(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】標高に合わせた自動熱冷却調節を有する生体試料分析器
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
G01N35/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579987
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 US2021037609
(87)【国際公開番号】W WO2021262501
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・ザントス
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB09
2G058BB18
2G058GB10
(57)【要約】
標高に基づいてハウジング内の空気流を調節する、方法および生体試料分析器が記載されている。生体試料分析器のハウジング内では少なくとも1つのファンによって第1の体積の空気が動かされる。生体試料分析器のハウジング内の温度センサを用いて、生体試料分析器内の第1の体積の空気の温度が測定される。生体試料分析器のハウジング内に位置する少なくとも1つのヒータの出力が測定される。少なくとも1つのヒータの測定出力は、生体試料分析器内の測定された温度で解析される。さらに、少なくとも1つのヒータの測定出力と少なくとも1つのヒータの予想出力とを比較することによって、ファンは、第1の体積の空気とは異なる第2の体積の空気を動かすように調節される。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料分析器であって:
内部空所を内部に画成する外壁を少なくとも1つ有するハウジングと;
内部空所内に配置されたレセプタクルであって、生体試料を収容する消耗品ホルダを支持するように構成されたレセプタクルと;
可変出力を有し、ハウジング内に配置された少なくとも1つのヒータであって、消耗品ホルダに熱を加えるように構成された少なくとも1つのヒータと;
ハウジング内の通路に沿って空気を強制的に送って少なくとも1つのヒータを冷却するように構成されたファンであって、密度パラメータを用いて制御できる空気流量を生成する、ファンと;
ハウジング内の空気の温度を検出するように構成された、少なくとも1つのヒータセンサと;
少なくとも1つのヒータの出力の測定値、ファンの密度パラメータの測定値、およびハウジングに吸い込まれる空気の温度の測定値を受信するように構成され、ハウジングの空気の温度における少なくとも1つのヒータの出力に基づいてファンの密度パラメータを変更するように構成されたコントローラと
を含む、前記生体試料分析器。
【請求項2】
コントローラは、生体試料分析器の起動時の少なくとも1つのヒータの出力に基づいて、ファンの密度パラメータを変更する、請求項1に記載の生体試料分析器。
【請求項3】
少なくとも1つのヒータは、第1のヒータおよび第2のヒータを含み、コントローラは、第1のヒータの出力に基づいてファンの密度パラメータを変更するように構成されている、請求項1または2のいずれか1項に記載の生体試料分析器。
【請求項4】
ファンの密度パラメータは、ファンの速度パラメータであり、コントローラは、プロセッサに接続された非一時的メモリを有し、該非一時的メモリはコンピュータ実行可能命令を有し、該コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度における少なくとも1つのヒータの出力を少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものに基づいて、ファンの速度パラメータをプロセッサに変更させる、請求項1に記載の生体試料分析器。
【請求項5】
少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度は周囲温度である、請求項4に記載の生体試料分析器。
【請求項6】
コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータの測定出力をヒータの出力の複数の測定値の平均値としてプロセッサにさらに判定させる、請求項4または5のいずれか1項に記載の生体試料分析器。
【請求項7】
コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、ファンの第1の速度における少なくとも1つのヒータの出力を、ハウジングの空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力とプロセッサに比較させ、ファンの第1の速度を第2の速度にプロセッサに変更させる、請求項6に記載の生体試料分析器。
【請求項8】
ファンの第1の速度はアイドル速度である、請求項7に記載の生体試料分析器。
【請求項9】
ファンの第1の速度は第2の速度を下回る、請求項7に記載の生体試料分析器。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータの出力が、ハウジング内の温度における予想出力の所定の範囲内に入るように、少なくとも1つのヒータの出力に基づいてファンの第2の速度をプロセッサに変更させる、請求項7に記載の生体試料分析器。
【請求項11】
生体試料分析器を動作させる方法であって:
少なくとも1つのファンによって、生体試料分析器のハウジングの内部空所において通路に沿って第1の体積の空気を強制的に送って内部空所内に位置する少なくとも1つのヒータを冷却する工程と;
少なくとも1つのファンによってハウジングの内部空所に吸い込まれる空気の温度を、少なくとも1つのヒートセンサによって判定する工程と;
少なくとも1つのヒータの出力およびハウジングに吸い込まれる空気の温度に基づいて、コントローラによって、第2の体積の空気を生成するようにファンを変更する工程と;
生体試料を収容する消耗品ホルダをレセプタクルに挿入する工程と;
生体試料分析器のハウジングに配置された少なくとも1つのヒータによって、ハウジング内に配置されたレセプタクルに熱を加える工程と
を含む、前記方法。
【請求項12】
生体試料分析器のセンサによって生体試料の特徴を測定する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の体積の空気は、ファンを第1の速度で動作させることによって生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第1の体積の空気は第2の体積の空気を下回る、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
生体試料分析器は第1のヒータおよび第2のヒータを含み、コントローラは、第1のヒータの出力に基づいてファンの速度を変更する、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
第2の体積の空気は、ファンの動作速度を上昇させることによって生成され、動作速度の上昇量は、少なくとも1つのヒータの出力をハウジングに吸い込まれる空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものを用いて判定される、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
第2の体積の空気は、ファンの動作速度を上昇させることによって生成され、ファンの動作速度の上昇量は、少なくとも1つのヒータの出力をハウジングに吸い込まれる空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものを用いて判定され、ファンの動作速度を変更することは、少なくとも1つのヒータの出力が予想出力の所定の範囲内に入るような少なくとも1つのヒータの出力に基づく、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
方法であって:
生体試料分析器のハウジング内の少なくとも1つのファンによって第1の体積の空気を動かすことと;
生体試料分析器のハウジング内の温度センサを用いて、生体試料分析器内の第1の体積の空気の温度を測定することと;
生体試料分析器のハウジング内に位置する少なくとも1つのヒータの出力を測定することと;
生体試料分析器内で測定された温度における少なくとも1つのヒータの測定出力を解析することと;
少なくとも1つのヒータの測定出力と少なくとも1つのヒータの予想出力とを比較することによって、第1の体積の空気とは異なる第2の体積の空気を動かすようにファンを調節することと
を含む、前記方法。
【請求項19】
第2の体積の空気を動かすようにファンを調節することは、ファンの動作速度を上昇させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
生体試料を収容する消耗品ホルダをハウジングのレセプタクルに挿入する工程をさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2020年6月25日出願の米国特許仮出願第63/043,996号の利益を主張するものである。上で参照した特許出願の内容全体を参照によって明示的に本明細書に組み入れる。
【0002】
本開示は、一般に生体試料分析器に関し、より詳細には、生体試料分析器における、標高および/または空気密度に合わせた自動熱冷却調節に関する。
【背景技術】
【0003】
ポイントオブケアのサービスでは、一般に、血液および尿など、患者の生体試料を分析するためにベンチトップ型の生体試料分析器が使用されている。典型的には、生体試料は、試薬を内部に有するカートリッジに供給される。カートリッジは分析器に挿入され、分析器は、試料を試薬と混合するようにカートリッジを動かす。さらに、分析器は、試料および試薬を、典型的には室温よりも高い目標温度に加熱し、次いで、加熱された試料を分析する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の概要ならびに以下の詳細な説明は、添付の図面と併せ読めばよりよく理解される。図面は本開示の例示的な実施形態を示す。しかし、本願が図示の精密な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による生体試料分析器の上面斜視図を示す。
【
図2】
図1に示された生体試料分析器の底面斜視図を示す。
【
図3】空気プレナム、モータ、診断消耗品ホルダ、および診断消耗品ホルダ用のレセプタクルを含む、
図1の生体試料分析器の内部構成要素の斜視図を示す。
【
図4】
図1における生体試料分析器の前から後ろに延びる中央線に沿った、
図1の生体試料分析器の断面図を示す。
【
図5】ハウジングが取り外された、
図4に示された線5-5に沿った、
図1の生体試料分析器の断面図を示す。
【
図6】ハウジングが取り外された、
図4の生体試料分析器の断面図を示す。
【
図7】
図1の生体試料分析器のレセプタクルおよび消耗品ホルダの分解斜視図を示す。
【
図8】
図1の生体試料分析器のレセプタクルおよび消耗品ホルダの代替の分解斜視図を示す。
【
図9】生体試料を目標温度まで加熱する方法の概略フロー図を示す。
【
図10】低温の消耗品ホルダを検出し、その低温の消耗品ホルダを補償する方法の概略フロー図を示す。
【
図11】生体試料分析器のファンを動作させる方法の概略フロー図を示す。
【
図12】消耗品ホルダの加熱動作中の、
図1の生体試料分析器のヒータの温度を経時的に表すグラフ表示を示す。
【
図13】消耗品ホルダの加熱動作中の、
図1の生体試料分析器のファンの速度を経時的に表すグラフ表示を示す。
【
図14】生体試料分析器を標高および/または空気密度に合わせて較正する方法の概略フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
従来の生体試料分析器において、分析器のヒータは、生体試料および試薬を保持するカートリッジ、カード、またはカセットなどの診断消耗品ホルダに目標温度を適用するように設定されている。目標温度は、生体試料が分析される際の温度に対応し、典型的には、周囲温度または室温よりも高い。次いで、診断消耗品ホルダは、目標温度に達することが可能になる。しかし、診断消耗品ホルダをこのように加熱することは、時間がかかる場合があり、そのため、試料の分析を得るために必要な時間が長くなる。したがって、診断消耗品ホルダを目標温度まで加熱するのに必要な時間量を短縮することが望ましい。必要な時間量を短縮する一方法は、より小さい質量を有するように診断消耗品ホルダを再設計することであり、より小さい質量を有する診断消耗品ホルダは、より大きい質量を有する診断消耗品ホルダよりも急速に所与の温度で温度上昇する。しかし、診断消耗品ホルダを再設計すると、未使用の診断消耗品ホルダがあればそれらを陳腐化する恐れがあり、生体試料分析器の再設計も必要になる場合がある。
【0007】
