(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】複合構造物を付加的に製造するための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/386 20170101AFI20230721BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230721BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20230721BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20230721BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20230721BHJP
【FI】
B29C64/386
B33Y10/00
B29C64/106
B33Y50/00
B29C64/118
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573454
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 US2021070725
(87)【国際公開番号】W WO2021263263
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519444409
【氏名又は名称】コンティニュアス コンポジッツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラロンド,ローガン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーナー,ブロック アダム
(72)【発明者】
【氏名】ネグゴゴール,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モリス,レイチェル キャスリーン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AA36
4F213AA39
4F213AC02
4F213AD16
4F213AG03
4F213AP11
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL15
4F213WL67
4F213WL85
(57)【要約】
複合構造物を付加的に製造するための方法が開示される。この方法は、複合構造物の断面のスケッチ及び所望の高さをユーザから受信することを含む。この方法は、各々が高さに関係する厚さを有する複数の層(1202)を有する複合構造物の仮想モデルを自動的に生成することを含む。この方法は、複数の層のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの充填パターン(1204)をユーザから受信することと、付加製造機械に、少なくとも1つの充填パターンのセグメントに沿って連続的な繊維を堆積させることと、を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合構造物(12)を付加的に製造するための方法であって、
ユーザから、前記複合構造物の断面のスケッチ及び所望の高さを受信することと、
各々が高さに関係する前記厚さを有する複数の層を有する前記複合構造物の仮想モデルを自動的に生成することと、
前記ユーザから、前記複数の層のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの充填パターンを受信することと、
付加製造機械(14)に、前記少なくとも1つの充填パターンのセグメントに沿って連続的な繊維を堆積させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ユーザから、前記複合構造物を製造するために使用される材料の特性を受信することを更に含み、前記厚さが、前記特性に更に関係している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料が、連続的な補強材を含み、前記厚さが、前記連続的な補強材の寸法に等しい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の層が、異なる厚さを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの充填パターンが、前記ユーザによって、複数の利用可能な充填パターンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの充填パターンが、前記ユーザによって、関数として定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの充填パターンが、前記スケッチの形状に対して共形的であるべきか、又は非共形的であるべきかどうかを示す、前記ユーザからの入力を受信することと、
前記入力に基づいて、前記少なくとも1つの充填パターンのセグメントを調整することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザから、前記少なくとも1つの充填パターンを受信することが、前記ユーザから、前記複数の層のための複数の異なる充填パターンを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザから、複数の異なる充填パターンを受信することが、前記ユーザから、前記高さ全体を通して繰り返される一連の異なる充填パターンを受信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザから、前記複数の充填パターン間の少なくとも1つの関係を受信することと、前記少なくとも1つの関係に基づいて、前記高さ全体を通して前記複数の充填パターンを調整することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スケッチが、前記複合構造物の2D断面である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記スケッチが、前記複合構造物の外面と一致し、かつゼロ厚さを有する、3D輪郭である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザから、前記スケッチの伝播方向を受信することを更に含み、前記複合構造物の前記仮想モデルを自動的に生成することが、前記スケッチを前記高さまで前記伝播方向に押し出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザから、前記複合構造物のための意図された負荷条件を受信することと、
前記負荷条件に基づいて、前記少なくとも1つの層を通るベクトル場を自動的に生成することと、
前記少なくとも1つの充填パターンのセグメントを前記ベクトル場と自動的に整列させることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記付加製造機械に、前記少なくとも1つのセグメントに沿って堆積された連続的な補強材の軸に対して斜めである角度で、前記少なくとも1つの充填の少なくとも1つのセグメントの始点に接近するか、又はその終点から離れるかのうちの少なくとも1つを行わせることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年6月23日に提出された米国仮出願第63/042,851号からの優先権の利益に基づき、かつその利益を主張し、この内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、製造制御システムに関し、より具体的には、付加製造を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
旧来の付加製造は、コンピュータの誘導制御下で、材料の重複層を堆積させることによって、三次元部品を作製するプロセスである。付加製造の一般的な形態は、熱溶解積層モデリング(fused deposition modeling、FDM)として知られている。FDMを使用すると、熱可塑性物質が、加熱されたプリントヘッド内を通過し、液化される。プリントヘッドは、材料がプリントヘッドから吐出されると、材料が、重複する二次元層の特定のパターン及び形状で蓄積されるように、所定の軌道(ツールパスとしても知られている)内で移動される。材料は、プリントヘッドを出た後、冷却され、最終形態へと硬質化する。最終形態の強度は、主に、プリントヘッドに供給された特定の熱可塑性物質、及び二次元層の積層体によって形成された三次元形状の特性に起因する。
【0004】
旧来のFDM製造に対する最近開発された改善は、プリントヘッドから吐出される材料内に埋め込まれた連続的な繊維の使用を伴う。例えば、母材が、プリントヘッドに供給され、同時に同じプリントヘッドも通過する1つ以上の連続的な繊維とともに吐出(例えば、押し出し及び/又は引き抜き)され得る。母材は、従来の熱可塑性プラスチック、粉末金属、液体母材(例えば、UV硬化性及び/若しくは二液型樹脂)、又はこれら及び他の既知の母材のいずれかの組み合わせであり得る。プリントヘッドを出ると、硬化エンハンサ(例えば、UV光、超音波エミッタ、熱源、触媒供給など)が活性化されて、母材の硬化(例えば、硬質化、架橋、焼結など)を開始及び/又は完了する。この硬化は、十分に迅速に完了するとき、支持されていない構造物が自由空間内で製作されることを可能にし得る。また、繊維、特に連続繊維が構造内に埋め込まれている場合、構造の強度は、母材依存の強度を超えて増加する可能性がある。この技術の例は、2016年12月6日にTylerに発行された米国特許第9,511,543号に開示されている(「’543特許」)。
【0005】
開示されたシステム及び方法は、’543特許及び/又は当技術分野で知られている他のシステムに開示されているものと同様の付加製造システムを制御する方式に対処することを対象とする。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための方法を対象とする。この方法は、ユーザから、複合構造物の断面のスケッチ及び所望の高さを受信することを含み得る。この方法はまた、各々が高さに関係する厚さを有する複数の層を有する複合構造物の仮想モデルを自動的に生成することを含み得る。この方法は、ユーザから、複数の層のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの充填パターンを受信することと、付加製造機械に、少なくとも1つの充填パターンのセグメントに沿って連続的な繊維を堆積させることと、を更に含み得る。
【0007】
一態様では、複数の層は、複合構造物の内部分を一緒に形成し得る。この態様では、この方法は、複数の層の縁部にわたって高さ方向に延在する複数のツールパスを生成して、複合構造物の外部分を形成することを更に含み得る。
【0008】
別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための別の方法を対象とする。この方法は、ユーザから、複合構造物の断面のスケッチ、複合構造物を付加的に製造するために使用される複合材料の寸法、及び所望の高さを受信することを含み得る。この方法はまた、各々が寸法に関係する厚さ及び所望の高さに関係する複数の層の数を有する複数の層を有する複合構造物の仮想モデルを自動的に生成することを含み得る。この方法は、ユーザから、複数の層についての複数の異なる充填パターンを受信することと、付加製造機械に、複数の異なる充填パターンのセグメントに沿って連続的な繊維を堆積させることと、を更に含み得る。
【0009】
別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための別の方法を対象とする。この方法は、ユーザから、複合構造物のスケッチ、高さ、及び材料特性を受信することを含み得る。この方法はまた、各々が高さ及び材料特性のうちの少なくとも1つに関係する厚さを有する複数の層を有する仮想モデルを生成することを含み得る。この方法は、ユーザから、複合構造物の意図された負荷を受信することと、意図された負荷に基づいて、複数の利用可能な充填パターンから充填パターンを自動的に選択することと、付加製造機械に、充填パターンのセグメントに沿って連続的な繊維を堆積させることと、を更に含み得る。
【0010】
一態様では、この方法は、意図された負荷に基づいて、充填パターンに基づく充填パターンの角度、オフセット、間隔、振幅、及び頻度のうちの少なくとも1つを自動的に調整することを更に含み得る。
【0011】
一態様では、この方法は、充填パターンの線に沿って複数の点を分布させることと、複数の点を個別の非交差パスに配列することを更に含み得る。これらの点は、付加製造システムのプリントヘッドが複合材料の吐出中に通るべき位置を示し得る。
【0012】
別の態様では、本開示は、構造物を付加的に製造するための方法を対象とする。この方法は、3D仮想モデルを通してベクトル場を生成することと、仮想モデルをベクトル場と整列する複数の層にスライス処理することと、を含み得る。この方法はまた、複数の層のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つのツールパスを生成することと、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることと、を含み得る。
【0013】
一態様では、この方法は、少なくとも1つの充填パターンを複数の層のうちの少なくとも1つに適用することを更に含み得る。少なくとも1つのツールパスを生成することは、少なくとも1つの充填パターンの連続点を通過するために少なくとも1つのツールパスを生成することを含み得る。
【0014】
一態様では、少なくとも1つのツールパスは、ベクトル場と整列され得る。
【0015】
一態様では、この方法は、ユーザから、材料についての等方性特性、及び構造物の意図された負荷を受信することを更に含み得る。ベクトル場を生成することは、等方性特性及び意図された負荷に基づいて、ベクトル場を生成することを含み得る。
【0016】
一態様では、この方法は、少なくとも1つの充填パターンを複数の層のうちの少なくとも1つに適用することを更に含み得る。少なくとも1つのツールパスを生成することは、少なくとも1つの充填パターンの連続点を通過するために、少なくとも1つのツールパスを生成することを含み得る。
【0017】
一態様では、少なくとも1つのツールパスは、ベクトル場と整列され得る。
【0018】
一態様では、この方法は、材料の異方性特性及び少なくとも1つの充填パターンに基づいて、複数の層のうちの少なくとも1つに対して解析を実行することを更に含み得る。この方法はまた、解析に基づいて、少なくとも1つの充填パターンのトポロジを応答的に調整することを含み得る。付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることは、付加製造機械に、調整後に少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることを含み得る。
【0019】
