IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオグラフ ソリューションズ,リミティド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】遮蔽物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/04 20060101AFI20230721BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230721BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20230721BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20230721BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230721BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230721BHJP
   F16L 59/02 20060101ALI20230721BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B32B9/04
H01M10/613
H01M10/658
H01M10/643
H01M10/647
H01M50/204 401F
F16L59/02
B32B15/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580085
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021038352
(87)【国際公開番号】W WO2021262634
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】63/043,468
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/068,452
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517182930
【氏名又は名称】ネオグラフ ソリューションズ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】トリマー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】フィンクバイナー,チャド
【テーマコード(参考)】
3H036
4F100
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
3H036AA09
3H036AB13
3H036AB15
3H036AB24
3H036AE01
3H036AE13
4F100AA37A
4F100AB01B
4F100AC10A
4F100AC10H
4F100AT00
4F100BA02
4F100BA03
4F100CA08C
4F100CA08H
4F100DJ01C
4F100GB15
4F100JD01
4F100JJ01
4F100JJ07
4F100JK17
4F100JN02
5H031AA09
5H031KK02
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040LL04
5H040NN01
(57)【要約】
遮光物品が開示される。1つの遮蔽物品は、1対の可撓性グラファイト外層とコアとを含む難燃性素子/火災伝播低減素子を含み、可撓性グラファイト外層は、コアの両側にある。コアは、1つまたは複数の難燃性素子または断熱材料を含んでもよい。また、遮蔽物品を含むバッテリパックも開示される。遮光物品は、火災伝播を低減することが望ましい任意のシステムに適用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.それぞれの可撓性グラファイトシートが少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する、第1および第2の可撓性グラファイトシートと、
b.発泡体および少なくとも1つの難燃性材料を含むコアと、
を具備し、
前記コアの対向する面上に配置された前記可撓性グラファイトシートが、互いに最小限に直接接触する
物品。
【請求項2】
a.それぞれの可撓性グラファイトシートが少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する、第1および第2の可撓性グラファイトシートと、
b.マイカ、エアロゲル、ウーヴンメッシュ、シリコーン樹脂、ガラス繊維、炭素繊維、ミネラルウール、石膏ボード、コンクリート、チタン、ニッケル合金およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む断熱材料と、少なくとも1つの難燃性材料とを含むコアと、
を具備し、
前記コアの対向する面上に配置された前記可撓性グラファイトシートが、互いに最小限に直接接触する
物品。
【請求項3】
少なくとも10ミクロンの厚さを有する絶縁層であって、酸素環境下で少なくとも50分間、少なくとも350℃の温度に耐えることが可能な絶縁層と、
少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する可撓性グラファイト層またはグラファイトドープシリコーン複合体のいずれか1つと、
を具備する複合物品。
【請求項4】
金属裏張り層をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合物品を含む遮蔽物品。
【請求項5】
a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.前記バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
前記第1の物品は、前記バッテリハウジングの前記2つ以上の面の少なくとも1つと接触し、
前記第2の物品は、前記バッテリハウジングの、前記第1の物品が接する面とは異なる面と接触している
バッテリパック。
【請求項6】
a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.前記バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
前記第1の物品が、前記バッテリハウジングの前記2つ以上の面の少なくとも1つと接触し、
前記第2の物品は、2つの隣接するバッテリセルの間に配置される
バッテリパック。
【請求項7】