代替形態として、生体試料分析器は、目標温度を上回る高温度を適用するように分析器の少なくとも1つのヒータを設定することによって、診断消耗品ホルダの加熱を加速するように構成することができる。いくつかの実施形態において、高温度は、少なくとも1つのヒータの最大加熱性能に対応することができる。しかし、目標温度を超えるまで診断消耗品ホルダを過熱しないように注意すべきである。したがって、生体試料分析器は、診断消耗品ホルダが目標温度を超える前に、少なくとも1つのヒータを急速に冷却するように構成することができる。以下に述べるように、これは、少なくとも1つのヒータによって加えられる加熱を低減することによって少なくとも部分的に実現することができる。付加的にまたは代替的に、診断消耗品ホルダが目標温度を超える前の所定の時間に、ファンが試料分析器の少なくとも1つのヒータに空気を強制的に送ることで急速な冷却を実現して、少なくとも1つのヒータを目標温度まで冷却することができる。ファンは、少なくとも1つのヒータが高温度まで温度上昇しつつあるときは第1の速度で動作することができ、ヒータが目標温度まで温度上昇しつつあるときは第1の速度よりも速い第2の速度で動作することができる。第1の速度はゼロを上回ることができ、したがって、ファンは、第1の速度のときに動いていることができる。ファンからの空気は、試料分析器内に配置されたプレナムを通してヒータに向けることができる。
【0008】
標高および/または空気密度の変化は、ファンの熱性能(たとえば、冷却)に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載されているように、空気密度に左右されない非密度パラメータを測定し、それを空気密度に応じて変わる密度パラメータと相互に関連付けることができる。非密度パラメータの一例は、既知の周囲温度および既知の冷却量でヒータを所与の温度に維持する既知のエネルギー量である。例示的な密度パラメータは空気の体積を含む。ファンによって動かされる空気の体積およびファンの冷却能力は、ファンの速度を変えること、ファンブレードのサイズおよび/またはピッチを変えること、ファンの吸引側または吐出側のオリフィスサイズを変えることなど、様々な手法で調節することができる。たとえば、ファンの冷却能力が空気密度の影響を受けるため、既知の周囲温度におけるヒータの電力消費量は、ヒータを通る空気流およびファンの冷却能力による冷却値に直接的に相互関連している。ヒータによって使用されるエネルギー量が予想を下回る場合には、そのことは、冷却が影響を受けている可能性があること、および冷却量を増やすために空気流を増やす必要があることを示す。たとえば、既知の周囲温度においてヒータの電力消費量が予想よりも低い場合は、ファンからの空気流がより多く必要とされるにつれて、ヒータを特定の温度に維持するために使用される電力は小さくなる。したがって、現時点の標高および/または空気密度でファンがヒータを特定の温度に維持するために好ましい空気流量を確保するために、生体試料分析器の起動時に、既知の周囲温度におけるヒータの電力消費量の解析および較正を行うことができる。ヒータの電力消費量がその周囲温度における予想よりも低い場合は、ヒータの電力消費量が所定の範囲内に入るまで空気の体積を少しずつ増やすことができる。ヒータの電力消費量の解析および/またはさらなる監視は、予想温度に関する最適な電力消費量が実現されて、標高および/または空気密度に鑑みてファンが適切な冷却量を提供していることが示されるまで行うことができる。いくつかの実施形態において、ヒータの電力消費量の解析は、ファンの流速がアイドル速度および/または低速のときに行うことができる。次いで、このような空気流の変化割合の量は、ファンの動作速度に対して標高の補正を行うことができるように、任意の他のファン速度に使用および適用することもできる。
【0009】
図1~
図8を参照すると、生体試料が内部に配置された診断消耗品ホルダ162を受けるように構成されたレセプタクル154を含む生体試料分析器10が本明細書に記載されている。図では、診断消耗品ホルダ162はカートリッジとして示されている;ただし、診断消耗品ホルダ162は、分析のために生体試料を内部に保持するように構成されたカートリッジ、カード、カセット、または任意の他の適切なハウジングとすることができる。レセプタクル154には少なくとも1つのヒータ186が取り付けられており、その少なくとも1つのヒータ186は、レセプタクル154を加熱するように構成されている。レセプタクル154には少なくとも1つのヒータセンサ188が取り付けられており、その少なくとも1つのヒータセンサ188は、レセプタクル154の瞬時温度を検出するように構成されている。以下の記載において生体試料分析器10を説明するために、特定の用語が単に便宜上用いられているだけであり、限定するものではない。「下側」および「上側」という単語は、図面に示された配向に対する方向を指す。「内側」および「外側」という単語は、記載されている部材の中央に向かう方向およびそこから離れる方向をそれぞれ指す。
【0010】
本明細書では別段の指定がない限り、「長手方向」、「横方向」、および「垂直方向」という用語は、第1の方向D1、第2の方向D2、および第3の方向D3によって指定されているように、生体試料分析器10の様々な構成要素の直交方向の成分を説明するために用いられている。第1および第2の方向D1、D2は水平面に沿って延びるように示されており、第3の方向D3は垂直面に沿って延びるように示されているが、様々な方向を含む面は使用中に異なっていてよいことを理解されたい。
【0011】
図1および
図2を参照すると、生体試料および試薬を収容する診断消耗品ホルダ162を加熱し、加熱された生体試料の特徴を測定するように構成された、生体試料分析器10が示されている。生体試料分析器10は、診断消耗品ホルダ162における生体試料の目標温度よりも高い高温度を適用するように生体試料分析器10の少なくとも1つのヒータ186を設定することによって、消耗品ホルダ162の加熱を加速するように構成することができる。生体試料分析器10は、生体試料分析器10の様々な構成要素を収納するように構成されたハウジング14を含むことができる。ハウジング14は、少なくとも1つの外壁18を含むことができる。少なくとも1つの外壁は、外面と、外面の反対側の内面とを有する。少なくとも1つの外壁18の内面など、少なくとも1つの外壁18は、生体試料を加熱し、その特徴を測定するための、様々な構成要素を収納するように構成されたハウジング14の内部空所34を画成する。
【0012】
ハウジング14は、第1の端部14aおよび第2の端部14bを有することができ、それらは第1の方向D1に沿って互いから離間している。ハウジング14は、第1の側部14cおよび第2の側部14dを有することができ、それらは、第1の方向D1に垂直の第2の方向D2に沿って互いから離間している。ハウジング14は、上側端部14eおよび下側端部14fを画成することができ、それらは、第1および第2の方向D1およびD2に垂直な第3の方向D3に沿って互いから離間している。第1の端部14aと第2の端部14bとの間、第1の側部14cと第2の側部14dとの間、かつ上側端部14eと下側端部14fとの間に、内部空所34を画成することができる。
【0013】
少なくとも1つの外壁18は、複数の外壁を画成することができる。たとえば、少なくとも1つの外壁18は、第1の端部14aに第1の壁18aを含むことができる。少なくとも1つの外壁18は、第2の端部14bに第2の端部壁18bを含むことができる。少なくとも1つの外壁18は、第1の側部14cに第1の側壁18cを含むことができる。少なくとも1つの外壁18は、第2の側部14dに第2の側壁18dを含むことができる。少なくとも1つの外壁18は、上側端部14eに上側壁18eを含むことができる。少なくとも1つの外壁18は、下側端部14fに下側端部壁18fを含むことができる。ハウジング14は、空所を内部に画成する、図示されている形状以外の形状を含む任意の適切な形状を有し得ることが理解されよう。それゆえ、少なくとも1つの外壁18は、わずか1つの壁(たとえば、ハウジング14が球形状を有する場合)または2つ以上の壁を含むことができ、壁は、図示されている形状以外の形状を有することができる。
【0014】
少なくとも1つの外壁18は、それを貫通する開口部22を画成する。開口部22は、開口部22が空所34に消耗品ホルダ162を受けるように構成されるように、空所34に対して開口している。開口部22は、上側壁18eなど、ハウジング14の上側端部14eを貫通することができる。ただし、代替の実施形態において、開口部22は、端部14a、端部14b、側部14c、側部14d、および上側端部14eの1つまたはそれ以上を貫通できることが理解されよう。
【0015】
生体試料分析器10は、ハウジング14に可動に連結されたドア26を含むことができる。ドア26は、開口部22を通して生体試料分析器10から熱が逃げるのを防止するように、開口部22を選択的にカバーするように構成することができる。ドア26は、ハウジング14が開口部22を通して消耗品ホルダ162を受けるように構成されている開位置と、ドア26が開口部22をカバーする閉位置との間を移行するように構成されている。閉位置において、ドア26は、消耗品ホルダ162が開口部22を通して生体試料分析器10に挿入されることと、内部空所34内に既に配置されている消耗品ホルダ162が生体試料分析器10から取り出されることとの両方を防止する。生体試料分析器10は、ドア26が開位置にあるかまたは閉位置にあるかを検出するように構成されたドアセンサ30を含むことができる。ドアセンサ30は、たとえば、ドアが開いているかまたは閉じているかを検出できる、リレースイッチまたは任意の他の適切なセンサとすることができる。
【0016】
ドアセンサ30は、コントローラ46と信号通信することができる。PIDコントローラとすることができるコントローラ46は、本明細書に記載されているような生体試料分析器10の様々な動作を監視および制御するためのソフトウェアアプリケーションをホストするように構成された任意の適切な演算装置を含むことができる。コントローラ46は任意の適切な演算装置を含むことができ、その例には、プロセッサ、デスクトップ演算装置、サーバ演算装置、または、ラップトップ、タブレット、もしくはスマートフォンなどのポータブル演算装置が含まれることが理解されよう。コントローラ46は、ハウジングに物理的に取り付け、ハウジング14内に配置させることも、ハウジング14に対して離れたものとし、場合によっては、ハウジング14からある距離だけ離間することもできる。
【0017】
コントローラ46はメモリ50を含むことができる。メモリ50は、揮発性(いくつかのタイプのRAMなど)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリなど)、またはそれらの組合せとすることができる。コントローラ46は、限定されるものではないが、テープ、フラッシュメモリ、スマートカード、CD-ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)もしくは他の光学ストレージ、磁気テープ、磁気ディスクストレージデバイスもしくは他の磁気ストレージデバイス、ユニバーサルシリアルバス(USB)互換性メモリ、または、情報を記憶するために使用でき、コントローラ46によってアクセスできる任意の他の媒体を含む、付加的なストレージ(たとえば、着脱可能なストレージおよび/または着脱不能なストレージ)を含むことができる。
【0018】
コントローラ46は、場合により、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)デバイス54を含むことができる。HMIデバイス54は、たとえば、ボタン、ソフトキー、マウス、音声作動制御部、タッチスクリーン、コントローラ46の動き、視覚的合図(たとえば、コントローラ46上のカメラの正面で手を動かす)などを介して、コントローラ46を制御する能力を提供する入力を含むことができる。HMIデバイス54は、生体試料分析器10の様々な構成要素と関係がある視覚的情報を含む出力を、グラフィカルユーザインターフェースを介して提供することができる。他の出力は、聴覚的情報(たとえば、スピーカを介して)、機械的情報(たとえば、振動機構を介して)、またはそれらの組合せを含むことができる。様々な構成において、HMIデバイス54は、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、モーション検出器、スピーカ、マイクロフォン、カメラ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。HMIデバイス54は、たとえば、コントローラ46にアクセスするための特定の生体情報を要求するために、たとえば、指紋情報、網膜情報、音声情報、および/または顔特徴情報などの生体情報を入力するための任意の適切なデバイスを含むことができる。
【0019】