一態様では、材料は、連続的な補強材及び母材を含む複合材料であり得る。
【0020】
一態様では、等方性特性は、構造的特性であり得、この方法は、非構造的特性に基づいて、調整後に複数の層のうちの少なくとも1つに対して追加的な解析を実行することと、追加的な解析に基づいて、追加的な調整を応答的に行うことと、を更に含み得る。付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることは、付加製造機械に、追加的な調整後に少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることを含み得る。
【0021】
一態様では、等方性特性は、構造的特性であり得、この方法は、材料の非構造的特性及び少なくとも1つの充填パターンに基づいて、複数の層のうちの少なくとも1つに対して解析を実行することを更に含み得る。この方法はまた、解析に基づいて、少なくとも1つの充填パターンのトポロジを応答的に調整することを含み得る。付加製造機械に少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることは、付加製造機械に、調整後に少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることを含み得る。
【0022】
一態様では、複数の層のうちの少なくとも1つは、3Dであり得る。
【0023】
一態様では、この方法は、3D仮想モデルのメッシュを生成することを更に含み得る。この方法はまた、メッシュを解析して、ベクトル場を生成することを含み得る。
【0024】
別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための別の方法を対象とする。この方法は、3D仮想モデルのメッシュを生成することと、構造物及び意図された負荷を製造する際に使用される材料の等方性特性に基づいてメッシュを解析して、3D仮想モデルを通してベクトル場を生成することと、を含み得る。この方法はまた、仮想モデルをベクトル場と整列する複数の層にスライス処理することと、少なくとも1つの充填パターンを複数の層のうちの少なくとも1つに適用することと、を含み得る。この方法は、少なくとも1つの充填パターン及び材料の異方性特性に基づいて、複数の層のうちの少なくとも1つの解析を実行することと、解析に基づいて、少なくとも1つの充填パターンを調整することと、を更に含み得る。この方法は、追加的に、調整後に少なくとも1つの充填パターンの連続点を通過するように少なくとも1つのツールパスを生成することと、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることと、を含み得る。
【0025】
一態様では、少なくとも1つのツールパスは、ベクトル場と整列され得る。
【0026】
一態様では、材料は、連続的な補強材及び母材を含む複合材料であり得る。異方性特性は、連続的な補強材の軸方向と関連付けられ得る。
【0027】
一態様では、異方性特性は、構造的特性であり得る。
【0028】
一態様では、この方法は、材料の非構造的特性に基づいて、調整後に複数の層のうちの少なくとも1つに対して追加的な解析を実行することと、追加的な解析に基づいて、追加的な調整を応答的に行うことと、を更に含み得る。付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることは、付加製造機械に、追加的な調整後に少なくとも1つのツールパスに沿って材料を堆積させることを含み得る。
【0029】
一態様では、複数の層のうちの少なくとも1つは、3Dであり得る。
【0030】
更に別の態様では、本開示は、付加製造システムを対象とする。このシステムは、連続的な補強材及び母材を含む複合材料を吐出するように構成された付加製造機械、並びに付加製造機械に、ツールパスに沿って複合材料を堆積させて、構造物を形成するように構成された制御システムを含み得る。制御システムは、構造物の3D仮想モデルを通してベクトル場を生成し、3D仮想モデルをベクトル場と整列する複数の層にスライス処理し、かつ複数の層のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つのツールパスを生成するようにプログラムされたプロセッサを含み得る。
【0031】
一態様では、プロセッサは、3D仮想モデルのメッシュを生成し、複合材料の等方性特性及び構造物の意図された負荷に基づいてメッシュを解析して、ベクトル場を生成するように更にプログラムされ得る。プロセッサは、少なくとも1つの充填パターンを複数の層のうちの少なくとも1つに適用し、少なくとも1つの充填パターン及び連続的な補強材の異方性特性に基づいて、複数の層のうちの少なくとも1つの解析を実行するように更にプログラムされ得る。プロセッサは、解析に基づいて少なくとも1つの充填パターンを調整し、調整後に、少なくとも1つのツールパスを生成して、少なくとも1つの充填パターンの逐次的な点を通過するように更にプログラムされ得る。
【0032】
一態様では、本開示は、構造物を付加的に製造するための方法を対象とする。この方法は、少なくとも1つのツールパスを生成することと、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第1の部分に沿って材料を配置させることと、少なくとも1つのツールパスの第1の部分に沿った材料の配置を監視することと、を含み得る。この方法はまた、配置に基づいて少なくとも1つのツールパスの第2の部分を調整することと、調整後に、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第2の部分に沿って材料を配置させることと、を含み得る。
【0033】
一態様では、生成することは、構造物の意図された負荷に基づいて、構造物の仮想モデルを解析することを含み得る。この方法は、構造物が所望の性能を達成するように、解析に基づいて、少なくとも1つのツールパスを生成することを更に含み得る。
【0034】
一態様では、この方法は、配置に基づいて、構造物の仮想モデルを更新することを更に含み得る。
【0035】
一態様では、少なくとも1つのツールパスの第2の部分を調整することは、構造物が第1の部分からの配置のずれに関係なく所望の性能を達成するように、仮想モデルを再解析することと、再解析に基づいて第2の部分を調整することと、を含み得る。
【0036】
一態様では、再解析することは、有限要素解析を実行することを含み得る。
【0037】
一態様では、解析することは、有限要素解析を実行することを含み得る。
【0038】
一態様では、この方法は、静止切断プロセス及び移動切断プロセスを介して材料を選択的に切り離すことを更に含み得る。
【0039】
一態様では、静止切断プロセスは、付加製造機械の運動を停止することと、材料を硬化させるように構成された硬化源を作動解除することと、を含み得る。この方法はまた、材料をクランプすることと、切断機構を作動させることと、を含み得る。
【0040】
一態様では、この方法は、切り離された材料の尾端を固定することと、その後、材料を外すことと、を更に含み得る。
【0041】
一態様では、移動切断プロセスは、切り離し中に付加製造機械から材料を連続的に吐出することを含み得る。
【0042】
一態様では、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第1の部分に沿って材料を配置させることは、開始点にある第1の部分の軌道に対して斜めの角度で第1の部分の開始点に近づけるように付加製造機械の出口を移動することを含み得る。
【0043】
一態様では、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第2の部分に沿って材料を配置させることは、付加製造機械の出口を、終了点にある第2の部分の軌道に対して斜めの角度で第2の部分の終了点を離れるように移動させることを含み得る。
【0044】
別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための別の方法を対象とする。この方法は、付加製造機械の出口を通して材料を吐出することを含み得る。この方法はまた、静止切断プロセス及び移動切断プロセスを介して、材料を選択的に切り離すことを含み得る。
【0045】
別の態様では、静止切断プロセスは、付加製造機械の運動を停止し、材料を硬化させるように構成された硬化源を作動解除することを含み得る。この方法はまた、材料をクランプすることと、切断機構を作動させることと、を含み得る。
【0046】
別の態様では、この方法は、切り離された材料の尾端を固定することと、その後、材料を外すことと、を更に含み得る。
【0047】
別の態様では、移動切断プロセスは、切り離し中に付加製造機械から材料を連続的に吐出することを含み得る。
【0048】
別の態様では、付加製造機械の出口を通して材料を吐出することは、開始点にあるパスの軌道に対して斜めの角度でパスの開始点に近づけるように付加製造機械の出口を移動させること、及び終了点にあるパスの軌道に対して斜めの角度でパスの終了点から離れるように付加製造機械の出口を移動させることのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0049】
更に別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するためのシステムを対象とする。このシステムは、付加製造機械、及び付加製造機械の動作を調節するように構成された制御システムを含み得る。制御システムは、少なくとも1つのツールパスを生成し、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第1の部分に沿って材料を配置させ、少なくとも1つのツールパスの第1の部分に沿った材料の配置を監視するようにプログラムされたプロセッサを含み得る。プロセッサは、配置に基づいて、少なくとも1つのツールパスの第2の部分を調整し、調整後、付加製造機械に、少なくとも1つのツールパスの第2の部分に沿って材料を配置させるように更にプログラムされ得る。
【0050】
一態様では、生成することは、構造物の意図された負荷に基づいて構造物の仮想モデルを解析することと、構造物が所望の性能を達成するように、解析に基づいて少なくとも1つのツールパスを生成することと、を含み得る この方法は、配置に基づいて構造物の仮想モデルを更新することを更に含み得る。少なくとも1つのツールパスの第2の部分を調整することは、構造物が第1の部分からの配置のずれに関係なく所望の性能を達成するように、仮想モデルを再解析し、再解析に基づいて第2の部分を調整することを含み得る。
【0051】
一態様では、本開示は、構造物を付加的に製造するための方法を対象とする。この方法は、構造物の仮想モデルを複数の層にスライス処理することと、複数の層の各々に少なくとも1つの充填パターンを適用することと、少なくとも1つの充填パターンの線に沿って複数の点を分布させることと、を含み得る。この方法はまた、複数の点を少なくとも1つのパスに逐次的にグループ化することと、付加製造機械による製作のための少なくとも1つのパスを検証することと、付加製造機械に、検証された少なくとも1つのパスに沿って材料を吐出させることと、を含み得る。
【0052】
一態様では、検証することは、複数の点の各々でパスに垂直なベクトルを生成することと、ベクトルの導関数を閾値導関数と比較することと、を含み得る。検証することはまた、比較に基づいて、点を選択的にフィルタリングすることを含み得る。
【0053】
一態様では、閾値導関数は、付加製造機械の制限と関連付けられ得る。
【0054】
一態様では、閾値導関数は、材料の制限と更に関連付けられ得る。
【0055】
一態様では、材料は、連続的な補強材及び母材を含み得る。閾値導関数は、連続的な補強材の制限と関連付けられ得る。
【0056】
一態様では、閾値導関数は、材料の制限と関連付けられ得る。
【0057】
一態様では、材料は、連続的な補強材及び母材を含み得る。閾値導関数は、連続的な補強材の制限と関連付けられ得る。
【0058】
一態様では、選択的にフィルタリングすることは、グループ化したものから点を除去することを含み得る。
【0059】
一態様では、選択的にフィルタリングすることは、グループ化したものに点を追加することを含み得る。
【0060】
一態様では、選択的にフィルタリングすることは、グループ化したものの点間の間隔を調整することを含み得る。
【0061】
一態様では、この方法は、材料の吐出をエラーについて監視することを更に含み得る。この方法はまた、エラーの検出に基づいて、以下の応答:即時中止、待機、警告、及び機械調整のうちの少なくとも1つを選択的に実施することを含み得る。
【0062】
一態様では、選択的に実施することは、エラーが送給エラー、切断エラー、及び張力エラーのうちの少なくとも1つと関連付けられているとき、付加製造機械による材料の吐出を直ちに中止することを含み得る。
【0063】
一態様では、選択的に実施することは、エラーが材料供給の枯渇と関連付けられているとき、付加製造機械による材料の吐出中に少なくとも1つのパス内の次のセグメントを待機させることを含み得る。
【0064】
一態様では、選択的に実施することは、エラーがゼロを超える材料の低供給レベル及び材料の圧縮のうちの少なくとも1つと関連付けられているとき、付加製造機械のオペレータに警告を生成することを含み得る。
【0065】
一態様では、選択的に実施することは、エラーが材料の配置と関連付けられているとき、付加製造機械の動作を調整することを含み得る。
【0066】
別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するための別の方法を対象とする。この方法は、構造物の仮想モデルを複数の層にスライス処理することと、複数の層の各々に少なくとも1つの充填パターンを適用することと、少なくとも1つの充填パターンの線に沿って複数の点を分布させることと、を含み得る。この方法はまた、複数の点を少なくとも1つのパスに逐次的にグループ化することと、複数の点の各々でパスに垂直なベクトルを生成することと、ベクトルの導関数を閾値導関数と比較することと、を含み得る。この方法は、比較に基づいて点を選択的にフィルタリングすることと、付加製造機械に、少なくとも1つのパスに沿って母材コーティングされた連続的な補強材を配置させることと、を更に含み得る。
【0067】
一態様では、閾値導関数は、付加製造機械の制限、及び母材コーティングされた連続的な補強材の制限のうちの少なくとも1つと関連付けられ得る。
【0068】
一態様では、選択的にフィルタリングすることは、グループ化したものから点を除去すること、グループ化したものに点を追加すること、及びグループ化したものの点間の間隔を調整することのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0069】