a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.前記バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.前記バッテリハウジングの2つ以上の面の少なくとも1つと接触する、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品と、
を具備するバッテリパック。
【請求項8】
a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.前記バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
前記第1の物品は、前記バッテリハウジングの2つ以上の面と接触し、
前記第2の物品は、前記バッテリハウジングの、前記第1の物品が接する面とは異なる面と接触している
を具備するバッテリパック。
【請求項9】
a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.前記バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
前記第1の物品は、前記バッテリハウジングの2つ以上の面と接触し、
前記第2の物品は、2つの隣接するバッテリセルの間に配置される
バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遮蔽物品に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2020年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/043,468号および2020年8月21日に出願された米国仮特許出願第63/068,452号の優先権および利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
リチウムイオンバッテリが社会でより普及するにつれて、リチウムイオンバッテリを使用することに関連するリスクもよりよく知られるようになってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リスクの一例は、リチウムイオンバッテリの電解質が可燃性であることが知られていることである。リチウムイオンバッテリは、大量のエネルギーを生成する有利な特性を示すことが知られているが、火災および/または爆発の危険性があることも知られており、例えば、テスラ電気自動車、ならびにホバーボード、電子タバコ装置または携帯電話などのコンシューマデバイスがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、改善された難燃性/低減された火災伝播を有するバッテリパックに関する。このようなバッテリパックは、バッテリハウジング(AKAケーシングまたはエンクロージャ)を含む。ハウジングは、底面、1つまたは複数の垂直面および蓋を含んでもよい。バッテリハウジングには、複数のバッテリセルが含まれる。バッテリセルは、底面の上および蓋の下に配置され、1つまたは複数の垂直面によってさらに囲まれる。
【0006】
システムは、難燃性素子/火災伝播低減素子をさらに含んでもよい。そのような素子の一例は、1対の可撓性グラファイト外層および発泡体コアを含んでもよい。可撓性グラファイト外層は、コアの両側にある。好ましくは、可撓性グラファイト層は、実質的に物理的に接触していない。さらに好ましくは、可撓性グラファイト層は、発泡体コアによって分離される。発泡体コアは、1つ以上の難燃性素子を含んでもよい。1つのそのような難燃性素子は、膨張性グラファイトなどの膨張性素子を含んでもよい。
【0007】
難燃性素子/火災伝播低減素子の用途は、バッテリパックでの使用に限定されない。この素子は、火災伝播を低減することが望ましい任意のシステムに適用される。
【0008】
主題は、詳細な説明においてさらに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】コアに取り付けられた2つの可撓性グラファイトシートを含む、本開示による例示的な物品である。
図2】絶縁層に取り付けられた1つの可撓性グラファイトシートを含む、本開示による例示的な物品である。
図3】絶縁層に取り付けられた1つのグラファイトドープシリコーン層を含む、本開示による例示的な物品である。
図4】1つの可撓性グラファイトシートに取り付けられた(同じまたは異なる材料の)2つの絶縁層を含む、本開示による例示的な物品である。
図5図1による物品を含むが、少なくとも1つの金属裏張り層も含む、本開示による例示的な物品である。
図6図1による物品を含むが、少なくとも1つの電気的絶縁層も含む、本開示による例示的な物品である。
図7A図1によるバッテリセルおよび物品をバッテリハウジング内に含む本開示による例示的なバッテリパックである。図1による物品の各々は、バッテリハウジングの少なくとも1つの面と接触している。
図7B図1によるバッテリセルおよび物品をバッテリハウジング内に含む本開示による例示的なバッテリパックである。図1による各物品は、バッテリハウジングの2つ以上の面と接触している。
図8A図1によるバッテリセルおよび物品をバッテリハウジング内に含む、本開示による例示的バッテリパックである。図1による物品の各々は、バッテリハウジングの少なくとも1つの面または隣接するバッテリセル間に接触している。
図8B図1によるバッテリセルおよび物品をバッテリハウジング内に含む、本開示による例示的バッテリパックである。図1による各物品は、バッテリハウジングの2つ以上の面または隣接するバッテリセル間に接触している。
図9図1によるバッテリセルおよび物品を、バッテリハウジングの外側の2つ以上の面と、隣接するバッテリセルの間とに接触させて含む、本開示に従った例示的なバッテリパックである。
図10図1によるバッテリセルおよび物品を、バッテリハウジングの外側の2つ以上の面と接触させ、バッテリハウジングの垂直面と接触させたバッテリハウジングの内側に含む、本開示による例示的なバッテリパックである。
図11図1によるバッテリセルおよび物品を含み、バッテリハウジング内のすべての面と隣接するバッテリセルのすべての側面との間とに接触している、本開示に従った例示的なバッテリパックである。
図12A】実施例のサンプルAの試験終了時の側面図である。
図12B】実施例のサンプルBの試験終了時の側面図である。
図12C】実施例のサンプルCの試験終了時の側面図である。
図12D】実施例のサンプルDの試験終了時の側面図である。
図12E】実施例のサンプルEの試験終了時の側面図である。
図13A】実施例のサンプルAの温度プロファイルのチャートである。
図13B】実施例のサンプルBの温度プロファイルのチャートである。
図13C】実施例のサンプルCの温度プロファイルのチャートである。
図13D】実施例のサンプルDの温度プロファイルのチャートである。
図13E】実施例のサンプルEの温度プロファイルのチャートである。