コントローラ46は、以下でさらに記載されるように、ドアセンサ30、少なくとも1つのヒータセンサ188、ならびに生体試料分析器10の様々な他の構成要素と、ワイヤード通信および/またはワイヤレス通信することができる。コントローラ46、詳細にはHMIデバイス54は、所定の時間量にわたってドア26が開位置にあることをドアセンサ30が感知した場合に、アラートを発するように構成することができる。一実施形態において、所定の時間量は約15秒とすることができる。ただし、所定の時間量は所望に応じて15秒よりも長くまたは短くできることが企図される。場合により、ドア26を開位置にしておくことができる所定の時間量を生体試料分析器10のオペレータが手動で選択および/または調節できるように、HMIデバイス54は、ユーザ入力を受けるように構成することができる。消耗品ホルダ162がハウジング14内に配置された後に所定の時間量にわたってドア26が開位置に維持されているときは、コントローラ46は、意図した加熱動作を無効化し、HMIデバイス54を介して対応するアラートを発することができる。
【0020】
図2を参照すると、ハウジング14の少なくとも1つの外壁18は、少なくとも1つの外壁18を貫通する吸気口38を画成することができる。吸気口38は、ハウジング14の外部から内部空所34に空気を受けるように構成されている。吸気口38は、少なくとも1つの外壁18のあたりで離間している複数の開口部など、少なくとも1つの外壁18を貫通する少なくとも1つの開口部によって画成することができる。吸気口38は、少なくとも1つの外壁18のうちの第1の壁を貫通することができる。
図2において、吸気口38は、第2の端部壁18bに画成されており、具体的には、第2の端部壁18bによって画成されている。さらに、吸気口38は、実質的に、第2および第3の方向D
2、D
3に平行な面、たとえば、実質的に垂直に配向された面に沿って配向されている。ただし、吸気口38はハウジング14の任意の別の側部または端部に画成でき、異なる面または複数の面に沿って配向できることが理解されよう。
【0021】
ハウジング14の少なくとも1つの外壁18は、少なくとも1つの外壁18を貫通する排気口42を画成することができる。排気口42は、少なくとも1つの外壁18のあたりで、吸気口38から離間している。排気口42は、少なくとも1つの外壁18のうちの第2の壁を貫通することができる。第2の外壁は、吸気口38が貫通する第1の外壁とは異なるものとすることができる。いくつかの実施形態において、第2の外壁は、第1の外壁から角度をオフセットすることができる。排気口42は、内部空所34からハウジング14の外側の領域に空気を排出するように構成されている。吸気口38と同様に、排気口42は、少なくとも1つの外壁18のあたりで離間している複数の開口部など、少なくとも1つの外壁18を貫通する少なくとも1つの開口部によって画成することができる。
図2において、排気口42は、ハウジング14の下側端部壁18fに画成されており、具体的には、下側端部壁18fによって画成されている。さらに、排気口42は、実質的に、第1および第2の方向D
1、D
2に平行な面、たとえば、実質的に水平に配向された面に沿って配向されている。その結果、吸気口38は、排気口42から角度をオフセットすることができる。図示の実施形態において、吸気口38は、排気口42から角度を約90度オフセットしている。ただし、吸気口38および排気口42は、所望に応じて、互いに対して交互に配向することができる。排気口42はハウジング14の任意の別の側部または端部に画成でき、異なる面または複数の面に沿って配向できることが理解されよう。
【0022】
吸気口38は、受けられた空気を吸気方向DIに沿って内部空所34に供給するように構成することができる。排気口42は、空所34から空気を受け、その空気を排気方向DEに沿って空所34の外に排出するように構成することができる。吸気方向DIは、排気方向DEから角度をオフセットすることができる。一例では、吸気方向DIは、排気方向DEに実質的に垂直にすることができる。代替の実施形態において、吸気方向DIおよび排気方向DEは、実質的に互いに平行にすることができる。いくつかの実施形態において、吸気口38は、吸気方向DIに沿って空気を受けることができる。付加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態において、排気口42は、空気を排気方向DEに沿って排出することができる。ただし、代替の実施形態において、吸気口38および排気口42の少なくとも一方は、空気が吸気口38に受け入れられるときまたは排気口42から排出されるときにその空気の軌道を変えるルーバを含むことができることが理解されよう。
【0023】
図3に移ると、生体試料分析器10は、ハウジング14の内部空所34内に配置されたプレナム100を含む。プレナム100は少なくとも1つのプレナム壁104を含むことができ、プレナム壁104は、プレナム内面と、内面の反対側のプレナム外面を有する。少なくとも1つのプレナム壁104の内面など、少なくとも1つのプレナム壁104は、内部にエアダクト120を画成する。プレナム100は、第1のプレナム端部100aおよび第2のプレナム端部100bを有することができ、それらは、第1の方向D
1に沿って互いから離間している。プレナム100は、第1のプレナム側部100cおよび第2のプレナム側部100dを有することができ、それらは第2の方向D
2に沿って互いから離間している。プレナム100は、上側プレナム端部100eおよび下側プレナム端部100fを画成することができ、それらは第3の方向D
3に沿って互いから離間している。第1のプレナム端部100aと第2のプレナム端部100bとの間、第1のプレナム側部100cと第2のプレナム側部100dとの間、かつ上側プレナム端部100eと下側プレナム端部100fとの間に、エアダクト120を画成することができる。
【0024】
少なくとも1つのプレナム壁104は、複数のプレナム壁を含むことができる。たとえば、少なくとも1つのプレナム壁104は、第1のプレナム端部100aに第1のプレナム端部壁104aを含むことができる。少なくとも1つのプレナム壁104は、第2のプレナム端部100bに第2のプレナム端部壁104bを含むことができる。少なくとも1つのプレナム壁104は、第1のプレナム側部100cに第1のプレナム側壁104cを含むことができる。少なくとも1つのプレナム壁104は、第2のプレナム側部100dに第2のプレナム壁104dを含むことができる。少なくとも1つのプレナム壁104は、上側プレナム端部100eに上側プレナム壁110eを含むことができる。少なくとも1つのプレナム壁104は、下側プレナム端部100fに下側プレナム壁104fを含むことができる。プレナム100は図示されている形状以外の形状を含む任意の適切な形状を有することができることが理解されよう。それゆえ、少なくとも1つの外側プレナム壁104は、わずか1つの壁または2つ以上の壁を含むことができ、壁は、図示されている形状以外の形状を有することができる。
【0025】
少なくとも1つのプレナム壁104は、それを貫通する開口部108を画成することができる。開口部108は、開口部108がエアダクト120に消耗品ホルダ162を受けるように構成されるように、エアダクト120に対して開口している。開口部108は、ハウジング14の開口部22から開口部108を通ってエアダクト120に直線的な通路が画成されるように、ハウジング14の開口部22の下方に位置合わせされている。開口部108は、上側プレナム壁104eなど、プレナム100の上側端部100eを貫通することができる。ただし、代替の実施形態において、開口部108は、端部100a、端部100b、側部100c、側部100d、および端部100eの1つまたはそれ以上を貫通できることが理解されよう。
【0026】
プレナム100は、少なくとも1つのプレナム壁104を貫通するプレナム吸気口112を画成する。プレナム吸気口112は、ハウジング14の吸気口38からプレナム100に空気を受けるように構成されている。プレナム吸気口112は、吸気口38で受けられた空気がプレナム吸気口112で受け入れられるように、吸気口38に隣接して配置され、吸気口38と流体連絡している。プレナム吸気口112は、少なくとも1つの開口部、または少なくとも1つのプレナム壁104のあたりで離間している複数の開口部によって画成することができる。
図3において、プレナム吸気口112は、第2のプレナム端部100bに画成されており、具体的には、第2のプレナム端部壁104bによって画成されている。さらに、プレナム吸気口112は、実質的に、第2および第3の方向D
2、D
3に平行な面、たとえば、実質的に垂直に配向された面に沿って配向されている。ただし、プレナム吸気口112はプレナム100の任意の別の側部または端部に画成でき、異なる面または複数の面に沿って配向できることが理解されよう。
【0027】
プレナム100は、少なくとも1つのプレナム壁104を貫通するプレナム排気口116を画成する。プレナム排気口116は、エアダクト120がプレナム排気口116からプレナム吸気口112まで延びるように、少なくとも1つのプレナム壁104のあたりでプレナム吸気口112から離間している。プレナム排気口116は、プレナム100から空気を排出するように構成されている。プレナム排気口116は、プレナム排気口116から排出された空気が排気口42から排出されるように、排気口42に隣接して配置され、排気口42と流体連絡している。プレナム吸気口112と同様に、プレナム排気口116は、少なくとも1つの開口部、またはプレナム壁104のあたりで離間している複数の開口部によって画成することができる。
図3において、プレナム排気口116は、下側プレナム端部100fに画成されており、具体的には、下側プレナム端部壁104fによって画成されている。さらに、プレナム排気口116は、実質的に、第1および第2の方向D
1、D
2に平行な面、たとえば、実質的に水平に配向された面に沿って配向されている。その結果、プレナム吸気口112は、プレナム排気口116から角度をオフセットすることができる。図示の実施形態において、プレナム吸気口112は、プレナム排気口116から90度角度をオフセットしている。ただし、プレナム吸気口112およびプレナム排気口116は、任意の他の適切な角度だけ互いから角度をオフセットすることができる。代替の実施形態において、プレナム排気口116およびプレナム吸気口112は、互いに平行にすることができる。プレナム排気口116はプレナム100の任意の別の側部または端部において画成でき、異なる面または複数の面に沿って配向できることが理解されよう。
【0028】
プレナム吸気口112は、吸気方向DIに沿ってエアダクト120に空気を受けるように構成することができる。プレナム排気口116は、空気を排気方向DEに沿って排出するように構成することができる。上述のように、吸気方向DIは、排気方向DEから角度をオフセットすることができる。一例では、吸気方向DIは、排気方向DEに実質的に垂直とすることができる。代替の実施形態において、吸気方向DIおよび排気方向DEは、実質的に互いに平行とすることができる。動作の際には、生体試料分析器10は、ハウジング14の吸気口38を通して、プレナム吸気口112を通して、エアダクト120を通して空気を受け、プレナム排気口116を通してエアダクト120の外に、排気口42を通してハウジング14の外にその空気を排出するように構成されている。
【0029】
ここで
図4、
図7、および
図8を参照すると、生体試料分析器10は、生体試料を収容する消耗品ホルダ162を支持するように構成されたレセプタクル154を含んでいる。レセプタクル154の少なくとも一部分は、プレナム100内に配置されている。レセプタクル154は、消耗品ホルダ162を受け、加熱および測定動作中はそれを保持するように構成された開放端を有することができる。レセプタクルは、実質的に矩形の形状を有することができる;ただし、レセプタクル154の形状は、受けられる予定の消耗品ホルダの形状に応じて変えることができる。
【0030】
図示の実施形態において、レセプタクル154は、第1のホルダ端部158aと、第1の方向D
1に沿って第1のホルダ端部158aの反対側の第2のホルダ端部158bとを有する。レセプタクル154は、第1のホルダ端部158aから第2のホルダ端部158bに延びる第1のホルダ側部158c、ならびに、第1のホルダ側部158cの反対側にあり、第1のホルダ端部158aから第2のホルダ端部158bに延びる第2のホルダ側部158dを有する。第1および第2のホルダ側部158cおよび158dは、第1および第2のヒータプレートであると見なすことができるが、側部158cおよび158dは、消耗品ホルダ162を加熱するための、コイルなど、プレート以外の適切な構成を有することができる。レセプタクル154は底部ホルダ端部158eも含むことができ、底部ホルダ端部158eは、レセプタクル154の下側端部を画成し、第1のホルダ端部158aと第2のホルダ端部158bとの間かつ第1のホルダ側部158cと第2のホルダ側部158dとの間で延びる。レセプタクル154は、消耗品ホルダ162を加熱するために消耗品ホルダ162を受けるように構成された受け領域170を画成することができ、ここで、受け領域170は、第1ホルダ端部158aと第2のホルダ端部158bとの間、第1のホルダ側部158cと第2のホルダ側部158dとの間、かつ底部ホルダ端部158eの上方に画成される。受け領域170の寸法および形状は、受け領域170内に配置予定の消耗品ホルダのタイプおよび形状に応じて変えることができるが、図示の実施形態においては、受け領域170は、第1および第2の方向D