更に別の態様では、本開示は、複合構造物を付加的に製造するためのシステムを対象とする。このシステムは、付加製造機械、及び付加製造機械の動作を調節するように構成された制御システムを含み得る。制御システムは、複合構造物の仮想モデルを複数の層にスライス処理し、複数の層の各々に少なくとも1つの充填パターンを適用し、少なくとも1つの充填パターンの線に沿って複数の点を分布させるようにプログラムされたプロセッサを含み得る。プロセッサはまた、複数の点を少なくとも1つのパスに逐次的にグループ化し、複数の点の各々でパスに垂直なベクトルを生成するようにプログラムされ得る。プロセッサは、追加的に、ベクトルの導関数を閾値導関数と比較し、比較に基づいて点を選択的にフィルタリングし、付加製造機械に、少なくとも1つのパスに沿って複合材料を配置させるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】例示的な開示された付加製造機械、及び機械を制御するために使用され得る対応する制御システムの概略図である。
【
図3-1】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図3-2】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図4-1】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図4-2】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図5】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図6】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図7】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図8】
図1及び
図2の制御システムによって実施され得る例示的な方法を表すフローチャートである。
【
図12】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図13】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図14】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図15】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図16】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図17】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図18】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図19】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図20】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図21】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図22】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図23】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図24】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【
図25】
図3~
図8のフローチャートに示されるステップを示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、任意の所望の形状、サイズ、組成、及び機能を有する構造物12を設計、計画、製作、並びに/又は解析するために使用され得る例示的な制御システム(「システム」)10を示す。システム10は、とりわけ、付加製造機械(「機械」)14、及び機械14に動作可能に接続された少なくとも1つのコンピューティングデバイス16を含み得る。機械14は、例えば付加製造プロセスとして、コンピューティングデバイス16の誘導された制御下で構造物12を作製するように構成され得る。1つ以上の連続的な補強材(例えば、繊維-F)及び1つ以上の硬化性母材(M)は、構造物12がどのように作製され得るかの例として以下に記載されるが、当技術分野で知られている他のプロセスは、代替的に、この目的、並びに開示された制御システム及び方法からの利益のために利用され得ることに留意されるべきである。
【0072】
機械14は、層ごとに、及び/又は(例えば、下地層の支えのない)自由空間内で、構造物12を作製するように制御可能である構成要素で構成され得る。これらの構成要素には、とりわけ、支持体18、並びに支持体18に結合され、及び/又は支持体18によって動力供給された任意の数のヘッド20が挙げられ得る。
図1の開示された実施形態では、支持体18は、構造物12の製作中にヘッド20を多数の方向に移動することができるロボットアームである。所望される場合、同じ又は異なる様態でヘッド20を移動することができる任意の他のタイプの支持体(例えば、ガントリ、アーム/ガントリの組み合わせなど)も利用され得ることに留意されるべきである。
【0073】
各ヘッド20(明確にするために、
図1には1つのみ示されている)は、硬化性である少なくとも母材(例えば、ゼロ揮発性有機化合物樹脂などの液体樹脂、粉末金属、など)を吐出するように構成され得る。例示的な硬化性母材には、熱硬化性ポリマー、一液型又は多液型エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、カチオン性エポキシ、アクリル化エポキシ、ウレタン、エステル、熱可塑性ポリマー、フォトポリマー、ポリエポキシド、チオール、アルケン、チオール-エン、などが挙げられる。一実施形態では、各ヘッド20の内側の母材は、例えば、対応する導管(図示せず)を介してヘッド20と流体連通している外部デバイス(例えば、押出機又は別のタイプのポンプ-図示せず)によって加圧され得る。しかしながら、別の実施形態では、圧力は、同様のタイプのデバイスによってヘッド20の完全に内側に生成され得る。更に他の実施形態では、母材は、ヘッド20を通して重力送給され、及び/又はヘッド20内で混合され得る。場合によっては、未熟な硬化を抑制するために、ヘッド20の内側の母材を冷たく及び/又は暗く保つ必要があり得、一方、他の例では、同様の理由で、母材を温かく及び/又は明るく保つ必要があり得る。どちらの状況でも、ヘッド20は、これらの必要性を提供するように特別に構成され得る(例えば、断熱、温度制御、シールドなど)。
【0074】
いくつかの実施形態では、母材は、1つ以上の繊維(例えば、個々の繊維、トウ、ロービング、スリーブ、リボン、及び/又は材料のシート)と混合され得るか、それらを含有し得るか、又は別様に少なくとも部分的に湿潤若しくはコーティングし得、繊維と一緒に、構造物12の少なくとも一部分(例えば、壁)を構成し得る。繊維は、ヘッド20内に(例えば、1つ以上の別個の内部スプール上に-図示せず)貯蔵され得るか、又は別様にヘッド20を通過され得る(例えば、1つ以上の外部スプールから送給され得る)。多数の繊維を同時に使用するとき、繊維は同じタイプのものであり、かつ同じ径、断面形状(例えば、円形、矩形、三角形など)、及びサイジングを有するか、又は異なる径、断面形状、及び/若しくはサイジングを有する異なるタイプのものであり得る。繊維には、例えば、アラミド繊維、炭素繊維、植物繊維、木材繊維、鉱物繊維、ガラス繊維、金属線、光学管などが挙げられ得る。「繊維」という用語は、ヘッド20から吐出される母材内に少なくとも部分的に包み込むことができる構造的及び非構造的(例えば、機能的)タイプの両方の連続的な補強材を包含することを意味することに留意されるべきである。
【0075】
所望に応じて、繊維がヘッド20の内側にある間、繊維がヘッド20に渡されている間、及び/又は繊維がヘッド20から吐出されている間、繊維は、母材に曝露され得る(例えば、少なくとも部分的に湿潤される、母材でコーティングされる、及び/又は母材中で完全に飽和される)。母材、乾式繊維、及び/又は母材に既に曝露されている繊維(例えば、湿潤繊維)は、当業者に明らかな任意の様態でヘッド20に輸送され得る。
【0076】
支持体18は、母材湿潤繊維の1つ以上の連続的なパスが軌道に沿って形成されるように、母材湿潤繊維がヘッド20から吐出されるのと同時に、特定の軌道(例えば、構造物12の意図された形状、サイズ、及び/又は機能に対応する軌道)でヘッド20を移動させ得る。各パスは、任意の断面形状、径、及び/又は繊維対母材比を有し得、繊維は、その一般的な中心に位置するか、又は周辺にのみ位置する母材で径方向に分散され得る。
【0077】
1つ以上の硬化エンハンサ(例えば、UV光、レーザ、超音波エミッタ、ヒータ、触媒分配器など)は、ヘッド20に近接して(例えば、ヘッド20内又はヘッド20上に)実装され得、ヘッド20から吐出されるときの母材の硬化速度及び/又は品質を強化するように構成され得る。硬化エンハンサ22は、構造物12の形成中に、構造物12の表面を所望のタイプ及び/又は強度のエネルギー(例えば、UV光、電磁放射、振動、熱、化学触媒又は硬質化剤など)に選択的に曝露させるように調節され得る。エネルギーは、母材内で発生する化学反応の速度を増加させるか、母材を焼結させるか、母材を硬質化するか、又は別様に、母材をヘッド20から吐出するときに硬化させ得る。図示される実施形態では、硬化エンハンサ22は、ヘッド20の中心軸の周りに等しく分布する多数のLEDを含む。しかしながら、任意の数のLED及び/又は他のエネルギー源が、代替的に、開示された目的のために利用され、及び/又は別の様態(例えば、不均等に分布する、列で配設される、先頭にのみ、後尾にのみなど)で配設され得ることが企図される。例えば、硬化エンハンサ22は、所望される場合、ヘッド20の後ろに続くアーム(図示せず)上、及び/又は支持体18の一部分上に位置し得る。硬化エンハンサ22によって生じるエネルギーの量は、構造物12がヘッド20から離れて軸方向に所定の長さよりも大きく成長する前に、母材の曝露表面を少なくとも部分的に硬化させるのに十分であり得る。一実施形態では、構造物12は、軸方向成長の長さが母材コーティングされた補強材の外径に等しくなる前に完全に硬化される。
【0078】
図1の実施形態では、ヘッド20は、モジュラである。例えば、ヘッド20は、母材リザーバ26、及び母材リザーバ26に着脱可能に接続される出口24を含み得る(例えば、1つ以上のねじ式締結具、留め具、アクチュエータ、及び/又は他のハードウェアを介して-図示せず)。この例では、出口24は、概ね円形、矩形、及び/又は他の多角形の断面を有する複合材料を吐出するように構成された一方向出口である。しかしながら、ヘッド20の構成は、異なる形状(例えば、管状断面、リボン又はシート断面など)及び/又は異なる数の経路を有する複合材料を吐出する別の出口のために出口24を交換することを可能にし得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、硬化エンハンサ22は、出口24の下部部分(例えば、母材リザーバ26から遠位の部分)に実装され得る。この構成を用いて、硬化エンハンサ22は、出口24から吐出される材料の形状、サイズ、及び/又はタイプに最も適した構成で、遠位端の周りに位置し得る。開示された実施形態では、硬化エンハンサ22は、硬化エンハンサ22からのエネルギーが出口24から吐出される材料の中心に向かって方向付けられるように、出口24の中心軸に対して、ある角度で実装される。1つ以上の光学素子31は、出口24の開口部で硬化エンハンサ22からのエネルギーを選択的に遮断、分散、集束、及び/又は照準するように、いくつかの用途で使用され得る。これは、出口24から吐出される材料の硬化速度及び/又は硬化位置に影響を及ぼし得る。光学素子31は、所望される場合、調整可能(例えば、止めねじを介して手動で調整可能-図示せず、又はアクチュエータを介して自動的に調整可能-図示せず)であり得ることが企図される。
【0080】
母材及び/又は補強材は、任意の数の異なる動作モードを介してヘッド20から一緒に吐出され得る。第1の例示的な動作モードでは、ヘッド20が支持体18によって移動されて、構造物12の特徴部を作製するときに、母材及び/又は補強材がヘッド20から押し出される(例えば、圧力及び/又は機械的な力の下で押される)。第2の例示的な動作モードでは、少なくとも補強材がヘッド20から引っ張られ、その結果、吐出中に補強材内に引張応力が生み出される。この第2の動作モードでは、母材は補強材に付着し、それによって補強材とともにヘッド20から引っ張られ、及び/又は母材は引っ張られた補強材とともに圧力下でヘッド20から吐出され得る。第2の動作モードでは、補強材がヘッド20から引っ張られており、その結果、補強材に生じる張力は、構造物12の強度を増加させ得(例えば、補強材を整列させる、座屈を抑制する、補強材に均等に負荷をかけるなど)、母材の硬化後、支持されていない構造物12のより長い長さをより直線的な軌道にすることも可能にする。すなわち、母材の硬化後に残っている補強材の張力は、重力に逆らって作用し(例えば、重力に対抗するモーメントを生じさせることによって直接的及び/又は間接的に)、構造物12の支持を提供し得る。
【0081】
補強材は、ヘッド20が支持体18によってアンカーポイント(例えば、プリントベッド、構造物12の既存の表面、固定具など)32から離れるように移動及び/又は傾斜された結果として、ヘッド20から引っ張られ得る。例えば、構造物形成の開始時に、ある長さの母材含浸補強材が、ヘッド20から引っ張られ、及び/又は押され、アンカーポイント32に対して積層され、吐出された材料がアンカーポイントに接着する(又は、結合する)ように、少なくとも部分的に硬化される。その後、ヘッド20はアンカーポイント32から離れるように移動及び/又は傾斜され得、相対的な運動が補強材をヘッド20から引っ張らせ得る。以下でより詳細に説明されるように、ヘッド20を通る補強材の移動は、所望される場合、1つ以上の内部送給機構を介して選択的に支援され得る。しかしながら、ヘッド20からの補強材の吐出量は、主にヘッド20とアンカーポイント32との間の相対的な移動の結果であり得、その結果、補強材内に張力が生み出される。上で考察されたように、アンカーポイント32は、ヘッド20がアンカーポイント32から離れるように移動される代わりに、又はそれに加えて、ヘッド20から離れるように移動され得る。
【0082】
任意の数の別個のコンピューティングデバイス16を使用して、構造物12内の繊維の配置を設計及び/若しくは制御し、かつ/又は形成前、形成中、及び/若しくは形成後に構造物12の性能特徴を解析し得る。コンピューティングデバイス16は、とりわけ、ディスプレイ34、1つ以上のプロセッサ36、任意の数の入力/出力(「input/output、I/O」)デバイス38、任意の数の周辺機器40、並びにプログラム44及びデータ46を記憶するための1つ以上のメモリ42を含み得る。プログラム44は、例えば、任意の数の設計及び/又はプリントアプリ48及びオペレーティングシステム50を含み得る。
【0083】
コンピューティングデバイス16のディスプレイ34は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light emitting diode、LED)スクリーン、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)スクリーン、及び/又は別の既知の表示デバイスを含み得る。ディスプレイ34は、プロセッサ36の制御下でデータを提示するために使用され得る。