図14】実施例の対照物の温度プロファイルのチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示されるグラファイト物品(RFPE)は、バッテリパックにおける使用に関して開示される。しかしながら、本明細書に開示されるグラファイト物品は、車両の防火壁、バッテリ駆動デバイスの絶縁またはケーシング、エネルギー蓄電システム、エネルギーシールドの迅速な解除または加熱装置の断熱素子などの、火災伝播の低減が望ましい任意の環境での用途を有する。
【0011】
本明細書に開示されるバッテリパックは、いかなる特定のタイプのバッテリにも限定されない。本開示を実施するために使用され得る適切なバッテリセルの例としては、円筒形バッテリ、パウチバッテリ、角形バッテリまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0012】
一般的な用語では、バッテリ駆動デバイスのための電力システムは、図7図11に示されるように、バッテリパック700、800、900、1000、1100を含み、これは、デバイスのための全体的な電力素子である。パックは、複数の面、例えば、底面、蓋および1つまたは複数の垂直面からなるバッテリハウジング702を含む。ハウジングの面は、複数のセル701を囲む(包み込む)ように整列される。バッテリパックは、必要に応じて他の素子を含んでもよい。そのような素子の例は、ヒートシンクまたは冷却板を含んでもよい。
【0013】
本明細書では、火災伝播低減素子(「RFPE」reduced fire propagation element)が開示される。RFPE素子は、バッテリパックと併せてまたはバッテリパックの内部で利用することができる。図7-11に、バッテリパックに関してRFPE素子を使用する方法の例を示す。図9は、RFPEが、バッテリセル701の1つ以上の外面上、例えば、隣接するバッテリセル701の隣接する垂直面間、ハウジングの蓋の外面上およびハウジングの底面の外面上に配置されてもよいことを示す。
【0014】
必要に応じて、RFPEは、バッテリハウジング702の2つ以上の面に適用されてもよい。図10に示されるように、第1のRFPEが蓋の外面に適用されてもよく、第2のRFPEが底面の外面に適用されてもよく、第3のRFPEがハウジング702の各垂直面に適用されてもよく、それは内部(図示)または外部(図示せず)であってもよい。バッテリハウジング702への1を超えるRFPEの使用は、列挙された例に限定されず、可能性の例示に過ぎない。
【0015】
上記に関連してまたはそれとは別に、RFPEは、バッテリパックのバッテリハウジング702に含まれてもよい。RFPEは、バッテリハウジング702内部に配置することができる。図7図11では、RFPEを、別々にまたはそれらの任意の組み合わせで、使用することができる。RFPEは、(1)バッテリハウジング702の蓋の内面上に、(2)バッテリハウジング702の底面の内面上に、(3)ハウジング702の垂直面の1つ以上におよび/または(4)2つの隣接するバッテリセル701の間に配置することができる。
【0016】
RFPEとバッテリハウジングの面との間の取り付けが所望される場合、RFPEは、バッテリハウジング702の面に接着されてもよい。任意のタイプの接着剤を使用することができる。所望の用途に応じて、接着剤は高温接着剤であってもよく、2つの例はフェノール樹脂または炭化可能なセメントである。
【0017】
RFPEの様々な実施形態が本明細書に開示される。本明細書に開示されるRFPEの実施形態のそれぞれおよびすべては、上記で論じられた用途に等しく適用可能である。
【0018】
本開示によると、RFPEは、少なくとも1つのグラファイトシートを含む物品である。言い換えれば例示的な実施形態では、RFPEはグラファイト物品を含む。好ましくは、RFPEは、第1および第2の可撓性グラファイトシート101を含む。第1および第2のグラファイトシートは、同じグラファイトシート101でもよいし、異なるグラファイトシート101(a)および101(b)(図示せず)でもよい。可撓性グラファイトシート101の少なくとも1つは、少なくとも約300W/mKから約2000W/mKまでの熱伝導率を有することが好ましい。特定の実施形態では、可撓性グラファイトシートの両方が、少なくとも約300W/mKから約2000W/mKまでの熱伝導率を有する。可撓性グラファイトシートは、同じ熱伝導率を有していても、有していなくてもよい。例示的な好ましい導電率は、少なくとも約300W/mKから約1200W/mKまでの範囲であってよい。好適な熱伝導率の特定の例は、少なくとも約300W/mK、少なくとも約350W/mK、少なくとも約400W/mK、少なくとも約450W/mK、少なくとも約500W/mK、少なくとも約800W/mK、少なくとも約1000W/mKおよび少なくとも約1200W/mKを含んでもよい。前述の熱伝導率は、すべて面内熱伝導率である。
【0019】
図1は、本開示のRFPE100の実施形態を示し、ここで、1枚の可撓性グラファイトシート101(a)のみが、少なくとも300W/mK~2000W/mKの熱伝導率を有し、そのようなグラファイトシート101(a)は、少なくとも1.4g/cc~2.1g/ccの密度を有する。一方、300W/mK~250W/mKの熱伝導率を有する可撓性グラファイトシート101(b)は、1.3g/cc~1.0g/ccの密度を有する。この実施形態では、好ましくは、1.3g/cc未満の密度を有する可撓性グラファイトシート101(b)は、バッテリハウジングの面に隣接している。
【0020】
本明細書に開示される可撓性グラファイトシート101は、剥離グラファイト粒子の圧縮粒子、グラファイト化ポリイミドおよびそれらの組み合わせの1つまたは複数の可撓性グラファイトシートを含んでもよい。
【0021】
可撓性グラファイトシート101の厚さは、少なくとも約80ミクロンから約2mmまでの範囲であってもよい。例示的な厚さは、以下のもののいずれか、ならびに、上記の範囲に列挙されていないが、上記の範囲にある寸法でよい。少なくとも約100ミクロン、少なくとも約150ミクロン、少なくとも約250ミクロン、少なくとも約500ミクロン、少なくとも約750ミクロン、少なくとも約1mmおよび少なくとも約1.5mmでよい。
【0022】
本明細書に開示される可撓性グラファイトシート101は、限定はされないが、第1の可撓性グラファイト101(a)が、第2の可撓性グラファイトシート101(b)よりも大きいまたは小さい厚さを有し得るなど、同じ特性を有する必要はない。これは、グラファイトシートの他の特性にも当てはまる。あるいは、可撓性グラファイトシート101は、同じ特性または同じである少なくとも3つの特性を有してもよい。
【0023】
RFPEは、コア102を含む。コア102は、発泡体および少なくとも1つの難燃性材料を含んでもよい。複数の可撓性グラファイトシート101は、コア102の対向する面上に配置されてもよく、シートは、互いに最小限に直接接触するのみである。特に明記しない限り、「互いに最小限に直接接触」とは、一方のグラファイトシートの全面積に対して他方と直接接触しているのが10%未満、好ましくは、一方のグラファイトシートの全面積に対して他方と直接接触しているのが5%未満を指す。好ましくは、可撓性グラファイトシート101は、互いに接触していない。この直接接触が最小限であるかまたは全く無いことにより、RFPEの高温側から低温側への熱伝達が回避される。