1およびD
2に沿って延びる面において実質的に矩形のプロファイルを有する。レセプタクル154は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または任意の他の適切な熱伝導性材料など、熱伝導性材料から形成することができる。レセプタクル164内には(
図4および
図6に示されている)カートリッジセンサ174を配置することができ、カートリッジセンサ174は、消耗品ホルダ162がレセプタクル164に挿入されたかどうかを検出するように構成することができる。カートリッジセンサ174は、消耗品ホルダの存在を検出できる、リレースイッチまたは任意の他の適切なセンサとすることができる。カートリッジセンサ174は、消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入されたかどうかをコントローラ46に連絡するために、コントローラ46と信号通信することができる。カートリッジセンサ174による消耗品ホルダ162の検出(たとえば、挿入または取り出し)は、本明細書に記載されているサーマルシーケンスをトリガするために使用することができる。
【0031】
図5に移ると、生体試料分析器10は、レセプタクル154と少なくとも1つのプレナム壁104との間に少なくとも1つのエアギャップ124が画成されるように、プレナム100のエアダクト120内でレセプタクル154の少なくとも一部分を支持することができる。エアダクト120の一部分を含むそのエアギャップ124によって、レセプタクル154を冷却するためにレセプタクル154に沿って空気が流れることが可能になる。エアギャップ124は、少なくとも1つのプレナム壁104と、レセプタクル154の側部158a~158eの任意の組合せとの間に画成することができる。たとえば、エアギャップ124は、レセプタクル154の第1のホルダ側部158cと第1のプレナム側壁104cとの間に画成された第1のエアギャップ124aを含むことができる。エアギャップ124は、付加的にまたは代替的に、レセプタクル154の第2のホルダ側部158dと第2のプレナム側壁104dとの間に画成された第2のエアギャップ124bを含むことができる。エアギャップ124は、付加的にまたは代替的に、底部ホルダ端部158eと、下側プレナム壁104fとの間に画成することができる。
【0032】
図6を参照すると、エアダクト120を通して空気を強制的に送るために、生体試料分析器10はファン192を含むことができ、そのファン192は、通路Pに沿って空気を強制的に送るように構成されている。通路Pは、ハウジング14の吸気口38からプレナム100のプレナム吸気口112を通って、エアギャップ124を通って延び、プレナム排気口116を通ってハウジング14の排気口42から出る。詳細には、ファン192は、レセプタクル154の第1および第2のホルダ側部158cおよび158dに沿って第1のエアギャップ124aおよび第2のエアギャップ124bのうちの少なくとも1つを通るなど、少なくとも1つのエアギャップ124を通るように空気を向けることができる。ファン192は、場合により、エアギャップ124のうちのレセプタクル154の下方で底部ホルダ端部158eとプレナム壁104との間に画成された部分を通るように空気を向ける。図示の実施形態において、ファン192は、プレナム100のプレナム吸気口112に位置するが、ファン192の代替的な位置が企図される。たとえば、ファン192は、代替的に、プレナム排気口116に位置することもできる。ファン192は、コントローラ46がファン192の動作を指示できるように、コントローラ46とワイヤード通信および/またはワイヤレス通信することができる。その結果、ファン192は、以下でさらに記載されるように、加熱動作において所定の間隔で、異なる速度の間を選択的に移行することができる。付加的に、ファン192は、生体試料分析器10への診断消耗品ホルダ162の挿入前におよび/または生体試料分析器10への診断消耗品ホルダ162の挿入後に、ファン192の較正のためにコントローラ46とワイヤード通信および/またはワイヤレス通信することができる。
【0033】
図4を再び参照すると、生体試料分析器10は、ファン192に隣接して位置するかまたはそれに取り付けられた、1つまたはそれ以上の温度センサ194を含むこともでき、ここで、温度センサ194は、ファン192によってプレナム100に吸い込まれる空気の周囲温度を検出するように構成されている。1つまたはそれ以上の温度センサ194は、温度センサ194によって感知された空気および/または周囲温度をコントローラ46が監視できるように、コントローラ46とワイヤード通信および/またはワイヤレス通信することができる。吸気口38および排気口42の少なくとも一方は、上記で論じたようにルーバを含むことができる。ルーバは、温度センサ194が排気の温度を測定して周囲温度の読取値が不正確になることがないように、空気が吸気口38に受け入れられるかまたは排気口42から排出されるときに空気の軌道を変える。外気および/またはプレナム100に強制的に送られる空気の温度は、以下でさらに論じるように、消耗品ホルダ162の加熱動作に関する計算に役立てることができる生体試料分析器10の外側に存在する温度を表し、かつ/またはプレナムに強制的に送られる空気の温度を表すことができる。
【0034】
図14を参照すると、標高および/または空気密度の変化は、生体試料分析器10の熱性能に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載されているように、空気密度に左右されない非密度パラメータを測定し、それを空気密度に応じて変わる密度パラメータと相互に関連付けることができる。非密度パラメータの一例は、既知の周囲温度および既知の冷却量でヒータ186を所与の温度に維持する既知のエネルギー量である。例示的な密度パラメータは空気の体積を含む。ファン192によって動かされる空気の体積は、ファン192の速度を変えること、ファン192の1つまたはそれ以上のブレードのサイズおよび/またはピッチを変えること、ファン192の吸引側または吐出側のオリフィスサイズを変えることなど、様々な手法で調節することができる。ヒータ186の電力消費量の解析により、標高および/または空気密度の変化を考慮してファン192(たとえば、ファン速度)の較正を行うことができる。概して、生体試料分析器10および/または消耗品ホルダ162を所与の温度T(たとえば、周囲温度、目標温度、高温度、または設定点温度)に維持するヒータ186の電力消費量は、既知の値でよい。所与の温度Tにおいてヒータ186の電力消費量が予想を下回る場合は、コントローラ46は、以下にさらに述べるように、生体試料分析器10の使用中および/または起動時に、ファン192からの空気の体積を調節する(たとえば、ファン192の速度を上昇または低下させる)ためにその情報を用いることができる。概して、工程280に示されているように、少なくとも1つのファン192は、第1の速度S
1で動作することができる。第1の速度S
1は既知の温度T(たとえば、周囲温度)で動作できる。工程282で、式(1)を用いて、温度Tにおけるヒータ186の測定出力PWR
Mをヒータ186の予想出力PWR
Eと比較することができる:
PWR
E=T*PWR
Mの傾斜+PWR
Mのオフセット(式1)
ここで:
PWR
E=ヒータの予想出力
T=温度(たとえば、周囲温度)
PWR
M=測定出力
調節がノイズによって行われないことを保証するために、ヒータ186の電力消費量の複数回の読取り(たとえば、5回の読取り、10回の読取り、20回の読取りなど)を行うことができ、ヒータ186の電力消費量の複数回の読取値の平均を測定出力PWR
Mとして用いることができる。読取値の変化率は、電力消費量が変化せずに一定であるか否かを判定するために評価することもできる。電力消費量が一定の場合は、変化率は相対的に横ばいであり、所定量内にあるはずである。ヒータ186が隣接する質量を暖機しているときの冷間起動中など、変化率がその所定レベル外にある場合は、実際よりも出力レベルが高くなり、実際には調節が必要とされるときに、空気流に調節が必要とされないというインジケーションを提供することがある。変化率が所定レベル外にある場合は、コントローラ46は、ヒータ186の電力消費量の、別の組の複数回の読取値を取得し、次いで、電力消費量が一定であるか否かを判定することができる。電力消費量が一定であることを示す1組の読取値が取得されるまで、そのプロセスを繰り返すことができる。工程284に示されているように、ヒータ186の測定出力PWR
Mがヒータ186の予想出力PWR
Eよりも小さいかまたは大きい場合は、ファン192の速度パラメータを第2の速度S
Xまでそれぞれ上昇または低下させることができる。たとえば、ヒータ186の測定出力PWR
Mがヒータ186の予想出力PWR
Eを約5%下回る場合は、ファン192の速度パラメータを現時点の速度S
1の約10%増大させることができる。ヒータ186の測定出力PWR
Mが、所与の温度(たとえば、周囲温度)の場合のヒータ186の予想出力PWR
Eのプラスまたはマイナス5%など、所定の範囲内に入るまで、ヒータ186の測定出力PWR
Mは、ファンの第2の速度S
Xで再試験することができ、かつ/または、所定の時間間隔(たとえば、20秒、40秒、10秒など)で再試験することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、生体試料分析器10は、空気温度を提供するために、空気流内の主プリント回路基板(PCB)に、1つまたはそれ以上の付加的な温度センサ(図示せず)を含むことができる(たとえば、センサ194によって感知される温度は分析器の少なくとも1つのヒータからの加熱出力によって歪曲されない)。
【0036】
生体試料分析器10は、ファン192の上流に位置するフィルタ196(
図4参照)を含むこともでき、ここで、フィルタ196は、ファン192によってプレナム100に吸い込まれる空気から粒子を除去するように構成されている。時間が経つにつれて、フィルタ196は次第に目詰まりを起こすことがあり、フィルタ196は、ファン192に供給される空気流が制限されるのに十分な程度まで目詰まりを起こす恐れがある。そのように減少した空気流は、レセプタクル154に強制的に送るためにファン192が利用できる空気が少なくなるので、レセプタクル154の冷却に悪影響を及ぼす可能性がある。フィルタ196の詰まりは、ヒータ186によって消費される瞬時電力を基準電力消費量と比較することによって判定することができる。ヒータ186による電力消費量が予想よりも低いと、目詰まりしたフィルタ196を示すことがある。次いで、コントローラ46は、以下でさらに記載されるように、その情報を使用してファン192の速度を調節することができる。
【0037】
図7および
図8に戻ると、生体試料分析器10は、レセプタクル154を加熱するための少なくとも1つのヒータ186をさらに含むことができる。少なくとも1つのヒータ186は、レセプタクル154に直接的または間接的に熱を加えて、レセプタクル154を加熱することができる。レセプタクル154は、さらに、消耗品ホルダ162がレセプタクル154の受け領域170内に配置されているときに消耗品ホルダ162に熱を加えることができる。少なくとも1つのヒータ186は、レセプタクル154の外面に取り付けることができる。たとえば、少なくとも1つのヒータ186は、第1および第2のホルダ端部158aおよび158b、第1および第2のホルダ側部158cおよび158d、ならびに底部ホルダ端部158eのいずれかの外面に取り付けることができる。少なくとも1つのヒータ186は、ポリイミドの可撓性ヒータなど、可撓性もしくは剛性のプリント回路基板(PCB)によって支持された導電性コイル、または、レセプタクル154を加熱できる任意の他の適切なヒータを含むことができる。少なくとも1つのヒータ186は、レセプタクル154の第1のホルダ側部158cに取り付けられた第1のヒータ186aと、第1のヒータ186aの反対側にあり、レセプタクル154の第2のホルダ側部158dに取り付けられた第2のヒータ186bとを含むことができる。ただし、ヒータ186は、所望に応じて2つよりも多いまたは少ないヒータを含むことができる。以下でさらに論じるように、コントローラ46が第1および第2のヒータ186aおよび186bの加熱プロファイルを制御および調節できるように、第1および第2のヒータ186aおよび186bを含む少なくとも1つのヒータ186は、コントローラ46とワイヤード信号通信および/またはワイヤレス信号通信することができる。