【0084】
プロセッサ36は、仮想処理技術で構成されたシングル又はマルチ-コアプロセッサであり、ロジックを使用して、任意の数の操作を同時に実行及び制御し得る。プロセッサ36は、仮想機械又は他の既知の技術を実施して、任意の数のソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラムなどを実行、制御、稼働、操作、及び記憶するように構成され得る。加えて、いくつかの実施形態では、プロセッサ36は、開示された方法の機能を実行するために特定の回路、命令、アルゴリズム、及び/若しくはデータで特別に構成された1つ以上の特殊なハードウェア、ソフトウェア、並びに/又はファームウェアモジュール(図示せず)を含み得る。本明細書に開示される能力を提供する他のタイプのプロセッサ配設が実施され得ることが理解される。
【0085】
メモリ42は、揮発性若しくは不揮発性、磁気、半導体、テープ、光学、着脱可能な、着脱不可能な、又は他のタイプの記憶デバイス、あるいは解析アプリ及び/又はプリントアプリ48並びにオペレーティングシステム50などの、1つ以上の実行可能なプログラム44を記憶する有形及び/又は非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。非一時的媒体の一般的な形態には、例えば、フラッシュドライブ、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM又は他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM又は他のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ若しくは他のメモリチップ又はカートリッジ、及びそれらのネットワーク化されたバージョンが挙げられる。
【0086】
メモリ42は、プロセッサ36が設計アプリ及び/又は製作アプリ48、オペレーティングシステム50、並びにコンピュータシステムで利用可能であることが知られている任意の他のタイプのアプリケーション又はソフトウェアなどの、1つ以上のアプリケーションを実行することを可能にする命令を記憶し得る。代替的又は追加的に、命令、アプリケーションプログラムなどは、1つ以上のネットワーク(図示せず)を介してアクセス可能な1つ以上のデータベース若しくはメモリなどの、コンピューティングデバイス16と直接通信している内部及び/又は外部のデータベース(例えば、クラウドストレージシステム-図示せず)内に記憶され得る。メモリ42は、開示された実施形態の1つ以上の特徴部を実行するために使用されるデータ及び命令を記憶する1つ以上のメモリデバイスを含み得る。メモリ42はまた、文書管理システム、Microsoft SQLデータベース、SharePointデータベース、Oracle(商標)データベース、Sybase(商標)データベース、若しくは他の関係データベースなどの、メモリコントローラデバイス(例えば、サーバなど)又はソフトウェアによって制御された1つ以上のデータベースの任意の組み合わせを含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス16は、ネットワーク(図示せず)を通して1つ以上のリモートメモリデバイス(例えば、リモートデータベース-図示せず)に通信可能に接続される。リモートメモリデバイスは、コンピューティングデバイス16がアクセス及び/又は管理することができる情報を記憶するように構成することができる。例として、リモートメモリデバイスは、文書管理システム、Microsoft SQLデータベース、SharePointデータベース、Oracleデータベース、Sybaseデータベース、Cassandra、HBase、あるいは他の関係データベース若しくは非関係データベース又は通常ファイルであり得る。しかしながら、開示された実施形態に合うシステム及び方法は、別個のデータベース、又は更にはデータベースの使用に限定されない。
【0088】
プログラム44は、プロセッサ36に、開示された実施形態の1つ以上の機能を実行させる1つ以上のソフトウェア又はファームウェアモジュールを含み得る。その上、プロセッサ36は、コンピューティングデバイス16から遠隔に位置する1つ以上のプログラムを実行することができる。例えば、コンピューティングデバイス16は、実行されるとき、開示された実施形態に関係する機能を実行する1つ以上のリモートプログラムにアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、メモリ42内に記憶され、プロセッサ36によって実行されるプログラム44は、設計、製作、及び/又は解析アプリ48並びにオペレーティングシステム50のうちの1つ以上を含むことができる。アプリ48は、プロセッサ36に、開示された方法の1つ以上の機能を実行させ得る。
【0089】
オペレーティングシステム50は、プロセッサ36などの1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、既知のオペレーティングシステム機能を実行し得る。例として、オペレーティングシステム50は、Microsoft Windows、Unix、Linux、OSX、IOS、Raspberry Pi OS(例えば、Rapbian)、Android、又は別のタイプのオペレーティングシステム50を含み得る。したがって、開示された実施形態は、任意のタイプのオペレーティングシステム50を稼働させるコンピュータシステムを用いて動作及び機能することができる。
【0090】
I/Oデバイス38は、ユーザ及び/又は機械14から信号又は入力を受信し、かつ構造物12をプリントすることを可能にする機械14にシグナル又は出力を提供するための1つ以上のインターフェースを含み得る。例えば、コンピューティングデバイス16は、1つ以上のキーボード、マウスデバイスなどの1つ以上の入力デバイスとインターフェース接続するためのインターフェース構成要素を含むことができ、これにより、コンピューティングデバイス16がユーザからの入力を受信することを可能にする。
【0091】
周辺デバイス40は、独立型デバイス、又は機械14内に埋め込まれるか、若しくは別様にそれと関連付けられ、構造物12の製作中に使用されるデバイスであり得る。
図2に示されるように、周辺機器40は、入力デバイス(例えば、張力センサ、位置センサ、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、レベルセンサ、ロータリエンコーダ、スキャナ、ポテンショメータ、及び当技術分野で知られている他のセンサ)40A、並びに/又は出力デバイス(例えば、母材供給部、繊維供給部、ヒータ、ポンプ、硬化エンハンサ22、位置決めモータ、カッター、送給ローラ、テンショナ、湿潤機構、圧縮機など)40Bを具現化することができる。いくつかの実施形態では、周辺機器40は、それ自体が、1つ以上のプロセッサ(例えば、プログラマブルロジックコントロール(programmable logic control、PLC)、コンピュータ数値コントローラ(computer numeric controller、CNC)など)、メモリ、及び/又はトランシーバを含み得る。周辺デバイス40が専用プロセッサ及びメモリを装備しているとき、専用プロセッサは、メモリ上に記憶された命令を実行して、捕捉コマンド、処理コマンド、運動コマンド、及び/又は伝送コマンドを含む、映像、音声、他の感覚データ、制御データ、位置データなどと関連付けられたプロセッサ36からのコマンドを受信するように構成され得る。トランシーバは、システム10内の1つ以上の他の構成要素に、又はそれらからデータを伝送することができる有線又は無線の通信デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、トランシーバは、センサ及び/又はアクチュエータの作動のための、並びにトランシーバを介したデータの伝送のための命令を含む、プロセッサ36からのデータを受信することができる。受信された命令に応答して、トランシーバは、プロセッサ36と他の構成要素との間でデータをパケット化して伝送することができる。
【0092】
設計、製作、及び/又は解析アプリ48は、コンピューティングデバイス16に、機械14の動作、及び構造物12の対応する設計/製作/解析に関連して、データを生成、受信、処理、解析、記憶、及び/又は伝送することに関係する方法を実行させ得る。例えば、アプリ48は、機械14のオペレータから設計/制御命令及び情報を受信するためのディスプレイ34上にグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を表示すること、機械14と関連付けられた感覚データを(例えば、周辺機器40Aを介して)捕捉すること、構造物12の仕様、所望の特性、及び/又は所望の性能に関する命令を、I/Oデバイス38及び/又はユーザインターフェースを介して受信すること、制御命令を処理すること、1つ以上の、構造物12の可能な設計及び/若しくは構造物12を製作するための計画を生成すること、設計及び/若しくは計画を解析並びに/又は最適化すること、1つ以上の設計及び/若しくは計画の推奨案を提供すること、機械14を制御して、推奨及び/若しくは選択された計画を介して推奨及び/若しくは選択された設計を製作すること、製作を解析すること、並びに/又は将来の製作を改善するために機械14にフィードバック及び調整を提供することを、含む動作を実行するようにコンピューティングデバイス16を構成することが可能であり得る。
【0093】
図3~
図8は、機械14による構造物12の設計、解析、及び/又は製作中にコンピューティングデバイス16によって実施され得る例示的な方法を示すフローチャートである。
図12~
図25は、
図3~
図8のフローチャートに概説された動作を示す。
図3~
図8及び
図12~
図25は、開示された概念を更に例示するために、以下の項でより詳細に考察されるであろう。
【0094】
産業上の利用可能性
開示されたシステムは、任意の所望の断面形状、長さ、密度、剛性、強度、及び/又は他の特徴を有する複合構造物を連続的に製造するために使用され得る。複合構造物は、同じ若しくは異なるタイプ、径、形状、構成、及び組成の任意の数の異なる補強材、並びに/又は任意の数の異なる母材から製作され得る。ここで、
図3~
図8のフローチャート及び
図12~
図25の画像を参照して、システム10の動作について詳細に記載する。
【0095】
図3のフローチャートに見られるように、構造物12の作製は、概して、パス生成、検証、及び製作を含む3つの異なる段階に分割され得る。パス生成段階は、概して、構造物12を定義すること、及び機械14が材料の吐出中に通過するべき点を生成して、構造物12を定義された様態で製作すること、並びに点を1つ2つ以上の規則的なパスにコンパイルすることと関連付けられ得る。検証段階は、概して、特定の材料の吐出中及び機械14による取り込みのためのパスの調製中に、機械14がパスをたどることができることを確実にすることと関連付けられ得る。製作段階は、概して、取り込まれたパスをたどるための機械14の作動、並びに製作プロセスのリアルタイム観察に基づくパスの反復的及び/又はライブ調整と関連付けられ得る。
【0096】
構造物作製のパス生成段階は、システムのユーザからの、構造物12の1つ以上の仮想モデル及び関連付けられた仕様のプロセッサ36による受信(例えば、I/Oデバイス38を介して)から開始し得る(ステップ300)。仮想モデルは、例えばデータファイルとして利用可能な任意のコンピュータ支援設計(computer-aided drafting、CAD)システムから受信される。モデルは、2Dモデルであり得、かつ.SVG、.AI、.EPS、.PDF、.DXFなどとして受信され得るか、又は3Dモデルであり、.STL、.OBJ、.PLY、.3MF、.AMFとして受信され得る。これらの仕様には、とりわけ、構造物12の超えない物理的エンベロープ(例えば、構造物12が常在して機能する構造物12の外部及び/又は内部境界の定義)、ガイド曲線、スライス面若しくは他の幾何学形状、予想される動作条件(力負荷、たわみ負荷、振動負荷、熱負荷、環境負荷など)、所望の特徴(硬度、重量、浮力、伝導度、遮蔽など)、及び/又は所望の性能(例えば、最小値、最大値、指定された母材の特定及び/若しくは材料特性、指定された繊維の特定及び/又は材料特性、並びに/又は伝導性、剛性、強度などの特定の材料パラメータについての許容可能な範囲)が挙げられ得る。
【0097】
次いで、プロセッサ36は、機械14によって次に実行される製作プロセスのタイプを示すユーザからの入力を促し、受信し得る(ステップ305)。つまり、構造物12は、製作を完了するために1つ以上の異なるプロセスを実行する必要がある場合があり、全てのプロセスが同時に実行され得るわけではない。これらのプロセスには、とりわけ、充填プロセス及び表面プロセスが挙げられ得る。充填プロセスは、内部分(例えば、骨格、足場、枠、又は構造物12の他の基礎的な構成)の製作と関連付けられ得、一方、表面プロセスは、隣接する、及び/又は内部分の周りに位置するべき外部分(例えば、外皮、外層、又は他の露出した輪郭)と関連付けられ得る。概して、充填は、表面よりもコーザー(courser)であるか、又は磨かれていない特徴を有し得る。ステップ305で受信された入力は、対応する充填モジュール(ステップ310)又は対応する表面モジュール(ステップ315)のいずれかに送給され得、これらの両方が、それぞれの内部分又は外部分を製作するために、材料吐出中にヘッド20が移動するべき点を生成することが可能であり得る。点を生成することに加えて、点は、対応するモジュール内で、任意の数の異なるパスにグループ化され得、各パスは、ヘッド20の個別の製作事象に対応する開始点及び終了点を有する。充填モジュール及び表面モジュールは、以下でより詳細に考察される。
【0098】
充填モジュール及び/又は表面モジュールが、構造物12の内部分及び/又は外部分の製作と関連付けられたパスを生成した後、プロセッサ36は、パスを支えるか、又は別様にパスを安定化するための支持体の必要性を判定し得る(ステップ320)。特に、構造物12のサイズ、形状、配向、質量、材料などに依存して、構造物12のいくつかの部分は、所望の完全性を維持するために(例えば、反り、垂れ、破断、又は他のひずみを抑制するために)、パスに沿って製作中に支持される必要があり得る。プロセッサ36は、これらの部分を特定し、支持材料が吐出されるべきである対応する点を生成し得る(例えば、機械14又は別の支持体-機械のみによって-図示せず)。これらの特定及び/又は点生成動作は、ルールベースであり、例えば、過剰値、角度、質量、繊維密度、製作誘起力、曲率など)と関連付けられた閾値に基づいて判定され得る。
【0099】
充填モジュール及び/又は表面モジュール、並びに対応する支持点によって生成されたパスは、パスの各々に沿って及び支持点の各々で材料を吐出する機械14の特定の構成にとらわれない場合がある。言い換えれば、パス及び点は、機械14の運動力学、能力、仕様などに関係なく生成され得る。したがって、生成後、プロセッサ36は、パス及び支持点をCAMモジュールに方向付けるように構成され得、ここで、パス及び/又は点は、機械14の特定の構成で使用するために検証及び配列される(ステップ325)。CAMモジュールは、これとは別に、以下でより詳細に考察されるであろう。CAMモジュールは、機械14の製作能力内にある点及びパスのみが生成されるように、所望される場合、パス及び/又は支持点の初期生成中に代替的に参照され得る。