【0024】
コア102の厚さは、RFPEの用途に応じて変化してもよい。厚さは、特定のデバイスにおける空間制限のために制限されてもよい。厚さに関連し得る別の要因は、コア102の絶縁値(R値)である。より高い絶縁性が望まれる場合にコア102の厚さは増加され得、また、コア102の構造の材料のR値に応じて減少されてもよい。
【0025】
バッテリパック700、800、900、1000および1100へのまたはその内部に利用されるコア102の例示的な厚さは、少なくとも20ミクロンから10mmまでの範囲であってよい。特定の例では、コア102の厚さは、5mm以下を含む。
【0026】
発泡体コアの構成材料の例としては、セラミック前駆体および/または発泡ポリマー材料、例えば、ポリウレタン、エチレン-酢酸ビニル(「EVA」)発泡体、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリイソシアネート化合物、ならびにそれらの混合物が挙げられ得る。
【0027】
好適なセラミック前駆体の非限定的な例としては、炭化ケイ素(SiC)、オキシ炭化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、炭窒化ケイ素(Si3+xx+y)および窒化シリコーン組合せの少なくとも1つから形成されるシリコーン発泡体などのケイ素生成化合物が挙げられる。
【0028】
発泡体の一実施形態は、30%以下のNBR、30%以下のPVCおよび30%以下のセラミック前駆体を含む。この実施例では、パーセンテージは重量パーセントである。
【0029】
発泡体は、シンタクチック発泡体、網状発泡体または独立気泡発泡体で必ずしもなくてもよいし、それらであってもよい。
【0030】
コア発泡体のための他の構成材料としては、スチレン系有機ポリマーおよび塩素化有機ポリマーをベースとする発泡エラストマーおよび/または熱可塑性エラストマー混合物が挙げられる。発泡エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物自体は、スチレン置換有機ポリマー、好ましくはスチレンブタジエンポリマーを含む。スチレン置換ポリマーは、少なくとも10%、好ましくは少なくとも17%、特に好ましくは20%以上のスチレン含量を示す(ASTMD5775による結合スチレン)。スチレン置換有機ポリマーは、配合物中に少なくとも30phr(per hundred rubber。ゴム100重量に対する配合量。これは、特許請求される材料のエラストマー含量の少なくとも30パーセントを表すことを意味する)、好ましくは少なくとも50phr、特に好ましくは少なくとも70phrで存在する。
【0031】
エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物は、さらに、少なくとも10phr、好ましくは少なくとも30phr、特に好ましくは少なくとも50phrの(スチレン置換ポリマーに関連する)、熱可塑性または熱可塑性エラストマー性の塩素化有機ポリマー、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリエチレン(CPE、CM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)またはそれらの任意の混合物を含む。さらに、エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物は、少なくとも30phr、好ましくは50phr、特に70phrのハロゲン化パラフィン、ハロゲン化脂肪酸置換グリセリンまたはそれらの任意の組合せ(オイルおよび/または脂肪および/またはワックスを表す)、好ましくはクロロパラフィンおよび/または塩素化脂肪酸置換グリセリン、特に好ましくは長鎖塩素化パラフィン(C>17)および/または少なくともそれぞれC>8の脂肪酸で置換されたグリセリンを含む。塩素化パラフィンおよび/または脂肪酸で置換されたグリセリンの塩素化度は、少なくとも15パーセント、好ましくは少なくとも20パーセント、特に好ましくは少なくとも30パーセントである。
【0032】
エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物はまた、少なくとも30phr、好ましくは少なくとも100phr、特に好ましくは200phrを超える無機充填剤、好ましくは金属および/または半金属カルコゲン(すなわち、酸素、硫黄の化合物)の性質を含んでもよい。無機充填剤は、アルミニウム化合物、例えばケイ酸アルミニウム、酸化物、水酸化物等、例えばATH(アルミニウムトリヒドロキシド)および/またはケイ酸塩、石英、ゼオライト等のシリコーン系化合物またはそれに応じて例えば石膏、粘土、パーライト、バーミキュライト、チョーク、スレート、グラファイト、タルク/マイカ等の鉱物またはこれらの混合物であってもよい。
【0033】
エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物は、EN12667に従い、0℃で0.075W/mK未満、好ましくは0℃で0.040W/mK未満、特に好ましくは0℃で0.035W/mK未満にまで熱伝導率を低下させるために、ISO845に従い、少なくとも80%の独立気泡含量および100kg/m未満、好ましくは65kg/m未満、とりわけ好ましくは50kg/m未満の密度を有する主に独立気泡発泡体に発泡される。
【0034】
発泡ポリマー材料の実施形態の例は、少なくとも300phrであるが、合計で1000phr未満の成分を含むことができ、100phrの少なくとも2種類のポリマーを含み、そのうち、(1)少なくとも55phrは、ポリ塩化ビニル(PVC)もしくは塩化ビニル共重合体もしくは塩化ビニルターポリマーまたはそれらの混合物であり、(2)少なくとも10phrは、硫黄および/または金属酸化物および/またはチアジアゾール誘導体によって架橋された少なくとも1つの追加の塩素化有機ポリマーである。
【0035】
エラストマーまたは熱可塑性エラストマー混合物は、任意の比率の、難燃剤および相乗剤、殺生物剤、可塑剤、安定剤(例えば、UV、オゾン、復帰などに対しての)、着色剤などのさらなる添加剤、例えば、その製造、用途、態様および性能特性を改善するための添加剤、阻害剤、遅延剤、促進剤など;および/または、用途の必要性に適合する添加剤、例えば、チャー形成添加剤および/または、膨張性グラファイトなどの火災時に材料が自己膨張するような膨張性添加剤などの添加剤(例えば、一般的な保護目的のためにおよび/または、例えば、側壁および隔側壁の貫通部を閉鎖および保護するために);ならびに/または、ホウ素化合物、ケイ素含有化合物などの、火災の場合にパイプや側壁の貫通部などで自己セラミック化する物質;ならびに/または、ケイ酸塩酸エステル、官能性シラン、ポリオールなどの、共押出および共積層用途における自己接着性を確実にするための内部接着促進剤を含んでもよい。