【0038】
生体試料分析器10は、レセプタクル154の温度を検出するように構成された少なくとも1つのヒータセンサ188を含むことができる。少なくとも1つのヒータセンサ188は、レセプタクル154に取り付けられた第1および第2のヒータセンサ188aおよび188bを含むことができ、ここで、第1および第2のヒータセンサ188aおよび188bはそれぞれ、異なる位置でレセプタクル154の瞬時温度を検出するように構成することができる。第1のヒータセンサ188aは、第1のヒータ186aに隣接するレセプタクル154の第1のホルダ側部158cに取り付けることができ、第1のヒータ186aに隣接する位置でレセプタクル154の温度を検出するように構成することができる。同様に、第2のヒータセンサ188bは、第2のヒータ186bに隣接するレセプタクル154の第2のホルダ側部158dに取り付けることができ、したがって、第2のヒータ186bに隣接する位置でレセプタクル154の温度を検出するように構成することができる。第1および第2のヒータセンサ188aおよび188bはそれぞれ、サーミスタなど、任意の適切な温度センサを含むことができる。2つのヒータセンサを詳細に記載しているが、生体試料分析器10は、所望に応じて、2つよりも多いまたは少ないヒータセンサを含むことができる。
【0039】
消耗品ホルダ162に配置されたバイオアッセイの温度は、直接的に測定することができない。その代わりに、アッセイの温度は、レセプタクル154の温度に基づいて間接的に制御することができる。したがって、生体試料分析器10は、レセプタクル154に加えられる熱を制御するように構成されたフィードバックループを含むことができる。フィードバックループは、所定の間隔で(たとえば、毎秒)継続的に更新することができる。フィードバックループは、コントローラ46、少なくとも1つのヒータ186、および少なくとも1つのヒータセンサ188を含む。少なくとも1つのヒータセンサ188は、レセプタクル154の検出された(すなわち、測定された)温度をコントローラ46に提供するように構成することができる。コントローラ46は、検出温度および所望の温度に基づいて温度誤差を判定するように構成することができる。次いで、コントローラ46は、温度誤差をゼロ誤差に向かわせるように、温度誤差に基づいて少なくとも1つのヒータ186によって供給される熱量を制御することができる。以下で説明するように、所望の温度は、目標温度、高温度、または設定点温度とすることができる。一例では、温度誤差は、所望の温度と検出温度との差として判定することができる。別の例では、温度誤差は、所望の温度と検出温度の比に基づいて判定することができる。そのようないくつかの場合には、1の値を比から減算することができる。
【0040】
図3および
図5を参照すると、ハウジング14内に生体分析センサ190を配置することができ、そこで、センサ190は、消耗品ホルダ162内に配置された生体試料の特徴を測定するように構成されている。一実施形態において、センサ190はフォトダイオードなどの光学センサであるが、他のタイプのセンサが企図される。生体試料分析器10は、消耗品ホルダ162を通して、したがって生体試料を通して、センサ190まで光線を放出するように構成された、光源191を含むことができる。センサ190は、生体試料のHbA1C値、アルブミンとクレアチニンの比、ヘモグロビン値、凝集測定値、または任意の他の所望の生体特徴の少なくとも1つを検出するように構成することができる。消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入されると、消耗品ホルダ162内に収容された生体試料は、センサ190が生体試料の特徴を測定する前に試薬との混合を必要とすることがある。これを実現するために、生体試料分析器10は、ハウジング14内に取り付けられたモータ178を含むことができる。モータ178は、消耗品ホルダ162内の生体試料を撹拌するように、プレナム100内でレセプタクル154を動かすように構成することができる。モータ178は軸182を含むことができ、軸182は、モータ178からプレナム100を貫通し、モータ178の反対側のレセプタクル154に動作可能に連結している。そのことから、モータ178がハウジング14内でプレナム100の外側に配置されることが可能になる。モータ178は、軸182を介して、レセプタクル154を振動させるか、回転させるか、または別法で撹拌するように構成することができる。
【0041】
プレナム100は、詳細には、消耗品ホルダ162内で生体試料を混合するようにプレナム100内でレセプタクル154が動くことを可能にするように設計することができる。たとえば、プレナム100とレセプタクル154との間にクリアランスを設け、したがって、レセプタクル154がプレナム100に対して自由に動きかつ/または回転するように、少なくとも1つのプレナム壁104の上側部分は湾曲することができる。第1および第2のプレナム壁104aおよび104bを含むプレナム壁104の残りは、このような動きに対応するのに十分にレセプタクル154から離間することができる。プレナム壁104に関するこのような設計により、プレナム100がレセプタクル154に沿ってエアギャップ124を通して空気を案内することもできる。レセプタクル154の各側部に沿ってエアギャップ124を画成することによって、プレナム100は、レセプタクル154上において空気がレセプタクル154から熱を伝導できる表面領域を設ける。
【0042】
ここで
図9および
図12を参照すると、生体試料分析器を動作させる方法200が記載されている。方法200は、生体試料分析器10の少なくとも1つのヒータ186の起動に対応する工程202で開始することができる。起動したときに、コントローラ46は、レセプタクル154を高温度ETまで加熱するようにヒータ186を制御する。
図12に示されているように、レセプタクル154は開始時間t
0で周囲温度ATであってよい。工程202で、ヒータ186は開始時間t
0の周囲温度ATから、第1の時間t
1の高温度ETまでレセプタクル154を加熱する。そうする際は、コントローラ46は、周囲温度ATおよび目標温度TTに基づいて高温度ETを判定することができる。高温度ETはメモリ50に記憶することができ、コントローラ46は、周囲温度ATおよび目標温度TTに基づいて、所定の値またはメモリ50に記憶されている高温度ETの値から高温度ETをルックアップすることができる。代替的に、コントローラ46は高温度ETを計算することができる。特定の加熱動作に関する高温度ETは、式(2)に従って判定することができる:
【数1】
ここで:
ET=高温度
TT=目標温度
AT=周囲温度
SF=初期傾斜係数
【0043】
式(2)において、目標温度TTは、生体試料の特定の特徴を測定するために消耗品ホルダ162内の生体試料がそこまで加熱される予定の温度を表す。したがって、目標温度TTは、測定予定の特定の特徴に基づいて変わる。たとえば、測定予定の特徴がヘモグロビンであるときは、HbA1c値について、目標温度TTは摂氏34度、標準偏差摂氏+/-0.4度とすることができる。測定予定の特徴が凝集のときは、HbA1c値について、目標温度TTは摂氏34度、標準偏差摂氏+/-0.2度とすることができる。測定予定の特徴がアルブミンとクレアチニンの比のときは、目標温度TTは、摂氏36度、標準偏差摂氏+/-0.4度とすることができる。ただし、他の目標温度が企図される。高温度ETはTTを上回る温度から摂氏約50度までの範囲にあってよいが、この範囲外の高温度も企図される。周囲温度ATは、先に述べたように、ファン192に隣接する温度センサ194によって測定される生体試料分析器10の外側の周囲環境の温度を表す。生体試料分析器10の周囲温度ATは、摂氏約15度から摂氏約32度の範囲とすることができるが、他の周囲温度が企図される。初期傾斜係数は、システムに加えることが必要なエネルギー量を調節する定数である。高温度ETが加えられる時間量が増大される場合は、傾斜係数が増大される。その計算は、消耗品ホルダ162およびヒータプレートが固定質量を有することを前提とすることができる。したがって、曲線下の総面積(すなわち、総エネルギー)がある生体試料の分析から次の生体試料の分析まで確実に実質的に同じままになるように傾斜係数を選択することができる。
【0044】
工程202の間は、フィードバックループを用いて、レセプタクル154を高温度ETまで上昇させ(時間t0から時間t1まで)、次いで、その後、レセプタクル154を高温度ETに維持する(時間t1から時間t2まで)ことができる。フィードバックループは、少なくとも1つのヒータ186によってレセプタクル154に加えられる熱を制御するために、上述のように継続的に更新することができる。その場合は、高温度ETは温度誤差を判定するために所望の温度として使用される。
【0045】
消耗品ホルダ162がレセプタクル154内に配置されたときに、消耗品ホルダ162を目標温度TTまで上昇させるのに必要な時間量を短縮するために、工程202は、消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入される前に行うことができる。工程206で、消耗品ホルダ162をレセプタクル154に挿入することができる。好ましくは、消耗品ホルダ162は、
図12に示されているように、時間t
1と時間t
2との間の挿入時間t
iに挿入される。カートリッジセンサ174は、工程206でレセプタクル154への消耗品ホルダ162の挿入を検出することができ、消耗品ホルダ162が挿入されたことをコントローラ46に通信することができる。工程202および206の間に、コントローラ46は、以下でさらに論じるように、ファン192を第1の速度で動作させることができる。第1の速度は、相対的に低速とすることができ、したがって、ファンは、第1の速度のときに緩やかに動くことができる。
【0046】
工程210で、コントローラ46は、ハウジング14のドア26が所定の期間開いたままになっているかどうかを判定することができる。消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入された後に一定の時間量にわたってドア26が開いたままである場合は、不明な量の熱が開口部22を通して生体試料分析器10から逃げる可能性がある。その結果、コントローラは、レセプタクル154を目標温度TTにするのに必要な熱の量を判定することが難しくなる場合がある。一実施形態において、所定の期間は約15または25秒とすることができるが、その期間は変更することができる。さらに、所定の期間は、HMIデバイス54に入力を提供することによって、生体試料分析器のオペレータが手動で選択することができる。ドア26が所定の期間よりも長く開いている場合は、工程214で、HMIデバイス54は、分析が失敗したことをオペレータに通知するアラートを発することができる。さらに、コントローラ46は、現時点での加熱動作を無効にすることができる。ドア26が所定の期間開いていない場合は、ドアセンサ30は、方法200全体を通してドア26が開位置にあるかまたは閉位置にあるかを監視し続けることができる。
【0047】
工程206で、未加熱の消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入されると、(高温度ETまで加熱された)レセプタクル154に対して消耗品ホルダ162の温度が低いことで、レセプタクル154の温度を測定可能なほど降下させることがある。その温度降下によって温度誤差が増大する。挿入後に、フィードバックループは、上述のように継続的に更新されて、レセプタクル154を高温度ETで(時間t1から時間t2まで)加熱し、温度誤差をゼロにすることができる。その場合、温度誤差を判定するために使用される所望の温度は高温度ETである。少なくともいくつかの実施形態において、少なくとも1つのヒータ186は、ある消耗品ホルダから次の消耗品ホルダに繰り返し可能にできる制御された速度で加熱を増大させることができる。
【0048】
図12に示されているように、工程218で、コントローラ46は、挿入時間t
iから第2の時間t
2に及ぶ第1の期間、レセプタクル154を高温度ETに維持するようにヒータ186に指示することができる。工程218の間は、(時間t
1から時間t
2まで)レセプタクル154を高温度ETに維持するように、フィードバックループを継続的に更新することができる。さらに、ファン192は、オフまたは相対的に低速の第1の速度で動作することができる。消耗品ホルダ162がレセプタクル154内に配置されている間にレセプタクル154を第1の期間、高温度ETに維持することにより、消耗品ホルダ162内に配置された生体試料を、従来のヒータよりも急速に目標温度TTにすることが支援される。第1の期間FPは、メモリ50に記憶された所定の時間とすることができ、コントローラ46は、所定の値またはメモリ50に記憶されている第1の期間FPの値から、第1の期間FPをルックアップすることができる。代替的に、第1の期間FPはオペレータによってHMIデバイス54に入力することができる。さらに代替的に、コントローラ46は、第1の期間FPを計算することができる。第1の期間FPは、以下の通り式(3)に従って判定することができる:
FP=(DTB+AT)*SDM(式3)
ここで:
FP=第1の期間
DTB=減衰時間基準
AT=周囲温度
SDM=減衰開始乗数
【0049】
減衰時間基準DTBは、第1の期間FPを判定するために使用されるオフセット係数である。いくつかの例において、DTBは約475とすることができる。いくつかの実施形態において、消耗品ホルダ162が低温であると判定されないときは、以下で論じるように第1の期間を固定することができる。減衰開始乗数SDMは、消耗品ホルダ162が高温度ETで加熱さえる時間の長さを短縮するために使用される係数である。いくつかの実施形態において、減衰開始乗数SDMは約0.05とすることができる。それにより、消耗品ホルダ162が目標温度に達する前に、高温度ETによる加熱を確実に停止する。周囲温度ATは、生体試料分析器の外部環境の温度を表し、その外部環境温度は、プレナム100に入る空気の温度を、温度センサ194を用いて測定することによって判定される。式(3)において、第1の期間FPは、周囲温度ATに基づいて判定される。したがって、コントローラ46は、第1の期間FPを判定するときに消耗品ホルダ162が周囲温度ATにあることを前提とする。ただし、オペレータが低温の消耗品ホルダをレセプタクル154に挿入できるので、常にこれが当てはまるとは限らない。したがって、以下でさらに詳細に説明するように、生体試料分析器10は、低温の消耗品ホルダを検出するように構成することができる。
【0050】
工程222で、コントローラ46は、第1の期間FPの終わりに温度減衰を行うように生体試料分析器10を制御することができ、ここで、レセプタクル154の温度は高温度ETから目標温度TTまで下げられる。具体的には、コントローラ46は、消耗品ホルダ162が目標温度TTを超える前に、消耗品ホルダ162に加えられる熱量を低減するように、少なくとも1つのヒータ186に指示することができる。さらに、コントローラ46は、消耗品ホルダ162に加えられる熱量を低減する目的で、第1の速度よりも速い第2の速度でファン192を動作させることもできる。一実施形態において、
図12に示されているように、コントローラ46は、第2の時間t
2から第3の時間t
3に及ぶ第2の期間に、その温度を高温度ETから目標温度TTに低下させるようにヒータ186に指示することができる。その結果、レセプタクル154の温度は高温度ETから目標温度TTまで低下する。
図12に示されているように、高温度ETから目標温度TTまでの温度低下パターンは線形とすることができるが、他の温度低下パターンが企図される。第2の期間から第3の期間t
3までのヒータ186の温度設定点は、以下の式(4)に従って計算することができる:
【数2】
ここで:
SP=瞬時温度設定点
ISP=初期温度設定点
FSP=最終温度設定点
ID=初期温度降下
T
PID=PID時間
T
SD=減衰開始時間
【0051】
初期温度設定点ISPは時間t2における温度(たとえば、高温度ET)である。最終温度設定点は時間t3における温度(たとえば、目標温度TT)である。初期温度降下IDは、減衰をより急速に行うことを可能にする初期温度設定点からの初期降下である。一例では、その値は約0.5度に設定することができる。PID時間は、コントローラ46によって維持されるときの時間である。減衰開始時間TSDは、工程222において温度減衰が始まる時間である。消耗品ホルダ162およびその中に収容された生体試料が目標温度TTまで上昇する前に、ヒータ186、したがってレセプタクル154の温度を高温度ETから目標温度TTまで低下させることによって、生体試料分析器10は、消耗品ホルダ162の温度を、目標温度TTを超えることなく、確実に目標温度TTまで急速に上昇させることができる。
【0052】
工程226で、レセプタクル154の温度が目標温度TTまで低下し、消耗品ホルダ162が目標温度TTまで上昇した後に、コントローラ46は、レセプタクル154を目標温度TTに維持するようにヒータ186に指示することができる。そのことは、第3の時間t
3から第4の時間t
4まで生じるものとして
図12に示されている。さらに、コントローラ46は、第1の速度で、または第2の速度よりも低い別の速度で、ファン192を動作させて、レセプタクル154のさらなる冷却を制限することができる。レセプタクル154を目標温度TTに維持することにより、消耗品ホルダ162およびその中に収容されている生体試料が、生体試料の特徴を測定するプロセスの間はずっと目標温度TTを保つことが可能になる。
【0053】
工程230で、コントローラ46は、消耗品ホルダ162の内容物を能動的に混合するようにモータ178に指示する。そうする際に、モータ178は、レセプタクル154を回転させるか、振動させるか、または別法で動かすように、軸182を回転させることができ、そのレセプタクル154が、受け領域170内に収容された消耗品ホルダ162にその動きを伝達する。工程230は、工程222と同時に(すなわち、
図12における第2時間t
2と第3の時間t
3との間に)行うことができる。代替的に、工程230は、ヒータ186がレセプタクル154を目標温度TTに維持している間に(すなわち、
図12における第3の時間t
3と第4の時間t
4との間に工程226と同時に)または工程222および226と同時に行うことができる。別の実施形態において、工程230は、工程218と同時に行うことができる。詳細には、カートリッジの内側で流体が動くことで、より一様かつ一貫した熱による暖めの結果が得られるため、消耗品ホルダ162、たとえばカートリッジの混合は高温度の状態で始めることもできる。
【0054】
特定の測定動作のために生体試料が十分に混合され、消耗品ホルダ162が目標温度で安定するのに十分な時間が経過すると、センサ190は、工程234で生体試料の特徴を測定することができる。先に言及したように、その特徴は、たとえば、生体試料のHbA1C値、生体試料のアルブミンとクレアチニンの比、または他の適切な特徴とすることができる。測定されると、その測定された特徴を、センサ190からコントローラ46に送信することができる。
図12のグラフを参照すると、レセプタクル154が目標温度TTに維持されている間に、工程234は、第3の時間t
3の後かつ第4の時間t
4の前に行うことができる。
【0055】
生体試料の特徴が測定されると、工程238で、オペレータは消耗品ホルダ162を生体試料分析器10から取り出すことができる。これを実現するために、オペレータは、ハウジング14のドア26を開け、消耗品ホルダ162に連結されたハンドル166をつかんで、受け領域170から消耗品ホルダ162を手動で取り出すことができる。消耗品ホルダ162が受け領域170から取り出されると、工程242を行うことができ、この工程で、レセプタクル154を加熱して目標温度TTから高温度ETに戻すように、コントローラ46がヒータ186に指示する。この工程は、別の消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入される場合に備えて、受け領域170を事前加熱するように行われる。
図12に示されているように、工程242は第4の時間t
4で始まり、レセプタクル154が再び高温度に達する時間である第5の時間t
5まで続く。これにより、ある消耗品ホルダ162に対する1回の加熱および測定動作の終了と、別の消耗品ホルダ162に対する後続の加熱および測定動作の開始との間の遅延を最小限に抑えることが可能になる。一実施形態において、その遅延は、20秒以下にすることができるが、他の遅延が企図される。
【0056】
図9および
図11を参照すると、ここでファン192を動作させる方法が記載されている。工程246で、レセプタクル154が高温度ETにされその高温度ETに維持されているとき(
図13の開始時間t
0から第2の時間t
2まで)には、コントローラ46は、第1の速度S
1で動作するようにファンに指示することができる。第1の速度は、アイドル速度または低速と称されることもある。第1の速度S
1がゼロを上回る実施形態において、空気は、第1の速度S
1で、プレナム100のエアダクト120を通してレセプタクル154に沿って強制的に送られる。ゼロを上回る第1の速度S
1でファン192を動作させることは、プレナム100を通って流れる空気に過剰な熱を伝達し、したがって、ハウジング14の排気口42から出る空気と共にその過剰な熱の少なくとも一部分を除去するように機能することができる。そのことから、システム内の構成要素が過熱することを防止することができ、空気の周囲温度を測定する、ファン192に隣接する温度センサ194が、ヒータ186によって生じた熱による偏った測定値を提示することを防止することができる。
【0057】
ファン192が第1の速度S1で動作している間に、温度センサ194は、工程250で、吸気口38を通って生体試料分析器10に入る空気の周囲温度ATを感知し、その周囲温度をコントローラ46に送信することができる。コントローラ46は、加熱プロファイルの様々な温度を判定するための上述した計算に、温度センサ194によって感知された周囲温度ATを用いることができる。
周囲温度ATにおいてファン192が第1の速度S1にある場合に、コントローラ46は、たとえば、標高および/または空気密度の変化を考慮してファン192の空気の体積(たとえば、速度パラメータ)を結果的に増大できるかどうかを判定するために、ヒータ186の測定出力PWRMを解析し、ヒータ186の予想出力PWREと比較することができる。少なくとも1つのヒータ186は、コントローラ46が測定出力PWRMおよび予想出力PWREを使用できるように、コントローラ46とワイヤード信号通信および/またはワイヤレス信号通信することができる。いくつかの実施形態において、ヒータ186は、ヒータ186aおよび186bを含んでよく、測定出力PWRMおよび予想出力PWREはヒータ186aおよび/またはヒータ186bによって提供される。いくつかの実施形態において、ヒータ186の出力の複数回の読取り(たとえば、5回の読取り、10回の読取り、20回の読取りなど)を行うことができ、ヒータ186の出力の複数回の読取値の平均を測定出力PWRMとして用いることができる。ヒータ186の出力は平衡状態にあるはずである。そうでない場合は、コントローラ46は、現時点の読取値を破棄し、遅延期間に待機し、次いで、ヒータ186の出力の別の一連の読取値を取得する。ヒータ186の測定出力PWRMが平衡状態にあり、ヒータ186の予想出力PWREよりも大きい場合は、空気フィルタが目詰まりを起こすこと、製造公差などによるヒータ動力のばらつき、少なくとも1つのヒータセンサ188に伝達される熱のばらつき、またはレセプタクル154内における消耗品ホルダ162の着座の状態など、増大を引き起こす可能性がある様々な因子を考慮して、ファン192の速度パラメータを変更しなくてよい。ヒータ186の測定出力PWRMがヒータ186の予想出力PWREを下回る場合は、ファン192の速度パラメータを増大させることができる。たとえば、ヒータ186の測定出力PWRMがヒータ186の予想出力PWREを約5%下回る場合は、ファン192の速度パラメータを現時点の速度S1の約10%増大させることができる。ヒータ186の測定出力PWRMが、設定された所定の温度T(たとえば、周囲温度)の場合のヒータ186の予想出力PWREの5%以内など所定の範囲内に入るまで、ヒータ186の測定出力PWRMは、ファンの更新済み速度SXで再試験し、かつ/または所定の時間間隔(たとえば、10秒、20秒、40秒など)で再試験することができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、24時間ごとに1回、ファン192の速度パラメータを較正することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ46は、生体試料分析器10がアイドル温度にあるときに、標高および/または空気密度に合わせて較正することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ46は、レセプタクル154の挿入前に、標高および/または空気密度に合わせて較正することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ46は、生体試料分析器10が試験を行っていない期間に、標高および/または空気密度に合わせて較正することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ46は、レセプタクル154が生体試料分析器10内に挿入された後に、標高および/または空気密度に合わせて較正することができる。
【0058】
図13に示されているように、ヒータ186がレセプタクル154を高温度ETから目標温度TTまで移行させるときに、工程254で、コントローラ46は、第1の速度S
1または更新済み速度S
Xから第2の速度S