【0100】
次いで、検証されたパス及び支持点の配列は、プロセッサ36によってシミュレーションされ、パス及び支持点の完了と関連付けられた配列及びデータを表示され得る(ステップ330)。シミュレーションには、例えば、各パス及び支持点が機械14によって吐出又は通過される順序のディスプレイ34での提示、吐出中のヘッド20の提示(例えば、位置、配向、速度などを示している)、支持体18の提示、構造物12の提示、任意の必要なツール変更の提示などが挙げられ得る。ディスプレイ34に示されるデータには、吐出開始からの時間、総経過時間、吐出される材料の量、完了したパスの割合、完了するまでの残りの時間、総所要時間量などが挙げられ得る。シミュレーションは、完了するプロセスに関してユーザに視覚的な明確さを提供し、衝突及び他の機械加工性の問題について自動的にチェックするためにも使用され得る。
【0101】
パス、支持点、及びプリントデータがディスプレイ34上に示されると、プロセッサ36は、パス及び/又は支持点に対する修正及び/又はそれらの装飾に関するユーザからの入力を受信するように構成され得る(ステップ335)。例えば、ユーザは、パス及び/又は特定のパス内の支持点が完了する順序を修正する、特定のパス及び/又は点の実行の間に一時停止を設定する、特定のパス及び/又は支持点中にヘッド20の速度を調整する、最小パス長さ及び/又はパス間の間隙を調整する、パスに沿ってヘッド20のポーズを調整する、所与のパス内の特定の点で硬化エンハンサ22の強度を調整する、ヘッド走行速度対硬化強度を調整する(例えば、曲率及び/又はローカル角に基づいて)、1つ以上の設定点(例えば、圧縮機の挙動、圧縮力、ヒータ設定など)を無効にするなどを可能にし得る。
【0102】
この時点で修正が必要である場合(ステップ335:Y)、制御は、ステップ310、315、及び/又は320に戻り得(特定の修正に依存して)、ここで、修正が実施され、新しいパス及び/若しくは支持点が生成され、並びに/又はその後、配列される。しかしながら、修正が必要ではない場合(ステップ335:N)、パス及び支持点に対応する機械コードが生成され得、かつチェックモジュールに方向付けられ得る(ステップ340)。以下で更に詳細に説明されるように、チェックモジュールは、機械コードを使用して構造物12の製作を始める前に、機械14の条件及び設定が正しいかどうかをチェックするように構成され得る。次いで、制御は、検証段階から製作段階に進行し得る。
【0103】
概して、ステップ320で支持体が必要であると判定された場合、支持体は最初に製作され得る(例えば、構造物12を製作する前に-ステップ345)。支持体は、当技術分野で知られている任意の様態で製作され得る。例えば、支持体は、母材コーティングされた繊維、又は母材のみ(例えば、繊維なし)を使用して機械14によって製作され得る。代替的に、支持体は、別のタイプの機械14によって製作され得る。支持体は、所望される場合、構造物12の製作中及び/又は製作後に、代替的に製作され得ることが企図される。例えば、1つ以上の構造層の製作後、ヘッド20は、支持製作ヘッド20のために機械14から交換され得る。次いで、別のヘッドを元の構造製作ヘッド20に戻す前に、1つ以上の支持層が吐出され得る。他の戦略(例えば、同じヘッド20内で材料を交換すること)もまた、又は代替的に採用され得る。
【0104】
必要な支持体が製作された後、制御は、ヘッド20からの母材湿潤された補強材の吐出中に機械14の動作を制御することを担う吐出モジュール(ステップ355)に進行し得る。以下でより詳細に説明されるように、プロセッサ36は、品質管理目的のためだけでなく、選択された計画に従って進行を追跡するために、ヘッド20からの材料の吐出を連続的に監視するように構成され得る。この監視は、例えば、周辺機器40Aの1つ以上の入力デバイスから受信された信号に基づいて完了され得る。プロセッサ36は、計画において現在のパスがいつ完了するのかを判定し得る(例えば、ヘッド20の現在の位置をパス内の終了位置と比較することによって-ステップ365)。パスがまだ完了していない場合、制御は、ステップ340に戻り得る。別様に、プロセッサ36は、構造物12の製作を完了するために任意の追加のパスが必要であるかどうかを判定し得る(ステップ380)。プロセッサ36は、例えば、任意の完了したパスの、構造物12についての製作計画内に含まれるパスの数及び/又は特定との比較に基づいて、追加のパスが必要であると判定し得る。追加のパスが必要であるとき、制御は、ステップ380からステップ340に戻り得る。別様に、製作段階は完了しているとみなされ得る。
【0105】
例示的な充填モジュールが
図4に詳細に示される。
図4のフローチャートに示されるように、制御が充填モジュールに移ると、プロセッサ36は、ステップ300(
図3を参照する)で受信された構造物12の仮想モデルが2Dモデルであるか3Dモデルであるかどうかを判定し得る。この判定は、ユーザからの入力(例えば、関連付けられたオプションの手動選択)に直接基づいて、又は受信されたファイルのタイプに基づいて行われ得る。例えば、ファイルタイプが.SVG、.AI、.EPS、又は.PDFのうちの1つである場合、プロセッサ36は、仮想モデルが2Dモデルであると判定し得、制御は、ステップ400に進行し得る。例示的な2Dモデルが
図12に示される。
【0106】
図12に示されるように、2Dモデルは、形状の平面に概ね直交するユーザ指定された高さ距離Dが達するまで、重なる様態で層ごとに製作されるべき平面形状の多角形の外形1200を有するスケッチを含み得る。いくつかの実施形態では、形状は、高さ距離Dの一部又は全てにわたって変化するように指定され得る(例えば、内向きに先細りになる、外向きに先細りになる、別の多角形の外形に円を描くなど)。各層1202の厚さtは、機械14によって吐出された材料の径又は厚さに関係し得る(例えば、補強材及び補強材をコーティングする母材の径又は厚さに関係する、ヘッド20の出口径に関係するなど)。各層1202の厚さtはまた、機械14の圧縮機によって吐出材料に加えられる圧力の量及び/又は母材の硬化特徴(例えば、膨張、収縮など)に関係し得る。
【0107】
ステップ405で、プロセッサ36は、ユーザ指定された高さ距離Dを厚さtで分割して、上で考察された数多くの重なり層1202を生成するように構成され得る。次いで、プロセッサ36は、各層1202に材料を取り込むために使用される充填のパターン1204に関するユーザからの入力を受信し得る(ステップ410)。例えば、ユーザは、特定の2Dパターン1204が利用されること、又はプロセッサ36が各層1202のトポロジを最適化するパターン1204を生成するべきであることを指定することが可能であり得る。特定のパターン1204は、1つ以上の所定のパターン(例えば、単純な線パターン-
図10を参照されたい、正弦波パターン-
図11及び
図12を参照されたい、鋸歯パターン-
図9を参照されたい、ダイアモンドパターン、六角形パターンなど)及び/又はユーザによって定義された関数の選択を含み得る。加えて、ユーザは、層1202ごとに異なるパターン1204、層1202全体にわたって繰り返される一組のパターン1204、及び/又は隣接層パターン1204間の関係(例えば、相対角度、オフセット、スケール、回転、密度、及び他の変形)を指定することが可能であり得る。ユーザはまた、層1202内の充填の隣接する特徴部間の距離、特徴部のための角度、特徴部のスケーリング、特徴部の頻度、特徴部の振幅、及び/又は他の同様の基準を指定し得る。
【0108】
いくつかの用途では、ユーザによって指定されたパターンは、3Dパターンであり得る。これらの用途では、3Dパターンは、仮想モデルの境界内での配置及び/又は配向後にスライス処理される必要があり得る。
【0109】
ユーザが特定のパターン1204を指定するように選択するとき、ユーザはまた、指定されたパターン1204が適合するか、又は不適合であるかどうかを選択し得る(ステップ415)。適合パターンは、パターンの角度特徴部を大きく歪めずに、隣接する境界(例えば、2Dスケッチの多角形形状、又は多角形形状に近似している隣接する充填特徴部の軌道)に近似する一般の輪郭を有するパターン1204であり得る(ただし、パターン内のセグメントは、スケーリング及び/又は湾曲している場合がある)。不適合パターンは、形状によって影響を受けることなく多角形形状に重なり合うパターン1204であり得る。適合パターンの例が
図9及び
図10に示される。非適合パターンの例が
図11及び
図12に示される。所望される場合、適合パターンは、その中に埋め込まれた1つ以上の第2及び/又はより高次のパターンを依然として有し得ることに留意されたい。また、利用可能な全てのパターンが適合対応物を有し得るわけではないことに留意されたい。
【0110】
次いで、プロセッサ36は、層1202ごとに、ユーザ選択及び/又はユーザ指定されたパラメータを有する充填特徴部を生成し得る(ステップ420又はステップ425)。この生成は、ヘッド20が材料を吐出しながら移動しなければならない点1206を定義することと、点1206を、異なる始点、終点、及び任意の数の逐次的に配設された中間点1206を有する任意の数の別々のパス1208にグループ化することと、を含み得る。概して、点1206は、上で考察された充填パターン1204と合致し、パターン1204内の線セグメントの終点で、及び線セグメントに沿って配置され得る。点1206は、許容可能な誤差内で充填パターン1208をたどるために、ヘッド20が通過しなければならない位置をマークし得る。特定のパターンの隣接する点1206間の距離は、標準又はユーザ指定された分解能に基づいて選択され得、より近い点は、より高い分解能を提供するだけでなく、製作プロセスを遅らせる。
【0111】
ヘッド20(例えば、ノズル30の先端部)は、(例えば、ヘッド20の配向に関係なく)ポイント1206間の異なる軌道をたどるように、プロセッサ36によって調節され得ることが企図される。一例では、ノズル30の先端部は、隣接する点1206間の直線パスをたどり得る。別の例では、ノズル30の先端部は、隣接する点間をたどるように曲率関数を提供され得る。他の戦略もまた、又は代替的に実施され得る。
【0112】
任意の数の別個の及び個別のパス1208は、再位置決め中に材料を吐出することなく、構造物12の製作中にヘッド20を再位置決めする必要性に基づいて、上で考察された点1206からコンパイルされ得る。一般に、より長く、より連続的なパス1208は、より短い時間内により多くの量の材料が堆積されるという結果をもたらし得る。加えて、より長いパス1208は、構造物12の製作中に補強材のより少ない切断を必要とし得、これにより、機械14の摩耗が少なくなり、更なる時間節約がもたらされる。最後に、より長く、より連続的なパス1208は、いくつか用途では(例えば、負荷を伝達する補強材のより長いストランドに起因して)、より高い性能(例えば、剛性、強度、伝導度、熱伝達など)をもたらし得る。
【0113】
パス1208は、多様な異なる戦略に基づいて、既存の点1206からコンパイルされ得る。例えば、ベース層1202内で、第1のパス1208は、特定の層1202の最中心点1206;最外点1206;最初に生成された点1206;最後に生成された点1206;最長、最短、最も真っ直ぐ、若しくは最も曲がった線、又はパターン1204の線セグメントと関連付けられた点1206;2つの線セグメント間の頂点として機能する点1206;1つのみの他の隣接する点1206内の点1206(例えば、中間点ではなく終了点);あるいは別の点1206から始まり、同じ線若しくは線セグメント内の次に最も近い及び/又は隣接する点1206に続き得る。パス1208は、点1206、又は同じ層内で先に吐出されたパス1208の任意の部分を交差させる一連の点1206を含むことから抑制され得る(例えば、
図10の拡大図における紫色の内パス及び白色の外パスを参照されたい)。点1206の、特定のパス1208へのコンパイルは、次に最も近い又は隣接する点1206が、再位置決め中に材料を吐出することなく、ヘッド20を再位置決めすることを必要とするまで継続し得る。例えば、ヘッド20を
図10の紫色の内パス1208から白色の外パス1208に移動させるとき、ヘッド20は、材料を吐出するべきではなく、したがって、パス1208は、分離されるようにコンパイルされる。コンパイルは、最終層又は最上層1202内のパス1208がコンパイルされるまで、ベース層1202から中間層1202を通って逐次的に継続し得る(例えば、
図12の層1202から
図11、
図10、及び次いで
図9を通って)。いくつかの実施形態では、1つ以上のパス1208(例えば、連続的な補強材)は、隣接する層1202間に延在し得る。
【0114】
構造物12の全ての層1202内の点1206の全てがパス1208にコンパイルされると、充填パターン1204及び/又はパス1208は、ユーザによる検査のためにディスプレイ34上にレンダリングされ得る(ステップ450)。層1202の各々は、別個に視認可能であり得、オプションは、特定の層1202及び/又は各層1202の特徴部(例えば、充填パターン1204、点1206、パス1208など)の視認を調整する(例えば、入れる/切る、拡大する、広げるなど)ために利用可能であり得る。次いで、プロセッサ36は、パターン1204、点1206、及び/又はパス1208(例えば、メッシュとして知られている)が許容可能であるか、又は調整を要求するというユーザからの指示を受信するように構成され得る(ステップ455)。2Dメッシュがユーザに許容可能である場合(ステップ455:2D-Y)、プロセッサ36は、少なくともパス1208をステップ320(
図3を参照する)に戻し得る。しかしながら、パターン1204、点1206、及び/又はパス1208が許容可能ではない場合(ステップ455:N)、プロセッサ36は、ユーザから、修正を受信し得る(ステップ460)。これらの修正には、とりわけ、1つ以上のパターン1204に対する変更(例えば、異なるパターンの選択、及び/又は角度、オフセット、振幅、頻度に対する変更など)、1つ以上の点1206に対する変更(例えば、点の再位置決め、点の追加、点の差し引きなど)、及び1つ以上のパス1208に対する変更(例えば、特定のパス1208内に含まれる特定の点1206に対する変更、パス1208の配列的順序など)が挙げられ得る。
【0115】
ステップ410に戻ると、1つ以上の層1202の充填物をトポロジ最適化することをユーザが選択するとき、プロセッサ36は、ステップ415の代わりにステップ445に前進し得る。ステップ445で、プロセッサ36は、1つ以上の数学的アルゴリズムを実施して、選択された層の内部内に母材コーティングされた補強材をレイアウトし得る。多くの異なる最適化プロセスは、ステップ445で実施され得、ステップ445は、仮想モデルが3Dではなく2Dであるときに異なり(例えば、より単純であり)得る。
【0116】
2D仮想モデルのために実行されるステップ445の単純化された例が
図16に示される。この図に示されるように、プロセッサ36は、ステップ300(