【0036】
十分な耐火性および低発煙性を高めるための実施形態では、非ハロゲン化ポリマーの使用は、30phr未満、好ましくは20phr未満、特に好ましくは10phr未満に制限されるべきである。非ハロゲン化ポリマーの実現可能な量は、火災荷重への影響に起因して、必要とされる火災および煙性能、ならびに材料の必要とされる寸法および密度に依存する。
【0037】
コア102はまた、1つ以上の難燃性材料を含んでもよい。好ましいタイプの難燃性材料は、膨張性材料である。適切な膨張性材料のタイプは、膨張性グラファイトを含む。膨張性グラファイトは、1つ以上の他の難燃性材料と共に使用されてもよい。他の好適な難燃剤としては、Mg(OH)、アルミナ三水和物(ATH)、アンモニウムポリリン酸塩(APP)、メラミンポリリン酸塩(MPP)、ホウ酸亜鉛およびこれらの組合せの少なくとも1つが挙げられる。
【0038】
好適な膨張性グラファイトの特性は、少なくとも約160℃の開始温度(onset temperature)を含む。典型的に、開始温度は350℃以下である。典型的な開始温度は、少なくとも約180℃、少なくとも約200℃、少なくとも約220℃、少なくとも約250℃または少なくとも約280℃であることができる。
【0039】
膨張性グラファイトの粒子サイズは、少なくとも約325メッシュを含んでもよい。粒子サイズは、約20メッシュまでの範囲、並びに約325メッシュから約20メッシュまでの間の粒子サイズの任意のおよび全ての組み合わせであってもよく、ミクロンに関しては、これは約44~850ミクロンの範囲である。適切な粒子サイズの他の例としては、50メッシュまたは80メッシュの膨張性片状グラファイトが挙げられる。
【0040】
膨張性グラファイトを有するコア102の好適な充填レベルは、膨張性グラファイトの少なくとも約2重量%(pbw)を含んでもよい。最大負荷レベルは、約50(50%)pbwまでであってよい。2重量%~50重量%、例えば、2~40重量%、2~30重量%、2~20重量%、2~10重量%、5~40重量%、5~30重量%、5~20重量%、5~10重量%などの任意の範囲が許容される。Pbwは、本明細書では、物品全体の重量パーセントを意味するために使用される。
【0041】
本開示によれば、可撓性グラファイトシート101は、コア102に取り付けられてもよい。好ましくは、可撓性グラファイトシート101は、コア102に接着される。任意の適切なタイプの接着剤を使用することができる。接着剤に関する上記の説明は、本明細書に組み込まれる。オプションで、必要に応じて、各可撓性グラファイトシート101をコア102に接着するために耐火性接着剤を使用してもよい。さらなる選択肢において、耐火性接着剤は、可撓性グラファイトシート101の一方をコア102に接着するために使用され得、非耐火性接着剤は、それをコア102に接着するために、他方の可撓性グラファイトシート101とともに使用されてもよい。2種類の接着剤が使用される実施形態において、非耐火性接着剤は、バッテリハウジング602の面に隣接することが好ましい。言い換えると、耐火性接着剤は、複数のバッテリセル601に隣接する。
【0042】
好ましくは、RFPEは、可撓性グラファイトシート101間に1以上の構造支持体を有しない。この記載は、本明細書に開示されるRFPEのすべての実施形態、ならびに本開示の範囲内で考えられるものに対するものである。
【0043】
別の実施形態を参照すると、コア102は、発泡材料以外の材料と、任意選択で少なくとも1つの難燃性材料とを含む断熱材料を含んでもよい。コア材料は、マイカ、エアロゲル、ウーヴンメッシュ、シリコーン樹脂、セラミック、ガラス繊維、炭素繊維、カオルウールなどの高温ミネラルウールなどのミネラルウール、石膏ボード、コンクリート、チタン、ニッケル合金(HASTELLOYなどであるが、これらに限定されない)およびこれらの組み合わせの1つ以上を含んでもよい。難燃性材料に関する上記の開示は、発泡体以外の材料を含むコアにも同様に適用可能である。
【0044】
図4に示す本開示のRFPE400は、外層201として絶縁材料を含み、コア層101として可撓性グラファイトを含んでもよい。図2に示す別の実施形態では、RFPE200は、絶縁層201に取り付けられた少なくとも1つの可撓性グラファイトシート101を含む。図3に示す別の実施形態では、RFPE300において、RFPE200の可撓性グラファイトシート101(図3に示されていない)は、絶縁層201に隣接するグラファイトドープシリコーン層301と置き換えられるかまたは組み合わせて使用されてもよい。シリコーン層のドープのためのグラファイト添加剤は、グラファイト粉末、膨張性グラファイト粉末またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0045】
図5に示すRFPE500は、可撓性グラファイトシート101の1つに隣接する金属裏張り層501を含んでもよい。適切な種類の金属としては、鋼、アルミニウム、銅およびそれらの合金が挙げられる。図6に示すRFPE600は、電気絶縁層601を含んでもよい。電気絶縁層601を含む任意の実施形態において、電気絶縁層601は最外層である。電気絶縁層601を形成するのに適した材料の一例は、ポリイミドを含んでもよい。
【0046】
本明細書に開示されるRFPEの利点は、火災伝播の抑制の向上である。本明細書に開示されるRFPEは、最大350℃の温度で、製造物品において最大50分の抑制された火災伝播を供するために使用することができる。
【0047】
実施例
種々のサンプルの火災伝播の減少を試験した。
【0048】
本明細書に開示されるRFPEによる5つのサンプル構成の構成および対照物は以下のとおりである。
サンプルA。可撓性グラファイト-250ミクロンエアロゲル-可撓性グラファイト(厚さ約4.5mm)(図12Aに示す)
サンプルB。可撓性グラファイト-セラミックウールおよびマイカ層-可撓性グラファイト(厚さ約4.5mm)(図12Bに示す)
サンプルC。可撓性グラファイト-ウーヴンメッシュおよびマイカ層-可撓性グラファイト(厚さ約3.3mm)(図12Cに示す)
サンプルD。可撓性グラファイト-膨張性グラファイトを有するシリコーン-可撓性グラファイト(厚さ約3.85mm)(図12Dに示す)
サンプルE。膨張性グラファイトを有する可撓性グラファイト-セラミック前駆体発泡体-可撓性グラファイト(厚さ約4.5mm)(図12Eに示す)
対照物。鋼板に結合された可撓性グラファイト。(図示せず)
【0049】
各可撓性グラファイトシート101は、400W/mKの熱伝導率および0.94mmの厚さを有する。各サンプルを0.59mm厚の亜鉛めっき鋼板金属片に接合した。各サンプルの成分を組み合わせるために、CotronicsResbond907などの耐火性接着剤を使用した。サンプルを層状にし、低重量下で硬化させて、隣接する層間の付着性を確実にした。
