電池セル。
【請求項7】
前記電極片は、負極片を含み、前記負極片に接続されたタブを支持する絶縁支持部の高さHtは、1mm≦Ht≦10mmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項8】
前記絶縁支持部と前記電極片の端部とは、面と面を合わせて貼り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項9】
前記セパレータと前記タブとの間に位置する前記絶縁支持部の厚さDtは、4μm≦Dt≦100μmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【国際調査報告】