2に速度を上げるようにファン192に指示することができる。
図12において、これは第2の時間t
2の間に起こる。ファン192は、第2の時間t
2から第3の時間t
3までの第2の期間中に、第2の速度S
2で動作することができる。第1の速度S
1よりも速い第2の速度S
2は、中速と呼ぶこともできる。したがって、ファン192は、空気を第2の速度S
2で、プレナム100のエアダクト120を通してレセプタクル154に沿って強制的に送る。ファン192が第2の速度S
2で動作するときは、ファン192が第1の速度S
1で動作するときに普通なら生じる速度よりも急速に、プレナム100を通して強制的に送られる空気に、レセプタクル154から熱を伝達することができる。そのことはさらに、消耗品ホルダ162が目標温度TTを超えるのを防止することを支援する。そのことによって、コントローラ46が、温度が減衰して最終熱設定点/目標値まで下がるときの、減衰する熱設定点目標値をより良好に追跡できるようになる。
【0059】
工程258で、(
図12に示されているように)第3の時間t
3でレセプタクル154が目標温度TTに達すると、コントローラ46は、速度を第2の速度S
2から第3の速度S
3に低下させるようにファン192に指示することができる。第3の速度S
3は第2の速度S
2を下回る。
図13に示されているように、たとえば、第3の速度S
3は、第1の速度S
1に等しいものとすることができ、または第2の速度S
2よりも低い別の速度とすることができる。工程258は、ヒータ186がレセプタクル154を目標温度TTに維持している間に行うことができる。工程246と同様に、工程258でファン192を第3の速度S
3で動作させることは、プレナム100を通って流れる空気に過剰な熱を伝達し、したがって、ハウジング14の排気口42から流出する空気と共にその過剰な熱の一部を除去するように機能することができる。
【0060】
上述のように、生体試料分析器10はフィルタ196を含むことができる。ヒータ186の電力消費量が予想よりも低いことをコントローラ46が感知した場合は、コントローラ46は、フィルタ196が目詰まりした可能性があることを認識することができ、その後、第2の速度S2よりも速い速度で温度減衰中に動作するようにファン192に指示することができる。高速でファン192を動作させることは、フィルタ196が目詰まりした結果として減少した空気プレナム100に入る空気量を補償することができ、そうすることで、生体試料分析器10が加熱および動作の感知を通常通り実行し続けることが可能になる。一実施形態において、第1の速度S1および第2の速度S2は両方とも、フィルタ196の目詰まりがなくなったという判定が行われるまで少しずつ上昇される。その結果、フィルタ196の稼働寿命を延ばすことができる。フィルタ196が目詰まりしているときにファン192を高速に移行することに加えて、コントローラ46は、HMIデバイス54を介して、フィルタ196が目詰まりしており、交換が必要になる可能性があることを生体試料分析器10のオペレータに示すアラートを発することができる。
【0061】
図9および
図10を参照すると、上述のように、いくつかの場合において、消耗品ホルダが周囲温度に到達できるようになる前に、オペレータが低温の消耗品ホルダを生体試料分析器10に挿入する可能性がある。生体試料分析器10は、低温の消耗品ホルダを検出し、低温の消耗品ホルダにさらなる加熱を行って、低温の消耗品ホルダを分析のための目標温度まで加熱するように構成することができる。
図10は、生体試料分析器10を動作させる方法を示しており、この方法は、低温の消耗品ホルダを検出することと、検出された低温の消耗品ホルダにさらに加熱を行い、低温の消耗品ホルダを分析のための目標温度まで加熱することを含む。
図10の方法は、
図9の工程206の一部として実装することができる。一般に、生体試料分析器10は、消耗品ホルダがレセプタクルに挿入されたときのレセプタクルの温度低下に基づいて、消耗品ホルダが周囲温度より低いかどうかを検出するように構成することができる。この検出に基づいて、生体試料分析器10は、1)消耗品ホルダが周囲温度よりも低くないことをコントローラが検出したときに、消耗品ホルダを目標温度まで加熱するために、第1の量の熱エネルギーを消耗品ホルダに加えるように少なくとも1つのヒータを制御し、2)消耗品ホルダが周囲温度よりも低いことをコントローラが検出したときに、消耗品ホルダを目標温度まで加熱するために、第1の量の熱エネルギーを上回る第2の量の熱エネルギーを消耗品ホルダに加えるように少なくとも1つのヒータを制御するように構成することができる。
【0062】
上述のように、未加熱の(すなわち、低温または周囲温度の)消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入されると、消耗品ホルダ162の温度が(工程202で高温度ETまで加熱された)レセプタクル154よりも低いことにより、レセプタクル154の温度が測定可能なほどに降下する。このような温度降下は、温度誤差(たとえば、所望の温度と、少なくとも1つのヒータセンサ188によって検出された温度との間の差)を増大させる。低温の消耗品ホルダに関する温度降下は、周囲温度の消耗品ホルダに関するものよりも急速である。したがって、温度誤差の増大は、周囲温度の消耗品ホルダに関するものよりも低温の消耗品ホルダに関する方が著しい。しかし、低温の消耗品ホルダの挿入は、レセプタクル154の温度に影響を有するまでに時間がかかる場合があり(たとえば、2または5秒)、その時間を利用して、消耗品ホルダ162を低温の消耗品ホルダとして識別することができる。最終的には、フィードバックループがレセプタクル154を高温度ETに戻すときに、温度誤差がゼロに向かって戻される。
【0063】
工程262~270で、コントローラ46は、消耗品ホルダが周囲温度ATよりも低いかどうか、したがって、低温の消耗品ホルダであるかどうかを判定する。具体的には、工程262で、少なくとも1つのヒータセンサ188はそれぞれ、消耗品ホルダ162がレセプタクル154に挿入された後にレセプタクル154の初期温度を検出する。好ましくは、その初期温度は、レセプタクル154が低温の消耗品ホルダの影響を受けることが可能になるように、初期期間の後であるが、レセプタクル154が高温度ETに戻る前に取得される。たとえば、初期温度は、消耗品ホルダ挿入後1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、または10秒など、消耗品ホルダの挿入後数秒で測定することができる。好ましい実施形態において、初期温度は、消耗品ホルダ挿入後5秒で取得される。初期期間は、システムの熱時定数に基づくことができ、その熱時定数は、少なくとも1つのヒータセンサ188が温度変化に応答するのに必要な時間である。工程266で、コントローラ46は、工程262で取得された初期温度に基づいて、レセプタクル154の初期温度誤差を判定することができる。
【0064】
工程270で、コントローラ46は、初期温度誤差と所定の閾値を比較することができる。初期温度誤差が所定の閾値(たとえば、誤差の計算方法に基づいて、必要に応じてそれよりも高いまたは低い)内にある場合は、コントローラ46は、消耗品ホルダ162が低温の消耗品ホルダではないと判定することができ、消耗品ホルダ162は、第1の期間FPに関して上述したように加熱することができる(工程274)。一方で、温度誤差が所定の閾値(たとえば、誤差の計算方法に基づいて、必要に応じてそれよりも高いまたは低い)外にある場合は、コントローラ46は、消耗品ホルダ162が低温の消耗品ホルダであると判定することができ、消耗品ホルダ162を目標温度まで加熱するためにさらに加熱が必要であると判定することができる(工程278)。一実施形態において、所定の閾値は、たとえば(限定するものではないが)、温度センサ194によって測定される周囲温度ATにおいて低温でない消耗品ホルダに関する、最大予想温度などの予想温度誤差に基づくことができる。初期温度誤差が予想温度誤差の特定の範囲外にある(たとえば、予想温度誤差を20パーセント上回る)場合には、コントローラ46は、消耗品ホルダ162が低温の消耗品ホルダであると判定することができる。そのような場合は、コントローラ46は、場合により、初期温度誤差に基づいて、消耗品ホルダ162を目標温度まで加熱するのに必要な、延長される第1の期間の推定値を判定することができる。一例では、延長される第1の期間の推定値は、式(4)に示されているように計算することができる:
【数3】
ここで:
EFP
Eは、延長される第1の期間の推定値であり;
FPは上記で論じた第1の期間であり;
TE
iは初期温度誤差であり;
TE
Eは予想温度誤差であり;
FP
Cは定数である。
【0065】
工程276で、コントローラ46は、場合により、低温の消耗品ホルダが検出されたことをオペレータに通知することができる。その通知は、HMIデバイス54を介してオペレータに提供することができ、HMIデバイス54は、その状況をオペレータに示すアラートを発することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ46は、追加の加熱時間の推定値をオペレータに提供することができる。オペレータは、所望の場合に、消耗品ホルダ162の相対的な低温の状況に応答して、手動の操作を行うように選択することができる。
【0066】
工程278で、コントローラ46は、消耗品ホルダ162に伝達される熱エネルギーを増大させることによってレセプタクル154にさらなる加熱を行うことができる。熱エネルギーの伝達をこのように増大させることにより、温度誤差をゼロにするのを助けることができる。一実施形態において、ヒータ186に提供される電力を増大させることによって、伝達される熱エネルギーを増大させることができ、そうすることで、ヒータ186はその温度を上昇させることができる。しかし、このような実施形態においては、少なくとも1つのヒータ186は有意により大きいワット数を必要とすることがあり、これは、加熱システムのコストおよび精度に悪影響を及ぼす可能性がある。代替の実施形態において、コントローラ46は第1の期間を延長することができる。その第1の期間の間にレセプタクル154が高温度に維持される。たとえば、この延長は、温度誤差が所定の範囲からどの程度外れているかに基づいて、最大で約60秒とすることができる。
【0067】
したがって、工程278で、コントローラ46は、消耗品ホルダ162を目標温度まで加熱するために使用予定の、延長される実際の第1の期間EFP
Aを判定することができる。さらに、コントローラ46は、上記で論じた第1の期間FPの代わりに延長される実際の第1の期間EFP
Aの間に、少なくとも1つのヒータ186にレセプタクル154を高温度ETまで加熱させることができる。延長される実際の第1の期間EFP
Aは、(上記の延長される推定の第1の期間EFP
Eに使用される)単一の温度誤差を用いるよりも正確な判定を行うために、特定の消耗品ホルダ162に関して少なくとも1つのヒータセンサ188によって経時的に検出された1組の検出温度誤差の合計に基づいて判定することができる。一例では、延長される実際の第1の期間は、式(5)に示されているように計算することができる:
【数4】
ここで:
EFP
Aは、延長される実際の第1の期間であり;
FPは、上記で論じた第1の期間であり;
ΣTE
Sは、その組の検出温度誤差の合計であり;
ΣTE
Eは、予想温度誤差の合計である。
【0068】
式(5)では、検出温度誤差の合計ΣTESにおける第1の温度誤差は、消耗品ホルダがレセプタクル154に挿入されるおおよその時間に対応できるが、他の開始温度誤差を用いることができる。合計ΣTESにおける最後の温度誤差は、ゼロにされなかった(すなわち、レセプタクル154が高温度ETに達する前の)温度誤差に対応する。一実施形態において、その組のうちの最後の温度誤差は、検出された最大温度誤差の特定の割合内にある温度誤差に対応できるが、他の終了温度誤差を用いることができる。たとえば、特定の割合は、約75パーセントとすることができ、ここで、その組のうちの最後の温度誤差は、レセプタクル154の温度が上昇しており温度誤差が縮小している期間に対応する。コントローラ46は、特定の消耗品ホルダ162について経時的に蓄積された温度誤差から、検出された最大温度誤差を識別し、検出された最大温度誤差から、その組の最後の温度誤差を判定することができる。
【0069】