【0050】
各サンプルは、6(6")×6(6")インチである。
【0051】
サンプルを試験器具に固定した。~約10,000BTU(~3,000W)の火炎を供する熱源を使用した。各サンプルの頂部(火炎の反対側の面)および底部(火炎に隣接する面)中心で温度を測定した。火炎温度は約800~900℃であるが、底面の温度は500~600℃の範囲にあると予想された。各サンプルを50分間加熱し、各サンプルの厚さにわたる温度降下を測定した(底面温度と上面温度との間のデルタ(Δ)T)。報告されたΔTは、50分間の試験期間の最後の5分間にわたって得られた平均である。
【0052】
【表1】
【0053】
サンプルE、膨張性グラファイトを有する可撓性グラファイト-セラミック前駆体発泡体-可撓性グラファイトを有する積層体は、最も近い他のサンプル(サンプルA)および対照物よりも10%(10%)より大きいΔTを示し、最も低いΔTを有するサンプル(サンプルC)よりも45%超(45%)高かった。
【0054】
各サンプルおよび対照物の温度曲線を図13A~13Eおよび14に示す。
【0055】
図12A~Eには、サンプルA~Eの側面図が示される。膨張性グラファイトを含む各サンプル、サンプルDおよびEについて示されるように、グラファイトは膨張し、それによってチャー層を形成し、体積膨張の利点を供する。
【0056】
本出願において言及される全ての引用された特許および刊行物の開示は、その全体が基準により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示される種々の実施は、それらの任意の組み合わせで実施することができる。上記の説明は、当業者が本発明を実施することを可能にすることを意図している。説明を読むことによって当業者に明らかになる可能な変形および修正の全てを詳細にすることは意図されていない。しかしながら、全てのそのような修正および変形は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。特許請求の範囲は、文脈が特にそうでないことを示さない限り、本発明のために意図された対象物を満たすのに有効な任意の配置またはシーケンスで、示された要素およびステップを網羅することが意図される。
【0057】
本開示の単数の特性または制限に対するすべての基準は、別段の指定がない限りまたは基準がなされる文脈によって反対を明確に示唆されない限り、対応する複数の特性または制限を含むものとし、逆もまた同様である。したがって、本開示において、単語「a」または「an」は、単数および複数の両方を含むと解釈されるべきである。逆に、複数の項目への言及は、適切な場合、単数を含むものとする。
【0058】
特に明記しない限り(例えば、用語「正確に」の使用により)、本明細書および特許請求の範囲で使用される量、特性、例えば分子量、反応条件などを表す全ての数は、全てのインスタンスにおいて用語「約」により修飾されると理解されるべきである。したがって、特に明記しない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載される数値特性は、本発明の実施形態で得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0059】
本明細書に記載されていない場合、熱伝導率は、室温および標準圧力(1気圧)で供されるかまたは代替的に、可撓性グラファイト物品の平面伝導率のためのASTMD5470などの標準試験プロトコルが知られている場合、適切な試験条件で供される。
【0060】
本明細書で使用される方法またはプロセスステップの全ての組み合わせは、参照される組み合わせがなされる文脈によって別段の指定がない限りまたはそうでないことが明確に暗示されない限り、任意の順序で実施することができる。
【0061】
本明細書に開示されるパーセンテージ、部および比を含むがこれらに限定されないすべての範囲およびパラメータは、その中で想定され、包含される任意のおよびすべてのサブレンジ、ならびに端点間のすべての数を包含すると理解される。例えば、「1~10」の記載された範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(およびそれらを含む)任意のすべての部分範囲、すなわち、1以上の最小値(例えば、1~6.1)で始まり、10以下の最大値(例えば、2.3~9.4、3~8、4~7)で終わり、最後に、範囲内に含まれる各数1、2、3、4、5、6、7、8、9および10までを含むと考えられるべきである。
【0062】
本開示の遮蔽物品は、本明細書に記載される本開示の必須の要素および制限、ならびに本明細書に記載されるまたは遮蔽物品に有用な任意の追加のまたは任意の食材、構成要素または制限を含む、それらからなるまたはそれらから本質的になることができる。
【0063】
「含む(include)」、「含む(includes)」または「含む(including)」という用語が本明細書または特許請求の範囲において使用される限り、それらは、その用語が特許請求の範囲における移行語として使用されるときに解釈されるとき、用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることが意図される。さらに、用語「または」(例えば、AまたはB)が使用される範囲で、「AまたはBまたはAとBの両方」を意味することが意図される。本出願人が「AまたはBのみであり、両方ではない」ことを示すことを意図する場合、用語「AまたはBのみであり、両方ではない」が使用される。したがって、本明細書における「または」という用語の使用は、包括的であり、排他的な使用ではない。
【0064】
例示的な実施形態
【0065】
1.a.それぞれの可撓性グラファイトシートが少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する、第1および第2の可撓性グラファイトシートと、
b.発泡体および少なくとも1つの難燃性材料を含むコアと、
を具備し、
コアの対向する面上に配置された可撓性グラファイトシートが、互いに最小限に直接接触する
物品。
【0066】
2.コアの厚さが10mm以下である
例示的な実施形態1に記載の物品。
【0067】
3.発泡体が、セラミック前駆体、ポリウレタンエチルビニルアセテートまたはポリイソシアネート化合物の少なくとも1つを含む
例示的な実施形態1または2に記載の物品。
【0068】
4.セラミック前駆体が、以下の化合物:炭化ケイ素(SiC)、オキシ炭化ケイ素(SiO)、窒化シリコーン(Si)、炭窒化シリコーン(Si3+xx+y)および窒化シリコーン(SiO)ならびにそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態3に記載の物品。
【0069】