図3を参照する)で提供される仕様(例えば、境界負荷条件、材料特性など)を利用して、層1202を通過するベクトル(例えば、力ベクトル、伝導度ベクトル、熱伝達ベクトルなど)の基本フィールド1600を判定し得る。次いで、プロセッサ36は、複数の利用可能な充填のパターン1204のうちの1つを選択し、基本ベクトル場1600とのパターンセグメントの最大の一般のアライメントを提供する様態で、層内でパターン1204を配向し得る。いくつかの用途では、プロセッサ36は、加えて、充填パターン1204のパラメータ(例えば、間隔、頻度、振幅など-
図13に示される層1202の左側対右側を参照されたい)を調整して、パターンセグメントの、基本ベクトル場1600とのより大きいアライメントを作製し得る。例えば、プロセッサ36は、より低い力の伝達が予想される位置では、よりまばらな充填を有するか、又は充填なし(
図13の左/右中央を参照されたい)のパターン1204を生成し、より高い力の伝達が予想される他の位置では、より高密度の充填を有する(
図13の左を参照されたい)パターン1204を生成し得る。制御は、上述のステップ445からステップ430に移り得る。
【0117】
ステップ400に戻ると、プロセッサ36が、仮想モデルが3Dモデルであると判定するとき、制御は、ステップ405の代わりにステップ450に前進し得る。ステップ450で、プロセッサ36は、仮想モデルの境界内に相互接続された幾何学的形状(例えば、四面体、六面体、角錐、三角柱など)のメッシュを生成し、ユーザによる検査のためにメッシュをディスプレイ34上にレンダリングし得る。形状は、モデル全体の解を近似するために使用することができる各形状に適用される数式の単純化を可能にし得る。例示的な近似値は、以下でより詳細に考察されるであろう。
【0118】
メッシュが生成され、ディスプレイ34上にレンダリングされると、プロセッサ36は、メッシュの許容性に関するユーザからの入力を受信し得る(ステップ455)。メッシュが許容不可能である場合(ステップ455:N)、ユーザは、メッシュを手動で編集する機会を有し得る。プロセッサ36は、手動編集を受信し得(ステップ460)、制御は、ステップ450に戻り得る。これらの編集には、例えば、メッシュに使用される幾何学的形状のタイプ及び又はサイズ、特定の形状の境界位置、特定の位置での形状の密度などが挙げられ得る。3Dメッシュが許容可能である場合(ステップ455:3D-Y)、プロセッサ36は、ユーザが、3Dモデルを仮想的にスライス処理する方法を手動で指定することを所望するか、又はプロセッサ36が仮想的にスライス処理することを自動的に実施することを所望するかどうかの選択を受信し得る(ステップ465)。スライス処理することは、2Dモデルでは必要とされない場合があることに留意されたい。
【0119】
ユーザが構造物12の3Dモデルを手動でスライス処理するように選択するとき、プロセッサ36は、1つ以上のスライス処理表面及び/又は表面間の関係を定義するユーザからの入力を受信し得る(ステップ470)。スライス処理表面は、平面又は非平面、相互に適合又は非適合、平行又は非平行、及び等間隔又は不等間隔であり得ることに留意されるべきである。例えば、ユーザは、特定の形状を有するデータム(例えば、平面データム、球形データム、円筒形データムなど)を選択し、3Dモデルに対してデータムを配置及び配向し(又はその逆も同様である)、3Dモデルを通るデータムの伝播方向を選定し、並びに/又は3Dモデル内の異なるデータム間の1つ以上の関係(例えば、配向、オフセット距離など)を選定することが可能であり得る。データムは、複数の事前に定義され、かつ利用可能なデータム、3Dモデルの表面、インポートされた表面、ユーザによって構築された表面、及び/又はユーザによって数学的に定義される表面のうちの1つであり得る。
【0120】
図14、
図15、及び
図16は、ステップ470でユーザが利用可能なオプションの異なる例を示す。
図14に示されるように、ユーザは、構造物12の3Dモデル1702をスライス処理する際に使用するために、事前に定義された平面データム1700を選択し得る。第1のデータム1700は、モデル1702の第1の側面でユーザによって配置され得、第1の方向1704は、スライス処理中にモデル1702を通るデータム1700の伝播のために選択され得る。加えて、ユーザは、データム1700によって生成された隣接するスライス間の等距離dを指定し得る。距離dは、構造物12の製作全体にわたって使用するために意図された特定の繊維/母材の組み合わせの厚さ寸法に対応するように選択され得る。いくつかの用途では、距離dは、機械14の能力及び/又は現在の構成に基づくデフォルト値であり得る。
【0121】
図15では、
図14の同じタイプのデータム1700が再びユーザによって選択され得るが、異なる位置及び/又は配向に配置され、異なる伝播方向1704が選択され得る。
図14及び
図15の比較からわかるように、モデル1702は、これらの選択に基づいて、異なってスライス処理され得る。
【0122】
図16は、異なる及び3Dのデータム1700、例えば、所定の及び利用可能なデータムのうちの異なる1つ(例えば、円筒形データム)、ユーザによって構築されたデータム(例えば、モデル1702の下縁を使用して)、又はユーザによって数学的に定義されたデータムのいずれかの選択を示す。上で考察されたように、ユーザは、所望される場合、データム1700としてモデル1702の既存の2D又は3D表面を代替的に選択し得る。
図16にも見られるように、ユーザは、異なる位置でモデル1702のスライス間の異なる距離を選択し得る。この異なる間隔は、例えば、対応する層を製作するときに、異なる補強材/母材の組み合わせ、異なるプリントヘッド20などを使用する意図に対応し得る。
図14~
図16からわかるように、モデル1702の層は、適合する表面及び/又は平行な表面であるようにデータム1700を利用してスライス処理され得る。
【0123】
図17、
図18、及び
図19は、ステップ470でユーザによって行われた代替的な選択を示す。
図17に示されるように、単一のモデル1702をスライス処理するために使用されるデータム1700は、モデル1702の表面から選択され、及び/又は異なる形状及び/又はサイズを有する3Dであり得る。
図17の実施形態では、異なるデータム1700は、概して、モデル1702の輪郭に適合している。しかしながら、これが必ずしも当てはまるわけではない。例えば、
図18は、下部データム1700a、中間データム1700b、及び上部データム1700cを示す。データム1700bは、データム1700aの一部分に適合する輪郭を有し得る。データム1700cは、データム1700bの一部分に適合する輪郭、及び1700aの同じ又は異なる部分に適合する異なる輪郭を有し得る。
図19に示されるように、所望される場合、データム1700b及び1700cのいくつかの輪郭(例えば、突出部分)は、固有であり、他のデータム1700の任意の部分に不適合であり得る。データム1700の各々は、任意の所望の距離dを通して同じ又は異なる伝搬方向を割り当てられ得ることが企図される。
【0124】
図20の例に示されるように、同じモデル1702内の不適合データム1700の使用により、重なり層をプリントするときであっても(すなわち、自由空間内にプリントしないときでも)、多(例えば、三)次元で繊維の操舵が可能になり得る。
【0125】
仮想モデルをスライス処理した後、プロセッサは、スライス処理をレンダリングし(ステップ475)、ユーザから、スライス処理の許容性に関するフィードバックを受信し得る(ステップ480)。ステップ470のスライス処理が許容不可能であるとき、プロセッサ36は、スライス処理に対するユーザ指定された調整を受信し得る(ステップ485)。次いで、制御は、ステップ480からステップ475に戻り得る。
【0126】
ステップ465に戻ると、自動スライス処理がユーザによって要求されるとき、制御は、ステップ470の代わりにステップ490に進行し得る。ステップ490で、プロセッサ36は、ステップ450で生成されたメッシュを、モデル仕様(例えば、境界負荷条件)及び材料仕様とともに利用して、仮想モデルを通して3Dベクトル場を生成し得る。
【0127】
例えば、プロセッサ36は、最初に、構造物12の3Dモデルを、ユーザによって指定された1つ以上の特性(例えば、応力、ひずみ、熱伝達、伝導度など)に対して等方的に挙動するとみなし得る。プロセッサ36は、ユーザ指定された境界条件を適用し、有限要素解析(Finite Element Analysis、FEA)を介して、ユーザ指定された特性がステップ450で定義されたメッシュの個々の形状をどのように伝播して、仮想モデルの性能全体に影響を及ぼすかを判定し得る。次いで、性能の勾配を使用して、多次元でモデルを通過する、性能ベクトル場を生成し得る。
【0128】
スライス処理は、ベクトル場に基づいて、自動的に実施され得る(ステップ490)。例えば、1つ以上のデータム1700は、概して、得られたパスが性能ベクトルの一般の方向に補強材を操舵することができるように、ベクトル場と(例えば、最大マグニチュードベクトルと)整列される。これは、概して、性能強化された構造物12をもたらし得る。次いで、制御は、ステップ490からステップ475に進行し得る。
【0129】
上述のように、トポロジ最適化は、仮想モデルが3Dであるとき、ステップ445で異なって進行し得る。例えば、プロセッサ36は、再びFEAを実施し得るが、今回は仮想モデルが異方的に挙動するという仮定を伴う。つまり、プロセッサ36は、ステップ490で生成されたスライスの各々に取り込むために充填の1つ以上のパターンを選択し、その後、パターンのセグメントに沿って配置されている繊維のユーザ定義された材料特性に基づいて、FEAを実行し得る。次いで、パターンを反復的に調整して、ユーザ定義された性能特性を最適化し得る。
【0130】
いくつかの用途では、最適化のために、ユーザによって2つ以上の性能特性が指定され得る。例えば、ユーザは、最適化される特性として、構造的特性(例えば、強度、剛性、ひずみ、偏向、靭性、硬度、延性など)、及び任意の数の非構造的特性(熱伝達、磁性、導電率、反射率など)を選択し得る。この状況では、今まさに考察されたFEAプロセスは、構造的補強材(例えば、炭素繊維、ガラス繊維、Kevlar繊維など)とのみ関連付けられたユーザが供給した材料仕様に基づく構造的特性のみに関して、最初に実施され得る。
【0131】
このFEAプロセスの結果は、構造的形状を生成し得、これは、任意の数の非構造特性の最適化のための基礎を形成することができる。例えば、FEAプロセスによって生じた形状は、機能的補強材を配置することが可能であるエンベロープを作製し得る。この構造的形状を取得した後、プロセッサ36は、次いで、仮想モデルのスライスごとに1つ以上のパターンを判定し得る。次いで、パターンは、機能的補強材の配置に使用され得(すなわち、機能的補強材は、構造的補強材が存在する位置にのみ配置され得る)、プロセッサ36は、パターン、及び機能的補強材(例えば、銅ワイヤ、光学チューブ、ニクロム線など)と関連付けられたユーザが供給した材料仕様に関する仮想モデルのメッシュを再び解析し得る。所望される場合、仮想モデルのスライスごとのパターンを判定する前に、平滑化又はパージ操作は、(例えば、不可能な点、人為的幾何学的形状、ランダムな特徴部などを除去するために)実施され得ることが企図される。
【0132】
最適化ルーチンは、異なる母材及び/又は添加剤に関して同様に実施され得ることに留意されるべきである。例えば、構造的骨格をもたらすFEAプロセスは、ベース構造樹脂で実施され得る。その後、FEAプロセスは、構造的骨格のエンベロープ内に含まれる非構造性能強化添加剤を用いて繰り返され得る。
【0133】
表面モジュールが
図5に詳細に示される。
図5に示されるように、表面仕上げはまた、構造物12の予期される表面負荷の関数であり得る。したがって、制御が表面モジュールに移ると、プロセッサ36は、仮想モデルの外面にわたって相互接続された幾何学的形状のメッシュを生成し、ユーザによる調査のためにメッシュをディスプレイ34上にレンダリングし得る(ステップ500)。メッシュは、構造物12の任意の数の外層を表面仕上げする際に使用するために意図された材料の別々の寸法倍数(dimensional multiple)である厚さを有し得る。
【0134】
メッシュが生成され、ディスプレイ34上にレンダリングされると、プロセッサ36は、メッシュの許容性に関するユーザからの入力を受信し得る(ステップ510)。メッシュが許容不可能である場合(ステップ510:N)、ユーザは、メッシュを手動で編集する機会を有し得る。プロセッサ36は、手動編集を受信し得(ステップ520)、制御は、ステップ500に戻り得る。これらの編集には、例えば、メッシュに使用される幾何学的形状のタイプ及び/又はサイズ、特定の形状の境界位置、特定の位置での形状の密度などが挙げられ得る。
【0135】
メッシュが許容可能である場合(ステップ510:Y)プロセッサ36は、メッシュを使用して、ユーザ指定された動作条件下で、ユーザが要求する構造物12の性能を予測し得る(ステップ530)。いくつかの実施形態では、プロセッサ36は、境界要素方法(boundary element method、BEM)を利用して、構造物12の性能を予測し得る。BEMは、流体力学、音響学、電磁気学、破壊力学、及びモデル化された構造の表面での他の性能を解く数値計算方法である。BEMは、概して、モデルの堆積を通してではなく表面のみにわたってメッシュを利用するため、他の方法(例えば、FEA)よりも計算的に効率が高くなる。しかしながら、所望される場合、旧来のFEAを代替的に利用して、構造物12の表面層の性能を予測し得ることが企図される。
【0136】
上で考察されたステップ490と同様に、プロセッサ36は、ステップ530からの結果の勾配に基づいて、ベクトル場を生成し得る(ステップ540)。点1206は、ステップ540の完了前又は完了後に構造物12の表面にわたる任意の所望の様態で分布され得、点1206は、ベクトル場と概ね整列された軌道を有する任意の数の別個及び個別のパス1208にコンパイルされ得る(ステップ550)。
【0137】
構造物12の表面内の点1206の全てがパス1208にコンパイルされると、パス1208は、ユーザによる検査のためにディスプレイ34上にレンダリングされ得る(ステップ560)。オプションは、特定の特徴部(例えば、点1206、パス1208など)の視認を調整するために(例えば、入れる/切る、拡大する、広げるなど)利用可能であり得る。次いで、プロセッサ36は、点1206及び/又はパス1208が許容可能であるか、又は調整を要求するというユーザからの指示を受信するように構成され得る(ステップ570)。点1206及びパス1208がユーザに許容可能である場合(ステップ570:Y)、プロセッサ36は、少なくともパス1208をステップ320(
図3を参照する)に戻し得る。しかしながら、点1206及び/又はパス1208が許容可能ではない場合(ステップ570:N)、プロセッサ36は、ユーザから、修正を受信し得る(ステップ580)。これらの修正には、とりわけ、1つ以上の点1206に対する変更(例えば、点の再位置決め、点の追加、点の差し引きなど)、及び1つ以上のパスに対する変更(例えば、特定のパス1208内に含まれる特定の点1206に対する変更、パス1208の配列的順序など)が挙げられ得る。次いで、制御はステップ560に戻り得る。