本開示の生体試料分析器は、以下の利点の1つまたはそれ以上を含む、従来の分析器に勝る1つまたはそれ以上の利点を提供することができる。たとえば、本開示の生体試料分析器は、挿入された消耗品ホルダが低温の消耗品ホルダであるときにそのことを検出し、消耗品ホルダを所望の目標温度にするように低温の消耗品ホルダの加熱を調節することを可能にできるが、従来の分析器は、低温の消耗品ホルダについて補償することができない可能性がある。消耗品ホルダが目標温度まで適切に加熱されないことで生じることがある、試料分析結果の偏りまたは誤差をそれにより低減することができる。別の例として、本開示の生体試料分析器は、所与の質量を有する消耗品ホルダを、同等の従来の分析器よりも速く目標温度まで加熱することを可能にすることができる。これは、測定結果のための待ち時間を短縮し、別々の消耗品ホルダの生体分析の間の待ち時間を短縮することができる。さらに別の例として、本開示の生体試料分析器は、プレナムを通ってヒータに空気流が集中されることで、同等の従来の分析器よりも速くそのヒータを冷却することを可能にすることができる。集中された空気流は、消耗品ホルダをより急速に加熱するために、本開示の分析器が目標温度よりも高い温度で動作すること可能にすることもできる。
【0070】
別の例において、本開示の生体試料分析器は、標高および/または空気密度を考慮して熱冷却特性を調節することを可能にすることができる。空気密度に左右されない非密度パラメータ(たとえば、ヒータ186を所与の温度(たとえば、周囲温度)に維持するためのエネルギー量)を測定し、それを空気密度に応じて変わる密度パラメータ(たとえば、空気の体積)に相互に関連付けることができる。ファンによって動かされる空気の体積は、ファンの速度を変えること、ファンブレードのサイズおよび/またはピッチを変えること、ファンの吸引側または吐出側のオリフィスサイズを変えることなど、様々な手法で調節することができる。
【0071】
さらに別の例として、本開示の生体試料分析器は、標高および/または空気密度を考慮して熱冷却特性を調節することを可能にすることができる。ファンの速度パラメータは、ヒータの測定出力を所与の温度(たとえば、周囲温度)におけるヒータの予想出力と比較したものを用いて、生体試料分析器を通る空気流に応じて調節することができる。ファン速度は、ヒータの測定出力がヒータの予想出力にほぼ等しくなるか、またはヒータの予想出力の所定の範囲内に入るまで、増分で調節することができる。
【0072】
本発明の様々な発明的な態様、概念および構成は、例示的な実施形態と組み合わせて具現化されたものとして本明細書に記載および例示されている場合があるが、それらの様々な態様、概念および構成は、個別にまたは様々な組合せおよび下位組合せで多数の代替の実施形態において使用することができる。本明細書において明示的に除外されていない限り、そのような組合せおよび下位組合せはいずれも本発明の範囲内に含まれることが意図される。さらに、代替的な材料、構造、構成、方法、回路、デバイスおよび構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、制御論理、形態に関する代替形態、適合状態および機能など、本発明の様々な態様、概念、および構成に関する様々な代替の実施形態が本明細書に記載されている場合があるが、このような記載は、現在公知であるかまたは今後開発されるかにかかわらず、利用可能な代替の実施形態の完全なまたは網羅的なリストであることを意図していない。発明的な態様、概念または構成の1つまたはそれ以上を、本発明の範囲内に含まれる付加的な実施形態および使用に、そのような実施形態が本明細書に明示的に開示されていなくても当業者なら容易に適合させることができる。付加的に、本発明のいくつかの構成、概念または態様が好ましい配置または方法として本明細書に記載されている場合にも、そのような記載は、明示的な言及がない限りそのような構成が必須であるかまたは必要であることを示唆するものではない。さらに、本開示の理解を助けるために例示的または代表的な値および範囲が含まれている場合がある;ただし、そのような値および範囲は、限定的な意味に解釈されるべきではなく、明示的な言及がある場合に限り臨界値または臨界範囲であることが意図される。さらに、様々な態様、構成、および概念が、発明的であるとしてまたは発明の一部を成すものとして、本明細書で明示的に識別されている場合があるが、そのような識別は排他的であることは意図されておらず、むしろ、そのように明示的に識別されることも特定の発明の一部として識別されることもなしに、本明細書に全面的に記載されている発明的な態様、概念、および構成が存在でき、その代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲または関連出願もしくは継続出願の特許請求の範囲に記載されている。明示的な言及がない限り、例示的な方法またはプロセスの説明は、すべての事例にすべての工程が必要なものとして含まれることに限定されず、工程が提示される順序が必須または必要であると解釈されるべきではない。
【0073】
本発明は限られた数の実施形態を用いて本明細書に記載されているが、それらの特定の実施形態は、本明細書に別段の記載および特許請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載されている物品および方法の様々な要素の精密な配置および工程の順序は、限定するものと解釈されるべきではない。たとえば、本方法の工程は一連の連続した参照符号および図のブロックの進行を参照しながら説明されているが、本方法は所望の通りに特定の順序で実装することができる。
【0074】
別段の明示的な言及がない限り、それぞれの数値および範囲は、「約(about)」、「約(approximately)」、または「実質的に(substantially)」という単語がその値または範囲の前に付いているかのように概略的と解釈すべきである。「約(about)」、「約(approximately)」、または「実質的に(substantially)」という用語は、別段の言及がない限り、特定の値の15パーセント以内の範囲を表すものとして理解することができる。
【0075】
以下は、本明細書に開示されている発明的な概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである:
【0076】
1.生体試料分析器であって:
内部空所を内部に画成する外壁を少なくとも1つ有するハウジングと;
内部空所内に配置されたレセプタクルであって、生体試料を収容する消耗品ホルダを支持するように構成されたレセプタクルと;
可変出力を有し、ハウジング内に配置された少なくとも1つのヒータであって、消耗品ホルダに熱を加えるように構成された少なくとも1つのヒータと;
ハウジング内の通路に沿って空気を強制的に送って少なくとも1つのヒータを冷却するように構成されたファンであって、密度パラメータを用いて制御できる空気流量を生成する、ファンと;
ハウジング内の空気の温度を検出するように構成された、少なくとも1つのヒータセンサと;
少なくとも1つのヒータの出力の測定値、ファンの密度パラメータの測定値、およびハウジングに吸い込まれる空気の温度の測定値を受信するように構成され、ハウジングの空気の温度における少なくとも1つのヒータの出力に基づいてファンの密度パラメータを変更するように構成されたコントローラと
を含む、生体試料分析器。
【0077】
2.コントローラは、生体試料分析器の起動時の少なくとも1つのヒータの出力に基づいて、ファンの密度パラメータを変更する、請求項1に記載の生体試料分析器。
【0078】
3.少なくとも1つのヒータは、第1のヒータおよび第2のヒータを含み、コントローラは、第1のヒータの出力に基づいてファンの密度パラメータを変更するように構成されている、請求項1または2のいずれか1項に記載の生体試料分析器。
【0079】
4.ファンの密度パラメータは、ファンの速度パラメータであり、コントローラは、プロセッサに接続された非一時的メモリを有し、非一時的メモリはコンピュータ実行可能命令を有し、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度における少なくとも1つのヒータの出力を少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものに基づいて、ファンの速度パラメータをプロセッサに変更させる、請求項1に記載の生体試料分析器。
【0080】
5.少なくとも1つのヒータセンサによって検出される温度は周囲温度である、請求項4に記載の生体試料分析器。
【0081】
6.コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータの測定出力をヒータの出力の複数の測定値の平均値としてプロセッサにさらに判定させる、請求項4または5のいずれか1項に記載の生体試料分析器。
【0082】
7.コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、ファンの第1の速度における少なくとも1つのヒータの出力を、ハウジングの空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力とプロセッサに比較させ、ファンの第1の速度を第2の速度にプロセッサに変更させる、請求項6に記載の生体試料分析器。
【0083】
8.ファンの第1の速度はアイドル速度である、請求項7に記載の生体試料分析器。
【0084】
9.ファンの第1の速度は第2の速度を下回る、請求項7に記載の生体試料分析器。
【0085】
10.コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのヒータの出力が、ハウジング内の温度における予想出力の所定の範囲内に入るように、少なくとも1つのヒータの出力に基づいてファンの第2の速度をプロセッサに変更させる、請求項7に記載の生体試料分析器。
【0086】
11.生体試料分析器を動作させる方法であって:
少なくとも1つのファンによって、生体試料分析器のハウジングの内部空所において通路に沿って第1の体積の空気を強制的に送って内部空所内に位置する少なくとも1つのヒータを冷却する工程と;
少なくとも1つのファンによってハウジングの内部空所に吸い込まれる空気の温度を、少なくとも1つのヒートセンサによって判定する工程と;
少なくとも1つのヒータの出力およびハウジングに吸い込まれる空気の温度に基づいて、コントローラによって、第2の体積の空気を生成するようにファンを変更する工程と;
生体試料を収容する消耗品ホルダをレセプタクルに挿入する工程と;
生体試料分析器のハウジングに配置された少なくとも1つのヒータによって、ハウジング内に配置されたレセプタクルに熱を加える工程と
を含む、方法。
【0087】
12.生体試料分析器のセンサによって生体試料の特徴を測定する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【0088】
13.第1の体積の空気は、ファンを第1の速度で動作させることによって生成される、請求項11に記載の方法。
【0089】
14.第1の体積の空気は第2の体積の空気を下回る、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
15.生体試料分析器は第1のヒータおよび第2のヒータを含み、コントローラは、第1のヒータの出力に基づいてファンの速度を変更する、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
16.第2の体積の空気は、ファンの動作速度を上昇させることによって生成され、動作速度の上昇量は、少なくとも1つのヒータの出力をハウジングに吸い込まれる空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものを用いて判定される、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【0092】
17.第2の体積の空気は、ファンの動作速度を上昇させることによって生成され、ファンの動作速度の上昇量は、少なくとも1つのヒータの出力をハウジングに吸い込まれる空気の温度における少なくとも1つのヒータの予想出力と比較したものを用いて判定され、ファンの動作速度を変更することは、少なくとも1つのヒータの出力が予想出力の所定の範囲内に入るような少なくとも1つのヒータの出力に基づく、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【0093】
18.方法であって:
生体試料分析器のハウジング内の少なくとも1つのファンによって第1の体積の空気を動かすことと;
生体試料分析器のハウジング内の温度センサを用いて、生体試料分析器内の第1の体積の空気の温度を測定することと;
生体試料分析器のハウジング内に位置する少なくとも1つのヒータの出力を測定することと;
生体試料分析器内で測定された温度における少なくとも1つのヒータの測定出力を解析することと;
少なくとも1つのヒータの測定出力と少なくとも1つのヒータの予想出力とを比較することによって、第1の体積の空気とは異なる第2の体積の空気を動かすようにファンを調節することと
を含む、方法。
【0094】
19.第2の体積の空気を動かすようにファンを調節することは、ファンの動作速度を上昇させることを含む、請求項18に記載の方法。
【0095】
20.生体試料を収容する消耗品ホルダをハウジングのレセプタクルに挿入する工程をさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【国際調査報告】