5.コアの厚さが5mm以下であり、可撓性グラファイトシートの各々の厚さが少なくとも0.5mmである
例示的な実施形態1、2、3または4の物品。
【0070】
6.難燃剤が膨張性グラファイトを含む
例示的な実施形態1、2、3、4または5に記載の物品。
【0071】
7.膨張性グラファイトの充填レベルが、少なくとも2重量%である
例示的な実施形態6に記載の物品。
【0072】
8.膨張性グラファイトの荷重レベルが50重量%以下である
例示的な実施形態6または7に記載の物品。
【0073】
9.膨張性グラファイトの開始温度が少なくとも160℃である
例示的な実施形態6、7または8に記載の物品。
【0074】
10.膨張性グラファイトの開始温度が350℃未満である
例示的な実施形態6、7または8に記載の物品。
【0075】
11.膨張性グラファイトが少なくとも325メッシュのサイズを有する
例示的な実施形態6、7、8、9または10の物品。
【0076】
12.メッシュが20以下のメッシュを含む
例示的な実施形態6、7、8、9、10または11の物品。
【0077】
13.難燃剤が、膨張性グラファイトに加えて少なくとも1つの他の難燃剤を含む
例示的な実施形態6、7、8、9、10、11または12の物品。
【0078】
14.1つの他の難燃剤が、Mg(OH)、アルミナ三水和物(ATH)、アンモニウムポリリン酸塩(APP)、メラミンポリリン酸塩(MPP)、ホウ酸亜鉛およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態13に記載の物品。
【0079】
15.可撓性グラファイトシート間に1つ以上の構造支持体を有しない
例示的な実施形態1~14のいずれか一項に記載の物品。
【0080】
16.a.それぞれの可撓性グラファイトシートが少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する、第1および第2の可撓性グラファイトシートと、
b.少なくとも1つの難燃性材料と、マイカ、エアロゲル、ウーヴンメッシュ、シリコーン樹脂、ガラス繊維、炭素繊維、ミネラルウール、石膏ボード、コンクリート、チタン、ニッケル合金およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む断熱材料と、少なくとも1つの難燃性材料とを含むコアと、
を具備し、
コアの対向する面上に配置された可撓性グラファイトシートが、互いに最小限に直接接触する
物品。
【0081】
17.コアの厚さが5mm以下であり、可撓性グラファイトシートの各々の厚さが少なくとも0.5mmである
例示的な実施形態16に記載の物品。
【0082】
18.難燃剤が膨張性グラファイトを含む
例示的な実施形態16に記載の物品。
【0083】
19.膨張性グラファイトの充填レベルが、少なくとも2重量%である
例示的な実施形態18に記載の物品。
【0084】
20.膨張性グラファイトの充填レベルが50重量%以下である
例示的な実施形態18に記載の物品。
【0085】
21.膨張性グラファイトの開始温度が少なくとも160℃である
例示的な実施形態18、19または20に記載の物品。
【0086】
22.膨張性グラファイトの開始温度が350℃未満である
例示的な実施形態18、19または20に記載の物品。
【0087】
23.膨張性グラファイトが少なくとも325メッシュのサイズを有する
例示的な実施形態18、19、20、21または22の物品。
【0088】
24.メッシュが20以下のメッシュを含む
例示的な実施形態18、19、20、21、22または23の物品。
【0089】
25.難燃剤が、膨張性グラファイトに加えて少なくとも1つの他の難燃剤を含む
例示的な実施形態18、19、20、21、22、23または24の物品。
【0090】
26.1つの他の難燃剤が、Mg(OH)、アルミナ三水和物(ATH)、アンモニウムポリリン酸塩(APP)、メラミンポリリン酸塩(MPP)、ホウ酸亜鉛およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態25に記載の物品。
【0091】
27.可撓性グラファイトシート間に1つ以上の構造支持体を有しない
例示的な実施形態16~26のいずれか一項に記載の物品。
【0092】
28.a.それぞれの可撓性グラファイトシートが少なくとも0.10mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する、第1および第2の可撓性グラファイトシートと、
b.発泡体および少なくとも1つの難燃性材料を含むコアと、
を具備し、
コアの対向する面上に配置された可撓性グラファイトシートが、互いに最小限に直接接触する
物品。
【0093】
29.コアの厚さが10mm以下である
例示的な実施形態28に記載の物品。
【0094】
30.発泡体が、セラミック前駆体、ポリウレタンエチルビニルアセテートまたはポリイソシアネート化合物の少なくとも1つを含む
例示的な実施形態29に記載の物品。
【0095】
31.セラミック前駆体が、以下の化合物:炭化ケイ素(SiC)、オキシ炭化ケイ素(SiO)、窒化シリコーン(Si)、炭窒化シリコーン(Si3+xx+y)および窒化シリコーン(SiO)ならびにそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態30に記載の物品。
【0096】
32.コアの厚さが5mm以下であり、可撓性グラファイトシートの各々の厚さが少なくとも0.5mmである
例示的な実施形態28~31のいずれか一項に記載の物品。
【0097】
33.難燃剤が膨張性グラファイトを含む
例示的な実施形態32に記載の物品。
【0098】
34.膨張性グラファイトの荷重レベルが少なくとも2重量%である
例示的な実施形態33に記載の物品。
【0099】
35.膨張性グラファイトの荷重レベルが50重量%である
例示的な実施形態33に記載の物品。
【0100】
36.膨張性グラファイトの開始温度が少なくとも160℃である
例示的な実施形態33、34または35に記載の物品。
【0101】
37.膨張性グラファイトの開始温度が350℃未満である
例示的な実施形態33、34または35に記載の物品。
【0102】
38.膨張性グラファイトが、少なくとも325メッシュのサイズを有する
例示的な実施形態33~37のいずれか一項に記載の物品。
【0103】
39.メッシュが20以下のメッシュを含む
例示的な実施形態33~38のいずれか一項に記載の物品。
【0104】
40.難燃剤が、膨張性グラファイトに加えて少なくとも1つの他の難燃剤を含む
例示的な実施形態33~38のいずれか一項に記載の物品。
【0105】
41.1つの他の難燃剤が、Mg(OH)、アルミナ三水和物(ATH)、アンモニウムポリリン酸塩(APP)、メラミンポリリン酸塩(MPP)、ホウ酸亜鉛およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態40に記載の物品。