【0138】
所望される場合、ステップ315において、多数の代替的な表面仕上げ方法論が実施され得ることに留意されるべきである。例えば、2019年12月30日に出願され、かつ参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第62/955,352号に開示される方法のうちの1つ以上は、ステップ315で実施され得る。代替的又は追加的に、測地学、曲線制限アルゴリズムなどを実施して、表面に位置する補強材の吐出中にヘッド20がたどらなければならないパスを判定し得る。
【0139】
図21、
図22、及び
図23に示される一実施形態では、構造物12の表面でのパス生成は、構造物12の内部骨格が以前にどのように製作されたかの関数であり得る。この実施形態では、1つ以上のパス128は、仮想モデル1702の骨格を通るデータムの伝播方向1704に基づいて生成され得る。例えば、パス1208は、伝播方向1704と概ね整列される方向で点1206を通過するように生成され得る。これは、層間の層間剥離への耐性を増加させるのに役立ち得る。点1206は、この例では、構造物12の外面にわたって均一に分布されるか、又は仮想モデルの曲率及び構造物12の所望の分解能に基づいて分布され得る。
【0140】
例示的なCAMモジュールが
図6に詳細に示される。
図6に見られるように、プロセッサ36は、構造物12の製作中にヘッド20を移動させるために使用される、特定の運動プラットフォーム(例えば、支持体18)に特有の情報を受信し得る(ステップ600)。この情報は、例えば、到達距離、到達角度、運動分解能、特定の方向における最大回転数(例えば、巻取り部)、速度、加速度などに関する支持体18の能力を含み得る。いくつかの実施形態では、この情報はまた、支持体18に取り付けられるヘッド20の特定の構成と関連付けられ得る。例えば、第1のヘッド20及び/又は出口24は、同じ機械14の別のヘッド20及び/若しくは出口24とは異なる形態因子、質量、並びに/又は能力(例えば、硬化速度)を有し得る。
【0141】
ステップ600で受信された情報は、ユーザからの手動入力を介して直接受信されるか、又は自動的に受信され得る。例えば、プロセッサ36は、それらの能力及び/又は構成に関して、支持体18及び/又はヘッド20から電子通信を自動的にポーリング及び受信するように構成され得る。代替的又は追加的に、プロセッサ36は、能力及び/又は構成を自動的に試験し(例えば、較正手順中に特定の様態で、支持体18及び/又はヘッド20を移動させようとすることによって)、試験中にフィードバック(例えば、感覚入力)を受信するように構成され得る。
【0142】
機械14に特有の情報を受信した後、プロセッサ36は、出口24を通る材料吐出中に、パス1208に沿ってヘッド20を操舵するために必要な測定基準を計算するように構成され得る(ステップ610)。これらの測定基準には、例えば、接線ベクトル、法線ベクトル、及び/又は各パス内の各点での及び/若しくは各点間の接線ベクトル並びに/又は法線ベクトルの導関数が挙げられ得る。
【0143】
いくつかの用途では、構造物12を製作することを意図した機械14の特定の構成によって適切に従うことができないか、又は別様に望ましくない(例えば、ノイズが多い)パスが生成される可能性があり得る。したがって、これらの不一致を説明するために、パス及び/又は機械コードのいくつかのフィルタリングが実施され得る。ユーザは、手動又は自動フィルタリングを選択し(ステップ620)、プロセッサ36は、選択に基づいて、対応するフィルタリングを開始する(それぞれステップ625又は630)ことが可能であり得ることが企図される。フィルタリングは、例えば、接線ベクトル及び/又は法線ベクトルの導関数を解析して、パス内の隣接する点間の予想外の変化を見つけて平滑化することを含み得る。これらの予想外の変化は、特定の機械14のヘッド20が適切にたどることができないパス内の軌道シフト(例えば、回転する、下がる、よじれる、交差するなど)と関連付けられ得る。例えば、
図24は、法線ベクトルが生成されたパス1208を示す。法線ベクトルの変化率を調査することによって(例えば、閾値変化率と比較することによって)、許容不可能に鋭い曲線が認識され(例えば、
図24の左に示される)、パス1208の印刷適性が解析され得る。当技術分野で知られている任意のタイプのフィルタリング戦略及び/又はアルゴリズムを使用して、予想外の変化を見つけて平滑化するか、又は別様に不要なノイズを除去し得る。
【0144】
フィルタリングの一例では、パス内のセグメント間の移行は、閾値量よりも大きい角度変化を有する頂点を排除するために選択的に平滑化されるか、又は丸くされ得る。例えば、パスの点間曲率が計算され得、計算された曲率が、ユーザが提供した又はシステム制限された閾値よりも大きいとき、局所的な平滑化が実施され得る。平滑化には、とりわけ、点間曲率を低減するために戦略的な位置で追加的な中間点を追加すること、及び/又は中間点を除去することが挙げられ得る。このプロセスは、全ての計算された曲率が閾値量未満になるまで繰り返し実施され得る。
【0145】
フィルタリングの別の例では、パスの印刷適性は、機械制限の代わりに、又はそれに加えて、材料制限に対してチェックされ得る。つまり、機械14が材料吐出中に規定のパスをたどることが可能であり得るが、パスに沿った吐出を意図した材料は、吐出中に許容不可能な負荷(例えば、破断又はほつれなどの損傷を引き起こす密な曲線)を受ける場合がある。この例では、材料の制限(例えば、応力、ひずみなど)と比較して、上記のように曲率を再び計算され、必要に応じて平滑化され得る。特定の特性を有する補強材の屈曲ビームとしてのパスの局所的な物理的解析を使用して、曲率が許容可能であるかどうかを判定し得る。パスの平滑化に加えて、又はその代わりに、他の製作パラメータ(例えば、温度、吐出速度、硬化強度、圧縮力など)は、別途、許容不可能であり得るパスに適応するように選択され得ることが企図される。同様のチェックが、特定の母材、又は母材/繊維の組み合わせに関係して行われ得ることに留意されるべきである。
【0146】
パスのフィルタリング後、ヘッド20のツール中心点(tool center point、TCP)(例えば、出口24の先端、圧縮機のニップ点など)を特定の走行速度でパス内の各点を通る接線ベクトルに沿ってたどらせること、ヘッド20の中心軸を各点で法線ベクトルと概ね整列させること、各パスの終点及び始点に切断/送給配列を挿入すること、硬化エンハンサ22及び/又は圧縮機を指定された強度レベルで作動させることなどの機械コードが生成され得る(ステップ635)。一実施形態では、機械コードは、以下に提供される実施例(EX-1)と同様のフォーマットを有するASCII文字の文字列を含み得る:
EX-1
COMMAND;及び
VALUE、
ここで、
COMMANDは、メモリ42の対応するライブラリ内に見出される任意の事前にプログラムされた関数であり得、
VALUEは、座標;オン/オフ;0~100%のパーセント、数などであり得る。
【0147】
任意の数のコマンドが単一の文字列内に含まれ得、コマンドの順序は、パスの完了を成功させるために重要であり得る。値は、フィルタリングされたパス内の点、接線ベクトル、法線ベクトル、導関数、吐出される材料、及び/又はASCII文字の同じ文字列内の他のコマンド値(例えば、同時に発行されている他のコマンドと関連付けられた値)に基づいて、メモリ42内に記憶されたルックアップテーブルから値が引き出され得る。
【0148】
例えば、より真っ直ぐなパス上で互いに隣接している点間のヘッド20の走行については、ヘッド20をより高い相対速度で点間で走行させるコードが生成され得る。同じように、より高い相対速度での走行については、吐出された材料の別々のユニットが所望の量のエネルギーに曝露されるように、硬化エンハンサ22をより高い強度レベルで作動させるコードが生成され得る。対照的に、より短い及び/又はより湾曲したパス上にある点間のヘッド20の走行については、ヘッド20をより低い相対速度及び/又はより低い硬化強度レベルで点間を走行させるコードが生成され得る。不透明な材料は、概して、より透明な材料よりも遅い走行速度及び/又はより高い硬化強度レベルを必要とし得る。構造体12のより狭い断面内のパス上、及び/又は支持されていないパス上では、より低い圧縮力が実施され得る。
【0149】
特定のパスの終点で、ヘッド20のTCPを対応する点から離れて及び/又は対応する点に向かって、点を通るパスの接線及び法線に対して斜めである上昇(fly-away)角度並びに/又は下降(fly-in)角度αで移動させるコードが生成され得る。同様に、パスの終点の直前にコードが生成され、カッターに、最終点の手前のTCPの特定の距離で補強材を切り離させ、次いで、ヘッド20を次のパスの開始点で新しい下降位置に移行させ得る。圧縮力を調整するためのコードは、パスの始点及び/若しくは終点の間、パスの異なる特徴部の形成中(例えば、レベル対傾斜、真っ直ぐ対湾曲など)、並びに/又は下地層に重なるパスと、自由空間にある(すなわち、支持されていない)パスとの間を移行するときに生成され得る。いくつかの実施形態では、TCPの位置は、例えば、特定のパスに沿ったヘッド20の位置(例えば、始点、中間点、又は終点)に依存してシフトし得る。
【0150】
図25に示されるパスに沿ってヘッド20を吐出させるASCII文字の例示的な文字列が以下の表(T-1)に提供される。
【0151】
【0152】
ステップ635の完了後、制御は、
図3に戻り得る。具体的には、機械コードを使用して、上で考察されたステップ330による構造物12の製作をシミュレーションし得る。
【0153】
例示的なチェックモジュールが
図7に詳細に示される。チェックモジュールは、プロセッサ36が、機械14が製作パスの選択された計画を実行し、構造物12を製造する準備ができていることを確実にするのに役立ち得る。この手順は、数多くの異なるステップを含み得、これらは、任意の所望の順序で実施され得る。
【0154】
これらのステップのうちの1つは、構造物12を製作する際に使用するために推奨されるハードウェアが現在機械14に接続され、指定された範囲内で動作しているかどうかを判定することを含み得る(ステップ700)。このハードウェアには、とりわけ、圧縮ハードウェア、母材湿潤ハードウェア、切断ハードウェア、送給ハードウェア、硬化ハードウェア、及び/又は他の出力周辺機器40Bなどの高レベルプリントヘッドモジュール及び低レベル構成要素ハードウェアが挙げられ得る(
図2を参照する)。例えば、プロセッサ36は、任意の数の近接センサ、RFIDタグ、又は出力周辺機器40Bの各々が機械14に接続されているかどうか、及び/又はどの出力周辺機器40Bが機械14に接続されているかを示す他の入力周辺機器40Aから入力を受信するように構成され得る。別の例では、動作センサ(例えば、温度センサ、圧力センサ、強度センサなど)及び/又は他の入力周辺機器40Aは、出力周辺機器40Bの動作条件(オン/オフ、予想される範囲内など)を示すプロセッサ36への入力を提供し得る。プロセッサ36によって受信された信号に依存して、プロセッサ36は、エラーを選択的に生成し(例えば、欠落したハードウェア構成要素に応答して)、及び/又は警告をディスプレイ34上に選択的に示すか(例えば、不適切な動作範囲に応答して)、又は別様に、ユーザの注意を向け得る(例えば、機械14上の光を介して)。場合によっては、エラーは、機械の動作を抑制し得、一方、警告は、単に、ユーザに補正措置を実施するように促し得る(ステップ710)。他の例では、プロセッサ36は、警告に応答して、補正措置(例えば、温度、圧力、強度などを調整する)を自動的に実施し得る。
【0155】
チェックモジュールによって実行される手順における別のステップは、母材、補強材、及び/又は添加剤の十分な供給がヘッド20に利用可能であるかどうかを判定することを含み得る(ステップ720)。一実施形態では、この判定は、例えば、ヘッド20内の材料の量、ヘッド20上の材料の量、又は別様に、ヘッド20に送られる材料の量を示すユーザからの入力に少なくとも部分的に基づいて行われ得る。具体的には、プロセッサ36は、この量を、必要な量と比較して、構造物12を作るのに必要とされる量よりもいくらか多い量が現在利用可能であるかどうかを判定し得る。
【0156】
プロセッサ36は、追加的又は代替的に、材料の供給及び使用を追跡し(例えば、母材レベル、添加剤レベル、スプール径、重量などを測定する超音波又はレーザセンサなどの1つ以上の入力周辺機器40Aを介して)、消費された量を供給された量と比較して、構造物12を作るのに必要とされるよりもいくらか多い量が現在利用可能かどうかを判定し得る。より少ない材料が現在利用可能であるとき、プロセッサ36は、エラーを生成し、及び/又はユーザに警告を提供し(例えば、ディスプレイ34を介して)、それによって、対応する材料の供給物を補給するか、又は警告を無効にするようにユーザに促し得る(ステップ730)。プロセッサ36は、代替的に、所望される場合、自動補充プロセスを実施し得る。プロセッサ36が、十分な材料が利用可能であると判定するとき、ステップ720は回避され得る。
【0157】
チェックモジュールによって実行される手順における別のステップはオフボード装置(例えば、安全装置)及び/又は環境要因が、必要な範囲内にあるかどうかを判定することを含み得る(ステップ740)。オフボード装置は、例えば、機械14の周りの安全エンクロージャ、機械14の周りのルームスキャナ、及び/又は機械14付近の緊急停止ボタンと関連付けられたインターロックを含み得る。これら及び/又は他の安全装置のいずれかが安全ではない状態を示す信号を生成するとき、プロセッサ36は、機械14の動作を抑制し、及び/又はユーザに警告を提供し(例えば、ディスプレイ34を介して)、それによって領域を一掃し、安全エンクロージャを閉鎖し、及び/又は安全装置の適切な動作を確かにするようにユーザに促し得る(ステップ750)。同様に、プロセッサ36は、機械14の周りの環境条件の測定値を自動的に取り(例えば、温度、湿度、光など-入力周辺機器40Aを介して)、これらの測定値を、メモリ42のライブラリ内に記憶された必要な条件と比較し得る。測定された条件のうちのいずれかが予想値の範囲外であるとき、プロセッサ36は、条件を自動的に調整し(例えば、出力周辺機器40Bを介して)、機械14の動作を抑制し、並びに/又はユーザに警告を提供し(例えば、ディスプレイ34を介して)、それによって条件を手動で調整するようにユーザに促し、及び/若しくは警告を無効にし得る。次いで、制御は、
図3に戻り得る。
【0158】
例示的な吐出モジュールが
図8に示される。
図8に示されるように、プロセッサ36は、CAMモジュールから受信した機械コードに基づいて、機械14のハードウェア(例えば、出力周辺機器40B及び/又は支持体18)を作動させ、それによって、材料を対応する様態でパス1208に沿って吐出させ得る。これには、例えば、材料を出口24のノズル30(