【0106】
42.可撓性グラファイトシート間に1つ以上の構造支持体を有しない
例示的な実施形態28~41のいずれか一項に記載の物品。
【0107】
43.少なくとも10ミクロンの厚さを有する絶縁層であって、酸素環境下で少なくとも50分間、少なくとも350℃の温度に耐えることが可能な絶縁層と、
少なくとも0.25mmの厚さおよび少なくとも300W/mKの熱伝導率を有する可撓性グラファイト層またはグラファイトドープシリコーン複合体のいずれか1つと
を具備する複合物品。
【0108】
44.絶縁層が、タルク、マイカ、エアロゲル、ウーヴンメッシュ、シリコーン樹脂、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、セラミックウール、ミネラルウール、石膏ボード、コンクリート、チタン、ニッケル合金およびこれらの組み合わせである
例示的な実施形態43に記載の複合物品。
【0109】
45.絶縁層が完全緻密絶縁体を含む
例示的な実施形態43に記載の複合物品。
【0110】
46.絶縁層が耐火性材料を含む
例示的な実施形態43に記載の複合物品。
【0111】
47.絶縁層の厚さが、少なくとも約100ミクロンから約10mmまでである
例示的な実施形態43~46のいずれか一項に記載の複合物品。
【0112】
48.絶縁体の厚さが少なくとも1mmである
例示的な実施形態43~47のいずれか一項に記載の複合物品。
【0113】
49.絶縁層が、無機繊維、非金属繊維およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態43~48のいずれか一項に記載の複合物品。
【0114】
50.絶縁層が、アルミナ、ジルコニア、ホウ酸塩、シリカ、炭化物、これらの合金およびこれらの組み合わせの少なくとも1つから構成される
例示的な実施形態43~49のいずれか一項に記載の複合物品。
【0115】
51.合金が窒化物を含む
例示的な実施形態50に記載の複合物品。
【0116】
52.可撓性グラファイト層に隣接して配置された第2の絶縁層をさらに含み、グラファイトが複合体のコアを形成する
例示的な実施形態43~51のいずれか一項に記載の複合物品。
【0117】
53.第2の絶縁層が、タルク、マイカ、エアロゲル、ウーヴンメッシュ、シリコーン樹脂、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、セラミックウール、ミネラルウール、石膏ボード、コンクリート、チタン、ニッケル合金およびそれらの組み合わせの基の少なくとも1つを含む
例示的な実施形態52に記載の物品。
【0118】
54.第2の絶縁層が完全緻密絶縁体を含む
例示的な実施形態53に記載の複合物品。
【0119】
55.第2の絶縁層が耐火性材料を含む
例示的な実施形態54に記載の複合物品。
【0120】
56.第2の絶縁層の厚さが、少なくとも約100ミクロンから約10mmまでである
例示的な実施形態52~55のいずれか一項に記載の複合物品。
【0121】
57.第2の絶縁体の厚さが少なくとも1mmである
例示的な実施形態52~56のいずれか一項に記載の複合物品。
【0122】
58.第2の絶縁層が、無機繊維、非金属繊維およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
例示的な実施形態52~57のいずれか一項に記載の複合物品。
【0123】
59.第2の絶縁層が、アルミナ、ジルコニア、ホウ酸塩、シリカ、炭化物、これらの合金およびこれらの組み合わせの少なくとも1つから構成される
例示的な実施形態52~58のいずれか一項に記載の複合物品。
【0124】
60.合金が窒化物を含む
例示的な実施形態59に記載の複合物品。
【0125】
61.絶縁層が、有機バインダを含まない
例示的な実施形態43~55のいずれか一項に記載の複合物品。
【0126】
62.第2の絶縁層が、有機バインダを含まない
例示的な実施形態53~61のいずれか一項に記載の複合物品。
【0127】
63.金属裏張り層をさらに含み、例示的な実施形態43~62のいずれか1つの複合物品を含む
遮蔽物品。
【0128】
64.電気的に絶縁する最外層をさらに備える
例示的な実施形態63に記載の遮蔽物品。
【0129】
65.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.バッテリハウジングの2つ以上の面の少なくとも1つと接触する、
例示的な実施形態43~63のいずれか一項に記載の物品と、
を具備するバッテリパック。
【0130】
66.物品は、バッテリハウジングの面の内側または外側の一方に配置される
例示的な実施形態65に記載のバッテリパック。
【0131】
67.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.例示的な実施形態43~64のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
第1の物品は、バッテリハウジングの2つ以上の面の少なくとも1つと接触し、
第2の物品は、バッテリハウジングの、第1の物品が接する面とは異なる面と接触している
バッテリパック。
【0132】
68.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.例示的な実施形態43~64のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
第1の物品が、バッテリハウジングの2つ以上の面の少なくとも1つと接触し、
第2の物品は、2つの隣接するバッテリセルの間に配置される
バッテリパック。
【0133】
69.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.バッテリハウジングの2つ以上の面の少なくとも1つと接触する、
例示的な実施形態のいずれか一項に記載の物品と、
を具備するバッテリパック。
【0134】
70.物品は、バッテリハウジングの面の内側または外側の一方に配置される
例示的な実施形態69に記載のバッテリパック。
【0135】
71.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
第1の物品は、バッテリハウジングの2つ以上の面と接触し、
第2の物品は、バッテリハウジングの、第1の物品が接する面とは異なる面と接触している
を具備するバッテリパック。
【0136】
72.a.2つ以上の面を有するバッテリハウジングと、
b.バッテリハウジング内に配置された複数のバッテリセルと、
c.請求項1~4のいずれか一項に記載の第1および第2の物品と、
を具備し、
第1の物品は、バッテリハウジングの2つ以上の面と接触し、
第2の物品は、2つの隣接するバッテリセルの間に配置される
バッテリパック。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
【国際調査報告】