図1を参照する)から吐出(引っ張る及び/又は押す)させること、支持体18に関連付けられた周辺機器40Bの出力デバイスを作動させて、ヘッド20のTCPをパスの軌道に沿って指定された速度で移動させること、及びヘッド20(例えば、ヘッド20に取り付けられた周辺機器40Bの1つ以上の出力デバイス)を調節して、関連付けられた繊維を指定された張力で解放することが挙げられ得る。加えて、プロセッサ36は、周辺機器40Bの出力デバイスを選択的に作動させて、吐出材料を圧縮し、所与のパスに沿って所与の点及び/又はセグメントのための指定されたパラメータに従って吐出材料を射出し得る。同時に、プロセッサ36は、結果として生じる吐出を監視し得る(ステップ800)。
【0159】
例えば、上記の表T-1に示される文字列内の第1のコマンドの完了中、プロセッサ36は、(X0、Y0、Z0)から(X1、Y1、Z1)へのヘッド20の移動を監視し、材料が繰り出され、予想どおりに硬化されるかどうかを判定し得る(ステップ805)。この監視には、例えば、ヘッド20を通過する補強材の長さを追跡すること(例えば、ヘッド20内の、繊維スプール、送給ローラ、繊維リダイレクトなどに接続されたロータリエンコーダ又はポテンショメータを介して)、並びにその量を(X0、Y0、Z0)と(X1、Y1、Z1)との間の理論上の距離、及び/又はヘッド20がコマンドに応答して支持体18によって移動される実際の距離と比較することが挙げられ得る。距離が補強材の長さとほぼ等しくないとき(例えば、工学公差で)、プロセッサ36は、エラーが発生したと判定し得る。エラーは、繊維が破断していること、繊維供給部が消耗されたこと、母材が点(X0、Y0、Z0)で適切に硬化しなかったこと、繊維が点(X0、Y0、Z0)から外れたこと、及び/又は別のエラーが発生したことを示し得る。
【0160】
場合によっては、適切な材料の繰り出しを判定するとき、繊維張力及び/又は関連付けられたテンショナの運動に関する入力も考慮され得る。例えば、繊維は、ヘッド20の内側のいくつかの位置で固着され、たるみ又は過度な張力が、テンショナの過剰走行によって適応させることが可能であり得る。ある状況では、張力低下方向におけるテンショナの運動における突然の急上昇は、ロータリセンサがそうではないことを示唆していても、材料の不適切な繰り出しを示している場合がある。別の状況では、繊維が破断している場合、反対、及び張力増加方向(すなわち、通常は繊維の張力を増加させようとするテンショナの方向)へのテンショナの過剰走行が検出され、再び材料の不適切な繰り出しが示される場合がある。
【0161】
場合によっては、消費された母材の量が監視され(例えば、レベルセンサ又は他の入力周辺機器40Aを介して)、(X0、Y0、Z0)から(X1、Y1、Z1)までの吐出中に理論的に消費されるべき量と比較され得る。2つの量が実質的に一致しないとき(例えば、工学公差内で)、プロセッサ36は、材料が不適切に繰り出されたことを再び結論付け得る。
【0162】
最後に、吐出材料が誤って配置される可能性があり得る。例えば、材料が、以前に配置された材料のパスから極端に離れて配置され、間隙がパス間に存在することを可能にし得る。代替的に、材料は、以前に配置された材料のパスと重なるように配置され、所望されない蓄積を引き起こす場合がある。いずれの状況でも、周辺機器40Aからの入力の任意の組み合わせ(例えば、画像信号、位置信号など)に基づいて、プロセッサ36は、材料が適切に繰り出されていないことを再び結論付け得る。
【0163】
これらのエラー及び他のエラーのうちのいずれかがプロセッサ36によって検出されるとき(ステップ805)、プロセッサ36は、任意の数の異なる応答を実施し得る。これらの応答には、とりわけ、即時保留応答、待機応答、警告応答、及び/又はヘッド20の動作に対する調整を実施することが挙げられ得る。即時保留応答は、支持体18の動作及びヘッド20の更なる材料吐出活動を即時中止することを含み得る。待機応答は、支持体18及びヘッド20が、現在のパスのみ(すなわち、次のパスの待機)又はパスのセグメント(すなわち、同じパスの次のセグメントの待機)を完了し、次いで、構造物12から離れた既知の安全な位置に移動し、ユーザからの手動命令を待つことを可能にすることを含み得る。警告応答は、ユーザに予想外の状態を警告し、現在のプロセスを中断するべきか、又は無効にして継続を可能にするべきかをユーザが判定することを可能にする、ユーザに提供される視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な標示(例えば、ディスプレイ34を介して)を含み得る。調整は、(出力周辺機器40Bの)ヘッド20の、及び/又は機械14がまだたどるようなパスの任意の動作に対する調整を含み得る。
【0164】
エラーが材料吐出中に検出されるとき、プロセッサ36は、エラーの原因を判定しようとし(ステップ810)、この原因に基づいて、上記の4つの応答(及び/又は他の応答)のうちの1つを選択的に実施し得る(それぞれ、ステップ815、820、825、及び/又は830)。
【0165】
例えば、以下で更に詳細に記載される送給事象の完了中及び/又は完了直後に、プロセッサ36は、ヘッド20からの材料吐出を監視して、構造物12に対するヘッド20の運動中に補強材(例えば、ゼロより多い任意の量)が繰り出されていることを確認し得る。関連付けられたセンサ及び/又は他の入力周辺機器40Aからの信号が、この時点で補強材が繰り出されていることを示さないとき、プロセッサ36は、ステップ810で、送給事象が失敗した、及び/又は補強材がアンカー32から外れたと結論付け得、制御は、ステップ815に移り得る。センサからの信号が、送給事象に続いてヘッド20を通る逆方向の補強材の運動を示すとき、同様の措置が講じられ得る。
【0166】
別の例では、以下で更に詳細に記載される切断事象の完了中及び/又は完了直後に、プロセッサ36は、ヘッド20からの材料吐出を監視して、構造物12に対するヘッド20の運動中に補強材(例えば、ゼロより多い任意の量)が繰り出されていないことを確認し得る。関連付けられたセンサ又は他の入力周辺機器40Aからの信号が、この時点で補強材が繰り出されていることを示すとき、プロセッサ36は、ステップ810で、切断事象が失敗したと結論付け得、制御は、再びステップ815に移り得る。
【0167】
別の例では、切断事象、送給事象、又は任意の他の特別な事象と関連付けられていない通常の吐出中に、プロセッサ36は、ヘッド20からの材料吐出を監視して、補強材がヘッド20の運動に対応する量で繰り出されていることを確認し得る。関連付けられたセンサ又は他の入力周辺機器40Aからの信号が、この時点で正しくない量の補強材が繰り出されていることを示すとき、プロセッサ36は、ステップ810で、材料が所望の様態で吐出されていないと結論付け得、制御は、再びステップ815に移り得る。
【0168】
別の例では、任意の事象(例えば、送給、切断、通常、及び/又は別様に)中、プロセッサ36は、テンショナの動作を監視して、テンショナが予想される動作範囲内で機能していること(例えば、任意の方向に過剰走行していないこと)を確認し得る。関連付けられた入力周辺機器40Aからの信号が、過剰走行を示すとき、プロセッサ36は、ステップ810で、材料が所望の様態で吐出されていないと結論付け得、制御は、再びステップ815に移り得る。所望される場合、一方向又は両方向における(例えば、張力増加方向における)テンショナの過剰走行は、代替的に、ステップ820又はステップ825に移る制御をもたらし得ることが企図される。
【0169】
同様の例では、通常の動作中、プロセッサ36は、圧縮機の動作を監視して、圧縮機が予想される動作範囲内に留まっていることを確認し得る(例えば、底を打たず、指定された全ての時間に少なくともいくらかの圧縮を提供する)。関連付けられた入力周辺機器40Aからの信号が、不適切な圧縮機動作を示すとき、プロセッサ36は、ステップ810で、材料が所望の様態で吐出されていないと結論付け得、制御は、再びステップ815に移り得る。所望される場合、非圧縮状況中、制御は、代替的に、ステップ820又は825に移り得ることが企図される。
【0170】
別の例では、ヘッド20の任意の動作中、プロセッサ36は、(例えば、補強材、母材、及び/又は添加剤供給物の)材料供給レベルを監視して、少なくとも現在のパス又は構造物12の全てを完成させるのに十分な材料が残っていることを確認し得る。関連付けられた入力周辺機器40Aからの信号が枯渇した材料(例えば、現在のパスを完成させるのに十分であるが、次のパスには十分ではない材料)を示すとき、プロセッサ36は、ステップ810で、材料エラーが存在すると結論付け得、制御は、ステップ820に移り得る。しかしながら、信号が低レベルの材料のみを示すとき(例えば、多数のパスを完成させるのに十分であるが、おそらくパスの全てを完成させるのに十分ではない材料)、制御は、代わりにステップ825に移り得る。所望される場合、繊維レベルが低い間、制御は、代替的に、ステップ820に移り得ることが企図される。
【0171】
ステップ815又は820のいずれかの実施後、機械14の動作は、ユーザからの入力が無効を提供して、動作を継続するまで、中止され得る。したがって、プロセッサ36は、I/Oデバイス38(
図1を参照する)を監視し、ユーザからの対応する入力の受信時にのみ、制御をステップ800に戻し得る(ステップ830)。
【0172】
ステップ825で警告を生成した後、機械14の通常の動作を継続し得る。つまり、機械14は、機械コードで指定された通りに、パスに沿って材料を吐出し続けさせられ得る。
【0173】
プロセッサ36が、ステップ810で、誤って補強材が構造物12の上又は中に配置されたと判断したとき(例えば、スキャナなどの入力周辺機器40Aによる構造物12の画像捕捉を介して)、任意の数の異なる調整が実施され得る(ステップ830)。例えば、構造物12の繊維の隣接するトウ間に許容不可能な幅広い間隙が作製されたとき、調整を実施して、将来のパスを特定の方向及び/又は互いにより近くにシフトさせ得る。同様に、隣接するトウの重なりが検出されるとき、調整は、将来のパスを特定の方向及び/又は更に離れてシフトさせることであり得る。加えて、材料を切断及び/又は送給するとき、切断場所及び/又は送給位置は、意図された切断場所及び/又は送給位置と一致しない場合がある。利用可能な調整には、例えば、TCP位置のシフト、張力の増加若しくは減少、硬化強度の増加若しくは減少、パスに沿ったヘッド走行速度の増加若しくは減少、特別な(例えば、切断、送給など)事象のタイミング、及び/又はパスの座標に適用されたゲインが挙げられ得る。
【0174】
1つの特定の実施形態では、材料配置におけるエラーが検出されるとき(例えば、毎回、又はエラーの閾値量が検出された後にのみ)、プロセッサ36は、構造物12の仮想モデルを再解析する必要性を判定し得る。つまり、配置エラーは、十分に重大である場合、構造物12の性能に悪影響を及ぼし得る。これらの状況では、プロセッサ36は、仮想モデル(例えば、CADファイル)を、製作における現在の点までの繊維の実際の配置で更新し、構造物12の予期される性能の新しい解析(例えば、FEA、BEM、トポロジ最適化など)のために、対応する充填モジュール及び/又は表面モジュール(310及び/又は315-
図3を参照する)を通って戻る仮想モデルを方向付けるように構成され得る。これにより、機械14によってまだ実行されていないパスに対する性能重視の調整がもたらされ得る。言い換えれば、プロセッサ36は、構造物12の製作を通して機械14の動作を途中で中止し、構造物12のCADファイルを更新し、関連付けられたモデルを再解析し、既に完了した初期パスの実際の配置に適応するために、残りのパスに対する調整を行い得る。
【0175】
1つの具体例では、吐出監視中、プロセッサ36は、切断及びその後の送給位置が一貫して誤りであることを検出し、構造物12上又は構造物12内の特定の位置で指定されたものよりも短い繊維のあらゆるパスをもたらし得る。別途説明されていない場合、これは、その位置で脆弱性をもたらす場合がある。したがって、ステップ310及び/又は315から360を通って戻る更新された仮想モデルを方向付けた後、その後に生成されたパスは、脆弱な位置での初期の材料不足を補うために、より長い繊維を必要とし得る。
【0176】
別の具体例では、プロセッサ36が材料の隣接するパス間の重なり又は間隙を検出することに応答して(例えばプロフィロメータ又は他の周辺機器40を介して)、ステップ310及び/又は315から360を通って戻る再循環は、残りのパスのうちの1つ以上の層角度の変化を生み出し得る。層角度の変化は、元々意図された配向に近似する構造物12の特定のセクションのための平均的又は全体的な層角度を生み出し得る。
【0177】
通常動作中(例えば、ステップ805でエラーが受信されていないとき)、特定のパスの終点に近い繊維を切断するコマンドが受信され得る(例えば、ヘッドが表T-1の例において(X4、Y4、Z4)に達する前に)。プロセッサ36は、このコマンドが受信されたかどうかを判定し(ステップ835)、対応するルーチンを選択的に実施し得る。静止切断ルーチン及びオンザフライ(on-the-fly)切断ルーチンを含む、複数の異なる切断ルーチンがこの時点で実施され得ることが企図される。プロセッサ36は、機械14のハードウェア構成に依存して、並びに/又はたどられている現在及び/若しくは次のパスに基づいて、実施されるべきルーチンが静止ルーチンであるべきか、又はオンザフライルーチンであるべきかを判定し得る(ステップ840)。
【0178】
静止切断ルーチンの実施中(ステップ845)、プロセッサ36は、ヘッド20の全ての運動を停止させ得る(例えば、対応するコマンドを支持体18に方向付けることによって)。これにより、通常の動作中に、ヘッド20からの材料の引っ張りを効果的に中止させ得る。ほぼ同時に、プロセッサ36は、硬化源を作動解除し、ヘッド20の内側の繊維クランプを作動させ、切断機構を作動させ得る。その後、硬化源は、再作動され(例えば、ヘッド20から延在する切り離された尾部を固定するために)、続いてクランプを作動解除され得る。次いで、ヘッド20の運動が再開され得る。固定前に要求の作動解除をすると、補強材が不必要にヘッド20に引き戻され、これにより、再挿入が必要になる場合があることが留意されるべきである。
【0179】
オンザフライ切断ルーチンの実施中(ステップ850)、ヘッド20の運動は中止する必要がなく、硬化機構は作動解除されない場合がある。代わりに、プロセッサ36は、クランプの作動及び繊維の再送給(すなわち、切り離された尾部の延長)を、ヘッド20のTCPが現在のパスに沿って特定の座標に達した状態で、同期化し得る。繊維は、繊維を切り離す直前にクランプされ、次いで尾部の固定後に素早く解放され得る。次いで、プロセッサ36は、支持体18に、ヘッド20を現在のパスの残りの部分を通して中断することなく移動させ得る。
【0180】
ヘッド20から吐出する材料の切り離しが実現されると、再送給ルーチンが実施され得る(ステップ860)。当技術分野で知られている任意の再送給ルーチンが利用され得る。次いで、制御は、
図3のステップ365に戻り得る。
【0181】
開示されたシステム及び方法に様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。他の実施形態は、開示されたシステム及び方法の仕様並びに実践を考慮することから当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる例示とみなされ、真の範囲は以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって示されることが意図されている。
【国際調査報告】